側溝を施工する方法および側溝用ブロック
【課題】止水性能の高い側溝を施工する。
【解決手段】 側溝用ブロック10(10a)は、左右一対の側壁11(12)と、底壁13と、上壁14と、側壁11(12)の端面11a(12a)に沿って上下に延びるように形成された左右一対の縦溝31a(31b)と、底壁13の端面13aに沿って左右に延びるとともに縦溝31a(31b)に連通するように形成された横溝32とを含む。側溝1を施工する方法は、側溝用ブロック10の端面21と隣接する側溝用ブロック10aの端面21とが接するように位置合わせすることにより、側壁11(12)の上面41に左右一対の開口51を形成するとともに、縦溝31a(31b)および横溝32により一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成することと、一方の開口51aからモルタル60を注入することと、他方の開口51bへのモルタル60の到達を確認することとを有する。
【解決手段】 側溝用ブロック10(10a)は、左右一対の側壁11(12)と、底壁13と、上壁14と、側壁11(12)の端面11a(12a)に沿って上下に延びるように形成された左右一対の縦溝31a(31b)と、底壁13の端面13aに沿って左右に延びるとともに縦溝31a(31b)に連通するように形成された横溝32とを含む。側溝1を施工する方法は、側溝用ブロック10の端面21と隣接する側溝用ブロック10aの端面21とが接するように位置合わせすることにより、側壁11(12)の上面41に左右一対の開口51を形成するとともに、縦溝31a(31b)および横溝32により一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成することと、一方の開口51aからモルタル60を注入することと、他方の開口51bへのモルタル60の到達を確認することとを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製の側溝を施工する方法および側溝用ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、施工時間の短縮を図り、地震などによる側溝の変位を軽減し、十分な止水効果を得ることのできる側溝の継目止水構造を提供することが記載されている。そのため、特許文献1には、略コ字状の側溝を複数連設することで形成される流路の、隣接する側溝間の継目をシールする側溝の継目止水構造において、隣接する側溝に接する側溝の両端面の略コ字状の脚部に、それぞれ上下方向に延びる切欠き溝を形成し、側溝を複数連設するときには、側溝の切欠き溝と、それら切欠き溝に相対向する位置に形成された同一の切欠き溝を有する隣接する側溝のそれら切欠き溝との間に、スポンジゴム材で被覆された芯材が嵌め込まれ、切欠き溝に対する芯材の大きさを芯材の嵌合時に芯材の中心線が接合ライン上に位置するようにしたことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−183739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の側溝用ブロックを連結して施工(製造)される側溝において、漏水を防止することが望ましい用途においては、ブロック同士の継ぎ目(繋ぎ目、接合部、目地)からの漏水を防止することが求められる。
【0005】
特許文献1に開示された技術においては、ブロックの端面に形成された切欠き溝にゴム材を嵌め込むことにより継ぎ目をシールする止水構造が記載されている。しかしながら、ブロック同士を接続する前に、切欠き溝の形状に合わせてゴム材を成形して嵌め込む必要があり手間がかかるとともに、ブロック同士を接続する際にゴム材が外れると止水性能が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様の1つは、コンクリート製の複数の側溝用ブロックを接続して側溝を施工する方法である。複数の側溝用ブロックのそれぞれは、流路を形成する左右一対の側壁と、左右一対の側壁の下部を接続する底壁および左右一対の側壁の上部を接続する上壁の少なくともいずれか一方を備えた連結壁と、左右一対の側壁の端面に沿って上下に延びるように形成された左右一対の第1の溝であって、当該左右一対の第1の溝のそれぞれの上端が左右一対の側壁の上面に達した左右一対の第1の溝と、連結壁の端面に沿って左右に延びるように形成された第2の溝であって、当該第2の溝の左右の端が左右一対の第1の溝に連通した第2の溝とを含む。この方法は、以下の工程を有する。
1.側溝用ブロックの端面と隣接する他の側溝用ブロックの端面とが接するように位置合わせすることにより、左右一対の側壁の上面に左右一対の開口を形成するとともに、左右一対の第1の溝および第2の溝により左右一対の開口の一方の開口と他方の開口とを連通する連通孔を形成すること(連通孔を形成する工程)。
2.一方の開口から流動性のシール材を注入すること(シール材を注入する工程)。
3.他方の開口へのシール材の到達を確認すること(シール材の到達を確認する工程)。
【0007】
この方法では、左右一対の開口を連通する連通孔の一方の開口から流動性のシール材を注入して、他方の開口へのシール材の到達を確認することにより、連通孔へのシール材の充填を確認できる。このため、側溝用ブロック同士を位置合わせした後にシール材の充填を確認できるので、側溝用ブロック同士の継ぎ目(繋ぎ目、接合部)の止水性能が高い側溝を施工できる。したがって、位置合わせした後にシール材を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔を形成する第1の溝が側壁の端面に沿って上下に延びるように形成されているため左右方向の位置ずれを抑制しやすく、また、連通孔を形成する第2の溝が連結壁の端面に沿って左右に延びるように形成されているため上下方向の位置ずれ、たとえば地盤沈下による位置ずれも抑制しやすい側溝を施工できる。
【0008】
シール材の到達を確認することは、他方の開口からシール材の排出を確認することを含むことが望ましい。一方の開口から他方の開口に至るまで連通孔にシール材が確実に充填されていることを確認できる。シール材を注入することは、モルタルを注入することを含むことが望ましい。モルタルが他方の開口から溢れるなどの現象により、連通孔にモルタルが充填されていることを目視で確認できる。
【0009】
左右一対の第1の溝および第2の溝は、半円形の断面形状または凸多角形を半分にした断面形状を備えていることが望ましい。円形の断面形状または凸多角形、たとえば六角形や八角形などの断面形状を備えた連通孔を形成できるので、断面積に対して周長を短くしやすく、摩擦抵抗を低下させてモルタルをスムーズに流しやすくできる。
【0010】
本発明の異なる態様の1つは、流路を形成する左右一対の側壁と、左右一対の側壁の下部を接続する底壁および左右一対の側壁の上部を接続する上壁の少なくともいずれか一方を含む連結壁と、左右一対の側壁の端面に沿って上下に延びるように形成された左右一対の第1の溝であって、当該左右一対の第1の溝のそれぞれの上端が左右一対の側壁の上面に達した左右一対の第1の溝と、連結壁の端面に沿って左右に延びるように形成された第2の溝であって、当該第2の溝の左右の端が左右一対の第1の溝に連通した第2の溝とを有する、コンクリート製の側溝用ブロックである。
【0011】
この側溝用ブロックを複数、隣接する側溝用ブロックの端面同士が接するように、位置合わせすることにより、左右一対の側壁の上面に左右一対の開口を形成するとともに、左右一対の第1の溝および第2の溝により左右一対の開口の一方の開口と他方の開口とを連通する連通孔を形成できる。このため、一方の開口からモルタルなどの流動性のシール材を注入し、他方の開口へのシール材の到達を確認することにより、連通孔へのシール材の充填を確認できる。したがって、位置合わせした後にシール材の充填を確認できるので、側溝用ブロック同士の継ぎ目(繋ぎ目、接合部)の止水性能が高い側溝を施工できる。左右一対の第1の溝および第2の溝は、凸多角形を半分にした断面形状または半円形の断面形状を備えていることが望ましい。
【0012】
本発明のさらに異なる態様の1つは、上記側溝用ブロックを複数、隣接する側溝用ブロックの端面同士を合わせて施工した側溝である。この側溝は、側溝用ブロックの左右一対の側壁の上面に左右一対の開口が形成され、左右一対の第1の溝および第2の溝により左右一対の開口の一方の開口と他方の開口とを連通する連通孔であって、モルタルが充填された連通孔を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】複数の側溝用ブロックを連結した側溝の概要を示す斜視図。
【図2】図2(a)は図1に示す側溝用ブロックの正面図、図2(b)は平面図、図2(c)は底面図、図2(d)は右側面図、図2(e)はe−e断面図、図2(f)はf−f断面図。
【図3】図1に示す側溝用ブロック同士を連結する様子を示す斜視図。
【図4】図1に示す側溝用ブロック同士の継ぎ目を示す平面図。
【図5】図1に示す側溝用ブロック同士の継ぎ目を示すV−V断面図(図3のV−V断面)。
【図6】図1に示す側溝用ブロック同士の継ぎ目を示すVI−VI断面図(図3のVI−VI断面)。
【図7】シール材を注入する工程を模式的に示す図。
【図8】シール材の到達を確認する工程を模式的に示す図。
【図9】異なる複数の側溝用ブロックを連結した側溝の概要を示す斜視図。
【図10】図10(a)は図9に示す側溝用ブロックの正面図、図10(b)は平面図、図10(f)はf−f断面図。
【図11】さらに異なる側溝用ブロック同士を連結する様子を示す斜視図。
【図12】さらに異なる側溝用ブロック同士を連結する様子を示す斜視図。
【図13】さらに異なる側溝用ブロック同士を連結する様子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に、複数の側溝用ブロックを長手方向に連結した側溝の概要を斜視図で示している。側溝1は、横断部を除き、道路2に沿うように施工および製造されることが多い。側溝1は、ほぼ直方体状の複数の側溝用ブロック10(10a)を含み、それら複数の側溝用ブロック10(10a)は、その長手方向101に沿って連結(接続)されている。
【0015】
図2(a)〜(d)に、側溝用ブロック10を各方向から見た様子を示しており、図2(a)は正面図、図2(b)は平面図、図2(c)は底面図、図2(d)は右側面図である。なお、側溝用ブロック10の背面図は正面図と対称に表れ、左側面図は右側面図と対称に表れる。図2(e)および(f)に、側溝用ブロック10の断面の様子を示しており、図2(e)は図2(a)のe−e断面図、図2(f)は図2(a)のf−f断面図である。
【0016】
側溝用ブロック10は、流路100を形成する左右一対の側壁11および12と、側壁11および12の下部を接続する底壁13と、側壁11および12の上部を接続する上壁14とを備えている。このため、この側溝用ブロック10は、左右一対の側壁11および12を接続する連結壁として底壁13および上壁14の両方を含む。側溝用ブロック10は、いわゆるカルバートタイプと称される側溝用ブロックであり、道路2などから流れ込む雨水などの排水4を集水して流路100により所定の場所に導くことができる。
【0017】
本例の流路100は、盾形の流路断面を有し、底壁13の側の曲率を大きくしているため、排水4の流量が小さい場合であっても水深を確保しやすく、側溝1の掃流力を向上させて底泥の堆積を抑制しやすい。
【0018】
側溝用ブロック10は、全体として直方体状であるが、長手方向101の両側の端面21を除き底部の外側が斜めにカットされており、直立型の両端の基部49と、これらの基部49に挟まれた底部の外側が斜めにカットされた部分48とを含む。直立型の両端の基部49により側溝用ブロック10の強度が確保できるので、その間の底部の外側48にカットした形状(デザイン)を採用することにより、軽量化と、低コスト化を図っている。
【0019】
この側溝用ブロック10は、さらに、上壁14の上面22の中央には長手方向101に沿って形成された凹型水路22aと、凹型水路22aの長手方向101に断続的に等間隔に設けられた4つのスリット状で流路100に至る取水(集水)孔43と、両側の端面21に上壁14の上面22から流路100に至るように設けられた取水(集水)用の切り欠き42とを含む。凹型水路22aは、上面22の中央がわずかに窪んだ凹型の水路であって、両側の端面14aに形成された切り欠き42を繋いでいる。したがって、道路2などに降った雨水あるいは排水は、側溝用ブロック10の上面22を流れて凹型水路22aに流れ込み、両端の切欠き42と、凹型水路22aに設けられた取水孔43とにより、側溝用ブロックの内部の流路100に集められる。
【0020】
これら取水孔43は、上面22から流路100に向けてテーパー状に広がるように、上壁14を上下に貫通して形成されている。このため、取水孔43の断面は、排水4の流入する上面22の側よりも排水4の流出する流路100の側が大きく、排水4に含まれるゴミや土砂などが取水孔43に詰まることを抑制でき、上面22の排水4を流路100へスムーズに導くことができる。
【0021】
この側溝用ブロック10は、さらに、左右一対の側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下(鉛直方向)に延びるように形成された左右一対の第1の溝(縦溝)31aおよび31bと、底壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32とを備えている。縦溝31aおよび31bは、それぞれの上端(上端部)41aおよび41bが左右一対の側壁11および12の上面41に達している。横溝32は、左右の端が湾曲した第3の溝(湾曲溝)33を介して左右一対の縦溝31aおよび31bに繋がっている。このため、この側溝用ブロック10は、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32および湾曲溝33により構成されたU字型のモルタル溝30を含む。
【0022】
縦溝31aおよび31bは、端面11aおよび12aのそれぞれのほぼ中央に配置されるように形成され、横溝32は、端面13aのほぼ中央に配置されるように形成されている。このため、モルタル溝30の両側に所定の厚みを確保できるので、端面21の角欠け、剥離およびクラックなどの発生を抑制しやすい。
【0023】
図3から図8に、側溝用ブロック10を用いて図1に示した側溝1を施工(製造)する方法について示している。図3に、側溝用ブロック10同士を長手方向101に隣接するように据え付けて繋ぎ合わせる様子を斜視図で示している。図4に、側溝用ブロック10同士を繋ぎ合わせた継ぎ目(接合面)を平面図で示している。図5に、側溝用ブロック10同士を繋ぎ合わせた継ぎ目(接合面)を図3のV−V断面図で示している。図6に、側溝用ブロック10同士を繋ぎ合わせた継ぎ目(接合面)を図3のVI−VI断面図で示している。図7に、モルタルを一方の開口から注入している様子を模式的に示している。図8に、モルタルが他方の開口に到達した様子を模式的に示している。
【0024】
まず、図3に示すように、道路2に沿って側溝1を施工するために、道路2に沿った領域を掘削して基礎コンクリート3を施工(打設)し、その基礎コンクリート3の上に側溝用ブロック10および隣接する他の側溝用ブロック10aを、それぞれの側溝用ブロック10および10aの端面が接するように位置合わせする。すなわち、複数の側溝用ブロック10および10aを長手方向101に隣接するように据え付け、端面21同士を直に合わせる。これにより、左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bを形成するとともに、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32、湾曲溝33により、左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成する。すなわち、側溝用ブロック10および10aを直線的に並べて、端面21同士を合わせることにより、それぞれの側溝用ブロック10および10aの側壁11および12の上面41に表れたモルタル溝30の上端41a(41b)同士が組み合わされることにより左右一対の開口51aおよび51bが形成される(連通孔を形成する工程)。
【0025】
連通孔を形成する工程では、端面21同士を直に合わせて側壁11および12の上面41に開口51aおよび51bを形成することにより、側溝用ブロック10および10aの継ぎ目(接合部、目地)25の流路100の周囲の領域に、継ぎ目25に沿って開口51aから縦溝31a、湾曲溝33、横溝32、湾曲溝33および縦溝31bを介して開口51bへ連通した連通孔50を形成できる。
【0026】
図4に、側壁11および12の上面41に形成された開口51aおよび51bを示し、図5および図6に連通孔50の断面を示している。左右一対の縦溝31a、31bおよび横溝32は、凸多角形である六角形を半分にした台形状の断面形状を備えている。このため、連通孔50は、台形状の断面を有する縦溝31a、31bおよび横溝32同士を直に合わせた、六角形状の断面形状を備えている。したがって、断面積に対して周長を短くしやすく、摩擦抵抗を低下させてモルタル60をスムーズに流しやすくできる。
【0027】
次に、図7に示すように、連通孔50の一方の開口51aからモルタル60を注入する(シール材を注入する工程)。連通孔50は、縦溝31a(31b)同士が合わさって形成された縦孔71a(71b)と、横溝32同士が合わさって形成された横孔72と、湾曲溝33同士が合わさって形成された湾曲孔73とを含む。連通孔50を構成する縦孔71aと、横孔72と、縦孔71bとは、湾曲孔73を介して滑らかに接続されているため、各々の接続箇所における角欠け、剥離およびクラックなどの発生を抑制しやすく、さらに、モルタル60が接続箇所において詰まったり、漏れ出たりすることを抑制できる。
【0028】
上記のとおり、凸多角形である六角形の断面形状を有する連通孔50は、鋭角がなく、6つの鈍角により構成されているため、断面積に対して周長を短くしやすく、摩擦抵抗を低下させてモルタル60をスムーズに流しやすくできる。したがって、モルタル60が開口51aから開口51bに至る連通孔50の途中で詰まったりすることを抑制できる。なお、連通孔50の断面形状は六角形に限定されず、鋭角がない四角形以上の断面であればよく、角のない円形断面や楕円形断面であってもよい。連通孔50の断面形状が円形の場合、半円形の断面形状を有する縦溝31a、31bおよび横溝32同士を直に合わせることにより形成できる。
【0029】
次に、図8に示すように、連通孔50の他方の開口51bへのモルタル60の到達を確認する(シール材の到達を確認する工程)。シール材の到達を確認する工程では、開口51aから注入されたモルタル60が、連通孔50の縦孔71a、横孔72および縦孔71bの部分を順に通過して、開口51bへと到達する様子を上方から目視で観察して直接確認することにより、継ぎ目25の流路100の周囲の領域に形成された連通孔50へのモルタル60の充填を確認できる。
【0030】
これらの工程を含む施工方法により図1に示すような側溝1を施工できる。したがって、側溝1は、隣接する側溝用ブロック10(10a)の端面21同士を合わせて施工した側溝であって、側溝用ブロック10(10a)の左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bが形成され、左右一対の縦溝31a、31bおよび横溝32により左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50であって、モルタル60が充填された連通孔50を有する。
【0031】
このため、側溝用ブロック10(10a)同士を位置合わせした後にモルタル60を注入し、モルタル60の充填を確認できるので、継ぎ目25の止水性能が高い側溝1を施工できる。位置合わせした後にモルタル60を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔50を形成する縦溝31aおよび31bが側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下に延びるように形成されているため左右方向の位置ずれを抑制しやすく、また、連通孔50を形成する横溝32が底壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右に延びるように形成されているため上下方向の位置ずれ、たとえば地盤沈下(不等沈下、不同沈下)による位置ずれも抑制しやすい側溝1を施工できる。
【0032】
なお、連通孔50を充填するシール材はモルタル60に限定されず、樹脂モルタル、樹脂硬化剤などであって、一方の開口51aから連通孔50に注入したときに他方の開口51bから表れる程度の十分な流動性があり、その後、硬化するような素材であれば良い。また、モルタルを注入し、モルタルの到達を確認するという点では、開口51aおよび51bは等価であり、50の開口51bからモルタル60を注入し、開口51aへのモルタル60の到達を確認してもよい。
【0033】
図9に、異なる複数の側溝用ブロック110を長手方向に連結した側溝の概要を斜視図で示している。図10(a)、(b)および(f)に、側溝用ブロック110を各方向から見た様子を示しており、図10(a)は正面図、図10(b)は平面図、図10(f)は図10(a)のf−f断面図である。なお、側溝用ブロック110の底面図、右側面図およびe−e断面図は、側溝用ブロック10の底面図、右側面図およびe−e断面図と同一に表れる。また、側溝用ブロック110の背面図は正面図と対称に表れ、左側面図は右側面図と対称に表れる。なお、以降の実施形態において上記実施形態と共通の構成については、共通の符号を付して説明を省略する。
【0034】
側溝1aも連結された複数の側溝用ブロック110を備えている。この側溝用ブロック110の基本的な構成は側溝用ブロック10と共通であり、カルバート(暗渠)タイプの側溝用ブロックである。
【0035】
側溝用ブロック110は、側壁11および12の上面41の長手方向101の縁部11bおよび12bが、上壁14の上面22よりも上方に突き出ている。このため、縁部11bおよび12bに沿って流れ止めとなる段差が形成され、道路2から上面22に流入した排水4を縁部11bおよび12bの内側に捕捉し、端面21の切欠き42やスリット状の取水孔43から流路100に集水しやすい。
【0036】
さらに、この側溝用ブロック110も、両側の端面21に形成されたモルタル溝30を備えている。左右一対の縦溝31aおよび31bは、上面41の縁部11bおよび12bと干渉しないように、内側(流路100の側)に曲げられた状態で上面41に達している。このため、モルタル溝30は、左右一対の側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下(鉛直方向)に延びるように形成された左右一対の第1の溝(縦溝)31aおよび31bであって、上部が内側に曲げられた第1の溝(縦溝)31aおよび31bと、下壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32と、縦溝31a(31b)と横溝32とを繋ぐ湾曲溝33とを備えている。
【0037】
このため、側溝用ブロック110同士を隣接するように据え付け、端面21同士を直に合わせることにより、左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bを形成するとともに、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32、湾曲溝33により、左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成できる(連通孔を形成する工程)。
【0038】
したがって、本例の側溝1aも、側溝用ブロック110同士を位置合わせした後にモルタル60を注入し(シール材を注入する工程)、モルタル60の充填を確認できるので(シール材の到達を確認する工程)、継ぎ目25の止水性能が高い側溝1aを施工できる。位置合わせした後にモルタル60を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔50を形成する縦溝31aおよび31bが上下に延び、さらに内側に曲げられるように形成されているため、左右方向に加えて斜め方向の位置ずれも抑制しやすい。
【0039】
図11に、さらに異なる側溝用ブロック120同士を長手方向101に隣接するように繋ぎ合わせて側溝1bを施工する様子を斜視図で示している。
【0040】
側溝用ブロック120は、いわゆるU字側溝と称されるブロック断面がU字型の側溝用ブロックであり、流路100の上方を除く下方および左右を覆う左右一対の側壁11および12と、底壁(連結壁)13とを備えている。
【0041】
さらに、この側溝用ブロック120も、両側の端面21に形成されたモルタル溝30を備えている。モルタル溝30は、左右一対の側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下(鉛直方向)に延びるように形成された左右一対の第1の溝(縦溝)31aおよび31bと、底壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32と、縦溝31a(31b)と横溝32とを繋ぐ湾曲溝33とを備えている。
【0042】
このため、側溝用ブロック120同士を隣接するように据え付け、端面21同士を直に合わせることにより、左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bを形成するとともに、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32、湾曲溝33により、左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成できる(連通孔を形成する工程)。
【0043】
したがって、本例の側溝1bも、側溝用ブロック120同士を位置合わせした後にモルタル60を注入し(シール材を注入する工程)、モルタル60の充填を確認できるので(シール材の到達を確認する工程)、継ぎ目25の止水性能が高い側溝1bを施工できる。位置合わせした後にモルタル60を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔50を形成する縦溝31aおよび31bが側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下に延びるように形成されているため左右方向の位置ずれを抑制しやすく、また、連通孔50を形成する横溝32が底壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右に延びるように形成されているため上下方向の位置ずれ、たとえば地盤沈下(不等沈下、不同沈下)による位置ずれも抑制しやすい側溝1bを施工できる。
【0044】
図12に、さらに異なる側溝用ブロック130同士を長手方向101に隣接するように繋ぎ合わせて側溝1cを施工する様子を斜視図で示している。
【0045】
側溝用ブロック130は、いわゆる自由勾配側溝と称されるブロック断面が門型あるいは逆U字型の側溝用ブロックであり、流路100の下方を除く上方および左右を覆う左右一対の側壁11および12と、上壁14と、上壁14の上面22に設けられた開口90を塞ぐ2つの蓋91とを備えている。側溝用ブロック130は、流路100の底部をインバートコンクリートにより現場で施工するため、流路100の水路勾配を自由に設定しやすい。
【0046】
さらに、この側溝用ブロック130も、両側の端面21に形成されたモルタル溝30を備えている。モルタル溝30は、左右一対の側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下(鉛直方向)に延びるように形成された左右一対の第1の溝(縦溝)31aおよび31bと、上壁(連結壁)14の端面14aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32と、縦溝31a(31b)と横溝32とを繋ぐ湾曲溝33とを備えている。
【0047】
このため、側溝用ブロック130同士を隣接するように据え付け、端面21同士を直に合わせることにより、左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bを形成するとともに、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32、湾曲溝33により、左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成できる(連通孔を形成する工程)。
【0048】
したがって、本例の側溝1cも、側溝用ブロック130同士を位置合わせした後にモルタル60を注入し(シール材を注入する工程)、モルタル60の充填を確認できるので(シール材の到達を確認する工程)、継ぎ目25の止水性能が高い側溝1cを施工できる。位置合わせした後にモルタル60を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔50を形成する縦溝31aおよび31bが側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下に延びるように形成されているため左右方向の位置ずれを抑制しやすく、また、連通孔50を形成する横溝32が上壁(連結壁)14の端面14aに沿って左右に延びるように形成されているため上下方向の位置ずれ、たとえば地盤沈下(不等沈下、不同沈下)による位置ずれも抑制しやすい側溝1cを施工できる。
【0049】
図13に、さらに異なる側溝用ブロック140同士を長手方向101に隣接するように繋ぎ合わせて側溝1dを施工する様子を斜視図で示している。
【0050】
側溝用ブロック140は、いわゆるカルバートタイプと称される側溝用ブロックであり、流路100の上下左右を覆う左右一対の側壁11および12と、底壁13と、上壁14とを備えている。
【0051】
さらに、この側溝用ブロック140も、両側の端面21に形成されたモルタル溝30を備えている。モルタル溝30は、左右一対の側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下(鉛直方向)に延びるように形成された左右一対の第1の溝(縦溝)31aおよび31bと、底壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32aと、上壁(連結壁)14の端面14aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32bと、縦溝31a(31b)と横溝32a(32b)とを繋ぐ湾曲溝33とを備えている。
【0052】
このため、側溝用ブロック140同士を隣接するように据え付け、端面21同士を直に合わせることにより、左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bを形成するとともに、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32aおよび32b、湾曲溝33により、左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成できる(連通孔を形成する工程)。
【0053】
したがって、本例の側溝1dも、側溝用ブロック140同士を位置合わせした後にモルタル60を注入し(シール材を注入する工程)、モルタル60の充填を確認できるので(シール材の到達を確認する工程)、継ぎ目25の止水性能が高い側溝1dを施工できる。位置合わせした後にモルタル60を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔50を形成する縦溝31aおよび31bが側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下に延びるように形成されているため左右方向の位置ずれを抑制しやすく、また、連通孔50を形成する横溝32aおよび32bが底壁(連結壁)13および上壁(連結壁)14の端面13aおよび14aに沿って左右に延びるように形成されているため上下方向の位置ずれ、たとえば地盤沈下(不等沈下、不同沈下)による位置ずれをいっそう抑制しやすい側溝1dを施工できる。
【符号の説明】
【0054】
1 側溝
10 側溝用ブロック
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート製の側溝を施工する方法および側溝用ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、施工時間の短縮を図り、地震などによる側溝の変位を軽減し、十分な止水効果を得ることのできる側溝の継目止水構造を提供することが記載されている。そのため、特許文献1には、略コ字状の側溝を複数連設することで形成される流路の、隣接する側溝間の継目をシールする側溝の継目止水構造において、隣接する側溝に接する側溝の両端面の略コ字状の脚部に、それぞれ上下方向に延びる切欠き溝を形成し、側溝を複数連設するときには、側溝の切欠き溝と、それら切欠き溝に相対向する位置に形成された同一の切欠き溝を有する隣接する側溝のそれら切欠き溝との間に、スポンジゴム材で被覆された芯材が嵌め込まれ、切欠き溝に対する芯材の大きさを芯材の嵌合時に芯材の中心線が接合ライン上に位置するようにしたことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−183739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の側溝用ブロックを連結して施工(製造)される側溝において、漏水を防止することが望ましい用途においては、ブロック同士の継ぎ目(繋ぎ目、接合部、目地)からの漏水を防止することが求められる。
【0005】
特許文献1に開示された技術においては、ブロックの端面に形成された切欠き溝にゴム材を嵌め込むことにより継ぎ目をシールする止水構造が記載されている。しかしながら、ブロック同士を接続する前に、切欠き溝の形状に合わせてゴム材を成形して嵌め込む必要があり手間がかかるとともに、ブロック同士を接続する際にゴム材が外れると止水性能が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様の1つは、コンクリート製の複数の側溝用ブロックを接続して側溝を施工する方法である。複数の側溝用ブロックのそれぞれは、流路を形成する左右一対の側壁と、左右一対の側壁の下部を接続する底壁および左右一対の側壁の上部を接続する上壁の少なくともいずれか一方を備えた連結壁と、左右一対の側壁の端面に沿って上下に延びるように形成された左右一対の第1の溝であって、当該左右一対の第1の溝のそれぞれの上端が左右一対の側壁の上面に達した左右一対の第1の溝と、連結壁の端面に沿って左右に延びるように形成された第2の溝であって、当該第2の溝の左右の端が左右一対の第1の溝に連通した第2の溝とを含む。この方法は、以下の工程を有する。
1.側溝用ブロックの端面と隣接する他の側溝用ブロックの端面とが接するように位置合わせすることにより、左右一対の側壁の上面に左右一対の開口を形成するとともに、左右一対の第1の溝および第2の溝により左右一対の開口の一方の開口と他方の開口とを連通する連通孔を形成すること(連通孔を形成する工程)。
2.一方の開口から流動性のシール材を注入すること(シール材を注入する工程)。
3.他方の開口へのシール材の到達を確認すること(シール材の到達を確認する工程)。
【0007】
この方法では、左右一対の開口を連通する連通孔の一方の開口から流動性のシール材を注入して、他方の開口へのシール材の到達を確認することにより、連通孔へのシール材の充填を確認できる。このため、側溝用ブロック同士を位置合わせした後にシール材の充填を確認できるので、側溝用ブロック同士の継ぎ目(繋ぎ目、接合部)の止水性能が高い側溝を施工できる。したがって、位置合わせした後にシール材を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔を形成する第1の溝が側壁の端面に沿って上下に延びるように形成されているため左右方向の位置ずれを抑制しやすく、また、連通孔を形成する第2の溝が連結壁の端面に沿って左右に延びるように形成されているため上下方向の位置ずれ、たとえば地盤沈下による位置ずれも抑制しやすい側溝を施工できる。
【0008】
シール材の到達を確認することは、他方の開口からシール材の排出を確認することを含むことが望ましい。一方の開口から他方の開口に至るまで連通孔にシール材が確実に充填されていることを確認できる。シール材を注入することは、モルタルを注入することを含むことが望ましい。モルタルが他方の開口から溢れるなどの現象により、連通孔にモルタルが充填されていることを目視で確認できる。
【0009】
左右一対の第1の溝および第2の溝は、半円形の断面形状または凸多角形を半分にした断面形状を備えていることが望ましい。円形の断面形状または凸多角形、たとえば六角形や八角形などの断面形状を備えた連通孔を形成できるので、断面積に対して周長を短くしやすく、摩擦抵抗を低下させてモルタルをスムーズに流しやすくできる。
【0010】
本発明の異なる態様の1つは、流路を形成する左右一対の側壁と、左右一対の側壁の下部を接続する底壁および左右一対の側壁の上部を接続する上壁の少なくともいずれか一方を含む連結壁と、左右一対の側壁の端面に沿って上下に延びるように形成された左右一対の第1の溝であって、当該左右一対の第1の溝のそれぞれの上端が左右一対の側壁の上面に達した左右一対の第1の溝と、連結壁の端面に沿って左右に延びるように形成された第2の溝であって、当該第2の溝の左右の端が左右一対の第1の溝に連通した第2の溝とを有する、コンクリート製の側溝用ブロックである。
【0011】
この側溝用ブロックを複数、隣接する側溝用ブロックの端面同士が接するように、位置合わせすることにより、左右一対の側壁の上面に左右一対の開口を形成するとともに、左右一対の第1の溝および第2の溝により左右一対の開口の一方の開口と他方の開口とを連通する連通孔を形成できる。このため、一方の開口からモルタルなどの流動性のシール材を注入し、他方の開口へのシール材の到達を確認することにより、連通孔へのシール材の充填を確認できる。したがって、位置合わせした後にシール材の充填を確認できるので、側溝用ブロック同士の継ぎ目(繋ぎ目、接合部)の止水性能が高い側溝を施工できる。左右一対の第1の溝および第2の溝は、凸多角形を半分にした断面形状または半円形の断面形状を備えていることが望ましい。
【0012】
本発明のさらに異なる態様の1つは、上記側溝用ブロックを複数、隣接する側溝用ブロックの端面同士を合わせて施工した側溝である。この側溝は、側溝用ブロックの左右一対の側壁の上面に左右一対の開口が形成され、左右一対の第1の溝および第2の溝により左右一対の開口の一方の開口と他方の開口とを連通する連通孔であって、モルタルが充填された連通孔を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】複数の側溝用ブロックを連結した側溝の概要を示す斜視図。
【図2】図2(a)は図1に示す側溝用ブロックの正面図、図2(b)は平面図、図2(c)は底面図、図2(d)は右側面図、図2(e)はe−e断面図、図2(f)はf−f断面図。
【図3】図1に示す側溝用ブロック同士を連結する様子を示す斜視図。
【図4】図1に示す側溝用ブロック同士の継ぎ目を示す平面図。
【図5】図1に示す側溝用ブロック同士の継ぎ目を示すV−V断面図(図3のV−V断面)。
【図6】図1に示す側溝用ブロック同士の継ぎ目を示すVI−VI断面図(図3のVI−VI断面)。
【図7】シール材を注入する工程を模式的に示す図。
【図8】シール材の到達を確認する工程を模式的に示す図。
【図9】異なる複数の側溝用ブロックを連結した側溝の概要を示す斜視図。
【図10】図10(a)は図9に示す側溝用ブロックの正面図、図10(b)は平面図、図10(f)はf−f断面図。
【図11】さらに異なる側溝用ブロック同士を連結する様子を示す斜視図。
【図12】さらに異なる側溝用ブロック同士を連結する様子を示す斜視図。
【図13】さらに異なる側溝用ブロック同士を連結する様子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1に、複数の側溝用ブロックを長手方向に連結した側溝の概要を斜視図で示している。側溝1は、横断部を除き、道路2に沿うように施工および製造されることが多い。側溝1は、ほぼ直方体状の複数の側溝用ブロック10(10a)を含み、それら複数の側溝用ブロック10(10a)は、その長手方向101に沿って連結(接続)されている。
【0015】
図2(a)〜(d)に、側溝用ブロック10を各方向から見た様子を示しており、図2(a)は正面図、図2(b)は平面図、図2(c)は底面図、図2(d)は右側面図である。なお、側溝用ブロック10の背面図は正面図と対称に表れ、左側面図は右側面図と対称に表れる。図2(e)および(f)に、側溝用ブロック10の断面の様子を示しており、図2(e)は図2(a)のe−e断面図、図2(f)は図2(a)のf−f断面図である。
【0016】
側溝用ブロック10は、流路100を形成する左右一対の側壁11および12と、側壁11および12の下部を接続する底壁13と、側壁11および12の上部を接続する上壁14とを備えている。このため、この側溝用ブロック10は、左右一対の側壁11および12を接続する連結壁として底壁13および上壁14の両方を含む。側溝用ブロック10は、いわゆるカルバートタイプと称される側溝用ブロックであり、道路2などから流れ込む雨水などの排水4を集水して流路100により所定の場所に導くことができる。
【0017】
本例の流路100は、盾形の流路断面を有し、底壁13の側の曲率を大きくしているため、排水4の流量が小さい場合であっても水深を確保しやすく、側溝1の掃流力を向上させて底泥の堆積を抑制しやすい。
【0018】
側溝用ブロック10は、全体として直方体状であるが、長手方向101の両側の端面21を除き底部の外側が斜めにカットされており、直立型の両端の基部49と、これらの基部49に挟まれた底部の外側が斜めにカットされた部分48とを含む。直立型の両端の基部49により側溝用ブロック10の強度が確保できるので、その間の底部の外側48にカットした形状(デザイン)を採用することにより、軽量化と、低コスト化を図っている。
【0019】
この側溝用ブロック10は、さらに、上壁14の上面22の中央には長手方向101に沿って形成された凹型水路22aと、凹型水路22aの長手方向101に断続的に等間隔に設けられた4つのスリット状で流路100に至る取水(集水)孔43と、両側の端面21に上壁14の上面22から流路100に至るように設けられた取水(集水)用の切り欠き42とを含む。凹型水路22aは、上面22の中央がわずかに窪んだ凹型の水路であって、両側の端面14aに形成された切り欠き42を繋いでいる。したがって、道路2などに降った雨水あるいは排水は、側溝用ブロック10の上面22を流れて凹型水路22aに流れ込み、両端の切欠き42と、凹型水路22aに設けられた取水孔43とにより、側溝用ブロックの内部の流路100に集められる。
【0020】
これら取水孔43は、上面22から流路100に向けてテーパー状に広がるように、上壁14を上下に貫通して形成されている。このため、取水孔43の断面は、排水4の流入する上面22の側よりも排水4の流出する流路100の側が大きく、排水4に含まれるゴミや土砂などが取水孔43に詰まることを抑制でき、上面22の排水4を流路100へスムーズに導くことができる。
【0021】
この側溝用ブロック10は、さらに、左右一対の側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下(鉛直方向)に延びるように形成された左右一対の第1の溝(縦溝)31aおよび31bと、底壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32とを備えている。縦溝31aおよび31bは、それぞれの上端(上端部)41aおよび41bが左右一対の側壁11および12の上面41に達している。横溝32は、左右の端が湾曲した第3の溝(湾曲溝)33を介して左右一対の縦溝31aおよび31bに繋がっている。このため、この側溝用ブロック10は、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32および湾曲溝33により構成されたU字型のモルタル溝30を含む。
【0022】
縦溝31aおよび31bは、端面11aおよび12aのそれぞれのほぼ中央に配置されるように形成され、横溝32は、端面13aのほぼ中央に配置されるように形成されている。このため、モルタル溝30の両側に所定の厚みを確保できるので、端面21の角欠け、剥離およびクラックなどの発生を抑制しやすい。
【0023】
図3から図8に、側溝用ブロック10を用いて図1に示した側溝1を施工(製造)する方法について示している。図3に、側溝用ブロック10同士を長手方向101に隣接するように据え付けて繋ぎ合わせる様子を斜視図で示している。図4に、側溝用ブロック10同士を繋ぎ合わせた継ぎ目(接合面)を平面図で示している。図5に、側溝用ブロック10同士を繋ぎ合わせた継ぎ目(接合面)を図3のV−V断面図で示している。図6に、側溝用ブロック10同士を繋ぎ合わせた継ぎ目(接合面)を図3のVI−VI断面図で示している。図7に、モルタルを一方の開口から注入している様子を模式的に示している。図8に、モルタルが他方の開口に到達した様子を模式的に示している。
【0024】
まず、図3に示すように、道路2に沿って側溝1を施工するために、道路2に沿った領域を掘削して基礎コンクリート3を施工(打設)し、その基礎コンクリート3の上に側溝用ブロック10および隣接する他の側溝用ブロック10aを、それぞれの側溝用ブロック10および10aの端面が接するように位置合わせする。すなわち、複数の側溝用ブロック10および10aを長手方向101に隣接するように据え付け、端面21同士を直に合わせる。これにより、左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bを形成するとともに、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32、湾曲溝33により、左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成する。すなわち、側溝用ブロック10および10aを直線的に並べて、端面21同士を合わせることにより、それぞれの側溝用ブロック10および10aの側壁11および12の上面41に表れたモルタル溝30の上端41a(41b)同士が組み合わされることにより左右一対の開口51aおよび51bが形成される(連通孔を形成する工程)。
【0025】
連通孔を形成する工程では、端面21同士を直に合わせて側壁11および12の上面41に開口51aおよび51bを形成することにより、側溝用ブロック10および10aの継ぎ目(接合部、目地)25の流路100の周囲の領域に、継ぎ目25に沿って開口51aから縦溝31a、湾曲溝33、横溝32、湾曲溝33および縦溝31bを介して開口51bへ連通した連通孔50を形成できる。
【0026】
図4に、側壁11および12の上面41に形成された開口51aおよび51bを示し、図5および図6に連通孔50の断面を示している。左右一対の縦溝31a、31bおよび横溝32は、凸多角形である六角形を半分にした台形状の断面形状を備えている。このため、連通孔50は、台形状の断面を有する縦溝31a、31bおよび横溝32同士を直に合わせた、六角形状の断面形状を備えている。したがって、断面積に対して周長を短くしやすく、摩擦抵抗を低下させてモルタル60をスムーズに流しやすくできる。
【0027】
次に、図7に示すように、連通孔50の一方の開口51aからモルタル60を注入する(シール材を注入する工程)。連通孔50は、縦溝31a(31b)同士が合わさって形成された縦孔71a(71b)と、横溝32同士が合わさって形成された横孔72と、湾曲溝33同士が合わさって形成された湾曲孔73とを含む。連通孔50を構成する縦孔71aと、横孔72と、縦孔71bとは、湾曲孔73を介して滑らかに接続されているため、各々の接続箇所における角欠け、剥離およびクラックなどの発生を抑制しやすく、さらに、モルタル60が接続箇所において詰まったり、漏れ出たりすることを抑制できる。
【0028】
上記のとおり、凸多角形である六角形の断面形状を有する連通孔50は、鋭角がなく、6つの鈍角により構成されているため、断面積に対して周長を短くしやすく、摩擦抵抗を低下させてモルタル60をスムーズに流しやすくできる。したがって、モルタル60が開口51aから開口51bに至る連通孔50の途中で詰まったりすることを抑制できる。なお、連通孔50の断面形状は六角形に限定されず、鋭角がない四角形以上の断面であればよく、角のない円形断面や楕円形断面であってもよい。連通孔50の断面形状が円形の場合、半円形の断面形状を有する縦溝31a、31bおよび横溝32同士を直に合わせることにより形成できる。
【0029】
次に、図8に示すように、連通孔50の他方の開口51bへのモルタル60の到達を確認する(シール材の到達を確認する工程)。シール材の到達を確認する工程では、開口51aから注入されたモルタル60が、連通孔50の縦孔71a、横孔72および縦孔71bの部分を順に通過して、開口51bへと到達する様子を上方から目視で観察して直接確認することにより、継ぎ目25の流路100の周囲の領域に形成された連通孔50へのモルタル60の充填を確認できる。
【0030】
これらの工程を含む施工方法により図1に示すような側溝1を施工できる。したがって、側溝1は、隣接する側溝用ブロック10(10a)の端面21同士を合わせて施工した側溝であって、側溝用ブロック10(10a)の左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bが形成され、左右一対の縦溝31a、31bおよび横溝32により左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50であって、モルタル60が充填された連通孔50を有する。
【0031】
このため、側溝用ブロック10(10a)同士を位置合わせした後にモルタル60を注入し、モルタル60の充填を確認できるので、継ぎ目25の止水性能が高い側溝1を施工できる。位置合わせした後にモルタル60を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔50を形成する縦溝31aおよび31bが側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下に延びるように形成されているため左右方向の位置ずれを抑制しやすく、また、連通孔50を形成する横溝32が底壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右に延びるように形成されているため上下方向の位置ずれ、たとえば地盤沈下(不等沈下、不同沈下)による位置ずれも抑制しやすい側溝1を施工できる。
【0032】
なお、連通孔50を充填するシール材はモルタル60に限定されず、樹脂モルタル、樹脂硬化剤などであって、一方の開口51aから連通孔50に注入したときに他方の開口51bから表れる程度の十分な流動性があり、その後、硬化するような素材であれば良い。また、モルタルを注入し、モルタルの到達を確認するという点では、開口51aおよび51bは等価であり、50の開口51bからモルタル60を注入し、開口51aへのモルタル60の到達を確認してもよい。
【0033】
図9に、異なる複数の側溝用ブロック110を長手方向に連結した側溝の概要を斜視図で示している。図10(a)、(b)および(f)に、側溝用ブロック110を各方向から見た様子を示しており、図10(a)は正面図、図10(b)は平面図、図10(f)は図10(a)のf−f断面図である。なお、側溝用ブロック110の底面図、右側面図およびe−e断面図は、側溝用ブロック10の底面図、右側面図およびe−e断面図と同一に表れる。また、側溝用ブロック110の背面図は正面図と対称に表れ、左側面図は右側面図と対称に表れる。なお、以降の実施形態において上記実施形態と共通の構成については、共通の符号を付して説明を省略する。
【0034】
側溝1aも連結された複数の側溝用ブロック110を備えている。この側溝用ブロック110の基本的な構成は側溝用ブロック10と共通であり、カルバート(暗渠)タイプの側溝用ブロックである。
【0035】
側溝用ブロック110は、側壁11および12の上面41の長手方向101の縁部11bおよび12bが、上壁14の上面22よりも上方に突き出ている。このため、縁部11bおよび12bに沿って流れ止めとなる段差が形成され、道路2から上面22に流入した排水4を縁部11bおよび12bの内側に捕捉し、端面21の切欠き42やスリット状の取水孔43から流路100に集水しやすい。
【0036】
さらに、この側溝用ブロック110も、両側の端面21に形成されたモルタル溝30を備えている。左右一対の縦溝31aおよび31bは、上面41の縁部11bおよび12bと干渉しないように、内側(流路100の側)に曲げられた状態で上面41に達している。このため、モルタル溝30は、左右一対の側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下(鉛直方向)に延びるように形成された左右一対の第1の溝(縦溝)31aおよび31bであって、上部が内側に曲げられた第1の溝(縦溝)31aおよび31bと、下壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32と、縦溝31a(31b)と横溝32とを繋ぐ湾曲溝33とを備えている。
【0037】
このため、側溝用ブロック110同士を隣接するように据え付け、端面21同士を直に合わせることにより、左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bを形成するとともに、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32、湾曲溝33により、左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成できる(連通孔を形成する工程)。
【0038】
したがって、本例の側溝1aも、側溝用ブロック110同士を位置合わせした後にモルタル60を注入し(シール材を注入する工程)、モルタル60の充填を確認できるので(シール材の到達を確認する工程)、継ぎ目25の止水性能が高い側溝1aを施工できる。位置合わせした後にモルタル60を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔50を形成する縦溝31aおよび31bが上下に延び、さらに内側に曲げられるように形成されているため、左右方向に加えて斜め方向の位置ずれも抑制しやすい。
【0039】
図11に、さらに異なる側溝用ブロック120同士を長手方向101に隣接するように繋ぎ合わせて側溝1bを施工する様子を斜視図で示している。
【0040】
側溝用ブロック120は、いわゆるU字側溝と称されるブロック断面がU字型の側溝用ブロックであり、流路100の上方を除く下方および左右を覆う左右一対の側壁11および12と、底壁(連結壁)13とを備えている。
【0041】
さらに、この側溝用ブロック120も、両側の端面21に形成されたモルタル溝30を備えている。モルタル溝30は、左右一対の側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下(鉛直方向)に延びるように形成された左右一対の第1の溝(縦溝)31aおよび31bと、底壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32と、縦溝31a(31b)と横溝32とを繋ぐ湾曲溝33とを備えている。
【0042】
このため、側溝用ブロック120同士を隣接するように据え付け、端面21同士を直に合わせることにより、左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bを形成するとともに、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32、湾曲溝33により、左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成できる(連通孔を形成する工程)。
【0043】
したがって、本例の側溝1bも、側溝用ブロック120同士を位置合わせした後にモルタル60を注入し(シール材を注入する工程)、モルタル60の充填を確認できるので(シール材の到達を確認する工程)、継ぎ目25の止水性能が高い側溝1bを施工できる。位置合わせした後にモルタル60を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔50を形成する縦溝31aおよび31bが側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下に延びるように形成されているため左右方向の位置ずれを抑制しやすく、また、連通孔50を形成する横溝32が底壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右に延びるように形成されているため上下方向の位置ずれ、たとえば地盤沈下(不等沈下、不同沈下)による位置ずれも抑制しやすい側溝1bを施工できる。
【0044】
図12に、さらに異なる側溝用ブロック130同士を長手方向101に隣接するように繋ぎ合わせて側溝1cを施工する様子を斜視図で示している。
【0045】
側溝用ブロック130は、いわゆる自由勾配側溝と称されるブロック断面が門型あるいは逆U字型の側溝用ブロックであり、流路100の下方を除く上方および左右を覆う左右一対の側壁11および12と、上壁14と、上壁14の上面22に設けられた開口90を塞ぐ2つの蓋91とを備えている。側溝用ブロック130は、流路100の底部をインバートコンクリートにより現場で施工するため、流路100の水路勾配を自由に設定しやすい。
【0046】
さらに、この側溝用ブロック130も、両側の端面21に形成されたモルタル溝30を備えている。モルタル溝30は、左右一対の側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下(鉛直方向)に延びるように形成された左右一対の第1の溝(縦溝)31aおよび31bと、上壁(連結壁)14の端面14aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32と、縦溝31a(31b)と横溝32とを繋ぐ湾曲溝33とを備えている。
【0047】
このため、側溝用ブロック130同士を隣接するように据え付け、端面21同士を直に合わせることにより、左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bを形成するとともに、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32、湾曲溝33により、左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成できる(連通孔を形成する工程)。
【0048】
したがって、本例の側溝1cも、側溝用ブロック130同士を位置合わせした後にモルタル60を注入し(シール材を注入する工程)、モルタル60の充填を確認できるので(シール材の到達を確認する工程)、継ぎ目25の止水性能が高い側溝1cを施工できる。位置合わせした後にモルタル60を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔50を形成する縦溝31aおよび31bが側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下に延びるように形成されているため左右方向の位置ずれを抑制しやすく、また、連通孔50を形成する横溝32が上壁(連結壁)14の端面14aに沿って左右に延びるように形成されているため上下方向の位置ずれ、たとえば地盤沈下(不等沈下、不同沈下)による位置ずれも抑制しやすい側溝1cを施工できる。
【0049】
図13に、さらに異なる側溝用ブロック140同士を長手方向101に隣接するように繋ぎ合わせて側溝1dを施工する様子を斜視図で示している。
【0050】
側溝用ブロック140は、いわゆるカルバートタイプと称される側溝用ブロックであり、流路100の上下左右を覆う左右一対の側壁11および12と、底壁13と、上壁14とを備えている。
【0051】
さらに、この側溝用ブロック140も、両側の端面21に形成されたモルタル溝30を備えている。モルタル溝30は、左右一対の側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下(鉛直方向)に延びるように形成された左右一対の第1の溝(縦溝)31aおよび31bと、底壁(連結壁)13の端面13aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32aと、上壁(連結壁)14の端面14aに沿って左右(水平方向)に延びるように形成された第2の溝(横溝)32bと、縦溝31a(31b)と横溝32a(32b)とを繋ぐ湾曲溝33とを備えている。
【0052】
このため、側溝用ブロック140同士を隣接するように据え付け、端面21同士を直に合わせることにより、左右一対の側壁11および12の上面41に左右一対の開口51aおよび51bを形成するとともに、左右一対の縦溝31aおよび31b、横溝32aおよび32b、湾曲溝33により、左右一対の開口51の一方の開口51aと他方の開口51bとを連通する連通孔50を形成できる(連通孔を形成する工程)。
【0053】
したがって、本例の側溝1dも、側溝用ブロック140同士を位置合わせした後にモルタル60を注入し(シール材を注入する工程)、モルタル60の充填を確認できるので(シール材の到達を確認する工程)、継ぎ目25の止水性能が高い側溝1dを施工できる。位置合わせした後にモルタル60を注入するので、位置合わせの前にゴム材を嵌め込む手間がかからず、位置合わせの際にゴム材が外れるなどのトラブルが発生することがない。さらに、連通孔50を形成する縦溝31aおよび31bが側壁11および12の端面11aおよび12aに沿って上下に延びるように形成されているため左右方向の位置ずれを抑制しやすく、また、連通孔50を形成する横溝32aおよび32bが底壁(連結壁)13および上壁(連結壁)14の端面13aおよび14aに沿って左右に延びるように形成されているため上下方向の位置ずれ、たとえば地盤沈下(不等沈下、不同沈下)による位置ずれをいっそう抑制しやすい側溝1dを施工できる。
【符号の説明】
【0054】
1 側溝
10 側溝用ブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート製の複数の側溝用ブロックを接続して側溝を施工する方法であって、
前記複数の側溝用ブロックのそれぞれは、
流路を形成する左右一対の側壁と、
前記左右一対の側壁の下部を接続する底壁および前記左右一対の側壁の上部を接続する上壁の少なくともいずれか一方を備えた連結壁と、
前記左右一対の側壁の端面に沿って上下に延びるように形成された左右一対の第1の溝であって、当該左右一対の第1の溝のそれぞれの上端が前記左右一対の側壁の上面に達した左右一対の第1の溝と、
前記連結壁の端面に沿って左右に延びるように形成された第2の溝であって、当該第2の溝の左右の端が前記左右一対の第1の溝に連通した第2の溝とを含み、
当該方法は、
前記側溝用ブロックの端面と隣接する他の側溝用ブロックの端面とが接するように位置合わせすることにより、前記左右一対の側壁の上面に左右一対の開口を形成するとともに、前記左右一対の第1の溝および前記第2の溝により前記左右一対の開口の一方の開口と他方の開口とを連通する連通孔を形成することと、
前記一方の開口から流動性のシール材を注入することと、
前記他方の開口への前記シール材の到達を確認することとを有する、方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記シール材の到達を確認することは、前記他方の開口から前記シール材の排出を確認することを含む、方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記シール材を注入することは、モルタルを注入することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記左右一対の第1の溝および前記第2の溝は、半円形の断面形状または凸多角形を半分にした断面形状を備えている、方法。
【請求項5】
流路を形成する左右一対の側壁と、
前記左右一対の側壁の下部を接続する底壁および前記左右一対の側壁の上部を接続する上壁の少なくともいずれか一方を含む連結壁と、
前記左右一対の側壁の端面に沿って上下に延びるように形成された左右一対の第1の溝であって、当該左右一対の第1の溝のそれぞれの上端が前記左右一対の側壁の上面に達した左右一対の第1の溝と、
前記連結壁の端面に沿って左右に延びるように形成された第2の溝であって、当該第2の溝の左右の端が前記左右一対の第1の溝に連通した第2の溝とを有する、コンクリート製の側溝用ブロック。
【請求項6】
請求項5において、
前記左右一対の第1の溝および前記第2の溝は、凸多角形を半分にした断面形状または半円形の断面形状を備えている、側溝用ブロック。
【請求項7】
請求項5または6に記載の側溝用ブロックを複数、隣接する前記側溝用ブロックの前記端面同士を合わせて施工した側溝であって、
前記側溝用ブロックの前記左右一対の側壁の上面に左右一対の開口が形成され、前記左右一対の第1の溝および前記第2の溝により前記左右一対の開口の一方の開口と他方の開口とを連通する連通孔であって、モルタルが充填された連通孔を有する、側溝。
【請求項1】
コンクリート製の複数の側溝用ブロックを接続して側溝を施工する方法であって、
前記複数の側溝用ブロックのそれぞれは、
流路を形成する左右一対の側壁と、
前記左右一対の側壁の下部を接続する底壁および前記左右一対の側壁の上部を接続する上壁の少なくともいずれか一方を備えた連結壁と、
前記左右一対の側壁の端面に沿って上下に延びるように形成された左右一対の第1の溝であって、当該左右一対の第1の溝のそれぞれの上端が前記左右一対の側壁の上面に達した左右一対の第1の溝と、
前記連結壁の端面に沿って左右に延びるように形成された第2の溝であって、当該第2の溝の左右の端が前記左右一対の第1の溝に連通した第2の溝とを含み、
当該方法は、
前記側溝用ブロックの端面と隣接する他の側溝用ブロックの端面とが接するように位置合わせすることにより、前記左右一対の側壁の上面に左右一対の開口を形成するとともに、前記左右一対の第1の溝および前記第2の溝により前記左右一対の開口の一方の開口と他方の開口とを連通する連通孔を形成することと、
前記一方の開口から流動性のシール材を注入することと、
前記他方の開口への前記シール材の到達を確認することとを有する、方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記シール材の到達を確認することは、前記他方の開口から前記シール材の排出を確認することを含む、方法。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記シール材を注入することは、モルタルを注入することを含む、方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかにおいて、
前記左右一対の第1の溝および前記第2の溝は、半円形の断面形状または凸多角形を半分にした断面形状を備えている、方法。
【請求項5】
流路を形成する左右一対の側壁と、
前記左右一対の側壁の下部を接続する底壁および前記左右一対の側壁の上部を接続する上壁の少なくともいずれか一方を含む連結壁と、
前記左右一対の側壁の端面に沿って上下に延びるように形成された左右一対の第1の溝であって、当該左右一対の第1の溝のそれぞれの上端が前記左右一対の側壁の上面に達した左右一対の第1の溝と、
前記連結壁の端面に沿って左右に延びるように形成された第2の溝であって、当該第2の溝の左右の端が前記左右一対の第1の溝に連通した第2の溝とを有する、コンクリート製の側溝用ブロック。
【請求項6】
請求項5において、
前記左右一対の第1の溝および前記第2の溝は、凸多角形を半分にした断面形状または半円形の断面形状を備えている、側溝用ブロック。
【請求項7】
請求項5または6に記載の側溝用ブロックを複数、隣接する前記側溝用ブロックの前記端面同士を合わせて施工した側溝であって、
前記側溝用ブロックの前記左右一対の側壁の上面に左右一対の開口が形成され、前記左右一対の第1の溝および前記第2の溝により前記左右一対の開口の一方の開口と他方の開口とを連通する連通孔であって、モルタルが充填された連通孔を有する、側溝。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2012−87542(P2012−87542A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235579(P2010−235579)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(592136635)株式会社オーイケ (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(592136635)株式会社オーイケ (28)
【Fターム(参考)】
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