光アクセスシステム及び送信装置
【課題】本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行う送信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、サンプリング前の光信号を発生するレーザ光源106Fと、サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、サンプリング後の光信号を送信する半導体光増幅器108Fと、半導体光増幅器108Fの閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器108Fに出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器108Fに出力する信号発生器109Fと、を備える送信装置1Fである。
【解決手段】本発明は、サンプリング前の光信号を発生するレーザ光源106Fと、サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、サンプリング後の光信号を送信する半導体光増幅器108Fと、半導体光増幅器108Fの閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器108Fに出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器108Fに出力する信号発生器109Fと、を備える送信装置1Fである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度にデータ送信を行うための送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、0及び1の2値ディジタル信号情報を光の強度に反映させた、ベースバンド伝送方式が利用されている。近年は、更なる伝送性能の向上を目的として、0及び1の2値ディジタル信号情報を光の強度、位相及び周波数に反映させた、4値PSK(Phase Shift Keying)、16値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)及びOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)などの多値変調方式が検証されている。
【0003】
図1は、従来技術の光アクセスシステムを示す図である。送信装置1A、1B、1Cは、受信装置2に、光伝送路3及び光スプリッタ4を介して、データを伝送する。送信装置1Aでは、帯域信号発生器101Aは、所定の方式によりデータ信号を帯域信号に変調し、光送信器102Aは、帯域信号を電気信号から光信号に変換し送信する。送信装置1Bでは、帯域信号発生器101Bは、所定の方式によりデータ信号を帯域信号に変調し、光送信器102Bは、帯域信号を電気信号から光信号に変換し送信する。送信装置1Cでは、アンテナ103Cは、無線信号を入力し、無線信号フロントエンド104Cは、入力後の信号を電力増幅し、光送信器102Cは、増幅後の信号を電気信号から光信号に変換し送信する。受信装置2では、受光器201は、送信装置1A、1B、1Cからの信号を受信し光信号から電気信号に変換し、AD(Analog/Digital)変換回路202は、送信装置1A、1B、1Cからの信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回路203は、所定の方式により送信装置1A、1B、1Cからの信号をデータ信号に復調し、必要に応じて送信装置1A、1B、1C及び光伝送路3などによる信号劣化を補償する。
【0004】
図2は、従来技術の光送信器を示す図である。図2(a)に示したように、光送信器102Dは、時分割多重用スイッチ105D及びレーザ光源106Dから構成される。時分割多重用スイッチ105Dは、帯域信号又は無線信号を所定のタイミングでサンプリングする。レーザ光源106Dは、サンプリング後の信号を電気信号から光信号に変換する。図2(b)は、時分割多重用スイッチ105Dに入力される帯域信号又は無線信号を示す。図2(c)は、時分割多重用スイッチ105Dから出力されるサンプリング後の信号を示す。図2(d)は、レーザ光源106Dから出力されるサンプリング・光信号変換後の信号を示す。このように、光送信器102Dは、電気領域でサンプリングを行う。
【0005】
図3は、従来技術の光送信器を示す図である。図3(a)に示したように、光送信器102Eは、レーザ光源106E及び光スイッチ107Eから構成される。レーザ光源106Eは、帯域信号又は無線信号を電気信号から光信号に変換する。光スイッチ107Eは、光信号変換後の信号を所定のタイミングでサンプリングする。図3(b)は、レーザ光源106Eに入力される帯域信号又は無線信号を示す。図3(c)は、レーザ光源106Eから出力される光信号変換後の信号を示す。図3(d)は、光スイッチ107Eから出力される光信号変換・サンプリング後の信号を示す。このように、光送信器102Eは、光領域でサンプリングを行う。
【0006】
非特許文献1は、光伝送路3の広帯域特性を利用して、複数の帯域信号を時分割多重化する時分割多重化方式を開示している。多重化方式には、時分割多重化方式、波長多重化方式及び周波数多重化方式などがあげられる。波長多重化方式では、複数の送信装置は各々の波長の光送信器を用意する必要があるため、送信装置の多様化に伴う運用コストの増大が懸念される。周波数多重化方式では、各々の送信装置は別々の周波数の信号源を用意する必要があるため、送信装置の多様化に伴う運用コストの増大が懸念されるとともに、複数の光信号同士のビート雑音の影響や光伝送路及び受光器での非線形性による歪の影響が懸念される。時分割多重化方式では、各々の送信装置は同一の装置構成を用いることができるため、運用コストの増大が少なく、同一の時間には単一の送信装置からの帯域信号のみが存在し複数の送信装置からの帯域信号が存在しないため、ビート雑音や歪の影響が少ない。
【0007】
図4は、従来技術の光アクセスシステムを示す図である。送信装置1A、1B、1Cは、受信装置2に、光伝送路3及び光スプリッタ4を介して、データを伝送する。送信装置1A、1B、1Cでは、各々帯域信号を送信する。光スプリッタ4では、複数の帯域信号を時分割多重化する。受信装置2では、受光器201は、時分割多重化信号を受信し光信号から電気信号に変換し、AD変換回路202は、時分割多重化信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回路203は、時分割多重化信号から所定の帯域信号を抽出し、所定の方式により所定の帯域信号を所定のデータ信号に復調する。図4(b)は、送信装置1A、1B、1Cから各々出力される帯域信号を示す。図4(c)は、光スプリッタ4から出力される時分割多重化信号を示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】原田 博司,塚本 勝俊,小牧 省三,森永 規彦,“光TDMを用いたミリ波無線信号光ファイバ伝送システム”,電子情報通信学会論文誌C−I,Vol.J77−C−I,No.11,pp.649−658,1994年11月.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図2に示した光送信器102Dは、電気領域でサンプリングを行う。そのため、光送信器102Dは、数GHz程度の帯域信号を送信するのに適していない。
【0010】
図3に示した光送信器102Eは、光領域でサンプリングを行う。そのため、光送信器102Eは、数GHz程度の帯域信号を送信するのに適している。しかし、光送信器102Eでは、光スイッチ107Eが光損失を発生させ、光損失を補償するために光増幅器を配置すれば、装置構成が複雑になる。このように、光領域のサンプリングの有効な手法について、具体的な検討はなかった。
【0011】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行う送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、半導体光増幅器が、サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、サンプリング後の光信号を出力するようにした。信号発生器が、半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器に出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器に出力するようにした。
【0013】
具体的には、本発明は、サンプリング後の光信号を送信する送信装置と、前記サンプリング後の光信号を受信する受信装置と、を備える光アクセスシステムであって、前記送信装置は、サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、前記サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、前記サンプリング後の光信号を出力する半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、を備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0014】
この構成によれば、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行う送信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0015】
また、本発明は、サンプリング後の光信号を送信する送信装置と、前記サンプリング後の光信号を受信する受信装置と、を備える光アクセスシステムであって、前記送信装置は、サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、前記サンプリング前の光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を合波し、前記サンプリング後の光信号を出力する光合波器と、各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、を備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0016】
この構成によれば、複数の半導体光増幅器の分散・並列処理により光領域のサンプリングを行う送信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0017】
また、本発明は、前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする光アクセスシステムである。
【0018】
この構成によれば、サンプリング前の光信号の強度の変動に柔軟に対応する送信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0019】
また、本発明は、前記送信装置は、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、前記制御回路の判断に基づいて、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、をさらに備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0020】
この構成によれば、ベースバンド信号を送信するときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を送信するときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更する送信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0021】
また、本発明は、前記送信装置は、複数配置されており、各送信装置は、各サンプリング後の光信号が時間軸上で相互に重複しないように、各サンプリング後の光信号を送信することを特徴とする光アクセスシステムである。
【0022】
この構成によれば、経済的かつ高精度に光領域の時分割多重化を行う送信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0023】
また、本発明は、サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、前記サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、サンプリング後の光信号を送信する半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、を備えることを特徴とする送信装置である。
【0024】
この構成によれば、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行う送信装置を提供することができる。
【0025】
また、本発明は、サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、前記サンプリング前の光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を合波し、サンプリング後の光信号を送信する光合波器と、各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、を備えることを特徴とする送信装置である。
【0026】
この構成によれば、複数の半導体光増幅器の分散・並列処理により光領域のサンプリングを行う送信装置を提供することができる。
【0027】
また、本発明は、前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする送信装置である。
【0028】
この構成によれば、サンプリング前の光信号の強度の変動に柔軟に対応する送信装置を提供することができる。
【0029】
また、本発明は、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、前記制御回路の判断に基づいて、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、をさらに備えることを特徴とする送信装置である。
【0030】
この構成によれば、ベースバンド信号を送信するときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を送信するときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更する送信装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行う送信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来技術の光アクセスシステムを示す図である。
【図2】従来技術の光送信器を示す図である。
【図3】従来技術の光送信器を示す図である。
【図4】従来技術の光アクセスシステムを示す図である。
【図5】実施形態1の送信装置を示す図である。
【図6】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図7】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図8】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図9】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図10】実施形態1のサンプリング実験結果を示す図である。
【図11】実施形態2の送信装置を示す図である。
【図12】実施形態2の送信装置の処理を示す図である。
【図13】実施形態3の送信装置を示す図である。
【図14】実施形態4の送信装置を示す図である。
【図15】実施形態5の光アクセスシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0034】
(実施形態1)
図5は、実施形態1の送信装置を示す図である。送信装置1Fは、帯域信号発生器101F、レーザ光源106F、半導体光増幅器108F、信号発生器109F、振幅調整回路110F、バイアス調整回路111F、モニタ用受光器112F及びタイミング調整回路113Fから構成される。レーザ光源106Fは、光信号発生器として機能する。
【0035】
帯域信号発生器101Fは、所定の方式によりデータ信号を帯域信号に変調する。レーザ光源106Fは、帯域信号を電気信号から光信号に変換する。半導体光増幅器108Fは、帯域信号を所定のタイミングでサンプリング及び増幅する。
【0036】
信号発生器109Fは、半導体光増幅器108Fの閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器108Fに出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器108Fに出力する。振幅調整回路110Fは、信号発生器109Fからの電流信号の振幅を調整する。バイアス調整回路111Fは、信号発生器109Fからの電流信号のバイアスを調整する。モニタ用受光器112Fは、レーザ光源106Fから出力される光信号の強度をモニタする。タイミング調整回路113Fは、信号発生器109Fからの電流信号のタイミングを調整する。
【0037】
図6から図9は、実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。信号発生器109Fからの電流信号についての信号電流は、所定のタイミングでは半導体光増幅器108Fの閾値電流より大きくなり、所定のタイミング以外の時間では半導体光増幅器108Fの閾値電流以下となる。よって、半導体光増幅器108Fの利得は、所定のタイミングでは有限値となるが、所定のタイミング以外の時間ではほぼ0となる。そして、半導体光増幅器108Fでの入力信号のうち、所定のタイミングでの信号は増幅され通過するが、所定のタイミング以外の時間での信号はほぼ通過しない。
【0038】
図6では、半導体光増幅器108Fでの入力信号は時間的に一定の強度を有する入力信号であり、信号発生器109Fからの電流信号は矩形波信号である。図6(a)は、半導体光増幅器108Fでの入力信号についての信号強度の時間変化を示す。図6(b)は、半導体光増幅器108Fの電流−利得特性及び信号発生器109Fからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図6(c)は、半導体光増幅器108Fでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0039】
振幅調整回路110Fは、信号発生器109Fからの電流信号の振幅を調整することにより、半導体光増幅器108Fの増幅の利得を調整することができる。バイアス調整回路111Fは、信号発生器109Fからの電流信号のバイアスを調整することにより、半導体光増幅器108Fの増幅の利得を調整することができる。振幅調整回路110F及びバイアス調整回路111Fのうち、少なくともいずれかが動作していればよい。
【0040】
図7では、半導体光増幅器108Fでの入力信号は時間的に一定の強度を有する入力信号であり、信号発生器109Fからの電流信号は正弦波信号である。図7(a)は、半導体光増幅器108Fでの入力信号についての信号強度の時間変化を示す。図7(b)は、半導体光増幅器108Fの電流−利得特性及び信号発生器109Fからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図7(c)は、半導体光増幅器108Fでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0041】
振幅調整回路110Fは、信号発生器109Fからの電流信号の振幅を調整することにより、半導体光増幅器108Fのサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を調整することができる。バイアス調整回路111Fは、信号発生器109Fからの電流信号のバイアスを調整することにより、半導体光増幅器108Fのサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を調整することができる。振幅調整回路110F及びバイアス調整回路111Fのうち、少なくともいずれかが動作していればよい。図7では、正弦波信号は広帯域信号ではないため、送信装置1Fは簡便なハードウェアを備えるのみで十分である。
【0042】
図8では、半導体光増幅器108Fでの入力信号は強度の大きい帯域信号であり、信号発生器109Fからの電流信号は正弦波信号である。図8(a)は、半導体光増幅器108Fでの入力信号についての信号強度の時間変化を示す。図8(b)は、半導体光増幅器108Fの電流−利得特性及び信号発生器109Fからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図8(c)は、半導体光増幅器108Fでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0043】
信号発生器109Fは、帯域信号をサンプリングするために、所定のタイミングで半導体光増幅器108Fの閾値電流より大きい電流信号を出力する。半導体光増幅器108Fでの入力信号は、強度の大きい帯域信号であるため、信号発生器109Fからの電流信号の振幅及びバイアスは小さくても構わない。
【0044】
図9では、半導体光増幅器108Fでの入力信号は強度の小さい帯域信号であり、信号発生器109Fからの電流信号は正弦波信号である。図9(a)は、半導体光増幅器108Fでの入力信号についての信号強度の時間変化を示す。図9(b)は、半導体光増幅器108Fの電流−利得特性及び信号発生器109Fからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図9(c)は、半導体光増幅器108Fでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0045】
信号発生器109Fは、帯域信号をサンプリングするために、所定のタイミングで半導体光増幅器108Fの閾値電流より大きい電流信号を出力する。半導体光増幅器108Fでの入力信号は、強度の小さい帯域信号であるため、信号発生器109Fからの電流信号の振幅及びバイアスは大きければ望ましい。
【0046】
図8及び図9で説明したように、信号発生器109Fからの電流信号の振幅及びバイアスを制御するためには、モニタ用受光器112Fの出力電流をモニタリングすればよい。送信装置1Fは、サンプリング前の光信号の強度の変動に柔軟に対応することができる。タイミング調整回路113Fの処理については、実施形態5において詳述する。
【0047】
図10は、実施形態1のサンプリング実験結果を示す図である。図10(a)は、200MHzの正弦波により大きく変調された光信号を、1GHzの正弦波により動作される半導体光増幅器に入力したときの、光信号波形の測定結果を示す。図10(b)は、200MHzの正弦波により小さく変調された光信号を、1GHzの正弦波により動作される半導体光増幅器に入力したときの、光信号波形の測定結果を示す。図10(a)及び図10(b)では、サンプリング幅が110〜120psであるときに、サンプリングが高精度に行われていた。半導体光増幅器の動作条件を調整することにより、サンプリング幅が70〜80psであるときも、サンプリングが高精度に行われていた。
【0048】
以上に説明したように、半導体光増幅器が、サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、サンプリング後の光信号を出力するようにし、信号発生器が、半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器に出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器に出力するようにした。半導体光増幅器は、レーザ光源及びモニタ用受光器と集積可能であり量産性にも優れるため、送信装置は、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行うことができる。
【0049】
(実施形態2)
図11は、実施形態2の送信装置を示す図である。送信装置1Gは、アンテナ103G、無線信号フロントエンド104G、レーザ光源106G、半導体光増幅器108G、信号発生器109G、振幅調整回路110G、バイアス調整回路111G、モニタ用受光器112G及びタイミング調整回路113Gから構成される。レーザ光源106Gは、光信号発生器として機能する。
【0050】
図12は、実施形態2の送信装置の処理を示す図である。図12(a)は、元の無線信号をサンプリングする前の帯域信号の周波数分布を示す。図12(b)は、元の無線信号をサンプリングした後の帯域信号の周波数分布を示す。図12(b)では図12(a)と異なり、元の無線信号の情報のコピーを有する信号が、元の無線信号の周波数からサンプリング周波数の整数倍だけ隔てて周波数空間に分布する。ここで、図11の送信装置1G並びに図1又は図4の受信装置2において、サンプリングのパルス幅を十分に狭く設定することにより、元の無線信号の情報のコピーを有する信号が、低周波数帯にも分布する。そこで、半導体光増幅器108Gは、所定の低周波数帯の信号を送信できる。無線信号の搬送波周波数は、数GHz程度であるのに対して、信号帯域幅は、数10MHz程度であるのが一般的である。サンプリング周波数として、無線信号の搬送波周波数に関係なく、信号帯域幅の2倍以上の値に設定することが望ましい。
【0051】
レーザ光源106G、半導体光増幅器108G、信号発生器109G、振幅調整回路110G、バイアス調整回路111G、モニタ用受光器112G及びタイミング調整回路113Gの処理は、各々図5のレーザ光源106F、半導体光増幅器108F、信号発生器109F、振幅調整回路110F、バイアス調整回路111F、モニタ用受光器112F及びタイミング調整回路113Fの処理と同様である。アンテナ103G及び無線信号フロントエンド104Gの処理は、各々図1のアンテナ103C及び無線信号フロントエンド104Cの処理と同様である。実施形態1と同様な効果を得ることができるとともに、無線信号を入力することもできる。
【0052】
(実施形態3)
図13は、実施形態3の送信装置を示す図である。送信装置1Hは、帯域信号発生器101H、レーザ光源106H、光分岐器114H、半導体光増幅器108H−1、108H−2、・・・、108H−N、光合波器117H、信号発生器109H、振幅調整回路110H、バイアス調整回路111H、モニタ用受光器112H、タイミング調整回路113H、分岐器115H及び遅延回路116H−2、・・・、116H−Nから構成される。レーザ光源106Hは、光信号発生器として機能する。
【0053】
帯域信号発生器101H、レーザ光源106H、信号発生器109H、振幅調整回路110H、バイアス調整回路111H、モニタ用受光器112H及びタイミング調整回路113Hの処理は、各々図5の帯域信号発生器101F、レーザ光源106F、信号発生器109F、振幅調整回路110F、バイアス調整回路111F、モニタ用受光器112F及びタイミング調整回路113Fの処理と同様である。
【0054】
分岐器115Hは、振幅・バイアス調整後の電流信号を入力し分岐する。遅延回路116H−2、・・・、116H−Nは、分岐後の電流信号を分岐器115Hから入力し、各々の遅延時間だけ分岐後の電流信号を遅延させる。光分岐器114Hは、レーザ光源106Hから帯域信号を入力し分岐する。
【0055】
半導体光増幅器108H−1は、光分岐器114Hから分岐後の帯域信号を入力し、分岐器115Hから分岐後の電流信号を入力し、分岐後の電流信号を用いて分岐後の帯域信号をサンプリング及び増幅する。半導体光増幅器108H−2、・・・、108H−Nは、光分岐器114Hから分岐後の帯域信号を入力し、各々遅延回路116H−2、・・・、116H−Nから分岐・遅延後の電流信号を入力し、各々の分岐・遅延後の電流信号を用いて分岐後の帯域信号をサンプリング及び増幅する。光合波器117Hは、半導体光増幅器108H−1、108H−2、・・・、108H−Nからのサンプリング・増幅後の帯域信号を合波して送信する。
【0056】
以上に説明したように、各半導体光増幅器が、サンプリング前の光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、各サンプリング後の光信号を出力するようにし、各信号発生器が、各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力するようにした。半導体光増幅器は、レーザ光源及びモニタ用受光器と集積可能であり量産性にも優れるため、送信装置は、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行うことができる。送信装置は、複数の半導体光増幅器の分散・並列処理により光領域のサンプリングを行うことができる。
【0057】
(実施形態4)
図14は、実施形態4の送信装置を示す図である。送信装置1Jは、帯域信号発生器101J、ベースバンド信号発生器118J、切替回路120J、レーザ光源106J、半導体光増幅器108J、信号発生器109J、振幅調整回路110J、バイアス調整回路111J、モニタ用受光器112J、タイミング調整回路113J、制御回路119J及びスイッチ回路121Jから構成される。レーザ光源106Jは、光信号発生器として機能する。
【0058】
送信装置1Jは、ベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号を、所定のタイミングで切り替えて送信する。受信装置2は、受信信号がベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号のうちいずれであるかに応じて、受信信号の処理方法を選択する。ベースバンド信号として、10Gb/s又は40Gb/sのNRZ信号などの高速ベースバンド信号をあげられる。ベースバンド信号が変調された変調信号として、4値PSK、16値QAM及びOFDMなどの多値変調信号をあげられる。
【0059】
まず、送信装置1Jがベースバンド信号を送信するときの処理方法について説明する。制御回路119Jは、送信装置1Jが送信する信号がベースバンド信号であると判断し、スイッチ回路121Jをオフにし、切替回路120Jをベースバンド信号発生器118J側にセットする。半導体光増幅器108Jは、ベースバンド信号を単に増幅させる。
【0060】
次に、送信装置1Jがベースバンド信号が変調された変調信号を送信するときの処理方法について説明する。制御回路119Jは、送信装置1Jが送信する信号がベースバンド信号が変調された変調信号であると判断し、スイッチ回路121Jをオンにし、切替回路120Jを帯域信号発生器101J側にセットする。半導体光増幅器108Jは、ベースバンド信号が変調された変調信号を信号発生器109Jからの電流信号を用いてサンプリング及び増幅する。
【0061】
以上に説明したように、送信装置は、ベースバンド信号を送信するときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を送信するときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更することができる。
【0062】
(実施形態5)
図15は、実施形態5の光アクセスシステムを示す図である。光アクセスシステムは、加入者装置5A、5B、5C、局内装置6、光伝送路3及び光スプリッタ4から構成される。加入者装置5A、5B、5Cは、局内装置6に、光伝送路3及び光スプリッタ4を介して、各サンプリング後の光信号が時間軸上で相互に重複しないように、各サンプリング後の光信号を送信することができる。加入者装置5Cは、送信装置51C、加入者装置用受信装置52C及び送受信光信号分離器53Cから構成され、加入者装置5A、5Bは、加入者装置5Cと同様な要素から構成される。局内装置6は、受信装置61、局内装置用送信装置62及び送受信光信号分離器63から構成される。送信装置51Cとして、実施形態1−4で各々説明した送信装置1F、1G、1H、1Jのうちいずれかを適用することができる。受信装置61として、従来技術として説明した受信装置2を適用することができる。
【0063】
加入者装置5A、5B、5Cが、各サンプリング後の光信号が時間軸上で相互に重複しないように、各サンプリング後の光信号を局内装置6に送信するために、局内装置6は、タイミング調整に必要な情報を加入者装置5A、5B、5Cに同報する。タイミング調整に必要な情報として、加入者装置5A、5B、5Cのサンプリングのタイミングを同期させるための基準クロック及び加入者装置5A、5B、5Cの送信のタイミングを調整するためのタイミング情報などがあげられる。
【0064】
局内装置6では、局内装置用送信装置62は、加入者装置5A、5B、5Cに、タイミング調整に必要な情報を送信する。加入者装置5Cでは、加入者装置用受信装置52Cは、局内装置6から、タイミング調整に必要な情報を受信し、送信装置51Cは、局内装置6に、サンプリング後の光信号を送信する。加入者装置5A、5Bでは、加入者装置5Cと同様な処理が行われる。局内装置6では、受信装置61は、加入者装置5A、5B、5Cから、サンプリング後の光信号を受信する。送受信光信号分離器53C、63は、加入者装置5Cから局内装置6への上り方向の光信号及び局内装置6から加入者装置5Cへの下り方向の光信号を分離する。送受信光信号分離器53C、63として、上り方向及び下り方向に異なる波長の光信号を用いるときには、波長フィルタを適用することができる。
【0065】
タイミング調整に必要な情報のみを送受信するために、加入者装置5Cに加入者装置用受信装置52Cを設置し局内装置6に局内装置用送信装置62を設置することは、経済性の面で現実的ではない。局内装置6の局内装置用送信装置62が、下り方向のデータ信号及びタイミング調整に必要な情報を時分割多重し、加入者装置5Cの加入者装置用受信装置52Cが、下り方向のデータ信号及びタイミング調整に必要な情報を時分割分離することが、経済性の面で現実的である。
【0066】
局内装置6では、受光器が、時分割多重化信号を受信し光信号から電気信号に変換し、AD変換回路が、時分割多重化信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回路が、時分割多重化信号から所定の帯域信号を抽出し、所定の方式により所定の帯域信号を所定のデータ信号に復調する。ここで、局内装置6は、高速で高額な受光器及びAD変換回路から構成される。しかし、局内装置6は、収容局舎で用いられるため、複数の加入者によるコストの分担により、実用上大きな問題はない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係る光アクセスシステム及び送信装置は、ベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号を光信号として送受信するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1:送信装置
2:受信装置
3:光伝送路
4:光スプリッタ
5:加入者装置
6:局内装置
51:送信装置
52:加入者装置用受信装置
53:送受信光信号分離器
61:受信装置
62:局内装置用送信装置
63:送受信光信号分離器
101:帯域信号発生器
102:光送信器
103:アンテナ
104:無線信号フロントエンド
105:時分割多重用スイッチ
106:レーザ光源
107:光スイッチ
108:半導体光増幅器
109:信号発生器
110:振幅調整回路
111:バイアス調整回路
112:モニタ用受光器
113:タイミング調整回路
114:光分岐器
115:分岐器
116:遅延回路
117:光合波器
118:ベースバンド信号発生器
119:制御回路
120:切替回路
121:スイッチ回路
201:受光器
202:AD変換回路
203:ディジタル信号処理回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度にデータ送信を行うための送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、0及び1の2値ディジタル信号情報を光の強度に反映させた、ベースバンド伝送方式が利用されている。近年は、更なる伝送性能の向上を目的として、0及び1の2値ディジタル信号情報を光の強度、位相及び周波数に反映させた、4値PSK(Phase Shift Keying)、16値QAM(Quadrature Amplitude Modulation)及びOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)などの多値変調方式が検証されている。
【0003】
図1は、従来技術の光アクセスシステムを示す図である。送信装置1A、1B、1Cは、受信装置2に、光伝送路3及び光スプリッタ4を介して、データを伝送する。送信装置1Aでは、帯域信号発生器101Aは、所定の方式によりデータ信号を帯域信号に変調し、光送信器102Aは、帯域信号を電気信号から光信号に変換し送信する。送信装置1Bでは、帯域信号発生器101Bは、所定の方式によりデータ信号を帯域信号に変調し、光送信器102Bは、帯域信号を電気信号から光信号に変換し送信する。送信装置1Cでは、アンテナ103Cは、無線信号を入力し、無線信号フロントエンド104Cは、入力後の信号を電力増幅し、光送信器102Cは、増幅後の信号を電気信号から光信号に変換し送信する。受信装置2では、受光器201は、送信装置1A、1B、1Cからの信号を受信し光信号から電気信号に変換し、AD(Analog/Digital)変換回路202は、送信装置1A、1B、1Cからの信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回路203は、所定の方式により送信装置1A、1B、1Cからの信号をデータ信号に復調し、必要に応じて送信装置1A、1B、1C及び光伝送路3などによる信号劣化を補償する。
【0004】
図2は、従来技術の光送信器を示す図である。図2(a)に示したように、光送信器102Dは、時分割多重用スイッチ105D及びレーザ光源106Dから構成される。時分割多重用スイッチ105Dは、帯域信号又は無線信号を所定のタイミングでサンプリングする。レーザ光源106Dは、サンプリング後の信号を電気信号から光信号に変換する。図2(b)は、時分割多重用スイッチ105Dに入力される帯域信号又は無線信号を示す。図2(c)は、時分割多重用スイッチ105Dから出力されるサンプリング後の信号を示す。図2(d)は、レーザ光源106Dから出力されるサンプリング・光信号変換後の信号を示す。このように、光送信器102Dは、電気領域でサンプリングを行う。
【0005】
図3は、従来技術の光送信器を示す図である。図3(a)に示したように、光送信器102Eは、レーザ光源106E及び光スイッチ107Eから構成される。レーザ光源106Eは、帯域信号又は無線信号を電気信号から光信号に変換する。光スイッチ107Eは、光信号変換後の信号を所定のタイミングでサンプリングする。図3(b)は、レーザ光源106Eに入力される帯域信号又は無線信号を示す。図3(c)は、レーザ光源106Eから出力される光信号変換後の信号を示す。図3(d)は、光スイッチ107Eから出力される光信号変換・サンプリング後の信号を示す。このように、光送信器102Eは、光領域でサンプリングを行う。
【0006】
非特許文献1は、光伝送路3の広帯域特性を利用して、複数の帯域信号を時分割多重化する時分割多重化方式を開示している。多重化方式には、時分割多重化方式、波長多重化方式及び周波数多重化方式などがあげられる。波長多重化方式では、複数の送信装置は各々の波長の光送信器を用意する必要があるため、送信装置の多様化に伴う運用コストの増大が懸念される。周波数多重化方式では、各々の送信装置は別々の周波数の信号源を用意する必要があるため、送信装置の多様化に伴う運用コストの増大が懸念されるとともに、複数の光信号同士のビート雑音の影響や光伝送路及び受光器での非線形性による歪の影響が懸念される。時分割多重化方式では、各々の送信装置は同一の装置構成を用いることができるため、運用コストの増大が少なく、同一の時間には単一の送信装置からの帯域信号のみが存在し複数の送信装置からの帯域信号が存在しないため、ビート雑音や歪の影響が少ない。
【0007】
図4は、従来技術の光アクセスシステムを示す図である。送信装置1A、1B、1Cは、受信装置2に、光伝送路3及び光スプリッタ4を介して、データを伝送する。送信装置1A、1B、1Cでは、各々帯域信号を送信する。光スプリッタ4では、複数の帯域信号を時分割多重化する。受信装置2では、受光器201は、時分割多重化信号を受信し光信号から電気信号に変換し、AD変換回路202は、時分割多重化信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回路203は、時分割多重化信号から所定の帯域信号を抽出し、所定の方式により所定の帯域信号を所定のデータ信号に復調する。図4(b)は、送信装置1A、1B、1Cから各々出力される帯域信号を示す。図4(c)は、光スプリッタ4から出力される時分割多重化信号を示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】原田 博司,塚本 勝俊,小牧 省三,森永 規彦,“光TDMを用いたミリ波無線信号光ファイバ伝送システム”,電子情報通信学会論文誌C−I,Vol.J77−C−I,No.11,pp.649−658,1994年11月.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図2に示した光送信器102Dは、電気領域でサンプリングを行う。そのため、光送信器102Dは、数GHz程度の帯域信号を送信するのに適していない。
【0010】
図3に示した光送信器102Eは、光領域でサンプリングを行う。そのため、光送信器102Eは、数GHz程度の帯域信号を送信するのに適している。しかし、光送信器102Eでは、光スイッチ107Eが光損失を発生させ、光損失を補償するために光増幅器を配置すれば、装置構成が複雑になる。このように、光領域のサンプリングの有効な手法について、具体的な検討はなかった。
【0011】
そこで、前記課題を解決するために、本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行う送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、半導体光増幅器が、サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、サンプリング後の光信号を出力するようにした。信号発生器が、半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器に出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器に出力するようにした。
【0013】
具体的には、本発明は、サンプリング後の光信号を送信する送信装置と、前記サンプリング後の光信号を受信する受信装置と、を備える光アクセスシステムであって、前記送信装置は、サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、前記サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、前記サンプリング後の光信号を出力する半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、を備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0014】
この構成によれば、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行う送信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0015】
また、本発明は、サンプリング後の光信号を送信する送信装置と、前記サンプリング後の光信号を受信する受信装置と、を備える光アクセスシステムであって、前記送信装置は、サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、前記サンプリング前の光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を合波し、前記サンプリング後の光信号を出力する光合波器と、各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、を備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0016】
この構成によれば、複数の半導体光増幅器の分散・並列処理により光領域のサンプリングを行う送信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0017】
また、本発明は、前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする光アクセスシステムである。
【0018】
この構成によれば、サンプリング前の光信号の強度の変動に柔軟に対応する送信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0019】
また、本発明は、前記送信装置は、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、前記制御回路の判断に基づいて、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、をさらに備えることを特徴とする光アクセスシステムである。
【0020】
この構成によれば、ベースバンド信号を送信するときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を送信するときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更する送信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0021】
また、本発明は、前記送信装置は、複数配置されており、各送信装置は、各サンプリング後の光信号が時間軸上で相互に重複しないように、各サンプリング後の光信号を送信することを特徴とする光アクセスシステムである。
【0022】
この構成によれば、経済的かつ高精度に光領域の時分割多重化を行う送信装置を備える光アクセスシステムを提供することができる。
【0023】
また、本発明は、サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、前記サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、サンプリング後の光信号を送信する半導体光増幅器と、前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、を備えることを特徴とする送信装置である。
【0024】
この構成によれば、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行う送信装置を提供することができる。
【0025】
また、本発明は、サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、前記サンプリング前の光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を合波し、サンプリング後の光信号を送信する光合波器と、各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、を備えることを特徴とする送信装置である。
【0026】
この構成によれば、複数の半導体光増幅器の分散・並列処理により光領域のサンプリングを行う送信装置を提供することができる。
【0027】
また、本発明は、前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする送信装置である。
【0028】
この構成によれば、サンプリング前の光信号の強度の変動に柔軟に対応する送信装置を提供することができる。
【0029】
また、本発明は、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、前記制御回路の判断に基づいて、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、をさらに備えることを特徴とする送信装置である。
【0030】
この構成によれば、ベースバンド信号を送信するときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を送信するときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更する送信装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、送信装置及び受信装置の間でデータ伝送を行う光アクセスシステムにおいて、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行う送信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】従来技術の光アクセスシステムを示す図である。
【図2】従来技術の光送信器を示す図である。
【図3】従来技術の光送信器を示す図である。
【図4】従来技術の光アクセスシステムを示す図である。
【図5】実施形態1の送信装置を示す図である。
【図6】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図7】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図8】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図9】実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。
【図10】実施形態1のサンプリング実験結果を示す図である。
【図11】実施形態2の送信装置を示す図である。
【図12】実施形態2の送信装置の処理を示す図である。
【図13】実施形態3の送信装置を示す図である。
【図14】実施形態4の送信装置を示す図である。
【図15】実施形態5の光アクセスシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施の例であり、本発明は以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0034】
(実施形態1)
図5は、実施形態1の送信装置を示す図である。送信装置1Fは、帯域信号発生器101F、レーザ光源106F、半導体光増幅器108F、信号発生器109F、振幅調整回路110F、バイアス調整回路111F、モニタ用受光器112F及びタイミング調整回路113Fから構成される。レーザ光源106Fは、光信号発生器として機能する。
【0035】
帯域信号発生器101Fは、所定の方式によりデータ信号を帯域信号に変調する。レーザ光源106Fは、帯域信号を電気信号から光信号に変換する。半導体光増幅器108Fは、帯域信号を所定のタイミングでサンプリング及び増幅する。
【0036】
信号発生器109Fは、半導体光増幅器108Fの閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器108Fに出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器108Fに出力する。振幅調整回路110Fは、信号発生器109Fからの電流信号の振幅を調整する。バイアス調整回路111Fは、信号発生器109Fからの電流信号のバイアスを調整する。モニタ用受光器112Fは、レーザ光源106Fから出力される光信号の強度をモニタする。タイミング調整回路113Fは、信号発生器109Fからの電流信号のタイミングを調整する。
【0037】
図6から図9は、実施形態1の半導体光増幅器及び信号発生器の処理を示す図である。信号発生器109Fからの電流信号についての信号電流は、所定のタイミングでは半導体光増幅器108Fの閾値電流より大きくなり、所定のタイミング以外の時間では半導体光増幅器108Fの閾値電流以下となる。よって、半導体光増幅器108Fの利得は、所定のタイミングでは有限値となるが、所定のタイミング以外の時間ではほぼ0となる。そして、半導体光増幅器108Fでの入力信号のうち、所定のタイミングでの信号は増幅され通過するが、所定のタイミング以外の時間での信号はほぼ通過しない。
【0038】
図6では、半導体光増幅器108Fでの入力信号は時間的に一定の強度を有する入力信号であり、信号発生器109Fからの電流信号は矩形波信号である。図6(a)は、半導体光増幅器108Fでの入力信号についての信号強度の時間変化を示す。図6(b)は、半導体光増幅器108Fの電流−利得特性及び信号発生器109Fからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図6(c)は、半導体光増幅器108Fでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0039】
振幅調整回路110Fは、信号発生器109Fからの電流信号の振幅を調整することにより、半導体光増幅器108Fの増幅の利得を調整することができる。バイアス調整回路111Fは、信号発生器109Fからの電流信号のバイアスを調整することにより、半導体光増幅器108Fの増幅の利得を調整することができる。振幅調整回路110F及びバイアス調整回路111Fのうち、少なくともいずれかが動作していればよい。
【0040】
図7では、半導体光増幅器108Fでの入力信号は時間的に一定の強度を有する入力信号であり、信号発生器109Fからの電流信号は正弦波信号である。図7(a)は、半導体光増幅器108Fでの入力信号についての信号強度の時間変化を示す。図7(b)は、半導体光増幅器108Fの電流−利得特性及び信号発生器109Fからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図7(c)は、半導体光増幅器108Fでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0041】
振幅調整回路110Fは、信号発生器109Fからの電流信号の振幅を調整することにより、半導体光増幅器108Fのサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を調整することができる。バイアス調整回路111Fは、信号発生器109Fからの電流信号のバイアスを調整することにより、半導体光増幅器108Fのサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を調整することができる。振幅調整回路110F及びバイアス調整回路111Fのうち、少なくともいずれかが動作していればよい。図7では、正弦波信号は広帯域信号ではないため、送信装置1Fは簡便なハードウェアを備えるのみで十分である。
【0042】
図8では、半導体光増幅器108Fでの入力信号は強度の大きい帯域信号であり、信号発生器109Fからの電流信号は正弦波信号である。図8(a)は、半導体光増幅器108Fでの入力信号についての信号強度の時間変化を示す。図8(b)は、半導体光増幅器108Fの電流−利得特性及び信号発生器109Fからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図8(c)は、半導体光増幅器108Fでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0043】
信号発生器109Fは、帯域信号をサンプリングするために、所定のタイミングで半導体光増幅器108Fの閾値電流より大きい電流信号を出力する。半導体光増幅器108Fでの入力信号は、強度の大きい帯域信号であるため、信号発生器109Fからの電流信号の振幅及びバイアスは小さくても構わない。
【0044】
図9では、半導体光増幅器108Fでの入力信号は強度の小さい帯域信号であり、信号発生器109Fからの電流信号は正弦波信号である。図9(a)は、半導体光増幅器108Fでの入力信号についての信号強度の時間変化を示す。図9(b)は、半導体光増幅器108Fの電流−利得特性及び信号発生器109Fからの電流信号についての信号電流の時間変化を対比して示す。図9(c)は、半導体光増幅器108Fでの出力信号についての信号強度の時間変化を示す。
【0045】
信号発生器109Fは、帯域信号をサンプリングするために、所定のタイミングで半導体光増幅器108Fの閾値電流より大きい電流信号を出力する。半導体光増幅器108Fでの入力信号は、強度の小さい帯域信号であるため、信号発生器109Fからの電流信号の振幅及びバイアスは大きければ望ましい。
【0046】
図8及び図9で説明したように、信号発生器109Fからの電流信号の振幅及びバイアスを制御するためには、モニタ用受光器112Fの出力電流をモニタリングすればよい。送信装置1Fは、サンプリング前の光信号の強度の変動に柔軟に対応することができる。タイミング調整回路113Fの処理については、実施形態5において詳述する。
【0047】
図10は、実施形態1のサンプリング実験結果を示す図である。図10(a)は、200MHzの正弦波により大きく変調された光信号を、1GHzの正弦波により動作される半導体光増幅器に入力したときの、光信号波形の測定結果を示す。図10(b)は、200MHzの正弦波により小さく変調された光信号を、1GHzの正弦波により動作される半導体光増幅器に入力したときの、光信号波形の測定結果を示す。図10(a)及び図10(b)では、サンプリング幅が110〜120psであるときに、サンプリングが高精度に行われていた。半導体光増幅器の動作条件を調整することにより、サンプリング幅が70〜80psであるときも、サンプリングが高精度に行われていた。
【0048】
以上に説明したように、半導体光増幅器が、サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、サンプリング後の光信号を出力するようにし、信号発生器が、半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、所定のタイミングで半導体光増幅器に出力し、閾値電流以下の電流を有する信号を、所定のタイミング以外の時間で半導体光増幅器に出力するようにした。半導体光増幅器は、レーザ光源及びモニタ用受光器と集積可能であり量産性にも優れるため、送信装置は、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行うことができる。
【0049】
(実施形態2)
図11は、実施形態2の送信装置を示す図である。送信装置1Gは、アンテナ103G、無線信号フロントエンド104G、レーザ光源106G、半導体光増幅器108G、信号発生器109G、振幅調整回路110G、バイアス調整回路111G、モニタ用受光器112G及びタイミング調整回路113Gから構成される。レーザ光源106Gは、光信号発生器として機能する。
【0050】
図12は、実施形態2の送信装置の処理を示す図である。図12(a)は、元の無線信号をサンプリングする前の帯域信号の周波数分布を示す。図12(b)は、元の無線信号をサンプリングした後の帯域信号の周波数分布を示す。図12(b)では図12(a)と異なり、元の無線信号の情報のコピーを有する信号が、元の無線信号の周波数からサンプリング周波数の整数倍だけ隔てて周波数空間に分布する。ここで、図11の送信装置1G並びに図1又は図4の受信装置2において、サンプリングのパルス幅を十分に狭く設定することにより、元の無線信号の情報のコピーを有する信号が、低周波数帯にも分布する。そこで、半導体光増幅器108Gは、所定の低周波数帯の信号を送信できる。無線信号の搬送波周波数は、数GHz程度であるのに対して、信号帯域幅は、数10MHz程度であるのが一般的である。サンプリング周波数として、無線信号の搬送波周波数に関係なく、信号帯域幅の2倍以上の値に設定することが望ましい。
【0051】
レーザ光源106G、半導体光増幅器108G、信号発生器109G、振幅調整回路110G、バイアス調整回路111G、モニタ用受光器112G及びタイミング調整回路113Gの処理は、各々図5のレーザ光源106F、半導体光増幅器108F、信号発生器109F、振幅調整回路110F、バイアス調整回路111F、モニタ用受光器112F及びタイミング調整回路113Fの処理と同様である。アンテナ103G及び無線信号フロントエンド104Gの処理は、各々図1のアンテナ103C及び無線信号フロントエンド104Cの処理と同様である。実施形態1と同様な効果を得ることができるとともに、無線信号を入力することもできる。
【0052】
(実施形態3)
図13は、実施形態3の送信装置を示す図である。送信装置1Hは、帯域信号発生器101H、レーザ光源106H、光分岐器114H、半導体光増幅器108H−1、108H−2、・・・、108H−N、光合波器117H、信号発生器109H、振幅調整回路110H、バイアス調整回路111H、モニタ用受光器112H、タイミング調整回路113H、分岐器115H及び遅延回路116H−2、・・・、116H−Nから構成される。レーザ光源106Hは、光信号発生器として機能する。
【0053】
帯域信号発生器101H、レーザ光源106H、信号発生器109H、振幅調整回路110H、バイアス調整回路111H、モニタ用受光器112H及びタイミング調整回路113Hの処理は、各々図5の帯域信号発生器101F、レーザ光源106F、信号発生器109F、振幅調整回路110F、バイアス調整回路111F、モニタ用受光器112F及びタイミング調整回路113Fの処理と同様である。
【0054】
分岐器115Hは、振幅・バイアス調整後の電流信号を入力し分岐する。遅延回路116H−2、・・・、116H−Nは、分岐後の電流信号を分岐器115Hから入力し、各々の遅延時間だけ分岐後の電流信号を遅延させる。光分岐器114Hは、レーザ光源106Hから帯域信号を入力し分岐する。
【0055】
半導体光増幅器108H−1は、光分岐器114Hから分岐後の帯域信号を入力し、分岐器115Hから分岐後の電流信号を入力し、分岐後の電流信号を用いて分岐後の帯域信号をサンプリング及び増幅する。半導体光増幅器108H−2、・・・、108H−Nは、光分岐器114Hから分岐後の帯域信号を入力し、各々遅延回路116H−2、・・・、116H−Nから分岐・遅延後の電流信号を入力し、各々の分岐・遅延後の電流信号を用いて分岐後の帯域信号をサンプリング及び増幅する。光合波器117Hは、半導体光増幅器108H−1、108H−2、・・・、108H−Nからのサンプリング・増幅後の帯域信号を合波して送信する。
【0056】
以上に説明したように、各半導体光増幅器が、サンプリング前の光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、各サンプリング後の光信号を出力するようにし、各信号発生器が、各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力するようにした。半導体光増幅器は、レーザ光源及びモニタ用受光器と集積可能であり量産性にも優れるため、送信装置は、経済的かつ高精度に光領域のサンプリングを行うことができる。送信装置は、複数の半導体光増幅器の分散・並列処理により光領域のサンプリングを行うことができる。
【0057】
(実施形態4)
図14は、実施形態4の送信装置を示す図である。送信装置1Jは、帯域信号発生器101J、ベースバンド信号発生器118J、切替回路120J、レーザ光源106J、半導体光増幅器108J、信号発生器109J、振幅調整回路110J、バイアス調整回路111J、モニタ用受光器112J、タイミング調整回路113J、制御回路119J及びスイッチ回路121Jから構成される。レーザ光源106Jは、光信号発生器として機能する。
【0058】
送信装置1Jは、ベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号を、所定のタイミングで切り替えて送信する。受信装置2は、受信信号がベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号のうちいずれであるかに応じて、受信信号の処理方法を選択する。ベースバンド信号として、10Gb/s又は40Gb/sのNRZ信号などの高速ベースバンド信号をあげられる。ベースバンド信号が変調された変調信号として、4値PSK、16値QAM及びOFDMなどの多値変調信号をあげられる。
【0059】
まず、送信装置1Jがベースバンド信号を送信するときの処理方法について説明する。制御回路119Jは、送信装置1Jが送信する信号がベースバンド信号であると判断し、スイッチ回路121Jをオフにし、切替回路120Jをベースバンド信号発生器118J側にセットする。半導体光増幅器108Jは、ベースバンド信号を単に増幅させる。
【0060】
次に、送信装置1Jがベースバンド信号が変調された変調信号を送信するときの処理方法について説明する。制御回路119Jは、送信装置1Jが送信する信号がベースバンド信号が変調された変調信号であると判断し、スイッチ回路121Jをオンにし、切替回路120Jを帯域信号発生器101J側にセットする。半導体光増幅器108Jは、ベースバンド信号が変調された変調信号を信号発生器109Jからの電流信号を用いてサンプリング及び増幅する。
【0061】
以上に説明したように、送信装置は、ベースバンド信号を送信するときの処理内容及びベースバンド信号が変調された変調信号を送信するときの処理内容の相互間で、処理内容を柔軟に変更することができる。
【0062】
(実施形態5)
図15は、実施形態5の光アクセスシステムを示す図である。光アクセスシステムは、加入者装置5A、5B、5C、局内装置6、光伝送路3及び光スプリッタ4から構成される。加入者装置5A、5B、5Cは、局内装置6に、光伝送路3及び光スプリッタ4を介して、各サンプリング後の光信号が時間軸上で相互に重複しないように、各サンプリング後の光信号を送信することができる。加入者装置5Cは、送信装置51C、加入者装置用受信装置52C及び送受信光信号分離器53Cから構成され、加入者装置5A、5Bは、加入者装置5Cと同様な要素から構成される。局内装置6は、受信装置61、局内装置用送信装置62及び送受信光信号分離器63から構成される。送信装置51Cとして、実施形態1−4で各々説明した送信装置1F、1G、1H、1Jのうちいずれかを適用することができる。受信装置61として、従来技術として説明した受信装置2を適用することができる。
【0063】
加入者装置5A、5B、5Cが、各サンプリング後の光信号が時間軸上で相互に重複しないように、各サンプリング後の光信号を局内装置6に送信するために、局内装置6は、タイミング調整に必要な情報を加入者装置5A、5B、5Cに同報する。タイミング調整に必要な情報として、加入者装置5A、5B、5Cのサンプリングのタイミングを同期させるための基準クロック及び加入者装置5A、5B、5Cの送信のタイミングを調整するためのタイミング情報などがあげられる。
【0064】
局内装置6では、局内装置用送信装置62は、加入者装置5A、5B、5Cに、タイミング調整に必要な情報を送信する。加入者装置5Cでは、加入者装置用受信装置52Cは、局内装置6から、タイミング調整に必要な情報を受信し、送信装置51Cは、局内装置6に、サンプリング後の光信号を送信する。加入者装置5A、5Bでは、加入者装置5Cと同様な処理が行われる。局内装置6では、受信装置61は、加入者装置5A、5B、5Cから、サンプリング後の光信号を受信する。送受信光信号分離器53C、63は、加入者装置5Cから局内装置6への上り方向の光信号及び局内装置6から加入者装置5Cへの下り方向の光信号を分離する。送受信光信号分離器53C、63として、上り方向及び下り方向に異なる波長の光信号を用いるときには、波長フィルタを適用することができる。
【0065】
タイミング調整に必要な情報のみを送受信するために、加入者装置5Cに加入者装置用受信装置52Cを設置し局内装置6に局内装置用送信装置62を設置することは、経済性の面で現実的ではない。局内装置6の局内装置用送信装置62が、下り方向のデータ信号及びタイミング調整に必要な情報を時分割多重し、加入者装置5Cの加入者装置用受信装置52Cが、下り方向のデータ信号及びタイミング調整に必要な情報を時分割分離することが、経済性の面で現実的である。
【0066】
局内装置6では、受光器が、時分割多重化信号を受信し光信号から電気信号に変換し、AD変換回路が、時分割多重化信号をアナログ信号からディジタル信号に変換し、ディジタル信号処理回路が、時分割多重化信号から所定の帯域信号を抽出し、所定の方式により所定の帯域信号を所定のデータ信号に復調する。ここで、局内装置6は、高速で高額な受光器及びAD変換回路から構成される。しかし、局内装置6は、収容局舎で用いられるため、複数の加入者によるコストの分担により、実用上大きな問題はない。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明に係る光アクセスシステム及び送信装置は、ベースバンド信号及びベースバンド信号が変調された変調信号を光信号として送受信するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1:送信装置
2:受信装置
3:光伝送路
4:光スプリッタ
5:加入者装置
6:局内装置
51:送信装置
52:加入者装置用受信装置
53:送受信光信号分離器
61:受信装置
62:局内装置用送信装置
63:送受信光信号分離器
101:帯域信号発生器
102:光送信器
103:アンテナ
104:無線信号フロントエンド
105:時分割多重用スイッチ
106:レーザ光源
107:光スイッチ
108:半導体光増幅器
109:信号発生器
110:振幅調整回路
111:バイアス調整回路
112:モニタ用受光器
113:タイミング調整回路
114:光分岐器
115:分岐器
116:遅延回路
117:光合波器
118:ベースバンド信号発生器
119:制御回路
120:切替回路
121:スイッチ回路
201:受光器
202:AD変換回路
203:ディジタル信号処理回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サンプリング後の光信号を送信する送信装置と、
前記サンプリング後の光信号を受信する受信装置と、
を備える光アクセスシステムであって、
前記送信装置は、
サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、
前記サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、前記サンプリング後の光信号を出力する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、
を備えることを特徴とする光アクセスシステム。
【請求項2】
サンプリング後の光信号を送信する送信装置と、
前記サンプリング後の光信号を受信する受信装置と、
を備える光アクセスシステムであって、
前記送信装置は、
サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、
前記サンプリング前の光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、
各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、
各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を合波し、前記サンプリング後の光信号を出力する光合波器と、
各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、
を備えることを特徴とする光アクセスシステム。
【請求項3】
前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の光アクセスシステム。
【請求項4】
前記送信装置は、
前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、
前記制御回路の判断に基づいて、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3に記載のいずれかの光アクセスシステム。
【請求項5】
前記送信装置は、複数配置されており、
各送信装置は、各サンプリング後の光信号が時間軸上で相互に重複しないように、各サンプリング後の光信号を送信することを特徴とする請求項1から4に記載のいずれかの光アクセスシステム。
【請求項6】
サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、
前記サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、サンプリング後の光信号を送信する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項7】
サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、
前記サンプリング前の光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、
各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、
各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を合波し、サンプリング後の光信号を送信する光合波器と、
各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項8】
前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする請求項6又は7に記載の送信装置。
【請求項9】
前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、
前記制御回路の判断に基づいて、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項6から8に記載のいずれかの送信装置。
【請求項1】
サンプリング後の光信号を送信する送信装置と、
前記サンプリング後の光信号を受信する受信装置と、
を備える光アクセスシステムであって、
前記送信装置は、
サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、
前記サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、前記サンプリング後の光信号を出力する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、
を備えることを特徴とする光アクセスシステム。
【請求項2】
サンプリング後の光信号を送信する送信装置と、
前記サンプリング後の光信号を受信する受信装置と、
を備える光アクセスシステムであって、
前記送信装置は、
サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、
前記サンプリング前の光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、
各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、
各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を合波し、前記サンプリング後の光信号を出力する光合波器と、
各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、
を備えることを特徴とする光アクセスシステム。
【請求項3】
前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の光アクセスシステム。
【請求項4】
前記送信装置は、
前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、
前記制御回路の判断に基づいて、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から3に記載のいずれかの光アクセスシステム。
【請求項5】
前記送信装置は、複数配置されており、
各送信装置は、各サンプリング後の光信号が時間軸上で相互に重複しないように、各サンプリング後の光信号を送信することを特徴とする請求項1から4に記載のいずれかの光アクセスシステム。
【請求項6】
サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、
前記サンプリング前の光信号を入力し所定のタイミングでサンプリング及び増幅し、サンプリング後の光信号を送信する半導体光増幅器と、
前記半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、前記所定のタイミングで前記半導体光増幅器に出力し、前記閾値電流以下の電流を有する信号を、前記所定のタイミング以外の時間で前記半導体光増幅器に出力する信号発生器と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項7】
サンプリング前の光信号を発生する光信号発生器と、
前記サンプリング前の光信号を複数の分岐光信号に分岐する光分岐器と、
各分岐光信号を入力し各所定のタイミングでサンプリング及び増幅する複数の半導体光増幅器と、
各半導体光増幅器でサンプリング及び増幅された各分岐光信号を合波し、サンプリング後の光信号を送信する光合波器と、
各半導体光増幅器の閾値電流より大きい電流を有する信号を、各所定のタイミングで各半導体光増幅器に出力し、各閾値電流以下の電流を有する信号を、各所定のタイミング以外の時間で各半導体光増幅器に出力する複数の信号発生器と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項8】
前記信号発生器は、前記半導体光増幅器に出力する電流信号の振幅及びバイアスのうち少なくともいずれかを調整し、前記半導体光増幅器のサンプリングのパルス幅及び増幅の利得を制御することを特徴とする請求項6又は7に記載の送信装置。
【請求項9】
前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるかベースバンド信号が変調された変調信号であるかを判断する制御回路と、
前記制御回路の判断に基づいて、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互の接続を遮断し、前記送信装置が送信する信号がベースバンド信号が変調された変調信号であるときには、前記信号発生器及び前記半導体光増幅器の相互を接続するスイッチ回路と、
をさらに備えることを特徴とする請求項6から8に記載のいずれかの送信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2011−259318(P2011−259318A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133342(P2010−133342)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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