光ジャンパユニット
【課題】本発明の課題は、ジャンパ用光ファイバコードが曲げ損失特性に優れ引っ掛け等による通信遮断を回避可能である光ジャンパユニットを提供することにある。
【解決手段】本発明は、ケース31内に設けられ、ケース31外部から光接続可能にして設けられた第1のコネクタ23と、ケース31内に設けられ、第1のコネクタ23に光ファイバ34を介して合波側が接続された信号を合分波する光スプリッタ24と、光スプリッタ24の分波側にそれぞれ一端が接続され、他端に第2のコネクタ32が接続された単心の光ファイバコード31とよりなる光ジャンパユニットにおいて、光ファイバコード31として、ホールアシストファイバよりなる光ファイバコードを用いることを特徴とする。
【解決手段】本発明は、ケース31内に設けられ、ケース31外部から光接続可能にして設けられた第1のコネクタ23と、ケース31内に設けられ、第1のコネクタ23に光ファイバ34を介して合波側が接続された信号を合分波する光スプリッタ24と、光スプリッタ24の分波側にそれぞれ一端が接続され、他端に第2のコネクタ32が接続された単心の光ファイバコード31とよりなる光ジャンパユニットにおいて、光ファイバコード31として、ホールアシストファイバよりなる光ファイバコードを用いることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば通信会社の所内光配線設備(所内配線架)に設けられる高密度化/高信頼化した光ジャンパユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2010年2000万光アクセスの実現を背景とした光アクセスサービスの急速な普及により、光サービスの大量開通時代を迎え、それに伴い所内光設備は急激に増加している(例えば、非特許文献1,2参照。)。次世代の所内光設備では、増加する光設備を限られたスペースで収容することが予想されるため、従来以上に高密度化による省スペース化が求められる可能性がある。しかし、高密度化が進むと光コードや光ケーブル等が輻輳し、保守・管理が困難となることが懸念される。そのため次世代の所内光設備では、高密度化に対応した安全性と確実性を兼ね備えた所内光配線及び管理技術への要請がある(例えば、非特許文献1〜7参照。)。
【0003】
図2は従来の所内光配線設備を示す構成説明図である。図2において、11は通信会社ビル、12は所内光ケーブル、13は識別タグ、14は所外光ケーブル、OLT(Optical Line Terminal)は伝送装置、IDM−A,IDM−B(IDM: Integrated Distribution Module)は専用配線架である。
【0004】
すなわち、通信会社ビル11の所内光配線設備は、IPサービス等を提供する伝送装置OLTに所内光ケーブル12及び識別タグ13を介して専用配線架IDM−Bが接続され、専用配線架IDM−Bは所内光ケーブル12及び識別タグ13を介して専用配線架IDM−Aに接続される。専用配線架IDM−Aには顧客宅15が接続される。この場合、所外の顧客宅15側と伝送装置OLT側でそれぞれ専用架IDM−A,IDM−Bを設置し機能分割することで効率的な光配線収容を実現している(例えば、非特許文献3〜6参照。)。
【0005】
このように、現在の所内光配線は高効率運用・作業性の平易化を目的に熟慮された構成となっている。しかし、次世代の所内光配線設備ではさらに高密度化が求められることが予想されるため、光配線の際発生しうる課題として、新設・廃止等の作業時に、誤って光コードおよび光ケーブルを引っ掛けて曲げ損失を増加させてしまい、通信遮断する可能性がある。特にジャンパ作業は作業頻度が非常に高いため上記の課題が発生しやすく、光ジャンパユニットの一部であるジャンパ用光ファイバコードに高い信頼性が期待される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】H. Shinohara, “Overview of Japanese FTTH market and NTT’s strategies for entering full−scale FTTH era,” presented at the 32nd European Conference on Optical Communication, Cannes, France September 24−28, 2006.
【非特許文献2】O. Yamauchi, “Trends in optical access network technologies toward ‘30 million optical subscribers by 2010’,” NTT Technical Review 4, 21−28 (2006).
【非特許文献3】M Tachikura, K Mine, H Izumita, S Uruno, M. Nkamura,” Newly developed optical fiber distribution system and cable management in central office,” Proc. 50th IWCS, pp. 98−105.
【非特許文献4】宇留野重則, 泉田史, 中村稔,”所内光配線マネジメントシステムにおける経済化MUコネクタ技術,” NTT技術ジャーナル, vol. 15, no. 10, pp. 12−15, 2003
【非特許文献5】宇留野重則,立蔵正男,泉田史,峰恒司,富田信夫“所内光配線マネジメントシステムにおける統合配線モジュール(IDMの設計”,信学総大, B−10−25, 2000
【非特許文献6】Koji Mine, Yoshitaka Enomoto, Hisashi Izumita, M. Tachikura, N. Tomita, J. Yamaguchi, K. Sasakura and K. Kaneko,”Automatic Cross−connecting Fiber Termination Module,” APCC/OECC’99, vol. 1, pp. 267−269, 1999
【非特許文献7】水上雅人, 牧原光宏, 稲垣秀一郎, 笹倉久仁 “自動光配線切替装置の開発”, NTT技術ジャーナル, vol. 16, no.9, pp. 43−46, 2004.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたもので、ジャンパ用光ファイバコードに曲げ損失特性に優れ引っ掛け等による通信遮断を回避可能であることに加え、既存設備への親和性、既存設備と同等の基本特性・経済性・収納性を実現する光ジャンパユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため本発明の光ジャンパユニットは、ケース内に設けられ、ケース外部から光接続可能にして設けられた第1のコネクタと、前記第1のコネクタにそれぞれ一端が接続され、他端に第2のコネクタが接続された単心の光ファイバコードとよりなる光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、ホールアシストファイバ(HAF)よりなる光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【0009】
また本発明の光ジャンパユニットは、ケース内に設けられ、ケース外部から光接続可能にして設けられた第1のコネクタと、前記ケース内に設けられ、前記第1のコネクタに光ファイバを介して合波側が接続された信号を合分波する光スプリッタと、前記光スプリッタの分波側にそれぞれ一端が接続され、他端に第2のコネクタが接続された単心の光ファイバコードとよりなる光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、ホールアシストファイバよりなる光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明は、前記光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバ及び前記第1のコネクタがシングルモード伝搬特性を有することを特徴とするものである。
【0011】
また本発明は、前記光ジャンパユニットおいて、前記光ファイバコードの一端側の接続部及び前記光スプリッタの分波側のシングルモードファイバ(SMF)接続部がリボナイズ化されて多芯で一括融着接続されていることを特徴とするものである。
【0012】
また本発明は、前記光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、直径が1.1mm以下で、他端にMUコネクタが接続されている光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明は、前記光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードの他端に接続された第2のコネクタのフェルールの内部でホールアシストファイバにシングルモードファイバが接続されていることを特徴とするものである。
【0014】
また本発明は、前記光ジャンパユニットおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバ素線のコート層と光ファイバ心線のオーバーコート層の間に被覆除去を容易にする着色層がある光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【0015】
また本発明は、前記光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバコードの判別を可能にするため、光ファイバコードの外被覆に縞模様の装飾が施されている光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【0016】
また本発明は、前記光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバコードの判別を可能にするため、光ファイバコードもしくはコネクタに識別可能にするタグが具備されている光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光ジャンパユニットは、ジャンパ用光ファイバコードの素線にホールアシストファイバを採用することで、曲げ損失特性を大幅に向上し、配線作業時の信頼性を大幅に向上させることが可能である。またコード径が細径化されており、高密度の光配線収容が可能であり、さらにMUコネクタを用いるため、既存設備との親和性が非常に高い。さらにリボナイズ化が可能であり、光ジャンパユニット内で光配線されているシングルモードファイバと多芯一括融着が可能であり、収容性および経済性に大きく寄与する。また光ファイバコードのコネクタは、シングルモードファイバとの融着接続を行い空孔封止するという手法を用いる事で、作業の平易化および経済化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る光ジャンパユニットを示す構成説明図である。
【図2】従来の所内光配線形態を示す構成説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る曲げ損失の曲げ半径依存性を示す特性図である。
【図4】(a)は本発明の実施形態に係る1架あたりの収容可能心線数のコード外径依存性を示す特性図であり、(b)は本発明の実施形態に係るジャンパコード1回あたりの作業時間のコード外径依存性を示す特性図である。
【図5】本発明の実施形態に係るHAF用いた光ファイバコードの空孔の封止プロセスとコネクタ化プロセスを示す構成説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る接続損失と空孔封止部の機械敵強度の空孔封止距離依存性を示す特性図である。
【図7】(a)は本発明の実施形態に係る接続損失のヒストグラムを示す特性図であり、(b)は本発明の実施形態に係る反射損失のヒストグラムを示す特性図である。
【図8】本発明の実施形態に係る着色層を有した光ファイバコードを示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る被覆除去の歩留まりの着色層の厚さ依存性を示す特性図である。
【図10】本発明の実施形態に係る高次モードの比率のSMFのファイバ長依存性を示す特性図である。
【図11】本発明の実施形態に係る光ファイバコードの外被覆に縞模様を施したり、タグを設置した場合を示す構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る光ジャンパユニットを示す構成説明図である。図1において、21は光ジャンパユニットのケース、22はIPサービス等を提供する伝送装置(OLT)、23は第1のコネクタ、24は信号を合分波する4分岐光スプリッタ(×2)、25は0.25mmファイバ素線、26はリボナイズ部、27は8心一括融着部、281は0.125mmファイバ(通常SMF)、282は0.125mmファイバ(HAF)、29は0.25mmファイバ素線、30は0.5mmファイバ心線、31は単心の1.1mm光ファイバコード、32はMUコネクタ、33は光加入者線ネットワーク装置(ONU:Optical Network Unit)、34は光ファイバである。
【0020】
図1において、光ジャンパユニットのケース21内に設けられた第1のコネクタ23にはケース21外の伝送装置(OLT)22が光接続される。ケース21内において、第1のコネクタ23には光スプリッタ24の合波側が光ファイバ34を介して接続される。リボナイズ部26の8心一括融着部27において、光スプリッタ24の分波側ファイバ素線25のファイバ281にはファイバ素線29のファイバ282の一端が8心一括融着接続される。
【0021】
光ファイバコード31の外被覆及びケブラを除去してファイバ心線30が形成され、ファイバ心線30のオーバーコート層を除去してファイバ素線29が形成され、ファイバ素線29のコート層を除去してファイバ(HAF)282が形成される。光ファイバコード31の他端にはMUコネクタ32が接続され、MUコネクタ32には光加入者線ネットワークを介してONU33が接続される。
【0022】
第1のコネクタ23及び光ファイバ34はシングルモード伝搬特性を有するように構成することができる。
【0023】
すなわち、光ジャンパユニットは、ホールアシストファイバ(HAF)を用いた光ファイバコード、リボナイズ部および多芯一括融着部、4分岐スプリッタ、MUコネクタより構成されている。
【0024】
なお、リボナイズ化と多芯一括融着する過程をより詳細に説明すると、最初に光ファイバコードの外被覆およびケブラを所定量剥いだ後、0.5mmφの心線のオーバーコート層の被覆除去を行い、0.25mmφの素線の状態にする。このような処理を施された光ファイバコードを複数用意し、素線部分を平行に並べてリボナイズ化を行う。次にシングルモードファイバも光ファイバコードと同数を用意し同じくリボナイズ化を行う。さらに光ファイバコードおよびシングルモードファイバのリボナイズ化された素線の一部の被覆を除去して0.125mmφにした後、多芯(たとえば8心)を一括して融着を行う。
【0025】
図3にHAFを用いた光ファイバコードにおける曲げ損失の曲げ半径依存性(1.55μm,10巻き時)を示す。図3から分かるようシングルモードファイバ(SMF)では曲げ半径が10mm以下になると急激に曲げ損失が増加するが、HAFでは曲げ半径が3mmであっても殆ど曲げ損失は発生しない。
【0026】
図4(a)に1架あたりの収容可能心線数の光ファイバコード径依存性を示す。図4(a)から分かるように1.1mmφのコード径にすることで4000芯を収容可能である。図4(b)にジャンパ作業1回あたり(新設と廃止の合計時間)の作業時間のコード径依存性を示す。収容心線数は図4(a)に準ずる。図4(b)から分かるようにコード径が1.0mmφまで殆ど作業時間に変化はないがそれより小さくなると急激に作業時間が増加する。そのため高密度配線と作業時間を両立するためには1.0mmφ付近のコードを用いることが望ましい。本実施形態例では現在のシステムで採用されている1.1mmφコードを採用した。
【0027】
図5にHAFの空孔封止プロセスとコネクタ化プロセスを示す。最初にHAFの光ファイバコード31の空孔を封止するためシングルモードファイバ(SMF)を融着接続する([1])。その後余分なシングルモードファイバ(SMF)を切断する([2])。次にフェルール41に装着し([3])、フェルール端面の研磨([4])を実施する。さらにコネクタハウジング42を取り付け完成となる([5])。すなわち、光ジャンパユニットの光ファイバコードは、第2のコネクタのフェルール41の内部において、ホールアシストファイバが空孔封止するために微小のシングルモードファイバと接続され、コネクタ化されている。
【0028】
図6に接続損失および空孔封止部の機械的強度の空孔封止距離依存性を示す。接続損失は封止距離(空孔が封止されている部分のコネクタ端面からの距離)が10mm程度まで単調な増加傾向にある。一方機械強度は封止距離に対して急激に増加し、0.1mm付近で飽和し始め、3mmで完全に飽和する。したがって接続損失と機械的強度を両立するためには0.1〜3mm程度の封止距離にするのが望ましい。
【0029】
図7(a),(b)に封止距離1mm時のMUコネクタの接続損失と反射損失のヒストグラムを示す。測定波長は1.55μmであった。いずれのコネクタも接続損失0.5dB以下、反射損失:50dB以上を実現しており、システムの要求条件(接続損失:0.5dB以下、反射損失:35dB以上)を十分満たしている。また本プロセスにおいて研磨作業にかかる時間・コストが大部分を占めるため、空孔封止の作業時間および作業コストは皆無に等しい。したがって本実施形態の光ファイバコードの製造コストが従来の光ファイバコードと同じであるならば、ほぼ同コストでコネクタ付の光ファイバコードを実現できる。
【0030】
図8は本発明の実施形態に係る着色層を有した光ファイバコードを示す断面図である。図8において、51はコア、52はホールアシストファイバ(φ125mm)、53は空孔、54は光ファイバ素線のコート層(φ250mm)、55は着色層(厚さ7μm)、56はオーバーコート層(φ500mm)である。すなわち、リボナイズ化は、図1に示すように0.5mmφの心線のオーバーコート層を被覆除去して0.25mmφの光ファイバ素線にする。しかしながら、オーバーコート層と光ファイバ素線のコート層が密着しているため、被覆除去が困難である。そこで本実施形態では被覆除去を容易にするため上記2つのコート層の間に着色層55を設置した。尚、図8ではオーバーコート層の外周に設けられるケブラ及び外被覆は省略している。
【0031】
図9に着色層を設置し、1回で100mm被覆除去を行った場合における被覆除去の歩留まりの着色層の厚さ依存性を示す。図9から分かるように着色層の厚さが3〜20μmの間で被覆除去の高い歩留まりを得られる。したがって、着色層の厚さを3〜20μmにするのが望ましい。着色剤の材料としては、光重合開始剤、モノマー、オリゴマー、顔料等がある。
【0032】
リボナイズ化した光ファイバコードは、光ジャンパユニット内に搭載される光スプリッタから伸びており同じく多芯でリボナイズ化されたシングルモードファイバと多芯一括融着される。しかしながらHAFとシングルモードファイバは各種伝搬モードの励振条件が異なるため、2つのファイバの接続部付近でモード変換を起こして高次モードが励振される可能性がある(高次モードの発生は伝送特性の劣化要因となる)。しかしながら励振された高次モードはシングルモードファイバを伝搬中に外部へ放射される場合がある。
【0033】
図10はHAF側からシングルモードファイバへ伝搬時において励振される高次モードの比率のSMFのファイバ長依存性を表している。図10から分かるように3cm以上で高次モードの比率が大幅に減少する。光ジャンパユニットに搭載可能なファイバ長は80cmであるので、シングルモードファイバの長さを3〜80cmの間にするのが望ましい。上記のような構成により、省スペース化と多芯一括融着による作業時間の短縮等により、高い収容性と経済化が可能となる。
【0034】
図11に光ファイバコードの外被覆の装飾の例を示す。HAFを用いた新たな光ファイバコードが追加されると従来の光ファイバコードとの瞬時の判別が必要になるため、判別を容易にする装飾が望ましい。現在の設備では黒以外の1色で色がつけられていることが多いので、本実施形態では図11のように光ファイバコードの外被覆に黒の縞模様(3cm)61の装飾を施して判別を容易にする。黒色は心線対照時の漏洩光が吸収されやすいという問題があることや光ファイバコードの外被覆に黒等で印字をする場合があることを考慮すると縞模様の間隔を3cm以上にするのが適切である。現在市販されている一般的な心線対照器の読み取り部の幅が3cm程度であるので、本実施形態では適切な例として縞模様の間隔を3cm以上とした。しかしながら、今後心線対照器の読み取り部の幅や読み取りに必要なコード長が変更になることも考えられるため、適切な縞模様の間隔もそれにあわせて変更されることは言うまでもない。
【0035】
また図11に示すように、識別情報を添付したタグ62をMUコネクタ32もしく光ファイバコード31に装備することでも光ファイバコード31の判別を容易にすることができる。
【0036】
なお、本実施形態では4分岐光スプリッタの光ジャンパユニット示したが、その他の分岐比の光スプリッタを用いた光ジャンパユニットでも本発明を適用できることは言うまでもない。また光スプリッタを搭載しない場合においても適用可能で同様の効果を得ることが可能である。また図3〜図7、図9、図10の特性は一例であり、本発明の適用範囲はこの範囲に限定されるものではない。
【0037】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0038】
21…光ジャンパユニットのケース、22…IPサービス等を提供する伝送装置(OLT)、23…第1のコネクタ、24…信号を合分波する4分岐光スプリッタ(×2)、25…0.25mmファイバ素線、26…リボナイズ部、27…8心一括融着部、281…0.125mmファイバ(通常SMF)、282…0.125mmファイバ(HAF)、29…0.25mmファイバ素線、30…0.5mmファイバ心線、31…単心の1.1mm光ファイバコード、32…MUコネクタ、33…光加入者線ネットワーク装置(ONU)、34…光ファイバ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば通信会社の所内光配線設備(所内配線架)に設けられる高密度化/高信頼化した光ジャンパユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2010年2000万光アクセスの実現を背景とした光アクセスサービスの急速な普及により、光サービスの大量開通時代を迎え、それに伴い所内光設備は急激に増加している(例えば、非特許文献1,2参照。)。次世代の所内光設備では、増加する光設備を限られたスペースで収容することが予想されるため、従来以上に高密度化による省スペース化が求められる可能性がある。しかし、高密度化が進むと光コードや光ケーブル等が輻輳し、保守・管理が困難となることが懸念される。そのため次世代の所内光設備では、高密度化に対応した安全性と確実性を兼ね備えた所内光配線及び管理技術への要請がある(例えば、非特許文献1〜7参照。)。
【0003】
図2は従来の所内光配線設備を示す構成説明図である。図2において、11は通信会社ビル、12は所内光ケーブル、13は識別タグ、14は所外光ケーブル、OLT(Optical Line Terminal)は伝送装置、IDM−A,IDM−B(IDM: Integrated Distribution Module)は専用配線架である。
【0004】
すなわち、通信会社ビル11の所内光配線設備は、IPサービス等を提供する伝送装置OLTに所内光ケーブル12及び識別タグ13を介して専用配線架IDM−Bが接続され、専用配線架IDM−Bは所内光ケーブル12及び識別タグ13を介して専用配線架IDM−Aに接続される。専用配線架IDM−Aには顧客宅15が接続される。この場合、所外の顧客宅15側と伝送装置OLT側でそれぞれ専用架IDM−A,IDM−Bを設置し機能分割することで効率的な光配線収容を実現している(例えば、非特許文献3〜6参照。)。
【0005】
このように、現在の所内光配線は高効率運用・作業性の平易化を目的に熟慮された構成となっている。しかし、次世代の所内光配線設備ではさらに高密度化が求められることが予想されるため、光配線の際発生しうる課題として、新設・廃止等の作業時に、誤って光コードおよび光ケーブルを引っ掛けて曲げ損失を増加させてしまい、通信遮断する可能性がある。特にジャンパ作業は作業頻度が非常に高いため上記の課題が発生しやすく、光ジャンパユニットの一部であるジャンパ用光ファイバコードに高い信頼性が期待される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】H. Shinohara, “Overview of Japanese FTTH market and NTT’s strategies for entering full−scale FTTH era,” presented at the 32nd European Conference on Optical Communication, Cannes, France September 24−28, 2006.
【非特許文献2】O. Yamauchi, “Trends in optical access network technologies toward ‘30 million optical subscribers by 2010’,” NTT Technical Review 4, 21−28 (2006).
【非特許文献3】M Tachikura, K Mine, H Izumita, S Uruno, M. Nkamura,” Newly developed optical fiber distribution system and cable management in central office,” Proc. 50th IWCS, pp. 98−105.
【非特許文献4】宇留野重則, 泉田史, 中村稔,”所内光配線マネジメントシステムにおける経済化MUコネクタ技術,” NTT技術ジャーナル, vol. 15, no. 10, pp. 12−15, 2003
【非特許文献5】宇留野重則,立蔵正男,泉田史,峰恒司,富田信夫“所内光配線マネジメントシステムにおける統合配線モジュール(IDMの設計”,信学総大, B−10−25, 2000
【非特許文献6】Koji Mine, Yoshitaka Enomoto, Hisashi Izumita, M. Tachikura, N. Tomita, J. Yamaguchi, K. Sasakura and K. Kaneko,”Automatic Cross−connecting Fiber Termination Module,” APCC/OECC’99, vol. 1, pp. 267−269, 1999
【非特許文献7】水上雅人, 牧原光宏, 稲垣秀一郎, 笹倉久仁 “自動光配線切替装置の開発”, NTT技術ジャーナル, vol. 16, no.9, pp. 43−46, 2004.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたもので、ジャンパ用光ファイバコードに曲げ損失特性に優れ引っ掛け等による通信遮断を回避可能であることに加え、既存設備への親和性、既存設備と同等の基本特性・経済性・収納性を実現する光ジャンパユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため本発明の光ジャンパユニットは、ケース内に設けられ、ケース外部から光接続可能にして設けられた第1のコネクタと、前記第1のコネクタにそれぞれ一端が接続され、他端に第2のコネクタが接続された単心の光ファイバコードとよりなる光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、ホールアシストファイバ(HAF)よりなる光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【0009】
また本発明の光ジャンパユニットは、ケース内に設けられ、ケース外部から光接続可能にして設けられた第1のコネクタと、前記ケース内に設けられ、前記第1のコネクタに光ファイバを介して合波側が接続された信号を合分波する光スプリッタと、前記光スプリッタの分波側にそれぞれ一端が接続され、他端に第2のコネクタが接続された単心の光ファイバコードとよりなる光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、ホールアシストファイバよりなる光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【0010】
また本発明は、前記光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバ及び前記第1のコネクタがシングルモード伝搬特性を有することを特徴とするものである。
【0011】
また本発明は、前記光ジャンパユニットおいて、前記光ファイバコードの一端側の接続部及び前記光スプリッタの分波側のシングルモードファイバ(SMF)接続部がリボナイズ化されて多芯で一括融着接続されていることを特徴とするものである。
【0012】
また本発明は、前記光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、直径が1.1mm以下で、他端にMUコネクタが接続されている光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【0013】
また本発明は、前記光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードの他端に接続された第2のコネクタのフェルールの内部でホールアシストファイバにシングルモードファイバが接続されていることを特徴とするものである。
【0014】
また本発明は、前記光ジャンパユニットおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバ素線のコート層と光ファイバ心線のオーバーコート層の間に被覆除去を容易にする着色層がある光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【0015】
また本発明は、前記光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバコードの判別を可能にするため、光ファイバコードの外被覆に縞模様の装飾が施されている光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【0016】
また本発明は、前記光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバコードの判別を可能にするため、光ファイバコードもしくはコネクタに識別可能にするタグが具備されている光ファイバコードを用いることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の光ジャンパユニットは、ジャンパ用光ファイバコードの素線にホールアシストファイバを採用することで、曲げ損失特性を大幅に向上し、配線作業時の信頼性を大幅に向上させることが可能である。またコード径が細径化されており、高密度の光配線収容が可能であり、さらにMUコネクタを用いるため、既存設備との親和性が非常に高い。さらにリボナイズ化が可能であり、光ジャンパユニット内で光配線されているシングルモードファイバと多芯一括融着が可能であり、収容性および経済性に大きく寄与する。また光ファイバコードのコネクタは、シングルモードファイバとの融着接続を行い空孔封止するという手法を用いる事で、作業の平易化および経済化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に係る光ジャンパユニットを示す構成説明図である。
【図2】従来の所内光配線形態を示す構成説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る曲げ損失の曲げ半径依存性を示す特性図である。
【図4】(a)は本発明の実施形態に係る1架あたりの収容可能心線数のコード外径依存性を示す特性図であり、(b)は本発明の実施形態に係るジャンパコード1回あたりの作業時間のコード外径依存性を示す特性図である。
【図5】本発明の実施形態に係るHAF用いた光ファイバコードの空孔の封止プロセスとコネクタ化プロセスを示す構成説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る接続損失と空孔封止部の機械敵強度の空孔封止距離依存性を示す特性図である。
【図7】(a)は本発明の実施形態に係る接続損失のヒストグラムを示す特性図であり、(b)は本発明の実施形態に係る反射損失のヒストグラムを示す特性図である。
【図8】本発明の実施形態に係る着色層を有した光ファイバコードを示す断面図である。
【図9】本発明の実施形態に係る被覆除去の歩留まりの着色層の厚さ依存性を示す特性図である。
【図10】本発明の実施形態に係る高次モードの比率のSMFのファイバ長依存性を示す特性図である。
【図11】本発明の実施形態に係る光ファイバコードの外被覆に縞模様を施したり、タグを設置した場合を示す構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る光ジャンパユニットを示す構成説明図である。図1において、21は光ジャンパユニットのケース、22はIPサービス等を提供する伝送装置(OLT)、23は第1のコネクタ、24は信号を合分波する4分岐光スプリッタ(×2)、25は0.25mmファイバ素線、26はリボナイズ部、27は8心一括融着部、281は0.125mmファイバ(通常SMF)、282は0.125mmファイバ(HAF)、29は0.25mmファイバ素線、30は0.5mmファイバ心線、31は単心の1.1mm光ファイバコード、32はMUコネクタ、33は光加入者線ネットワーク装置(ONU:Optical Network Unit)、34は光ファイバである。
【0020】
図1において、光ジャンパユニットのケース21内に設けられた第1のコネクタ23にはケース21外の伝送装置(OLT)22が光接続される。ケース21内において、第1のコネクタ23には光スプリッタ24の合波側が光ファイバ34を介して接続される。リボナイズ部26の8心一括融着部27において、光スプリッタ24の分波側ファイバ素線25のファイバ281にはファイバ素線29のファイバ282の一端が8心一括融着接続される。
【0021】
光ファイバコード31の外被覆及びケブラを除去してファイバ心線30が形成され、ファイバ心線30のオーバーコート層を除去してファイバ素線29が形成され、ファイバ素線29のコート層を除去してファイバ(HAF)282が形成される。光ファイバコード31の他端にはMUコネクタ32が接続され、MUコネクタ32には光加入者線ネットワークを介してONU33が接続される。
【0022】
第1のコネクタ23及び光ファイバ34はシングルモード伝搬特性を有するように構成することができる。
【0023】
すなわち、光ジャンパユニットは、ホールアシストファイバ(HAF)を用いた光ファイバコード、リボナイズ部および多芯一括融着部、4分岐スプリッタ、MUコネクタより構成されている。
【0024】
なお、リボナイズ化と多芯一括融着する過程をより詳細に説明すると、最初に光ファイバコードの外被覆およびケブラを所定量剥いだ後、0.5mmφの心線のオーバーコート層の被覆除去を行い、0.25mmφの素線の状態にする。このような処理を施された光ファイバコードを複数用意し、素線部分を平行に並べてリボナイズ化を行う。次にシングルモードファイバも光ファイバコードと同数を用意し同じくリボナイズ化を行う。さらに光ファイバコードおよびシングルモードファイバのリボナイズ化された素線の一部の被覆を除去して0.125mmφにした後、多芯(たとえば8心)を一括して融着を行う。
【0025】
図3にHAFを用いた光ファイバコードにおける曲げ損失の曲げ半径依存性(1.55μm,10巻き時)を示す。図3から分かるようシングルモードファイバ(SMF)では曲げ半径が10mm以下になると急激に曲げ損失が増加するが、HAFでは曲げ半径が3mmであっても殆ど曲げ損失は発生しない。
【0026】
図4(a)に1架あたりの収容可能心線数の光ファイバコード径依存性を示す。図4(a)から分かるように1.1mmφのコード径にすることで4000芯を収容可能である。図4(b)にジャンパ作業1回あたり(新設と廃止の合計時間)の作業時間のコード径依存性を示す。収容心線数は図4(a)に準ずる。図4(b)から分かるようにコード径が1.0mmφまで殆ど作業時間に変化はないがそれより小さくなると急激に作業時間が増加する。そのため高密度配線と作業時間を両立するためには1.0mmφ付近のコードを用いることが望ましい。本実施形態例では現在のシステムで採用されている1.1mmφコードを採用した。
【0027】
図5にHAFの空孔封止プロセスとコネクタ化プロセスを示す。最初にHAFの光ファイバコード31の空孔を封止するためシングルモードファイバ(SMF)を融着接続する([1])。その後余分なシングルモードファイバ(SMF)を切断する([2])。次にフェルール41に装着し([3])、フェルール端面の研磨([4])を実施する。さらにコネクタハウジング42を取り付け完成となる([5])。すなわち、光ジャンパユニットの光ファイバコードは、第2のコネクタのフェルール41の内部において、ホールアシストファイバが空孔封止するために微小のシングルモードファイバと接続され、コネクタ化されている。
【0028】
図6に接続損失および空孔封止部の機械的強度の空孔封止距離依存性を示す。接続損失は封止距離(空孔が封止されている部分のコネクタ端面からの距離)が10mm程度まで単調な増加傾向にある。一方機械強度は封止距離に対して急激に増加し、0.1mm付近で飽和し始め、3mmで完全に飽和する。したがって接続損失と機械的強度を両立するためには0.1〜3mm程度の封止距離にするのが望ましい。
【0029】
図7(a),(b)に封止距離1mm時のMUコネクタの接続損失と反射損失のヒストグラムを示す。測定波長は1.55μmであった。いずれのコネクタも接続損失0.5dB以下、反射損失:50dB以上を実現しており、システムの要求条件(接続損失:0.5dB以下、反射損失:35dB以上)を十分満たしている。また本プロセスにおいて研磨作業にかかる時間・コストが大部分を占めるため、空孔封止の作業時間および作業コストは皆無に等しい。したがって本実施形態の光ファイバコードの製造コストが従来の光ファイバコードと同じであるならば、ほぼ同コストでコネクタ付の光ファイバコードを実現できる。
【0030】
図8は本発明の実施形態に係る着色層を有した光ファイバコードを示す断面図である。図8において、51はコア、52はホールアシストファイバ(φ125mm)、53は空孔、54は光ファイバ素線のコート層(φ250mm)、55は着色層(厚さ7μm)、56はオーバーコート層(φ500mm)である。すなわち、リボナイズ化は、図1に示すように0.5mmφの心線のオーバーコート層を被覆除去して0.25mmφの光ファイバ素線にする。しかしながら、オーバーコート層と光ファイバ素線のコート層が密着しているため、被覆除去が困難である。そこで本実施形態では被覆除去を容易にするため上記2つのコート層の間に着色層55を設置した。尚、図8ではオーバーコート層の外周に設けられるケブラ及び外被覆は省略している。
【0031】
図9に着色層を設置し、1回で100mm被覆除去を行った場合における被覆除去の歩留まりの着色層の厚さ依存性を示す。図9から分かるように着色層の厚さが3〜20μmの間で被覆除去の高い歩留まりを得られる。したがって、着色層の厚さを3〜20μmにするのが望ましい。着色剤の材料としては、光重合開始剤、モノマー、オリゴマー、顔料等がある。
【0032】
リボナイズ化した光ファイバコードは、光ジャンパユニット内に搭載される光スプリッタから伸びており同じく多芯でリボナイズ化されたシングルモードファイバと多芯一括融着される。しかしながらHAFとシングルモードファイバは各種伝搬モードの励振条件が異なるため、2つのファイバの接続部付近でモード変換を起こして高次モードが励振される可能性がある(高次モードの発生は伝送特性の劣化要因となる)。しかしながら励振された高次モードはシングルモードファイバを伝搬中に外部へ放射される場合がある。
【0033】
図10はHAF側からシングルモードファイバへ伝搬時において励振される高次モードの比率のSMFのファイバ長依存性を表している。図10から分かるように3cm以上で高次モードの比率が大幅に減少する。光ジャンパユニットに搭載可能なファイバ長は80cmであるので、シングルモードファイバの長さを3〜80cmの間にするのが望ましい。上記のような構成により、省スペース化と多芯一括融着による作業時間の短縮等により、高い収容性と経済化が可能となる。
【0034】
図11に光ファイバコードの外被覆の装飾の例を示す。HAFを用いた新たな光ファイバコードが追加されると従来の光ファイバコードとの瞬時の判別が必要になるため、判別を容易にする装飾が望ましい。現在の設備では黒以外の1色で色がつけられていることが多いので、本実施形態では図11のように光ファイバコードの外被覆に黒の縞模様(3cm)61の装飾を施して判別を容易にする。黒色は心線対照時の漏洩光が吸収されやすいという問題があることや光ファイバコードの外被覆に黒等で印字をする場合があることを考慮すると縞模様の間隔を3cm以上にするのが適切である。現在市販されている一般的な心線対照器の読み取り部の幅が3cm程度であるので、本実施形態では適切な例として縞模様の間隔を3cm以上とした。しかしながら、今後心線対照器の読み取り部の幅や読み取りに必要なコード長が変更になることも考えられるため、適切な縞模様の間隔もそれにあわせて変更されることは言うまでもない。
【0035】
また図11に示すように、識別情報を添付したタグ62をMUコネクタ32もしく光ファイバコード31に装備することでも光ファイバコード31の判別を容易にすることができる。
【0036】
なお、本実施形態では4分岐光スプリッタの光ジャンパユニット示したが、その他の分岐比の光スプリッタを用いた光ジャンパユニットでも本発明を適用できることは言うまでもない。また光スプリッタを搭載しない場合においても適用可能で同様の効果を得ることが可能である。また図3〜図7、図9、図10の特性は一例であり、本発明の適用範囲はこの範囲に限定されるものではない。
【0037】
また、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0038】
21…光ジャンパユニットのケース、22…IPサービス等を提供する伝送装置(OLT)、23…第1のコネクタ、24…信号を合分波する4分岐光スプリッタ(×2)、25…0.25mmファイバ素線、26…リボナイズ部、27…8心一括融着部、281…0.125mmファイバ(通常SMF)、282…0.125mmファイバ(HAF)、29…0.25mmファイバ素線、30…0.5mmファイバ心線、31…単心の1.1mm光ファイバコード、32…MUコネクタ、33…光加入者線ネットワーク装置(ONU)、34…光ファイバ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内に設けられ、ケース外部から光接続可能にして設けられた第1のコネクタと、
前記第1のコネクタにそれぞれ一端が接続され、他端に第2のコネクタが接続された単心の光ファイバコードとよりなる光ジャンパユニットにおいて、
前記光ファイバコードとして、ホールアシストファイバよりなる光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項2】
ケース内に設けられ、ケース外部から光接続可能にして設けられた第1のコネクタと、
前記ケース内に設けられ、前記第1のコネクタに光ファイバを介して合波側が接続された信号を合分波する光スプリッタと、
前記光スプリッタの分波側にそれぞれ一端が接続され、他端に第2のコネクタが接続された単心の光ファイバコードとよりなる光ジャンパユニットにおいて、
前記光ファイバコードとして、ホールアシストファイバよりなる光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバ及び前記第1のコネクタがシングルモード伝搬特性を有することを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項4】
請求項3記載の光ジャンパユニットおいて、前記光ファイバコードの一端側の接続部と前記光スプリッタの分波側のシングルモードファイバ接続部がリボナイズ化されて多芯で一括融着接続されていることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、直径が1.1mm以下で、他端にMUコネクタが接続されている光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードの他端に接続された第2のコネクタのフェルールの内部でホールアシストファイバにシングルモードファイバが接続されていることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の光ジャンパユニットおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバ素線のコート層と光ファイバ心線のオーバーコート層の間に被覆除去を容易にする着色層がある光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバコードの判別を可能にするため、光ファイバコードの外被覆に縞模様の装飾が施されている光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかに記載の光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバコードの判別を可能にするため、光ファイバコードもしくはコネクタに識別可能にするタグが具備されている光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項1】
ケース内に設けられ、ケース外部から光接続可能にして設けられた第1のコネクタと、
前記第1のコネクタにそれぞれ一端が接続され、他端に第2のコネクタが接続された単心の光ファイバコードとよりなる光ジャンパユニットにおいて、
前記光ファイバコードとして、ホールアシストファイバよりなる光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項2】
ケース内に設けられ、ケース外部から光接続可能にして設けられた第1のコネクタと、
前記ケース内に設けられ、前記第1のコネクタに光ファイバを介して合波側が接続された信号を合分波する光スプリッタと、
前記光スプリッタの分波側にそれぞれ一端が接続され、他端に第2のコネクタが接続された単心の光ファイバコードとよりなる光ジャンパユニットにおいて、
前記光ファイバコードとして、ホールアシストファイバよりなる光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバ及び前記第1のコネクタがシングルモード伝搬特性を有することを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項4】
請求項3記載の光ジャンパユニットおいて、前記光ファイバコードの一端側の接続部と前記光スプリッタの分波側のシングルモードファイバ接続部がリボナイズ化されて多芯で一括融着接続されていることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載の光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、直径が1.1mm以下で、他端にMUコネクタが接続されている光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードの他端に接続された第2のコネクタのフェルールの内部でホールアシストファイバにシングルモードファイバが接続されていることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の光ジャンパユニットおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバ素線のコート層と光ファイバ心線のオーバーコート層の間に被覆除去を容易にする着色層がある光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバコードの判別を可能にするため、光ファイバコードの外被覆に縞模様の装飾が施されている光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【請求項9】
請求項1乃至7のいずれかに記載の光ジャンパユニットにおいて、前記光ファイバコードとして、光ファイバコードの判別を可能にするため、光ファイバコードもしくはコネクタに識別可能にするタグが具備されている光ファイバコードを用いることを特徴とする光ジャンパユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−2508(P2011−2508A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143493(P2009−143493)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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