説明

光スポット位置制御装置及び光スポット位置制御方法、並びに光ディスク記録再生装置

【課題】複数のビームスポットを高精度にオントラック状態とすることができる光スポット位置制御装置及び光スポット位置制御方法、並びに光ディスク記録再生装置を提供する。
【解決手段】直線状に配列された複数の光スポットの戻り光量をそれぞれ検出する受光部12と、受光部12で検出された少なくとも1つの光スポットのトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御するトラッキングサーボ13と、受光部12で検出された少なくとも2つの光スポットのトラッキングエラー信号の差に基づいて直線状に配列された複数の光スポットを回転させる回転角サーボ15とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク状記録媒体に複数の光スポットを照射し、情報を記録再生するための光スポット位置制御装置及び光スポット位置制御方法、並びに光ディスク記録再生装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスク記録再生装置は、通常、対物レンズによって集光された単一のスポットによって、光ディスク上に予め形成された情報トラックを照明し、信号記録、及び信号再生を行っている。情報トラックは、通常、光ディスクの最内周部から外周に向かって、又は最外周部から内周に向かってらせん状に形成されているため、光ディスク記録再生装置がトラックへの追従制御を施すことにより、信号を逐次的に書き込み、又は読み出すこととなる。
【0003】
光ディスクの読み取り、及び書き込みの情報転送レートを向上する公知の方法として、ディスクの回転速度を高める方法があるが、光ディスクの高回転化は、焦点制御やトラック制御の広帯域化を必要とし、アクチュエータ等の機構部の周波数特性の制限から、単純に広帯域化することは困難である。
【0004】
また、光ディスク再生装置の情報転送レートを向上する手法として、ディスク回転速度を高める手法の他に、複数のビームを同時に照射するマルチビームとすることで、複数トラックの情報を並列に読み取る手法があるが、リムーバブル性を前提とした光ディスクの場合、マルチビームのスポットの相対位置が固定されていると問題が生じる。例えば、内周と外周とでは曲率半径が異なるため、内周においてピット又は記録マークをトレースするようにビームスポット位置を最適化しても、各ビームスポットがピット又は記録マーク上をトレースしないことがある。
【0005】
例えば、図8(A)のように、マルチビーム位置が調整され、任意の半径にてスポットaとbとがピット列又はグルーブに対して均等に照射されている場合、スポットaによる戻り光量を2分割されたαa、βaとすると、例えば、プッシュプル法によるトラッキングエラー信号(TESa)は、(1)式のようになる。
【0006】
【数1】

【0007】
また、同様に、スポットBによる戻り光量をαb、βbとすると、プッシュプル法によるトラッキングエラー信号(TESb)は、(2)式のようになる。
【0008】
【数2】

【0009】
図8(A)に示す状態の場合、スポットaもスポットbも、ピット列又はグルーブに対して均等に照射されているので、それぞれ以下のようになる。
【0010】
【数3】

【0011】
しかし、図8(A)に示すビームの相対位置の状態のままで、内周よりも曲率半径の大きい外周に移動した場合、例えば、図8(B)のような状態となり、スポットaがオントラックであっても、スポットbはデトラックとなってしまう。言い換えると、次のようになる。
【0012】
【数4】

【0013】
従って、再生信号品質はデトラック状態となって悪化し、ジッタの増大やエラーレートの増大の原因となり、安定した再生が困難となる。
【0014】
【特許文献1】特開平3−22227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
ところで、特許文献1には、上述のようなディスクの内周と外周の曲率半径の違いに対し、マルチビームの光ヘッドを回転させ、光ディスクの各情報トラックにビームスポットを照射する技術が記載されている。この特許文献1に記載された技術は、2つのビームスポットの内、一方のビームスポットをトラッキング制御し、他方のビームスポットを光ヘッドの回転によりオントラック状態とするものであるが、1つのビームスポットに基づいて回転制御するため、ジッタの増大やエラーレートの増大の原因となっていた。
【0016】
本発明は、これらの問題点を鑑みてなされたものであり、複数のビームスポットを高精度にオントラック状態とすることができる光スポット位置制御装置及び光スポット位置制御方法、並びに光ディスク記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した課題を解決するために、本発明は、直線状に配列された複数の光スポット位置を制御する光スポット位置制御装置において、上記直線状に配列された複数の光スポットの戻り光量をそれぞれ検出する光検出手段と、上記光検出手段で検出された少なくとも1つの光スポットのトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御するトラッキング制御手段と、上記光検出手段で検出された少なくとも2つの光スポットのトラッキングエラー信号のDCオフセット量に基づいて上記直線状に配列された複数の光スポットを回転させる回転制御手段とを備えることを特徴としている。
【0018】
また、本発明は、直線状に配列された複数の光スポット位置を制御する光スポット位置制御方法において、上記直線状に配列された複数の光スポットの戻り光量をそれぞれ検出する光検出工程と、上記光検出工程で検出された少なくとも1つの光スポットのトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御するトラッキング制御工程と、上記光検出工程で検出された少なくとも2つの光スポットのトラッキングエラー信号のDCオフセット量に基づいて上記直線状に配列された複数の光スポットを回転させる回転制御工程とを有することを特徴としている。
【0019】
また、本発明は、直線状に配列された複数の光スポットを用いて光ディスクに対して情報を記録再生する光ディスク記録再生装置において、上記直線状に配列された複数の光スポットの戻り光量をそれぞれ検出する光検出手段と、上記光検出手段で検出された少なくとも1つの光スポットのトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御するトラッキング制御手段と、上記光検出手段で検出された少なくとも2つの光スポットのトラッキングエラー信号のDCオフセット量に基づいて上記直線状に配列された複数の光スポットを回転させる回転制御手段とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、直線状に配列された複数の光スポットの戻り光量をそれぞれ検出し、検出された少なくとも1つの光スポットのトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御し、検出された少なくとも2つの光スポットのトラッキングエラー信号の差に基づいて直線状に配列された複数の光スポットを回転させることにより、複数のビームスポットを高精度にオントラック状態とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明を適用した光ディスク記録再生装置1の記録時の処理ブロック図である。なお、ここでは、2つのビームスポットを用いることとして説明するがこれに限られるものではなく、複数のビームスポットを用いることとしてもよい。
【0023】
光ディスク記録再生装置1は、光ディスク2に直線状に配列された2つのビームスポットを生成する光学系11と、ビームスポットの光ディスク2からの反射光を受光する受光部12と、受光部12から出力されたTE信号に基づいてトラッキングを行うトラッキングサーボ13と、トラッキングサーボ13から出力されたトラッキング制御信号に基づいて光ディスク2に照射されるビームスポット位置を移動させるトラッキングアクチュエータ14と、受光部12から出力されたTR信号より回転角エラー信号を生成するローパスフィルタ15と、回転角エラー信号に基づいて光学系11を回転制御する回転角サーボ16と、回転角サーボ16から出力された回転角制御信号に基づいて光学系11を回転させ、ビームスポットの相対位置角度を変化させる光学系回転アクチュエータ17とを備えて構成されている。
【0024】
光学系11は、光信号の情報源aに応じてレーザ出力を制御するAPC(Automatic Power Control)a111と、レーザ光を発光するLD(Laser Diode)a112と、コリメータレンズa113と、光信号の情報源bに応じてレーザ出力を制御するAPCb114と、レーザ光を発光するLDb115と、コリメータレンズb116と、LDb115のレーザ光をBS118に導くミラー117と、LDa112とLDb115とからのレーザ光を同軸に導くBS(Beam Splitter)118と、入射光と反射光とを分離するPBS(Polarized Beam Splitter)119と、ミラー120と、円偏光入射とする1/4波長板121とを備えている。
【0025】
光源のLDa112からの出射光は、コリメータレンズ113によって平行光となり、BS118によりLDb115からの出射光と平行となる。LDa112及びLDb115からの出射光は、PBS119を透過し、ミラーにより1/4波長板121に導かれる。1/4波長板121に導かれたLDa112及びLDb115の直線偏光は、円偏光に変更され、対物レンズを介して光ディスク2上を照明する。また、光ディスク2からの反射光は、PBS119で反射された後、トラッキングエラー等を検出するための受光部12へ導かれる。
【0026】
受光部12は、各ビームスポットに対してPD(Photo Diode)をそれぞれ備えている。各PDは、例えば、プッシュプル法(PP)を用いて、光ディスク2に照射されたスポットと案内溝との位置関係により生じる光量差によってトラッキングエラー信号を生成する。また、受光部12は、後述するようにトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング信号TEとトラッキング信号TRとを算出する。
【0027】
トラッキングサーボ13は、受光部12で算出されたトラッキング信号TEに基づいてトラッキング制御信号を生成し、トラッキングアクチュエータ14を制御する。トラッキングアクチュエータ14は、トラッキング制御信号に基づいて対物レンズを移動させ、ビームスポットをオントラック状態とする。
【0028】
また、受光部12で算出されたトラッキング信号TRは、ローパスフィルタ15によって高周波成分が除去され、回転角エラー信号となる。例えば、2分割のディテクタ中心と回折光中心が一致しなくなった際、後述するようにトラッキング信号TRの直流成分に変動が生じ、回転角エラー信号が生成される。
【0029】
回転角サーボ16は、ローパスフィルタ15から出力された回転角エラー信号に基づいて回転制御信号を生成し、光学系回転アクチュエータ17を制御する。光学回転アクチュエータ17は、回転制御信号に基づいて光学系11を回転させ、直線状に配列された複数のビームスポットをオントラック状態とする。
【0030】
図2は、上述した光ディスク記録再生装置1の再生時の処理ブロック図である。再生時も上述した記録時と同様の構成により処理が行われる。すなわち、光源のLDa112からの出射光は、コリメータレンズ113によって平行光となり、BS118によりLDb115からの出射光と平行となる。LDa112及びLDb115からの出射光は、PBS119を透過し、ミラーにより1/4波長板121に導かれ、1/4波長板121に導かれたLDa112及びLDb115の直線偏光は、円偏光に変更され、対物レンズを介して光ディスク2上の情報トラックを照明する。
【0031】
また、光ディスク2からの反射光は、PBS119で反射された後、トラッキングエラー、フォーカスエラー、再生RF信号等を検出する受光部12へ導かれ、受光部12から再生RF信号a及び再生RF信号bが出力される。
【0032】
また、トラッキング信号TEに基づいて対物レンズを移動させ、トラッキングを行い、トラッキング信号TRに基づいて直線状に配列された複数のビームスポットをオントラック状態とする点は上述した記録時と同様である。
【0033】
次に、受光部12で生成されるトラッキング信号TE及びトラッキング信号TRについて説明する。図3は、2つのビームスポットがトラックを照射した状態の例を示す模式図である。一方のスポットaによる戻り光量を2分割されたαa、βaとし、同様に、他方のスポットbによる戻り光量をαb、βbとすると、例えば、プッシュプル法によるトラッキングエラー信号は、それぞれ(7)式及び(8式)のようになる。
【0034】
【数5】

【0035】
2つのビームスポットの照射光が図3(A)の状態の場合、ビームスポットがピット列又はグルーブに対して均等に照射されているため、TESa=0、TESb=0となる。
【0036】
また、ビームスポットの照射光が図3(B)の状態の場合、2つのビームスポットがピット列又はグルーブに対して均等に照射されていないため、TESa<0、TESb>0となり、図3(C)の状態の場合、TESa>0、TESb<0となる。
【0037】
ここで、トラッキング信号TE及びトラッキング信号TRを、それぞれ(9)式及び(10)式のように定義する。
【0038】
【数6】

【0039】
この場合、ビームスポットの照射光が図3(A)の状態の場合、TE=0、TR=0である。また、図3(B)及び図3(C)の状態の場合、TEが0の場合であるが、TRはそれぞれTR<0、TR>0となる。すなわち、TEが0となるようにトラッキング制御し、トラッキング信号TRが0となるように直線状に配列された複数のビームスポットを回転制御することにより、複数のビームスポットを正確にオントラック状態とすることができる。
【0040】
続いて、直線状に配列された複数のビームスポット位置の制御動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0041】
まず、基準半径、例えば、光ディスク記録再生装置1が最初に読み込むTOC(Table of Contents)エリアにおいて直線状に配列された複数のビームスポット位置が調整されているものとする。
【0042】
ステップS1において、トラッキングサーボ13は、トラキング信号TEが0か否かを判別する。トラッキング信号TEが0でない場合、ステップS2に進み、トラッキング信号TEが0となるようにトラッキングアクチェータ14を駆動する。また、トラッキング信号TEが0の場合、ステップS3に進む。
【0043】
ステップS3では、トラッキング信号TRの低周波の直流成分のDC変動をモニタする。
【0044】
ステップS4において、回転角サーボ16は、ステップS3にてモニタされたトラッキング信号TRにDC変動が生じているか否かを判別する。ステップS4においてDC変動が生じている場合、すなわち、回転角サーボ16に入力されたトラッキング信号TRがある閾値以上のレベルである場合、そのDCオフセット量に基づいて光学系回転アクチュエータ17を回転駆動し、直線状に配列された複数のビームスポットの相対位置角度を制御する(ステップS5)。また、ステップS4においてDC変動が生じていない場合、すなわち、全てのビームスポットがオントラック状態となった場合、ビームスポット位置の制御動作を終了する。
【0045】
このように光ディスク2の情報トラックを照射するスポット位置が内周から外周に移動したときに、単にトラッキングサーボを行うのではなく、半径移動した際に生じたトラッキング信号TRのDC変動分を回転エラーとし、トラッキングサーボ機構にはフィードバックせず、回転サーボ機構にフィードバックする。
【0046】
これにより、例えば、図5(A)に示すようにトラッキング信号TEが0であるが、スポットa及びスポットbがデトラックした状態の場合でも、図5(B)に示すように直線状に配列された複数の光スポットの相対位置角度φをトラック信号TRのDCオフセット量に応じてθ分変化させることにより、各ビームスポットをトラック上の中心に通過させることができる。
【0047】
なお、上記実施形態では、トラッキングエラー検出方法としてプッシュプル法を用いることとしたが、これに限られるものではなく、3スポット法、DPP法等でもよい。また、トラッキング信号TEに基づいてトラッキング制御することとしたが、これに限られるものではなく、例えば、TESa又はTESbに基づいてトラッキング制御し、トラッキング信号TRに基づいて直線状に配列された複数の光スポットの相対位置を回転制御するようにしてもよい。
【0048】
また、直線状に配列されたビームスポットを回転する方法として、上記実施形態では、光学系11を回転させることとしたが、これに限られるものではなく、複数レーザを用いて実現している場合はレーザ素子を回転してもよく、また、一つのビームに対してグレーティングによりビーム分割を行い複数のビームスポットを実現している場合はグレーティングを回転してもよい。
【0049】
図6は、グレーティングを回転することにより、直線状に配列された複数のビームスポットを回転させる光ディスク記録再生装置3の構成例を示すブロック図である。なお、上記実施形態の光ディスク記録再生装置1と同様な構成には同一符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0050】
この光ディスク記録再生装置3は、光信号の情報源に応じてレーザ出力を制御するAPC(Automatic Power Control)111と、レーザ光を発光するLD(Laser Diode)112と、コリメータレンズ113と、ビームを分割するグレーディング31と入射光と反射光とを分離するPBS(Polarized Beam Splitter)119と、ミラー120と、円偏光入射とする1/4波長板121と、光ディスク2からの反射光を受光する受光部12と、受光部12から出力されたTE信号に基づいてトラッキングを行うトラッキングサーボ13と、トラッキングサーボ13から出力されたトラッキング制御信号に基づいて光ディスク2に照射されるビームスポット位置を移動させるトラッキングアクチュエータ14と、受光部12から出力されたTR信号のDCオフセット量より回転角エラー信号を生成するローパスフィルタ15と、回転角エラー信号に基づいてグレーディング31を回転制御する回転角サーボ16と、回転角サーボ16から出力された回転角制御信号に基づいてグレーディング31を回転させ、ビームスポットの相対位置角度を変化させるグレーディング回転アクチュエータ32とを備えて構成されている。
【0051】
光源のLD112からの出射光は、コリメータレンズ113によって平行光となり、グレーディング31によりビームが分割される。グレーディング31により分割されたビームは、PBS119を透過し、ミラーにより1/4波長板121に導かれる。1/4波長板121に導かれたLD112の直線偏光は、円偏光に変更され、高NAのSIL(Solid Immersion Lens)等の対物レンズを介して光ディスク2上を照明する。また、光ディスク2からの反射光は、PBS119で反射された後、トラッキングエラー等を検出するための受光部12へ導かれる。なお、トラッキング信号TEに基づいて対物レンズを移動させてトラッキングを行い、トラッキング信号TRのDCオフセット量に基づいて直線状に配列された複数のビームスポットをオントラック状態とする点は上記実施形態における光ディスク記録再生装置1の記録時と同様である。
【0052】
また、図7は、グレーディングを備えた光ディスク記録再生装置3の再生時の処理ブロック図である。再生時も上述した記録時と同様の構成により処理が行われる。すなわち、光源のLD112からの出射光は、コリメータレンズ113によって平行光となり、グレーディング31によりビームが分割される。グレーディング31により分割されたビームは、PBS119を透過し、ミラーにより1/4波長板121に導かれ、LD112の直線偏光は、円偏光に変更され、高NAのSIL等の対物レンズを介して光ディスク2上の複数の情報トラックを照明する。
【0053】
また、光ディスク2からの反射光は、PBS119で反射された後、トラッキングエラー、フォーカスエラー、再生RF信号等を検出する受光部12へ導かれ、受光部12から再生RF信号a及び再生RF信号bが出力される。なお、トラッキング信号TEに基づいて対物レンズを移動させてトラッキングを行い、トラッキング信号TRのDCオフセット量に基づいて直線状に配列された複数のビームスポットをオントラック状態とする点は上述した記録時と同様である。
【0054】
このようにトラッキング信号TRのDC成分により回転角エラーを検出し、光学系又はグレーティングを回転することでマルチスポットを複数のグルーブ又はピットに追従させることができる。つまり、直線状に配列された複数のビームスポットの相対位置角度を、光ディスク曲率半径に応じて自動的に変化させるこができるため、再生信号品質が向上し、安定した再生信号が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明を適用した光ディスク記録再生装置の記録時の処理ブロック図である。
【図2】本発明を適用した光ディスク記録再生装置の再生時の処理ブロック図である。
【図3】2つのビームスポットがトラックを照射した状態の例を示す模式図である。
【図4】複数のビームスポット位置を制御する動作をフローチャートである。
【図5】複数のビームスポット位置の制御を説明するための模式図である。
【図6】本発明を適用した光ディスク記録再生装置の記録時の処理ブロック図である。
【図7】本発明を適用した光ディスク記録再生装置の再生時の処理ブロック図である。
【図8】従来のビームスポット位置の制御を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0056】
1 光ディスク記録再生装置、2 光ディスク、11 光学系、12 受光部、13 トラッキングサーボ、14 トラッキングアクチュエータ、15 ローパスフィルタ、16 回転角サーボ、17 光学系回転アクチュエータ、31 グレーディング、32 グレーディング回転アクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状に配列された複数の光スポット位置を制御する光スポット位置制御装置において、
上記直線状に配列された複数の光スポットの戻り光量をそれぞれ検出する光検出手段と、
上記光検出手段で検出された少なくとも1つの光スポットのトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御するトラッキング制御手段と、
上記光検出手段で検出された少なくとも2つの光スポットのトラッキングエラー信号のDCオフセット量に基づいて上記直線状に配列された複数の光スポットを回転させる回転制御手段と
を備えることを特徴とする光スポット位置制御装置。
【請求項2】
上記回転制御手段は、上記少なくとも2つの光スポットのトラックエラー信号の差信号のDCオフセット量がある閾値以上の場合、上記直線状に配列された複数の光スポットを回転させることを特徴とする請求項1記載の光スポット位置制御装置。
【請求項3】
上記回転制御手段は、上記複数の光スポットを生成する光学系を回転することにより、上記直線状に配列された複数の光スポットを回転させることを特徴とする請求項1記載の光スポット位置制御装置。
【請求項4】
上記回転制御手段は、1の光ビームを複数の光スポットに分割するグレーティングを回転することにより、上記直線状に配列された複数の光スポットを回転させることを特徴とする請求項1記載の光スポット位置制御装置。
【請求項5】
直線状に配列された複数の光スポット位置を制御する光スポット位置制御方法において、
上記直線状に配列された複数の光スポットの戻り光量をそれぞれ検出する光検出工程と、
上記光検出工程で検出された少なくとも1つの光スポットのトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御するトラッキング制御工程と、
上記光検出工程で検出された少なくとも2つの光スポットのトラッキングエラー信号のDCオフセット量に基づいて上記直線状に配列された複数の光スポットを回転させる回転制御工程と
を有することを特徴とする光スポット位置制御方法。
【請求項6】
直線状に配列された複数の光スポットを用いて光ディスクに対して情報を記録再生する光ディスク記録再生装置において、
上記直線状に配列された複数の光スポットの戻り光量をそれぞれ検出する光検出手段と、
上記光検出手段で検出された少なくとも1つの光スポットのトラッキングエラー信号に基づいてトラッキング制御するトラッキング制御手段と、
上記光検出手段で検出された少なくとも2つの光スポットのトラッキングエラー信号のDCオフセット量に基づいて上記直線状に配列された複数の光スポットを回転させる回転制御手段と
を備えることを特徴とする光ディスク記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−234199(P2007−234199A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−58268(P2006−58268)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】