説明

充填物を有する人工芝生

【課題】
多目的利用を前提とした充填物を有する人工芝生を敷設のアリーナスペースにおける該充填物流出阻止用の堰の種々の不都合を解する。
【解決手段】
人工芝生1の周辺部の床面に、角管部材8と、該角管部材8の表面を被覆する硬質弾性材製の被覆部材9とから成る、前記人工芝生1に充填した充填物5の平均高さよりも低い高さを有する端部処理部材7を固設して、堰としての好適性をもたせた。これにより多目的利用を前提とした広範囲なアリーナスペースで、整備用又は搬送用の車輌が乗り入れる条件のもとでの充填物を有する人工芝生の撤去若しくは修復に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基布に植毛したパイル糸の間に砂その他の充填物を有する人工芝生に関する。
【背景技術】
【0002】
運動競技場のアリーナスペースには、競技場の維持管理の容易性、グランドコンデションの安定性、優れた透水性等の特徴を備えた、充填物を有する人工芝生が用いられている。図5に示すように、人工芝生1は、一般的に、裏打ち用の基布2に多数の合成樹脂製のパイル糸3(葉片)を植毛したものである。この植毛部4に、特に、野球やサッカー、テニス等の競技を行う運動競技場には、運動選手の足腰にかかる負担を大幅に軽減するため、衝撃吸収性、しなやかさ、良好なバウンド力等の運動性能を備えた、砂、ゴムチップ等の充填物5をパイル糸3の間に充填した、充填物5を有する人工芝生1が用いられることが多い。
【0003】
通常、人工芝生を敷設する場合は、幅3.6mから4m程度のロール状の基布を展長し、各人工芝生の端部の基布を縫製加工して運動競技場に合わせた大きな人工芝生とし、該人工芝生の周辺部を床面に接着した後、充填物である砂(珪砂)を撒き、砂の散布によって倒れたパイル糸をブラシで起毛させて、砂をパイル糸の間に落とし込み、更に、砂の上からゴムチップ等を撒いて、ブラシでパイル糸を起毛させることを繰り返し、所定の高さまで充填物をパイル糸の間に充填して、充填物を有する人工芝生を運動競技場に敷設している。
【0004】
特開平5−156602号公報には、テニスコート、サッカー場、ラグビー場、ゲートボール場等に用いられる長尺状に形成された複数枚の人工芝生を接続して敷設し、砂を充填した人工芝生において、敷設した人工芝生のうち使用頻度の高い部分と低い部分とを、芝ブロックで構成し、該芝ブロックの裏面にジョイントテープ材を敷いて、隣接する芝ブロックを接続し、人工芝生の硬化又は磨耗が目立ってきたら、隣接する芝ブロック間を接続しているジョイントテープ材をカッター等を用いて切り離し、使用頻度の高い芝ブロックと使用頻度の低い芝ブロックとの位置を交代する、砂入れ人工芝生の施工方法が開示されている。
【0005】
また、充填した充填物が人工芝生の周辺端部から流出しやすいため、人工芝生の周辺部には、充填物の流出を堰き止める構造が必要となる。このため、従来においては、人工芝生を敷設する部分を凹状に形成し、この凹部内に充填物を有する人工芝生を敷設し、凹部の側壁で充填物の流出を堰き止めたり、図5に示すように、人工芝生1の周囲にコンクリートでブロック状の突設部6を設け、該突設部6で充填物の流出を堰き止める構造となっていた。
【0006】
特開平8−3914号公報には、人工芝生の周辺部に、透水性を有するとともに、人工芝生に充填した充填物の高さと同等若しくはそれよりも高く形成されたウレタンバインダ製の直方体ブロック状の舗装材を、砂止めとして配置した発明が開示されている。
【特許文献1】特開平5−156602号公報
【特許文献2】特開平8−3914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、図6に示すように、運動競技のみならず、コンサートや各種展示会等の多目的利用を前提とする施設のアリーナスペースには、コンクリートの床面に、給排水用マンホールA、地下収納庫用ハッチB、電源引き込みハッチ、可動装置用レール収納ハッチC及び競技用グラウンドの周囲に設けた可動席用のレールハッチD等の設備を有するものが多く、催事に合せてこれらの設備を使用するため、人工芝生を撤去し、催事後、再び人工芝生を修復する必要があった。
【0008】
このため、運動選手の足腰にかかる負担を考慮すると、運動競技場のアリーナスペースには、充填物を有する人工芝生を敷設することが適当であるが、施設の多目的利用を考慮して、撤去や修復が簡便に施工できる充填物のない人工芝生が用いられるという傾向にあった。すなわち、充填物を有する人工芝生の場合は、催事に合せて、アリーナスペースの人工芝生から充填物を抜き取って人工芝生を撤去し、その後、再び人工芝生を敷設して、充填物の再充填を行なわなければならず、膨大な時間と費用がかかる、と言う問題があった。
【0009】
部分的に充填物を有する人工芝生を撤去する場合であっても、一部の人工芝生を撤去した際に、人工芝生の端部から充填物が流出して周囲に散乱し、この流出した充填物をほうきで掃いたり、掃除機で吸い取って、除去しなければならず、1平方メートル程度でも約1時間程度の作業時間を要し、撤去作業が困難である、と言う問題があった。
【0010】
充填物を有する人工芝生の一部を撤去若しくは修復すると、人工芝生の端部から、傾斜角約45°の角度で充填物が流出するため、修復の度に補充する充填物量も少なくなく、部分的な人工芝生の撤去であっても、修復費用がかかる、と言う問題もあった。
【0011】
また、多量に流出してしまった充填物の再充填にあたっては、人工芝生の衝撃吸収性を損なったり、ボールのバウンドのイレギュラーが起きたりしないように、周囲の充填密度と同程度に充填物を再充填することが必要となり、再充填に技術を要し、時間がかかる、と言う問題もあった。
【0012】
使用頻度の高い部分に芝ブロックを用いる上述の発明であっても、芝ブロックを交換する際に人工芝生の端部から充填物が流出する、という問題は解決されていない。また、修復の際にはカッターで切断したジョイントテープに代わり、再び新たなジョイントテープ材を敷いて芝ブロックを接続しなければならず、充填物を有する人工芝生の撤去若しくは修復の施工が困難である、と言う問題は解決されていなかった。
【0013】
また、人工芝生の周辺端部から充填物を流出させないために、人工芝生の周辺部の地面等にコンクリートブロックを配置すると、硬いコンクリートブロックにぶつかって運動選手が怪我等をする場合があり、安全性の点で問題があった。
【0014】
上述のウレタンバインダ製の直方体ブロックを、砂止めとして人工芝生の周辺部に配置した場合であっても、該直方体ブロックが、人工芝生に充填された充填物の高さと同等若しくはそれよりも高く形成されているため、運動選手が直方体ブロックに躓くおそれがあり、安全性の点では問題があった。広範囲なアリーナスペースに敷設した人工芝生には、整備用又は搬送用の車輌が乗り入れる必要があるが、ウレタンバインダ製の直方体ブロックでは、重量物、大型車輌の通行に対する耐荷重性がない、と言う問題もあった。
【0015】
また、多目的利用を前提とした施設においては、催事に合せて、給排水用のマンホール、可動装置用レール等の設備を利用するために、人工芝生の撤去若しくは修復に伴って、人工芝生の周辺部に配置した突起部等の一部も部分的に撤去若しくは修復する必要があった。
【0016】
そこで、本発明は、叙述の諸事情を鑑みて創案されたもので、充填物の流出を防止して充填物を有する人工芝生を撤去若しくは修復することを技術的課題とし、もって施設の多目的利用に合せて、充填物を有する人工芝生の安全性能、運動性能を損なうことなく、簡便かつ迅速に、撤去若しくは修復の可能な充填物を有する人工芝生を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記技術的課題を解決する本発明のうち、請求項1記載の発明の手段は、基布にパイル糸を植毛した植毛部を設け、前記パイル糸の間に砂、砂及びゴムチップ、ゴムチップ等の充填物を有する人工芝生であること、人工芝生の周辺部の床面に、角管部材と、該角管部材の表面を被覆する硬質弾性材製の被覆部材とから成る、人工芝生に充填した充填物の平均高さよりも低い高さを有する端部処理部材を固設したこと、にある。
【0018】
請求項1記載の発明にあっては、人工芝生の周辺部の床面に、人工芝生に充填した充填物の平均高さよりも低い高さを有する端部処理材を固設したため、砂、砂及びゴムチップ、ゴムチップ等の充填物が端部処理材で堰き止められ、人工芝生の周辺末端部から流出しないため、充填物の最適な充填状態が持続し、人工芝生の衝撃吸収性、しなやかさ、ボールのバウンド性等の良好な運動性能を維持する。
【0019】
人工芝生の周辺部に設けた端部処理材は、角管部材の表面に硬質弾性材製の被覆部材を被覆したため、運動選手が端部処理材にぶつかったり、躓いたりした際の衝撃を少なくし、安全性を保持している。また、端部処理材の高さは、人工芝生に充填した充填物の平均高さよりも低くしてあるため、運動選手等が端部処理材に躓きにくい。
【0020】
また、端部処理材は、人工芝生に充填した充填物の平均高さよりも低いため、整備用や搬送用の車輌等が敷設した人工芝生上に乗り入れ易い。
【0021】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明の構成に加え、互いに接合する一方の端部処理材の少なくとも一端部に、被覆部材よりも角管部材を突出させた突出角管部を設けたこと、他方の端部処理材の少なくとも一端部に、接合した一方の端部処理材の突出角管部を被覆する、角管部材よりも被覆部材を突出させた突出被覆部を設けたこと、にある。
【0022】
請求項2記載の発明にあっては、互いに組合わされる、突出角管部と突出被覆部を設け、この組合せ解除することにより、端部処理材の一部を簡単に取り外すことができる。このため、多目的利用を前提とする施設において、給排水用マンホール、電源引き込みハッチ、可動装置用レール等の設備を利用するため、人工芝生の撤去若しくは修復作業に伴って、簡便に、端部処理材も、部分的に撤去若しくは修復することができる。
【0023】
請求項3記載の発明の手段は、請求項1または2記載の発明の構成に加え、端部処理材に、固設用の固設プレートを突設したこと、にある。
【0024】
請求項3記載の発明にあっては、固設プレートに固定用のアンカーボルト等を打ち込み、該固定プレート上に人工芝生を敷設することにより、固定部分を外部に露出させることなく、また、人や車輌の通行の邪魔となることなく、外観上良好に、端部処理材を人工芝生の周辺部の床面に固設できる。
【0025】
請求項4記載の発明の手段は、請求項1または2記載の発明の構成に加え、角管部材の内部に、端部処理材を床面に固設する固定ボルトを設けたこと、にある。
【0026】
請求項4記載の発明にあっては、固定ボルトを角管部材内部に設けたため、固定用のアンカーボルト等を外部に露出させることなく、施工場所が狭い場合であっても、人や車輌等の通行の邪魔になることなく、外観上良好に、端部処理材を床面に固設できる。
【0027】
請求項5記載の発明の手段は、請求項1、2、3または4記載の発明の構成に加え、角管部材の内部の全体若しくは部分に、端部処理材の機械的強度を向上する強度向上材を充填したこと、にある。
【0028】
請求項5記載の発明にあっては、角管部材の内部に強度向上材を充填して、端部処理材の機械的強度を全体的若しくは部分的に向上し、荷物等の搬送のために、端部処理材を乗り越えて、人工芝生に乗り入れる重量物、大型車輌等に対する、端部処理材の耐荷重性を確保する。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、角管部材と、硬質弾性材製の被覆部材とから成る、人工芝生に充填した充填物の平均高さよりも低い高さを有する端部処理部材を、人工芝生の周辺部の床面に固設したため、該端部処理材で人工芝生に充填した充填物の流出を堰き止めて、最適な充填状態を維持し、充填物を有する人工芝生の良好な運動性能を維持し、充填物を有する人工芝生の耐久性を高めることができる。
【0030】
端部処理材は、硬質の角管部材を、硬質弾性材製の被覆部材で被覆したため、運動選手が躓いたり、ぶつかったりした際の衝撃を少なくして、安全性を確保している。端部処理材の高さを、人工芝生に充填した充填物の平均高さよりも低く設定したため、運動選手等が端部処理材に躓きにくく、安全性が確保される。
【0031】
また、端部処理材の高さを、人工芝生に充填した充填物の平均高さよりも低く設定したため、整備用や搬送用の車輌等が端部処理材を乗り越え易く、低い位置に設置された既存設備の利用を妨げることなく、充填物を有する人工芝生の周辺部の床面に、端部処理材を固設することができる。
【0032】
請求項2記載の発明にあっては、互いに組合わされる突出角管部と、突出被覆部を設け、該突出角管部及び突出被覆部の組合せにより、端部処理材の一部を部分的に、簡単に取り外すことができる。このため、多目的利用を前提とする施設において、催事に合せて既存設備を利用するため、部分的な人工芝生の撤去若しくは修復に伴い、端部処理材の部分的な撤去若しくは修復作業を、簡便かつ迅速に施工できる。
【0033】
請求項3記載の発明にあっては、固設プレートをアンカーボルト等で固定したため、該固定プレート上に人工芝生を敷設することにより、固定部分を外部に露出させることなく、端部処理材を床面に固設することができ、端部処理材が運動競技や車輌通行等の邪魔にならない。
【0034】
請求項4記載の発明にあっては、アンカーボルトを角管部材内部に設けたため、固定部分を外部に露出させることなく、また、人や車輌等の通行の邪魔になることなく、施工場所が狭い場合であっても、外観上良好に、端部処理材を床面に固設できる。
【0035】
請求項5記載の発明にあっては、端部処理材の角管部材の内部に、全体的若しくは部分的に強度向上材を充填し、端部処理材の機械的強度を向上し、端部処理材を乗り越えて通行する重量物、大型車輌等に対する、耐荷重性を確保する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例を示す、人工芝生1の構造を説明する縦断面図である。
【0037】
図1に示すように、人工芝生1は、基布2にパイル糸3を植毛した植毛部4を有し、該植毛部4のパイル糸3の間に、砂、砂及びゴムチップ、ゴムチップ等の充填物5を充填している。
【0038】
そして人工芝生1の周辺部の床面には、パイル糸3の間に充填した充填物5の平均高さよりも低い端部処理材7を固設している。
【0039】
端部処理材7は、図2に示すように、底面を床面に設置する、鋼管製の角管部材8と、該角管部材8の表面を被覆する硬質ゴム製の被覆部材9から成っている。端部処理材7には、角管部材8の底面と水平に固設プレート10が突設されており、この固設プレート10にアンカーボルト11を打ち込み、端部処理材7を床面に安定に固設している。
【0040】
そして、端部処理材7の内部の固設プレート10上に人工芝生1を敷設し、人工芝生1の植毛部4のパイル糸3の間に充填物5を充填する。人工芝生1の周辺端部には、充填物5の平均高さよりも低い、端部処理材7の高さと同程度の高さまで充填物5を充填する。
【0041】
人工芝生1に充填された充填物5は、端部処理材7によって堰き止められて周囲に流出せず、人工芝生1に良好な充填密度を維持し、充填物5を有する人工芝生1の運動性能、安全性能を維持する。
【0042】
人工芝生1に中央部分では、人工芝生1の周辺末端部よりも充填物5の平均高さが高くなるように充填物5を充填しているが、パイル糸3によって充填物5の移動が阻止されるため、人工芝生1内部で充填物5が大きく移動して充填物5が端部処理材7を越えて流出することはなく、充填物5の流出は、端部処理材7で有効に防止される。
【0043】
端部処理材7は、鋼管製の角管部材8を、硬質ゴム製の被覆部材9で被覆しているため、運動選手等が端部処理材7にぶつかったり、躓いたりした場合であっても、衝撃が少なく、安全である。また、端部処理材7の高さは、人工芝生1に充填した充填物5の平均高さよりも低く設定してあるため、運動選手が端部処理材7に躓きにくい。
【0044】
端部処理材7の高さを、人工芝生1に充填した充填物5の平均充填高さよりも低く設定すると、端部処理材7は、人や車輌等の通行の妨げとならず、整備用や搬送用の車輌が、敷設した人工芝生上に乗り入れ易い。
【0045】
端部処理材7の高さを、人工芝生1に充填した充填物5の充填高さよりも低く設定しているため、図1に示すように、空調用の吸い込み口Eのような低い位置の既存設備がある場合であっても、既存設備の利用の妨げとならないように、端部処理材7を床面に固設できる。
【0046】
また、多目的利用を前提とする施設においては、可動席のレールや可動装置用のレール等の既存設備を利用するため、充填物を有する人工芝生1の部分的な撤去若しくは修復にともない、端部処理材7を部分的に撤去若しくは修復する必要がある。
【0047】
図3は、一部の撤去を可能とする端部処理材7の構造を説明する、側面図である。部分的に撤去する一部の端部処理材7´の端部には、角管部材8よりも被覆部材9を突出させた突出被覆部9aを設け、端部処理材7´に隣接する端部処理材7の端部には、被覆部材9よりも角管部材8を突出させた突出角管部8aを設けている。
【0048】
図3(a)に示すように、突出角管部8aと突出被覆部9aの組合せを解除することにより、一部の端部処理材7´を、簡便に部分的に取り外すことができ、多目的利用を前提とする施設の既存設備を、効率良く利用することができる。また、図3(b)に示すように、突出角管部7aに、突出被覆部8aを被せて、互いに組み合せることにより、取り外した一部の端部処理材7´を簡単に修復することができる。なお、被覆部材9は、角管部材8の表面にリベット等で固定している。
【0049】
図4は、本発明の他の実施例を示し、角管部材8の内部に、固定用のアンカーボルト11を設け、端部処理材7を地面に固設している。端部処理材7は、施工場所の状況や設置スペースに合せて、固設プレート10を用いて床面に固設しても良く、角管部材8の内部をアンカーボルト11で直接、床面に固設しても良い。
【0050】
角管部材8の内部には、部分的若しくは全体的に、モルタル等の強度向上材を充填し、モルタルの高強度、無収縮性、流動性等の特質を利用して、端部処理材7の機械的強度を向上する。端部処理材7には、設備利用の目的に応じて、重量物、大型車輌等が乗り上げるため、大型車輌等が通行する部分の端部処理材7の機械的強度を向上し、重量物、大型車輌等に対する、端部処理材7の耐荷重性を確保している。
【0051】
なお、角管部材8内部に強度向上材を充填するのみならず、角管部材8自体を、無垢の鋼材等を用いて形成し、角管部材8自体の機械的強度を向上することで、通過する大型車輌等に対して、端部処理材7の耐荷重性を確保してもよい。
なお、本発明にあっては、撤去若しくは修復する人工芝生の周辺部に散水しておくことにより、人工芝生のパイル糸の間に充填した砂、砂及びゴムチップ、ゴムチップ等の充填物の結合性が水分によって高まり、人工芝生の端部の充填物の崩れを極力防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の実施例を示し、人工芝生の周辺部の構造を説明する縦断面図。
【図2】(a)端部処理材の平面図、(b)端部処理材の縦断面図。
【図3】(a)端部処理材の一部を撤去した状態の側面図、(b)端部処理材の一部を修復した状態の側面図。
【図4】本発明の他の実施例を示し、人工芝生の周辺部の構造を説明する縦断面図。
【図5】従来例を示し、人工芝生の周辺部の構造を示す縦断面図。
【図6】多目的利用を前提とする、施設の平面図。
【符号の説明】
【0053】
1 ; 人工芝生
2 : 基布
3 ; パイル糸
4 ; 植毛部
5 ; 充填物
13a; ジッパー部
14 ; スペーサー
15 ; 引き出し紐
16 ; 固定用ペグ
6 ; 突起部
7 ; 端部処理材
7´ ; 一部撤去する端部処理材
8 ; 角管部材
8a ; 突出角管部
9 ; 被覆部材
9a ; 突出被覆部
10 ; 固設プレート
11 ; アンカーボルト
A ; 給排水用マンホール
B ; 地下収納庫用ハッチ
C ; 可動装置用レール収納ハッチ
C´ ; 可動装置用レール
D ; 可動席用レールハッチ
E ; 空調用吸い込み口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基布にパイル糸を植毛した植毛部を設け、前記パイル糸の間に砂、砂及びゴムチップと、ゴムチップ等の充填物を有する人工芝生において、前記人工芝生の周辺部の床面に、角管部材と、該角管部材の表面を被覆する硬質弾性材製の被覆部材とから成る、前記人工芝生に充填した充填物の平均高さよりも低い高さを有する端部処理部材を固設した充填物を有する人工芝生。
【請求項2】
互いに接合する二つの端部処理材の、一方の端部処理材の少なくとも一端部に、被覆部材よりも角管部材を突出させた突出角管部を設け、他方の端部処理材の少なくとも一端部に、前記一方の端部処理材の突出角管部を被覆する、角管部材よりも被覆部材を突出させた突出被覆部を設けた請求項1記載の充填物を有する人工芝生。
【請求項3】
端部処理材に、角管部材の底面と水平となる固設用の固設プレートを突設した請求項1または2記載の充填物を有する人工芝生。
【請求項4】
角管部材の内部に、端部処理材を床面に固設する固定ボルトを設けた請求項1または2記載の充填物を有する人工芝生。
【請求項5】
角管部材の内部の全体若しくは部分に、角管部材の機械的強度を向上する強度向上材を充填した請求項1,2,3または4記載の充填物を有する人工芝生。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−309093(P2007−309093A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−196144(P2007−196144)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【分割の表示】特願2002−70640(P2002−70640)の分割
【原出願日】平成14年3月14日(2002.3.14)
【出願人】(592074496)株式会社東京ドーム (1)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【出願人】(391006913)奥アンツーカ株式会社 (17)
【Fターム(参考)】