説明

健康管理支援システム

【課題】利用者の生体情報を遠隔で収集し、当該利用者の健康状態に応じた対処方法を提供することが可能な健康管理支援システムを提供する。
【解決手段】利用者の生体情報を取得する生体情報取得装置から前記生体情報を収集する収集手段と、前記収集手段が収集した生体情報を外部に送信する送信手段と、を有する端末装置と、前記端末装置から送信された生体情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した生体情報から前記利用者の健康状態を判定し、この健康状態に応じた対処方法を導出する健康状態判定手段と、前記健康状態判定手段が導出した対処方法を前記端末装置に提供する提供手段と、を有するサーバ装置と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、健康管理支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者から送信された生体情報をサーバ装置にて蓄積することで、利用者の健康状態を管理するシステムが提案されている。係るシステムでは、受信した生体情報の値が予め設定した上限値を超えている場合に、利用者に注意を促すことが可能となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のシステムでは、生体情報が所定の上限値を超えた場合に警告が通知されるものの、利用者はこの警告に対して、どのように対処すればよいのか分からず、健康管理を行う上で利便性に欠けるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
実施形態の健康管理支援システムは、収集手段と送信手段とを有する端末装置、及び、受信手段と健康状態判定手段と提供手段とを有するサーバ装置を備える。収集手段は、利用者の生体情報を取得する生体情報取得装置から生体情報を収集する。送信手段は、収集手段が収集した生体情報を外部に送信する。受信手段は、端末装置から送信された生体情報を受信する。健康状態判定手段は、受信手段が受信した生体情報から利用者の健康状態を判定し、この健康状態に応じた対処方法を導出する。提供手段は、健康状態判定手段が導出した対処方法を端末装置に提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】図1は、本実施形態に係る健康管理支援システムの全体構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、生体情報取得装置の構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、利用者端末の構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、サーバ装置の構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、電子カルテリポジトリのデータ構成の一例を模式的に示す図である。
【図6】図6は、生体情報登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】図7は、健康状態判定処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、健康管理支援情報提供処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下、添付図面を参照して、健康管理支援システムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0007】
図1は、本実施形態に係る健康管理支援システム100の全体構成を概略的に示す図である。同図に示すように、健康管理支援システム100は、生体情報取得装置10と、利用者端末20と、サーバ装置30とを有している。ここで、生体情報取得装置10及び利用者端末20は、Bluetooth(登録商標)等の小規模ネットワークPANで接続され、本システムを利用する利用者宅等に設置される。また、サーバ装置30は、インターネット等のネットワークWANを介して利用者端末20と接続され、病院等の医療機関等によって管理されている。なお、小規模ネットワークPANに接続される生体情報取得装置10の個数、ネットワークWANに接続される利用者端末20の個数は、図1の例に限らないものとする。
【0008】
生体情報取得装置10は、利用者から体重、体温、血圧、心拍数、心電図、血糖値等の生体情報を取得する。生体情報取得装置10は、例えば、各種の生体情報を計測する一又は複数のセンサ装置で構成され、当該センサ装置で取得(計測)された生体情報を、小規模ネットワークPANを介して利用者端末20に送信する。
【0009】
また、利用者端末20は、PC(Personal Computer)等の端末装置である。利用者端末20は、生体情報取得装置10で取得された生体情報を収集し、ネットワークWANを介してサーバ装置30に送信する。また、利用者端末20は、サーバ装置30から送信される後述する健康管理支援情報等を受信すると、これを利用者に提示する。
【0010】
また、サーバ装置30は、Webサーバやアプリケーションサーバ等の機能を備えたサーバ装置であって、利用者端末20から送信される各利用者の生体情報を記憶・管理する。また、サーバ装置30は、利用者端末20からの要求に応じて、利用者の健康管理を支援するための健康管理支援情報を利用者端末20に提供(送信)する。
【0011】
以下、図2〜図5を参照し、健康管理支援システム100を構成する各装置の構成について説明する。
【0012】
図2は、生体情報取得装置10の構成の一例を示す図である。同図に示すように、生体情報取得装置10は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12及びRAM(Random Access Memory)13を備えている。
【0013】
CPU11は、ROM12に記憶された各種プログラムを実行することにより、生体情報取得装置10を統括的に制御する。ROM12は、基本動作を行うためのプログラムを記憶している。RAM13は、生体情報取得装置10の主記憶装置であって、CPU11のワークエリアとして機能する。
【0014】
また、CPU11には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、生体情報取得部14及び通信I/F15が接続されている。ここで、生体情報取得部14は、利用者端末20の利用者から各種の生体情報の取得を行うセンサ装置である。また、通信I/F15は、小規模ネットワークPANを介し利用者端末20とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU11は、この通信I/F15を用いて、生体情報取得部14で取得された生体情報を利用者端末20に送信する。
【0015】
なお、生体情報取得部14は、複数の種別の生体情報を取得可能な一のセンサ装置又は複数のセンサ装置群であってもよいし、単一の種別の生体情報を取得可能な一のセンサ装置であってもよい。また、互いに異なる種別の生体情報の取得に特化した生体情報取得部14を具備する生体情報取得装置10を複数台用意し、これら複数の生体情報取得装置10で取得された生体情報を、利用者端末20にそれぞれ送信する形態としてもよい。
【0016】
図3は、利用者端末20の構成の一例を示す図である。同図に示すように、利用者端末20は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU21、ROM22及びRAM23を備えている。
【0017】
CPU21は、ROM22や後述する記憶部26に記憶された各種プログラムを実行することにより、利用者端末20を統括的に制御する。ROM22は、基本動作を行うためのプログラムを記憶している。RAM23は、利用者端末20の主記憶装置であって、CPU21のワークエリアとして機能する。
【0018】
また、CPU21には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、入力部24及び表示部25が接続されている。入力部24は、キーボードやポインティングデバイス等の入力デバイスを有し、利用者端末20の操作者から入力された操作内容をCPU21に通知する。表示部25は、LCD等の表示デバイスを有し、CPU21の指示に従い各種の情報を表示する。
【0019】
また、CPU21には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部26、第1通信I/F27及び第2通信I/F28が接続されている。
【0020】
記憶部26は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、後述する各機能部を実現するための各種プログラムや各種ファイルを記憶している。第1通信I/F27は、生体情報取得装置10とデータ通信を行うためのネットワークインタフェースである。また、第2通信I/F28は、サーバ装置30とデータ通信を行うためのネットワークインタフェースである。CPU21は、第1通信I/F27を介して生体情報取得装置10から生体情報を受信する。また、CPU21は、第2通信I/F28を介してサーバ装置30との間で種々のデータを送受信する。
【0021】
図4は、サーバ装置30の構成の一例を示す図である。同図に示すように、サーバ装置30は、情報処理を実行するマイクロコンピュータとして、CPU31、ROM32及びRAM33を備えている。
【0022】
CPU31は、ROM32や後述する記憶部36に記憶された各種プログラムを実行することにより、サーバ装置30を統括的に制御する。ROM32は、基本動作を行うためのプログラムを記憶している。RAM33は、サーバ装置30の主記憶装置であって、CPU31のワークエリアとして機能する。
【0023】
また、CPU31には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、入力部34及び表示部35が接続されている。入力部34は、キーボードやポインティングデバイス等であって、サーバ装置30の操作者から入力されたキー情報をCPU31に通知する。表示部35は、LCD等の表示デバイスを有し、CPU31の指示に従い各種の情報を表示する。
【0024】
また、CPU31には、各種の入出力回路(図示せず)を介して、記憶部36及び通信I/F37が接続されている。
【0025】
記憶部36は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体であって、後述する各機能部を実現するための各種プログラムや各種ファイルを記憶している。記憶部36が記憶するファイルとしては、例えば、各利用者から送信された生体情報や、当該利用者の健康状態に応じた対処方法等を記憶・管理する電子カルテリポジトリ361等が挙げられる。
【0026】
ここで、図5は、電子カルテリポジトリ361のデータ構成の一例を模式的に示す図である。同図に示すように、電子カルテリポジトリ361は、各利用者(又は利用者端末20)を識別する識別情報としての利用者IDと、各利用者の性別や身長、体重、血圧、血糖値等の身体的特徴を記録した身体特徴情報と、日付毎の生体情報と、付記情報とを関連付けて格納する。なお、付記情報には、後述する健康状態判定部313により導出された対処方法が格納されるものとする。
【0027】
図4に戻り、通信I/F37は、利用者端末20とデータ通信を行うためのインタフェースである。CPU31は、通信I/F37を介して利用者端末20から生体情報を受信する。また、CPU31は、通信I/F37を介して健康管理支援情報を利用者端末20に送信する。なお、図示しないが、サーバ装置30は、RTC(Real Time Clock)等の計時装置を具備し、CPU31は計時装置が計時する時刻情報に基づいて、現在日時(年月日)を取得できるものとする。
【0028】
次に、図3及び図4を参照して、利用者端末20及びサーバ装置30が有する特徴的な機能について説明する。
【0029】
図3に示すように、利用者端末20のCPU21は、ROM22や記憶部26に記憶されたプログラムとの協働により、通信制御部211、生体情報収集部212、操作受付部213及び表示制御部214を実現させる。
【0030】
通信制御部211は、第1通信I/F27の動作を制御することで、生体情報取得装置10との間のデータ通信を制御する。また、通信制御部211は、第2通信I/F28の動作を制御することで、サーバ装置30との間のデータ通信を制御する。なお、通信制御部211は、サーバ装置30へのアクセスの際に、自己の利用者端末20を操作する利用者を識別可能な利用者IDをサーバ装置30に通知するものとする。
【0031】
ここで、利用者IDは、各利用者の氏名や固有の情報(例えば、会員番号)であってもよいし、利用者端末20に割り当てられた固有の情報(例えば、コンピュータ名やIPアドレス等)であってもよい。なお、利用者の氏名や会員番号を利用者IDとする場合、サーバ装置30へのアクセスに先駆けて利用者IDが入力部24を介して入力される形態としてもよいし、記憶部26に予め記憶しておいた利用者IDを用いる形態としてもよい。
【0032】
生体情報収集部212は、通信制御部211を介して生体情報取得装置10から送信された利用者の生体情報を収集する。また、生体情報収集部212は、収集した生体情報を、通信制御部211を介してサーバ装置30に送信する。ここで、生体情報収集部212は、生体情報を受診した順に収集することで取得された生体情報の時系列を保持し、この時系列を保持した状態でサーバ装置30に送信する。なお、生体情報をサーバ装置30に送信するタイミングは特に問わないものとする。例えば、3時間等の所定時間毎に送信する形態としてもよいし、生体情報を収集する度にサーバ装置30に送信する形態としてもよい。
【0033】
操作受付部213は、入力部24を介して入力された操作内容を受け付け、当該操作内容に応じた処理を実行する。具体的に、操作受付部213は、入力部24を介して自己の利用者端末20を操作する利用者から健康管理支援情報の取得を要求する操作を受け付けると、この健康管理支援情報を要求する要求情報を生成し、通信制御部211を介してサーバ装置30に送信する。
【0034】
また、表示制御部214は、サーバ装置30から送信(提供)される健康管理支援情報等の各種の情報を表す画面を表示部25に表示する。
【0035】
一方、サーバ装置30のCPU31は、ROM32や記憶部36に記憶されたプログラムとの協働により、図4に示すように、通信制御部311、生体情報登録部312、健康状態判定部313及び情報提供部314を実現させる。
【0036】
通信制御部311は、通信I/F37の動作を制御することで、利用者端末20との間の通信を制御する。具体的に、通信制御部311は、利用者端末20から送信される生体情報や要求情報等を、通信I/F37を用いて受信する。また、通信制御部311は、情報提供部314から提供される健康管理支援情報を、通信I/F37を用いて利用者端末20に送信する。
【0037】
生体情報登録部312は、通信制御部311が生体情報を受信する毎に、この生体情報と受信した日時を、送信元の利用者端末20の利用者IDと関連付け、電子カルテリポジトリ361に登録する。ここで、電子カルテリポジトリ361に登録される生体情報は、時系列順に登録されるものとする。
【0038】
健康状態判定部313は、電子カルテリポジトリ361に登録された各利用者IDの生体情報から、この利用者IDに係る利用者の健康状態を判定し、健康状態に応じた対処方法を導出する機能部である。具体的に、健康状態判定部313は、電子カルテリポジトリ361に登録された各利用者IDについて、種別毎の生体情報と所定の基準値とを比較することでその差分値を算出し、この差分値に基づいて利用者の健康状態が正常か否かを判定する。なお、比較の対象となる生体情報は一に限らず、所定時間分(例えば、最新の登録時間から3時間前迄等)の生体情報を対象とし、それらの変化量や平均値を参酌する形態としてもよい。
【0039】
ここで、各種の生体情報と比較する基準値や、正常か異常かの判定の指標となる閾値は、性別や年齢、身長、体重等、電子カルテリポジトリ361に登録された各利用者IDの身体特徴情報の条件に基づいて、利用者ID毎に設定されるものとする。なお、利用者毎の基準値及び閾値は、対応する利用者IDと関連付けて電子カルテリポジトリ361等に予め記憶する形態としてもよいし、各利用者の身体特徴情報に基づき所定の関係式から動的に生成する形態としてもよい。
【0040】
また、健康状態判定部313は、健康状態の判定結果や生体情報の変化量に基づいて、健康状態を改善するための対処方法を導出すると、この対処方法を電子カルテリポジトリ361に登録された対応する利用者IDの付記情報に格納する。ここで、対処方法の導出は、生体情報の差分値に対応する健康状態の各条件とその対処方法とを関連付けたデータベース(図示せず)を参照して行うものとする。また、健康状態の判定結果や生体情報の変化量を医師等の医療従事者に判定結果を通知し、当該医療従事者から入力(送信)された情報を対処方法とする形態としてもよい。なお、医療従事者への通知方法は特に問わず、例えば、医療従事者の電子メール宛に送信する形態としてもよいし、医療従事者の端末がサーバ装置30とオンラインで接続されている場合には、該当する生体情報を確認する旨のメッセージを当該端末に表示させる形態としてもよい。また、医療従事者への通知は、健康状態に異常ありと判定した場合に行う形態としてもよい。
【0041】
情報提供部314は、通信制御部311が要求情報を受信した場合に、送信元の利用者端末20の利用者IDに関連付けられた付記情報を電子カルテリポジトリ361から読み出し、健康管理支援情報として通信制御部311を介して送信元の利用者端末20に提供する。なお、提供する情報は付記情報のみに限らず、健康状態判定部313による判定結果や生体情報の変化量、電子カルテリポジトリ361に蓄積された生体情報自体を参照可能に提供する形態としてもよい。
【0042】
以下、図6〜図8を用いて、健康管理支援システム100の動作について説明する。図6は、生体情報取得装置10と、利用者端末20と、サーバ装置30との間で行われる生体情報登録処理の手順を示すフローチャートである。
【0043】
まず、健康管理支援システム100の利用者により生体情報取得装置10の操作が行われると、当該生体情報取得装置10の生体情報取得部14は、この利用者の生体情報を取得する(ステップS11)。続いて、生体情報取得装置10のCPU11は、ステップS11で取得された生体情報を利用者端末20に送信する(ステップS12)。
【0044】
一方、利用者端末20では、通信制御部211が生体情報取得装置10から生体情報を受信する毎に(ステップS21)、生体情報収集部212は、この生体情報を収集し(ステップS22)、収集した生体情報を所定のタイミングでサーバ装置30に送信する(ステップS23)。なお、上述したように、サーバ装置30へのアクセスの際には、利用者端末20を操作する利用者の利用者IDがサーバ装置30に送信されるものとする。
【0045】
サーバ装置30では、通信制御部311が利用者端末20から送信された生体情報を受信すると(ステップS31)、生体情報登録部312は、この生体情報及び受信日時を、送信元の利用者端末20の利用者IDと関連付け、電子カルテリポジトリ361に登録すし(ステップS32)、本処理を終了する。
【0046】
このように、生体情報登録処理の実行によって、生体情報取得装置10で取得された利用者の生体情報が、当該利用者の利用者IDと関連付けてサーバ装置30に記憶・管理される。これにより、各利用者の生体情報を遠隔で収集し、記憶・管理することが可能となる。
【0047】
図7は、サーバ装置30で行われる健康状態判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、本処理を実行するタイミングは特に問わず、例えば、一日に一度、各利用者(利用者ID)の前日分の生体情報を処理の対象とし、本処理を実行する形態としてもよいし、利用者端末20からの要求情報に応じてその都度実行する形態としてもよい。
【0048】
まず、サーバ装置30の健康状態判定部313は、電子カルテリポジトリ361を参照し、判定対象となる一の利用者IDを選択する(ステップS41)。例えば、特定の利用者端末20から健康管理支援情報要求が送信された場合には、健康状態判定部313は、この利用者端末20の利用者IDを判定対象に設定する。
【0049】
続いて、健康状態判定部313は、ステップS41で選択した識別情報に関連付けられた日毎の生体情報のうち、判定対象となる日付の生体情報を抽出する(ステップS42)。ここで、判定対象の日付は、前日分や本日分の日付等、最近の日付の生体情報を判定対象とすることが好ましい。また、複数の日付を判定対象としてもよく、例えば、前日から本日にかけての生体情報を判定対象とする形態としてもよい。
【0050】
次いで、健康状態判定部313は、抽出した生体情報を種別毎に分別し、ステップS41で選択した利用者ID用の各基準値と比較することでその差分値を算出する(ステップS43)。続いて、健康状態判定部313は、算出した各生体情報の差分値に基づいて利用者の健康状態が正常か否かを判定する(ステップS44)。
【0051】
ステップS44において正常と判定した場合(ステップS44;Yes)、ステップS46に直ちに移行する。また、ステップS44において異常と判定した場合(ステップS44;No)、健康状態判定部313は、判定の根拠となった生体情報と、その判定結果を医療従事者に通知し(ステップS45)、ステップS46に移行する。なお、本処理では、健康状態に異常ありと判定した場合に医療従事者に通知する形態としたが、これに限らないものとする。
【0052】
ステップS46において、健康状態判定部313は、ステップS44の判定結果に基づいて、利用者の健康状態に応じた対処方法を導出する(ステップS46)。なお、医療従事者から情報が入力された場合には、健康状態判定部313は、この情報を対処方法として導出し処理を進める。続いて、健康状態判定部313は、導出した対処方法を電子カルテリポジトリ361に登録された対応する利用者IDの付記情報に格納し(ステップS47)、本処理を終了する。
【0053】
このように、サーバ装置30では、利用者端末20から送信された利用者の生体情報に基づいて、当該利用者の健康状態を判定し、この判定結果に応じた対処方法を所定のタイミングで導出する。
【0054】
次に、図8を参照し、利用者端末20と、サーバ装置30との間で行われる健康管理支援情報提供処理について説明する。ここで、図8は、利用者端末20と、サーバ装置30との間で行われる健康管理支援情報提供処理の手順を示すフローチャートである。
【0055】
まず、利用者端末20において、操作受付部213は、入力部24を介して健康管理支援情報の取得を要求する指示操作を受け付けると(ステップS51)、この健康管理支援情報を要求する要求情報をサーバ装置30に送信する(ステップS52)。なお、上述したように、サーバ装置30へのアクセスの際には、利用者端末20を操作する利用者の利用者IDがサーバ装置30に送信されるものとする。
【0056】
サーバ装置30では、通信制御部311が利用者端末20から要求情報を受信すると(ステップS61)、情報提供部314は、この要求情報を送信した利用者端末20の利用者IDに関連付けられた生体情報や付記情報等を、電子カルテリポジトリ361から読み出す(ステップS62)。次いで、情報提供部314は、ステップS62で読み出した情報を健康管理支援情報とし、要求情報を送信した利用者端末20に送信(提供)する(ステップS63)。
【0057】
利用者端末20では、通信制御部211がサーバ装置30から健康管理支援情報を受信すると(ステップS53)、表示制御部214は、この健康管理支援情報に基づいた画面を表示部25に表示し(ステップS54)、本処理を終了する。
【0058】
これにより、利用者端末20を操作する利用者は、自己の健康状態に応じた健康管理支援情報(対処方法等)を参照することができるため、この健康管理支援情報の内容に基づいて対処することで、健康状態の維持又は改善を図ることが可能となる。
【0059】
以上のように、本実施形態によれば、各利用者の生体情報を容易に蓄積することができるとともに、当該生体情報から利用者の健康状態を判定し、この判定結果に応じた対処方法を利用者に提供する。これにより、各利用者の健康状態に応じた対処方法を遠隔で提供することができるため、各利用者において健康管理を行う上での利便性を向上させることができる。
【0060】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態では、電子カルテリポジトリ361をサーバ装置30が備える形態としたが、これに限らず、サーバ装置30がアクセス可能な外部装置(例えば、データベースサーバ)に、電子カルテリポジトリ361が記憶されている形態としてもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、電子カルテリポジトリ361に蓄積した生体情報に基づき健康状態を判定する形態としたが、これに限らず、利用者端末20から受信した生体情報と基準値とを比較することで、受信した生体情報から健康状態を直接判定する形態としてもよい。
【0063】
また、上記実施形態では、サーバ装置30は利用者端末20からの要求情報に応じて健康管理支援情報を提供する形態としたが、これに限らず、サーバ装置30から利用者端末20に向けて一方的に健康管理支援情報を送信する形態としてもよい。なお、この形態の場合、健康状態に異常ありとの判定時に健康管理支援情報を送信することが好ましい。
【0064】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らず、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0065】
また、上記実施形態の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよく、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0066】
100 健康管理支援システム
10 生体情報取得装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 生体情報取得部
15 通信I/F
20 利用者端末
21 CPU
211 通信制御部
212 生体情報収集部
213 操作受付部
214 表示制御部
22 ROM
23 RAM
24 入力部
25 表示部
26 記憶部
27 第1通信I/F
28 第2通信I/F
30 サーバ装置
31 CPU
311 通信制御部
312 生体情報登録部
313 健康状態判定部
314 情報提供部
32 ROM
33 RAM
34 入力部
35 表示部
36 記憶部
361 電子カルテリポジトリ
37 通信I/F
【先行技術文献】
【特許文献】
【0067】
【特許文献1】特開2002−245177公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の生体情報を取得する生体情報取得装置から前記生体情報を収集する収集手段と、前記収集手段が収集した生体情報を外部に送信する送信手段と、を有する端末装置と、
前記端末装置から送信された生体情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した生体情報から前記利用者の健康状態を判定し、この健康状態に応じた対処方法を導出する健康状態判定手段と、前記健康状態判定手段が導出した対処方法を前記端末装置に提供する提供手段と、を有するサーバ装置と、
を備えたことを特徴とする健康管理支援システム。
【請求項2】
前記健康状態判定手段は、前記利用者の健康状態を医療従事者に通知し、当該医療従事者から入力される情報を前記対処方法として導出することを特徴とする請求項1に記載の健康管理支援システム。
【請求項3】
前記健康状態判定手段は、前記受信手段で受信された生体情報と所定の基準値との差分に基づいて、前記利用者の健康状態が正常か否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の健康管理支援システム。
【請求項4】
前記健康状態判定手段は、前記利用者の身体的特徴に応じた前記基準値を用いて、健康状態が正常か否かの判定を行うことを特徴とする請求項3に記載の健康管理支援システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、前記利用者の識別情報と、当該利用者の端末装置から前記受信手段が受信した生体情報と、当該生体情報について前記健康状態判定手段が導出した対処方法とを関連付けて記憶する記憶手段をさらに備え、
前記健康状態判定手段は、前記記憶手段に記憶された生体情報の変化量を時系列順に辿ることで前記利用者の健康状態を判定することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の健康管理支援システム。
【請求項6】
前記端末装置は、前記利用者からの入力操作に応じて、前記対処方法を要求する要求情報を前記利用者の識別情報とともに前記サーバ装置に送信する対処方法要求手段を更に備え、
前記サーバ装置の前記提供手段は、前記端末装置から送信された前記要求情報に応じて、当該要求情報とともに送信された識別情報に対応する対処方法を前記記憶手段から読み出し、前記端末装置に提供することを特徴とする請求項5に記載の健康管理支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−110593(P2012−110593A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−264101(P2010−264101)
【出願日】平成22年11月26日(2010.11.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】