説明

充填剤及び大環状オリゴマーからのナノ複合体の製造方法

充填剤粒子及び大環状オリゴマーの分散体を、大環状オリゴマー用の溶媒の存在下で製造する。溶媒の使用は、大環状オリゴマー中への充填剤粒子のより容易で且つより完全な分散を促進し、充填剤の効率を改善し、充填剤及びオリゴマーの熱分解を減少させ、しかもエネルギー必要量を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2004年6月18日に出願された米国仮特許出願第60/581,187号及び第60/581,188号の利益を請求する。
【0002】
本発明は、有機化クレイ充填剤を含む大環状オリゴマーから得られるポリマーに関する。本発明は、更に、大環状オリゴマー中のクレイ充填剤のナノ分散体から製造される製品に関する。
【背景技術】
【0003】
強度、靭性、高光沢度及び耐溶剤性のような望ましい性質を有するポリマー組成物を形成する大環状オリゴマーが開発されている。好ましい大環状オリゴマーには、特許文献1(引用することによって本明細書中に組み入れる)に開示されたような大環状ポリエステルオリゴマーがある。このような大環状ポリエステルオリゴマーは、複合体用途における良好な含浸及び浸潤を容易にする低溶融粘度を示すので、ポリマー複合体を製造するための優れた出発原料である。更に、このような大環状オリゴマーは、従来の加工技術を用いて加工するのが容易である。しかし、このようなポリマー組成物は、一部の高温用途に適合可能になるのに充分に高い加熱撓み温度を有さない。従って、層状クレイ小板(platelet)がポリマーマトリックス中に分散されたこのような材料のナノ複合体が開発された。このような組成物は、特許文献2及び3に開示されている。これらの特許を引用することによって本明細書中に組み入れる。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,498,651号
【特許文献2】米国特許第5,530,052号
【特許文献3】PCT/US03/041476(2003年12月19日出願)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらのナノ複合体中の分散クレイは、延性のような他の性質を許容され得る値に保持しながら、ポリマーに対して改善された熱的性質及び補強をもたらす。このような性質の向上は、クレイが剥離され且つポリマー全体に均一に分布される程度に非常に左右される。従って、クレイ粒子をポリマーマトリックス全体に効率的且つより均一に分布させることができる方法が非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、本発明は、
a)充填剤粒子、大環状オリゴマー及び前記大環状オリゴマー用の溶媒を、前記大環状オリゴマーが前記溶媒中に溶解されるような条件下で合して、前記大環状オリゴマー及び溶媒中に分散された充填剤粒子の混合物を形成し;そして
b)前記大環状オリゴマーを分散充填剤粒子の存在下で重合させる
ことを含んでなる大環状オリゴマー中の充填剤粒子の分散体の製造方法である。
【0007】
この方法は、ポリマー相中に充填剤粒子を非常によく分散させることができる方法を提供する。充填剤粒子がクレイのような層状材料である好ましい場合において、このような非常によい分散は更には、ポリマーマトリックス内におけるクレイの比較的高度の剥離を可能にし、その結果、非常に効率的な補強並びに他の望ましい物理的及び熱的性質が得られる。具体的には、分散体及び複合体が本発明の方法で生成される場合には場合によってはクレイ及び大環状オリゴマーの分解の減少が見られる。これは、充填剤粒子の大環状オリゴマー中への最初の混合を、以前の方法よりも低い温度で且つ低い剪断条件下で行うことができるためである。充填剤粒子が、有機オニウムイオンで処理されたクレイである好ましい場合には、オニウムイオンの熱分解もまた、減少させることができる。
【0008】
好ましい実施態様においては、溶媒の存在がクレイを膨潤させ、層間間隔を増大させるとも考えられる。層間間隔が大きいほど、大環状オリゴマーがクレイ層の間に浸透し且つそこで重合するための空間が大きくなると考えられる。このように、クレイのより大きな剥離が起こり、クレイがより効率的に分布されると共に、得られる複合体が効率的に補強されると考えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の分散体は、充填剤粒子、大環状オリゴマー及び溶媒を合することによって製造する。充填剤粒子、大環状オリゴマー及び溶媒の添加順序は臨界的なものではない。本発明の1つの変形においては、充填剤粒子と溶媒とを合し、混合して、充填剤粒子を溶媒中に分散させる。これは、溶媒が液体である任意の温度で実施するのが都合よい。約0〜40℃、特に約20〜35℃の温度が一般に適当である。次に、充填剤/溶媒混合物を撹拌して、溶媒中への充填剤の最初の分散を行う。所望ならば、この撹拌は、充填剤粒子が沈降しない、より均質な分散液を溶媒中において形成するようにより強力な条件下で行うことができる。好ましいクレイ充填剤のような層状充填剤の少なくとも一部は、この処理の間に部分的又は完全にインターカレートされるか又は剥離されることができる。次いで、充填剤/溶媒分散液を大環状オリゴマーと合する。大環状オリゴマーは室温では典型的には固体材料であるので、大環状オリゴマーを充填剤/溶媒分散液とブレンドし且つ溶媒中に溶解させるために大環状オリゴマーを加熱することが必要な場合がある。これは、大環状オリゴマーを溶融させ且つ溶融大環状オリゴマーと充填剤/溶媒分散液とを、ブレンドが完了するまで大環状オリゴマーが液体のままであるのに充分に高い温度を保持するように注意しながら、合することによって行うことができる。別法として、大環状オリゴマーを固体の、好ましくは粒子状の材料として充填剤/溶媒分散液に添加することができ、次に所望ならば、組成物全体を加熱して、大環状オリゴマーを溶融させる。次いで、混合物を撹拌して、充填剤をオリゴマー中に分散させる。溶媒中へのオリゴマーの溶解は、溶媒及びオリゴマーを共に含む単一相の形成によって示される。
【0010】
充填剤粒子は基本的には任意の粒子状充填剤であることができるが、本発明の利点は、充填剤が1ミクロン未満の大きさの粒子の形態であるか、又は1ミクロン未満の大きさの粒子に部分的に又は完全に剥離されることができる層状材料である場合に特に見られる。約0.6nm又はそれ以上、好ましくは1nm又はそれ以上であって、約50nm以下、より好ましくは約20nm以下、特に約10nm以下の最小寸法を有する粒子。粒子は1ミクロン以下又はそれ以上の最大寸法を有することができる。本発明における粒度は、透過電子顕微鏡のような適当な分析方法を用いて測定された分散充填剤粒子の体積平均粒度を意味し、入手したままの充填剤だけを意味するのではない。入手したままの充填剤は、塊状の一次粒子の形態であることもできるし、又は層状構造を有することもでき、層状構造は多くの場合、マスターバッチ及び/又は複合体の製造の過程でより小さい材料に更に分割される。
【0011】
好ましくは、充填剤粒子は約10又はそれ以上、より好ましくは約100又はそれ以上、最も好ましくは約500又はそれ以上のアスペクト比を有する。ここで使用する「アスペクト比」は、小板又は繊維の最大寸法の長さを最小寸法、好ましくは小板又は繊維の厚さで割ったものを意味する。
【0012】
水又は揮発性不純物を含む原料(充填剤、溶媒、大環状オリゴマー及び他の任意の添加剤)は乾燥させてから、充填剤粒子、溶媒、添加剤及び大環状オリゴマーの混合物を形成するのが好ましい。
【0013】
前記方法のいくつかの変法を用いることができる。このような変法の1つにおいては、大環状オリゴマーは最初に溶媒中に溶解させ、得られた大環状オリゴマー溶液中に充填剤粒子を分散させる。
【0014】
第2の変法においては、充填剤粒子、溶媒及び大環状オリゴマーを全て一緒に合し、大環状オリゴマーを溶解させるのに充分な温度に加熱し、得られた混合物を前述と同様にして混合する。
【0015】
第3の変法においては、溶媒中の充填剤粒子の分散液を形成し、追加の溶媒中の大環状オリゴマー溶液を別個に形成する。充填剤/溶媒分散液及び大環状オリゴマー溶液をブレンドし、得られたブレンドを前述と同様に混合する。大環状オリゴマー溶液は、最初に(必要ならば)その溶融温度より高温に加熱することによって、液体として充填剤/溶媒分散液に添加することができる。別法として、大環状オリゴマー溶液が室温(約22℃)で固体である場合には、大環状オリゴマー溶液を粒子状固体として充填剤/溶媒分散液中に分散させ、そして得られる混合物を必要ならば加熱してブレンドを形成することができる。このアプローチでは、比較的低粘度で且つ比較的低温の環境において、最初の充填剤処理が可能であり、比較的低粘度で且つ低温の環境において充填剤及び大環状オリゴマー溶液を混合することができる。
【0016】
前記アプローチのいずれにおいても、いずれの材料も連続的に、断続的に又はインクレメント的に(incrementally)別の材料に添加することができる。
【0017】
得られる生成物は、大環状オリゴマー溶液中の充填剤粒子の物理的分散液である。充填剤が層状クレイ材料である好ましい実施態様において、溶媒及び/又は大環状オリゴマーは、ある程度は混合プロセスの間にクレイにインターカレートすると考えられる。しかし、必ずしもこのようであるとは限らず、クレイは、ほとんど剥離されずに、塊状の一次粒子の形態で分布させることもできる。充填剤粒子の適当な濃度は、充填剤粒子、大環状オリゴマー及び全ての任意のコモノマー、連鎖延長剤、ポリマー、耐衝撃性改良剤又はゴム(以下により詳細に記載する)の合計重量に基づき、約1〜20重量%である。このレベルの充填剤粒子は、ポリマーに良好な補強及び熱的性質(例えば加熱撓み)を与える。約10%より多量又は約7重量%より多量の充填剤粒子を用いることは、充填剤粒子が前述のような粒度を有する場合には特に、通常は必要ない。充填剤粒子の特に好ましい量は、充填剤粒子が層状クレイである場合には、約2〜6重量%である。しかし、ブレンドをマスターバッチとして使用し且つその後に重合工程前又は重合工程中において追加の大環状オリゴマー(又は別の重合性又はポリマー材料)とブレンドする場合には、充填剤粒子の濃度は、充填剤粒子、大環状オリゴマー及び全ての任意のコモノマー、連鎖延長剤、ポリマー、耐衝撃性改良剤又はゴム(以下のより詳細に記載する)の重量に基づき、60重量%以下、例えば約21〜60重量%又は25〜50重量%であることができる。
【0018】
溶媒の量は、溶液中に望ましい濃度の大環状オリゴマー(及び全ての任意のコモノマー、架橋剤又は改質剤)を生じるように、かなり変化することができる。溶媒の適当な濃度は、溶媒、大環状オリゴマー及び存在する可能性のある全てのコモノマー、連鎖延長剤、ポリマー、耐衝撃性改良剤又はゴムの合計重量に基づき、約1〜95%である。溶媒の更に適当な濃度は、約10〜80重量%である。特に適当な濃度は、分散液が溶媒の存在下で重合される場合(以下により詳細に記載する)には、特に約25〜75重量%である。溶媒中に充填剤及び大環状オリゴマーの若干希釈されたブレンドを形成し、次いで重合工程の前又は重合工程中に、追加量の大環状オリゴマー中にブレンドをレットダウンすることによって本発明を実施することが可能である。
【0019】
分散体は種々の方法で用いて複合体を形成できる。1つの方法においては、溶媒を除去して、大環状オリゴマー中のクレイの分散体を形成する。この室温で固体である分散体は、例えば粉砕又はペレット化法によって粒子状物質の形態にすることができる。溶媒の除去は、デカント、乾燥、減圧乾燥、蒸留、減圧蒸留、脱揮、濾過、抽出又はこれらの組合せという従来の方法を行うのが都合よい。個々の方法は使用する個々の溶媒によって異なるであろう。100℃未満の沸点を有する溶媒は乾燥、減圧蒸留、減圧乾燥又は脱揮法によって除去するのが都合よい。溶媒が比較的高沸点の材料である場合には、抽出法が特に重要である。抽出法は、固化された又は溶融された分散体について、溶媒が混和できる抽出剤とそれらを接触させることによって行うことができる。抽出剤は、一般に100℃未満の沸点の有する揮発性炭化水素、ハロカーボン又はアルコールである。抽出剤の比較的に高い揮発性により、抽出剤の残量は、真空及び/又は中程度に高い温度への暴露によって分散体から除去されることができる。溶媒の除去後、分散体は、成形品又は造形品を製造するための種々の溶融加工操作に使用するのに適している。
【0020】
次に、得られた分散体を、大環状オリゴマーを重合させるのに充分な条件に、供する。環状オリゴマーの重合方法はよく知られている。このような方法の例は、特に米国特許第6,369,157号及び第6,420,048号、国際出願公開番号第WO03/080705号並びに米国特許出願公開第2004/0011992号に記載されている。これらの従来の重合法はいずれも本発明への使用に適している。一般に、重合反応は、後述する重合触媒の存在下で高温で実施する。
【0021】
重合は、大環状オリゴマー混合物の溶融温度より高温で実施する。その条件を達成する個々の温度は、言うまでもなく、存在する個々の大環状オリゴマーによって異なる。適当な重合温度は約100℃〜約300℃であり、約100℃〜約280℃の温度範囲が好ましく、約180〜270℃の温度範囲が特に好ましい。重合中の混合物は、所望の分子量及び転化率が得られるまで高温に保持する。
【0022】
触媒は重合中又は重合直前に添加することができる。代わりに、触媒は、触媒を溶媒及び/又は大環状オリゴマー(もしくは任意的成分)中にブレンドすることによって、充填剤/溶媒/大環状オリゴマー分散体中にそれらを製造しながら混和することもできる。一部の実施態様においては、このアプローチは、触媒をクレイ粒子の層の内部にインターカレートさせ且つ/又は触媒をクレイに化学結合させると考えられる。クレイ粒子への触媒の化学結合はクレイがヒドロキシル又はアミン基のような活性水素含有基で処理されるか又はそれを含む場合に好ましいと考えられる。後述するようなヒドロキシル含有オニウム化合物で処理されたクレイは、特に重合触媒への結合を形成できると考えられる。
【0023】
重合は密閉金型中で実施して成形品を形成できる。環状オリゴマー重合法の利点は、熱可塑性樹脂の成形作業が、熱硬化性樹脂に一般に適用できる手法を用いて実施できることである。溶融時には、環状オリゴマーは典型的には比較的低粘度を有する。このため、環状オリゴマーは、液体樹脂成形、反応射出成形及び樹脂トランスファー成形のような反応性成形法において、並びに樹脂フィルム溶融注入(レジン・フィルム・インフュージョン)、繊維マット又は布の含浸、プレプレグ形成、引抜成形及びフィラメント・ワインディングのような、樹脂を繊維束の個々の繊維の間に浸透させて構造用複合体を形成する必要がある方法において使用できる。これらの型の方法のいくつかは米国特許第6,420,047号に記載されており、この特許を引用することによって本明細書中に組み入れる。
【0024】
得られるポリマーは離型される前にその結晶化温度未満の温度に達しなければならない。従って、離型前に(又は別の方法で加工を完了させる前に)、ポリマーを冷却することが必要な場合がある。場合によっては、環状ブチレンテレフタレートオリゴマーの重合においては、特にオリゴマーの溶融及び重合温度は、得られるポリマーの結晶化温度よりも低い。このような場合には、重合温度はオリゴマーの溶融温度とポリマーの結晶化温度との間であるのが有利である。これにより、ポリマーは、分子量の増大につれて重合温度において結晶化することができる(等温硬化)。このような場合には、離型を行えるようになる前にポリマーを冷却する必要はない。
【0025】
重合を塊状重合として実施して、押出、射出成形、圧縮成形、熱成形、ブロー成形、樹脂トランスファー成形などのような、その後の溶融加工操作に有用な粒子状ポリマー(例えばペレット化ポリマー)を生成することもできる。
【0026】
得られる重合生成物は充填剤粒子の重合大環状オリゴマー中分散体である。充填剤粒子の適当な濃度は、クレイ、大環状オリゴマー及び全ての任意のコモノマー、連鎖延長剤、ポリマー、耐衝撃性改良剤又はゴム(以下のより詳細に記載する)の合計重量に基づき、約1〜20重量%である。このレベルの充填剤は、ポリマーに良好な補強及び熱的性質(例えば加熱撓み)を与える。約10%より多量又は約7重量%より多量の充填剤粒子を用いることは、充填剤粒子が層状クレイのような好ましい層状材料である場合には、特に通常は必要ない。層状クレイ粒子の特に好ましい量は約2〜6重量%である。
【0027】
充填剤を更に分布させるために、充填剤/大環状オリゴマー分散体は、高剪断条件に供することができる。これはプロセスの種々の段階で行うことができる。例えば充填剤、溶媒及び大環状オリゴマーの混合物を、それらを合して分散体を生成しながら、高剪断条件に供することができる。別法として、形成工程後において、溶媒の除去前又は除去後に剪断に供することもできる。剪断は、重合工程直前に又は重合工程の間にすら実施できる。更に、剪断は、分散体を追加量の大環状オリゴマー、別の重合性材料又は別のポリマーとブレンドするブレンド工程の間に行うこともできる。層状クレイ充填剤を用いる好ましい実施態様において、剪断は多くの場合、クレイを少なくとも一部分剥離させ、それによってポリマーの内部にクレイ粒子をより良く分布させる。
【0028】
剪断は、高速混合ブレード、一軸若しくは二軸スクリュー押出機又は高剪断を生じる他の特殊混合装置を用いて剪断するのが都合よい。10,000レシプロカル秒(reciprocal second)又はそれ以上、例えば20,000〜150,000レシプロカル秒又は30,000〜100,000レシプロカル秒の剪断速度が特に有用である。種々の高剪断混合装置が有用である。適当な高剪断ミキサーの例は、2500フィート/分又はそれ以上、例えば約3000〜約6000フィート/分又は約3500〜約5000フィート/分の先端速度を生じるように回転する、Cowlesブレードとして一般に知られている鋸歯状ブレードである。好ましい実施態様において、剪断はクレイ粒子をインターカレートさせて前述のように層間間隔を増大させるのに充分な時間続ける。約2分間又はそれ以上、より好ましくは約10分間又はそれ以上、最も好ましくは約15分間又はそれ以上の期間が一般に充分である。約90分以下、例えば約40分間又はそれ以下、最も好ましくは約25分又はそれ以下の期間もまた、一般に充分である。過度の剪断時間は充填剤粒子及び/又は大環状オリゴマーを分解させるおそれがある。
【0029】
剪断は、二軸スクリュー押出機のような押出機を用いて溶融加工操作の間に、適用するのが都合よい。前述のような剪断速度が適当である。このように、剪断工程は、充填剤/大環状オリゴマー分散体を溶融加工して製品を形成し且つ/又は追加量の大環状オリゴマー又は追加のポリマー若しくは重合性材料と合すると同時に実施できる。
【0030】
剪断工程は、好ましくは大環状オリゴマー(及び追加のポリマー又は重合性オリゴマー)が流体である温度において行う。剪断工程を溶媒の存在下で実施する場合を除いて、通常は、剪断工程は高温で実施することが必要であろう。任意の個々の例で必要な温度は、個々の大環状オリゴマー、更に溶媒、大環状オリゴマー並びに他のポリマー及び/若しくは重合性材料の相対的比率によって決まることは言うまでもない。剪断工程は溶媒の沸点未満で実施するのが適当であり−溶媒に応じて22〜300℃の温度が適当であり、40〜200℃の温度が好ましく、100〜200℃の温度が特に好ましい。
【0031】
大環状オリゴマーを溶媒の存在下で重合させて、得られるポリマー中のクレイの分散体を形成する溶液重合も本発明の範囲内である。このような溶液重合は一般にバルクで実施して、前述のようなその後の溶融加工操作に有用な粒子状又はペレット化ポリマーを形成する。溶媒は分散体の形成に使用するのと同じ溶媒であることもできるが、別の溶媒を代わりに用いること又は分散体によって供給される溶媒を補うために追加の溶媒を用いることも本発明の範囲内である。溶媒は、重合温度又はそれ以下の沸点を有する必要がある。溶液重合法の利点は、大環状オリゴマー溶液を溶融させるのに、従って、重合を実施するのに必要な温度が、無溶媒重合法に比較して通常は比較的低いことである。この比較的低い温度は、充填剤及び大環状モノマーの分解を減少させると共に、エネルギー必要量を減少させることができる。これは、充填剤が層状クレイ又はオニウム処理クレイ(後述)である好ましい実施態様において特にそうである。適当な溶液重合温度は100〜270℃、例えば100〜220℃又は150〜190℃である。一般に190℃又はそれ以下の重合温度を用いるのが好ましい。
【0032】
存在する溶媒の量に応じて、重合生成物は、液体連続ポリマー/溶媒相を有し、粘稠なペースト状材料であり、又は室温で脆い固体ですらあることができる。重合完了時に重合体が液体又はペースト状の固体であるように充分な溶媒が存在するのが、溶媒の除去(分解生成物と共に)を容易にするので、一般的に好ましい。溶液重合の完了後、溶媒は得られたポリマーから前述の方法を用いて除去することができ、抽出法が特に適当である。溶媒の除去後、ポリマーは成形品又は造形品を製造するための種々の溶融加工操作に使用するのに適している。
【0033】
重合によって得られる複合体は、分子量を増加させるために、更に処理することができる。これを行うための2つのアプローチは固相重合(solid state polymerization)と連鎖延長(chain extension)である。固相重合は、複合体を高温に暴露することによって後硬化させることによって行う。これは、溶融加工操作の間に又はその後の工程で実施できる。適当な後硬化温度は、約170℃、約180℃又は約195℃から約220℃、約210℃又は約205℃までであるが、複合体のポリマー相の溶融温度未満である。固相重合は好ましくは非酸化性環境下で、例えば窒素又はアルゴン雰囲気下で実施し、好ましくは揮発性成分を除去するために真空下及び/又は流動ガス下で実施する。約1〜36時間、例えば4〜30時間又は12〜24時間の後硬化時間が一般に適当である。好ましくは、大環状オリゴマーは、重量平均分子量約60,000又はそれ以上、より好ましくは約80,000又はそれ以上、最も好ましくは100,000又はそれ以上まで進行(advance)させる。固相進行(advancemnt)には通常は追加触媒の使用は必要ない。
【0034】
連鎖延長は複合体を多官能価連鎖延長剤と接触させることによって実施する。多官能価連鎖延長剤は、重合された大環状オリゴマー上の官能基と反応してポリマー鎖を結合させ、それによって分子量を増加させる2個又はそれ以上の官能基を含む。適当なこのような多官能価連鎖延長剤については以下に詳述する。追加触媒は通常必要なく、前述のような高温が連鎖延長反応に有用である。
【0035】
充填剤粒子としては、ガラス(布、粉末、微小球及び繊維を含む);炭素及びグラファイト(布、粉末、小板、繊維及びナノチューブを含む);シリケート(タルク、長石、ウォラストナイト及びクレイを含む);水酸化物(アルミナ三水和物及び水酸化マグネシウムを含む);金属(粉末、フレーク、繊維を含む);セラミック(粉末、小板、ウィスカー及び繊維を含む);無機酸化物に加えて、炭酸塩、硫酸塩、アルミン酸塩、アルミノ珪酸塩、ステアリン酸塩及び硼酸塩が挙げられるが、これらに限定するものではない。充填剤粒子は、着色剤(例えば顔料又は染料)の働きをすることができ、且つ/又は触媒、安定剤又は難燃剤の働きをすることができる。充填剤粒子としてはまた、有機材料、例えば合成又は天然ポリマー粉末又は繊維、セルロース粉末又は繊維(木材、澱粉及び綿を含む)並びに植物が挙げられる。このような充填剤は、より高価なポリマーの代わりに、補強及び強化のために、耐衝撃性の改良のために、着色のために、耐燃性の改善のために、光学的、電気的又は磁気的性質の改善のために、離型性とコスト、加工性又は性能面での種々の他の改善のために用いる。
【0036】
本発明において有用なクレイは、層状構造を有する鉱物又は合成材料であり、個々の層は厚さが5〜100Åの範囲の小板又は繊維である。適当なクレイとしては、カオリナイト、ハロイサイト、サーペンティン、モンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト、サポナイト、イライト、ケニヤアイト、マガディアイト、マスコバイト、ソーコナイト、バーミキュライト、ボルコンスコアイト、パイロフィライト、マイカクロライト(緑泥石)又はスメクタイトが挙げられる。好ましくは、クレイは、カオリナイト、マイカ、バーミキュライト、ホルマイト、イライト又はモンモリロナイト群の天然又は合成クレイを含む。好ましいカオリナイト群のクレイとしては、カオリナイト、ハロイサイト、ディッカイト、ナクライトなどが挙げられる。好ましいモンモリロナイト類としては、モンモリロナイト、ノントロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ベントナイトなどが挙げられる。イライト群の好ましい鉱物としては、ハイドロマイカ、フェンジャイト、ブランマライト、グローコナイト、セラドナイトなどが挙げられる。より好ましくは、好ましい層状鉱物としては、マスコバイト、バーミキュライト、バイデライト、サポナイト、ベントナイト、ヘクトライト及びモンモリロナイトのような2:1層状シリケート鉱物としばしば称されるものが挙げられ、モンモリロナイトが最も好ましい。ホルマイト群の好ましい鉱物としては、層状構造が一次元で遮断されることによって繊維状又はラス状粒子形態を生じるセピオライト(海泡石)及びアタパルガイトが挙げられる。
【0037】
前述のクレイの他に、それらから製造された混合物と、例えば石英、黒雲母、リモナイト、含水マイカ、長石などを含む副成分鉱物も使用できる。前述の層状鉱物は、種々の方法によって合成的に製造でき、合成ヘクトライト、サポナイト、モンモリロナイト、マイカ及びそれらのフッ素化類似体として知られる。合成クレイは、シリケートの加水分解及び水和、タルクとアルカリフルオロ珪酸塩との間の気固反応、酸化物及びフッ化物の高温溶融、フッ化物と水酸化物の熱水反応、頁岩の屋外暴露(風化)並びに酸性クレイ及び無機酸の一次シリケートに対する作用を含む多くの方法によって製造できる。
【0038】
クレイは、好ましくは米国特許第5,707,439号及びPCT/US03/041,476に記載されたような有機オニウム化合物で改質する。この改質は、未改質クレイ中に存在する主としてアルカリ金属及びアルカリ土類陽イオンを有機オニウム化合物で置換する、有機オニウム化合物と天然クレイとの間の陽イオン交換反応によると考えられる。オニウム化合物は、負の電荷を帯びた対イオン及び正の電荷を帯びた窒素、燐又は硫黄原子を含んでなる塩である。特に有用なオニウム化合物は、炭素数が5又はそれ以上の鎖を有する少なくとも1個の配位子を有する。好ましくは、オニウム化合物は、炭素数が5又はそれ以上の鎖を有する少なくとも1個の配位子を有すると共に、重合反応の間に大環状オリゴマーと反応できる活性水素原子を有する官能基を含む少なくとも1個の(好ましくは2個又はそれ以上の)他の配位子も含む。オニウム化合物中の陰イオン性対イオンは、オニウム化合物と共に塩を形成し且つクレイ粒子上の陰イオン種と交換されることができる任意の陰イオンであることができる。好ましくは、オニウム化合物は下記式に相当する:
【0039】
【化1】

【0040】
前記式において、R1はC5又はそれ以上の直鎖、脂環式又は分岐鎖ヒドロカルビル基であり、R2は、それぞれ独立して、場合によっては1個又はそれ以上のヘテロ原子を含むC1〜C20ヒドロカルビル基であり、R3はC1〜C20アルキレン又はシクロアルキレン部分であり、Xは窒素、燐又は硫黄であり、Zは活性水素原子含有官能基であり、aは、それぞれ別個に、0、1又は2の整数であり且つbは1〜3の整数であって、Xが硫黄である場合にはa+bの合計は2であり、Xが窒素又は燐である場合にはa+bの合計は3である。より好ましくは、Xは窒素である。より好ましくは、R1はC10〜C20炭化水素鎖であり、そして最も好ましくはC12〜C18アルキル基である。より好ましくは、R2はC1〜C10ヒドロカルビルであり、そして最も好ましくはC1〜C3アルキルである。より好ましくは、R3はC1〜C10アルキレンであり、そして最も好ましくはC1〜C3アルキレンである。より好ましくは、Zは第一又は第二アミン、チオール、ヒドロキシル、酸塩化物若しくはカルボン酸、カルボン酸エステル又はグリシジル基であり、更に好ましくは第1アミン又はヒドロキシル基であり、そして最も好ましくはヒドロキシル基である。より好ましくは、yは、それぞれ別個に、ハロゲン又は硫酸エステル(例えば硫酸メチルのような硫酸アルキル)であり、そして最も好ましくは塩素又は臭素である。より好ましくは、aは0又は1の整数であり、そして最も好ましくは1である。最も好ましくは、bは2又は3である。
【0041】
活性水素含有官能基を含まない他のオニウム化合物を、前述の化合物の代わりに又は前述の化合物と組合せて使用することができる。これらの適当な例としては、米国特許第5,530,052号及び米国特許第5,707,439号に記載されたものが挙げられる。これらの特許を引用することによって本明細書中に組み入れる。このような非官能性オニウム化合物を用いる場合には、これらは、官能性型と組合せて使用するのが好ましい。官能基を含むオニウム化合物は、大環状オリゴマーの重合の開始部位となる傾向がある。これらの開始部位の存在は、形成されるポリマー鎖の数を増加させる傾向があり、その結果としてポリマーの平均分子量が減少する傾向がある。官能性型と非官能性型の混合物を用いると、分子量への影響とポリマーマトリックス中へのクレイの充分な分散とをバランスさせることができる。好ましくは、官能性オニウム化合物は、使用する全オニウム化合物の少なくとも1重量%又はそれ以上、例えば少なくとも10重量%又は少なくとも20重量%、約100重量%、例えば約90重量%以下、約50重量%以下又は約30重量%以下を構成する。
【0042】
オニウム化合物は、触媒及び大環状オリゴマーがクレイにインターカレートする能力を増大する傾向がある。好ましくは、少なくとも50%の、
【0043】
オニウム化合物は、触媒及び大環状オリゴマーがクレイにインターカレートする能力を増大する傾向がある。好ましくは、クレイ上の交換可能な陽イオンの少なくとも50%、例えば少なくとも75%又は少なくとも90%を、オニウム化合物と交換する。過剰のオニウム化合物、例えば交換可能な陽イオン1当量当たり1.5当量以下又は1.25当量以下のオニウム化合物を使用できる。
【0044】
大環状オリゴマーは環構造中に2個又はそれ以上のエステル結合を有する重合性環状物質である。エステル結合を含む環構造は一緒に結合して環を形成する少なくとも8個の原子を含む。オリゴマーはエステル結合を介して接続される2個又はそれ以上の構造反復単位を含む。構造反復単位は同一でも異なってもよい。オリゴマー中の反復単位の適当な数は約2〜約8の範囲である。通常、環状オリゴマーは、種々の数の反復単位を有する物質の混合物を含むであろう。好ましい種類の環状オリゴマーは、構造:
−[O−A−O−C(O)−B−C(O)]y− (I)
で表される。前記式中、Aは二価アルキル、二価シクロアルキル又は二価モノ−若しくはポリオキシアルキレン基であり、Bは二価芳香族又は二価脂環式基であり、yは2〜8の数である。構造Iの末端に示される結合は接続して環を形成する。構造(I)に相当する適当な大環状オリゴマーの例としては、1,4−ブチレンテレフタレート、1,3−プロピレンテレフタレート、1,4−シクロヘキセンジメチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート及び1,2−エチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートのオリゴマー、並びにこれらの2種又はそれ以上を含むコポリエステルオリゴマーが挙げられる。大環状オリゴマーは、好ましくは約200℃未満、好ましくは約150〜190℃の範囲の溶融温度を有するものである。特に好ましい環状オリゴマーは環状1,4−ブチレンテレフタレートオリゴマーである。
【0045】
環状オリゴマーの適当な製造方法は、米国特許第5,039,783号、第6,369,157号及び第6,525,164号、国際出願公開番号第WO02/18476号並びに国際出願公開番号第WO03/031059号に記載されている。これらの特許全てを引用することによって本明細書中に組み入れる。一般に、環状オリゴマーは、ジオールと二酸、二酸塩化物若しくはジエステルとの反応において、又は線状ポリエステルの解重合によって適当に製造される。環状オリゴマーの製造方法は一般に本発明には臨界的でない。大環状オリゴマーは多くの場合、分解生成物及び他の不純物を除去するために抽出プロセスのような精製工程を経ることに知られている。本発明においては、このような分解生成物及び不純物は分散体又は重合された複合体から溶媒を除去する工程の間に一般に除去されるので、この精製工程を減少させるか排除することが可能である。その結果、場合によっては、より低コストの粗製大環状オリゴマーを本発明において使用できる。
【0046】
溶媒は、クレイと相溶性であり且つ溶媒の沸点以下のある温度において大環状オリゴマーを少なくとも一部分溶解させる任意の溶媒である。溶媒は好ましくは室温(約22℃)で液体である。溶媒は、大環状オリゴマーの重合前に除去する場合には、特に比較的低沸点(例えば100℃又はそれ以下)である。別法として、溶液重合を行う場合には特に、比較的高沸点溶媒を使用できる。このような高沸点溶媒としては、約100〜約300℃、特に約100〜約200℃の沸点を有するものが挙げられる。溶媒は、大環状オリゴマーとも、存在する可能性のある全ての任意的なコモノマー、連鎖延長剤、ポリマー、耐衝撃性改質剤又はゴムとも反応性であってはならない。適当な溶媒としては、ハロゲン化、特に塩素化炭化水素、例えばオルトジクロロベンゼン、芳香族及び/又はアルキル置換芳香族炭化水素、高沸点エーテル及びケトンが挙げられる。
【0047】
触媒の選択は大環状オリゴマーの性質によって決定される。錫又はチタネートをベースとする重合触媒が特に重要である。このような触媒の例は米国特許第5,498,651号及び米国特許第5,547,984号に記載されており、これらの開示を引用することによって本明細書中に組み入れる。1種又はそれ以上の触媒を一緒に又は順次使用することもできる。
【0048】
本発明において使用できる錫化合物の類の例示としては、モノアルキル錫ヒドロキシドオキシド、モノアルキル錫クロリドジヒドロキシド、ジアルキル錫オキシド、ビストリアルキル錫オキシド、モノアルキル錫トリスアルコキシド、ジアルキル錫ジアルコキシド、トリアルキル錫アルコキシド、式:
【0049】
【化2】

【0050】
を有する錫化合物及び式:
【0051】
【化3】

【0052】
を有する錫化合物が挙げられる。前記式において、R2はC1〜C4一級アルキル基であり、R3はC1〜C10アルキル基である。本発明において使用できる有機錫化合物の具体例としては、1,1,6,6−テトラ−n−ブチル−1,6−ジスタンナ−2,5,7−10−テトラオキサシクロデカン、n−ブチル錫クロリドジヒドロキシド、ジ−n−ブチル錫オキシド、ジ−n−オクチル錫オキシド、n−ブチル錫トリ−n−ブトキシド、ジ−n−ブチル錫ジ−n−ブトキシド、2,2−ジ−n−ブチル−2−スタンナ−1,3−ジオキサシクロヘプタン及びトリブチル錫エトキシドが挙げられる。更に、米国特許第6,420,047号(引用することによって組み入れる)に記載された錫触媒を重合反応に使用することもできる。
【0053】
本発明において使用できるチタネート化合物としては、米国特許第6,420,047号(引用することによって組み入れる)に記載されたものが挙げられる。その例示としては、テトラアルキルチタネート(例えばテトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルチタネート及びテトラブチルチタネート)、イソプロピルチタネート、チタネートテトラアルコキシドが挙げられる。他の例示としては、(a)式:
【0054】
【化4】

【0055】
[式中、各R4は、独立して、アルキル基であり、又は2つのR4基が一緒になって二価脂肪族炭化水素基を形成し、R5はC2〜C10二価又は三価脂肪族炭化水素基であり;R6はメチレン又はエチレン基であり;nは0又は1である]
を有するチタネート化合物、(b)式:
【0056】
【化5】

【0057】
[式中、各R7は、独立して、C2〜C3アルキレン基であり;ZはO又はNであり;R8はC1〜C6アルキル基又は非置換若しくは置換フェニル基であり;ただし、ZがOである場合には、m−n−0であり、ZがNである場合にはm=0又は1で且つm+n=1である]
の少なくとも1個の部分を有するチタン酸エステル化合物、及び(c)式:
【0058】
【化6】

【0059】
[式中、各R9は、独立して、C2〜C6アルキレン基であり、qは0又は1である]
の少なくとも1個の部分を有するチタン酸エステル化合物が挙げられる。
【0060】
他の適当な重合触媒は、
n(3-n)Sn−O−X (I)
[式中、nは2又は3であり、各Rは、独立して、不活性に置換されたヒドロカルビル基であり、Qは陰イオン配位子であり、Xは隣接酸素原子に結合される錫、亜鉛、アルミニウム又はチタン原子を有する基である]
として表されることができる。適当なX基としては、−SnRn(3-n)[式中、R、Q及びnは前述の通りである] 、−ZnQ[式中、Qは前述の通りである]、−Ti(Q)3[式中、Qは前述の通りである]及び−AlRp(Q)(2-p)[式中、Rは前述の通りであり、pは0、1又は2である]が挙げられる。好ましいQ基としては、−OR基[式中、Rは前述の通りである]が挙げられる。XがSnRn(3-n)である場合には、R及び/又はOR基は、触媒中に1個又はそれ以上の錫又は他の金属原子を含む環構造を形成する二価基であることができる。好ましいX基は、−SnRn(3-n)、−Ti(OR)3及び−AlRp(OR)(2-p)である。nは好ましくは1又は2である。これらの触媒は、2004年4月22日に出願された米国仮特許出願第60/564,552号により詳細に記載されている。この型の具体的な重合触媒の例としては、1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン;1,3−ジブロモ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン;1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン;1,3−ジアセチル−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン;1−クロロ−3−メトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン;1,3−メトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン;1,3−エトキシ−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン;1,3−(1,2−グリコレート)−1,1,3,3−テトラブチルジスタノキサン;1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラフェニルジスタノキサン;(n−ブチル)2(エトキシ)Sn−O−Al(エトキシド)2、(n−ブチル)2(メトキシ)Sn−O−Zn(メトキシド)、(n−ブチル)2(i−プロポキシ)Sn−O−Ti(i−プロポキシド)3、(n−ブチル)3Sn−O−Al(エチル)2、(t−ブチル)2(エトキシ)Sn−O−Al(エトキシド)2などが挙げられる。適当なジスタノキサン触媒(即ち、Zが0であり且つXが−SnRn(3~n)である場合)は、米国特許第6,350,850号に記載されており、この特許を引用することによって本明細書中に組み入れる。
【0061】
所望の重合速度を生じ且つオリゴマーのポリマーへの所望の転化率を得るのに充分な触媒を供給するが、過剰量の触媒の使用は裂けるのが通常は望ましい。触媒対大環状オリゴマーのモル比は、約0.01モル%又はそれ以上、より好ましくは約0.1モル%又はそれ以上、より好ましくは0.2モル%又はそれ以上であることができる。触媒対大環状オリゴマーのモル比は、約10モル%又はそれ以下、より好ましくは2モル%又はそれ以下、更に好ましくは約1モル%又はそれ以下、最も好ましくは0.6モル%又はそれ以下である。
【0062】
種々の追加材料を、重合前又は重合中に分散体に混和することもできるし、或いは分散体と合することができる。所望ならば、追加の大環状モノマーをクレイ/大環状オリゴマー分散体に添加することができる。これは、一般に、分散体が最終生成物中に必要とされるよりも高濃度の充填剤粒子を有するマスターバッチである場合に行われる。更に、重合は種々の連鎖延長剤、コモノマー及び改質剤の存在下で実施して、種々の改質ポリマーを生成することもできる。これらの材料は、前述のような製造工程の間に分散体中に混和することもできるし、或いは重合工程の直前又は重合工程中に分散体に添加することもできる。
【0063】
このような材料の1つは、大環状オリゴマーと共重合してランダム又はブロックコポリマーを形成するであろう大環状オリゴマー以外の共重合性モノマーである。適当な共重合性モノマーとしては、ラクトンのような環状エステルが挙げられる。ラクトンは、1個又はそれ以上のエステル結合を含む4〜7員環を含むのが都合よい。ラクトンは置換されていても非置換でもよい。適当な置換基としては、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、シアノ、エーテル、スルフィド又は第三アミン基が挙げられる。置換基は好ましくは、コモノマーが開始剤化合物として働くような方法ではエステル基と反応性でない。このような共重合性モノマーの例としては、グリコリド、ジオキサノン、1,4−ジオキサン−2,3−ジオン、ε−カプロラクトン、テトラメチルグリコリド、β−ブチロラクトン、ラクチド、γ−ブチロラクトン及びピバロラクトンが挙げられる。
【0064】
マスターバッチに含ませることができる別の任意材料は、重合された大環状オリゴマー(及び/又はブレンド中の別のポリマー)上の官能基と反応するであろう2個又はそれ以上の官能基を有する多官能価の連鎖延長化合物である。適当な官能基の例は、エポキシ、イソシアネート、エステル、ヒドロキシル、カルボン酸、カルボン酸無水物又はカルボン酸ハロゲン化物基である。より好ましくは、官能基はイソシアネート又はエポキシであり、エポキシ官能基が最も好ましい。好ましいエポキシ含有連鎖延長剤は、脂肪族又は芳香族グリシジルエーテルである。好ましいイソシアネート含有連鎖延長剤としては、芳香族及び脂肪族の両者のジイソシアネートが挙げられる。好ましくは連鎖延長剤はこのような官能基を平均して分子当たり約2〜約4個、より好ましくは約2〜約3個、最も好ましくは約2個有する。連鎖延長剤は官能基当たりの当量が500又はそれ以下であるのが適当である。適当な量の連鎖延長剤は、例えば重合された大環状オリゴマー中の反応性基モル当たり少なくも0.25モルの官能基を与える。
【0065】
マスターバッチは、更に、その後の重合の間に、重合された大環状オリゴマーとポリマーブレンドを形成する1種又はそれ以上のポリマー材料を含むことができる。このようなポリマー材料の例としては、例えばポリエステル、例えばポリ(ε−カプロラクタム)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンアジペート、ポリエチレンテレフタレートなど、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、並びにアミン官能性ポリエーテル及び/又はポリエステルが挙げられる。重合された大環状オリゴマー及び/又は連鎖延長剤上の官能基と反応する官能基を含むポリオレフィン(例えばエチレン、プロピレン、ブチレン異性体及び/又は他の重合性アルケンのポリマー及びインターポリマー)を使用できる。大環状オリゴマー及び/又は重合された大環状オリゴマーと相溶性であるか、又は重合された大環状オリゴマーに結合されることができる官能基を含む他のポリマー材料も有用である。これらのポリマーのいくつかは、重合プロセスの間に大環状オリゴマー又はそのポリマーとのエステル交換反応に関わって、ブロックコポリマーを形成することができる。反応性官能基を有するポリマー材料は、前述のように連鎖延長剤によって、重合された大環状オリゴマーに結合されることができる。適当な官能基化ポリマー材料は、このような官能基を平均して分子当たり約1個又はそれ以上、好ましくは約2〜約3個、最も好ましくは約2個含み、官能基当たりの当量が500超である。これらの分子量は約100,000以下、例えば約20,000以下又は約10,000以下であるのが適当である。好ましくはポリマー材料は、重合された大環状オリゴマー単独のガラス転移温度よりもかなり低い(例えば少なくとも10℃低い、又は少なくとも30℃低い)ガラス転移温度を有する。ガラス転移温度が比較的低いポリマー材料は、得られる生成物の延性及び耐衝撃性を改善する傾向がある。官能基化ポリマーは、本発明の望ましい結果を達成する任意の主鎖を含むことができる。特に適当な多官能価ポリマーは、ポリエーテル又はポリエステルポリオールである。
【0066】
別の適当な追加材料は耐衝撃性改良剤である。ポリマー組成物の耐衝撃性及び靭性を改善する任意の耐衝撃性改良剤を使用できる。耐衝撃性改良剤の例としては、コアシェルゴム、オレフィン系強化剤、モノビニリデン芳香族化合物とアルカリジエンのブロックコポリマー及びエチレンープロピレンジエンモノマーに基づくポリマーが挙げられる。耐衝撃性改良剤は、官能基化されていなくてもよいし、極性官能基によって官能基化されていてもよい。適当なコアシェルゴムとしては、大環状オリゴマー又は重合された大環状オリゴマー上の官能基と反応する表面官能基を有する官能基化コアシェルゴムが挙げられる。好ましい官能基は、グリシジルエーテル部分又はグリシジルアクリレート部分である。コアシェルゴムは一般に約30〜約90重量%のコアを含むであろう。「コア」は、コアシェルゴムの中心のエラストマー部分を意味する。コアシェルゴムは、押出機のような高剪断環境中で、重合の完了後に添加できる。
【0067】
天然又は合成ゴムは、組成物に添加することができる有用な別の型の改質剤である。ゴムは、一般にポリマーの靭性を改善するために添加する。本発明に係る望ましいゴム改質ポリマーは、望ましくは落槍衝撃強さ(ASTM D3763−99による)が約50インチ/lbs又はそれ以上、より好ましくは約150インチ/lbs又はそれ以上、最も好ましくは約300インチ/lbs又はそれ以上である。
【0068】
前述の連鎖延長剤及び改質剤の他に、種々の任意材料を重合プロセスに取り入れることができる。このような材料の例としては、補強剤(例えばガラス、炭素又は他の繊維)、難燃剤、着色剤、酸化防止剤、防腐剤、離型剤、潤沢剤、紫外線安定剤などが挙げられる。
【0069】
得られるポリマーは、自動車車体部品、電気製品の筐体及びエンジニアリングポリマー有用である他の用途のような用途において有用である。
【実施例】
【0070】
本発明を説明するために以下の実施例を記載するが、これらは本発明の範囲を制限するものではない。特に断らない限り、全ての部及び%は重量基準である。
【0071】
実施例1
ビスヒドロキシエチル,メチル,獣脂アルキルアンモニウム改質モンモリロナイトクレイ(Southern Clay Products製のCloisite(登録商標)30B)0.25部及び環状ブチレンテレフタレートオリゴマー4.73部をガラスバイアル中に量り入れる。次いで、ジスタノキサン触媒0.0198部を、次いで塩化メチレン10部を添加する。次に、バイアルに蓋をし、そしてオリゴマーが溶解され且つ均質化された非沈降性半透明混合物が得られるまで、バイアルを数分間オービットシェーカー上に置く。次いで、塩化メチレンを蒸発させ、残りの粉末を90℃において真空下で一晩乾燥させる。得られた分散体は、分散クレイを5重量%及び触媒を0.15モル%(オリゴマーに基づく)含む。得られた分散液の重合を190〜220℃において行って、複合ポリ(ブチレンテレフタレート)ポリマーを生成する。
【0072】
実施例2〜5
実施例2の複合体を、以下のようにして製造する。Cloisite(登録商標)30B改質クレイ15.83gを2つ口フラスコ中に入れる。o−ジクロロベンゼン(ODCB)243mlを添加し、均一な分散液が形成されるまで混合物を約30分間撹拌する。更にODCB3mLをリンスとして添加する。環状ブチレンテレフタレートオリゴマー300gを添加する。次いで、フラスコを160℃まで加熱し、約30分間撹拌して、オリゴマーのODCB中溶液を形成すると共に、得られる溶液中にクレイを分散させる。ブチル錫ジヒドロキシクロリド(1g)を添加し、混合物を1分間撹拌する。次に、混合物を190℃において90分間加熱してオリゴマーを重合させ、次いで、室温に冷却する。得られたポリマーの重量平均分子量は約73,000である。
【0073】
実施例3の複合体は、クレイを33.44g用いる以外は同様にして製造する。得られたポリマーの重量平均分子量は約38,000である。
【0074】
実施例4の複合体は、Cloisite 30Bクレイの代わりに同様な量のメチル,ココアルキル,ビスヒドロキシエチルアンモニウム改質合成フルオロマイカクレイ(Co−op Chemcial製のSomasif(登録商標)MEE)を用い且つ重合を120分間実施する以外は実施例2の複合体と同じ方法で製造する。得られたポリマーの重量平均分子量は約64,000である。
【0075】
実施例5の複合体は、クレイ33.48gを用いる以外は実施例4の複合体と同じ方法で製造する。得られたポリマーの重量平均分子量は約47,000である。
【0076】
実施例5の複合体は、クレイ33.48gを用いる以外は実施例4の複合体と同じ方法で製造する。得られたポリマーの重量平均分子量は約47,000である。
【0077】
実施例2〜5のナノ複合体のそれぞれから射出成形された試験成形品について、引張弾性率、伸び率%、66psi(455kPa)の荷重下における撓み温度及び線熱膨張率(22〜80℃の温度範囲にわたる)を測定する。結果を表Iに示す。
【0078】
【表1】

【0079】
実施例6〜9
2つ口フラスコ中にCloisite(登録商標)30B改質クレイを15.85g装入することによって、実施例6の複合体を製造する。o−ジクロロベンゼン(ODCB)243mLを添加し、均一な分散液が形成されるまで混合物を約30分間撹拌する。ODCBをリンスとして更に3mL添加する。環状ブチレンテレフタレートオリゴマーを300g添加する。次いで、フラスコを160℃まで加熱し、約30分間撹拌して、オリゴマーのODCB中溶液を形成すると共に、得られる溶液中にクレイを分散させる。ブチル錫ジヒドロキシクロリド(1g)を添加し、混合物を1分間撹拌する。次に、混合物を190℃において120分間加熱してオリゴマーを重合させ、その後、室温に冷却する。分散クレイ粒子を含むポリマーの固溶体(solid solution)を形成する。ポリマー相の重量平均分子量は約72,000である。これを小粒子に分割し、円筒濾紙(extraction thimble)中に入れ、クロロホルムで16〜24時間抽出して、ODCBを除去する。次いで、残りのナノ複合体を乾燥させ、Wileyミル中で粉砕し、210℃及び約1mmHgの真空(〜133Pa)において真空下で8時間加熱して、固相重合を行う。固相重合後のポリマー相の重量平均分子量は約155,000である。
【0080】
実施例7の複合体は、クレイを33.43g用いる以外は同様にして製造する。得られたポリマーの重量平均分子量は、固相硬化前では約35,000、後では約73,000である。
【0081】
実施例8の複合体は、Cloiste 30Bクレイの代わりに同様な量のSomasif(登録商標)MEEを用いる以外は実施例6の複合体と同じ方法で製造する。得られたポリマーの重量平均分子量は、固相硬化前では約52,000、後では約145,000である。
【0082】
実施例9の複合体は、クレイ33.43gを用いる以外は実施例8の複合体と同じ方法で製造する。得られたポリマーの重量平均分子量は、固相硬化前では約39,000、後では約104,000である。
【0083】
実施例6〜9のナノ複合体のそれぞれから射出成形された試験成形品について、ヒートサグ(170℃及び210℃)、引張弾性率、伸び率%、66psi(455kPa)の荷重下における撓み温度及び機器搭載衝撃強さ(instrumented impact strength)を測定する。結果は表IIに示す通りである。
【0084】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)充填剤粒子、大環状オリゴマー及び前記大環状オリゴマー用の溶媒を、前記大環状オリゴマーが前記溶媒中に溶解されるような条件下で合して、前記大環状オリゴマー及び溶媒中に分散された充填剤粒子の混合物を形成し;
b)前記大環状オリゴマーを分散充填剤粒子の存在下で重合させる
ことを含んでなる大環状オリゴマーのポリマー中の充填剤粒子の分散体の製造方法。
【請求項2】
前記分散充填剤粒子が約0.6nm〜約50nmの最小寸法を有する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記充填剤粒子が層状クレイの粒子である請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記クレイが有機オニウム化合物で改質されている請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記混合物が、充填剤粒子、大環状オリゴマー及び存在する全てのコモノマー、連鎖延長剤、ポリマー、耐衝撃性改良剤又はゴムの合計重量に基づき、粒子約1〜10重量%の充填剤粒子を含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
大環状オリゴマー及び溶媒中に分散された充填剤粒子の混合物が1種又はそれ以上のコモノマー、連鎖延長剤、ポリマー、耐衝撃性改良剤又はゴムを更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
大環状オリゴマー及び溶媒中に分散された充填剤粒子の混合物が約25〜75重量%の溶媒を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記溶媒を工程b)の前に除去する請求項1に記載の方法。
【請求項9】
充填剤粒子及び大環状オリゴマーを一緒に高剪断条件に供する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
充填剤粒子及び大環状オリゴマーを一緒に高剪断条件に供する請求項3に記載の方法。
【請求項11】
充填剤粒子及び大環状オリゴマーを溶媒の存在下で高剪断条件に供する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
充填剤粒子及び大環状オリゴマーを高剪断条件に供した後であって且つ工程b)の前に溶媒を除去する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
充填剤粒子及び大環状オリゴマーを高剪断条件に供する前に溶媒を除去する請求項10に記載の方法。
【請求項14】
工程b)の間に充填剤粒子及び大環状オリゴマーを高剪断条件に供する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
工程b)の後に溶媒を除去する請求項14に記載の方法。
【請求項16】
重合された大環状オリゴマーを更に処理して分子量を増大させる請求項15に記載の方法。
【請求項17】
工程b)を溶媒の存在下で実施する請求項1に記載の方法。
【請求項18】
充填剤粒子及び大環状オリゴマーを溶媒の存在下で高剪断条件に供する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
充填剤粒子、大環状オリゴマー及び溶媒を工程b)の間に高剪断条件に供する請求項18に記載の方法。
【請求項20】
重合された大環状オリゴマーから溶媒を除去する請求項19に記載の方法。
【請求項21】
重合された大環状オリゴマーを更に処理して分子量を増大させる請求項20に記載の方法。
【請求項22】
重合された大環状オリゴマーを更に処理して、分子量を増大させる請求項18に記載の方法。
【請求項23】
充填剤粒子、大環状オリゴマー及び溶媒を工程b)の前に高剪断条件に供する請求項18に記載の方法。
【請求項24】
工程b)を190℃以下の温度で実施する請求項18に記載の方法。

【公表番号】特表2008−503615(P2008−503615A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−516757(P2007−516757)
【出願日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2005/021375
【国際公開番号】WO2006/009804
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】