説明

光コネクタ及びファイバ取り付け工具

【課題】本発明は、ファイバの着脱が容易であり、且つファイバ接続の精度に優れた光コネクタ及びファイバ取り付け工具を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る光コネクタは、ファイバ芯線を固定するための固定モジュールを備える。固定モジュールは、第一定位槽が設けられている固定部を有する芯線保持部材及び係合アセンブリを備える。係合アセンブリは、係合部材と、弾性部材と、第二定位槽が設けられている固定部材及び押圧部材と、を備える。固定部材が固定部と当接されることによって、第一定位槽と第二定位槽とは共にファイバ芯線を固定する芯線保持孔を形成する。弾性部材は、固定部材に弾性力を付与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタに関し、特に光コネクタ及びファイバ取り付け工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
FTTH(Fiber To The Home)が普及することにより、ファイバの接続が必要となり、ファイバ接続の精度を向上させ、且つ光コネクタの使用コストを下げるために、再利用可能な光コネクタが開発された。従来の光コネクタにおいて、環状部材は、ファイバ保持機構の外周に設けられ、且つ前記環状部材のスライドによって、前記ファイバ保持機構のクランプ力を調節して、ファイバの挿入及び固定を容易にする。しかし、ファイバの着脱において、前記環状部材を前記ファイバ保持機構に対して、繰り返しスライドさせるので、使用に不便であり、且つ幾度となく行われるスライドによる摩擦によって、前記環状部材及び前記ファイバ保持機構は摩損されて、前記ファイバが固定できない状況が生じる。従って、ファイバの接続に影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、ファイバの着脱が容易であり、且つファイバ接続の精度に優れた光コネクタ及びファイバ取り付け工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、本発明に係る光コネクタは、ファイバ芯線を固定するための固定モジュールを備える。前記固定モジュールは、芯線保持部材及び係合アセンブリを備え、前記芯線保持部材は、固定部を備え、前記固定部には、第一定位槽が設けられ、前記係合アセンブリは、係合部材と、弾性部材と、固定部材及び押圧部材と、を備え、前記固定部材には、第二定位槽が設けられ、前記押圧部材及び係合部材は、前記芯線保持部材の両側にそれぞれ係合され、前記固定部材は、前記芯線保持部材内に設けられる一方、前記固定部と当接されて、前記固定部材と前記固定部とが当接されることによって、前記第一定位槽と前記第二定位槽とは、共にファイバ芯線を固定する芯線保持孔を形成し、前記弾性部材は、前記芯線保持部材内に設けられ、且つ前記固定部材と前記係合部材との間に設置されて前記固定部材に弾性力を付与する。
【0005】
また、前記課題を解決するために、本発明に係るファイバ取り付け工具は、上述した光コネクタにファイバを取り付けることに用いられる。前記ファイバ取り付け工具は、回転可能に連結された第一クランプアーム及び第二クランプアームを備え、前記第一クランプアームは、第一操作部と、クランプ部と、前記第一操作部と前記クランプ部とを連結する第一連結部と、を含み、前記第二クランプアームは、第二操作部と、押圧部と、前記第二操作部と前記押圧部とを連結する第二連結部と、を含み、前記押圧部の前記クランプ部に対向する面には、前記押圧部材を押圧するための押圧突起が突設されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る光コネクタにファイバ芯線を固定する過程において、押圧部材のみを押圧すれば、前記押圧部材は固定部材を押圧し、前記固定部材は弾性部材を押圧する。この時、前記弾性部材は弾性変形されて、前記固定部材と芯線保持部材の固定部との間に間隙が形成され、該間隙の形成によって、ファイバ芯線の挿入は容易になる。また、前記押圧部材に対する押圧を解除すれば、前記弾性部材の弾性復帰によって、前記固定部材は、前記芯線保持部材の固定部に当接されて、前記芯線保持孔を形成し、前記芯線保持孔内に前記ファイバ芯線が固定される。これにより、本発明に係る光コネクタは、操作が簡単で、且つファイバ芯線の固定の強度が向上される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る光コネクタの斜視図である。
【図2】本発明に係る光コネクタの分解図である。
【図3】図2に示した光コネクタにおける固定モジュールの分解図である。
【図4】図3に示した固定モジュールを別の視点から見た分解図である。
【図5】図2に示した光コネクタを部分的に組み立てた状態を示す図である。
【図6】図1に示した光コネクタのVI−VI線に沿った断面図である。
【図7】図6に示したVII部の拡大図である。
【図8】本発明に係る光コネクタにファイバ取り付け工具が取り付けられた状態を示す図である。
【図9】図8に示したIX部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて、本発明に係る光コネクタ及びファイバ取り付け工具について詳細に説明する。
【0009】
図1及び図2参照すると、本発明に係る光コネクタ100は、SC型光コネクタであり、且つ固定モジュール12と、前記固定モジュール12の一端に装着されるフェルール14と、前記固定モジュール12の他端に装着される固定スリーブ16と、内部に前記固定モジュール12を収納する内部ハウジング20と、内部に前記内部ハウジング20を収納する外部ハウジング30と、圧縮弾性体50と、ファイバ把持部材70と、前記ファイバ把持部材70に結合されるファイバ被覆部90と、を備える。
【0010】
図3及び図4を参照すると、前記固定モジュール12は、芯線保持部材122及び係合アセンブリ124を備える。
【0011】
前記芯線保持部材122は、ほぼ円柱体であり、且つ前記フェルール14と前記固定スリーブ16から挿入されたファイバ芯線(図示せず)とを接続させる。前記芯線保持部材122の、前記フェルール14に近接する一端には、前記フェルール14を装着するための第一挿入孔1220が前記芯線保持部材122の軸線に沿って設けられ、前記芯線保持部材122の他端には、前記固定スリーブ16を装着するための第二挿入孔1222が前記芯線保持部材122の軸線に沿って設けられている。前記芯線保持部材122の両端に近接する周縁には、係合槽1223がそれぞれ設けられている。前記芯線保持部材122の2つの係合槽1223の間には、互いに反対側に位置する面が窪んで形成された平板状の固定部1224が設置され、前記固定部1224には、ファイバの芯線を固定するための第一定位槽1225が設けられている。本実施形態において、前記第一定位槽1225は、V字形を呈する溝である。前記第一定位槽1225の延在方向の両端は、前記第一挿入孔1220と前記第二挿入孔1222とにそれぞれ連通されている。本実施形態において、前記第一定位槽1225の延在方向の両端には、ガイド用テーパ部1226が設けられており、ファイバの芯線を容易に挿入できる。前記固定部1224の第一定位槽1225の両側には、前記芯線保持部材122の軸線に平行な2つの挿入槽1227がそれぞれ設けられ、且つ各々の挿入槽1227の長手方向の両端には、ガイド孔1229がそれぞれ設けられている。前記ガイド孔1229と前記第一定位槽1225とは、前記固定部1224の互いに反対側に位置する面に各別に設置されている。
【0012】
また、ファイバ芯線を固定するための前記第一定位槽1225は、円弧形を呈する溝であることもできる。
【0013】
また、前記ガイド用テーパ部1226は、省略されることも、前記第一定位槽1225の延在方向の一端だけに設けることもできる。
【0014】
前記係合アセンブリ124は、前記固定スリーブ16から挿入されたファイバ芯線を固定することに用いられ、且つ係合部材1240と、弾性部材1242と、固定部材1244及び押圧部材1248と、を備える。
【0015】
前記係合部材1240の断面は、ほぼU字形を呈し、且つその軸線は、前記芯線保持部材122の軸線と同軸である。前記係合部材1240は、プラスチックのような弾性材料からなる。前記係合部材1240の軸方向の両端には、前記芯線保持部材122の係合槽1223に係合される係合鈎部1241が2つずつ、且つ互いに対向して形成されている。前記係合部材1240は、前記芯線保持部材122に対して前記第一定位槽1225側から係合され、且つ前記係合鈎部1241と前記係合槽1223との係合によって固定される。
【0016】
前記弾性部材1242は、弧形の板ばねであり、且つ前記係合部材1240内に収納される。前記弾性部材1242は、断面が弧形であり、且つ板状の主体部1250及び該主体部1250の両側から湾曲して形成されている支持部(図示せず)を備える。前記支持部は、円弧状を呈し、且つその湾曲方向は、前記主体部1250の湾曲方向と相反する。前記支持部は、前記係合部材1240に当接され、前記主体部1250の頂部は、前記固定部材1244に当接される。
【0017】
また、前記弾性部材1242は、両端が前記係合部材1240及び前記固定部材1244に当接する弾性片又はスプリングであることができる。
【0018】
前記固定部材1244は、板状であり、且つ前記芯線保持部材122の固定部1224と結合してファイバ芯線を固定する。前記固定部材1244には、前記芯線保持部材122の固定部1224の第一定位槽1225に対応する第二定位槽1245が形成されている。前記第二定位槽1245は、V字形を呈する溝である。前記第二定位槽1245の延在方向の両端には、前記第一定位槽1225の両端のガイド用テーパ部1226に対応するガイド用テーパ部1246が形成されている。前記固定部材1244は、前記係合部材1240内に収容される一方、前記弾性部材1242と前記芯線保持部材122の固定部1224との間に位置する。前記第二定位槽1245と前記第一定位槽1225とは、共に1つの芯線保持孔126(図7参照)を形成し、前記芯線保持孔126は、ファイバ芯線を収容及び定位(保持)させる。ファイバ芯線の固定を容易にするために、前記芯線保持孔126を形成する前記第一定位槽1225及び前記第二定位槽1245は同軸上に形成されることが好ましい。
【0019】
また、前記ガイド用テーパ部1246は省略、又は前記第二定位槽1245の延在方向の一端だけに設けることもできる。
【0020】
また、前記第二定位槽1245は、円弧形を呈する溝であることもできる。或いは省略することもでき、前記固定部材1244と前記芯線保持部材122の固定部1224とが協働してファイバ芯線を固定できればよい。
【0021】
前記押圧部材1248は、断面がほぼ弧形の板状を呈する。前記押圧部材1248の頂部は、平板部1247であり、該平板部1247の長手方向の両側には、前記芯線保持部材122の固定部1224の挿入槽1227に対応し、平板部1247の長手方向に沿って延在する押圧部1243がそれぞれ突設されており、各々の前記押圧部1243の両端近傍には、前記芯線保持部材122の固定部1224のガイド孔1229に対応するガイド柱1249がそれぞれ突設されており、該ガイド柱1249の高さは、前記押圧部1243の高さよりやや低い。また、2つの押圧部1243それぞれの頂部には、他方の押圧部1243に向けて係合突出部が突設されている。前記押圧部材1248は、前記固定部1224の第一定位槽1225から離れている側から、押圧することによって、前記芯線保持部材122に結合され、且つ前記押圧部材1248の押圧部1243は、前記固定部1224の挿入槽1227に挿入されることによって、前記固定部1224に係合される一方、押圧部1243の上記係合突出部が前記固定部材1244にも当接される。この時、前記ガイド柱1249は、前記ガイド孔1229内に収容される。
【0022】
再度図1を参照すると、前記内部ハウジング20は、中空部を有し、前記中空部には、前記固定モジュール12が収納、且つ固定されている。前記内部ハウジング20の長手方向の一端には、段差孔202が設けられ、該段差孔202は、当接面(図示せず)を有し、前記内部ハウジング20の長手方向の他端(内部ハウジング20の前記ファイバ把持部材70に近接する一端)の、互いに反対側に位置する側壁には、係合孔204がそれぞれ設けられている。該係合孔204が設けられている2つの側壁の、前記段差孔202に近い箇所には、係合突起206がそれぞれ突設されている。前記係合孔204が設けられている2つの側壁を連結する1つの連結側壁には、前記押圧部材1248を押圧するための押圧孔208が設けられている。
【0023】
前記外部ハウジング30は、前記内部ハウジング20の外周に着脱可能に設置される。前記外部ハウジング30には、前記内部ハウジング20の係合突起206と対応する係合槽302及び前記内部ハウジング20の押圧孔208と対応する押圧孔308が設けられている。本実施形態の前記外部ハウジング30は、SC型アダプタと接続される。
【0024】
また、本発明に係る光コネクタ100は、前記外部ハウジング30の構造を変えることにより、FC型或いはLC型光コネクタとすることもできる。
【0025】
前記圧縮弾性体50は、前記固定モジュール12を定位することに用いられる。
【0026】
前記ファイバ把持部材70は、ほぼ円筒状を呈し、且つ前記固定モジュール12に近接する端部には、段差孔701が設けられており、該段差孔701は、当接面(図示せず)を有する。前記ファイバ把持部材70の、前記段差孔701に近接する外周には、フランジ702が突設されている。前記フランジ702を基準として、前記段差孔701側の外周には、前記内部ハウジング20の係合孔204に対応する係合突部704が突設されており、前記段差孔701から離れている側、つまり、前記フランジ702に近接する側の外周には、外ネジ部706が突設されている。
【0027】
前記ファイバ被覆部90は、ほぼ円筒状を呈し、且つ前記ファイバ把持部材70に近接する開口の内周面には、前記ファイバ把持部材70の外ネジ部706と螺合する内ネジ部96が形成されている。前記ファイバ被覆部90の開口から離れている一端には、ファイバを挿入するための貫通孔(図示せず)が設けられている。
【0028】
図1乃至図5を参照すると、本発明に係る光コネクタ100を組み立てる際、前記フェルール14及び前記固定スリーブ16を、前記固定モジュール12の両端にそれぞれ固定し、前記押圧部材1248が、前記内部ハウジング20の押圧孔208が形成されている側壁に対応するように、前記固定モジュール12を前記内部ハウジング20内に収容させる。次に、前記圧縮弾性体50を、前記固定スリーブ16の外周を覆うように設置すると共に、前記ファイバ把持部材70を、前記内部ハウジング20の一端に装着させる。この時、前記ファイバ把持部材70の係合突部704は、前記内部ハウジング20の係合孔204に係合され、前記圧縮弾性体50の両端は、前記固定モジュール12の一端及び前記ファイバ把持部材70の段差孔701の当接面に当接される。また、前記固定モジュール12は、その一端が前記圧縮弾性体50に当接され、他端が前記内部ハウジング20の段差孔202の当接面に当接されて、前記内部ハウジング20内に固定される。次に、前記内部ハウジング20の係合突起206は、前記外部ハウジング30の係合槽302に係合される。この際、前記内部ハウジング20の押圧孔208が前記外部ハウジング30の押圧孔308と対応するように、前記外部ハウジング30を前記内部ハウジング20の外周に設置する。最後に、前記ファイバ把持部材70の外ネジ部706と前記ファイバ被覆部90の内ネジ部96とを螺合させて、前記ファイバ被覆部90を前記ファイバ把持部材70に固定させる。
【0029】
図6を併せて参照すると、組み立て後の前記光コネクタ100における前記固定モジュール12は、前記内部ハウジング20内に固定されている。また、前記固定モジュール12において、前記係合アセンブリ124の係合部材1240は、前記芯線保持部材122と係合され、前記弾性部材1242及び前記固定部材1244は、前記係合部材1240と前記芯線保持部材122の固定部1224との間に位置する。また、前記弾性部材1242の支持部は、前記係合部材1240に当接され、前記弾性部材1242の頂部は、前記固定部材1244に当接され、前記固定部材1244は、前記弾性部材1242と前記芯線保持部材122の固定部1224との間に位置する。この時、前記弾性部材1242の弾性力によって、前記芯線保持部材122の固定部1224の前記第一定位槽1225が形成されている表面と、前記固定部材1244の前記第二定位槽1245が形成されている表面と、が当接され、前記第一定位槽1225と前記第二定位槽1245とが協働して前記芯線保持孔126を形成し、該芯線保持孔126には、ファイバ芯線が収容されて、固定される。
【0030】
図8及び図9を参照すると、前記光コネクタ100にファイバを装着する際には、ファイバ取り付け工具300が必要である。前記ファイバ取り付け工具300は、クランプ工具であり、且つ第一クランプアーム3002と、第二クランプアーム3004と、トーションばね3007及び回転軸3008と、を含む。前記第一クランプアーム3002及び前記第二クランプアーム3004は、前記トーションばね3007及び前記回転軸3008を介して回転可能に連結されている。
【0031】
前記第一クランプアーム3002は、第一操作部3005と、クランプ部3006と、前記第一操作部3005と前記クランプ部3006とを連結する第一連結部(図示せず)と、を含み、前記第二クランプアーム3004は、第二操作部3015と、押下部3016と、前記第二操作部3015と前記押下部3016とを連結する第二連結部(図示せず)と、を含む。前記第一クランプアーム3002と前記第二クランプアーム3004とは、前記第一連結部及び第二連結部において、前記トーションばね3007及び前記回転軸3008を介して連結される。前記第二操作部3015は、前記押下部3016に対して、前記第一操作部3005から離れる方向に向かって、前記第二連結部で湾曲されている。前記押下部3016の前記クランプ部3006に対向する面には、押下突起3017が突設されている。前記押下突起3017は、前記内部ハウジング20の押圧孔208及び前記外部ハウジング30の押圧孔308から挿入されて、前記押圧部材1248を押圧する。前記トーションばね3007の両端は、前記第一操作部3005及び該第一操作部3005に対向する前記第二操作部3015にそれぞれ当接されて、前記トーションばね3007の弾性復帰による反発力によって、前記押下部3016の押下突起3017に押圧力を付与する。前記トーションばね3007の弾性力によって付与される押圧力は、前記弾性部材1242の弾性力より大きい。
【0032】
前記光コネクタ100にファイバを装着する際、前記押下突起3017が、前記外部ハウジング30の押圧孔308に対応するように、前記ファイバ取り付け工具300を前記外部ハウジング30に固定させると、前記トーションばね3007の弾性力によって、前記押下部3016の押下突起3017は、前記クランプ部3006に向かって移動する。その移動過程において、前記押下突起3017は、前記内部ハウジング20の押圧孔208及び前記外部ハウジング30の押圧孔308から挿入されて、前記押圧部材1248を押圧して、前記固定部材1244が前記押圧部材1248と連動することによって、前記芯線保持部材122の固定部1224から離れるようにする。この時、前記弾性部材1242は弾性変形され、前記固定部材1244と前記芯線保持部材122の固定部1224との間に間隙128ができる。前記間隙128は、前記ガイド柱1249が、前記固定部1224のガイド孔1229の底面に当接される際、最大となる。この時、ファイバ(図示せず)の外皮の除去によって芯線が露出された一端を、前記ファイバ被覆部90の端部から前記光コネクタ100に挿入して、前記ファイバ芯線を前記第二定位槽1245内に設置させる一方、前記ファイバ芯線の端部を前記フェルール14の芯孔に接続させる。
【0033】
次に、前記ファイバ取り付け工具300を前記光コネクタ100から取り外せば、前記弾性部材1242の弾性復帰によって、前記固定部材1244は、前記芯線保持部材122の固定部1224に向かって移動して、前記固定部1224と当接する。従って、前記ファイバ芯線は、前記第一定位槽1225と前記第二定位槽1245とによって形成された芯線保持孔内に、前記フェルール14の芯孔と接続した状態で固定される。
【0034】
本発明に係る光コネクタ100にファイバ芯線を固定する過程において、前記押圧部材1248のみを押圧すれば、前記押圧部材1248は前記固定部材1244を押圧し、前記固定部材1244は前記弾性部材1242を押圧する。この時、前記弾性部材1242は弾性変形されて、前記固定部材1244と前記芯線保持部材122の固定部1224との間に間隙128が形成され、該間隙128の形成によって、ファイバ芯線の挿入は容易になる。また、前記押圧部材1248に対する押圧を解除すれば、前記弾性部材1242の弾性復帰によって、前記固定部材1244は、前記芯線保持部材122の前記固定部1224に当接されて、前記芯線保持孔126を形成し、前記芯線保持孔126内に前記ファイバ芯線が固定される。これにより、本発明に係る光コネクタ100は、操作が簡単で、且つファイバ芯線の固定の強度が向上される。
【0035】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正もまた本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0036】
100 光コネクタ
12 固定モジュール
122 芯線保持部材
1220 第一挿入孔
1222 第二挿入孔
1223、302 係合槽
1224 固定部
1225 第一定位槽
1226、1246 ガイド用テーパ部
1227 挿入槽
1229 ガイド孔
124 係合アセンブリ
126 芯線保持孔
128 間隙
1240 係合部材
1241 係合鈎部
1242 弾性部材
1250 主体部
1244 固定部材
1245 第二定位槽
1248 押圧部材
1247 平板部
1243 押圧部
1249 ガイド柱
14 フェルール
16 固定スリーブ
20 内部ハウジング
202、701 段差孔
204 係合孔
206 係合突起
208、308 押圧孔
30 外部ハウジング
50 圧縮弾性体
70 ファイバ把持部材
702 フランジ
704 係合突部
706 外ネジ部
90 ファイバ被覆部
96 内ネジ部
300 ファイバ取り付け工具
3002 第一クランプアーム
3004 第二クランプアーム
3005 第一操作部
3006 クランプ部
3007 トーションばね
3008 回転軸
3015 第二操作部
3016 押下部
3017 押下突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバ芯線を固定するための固定モジュールを備える光コネクタにおいて、
前記固定モジュールは、芯線保持部材及び係合アセンブリを備え、
前記芯線保持部材は、固定部を備え、前記固定部には、第一定位槽が設けられ、
前記係合アセンブリは、係合部材と、弾性部材と、固定部材及び押圧部材と、を備え、
前記固定部材には、第二定位槽が設けられ、前記押圧部材及び係合部材は、前記芯線保持部材の両側にそれぞれ係合され、前記固定部材は、前記芯線保持部材内に設けられる一方、前記固定部と当接されて、前記固定部材と前記固定部とが当接されることによって、前記第一定位槽と前記第二定位槽とは、共にファイバ芯線を固定する芯線保持孔を形成し、前記弾性部材は、前記芯線保持部材内に設けられ、且つ前記固定部材と前記係合部材との間に設置されて前記固定部材に弾性力を付与することを特徴とする光コネクタ。
【請求項2】
前記係合部材には、係合鈎部が形成されており、前記芯線保持部材の両端には、係合槽がそれぞれ形成されており、前記係合鈎部と前記係合槽との係合によって、前記係合部材は前記芯線保持部材に固定されることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記弾性部材は、弧形の板状を呈する主体部及び該主体部の両側から湾曲して形成されている支持部を備え、前記支持部は、前記係合部材に当接され、前記主体部の頂部は、前記固定部材に当接されることを特徴とする請求項1または2に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記押圧部材には、押圧部が突設されており、前記固定部の前記第一定位槽の両側には、前記芯線保持部材の軸線に平行で、且つ前記押圧部が挿入される挿入槽がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記固定部の、前記第一定位槽が形成されておらず、且つ前記押圧部材に対向する面には、ガイド孔が設けられており、前記押圧部材には、前記ガイド孔に挿入されるガイド柱が突設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記光コネクタは、フェルール及び固定スリーブをさらに備え、前記芯線保持部材の一端には、前記フェルールを装着するための第一挿入孔が設けられており、前記芯線保持部材の他端には、前記固定スリーブを装着するための第二挿入孔が設けられており、前記第一挿入孔及び前記第二挿入孔は、同軸上に形成され、且つ連通されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項7】
前記光コネクタは、前記固定モジュールを収納する内部ハウジング及び該内部ハウジングを収納する外部ハウジングをさらに備え、前記内部ハウジング及び前記外部ハウジングの前記押圧部材に対応する箇所には、前記押圧部材を押圧するための押圧孔がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の光コネクタ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の光コネクタにファイバを取り付けることに用いられるファイバ取り付け工具において、
前記ファイバ取り付け工具は、回転可能に連結された第一クランプアーム及び第二クランプアームを備え、
前記第一クランプアームは、第一操作部と、クランプ部と、前記第一操作部と前記クランプ部とを連結する第一連結部と、を含み、前記第二クランプアームは、第二操作部と、押下部と、前記第二操作部と前記押下部とを連結する第二連結部と、を含み、前記押下部の前記クランプ部に対向する面には、前記押圧部材を押圧するための押下突起が突設されていることを特徴とするファイバ取り付け工具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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