説明

充填装置

【課題】構成が比較的簡素で、かつ、充填能力の高い充填装置が望まれている。
【解決手段】充填装置は、ホッパの充填口4から充填・計量した被充填物を投下口14に運んで投入する装置であって、旋回体16が枢支軸17を中心として旋回自在に本体フレームに支持され、旋回体16に1対のスライダ部材25A,25Bが進退自在に並列に配備され、旋回体16の旋回動作により一方のスライダ部材25Bを前進させると同時に他方のスライダ部材25Aを後退させる交互移動機構を備え、旋回体16の旋回と交互移動機構との協働により、一方のスライダ部材25Aの計量カップ部15Aがホッパの充填口4の直下位置にきたとき、他方のスライダ部材25Bの計量カップ部15Bが投下口14の直上位置にくるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばキムチ、福神漬け、しば漬け、きざみ漬物などの漬物、豆類、わらび餅など食品の充填に好適な充填装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の充填装置を図8に示す(下記特許文献1参照)。文献1開示の充填装置51は一連式と称されるもので、下端に充填口4を有して被充填物Mを貯留するホッパ3と、ホッパ3の下方に配備されて基盤13上を摺動するスライダ部材25と、スライダ部材25に設けられてホッパ3の充填口4からの被充填物Mを一定量収容する計量カップ部15を備えている。ホッパ3内には、中空軸7に連結された撹拌羽根6と、中空軸7に通される回転軸8に連結されたスクリュー式の押出し機5が配備されている。この充填装置では、エアシリンダ45と連結された駆動用ロッド26の駆動によるスライダ部材25の摺動によって、計量カップ部15を充填口4から投下口14の直上位置まで移動させ、エアシリンダ21の駆動により押出しロッド20を計量カップ部15内に挿入して被充填物Mを投下口14に投入し、受口18を経て容器19Aに収容するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60−102623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、1つの充填口4、1つの投下口14、および1つの計量カップ部15を備える一連式の充填装置51では、計量カップ部15の1回の往復による充填・投下動作に約2秒間かかる。そのため、例えば1回300g充填(例えばキムチ)で1分間に30個ぶんの計量カップ部しか充填できなかった。
【0005】
一方で、高い充填能力を必要とするときは、複数の充填口と複数の投下口を備える多連式の充填装置が使用される。この多連式充填装置は分解洗浄が容易であるという利点を持つ反面、ホッパの形状が楕円形状とならざるを得ないので、スクリュー式押出し機の使用ができず、そのぶん充填速度を稼げていない。加えて、前記のようにホッパの充填口が複数必要となり充填容器も一度に複数用意する必要があるので、多連式充填装置は構成が複雑になり、複数の充填容器の取替を一度に行なわなければならないことから作業が煩雑になるという問題もある。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、構成が比較的簡素で、かつ、充填能力の高い充填装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る充填装置は、本体フレームに配備されて下端に充填口を有するホッパと、ホッパの下方に配備された基盤の上方を水平方向に移動するスライダ部材と、ホッパの充填口からの被充填物を一定量収容して前記基盤上を摺動するようにスライダ部材に設けられた計量カップ部とを備えてなり、スライダ部材の移動により、ホッパの充填口の直下位置から水平方向に離間配置された投下口の直上位置まで計量カップ部を移動させて計量カップ部内の被充填物を投下口に投入する充填装置において、投下口とホッパの充填口とを結ぶ直線の中間点を旋回中心として前記直線の両側に所定角度旋回自在の旋回体が本体フレームに支持され、前記旋回体に、計量カップ部をそれぞれ有する1対のスライダ部材が進退自在に並列に配備され、旋回体の旋回動作により一方のスライダ部材を前進させると同時に他方のスライダ部材を後退させる交互移動機構が旋回体に設けられ、旋回体と交互移動機構との協働により、一方のスライダ部材の計量カップ部がホッパの充填口の直下位置にきたとき、他方のスライダ部材の計量カップ部が投下口の直上位置にくるように構成されているものである。
【0008】
また、前記構成において、スライダ部材の計量カップ部がホッパの充填口または投下口に近づくにつれて計量カップ部の移動速度を遅くする減速機構を備えているものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る充填装置は、充填口との投下口がそれぞれ1つずつしかなく計量カップ部も2つを備えているだけなので、比較的簡素かつ安価な構成により提供され得る。また、旋回体の旋回動作と交互移動機構によるスライダ部材の交互移動動作により、一方のスライダ部材の計量カップ部がホッパの充填口の直下位置にきたとき、他方のスライダ部材の計量カップ部が投下口の直上位置にくるようにされているので、被充填物の充填と投下を別々の計量カップ部で同時期に行なうことができる。これによって、1つの充填口と1つの投下口を持つ充填装置の充填能力向上化を図ることができる。
【0010】
また、減速機構を備えているものでは、計量カップ部がホッパの充填口または投下口に近づくにつれて、減速機構によりスライダ部材の移動速度が遅くされる。これにより、充填口または投下口に対し計量カップ部のいわゆるソフトスタートおよびソフトストップを行なうことができ、旋回体などにかかる衝撃を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る充填装置の一部断面を含む側面構成図である。
【図2】前記充填装置の旋回体を示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A線矢視断面図、(c)は(a)におけるB−B線矢視断面図、(d)は(a)におけるC−C線矢視断面図である。
【図3】前記充填装置の旋回駆動機構を示すもので、(a)は旋回体が一方向に所定角度旋回した状態を示す平面図、(b)は旋回体が反対方向に所定角度旋回した状態を示す平面図である。
【図4】前記充填装置の交互移動機構を示す平面図である。
【図5】(a)〜(g)は前記充填装置の旋回体およびスライダ部材の動きを順次示す動作説明図、(h)は1対の計量カップ部の移動軌跡を示す動作説明図である。
【図6】(a)〜(d)は前記充填装置の交互移動機構および減速機構による動作を説明する動作説明図、(e)は旋回駆動機構のモータ駆動軸の回転角度とスライダ部材の移動距離(変位)との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の別の実施形態に係る充填装置の旋回体を示す平面図である。
【図8】従来の充填装置の一部断面を含む側面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。また、図8に示した従来の充填装置と同一の構成要素には同一の符号を付すとともにその詳細な説明を省略することがある。
図1〜4に示すように、この実施形態に係る充填装置1は、本体フレーム2の上下ほぼ中央部に被充填物Mを貯留するホッパ3が設置されている。ホッパ3は下部が先細のテーパ状に形成されていて、その下端は被充填物Mを送り出す充填口4として開口している。ホッパ3内のテーパ面近傍には、被充填物Mをかき混ぜる撹拌羽根6が配備されている。この撹拌羽根6と連結されている中空軸7は、歯車12,11を介して、本体フレーム2の上部に設置されたモータ10と駆動連結されている。ホッパ3内の充填口4近傍には、被充填物Mを充填口4から押出す螺旋状の押出し機5が配備されている。この押出し機5が取り付けられている回転軸8は中空軸7内を通されて、本体フレーム2の上部に設置されたモータ9と駆動連結されている。
【0013】
ホッパ3の下方位置の本体フレーム2には、基盤13が配備されている。ホッパ3の充填口4から水平方向に離間した位置の基盤13には、投下口14が上下貫通して形成されている。そして、投下口14と充填口4とを結ぶ直線Lの中間点となる位置の本体フレーム2の基台50に、枢支軸17が設けられている。枢支軸17には、この枢支軸17を旋回中心として直線Lをはさんだ両側に所定角度α度ぶん水平旋回する旋回体16が回動自在に軸支されている。旋回体16は、3条のフレーム体が左右方向に離間して平行配置され、各フレーム体の後端が基板49に固設されてなるフレーム部材23を備えている。フレーム部材23の2つのフレーム体間には、スライダ部材25Aとスライダ部材25Bとが前後進退自在に並列配備されている。スライダ部材25A,25Bの前部には、それぞれ上下貫通した円筒状の計量カップ部15A,15Bが垂設されている。これらの計量カップ部15A,15Bは、ホッパ3の充填口4からの被充填物Mを一定量収容し、ホッパ3の下方に配備された基盤13上を摺動するようになっている。
【0014】
スライダ部材25A,25Bの後端面には駆動用ロッド26A,26Bが後向きに突設され、これらの駆動用ロッド26A,26Bは基板49に立設された壁体22を貫通し摺動自在に支持されている。枢支軸17を通る旋回体16の軸心線上の基板49には枢支軸39が水平回りに回動自在に枢支され、枢支軸39に主歯車38が固設されている。主歯車38と壁体22との間の基板49上には、左右1対のピニオン41A,41Bが回動自在に枢支されている。これらのピニオン41A,41Bは主歯車38と噛合するとともに、駆動用ロッド26A,26Bの内側面に形成されたラック40A,40Bとも噛合するようになっている。
【0015】
図3に示すように、旋回体16のフレーム部材23の前右側部に設けられた枢支軸27に、クランク軸36の一端が水平揺動自在に軸支され、クランク軸36の他端は枢支軸35を介してクランク軸33の一端に水平揺動自在に軸支されている。クランク軸33の他端は本体フレーム2に設けられた枢支軸34に水平揺動自在に軸支されており、クランク軸33の途中には枢支軸32が設けられている。そして、本体フレーム2の後部にはモータ46が配備されている。モータ46のモータ駆動軸29には円板28が固設されている。円板28の外周部に設けられた枢支軸30にはクランク軸31の一端が水平揺動自在に軸支されている。クランク軸31の他端は、前記したクランク軸33の枢支軸32に水平揺動自在に軸支されている。これら、枢支軸27,35,32,34,30と、クランク軸36,33,31と、円板28と、モータ駆動軸29と、モータ46とから、後で動作を詳述する旋回駆動機構47が構成される。
【0016】
図1および図4に示すように、本体フレーム2上に水平回動自在に設けられた枢支軸44の上端には、横円筒状のスライド受部材43が固設されている。このスライド受部材43の筒内にはスライドロッド42が水平方向摺動自在に挿通されている。スライドロッド42の一端には、前記した枢支軸39が固設されている。すなわち、前記した、駆動用ロッド26A,26Bのラック40A,40B、ピニオン41A,41B、主歯車38、枢支軸39、スライドロッド42、スライド受部材43、および枢支軸44から、後で動作を詳述する交互移動機構37が構成される。
【0017】
そして、投下口14の上方位置には、図1に示すように、計量カップ部15A,15B内の被充填物Mを投下口14に投入する押出しロッド20が配備されている。この押出しロッド20は上下駆動するエアシリンダ21と連結され、計量カップ部15A,15Bに出入り自在に設けられている。投下口14下方の本体フレーム2には、投下口14からの被充填物Mを受ける筒状の受口18が配備されている。受口18の下方には、受口18から落下した被充填物Mを収受する容器19が設置される。
【0018】
上記のように構成された充填装置1の作用を次に説明する。
まず、スライダ部材25Aが旋回体16内の最後部位置にあり、スライダ部材25Bが旋回体16内の最前部位置にある状態(図3(a)、図5(a)および図6(a)の状態)から説明する。この場合、旋回体16は、充填口4と投下口14とを結ぶ直線Lから右寄りに所定角度α傾いている。このとき、スライダ部材25Aの計量カップ部15Aの上縁がホッパ3の充填口4の直下位置にあって充填口4を密封状に封止した状態にあり、スライダ部材25Bの計量カップ部15Bの下縁が基盤13の投下口14の直上位置にあって投下口14を密閉状に封止した状態にある。そして、エアシリンダ21の作動により押出しロッド20が計量カップ部15B内に挿入されて被充填物Mを押し出し、受口18から容器19上に落下させる状態になっている(図1の状態)。このとき同時に、押出し機5の駆動によりホッパ3の被充填物Mが充填口4から計量カップ部15Aに一定量充填されるようになっている。
【0019】
そこで、モータ46の駆動により円板28が回転すると、旋回駆動機構47のクランク軸31,33,36がモータ駆動軸29に近づくように水平揺動する。これにより、旋回体16が枢支軸17を旋回中心として徐々に図中時計回り方向に水平旋回し始める。同時に、スライドロッド42がスライド受部材43に対してスライドしながら、スライドロッド42先端の主歯車38を旋回体16に対し反時計回り方向(図6中の矢印参照)に相対回転させる。この主歯車38の回転は左右のピニオン41A,41Bに伝達され、更にピニオン41A,41Bから駆動用ロッド26A,26Bのラック40A,40Bに伝達される。これにより、スライダ部材25Aおよび駆動用ロッド26Aが旋回体16のフレーム部材23内で後退(図中の矢印F方向)し、同時にスライダ部材25Bおよび駆動用ロッド26Bがフレーム部材23内で前進(図中の矢印Fの反対方向)する(図5(b)、(c)および図6(b))。
【0020】
このとき、計量カップ部15A,15Bはいずれも前記直線Lから離れるように図中反時計回りに移動する。これにより、計量カップ部15A内の被充填物Mは充填口4の開口縁で擦り切られて一定量が計量される。この場合、移動する計量カップ部15Aと計量カップ部15Bは互いに離れるので接触干渉しない。これらの計量カップ部15A,15Bは、図5(h)に示すように、平面視でほぼ楕円形の軌跡で移動する。すなわち、旋回体16の旋回動作により駆動される交互移動機構37の機能によって、一方のスライダ部材を前進させると同時に他方のスライダ部材を後退させるのである。
【0021】
そして、旋回体16の前後軸心が直線Lと重なったとき(図5(d))、スライダ部材25Aとスライダ部材25Bとが、または計量カップ部15Aと計量カップ部15Bとが左右横並びとなる。後で詳述するが、このあたりのスライダ部材25Aとスライダ部材25Bの移動速度が最も速い。更に、旋回体16は旋回を続け、その後部が直線Lの左側に移動する(図5(e)、(f)および図6(c))。そのうち、スライダ部材25Bが旋回体16内の最後部位置にあり、スライダ部材25Aが旋回体16内の最前部位置にある状態(図3(b)、図5(g)および図6(d)の状態)に至る。この場合、旋回体16の軸心は直線Lから左寄りに所定角度α傾いている。このとき、計量カップ部15Bの上縁が充填口4の直下位置にあって充填口4を密封状に封止した状態にあり、計量カップ部15Aの上縁が基盤13の投下口14の直上位置にあって投下口14を密閉状に封止した状態にある。そして、エアシリンダ21の駆動により押出しロッド20が計量カップ部15A内に挿入されて被充填物Mを容器19上に落下させる。同時に、押出し機5の駆動によりホッパ3の被充填物Mが充填口4から計量カップ部15Bに一定量充填されるのである。
【0022】
この充填装置1では、旋回体16の旋回動作と交互移動機構37によるスライダ部材25A,25Bの交互移動動作により、一方のスライダ部材25A(または25B)の計量カップ部15A(または15B)がホッパ3の充填口4の直下位置にきたとき、他方のスライダ部材25B(または25A)の計量カップ部15B(または15A)が投下口14の直上位置にくるようになっている。
すなわち、本実施形態の充填装置1によれば、1つの充填口4と1つの投下口14しか備えていないにも拘わらず、2つの計量カップ部15A,15Bを同時に用いて、被充填物Mの充填と投下を同時期に行なうことで、1分間に45個の計量カップ部への充填と投下を行なえるようになった。すなわち、1つの充填口、1つの投下口および1つの計量カップ部を備える従来の充填装置と比べ、1.5倍の充填能力アップを達成できたのである。また、充填口4を1つにしていることで、ホッパ3内にスクリュー式の押出し機5を配備できることから、スクリュー式押出し機を用いた被充填物Mの押出しが可能であり、このことも充填速度の向上化に寄与している。そして、スライド受部材43からスライドロッド42を抜き取ったのち、枢支軸17から旋回体16を容易に取り外しできるので、旋回体16の計量カップ部15A,15B他、ホッパ3の充填口4および基盤13の投下口14に係る分解洗浄を容易に行なうことができる。
【0023】
更に、ここで、円板28の回転角度θと、スライダ部材25A,25Bの進退移動方向の変位yとの関係を図6(e)のグラフを用いて説明する。グラフ中の曲線Rは円板28を時計回りに回転させた場合の変位曲線を示し、曲線Sは円板28を反時計回りに回転させた場合の変位曲線を示している。これらの曲線R,Sは正弦曲線であり、回転方向の違いによりクランク軸にかかるモーメント腕の長さが幾分異なることにより幾分異なっているが、大きな作用の違いはない。このグラフから明らかなように、円板28の回転角度θが300〜360(0)〜60度のとき、すなわち、スライダ部材25A,25Bの計量カップ部15A,15Bがホッパ3の充填口4または充填口14と近い位置になるにつれて計量カップ部15A,15Bの移動速度が遅くなっていることがわかる。このような機能は旋回体16に配備された減速機構48によるものである。すなわち、減速機構48は旋回駆動機構47の構成と交互移動機構37の構成を組み合わせたものであり、図6(e)中に示した正弦曲線Rと正弦曲線Sで表される、円板28の回転角度θとスライダ部材25A,25Bの進退移動方向の変位yとの関係を規定している。
【0024】
この減速機構48の機能により計量カップ部15A,15Bのソフトスタートおよびソフトストップを行なえることから、旋回体16、旋回駆動機構47、交互移動機構37、本体フレーム2などにかかる衝撃を抑えることができる。また、計量カップ部15A,15Bを充填口4の直下位置または投下口14の直上位置に精度よく位置決め停止させることができる。
【0025】
尚、上記の実施形態では、主歯車38、ピニオン41A,41B、ラック40A,40Bその他からなる交互移動機構37を用いて、スライダ部材25A,25Bを交互に前後移動させるようにしたが、本発明はそれに限定されるものでなく、例えば、図7に示すような旋回体16aも本発明に含まれる。この旋回体16aは、フレーム部材23の後面に1組のエアシリンダ45A,45Bを取り付け、スライダ部材25Aに突設した駆動用ロッド26Cをエアシリンダ45Aのピストン連結軸(図示省略)につなげ、スライダ部材25Bに突設した駆動用ロッド26Dをエアシリンダ45Bのピストン連結軸(図示省略)につなげた構成を採用している。かかる構成では、旋回体16aの旋回角度に応じて、エアシリンダ45A,45Bへのエアーの給排気量を制御することにより、スライダ部材25A,25Bに対し上記の交互移動機構37に似た動作をさせることもできる。あるいは、旋回体16aが左右の所定角度αまで旋回したときに、エアシリンダ45A,45Bに給排気を行なって、スライダ部材25A,25Bを互いに異なる方向に相対移動させるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0026】
1 充填装置
2 本体フレーム
3 ホッパ
4 充填口
13 基盤
14 投下口
15A,15B 計量カップ部
16,16a 旋回体
17 枢支軸
25A,25B スライダ部材
37 交互移動機構
38 主歯車
40A,40B ラック
41A,41B ピニオン
45A,45B エアシリンダ
47 旋回駆動機構
48 減速機構
F 矢印
L 直線
M 被充填物
α 所定角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体フレームに配備されて下端に充填口を有するホッパと、ホッパの下方に配備された基盤の上方を水平方向に移動するスライダ部材と、ホッパの充填口からの被充填物を一定量収容して前記基盤上を摺動するようにスライダ部材に設けられた計量カップ部とを備えてなり、スライダ部材の移動により、ホッパの充填口の直下位置から水平方向に離間配置された投下口の直上位置まで計量カップ部を移動させて計量カップ部内の被充填物を投下口に投入する充填装置において、
投下口とホッパの充填口とを結ぶ直線の中間点を旋回中心として前記直線の両側に所定角度旋回自在の旋回体が本体フレームに支持され、
前記旋回体に、計量カップ部をそれぞれ有する1対のスライダ部材が進退自在に並列に配備され、
旋回体の旋回動作により一方のスライダ部材を前進させると同時に他方のスライダ部材を後退させる交互移動機構が旋回体に設けられ、
旋回体と交互移動機構との協働により、一方のスライダ部材の計量カップ部がホッパの充填口の直下位置にきたとき、他方のスライダ部材の計量カップ部が投下口の直上位置にくるように構成されていることを特徴とする充填装置。
【請求項2】
スライダ部材の計量カップ部がホッパの充填口または投下口に近づくにつれて計量カップ部の移動速度を遅くする減速機構を備えている請求項1に記載の充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−215257(P2010−215257A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−62535(P2009−62535)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(591249552)株式会社メイワ (12)
【Fターム(参考)】