説明

光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法

【課題】最初に読み取るべきプレイリストが読み取れなかった場合であっても、その光ディスクに記録されているビデオオブジェクトを読み取って再生することができる光ディスク再生装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る光ディスク再生装置は、複数のビデオオブジェクトと複数の順序定義データを読み取るデータ読取部と、ビデオオブジェクトからAVデータを抽出して再生する再生部と、AVデータの再生を制御する再生制御部と、を備え、データ読取部は、複数の順序定義データのうち最初に読み取るべき順序定義データが正常に読み取れなかった場合であっても、読み取り可能な他の順序定義データを読み取り、再生制御部は、読み取った他の順序定義データの識別情報を表示させ、ユーザによって選択された順序定義データに従って複数のビデオオブジェクトを再生するように制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法に係り、特に、高精細ビデオを記録可能な光ディスクを再生する光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、高精細ビデオ(HDビデオ:High Definition Video)が記録された光ディスク、例えばHD DVDが市場に出回り始め、HD DVD等を再生する光ディスク再生装置も普及してきている。
【0003】
高精細かつ高品質なビデオ・オーディオコンテンツの記録再生に関するアプリケーション規格としてHD DVDビデオ規格がある。HD DVDビデオ規格は、従来のDVDビデオ規格を発展させた規格であり、ビデオの解像度を向上させているだけでなく、表示・再生可能なビデオやオーディオの種類が多様化され、またインターネットとの親和性も高い規格となっている。
【0004】
HD DVDビデオ規格は、特許文献1等に開示されているように、アドバンストコンテンツ(advanced contents)とスタンダードコンテンツ(standard contents)の2種類の規格から構成されている。コンテンツ制作者は、いずれか一方の規格を選択してコンテンツを制作することができる。一方、HD DVDビデオ規格に適合する光ディスク再生装置では、アドバンストコンテンツ規格に基づく光ディスクとスタンダードコンテンツ規格に基づく光ディスクのいずれでも再生できるように義務付けられている。
【0005】
スタンダードコンテンツは、従来のDVDビデオ規格を拡張したものである。従来のDVD規格と同様に、メインビデオ(ビデオ)、メインオーディオ(オーディオ)、及び字幕等のサブピクチャーが再生可能であるが、夫々のコンテンツに対して機能や性能の向上が図られている。また、再生を制御するナビゲーションコマンドが拡張され、コンテンツ制作上の自由度が増している。
【0006】
一方、アドバンストコンテンツは、HD DVDビデオ規格において新たに設けられた規格である。スタンダードコンテンツが有する拡張されたメインビデオ、メインオーディオ、及びサブピクチャーに加え、サブビデオやサブオーディオをサポートする規格となっている。メインビデオやメインオーディオと共にサブビデオやサブオーディオを再生することが可能であり、2つの動画(メインビデオとサブビデオ)を重ねたPicture-In-Pictureのようなアプリケーションを実現することができる。
【0007】
アドバンスドコンテンツは、プレイリスト(Playlist)と呼ばれる最も基本的な制御データと、プライマリビデオセット(Primary Video Set)、セカンダリビデオセット(Secondary Video Set)、アプリケーション(Advanced Application)、及びアドバンストサブタイトル(Advanced Subtitle)の4種類のオブジェクトを有している。これら4種類のオブジェクトはいずれもプレイリストから参照されるオブジェクトであり、プレゼンテーションオブジェクトとも呼ばれる。
【0008】
プライマリビデオセットとセカンダリビデオセットはいずれも映画等のオーディオビデオデータの集合体であるが、プライマリビデオセットは光ディスクから直接再生されることを前提としたビデオオブジェクトである。
【0009】
これに対して、セカンダリビデオセットはより汎用的であり、光ディスク以外にもネットワーク上のサーバやパーシスタントストレージ(Persistent Storage)と呼ばれる補助記憶装置にも記録することができる。各記憶場所から直接再生するだけでなく、一旦再生装置にダウンロードして再生することもできる。
【0010】
アプリケーションは、上記のプライマリビデオセットやセカンダリビデオセットの再生制御、JPEG、PNG等の画像や効果音の再生制御、各種のフォントデータを用いたテキストデータの表示、ユーザ入力の制御等を行うことができるプレセンテーションオブジェクトである。
【0011】
また、アドバンストサブタイトルは、字幕表示に特化されたアプリケーションである。
【特許文献1】特開2007−172763号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
プレイリストは上記の4種類のプレゼンテーションオブジェクトの再生制御とシステムの初期設定を行うためのXML形式のデータであり、前述したようにアドバンストコンテンツを再生するための基本情報である。
【0013】
プレイリストでは、4種類のプレゼンテーションオブジェクトの再生開始時刻と終了時刻を与え、タイトルタイムラインと呼ばれる時間軸に夫々のオブジェクトを配置することによって再生順序を定義している。
【0014】
通常、光ディスクを再生装置に挿入すると最初に光ディスクの識別情報を読み取る。このとき、その光ディスクがドバンストコンテンツによって記録されている光ディスクであると判定されると、次にプレイリストを読み出して、再生すべきオブジェクトのファイルを特定し、再生する順番を決定する。
【0015】
例えば、プライマリオブジェクトセットでは、複数のビデオオブジェクトを有しており、各ビデオオブジェクトが映画の本編、予告編、特別編等のそれぞれのコンテンツに割り当てられることがある。このような場合に各コンテンツの再生順序を決定するのがプレイリストである。
【0016】
1つの光ディスクには、複数の異なるプレイリストを記録することが可能であり、それぞれ異なったプレイリスト番号が付されている。プレイリストを複数持たせることによって、プライマリオブジェクトセットに含まれる複数のビデオオブジェクトを異なった順序で再生することができる。
【0017】
例えば、プレイリスト#1では、本編、予告編、特別編の順序で再生させ、プレイリスト#2では、特別編、予告編、本編の順序で再生させるといったことが可能となる。
【0018】
プレイリストが複数ある場合、光ディスクを装置に挿入して最初に選択されるべきプレイリストは予め定めておく必要があり、通常は番号の最も大きなプレイリストが選択されて読み出されるようになっている。
【0019】
プレイリストの内容が正常に読み取れなかった場合には再生すべきオブジェクトのファイルを特定することができない。このため、従来の光ディスク再生装置では、プレイリストのデータが光ディスク上の傷や汚れ等によって読み取れなかった場合には、その段階で再生処理が停止されることになっていた。従って、たとえ再生対象のオブジェクト、例えばプライマリビデオセットに含まれるビデオオブジェクトのデータが正常であったとしても、プレイリストが読み取れなかった場合には全くビデオを再生することができない事態が発生しうることになる。
【0020】
また、従来の光ディスク再生装置では、最初に選択されるべきプレイリスト(例えば、番号の最も大きなプレイリスト)が読み取れなかった場合には、その時点で再生を停止していた。たとえ残りの他のプレイリストが正常であったとしても、最初に選択されるべきプレイリストが読み取れなかった時点で他のプレイリストを読み出すことなく再生を停止していた。
【0021】
特に、光ディスク再生装置が車載を前提とするもであったり、屋外での使用を前提とするものであったりした場合には、光ディスクの保管環境や取り扱い環境は室内使用に比べると相当劣悪な状態が想定される。このため、光ディスクに傷や汚れがつきやすく、プレイリストが読めなくなる可能性は高くなる。
【0022】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、アドバンストコンテンツが記録された光ディスクを再生する光ディスク再生装置において、最初に読み取るべきプレイリストが読み取れなかった場合であっても、その光ディスクに記録されているビデオオブジェクトを読み取って再生することができる光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するため、本発明に係る光ディスク再生装置は、請求項1に記載したように、複数のビデオオブジェクトと前記複数のビデオオブジェクトの再生順序を定義する複数の順序定義データとが記録され、前記順序定義データを読み取ってから前記複数のビデオオブジェクトを再生するように規定されている光ディスクを再生する光ディスク再生装置において、前記光ディスクにアクセスして前記複数のビデオオブジェクトと前記順序定義データを読み取るデータ読取部と、前記ビデオオブジェクトからビデオデータ及びオーディオデータの少なくとも一方を含むAVデータを抽出して再生する再生部と、前記AVデータの再生を制御する再生制御部と、を備え、前記データ読取部は、前記複数の順序定義データのうち最初に読み取るべき順序定義データが正常に読み取れなかった場合であっても、読み取ることができる他の順序定義データを読み取り、前記再生制御部は、読み取った前記他の順序定義データの識別情報をユーザが選択できるように表示させ、ユーザによって選択された順序定義データに従って前記複数のビデオオブジェクトを再生するように制御する、ことを特徴とする。
【0024】
また、本発明に係る光ディスク再生方法は、請求項6に記載したように、複数のビデオオブジェクトと前記複数のビデオオブジェクトの再生順序を定義する複数の順序定義データとが記録され、前記順序定義データを読み取ってから前記複数のビデオオブジェクトを再生するように規定されている光ディスクを再生する光ディスク再生方法において、(a)前記光ディスクにアクセスして前記複数のビデオオブジェクトと前記順序定義データを読み取り、(b)前記ビデオオブジェクトからビデオデータ及びオーディオデータの少なくとも一方を含むAVデータを抽出して再生し、(c)前記AVデータの再生を制御する、
ステップを備え、ステップ(a)では、前記複数の順序定義データのうち最初に読み取るべき順序定義データが正常に読み取れなかった場合であっても、読み取ることができる他の順序定義データを読み取り、ステップ(c)では、読み取った前記他の順序定義データの識別情報をユーザが選択できるように表示させ、ユーザによって選択された順序定義データに従って前記複数のビデオオブジェクトを再生するように制御する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る光ディスク再生装置及び光ディスク再生方法によれば、アドバンストコンテンツが記録された光ディスクを再生する光ディスク再生装置において、最初に選択されるべきプレイリストが読み取れなかった場合であっても、その光ディスクに記録されているビデオオブジェクトを読み取って再生することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に係る光ディスク再生装置の実施形態について、添付図面を参照して説明する。
【0027】
(1)光ディスク再生装置の構成
図1は、本実施形態に係る光ディスク再生装置1の構成例を示すブロック図である。光ディスク再生装置1は、光ディスクドライブ10、補助記憶部20、読取部30、ファイルキャッシュ部40、再生制御部50、再生部60等を備えて構成されている。また、再生部60は、プレゼンテーションエンジン部70、AVレンダラー部80を有している。
【0028】
光ディスクドライブ10は、読取部30からの指示によって、光ディスク100に記録されたデータを読み取り、誤り訂正等の処理を行った後、読取部(Data Access Manager)30に出力する。読取部30は、光ディスクドライブに対して読み取るデータの種類やデータのアドレス等の指示を与える。
【0029】
補助記憶部(Persistent Storage)20は、光ディスク再生装置1が内蔵する記憶デバイスであり、記憶デバイスの種類や容量は特に限定されない。例えばHDD(Hard Disk Drive)でも良いし、フラッシュメモリ等を有するUSBメモリでも良い。補助記憶部20は、コンテンツ自身が何らかのデータを記録させておくためのデバイスであり、例えば、あるコンテンツが記録したデータを別のコンテンツが参照したり、或いはあるコンテンツが記録したデータを別のコンテンツが自由に書き換えたりすることができる。補助記憶20に対するアクセスは読取部30を介して行われる。
【0030】
光ディスク再生装置1では、コンテンツをネットワークサーバ110から取得することもできる。この場合にも、ネットワークサーバ110へのアクセスは読取部30を介して行われる。
【0031】
ファイルキャッシュ部40は、ネットワークサーバ110からダウンロードしたデータ等を一時的に保存するデバイスとして利用される。
【0032】
再生制御部(Navigation Manager)50は、アドバンストコンテンツ(Advanced Contents)に含まれるマークアップやスクリプトと呼ばれる制御データを読み込んで再生部60の制御や光ディスク再生装置1の各部の制御を行っている。また、リモートコントローラ(図示せず)等の操作デバイスから入力されるユーザ操作情報を読み取り、再生すべきコンテンツの特定や、再生の開始、停止、早送り等の制御を行っている。
【0033】
再生部60のプレゼンテーションエンジン部70は、アドバンストコンテンツのビデオオブジェクト(EVOB)に含まれているメインビデオ、サブビデオ、メインオーディオ、サブオーディオ、サブピクチャー等のパケットから時間的に連続したストリームを生成し、ストリーム毎にデコード処理を行っている。
【0034】
再生部60のAVレンダラー部80では、デコード処理によって生成されるメインビデオ、サブビデオ、サブピクチャーの各画像プレーンや、カーソル画像プレーン、グラフィックス画像プレーンを重ね合わせて一枚の合成画像プレーンを生成し、この合成画像プレーンをビデオ信号として外部のTVディスプレイ装置(図示せず)等に出力している。
【0035】
また、AVレンダラー部80では、メインオーディオやサブオーディオ等のオーディオ信号の合成(ミキシング)も行っており、合成されたオーディオ信号を外部のスピーカ装置(図示せず)等に出力している。
【0036】
本実施形態に係る光ディスク再生装置1では、HD DVDビデオ規格に基づく光ディスクの他、CDや従来型のDVDも再生可能である。また、HD DVD規格に基づく光ディスクは、スタンダードコンテンツのみが記録されているカテゴリ1、アドバンスドコンテンツのみが記録されているカテゴリ2、及びスタンダードコンテンツとアドバンストコンテンツの双方が記録されたカテゴリ3に分類することができる。
【0037】
図1に示した構成例は、光ディスク再生装置1の構成のうち、アドバンストコンテンツの再生のために必要な構成例を取り出して図示したものであり、再生対象となる光ディスク100は、主にカテゴリ2とカテゴリ3の光ディスクとなる。
【0038】
本実施形態に係る光ディスク再生装置1は、アドバンストコンテンツの再生に特徴があり、以下の説明では主にアドバンストコンテンツの内容とその再生方法について重点的に説明する。
【0039】
図2は、アドバンストコンテンツの構成例を示す図である。アドバンストコンテンツは、プレイリスト(順序定義データ)と呼ばれる基本的な制御データと、4種類のプレゼンテーションオブジェクトと呼ばれるオブジェクトから構成されている。4種類のプレゼンテーションオブジェクトは、夫々、プライマリビデオセット(Primary Video Set)、セカンダリビデオセット(Secondary Video Set)、アプリケーション(Advanced Application)、アドバンストサブタイトル(Advanced Subtitle)と呼ばれている。これら4種類のプレゼンテーションオブジェクトはいずれもプレイリストから参照される。
【0040】
プライマリビデオセットは、1つの管理データ(VTSI)と、複数の対になったプライマリビデオオブジェクト(P-EVOB)とタイムマップ(TMAP)とから構成されている。
【0041】
管理データ(VTSI)は、ディスク上の総てのプライマリビデオオブジェクト(P-EVOB)の属性情報が記録されており、プライマリビデオオブジェクト(P-EVOB)を再生する前に管理データ(VTSI)を読み込み、再生部60に対する設定を行うことができる。
【0042】
タイムマップ(TMAP)は、プライマリビデオオブジェクト(P-EVOB)のランダムアクセスを行うために必要な情報であり、プライマリビデオオブジェクト(P-EVOB)の先頭からの再生時刻を、プライマリビデオオブジェクト(P-EVOB)を格納したファイル内のアドレスに変換するためのテーブルである。
【0043】
プライマリビデオオブジェクト(P-EVOB)は、コンテンツの中身が記録されているデータであり、詳しくは後述する。
【0044】
セカンダリビデオセットは、複数の対になったセカンダリビデオオブジェクト(S-EVOB)とタイムマップ(TMAP)とから構成されている。セカンダリビデオオブジェクト(S-EVOB)は、プライマリビデオオブジェクト(P-EVOB)と同様に、コンテンツの中身が記録されているデータである。また、セカンダリビデオセットのタイムマップ(TMAP)もプライマリビデオセットのタイムマップと同様にセカンダリビデオオブジェクト(S-EVOB)のランダムアクセスを行うために必要な情報である。セカンダリビデオセットには独立した管理データ(VTSI)のファイルは存在しないが、管理情報はタイムマップの一部に含まれている。
【0045】
プライマリビデオセットは光ディスク100に記録されており、ディスクから直接再生することを前提としたビデオオブジェクトである。これに対して、セカンダリビデオセットはより汎用的であり、ネットワークサーバ110や補助記憶部30に記録することができる。そして、ネットワークサーバ110や補助記憶部30から直接再生することもできるし、一旦ファイルキャッシュ部40等にダウンロードしてから再生することもできる。
【0046】
アプリケーションは、マニフェスト、マークアップ、及びスクリプトと呼ばれる制御データを有しており、これらの制御データによって前述したプライマリビデオセットやセカンダリビデオセットの再生制御を行っている。
【0047】
また、アプリケーションは、JPEGやPNG形式等の画像データ、効果音、フォントをその構成要素として有しており、これらの画像データ、効果音、フォントをビデオ出力やオーディオ出力に重ねて合成することができる。
【0048】
アドバンストサブタイトルは字幕の表示に特化したアプリケーションであり、字幕表示用の画像やフォントを構成要素として有する他、これらの表示を制御するマニフェスト、マークアップ、及びスクリプトの各制御データを備えている。
【0049】
(2)プライマリビデオセットの再生
前述したように、プライマリビデオセットは、ディスクから直接再生することを前提としたビデオオブジェクトの集合である。
【0050】
図3は、光ディスクに記録されているプライマリビデオセットの細部構成例を示す図であり、複数の対のプライマリビデオオブジェクト(以下、単にビデオオブジェクト(EVOB)と呼ぶ)とタイムマップ(TMAP)を有している。図3に示した例では、5つのビデオオブジェクト(#1〜#5)(EVOB#1〜EVOB#5)とこれらと対になる5つのタイムマップ(#1〜#5)(TMAP#1〜TMAP#5)を有している。また、光ディスクには複数のプレイリスト#1〜プレイリスト#nも記録されている。
【0051】
管理データ(VTSI)には、夫々のビデオオブジェクト(EVOB#1〜EVOB#5)の識別情報(ファイル名等)やデータサイズ等の属性情報が記録されている。
【0052】
各ビデオオブジェクトの中身(コンテンツ)や種類、データサイズはコンテンツ制作者によって決定されるものである。例えば、1枚の光ディスク100に1本の映画を記録しても良いし、2本以上の映画を記録しても良い。この場合、一般的には、各映画のタイトル毎にビデオオブジェクト(EVOB)が生成される。
【0053】
また、1枚の光ディスク100に1本の映画を記録する場合であっても、映画の本編、映画の撮影状況等を記録した特別編、近々リリースされるビデオの予告編、制作スポンサー会社のコマーシャル編等が1枚の光ディスク100に記録されている場合も多い。このように本編のコンテンツと本編以外の複数のコンテンツが1枚のディスクに記録される場合にも、夫々のコンテンツに対してビデオオブジェクト(EVOB)を1つずつ割り付ける形態が一般的である。このような場合、通常は映画の本編の再生時間が最も長く、映画の本編に対応するビデオオブジェクト(EVOB)のデータサイズは最も大きくなる。
【0054】
図3において、各ビデオオブジェクト(EVOB)のボックスの大きさが異なっているのは、夫々のビデオオブジェクト(EVOB)のコンテンツによってデータサイズが異なってくることを例示している。
【0055】
各ビデオオブジェクト(EVOB)は、プログラムストリーム(MPEG-PS)に則っており、メインビデオストリーム、サブビデオストリーム、メインオーディオストリーム、サブオーディオストリーム、サブピクチャーストリーム、及びアドバンストストリームといったストリームから構成されている。夫々のストリームは上記の順に、VM_PCK、VS_PCK、AM_PCK、AS_PCK、SP_PCK、及びADV_PCKと呼ばれる6種類のパック(Pack:2,048バイトのデータ)から構成されている。この他、制御情報を格納するためのNV_PCKと呼ばれるパックがある。
【0056】
図3の最下段には、各ビデオオブジェクト(EVOB)の構造例を示している。各ビデオオブジェクト(EVOB)は、上記の6種類のパックとNV_PCKの配列によって構成されており、NV_PCKは各ビデオオブジェクト(EVOB)の先頭に配置されるよう規定されている。
【0057】
再生部60のプレゼンテーションエンジン部70では、上記の6種類のパックから同種のパックを抽出し、メインビデオストリーム、サブビデオストリーム、メインオーディオストリーム、サブオーディオストリーム、サブピクチャーストリーム、及びアドバンストストリームの各ストリームを生成している。
【0058】
ところで、上記の各ビデオオブジェクト(EVOB)は、その配列順に再生されるわけではなく、プレイリストで定義された順序で再生される。
【0059】
図4はこの動作概念を例示する図である。プレイリストには各ビデオオブジェクト(EVOB)の再生順序を定義するための順序定義データとして、各ビデオオブジェクト(EVOB)の再生時刻と終了時刻のデータが記述されている。プレイリストは、この順序定義データによって、タイムラインと呼ばれる時間軸上に各ビデオオブジェクト(EVOB)を配置している。このタイムライン上への配置をオブジェクトマッピングと呼んでいる。
【0060】
1つの光ディスクには、異なった複数のプレイリスト(プレイリスト#1〜プレイリスト#n)を記録することができる。この場合、各プレイリストはそれぞれ異なった順序でビデオオブジェクトを再生するように定義することができる。つまり、各プレイリストはそれぞれ異なったオブジェクトマッピングをすることができる。
【0061】
図4に示した例では、プレイリスト#1は、最初にビデオオブジェクト#4(EVOB#4)を再生し、次にビデオオブジェクト#3(EVOB#3)を再生する。続いて、ビデオオブジェクト#1(EVOB#1)、ビデオオブジェクト#5(EVOB#5)、ビデオオブジェクト#2(EVOB#2)が順次再生されるようにオブジェクトマッピングを行っている。
【0062】
一方、プレイリスト#2は、これとは異なる順序で、最初にビデオオブジェクト#3(EVOB#3)を再生し、次にビデオオブジェクト#5(EVOB#5)を再生し、続いて、ビデオオブジェクト#2(EVOB#2)、ビデオオブジェクト#1(EVOB#1)、ビデオオブジェクト#4(EVOB#4)が順次再生されるようにオブジェクトマッピングを行っている。同様に、プレイリスト#3は、これらとは異なる順序で各ビデオオブジェクトが再生されるようにオブジェクトマッピングを行っている。
【0063】
プレイリストはビデオオブジェクトの再生順序を決定する重要なデータであるため、アドバンストコンテンツを再生する場合には、プレイリストが光ディスクから最初に読み込まれる。プレイリストが複数ある場合には、最初に読み込むべきプレイリストが予め定められており、このプレイリストの読み込みが最初に行われる。
【0064】
図5は、従来から行われている再生手順の一例を示すフローチャートである。ステップST101にて光ディスクが再生装置に挿入されると、まずその光ディスクの識別情報を読み出す(ステップST102)。
【0065】
次に、挿入された光ディスクがHD DVD規格に基づくディスクであるか否かの判定を行う(ステップST103)。HD DVD規格以外の光ディスク(例えば、従来型のDVD)の場合には、その光ディスクの制御データに基づく設定によって再生する(ステップST110)。
【0066】
挿入された光ディスクがHD DVD規格に基づくディスクである場合には、さらにその識別情報からカテゴリの識別を行う(ステップST104、108)。
【0067】
光ディスクがカテゴリ1のディスクである場合には、その光ディスクには、スタンダードコンテンツのみが記録されている。そこで、スタンダードコンテンツの制御データに基づく設定によって再生する(ステップST109)。
【0068】
一方、光ディスクがカテゴリ2又はカテゴリ3のディスクである場合には、その光ディスクには、アドバンストコンテンツが記録されていることになる。この場合には、ステップST105〜107のアドバンストコンテンツの再生処理に移行する。
【0069】
まず、ステップST105にて、予め定められている“最初に読み込むべきプレイリスト”を読み込む。通常、複数のプレイリストがある場合には、番号(プレイリスト番号)の最も大きなプレイリストが最初に読み込むべきプレイリストであるとして定められている。
【0070】
この“最初に読み込むべきプレイリスト”を読み込んだ後、そのプレイリストの記述に従って、プライマリビデオセットの各ビデオオブジェクト(EVOB)をタイムラインに配置する。即ち、オブジェクトマッピングを行う(ステップST106)。
【0071】
その後、タイムラインに従って、各ビデオオブジェクト(EVOB)を順に再生していく(ステップST107)。
【0072】
ところで、従来の再生方法では、ステップST105にて“最初に読み込むべきプレイリスト”が正常に読み取れなかった場合には、それ以降の処理を行うことなく再生を終了していた。
【0073】
“最初に読み込むべきプレイリスト”には、コンテンツ制作者側から見たお勧めの再生順序が定義されているかもしれない。例えば、スポンサー会社のコマーシャル編や近日発売予定のビデオの予告編が映画の本編の前に再生されるように定義されているかもしれない。
【0074】
一方、ユーザ側から見た場合、最初から映画の本編を視聴したいというニーズもあり、種々の再生順序が選択できた方が好ましい場合もある。このようなニーズにこたえるべく複数のプレイリストが用意されている。
【0075】
プレイリストが記録されている光ディスク上の領域に傷が生じ、或いは汚れが付着した場合等にはプレイリストが正常に読み取れなくなる可能性がある。特に、従来の再生方法では、“最初に読み込むべきプレイリスト”が正常に読み取れなかった場合にはその時点で再生を終了することになっていた。このような場合、仮に“最初に読み込むべきプレイリスト”以外の“他のプレイリスト”が記録されている領域に傷や汚れがなく、正常な読み取りが可能であったとしても、“他のプレイリスト”に従った再生はできなかった。
【0076】
本実施形態に係る光ディスク再生装置1ではこの点を改良し、“最初に読み込むべきプレイリスト”が正常に読み取れなかった場合であっても、正常な読み取りが可能な“他のプレイリスト”を選択することができるようにし、選択された“他のプレイリスト”の再生順序に従ってビデオオブジェクト(EVOB)を再生する処理としている。
【0077】
図6は、本実施形態に係る光ディスク再生装置1における光ディスク再生装置1の読み取り処理の一例を示すフローチャートである。
【0078】
光ディスクが光ディスク再生装置1に挿入されると(ステップST1)、光ディスクに記録されている識別情報の読み出しを行う(ステップST2)。
【0079】
この識別情報によって、光ディスクがHD DVDのアドバンストコンテンツに基づくディスクであるか否かを判定する(ステップST3)。従来型のDVDやカテゴリ1のHD DVDの場合にはその光ディスクにはアドバンストコンテンツが記録されていないため、ステップST14へ進み、夫々の光ディスクで規定されている所定の再生手順に従って再生を行う。
【0080】
一方、HD DVDのカテゴリ2又は3の場合には、その光ディスクにはアドバンストコンテンツが記録されている。そこで、この場合には“最初に読み込むべきプレイリスト”の読み込みを行う。プレイリストが複数ある場合には、例えば、プレイリスト番号が最大のプレイリストの読み込みを行う(ステップST4)。そして、“最初に読み込むべきプレイリスト”が正常に読み取れたか否かの判定を行う(ステップST5)。
【0081】
“最初に読み込むべきプレイリスト”が正常に読み込めた場合には、従来の再生方法と同様に、プレイリストによってタイムライン上にオブジェクトマッピングを行い、プレイリストで定義されている再生順序に従って、各ビデオオブジェクト(EVOB)を再生する(ステップST15)。
【0082】
一方、本実施形態に係る光ディスク再生装置1では、“最初に読み込むべきプレイリスト”が正常に読み込めなかった場合でもあってもここで再生処理を停止することなく、“他のプレイリスト”を読み込むための処理を継続する。
【0083】
まず、ステップST6で、光ディスク上の総ての“他のプレイリスト”の読み込みを行う。そして、読み込んだプレイリストが正常に読み取れたか否かの判定を行う(ステップST7)。
【0084】
その後、総てのビデオオブジェクト(EVOB)の属性情報の読み込みを行う(ステップST8)。例えば、プライマリビデオセットの管理データ(VTSI)から、プライマリビデオセットに含まれる総てのビデオオブジェクト(EVOB)の属性情報を読み取る。この属性情報には、各ビデオオブジェクト(EVOB)の識別情報(ビデオオブジェクト名等)やデータサイズが含まれている。この読み込み処理は、読み込んだプレイリストに1つも正常に読み取れたプレイリストがなかった場合に、ビデオオブジェクトの表示をさせるための処理(図8の処理)である。
【0085】
次に、読み込んだプレイリストの総ての識別情報と読み取り状態とをディスプレイ装置(図示せず)に表示させる(ステップST9)。このとき、“最初に読み込むべきプレイリスト”が正常に読み込めなかった場合でもあっても、一部でも読み取れた場合には併せて表示させるようにしてもよい。
【0086】
図7は、ディスプレイ装置における全プレイリストの表示画面W1の表示例を示す図である。表示画面W1には、読み込みが可能であった総てのプレイリストについて、例えば「プレイリスト番号」、「プレイリスト名」、「読み取り状態」等を表示させる。
【0087】
ここで、「プレイリスト番号」と「プレイリスト名」は、光ディスクのプレイリストに属性情報として記録されている情報を表示させる。
【0088】
一方、「読み取り状態」は、ステップ7にて判定した結果を表示させる。「読み取り状態」としては、例えば、「正常」、「一部異常」等を表示させる。なお、プレイリストが全く読み取れなかった場合(「完全異常」の場合)にはそもそも「プレイリスト番号」や「プレイリスト名」も表示できない。
【0089】
表示画面W1の左上部の「プレイリスト」ボタンB10のハッチング表示は、現在の画面には「プレイリスト」の一覧(読み取れたプレイリスト)が表示されていることを示している。
【0090】
ディスプレイ装置には、表示画面W1に重ねてタッチパネルが設けられており、ユーザはタッチパネルを押下することによって所望のプレイリストを選択することができる。
【0091】
図7に示した表示例では、プレイリストの一覧表示D10の中から、ユーザによって「プレイリスト番号9」のプレイリストが選択されたことをハッチングで示している。
【0092】
ステップST10は、いずれかのプレイリストがユーザによって選択されたか否かの判定を行っている。いずれかのプレイリストが選択された場合には、選択されたプレイリストに定義されている再生順序に従ってビデオオブジェクト(EVOB)を順次再生していく(ステップST11)。
【0093】
一方、プレイリストを表示させた後、ユーザがプレイリストを選択することなく所定の時間が経過した場合には(ステップST12のYES)、所定の選択基準(例えば、読み取りが正常あり、かつその中でプレイリスト番号の最も小さなプレイリストを選択するという基準)によってプレイリストを自動的に選択する(ステップST13)。そして、自動的に選択されたプレイリストに従って再生を開始する(ステップST11)。
【0094】
他方、所定の時間の経過前に(ステップST12のNo)、ビデオオブジェクト表示が選択(図7における選択ボタンB20の押下)された場合には(ステップST16のYES)、図8に示すビデオオブジェクトの直接再生処理に移行する。
【0095】
図8に示す処理では、プレイリストに基づく再生ではなく、光ディスクから直接ビデオオブジェクト読み取り、読み取ったビデオオブジェクトを直接再生する処理を行っている。ここでは、図6のステップSTで読み込んだ総てのビデオオブジェクト(EVOB)の識別情報(ビデオオブジェクト名、データサイズ)をディスプレイ装置に表示させる(ステップST22)。
【0096】
図9は、ディスプレイ装置におけるビデオオブジェクト(EVOB)の表示画面W2の表示例を示す図である。表示画面W2では、読み込まれた総てビデオオブジェクト名とそのデータサイズとを並べて表示させている。
【0097】
表示画面W2の上部中央における「ビデオオブジェクト」ボタンB20のハッチング表示は、現在の画面にはビデオオブジェクトの属性情報の一覧が表示されていることを示している。
【0098】
ビデオオブジェクト名は、例えば英数字からなるファイル名称であり、必ずしもユーザがビデオオブジェクト名のみからその内容を推定できないかもしれない。しかしながら、データサイズを並べて表示させることによって、データサイズが最も大きなビデオオブジェクトがその光ディスクの中で重要なビデオオブジェクトである(例えば、映画の本編である)と推定することができる。
【0099】
図9に示した表示例では、属性情報の一覧表示D20の中から、ユーザによってデータサイズが最も大きなビデオオブジェクト「jkl」が選択されたことをハッチングで示している。
【0100】
ステップST23は、いずれかのビデオオブジェクトがユーザによって選択されたか否かの判定を行っている。いずれかのビデオオブジェクトが選択された場合には、選択されたビデオオブジェクトを光ディスクから読み出してそのビデオオブジェクトの再生を行う(ステップST24)。
【0101】
一方、ビデオオブジェクトの一覧を表示させた後、ユーザがビデオオブジェクトを選択することなく所定の時間が経過した場合には(ステップST25のYES)、所定の選択基準(例えば、データサイズの最も大きなビデオオブジェクトを選択するという基準)によってビデオオブジェクトを自動的に選択する(ステップST26)。そして、自動的に選択されたビデオオブジェクトの再生を開始する(ステップST24)。
【0102】
なお、所定の時間が経過する前に(ステップST25のNo)、プレイリスト表示が選択(図7における選択ボタンB10の押下)された場合には(ステップST27のYES)、図6のステップST9に戻ってプレイリストからの再生処理に移行する。
【0103】
以上説明してきたように、本実施形態に係る光ディスク再生装置1及び光ディスク再生方法によれば、アドバンストコンテンツが記録された光ディスクを再生する場合において、“最初に読み込むべきプレイリスト”が正常に読み込めなかった場合でもあっても、他に正常に読み取ることができるプレイリストがあればそのプレイリストに従った再生が可能となる。また、総てのプレイリストが読み取れなかった場合であっても、ビデオオブジェクトを直接光ディスクから読み出すことにより、例えば映画の本編等のデータサイズの大きなビデオオブジェクトをユーザが選択して再生することができる。
【0104】
なお、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の一実施形態に係る光ディスク再生装置の構成例を示すブロック図。
【図2】光ディスク再生装置で再生するアドバンストコンテンツの構成例を示す図。
【図3】アドバンストコンテンツのデータ構造の一例を示す図。
【図4】複数のプレイリストによる、各ビデオオブジェクト(EVOB)のタイムライン上への配置動作(オブジェクトマッピング)の説明図。
【図5】アドバンストコンテンツの再生手順(従来例)を示すフローチャート。
【図6】本実施形態に係るアドバンストコンテンツの再生手順(プレイリストによる再生)を示すフローチャート。
【図7】プレイリストの一覧表示の表示画面の一例を示す図。
【図8】本実施形態に係るアドバンストコンテンツの再生手順(ビデオオブジェクトの直接再生)を示すフローチャート。
【図9】ビデオオブジェクトの一覧表示の表示画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0106】
1 光ディスク再生装置
10 光ディスクドライブ
20 補助記憶部
30 読取部
40 ファイルキャッシュ部
50 再生制御部
60 再生部
70 プレゼンテーションエンジン部
80 AVレンダラー部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のビデオオブジェクトと前記複数のビデオオブジェクトの再生順序を定義する複数の順序定義データとが記録され、前記順序定義データを読み取ってから前記複数のビデオオブジェクトを再生するように規定されている光ディスクを再生する光ディスク再生装置において、
前記光ディスクにアクセスして前記複数のビデオオブジェクトと前記順序定義データを読み取るデータ読取部と、
前記ビデオオブジェクトからビデオデータ及びオーディオデータの少なくとも一方を含むAVデータを抽出して再生する再生部と、
前記AVデータの再生を制御する再生制御部と、
を備え、
前記データ読取部は、
前記複数の順序定義データのうち最初に読み取るべき順序定義データが正常に読み取れなかった場合であっても、読み取ることができる他の順序定義データを読み取り、
前記再生制御部は、
読み取った前記他の順序定義データの識別情報をユーザが選択できるように表示させ、
ユーザによって選択された順序定義データに従って前記複数のビデオオブジェクトを再生するように制御する、
ことを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
前記再生制御部は、
読み取った前記順序定義データが正常なデータではなかった場合には、その旨を前記識別情報と共に表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
【請求項3】
前記再生制御部は、
前記識別情報を表示させた後、所定の時間が経過してもユーザが前記順序定義データを選択しなかった場合には、表示させた前記順序定義データの中から所定の基準によって自動的に1つの順序定義データを選択し、
自動的に選択した前記順序定義データに従って前記複数のビデオオブジェクトを再生するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
【請求項4】
前記データ読取部は、
前記複数の順序定義データの総てが正常に読み取れなかった場合であっても、前記複数のビデオオブジェクトを読み取り、
前記再生制御部は、
読み取った前記複数のビデオオブジェクトの識別情報をユーザが選択できるように表示させ、
ユーザによって選択されたビデオオブジェクトを再生するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク再生装置。
【請求項5】
前記再生制御部は、
前記識別情報を表示させた後、所定の時間が経過してもユーザが前記ビデオオブジェクトを選択しなかった場合には、表示させた前記ビデオオブジェクトの中から所定の基準によって自動的に1つのビデオオブジェクトを選択し、
自動的に選択した前記ビデオオブジェクトを再生するように制御する、
ことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク再生装置。
【請求項6】
複数のビデオオブジェクトと前記複数のビデオオブジェクトの再生順序を定義する複数の順序定義データとが記録され、前記順序定義データを読み取ってから前記複数のビデオオブジェクトを再生するように規定されている光ディスクを再生する光ディスク再生方法において、
(a)前記光ディスクにアクセスして前記複数のビデオオブジェクトと前記順序定義データを読み取り、
(b)前記ビデオオブジェクトからビデオデータ及びオーディオデータの少なくとも一方を含むAVデータを抽出して再生し、
(c)前記AVデータの再生を制御する、
ステップを備え、
ステップ(a)では、
前記複数の順序定義データのうち最初に読み取るべき順序定義データが正常に読み取れなかった場合であっても、読み取ることができる他の順序定義データを読み取り、
ステップ(c)では、
読み取った前記他の順序定義データの識別情報をユーザが選択できるように表示させ、
ユーザによって選択された順序定義データに従って前記複数のビデオオブジェクトを再生するように制御する、
ことを特徴とする光ディスク再生方法。
【請求項7】
ステップ(c)では、
読み取った前記順序定義データが正常なデータではなかった場合には、その旨を前記識別情報と共に表示させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク再生方法。
【請求項8】
ステップ(c)では、
前記識別情報を表示させた後、所定の時間が経過してもユーザが前記順序定義データを選択しなかった場合には、表示させた前記順序定義データの中から所定の基準によって自動的に1つの順序定義データを選択し、
自動的に選択した前記順序定義データに従って前記複数のビデオオブジェクトを再生するように制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク再生方法。
【請求項9】
ステップ(a)では、
前記複数の順序定義データの総てが正常に読み取れなかった場合であっても、前記複数のビデオオブジェクトを読み取り、
ステップ(c)では、
読み取った前記複数のビデオオブジェクトの識別情報をユーザが選択できるように表示させ、
ユーザによって選択されたビデオオブジェクトを再生するように制御する、
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク再生方法。
【請求項10】
ステップ(c)では、
前記識別情報を表示させた後、所定の時間が経過してもユーザが前記ビデオオブジェクトを選択しなかった場合には、表示させた前記ビデオオブジェクトの中から所定の基準によって自動的に1つのビデオオブジェクトを選択し、
自動的に選択した前記ビデオオブジェクトを再生するように制御する、
ことを特徴とする請求項9に記載の光ディスク再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−158038(P2009−158038A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337142(P2007−337142)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(504113008)東芝アルパイン・オートモティブテクノロジー株式会社 (110)
【Fターム(参考)】