説明

光ディスク用データ消去装置,データ消去方法,およびデータ消去プログラム

【課題】不要となったライト・ワンスメディアのデータ消去を効率良く実行することが出来るようにした装置、方法、およびプログラムを提供すること。
【解決手段】ライト・ワンスメディアに対する上書きデータの書き込み予定領域を規制する複数種類の消去動作モードを予め格納した消去動作モード用データベース112を設ける。そして、主制御部102が、前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に際しては前記消去動作モード用データベース112から複数のデータ消去動作モードの内の何れか一つを特定し、この特定した消去動作モードに従って前記メディアに対する前記データ上書き手段20による上書き動作を制御するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク用データ消去装置等に係り、特に、ライト・ワンス(Write Once )メディアであるCD−RやDVD±R(DL含む)等に記録されたデータを、上書きの手法に基づいて実質的にデータを消去する光ディスク用データ消去装置,データ消去方法,および、データ消去プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、CD−RやDVD±R(DL含む),次世代のBD−RやHD DVD−R等のライト・ワンスメディア(Write Once Media)のデータ消去に際しては、メディアの記録層をカッター等で傷を付すか、又はシュレッダー等によってメディアそのものを裁断する等によって、その処理が成されていた。
又、ドライブ側の設定変更並びにホストコンピュータからのコマンド発行によって書き込み領域への上書きを実行し、これによって再生不能とする方法のものが知られている。具体的には、レーザ記録装置を利用する手法のもの、即ち、ライト・ワンスメディアに対して記録用のレーザ光を照射して上書きし、これによって当該メディアに記録されているデータを実質的に消去する手法のものが知られている(特許文献1,特許文献2)。
【0003】
この内、特許文献1である特開2002−304736に記載のものは、データが記録された領域およびデータが記録されていない未記録領域の全体に、記録用のレーザ光を照射し、これによって、記録されているデータについては再生不能とすると共に、データの未記録領域ではデータの記録を不能とするという技術が開示されている。
又、特許文献2である特開2004−185656に記載のものは、予め記録されたデータに対してメディア上で未記録領域を含む破壊領域を特定し、この特定した破壊領域を破壊用のレーザ光を照射し、これによってユーザの重要度に応じた上方の破壊処理を実行するようにしたものである。
【特許文献1】特開2002−304736
【特許文献2】特開2004−185656
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記各従来例にあって、メディア上の記録層に対し傷を付す手法やシュレッダー等によってメディアそのものを裁断する等のものにあっては、当該記録層で使われている金属片や記録層の色素(含む有害物質)が飛散し、環境や人体に影響を与える可能性があるという環境衛生上の問題が生じていた。又、傷つけや裁断が中途半端の場合は記録層をつなぎ合わせることによってデータ部を読みとることが出来るというセキュリティ上の問題もあり、これを回避するための細分化の遮断等にはその設備の構築に多くの費用を要するという不都合があった。
【0005】
又、上述したドライブ側の設定変更並びにホストコンピュータからのコマンド発行による書き込み領域への上書き等の方法にあっては、データを完全に消去出来ないか又は書き込み領域情報が分かるため、データの一部を復旧できる可能性があるという、セキュリティ上の問題点があった。
【0006】
更に、上述した特許文献1(特開2002−304736)に記載のもの、および特許文献2(特開2004−185656)に記載のものは、いずれもデータが記録されたメディアの再利用を完全に禁止することを意図したものであることから、処理に時間がかかり、大量のメディアの処理には不適確なものとなっている。
又、この場合、特許文献2(特開2004−185656)に記載のものには、処理時間の短縮を意図して、上書き処理に際しては処理中に当該メディアの回転速度を高く設定する手法が開示されている。
【0007】
しかしながら、記録用のレーザ光の強度を同一のまま回転速度を高くすると、上書き処理の性能が低下し、既存の記録データが低レベルで残存するという不都合が生じる。
又、かかる不都合を回避するためには、レーザ光の出力強度を高め必要性が生じ、それには更なる設備投資が必要となり、これがため、単に処理中に当該メディアの回転速度を高く設定するだけでは信頼性が低下する等、初期の目的を達成できないという不都合が生じる。
【0008】
本発明は、かかる従来例の有する不都合を改善し、特に、不要となったライト・ワンスメディア上のデータの消去をメディア毎に迅速に且つ効率良く実行することを可能とした光ディスク用データ消去装置、データ消去方法、およびデータ消去プログラムを提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる光ディスク用データ消去装置は、データ消去対象物であるライト・ワンスメディアを格納するメディア格納部と、このメディア格納部にて前記メディアのデータ領域等に他のデータを上書きするデータ上書き手段とを備え、このデータ上書き手段の動作を駆動制御する主制御部とを備えている。この主制御部には、前記メディアに対する上書きデータの書き込み予定領域を規制する複数種類の消去動作モードを予め格納した消去動作モード用データベースを併設されている。そして、この主制御部が、前記メディアに対する上書き動作に際しては前記消去動作モード用データベースから複数のデータ消去動作モードの内の何れか一つを特定する動作モード特定機能と、この特定した消去動作モードに従って前記メディアに対する上書き動作を制御する上書動作制御機能とを備えていることを特徴とする(請求項1)。
【0010】
このため、これによると、不要となったライト・ワンスメディアのデータ消去を予め準備した複数種類の消去動作モードの何れか一つの消去動作モードに従って上書き処理するようにしたので、メディアに対応した処理,即ち各メディアのセキュリティレベルに合った上書き処理をメディア毎に効率良く実行することを可能となり、これがため、複数のメディアに対しても当該処理動作を確実に且つ効率良くなし得るという利点がある。
【0011】
又、前述したライト・ワンスメディアに対する上書き動作に先立って当該メディアの種別や管理領域およびメモリ使用領域等の情報を格納するメディア情報格納手段を設けると共に、この記憶された情報を外部表示する状態表示部を設けたこ構成としてもよい(請求項2)。
このようにする、メディアに対応した上書き処理をより有効に実行するこができる。
【0012】
ここで、上書きデータの書き込み予定領域を規制する前述した複数種類の消去動作モードは、少なくとも前記ライト・ワンスメディアの管理領域を対象とした上書きモード、としてもよい(請求項3)。
又、この上書きデータの書き込み予定領域を規制する前述した複数種類の消去動作モードは、少なくとも前記ライト・ワンスメディアの管理領域および一部データ領域を対象とした上書きモード、としてもよい(請求項4)。
更に、この上書きデータの書き込み予定領域を規制する前述した複数種類の消去動作モードは、少なくとも前記ライト・ワンスメディアの管理領域および全データ領域を対象とした上書きモード、としてもよい(請求項5)。
【0013】
このため、これによると、ライト・ワンスメディアに対して共通に消去を希望する領域を予め特定することができ、作業能率および管理を明確化することができ、データ消去作業の能率向上が可能となる。
【0014】
又、前述したメディア格納部,データ上書き手段,主制御部,および消去動作モード用データベースを、データ消去装置本体のドライブ部側に配設すると共に、前記メディア情報格納手段および状態表示部をデータ消去装置本体の動作モード選択部側に配設し、前記動作モード選択部が、前記メディア情報格納手段および状態表示部の動作を制御する副制御部を備えた構成とし、この副制御部に、動作モード用データベースに記憶された動作モードにかかる情報を表示する動作モード表示部を併設してよい。
【0015】
更に、この副制御部が、前述した動作モード表示部で表示された消去動作モード情報の内の特定の消去動作モードが外部指定された場合に、当該指定された消去動作モードにかかる情報を選択された消去動作モードとして前記ドライブ部側の主制御部へ送信する選択モード送信機能を備えているように構成してもよい(請求項6)。
このため、これによると、データ消去領域の確認とデータ消去メディアの確認を常時実行することが可能となり、かかる点において必要箇所に限定した消去作業も可能となり、同時にかかる上位タイムチャートの事前確認ができるので、作業がやりやすい(作業能率向上)と装置全体の信頼性向上を図ることがきる。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明にかかる光ディスク用データ消去方法では、データ消去対象物であるライト・ワンスメディアに他のデータを上書きして元のデータを読み取り不可能状態に設定する光ディスク用データ消去方法において、前記ライト・ワンスメディアに対する前記上書きデータの書き込み予定領域を異なった領域とする複数の消去動作モードを予め設定する消去動作モード複数設定工程と、前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に先立って当該ライト・ワンスメディアの種別や管理領域およびメモリ使用領域等の情報を格納するメディア情報格納工程と、前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に際しては予め設定した前記複数のデータ消去用の動作モードの内の何れか一つを選択する消去動作モード選択工程とを備えている。そして、この選択された一つの消去動作モードに従って前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作を実行する上書動作実行工程とを設けたことを特徴とする(請求項7)。
【0017】
このため、これによると、不要となったライト・ワンスメディアに対するデータ消去を複数種類の消去動作モードから選択して上書き処理するようにしたので、メディアに対応した処理をメディア毎に効率良く実行することができ、これがため、複数のメディアに対しても当該処理動作を確実に且つ効率良くなし得るという利点がある。
【0018】
ここで、前述したメディア情報格納工程の実行に先立って、前記メディアがデータ消去対象物か否かを判定する消去対象物判定工程と、データ消去対象物でないと判定された場合に当該メディアをデータ消去対象物から除外する非対象物除外工程とを設けてもよい(請求項8)。
【0019】
上記目的を達成するために、本発明にかかる光ディスク用データ消去プログラムでは、データ消去対象物であるライト・ワンスメディアに他のデータを上書きして元のデータを読み取り不可能状態に設定する光ディスク用データ消去プログラムにおいて、前記ライト・ワンスメディアに対する前記上書きデータの書き込み予定領域を異なった領域とする複数の消去動作モードが形成された場合にこれを所定の記憶手段に格納する消去動作モード格納機能、前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に先立って当該ライト・ワンスメディアの種別や管理領域およびメモリ使用領域等の情報を取得すると共に所定の記憶手段に格納するメディア情報格納機能、前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に際しては予め設定した前記複数のデータ消去用の動作モードの内の何れか一つを選択する消去動作モード選択機能、および、この選択された一つの消去動作モードに従って前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作を実行する上書動作実行機能、をコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする(請求項9)。
このため、これによると、当該ライト・ワンスメディアに対する他のデータの上書き処理を迅速に且つ容易に実行することができる。
【0020】
又、前述したライト・ワンスメディアがデータ消去対象物か否かを判定する消去対象物判定機能、および前記メディアがデータ消去対象物でないと判定された場合に当該メディアをデータ消去対象物から除外する非対象物除外機能、とを前記コンピュータに実現させるように構成してもよい(請求項10)。
【発明の効果】
【0021】
本発明は上述したように構成され機能するので、これによると、不要となったライト・ワンスメディアのデータ消去を予め準備した複数の消去動作モードの何れか一つに従って上書き処理するようにしたので、メディアに対応した処理,即ち各メディアのセキュリティレベルに合った上書き処理をメディア毎に効率良く実行することを可能となり、これがため、複数のメディアに対しても当該処理動作を確実に且つ迅速に成し得るという従来にない優れた光ディスク用データ消去装置、データ消去方法、およびデータ消去プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
まず、本発明は、CD−RやDVD±R(DL含む),次世代のBD−RやHD DVD−R等のライト・ワンスメディアのデータ消去に関するものであり、管理領域並びにデータ格納領域へデータを上書きして、メディアの認識不可状態やデータを読みとり不可状態等を発生させる事により、データの消去を行う事を特徴とする。
以下、かかる特徴点を備えた本発明にかかる光ディスク用データ消去装置10の一実施形態を、図1乃至図6に基づいて説明する。
【0023】
ここで、最初に本実施形態における重要部分についてその構成を説明し、その後に本実施形態の具体的内容を詳述する。
まず、本実施形態における光ディスク用データ消去装置10は、データ消去対象物であるライト・ワンスメディアを格納するメディア格納部110と、このメディア格納部110にて前記メディアのデータ領域等に他のデータを上書きするデータ上書き手段20とを備えている。このデータ上書き手段20の動作を駆動制御する主制御部としてのCPU(中央演算制御装置)102とを備えている。
【0024】
このCPU(主制御部)102には、前述したメディアに対する上書きデータの書き込み予定領域を規制する複数種類の消去動作モードを予め格納した消去動作モード用データベース(以下「動作モードDB」という)112が併設されている。
そして、このCPU102が、前述したメディアに対する上書き動作に際しては前記動作モードDB112から複数のデータ消去動作モードの内の何れか一つを特定する動作モード特定機能と、この特定した消去動作モードに従って前記メディアに対する上書き動作を実行する上書動作実行制御機能とを備えている。
【0025】
このため、これによると、不要となったライト・ワンスメディアのデータ消去を予め準備した複数種類の消去動作モードの何れか一つの消去動作モードに従って上書き処理するようにしたので、メディアに対応した処理,即ち各メディアのセキュリティレベルに合った上書き処理をメディア毎に効率良く実行することを可能となり、これがため、複数のメディアに対しても当該処理動作を確実に且つ効率良くなし得るという利点がある。
【0026】
又、前述したライト・ワンスメディアに対する上書き動作に先立って当該メディアの種別や管理領域およびメモリ使用領域等の情報を一時的に格納するメディア情報格納手段としてのメモリ部118を設けると共に、この記憶された情報を外部表示する状態表示部116が設けられている。符号117は、上記メモリ部(メディア情報格納手段)118および状態表示部116の動作を制御する副制御部としてのCPUを示す。
【0027】
ここで、上書きデータの書き込み予定領域を規制する前述した複数種類の消去動作モードは、少なくとも前記ライト・ワンスメディアの管理領域を対象とした上書きモードとしても、又、少なくとも前記ライト・ワンスメディアの管理領域および一部データ領域を対象とした上書きモードとしてもよい。更に、この上書きデータの書き込み予定領域を規制する前述した複数種類の消去動作モードは、少なくとも前記ライト・ワンスメディアの管理領域および全データ領域を対象とした上書きモード、としてもよい。
【0028】
このため、これによると、ライト・ワンスメディアに対して共通に消去を希望する領域を、或いは個別に異なった箇所のデータ消去を必要とするメディアに対しても、それぞれ当該各メディアに合ったデータ消去内容を予め特定することができ、かかる点において作業能率およびデータ消去作業の管理を明確化することができ、データ消去作業の能率向上が可能となる。
【0029】
又、前述したメディア格納部110,データ上書き手段20,主制御部としてのCPU102,および動作モードDB(消去動作モード用データベース)112は、データ消去装置本体10Aのドライブ部10C側に配設されている。又、前述したメモリ部(メディア情報格納手段)118および状態表示部116は、データ消去装置本体10Aの動作モード選択部10D側に配設されている。そして、この動作モード選択部10Dが、前記メモリ部(メディア情報格納手段)118および状態表示部116の動作を制御する副制御部としてのCPU117を備えており、このCPU(副制御部)117に、前述した動作モードDB112に記憶された動作モードにかかる情報を表示する動作モード表示部115が併設されている。
【0030】
更に、このCPU(副制御部)117は、前述した動作モード表示部115で表示された消去動作モード情報の内の特定の消去動作モードが外部指定された場合に、当該指定された消去動作モードにかかる情報を、当該動作モード選択部10Dで選択された消去動作モードとして、前記ドライブ部10CのCPU(主制御部)102へ送信する選択モード送信機能を備えている。
このため、CPU(主制御部)112による消去動作の実行中であっても、次の選択モード当業者の検討を進めることができ、作業性向上を期待することができる。
【0031】
以下、これを更に詳述する。
図1において、ライト・ワンスメディアのデータ消去装置10は、ドライブ部10Cと、このドライブ部10Cの動作モードを選択設定する動作モード選択部10Dと、これら各部の動作を指令し且つ必要な情報を入力する入力部100とを備えている。
【0032】
前記ドライブ部10Cは、前述したように、メディア格納部110と、データ上書き手段20と、このデータ上書き手段20の動作を駆動制御する主制御部としてのCPU(中央演算処理装置)102とを備えている。
【0033】
更に、このドライブ部10Cは、前述したメディア格納部110を駆動するモータ部108と、このモータ部108の回転動作を制御する回転制御部109と、前述したデータ上書き手段20全体の移動動作を付勢する光ピックアップ駆動機構107と、各種制御パラメータを格納したメモリ部103と、これら各部の動作を制御するCPU(主制御部)102とを備えている。そして、このCPU(主制御部)102には、前述したメディアに対する上書きデータの書き込み予定領域を規制する複数種類の消去動作モードを予め格納した消去動作モード用データベース(以下「動作モードDB」という)112が併設されている。
【0034】
前述したデータ上書き手段20は、前述したメディア格納部110に格納されたメディア上に上書き用のフォーカスが絞られたレーザ光を照射する光学系101と、この光学系101にレーザ光を送り込むレーザ光発光部104と、このレーザ光発光部104の動作を制御するレーザ制御部105と、前記光学系101のフォーカス位置を調整するフォーカス・トラッキング制御部106とを備え、これによってメディア上への上書き処理が実行されるようになっている。
【0035】
又、前述した動作モード選択部10Dは、前述した動作モードDB112内に記憶されている各種動作モードの内容を表示する動作モード表示部115と、前述したメディアの状態や各動作モードの動作結果を表示する状態表示部116と、前記メディア格納部110に格納されるメディアの種別,管理領域,および使用領域の各情報を格納するためのメモリ部118と、これら各部の動作を前述したCPU(主制御部)102と連携して制御するCPU(副制御部)117とを備えている。
【0036】
更に、前述した入力部100は、前述したドライブ部10Cおよび動作モード選択部10Dの各構成要素に対して必要な動作指令若しくは必要なデータ等をオペレータによる入力操作等によって外部入力する機能を備えている。
この入力部100は、前述したドライブ部10Cをメディア排出モードに設定するメディア排出スイッチ111と、前記動作モード選択部10Dにて動作モードを選択設定する動作モードを選択スイッチ114と、装置全体を起動させるスタートスイッチ113とを備え、これらの各スイッチからの指令に従って対応する各CPU102,117が作動して当該指令内容を実行するようになっている。
【0037】
次に、上述したドライブ部10C、動作モード選択部10D、および入力部100の各構成部分について説明する。
【0038】
〔ドライブ部10Cの構成〕
まず、前述したドライブ部10Cの主要部を成すCPU(主制御部)102は、マイクロプロセッサ等で構成されている中央処理装置である。このCPU(主制御部)102は、格納されたメディアに対する上書き動作に際しては、前述したCPU117からの選択指令に従って作動し前記動作モードDB112から複数のデータ消去動作モードの内の何れか一つを特定する動作モード特定機能と、この特定した消去動作モードに従って前記メディアに対する上書き動作を制御する上書動作制御機能とを備えている。更に、このCPU(主制御部)102は、ドライブ部10C全体を駆動制御する機能を備えている。
【0039】
前述したメモリ部103は、CPU(主制御部)102が直接読み書きできるRAMやROMなどの半導体記憶装置であり、データの上書き時や二重書き時のデータキャッシュやドライブ部101のドライブ制御パラメータ等の格納に使用される。
又、レーザ発光部104は、LD(レーザーダイオード)並びに出力されるレーザー収束の為のレンズ等であり、位置決め、データの読みとり、上書き、および二重書き時に使用される。
レーザ制御部105は、レーザ発光部104を制御する制御回路であり、レーザーの出力やON/OFFの制御等を行う際に使用される。
【0040】
フォーカス/トラッキング制御部106は、レーザ発光部104から出力されるレーザー光の焦点および位置決め用の制御回路である。このフォーカス/トラッキング制御部106は、レーザ発光部104から出力されるレーザの焦点を合わせる場合、光ピックアップ駆動機構107によるデータ上書き手段(光ピックアップ部)20の移動、およびレーザ発光部104のレンズの傾きにより指定された領域へ位置決めする場合、等に際し稼働し機能する。
【0041】
光ピックアップ駆動機構107は、光ピックアップ部としてのデータ上書き手段20を移動させる台車機構であり、フォーカス/トラッキング制御部106に制御されて指定された位置へ移動する際に機能する。
又、モータ部108は、スピンドルモータ等のモータであり、回転制御部109に制御されて前記メディア格納部110に格納されたメディアを所定の回転数で回転駆動する機能を備えている。
【0042】
更に、回転制御部109は、モータ部108の制御回路であり、モータ部108が前述したCPU(主制御部)102によって指定された回転数を保持できるように制御する機能を備えている。
メディア格納部110は、メディア格納用トレイおよびトレイ駆動部を備えている。このメディア格納部110は、前述したCPU(主制御部)102によって制御され、ドライブ部10Cに取り込まれたライト・ワンスメディアを保持すると共に、当該メディアが不要(対象外)の場合若しくは作業終了の場合に、これを外部に送出する機能を備えている。図4において、符号110Aはメディア格納口部分を示す。
【0043】
動作モードDB112は、本実施形態では三種類のデータ消去動作モード(管理領域の全面上書きモード,管理領域の全面上書き並びに一部データ領域の上書きモード,管理領域並びに全データ領域の上書きモード)および各動作モードに必要なパラメータが関連付けしてデータベース化されており、CPU(主制御部)102からの指令に基づいてその何れでも自在に出力可能に記憶されている。
【0044】
〔ドライブ部10Cの全体的な機能〕
上述したドライブ部10Cは、メディア格納部110に上書き消去用のメディアが投入されると、先ずこの投入のタイミングで前述したCPU(主制御部)102を作動させてデータ上書き手段20を起動させ、当該メディアの種別情報を取り込んで当該メディアの種別を判別する。この場合の判別は、CPU(主制御部)102で実行される。そして、当該メディアが、未書き込みメディア又はリライタブルメディア,或いはドライブの異常を発見されて対象外のメディアと判断された場合、CPU(主制御部)102は、当該メディアを排出し、状態表示部116へ結果を送信する。
【0045】
この場合、メディアの排出は、本実施形態では、後述する入力部100のメディア排出スイッチ111からの入力によって実行されるが、CPU(主制御部)102によって対象外のメディアと判断された場合に当該CPU(主制御部)102の判断によってメディアの排出を自動的に実行するように構成してもよい。
【0046】
一方、上記ドライブ部10Cは、メディアがライト・ワンスメディアで書き込まれておりドライブ部10Cも正常であった場合には、当該メディアの種別,管理領域,並びに使用領域情報を、後述する動作モード選択部10Dのメモリ部118へ格納し、状態表示部116へメディアの上書き準備が完了した旨の情報を送信する機能を備えている。
ここで、ドライブ部10Cは、予め前述した動作モード選択部10Dで選択指定された動作モード(例えば、管理領域の上書きモード又は管理領域或いは一部データ領域の上書きモード、又は管理領域および全データ領域の上書きモード等:図6参照)でメディアの上書きを行う。
【0047】
又、ドライブ部10Cは、ライト・ワンスメディアの管理領域の上書きモードが選択された場合、動作モードDB112内のデータ上書きパターン情報を確認し、投入されたメディアの管理領域の全面上書きを実行し、その後、当該メディアを排出し、状態表示部116へ結果を送信する機能を備えている。
【0048】
更に、このドライブ部10Cは、管理領域並びに一部データ領域の上書きモードが選択された場合、動作モードDB112内に格納された実施領域/データ上書きパターンの基本パターンのほか、関連情報である二重書きパターン/上書き回数/二重書き回数情報、並びにメモリ部118内に格納されたメディア情報(管理領域および使用領域情報)を確認し、投入されたメディアの管理領域の全面上書きを行った後に、セッション区切り領域を全面上書きし、その後、使用領域へはランダムにデータ上書き位置を決定してデータの上書きを行い、未使用領域へはランダムにデータ二重書き位置を決定して違うデータパターンでデータの二重書きを行い、その後にメディアを排出制御する。そして、かかる一連の動作結果を、前述した状態表示部116へ送信する機能を備えている。
【0049】
又、このドライブ部10Cは、管理領域並びに全データ領域の上書きモードが選択された場合、動作モードDB112内の実施領域/データ上書きパターンの基本パターンのほか、関連情報である二重書きパターン情報、並びにメモリ部118内の管理領域および使用領域情報を確認し、投入されたメディアの情報(管理領域および使用領域情報)を確認し、当該メディアの管理領域の全面上書きを行った後に、全使用領域へデータの上書きを行い、全未使用領域へ違うデータパターンでデータの二重書きを行い、その後にメディアを排出し、状態表示部116へ結果を送信する機能を備えている。
これらの各動作は、前述したCPU(主制御部)102によって全て制御されるようになっている。
【0050】
次に、動作モード選択部10Dおよび入力部100の各構成部分について説明する。
【0051】
〔動作モード選択部10D〕
前述したように、動作モード選択部10Dは、動作モード表示部115と、状態表示部116と、メモリ部118と、CPU(副制御部)117とにより構成されている。
【0052】
この内、動作モード表示部115は、7セグメントLEDや液晶ディスプレイ等により構成されたの表示回路であり、前述した動作モードを表示する際に使用される。
又、状態表示部116は、動作モード表示部115と同様に7セグメントLEDや液晶ディスプレイ等により構成された表示回路であり、格納されたメディアの状態(上書き対象のメディアか否か)や各動作モードの動作結果(上書き終了の有無)を表示する際に使用される。
【0053】
メモリ部118は、CPU117が直接読み書きできるRAMやROMなどの半導体記憶装置であり、格納されたメディアの種別/管理領域/使用領域情報等を取り込む際に使用される。
CPU(副制御部)117は、マイクロプロセッサ等で構成されている中央演算処理装置であり、外部からの指令等に応じて、上記動作モード表示部115,状態表示部116,メモリ部118を、それぞれ駆動制御する機能を備えている。
【0054】
〔入力部100〕
入力部100は、前述したように、CPU(主制御部)102およびCPU(副制御部)117に対して、外部から各種動作指令を或いは必要な情報を入力するためのものである。この入力部100には、本実施形態では、メディア排出スイッチ(メディア排出SW)111,スタートスイッチ(スタートSW)113,および動作モード選択スイッチ(動作モード選択SW)114が装備されている(図1,図4参照)。
【0055】
この内、メディア排出SW111は、マイクロスイッチ等のスイッチから成り、装置全体の上書き動作に入る前に、前述したメディアを排出する必要がある場合に押下されると、前述したCPU(主制御部)102が直ちに作動し、当該メディアはメディア格納部101から排出される。
【0056】
スタートSW113は、マイクロスイッチ等のスイッチであり、メディアの上書き/2重書き等の動作モードを実行する際に使用される。
動作モード選択SW114は、マイクロスイッチ等のスイッチであり、前述した動作モードDB112に格納されている複数の動作モードから必要とする動作モードを前述した動作モード表示部115を参照しつつ選択する際に使用される。
【0057】
〔上記実施形態の全体的な動作およびその効果〕
次に、本実施形態の全体的な動作を、図1乃至図6に基づいて説明する。
【0058】
まず、図2のフローチャートを用いて説明すると、ライト・ワンスメディア消去装置10は、操作者により動作モード選択SW114が押下されると、直ちにCPU(主制御部)102を作動させて、動作モード表示部115の動作モードを変更し、必要な動作モードを選択設定する(ステップA1:消去動作モード選択工程)。
【0059】
ここで、この消去動作モード選択工程の実行に先立って、前述したライト・ワンスメディアに対する前記上書きデータの書き込み予定領域をそれぞれ一部異なった領域とする複数の消去動作モードが、予め定められ、前述した動作モードDB112に格納されるようになっている(消去動作モード複数設定工程)。
【0060】
次に、操作者によりメディアが投入されると(ステップA2)、当該メディアの種類および消去対象メディアか否かが判別される(ステップA3:消去対象物判定工程)。
この場合、未書き込みメディア(管理領域が未書き込みのメディア)又はリライタブルメディア(CD−RW,DVD±RW,DVD−RAM,BD−RE等の書き換え可能媒体)であった場合(ステップA4:イエス)、又はドライブの異常を検知した場合(ステップA5:ノー)は、当該メディアを排出し(ステップA6:非対象物除外工程)、状態表示部116へその結果(一例として未書き込みメディアの場合:New Disc 、リライタブルメディアの場合:Disc Type Error、ドライブ異常の場合:SenseKey /SenseCode 等)を表示する(ステップA7)。
【0061】
投入されメディアが消去対象メディアであり且つドライブが正常であった場合(ステップA4No、ステップA5 Yes)は、メディアの種別/管理領域/使用領域情報を判読してその情報をメモリ118へ一時格納(ステップA8)し、状態表示部116へメディアの上書き/二重書き準備の完了を表示(一例としてDisc Ready等)する(ステップA9)。即ち、後述するライト・ワンスメディアに対する上書き動作に先立って、当該ライト・ワンスメディアが前述したメディア格納部110に格納された場合に当該メディアの種別/管理領域/使用領域情報等の情報が、前記データ上書き手段20によって収集されCPU102,117によってメモリ部材118に記憶されるようになっている(メディア情報格納工程)。
これら各構成部分の動作の制御については、CPU(主制御部)102およびCPU(副制御部)117が連携して分担制御するように構成されている。
【0062】
続いて、状態表示部116へメディアの上書き/二重書き準備完了の表示がなされた後、操作者が、スタートSW113を押下(ステップA10 Yes)すると、ステップA1で選択された動作モードの判別(ステップA11)がCPU117で実行され、続いて、当該CPU117の選択モード送信機能が作動し、前述したドライブ部10Cに向けて該当する動作モードの実行命令並びにその動作モードで必要となるメモリ部118の内容(管理領域の上書きモードの場合:メディアの種別,管理領域並びに一部データ領域の上書きモードの場合:メディアの種別/管理領域/使用領域情報,管理領域並びに全データ領域の上書きモードの場合:メディアの種別/使用領域情報)の各情報の送信が、行われる(ステップA12)。
【0063】
ここで、操作者が、動作モードとして管理領域の上書きモードを選定した場合(ステップA13)、前述したCPU(主制御部)102は、直ちに作動し、動作モードDB112に予め記憶されている管理領域の上書きモード時の上書きパターン情報を読み出して(ステップA14)、データ上書き手段20を動作制御し、これにより投入されたメディアの管理領域の全面上書き動作を実行する(ステップA15:上書動作実行工程)。
その後、CPU(主制御部)102は、メディア排出SW111からの動作指令を受けて作動しメディアを排出制御し(ステップA16)、状態表示部116へその動作結果を表示(例えばNormal End 等)する(ステップA17)。
【0064】
又、操作者が、動作モードとして管理領域並びに一部データ領域の上書きモードを選定した場合(ステップA18)、前述したCPU(主制御部)102は直ちに作動し、動作モードDB112に記憶されている管理領域及び使用領域への上書きパターン情報、並びに未使用領域への2重書き時の2回分のデータパターン情報、並びに使用領域及び未使用領域への各領域毎の書き込み回数(ドライブの書き込み速度によるが、一例として、使用領域又は未使用領域を全体の容量と比較することにより使用率又は未使用率を算出し、使用率×5000カ所又は未使用率×2500カ所で算出を行う)を読み出す(ステップA19)。
【0065】
その後、CPU(主制御部)102は、データ上書き手段20を動作制御し使用領域情報に基づいて使用領域へ指定回数分ランダムにデータの上書きを行い(ステップA22)、未使用領域へ指定回数分ランダムにデータの二重書きを行った後に(ステップA23)、メディア排出SW111からの動作指令を受けて作動しメディアを排出(ステップA24)し、状態表示部116へCPU117を介してその動作結果を、例えば「Normal End」等の如く表示する(ステップA25)。
【0066】
更に、操作者が、動作モードとして管理領域並びに全データ領域の上書きモードを選定した場合(ステップA26)、前述したCPU(主制御部)102は、直ちに作動し、動作モードDB112に予め記憶されている管理領域及び使用領域への上書きパターン情報、並びに未使用領域への二重書き時の2回分のデータパターン情報を読み出して(ステップA27)、投入されたメディアの管理領域の全面上書きを行った(ステップA28:上書動作実行工程)後に、使用領域情報に基づいて使用領域へデータの全面上書きを行い(ステップA29)、未使用領域へデータの全面二重書きを行う(ステップA30)。
その後、CPU(主制御部)102は、メディア排出SW111からの動作指令を受けて作動しメディアを排出(ステップA31)し、状態表示部116へ動作結果を表示(例ばNormal End等)する(ステップA32)。
【0067】
ここで、上述した実施形態の動作中にあって、上述した各工程で実行される内容の手順をプログラム化しコンピュータで実行(実現)させるように構成してもよい。
【0068】
以上のように、本実施形態によると、従来のライト・ワンスメディアのデータ消去では、カッター等で記録層を傷つけたり又はシュレッダー等によりメディアを裁断していたことから記録層で使われている金属片や記録層の色素(含む有害物質)が飛散し、環境や人体に影響を与える可能性があるという問題を、又、傷つけや裁断をおこなった記録層をつなぎ合わせることによりデータ部を読みとることが出来るというセキュリティ上の問題を、ほぼ100%改善することを可能とすることができる。
【0069】
即ち、本実施形態では、必要とするセキュリティレベルに合わせて三種類のデータ消去動作モード(管理領域の全面上書きモード,管理領域の全面上書き並びに一部データ領域の上書きモード,管理領域並びに全データ領域の上書きモード)を準備して使い分けるようにしたので、メディアの認識不可状態やデータを読みとり不可状態を、メディアの内容に合わせて、有効に且つ確実に設定することができ、これがため、物理破壊することなくデータを消去することができる。
図5に、上記実施形態により実行された上書きモードの結果の一例を示す。この図5において、図5(A)はライト・ワンスメディアにおける上書き前(データ消去前)におけるトラックの一部を示し、図5(B)はライト・ワンスメディアにおける上書き後(データ消去後)におけるトラックの一部を示す。
【0070】
この場合、三種類のデータ消去動作モードは、具体的には、管理領域の全面上書きモード,管理領域/セッション区切り領域の全面上書き並びに使用領域へのランダムに上書き並びに未使用領域へのランダムに二種類のデータパターンで二重書きモード、管理領域/セッション区切り領域/使用領域へデータを全面上書き並びに未使用領域の未使用領域を二種類のデータパターンで二重書きするモードが、用いられる。これにより、メディアの認識不可状態やデータを読み取り不可状態を発生させることができ、これにより、物理破壊することなくメディア上からデータを有効に消去(読み取り不可状態に)することが出来る。
【0071】
尚、上記実施形態では、データ消去動作モードとして三種類のモードを例示して説明したが、本発明ではこのデータ消去動作モードを三種類に限定するものではなく、4種類以上のものであってもよい。又、システム全体的の制御手段をしてCPU102,117の二つの制御部を用いた場合について例示したが、一つであっても或いは三つ以上に分けたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の一実施形態を示すブロックである。
【図2】図1に開示した実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に開示した実施形態における複数の各動作モードにおける各種動作の手順を示す図で、図3(A)は管理領域の上書きモードの場合を、図3(B)は管理領域並びに一部データ領域の上書きモードの場合を、図3(C)は管理領域並びに全データ領域の上書きモードの場合をそれぞれ示すフローチャートである。
【図4】図1に開示した実施形態のデータ消去装置本体部分を収納した筐体部分及びスイッチ装備箇所の例を示す外観説明図である。
【図5】図1に開示した実施形態で実行された上書きモードの結果の一例を示す対比説明図で、図5(A)は上書き前におけるトラックの一部を示す説明図、図5(B)は上書き後におけるトラックの一部を示す説明図である。
【図6】図1に開示した実施形態により実行される各動作モードと消去領域との関係を示す説明図である。
【図7】図1に開示した実施形態により実行される各動作モードの具体的な内容を示す説明図である。
【符号の説明】
【0073】
10 光ディスク用データ消去装置
10C ドライブ部
10D 動作モード選択部
20 データ上書き手段
100 入力部
102 CPU(主制御部)
107 光ピックアップ駆動機構
110 メディア格納部
111 メディア排出スイッチ(メディア排出SW)
112 動作モード用データベース(動作モード用DB)
113 スタートスイッチ
114 動作モード選択スイッチ(動作モード選択SW)
115 動作モード表示部
116 状態表示部
117 CPU(副制御部)
118 メモリ部(メディア情報格納手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ消去対象物であるライト・ワンスメディアを格納するメディア格納部と、このメディア格納部にて前記メディアのデータ領域等に他のデータを上書きするデータ上書き手段とを備え、このデータ上書き手段の動作を駆動制御する主制御部とを備えた光ディスク用データ消去装置において、
前記主制御部に、前記ライト・ワンスメディアに対する前記上書きデータの書き込み予定領域を規制する複数種類の消去動作モードを予め格納した消去動作モード用データベースを併設すると共に、
前記主制御部が、前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に際しては前記消去動作モード用データベースから複数のデータ消去動作モードの内の何れか一つを特定する動作モード特定機能と、この特定した消去動作モードに従って前記メディアに対する前記データ上書き手段による上書き動作を制御する上書動作制御機能とを備えていることを特徴とした光ディスク用データ消去装置。
【請求項2】
前記請求項1に記載の光ディスク用データ消去装置において、
前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に先立って当該メディアの種別や管理領域およびメモリ使用領域等の情報を(一時的に)格納するメディア情報格納手段を設けると共に、この記憶された情報を外部表示する状態表示部を設けたことを特徴とする光ディスク用データ消去装置。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の光ディスク用データ消去装置において、
前記上書きデータの書き込み予定領域を規制する複数種類の消去動作モードは、少なくとも前記ライト・ワンスメディアの管理領域を対象とした上書きモードであることを特徴とした光ディスク用データ消去装置。
【請求項4】
前記請求項1又は2に記載の光ディスク用データ消去装置において、
前記上書きデータの書き込み予定領域を規制する複数種類の消去動作モードは、少なくとも前記ライト・ワンスメディアの管理領域および一部データ領域を対象とした上書きモードであることを特徴とした光ディスク用データ消去装置。
【請求項5】
前記請求項1又は2に記載の光ディスク用データ消去装置において、
前記上書きデータの書き込み予定領域を規制する複数種類の消去動作モードは、少なくとも前記ライト・ワンスメディアの管理領域および全データ領域を対象とした上書きモードであることを特徴とした光ディスク用データ消去装置。
【請求項6】
前記請求項2に記載の光ディスク用データ消去装置において、
前記メディア格納部,データ上書き手段,主制御部,および消去動作モード用データベースをデータ消去装置本体のドライブ部側に配設すると共に、前記メディア情報格納手段および状態表示部をデータ消去装置本体の動作モード選択部側に配設し、
前記動作モード選択部が、前記メディア情報格納手段および状態表示部の動作を制御する副制御部を備えると共に、
この副制御部に、動作モード用データベースに記憶された動作モードにかかる情報を表示する動作モード表示部を併設すると共に、
前記副制御部が、前記動作モード表示部で表示された消去動作モード情報の内の特定の消去動作モードが外部指定された場合に当該指定された消去動作モードにかかる情報を選択された消去動作モードとして前記ドライブ部側の主制御部へ送信する選択モード送信機能を備えていることを特徴とした光ディスク用データ消去装置。
【請求項7】
データ消去対象物であるライト・ワンスメディアに他のデータを上書きして元のデータを読み取り不可能状態に設定する光ディスク用データ消去方法において、
前記ライト・ワンスメディアに対する前記上書きデータの書き込み予定領域をそれぞれ一部異なった領域とする複数の消去動作モードを予め設定する消去動作モード複数設定工程と、
前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に先立って当該ライト・ワンスメディアの種別や管理領域およびメモリ使用領域等の情報を格納するメディア情報格納工程と、
前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に際しては予め設定した前記複数のデータ消去用の動作モードの内の何れか一つを選択する消去動作モード選択工程とを備え、
この選択された一つの消去動作モードに従って前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作を実行する上書動作実行工程とを設けたことを特徴とした光ディスク用データ消去方法。
【請求項8】
前記請求項7に記載の光ディスク用データ消去方法において、
前記メディア情報格納工程の実行に先立って、前記メディアがデータ消去対象物か否かを判定する消去対象物判定工程と、データ消去対象物でないと判定された場合に当該メディアをデータ消去対象物から除外する非対象物除外工程とを設けたことを特徴とする光ディスク用データ消去方法。
【請求項9】
データ消去対象物であるライト・ワンスメディアに他のデータを上書きして元のデータを読み取り不可能状態に設定する光ディスク用データ消去プログラムにおいて、
前記ライト・ワンスメディアに対する前記上書きデータの書き込み予定領域を異なった領域とする複数の消去動作モードが形成された場合にこれを所定の記憶手段に格納する消去動作モード格納機能、
前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に先立って当該ライト・ワンスメディアの種別や管理領域およびメモリ使用領域等の情報を取得すると共に所定の記憶手段に格納するメディア情報格納機能、
前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作に際しては予め設定した前記複数のデータ消去用の動作モードの内の何れか一つを選択する消去動作モード選択機能、
および、この選択された一つの消去動作モードに従って前記ライト・ワンスメディアに対する上書き動作を実行する上書動作実行機能、
をコンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする光ディスク用データ消去プログラム。
【請求項10】
前記請求項9に記載の光ディスク用データ消去プログラムにおいて、
前記メディアがデータ消去対象物か否かを判定する消去対象物判定機能、および前記メディアがデータ消去対象物でないと判定された場合に当該メディアをデータ消去対象物から除外する非対象物除外機能、とを前記コンピュータに実現させるようにしたことを特徴とする光ディスク用データ消去プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−323708(P2007−323708A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−150960(P2006−150960)
【出願日】平成18年5月31日(2006.5.31)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】