光コヒーレンス断層撮影法を使用するステントストラット検出ならびに関連する測定および表示のための方法
一実施形態では、本発明は、コンピュータを使用して、脈管の内腔におけるステントに関連する位置情報および他の情報を生成するためのプロセッサベースの方法に関する。上記方法は、少なくとも1つのステントを含む試料のOCT走査に応答して、光コヒーレンス画像データセットを生成するステップと、ステントの位置に関連する画像データセットにおける少なくとも1つの1次元ローカルキューを識別するステップとを含む。一実施形態において、1次元ローカルキューは、光コヒーレンス画像データセットの強度プロファイルである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する参照)
本願は、2008年10月14日出願の米国仮出願第61/105,290に対して、米国特許法第119条(e)の下でその利益を主張し、上記仮出願の全内容が、全ての目的で、本明細書において参照により援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、画像データ等の光コヒーレンス断層撮影データを使用する、自動ステントまたはステントストラット検出および測定のための方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
光コヒーレンス断層撮影法(OCT)は、眼科学、心臓病学、胃腸病学、および他の医療分野において広く用いられている干渉撮像技法である。小径光ファイバプローブによる高分解能(2μm〜15μm)を有する表面下構造を視認する能力により、OCTは、特に、内部組織および器官の低侵襲撮像に有用になる。最新世代のOCTシステムは、1秒につき最大100フレームでOCT画像を生成することができ、これにより、拍動する心臓動脈における冠動脈を数秒以内で撮像することが可能になる。OCTは、時間領域(TD−OCT)および周波数領域(フーリエ領域OCTまたは光周波数領域撮像、OFDI)の両方において実装可能である。
【0004】
患者の身体の一部のOCT撮像により、医師が最良の治療の種類および過程を決定するのに有用なツールが提供される。例えば、血管内OCTによる冠動脈の撮像によって、狭小または狭窄、不安定プラークの存在、および動脈硬化性プラークの種類が明らかになり得る。本情報は、どの治療が患者に最も合うか、つまり薬物療法(例えば、コレステロール降下薬)、血管形成術およびステント留置術等のカテーテルベース療法、または冠動脈バイパス形成手術等の侵襲的な外科的処置を心臓専門医が選択するのに役立つ。臨床医学におけるその用途に加え、OCTは、動物試験および臨床試験における薬剤開発にも極めて有用である。
【0005】
ステントは、血流を妨げる狭窄状態を抑えるために脈管を拡張するように脈管内に挿入可能である管状構造である。ステントは、典型的には、カテーテルを介して狭窄部位に配置可能である金属またはポリマーの足場から作製される。経皮経管冠動脈形成術(PTCA)中、工場出荷時インストール済みのステントは、通常、ガイドワイヤを介してカテーテルを通して狭窄部位に供給され、バルーンを使用して事前設定圧力に拡張されて狭窄脈管の内腔を拡大する。心血管医学において用いられた最初のステントは、コーティングを含まない金属から作製され、すなわち、ベアメタルステント(BMS)であった。その後、再狭窄の確率を低下させるために、成長阻害剤を含むポリマーコーティングがその上に添加された薬剤溶出ステント(DES)が開発された。
【0006】
PTCA術中にステントを配置する患者予後に影響を及ぼす要因がいくつか存在する。PTCA中、ステントは、隣接する健康な脈管セグメントの直径に対応する適切な直径に拡張されるべきである。ステントの過剰拡張により、脈管に広範な損傷が引き起こされる場合があり、これにより、解離、離断、および壁内出血を起こし易くなる。拡張下のステントは、通常の流れを修復するように脈管を不十分に拡張し得る。ステントストラットが脈管壁に接触しなければ(ステント不完全密着と呼ばれる状態)、血栓症のリスクが増加し得る。PTCAおよびステント留置術の後、ステント表面は、通常、再内皮細胞増殖と呼ばれる過程の結果、内皮細胞の層によって被覆される。再内皮細胞増殖は、DESに使用されるもの等の疾患または薬剤により解釈され得る。ステント移植後6ヶ月から1年の期間中、抗凝固剤が頻繁に処方されるが、ステント構成要素またはストラットが完全に再内皮細胞増殖化される前に薬剤投与を停止した場合に後期血栓事象のリスクがある。一方、ステントに対する脈管の炎症反応は、過剰な組織増殖および再狭窄を引き起こし、新たに開放した脈管を狭小化および閉鎖する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の概要)
OCTは、薄い組織層の高分解能(5μm〜20μm)と、ステントストラットと近傍組織との間の高コントラストとを提供することから、ステントの撮像に適している。配置されるステント直径、PTCA中の不完全密着、内皮ステント被覆の程度、経過観察中の再狭窄の定量的測定は、心臓専門医が臨床決定を下すための重要なパラメータである。しかしながら、これらのパラメータをOCTで測定するために、人間のオペレータがステントストラットと内腔境界とを個々にマーク付けすることは厄介であり、かつ時間を要する。
【0008】
ステント視覚化および測定を容易化するために、ステントストラット検出および内腔境界検出のための半自動および自動方法を開発することが重要である。ステントの外観は、ステントの種類、ステントの上の組織層の厚さおよび組成、ならびにOCT撮像状態によって影響され得る。ゆえに、異なるOCT画像には、異なる検出方法が必要になり得る。また、異なる検出方法を、異なるOCT撮像目標について調整するべきである(例えば、移植したばかりのステントでは、目標は、不完全密着であり、一方、薬剤溶出ステントの経過観察撮像では、目標は、内膜被覆の測定であり得る)。
【0009】
また、種々の撮像アーチファクトは、ステントストラットの検出を混乱させ得る。例えば、横方向に沿った幾何学的精度は、NURD(不均一回転歪み)によって影響され、これによって、ストラットの横寸法の伸長または圧縮をもたらし得る。また、引き戻し方向に沿った幾何学的精度も、撮像要素と被撮像組織との間の不均一相対引き戻し速度によって影響され得る。最良の視覚化および測定のために、これらのアーチファクトを検出および補正する必要がある。
【0010】
したがって、視覚化および測定のためのステントストラットおよびステントの検出のための確実で効率的な方法を有することが極めて望ましい。好ましくは、本方法は、種々の撮像アーチファクトに耐性を有するか、またはそれらを補正することも可能であるべきである。
【0011】
本発明は、OCT画像における不完全密着、内膜成長、および再狭窄の測定および特徴化のための、ステント、ステントストラット、または他のステント部分もしくは構成要素のコンピュータ支援検出のための装置および方法に関する。方法は、内腔境界を限定するため、およびステントストラットを限局化するために開示される。一実施形態では、ストラットは、2D画像におけるその陰影特性に基づいて検出される。第2の実施形態では、ステントストラットは、OCT画像において細長い外観のストラットを使用して検出される。第3の実施形態では、いくつかのステントが、3Dにおいて連続的であるワイヤメッシュから構成されることから、3Dキューを使用して、ストラットを検出し、ストラット検出を微調整する。第4の実施形態では、種々のステント歪みの種類または関連のアーチファクトを補正する。
【0012】
ある局面は、コンピュータを使用して、脈管の内腔におけるステントに関する位置情報および他の情報を生成するための方法を提供する。本方法は、少なくとも1つのステントを含む試料のOCT走査に応答して、光コヒーレンス画像データセットを生成するステップと、ステントの位置に関連する画像データセットにおける少なくとも1つの1次元ローカルキューを識別するステップとを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、1次元ローカルキューは、光コヒーレンス画像データセットの強度プロファイルである。いくつかの実施形態では、1次元ローカルキューは、光コヒーレンス画像データセットにおける陰影プロファイルである。いくつかの実施形態では、1次元ローカルキューは、光コヒーレンス画像データセットにおけるストラット線様形状である。いくつかの実施形態では、本方法は、光コヒーレンス画像データセットにおいて内腔境界を決定するステップを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、1次元ローカルキューは、光コヒーレンス画像データセットにおける陰影プロファイルであり、本方法は、光コヒーレンス画像データセットにおいて内腔境界の下の深度を規定するステップと、光コヒーレンス画像データセットの強度プロファイルを形成するために、内腔境界と、画像データセットにおける内腔境界の下の深度との間において光コヒーレンス画像データセットにおける各垂直走査の平均強度を決定するステップとを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、エッジ検出器を使用して、陰影プロファイルを決定するステップを含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、リッジ検出器を使用して、陰影プロファイルを決定するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、リッジ検出器を使用してストラット線様形状を決定するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、光コヒーレンス画像データセットにおいて2次元ローカルキューを識別するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、2次元ローカルキューは、検出されたステント点の楕円分布に対する曲線適合を計算する。
【0016】
いくつかの実施形態では、楕円分布上に適合しない検出されたステント点を除去するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、画像データセットにおいて少なくとも1つの3次元ローカルキューを識別するステップと、少なくとも1つの3次元ローカルキューを使用して、修正された画像データセットを生成するステップとを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、3Dストラットを検出するために、線検出器を使用するステップを含み得る。
【0017】
ある局面は、脈管の内腔におけるステント位置を測定するための方法を提供する。本方法は、検出されたステント部分から内腔エッジまでの距離を測定するステップと、検出されたステント位置から内腔エッジまでの距離に応答して、ステント不完全密着、内膜被覆、または再狭窄データのうちの1つ以上を計算するステップとを含み得る。
【0018】
ある局面は、OCT画像データセットから生成されるステント関連測定データを表示するための方法を提供する。本方法は、脈管の内腔におけるステントの位置に関するOCTデータを収集するステップと、ステントの画像に関連する画像データセットを生成するためにOCTデータを分析するステップと、画像データセットを2次元表面マップに表示するステップと、記号を使用して表示された表面マップ上に測定を重ねるステップとを含み得る。
【0019】
ある局面は、収集されたOCT画像データセットにおける動きアーチファクト除去のための方法を提供する。本方法は、画像データセットにおけるストラット画像データの周期性を位置付けるためにOCT画像データを調査するステップと、画像データセットにおけるストラット画像データの周期性を修復するために関数を適用するステップとを含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、本方法は、OCT画像データ収集中に血管造影法を使用するステップと、カテーテルが配置される内腔内におけるOCTカテーテル移動の相対速度を決定するステップと、カテーテル速度に応答して、ストラット画像データの周期性を格納するステップとを含み得る。
【0021】
ある局面は、脈管の内腔におけるステントに関する位置情報および他の情報を生成するためのシステムを提供する。本コンピュータシステムは、電子メモリ機器と、メモリ機器と通信する電子プロセッサとを含み得る。メモリ機器は、プロセッサによる実行時に、プロセッサに、少なくとも1つのステントを含む試料のOCT走査に応答して、光コヒーレンス画像データセットを生成させ、ステントの位置に関連する画像データセットにおける複数のローカルキューを識別させる命令を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、複数のローカルキューのうちの少なくとも1つは、1次元キュー、2次元キュー、3次元キュー、強度プロファイル、陰影プロファイル、ストラット線様形状、リッジ、エッジ、および谷から成る群から選択される。
【0023】
後述する図面を参照して、本発明の目的および特徴をより理解することができる。図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、代わりに、本発明の原理の例証が強調される。図面において、数字表示は、種々の図における具体的な部分を標示するために使用される。本開示に関連する図面は、紹介されるように、本開示内において個々ベースで対応される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、ステントストラットを検出するための方法に従って実践される方法のある実施形態を表わすフローチャートを図示する。
【図2】図2(AおよびB)は、直交から極への変換前および後のそれぞれの、組織被覆を含む最近移植された1つまたは複数のステントのOCT画像の例を図示する。
【図3】図3は、自動内腔境界検出の例を図示する。
【図4】図4は、陰影検出のために選択された脈管壁の領域の例を図示する。
【図5】図5は、直交から極への変換後のステントストラット限局化の例を図示する。
【図6】図6は、エッジ検出器を使用するステントストラットに隣接する陰影形成および陰影検出の例を図示する。
【図7】図7(A、BおよびC)は、ステントストラットに隣接する陰影形成、適応リッジ(谷)検出を使用する陰影検出、およびリッジの強度のグラフ表示の例をそれぞれ図示する。
【図8】図8(A、BおよびC)は、リッジ検出器を使用するステントストラット視覚化、隔離、および検出の例を図示する。
【図9】図9(AおよびB)は、閾値が図8Aに適用された例示的内腔検出と、関連データを楕円に適合した後の例示的内腔検出とのそれぞれを図示する。
【図10A】図10Aは、3Dキューによって2Dキューから得られた検出を微調整する例として、引き戻し方向に沿った異なる楕円の長軸長さ測定の平準化を図示するグラフである。
【図10B】図10Bは、ガイドワイヤおよび他のノイズを除去した後の内腔検出を示す画像と、楕円を使用したモデル曲線適合との追加の例である。
【図11】図11は、図4におけるグラフから計算された画像の例を図示する。
【図12】図12は、図11における画像に線検出器を適用した結果を図示する。
【図13】図13は、図12における線検出器を適用した結果を微調整した例を図示する。
【図14】図14は、ステント密着の測定の例を図示する。
【図15】図15は、ステント被覆の測定の例を図示する。
【図16】図16は、 ステントストラットにより包囲される面積に対する、ステントストラットを覆う組織の面積の比率の測定の例を図示する。
【図17】図17は、ステントストラットの上の組織厚さを表示する例を図示する。
【図18】図18(AおよびB)は、ステントストラットの上の組織の厚さを表示する別の例を図示する。
【図19】図19は、引き戻しフレーム数(または、同等に引き戻し距離)に対して示される、ステント上の内膜被覆の角度平均化された厚さのグラフ表示の例を図示する。
【図20】図20(AおよびB)は、鼓動する心臓に起因するOCTカテーテル動きアーチファクトの補正の例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(詳細な説明)
以下の説明は、本発明のある実施形態を図示する付属の図面に言及している。他の実施形態も可能であり、本発明の精神および範囲から逸脱しない限りにおいて、実施形態に変形がなされてもよい。したがって、続く詳細な記述は、本発明を限定することを意味しない。むしろ、本発明の範囲は、添付する請求項によって画定される。
【0026】
一般的に、本発明は、低コヒーレンス干渉法(LCI)等、および光コヒーレンス領域反射率測定法、光コヒーレンス断層撮影法(OCT)、コヒーレンス走査顕微鏡法、光コヒーレンス領域撮像法(OFDI)、および干渉計測顕微鏡法をさらに含むがこれらに限定されない光コヒーレンス干渉法に基づく光学的方法を使用して得られた画像に基づくステント検出および関連の測定/視覚化問題のための装置および方法に関する。
【0027】
ステント検出に関連する一実施形態では、カテーテル中心において最大撮像深度まで生じる光線に沿った一連の試料は、走査線と呼ばれる。OCT画像は、典型的には、一度に1つの走査線で入手される。したがって、所定の走査線は、ステントストラットまたはステント部分の1次元キューまたは指標に対応することができる。断面画像は、カテーテルの回転時に走査線の収集によって形成される。高反射率の種々のステント材料および他のパラメータを前提とすると、ステントおよびステントに相関するOCT画像データは、ステントに対応するキューまたは他の指標として識別されることができる。さらに、脈管のセグメントを撮像するために、カテーテルは、回転しながら長手方向に移動して、螺旋パターンで一連の断面画像を入手する。したがって、内腔境界に対するステントの3次元プロファイルを検出および表示することができる。
【0028】
本発明がOCT画像に関連して説明されるが、本発明がそれに限定されないことに留意されたい。したがって、例えば、任意の脈管画像または関連のOCTデータセットにおいてステントに相関または関連する任意のステント、ステント部分、ストラット、または任意のエッジ、谷、リッジ、反射率の高い領域は、本発明の精神および範囲内にある。
【0029】
適切に機能する本明細書に説明する自動および非自動検出手法では、画像から検出可能である特徴であって、背景対象物から被検出対象物を規定する特徴が存在しなければならない。本発明の一実施形態では、3つのレベルのキュー、つまりローカルキュー(1D走査線または追加の近傍走査線、1次元ローカルキュー)、グローバルキュー(2D画像)、および3Dキューを使用して、背景から対象物を検出する。これらのキューを利用するステップの例を図1に示す。開示される検出スキームは、概略的に、以下の通りに機能する。OCT画像が得られ(ステップ10)、ノイズ除去およびアーチファクト補正(ステップ14)の後、金属ストラットの陰影効果および/またはリッジ形状を使用して、後述のようにストラットを限局化する(ステップ18)。全てのローカルキューを統合した後に、追加の限局化ならびに検出の限局化および微調整のために、2D画像キューを使用する(ステップ22)。
【0030】
一実施形態では、ストラットは、楕円関数またはモデルにより記述される環内において限局化され、ストラットのリッジは、楕円により画定された境界範囲内に位置する。最終的に、さらなる限局化および限局化の微調整のために3Dキューを使用する(ステップ24)。例えば、一実装によると、ストラットは、既知の3D構造を有する連続ワイヤメッシュ内に存在するように閉じ込められている。ステント位置および内腔境界が決定されると、ステント不完全密着、被覆、および再狭窄測定が行われる(ステップ28)。最終的に、画像および測定が視覚化および表示される(ステップ32)
以下は、ローカル画像キューに従ってステントストラットを限局化するために本発明の一実施形態において用いられるステップの説明である。図2Aでは、画像は、OCT撮像機器から得られた生OCT画像の視覚化された例を示す。図2Bにおける画像は、直交から極への変換の後の、視認者に表示するための処理済みOCT画像を示す。両画像において、ステントストラットは、入射OCT光線に対するその高反射率を標示する明るい範囲10として現れる。高反射率のステントは、OCT光線が内腔14内に透過することを実質的に防止する。この光線貫通の欠如によって、陰影18がもたらされる。また、ガイドワイヤ22も陰影26を投じる。一実施形態では、異なる走査線に種々の深度を使用することが可能である。例えば、内腔自体または他のボイド領域等の構造が存在しない範囲におけるOCT撮像ノイズに関連するノイズフロアの深度に対する強度を計算することが可能である。さらに、2値画像を生成するために画像に閾値を適用し、次いでその2値画像に基づいて陰影を計算することが可能である。いくつかの実施形態では、グレースケール画像の代わりに白黒画像(2値画像)を使用することによって、一定の画像処理速度および精度の向上が提供される。
【0031】
極表示への変換により情報損失がもたらされ、ステント分析がさらに難しくなる。ステント検出では、直交から極への変換前の生OCT画像で開始することが、より正確かつ便利である。生OCT画像から開始し、一実施形態における次のステップは、内腔または内腔壁検出を実行し、情報を使用してストラットの角度位置を検出し、画像走査線におけるストラットの深度を検出することである。
【0032】
図3を参照すると、内腔または内腔境界検出は、種々の画像分割方法によって達成可能である。一実施形態では、内腔検出は、平滑化画像に閾値を適用し、内腔データに対して最良適合を呈する単一の内腔と組織との境界を決定することによって達成される。境界32は、境界が閾値を超える範囲を最大化するとともに、閾値未満の範囲に入らないように選択される。
【0033】
一般的に、上述のように、OCT画像におけるステントストラットは、明るく狭い特徴であるように現れる。典型的には、これらの特徴のすぐ後に陰影が続く。ゆえに、ストラットの検出およびその限局化は、関連の低信号陰影を分析することによって、または明るく狭いリッジ状特徴によって達成可能である。
【0034】
一実施形態では、ステント関連の陰影を検出することは、内腔表面の下の画像範囲の強度プロファイルを調べることによって実行される。例えば、図4を参照すると、内腔境界32から一定の深度36(例えば、500μm)まで、またはOCT信号が一定の所定のレベル36に降下する深度までの領域40における各走査線(垂直線)内の強度を平均化することによって、ストラットは、垂直走査線のグラフ化された平均強度44(図4)が最小48である画像における水平位置として検出することができる。これは、陰影が周囲組織よりも大幅に低い強度を有するためである。画像強度データの相対最小値が決定されると、このような相対最小値の中心を使用して、ステントストラットの位置を推定する。図5では、これらの相対最小値52は、ステントストラットの位置を標示するために、極座標における内腔画像の境界上に示される。
【0035】
関連の陰影を検出する別の方式は、エッジ検出器を使用することによる。ステントは、金属等の遮光材料から作製されることが多いため、周囲組織における陰影は、推移長さが撮像システムの方位分解能にほぼ同等である鋭いエッジを有する。図6を参照すると、ステントストラットのエッジに対応する陰影毎の2つの鋭いエッジ56、56’が存在する。これらのエッジは、エッジまたはリッジ検出フィルタ等の任意の適切な画像処理ツールを使用して検出され得る。理想的には、エッジ検出フィルタは、エッジが全て実質的に垂直である、すなわち、エッジ線が撮像プローブから半径方向に突出されるという事実を利用する。
【0036】
関連する陰影を検出するさらに別の方式は、リッジ(または配向に依存する谷検出器)を使用することである。図7Aを参照すると、陰影は、周囲組織中の逆リッジ(谷)として表示可能であり、これは、陰影が、通常、局所的強度最小値であり、実質的に垂直に配向されるからである。陰影の幅は、ストラットの幅によって変動するため、リッジ検出器のスケールは、変動可能であるべきである。図7を参照すると、リッジ強度レベルマップ(図7B)を得るために、リッジ検出フィルタが原画像(図7A)に適用される。各走査または水平位置におけるリッジ強度は、リッジ強度プロファイル画像またはマップを生成するために、垂直方向において平均化される。次いで、このマップの平均強度をグラフ化し、グラフにおけるピークを検出する。ピークは、ステントストラットの中心の位置に対応する(図7C)。また、ステントストラットは、その明るいリッジ状特徴を使用することによっても、直接検出することができる。これは、陰影と周囲組織との間のコントラストを複数の走査効果が減少させる場合に、ストラットが組織内部に深く埋め込まれることから、ストラット陰影が減少する際に特に有用である。入射光が組織内に深く入るにつれて、走査効果は増加し、これによりコントラストがさらに減少する。
【0037】
金属ストラットが高反射性であるため、画像におけるストラットの輝度は、高い場合が多い。輝点対象物では、OCTにおけるその撮像点のサイズは、点ではなく、システム分解能の不鮮明な画像点サイズである。同様に、OCT画像における明るい対象物のサイズは、対象物自体のサイズとOCTシステムの分解能の合計である。ストラットでは、軸(垂直)方向に、光は、上面から反射される。ゆえに、軸方向におけるストラットのサイズは、約10〜20umであるOCT距離分解能である。方位分解能は、実際のストラット幅と、100〜1000umの範囲の大幅に大きい方位分解能との合計である。金属ストラットは不透明であるため、画像におけるストラットの深度分布は、OCT撮像システムの距離分解能(通常、約10〜20μmである)によって近似化される。反対に、ストラットの水平分布は、ストラットの幅とOCT撮像システムの方位分解能との合計にほぼ同等である。水平分布は、ステントの種類および種々の深度におけるOCT解像度に応じて、約100〜1000μmである。
【0038】
ゆえに、各ストラットは、通常、明るく細長い(またはリッジ状)特徴として現れる。これらの細長い特徴は、画像処理技術において既知であるリッジ検出器を使用して検出することができる。図8は、ヘッシアン行列を使用するリッジ検出の例を示す。ヘッシアン行列を原画像(図8A)に適用して、リッジ強度マップ(図8B)を得る。次いで、閾値を適用し、細長い特徴の重心を使用して、ステントストラットの中心の位置を決定する(図8C)。
【0039】
ローカルキューのみに基づくストラットの検出誤差は、組織構造の画像が「ストラット様」特徴を生成する場合に発生し得る。2Dキューの使用は、このような誤検出を減少させることができる。例えば、直交から極への変換後の8Cである図9Aを参照する。ステントストラット52が、略楕円上に存在している一方で、楕円外の検出56の大部分がノイズにより引き起こされる誤検出であることが明らかである。最大数の点を楕円に適合させる楕円曲線適合方法または他のモデル適合方法を使用して、図9Bに示すように、誤検出を拒否することができる。臨床設定または研究設定におけるステントの大部分の分析では、統計的測定に偏りを導入する可能性を回避するために、不明瞭な画像を含むステントストラットを排除することが好ましい。ローカルキューに基づくストラット検出の微調整に加え、2Dグローバルキューを、検出自体に使用することができる。しかしながら、他の実施形態では、方法は、楕円に適合する点を識別することによってではなく、2Dステント特徴を直接検出するために使用することができる。例えば、ハフ変換は、画像から2D楕円特徴を検出するために使用することができる。
【0040】
加えて、ステントは、延出された円筒状構造であるため、3次元における情報は、脈管に対するストラットの位置を規定するために使用可能であるはずである。つまり、3DのOCT画像におけるストラットは、連続ワイヤメッシュを形成するはずである。2Dキューと同様に、3Dキューは、検出と微調整との両方に使用することができる。3Dキューに基づくストラットを検出するために、一連の2D画像を積み重ねて3D体積を形成する。次いで、ストラットは、3D線またはリッジ検出アルゴリズムを使用して検出される。3D線検出器の一実施形態は、3Dヘッシアン行列を利用する。ヘッシアン行列が決定された後、線強度は、ヘッシアン行列の固有値を得ることによって計算される。次いで、所定の閾値を固有値に適用して、結果として生じる線を得る。
【0041】
3D線を検出するためのヘッシアン行列は、標準的な方法である。行列および他の線検出技法の例示的説明として、適切な参考文献は、「Three−dimensional multi−scale line filter for segmentation and visualization of curvilinear structures in medical images」,Sato Y,Nakajima S,Shiraga N,Atsumi H,Yoshida S,Roller T,Gerig G,およびKikinis R,Medical Image Analysis,Volume 2,Issue 2,June 1998,Pages 143−168を含む。
【0042】
ヘッシアン行列を使用する一例示的方法に関連する具体的なステップについて以下に記載する。線検出の一例において、第1のステップは、ガウス振れカーネルによりフィルタリングされた後に、画像のヘッシアン行列を生成することである。例示的ヘッシアン行列は以下の通りである。
【0043】
【数1】
上記に示すように、ヘッシアン行列の要素は、スカラー強度である。ヘッシアン行列において使用されるように、ヘッシアン行列の成分は、1つ以上の画像に関連する行列自体であり得る。
【0044】
本文脈において、3D振れレカーネルは、1次元または2次元カーネルの3次元類推である。例として、1D列Xをベクトル[11]で畳み込むステップは、1D平均化または平滑化の種類である。画像処理技術において既知であるように、カーネルを使用して、さらなる分析の前に基礎データを平滑化することができる。典型的には、種々の実施形態では、カーネルは、より長いベクトルであり、一実施形態では、本明細書に説明するシステムおよび方法は、ガウスプロファイルを使用して平準化される。次のステップは、ヘッシアン行列の固有値を計算することである。
【0045】
次に、第3のステップは、固有値および重み関数のいくつかの組み合わせであるパラメータの1つまたは群を計算することである。実際的な観点から、3つの固有値に共有の閾値を設定することは難しい。例えば、1つの固有値では、閾値は値であり、2つの固有値では、閾値は面積であり、3つの固有値では閾値は3D体積である。概して、1の値で1D事例について作業することが最も容易である。この困難に対処するために、線強度を最も表わすのに可能性の高い候補である1つのパラメータを生成するように固有値を重み付けおよび組み合わせるためにいくつかの事前情報を使用することが可能である。結果として、この候補により、必要なのは1つの閾値を設定することだけである。したがって、最終ステップは、固有値および重み関数のいくつかの組み合わせであるパラメータの閾値を設定し、「線検出」または関連するローカルキューの検出を得ることである。
【0046】
本発明の別の実施形態では、3Dキューを使用して、1D、2D、および3Dキューを使用して得られたストラット検出を微調整する。1Dキューは、点または走査線を含み得る。図10Aは、単一の楕円モデルパラメータに関連する追加の詳細を提供し、図10Bは、3Dキューの適用によって、2Dキューから得られたステント位置を微調整する方法の一例を図示する。ステントは、ワイヤメッシュであるため、全てのストラットは、略楕円円筒上に存在するはずである。2D楕円キューをストラット検出に使用する場合、複数の近傍フレームからのこれらの楕円は、3D空間において連続的であるはずである。ゆえに、近傍楕円の規定パラ―メータの平滑化および平均化は、検出精度を向上させることができる。各楕円は、主軸および短軸、中心点、ならびに画像のX−Y平面に対する傾斜によって規定される。隣接するフレームが実質的に類似の主軸および短軸、中心点、および傾斜を有することが期待される。
【0047】
図10Aでは、1つのパラメータ、つまりフレーム毎に導き出される楕円の主軸長さについて示される(点線)。次いで10個のフレームの移動平均をフレーム毎に計算する。次いで、結果として生じる組の平均(実線)は、フレーム毎の平均主軸長さを規定する。本過程は、傾斜、中心、および短軸の残りの楕円パラメータについて繰り返される。次いで、フレーム毎のこれらの平均化パラメータ値を使用して、各フレームにおいて個々の楕円を規定する。したがって、楕円形状は、フレーム毎の傾き、短軸、および短軸について得られた平均値の結果としてフレーム毎ベースで適合される。
【0048】
代替として、一実施形態では、相互の上部に楕円を積み重ねることによって形成される3D体積に平準化を直接実行することができる。一実施形態では、3D平均化方法は、3D体積を3D振れカーネルで畳み込むことによって使用される。次いで、この畳み込まれたデータセットを評価して、フレーム毎の結果における最大値を識別する。
【0049】
図11は、3Dキューによって1Dキューから得られたストラット検出を微調整する方法の一例を図示する。本図面において、各フレームからの図4(1Dキュー)におけるグラフからの強度プロファイルを組み合わせて、一方の軸がフレーム数を示し、他方の軸がカテーテルの回転角を示す2Dマップを形成する。簡潔にするために、この種類の生成された2D画像は、3D画像の「切開」表示と呼ばれる。結果として生じるマップにおけるストラットの画像は、連続線を形成する。ゆえに、ストラットは、閾値または線検出器を画像に直接適用することによって検出可能である。1つのこのような可能な線検出器は、2Dヘッシアン行列に基づく。
【0050】
図12は、リッジ検出器を使用して計算された線強度を示す。次いで、膨張および浸食等の標準的な形態学的画像処理方法を用いて、図13に示すように、隣接する検出点を連結し、連続セグメント外の遊離検出点(ノイズ)を除去する。これは、フレーム間キューを使用してステント検出方法を微調整するためのものである。3Dでは、ステントは、連続ワイヤメッシュである。ゆえに、平面図でも、ワイヤメッシュは、「線」から形成される連続ワイヤメッシュである。これらの線を使用して、ストラット検出を微調整する。例えば、検出された「ストラット」が、隣接フレームのストラットにより形成される線上に存在しない場合、このような「ストラット」またはキューは、誤検出である可能性が高い。
【0051】
本発明の別の局面は、自動ステント検出アルゴリズムの結果の測定および表示に関連する。臨床的に関連して表示される測定には、とりわけ、ステントから内腔壁までの距離(「ステント密着))、ステントストラットを覆う組織厚さ(「内膜被覆」、または簡潔に「ステント被覆」)、およびステントストラットにより包囲される面積に対するステントストラットを覆う組織の面積の比率(「再狭窄比率」)が含まれる。
【0052】
図14は、ステント密着を決定するために使用される測定の画像を図示する。OCT光線は、典型的には、金属ステントストラットを透過しないため、ステントストラットのOCT画像は、OCTシステム点広がり関数で畳みこまれたステントの上面60(光線が入射する第1の表面)である。加えて、ストラットは、ステントの下の組織からの反射を遮断または防止する。ステントストラットの下の脈管壁画像の欠落部分は、前述のように、内壁縁32に沿った反射の補間により得られる。
【0053】
次に、ステント上面から内腔壁までの距離64を、明るい点から脈管壁縁を表わす補間曲線まで測定する。ステント上のスポットは、ストラットの中心、ストラットのエッジ、またはステントの前面における点の任意の他の組み合わせにおいて選択可能である。密着距離は、前面反射と補間脈管縁との間で測定された距離からストラットの厚さを差し引くことによって得られる。図15は、ステントが内膜68により被覆される場合の同一の測定を示す。
【0054】
図16は、ステントストラットにより包囲される面積に対する、ステントストラットを覆う組織の面積の比率の測定を図示する。ステント面積は、検出されたストラットの補間によって、または検出されたステントストラット位置(適合楕円等)を組み込むモデルを使用することによって計算される。図示する図面において、ステントストラットの補間により形成される楕円72は、ステントにより包囲される表面積の測定を提供する。内膜と内腔との間の第2の境界76は、ステントを覆う表面積を規定する。これらの2つの面積測定から、比率が計算される。この比率は、試料または患者の状態を評価するために臨床医および他のシステムユーザによって使用することができる。例えば、50%狭小化または75%範囲減少を示す狭窄比率は、一実施形態において臨界比率を表わす。
【0055】
図17は、ステント密着測定またはステント被覆測定の結果を表示する1つの方法を図示する。表示される脈管の全体領域から検出されたステントストラットの位置は、引き戻し方向またはフレーム方向を示すX軸とカテーテル回転方向を示すY軸とを含む2Dマップとして示される。マップは、ステントから内腔壁までの距離またはステントストラットを覆う組織厚さを表わすように考案され、検出されたステントストラットを2Dマップにおいてカラー化するために使用される。この表示は、いくつかの次元の情報(2D表面ステント構造および対応する局所的ステント密着値または内膜厚さ値)を効率的なフォーマットで同時に示すという利点を有する。
【0056】
図18は、ステントから内腔壁までの距離とステントストラットを覆う組織厚さとを表示するための代替方法を図示する。本方法では、類似の2Dマップが、個々のステントストラットを示さずに生成される。むしろ、厚さマップは、全ての領域を包含するように平均化および補間される。任意選択により、ディスプレイは、潜在的に臨床的に不利な領域を強調するように強化可能である。ディスプレイを強化するための1つの好適な方法として、一定の事前設定閾値を上回るステントから内腔壁までの距離(ステント不完全密着の場合)または一定の事前設定閾値を下回るステントストラットを覆う組織厚さ(不完全ステント被覆の場合)を明確な色によって表わすことが挙げられる。
【0057】
図17における例において、明るい面積に対する暗い面積(値20以下)は、内膜厚さがOCT撮像システムの分解能未満<約20μmである非被覆ステントストラットを表わす。また、このユーザ規定閾値を下回るまたは上回る全表面積のうちの割合面積も、異なる色または強調色によって同一ディスプレイにおいてテキストで示すことができる。加えて、2Dマップの視覚的アピールを改善するために、黒、白、または銀のような中間色で示される一般的なステントの画像表示を、2Dステントマップ上に重ね合わせることができる。
【0058】
図19に図示するステント体積測定を表示するためのさらなる代替として、ステント密着情報またはステント被覆情報を、カテーテルの一回転について平均化され、かつ引き戻しフレーム数(または引き戻し距離)に対して示されるステントから壁までの距離または内膜厚さを表わすグラフに表示することが挙げられる。全体のステント長さについて編集された統計値のテキスト要約も含み得るこのグラフを、別々に、または2Dマップのうちの1つと組みわせて示すことができる。
【0059】
本発明の別の実施形態は、一定のOCT引き戻しアーチファクトの補正に関する。ステントストラット検出に特別な利益を有する1つのアーチファクトは、心臓の鼓動に起因する動きアーチファクトである。各鼓動中に、撮像カテーテルは、動脈壁に対して移動する。急速な引き戻し中の動脈壁に対する撮像カテーテルの長手方向動きは、図20Aの例に示すように、ステント画像の部分の歪み(圧縮または拡張)をもたらす。この歪みは、ステントの長さに沿ったフレーム数と実際の距離との間の対応における誤差として現れる。この誤差の補正は、いくつかの方式で達成可能である。
【0060】
具体的には、ステントストラットがOCT画像において限局化されると、横ステント位置の画像の周期性を、窓フーリエ変換、ウェーブレット分解、または空間度数分布の評価のための類似の方法を使用することによって、ステントの全体の長さに沿った重複セグメント内において評価することができる。次いで、再サンプリング関数または歪み補正関数を適用して、図20Bに示すように、ステントの長さに沿ったストラット画像の周期性を修復することができる。
【0061】
別の代替方法は、ステント画像の限局化膨張または収縮と併用して、テンプレート照合方法を使用して、ステントの形状の均一性を修復する。加えて、別の代替方法は、血管造影法等の別の撮像方法を使用して、OCT撮像センサの動脈への実際の引き戻し速度を決定することによって、この実際の引き戻し速度に従って画像を再サンプリングする。
【0062】
(OCT方法およびシステムを実装するための非限定的なソフトウェア特徴および実施形態)
図1に説明する方法および本明細書に説明する他の実施形態に関連し、カテーテルプローブ等のOCTプローブと連動するのに適切な種々のコンピュータまたはプロセッサベースのシステムを使用してもよい。ステント検出を実装するためのコンピュータベースの手法に関連する追加の詳細について以下に説明する。
【0063】
本発明は、限定するものではないが、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、または汎用コンピュータ)とともに使用するためのコンピュータプログラム論理、プログラム可能な論理デバイスとともに使用するためのプログラム可能論理(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のPLD)、個別部品、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、またはそれらのいずれの組み合わせを含むいずれの他の手段を含む、多くの異なる形状に統合されてもよい。本発明の典型的な実施形態では、OCTプローブおよびプロセッサベースのシステムを使用して収集されるデータの処理のいくつかまたは全てが、コンピュータで実行可能な形状に変換され、コンピュータで読み取り可能な媒体の中のものとして保存され、オペレーティングシステムの制御化でマイクロプロセッサによって実行される、一組のコンピュータプログラム命令として実装される。したがって、クエリー応答および入力データは、OCTデータの生成、ストラットの検出、デジタル信号処理、谷またはリッジの検出、陰影の検出、内腔境界の検出、楕円モデリングおよびデータ適合、OCT画像、信号処理、重み付け、アーチファクト除去、ステント検出、高反射率領域の検出、あるいは上述のいずれかならびに上述の他の特徴および実施形態の全てを検出または表示するのに適切なプロセッサにより理解可能な命令に変換される。
【0064】
本願に前述した機能性の全てまたは一部を実装する、コンピュータプログラム論理は、限定するものではないが、ソースコード形状、コンピュータで実行可能な形状、および様々な中間形状(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ、またはロケータによって生成される形状)を含む、様々な形状で統合されてもよい。ソースコードは、様々なオペレーティングシステムまたは動作環境で使用するための、様々なプログラム言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、またはFortran、C、C++、JAVA(登録商標)、またはHTML等の高水準言語)のいずれに実装される、一連のコンピュータプログラム命令を含んでもよい。ソースコードは、様々なデータ構造および通信メッセージを画定し使用してもよい。ソースコードは、コンピュータで実行可能な形状(例えば、インタプリタ経由)であってもよいか、またはソースコードは、コンピュータで実行可能な形状に変換(例えば、変換装置、アセンブラ、またはコンパイラ経由)されてもよい。
【0065】
コンピュータプログラムは、永久的にまたは一時的のいずれかで、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、またはFlashプログラム可能RAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD−ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、または他のメモリデバイス等、有形の記憶媒体の中に、いずれの形状(例えば、ソースコード形状、コンピュータで実行可能な形状、または中間形状)に固定されてもよい。コンピュータプログラムは、限定するものではないが、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーク技術、およびインターネットワーキング技術を含む、様々な通信技術のうちのいずれかを使用して、コンピュータに伝送可能である信号の中のいずれの形状で固定されてもよい。コンピュータプログラムは、指標刷または電子書類(例えば、市販のソフトウェア)を付随する可撤性記憶媒体のようないずれの形状で分配されるか、コンピュータシステムにあらかじめ搭載されるか(例えば、システムROMまたは固定ディスク上に)、あるいは通信システム(例えば、インターネットまたはWorld Wide Web)上でサーバまたは電子掲示板から分配され得る。
【0066】
本願で前述の機能性の全てまたは一部を実装する、ハードウェア論理(プログラム可能論理デバイスとともに使用するためのプログラム可能論理を含む)は、従来の手動方法を使用して設計されてもよく、あるいはコンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDLまたはAHDL)、またはPLDプログラム可能言語(例えば、PALASM、ABEL、またはCUPL)等の様々な道具を使用して、電子的に設計、捕捉、シミュレーション、または文書化され得る。
【0067】
プログラム可能論理は、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、またはFlashプログラム可能RAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD−ROM)、または他のメモリデバイス等、有形の記憶媒体の中に、永久的にまたは一時的のいずれかで、固定され得る。プログラム可能論理は、限定するものではないが、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーク技術、およびインターネットワーキング技術を含む、様々な通信技術のうちのいずれかを使用して、コンピュータに伝送可能である信号の中に固定され得る。プログラム可能論理は、指標刷または電子書類(例えば、市販のソフトウェア)を付随する可撤性記憶媒体として分配されるか、コンピュータシステムにあらかじめ搭載されるか(例えば、システムROMまたは固定ディスク上に)、あるいは通信システム(例えば、インターネットまたはWorld Wide Web)上でサーバまたは電子掲示板から分配され得る。
【0068】
適切な処理モジュールの様々な例が、以下により詳細に述べられる。本願で使用する通り、モジュールは、特定のデータ処理またはデータ伝送タスクを行うのに適する、ソフトウェア、ハードウェア、あるいはファームウェアを指す。通常、好ましい実施形態では、モジュールは、命令、または、OCT走査データ、干渉信号データ、クロック信号、関心領域タイプ、式、および他の関心の対象である情報等、様々なタイプのデータを受信し、変形させ、経路選択し、処理するのに適する、ソフトウェアルーチン、プログラム、あるいは他のメモリ常駐アプリケーションを指す。
【0069】
本願に記載のコンピュータおよびコンピュータシステムは、データを獲得、処理、保存および/または通信する時に使用するソフトウェアアプリケーションを保存するためのメモリ等、動作可能なように関連付けられるコンピュータで読み取り可能な媒体を含んでもよい。その動作可能なように関連付けられるコンピュータまたはコンピュータシステムに対して、内部、外部、遠隔、または局所にあることができることは、理解されるものとする。
【0070】
メモリはまた、例えば、限定するものではないが、ハードディスク、光学ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、DVD(デジタル多用途ディスク)、CD(コンパクトディスク)、メモリスティック、フラッシュメモリ、ROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、PROM(プログラム可能ROM)、EEPROM(拡張消去可能PROM)、および/または他の同様のコンピュータで読み取り可能な媒体を含む、ソフトウェアあるいは他の命令を保存するためのいずれの手段を含んでもよい。
【0071】
概して、本願に記載する本発明の実施形態との関連で適用される、コンピュータで読み取り可能なメモリ媒体は、プログラム可能な装置によって実行される命令を保存することが可能な、いずれのメモリ媒体を含んでもよい。該当する場合は、本願に記載する方法のステップは、複数または1つのコンピュータで読み取り可能なメモリ媒体上に保存される命令として、統合または実行されてもよい。これらの命令は、本発明の実施形態に従い、命令を生み出すために適用される場合がある、C++、C、Java(登録商標)、および/または様々な他の種類のソフトウェアプログラム言語等、様々なプログラム言語で統合されるソフトウェアであってもよい。
【0072】
本発明の図および説明は、明確化のために他の要素を排除する一方で、本発明の明確な理解に対して妥当である要素を図示するために単純化されていることは理解されるべきである。しかしながら、当業者は、これらおよび他の要素が望ましい場合があることを理解するであろう。しかしながら、かかる要素が当該分野でよく知られているため、かつ本発明のより良い理解を促進しないため、かかる要素の記載は本願では提供しない。図は、図解のために提示されており、組立図としてではないことは理解されるものとする。省略した詳細および変形例または代替実施形態は、当業者の理解の範囲内である。
【0073】
本発明のある局面では、要素または構造を提供するために、あるいは所定の1つまたは複数の機能を行うために、単一の構成要素が複数の構成要素によって置き換えられてもよく、複数の構成要素が単一の構成要素によって置き換えられてもよいことは理解できるものとする。かかる置換が、本発明のある実施形態を実施するように機能しない場合以外、かかる置換は本発明の範囲内とみなされる。
【0074】
本願に提示した例は、本発明の潜在的および特定の実装を説明することを意図している。例は、主として、当業者に対する本発明の図解を目的に意図していることは理解できるであろう。本発明の精神から逸脱しない、本願に記載のこれらの図表または操作の変形例があってもよい。例えば、ある場合には、方法のステップまたは操作は、異なる順番で行われるか、または実行されてもよく、あるいは操作は追加、削除、または修正されてもよい。
【0075】
さらに、本発明の特定の実施形態は、本発明を説明する目的で本願に記載されており、本発明を限定する目的ではないのに対して、要素、ステップ、構造、および/または部分の詳細、材料、ならびに配置の数々の変形が、請求項に記載の通り、本発明から逸脱することなく、本発明の原理および範囲内で行われてもよいことは、当業者によって、理解されるであろう。
【0076】
本明細書に記載するものの変形、修正、および他の実装は、請求される本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者が容易に想到する。したがって、本発明は、前述の例示的説明によって規定されず、代わりに、以下の請求項の精神および範囲によって規定される。
【0077】
特許請求の範囲は以下の通りである。
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する参照)
本願は、2008年10月14日出願の米国仮出願第61/105,290に対して、米国特許法第119条(e)の下でその利益を主張し、上記仮出願の全内容が、全ての目的で、本明細書において参照により援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、画像データ等の光コヒーレンス断層撮影データを使用する、自動ステントまたはステントストラット検出および測定のための方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
光コヒーレンス断層撮影法(OCT)は、眼科学、心臓病学、胃腸病学、および他の医療分野において広く用いられている干渉撮像技法である。小径光ファイバプローブによる高分解能(2μm〜15μm)を有する表面下構造を視認する能力により、OCTは、特に、内部組織および器官の低侵襲撮像に有用になる。最新世代のOCTシステムは、1秒につき最大100フレームでOCT画像を生成することができ、これにより、拍動する心臓動脈における冠動脈を数秒以内で撮像することが可能になる。OCTは、時間領域(TD−OCT)および周波数領域(フーリエ領域OCTまたは光周波数領域撮像、OFDI)の両方において実装可能である。
【0004】
患者の身体の一部のOCT撮像により、医師が最良の治療の種類および過程を決定するのに有用なツールが提供される。例えば、血管内OCTによる冠動脈の撮像によって、狭小または狭窄、不安定プラークの存在、および動脈硬化性プラークの種類が明らかになり得る。本情報は、どの治療が患者に最も合うか、つまり薬物療法(例えば、コレステロール降下薬)、血管形成術およびステント留置術等のカテーテルベース療法、または冠動脈バイパス形成手術等の侵襲的な外科的処置を心臓専門医が選択するのに役立つ。臨床医学におけるその用途に加え、OCTは、動物試験および臨床試験における薬剤開発にも極めて有用である。
【0005】
ステントは、血流を妨げる狭窄状態を抑えるために脈管を拡張するように脈管内に挿入可能である管状構造である。ステントは、典型的には、カテーテルを介して狭窄部位に配置可能である金属またはポリマーの足場から作製される。経皮経管冠動脈形成術(PTCA)中、工場出荷時インストール済みのステントは、通常、ガイドワイヤを介してカテーテルを通して狭窄部位に供給され、バルーンを使用して事前設定圧力に拡張されて狭窄脈管の内腔を拡大する。心血管医学において用いられた最初のステントは、コーティングを含まない金属から作製され、すなわち、ベアメタルステント(BMS)であった。その後、再狭窄の確率を低下させるために、成長阻害剤を含むポリマーコーティングがその上に添加された薬剤溶出ステント(DES)が開発された。
【0006】
PTCA術中にステントを配置する患者予後に影響を及ぼす要因がいくつか存在する。PTCA中、ステントは、隣接する健康な脈管セグメントの直径に対応する適切な直径に拡張されるべきである。ステントの過剰拡張により、脈管に広範な損傷が引き起こされる場合があり、これにより、解離、離断、および壁内出血を起こし易くなる。拡張下のステントは、通常の流れを修復するように脈管を不十分に拡張し得る。ステントストラットが脈管壁に接触しなければ(ステント不完全密着と呼ばれる状態)、血栓症のリスクが増加し得る。PTCAおよびステント留置術の後、ステント表面は、通常、再内皮細胞増殖と呼ばれる過程の結果、内皮細胞の層によって被覆される。再内皮細胞増殖は、DESに使用されるもの等の疾患または薬剤により解釈され得る。ステント移植後6ヶ月から1年の期間中、抗凝固剤が頻繁に処方されるが、ステント構成要素またはストラットが完全に再内皮細胞増殖化される前に薬剤投与を停止した場合に後期血栓事象のリスクがある。一方、ステントに対する脈管の炎症反応は、過剰な組織増殖および再狭窄を引き起こし、新たに開放した脈管を狭小化および閉鎖する可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の概要)
OCTは、薄い組織層の高分解能(5μm〜20μm)と、ステントストラットと近傍組織との間の高コントラストとを提供することから、ステントの撮像に適している。配置されるステント直径、PTCA中の不完全密着、内皮ステント被覆の程度、経過観察中の再狭窄の定量的測定は、心臓専門医が臨床決定を下すための重要なパラメータである。しかしながら、これらのパラメータをOCTで測定するために、人間のオペレータがステントストラットと内腔境界とを個々にマーク付けすることは厄介であり、かつ時間を要する。
【0008】
ステント視覚化および測定を容易化するために、ステントストラット検出および内腔境界検出のための半自動および自動方法を開発することが重要である。ステントの外観は、ステントの種類、ステントの上の組織層の厚さおよび組成、ならびにOCT撮像状態によって影響され得る。ゆえに、異なるOCT画像には、異なる検出方法が必要になり得る。また、異なる検出方法を、異なるOCT撮像目標について調整するべきである(例えば、移植したばかりのステントでは、目標は、不完全密着であり、一方、薬剤溶出ステントの経過観察撮像では、目標は、内膜被覆の測定であり得る)。
【0009】
また、種々の撮像アーチファクトは、ステントストラットの検出を混乱させ得る。例えば、横方向に沿った幾何学的精度は、NURD(不均一回転歪み)によって影響され、これによって、ストラットの横寸法の伸長または圧縮をもたらし得る。また、引き戻し方向に沿った幾何学的精度も、撮像要素と被撮像組織との間の不均一相対引き戻し速度によって影響され得る。最良の視覚化および測定のために、これらのアーチファクトを検出および補正する必要がある。
【0010】
したがって、視覚化および測定のためのステントストラットおよびステントの検出のための確実で効率的な方法を有することが極めて望ましい。好ましくは、本方法は、種々の撮像アーチファクトに耐性を有するか、またはそれらを補正することも可能であるべきである。
【0011】
本発明は、OCT画像における不完全密着、内膜成長、および再狭窄の測定および特徴化のための、ステント、ステントストラット、または他のステント部分もしくは構成要素のコンピュータ支援検出のための装置および方法に関する。方法は、内腔境界を限定するため、およびステントストラットを限局化するために開示される。一実施形態では、ストラットは、2D画像におけるその陰影特性に基づいて検出される。第2の実施形態では、ステントストラットは、OCT画像において細長い外観のストラットを使用して検出される。第3の実施形態では、いくつかのステントが、3Dにおいて連続的であるワイヤメッシュから構成されることから、3Dキューを使用して、ストラットを検出し、ストラット検出を微調整する。第4の実施形態では、種々のステント歪みの種類または関連のアーチファクトを補正する。
【0012】
ある局面は、コンピュータを使用して、脈管の内腔におけるステントに関する位置情報および他の情報を生成するための方法を提供する。本方法は、少なくとも1つのステントを含む試料のOCT走査に応答して、光コヒーレンス画像データセットを生成するステップと、ステントの位置に関連する画像データセットにおける少なくとも1つの1次元ローカルキューを識別するステップとを含み得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、1次元ローカルキューは、光コヒーレンス画像データセットの強度プロファイルである。いくつかの実施形態では、1次元ローカルキューは、光コヒーレンス画像データセットにおける陰影プロファイルである。いくつかの実施形態では、1次元ローカルキューは、光コヒーレンス画像データセットにおけるストラット線様形状である。いくつかの実施形態では、本方法は、光コヒーレンス画像データセットにおいて内腔境界を決定するステップを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、1次元ローカルキューは、光コヒーレンス画像データセットにおける陰影プロファイルであり、本方法は、光コヒーレンス画像データセットにおいて内腔境界の下の深度を規定するステップと、光コヒーレンス画像データセットの強度プロファイルを形成するために、内腔境界と、画像データセットにおける内腔境界の下の深度との間において光コヒーレンス画像データセットにおける各垂直走査の平均強度を決定するステップとを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、エッジ検出器を使用して、陰影プロファイルを決定するステップを含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、本方法は、リッジ検出器を使用して、陰影プロファイルを決定するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、リッジ検出器を使用してストラット線様形状を決定するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、光コヒーレンス画像データセットにおいて2次元ローカルキューを識別するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、2次元ローカルキューは、検出されたステント点の楕円分布に対する曲線適合を計算する。
【0016】
いくつかの実施形態では、楕円分布上に適合しない検出されたステント点を除去するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、画像データセットにおいて少なくとも1つの3次元ローカルキューを識別するステップと、少なくとも1つの3次元ローカルキューを使用して、修正された画像データセットを生成するステップとを含み得る。いくつかの実施形態では、本方法は、3Dストラットを検出するために、線検出器を使用するステップを含み得る。
【0017】
ある局面は、脈管の内腔におけるステント位置を測定するための方法を提供する。本方法は、検出されたステント部分から内腔エッジまでの距離を測定するステップと、検出されたステント位置から内腔エッジまでの距離に応答して、ステント不完全密着、内膜被覆、または再狭窄データのうちの1つ以上を計算するステップとを含み得る。
【0018】
ある局面は、OCT画像データセットから生成されるステント関連測定データを表示するための方法を提供する。本方法は、脈管の内腔におけるステントの位置に関するOCTデータを収集するステップと、ステントの画像に関連する画像データセットを生成するためにOCTデータを分析するステップと、画像データセットを2次元表面マップに表示するステップと、記号を使用して表示された表面マップ上に測定を重ねるステップとを含み得る。
【0019】
ある局面は、収集されたOCT画像データセットにおける動きアーチファクト除去のための方法を提供する。本方法は、画像データセットにおけるストラット画像データの周期性を位置付けるためにOCT画像データを調査するステップと、画像データセットにおけるストラット画像データの周期性を修復するために関数を適用するステップとを含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、本方法は、OCT画像データ収集中に血管造影法を使用するステップと、カテーテルが配置される内腔内におけるOCTカテーテル移動の相対速度を決定するステップと、カテーテル速度に応答して、ストラット画像データの周期性を格納するステップとを含み得る。
【0021】
ある局面は、脈管の内腔におけるステントに関する位置情報および他の情報を生成するためのシステムを提供する。本コンピュータシステムは、電子メモリ機器と、メモリ機器と通信する電子プロセッサとを含み得る。メモリ機器は、プロセッサによる実行時に、プロセッサに、少なくとも1つのステントを含む試料のOCT走査に応答して、光コヒーレンス画像データセットを生成させ、ステントの位置に関連する画像データセットにおける複数のローカルキューを識別させる命令を含み得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、複数のローカルキューのうちの少なくとも1つは、1次元キュー、2次元キュー、3次元キュー、強度プロファイル、陰影プロファイル、ストラット線様形状、リッジ、エッジ、および谷から成る群から選択される。
【0023】
後述する図面を参照して、本発明の目的および特徴をより理解することができる。図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではなく、代わりに、本発明の原理の例証が強調される。図面において、数字表示は、種々の図における具体的な部分を標示するために使用される。本開示に関連する図面は、紹介されるように、本開示内において個々ベースで対応される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、ステントストラットを検出するための方法に従って実践される方法のある実施形態を表わすフローチャートを図示する。
【図2】図2(AおよびB)は、直交から極への変換前および後のそれぞれの、組織被覆を含む最近移植された1つまたは複数のステントのOCT画像の例を図示する。
【図3】図3は、自動内腔境界検出の例を図示する。
【図4】図4は、陰影検出のために選択された脈管壁の領域の例を図示する。
【図5】図5は、直交から極への変換後のステントストラット限局化の例を図示する。
【図6】図6は、エッジ検出器を使用するステントストラットに隣接する陰影形成および陰影検出の例を図示する。
【図7】図7(A、BおよびC)は、ステントストラットに隣接する陰影形成、適応リッジ(谷)検出を使用する陰影検出、およびリッジの強度のグラフ表示の例をそれぞれ図示する。
【図8】図8(A、BおよびC)は、リッジ検出器を使用するステントストラット視覚化、隔離、および検出の例を図示する。
【図9】図9(AおよびB)は、閾値が図8Aに適用された例示的内腔検出と、関連データを楕円に適合した後の例示的内腔検出とのそれぞれを図示する。
【図10A】図10Aは、3Dキューによって2Dキューから得られた検出を微調整する例として、引き戻し方向に沿った異なる楕円の長軸長さ測定の平準化を図示するグラフである。
【図10B】図10Bは、ガイドワイヤおよび他のノイズを除去した後の内腔検出を示す画像と、楕円を使用したモデル曲線適合との追加の例である。
【図11】図11は、図4におけるグラフから計算された画像の例を図示する。
【図12】図12は、図11における画像に線検出器を適用した結果を図示する。
【図13】図13は、図12における線検出器を適用した結果を微調整した例を図示する。
【図14】図14は、ステント密着の測定の例を図示する。
【図15】図15は、ステント被覆の測定の例を図示する。
【図16】図16は、 ステントストラットにより包囲される面積に対する、ステントストラットを覆う組織の面積の比率の測定の例を図示する。
【図17】図17は、ステントストラットの上の組織厚さを表示する例を図示する。
【図18】図18(AおよびB)は、ステントストラットの上の組織の厚さを表示する別の例を図示する。
【図19】図19は、引き戻しフレーム数(または、同等に引き戻し距離)に対して示される、ステント上の内膜被覆の角度平均化された厚さのグラフ表示の例を図示する。
【図20】図20(AおよびB)は、鼓動する心臓に起因するOCTカテーテル動きアーチファクトの補正の例を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(詳細な説明)
以下の説明は、本発明のある実施形態を図示する付属の図面に言及している。他の実施形態も可能であり、本発明の精神および範囲から逸脱しない限りにおいて、実施形態に変形がなされてもよい。したがって、続く詳細な記述は、本発明を限定することを意味しない。むしろ、本発明の範囲は、添付する請求項によって画定される。
【0026】
一般的に、本発明は、低コヒーレンス干渉法(LCI)等、および光コヒーレンス領域反射率測定法、光コヒーレンス断層撮影法(OCT)、コヒーレンス走査顕微鏡法、光コヒーレンス領域撮像法(OFDI)、および干渉計測顕微鏡法をさらに含むがこれらに限定されない光コヒーレンス干渉法に基づく光学的方法を使用して得られた画像に基づくステント検出および関連の測定/視覚化問題のための装置および方法に関する。
【0027】
ステント検出に関連する一実施形態では、カテーテル中心において最大撮像深度まで生じる光線に沿った一連の試料は、走査線と呼ばれる。OCT画像は、典型的には、一度に1つの走査線で入手される。したがって、所定の走査線は、ステントストラットまたはステント部分の1次元キューまたは指標に対応することができる。断面画像は、カテーテルの回転時に走査線の収集によって形成される。高反射率の種々のステント材料および他のパラメータを前提とすると、ステントおよびステントに相関するOCT画像データは、ステントに対応するキューまたは他の指標として識別されることができる。さらに、脈管のセグメントを撮像するために、カテーテルは、回転しながら長手方向に移動して、螺旋パターンで一連の断面画像を入手する。したがって、内腔境界に対するステントの3次元プロファイルを検出および表示することができる。
【0028】
本発明がOCT画像に関連して説明されるが、本発明がそれに限定されないことに留意されたい。したがって、例えば、任意の脈管画像または関連のOCTデータセットにおいてステントに相関または関連する任意のステント、ステント部分、ストラット、または任意のエッジ、谷、リッジ、反射率の高い領域は、本発明の精神および範囲内にある。
【0029】
適切に機能する本明細書に説明する自動および非自動検出手法では、画像から検出可能である特徴であって、背景対象物から被検出対象物を規定する特徴が存在しなければならない。本発明の一実施形態では、3つのレベルのキュー、つまりローカルキュー(1D走査線または追加の近傍走査線、1次元ローカルキュー)、グローバルキュー(2D画像)、および3Dキューを使用して、背景から対象物を検出する。これらのキューを利用するステップの例を図1に示す。開示される検出スキームは、概略的に、以下の通りに機能する。OCT画像が得られ(ステップ10)、ノイズ除去およびアーチファクト補正(ステップ14)の後、金属ストラットの陰影効果および/またはリッジ形状を使用して、後述のようにストラットを限局化する(ステップ18)。全てのローカルキューを統合した後に、追加の限局化ならびに検出の限局化および微調整のために、2D画像キューを使用する(ステップ22)。
【0030】
一実施形態では、ストラットは、楕円関数またはモデルにより記述される環内において限局化され、ストラットのリッジは、楕円により画定された境界範囲内に位置する。最終的に、さらなる限局化および限局化の微調整のために3Dキューを使用する(ステップ24)。例えば、一実装によると、ストラットは、既知の3D構造を有する連続ワイヤメッシュ内に存在するように閉じ込められている。ステント位置および内腔境界が決定されると、ステント不完全密着、被覆、および再狭窄測定が行われる(ステップ28)。最終的に、画像および測定が視覚化および表示される(ステップ32)
以下は、ローカル画像キューに従ってステントストラットを限局化するために本発明の一実施形態において用いられるステップの説明である。図2Aでは、画像は、OCT撮像機器から得られた生OCT画像の視覚化された例を示す。図2Bにおける画像は、直交から極への変換の後の、視認者に表示するための処理済みOCT画像を示す。両画像において、ステントストラットは、入射OCT光線に対するその高反射率を標示する明るい範囲10として現れる。高反射率のステントは、OCT光線が内腔14内に透過することを実質的に防止する。この光線貫通の欠如によって、陰影18がもたらされる。また、ガイドワイヤ22も陰影26を投じる。一実施形態では、異なる走査線に種々の深度を使用することが可能である。例えば、内腔自体または他のボイド領域等の構造が存在しない範囲におけるOCT撮像ノイズに関連するノイズフロアの深度に対する強度を計算することが可能である。さらに、2値画像を生成するために画像に閾値を適用し、次いでその2値画像に基づいて陰影を計算することが可能である。いくつかの実施形態では、グレースケール画像の代わりに白黒画像(2値画像)を使用することによって、一定の画像処理速度および精度の向上が提供される。
【0031】
極表示への変換により情報損失がもたらされ、ステント分析がさらに難しくなる。ステント検出では、直交から極への変換前の生OCT画像で開始することが、より正確かつ便利である。生OCT画像から開始し、一実施形態における次のステップは、内腔または内腔壁検出を実行し、情報を使用してストラットの角度位置を検出し、画像走査線におけるストラットの深度を検出することである。
【0032】
図3を参照すると、内腔または内腔境界検出は、種々の画像分割方法によって達成可能である。一実施形態では、内腔検出は、平滑化画像に閾値を適用し、内腔データに対して最良適合を呈する単一の内腔と組織との境界を決定することによって達成される。境界32は、境界が閾値を超える範囲を最大化するとともに、閾値未満の範囲に入らないように選択される。
【0033】
一般的に、上述のように、OCT画像におけるステントストラットは、明るく狭い特徴であるように現れる。典型的には、これらの特徴のすぐ後に陰影が続く。ゆえに、ストラットの検出およびその限局化は、関連の低信号陰影を分析することによって、または明るく狭いリッジ状特徴によって達成可能である。
【0034】
一実施形態では、ステント関連の陰影を検出することは、内腔表面の下の画像範囲の強度プロファイルを調べることによって実行される。例えば、図4を参照すると、内腔境界32から一定の深度36(例えば、500μm)まで、またはOCT信号が一定の所定のレベル36に降下する深度までの領域40における各走査線(垂直線)内の強度を平均化することによって、ストラットは、垂直走査線のグラフ化された平均強度44(図4)が最小48である画像における水平位置として検出することができる。これは、陰影が周囲組織よりも大幅に低い強度を有するためである。画像強度データの相対最小値が決定されると、このような相対最小値の中心を使用して、ステントストラットの位置を推定する。図5では、これらの相対最小値52は、ステントストラットの位置を標示するために、極座標における内腔画像の境界上に示される。
【0035】
関連の陰影を検出する別の方式は、エッジ検出器を使用することによる。ステントは、金属等の遮光材料から作製されることが多いため、周囲組織における陰影は、推移長さが撮像システムの方位分解能にほぼ同等である鋭いエッジを有する。図6を参照すると、ステントストラットのエッジに対応する陰影毎の2つの鋭いエッジ56、56’が存在する。これらのエッジは、エッジまたはリッジ検出フィルタ等の任意の適切な画像処理ツールを使用して検出され得る。理想的には、エッジ検出フィルタは、エッジが全て実質的に垂直である、すなわち、エッジ線が撮像プローブから半径方向に突出されるという事実を利用する。
【0036】
関連する陰影を検出するさらに別の方式は、リッジ(または配向に依存する谷検出器)を使用することである。図7Aを参照すると、陰影は、周囲組織中の逆リッジ(谷)として表示可能であり、これは、陰影が、通常、局所的強度最小値であり、実質的に垂直に配向されるからである。陰影の幅は、ストラットの幅によって変動するため、リッジ検出器のスケールは、変動可能であるべきである。図7を参照すると、リッジ強度レベルマップ(図7B)を得るために、リッジ検出フィルタが原画像(図7A)に適用される。各走査または水平位置におけるリッジ強度は、リッジ強度プロファイル画像またはマップを生成するために、垂直方向において平均化される。次いで、このマップの平均強度をグラフ化し、グラフにおけるピークを検出する。ピークは、ステントストラットの中心の位置に対応する(図7C)。また、ステントストラットは、その明るいリッジ状特徴を使用することによっても、直接検出することができる。これは、陰影と周囲組織との間のコントラストを複数の走査効果が減少させる場合に、ストラットが組織内部に深く埋め込まれることから、ストラット陰影が減少する際に特に有用である。入射光が組織内に深く入るにつれて、走査効果は増加し、これによりコントラストがさらに減少する。
【0037】
金属ストラットが高反射性であるため、画像におけるストラットの輝度は、高い場合が多い。輝点対象物では、OCTにおけるその撮像点のサイズは、点ではなく、システム分解能の不鮮明な画像点サイズである。同様に、OCT画像における明るい対象物のサイズは、対象物自体のサイズとOCTシステムの分解能の合計である。ストラットでは、軸(垂直)方向に、光は、上面から反射される。ゆえに、軸方向におけるストラットのサイズは、約10〜20umであるOCT距離分解能である。方位分解能は、実際のストラット幅と、100〜1000umの範囲の大幅に大きい方位分解能との合計である。金属ストラットは不透明であるため、画像におけるストラットの深度分布は、OCT撮像システムの距離分解能(通常、約10〜20μmである)によって近似化される。反対に、ストラットの水平分布は、ストラットの幅とOCT撮像システムの方位分解能との合計にほぼ同等である。水平分布は、ステントの種類および種々の深度におけるOCT解像度に応じて、約100〜1000μmである。
【0038】
ゆえに、各ストラットは、通常、明るく細長い(またはリッジ状)特徴として現れる。これらの細長い特徴は、画像処理技術において既知であるリッジ検出器を使用して検出することができる。図8は、ヘッシアン行列を使用するリッジ検出の例を示す。ヘッシアン行列を原画像(図8A)に適用して、リッジ強度マップ(図8B)を得る。次いで、閾値を適用し、細長い特徴の重心を使用して、ステントストラットの中心の位置を決定する(図8C)。
【0039】
ローカルキューのみに基づくストラットの検出誤差は、組織構造の画像が「ストラット様」特徴を生成する場合に発生し得る。2Dキューの使用は、このような誤検出を減少させることができる。例えば、直交から極への変換後の8Cである図9Aを参照する。ステントストラット52が、略楕円上に存在している一方で、楕円外の検出56の大部分がノイズにより引き起こされる誤検出であることが明らかである。最大数の点を楕円に適合させる楕円曲線適合方法または他のモデル適合方法を使用して、図9Bに示すように、誤検出を拒否することができる。臨床設定または研究設定におけるステントの大部分の分析では、統計的測定に偏りを導入する可能性を回避するために、不明瞭な画像を含むステントストラットを排除することが好ましい。ローカルキューに基づくストラット検出の微調整に加え、2Dグローバルキューを、検出自体に使用することができる。しかしながら、他の実施形態では、方法は、楕円に適合する点を識別することによってではなく、2Dステント特徴を直接検出するために使用することができる。例えば、ハフ変換は、画像から2D楕円特徴を検出するために使用することができる。
【0040】
加えて、ステントは、延出された円筒状構造であるため、3次元における情報は、脈管に対するストラットの位置を規定するために使用可能であるはずである。つまり、3DのOCT画像におけるストラットは、連続ワイヤメッシュを形成するはずである。2Dキューと同様に、3Dキューは、検出と微調整との両方に使用することができる。3Dキューに基づくストラットを検出するために、一連の2D画像を積み重ねて3D体積を形成する。次いで、ストラットは、3D線またはリッジ検出アルゴリズムを使用して検出される。3D線検出器の一実施形態は、3Dヘッシアン行列を利用する。ヘッシアン行列が決定された後、線強度は、ヘッシアン行列の固有値を得ることによって計算される。次いで、所定の閾値を固有値に適用して、結果として生じる線を得る。
【0041】
3D線を検出するためのヘッシアン行列は、標準的な方法である。行列および他の線検出技法の例示的説明として、適切な参考文献は、「Three−dimensional multi−scale line filter for segmentation and visualization of curvilinear structures in medical images」,Sato Y,Nakajima S,Shiraga N,Atsumi H,Yoshida S,Roller T,Gerig G,およびKikinis R,Medical Image Analysis,Volume 2,Issue 2,June 1998,Pages 143−168を含む。
【0042】
ヘッシアン行列を使用する一例示的方法に関連する具体的なステップについて以下に記載する。線検出の一例において、第1のステップは、ガウス振れカーネルによりフィルタリングされた後に、画像のヘッシアン行列を生成することである。例示的ヘッシアン行列は以下の通りである。
【0043】
【数1】
上記に示すように、ヘッシアン行列の要素は、スカラー強度である。ヘッシアン行列において使用されるように、ヘッシアン行列の成分は、1つ以上の画像に関連する行列自体であり得る。
【0044】
本文脈において、3D振れレカーネルは、1次元または2次元カーネルの3次元類推である。例として、1D列Xをベクトル[11]で畳み込むステップは、1D平均化または平滑化の種類である。画像処理技術において既知であるように、カーネルを使用して、さらなる分析の前に基礎データを平滑化することができる。典型的には、種々の実施形態では、カーネルは、より長いベクトルであり、一実施形態では、本明細書に説明するシステムおよび方法は、ガウスプロファイルを使用して平準化される。次のステップは、ヘッシアン行列の固有値を計算することである。
【0045】
次に、第3のステップは、固有値および重み関数のいくつかの組み合わせであるパラメータの1つまたは群を計算することである。実際的な観点から、3つの固有値に共有の閾値を設定することは難しい。例えば、1つの固有値では、閾値は値であり、2つの固有値では、閾値は面積であり、3つの固有値では閾値は3D体積である。概して、1の値で1D事例について作業することが最も容易である。この困難に対処するために、線強度を最も表わすのに可能性の高い候補である1つのパラメータを生成するように固有値を重み付けおよび組み合わせるためにいくつかの事前情報を使用することが可能である。結果として、この候補により、必要なのは1つの閾値を設定することだけである。したがって、最終ステップは、固有値および重み関数のいくつかの組み合わせであるパラメータの閾値を設定し、「線検出」または関連するローカルキューの検出を得ることである。
【0046】
本発明の別の実施形態では、3Dキューを使用して、1D、2D、および3Dキューを使用して得られたストラット検出を微調整する。1Dキューは、点または走査線を含み得る。図10Aは、単一の楕円モデルパラメータに関連する追加の詳細を提供し、図10Bは、3Dキューの適用によって、2Dキューから得られたステント位置を微調整する方法の一例を図示する。ステントは、ワイヤメッシュであるため、全てのストラットは、略楕円円筒上に存在するはずである。2D楕円キューをストラット検出に使用する場合、複数の近傍フレームからのこれらの楕円は、3D空間において連続的であるはずである。ゆえに、近傍楕円の規定パラ―メータの平滑化および平均化は、検出精度を向上させることができる。各楕円は、主軸および短軸、中心点、ならびに画像のX−Y平面に対する傾斜によって規定される。隣接するフレームが実質的に類似の主軸および短軸、中心点、および傾斜を有することが期待される。
【0047】
図10Aでは、1つのパラメータ、つまりフレーム毎に導き出される楕円の主軸長さについて示される(点線)。次いで10個のフレームの移動平均をフレーム毎に計算する。次いで、結果として生じる組の平均(実線)は、フレーム毎の平均主軸長さを規定する。本過程は、傾斜、中心、および短軸の残りの楕円パラメータについて繰り返される。次いで、フレーム毎のこれらの平均化パラメータ値を使用して、各フレームにおいて個々の楕円を規定する。したがって、楕円形状は、フレーム毎の傾き、短軸、および短軸について得られた平均値の結果としてフレーム毎ベースで適合される。
【0048】
代替として、一実施形態では、相互の上部に楕円を積み重ねることによって形成される3D体積に平準化を直接実行することができる。一実施形態では、3D平均化方法は、3D体積を3D振れカーネルで畳み込むことによって使用される。次いで、この畳み込まれたデータセットを評価して、フレーム毎の結果における最大値を識別する。
【0049】
図11は、3Dキューによって1Dキューから得られたストラット検出を微調整する方法の一例を図示する。本図面において、各フレームからの図4(1Dキュー)におけるグラフからの強度プロファイルを組み合わせて、一方の軸がフレーム数を示し、他方の軸がカテーテルの回転角を示す2Dマップを形成する。簡潔にするために、この種類の生成された2D画像は、3D画像の「切開」表示と呼ばれる。結果として生じるマップにおけるストラットの画像は、連続線を形成する。ゆえに、ストラットは、閾値または線検出器を画像に直接適用することによって検出可能である。1つのこのような可能な線検出器は、2Dヘッシアン行列に基づく。
【0050】
図12は、リッジ検出器を使用して計算された線強度を示す。次いで、膨張および浸食等の標準的な形態学的画像処理方法を用いて、図13に示すように、隣接する検出点を連結し、連続セグメント外の遊離検出点(ノイズ)を除去する。これは、フレーム間キューを使用してステント検出方法を微調整するためのものである。3Dでは、ステントは、連続ワイヤメッシュである。ゆえに、平面図でも、ワイヤメッシュは、「線」から形成される連続ワイヤメッシュである。これらの線を使用して、ストラット検出を微調整する。例えば、検出された「ストラット」が、隣接フレームのストラットにより形成される線上に存在しない場合、このような「ストラット」またはキューは、誤検出である可能性が高い。
【0051】
本発明の別の局面は、自動ステント検出アルゴリズムの結果の測定および表示に関連する。臨床的に関連して表示される測定には、とりわけ、ステントから内腔壁までの距離(「ステント密着))、ステントストラットを覆う組織厚さ(「内膜被覆」、または簡潔に「ステント被覆」)、およびステントストラットにより包囲される面積に対するステントストラットを覆う組織の面積の比率(「再狭窄比率」)が含まれる。
【0052】
図14は、ステント密着を決定するために使用される測定の画像を図示する。OCT光線は、典型的には、金属ステントストラットを透過しないため、ステントストラットのOCT画像は、OCTシステム点広がり関数で畳みこまれたステントの上面60(光線が入射する第1の表面)である。加えて、ストラットは、ステントの下の組織からの反射を遮断または防止する。ステントストラットの下の脈管壁画像の欠落部分は、前述のように、内壁縁32に沿った反射の補間により得られる。
【0053】
次に、ステント上面から内腔壁までの距離64を、明るい点から脈管壁縁を表わす補間曲線まで測定する。ステント上のスポットは、ストラットの中心、ストラットのエッジ、またはステントの前面における点の任意の他の組み合わせにおいて選択可能である。密着距離は、前面反射と補間脈管縁との間で測定された距離からストラットの厚さを差し引くことによって得られる。図15は、ステントが内膜68により被覆される場合の同一の測定を示す。
【0054】
図16は、ステントストラットにより包囲される面積に対する、ステントストラットを覆う組織の面積の比率の測定を図示する。ステント面積は、検出されたストラットの補間によって、または検出されたステントストラット位置(適合楕円等)を組み込むモデルを使用することによって計算される。図示する図面において、ステントストラットの補間により形成される楕円72は、ステントにより包囲される表面積の測定を提供する。内膜と内腔との間の第2の境界76は、ステントを覆う表面積を規定する。これらの2つの面積測定から、比率が計算される。この比率は、試料または患者の状態を評価するために臨床医および他のシステムユーザによって使用することができる。例えば、50%狭小化または75%範囲減少を示す狭窄比率は、一実施形態において臨界比率を表わす。
【0055】
図17は、ステント密着測定またはステント被覆測定の結果を表示する1つの方法を図示する。表示される脈管の全体領域から検出されたステントストラットの位置は、引き戻し方向またはフレーム方向を示すX軸とカテーテル回転方向を示すY軸とを含む2Dマップとして示される。マップは、ステントから内腔壁までの距離またはステントストラットを覆う組織厚さを表わすように考案され、検出されたステントストラットを2Dマップにおいてカラー化するために使用される。この表示は、いくつかの次元の情報(2D表面ステント構造および対応する局所的ステント密着値または内膜厚さ値)を効率的なフォーマットで同時に示すという利点を有する。
【0056】
図18は、ステントから内腔壁までの距離とステントストラットを覆う組織厚さとを表示するための代替方法を図示する。本方法では、類似の2Dマップが、個々のステントストラットを示さずに生成される。むしろ、厚さマップは、全ての領域を包含するように平均化および補間される。任意選択により、ディスプレイは、潜在的に臨床的に不利な領域を強調するように強化可能である。ディスプレイを強化するための1つの好適な方法として、一定の事前設定閾値を上回るステントから内腔壁までの距離(ステント不完全密着の場合)または一定の事前設定閾値を下回るステントストラットを覆う組織厚さ(不完全ステント被覆の場合)を明確な色によって表わすことが挙げられる。
【0057】
図17における例において、明るい面積に対する暗い面積(値20以下)は、内膜厚さがOCT撮像システムの分解能未満<約20μmである非被覆ステントストラットを表わす。また、このユーザ規定閾値を下回るまたは上回る全表面積のうちの割合面積も、異なる色または強調色によって同一ディスプレイにおいてテキストで示すことができる。加えて、2Dマップの視覚的アピールを改善するために、黒、白、または銀のような中間色で示される一般的なステントの画像表示を、2Dステントマップ上に重ね合わせることができる。
【0058】
図19に図示するステント体積測定を表示するためのさらなる代替として、ステント密着情報またはステント被覆情報を、カテーテルの一回転について平均化され、かつ引き戻しフレーム数(または引き戻し距離)に対して示されるステントから壁までの距離または内膜厚さを表わすグラフに表示することが挙げられる。全体のステント長さについて編集された統計値のテキスト要約も含み得るこのグラフを、別々に、または2Dマップのうちの1つと組みわせて示すことができる。
【0059】
本発明の別の実施形態は、一定のOCT引き戻しアーチファクトの補正に関する。ステントストラット検出に特別な利益を有する1つのアーチファクトは、心臓の鼓動に起因する動きアーチファクトである。各鼓動中に、撮像カテーテルは、動脈壁に対して移動する。急速な引き戻し中の動脈壁に対する撮像カテーテルの長手方向動きは、図20Aの例に示すように、ステント画像の部分の歪み(圧縮または拡張)をもたらす。この歪みは、ステントの長さに沿ったフレーム数と実際の距離との間の対応における誤差として現れる。この誤差の補正は、いくつかの方式で達成可能である。
【0060】
具体的には、ステントストラットがOCT画像において限局化されると、横ステント位置の画像の周期性を、窓フーリエ変換、ウェーブレット分解、または空間度数分布の評価のための類似の方法を使用することによって、ステントの全体の長さに沿った重複セグメント内において評価することができる。次いで、再サンプリング関数または歪み補正関数を適用して、図20Bに示すように、ステントの長さに沿ったストラット画像の周期性を修復することができる。
【0061】
別の代替方法は、ステント画像の限局化膨張または収縮と併用して、テンプレート照合方法を使用して、ステントの形状の均一性を修復する。加えて、別の代替方法は、血管造影法等の別の撮像方法を使用して、OCT撮像センサの動脈への実際の引き戻し速度を決定することによって、この実際の引き戻し速度に従って画像を再サンプリングする。
【0062】
(OCT方法およびシステムを実装するための非限定的なソフトウェア特徴および実施形態)
図1に説明する方法および本明細書に説明する他の実施形態に関連し、カテーテルプローブ等のOCTプローブと連動するのに適切な種々のコンピュータまたはプロセッサベースのシステムを使用してもよい。ステント検出を実装するためのコンピュータベースの手法に関連する追加の詳細について以下に説明する。
【0063】
本発明は、限定するものではないが、プロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、または汎用コンピュータ)とともに使用するためのコンピュータプログラム論理、プログラム可能な論理デバイスとともに使用するためのプログラム可能論理(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のPLD)、個別部品、集積回路(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))、またはそれらのいずれの組み合わせを含むいずれの他の手段を含む、多くの異なる形状に統合されてもよい。本発明の典型的な実施形態では、OCTプローブおよびプロセッサベースのシステムを使用して収集されるデータの処理のいくつかまたは全てが、コンピュータで実行可能な形状に変換され、コンピュータで読み取り可能な媒体の中のものとして保存され、オペレーティングシステムの制御化でマイクロプロセッサによって実行される、一組のコンピュータプログラム命令として実装される。したがって、クエリー応答および入力データは、OCTデータの生成、ストラットの検出、デジタル信号処理、谷またはリッジの検出、陰影の検出、内腔境界の検出、楕円モデリングおよびデータ適合、OCT画像、信号処理、重み付け、アーチファクト除去、ステント検出、高反射率領域の検出、あるいは上述のいずれかならびに上述の他の特徴および実施形態の全てを検出または表示するのに適切なプロセッサにより理解可能な命令に変換される。
【0064】
本願に前述した機能性の全てまたは一部を実装する、コンピュータプログラム論理は、限定するものではないが、ソースコード形状、コンピュータで実行可能な形状、および様々な中間形状(例えば、アセンブラ、コンパイラ、リンカ、またはロケータによって生成される形状)を含む、様々な形状で統合されてもよい。ソースコードは、様々なオペレーティングシステムまたは動作環境で使用するための、様々なプログラム言語(例えば、オブジェクトコード、アセンブリ言語、またはFortran、C、C++、JAVA(登録商標)、またはHTML等の高水準言語)のいずれに実装される、一連のコンピュータプログラム命令を含んでもよい。ソースコードは、様々なデータ構造および通信メッセージを画定し使用してもよい。ソースコードは、コンピュータで実行可能な形状(例えば、インタプリタ経由)であってもよいか、またはソースコードは、コンピュータで実行可能な形状に変換(例えば、変換装置、アセンブラ、またはコンパイラ経由)されてもよい。
【0065】
コンピュータプログラムは、永久的にまたは一時的のいずれかで、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、またはFlashプログラム可能RAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD−ROM)、PCカード(例えば、PCMCIAカード)、または他のメモリデバイス等、有形の記憶媒体の中に、いずれの形状(例えば、ソースコード形状、コンピュータで実行可能な形状、または中間形状)に固定されてもよい。コンピュータプログラムは、限定するものではないが、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーク技術、およびインターネットワーキング技術を含む、様々な通信技術のうちのいずれかを使用して、コンピュータに伝送可能である信号の中のいずれの形状で固定されてもよい。コンピュータプログラムは、指標刷または電子書類(例えば、市販のソフトウェア)を付随する可撤性記憶媒体のようないずれの形状で分配されるか、コンピュータシステムにあらかじめ搭載されるか(例えば、システムROMまたは固定ディスク上に)、あるいは通信システム(例えば、インターネットまたはWorld Wide Web)上でサーバまたは電子掲示板から分配され得る。
【0066】
本願で前述の機能性の全てまたは一部を実装する、ハードウェア論理(プログラム可能論理デバイスとともに使用するためのプログラム可能論理を含む)は、従来の手動方法を使用して設計されてもよく、あるいはコンピュータ支援設計(CAD)、ハードウェア記述言語(例えば、VHDLまたはAHDL)、またはPLDプログラム可能言語(例えば、PALASM、ABEL、またはCUPL)等の様々な道具を使用して、電子的に設計、捕捉、シミュレーション、または文書化され得る。
【0067】
プログラム可能論理は、半導体メモリデバイス(例えば、RAM、ROM、PROM、EEPROM、またはFlashプログラム可能RAM)、磁気メモリデバイス(例えば、ディスケットまたは固定ディスク)、光学メモリデバイス(例えば、CD−ROM)、または他のメモリデバイス等、有形の記憶媒体の中に、永久的にまたは一時的のいずれかで、固定され得る。プログラム可能論理は、限定するものではないが、アナログ技術、デジタル技術、光学技術、無線技術(例えば、Bluetooth)、ネットワーク技術、およびインターネットワーキング技術を含む、様々な通信技術のうちのいずれかを使用して、コンピュータに伝送可能である信号の中に固定され得る。プログラム可能論理は、指標刷または電子書類(例えば、市販のソフトウェア)を付随する可撤性記憶媒体として分配されるか、コンピュータシステムにあらかじめ搭載されるか(例えば、システムROMまたは固定ディスク上に)、あるいは通信システム(例えば、インターネットまたはWorld Wide Web)上でサーバまたは電子掲示板から分配され得る。
【0068】
適切な処理モジュールの様々な例が、以下により詳細に述べられる。本願で使用する通り、モジュールは、特定のデータ処理またはデータ伝送タスクを行うのに適する、ソフトウェア、ハードウェア、あるいはファームウェアを指す。通常、好ましい実施形態では、モジュールは、命令、または、OCT走査データ、干渉信号データ、クロック信号、関心領域タイプ、式、および他の関心の対象である情報等、様々なタイプのデータを受信し、変形させ、経路選択し、処理するのに適する、ソフトウェアルーチン、プログラム、あるいは他のメモリ常駐アプリケーションを指す。
【0069】
本願に記載のコンピュータおよびコンピュータシステムは、データを獲得、処理、保存および/または通信する時に使用するソフトウェアアプリケーションを保存するためのメモリ等、動作可能なように関連付けられるコンピュータで読み取り可能な媒体を含んでもよい。その動作可能なように関連付けられるコンピュータまたはコンピュータシステムに対して、内部、外部、遠隔、または局所にあることができることは、理解されるものとする。
【0070】
メモリはまた、例えば、限定するものではないが、ハードディスク、光学ディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、DVD(デジタル多用途ディスク)、CD(コンパクトディスク)、メモリスティック、フラッシュメモリ、ROM(読み取り専用メモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、DRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)、PROM(プログラム可能ROM)、EEPROM(拡張消去可能PROM)、および/または他の同様のコンピュータで読み取り可能な媒体を含む、ソフトウェアあるいは他の命令を保存するためのいずれの手段を含んでもよい。
【0071】
概して、本願に記載する本発明の実施形態との関連で適用される、コンピュータで読み取り可能なメモリ媒体は、プログラム可能な装置によって実行される命令を保存することが可能な、いずれのメモリ媒体を含んでもよい。該当する場合は、本願に記載する方法のステップは、複数または1つのコンピュータで読み取り可能なメモリ媒体上に保存される命令として、統合または実行されてもよい。これらの命令は、本発明の実施形態に従い、命令を生み出すために適用される場合がある、C++、C、Java(登録商標)、および/または様々な他の種類のソフトウェアプログラム言語等、様々なプログラム言語で統合されるソフトウェアであってもよい。
【0072】
本発明の図および説明は、明確化のために他の要素を排除する一方で、本発明の明確な理解に対して妥当である要素を図示するために単純化されていることは理解されるべきである。しかしながら、当業者は、これらおよび他の要素が望ましい場合があることを理解するであろう。しかしながら、かかる要素が当該分野でよく知られているため、かつ本発明のより良い理解を促進しないため、かかる要素の記載は本願では提供しない。図は、図解のために提示されており、組立図としてではないことは理解されるものとする。省略した詳細および変形例または代替実施形態は、当業者の理解の範囲内である。
【0073】
本発明のある局面では、要素または構造を提供するために、あるいは所定の1つまたは複数の機能を行うために、単一の構成要素が複数の構成要素によって置き換えられてもよく、複数の構成要素が単一の構成要素によって置き換えられてもよいことは理解できるものとする。かかる置換が、本発明のある実施形態を実施するように機能しない場合以外、かかる置換は本発明の範囲内とみなされる。
【0074】
本願に提示した例は、本発明の潜在的および特定の実装を説明することを意図している。例は、主として、当業者に対する本発明の図解を目的に意図していることは理解できるであろう。本発明の精神から逸脱しない、本願に記載のこれらの図表または操作の変形例があってもよい。例えば、ある場合には、方法のステップまたは操作は、異なる順番で行われるか、または実行されてもよく、あるいは操作は追加、削除、または修正されてもよい。
【0075】
さらに、本発明の特定の実施形態は、本発明を説明する目的で本願に記載されており、本発明を限定する目的ではないのに対して、要素、ステップ、構造、および/または部分の詳細、材料、ならびに配置の数々の変形が、請求項に記載の通り、本発明から逸脱することなく、本発明の原理および範囲内で行われてもよいことは、当業者によって、理解されるであろう。
【0076】
本明細書に記載するものの変形、修正、および他の実装は、請求される本発明の精神および範囲から逸脱することなく当業者が容易に想到する。したがって、本発明は、前述の例示的説明によって規定されず、代わりに、以下の請求項の精神および範囲によって規定される。
【0077】
特許請求の範囲は以下の通りである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを使用して、脈管の内腔におけるステントに関する位置情報および他の情報を生成するための方法であって、該方法は、
少なくとも1つのステントを含む試料のOCT走査に応答して、光コヒーレンス画像データセットを生成するステップと、
該ステントの位置に関連する該画像データセットにおける少なくとも1つの1次元ローカルキューを識別するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記1次元ローカルキューは、前記光コヒーレンス画像データセットの強度プロファイルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1次元ローカルキューは、前記光コヒーレンス画像データセットにおける陰影プロファイルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1次元ローカルキューは、前記光コヒーレンス画像データセットおけるストラット線様形状である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記光コヒーレンス画像データセットにおいて前記内腔境界を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1次元ローカルキューは、前記光コヒーレンス画像データセットにおける陰影プロファイルであり、前記方法は、
該光コヒーレンス画像データセットにおいて前記内腔境界の下の深度を規定するステップと、
前記光コヒーレンス画像データセットに対する強度プロファイルを形成するために、該画像データセットにおける、該内腔境界と該内腔境界の下の前記深度との間において該光コヒーレンス画像データセットにおける各垂直走査の平均強度を決定するステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、エッジ検出器を使用して前記陰影プロファイルを決定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、リッジ検出器を使用して前記陰影プロファイルを決定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、リッジ検出器を使用して、前記ストラット線様形状を決定することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記光コヒーレンス画像データセットにおいて2次元ローカルキューを識別することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
2次元ローカルキューは、検出されたステント点の楕円分布に対する曲線適合を計算する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記楕円分布上に適合しない検出されたステント点を除去するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記画像データセットにおいて少なくとも1つの3次元ローカルキューを識別するステップと、
該少なくとも1つの3次元ローカルキューを使用して、修正された画像データセットを生成するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
3Dストラットを検出するために、線検出器を使用するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
脈管の内腔におけるステント位置を測定するための方法であって、
検出されたステント部分から内腔エッジまでの距離を測定するステップと、
該検出されたステント位置から該内腔エッジまでの距離に応答して、ステント不完全密着、内膜被覆、または再狭窄データのうちの1つ以上を計算するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
OCT画像データセットから生成されるステント関連測定データを表示するための方法であって、
脈管の内腔におけるステントの位置に関するOCTデータを収集するステップと、
ステントの画像に関連する画像データセットを生成するために該OCTデータを分析するステップと、
該画像データセットを2次元表面マップに表示するステップと、
記号を使用して該表示された表面マップ上に測定を重ねるステップと
を含む、方法。
【請求項17】
収集されたOCT画像データセットにおける動きアーチファクト除去のための方法であって、
該画像データセットにおけるストラット画像データの周期性を位置付けるためにOCT画像データを調査するステップと、
該画像データセットにおけるストラット画像データの周期性を修復するために関数を適用するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
OCT画像データ収集中に血管造影法を使用するステップと、
前記カテーテルが配置される内腔内におけるOCTカテーテル移動の相対速度を決定するステップと、
カテーテル速度に応答して、前記ストラット画像データの周期性を格納するステップと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
脈管の内腔におけるステントに関する位置情報および他の情報を生成するためのコンピュータシステムであって、該コンピュータシステムは、
電子メモリ機器と、
該メモリ機器と通信する電子プロセッサと
を備え、該メモリ機器は命令を備え、該命令は、該プロセッサによって実行されたとき、
少なくとも1つのステントを含む試料のOCT走査に応答して、光コヒーレンス画像データセットを生成することと、
該ステントの該位置に関連する該画像データセットにおける複数のローカルキューを識別することと
を該プロセッサに行わせる、コンピュータシステム。
【請求項20】
前記複数のローカルキューのうちの少なくとも1つは、1次元キュー、2次元キュー、3次元キュー、強度プロファイル、陰影プロファイル、ストラット線様形状、リッジ、エッジ、および谷から成る群より選択される、請求項19に記載のコンピュータシステム。
【請求項1】
コンピュータを使用して、脈管の内腔におけるステントに関する位置情報および他の情報を生成するための方法であって、該方法は、
少なくとも1つのステントを含む試料のOCT走査に応答して、光コヒーレンス画像データセットを生成するステップと、
該ステントの位置に関連する該画像データセットにおける少なくとも1つの1次元ローカルキューを識別するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記1次元ローカルキューは、前記光コヒーレンス画像データセットの強度プロファイルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1次元ローカルキューは、前記光コヒーレンス画像データセットにおける陰影プロファイルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記1次元ローカルキューは、前記光コヒーレンス画像データセットおけるストラット線様形状である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記光コヒーレンス画像データセットにおいて前記内腔境界を決定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1次元ローカルキューは、前記光コヒーレンス画像データセットにおける陰影プロファイルであり、前記方法は、
該光コヒーレンス画像データセットにおいて前記内腔境界の下の深度を規定するステップと、
前記光コヒーレンス画像データセットに対する強度プロファイルを形成するために、該画像データセットにおける、該内腔境界と該内腔境界の下の前記深度との間において該光コヒーレンス画像データセットにおける各垂直走査の平均強度を決定するステップと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、エッジ検出器を使用して前記陰影プロファイルを決定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、リッジ検出器を使用して前記陰影プロファイルを決定することをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、リッジ検出器を使用して、前記ストラット線様形状を決定することをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記光コヒーレンス画像データセットにおいて2次元ローカルキューを識別することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
2次元ローカルキューは、検出されたステント点の楕円分布に対する曲線適合を計算する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記楕円分布上に適合しない検出されたステント点を除去するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記画像データセットにおいて少なくとも1つの3次元ローカルキューを識別するステップと、
該少なくとも1つの3次元ローカルキューを使用して、修正された画像データセットを生成するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
3Dストラットを検出するために、線検出器を使用するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
脈管の内腔におけるステント位置を測定するための方法であって、
検出されたステント部分から内腔エッジまでの距離を測定するステップと、
該検出されたステント位置から該内腔エッジまでの距離に応答して、ステント不完全密着、内膜被覆、または再狭窄データのうちの1つ以上を計算するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
OCT画像データセットから生成されるステント関連測定データを表示するための方法であって、
脈管の内腔におけるステントの位置に関するOCTデータを収集するステップと、
ステントの画像に関連する画像データセットを生成するために該OCTデータを分析するステップと、
該画像データセットを2次元表面マップに表示するステップと、
記号を使用して該表示された表面マップ上に測定を重ねるステップと
を含む、方法。
【請求項17】
収集されたOCT画像データセットにおける動きアーチファクト除去のための方法であって、
該画像データセットにおけるストラット画像データの周期性を位置付けるためにOCT画像データを調査するステップと、
該画像データセットにおけるストラット画像データの周期性を修復するために関数を適用するステップと
を含む、方法。
【請求項18】
OCT画像データ収集中に血管造影法を使用するステップと、
前記カテーテルが配置される内腔内におけるOCTカテーテル移動の相対速度を決定するステップと、
カテーテル速度に応答して、前記ストラット画像データの周期性を格納するステップと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
脈管の内腔におけるステントに関する位置情報および他の情報を生成するためのコンピュータシステムであって、該コンピュータシステムは、
電子メモリ機器と、
該メモリ機器と通信する電子プロセッサと
を備え、該メモリ機器は命令を備え、該命令は、該プロセッサによって実行されたとき、
少なくとも1つのステントを含む試料のOCT走査に応答して、光コヒーレンス画像データセットを生成することと、
該ステントの該位置に関連する該画像データセットにおける複数のローカルキューを識別することと
を該プロセッサに行わせる、コンピュータシステム。
【請求項20】
前記複数のローカルキューのうちの少なくとも1つは、1次元キュー、2次元キュー、3次元キュー、強度プロファイル、陰影プロファイル、ストラット線様形状、リッジ、エッジ、および谷から成る群より選択される、請求項19に記載のコンピュータシステム。
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図2】
【図7】
【図10A】
【図17】
【図18】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図2】
【図7】
【図10A】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2012−505669(P2012−505669A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−531266(P2011−531266)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/060714
【国際公開番号】WO2010/045386
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
2.Bluetooth
【出願人】(509128672)ライトラブ イメージング, インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【国際出願番号】PCT/US2009/060714
【国際公開番号】WO2010/045386
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FLASH
2.Bluetooth
【出願人】(509128672)ライトラブ イメージング, インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】
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