説明

光コネクタ及び光コネクタの接続方法

【課題】容易に光コネクタの着脱、位置合わせが可能となる光コネクタ及び光コネクタ接続方法を提供する。
【解決手段】OCTプローブ7の第1の光ファイバ30の端部に取り付けられた第1のコネクタであるオス側光ロータリコネクタ24と、光ケーブル19の第2の光ファイバ33に取り付けられた第2のコネクタであるメス側ロータリコネクタ25との端面にそれぞれ設けられた第1の磁石と第2の磁石とにより、周方向の位置合わせと軸方向の位置合わせを容易に行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバを接続する光コネクタに係り、特に光干渉断層診断装置に用いられる光コネクタ及び光コネクタの接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体の体腔内を観察する内視鏡装置として、生体の体腔内で照明光を照射し、反射された反射光による像を撮像し、モニタ等に表示する電子内視鏡装置が広く普及され、様々な分野で利用されている。また多くの内視鏡装置は、鉗子口を備え、この鉗子口を介して体腔内に導入されたプローブにより、体腔内の組織の生検や治療を行うことが可能となっている。
【0003】
一方、近年、生体組織等の測定対象を切断せずに生体などの断層画像を取得する光観察
装置としての断層画像取得装置の開発が進められており、例えば低コヒーレンス光による
干渉を用いた光干渉断層(OCT:Optical Coherence Tomography)計測法を利用した光断層画像化装置が知られている(特許文献1)。
【0004】
このOCT計測は、測定光および反射光と参照光との光路長が一致したときに干渉光が検出されることを利用した計測方法である。すなわちこの方法において、光源から射出された低コヒーレント光は測定光と参照光とに分割され、測定光は測定対象に照射され、測定対象からの反射光が合波手段に導かれる。一方、参照光は、測定対象内の測定深さを変更するために、光路長の変更が施された後に合波手段に導かれる。そして、合波手段により反射光と参照光とが合波され、合波されたことによる干渉光がヘテロダイン検波等により測定される。
【0005】
上記OCT装置においては、参照光の光路長を変更することにより、測定対象に対する測定位置(測定深さ)を変更し断層画像を取得するようになっており、この手法は一般にTD−OCT(Time domain OCT)計測と称されている。
【0006】
他方、参照光の光路長の変更を行うことなく高速に断層画像を取得する装置として、SD−OCT(Spectral Domain OCT)計測あるいはSS−OCT(Swept source OCT)計測による光断層画像化装置が提案されている。
【0007】
上述した断層画像においては、照射位置を僅かにずらしながら、測定を繰り返すことにより、所定の走査領域の2次元的あるいは3次元的な光断層画像を取得することが出来る。
【0008】
このようなOCT装置(光断層画像化装置)は、測定部位を精細(約10μmの分解能)に観察することが可能であり、内視鏡装置の鉗子口にOCTプローブ(光プローブ)を挿入して信号光および信号光の反射光を導光し、体腔内の光断層画像を取得することにより、例えば初期癌の深達度診断なども可能となる。
【0009】
OCTプローブにおける光の走査方法としては、ファイバを回転させて走査を行うラジアルスキャン型が知られている。ラジアル走査を行う場合には、回転する光ファイバと非回転の光ファイバとが着脱自在に接続される必要がある。このように、一方が回転可能であり他方が非回転であって、着脱自在に光ファイバを接続する方法としては、光コネクタが用いられている(特許文献2)。
【0010】
光コネクタを用いた光ファイバの接続では、接続面での反射によるS/N低下が防止されるように、回転と非回転の光ファイバの軸方向と周方向との位置合わせが重要となる。
【0011】
例えば、図7に示す従来のメス側光コネクタ100では、不図示の光源より出射され非回転の光ファイバを伝達された光がプローブ側へ出射する出射窓101の位置に合わせて、キー102が設けられている。図8に示す従来のオス側光コネクタ110では、接続時に出射窓101と対向する出射窓111の位置に合わせてキー溝112が設けられている。
【0012】
メス側光コネクタ100には、オス側光コネクタ110の固定用メネジ部113と勘合する固定用オネジ部103が設けられている。キー102とキー溝112は、オス側光コネクタ110の回転部114を回転させることで位置が合わせられて勘合する。これにより、軸方向の位置合わせが行われる。更に、固定用メネジ部113と固定用オネジ部103とを締め込むことで、出射窓101と出射窓111とが接触固定されて軸方向の位置精度が確保される。接触固定された後、回転伝達用ギア104により光ファイバを回転させてラジアル走査が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平6−165784号公報
【特許文献2】特開2009−133630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかし、特許文献に記載される位置合わせ方法では、回転する側のコネクタの外側に固定用ネジがあるためキー溝の位置が分かりづらく、キーとキー溝を勘合させるための周方向の位置合わせ作業が困難であって、作業性を低下させる。また、OCTが用いられる医療現場では、手袋をしての操作となる場合が多く更に作業性を低下させることとなり、より簡単な着脱機構が望まれている。
【0015】
本発明はこのような問題に対してなされたものであり、従来のS/N、耐久性を維持すると共に、容易に光コネクタの着脱、位置合わせが可能となる光コネクタ及び光コネクタの接続方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、第1の光ファイバを回転自在に保持する第1のコネクタと、第2の光ファイバを非回転に保持するともに、前記第1の光ファイバと該第2の光ファイバとが対向接合するように前記第1のコネクタと着脱自在に接合する第2のコネクタと、前記第1のコネクタ端面の前記第1の光ファイバの周囲に前記第2のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第1の磁石と、前記第2のコネクタ端面の前記第2の光ファイバの周囲に前記第1のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第2の磁石と、を備えたことを特徴としている。
【0017】
請求項1の発明によれば、第1の光ファイバを回転自在に保持する第1のコネクタと、第2の光ファイバを非回転に保持する第2のコネクタにより、第1の光ファイバと第2の光ファイバとが対向接続される。
【0018】
第1のコネクタの端面には、第1の光ファイバの周囲に位置するとともに、第2のコネクタと対向するように第1の磁石が少なくとも1つ以上取り付けられている。第2のコネクタの端面には、第2の光ファイバの周囲に位置するとともに、第1のコネクタと対向するように第2の磁石が少なくとも1つ以上取り付けられている。
【0019】
第1のコネクタと第2のコネクタは、向き合う第1の磁石と第2の磁石の磁力の方向により、反発、接近することで自動的に周方向の位置決めが行われるとともに接合される。これにより、容易に光コネクタの着脱、位置合わせが可能となる
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとは、前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に生じる磁力により、前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバとの周方向に位置合わせされることを特徴としている。
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとは、前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に生じる磁力により、該第1の光ファイバと該第2の光ファイバとの軸方法に位置合わせされることを特徴としている。
【0021】
請求項2、請求項3によれば、第1のコネクタへ第2のコネクタが挿入されると、対向した第1の磁石と第2の磁石との磁力の方向が反発方向の場合は、磁力による反発力により、磁力の方向が接近方向となるように少なくともどちらか一方のコネクタが回転する。これにより、第1のコネクタと第2のコネクタの周方向の位置合わせが容易に行われる。
【0022】
第1の磁石と第2の磁石との磁力の方向が接近方向に揃った場合には、第1の磁石と第2の磁石が引き合い、第1のコネクタと第2のコネクタとの軸方向の位置合わせが行われる。これにより、容易に光コネクタの着脱、位置合わせが可能となる。
【0023】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3に記載の発明において、前記第1のコネクタ端面の前記第1の光ファイバの周囲には、前記第2のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第1の固定用磁石を備え、前記第2のコネクタ端面の前記第2の光ファイバの周囲には、前記第1のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第2の固定用磁石が備えられていることを特徴としている。
【0024】
請求項4によれば、第1のコネクタと第2のコネクタは、第1の磁石と第2の磁石とよりも強い磁力を持つ第1の固定用磁石と第2の固定用磁石とにより、固定用のネジが無くとも強固に接合される。これにより、ネジの回転動作などが不要となり、容易に光コネクタの着脱を行うことが可能となる。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項1から3に記載の発明において、前記第1の磁石と前記第2の磁石とは、電磁石により構成されることを特徴としている。
【0026】
請求項5によれば、第1の磁石と第2の磁石とに流れる電力を大きくすることでより強固に第1のコネクタと第2のコネクタとが接合する。逆に第1の磁石と第2の磁石とに流れる電力を小さくしていくことで、第1のコネクタと第2のコネクタとの接合力が弱まり容易に非接合の状態とすることが出来る。また、第1の磁石と第2の磁石とのいずれか一方の通電方向を逆転させることで、瞬間的に非接合状態にすることも可能となる。
【0027】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記第1の固定用磁石と前記第2の固定用磁石とは、電磁石により構成されることを特徴としている。
【0028】
請求項6によれば、第1の固定用磁石と第2の固定用磁石とに流れる電力を大きくすることでより強固に第1のコネクタと第2のコネクタとが接合する。逆に第1の固定用磁石と第2の固定用磁石とに流れる電力を小さくしていくことで、第1のコネクタと第2のコネクタとの接合力が弱まり容易に非接合の状態とすることが出来る。また、第1の固定用磁石と第2の固定用磁石とのいずれか一方の通電方向を逆転させることで、瞬間的に非接合状態にすることも可能となる。
【発明の効果】
【0029】
以上説明したように、本発明の光コネクタ及び光コネクタの接続方法によれば、コネクタに設けられた磁石の磁力により、容易に周方向の位置決めが行われるとともに接合される。これにより、従来のS/N、耐久性を維持すると共に、容易に光コネクタの着脱、位置合わせが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像診断装置を示す外観図。
【図2】本発明の実施の形態に係る光プローブと走査ユニットの模式図。
【図3】本発明の実施の形態に係る第1の光コネクタを示した正面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る第2の光コネクタを示した正面図。
【図5】本発明の別の実施の形態に係る第1の光コネクタを示した正面図。
【図6】本発明の別の実施の形態に係る第2の光コネクタを示した正面図
【図7】従来のメス側光コネクタを示した正面図。
【図8】従来のオス側光コネクタを示した正面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面に従って本発明に係る光コネクタの好ましい実施の形態について説明する。まず本発明に係わる光コネクタの構成について説明する。
【0032】
図1は本発明に係る光コネクタが用いられる画像診断装置を示す外観図である。図1に示すように、画像診断装置1は、主として内視鏡2、内視鏡プロセッサ3、光源装置4、OCTプロセッサ5、及びモニタ装置6とから構成されている。なお、内視鏡プロセッサ3は、光源装置4を内蔵するように構成されていてもよい。
【0033】
内視鏡2は、手元操作部11と、この手元操作部11に連設される挿入部12とを備える。術者は手元操作部11を把持して操作し、挿入部12を被検者の体内に挿入することによって観察を行う。
【0034】
手元操作部11には、鉗子挿入部13が設けられており、この鉗子挿入部13が先端部14の鉗子口15に連通されている。画像診断装置1では、OCTプローブ7を鉗子挿入部13から挿入することによって、OCTプローブ7を鉗子口15から導出する。OCTプローブ7は、鉗子挿入部13から挿入され、鉗子口15から導出されるプローブ挿入部16と、術者がOCTプローブ7を操作するための操作部17、及びコネクタ18を介してOCTプロセッサ5と接続されるケーブル19から構成されている。
【0035】
内視鏡2の先端部14には、観察光学系20、照明光学系21、及びCCD(不図示)が配設されている。
【0036】
観察光学系20は、被検体を図示しないCCDの受光面に結像させ、CCDは受光面上に結像された被検体像を各受光素子によって電気信号に変換する。この実施の形態のCCDは、3原色の赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタが所定の配列(ベイヤー配列、ハニカム配列)で画素ごとに配設されたカラーCCDである。
【0037】
光源装置4は、可視光を図示しないライトガイドに入射させる。ライトガイドの一端はLGコネクタ22を介して光源装置4に接続され、ライトガイドの他端は照明光学系21に対面している。光源装置4から発せられた光は、ライトガイドを経由して照明光学系21から出射され、観察光学系20の視野範囲を照明する。
【0038】
内視鏡プロセッサ3には、CCDから出力される画像信号が電気コネクタ23を介して入力される。このアナログの画像信号は、内視鏡プロセッサ3内においてデジタルの画像信号に変換され、モニタ装置6の画面に表示するための必要な処理が施される。
【0039】
このように、内視鏡2で得られた観察画像のデータが内視鏡プロセッサ3に出力され、内視鏡プロセッサ3に接続されたモニタ装置6に画像が表示される。
【0040】
OCTプローブ7と操作部17は図2に示すように、第1のコネクタであるオス側光ロータリコネクタ24と第2のコネクタであるメス側光ロータリコネクタ25とにより構成されるOCT用光コネクタ8により接続される。
【0041】
オス側光ロータリコネクタ24は、メス側光ロータリコネクタ25に設けられた固定用オスネジ部26と勘合固定されるネジが形成された固定用メスネジ部27を備えている。固定用メスネジ部27の内側には、非回転の内スリーブ28に保持された回転部29が設けられている。回転部29では、OCTプローブ7内部へ通される第1の光ファイバ30が保持され、第1の光ファイバ30を回転自在とする。
【0042】
図3に示すように、オス側光ロータリコネクタ24の回転部29端面には、中央に第1の光ファイバ30の端部と連通する出射窓31が設けられている。出射窓31の周囲には少なくとも1つ以上の第1の磁石32が設けられている。
【0043】
メス側光ロータリコネクタ25は、ケーブル19内部を通る第2の光ファイバ33を非回転に保持する非回転部34が設けられている。非回転部34のケーブル19が取り付けられた反対の面には回転部35が取り付けられている。回転部35には、中央部付近に回転伝達ギア36と、端部に固定用オスネジ部26が設けられている。回転伝達ギア36にはモータギア37が勘合され、モータ38により回転部35が矢印A方向に回転移動する。
【0044】
メス側光ロータリコネクタ25の端部は、図4に示すように中央に第2の光ファイバ33の端部と連通する出射窓39が設けられている。出射窓39の周囲には少なくとも1つ以上の第2の磁石40が設けられている。
【0045】
第1の磁石32と第2の磁石40とは、オス側光ロータリコネクタ24とメス側光ロータリコネクタ25とが接合される際に対向するように設けられている。第1の磁石32と第2の磁石40とは、永久磁石、または電磁石が用いられる。
【0046】
第1の磁石32と第2の磁石40との磁極は、設けられている数がそれぞれ1つの場合第1の磁石32または第2の磁石40のいずれか一方がN極、他方がS極となるように対向される。これにより、第1の磁石32と第2の磁石40が磁力により引き合い、オス側光ロータリコネクタ24とメス側光ロータリコネクタ25との周方向の位置決めが行われるとともに接合される。
【0047】
同様に、第1の磁石32と第2の磁石40との設けられている数がそれぞれ2つの場合は、第1の磁石32、32のいずれか一方、及び第2の磁石40、40のいずれか一方がN極、他方がS極となる。これにより、対向した第1の磁石32と第2の磁石40との磁力が同じとなった際には反発して回転部29、回転部35が回転することでオス側光ロータリコネクタ24とメス側光ロータリコネクタ25との周方向の位置決めが行われ、異なる磁極になった際に磁力により引き合い接合される。
【0048】
オス側光ロータリコネクタ24とメス側光ロータリコネクタ25とが、第1の磁石32と第2の磁石40により接合された後、固定用メスネジ部27と固定用オスネジ部26とが勘合されてオス側光ロータリコネクタ24とメス側光ロータリコネクタ25との軸方向の位置合わせが行われる。
【0049】
周方向、軸方向に位置合わせをされて接合したオス側光ロータリコネクタ24とメス側光ロータリコネクタ25とは、モータ38により矢印A方向に回転移動することで、OCTプローブ7をラジアル走査させる。
【0050】
オス側光ロータリコネクタ24とメス側光ロータリコネクタ25とを外す際には、固定用メスネジ部27と固定用オスネジ部26との勘合を解除し引き抜くことで外すことが可能であって、再び取り付ける際には第1の磁石32と第2の磁石40とにより周方向の位置合わせと接合が行われる。これにより、オス側光ロータリコネクタ24とメス側光ロータリコネクタ25との着脱と位置合わせが容易に行うことが可能となる。
【0051】
なお、第1の磁石32と第2の磁石40に電磁石を用いた場合は、第1の磁石32と第2の磁石40に流れる電力を大きくすることでより強固にオス側光ロータリコネクタ24とメス側光ロータリコネクタ25とが接合して周方向と軸方向の位置合わせが行われる。
【0052】
逆に、第1の磁石32と第2の磁石40に流れる電力を小さくしていくことで、オス側光ロータリコネクタ24とメス側光ロータリコネクタ25との接合力が弱まり容易に非接合の状態とすることが出来る。
【0053】
また、第1の磁石32と第2の磁石40とのいずれか一方の通電方向を逆転させることで、瞬間的に非接合状態にすることも可能となる。
【0054】
次に、本発明に係る光コネクタの別の実施の形態について説明する。図5に示す、オス側光ロータリコネクタ41は、図6に示すメス側光ロータリコネクタ42に設けられた固定用オスネジ部43と勘合固定されるネジが形成された固定用メスネジ部44を備えている。固定用メスネジ部44の内側には、回転部45が設けられている。回転部45では、OCTプローブ7内部へ通される第1の光ファイバ30が保持され、第1の光ファイバ30を回転自在とする。
【0055】
オス側光ロータリコネクタ41の回転部45端面には、中央に第1の光ファイバ30の端部と連通する出射窓31が設けられている。出射窓31の周囲には少なくとも1つ以上の第1の磁石46が設けられ、更に少なくとも1つ以上の第1の固定用磁石47が設けられている。
【0056】
メス側光ロータリコネクタ42は、図4に示すメス側光ロータリコネクタ25と同様にケーブル19内部を通る第2の光ファイバ33を非回転に保持する非回転部34、回転部35、回転伝達ギア36を備えている。
【0057】
メス側光ロータリコネクタ42の端部は、中央に第2の光ファイバ33の端部と連通する出射窓39が設けられている。出射窓39の周囲には少なくとも1つ以上の第2の磁石48が設けられ、更に少なくとも1つ以上の第2の固定用磁石49が設けられている。
【0058】
第1の磁石46と第2の磁石48、及び第1の固定用磁石47と第2の固定用磁石49とは、オス側光ロータリコネクタ41とメス側光ロータリコネクタ42とが接合される際に対向するように設けられている。第1の磁石46と第2の磁石48、及び第1の固定用磁石47と第2の固定用磁石49とは、永久磁石、または電磁石が用いられる。
【0059】
第1の固定用磁石47と第2の固定用磁石49とは、第1の磁石46と第2の磁石48とに用いられる磁石よりもより強力な磁石が使用される。これにより、第1の固定用磁石47と第2の固定用磁石49とは、オス側光ロータリコネクタ41とメス側光ロータリコネクタ42とをより強固に接合させて軸方向の位置決めを行う。
【0060】
オス側光ロータリコネクタ41とメス側光ロータリコネクタ42とが、第1の磁石32と第2の磁石40により接合された後、固定用メスネジ部44と固定用オスネジ部43とが勘合されてオス側光ロータリコネクタ41とメス側光ロータリコネクタ42とが接合固定される。
【0061】
なお、第1の固定用磁石47と第2の固定用磁石49による接合のみによりオス側光ロータリコネクタ41とメス側光ロータリコネクタ42とを接合する場合は、固定用メスネジ部44と固定用オスネジ部43とは不要であって、オス側光ロータリコネクタ41とメス側光ロータリコネクタ42とに設けなくてもよい。
【0062】
以上説明したように、本発明に係る光コネクタによれば、オス側光ロータリコネクタとメス側光ロータリコネクタとに設けられた磁石の磁力により、自動的に周方向の位置決めが行われるとともに接合される。これにより、従来のS/N、耐久性を維持すると共に、容易に光コネクタの着脱、位置合わせが可能となる。
【0063】
また、電磁石を用いることで、電力の変化により第1のコネクタと第2のコネクタとの周方向、軸方向の位置合わせと、着脱を自在に行うことも可能となる。
【符号の説明】
【0064】
1…画像診断装置、2…内視鏡、3…内視鏡プロセッサ、4…光源装置、5…OCTプロセッサ、6…モニタ装置、7…OCTプローブ、8…OCT用光コネクタ、118…OCT用光コネクタ、11…手元操作部、12…挿入部、13…鉗子挿入部、14…先端部、15…鉗子口、16…プローブ挿入部、17…操作部、18…コネクタ、19…ケーブル、20…観察光学系、21…照明光学系、22…LGコネクタ、23…電気コネクタ、24…オス側光ロータリコネクタ、25…メス側光ロータリコネクタ、26…固定用オスネジ部、27…固定用メスネジ部、28…内スリーブ、29,35,45…回転部、30…第1の光ファイバ、31…出射窓、32,46…第1の磁石、33…第2の光ファイバ、34…非回転部、36…回転伝達ギア、37…モータギア、38…モータ、39…出射窓、40,48…第2の磁石、41…オス側光ロータリコネクタ、42…メス側光ロータリコネクタ、43…固定用オスネジ部、44…固定用メスネジ部、47…第1の固定用磁石、49…第2の固定用磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光ファイバを回転自在に保持する第1のコネクタと、
第2の光ファイバを非回転に保持するともに、前記第1の光ファイバと該第2の光ファイバとが対向接合するように前記第1のコネクタと着脱自在に接合する第2のコネクタと、
前記第1のコネクタ端面の前記第1の光ファイバの周囲に前記第2のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第1の磁石と、
前記第2のコネクタ端面の前記第2の光ファイバの周囲に前記第1のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第2の磁石と、を備えたことを特徴とする光コネクタ。
【請求項2】
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとは、前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に生じる磁力により、前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバとの周方向に位置合わせされることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項3】
前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとは、前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に生じる磁力により、該第1の光ファイバと該第2の光ファイバとの軸方法に位置合わせされることを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。
【請求項4】
前記第1のコネクタ端面の前記第1の光ファイバの周囲には、前記第2のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第1の固定用磁石を備え、
前記第2のコネクタ端面の前記第2の光ファイバの周囲には、前記第1のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第2の固定用磁石が備えられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光コネクタ。
【請求項5】
前記第1の磁石と前記第2の磁石とは、電磁石により構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光コネクタ。
【請求項6】
前記第1の固定用磁石と前記第2の固定用磁石とは、電磁石により構成されることを特徴とする請求項4に記載の光コネクタ。
【請求項7】
第1の光ファイバを回転自在に保持する第1のコネクタと、第2の光ファイバを非回転に保持するともに、前記第1の光ファイバと該第2の光ファイバとが対向接合するように前記第1のコネクタと着脱自在に接合する第2のコネクタと、前記第1のコネクタ端面の前記第1の光ファイバの周囲に前記第2のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第1の磁石と、前記第2のコネクタ端面の前記第2の光ファイバの周囲に前記第1のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第2の磁石と、を備えた光コネクタにおいて、
前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に生じる磁力により、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを回転させることで、前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバの周方向の位置合わせを行うことを特徴とする光コネクタの接続方法。
【請求項8】
第1の光ファイバを回転自在に保持する第1のコネクタと、第2の光ファイバを非回転に保持するともに、前記第1の光ファイバと該第2の光ファイバとが対向接合するように前記第1のコネクタと着脱自在に接合する第2のコネクタと、前記第1のコネクタ端面の前記第1の光ファイバの周囲に前記第2のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第1の磁石と、前記第2のコネクタ端面の前記第2の光ファイバの周囲に前記第1のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第2の磁石と、を備えた光コネクタにおいて、
前記第1の磁石と前記第2の磁石との間に生じる磁力により、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを接合させることで、前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバの軸方向の位置合わせを行うことを特徴とする光コネクタの接続方法。
【請求項9】
前記第1のコネクタ端面の前記第1の光ファイバの周囲には、前記第2のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第1の固定用磁石を備え、前記第2のコネクタ端面の前記第2の光ファイバの周囲には、前記第1のコネクタと対向するように配置された少なくとも1つ以上の第2の固定用磁石が備えられ、
前記第1の固定用磁石と前記第2の固定用磁石とにより、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとを接合することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の光コネクタの接続方法。
【請求項10】
前記第1の磁石と前記第2の磁石とは電磁石により構成され、該第1の磁石と該第2の磁石に生じる磁力を変化させることにより、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの接続、非接続を制御することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の光コネクタの接続方法。
【請求項11】
前記第1の固定用磁石と前記第2の固定用磁石とは、電磁石により構成され、該第1の固定用磁石と該第2の固定用磁石に生じる磁力を変化させることにより、前記第1のコネクタと前記第2のコネクタとの接続、非接続を制御することを特徴とする請求項9に記載の光コネクタの接続方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−209425(P2011−209425A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75489(P2010−75489)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】