充電スタンド及び充電プラグの接続状態判断方法
【課題】CPLTや充電電流を利用せず、充電スタンドの充電プラグの接続状態を判断する。
【解決手段】充電電圧源2からの電力を車両へ供給するためにその車両に接続される充電プラグ3と、充電プラグ3と充電電圧源2とをつなぐ充電ケーブル4と、高周波信号を出力する発振回路8と、高周波信号を充電ケーブル4に重畳させるトランス8及びコンデンサ9と、高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値を測定する進行波・反射波測定回路11と、進行波・反射波測定回路11により測定される進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうち少なくとも反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断する制御回路12とを備えて充電スタンド1を構成する。
【解決手段】充電電圧源2からの電力を車両へ供給するためにその車両に接続される充電プラグ3と、充電プラグ3と充電電圧源2とをつなぐ充電ケーブル4と、高周波信号を出力する発振回路8と、高周波信号を充電ケーブル4に重畳させるトランス8及びコンデンサ9と、高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値を測定する進行波・反射波測定回路11と、進行波・反射波測定回路11により測定される進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうち少なくとも反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断する制御回路12とを備えて充電スタンド1を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に電力を供給する充電スタンド及びその充電スタンドに備えられる充電プラグの接続状態判断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車などの車両に電力を供給するための充電スタンドに備えられる充電プラグが車両に接続されているか否かを判断する方法として、例えば、CPLT(コントロールパイロット)を監視する方法がある。CPLTは、充電プラグが車両に接続された際に車両から信号線を介して充電スタンドへ伝えられる、充電を許可する旨を示す信号である。例えば、一定時間CPLTに変化がない場合、充電プラグが車両に接続されていないと判断することができる。このように、車両から電力線以外の信号線を介して充電スタンドへ伝えられる信号の変化を監視することによって充電プラグの接続状態を判断する方法がある。
【0003】
また、充電プラグの接続状態を判断する他の方法として、例えば、バッテリ充電中において、充電スタンドから電力線を介して車両へどのくらいの充電電流が流れているかを監視する方法がある。例えば、バッテリ充電中において、車両へ流れている充電電流に一定時間変化がない場合、充電プラグが車両に接続されていないと判断することができる。このように、電力線に流れる充電電流の変化を直接監視することによっても充電プラグの接続状態を判断する方法がある(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、上述のどちらの方法も、バッテリが満充電又はその近傍状態又は車両が何らかの都合で充電を停止している場合では、CPLTや充電電流に変化が無いか微小なため、充電プラグが車両に接続されているか否かを判断することが困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−117457号公報
【特許文献2】特開平11−94890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、CPLTや充電電流を利用せず、充電スタンドの充電プラグと車両との接続状態を判断することが可能な充電スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の充電スタンドは、充電電圧源からの電力を車両へ供給するために前記車両に接続される充電プラグと、前記充電プラグと前記充電電圧源とをつなぐ充電ケーブルと、高周波信号を出力する発振回路と、前記高周波信号を前記充電ケーブルに重畳させる重畳回路と、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値を測定する進行波・反射波測定回路と、前記進行波・反射波測定回路により測定される進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうち少なくとも反射波の振幅値の変化に基づいて、前記充電プラグの接続状態を判断する制御回路とを備える。
【0008】
充電プラグが車両に接続されるか否かにより充電ケーブルの終端のインピーダンスが変化する。また、充電ケーブルの終端のインピーダンスが変化すると、充電ケーブルに重畳される高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうち少なくとも反射波の振幅値も変化する。そのため、CPLTや充電電流を利用せずに、少なくとも反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグの接続状態を判断することができる。
【0009】
また、上記充電スタンドは、終端抵抗と、前記充電プラグと前記終端抵抗との間に設けられるスイッチと、記憶手段とを備え、前記制御回路は、前記スイッチをオンさせて前記充電プラグと前記終端抵抗とが接続されているときの前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第1の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくとともに、前記スイッチをオフさせて前記充電プラグがオープン状態のときの前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第2の基準値として予め前記記録手段に記録しておき、前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値が前記第2の基準値に近似しているとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断するように構成してもよい。
【0010】
また、上記充電スタンドは、終端抵抗と、前記充電プラグと前記終端抵抗との間に設けられるスイッチと、記憶手段とを備え、前記制御回路は、前記スイッチをオンさせて前記充電プラグと前記終端抵抗とが接続されているときに前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比を第1の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくとともに、前記スイッチをオフさせて前記充電プラグがオープン状態のときに前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比を第2の基準値として予め前記記録手段に記録しておき、前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比が前記第2の基準値に近似しているとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断するように構成してもよい。
【0011】
また、本発明の充電プラグの接続状態判断方法は、車両へ電力を供給するために前記車両に接続される充電プラグが終端抵抗に接続されているとき、前記充電プラグに接続される充電ケーブルに重畳される高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第1の基準値として予め記憶手段に記憶しておくとともに、前記充電プラグがオープン状態のとき、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第2の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくステップと、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値に変化があったときの少なくとも反射波の振幅値が前記第2の基準値と近似していると、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値に変化があったときの少なくとも反射波の振幅値が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないと、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断するステップとを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、CPLTや充電電流を利用せず、充電スタンドの充電プラグの接続状態を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態の充電スタンドを示す図である。
【図2】発振回路及び制御回路を示す図である。
【図3】イニシャライズ時の制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図4】充電プラグが終点抵抗に接続されているときのスイープ周波数と反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。
【図5】充電プラグが終点抵抗に接続されているときの充電スタンドの状態を示す図である。
【図6】充電プラグがオープン状態のときのスイープ周波数と反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。
【図7】イニシャライズ後の制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図8】反射波の振幅値に幅を持たせたときのスイープ周波数とその反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。
【図9】充電プラグがコネクタにも車両にも接続されていないときの充電スタンドの状態を示す図である。
【図10】反射波の振幅値に幅を持たせたときのスイープ周波数とその反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。
【図11】充電プラグが車両に接続されているときの充電スタンドの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態の充電スタンドを示す図である。
図1に示す充電スタンド1は、充電電圧源(例えば、200V交流出力の商用電源)2と、充電プラグ3と、充電電圧源2と充電プラグ3とをつなぐ充電ケーブル4と、コネクタ5と、スイッチ6と、終端抵抗7と、発振回路8と、トランス9と、コンデンサ10と、進行波・反射波測定回路11と、制御回路12とを備える。なお、充電プラグ3は、充電スタンド1に収納される際、コネクタ5に接続されるものとする。このとき、スイッチ6がオンすると、充電プラグ3が終端抵抗7に接続される。また、スイッチ6がオフすると、充電プラグ3がオープン状態になる。また、充電プラグ3が終端抵抗7に接続されたときの充電ケーブル4の終端のインピーダンスと、充電プラグ3が車両に接続されたときの充電ケーブル4の終端のインピーダンスとが互いに異なるように、終端抵抗7の抵抗値が設定されているものとする。また、特許請求の範囲における重畳回路は、例えば、トランス9やコンデンサ10により構成されるものとする。
【0015】
充電スタンド1により車両のバッテリを充電する際、まず、ユーザは、充電プラグ3をコネクタ5から取り外して車両側の充電器のコネクタに接続する。そして、充電スタンド1は、車両から充電許可信号が送られてきたことを確認すると、車両へ電力を供給する。
【0016】
発振回路8は、トランス9及びコンデンサ10を介して充電電圧源2の近傍の充電ケーブル4に接続され、充電ケーブル4に高周波信号(充電電圧源2から充電ケーブル4及び充電プラグ3を介して車両へ流れる充電電流よりも高い周波数(例えば、数百MHz)の電流)を重畳させる。
【0017】
進行波・反射波測定回路11は、充電ケーブル4に重畳される高周波信号の進行波及び反射波を測定するものであって、抵抗13、14と、ダイオード15、16と、コンデンサ17、18と、電圧計19、20とを備える。すなわち、抵抗13、ダイオード15、及びコンデンサ17が互いに直接接続されるとともに、ダイオード15のカソードが電圧計19に接続されている。また、抵抗13とダイオード15のアノードとを接続する線は充電ケーブル4の近傍に位置し、電圧計19により進行波の振幅値として電圧V1が測定される。また、抵抗14、ダイオード16、及びコンデンサ18は互いに直列接続されるとともに、ダイオード16のカソードが電圧計20に接続されている。また、抵抗14とダイオード16のアノードとを接続する線は充電ケーブル4の近傍に位置し、電圧計20により反射波の振幅値として電圧V2が測定される。
【0018】
図2は、発振回路8及び制御回路12を示す図である。
図2に示す発振回路8は、高周波信号を出力する発振器21と、発振器21から出力される高周波信号の振幅値を制御する可変ゲインアンプ22とを備える。
【0019】
また、図2に示す制御回路12は、A/D変換部23と、D/A変換部24と、メモリ25(記憶手段)とを備える。
制御回路12は、スイッチ6のオン、オフを制御するための制御信号S1を出力する。また、制御回路12は、発振器21の発振動作を許可又は停止させるための制御信号S2を出力する。また、制御回路12は、発振器21から出力される高周波信号の周波数をスイープさせるための制御信号S3をD/A変換部24によりデジタル値からアナログ値に変換して出力する。また、制御回路12は、可変ゲインアンプ22のゲインを可変させるための制御信号S4をD/A変換部23によりデジタル値からアナログ値に変換して出力する。また、制御回路12は、電圧計19により測定される電圧V1をA/D変換部23によりアナログ値からデジタル値に変換してメモリ25に記憶する。また、制御回路12は、電圧計20により測定される電圧V2をA/D変換部23によりアナログ値からデジタル値に変換してメモリ25に記憶する。
【0020】
本実施形態の充電スタンド1の特徴とする点は、イニシャライズ時(充電スタンド1の電源が入ったときや充電スタンド1のシステムがリセットされた後などに行われる初期設定時)、スイッチ6がオンして充電プラグ3が終端抵抗7に接続されているときに、充電ケーブル4に重畳される高周波信号の進行波の振幅値(電圧V1(load))(第1の基準値)及び反射波の振幅値(電圧V2(load))(第1の基準値)を予めメモリ25に記憶させておくとともに、スイッチ6がオフして充電プラグ3がオープン状態のときの上記高周波信号の進行波の振幅値(電圧V1(open))(第2の基準値)及び反射波の振幅値(電圧V2(open))(第2の基準値)を予めメモリ25に記憶させておき、イニシャライズ後においてスイッチ6がオンしているときに変化した進行波の振幅値(電圧V1)及び反射波の振幅値(電圧V2)がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似していると、充電プラグ3が車両に接続されていないと判断し、イニシャライズ後においてスイッチ6がオンしているときに変化した進行波の振幅値(電圧V1)及び反射波の振幅値(電圧V2)がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)にも電圧V1(open)及び電圧V2(open)にも近似していないと、充電プラグ3が車両に接続されていると判断する点である。
【0021】
充電プラグ3が車両に接続されるか否かにより充電ケーブル4の終端のインピーダンスが変化する。また、充電ケーブル4の終端のインピーダンスが変化すると、充電ケーブル4に重畳される高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうち少なくとも反射波の振幅値も変化する。そのため、本実施形態の充電スタンド1では、CPLTや充電電流を利用せずに、少なくとも反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断する。
【0022】
図3は、イニシャライズ時の制御回路12の動作を示すフローチャートである。
まず、制御回路12は、車両の充電器が使用状態か否か(充電ケーブル4及び充電プラグ3を介して車両に電力が供給されているか否か)を判断する(ステップS1)。
【0023】
充電器が使用状態であると判断した場合(S1がYes)、制御回路12は、イニシャライズ時の動作を終了する。
一方、充電器が使用状態でないと判断した場合(ステップS1がNo)、制御回路12は、制御信号S1によりスイッチ6をオンさせるとともに、制御信号S2により発振器21の発振動作を許可させる(ステップS2)。すると、充電プラグ3が終端抵抗7に接続されるとともに、発振回路8から出力される高周波信号がトランス9及びコンデンサ10を介して充電ケーブル4に重畳される。
【0024】
次に、制御回路12は、制御信号S3により発振器21から出力される高周波信号の周波数をスイープさせる(ステップS3)。このときスイープされる周波数の上限及び下限やスイープされる周波数の間隔は特に限定されない。
【0025】
次に、制御回路12は、スイープ後の各周波数にそれぞれ対応する進行波の振幅値(電圧V1(load))が閾値Vth以上であるか否かを判断する(ステップS4)。なお、閾値Vthは、A/D変換部23の出力の下限部に生じるノイズを避けて、電圧V1や電圧V2の有効な電圧範囲を指定するためのものである。
【0026】
各電圧V1(load)が閾値Vth以上でないと判断した場合(ステップS4がNo)、制御回路12は、制御信号S4により可変ゲインアンプ22のゲインを上昇させた後(ステップS5)、ステップS3に戻る。
【0027】
一方、各電圧V1(load)が閾値Vth以上であると判断した場合(ステップS4がYes)、制御回路12は、スイープ後の各周波数にそれぞれ対応する進行波の振幅値(電圧V1(load))及び反射波の振幅値(電圧V2(load))をメモリ25に記憶する(ステップS6)。例えば、図4は、イニシャライズ時において、充電プラグ3が終点抵抗7に接続されているときのスイープ後の各周波数と反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。図4に示す例では、スイープ後の各周波数全体において反射波の振幅値が閾値Vth以上になっている。
【0028】
次に、制御回路12は、図5に示すように、制御信号S1によりスイッチ6をオフさせる(ステップS7)。すると、充電プラグ3はオープン状態になり充電ケーブル4の終端のインピーダンスが低下して、反射波の振幅値、すなわち、電圧V2が上昇する。
【0029】
次に、制御回路12は、制御信号S3により発振器21から出力される高周波信号の周波数をスイープさせる(ステップS8)。
次に、制御回路12は、スイープ後の各周波数にそれぞれ対応する反射波の振幅値(電圧V2(open))が閾値Vth以上であるか否かを判断する(ステップS9)。
【0030】
各電圧V2(open)が閾値Vth以上でないと判断した場合(ステップS9がNo)、制御回路12は制御信号S4により可変ゲインアンプ22のゲインを上昇させた後、ステップS3に戻る。
【0031】
一方、各電圧V2(open)が閾値Vth以上であると判断した場合(ステップS9がYes)、制御回路12は、スイープ後の各周波数にそれぞれ対応する進行波の振幅値(電圧V1(open))及び反射波の振幅値(電圧V2(open))、並びに、そのときの可変ゲインアンプ22のゲインを示す制御信号S4をメモリ25に記憶するとともに、制御信号S2により発振器21の発振動作を停止させて(S10)、イニシャライズ時の動作を終了する。例えば、図6は、イニシャライズ時において、充電プラグ3がオープン状態のときのスイープ後の各周波数と反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。図6に示す例では、図4に示すスイープ後の各周波数と反射波の振幅値との関係に比べて、スイープ後の各周波数全体において反射波の振幅値が大きくなっている。
【0032】
図7は、イニシャライズ後の制御回路12の動作を示すフローチャートである。なお、イニシャライズ直後、充電プラグ3はコネクタ5に接続されているものとする。
まず、制御回路12は、制御信号S1によりスイッチ6をオンさせる(ステップS11)。
【0033】
次に、制御回路12は、イニシャライズ時にメモリ25に記憶した制御信号S4を可変ゲインアンプ22に出力するとともに、制御信号S3により発振器21から出力される高周波信号の周波数をスイープさせる(ステップS12)。
【0034】
次に、制御回路12は、前回のステップS12でスイープさせた各周波数にそれぞれ対応する進行波の振幅値(電圧V1)及び反射波の振幅値(電圧V2)(以下、前回の電圧V1及び電圧V2という)と比べて、今回のステップS12でスイープさせた各周波数にそれぞれ対応する進行波の振幅値(電圧V1)及び反射波の振幅値(電圧V2)(以下、今回の電圧V1及び電圧V2という)に変化があるか否かを判断する(ステップS13)。なお、最初のステップS13では前回の電圧V1及び電圧V2が存在しないため、自動的にステップS12に戻る。
【0035】
前回の電圧V1及び電圧V2と比べて、今回の電圧V1及び電圧V2に変化がないと判断した場合(ステップS13がNo)、制御回路12は、ステップS12に戻る。
一方、前回の電圧V1及び電圧V2と比べて、今回の電圧V1及び電圧V2に変化があると判断した場合(ステップS13がYes)、制御回路12は、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似しているか否かを判断する(ステップS14)。例えば、メモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)にそれぞれ幅を持たせておき、この幅の間に今回の電圧V1及び電圧V2が入っていれば、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似していると判断し、この幅の間に今回の電圧V1及び電圧V2が入っていなければ、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似していないと判断するようにしてもよい。図8は、電圧V2(open)に幅を持たせた場合のその電圧V2(open)の一例を示す図である。実線はイニシャライズ時にメモリ25に記憶された電圧V2(open)であり、破線は実線を一定値高くしたものであり、一点鎖線は実線を一定値低くしたものである。一点鎖線から破線までの間に、今回の電圧V1及び電圧V2が入っているか否かを判断する。
【0036】
今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似していると判断した場合(ステップS14がYes)、制御回路12は、図9に示すように、充電プラグ3がコネクタ5にも車両26にも接続されていない状態(又は充電プラグ3が車両26に接続されていない状態)であると判断する(ステップS15)。このとき、バッテリ充電中であれば、制御回路12は、車両26への電力供給を停止してもよい。また、ステップS15の後、制御回路12は、充電プラグ3がコネクタ5にも車両26にも接続されていない旨を充電スタンド1に備えられる不図示の表示装置に表示させてもよい。
【0037】
一方、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似していないと判断した場合(ステップS14がNo)、制御回路12は、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)に近似しているか否かを判断する(ステップS16)。例えば、メモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)にそれぞれ幅を持たせておき、この幅の間に今回の電圧V1及び電圧V2が入っていれば、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)に近似していると判断し、この幅の間に今回の電圧V1及び電圧V2が入っていなければ、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)に近似していないと判断するようにしてもよい。図10は、電圧V2(load)に幅を持たせた場合のその電圧V2(load)の一例を示す図である。実線はイニシャライズ時にメモリ25に記憶された電圧V2(load)であり、破線は実線を一定値高くしたものであり、一点鎖線は実線を一定値低くしたものである。一点鎖線から破線までの間に、今回の電圧V1及び電圧V2が入っているか否かを判断する。
【0038】
今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)に近似していると判断した場合(ステップS16がYes)、制御回路12は、充電プラグ3がコネクタ5に接続されていると判断し、ステップS12に戻る。
【0039】
一方、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)に近似していないと判断した場合(ステップS16がNo)、制御回路12は、図11に示すように、充電プラグ3が車両に接続されている状態であると判断する(ステップS17)。その後、制御回路12は、車両26への電力供給を開始してもよい。また、ステップS17の後、制御回路12は、充電プラグ3が車両26に接続されている旨を充電スタンド1に備えられる不図示の表示装置に表示させてもよい。
【0040】
このように、本実施形態の充電スタンド1は、充電ケーブル4に重畳させた高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグ3が車両26に接続されているか否かを判断することができるので、CPLTや充電電流を利用せず、充電プラグ3の接続状態を判断することができる。また、本実施形態の充電スタンド1は、充電プラグ3の接続状態を判断するための専用スイッチを設けたり、充電プラグ3の規格を変更する必要がない。
【0041】
なお、上記実施形態では、充電ケーブル4に重畳させた高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断する構成であるが、反射波の振幅値のみに基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断してもよい。このように構成する場合、メモリ25に反射波の振幅値のみを記憶させておくだけでよいため、進行波の振幅値及び反射波の振幅値をメモリ25に記憶する場合に比べて、メモリ25の容量を小さくすることができる。
【0042】
また、上記実施形態では、充電ケーブル4に重畳させた高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断する構成であるが、進行波の振幅値及び反射波の振幅値により求められる電圧定在波比(反射波の振幅値/進行波の振幅値)に基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断してもよい。なお、イニシャライズ時において、スイッチ6がオンしているときに求められる電圧定在波比(第1の基準値)やスイッチ6がオフしているときに求められる電圧定在波比(第2の基準値)が予めメモリ25に記憶されるものとする。このように構成する場合、メモリ25に電圧定在波比のみを記憶させておくだけでよいため、進行波の振幅値及び反射波の振幅値をメモリ25に記憶する場合に比べて、メモリ25の容量を小さくすることができる。
【0043】
また、上記実施形態において、高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値(反射波の振幅値のみ又は電圧定在波比)と車両の車種との関係を予めメモリ25に記憶させておき、充電プラグ3が車両に接続されていると判断した後の高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値(反射波の振幅値のみ又は電圧定在波比)に基づいて、車両の車種を特定するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 充電スタンド
2 充電電圧源
3 充電プラグ
4 充電ケーブル
5 コネクタ
6 スイッチ
7 終端抵抗
8 発振回路
9 トランス
10 コンデンサ
11 進行波・反射波測定回路
12 制御回路
13、14 抵抗
15、16 ダイオード
17、18 コンデンサ
19、20 電圧計
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に電力を供給する充電スタンド及びその充電スタンドに備えられる充電プラグの接続状態判断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車などの車両に電力を供給するための充電スタンドに備えられる充電プラグが車両に接続されているか否かを判断する方法として、例えば、CPLT(コントロールパイロット)を監視する方法がある。CPLTは、充電プラグが車両に接続された際に車両から信号線を介して充電スタンドへ伝えられる、充電を許可する旨を示す信号である。例えば、一定時間CPLTに変化がない場合、充電プラグが車両に接続されていないと判断することができる。このように、車両から電力線以外の信号線を介して充電スタンドへ伝えられる信号の変化を監視することによって充電プラグの接続状態を判断する方法がある。
【0003】
また、充電プラグの接続状態を判断する他の方法として、例えば、バッテリ充電中において、充電スタンドから電力線を介して車両へどのくらいの充電電流が流れているかを監視する方法がある。例えば、バッテリ充電中において、車両へ流れている充電電流に一定時間変化がない場合、充電プラグが車両に接続されていないと判断することができる。このように、電力線に流れる充電電流の変化を直接監視することによっても充電プラグの接続状態を判断する方法がある(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、上述のどちらの方法も、バッテリが満充電又はその近傍状態又は車両が何らかの都合で充電を停止している場合では、CPLTや充電電流に変化が無いか微小なため、充電プラグが車両に接続されているか否かを判断することが困難であるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−117457号公報
【特許文献2】特開平11−94890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、CPLTや充電電流を利用せず、充電スタンドの充電プラグと車両との接続状態を判断することが可能な充電スタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の充電スタンドは、充電電圧源からの電力を車両へ供給するために前記車両に接続される充電プラグと、前記充電プラグと前記充電電圧源とをつなぐ充電ケーブルと、高周波信号を出力する発振回路と、前記高周波信号を前記充電ケーブルに重畳させる重畳回路と、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値を測定する進行波・反射波測定回路と、前記進行波・反射波測定回路により測定される進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうち少なくとも反射波の振幅値の変化に基づいて、前記充電プラグの接続状態を判断する制御回路とを備える。
【0008】
充電プラグが車両に接続されるか否かにより充電ケーブルの終端のインピーダンスが変化する。また、充電ケーブルの終端のインピーダンスが変化すると、充電ケーブルに重畳される高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうち少なくとも反射波の振幅値も変化する。そのため、CPLTや充電電流を利用せずに、少なくとも反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグの接続状態を判断することができる。
【0009】
また、上記充電スタンドは、終端抵抗と、前記充電プラグと前記終端抵抗との間に設けられるスイッチと、記憶手段とを備え、前記制御回路は、前記スイッチをオンさせて前記充電プラグと前記終端抵抗とが接続されているときの前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第1の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくとともに、前記スイッチをオフさせて前記充電プラグがオープン状態のときの前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第2の基準値として予め前記記録手段に記録しておき、前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値が前記第2の基準値に近似しているとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断するように構成してもよい。
【0010】
また、上記充電スタンドは、終端抵抗と、前記充電プラグと前記終端抵抗との間に設けられるスイッチと、記憶手段とを備え、前記制御回路は、前記スイッチをオンさせて前記充電プラグと前記終端抵抗とが接続されているときに前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比を第1の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくとともに、前記スイッチをオフさせて前記充電プラグがオープン状態のときに前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比を第2の基準値として予め前記記録手段に記録しておき、前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比が前記第2の基準値に近似しているとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断するように構成してもよい。
【0011】
また、本発明の充電プラグの接続状態判断方法は、車両へ電力を供給するために前記車両に接続される充電プラグが終端抵抗に接続されているとき、前記充電プラグに接続される充電ケーブルに重畳される高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第1の基準値として予め記憶手段に記憶しておくとともに、前記充電プラグがオープン状態のとき、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第2の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくステップと、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値に変化があったときの少なくとも反射波の振幅値が前記第2の基準値と近似していると、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値に変化があったときの少なくとも反射波の振幅値が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないと、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断するステップとを有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、CPLTや充電電流を利用せず、充電スタンドの充電プラグの接続状態を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態の充電スタンドを示す図である。
【図2】発振回路及び制御回路を示す図である。
【図3】イニシャライズ時の制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図4】充電プラグが終点抵抗に接続されているときのスイープ周波数と反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。
【図5】充電プラグが終点抵抗に接続されているときの充電スタンドの状態を示す図である。
【図6】充電プラグがオープン状態のときのスイープ周波数と反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。
【図7】イニシャライズ後の制御回路の動作を示すフローチャートである。
【図8】反射波の振幅値に幅を持たせたときのスイープ周波数とその反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。
【図9】充電プラグがコネクタにも車両にも接続されていないときの充電スタンドの状態を示す図である。
【図10】反射波の振幅値に幅を持たせたときのスイープ周波数とその反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。
【図11】充電プラグが車両に接続されているときの充電スタンドの状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の実施形態の充電スタンドを示す図である。
図1に示す充電スタンド1は、充電電圧源(例えば、200V交流出力の商用電源)2と、充電プラグ3と、充電電圧源2と充電プラグ3とをつなぐ充電ケーブル4と、コネクタ5と、スイッチ6と、終端抵抗7と、発振回路8と、トランス9と、コンデンサ10と、進行波・反射波測定回路11と、制御回路12とを備える。なお、充電プラグ3は、充電スタンド1に収納される際、コネクタ5に接続されるものとする。このとき、スイッチ6がオンすると、充電プラグ3が終端抵抗7に接続される。また、スイッチ6がオフすると、充電プラグ3がオープン状態になる。また、充電プラグ3が終端抵抗7に接続されたときの充電ケーブル4の終端のインピーダンスと、充電プラグ3が車両に接続されたときの充電ケーブル4の終端のインピーダンスとが互いに異なるように、終端抵抗7の抵抗値が設定されているものとする。また、特許請求の範囲における重畳回路は、例えば、トランス9やコンデンサ10により構成されるものとする。
【0015】
充電スタンド1により車両のバッテリを充電する際、まず、ユーザは、充電プラグ3をコネクタ5から取り外して車両側の充電器のコネクタに接続する。そして、充電スタンド1は、車両から充電許可信号が送られてきたことを確認すると、車両へ電力を供給する。
【0016】
発振回路8は、トランス9及びコンデンサ10を介して充電電圧源2の近傍の充電ケーブル4に接続され、充電ケーブル4に高周波信号(充電電圧源2から充電ケーブル4及び充電プラグ3を介して車両へ流れる充電電流よりも高い周波数(例えば、数百MHz)の電流)を重畳させる。
【0017】
進行波・反射波測定回路11は、充電ケーブル4に重畳される高周波信号の進行波及び反射波を測定するものであって、抵抗13、14と、ダイオード15、16と、コンデンサ17、18と、電圧計19、20とを備える。すなわち、抵抗13、ダイオード15、及びコンデンサ17が互いに直接接続されるとともに、ダイオード15のカソードが電圧計19に接続されている。また、抵抗13とダイオード15のアノードとを接続する線は充電ケーブル4の近傍に位置し、電圧計19により進行波の振幅値として電圧V1が測定される。また、抵抗14、ダイオード16、及びコンデンサ18は互いに直列接続されるとともに、ダイオード16のカソードが電圧計20に接続されている。また、抵抗14とダイオード16のアノードとを接続する線は充電ケーブル4の近傍に位置し、電圧計20により反射波の振幅値として電圧V2が測定される。
【0018】
図2は、発振回路8及び制御回路12を示す図である。
図2に示す発振回路8は、高周波信号を出力する発振器21と、発振器21から出力される高周波信号の振幅値を制御する可変ゲインアンプ22とを備える。
【0019】
また、図2に示す制御回路12は、A/D変換部23と、D/A変換部24と、メモリ25(記憶手段)とを備える。
制御回路12は、スイッチ6のオン、オフを制御するための制御信号S1を出力する。また、制御回路12は、発振器21の発振動作を許可又は停止させるための制御信号S2を出力する。また、制御回路12は、発振器21から出力される高周波信号の周波数をスイープさせるための制御信号S3をD/A変換部24によりデジタル値からアナログ値に変換して出力する。また、制御回路12は、可変ゲインアンプ22のゲインを可変させるための制御信号S4をD/A変換部23によりデジタル値からアナログ値に変換して出力する。また、制御回路12は、電圧計19により測定される電圧V1をA/D変換部23によりアナログ値からデジタル値に変換してメモリ25に記憶する。また、制御回路12は、電圧計20により測定される電圧V2をA/D変換部23によりアナログ値からデジタル値に変換してメモリ25に記憶する。
【0020】
本実施形態の充電スタンド1の特徴とする点は、イニシャライズ時(充電スタンド1の電源が入ったときや充電スタンド1のシステムがリセットされた後などに行われる初期設定時)、スイッチ6がオンして充電プラグ3が終端抵抗7に接続されているときに、充電ケーブル4に重畳される高周波信号の進行波の振幅値(電圧V1(load))(第1の基準値)及び反射波の振幅値(電圧V2(load))(第1の基準値)を予めメモリ25に記憶させておくとともに、スイッチ6がオフして充電プラグ3がオープン状態のときの上記高周波信号の進行波の振幅値(電圧V1(open))(第2の基準値)及び反射波の振幅値(電圧V2(open))(第2の基準値)を予めメモリ25に記憶させておき、イニシャライズ後においてスイッチ6がオンしているときに変化した進行波の振幅値(電圧V1)及び反射波の振幅値(電圧V2)がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似していると、充電プラグ3が車両に接続されていないと判断し、イニシャライズ後においてスイッチ6がオンしているときに変化した進行波の振幅値(電圧V1)及び反射波の振幅値(電圧V2)がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)にも電圧V1(open)及び電圧V2(open)にも近似していないと、充電プラグ3が車両に接続されていると判断する点である。
【0021】
充電プラグ3が車両に接続されるか否かにより充電ケーブル4の終端のインピーダンスが変化する。また、充電ケーブル4の終端のインピーダンスが変化すると、充電ケーブル4に重畳される高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうち少なくとも反射波の振幅値も変化する。そのため、本実施形態の充電スタンド1では、CPLTや充電電流を利用せずに、少なくとも反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断する。
【0022】
図3は、イニシャライズ時の制御回路12の動作を示すフローチャートである。
まず、制御回路12は、車両の充電器が使用状態か否か(充電ケーブル4及び充電プラグ3を介して車両に電力が供給されているか否か)を判断する(ステップS1)。
【0023】
充電器が使用状態であると判断した場合(S1がYes)、制御回路12は、イニシャライズ時の動作を終了する。
一方、充電器が使用状態でないと判断した場合(ステップS1がNo)、制御回路12は、制御信号S1によりスイッチ6をオンさせるとともに、制御信号S2により発振器21の発振動作を許可させる(ステップS2)。すると、充電プラグ3が終端抵抗7に接続されるとともに、発振回路8から出力される高周波信号がトランス9及びコンデンサ10を介して充電ケーブル4に重畳される。
【0024】
次に、制御回路12は、制御信号S3により発振器21から出力される高周波信号の周波数をスイープさせる(ステップS3)。このときスイープされる周波数の上限及び下限やスイープされる周波数の間隔は特に限定されない。
【0025】
次に、制御回路12は、スイープ後の各周波数にそれぞれ対応する進行波の振幅値(電圧V1(load))が閾値Vth以上であるか否かを判断する(ステップS4)。なお、閾値Vthは、A/D変換部23の出力の下限部に生じるノイズを避けて、電圧V1や電圧V2の有効な電圧範囲を指定するためのものである。
【0026】
各電圧V1(load)が閾値Vth以上でないと判断した場合(ステップS4がNo)、制御回路12は、制御信号S4により可変ゲインアンプ22のゲインを上昇させた後(ステップS5)、ステップS3に戻る。
【0027】
一方、各電圧V1(load)が閾値Vth以上であると判断した場合(ステップS4がYes)、制御回路12は、スイープ後の各周波数にそれぞれ対応する進行波の振幅値(電圧V1(load))及び反射波の振幅値(電圧V2(load))をメモリ25に記憶する(ステップS6)。例えば、図4は、イニシャライズ時において、充電プラグ3が終点抵抗7に接続されているときのスイープ後の各周波数と反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。図4に示す例では、スイープ後の各周波数全体において反射波の振幅値が閾値Vth以上になっている。
【0028】
次に、制御回路12は、図5に示すように、制御信号S1によりスイッチ6をオフさせる(ステップS7)。すると、充電プラグ3はオープン状態になり充電ケーブル4の終端のインピーダンスが低下して、反射波の振幅値、すなわち、電圧V2が上昇する。
【0029】
次に、制御回路12は、制御信号S3により発振器21から出力される高周波信号の周波数をスイープさせる(ステップS8)。
次に、制御回路12は、スイープ後の各周波数にそれぞれ対応する反射波の振幅値(電圧V2(open))が閾値Vth以上であるか否かを判断する(ステップS9)。
【0030】
各電圧V2(open)が閾値Vth以上でないと判断した場合(ステップS9がNo)、制御回路12は制御信号S4により可変ゲインアンプ22のゲインを上昇させた後、ステップS3に戻る。
【0031】
一方、各電圧V2(open)が閾値Vth以上であると判断した場合(ステップS9がYes)、制御回路12は、スイープ後の各周波数にそれぞれ対応する進行波の振幅値(電圧V1(open))及び反射波の振幅値(電圧V2(open))、並びに、そのときの可変ゲインアンプ22のゲインを示す制御信号S4をメモリ25に記憶するとともに、制御信号S2により発振器21の発振動作を停止させて(S10)、イニシャライズ時の動作を終了する。例えば、図6は、イニシャライズ時において、充電プラグ3がオープン状態のときのスイープ後の各周波数と反射波の振幅値との関係の一例を示す図である。図6に示す例では、図4に示すスイープ後の各周波数と反射波の振幅値との関係に比べて、スイープ後の各周波数全体において反射波の振幅値が大きくなっている。
【0032】
図7は、イニシャライズ後の制御回路12の動作を示すフローチャートである。なお、イニシャライズ直後、充電プラグ3はコネクタ5に接続されているものとする。
まず、制御回路12は、制御信号S1によりスイッチ6をオンさせる(ステップS11)。
【0033】
次に、制御回路12は、イニシャライズ時にメモリ25に記憶した制御信号S4を可変ゲインアンプ22に出力するとともに、制御信号S3により発振器21から出力される高周波信号の周波数をスイープさせる(ステップS12)。
【0034】
次に、制御回路12は、前回のステップS12でスイープさせた各周波数にそれぞれ対応する進行波の振幅値(電圧V1)及び反射波の振幅値(電圧V2)(以下、前回の電圧V1及び電圧V2という)と比べて、今回のステップS12でスイープさせた各周波数にそれぞれ対応する進行波の振幅値(電圧V1)及び反射波の振幅値(電圧V2)(以下、今回の電圧V1及び電圧V2という)に変化があるか否かを判断する(ステップS13)。なお、最初のステップS13では前回の電圧V1及び電圧V2が存在しないため、自動的にステップS12に戻る。
【0035】
前回の電圧V1及び電圧V2と比べて、今回の電圧V1及び電圧V2に変化がないと判断した場合(ステップS13がNo)、制御回路12は、ステップS12に戻る。
一方、前回の電圧V1及び電圧V2と比べて、今回の電圧V1及び電圧V2に変化があると判断した場合(ステップS13がYes)、制御回路12は、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似しているか否かを判断する(ステップS14)。例えば、メモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)にそれぞれ幅を持たせておき、この幅の間に今回の電圧V1及び電圧V2が入っていれば、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似していると判断し、この幅の間に今回の電圧V1及び電圧V2が入っていなければ、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似していないと判断するようにしてもよい。図8は、電圧V2(open)に幅を持たせた場合のその電圧V2(open)の一例を示す図である。実線はイニシャライズ時にメモリ25に記憶された電圧V2(open)であり、破線は実線を一定値高くしたものであり、一点鎖線は実線を一定値低くしたものである。一点鎖線から破線までの間に、今回の電圧V1及び電圧V2が入っているか否かを判断する。
【0036】
今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似していると判断した場合(ステップS14がYes)、制御回路12は、図9に示すように、充電プラグ3がコネクタ5にも車両26にも接続されていない状態(又は充電プラグ3が車両26に接続されていない状態)であると判断する(ステップS15)。このとき、バッテリ充電中であれば、制御回路12は、車両26への電力供給を停止してもよい。また、ステップS15の後、制御回路12は、充電プラグ3がコネクタ5にも車両26にも接続されていない旨を充電スタンド1に備えられる不図示の表示装置に表示させてもよい。
【0037】
一方、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(open)及び電圧V2(open)に近似していないと判断した場合(ステップS14がNo)、制御回路12は、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)に近似しているか否かを判断する(ステップS16)。例えば、メモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)にそれぞれ幅を持たせておき、この幅の間に今回の電圧V1及び電圧V2が入っていれば、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)に近似していると判断し、この幅の間に今回の電圧V1及び電圧V2が入っていなければ、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)に近似していないと判断するようにしてもよい。図10は、電圧V2(load)に幅を持たせた場合のその電圧V2(load)の一例を示す図である。実線はイニシャライズ時にメモリ25に記憶された電圧V2(load)であり、破線は実線を一定値高くしたものであり、一点鎖線は実線を一定値低くしたものである。一点鎖線から破線までの間に、今回の電圧V1及び電圧V2が入っているか否かを判断する。
【0038】
今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)に近似していると判断した場合(ステップS16がYes)、制御回路12は、充電プラグ3がコネクタ5に接続されていると判断し、ステップS12に戻る。
【0039】
一方、今回の電圧V1及び電圧V2がメモリ25に記憶されている電圧V1(load)及び電圧V2(load)に近似していないと判断した場合(ステップS16がNo)、制御回路12は、図11に示すように、充電プラグ3が車両に接続されている状態であると判断する(ステップS17)。その後、制御回路12は、車両26への電力供給を開始してもよい。また、ステップS17の後、制御回路12は、充電プラグ3が車両26に接続されている旨を充電スタンド1に備えられる不図示の表示装置に表示させてもよい。
【0040】
このように、本実施形態の充電スタンド1は、充電ケーブル4に重畳させた高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグ3が車両26に接続されているか否かを判断することができるので、CPLTや充電電流を利用せず、充電プラグ3の接続状態を判断することができる。また、本実施形態の充電スタンド1は、充電プラグ3の接続状態を判断するための専用スイッチを設けたり、充電プラグ3の規格を変更する必要がない。
【0041】
なお、上記実施形態では、充電ケーブル4に重畳させた高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断する構成であるが、反射波の振幅値のみに基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断してもよい。このように構成する場合、メモリ25に反射波の振幅値のみを記憶させておくだけでよいため、進行波の振幅値及び反射波の振幅値をメモリ25に記憶する場合に比べて、メモリ25の容量を小さくすることができる。
【0042】
また、上記実施形態では、充電ケーブル4に重畳させた高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値の変化に基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断する構成であるが、進行波の振幅値及び反射波の振幅値により求められる電圧定在波比(反射波の振幅値/進行波の振幅値)に基づいて、充電プラグ3の接続状態を判断してもよい。なお、イニシャライズ時において、スイッチ6がオンしているときに求められる電圧定在波比(第1の基準値)やスイッチ6がオフしているときに求められる電圧定在波比(第2の基準値)が予めメモリ25に記憶されるものとする。このように構成する場合、メモリ25に電圧定在波比のみを記憶させておくだけでよいため、進行波の振幅値及び反射波の振幅値をメモリ25に記憶する場合に比べて、メモリ25の容量を小さくすることができる。
【0043】
また、上記実施形態において、高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値(反射波の振幅値のみ又は電圧定在波比)と車両の車種との関係を予めメモリ25に記憶させておき、充電プラグ3が車両に接続されていると判断した後の高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値(反射波の振幅値のみ又は電圧定在波比)に基づいて、車両の車種を特定するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 充電スタンド
2 充電電圧源
3 充電プラグ
4 充電ケーブル
5 コネクタ
6 スイッチ
7 終端抵抗
8 発振回路
9 トランス
10 コンデンサ
11 進行波・反射波測定回路
12 制御回路
13、14 抵抗
15、16 ダイオード
17、18 コンデンサ
19、20 電圧計
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電電圧源からの電力を車両へ供給するために前記車両に接続される充電プラグと、
前記充電プラグと前記充電電圧源とをつなぐ充電ケーブルと、
高周波信号を出力する発振回路と、
前記高周波信号を前記充電ケーブルに重畳させる重畳回路と、
前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値を測定する進行波・反射波測定回路と、
前記進行波・反射波測定回路により測定される進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうち少なくとも反射波の振幅値の変化に基づいて、前記充電プラグの接続状態を判断する制御回路と、
を備える充電スタンド。
【請求項2】
請求項1に記載の充電スタンドであって、
終端抵抗と、
前記充電プラグと前記終端抵抗との間に設けられるスイッチと、
記憶手段と、
を備え、
前記制御回路は、前記スイッチをオンさせて前記充電プラグと前記終端抵抗とが接続されているときの前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第1の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくとともに、前記スイッチをオフさせて前記充電プラグがオープン状態のときの前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第2の基準値として予め前記記録手段に記録しておき、
前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値が前記第2の基準値に近似しているとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、
前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断する
ことを特徴とする充電スタンド。
【請求項3】
請求項1に記載の充電スタンドであって、
終端抵抗と、
前記充電プラグと前記終端抵抗との間に設けられるスイッチと、
記憶手段と、
を備え、
前記制御回路は、前記スイッチをオンさせて前記充電プラグと前記終端抵抗とが接続されているときに前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比を第1の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくとともに、前記スイッチをオフさせて前記充電プラグがオープン状態のときに前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比を第2の基準値として予め前記記録手段に記録しておき、
前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比が前記第2の基準値に近似しているとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、
前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断する
ことを特徴とする充電スタンド。
【請求項4】
車両へ電力を供給するために前記車両に接続される充電プラグが終端抵抗に接続されているとき、前記充電プラグに接続される充電ケーブルに重畳される高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第1の基準値として予め記憶手段に記憶しておくとともに、前記充電プラグがオープン状態のとき、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第2の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくステップと、
前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値に変化があったときの少なくとも反射波の振幅値が前記第2の基準値と近似していると、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値に変化があったときの少なくとも反射波の振幅値が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないと、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断するステップと、
を有する充電プラグの接続状態判断方法。
【請求項1】
充電電圧源からの電力を車両へ供給するために前記車両に接続される充電プラグと、
前記充電プラグと前記充電電圧源とをつなぐ充電ケーブルと、
高周波信号を出力する発振回路と、
前記高周波信号を前記充電ケーブルに重畳させる重畳回路と、
前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値を測定する進行波・反射波測定回路と、
前記進行波・反射波測定回路により測定される進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうち少なくとも反射波の振幅値の変化に基づいて、前記充電プラグの接続状態を判断する制御回路と、
を備える充電スタンド。
【請求項2】
請求項1に記載の充電スタンドであって、
終端抵抗と、
前記充電プラグと前記終端抵抗との間に設けられるスイッチと、
記憶手段と、
を備え、
前記制御回路は、前記スイッチをオンさせて前記充電プラグと前記終端抵抗とが接続されているときの前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第1の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくとともに、前記スイッチをオフさせて前記充電プラグがオープン状態のときの前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第2の基準値として予め前記記録手段に記録しておき、
前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値が前記第2の基準値に近似しているとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、
前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断する
ことを特徴とする充電スタンド。
【請求項3】
請求項1に記載の充電スタンドであって、
終端抵抗と、
前記充電プラグと前記終端抵抗との間に設けられるスイッチと、
記憶手段と、
を備え、
前記制御回路は、前記スイッチをオンさせて前記充電プラグと前記終端抵抗とが接続されているときに前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比を第1の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくとともに、前記スイッチをオフさせて前記充電プラグがオープン状態のときに前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比を第2の基準値として予め前記記録手段に記録しておき、
前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比が前記第2の基準値に近似しているとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、
前記スイッチをオンさせているときに変化した前記進行波の振幅値及び前記反射波の振幅値により求められる電圧定在波比が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないとき、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断する
ことを特徴とする充電スタンド。
【請求項4】
車両へ電力を供給するために前記車両に接続される充電プラグが終端抵抗に接続されているとき、前記充電プラグに接続される充電ケーブルに重畳される高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第1の基準値として予め記憶手段に記憶しておくとともに、前記充電プラグがオープン状態のとき、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値のうちの少なくとも反射波の振幅値を第2の基準値として予め前記記憶手段に記憶しておくステップと、
前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値に変化があったときの少なくとも反射波の振幅値が前記第2の基準値と近似していると、前記充電プラグが前記車両に接続されていないと判断し、前記高周波信号の進行波の振幅値及び反射波の振幅値に変化があったときの少なくとも反射波の振幅値が前記第1の基準値にも前記第2の基準値にも近似していないと、前記充電プラグが前記車両に接続されていると判断するステップと、
を有する充電プラグの接続状態判断方法。
【図2】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図1】
【図5】
【図9】
【図11】
【図3】
【図4】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図1】
【図5】
【図9】
【図11】
【公開番号】特開2012−143017(P2012−143017A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291834(P2010−291834)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【Fターム(参考)】
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