説明

光ディスク再生装置

【課題】刺激の強い映像及び音声を含むコンテンツをユーザが安全に視聴でき、刺激の強さを判定するための判定基準値をユーザが変更することができる光ディスク再生装置を提供する。
【解決手段】ユーザは、映像又は音声につき判定基準値及び判定テーブルの値を設定する(S202)。コンテンツの再生前に、制御部は、映像データ又は音声データにつき、判定基準値と比較して刺激の強さを判定する(S204、S211)。刺激の強さが判定基準値を超えた場合、判定テーブルに基づいてレベル分けされる(S207、S214)。判定後、制御部は、判定基準値を超えたデータにつき、再生される時間と刺激の強さのレベルを示す一覧リストを出力する(S218)。コンテンツの再生中に、制御部は、判定基準値を超えたデータが再生される直前に再生を一時停止等する。このため、ユーザは刺激が強い映像又は音声を含むコンテンツを安全に視聴できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像や音声の再生時に、視聴者を保護するための再生制御を行なう光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等の光ディスクが、サイズの大きいデジタルデータを記録する記録媒体として広く用いられている。映像や音声で構成される映画、ドラマ、アニメーション等のデジタルデータが記録されたDVDが普及している。
【0003】
DVD等に記録される映像等はデジタルデータとして記録されるため、映像の内容の如何によって記録が制限されることはない。このため、映像の内容に、暴力的なシーンや性的なシーン等の視聴者にとって過激なシーンが含まれている場合がある。そこで、そのようなシーンをカットするか、或いはあらかじめ用意された無難なシーンに自動的に差し替えるパレンタルロック機能がDVD−Videoで採用されている。当該機能に対応したDVD−Videoでは、コンテンツの再生時に、DVDプレーヤにおいて視聴年齢を設定することにより、DVD−Videoに記録された規制情報に基づいて過激なシーンをカット等して再生することが可能となる。規制情報の規制レベルは、国ごとの規制レベルに合わせて8段階まで設定することが可能である。
【0004】
一方、内容上過激ではないものであっても、再生時にユーザの視覚に強い刺激を与える映像がDVDに記録されている場合がある。そのような映像には、例えば、赤色と青色の光が交互に点滅するような映像がある。そこで、光刺激の強いシーンを検出したときに、表示画像のコントラストを低くさせたり、表示画像をブラックアウトさせたり、警告メッセージを表示させたりするテレビジョン受像機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、光学的に刺激の強いシーンに対して対策を講じるため、表示画面内の部分的な画像データを取り出し、取り出された複数の画像データより輝度及び/又は色相の直流成分を検出し、その直流成分の変化量を基準値と比較して、光刺激性の強い動画像を検出する映像装置が知られている。当該装置では、光刺激性の強い動画像が検知されたときには輝度及び/又は色相の変化が抑えられたものが表示又は再生されると共に、検知された旨が報知される(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−101950号公報
【特許文献2】特開2002−252792号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、パレンタル機能を搭載した光ディスクは、過激な内容の映像を視聴者に見せないように映像を再生することができるが、ユーザの視覚又は聴覚に対して強い刺激を与える映像や音声を規制することができない。
【0007】
また、特許文献1に記載のテレビジョン受像機は、光刺激の強いシーンを光刺激の弱い映像に変換したり、警告を発したりすることができるが、ユーザの聴覚に対して刺激が強い音声に対して制御が行なわれていない。例えば、当該テレビジョン受像機は、大音量の音が出力された時に、ユーザを驚かせないように構成されていない。また、ユーザが、映像の光刺激の強さを判定するための判定基準を任意に変更することはできず、例えばユーザが見たいと望む映像を見ることができないという事態が生じている。
【0008】
さらに、特許文献2に記載の映像装置では、激しい点滅を伴い、光感受性てんかんを誘発する危険性がある光学的刺激の強い動画像に対して、輝度及び/又は色相の変化を抑えて表示を行うことができ、ユーザが動画像を見ているときの快適性を向上させることができる。しかし、当該装置では、ユーザの聴覚に対して刺激が強い音、例えば、突然に鳴る大音量の音に対して対策は採られていない。また、動画像が、ユーザの視覚に対して光学的に強い刺激を与えるものであるか否かを判定するための判定基準をユーザが任意で変更することができない。そのため、同じ動画像であっても、ユーザによって刺激を受ける度合いが異なるにもかかわらず、一律に同じ判定基準が適用されている。その結果、例えば、あるユーザにとって比較的弱い刺激の動画像であっても、そのユーザが当該動画像を見て楽しむことができないという問題が生じている。
【0009】
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、刺激の強い映像及び音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴でき、刺激の強さを判定する判定基準値をユーザが変更することが可能な光ディスク再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成すために請求項1の発明は、光ディスクの記録領域に記録された映像データ及び音声データを読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られたデータを種類毎に分離する分離手段と、前記分離手段により分離された映像データを復号する映像復号手段と、前記分離手段により分離された音声データを復号する音声復号手段と、映像及び音声を再生するために、前記映像復号手段により復号された映像データと、前記音声復号手段により復号された音声データを外部に出力する出力手段と、前記読取手段、前記分離手段、前記映像復号手段、前記音声復号手段及び前記出力手段を制御する制御手段と、前記制御手段から出力される情報を記憶する記憶手段と、ユーザの操作に基づいて、前記制御手段に各種指示信号を出力する指示手段を備えた光ディスク再生装置において、再生される映像のコントラスト又はその変化量、若しくは映像の光量又はその変化量に基づき、前記映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定する第一判定手段と、再生される音声データのビットレートに基づき、前記音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する第二判定手段をさらに備え、前記指示手段は、ユーザの操作に基づき、前記第一判定手段による判定と前記第二判定手段による判定のうち、ユーザにより選択された判定の実行を指示する判定指示信号と、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための第一閾値の設定と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための第二閾値の設定を指示する設定指示信号を前記制御手段に出力し、前記制御手段は、前記判定指示信号に基づき、前記第一判定手段又は/及び前記第二判定手段に判定を実行させると共に、前記設定指示信号に基づき、前記第一閾値及び前記第二閾値を前記記憶手段に記憶させ、前記指示手段が、映像又は/及び音声データで構成されるコンテンツの再生を指示する再生指示信号を前記制御手段に出力した後であって、前記コンテンツの再生前及び再生中に、前記読取手段は、再生される映像又は/及び音声データを読み取り、前記第一判定手段は、前記読み取られた映像データの刺激の強さを前記第一閾値と比較して判定し、前記第二判定手段は、前記読み取られた音声データの刺激の強さを前記第二閾値と比較して判定し、前記制御手段は、前記第一判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第一閾値を超えた映像データが再生される時間の直前に、映像データの再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトすると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、前記第二判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第二閾値を超えた音声データが再生される時間の直前に、音声データの再生を一時停止すると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、視覚上又は聴覚上刺激が強い映像又は音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴できるものである。
【0011】
請求項2の発明は、光ディスクの記録領域に記録された映像データ及び音声データを読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られたデータを種類毎に分離する分離手段と、前記分離手段により分離された映像データを復号する映像復号手段と、前記分離手段により分離された音声データを復号する音声復号手段と、映像及び音声を再生するために、前記映像復号手段により復号された映像データと、前記音声復号手段により復号された音声データを外部に出力する出力手段と、前記読取手段、前記分離手段、前記映像復号手段、前記音声復号手段及び前記出力手段を制御する制御手段と、前記制御手段から出力される情報を記憶する記憶手段と、ユーザの操作に基づいて、前記制御手段に各種指示信号を出力する指示手段を備えた光ディスク再生装置において、再生される映像のコントラスト又はその変化量、若しくは映像の光量又はその変化量に基づき、前記映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定する第一判定手段と、再生される音声データのビットレートに基づき、前記音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する第二判定手段をさらに備え、前記指示手段は、ユーザの操作に基づき、前記第一判定手段による判定と前記第二判定手段による判定のうち、ユーザにより選択された判定の実行を指示する判定指示信号と、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための第一閾値及び第一判定テーブルの設定と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための第二閾値及び第二判定テーブルの設定を指示する設定指示信号を前記制御手段に出力し、前記制御手段は、前記判定指示信号に基づき、前記第一判定手段又は/及び前記第二判定手段に判定を実行させると共に、前記設定指示信号に基づき、前記第一閾値、前記第二閾値、前記第一判定テーブル及び前記第二判定テーブルを前記記憶手段に記憶させ、映像又は/及び音声データで構成されるコンテンツの再生前に、前記読取手段は、再生される全映像データ又は/及び全音声データを読み取り、前記第一判定手段は、前記により読み取られた映像データの刺激の強さを前記第一閾値と比較して判定すると共に、前記強さが前記第一閾値を超えたとき、前記第一判定テーブルに基づいて前記強さをレベル分けし、前記第二判定手段は、前記により読み取られた音声データの刺激の強さを前記第二閾値と比較して判定すると共に、前記強さが前記第二閾値を超えたとき、前記第二判定テーブルに基づいて前記強さをレベル分けし、前記制御手段は、前記第一判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第一閾値を超えた映像データが格納される前記記録領域内のアドレスと、前記映像データが再生される第一時間と、前記映像データの刺激の強さのレベルで構成される情報を前記記憶手段に記憶させると共に、前記情報に基づく一覧リストを前記出力手段から出力し、前記第二判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第二閾値を超えた音声データが格納される前記記録領域内のアドレスと、前記音声データが再生される第二時間と、前記音声データの刺激の強さのレベルで構成される情報を前記記憶手段に記憶させると共に、前記情報に基づく一覧リストを前記出力手段から出力し、前記コンテンツの再生中に、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づき、前記第一時間の直前に映像データの再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトすると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、前記第二時間の直前に音声データの再生を一時停止すると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、視覚上又は聴覚上刺激が強い映像又は音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴できるものである。
【0012】
請求項3の発明は、光ディスクの記録領域に記録された映像データ及び音声データを読み取る読取手段と、前記読取手段により読み取られたデータを種類毎に分離する分離手段と、前記分離手段により分離された映像データを復号する映像復号手段と、前記分離手段により分離された音声データを復号する音声復号手段と、映像及び音声を再生するために、前記映像復号手段により復号された映像データと、前記音声復号手段により復号された音声データを外部に出力する出力手段と、前記読取手段、前記分離手段、前記映像復号手段、前記音声復号手段及び前記出力手段を制御する制御手段と、前記制御手段から出力される情報を記憶する記憶手段と、ユーザの操作に基づいて、前記制御手段に各種指示信号を出力する指示手段を備えた光ディスク再生装置において、再生される映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定する第一判定手段と、再生される音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する第二判定手段をさらに備え、前記指示手段は、ユーザの操作に基づき、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための第一閾値の設定と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための第二閾値の設定を指示する設定指示信号を前記制御手段に出力し、前記制御手段は、前記指示手段からの前記設定指示信号に基づき、前記第一閾値及び前記第二閾値を前記記憶手段に記憶させ、前記指示手段が、映像データ又は/及び音声データで構成されるコンテンツの再生を指示する再生指示信号を前記制御手段に出力した後に、前記読取手段は、再生される映像データ及び音声データを読み取り、前記第一判定手段は、前記読み取られた映像データの刺激の強さを前記第一閾値を比較して判定し、前記第二判定手段は、前記読み取られた音声データの刺激の強さを前記第二閾値と比較して判定し、前記制御手段は、前記第一判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第一閾値を超えた映像データが再生される時間の直前に、映像データの再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトすると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、前記第二判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第二閾値を超えた音声データが再生される時間の直前に、音声データの再生を一時停止すると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、視覚上又は聴覚上刺激が強い映像又は音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴できるものである。
【0013】
請求項4の発明は、請求項3に記載の光ディスク再生装置において、前記指示手段は、さらに、ユーザの操作に基づき、前記第一判定手段による判定と前記第二判定手段による判定のうち、ユーザにより選択された判定の実行を指示する判定指示信号を前記制御手段に出力し、前記制御手段は、前記判定指示信号に基づき、前記第一判定手段又は/及び前記第二判定手段に判定を行なわせ、前記第一判定手段は、前記読み取られた映像データの刺激の強さを判定し、前記第二判定手段は、前記読み取られた音声データの刺激の強さを判定するものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、第一判定手段は、映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定し、第二判定手段は、音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する。そのため、刺激が強い映像データだけでなく、刺激が強い音声データに対して、刺激を無くしたり、低下させたりする処理を行なうことできる。
【0015】
ユーザが指示手段を操作することにより、第一判定手段を用いて映像の刺激の強さを判定するか、又は第二判定手段を用いて音声の刺激の強さを判定するかを選択することができる。このように映像と音声についての判定を選択可能に構成されているため、例えば、聴覚による刺激に敏感なユーザが、音声の刺激の強さのみを判定するように制御手段に指示し、音声からの強い刺激を受けないようにすると共に、強い刺激のある映像をそのまま見ることができる。
【0016】
第一判定手段は、映像のコントラスト又はその変化量、若しくは映像の光量又はその変化量に基づき、映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定する。視覚に強い刺激を与える映像には、例えば、コントラストが高いものや光量の多いものがある。従って、第一判定手段によれば、このような映像の刺激の強さを判定することができ、当該判定結果に基づいて、視覚上刺激の強い映像に対して対策を講じることができる。ただし、コントラストの低い映像がコントラストの高い映像に突然に変化する場合と、もともと映像のコントラストがある程度高い映像が再生され、ユーザの目が当該コントラストの高さに慣れた後に、少しだけより映像のコントラストが高くなる場合とでは、ユーザの視覚に与える刺激の大きさが異なる。従って、コントラストの変化量又は光量の変化量に基づいて判定することにより、映像の刺激の強さを判定することができる。このような構成により、激しく明滅する映像等の視覚上刺激が強い映像をユーザに見せないようにすることができ、光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0017】
第二判定手段は、音声データのビットレートに基づき、音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する。ここで言うビットレートは、圧縮された音声データが1秒あたりどれくらいの情報量で表現されているかを表している。従って、音声の音量が激しく変化すれば、音声データの情報量が多くなり、当該情報量に基づいて音声の刺激の強さを判定することができる。このような構成により、突然に出力される大音量の効果音等の聴覚上刺激が強い音声をユーザに聞かせないようにすることができ、光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0018】
ユーザは指示手段を用いて、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための第一閾値と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための第二閾値を設定することができる。そのため、ユーザが、閾値つまり刺激の強さの判定基準値を変化させることが可能となる。従って、個々のユーザに合った判定基準に基づいて、個々のユーザが感じる刺激の強さを判定することできる。
【0019】
指示手段が、コンテンツの再生を制御手段に指示した後であって、コンテンツの再生前及び再生中に、映像と音声の刺激の強さが判定される。刺激の強さは、映像と音声データが再生される前に判定される。このため、再生前に刺激の強い映像と音声に対して対策を講じることができる。その結果、刺激が強い映像や音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる
【0020】
制御手段は、第一判定手段の判定結果に基づき、刺激が強い映像データが再生される時間の直前に、映像データの再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトすると共に、警告メッセージを出力手段から出力する。このようにして、視覚上刺激が強い映像をユーザに見せないようにすることができ、刺激が強い映像を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0021】
また、制御手段は、第二判定手段の判定結果に基づき、刺激が強い音声データが再生される時間の直前に、音声データの再生を一時停止すると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力する。このようにして、聴覚上刺激が強い音声をユーザに聞かせないようにすることにより、刺激が強い音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0022】
請求項2の発明によれば、第一判定手段は、光ディスクから読み取られた映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定し、第二判定手段は、光ディスクから読み取られた音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する。このため、刺激が強い映像データだけでなく、刺激が強い音声データに対して、刺激を無くす処理を行なうことできる。
【0023】
ユーザが指示手段を操作することにより、第一判定手段を用いて映像の刺激の強さを判定するか、又は第二判定手段を用いて音声の刺激の強さを判定するかを選択することができる。このように映像と音声についての判定を選択できるように構成されているため、例えば、視覚による刺激に敏感なユーザが、映像からの強い刺激を受けないようにすると共に、強い刺激のある音声をそのまま聞いて、コンテンツを楽しむことができる。また、音声のみの刺激の強さを判定するのに要する時間は、映像及び音声の刺激の強さを判定するのに要する時間に比べて短い。このため、ユーザが音声の刺激の強さの判定のみを選択した場合、判定にかかる時間が短くなり、ユーザの待ち時間の短縮を図ることができる。
【0024】
第一判定手段は、映像のコントラスト又はその変化量、若しくは映像の光量又はその変化量に基づき、映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定する。視覚に強い刺激を与える映像には、例えば、コントラストが高いものや光量の多いものがある。従って、第一判定手段によれば、このような映像の刺激の強さを判定することができ、当該判定結果に基づいて、視覚上刺激の強い映像に対して対策を講じることができる。ただし、コントラストの低い映像がコントラストの高い映像に突然に変化する場合と、もともと映像のコントラストがある程度高い映像が再生され、ユーザの目が当該コントラストの高さに慣れた後に、少しだけより映像のコントラストが高くなる場合とでは、ユーザの視覚に与える刺激の大きさが異なる。従って、コントラストの変化量や光量の変化量に基づいて判定することにより、映像の刺激の強さを判定することができる。このような構成により、視覚上刺激が強い映像をユーザに見せないようにすることができ、刺激が強い映像を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0025】
第二判定手段は、音声データのビットレートに基づき、音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する。音声の音量が激しく変化すれば、音声データの情報量が多くなり、ビットレートが変化する。従って、当該ビットレートに基づいて音声の刺激の強さを判定することができる。このような構成により、聴覚上刺激が強い音声をユーザに聞かせないようにすることができ、刺激が強い音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0026】
ユーザは指示手段を用いて、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための第一閾値と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための第二閾値を設定することができる。このため、ユーザが、閾値つまり刺激の強さの判定基準値を変化させることが可能となる。従って、個々のユーザに合った判定基準に基づいて、個々のユーザが感じる刺激の強さを判定することできる。
【0027】
指示手段が、コンテンツの再生を制御手段に指示した後であって、コンテンツの再生前に、映像と音声の刺激の強さが判定される。閾値を超える強さを持つ映像と音声データは、判定テーブルに基づいてそれぞれレベル分けされる。当該判定結果に基づき、一覧リストが出力手段から出力される。このため、ユーザは、コンテンツの再生前に、映像と音声の刺激が強くなる時間とその刺激の強さを一覧リストから知ることができる。その結果、コンテンツ再生中に、不用意に刺激を受けることを抑制でき、刺激が強い映像や音声を含むコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0028】
制御手段は、コンテンツの再生中であって、第一判定手段の判定結果に基づき、刺激が強い映像データが再生される時間の直前に、映像データの再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトすると共に、警告メッセージを出力手段から出力する。このようにして、視覚上刺激が強い映像をユーザに見せないようにすることができ、刺激が強い映像を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0029】
また、制御手段は、第二判定手段の判定結果に基づき、刺激が強い音声データが再生される時間の直前に、音声データの再生を一時停止すると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力する。このようにして、聴覚上刺激が強い音声をユーザに聞かせないようにすることにより、刺激が強い音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0030】
請求項3の発明によれば、第一判定手段は、光ディスクから読み取られた映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定し、第二判定手段は、光ディスクから読み取られた音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する。このため、刺激が強い映像データだけでなく、刺激が強い音声データに対して、刺激を無くしたり、低下させたりする処理を行なうことできる。
【0031】
ユーザは指示手段を用いて、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための第一閾値と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための第二閾値を設定することができる。このため、ユーザが、閾値つまり刺激の強さの判定基準値を変化させることが可能となる。従って、個々のユーザに合った判定基準に基づいて、個々のユーザが感じる刺激の強さを判定することできる。
【0032】
制御手段は、第一判定手段の判定結果に基づき、刺激が強い映像データが再生される時間の直前に、映像データの再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトすると共に、警告メッセージを出力手段から出力する。このようにして、視覚上刺激が強い映像をユーザに見せないようにすることができ、刺激が強い映像を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0033】
また、制御手段は、第二判定手段の判定結果に基づき、刺激が強い音声データが再生される時間の直前に、音声データの再生を一時停止すると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力する。このようにして、聴覚上刺激が強い音声をユーザに聞かせないようにすることにより、刺激が強い音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0034】
請求項4の発明によれば、ユーザが指示手段を操作することにより、第一判定手段を用いて映像の刺激の強さを判定するか、又は第二判定手段を用いて音声の刺激の強さを判定するかを選択することができる。このため、例えば、ユーザが、強い刺激がある音声から影響をあまり受けない場合、映像の刺激の強さのみを判定するように制御手段に指示することにより、刺激の強い音声を含む光ディスクのコンテンツを楽しむことができる。さらに、音声のみの刺激の強さを判定するのに要する時間は、映像及び音声の刺激の強さを判定するのに要する時間に比べて短い。このため、ユーザが音声の刺激の強さの判定のみを選択した場合、判定にかかる時間が短くなり、ユーザの待ち時間の短縮を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の第一の実施の形態に係る光ディスク再生装置について、図1から図4を参照して説明する。同装置に適用される光ディスクは、例えばDVDである。
【0036】
図1は、光ディスク再生装置をなすDVDプレーヤの電気的構成を示している。当該DVDプレーヤ1は、DVD2に記録されている映像、音声等のデータを読み取って映像、音声等を再生し、再生した映像、音声等を出力する装置である。
【0037】
DVDプレーヤ1は、DVD2を回転駆動するスピンドルモータ3と、DVD2の記録領域に記録されている映像及び音声の情報を読み取ると共に、RF信号の形式で出力する光ピックアップ4(読取手段)と、光ピックアップ4から出力されたRF信号の2値化処理等を行うRF回路で構成されるRF信号処理部5を備えている。また、DVDプレーヤ1は、2値化処理されたデータを映像データV(V:Video Dataの頭文字)及び音声データA(A:Audio Dataの頭文字)に分離するデマルチプレクサ6(分離手段)と、分離された映像データVを復号すると共に、分離された音声データAを復号するデコーダ部7(映像復号手段と音声復号手段)を備えている。デコーダ部7は、映像データVを復号するビデオデコーダと、音声データAを復号するオーディオデコーダで構成されている。
【0038】
出力部8(出力手段)は、映像出力端子と音声出力端子を含む出力回路により構成される。出力部8は、デコーダ部7により復号された映像データVを、光ディスク再生装置に接続されたモニタ9に出力する。モニタ9に入力された映像データVは、その画面に映像として表示され、再生される。また、出力部8は、デコーダ部7により復号された音声データAを、光ディスク再生装置に接続されたスピーカ10に出力する。スピーカ10に入力された音声データAは、音声として出力され、再生される。このようにして、出力部8は、デコーダ部7により復号された映像データ及び音声データを、映像及び音声を再生するためにDVDプレーヤ1の外部に出力する。その結果、ユーザは映像と音声を視聴することができる。
【0039】
制御部11(制御手段)は、CPU等を含む制御回路等で構成され、光ピックアップ4と、デマルチプレクサ6と、デコーダ部7と、出力部8を含むDVDプレーヤ1全体の制御を行う。
【0040】
また、制御部11(第一判定手段)は、デコーダ部7で復号されて再生される映像データVに基づいて変化する映像がユーザの視覚に与える刺激の強さを判定する。刺激の強さは、映像のコントラスト又はその変化量、若しくは映像の光量又はその変化量に基づいて判定される。視覚に強い刺激を与える映像には、例えば、コントラストが高いものや光量の多いものがある。制御部11は、このような映像の刺激の強さを判定することができ、当該判定結果に基づいて、視覚上刺激の強い映像に対して対策を講じることができる。ただし、コントラストの低い映像がコントラストの高い映像に突然に変化する場合と、もともと映像のコントラストがある程度高い映像が再生され、ユーザの目が当該コントラストの高さに慣れた後に、少しだけより映像のコントラストが高くなる場合とでは、ユーザの視覚に与える刺激の大きさが異なる。従って、コントラストの変化量又は光量の変化量に基づいて判定することにより、映像の刺激の強さを判定することができる。このような構成により、判定結果に基づいて、視覚上刺激が強い映像をユーザに見せないようにすることができ、刺激が強い映像を含むDVD2のコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0041】
さらに、制御部11(第二判定手段)は、再生するために読み出され、デマルチプレクサ6により分離された音声データAのビットレートに基づき、音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する。ここで言うビットレートは、圧縮された音声データが1秒あたりどれくらいの情報量で表現されているかを表している。従って、音声の音量が激しく変化すれば、音声データの情報量が多くなり、当該情報量に基づいて音声の刺激の強さを判定することができる。このような構成により、聴覚上刺激が強い音声をユーザに聞かせないようにすることができ、刺激が強い音声を含むDVD2のコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。なお、音声データのビットレートに基づいて判定を行なうため、同図ではデマルチプレクサ6で分離されたデータであって、復号されていない音声データに基づいて判定が行なわれる。
【0042】
メモリ12(記憶手段)は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)により構成され、制御部11から出力される情報を記憶する。また、メモリ12(第一判定手段、第二判定手段)には、映像及び音声が与える刺激の強さを判定するためのプログラムが格納されている。制御部11は当該プログラムに基づいて判定を行なう。さらに、メモリ12には、映像データ及び音声データに関する識別情報のテーブルが格納されており、当該テーブルに基づく制御部11からの信号に応じて、デマルチプレクサ6は映像データ及び音声データの分離動作を行なう。
【0043】
操作部13及びリモコン14(指示手段)は、ユーザの操作に基づいて、制御部11に各種指示を出すための信号を出力する。操作部13及びリモコン14は、DVD2に記録されているデータの再生・停止、DVDプレーヤ1の各種設定等の指示を行なうためにユーザに操作される各種操作ボタン・キーを備えている。各種操作ボタンが操作されることにより、その操作に対応付けられた信号が制御部11へ送出される。リモコン14は、各種操作キーの操作に対応付けられた赤外線コード信号を送出し、リモコン受信部15は、当該信号を受信して電気信号に変換し、制御部11へ出力する。
【0044】
図2は、DVDプレーヤ1における映像及び音声の刺激の強さを判定する手順を示している。DVDプレーヤ1はコンテンツを再生しながら、再生する映像データ又は/及び音声データにつき、刺激の強さの判定を行なう。ユーザは、DVDプレーヤ1でDVD2を再生するにあたり、操作部13又はリモコン14を操作して、DVD2のコンテンツについて刺激の強さの判定を行なうか否かを決定することができる。判定が行なわれない場合には、通常通りにDVD2を再生することができる。
【0045】
刺激の強さの判定が行なわれる場合、ユーザは、映像の刺激の強さを判定すること(第一判定手段による判定)と、音声の刺激の強さを判定すること(第二判定手段による判定)のうち、行ないたい判定の種類を選択する。すなわち、判定の対象が選択される(S101)。選択は、操作部13のボタンの押下、リモコン14のキーの押下又はモニタ9に表示されるメニュー画面の項目の選択により行なわれる。映像と音声の判定のうち、どちらか一方の判定を選択することも、又は両方の判定を選択することもできる。ユーザによる選択に基づき、選択された判定の実行を指示する判定指示信号が操作部13又はリモコン14から制御部11に出力される。
【0046】
このように映像の判定と音声の判定を選択可能にDVDプレーヤ1は構成されているため、例えば、聴覚による刺激に敏感なユーザが、音声からの強い刺激を受けないようにすると共に、強い刺激のある映像をそのまま聞くことができる。当該ユーザが、強い刺激がある映像から影響をあまり受けない場合、音声の刺激の強さのみを判定するように制御手段に指示することにより、刺激の強い映像を含むDVD2のコンテンツを楽しむことができる。
【0047】
ユーザは操作部13又はリモコン14を操作し、映像と音声について、刺激の強さの判定基準値を設定する(S102)。上記のように選択された判定についてのみ判定基準値を設定しても、映像及び音声について判定基準値を設定してもよい。設定は、操作部13のボタン操作、リモコン14のキー操作又はメニュー画面の項目の選択操作により行われる。例えば、モニタ9に映し出されるメニュー画面において、映像と音声のそれぞれにつき、複数のレベルのうち一つのレベルを選択することにより、当該レベルが判定の基準レベルとされ、判定基準値の設定が行われる。設定の際、操作部13等は設定された判定基準値についての情報を含む設定指示信号を制御部11に出力する。このようにして、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための判定基準値(第一閾値)と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための判定基準値(第二閾値)とが設定される。制御部11は、操作部13等からの設定指示信号に基づき、映像及び音声の刺激の判定基準値をメモリ12に記憶させる。このような構成により、個々のユーザに合った判定基準に基づいて、個々のユーザが感じる刺激の強さを判定することできる。なお、S101とS102の手順は逆であってもよい。
【0048】
DVDプレーヤ1にDVDが挿入された後、ユーザが操作部13又はリモコン14を操作し、DVD2のコンテンツの再生を制御部11に指示したとする。当該指示は、操作部13等が、映像データ及び音声データで構成されるコンテンツの再生を指示する再生指示信号を制御部11に出力することにより行なわれる。この場合、コンテンツの再生前(映像がモニタ9に表示される前)又は再生中に、光ピックアップ4は、制御部11からの信号に基づき、DVD2から再生する映像及び音声データを読み取る(S103)。このため、再生前に刺激の強い映像と音声に対して対策を講じることができる。その結果、刺激が強い映像や音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0049】
ユーザが、音声の刺激の強さについて判定を行なうことを選択した場合、制御部11は、操作部13等からの設定指示信号に基づいて音声の刺激の強さを判定する(S104でYes)。制御部11は、光ピックアップ4から読み取られたデータのうち、音声のデータについてビットレートを測定し、再生される音声の刺激の強さを判定する(S105)。上記の判定基準値のレベルは、ビットレートの高さと対応している。
【0050】
音声につき、刺激が判定基準値を超えていないと判定された場合(S106でNo)、通常通り音声が再生される(S107)。音声データのビットレートが、ユーザが設定した判定基準値を超えた場合(S106でYes)、制御部11は当該データが再生される時間の直前に、スピーカ10からの音声出力を停め、再生を一時停止する。また、制御部11は、警告メッセージを出力部8から出力し、モニタ9にOSD(On Screen Display)表示させる(S108)。再生を停止し、また警告メッセージを表示する時間は、例えば数秒である。このようにして、聴覚上刺激が強い音声をユーザに聞かせないようにすることにより、刺激が強い音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0051】
DVD2のコンテンツの再生が終了しない場合、判定が続けて行なわれる(S109でNo)。コンテンツの再生が終了した場合(S109でYes)、一連の動作は終了する。
【0052】
音声の刺激の強さの判定がユーザによって選択されなかった場合(S104でNo)、音声データは通常通り出力され、再生される(S110)。音声データを含むコンテンツの再生が終了しない場合(S111でNo)、再生が引き続き行なわれる。再生が終了した場合(S111でYes)、一連の動作は終了する。
【0053】
光ピックアップ4により、DVD2から再生する映像及び音声データを読み取られた後、読み取られたデータがデコーダ部7によりデコードされる(S112)。デコード後、ユーザが、映像の刺激の強さについて判定を行なうことを選択した場合、制御部11は、操作部13等からの設定指示信号に基づいて映像の刺激の強さを判定する(S113でYes)。制御部11は、光ピックアップ4から読み取られたデータのうちの映像データについて、その映像のコントラスト又はその変化量、若しくは映像の光量又はその変化量を測定し、再生される映像の刺激の強さを判定する(S114)。上記の判定基準値のレベルは、映像のコントラストの高さ又はその変化量の多さ、若しくは映像の光量の多さ又はその変化量の多さと対応している。
【0054】
映像につき、刺激が判定基準値を超えていないと判定された場合(S115でNo)、通常通り映像が再生される(S116)。映像データが、ユーザが設定した判定基準値を超えた場合(S115でYes)、制御部11は当該データが再生される時間の直前に、映像の再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトする。また、制御部11は、警告メッセージを出力部8から出力し、モニタ9にOSD(On Screen Display)表示させる(S117)。再生を停止し、また警告メッセージを表示する時間は、例えば数秒である。このようにして、視覚上刺激が強い映像をユーザに見せないようにすることにより、刺激が強い映像を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0055】
DVD2のコンテンツの再生が終了しない場合、判定が続けて行なわれる(S118でNo)。コンテンツの再生が終了した場合(S118でYes)、一連の動作は終了する。
【0056】
映像の刺激の強さの判定がユーザによって選択されなかった場合(S113でNo)、音声データは通常通り出力され、再生される(S119)。音声データを含むコンテンツの再生が終了しない場合(S120でNo)、再生が引き続き行なわれる。再生が終了した場合(S120でYes)、一連の動作は終了する。
【0057】
このような構成により、高齢者や幼児、児童、又は心臓疾患を患う人等に対して、アニメ映画等に含まれる画面の激しい明滅や、ホラー映画等に含まれる突然に出力される大音量の効果音等を含む、視覚上及び聴覚上刺激の強いコンテンツを安全に再生することが可能となる。
【0058】
図3は、DVDプレーヤ1において、再生される映像の刺激が強い時に、モニタ9に出力される映像を示している。制御部11は、映像データの再生前に、映像の刺激の強さについて判定し、当該データの映像の刺激が強いと判定した場合、映像を一時ブラックアウトする。また、制御部11は、例えば同図に示すような警告メッセージをモニタ9に出力する。映像は、ブラックアウトされずに、再生を一時停止されてもよい。このようにして、視覚上刺激が強い映像をユーザに見せないようにすることができ、刺激が強い映像を含むDVD2のコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。刺激が強い映像が再生される時間が経過した後、制御部11は映像データの再生を再開する。
【0059】
図4は、DVDプレーヤ1において、再生される音声の刺激が強い時に、モニタ9に出力される映像を示している。制御部11は、音声データの再生前に、音声の刺激の強さについて判定し、当該データの映像の刺激が強いと判定した場合、スピーカ10からの音声の出力を停め、音声の再生を一時停止する。また、制御部11は、例えば同図に示すような警告メッセージをモニタ9に出力する。このようにして、聴覚上刺激が強い音声をユーザに聞かせないようにすることにより、刺激が強い音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。なお、刺激が強い音が再生される時間が経過した後、制御部11は音声データの再生を再開する。
【0060】
本発明の第二の実施の形態に係る光ディスク再生装置について、図5及び図6を参照して説明する。第二の実施の形態に係る光ディスク再生装置は、第一の実施の形態と比べて、コンテンツの再生前に、再生する全映像データ又は/及び全音声データについて刺激の強さを判定する点で異なっている。本実施の形態の光ディスク再生装置をなすDVDプレーヤの電気的構成は、図1と同様である。
【0061】
図5は、DVDプレーヤ1における映像及び音声の刺激の強さを判定する手順を示している。ユーザは、DVDプレーヤ1でDVD2を再生するにあたり、操作部13又はリモコン14を操作して、DVD2のコンテンツについて刺激の強さの判定を行なうか否かを決定することができる。また、モニタ9に表示されるメニュー画面の項目を選択することによって決定してもよい。
【0062】
刺激の強さの判定が行なわれる場合、ユーザは、映像の刺激の強さを判定すること(第一判定手段による判定)と、音声の刺激の強さを判定すること(第二判定手段による判定)のうち、行ないたい判定の種類を選択する。すなわち、判定の対象が選択される(S201)。選択は、操作部13のボタンの押下、リモコン14のキーの押下又はモニタ9に表示されるメニュー画面の項目の選択により行なわれる。映像と音声の判定のうち、どちらか一方の判定を選択することも、又は両方の判定を選択することもできる。ユーザによる選択に基づき、選択された判定の実行を指示する判定指示信号が操作部13又はリモコン14から制御部11に出力される。このように映像の判定と音声の判定を選択できるように構成されているため、例えば、視覚による刺激に敏感なユーザが、映像からの強い刺激を受けないようにすると共に、強い刺激のある音声をそのまま聞いて、コンテンツを楽しむことができる。また、刺激の強さを判定するのに用いる音声データは、デコードされる前のデータであるため、音声のみの刺激の強さを判定するのに要する時間は、映像及び音声の刺激の強さを判定するのに要する時間に比べて短い。映像の強さを判定するためには、映像データをデコードする必要があるからである。このような構成により、ユーザが音声の刺激の強さの判定のみを選択した場合、判定にかかる時間が短くなり、ユーザの待ち時間が短縮される。
【0063】
ユーザは操作部13又はリモコン14を操作し、映像と音声について、刺激の強さの判定基準値及び判定テーブルを設定する(S202)。刺激の強さが判定基準値を超えた場合、刺激の強さは判定テーブルによりレベル分けされる。上記のように選択された判定についてのみ判定基準値及び判定テーブルを設定しても、映像及び音声について判定基準値及び判定テーブルを設定してもよい。設定は、操作部13のボタン操作、リモコン14のキー操作又はメニュー画面の項目の選択操作により行われる。例えば、判定基準値の設定を行なうメニュー画面において、映像と音声のそれぞれにつき、複数のレベルのうち一つのレベルを選択することにより当該レベルが判定の基準レベルとされる。このようにして、判定基準値の設定が行われる。また、判定テーブルを設定するメニュー画面において、映像と音声にそれぞれにつき、例えば、分けるレベルの数や、レベル分けする範囲等について設定することにより、判定テーブルの設定が行なわれる。
【0064】
設定の際、操作部13等は設定された判定基準値及び判定テーブルについての情報を含む設定指示信号を制御部11に出力する。このようにして、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための判定基準値(第一閾値)及び判定テーブル(第一判定テーブル)と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための判定基準値(第二閾値)及び判定テーブル(第二判定テーブル)とが設定される。制御部11は、操作部13等からの設定指示信号に基づき、映像及び音声の刺激の判定基準値及び判定テーブルをメモリ12に記憶させる。このような構成により、個々のユーザに合った判定基準に基づいて、個々のユーザが感じる刺激の強さを判定することできる。なお、S201とS202の手順は逆であってもよい。
【0065】
DVDプレーヤ1にDVDが挿入された後、映像及び音声で構成されるコンテンツの再生前(映像がモニタ9に表示される前)に、光ピックアップ4は、制御部11からの信号に基づき、DVD2から再生する映像及び音声データを読み取る(S203)。このため、再生前に刺激の強い映像と音声に対して対策を講じることができる。その結果、刺激が強い映像や音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0066】
ユーザが、音声の刺激の強さについて判定を行なうことを選択した場合、制御部11は、操作部13等からの設定指示信号に基づいて音声の刺激の強さを判定する(S204でYes)。制御部11は、光ピックアップ4から読み取られたデータのうち、音声のデータについてビットレートを測定し、再生される音声の刺激の強さを判定する(S205)。上記の判定基準値のレベルは、ビットレートの高さと対応している。音声の刺激の強さの判定がユーザによって選択されなかった場合(S204でNo)、一連の動作は終了する。
【0067】
音声データのビットレートが、ユーザが設定した判定基準値を超えた場合(S206でYes)、判定テーブルに基づいて刺激の強さがレベル分けされる(S207)。判定テーブルのレベルは、ビットレートの高さと対応している。例えば、判定基準値を超えた音声データのビットレートにつき、設定された複数のレベルのうちどのレベルに該当するか、判定テーブルに基づいてレベル分けされる。
【0068】
制御部11は、判定結果に基づき、刺激の強さが判定基準値を超えた音声データが格納されるDVD2の記録領域内のアドレスと、当該音声データが再生される時間(第二時間)と、当該音声データの刺激の強さのレベルで構成される情報をメモリ12に記憶させる。このように記録することにより、コンテンツの再生中に、当該情報に基づいて、再生される直前に音声データの再生を一時停止すると共に、警告メッセージを出力部8から出力し、モニタ9に表示させることができる。このようにして、聴覚上刺激が強い音声をユーザに聞かせないようにすることにより、刺激が強い音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。その結果、コンテンツ再生中に、不用意に刺激を受けることを抑制でき、刺激が強い映像や音声を含むコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0069】
記録後、刺激が判定基準値を超えていないと判定された場合(S206でNo)と同様、判定するデータがなくなって判定が終了するまで判定を続ける(S209でNo)。
【0070】
光ピックアップ4により、DVD2から再生する映像及び音声データを読み取られた後、読み取られたデータがデコーダ部7によりデコードされる(S210)。デコード後、ユーザが、映像の刺激の強さについて判定を行なうことを選択した場合、制御部11は、操作部13等からの設定指示信号に基づいて映像の刺激の強さを判定する(S211でYes)。制御部11は、光ピックアップ4から読み取られたデータのうちの映像データについて、その映像のコントラスト又はその変化量、若しくは映像の光量又はその変化量を測定し、再生される映像の刺激の強さを判定する(S212)。上記の判定基準値のレベルは、映像のコントラストの高さ又はその変化量の多さ、若しくは映像の光量の多さ又はその変化量の多さと対応している。映像の刺激の強さの判定がユーザによって選択されなかった場合(S211でNo)、一連の動作は終了する。
【0071】
映像データが、ユーザが設定した判定基準値を超えた場合(S213でYes)、判定テーブルに基づいて刺激の強さがレベル分けされる(S214)。判定テーブルのレベルは、映像のコントラストの高さ又はその変化量の多さ、若しくは映像の光量の多さ又はその変化量の多さと対応している。例えば、判定基準値を超えた映像の光量の変化量につき、設定された複数のレベルのうちどのレベルに該当するか、判定テーブルに基づいてレベル分けされる。
【0072】
制御部11は、判定結果に基づき、刺激の強さが判定基準値を超えた映像データが格納されるDVD2の記録領域内のアドレスと、当該音声データが再生される時間(第一時間)と、当該映像データの刺激の強さのレベルで構成される情報をメモリ12に記憶させる。このように記録することにより、当該情報に基づいて、コンテンツの再生中であって刺激の強い映像データが再生される直前に、映像データの再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトすると共に、警告メッセージを出力部8から出力し、モニタ9に表示させることができる。このようにして、視覚上刺激が強い映像をユーザに見せないようにすることができ、刺激が強い映像を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。
【0073】
記録後、刺激が判定基準値を超えていないと判定された場合(S213でNo)と同様、判定するデータがなくなって判定が終了するまで判定を続ける(S216でNo)。
【0074】
再生するコンテンツの全映像データ又は/及び全音声データにつき、判定が終了した場合(S209でYes、S216でYes)であって、判定基準値を超えたデータがある場合(S217でYes)、制御部11は、刺激の強さが判定基準値を超えた映像データが再生される時間と、当該映像データの刺激の強さのレベルを示した一覧リストを構成するデータを出力部8から出力する。出力されたデータは、モニタ9で一覧リストとして表示される(S218)。このため、ユーザは、コンテンツの再生前に、映像と音声の刺激が強くなる時間とその刺激の強さを一覧リストから知ることができる。その結果、コンテンツ再生中に、不用意に刺激を受けることを抑制でき、刺激が強い映像や音声を含むコンテンツをユーザが安全に視聴することが可能となる。判定の結果、判定基準値を超えたデータがない場合(S217でNo)、一連の動作は終了する。
【0075】
このような構成により、高齢者や幼児、児童、又は心臓疾患を患う人等に対して、アニメ映画等に含まれる画面の激しい明滅や、ホラー映画等に含まれる突然に出力される大音量の効果音等を含む、視覚上及び聴覚上刺激の強いコンテンツを安全に再生することが可能となる。
【0076】
図6は、光ディスク再生装置からモニタ9に出力される一覧リストを示している。ユーザの操作に基づいて選択された判定の結果が、一覧リストとして表示される。例えば、警告リスト等の表題で表示される。ユーザにより映像及び音声の判定が選択された場合、それぞれの判定において判定基準値を超えて刺激が強いと判定されたデータにつき、再生される時間と、刺激の強さのレベルとが示される。同図では、刺激の強さが、判定テーブルにより例えば5段階のレベルに分けられている。映像又は音声のうちどちらか一方の判定のみを選択した場合、選択された判定の結果が表示される。このようにして、コンテンツの再生前に、刺激が強いと判定されたデータが再生される時間をユーザがあらかじめ知ることができる。
【0077】
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、光ディスクはDVDに限られず、CD−R(CD Recordable)、CD−RW(CD Rewritable)、CD−DA(Compact Disc Digital Audio)といったCDであってもよい。また上記実施形態に適用されるDVDには、DVD−R(DVD Recordable)、DVD−RW(DVD Rewritable)、DVD−Video、DVD−Audio等が含まれる。また、光ディスク再生装置はDVDプレーヤに限られず、パソコンに搭載されるDVDドライバであってもよい。当該DVDプレーヤや当該DVDドライバは、DVDからだけでなくCDからもデータを読み取ることができるものであってもよい。また、刺激の強さの判定は、映像及び音声で構成されるコンテンツに対してのみ行なわれるのではなく、映像のみで構成されるコンテンツや音声のみで構成されるコンテンツに対して行なわれてもよい。また、警告リスト(一覧リスト)に記載された映像データや音声データを、ユーザが視聴できないようにDVDプレーヤ1では構成されているが、当該リストをユーザが参照して視聴してもよい。例えば、ユーザが当該リストに載せられているデータを選択し、再生一時停止等の再生制御を解除することにより、刺激の強い映像データ又は音声データを視聴してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係る光ディスク再生装置の構成を示すブロック図。
【図2】上記光ディスク再生装置において、映像及び音声の刺激の強さを判定する手順を示すフローチャート。
【図3】上記光ディスク再生装置において、映像の刺激が強い時に出力される映像を示す図。
【図4】上記光ディスク再生装置において、音声の刺激が強い時に出力される映像を示す図。
【図5】本発明の第二の実施の形態に係る光ディスク再生装置において、映像及び音声の刺激の強さを判定する手順を示すフローチャート。
【図6】上記光ディスク再生装置から出力される一覧リストを示す図。
【符号の説明】
【0079】
1 DVDプレーヤ(光ディスク再生装置)
2 DVD(光ディスク)
4 光ピックアップ(読取手段)
6 デマルチプレクサ(分離手段)
7 デコーダ部(映像復号手段、音声復号手段)
8 出力部(出力手段)
9 モニタ
10 スピーカ
11 制御部(制御手段、第一判定手段、第二判定手段)
12 メモリ(記憶手段、第一判定手段、第二判定手段)
13 操作部(指示手段)
14 リモコン(指示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクの記録領域に記録された映像データ及び音声データを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたデータを種類毎に分離する分離手段と、
前記分離手段により分離された映像データを復号する映像復号手段と、
前記分離手段により分離された音声データを復号する音声復号手段と、
映像及び音声を再生するために、前記映像復号手段により復号された映像データと、前記音声復号手段により復号された音声データを外部に出力する出力手段と、
前記読取手段、前記分離手段、前記映像復号手段、前記音声復号手段及び前記出力手段を制御する制御手段と、
前記制御手段から出力される情報を記憶する記憶手段と、
ユーザの操作に基づいて、前記制御手段に各種指示信号を出力する指示手段を備えた光ディスク再生装置において、
再生される映像のコントラスト又はその変化量、若しくは映像の光量又はその変化量に基づき、前記映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定する第一判定手段と、
再生される音声データのビットレートに基づき、前記音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する第二判定手段をさらに備え、
前記指示手段は、ユーザの操作に基づき、前記第一判定手段による判定と前記第二判定手段による判定のうち、ユーザにより選択された判定の実行を指示する判定指示信号と、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための第一閾値の設定と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための第二閾値の設定を指示する設定指示信号を前記制御手段に出力し、
前記制御手段は、前記判定指示信号に基づき、前記第一判定手段又は/及び前記第二判定手段に判定を実行させると共に、前記設定指示信号に基づき、前記第一閾値及び前記第二閾値を前記記憶手段に記憶させ、
前記指示手段が、映像又は/及び音声データで構成されるコンテンツの再生を指示する再生指示信号を前記制御手段に出力した後であって、前記コンテンツの再生前及び再生中に、
前記読取手段は、再生される映像又は/及び音声データを読み取り、
前記第一判定手段は、前記読み取られた映像データの刺激の強さを前記第一閾値と比較して判定し、
前記第二判定手段は、前記読み取られた音声データの刺激の強さを前記第二閾値と比較して判定し、
前記制御手段は、前記第一判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第一閾値を超えた映像データが再生される時間の直前に、映像データの再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトすると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、前記第二判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第二閾値を超えた音声データが再生される時間の直前に、音声データの再生を一時停止すると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、
視覚上又は聴覚上刺激が強い映像又は音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴できるようにしたことを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項2】
光ディスクの記録領域に記録された映像データ及び音声データを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたデータを種類毎に分離する分離手段と、
前記分離手段により分離された映像データを復号する映像復号手段と、
前記分離手段により分離された音声データを復号する音声復号手段と、
映像及び音声を再生するために、前記映像復号手段により復号された映像データと、前記音声復号手段により復号された音声データを外部に出力する出力手段と、
前記読取手段、前記分離手段、前記映像復号手段、前記音声復号手段及び前記出力手段を制御する制御手段と、
前記制御手段から出力される情報を記憶する記憶手段と、
ユーザの操作に基づいて、前記制御手段に各種指示信号を出力する指示手段を備えた光ディスク再生装置において、
再生される映像のコントラスト又はその変化量、若しくは映像の光量又はその変化量に基づき、前記映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定する第一判定手段と、
再生される音声データのビットレートに基づき、前記音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する第二判定手段をさらに備え、
前記指示手段は、ユーザの操作に基づき、前記第一判定手段による判定と前記第二判定手段による判定のうち、ユーザにより選択された判定の実行を指示する判定指示信号と、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための第一閾値及び第一判定テーブルの設定と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための第二閾値及び第二判定テーブルの設定を指示する設定指示信号を前記制御手段に出力し、
前記制御手段は、前記判定指示信号に基づき、前記第一判定手段又は/及び前記第二判定手段に判定を実行させると共に、前記設定指示信号に基づき、前記第一閾値、前記第二閾値、前記第一判定テーブル及び前記第二判定テーブルを前記記憶手段に記憶させ、
映像又は/及び音声データで構成されるコンテンツの再生前に、
前記読取手段は、再生される全映像データ又は/及び全音声データを読み取り、
前記第一判定手段は、前記により読み取られた映像データの刺激の強さを前記第一閾値と比較して判定すると共に、前記強さが前記第一閾値を超えたとき、前記第一判定テーブルに基づいて前記強さをレベル分けし、
前記第二判定手段は、前記により読み取られた音声データの刺激の強さを前記第二閾値と比較して判定すると共に、前記強さが前記第二閾値を超えたとき、前記第二判定テーブルに基づいて前記強さをレベル分けし、
前記制御手段は、前記第一判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第一閾値を超えた映像データが格納される前記記録領域内のアドレスと、前記映像データが再生される第一時間と、前記映像データの刺激の強さのレベルで構成される情報を前記記憶手段に記憶させると共に、前記情報に基づく一覧リストを前記出力手段から出力し、前記第二判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第二閾値を超えた音声データが格納される前記記録領域内のアドレスと、前記音声データが再生される第二時間と、前記音声データの刺激の強さのレベルで構成される情報を前記記憶手段に記憶させると共に、前記情報に基づく一覧リストを前記出力手段から出力し、
前記コンテンツの再生中に、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記情報に基づき、前記第一時間の直前に映像データの再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトすると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、前記第二時間の直前に音声データの再生を一時停止すると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、
視覚上又は聴覚上刺激が強い映像又は音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴できるようにしたことを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項3】
光ディスクの記録領域に記録された映像データ及び音声データを読み取る読取手段と、
前記読取手段により読み取られたデータを種類毎に分離する分離手段と、
前記分離手段により分離された映像データを復号する映像復号手段と、
前記分離手段により分離された音声データを復号する音声復号手段と、
映像及び音声を再生するために、前記映像復号手段により復号された映像データと、前記音声復号手段により復号された音声データを外部に出力する出力手段と、
前記読取手段、前記分離手段、前記映像復号手段、前記音声復号手段及び前記出力手段を制御する制御手段と、
前記制御手段から出力される情報を記憶する記憶手段と、
ユーザの操作に基づいて、前記制御手段に各種指示信号を出力する指示手段を備えた光ディスク再生装置において、
再生される映像データがユーザの視覚に与える刺激の強さを判定する第一判定手段と、
再生される音声データがユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定する第二判定手段をさらに備え、
前記指示手段は、ユーザの操作に基づき、ユーザの視覚に与える刺激の強さを判定するための第一閾値の設定と、ユーザの聴覚に与える刺激の強さを判定するための第二閾値の設定を指示する設定指示信号を前記制御手段に出力し、
前記制御手段は、前記指示手段からの前記設定指示信号に基づき、前記第一閾値及び前記第二閾値を前記記憶手段に記憶させ、
前記指示手段が、映像データ又は/及び音声データで構成されるコンテンツの再生を指示する再生指示信号を前記制御手段に出力した後に、
前記読取手段は、再生される映像データ及び音声データを読み取り、
前記第一判定手段は、前記読み取られた映像データの刺激の強さを前記第一閾値を比較して判定し、
前記第二判定手段は、前記読み取られた音声データの刺激の強さを前記第二閾値と比較して判定し、
前記制御手段は、前記第一判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第一閾値を超えた映像データが再生される時間の直前に、映像データの再生を一時停止するか又は映像を一時ブラックアウトすると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、前記第二判定手段の判定結果に基づき、刺激の強さが前記第二閾値を超えた音声データが再生される時間の直前に、音声データの再生を一時停止すると共に、警告メッセージを前記出力手段から出力し、
視覚上又は聴覚上刺激が強い映像又は音声を含む光ディスクのコンテンツをユーザが安全に視聴できるようにしたことを特徴とする光ディスク再生装置。
【請求項4】
前記指示手段は、さらに、ユーザの操作に基づき、前記第一判定手段による判定と前記第二判定手段による判定のうち、ユーザにより選択された判定の実行を指示する判定指示信号を前記制御手段に出力し、
前記制御手段は、前記判定指示信号に基づき、前記第一判定手段又は/及び前記第二判定手段に判定を行なわせ、
前記第一判定手段は、前記読み取られた映像データの刺激の強さを判定し、
前記第二判定手段は、前記読み取られた音声データの刺激の強さを判定することを特徴とする請求項3に記載の光ディスク再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−150482(P2007−150482A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339576(P2005−339576)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】