説明

偽像低減装置、レーダ装置、偽像低減方法、および偽像低減プログラム

【課題】画像処理を行うことによりビームサブ偽像を低減する偽像低減装置を提供する。
【解決手段】ビームサブ偽像検出部154は、各距離における極座標画像データについて、所定レベル以上の値を示す画素がスイープ方向に連続する数を算出し、連続スイープ数が閾値Th以上であれば、偽像候補として抽出する。また、ビームサブ偽像検出部154は、偽像候補の方位方向の幅と、距離方向の幅とに基づいて、ビームサブ偽像を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、サイドローブにより発生する偽像(ビームサブ偽像)を低減する偽像低減装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーダ装置等のアンテナは、電磁波を発射する方位(メインローブの方位)以外にも、ある程度のレベルのサイドローブを発生する。サイドローブが物標に反射してエコーとして受信されると、メインローブの方位からエコーが受信されたものとして、本来物標が存在しない方位に偽像(以下、ビームサブ偽像と言う。)が表示されてしまう(特許文献1,2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−138583号公報
【特許文献2】特開平3−138584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ビームサブ偽像は、レーダ画像において不要であるため、除去する必要がある。したがって、この発明は、画像処理によりビームサブ偽像を低減する偽像低減装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の偽像低減装置は、画像データ生成手段、偽像候補抽出手段、および偽像抽出手段を備えている。測定手段は、アンテナから送信された電磁波のエコー信号が入力され、該エコー信号に基づいて画像データを生成する。アンテナからは所定方位毎にパルス状に電磁波が送信されるため、画像データは、距離および方向からなる極座標系のデータとして生成される。
【0006】
偽像候補抽出手段は、前記エコー信号のレベルが所定レベル以上を有するエコー画像のうち、当該エコー画像が方位方向に所定幅以上存在する偽像候補を抽出する。例えば、画像データの各画素のうち、所定レベル以上を有する画素を最大値、所定レベル未満の画素を最小値として2値化し、方位方向に最大値がある程度連続(例えば全方位1000スイープに対して600スイープ程度連続)するエコー画像を偽像候補として抽出する。あるいは、各方位について所定レベル以上の値を示す画素を距離方向で度数分布化し、度数のピークに対応するエコー画像を偽像候補として抽出する。
【0007】
なお、画像データは、方位方向に平均化処理し、エコー画像の短い途切れ部分を排除する処理を行うことが望ましい。
【0008】
そして、偽像抽出手段は、抽出した偽像候補のうち、各方位における距離方向の幅を算出し、当該距離方向の幅と、前記方位方向の幅とに基づいて偽像のエコー画像を抽出する。具体的には、偽像候補のうち、距離方向の幅が所定幅以上となる方位を抽出し、抽出した方位から偽像候補の方位方向の端部までの偽像領域幅を算出し、偽像候補の方位方向の幅に対する偽像領域幅が所定割合以上であれば、当該偽像候補を偽像のエコー画像とする。
【0009】
また、エコー信号レベル制御手段を備え、抽出した偽像のエコー画像のレベル制御(低減処理)を行う。エコー信号のレベル制御は、画像データの各方位の画素のうち、偽像のエコー画像に隣接する画素間を補間することにより行う。また、画素間の補間は、線形補間であることが望ましい。
【0010】
以上のように、ビームサブ偽像の形状的な特徴を反映した画像処理を行うことで、ビームサブ偽像だけを的確に低減することができる。
【発明の効果】
【0011】
この発明の偽像低減装置によれば、画像処理によりビームサブ偽像を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態のレーダ装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(A)は、偽像低減処理を行う前の画像データを表示器18に表示した場合の模式図であり、同図(B)は、ビームサブ偽像を含むスイープデータを極座標で表した図である。
【図3】図3(A)は、ローパスフィルタ処理後の極座標画像データを示す図であり、同図(B)は、2値化後の極座標画像データを示す図である。
【図4】偽像候補の抽出手法の他の例を示す図である。
【図5】方位方向の幅と、距離方向の幅とに基づいて、ビームサブ偽像を検出する概念を示す図である。
【図6】線形補間を説明する図である。
【図7】低減処理追加領域を設定する例を示す図である。
【図8】図8(A)は、偽像低減処理を行う前の画像データを極座標で表した図であり、同図(B)は、偽像低減処理を行った後の画像データを極座標で表した図である。
【図9】図9(A)は、偽像低減処理を行う前の画像データを表示器18に表示した場合の模式図であり、同図(B)は、偽像低減処理を行った後の画像データを表示器18に表示した場合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1(A)は、本発明の偽像低減装置を内蔵したレーダ装置の構成を示すブロック図である。レーダ装置は、例えば船舶に設置され、自船の周囲に電磁波を送受信し、他船等の物標を探知する装置である。
【0014】
同図において、レーダ装置は、アンテナ11、受信部12、A/D変換器13、スイープメモリ14、偽像低減処理部15、画像変換部16、直交座標画像メモリ17、および表示器18を備えている。
【0015】
アンテナ11は、自船の周囲の各方位に電磁波を送信し、エコー信号を受信する。受信部12は、アンテナ11で受信したエコー信号のレベル(エコーレベル)に応じた値をA/D変換器13に出力する。A/D変換器13は、入力されたアナログ値のエコー信号をデジタル変換し、測定データとしてスイープメモリ14に出力する。
【0016】
スイープメモリ14は、測定1周期分(自船の周り360度分)の測定データを記憶する。各測定データは、極座標系の座標(方位および距離)と対応付けられ、スイープデータとして記憶されている。アンテナ11は、所定方位毎にパルス状に電磁波を送信するため、スイープデータは、アンテナ11の各方位について、所定サンプル毎の離散値として記憶される。
【0017】
画像変換部16は、スイープメモリ14から極座標系のスイープデータを入力し、自船の位置を原点とした直交座標系に変換して、エコーレベルに応じた階調の画素輝度値として出力する。この直交座標系の画素輝度値が直交座標画像データとして直交座標画像メモリ17に記憶される。
【0018】
表示器18は、直交座標画像メモリ17に記憶されている直交座標画像データを読み出し、図2(A)に示すようなレーダ画像(エコー画像)を表示する。なお、本実施形態では、背景色が白で、画素輝度値が高い画素ほど黒く表示される例を示すが、逆に、背景色が黒で、画素輝度値が高い画素ほど白く表示されるようにしてもよい。また、カラー画像として表示される態様であってもよい。
【0019】
アンテナ11は、電磁波を発射する方位(メインローブの方位)以外にも、ある程度のレベルでサイドローブが発生する。サイドローブが物標の存在する方位に向いている場合、ある程度のレベルのエコー信号が受信されるため、メインローブの方位からある程度のレベルのエコー信号が受信されたものとしてスイープデータが生成される。したがって、図2(A)に示すように、本来物標が存在しない方位にビームサブ偽像が表示されてしまう。サイドローブは、ほぼ全周方位に発生するため、ビームサブ偽像は、自船からの距離が等しい等円周上において方位方向に長く延びるように表示される。
【0020】
ここで、本実施形態のレーダ装置は、偽像低減処理部15でスイープメモリ14に記憶されているスイープデータを読み出し、ビームサブ偽像を抽出してレベル低減処理を行い、スイープメモリ14の測定1周期分のスイープデータの内容を更新する。その結果、画像変換部16には、レベル低減処理後のスイープデータが入力され、表示器18にはビームサブ偽像だけが的確に除去されたエコー画像が表示される(図9を参照)。
【0021】
以下、偽像低減処理部15の処理内容について具体的に説明する。図1(B)は、偽像低減処理部15の構成を示すブロック図である。偽像低減処理部15は、平均化処理部151、2値化処理部152、2値化データメモリ153、ビームサブ偽像検出部154、およびレベル制御部155を備えている。偽像低減処理部15は、これら構成部により、スイープデータを極座標の画像データとして画像処理によりビームサブ偽像を検出、偽像低減処理を行う。
【0022】
平均化処理部151は、スイープメモリ14からスイープデータ(以下、極座標画像データと言う。)を読み出し、平均化処理を行う。平均化処理は、例えば、極座標画像データを方位方向にローパスフィルタ処理を行うことにより実現する。ローパスフィルタ処理は、例えばFIRフィルタを用いて行う。
【0023】
図2(B)にビームサブ偽像を含む極座標画像データを表した図を示す。同図(B)の例では、横軸が距離方向(左方向に向かって自船近傍、右方向に向かって自船遠方)であり、縦軸が方位方向である。同図中央付近に示す半楕円状のエコー画像が物標であり、方位方向に細長く延びるエコー画像がビームサブ偽像である。
【0024】
アンテナ11から発射されるサイドローブは、所定方位毎に複数発生するため、ビームサブ偽像は方位方向に途切れ途切れに現れることになる。したがって、平均化処理部151は、ローパスフィルタ処理を行うことにより、図3(A)に示すように、エコー画像の短い途切れ部分を排除し、エコー画像に方位方向のつながりを持たせる処理を行う。
【0025】
次に、2値化処理部152は、ローパスフィルタ処理後の極座標画像データの各画素のうち、所定レベル(閾値)以上となる画素を最大値、所定レベル未満の画素を最小値として2値化する。つまり、閾値以上の画素を値1、閾値未満の画素を値0に変換する。ただし、レーダ装置では、自船近傍の海面反射による影響を抑えるため、遠距離になるほどゲインが大きくなるように、距離に応じてゲイン特性を補正しているため、この例では、閾値は、自船からの距離に応じて異なるものとしている。例えば、自船近傍は閾値Aとし、自船遠方は閾値Aよりも大きい閾値Bとする(最大値を255として、閾値A=50、閾値B=60とする)。2値化した極座標画像データは、2値化データメモリ153に一時記憶される。なお、2値化処理部152は、平均化処理部151から入力された極座標画像データを低解像度化してから2値化データメモリ153に記憶するようにしてもよい。
【0026】
次に、ビームサブ偽像検出部154は、2値化データメモリ153から2値化された極座標画像データを読み出し、ビームサブ偽像を検出する。
【0027】
ビームサブ偽像検出部154は、まず2値化された極座標画像データから偽像候補を抽出する。ビームサブ偽像検出部154は、各距離における極座標画像データについて、値1を示す画素の方位方向の幅が所定幅以上存在するかを判断する。すなわち、図3(B)に示すように、各距離の極座標画像データについて、値1を示す画素がスイープ方向に連続する数を算出し、連続スイープ数が閾値Th(例えば全方位1000スイープに対して600スイープ程度)以上であれば、この距離における値1を示す全ての画素、および隣接して値1を示す全ての画素を偽像候補として抽出する。
【0028】
なお、偽像候補の抽出は、以下の様にして行うことも可能である。図4は、偽像候補の抽出手法の他の例を示す図である。図4(A)に示すように、この例における偽像低減処理部15は、平均化処理部151、2値化処理部152、2値化データメモリ153に代えて、ヒストグラム解析部159を備えている。ヒストグラム解析部159は、各距離方向の極座標画像データから所定レベル以上の画素の数を算出し、同図(B)に示す様な距離方向の度数分布を求める。ヒストグラム解析部159は、この度数分布のピークを示す距離(所定度数以上で、最も高い度数を示す距離)を抽出する。なお、この例においても、2値化処理部152、2値化データメモリ153をさらに設け、極座標画像データを一端2値化してから度数分布を求めてもよい。
【0029】
さらに、ヒストグラム解析部159は、同図(C)に示すように、方位方向に0から1に変化する画素(所定レベル未満から所定レベル以上に変化する画素)の数をさらに算出し、距離方向の度数分布を求める。ヒストグラム解析部159は、この度数分布のピークを示す距離(所定度数以上で、最も高い度数を示す距離)を抽出する。ヒストグラム解析部159は、これら2つの度数分布のピークが一致する距離のうち所定レベル以上の画素、および隣接する所定レベル以上の画素を偽像候補とする。上述のように、ビームサブ偽像は方位方向に途切れ途切れに現れることになるため、方位方向に0から1に変化する画素の数が多い傾向を示す。
【0030】
このように、処理負荷の高いFIRフィルタによる平均化処理を行わなくとも、所定レベル以上を有する画素の方位方向の画素数に基づいて、方位方向の幅が所定幅以上存在するかを判断することも可能である。
【0031】
次に、ビームサブ偽像検出部154は、偽像候補の方位方向の幅と、距離方向の幅とに基づいて、抽出した偽像候補がビームサブ偽像であるか否かを判断する。すなわち、図5(A)および同図(B)に示すように、偽像候補の距離方向の幅から偽像領域を抽出し、偽像候補の方位方向の全体長さ(上端画素から下端画素までの長さ:Length Whole)に対する偽像領域の方位方向の長さ(Length Upper,Length Lower)の割合が所定値以上(例えば70%以上)であれば、偽像候補のうち、偽像領域内をビームサブ偽像と判断する。
【0032】
ビームサブ偽像は、距離方向の幅が物標の部分の距離方向の幅よりもはるかに狭くなり、方位方向に非常に長くなる傾向がある。一方で、エコー画像がビームサブ偽像ではなく、方位方向に長さを持つ物標(陸地等)であった場合、距離方向の幅もある程度広くなる傾向がある。そこで、ビームサブ偽像検出部154は、偽像候補の端部(上端画素および下端画素)から順に各方位の距離方向幅Rを算出する。距離方向幅Rが閾値Rth(例えば5画素程度)以上となれば算出を終了し、上端画素からR≧Rthとなった画素までの部分、および下端画素からR≧Rthとなった画素までの部分を偽像領域とする。そして、ビームサブ偽像検出部154は、上端画素からR≧Rthとなった画素までの部分の方位方向の長さ(Length Upper)、および下端画素からR≧Rthとなった画素までの部分の方位方向の長さ(Length Lower)を算出する。そして、(Length Upper+Length Lower)/(Length Whole)>(Length Thres Ratio)であれば、偽像候補の偽像領域がビームサブ偽像であると判断する。Length Thres Ratioは、上記のように、例えば70%(0.7)とする。ビームサブ偽像検出部154は、偽像候補はビームサブ偽像であると判断した場合、ビームサブ偽像の座標を示す情報をレベル制御部155に出力する。
【0033】
レベル制御部155は、スイープメモリ14からスイープデータ(2値化されていない極座標画像データ)を読み出し、ビームサブ偽像の座標に対応する画素のレベル制御(偽像低減処理)を行う。偽像低減処理は、偽像領域内の全ての値を0とする処理であってもよいが、以下の様な処理を行ってもよい。
【0034】
まず、レベル制御部155は、図6(A)に示すように、ビームサブ偽像の各方位方向の両端座標を検出する。ビームサブ偽像検出部154から入力された座標が2値化されたデータに基づく座標であれば、当該入力された座標から、2値化されていない極座標画像データに対応する座標を検出する。2値化されたデータが低解像度化されたものである場合は、2値化されていない高解像度の極座標画像データに対応する複数の画素から1つまたは複数を両端画素の座標として検出する。
【0035】
そして、レベル制御部155は、同図(B)に示すように、ビームサブ偽像の両端に隣接する2画素を検出する。複数の画素を両端画素の座標として検出した場合は、それぞれに隣接する複数の画素を検出する。
【0036】
最後に、レベル制御部155は、同図(C)に示すように、検出した隣接画素間を線形補間する。この線形補間は、偽像領域内の各方位方向の全データについて行う。
【0037】
ただし、図3(A)で示したように、方位方向にローパスフィルタ処理を行っている場合、物標に対応するエコー画像も方位方向に引き延ばされていることになるため、偽像領域内だけを低減処理すると、ビームサブ偽像が残ってしまうことになる。そこで、レベル制御部155は、図7に示すように、ローパスフィルタ処理で引き延ばされた分だけ低減処理を追加して行う。すなわち、レベル制御部155は、R≧Rthとなった画素から、下方向および上方向に、さらに平均化画素数(FIRフィルタのタップ数)の半分だけ低減処理追加領域を設定し、線形補間を行う方位方向を追加する。
【0038】
なお、2値化されて1,0の値に変換されたときに、0に丸め込まれる分のデータを考慮して、低減処理追加領域は平均化画素数の半分より少なく設定する(例えば10スイープ分少なくする)。
【0039】
以上のようにして、偽像低減処理部15は、偽像領域内のレベルを低減する処理を行い、スイープメモリ14のスイープデータを更新する。この結果、図8(A)に示すような偽像低減処理を行う前の極座標画像データが、同図(B)に示すようにビームサブ偽像の部分だけがレベル低減された極座標画像データに変換される。
【0040】
画像変換部16は、更新されたスイープデータを読み出して直交座標画像データに変換し、直交座標画像メモリ17に記憶する。その結果、図9(A)に示すように自船からの距離が等しい等円周上において方位方向に長く延びるように表示されていたエコー画像が、同図(B)に示すように物標のエコー画像を残しつつ消えることになり、不要な画像だけが除去されることになる。
【0041】
以上のように、本実施形態のレーダ装置における偽像低減処理では、ビームサブ偽像の形状的な特徴を反映した画像処理を行うことにより、ビームサブ偽像だけを的確に低減処理することができる。
【0042】
なお、本実施形態のレーダ装置では、表示器18に画像データを表示する例を示しているが、画像データの表示とともに、各物標を補足、追尾する態様(衝突予防支援装置として用いること)も可能である。本実施形態の偽像低減処理により、偽像が補足されて追尾されてしまうことを防止することができ、衝突予防支援装置としても非常に好適である。
【符号の説明】
【0043】
11…アンテナ
12…受信部
13…A/D変換器
14…スイープメモリ
15…偽像低減処理部
16…画像変換部
17…直交座標画像メモリ
18…表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナから送信された電磁波のエコー信号が入力され、該エコー信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成手段と、
前記エコー信号のレベルが所定レベル以上を有するエコー画像のうち、当該エコー画像の方位方向の幅に基づいて偽像候補を抽出する偽像候補抽出手段と、
前記偽像候補の距離方向の幅を算出し、当該距離方向の幅と、前記方位方向の幅とに基づいて偽像のエコー画像を抽出する偽像抽出手段と、
を備えた偽像低減装置。
【請求項2】
請求項1に記載の偽像低減装置において、
前記偽像のエコー画像の前記画像データのレベルを制御するエコー信号レベル制御手段を備えた偽像低減装置。
【請求項3】
請求項2に記載の偽像低減装置において、
前記エコー信号レベル制御手段は、前記画像データの各方位の画素のうち、前記偽像のエコー画像に隣接する画素間を補間することによりレベル制御処理を行うことを特徴とする偽像低減装置。
【請求項4】
請求項3に記載の偽像低減装置において、
前記エコー信号レベル制御手段による前記画素間の補間は、線形補間であることを特徴とする偽像低減装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の偽像低減装置において、
前記画像データを方位方向に平均化処理する平均化処理手段を備え、
前記偽像候補抽出手段は、前記平均化処理手段で方位方向に平均化した画像データから偽像候補を抽出することを特徴とする偽像低減装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の偽像低減装置において、
前記偽像候補抽出手段は、前記所定レベル以上を有するエコー画像の方位方向の連続性に基づいて前記偽像候補を抽出することを特徴とする偽像低減装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の偽像低減装置において、
前記偽像候補抽出手段は、前記所定レベル以上を有するエコー画像の方位方向の画素数に基づいて前記偽像候補を抽出することを特徴とする偽像低減装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の偽像低減装置において、
前記偽像抽出手段は、前記偽像候補のうち、前記距離方向の幅が所定幅以上となる方位を抽出し、抽出した方位から当該偽像候補の方位方向の端部までの偽像領域幅を算出し、前記偽像候補の方位方向の幅に対する前記偽像領域幅が所定割合以上であれば、当該偽像候補を偽像のエコー画像とすることを特徴とする偽像低減装置。
【請求項9】
前記所定レベルは、距離に応じて異なることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の偽像低減装置。
【請求項10】
請求項2乃至請求項9のいずれかに記載の偽像低減装置と、
前記画像データに基づいて画像を表示する表示手段と、
を備え、
前記画像データのうち、前記偽像のエコー画像に対しては前記エコー信号レベル制御手段によってレベルの制御をされた前記画像データに基づく画像を表示することを特徴とする偽像低減装置。
【請求項11】
アンテナから送信された電磁波のエコー信号が入力され、該エコー信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成ステップと、
前記エコー信号のレベルが所定レベル以上を有するエコー画像のうち、当該エコー画像の方位方向の幅に基づいて偽像候補を抽出する偽像候補抽出ステップと、
前記偽像候補のうち、各方位における距離方向の幅を算出し、当該距離方向の幅と、前記方位方向の幅とに基づいて偽像のエコー画像を抽出する偽像抽出ステップと、
を実行する偽像低減方法。
【請求項12】
アンテナから送信された電磁波のエコー信号が入力され、該エコー信号に基づいて画像データを生成する画像データ生成ステップと、
前記エコー信号のレベルが所定レベル以上を有するエコー画像のうち、当該エコー画像の方位方向の幅に基づいて偽像候補を抽出する偽像候補抽出ステップと、
前記偽像候補のうち、各方位における距離方向の幅を算出し、当該距離方向の幅と、前記方位方向の幅とに基づいて偽像のエコー画像を抽出する偽像抽出ステップと、
をレーダ装置に実行させる偽像低減プログラム。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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