説明

光ディスク装置およびその回転制御方法

【課題】本発明では、このような問題を解決するためになされたものであり、アクセスタイムの高速化と消費電力の抑制というある程度相反する2つの課題に対して最適な動作が実行できる光ディスク装置およびその回転制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ホストコンピュータから所定の動作を指示するコマンドを入力する手段と、光ディスクを回転駆動し前回のコマンドから所定期間次のコマンドが入力されなかった場合光ディスクの回転を停止する駆動手段と、前回のコマンドと次回のコマンドとの時間的間隔が所定期間を超えた場合の時間的間隔が複数ある場合にその平均値を算出する制御手段とを具備し制御手段は、前回のコマンドから平均値が示す時間的間隔を経過すると、次回のコマンドが入力されない場合であっても光ディスクの回転を再開する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円盤上の記録媒体を回転させて記録または再生動作を行うことができる光ディスク装置およびその回転制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ホストコンピュータに接続する外部記録用の媒体としてはCDやDVDに代表される円盤状の記録媒体である光ディスクが一般的に使用されている。この光ディスクに対して記録や再生を行うには、光ディスクをスピンドルモータによって回転させて、回転させた光ディスクの記録面上の所定の位置にレーザ光を照射して記録や再生を行っている。
【0003】
ホストコンピュータと接続される光ディスク装置では、ホストコンピュータのデータ転送要求に迅速に応答して処理速度(アクセス速度)を速くする一方で、光ディスクにアクセスする必要がないときには、消費電力を低く抑えることが好ましい。
【0004】
従って、従来の構成ではホストコンピュータの消費電力を少なくするために、ある程度の時間光ディスクにアクセスがない場合には、スピンドルモータの回転を停止して省電力のモードにする構成としていた。
【0005】
図8は、従来の回転制御の動作に関するフローチャートである。従来は、ホストコンピュータと接続される光ディスク装置は、所定の時間アクセスがなければ、省電力を優先して、光ディスクの回転を停止することが一般的に行われていた。
【0006】
図8において、光ディスクの動作が開始されると(S900)、ホスト装置からのコマンドの入力が監視され(S901)、コマンド入力があり光ディスクへのアクセスが開始されたかどうか判定される(S902)。
【0007】
アクセス開始がなければ(S901)に戻り、アクセスがあるまで監視を続ける。アクセス開始されると、光ディスクの回転が開始され(S903)、光ディスクへのアクセス処理がなされ(S904)、次のコマンド入力までの時間が測定される(S905)。
【0008】
コマンド入力までの待機時間が所定の時間より小さいときは(S906)、光ディスクの回転は停止せずに(S904)に戻りアクセス処理を続ける。
【0009】
コマンド入力時間が所定の時間以上となったら(S906)、光ディスクの回転を停止し(S907)、(S901)に戻り、コマンド入力監視に戻る。
【0010】
この構成では、光ディスクの回転を停止中にホストコンピュータからのアクセスがあると、スピンドルモータの回転が所定の回転数になるまで、待たなければならず、アクセスタイムの高速化が損なわれることになる。
【0011】
このような、アクセスタイムの高速化と消費電力の抑制というある程度相反する2つの要望を考慮した光ディスク装置を提供する技術として例えば(特許文献1)がある。
【0012】
この(特許文献1)の構成では、アクセスタイムの高速化と消費電力の抑制というある程度相反する2つの要望を考慮して、ホスト機器からのコマンド待機期間となったら、或る程度の期間は所定速度で光ディスクの回転を続行し、コマンド待機時間が長くなったら、フォーカスサーボはオンのまま光ディスクの回転を停止して、省電力とアクセスタイム短縮を行う構成としている。
【特許文献1】特開平11−162087号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、(特許文献1)の構成においては、コマンド待機時間が長くなったらフォーカスサーボはオンのままとしつつ光ディスクの回転を停止する構成としている。この構成によればフォーカスサーボに関する時間は確かに短縮できるが、光ディスクの回転が停止中にホストコンピュータからの記録または再生動作の要求があると、スピンドルモータの回転を開始し、スピンドルモータの回転を開始したあと所定の回転数になるまでコマンドに対応する動作を待たなければならず、結果として光ディスクへのアクセスタイムのロスが生じる課題があった。
【0014】
本発明では、このような問題を解決するためになされたものであり、アクセスタイムの高速化と消費電力の抑制というある程度相反する2つの課題に対して最適な動作が実行できる光ディスク装置およびその回転制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
かかる問題を解決するため、ホストコンピュータから所定の動作を指示するコマンドを入力する手段と、コマンドの入力により光ディスクを回転駆動し、コマンドの終了から所定期間次のコマンドが入力されなかった場合前記光ディスクの回転を停止する駆動手段と、前回のコマンドの終了と次回のコマンドの入力との時間間隔が所定期間を超えることが複数回あった場合、前記所定時間を超えた複数回の時間間隔の平均値を算出する制御手段と、を具備し、制御手段は、前回のコマンドの終了から前記平均値が示す時間間隔を経過すると、次回のコマンドが入力されない場合であっても、停止した光ディスクの回転を再開させるものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の光ディスク装置およびその回転制御方法によれば、前回のコマンドから前記平均値が示す時間的間隔を経過すると、次回のコマンドが入力されない場合であっても、前記光ディスクの回転を再開させることにより、コマンド間隔が所定期間以上で回転を停止し省電力とするとともに、所定時間以上のコマンド間隔の平均時間を学習しながら、次にコマンドがくる時間を予測して光ディスクを回転させるので、無駄に早く立上げてエネルギーを消費するのを抑えつつ光ディスクの回転再開の立上りを早めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
請求項1記載の発明は、ホストコンピュータから所定の動作を指示するコマンドを入力する手段と、コマンドの入力により光ディスクを回転駆動し、コマンドの終了から所定期間次のコマンドが入力されなかった場合、前記光ディスクの回転を停止する駆動手段と、前回のコマンドの終了と次回のコマンドの入力との時間間隔が所定期間を超えることが複数回あった場合、前記所定時間を超えた複数回の時間間隔の平均値を算出する制御手段と、を具備し、制御手段は、前回のコマンドの終了から前記平均値が示す時間間隔を経過すると、次回のコマンドが入力されない場合であっても、停止した光ディスクの回転を再開させるものである。
【0018】
本発明によれば、コマンド入力待機時間が所定期間以上となると光ディスクの回転を停止し省電力とするとともに、前回までのコマンド間の時間的間隔から算出した平均値が示す時間的間隔を経過すると、次回のコマンドが入力されない場合であっても、光ディスクの回転を再開させることにより、所定時間以上のコマンド間隔の平均時間を学習しながら次にコマンドがくる時間を予測して光ディスクを回転させるので、光ディスクの回転を停止したあとに無駄に早く立上げてエネルギーを消費するのを抑えつつ光ディスクの回転再開の立上りを早めることができる。
【0019】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、制御手段は、所定期間を超えた時間間隔が所定の最大値の範囲内である場合、前記平均値を算出する数値要素として用いるものである。
【0020】
本発明によれば、所定時間を超えた複数回の時間間隔の平均値を算出する要素として所定の最大値の範囲内である時間間隔を平均値の算出に用いることにより、光ディスク装置の使用者が、離席したり他の作業をしたりして長時間光ディスクにアクセスすることがない時間を平均値の算出から除外し、次にコマンドが入力される時間の予測値を算出する精度が向上するので、操作する人のスピードや、作業の種類に応じた算出した平均値にて、停止していた光ディスクを再回転させるので、無駄に早く立上げてエネルギーを消費するのを抑えつつ光ディスクの回転再開の立上りを早めることができる。
【0021】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、制御手段は、所定期間と算出された平均値との差分が、所定の最小値以下となったとき、所定期間が経過しても光ディスクの回転を停止させないものである。
【0022】
本発明によれば、前回のコマンドと次回のコマンドとの時間的間隔が前記所定期間を超えた場合の時間差分が、所定の最小値以下となった場合、光ディスクの回転を停止させないことにより、回転を停止したあとで、すぐに回転を再開するムダがなくなるので、無駄に早く立上げてエネルギーを消費するのを抑えつつ光ディスクの回転再開の立上りを早めることができる。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、制御手段は、平均値を記憶する記憶手段を有し記記憶した平均値と新たに所定期間を超えた時間間隔とで平均値を算出し、新たな平均値としてこの平均値を前記記憶手段に記憶するものである。
【0024】
本発明によれば、記憶した平均値と、前回のコマンドと次回のコマンドとの時間的間隔との平均値を算出し新たな平均値として前記平均値を記憶することにより、あらたに光ディスクにアクセスするときも、この平均値を利用できるので、動作開始のときであっても以前に学習した平均時間を基に、次にコマンドがくる時間を予測して光ディスクを回転させるので、無駄に早く立上げてエネルギーを消費するのを抑えつつ光ディスクの回転再開の立上りを早めることができる。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、所定の動作を指示するコマンドは、ATAPIインターフェースコマンドとしたものである。
【0026】
本発明によれば、ホストコンピュータと光ディスク間のインターフェースのATAPIインターフェースコマンドを用いることにより、ホストコンピュータが変わっても互換性があるので、どのホストコンピュータでも使用することができるようになる。
【0027】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、所定の動作を指示するコマンドは、先頭コマンドと転送データとからなるものである。
【0028】
本発明によれば、コマンドとデータとのセットでコマンド構成とすることにより、読取りコマンドであっても記録コマンドであってものいづれのコマンドのときでも先頭コマンドの情報でコマンドで定義するデータを判別できる。
【0029】
請求項7記載の発明は、ホストコンピュータから所定の動作を指示するコマンドを入力し、入力したコマンドに基づき光ディスクを回転駆動し前記所定の動作を実行し、前回のコマンドの終了から所定期間次のコマンドが入力されなかった場合、光ディスクの回転を停止し、前回のコマンドの終了と次回のコマンドの入力との時間間隔が所定期間を超えることが複数回あった場合、所定時間を超えた複数回の時間間隔の平均値を算出し、前回のコマンドの終了から平均値が示す時間的間隔を経過すると、次回のコマンドが入力されない場合であっても、光ディスクの回転を再開させることを特徴とする光ディスク装置の回転制御方法である。
【0030】
この方法によれば、前回のコマンドから前記平均値が示す時間的間隔を経過すると、次回のコマンドが入力されない場合であっても、前記光ディスクの回転を再開させることにより、コマンド間隔が所定期間以上で回転を停止し省電力とするとともに、所定時間以上のコマンド間隔の平均時間を学習しながら、次にコマンドがくる時間を予測して光ディスクを回転させるので、無駄に早く立上げてエネルギーを消費するのを抑えつつ光ディスクの回転再開の立上りを早めることができる。
【0031】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の発明において、前回のコマンドと次回のコマンドとの時間的間隔が前記所定期間を超えた場合の時間的間隔が、所定の最大値の範囲内である場合に、前記平均値を算出する数値要素とするものである。
【0032】
この方法によれば、所定時間を超えた複数回の時間間隔の平均値を算出する要素として所定の最大値の範囲内である時間間隔を平均値の算出に用いることにより、光ディスク装置の使用者が、離席したり他の作業をしたりして長時間光ディスクにアクセスすることがない時間を平均値の算出から除外し、次にコマンドが入力される時間の予測値を算出する精度が向上するので、操作する人のスピードや、作業の種類に応じて算出した平均値にて、停止していた光ディスクを再回転させるので、無駄に早く立上げてエネルギーを消費するのを抑えつつ光ディスクの回転再開の立上りを早めることができる。
【0033】
請求項9記載の発明は、請求項7記載の発明において、前回のコマンドと次回のコマンドとの時間的間隔が所定期間を超えた場合の時間的間隔が、所定の最小値以下となった場合、光ディスクの回転を停止させないことを特徴とするものである。
【0034】
この方法によれば、前回のコマンドと次回のコマンドとの時間的間隔が前記所定期間を超えた場合の時間的間隔が、所定の最小値以下となった場合、前記光ディスクの回転を停止させないことにより、回転を停止したあとで、すぐに回転を再開するムダがなくなるので、無駄に早く立上げてエネルギーを消費するのを抑えつつ光ディスクの回転再開の立上りを早めることができる。
【0035】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
【0036】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係わるホストコンピュータと光ディスク装置に関するネットワーク図である。
【0037】
図1において、11はホストコンピュータ、12はディスプレイ、13は光ディスク装置、14はUSBインターフェース端子、15はUSBインターフェースケーブル、16はUSBコネクタ、17はディスプレイケーブル、18は内蔵光ディスク装置、19は電源スイッチ、9はACアダプタである。
【0038】
ホストコンピュータ11の電源スイッチ19をONすると、ホストコンピュータ11内のオペレーディングシステム(OS)、例えばWindows(登録商標)が起動しホストコンピュータ11が使用できるようになり、ユーザは所望のソフトウェアを選択して実行することができるようになる。
【0039】
ホストコンピュータ11の使用が終了し、ホストコンピュータ11の電源をOFFするには、OSのシャットダウン操作によって電源をOFFする。
【0040】
ホストコンピュータ11に備えたUSBインターフェース端子14は複数個数備えられており、このUSBインターフェース端子14にUSBインターフェースケーブル15で光ディスク装置13及びその他の周辺装置を複数接続することができる。USBインターフェースケーブル15の端部にはUSBコネクタ16がありこのUSBコネクタ16をUSBインターフェース端子14に挿入して接続する。
【0041】
また、内蔵光ディスク装置18はホストコンピュータ11に予め備えられている光ディスク装置13であり、ソフトウェアのインストールなどに使用される再生専用の光ディスク装置13であったりいくつかの種類の光ディスク201に対して記録可能としている。ホストコンピュータ11に予めそなえられた内蔵光ディスク装置18では記録や再生ができない光ディスク201の種類に対応するためには、所望の光ディスク201に対して記録または再生ができるタイプの内蔵光ディスク装置18に置き換えるか、USBインターフェースケーブル15で接続する外付けの光ディスク装置13を接続することで対応できる。
【0042】
ホストコンピュータ11とディスプレイ12とは、ディスプレケーブル17で接続されており、ホストコンピュータ11の文字や映像の出力装置として動作しホストコンピュータ11で実行するソフトウェアの実行に伴う情報の表示ができる。
【0043】
ホストコンピュータ11に外付けする光ディスク装置13は、駆動電源をホストコンピュータ11のUSBインターフェース端子14から供給を受けることができ、USBインターフェース端子14のみの電源で駆動する場合や、USBインターフェースの電源容量が不足するときには、必要に応じて、ACアダプタ9によりDC電源として電源供給をすることもできる。また、ACアダプタ9から供給しなくてもDC電源として電池で供給してもよい。
【0044】
図2は、本発明の実施の形態1に係わる光ディスク装置のブロック図である。
【0045】
図2においては、ホストコンピュータ11に外付けする光ディスク装置13を例にとって説明する。
【0046】
図2において、11はホストコンピュータ、13は光ディスク装置、23はインターフェース、15はUSBインターフェースケーブル、201は光ディスク、202はピックアップモジュール、203はピックアップ、204はスピンドルモータ、205はフォーカス駆動コイル、206は対物レンズ、207はレーザ、208は反射光受光手段、210はキャリッジ、212はデジタルサーボコントローラ、213はデータ処理部、214はフォーカス駆動コイル制御手段、217はレーザ駆動制御手段、218は回転制御手段、219はスピンドルモータ駆動手段、220は記憶手段、221は電源接続判定手段、222はコマンド間隔測定手段である。
【0047】
以上のように構成された本発明の実施の形態1における光ディスク装置13について説明する。
【0048】
図2において、ホストコンピュータ11と光ディスク装置13とはUSBインターフェースケーブル15を介して情報の送受信がされる。ホストコンピュータ11から光ディスク装置13に対して光ディスク201へ情報を記録する要求または光ディスク201の情報の再生の要求は、USBインターフェースケーブル15を介して光ディスク装置13に送られる。
【0049】
この要求は、ホストコンピュータ11からインターフェース23を介してパケットコマンドなどで要求され、光ディスク装置13はこのコマンドをインターフェス23で入力して、このコマンドに応答して記録や再生などの所定の動作をする。
【0050】
ピックアップモジュール202は、光ディスク201に情報の記録または再生の少なくとも一方を行う光ディスク201を回転させるスピンドルモータ204と、レーザ207の発光パターンを利用して光ディスク201に情報の記録または再生の少なくとも一方を行うピックアップ手段であるピックアップ203と、ピックアップ203が搭載されたキャリッジ210を光ディスク201の半径方向に移動させるためのフィード部(図示せず)とによって構成されたものである。
【0051】
フォーカス駆動コイル205は、フォーカス駆動コイル制御手段214によってピックアップ203の対物レンズ206を光ディスク201の記録面に近づけたり離れたり制御する駆動コイルで、光ディスク201の記録面に焦点を合わせるように調整する。
【0052】
レーザ駆動制御手段217は、光ディスク201に情報を記録または再生するときのレーザ207のレーザパワーを駆動制御する。
【0053】
反射光受光手段208は、光ディスク201からの反射光を受光し、受光した反射光を基に信号出力を行う。
【0054】
出力された信号は、フォーカスエラー信号やトラッキングエラー信号を生成し、フォーカスサーボ制御やトラッキングサーボ制御を行う信号とする。
【0055】
回転制御手段218は、ホストコンピュータ11からのコマンド入力を受けたら、コマンドに対して応答し、例えば記録または再生動作にあたり所定の速度となるようにスピンドルモータ204の回転させ、動作完了したら所望により回転を停止する制御を行う。
【0056】
回転制御手段218からの信号は、スピンドルモータ駆動手段219で駆動されて、スピンドルモータ204の回転駆動を行う。
【0057】
コマンド間隔測定手段222は、ホストコンピュータ11から送られてくるコマンドを解析し、コマンド終りと、次のコマンドの入力を検出して、両者の時間間隔であるコマンド間隔を測定する。
【0058】
測定したコマンド間隔は、データ処理部213で所定の時間間隔の範囲内であるコマンド間隔を抽出して平均値の平均値を算出する数値要素とし、抽出したコマンド間隔で平均値が算出され記憶手段220に記憶される。
【0059】
この所定の範囲は、コマンド終了の後所定の期間Tを越えた時間(例えば5〜20分)から、コマンド入力待ち待機時間の最大値W(例えば30〜60分など)を範囲としている。この所定の期間Tおよび最大値Wは、ユーザがホストコンピュータ11で実行するアプリケーションソフトにて任意に設定することができる。
【0060】
また、DIPスイッチを設けて、DIPスイッチの設定としてもよい。
【0061】
算出したコマンドの時間間隔の平均値を基に、後で述べるように光ディスク201の回転を制御する。光ディスク201の回転制御は、スピンドルモータ204の駆動を制御することで行う。
【0062】
光ディスク装置13の駆動電源は、ホストコンピュータ11からUSBインターフェースケーブル15のVBUS端子を介して供給される電源と、外部電源9からの電源と両者の電源が使用できる。
【0063】
これらの電源は、電源接続判定手段221で、接続されている電源の接続状態を判断して、選択して光ディスク装置13の内部に供給できるようにしている。
【0064】
図3は、本発明の実施の形態1に係わるコマンド処理の構成を示す図である。
【0065】
図3では、光ディスク201に対して複数の処理を順次行うときの処理の状態を示している。
【0066】
ホストコンピュータ11から光ディスク装置13へのコマンドとは、光ディスク装置13に特定の動作をさせる命令信号のことである。ホストコンピュータ11で実行するアプリケーションソフトが光ディスク装置13に対して指示するコマンドはATAPI(ATA Packet Interface)コマンドで構成している。
【0067】
ホストコンピュータ11は、光ディスク装置13の状態を監視するために、ATAPIコマンドを送り続けている。
【0068】
光ディスク装置13は光ディスク201の種類や光ディスク装置13の状態を記憶しておき、ホストコンピュータ11側から入力されるコマンドに対して応答する。
【0069】
光ディスク201に記録された情報を再生するには、ATAPIコマンドの読出しコマンド(READ)を、また光ディスク201にデータを記録するには、ATAPIコマンドの記録コマンド(WRITE)をホストコンピュータ11から光ディスク装置13に発行して光ディスク装置13に実行させる。
【0070】
ホストコンピュータ11からのデータを光ディスク装置13に送り光ディスク201に記録する例をとり、コマンド処理を説明する。
【0071】
図3(a)は、ホストコンピュータ11から光ディスク装置13へ複数の記録データを転送している処理の状態を示している。
【0072】
ホストコンピュータ11上の記録ソフト(アプリケーションソフト)が光ディスク装置13にに送る記録データを記したものである。
【0073】
光ディスク201に所望のデータを記録するには、記録(WRITE)コマンドをホストコンピュータ11から光ディスク装置13に対して発行する。
【0074】
図3(a)では、記録データ1(REC1)が転送されたあと、C1の時間転送が待機したあと記録データ2(REC2)が転送され、C2の時間を待機したあと記録データ3(REC3)が転送され、以下同様に継続して処理を実行する状態を例示している。
【0075】
なお、記録データ間の間隔(C1、C2など)は、光ディスク装置13の使用状況で、時間が短かかったりや長くなったりする。これは、操作する人の操作スピードや、処理の種類などでも異なる。
【0076】
図3(b)は、記録データ1(REC1)を拡大した図である。
【0077】
図3(b)に示すように、一続きのデータを記録する場合(例えばREC1)、1つの記録コマンドで丸ごと全てのデータを記録するわけではなく、ホストコンピュータ11で実行するアプリケーションソフト(記録ソフト)は、2KB〜64KBの細かいデータに記録データを分割し、記録コマンド(CMD1〜CMDn)という単位にしてドライブに送る。
【0078】
この記録コマンド(CMD1〜CMDn)間の時間的間隔(D1〜Dn−1)は、記録データ間の間隔(例えばC1、C2など)に比べて短い。
【0079】
従って、記録コマンド(CMD1〜CMDn)と記録データ間の間隔(例えばC1、C2など)との差異は、入力するコマンド間隔を測定することで区別することができる。
【0080】
従って、コマンド処理が終了後の時間を測定することで、記録データが終了したかどうかを判別でき、コマンド処理が終了したあと、次のコマンドがくるまでの時間が所定期間を越えたら回転制御に係わる制御ができるようになる。
【0081】
本発明では、コマンド処理が終了したあと、次のコマンドがくるまでの時間が所定の期間を越えたら光ディスク201の回転を停止し、光ディスク201の回転が停止したあと次のコマンドを予測して、光ディスク201の回転を再開するようにしている。
【0082】
図3(c)は、記録コマンド(CMD1)の拡大図である。
【0083】
図3(c)に示すように、記録コマンドの先頭部分には、CDB(COMMAND DESCRIPTOR BLOCK)データ301と呼ぶ12バイトの命令に関する情報と、それに続く転送データ302とからなる。
【0084】
記録コマンドにおけるCDBデータ301の内容は、コマンドの種類を規定するオペレーションコマンド、メディア上の記録位置を示すLBA情報、一緒に送るデータ容量を表すセクター数情報からなる(図示せず)。
【0085】
記録コマンドにおける転送データ302は、2KB〜64KBの細かいデータ量で構成している。これにより、大きな記録データを分割して処理するので、インターフェースを占有することがなくなり、記録コマンドが終わるまで処理を待つ必要がなくなり、他の機器にもコマンドを送ることができるようになる。
【0086】
図4は、本発明の実施の形態1に係わる回転制御処理を示す図である。
【0087】
図4(a)は初期値を利用しない場合で、記録動作を行う際の回転制御処理の一例を示した図である。
【0088】
光ディスク201への記録要求により記録開始され光ディスク201にの回転が開始されて記録データREC1の記録が終ったあと、次のコマンドを入力待ちしている時間(待機時間)が所定の期間Tより長くなると、光ディスク201の回転を停止(401)する。
【0089】
所定の期間Tより前に次の記録データREC2が送られて処理をするときは、光ディスク201の回転は停止せずに次の記録データREC2を処理する。
【0090】
光ディスク201の回転が停止(401)したあとで、次のコマンド入力で記録データREC2が入力されると、光ディスク201の回転を開始し(402)、記録データREC2の処理を行う。
【0091】
記録データREC2が終了したあと、次のコマンドを入力待ちしている時間(待機時間)が所定の期間Tより長くなると、光ディスク201の回転を停止(403)する。
【0092】
また、所定の期間Tより前に次の記録データREC3が送られて処理をするときは、光ディスク201の回転は停止せずに次の記録データREC3を処理する。
【0093】
光ディスク201の回転が停止しているとき、前回の記録データの間隔(コマンド間隔とも呼ぶ)C1の時間が経過したら、停止していた光ディスク201の回転を再開する(404)。C1の待機時間より前に次の記録データREC3が送られてきたら、光ディスク201を回転開始して次の記録データREC3を処理する。
【0094】
記録データREC3が終了したあと、次のコマンドを入力待ちしている時間(待機時間)が所定期間Tより長くなると、光ディスク201の回転を停止(405)する。
【0095】
また、所定期間Tより前に次の記録データREC4が送られて処理をするときは、光ディスク201の回転は停止せずに次の記録データREC3を処理する。
【0096】
光ディスク201の回転が停止しているとき、前回の記録データの間隔C1およびC2の時間の平均値の時間間隔が経過したら、停止していた光ディスク201の回転を再開する(406)。この平均値の時間間隔より前に次の記録データREC4が送られてきたら、光ディスク201を回転開始して次の記録データREC4を処理する。
【0097】
このようにして、コマンド間隔の平均値をコマンド処理の都度算出し、光ディスク201の回転が停止したあと、この学習したコマンド間隔の平均値の時間間隔が経過すると、次のコマンド(記録データ)がくる前であっても、光ディスク201の回転を開始するようにしている。
【0098】
なお、平均値を算出する数値としては、所定期間Tより長く、所定値Wより短い時間のみを算出の数値要素として算出する。
【0099】
これによって、連続したアクセスのときや、長時間光ディスク装置13を使用せず、光ディスク201へのアクセスが発生しないときの時間的数値要素を除いている。
【0100】
したがって、光ディスク装置13の使用者が、離席したり他の作業をしたりして長時間光ディスク201にアクセスすることがない時間を平均値の算出から除外し、次にコマンドが入力される時間の予測値を算出する精度が向上するので、操作する人のスピードや、作業の種類に応じた算出した平均値にて、停止していた光ディスク201を再回転させるので、無駄に早く立上げてエネルギーを消費するのを抑えつつ光ディスク201の回転再開の立上りを早めることができる。
【0101】
図4(b)は、記憶装置220に記憶した初期値を利用して記録動作を行う際の回転制御処理の一例を示した図である。
【0102】
光ディスク201への記録要求により記録開始され光ディスク201にの回転が開始されて記録データREC1の記録が終ったあと、次のコマンドを入力待ちしている時間(待機時間)が所定の期間Tより長くなると、光ディスク201の回転を停止(411)する。
【0103】
所定の期間Tより前に次の記録データREC2が送られて処理をするときは、光ディスク201の回転は停止せずに次の記録データREC2を処理する。
【0104】
光ディスク201の回転が停止(411)しているとき、コマンド間隔の初期値の時間間隔が経過したら、停止していた光ディスク201の回転を再開する(412)。初期値の待機時間より前に次の記録データREC2が送られてきたら、光ディスク201の回転開始して次の記録データREC2を処理する。
【0105】
記録データREC2が終了したあと、次のコマンドを入力待ちしている待機時間が所定の期間Tより長くなると、光ディスク201の回転を停止(413)する。
【0106】
また、所定の期間Tより前に次の記録データREC3が送られて処理をするときは、光ディスク201の回転は停止せずに次の記録データREC3を処理する。
【0107】
光ディスク201の回転が停止しているとき、コマンド間隔の初期値と前回のコマンド間隔C1の平均の時間が経過したら、停止していた光ディスク201の回転を再開する(414)。初期値と前回のコマンド間隔C1の平均の時間の待機時間より前に次の記録データREC3が送られてきたら、光ディスク201を回転開始して次の記録データREC3を処理する。
【0108】
記録データREC3が終了したあと、次のコマンドの待機時間が所定の期間Tより長くなると、光ディスク201の回転を停止(415)する。
【0109】
また、所定期間Tより前に次の記録データREC4が送られて処理をするときは、光ディスク201の回転は停止せずに次の記録データREC3を処理する。
【0110】
光ディスク201の回転が停止しているとき、初期値、前回の記録データの間隔C1およびC2の時間の平均値の時間間隔が経過したら、停止していた光ディスク201の回転を再開する(416)。この平均値の時間間隔より前に次の記録データREC4が送られてきたら、光ディスク201を回転開始して次の記録データREC4を処理する。
【0111】
このようにして、初期値も含めたコマンド間隔の平均値をコマンド処理の都度算出し、光ディスク201の回転が停止したあと、この学習したコマンド間隔の平均値の時間間隔が経過すると、次のコマンド(記録データ)がくる前であっても、光ディスク201の回転を開始するようにしている。
【0112】
なお、平均値を算出する数値としては、所定の期間Tより長く、所定値Wより短い時間のみを算出の数値要素として算出する。
【0113】
これによって、所定時間を超えた複数回の時間間隔の平均値を算出する要素として所定の最大値の範囲内である時間間隔を平均値の算出に用いることにより、光ディスク装置13の使用者が、離席したり他の作業をしたりして長時間光ディスク201にアクセスすることがない時間を平均値の算出から除外し、次にコマンドが入力される時間の予測値を算出する精度が向上するので、操作する人のスピードや、作業の種類に応じた算出した平均値にて、停止していた光ディスク201を再回転させるので、無駄に早く立上げてエネルギーを消費するのを抑えつつ光ディスク201の回転再開の立上りを早めることができる。
【0114】
また、再回転させたあと、所定時間TT1以上経過したら光ディスク201の回転を再び停止し、さらに停止してからの停止時間が所定時間TT2以上経過したら再び再々回転させるようにし、コマンド入力期間がながくなると、光ディスク201を回転させたり、回転を止めたり繰り返す。
【0115】
また、コマンド終了の後、光ディスク201の回転を停止する所定の期間Tと算出した平均値の差分が最小値(例えば1〜5分)より短くなると、回転を停止してから再回転する時間的間隔が短くなるので、差分が最小値より短い間は、光ディスク201の回転は停止しないようにしている。
【0116】
本発明の実施の形態1の回転制御の処理をフローチャートをもとに説明する。
【0117】
図5は、本発明の実施の形態1に係わる回転制御のフローチャートである。
【0118】
図5に従って光ディスク201の回転制御の処理手順を説明する。
【0119】
光ディスク201の使用が開始されると(S500)、初期設定が行われる(S501)。この初期設定では、コマンド間隔の初期値が読込まれる。そしてホストコンピュータ11からのコマンドが入力されるまで待機し(S502)、ホストコンピュータ11からのコマンドが入力されると光ディスク201の回転が開始され(S503)、入力したコマンドの処理が行われる(S504)。コマンドが光ディスク装置13の終了のときは(S505)、処理制御を停止する(S530)。
【0120】
光ディスク201への記録や再生の動作を行うコマンドであれば、記録や再生を行い、コマンド処理ごとに前回のコマンド処理終了から次回のコマンドの開始を監視しながら待機時間を測定し(S506)、待機時間が所定の期間T以上、例えば5分間以上となったかどうか判別し(S507)、所定期間の時間以下であれば、(S504)に戻り処理を続ける。
【0121】
待機時間が所定の期間Tを越えると(S507)、光ディスク201の回転を停止する(S508)。光ディスク201の回転を停止したあとも、前回のコマンド処理終了から次回のコマンド開始までの待機時間の測定を続ける。
【0122】
コマンド入力待ちの待機時間がコマンド間隔の平均値以上かどうかを判別し(S509)、停止中にコマンド入力があるかどうか判別し(S510)、入力がなければ(S509)に戻る。
【0123】
コマンド入力があれば(S510)、前回のコマンド処理終了から今回の入力したコマンドまでのコマンド間隔時間と、以前の平均コマンド間隔よりコマンド間隔の平均値を更新する(S511)。そして光ディスク201を回転し(S512)、(S504)のコマンド処理に戻る。
【0124】
コマンド入力待ちの待機時間が平均コマンド間隔の平均値以上のとき(S509)は、次のコマンドを入力する前であっても、光ディスク201を再回転し(S513)、前回のコマンド処理終了からの待機時間の測定を続け(S514)、回転中にコマンド入力があるかどうか判別し(S515)、コマンド入力があれば、前回のコマンド処理終了から今回の入力したコマンドまでのコマンド間隔時間と、以前のコマンド間隔の平均値より平均値を更新する(S516)。そして、(S504)のコマンド処理に戻る。
【0125】
(S515)判定で入力がなければ、(S513)で光ディスク201の再回転を開始してからの回転時間が所定時間TT1以上経過したかどうかを判定し(S517)、所定時間TT1以上経過したら光ディスク201の回転を再び停止する(S518)。
【0126】
光ディスク201の回転時間が所定時間TT1より短いときは、光ディスク201の回転は維持したまま入力待ち(S515)へ戻る。(S518)で光ディスク201の回転を停止したら、コマンド入力があるかどうかを判定し(S519)、コマンドの入力がなければ、(S518)で光ディスク201の回転を停止してからの停止時間が所定時間TT2以上経過したかどうかを判定し(S522)、停止時間TT2が所定時間TT2より短いときは(S519)に戻る。停止時間が所定時間TT2以上となれば、光ディスク201を回転させ(S523)、(S515)に戻る。
【0127】
(S519)で入力があると判断したら、光ディスク201が回転中かどうか判断し(S520)、回転中でなければ光ディスク201を回転させ(S521)、光ディスク201が回転中であれば、回転したまま(S516)へ戻る。
【0128】
図6は、本発明の実施の形態1に係わるコマンド間隔の平均値算出処理のフローチャートである。
【0129】
図6において、コマンド間隔の平均値算出処理が開始されると(S600)、記憶手段220から処理以前の平均値が取得される(S601)。そして、前回のコマンド終了時刻を取得(S602)し、今回のコマンド開始時刻を取得し(S603)、コマンド待機時間を算出する(S604)。コマンド待機時間が所定期間Tより大きいかどうか判定し(S605)、所定期間Tより大きいときコマンド待機時間が所定値Wより短いかどうか判定する(S606)。
【0130】
待機時間が所定の期間Tより長く所定値Wより短かったらコマンド間隔の平均値をとり(S607)、記憶装置220に格納し(S608)処理を終了する(S609)。
【0131】
待機時間が所定の期間T以下(S605)または所定値W以上のときは、平均値を算出せずに処理を終了する(S609)。
【0132】
なお、記憶手段220に記憶された平均値の初期値は、光ディスク装置13の電源がONされたときに初期値に設定しても、また光ディスク201のメディアを交換使用して違う種類の処理を行うときに設定してもよい。
【0133】
また、ユーザがホストコンピュータ11で実行するアプリケーションソフトから初期化することもできる。
【0134】
また、実施の形態1であるホストコンピュータ11と接続される光ディスク装置13において、所定の時間コマンドの入力がなく、光ディスク201へのアクセスが所定の期間なければ、省電力を優先して光ディスク201の回転を停止し、次のコマンド入力があるとき再度回転させるモードと、光ディスク201の回転を停止して次のコマンドがくる前に次のコマンドがくることを予測して光ディスク201の回転を開始する回転制御するモードとをアプリケーションソフト等から選択して指定することができる構成としてもよい。
【0135】
また、本発明の実施の形態1における所定の期間Tは、ユーザがホストコンピュータ11で実行するアプリケーションソフトから指定することができ、ユーザが所望により所定の期間Tを変更することで、光ディスク201の回転を停止するまでの時間を指定することができる。
【0136】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係わる回転制御のフローチャートである。
【0137】
本発明の実施の形態2においては、実施の形態1と重複する構成に関しては説明を省略する。
【0138】
図7に従って本発明の実施の形態2回転制御の処理手順を説明する。
【0139】
光ディスク201の使用が開始されると(S700)、初期設定が行われる(S701)。この初期設定では、コマンド間隔の記憶装置に格納された平均値などの初期値が読込まれる。そしてホストコンピュータ11からのコマンドが入力されるまで待機し(S702)、ホストコンピュータ11からのコマンドが入力されると光ディスク201の回転が開始され(S703)、入力したコマンドの処理が行われる(S704)。コマンドが光ディスク装置13の終了のときは(S705)、処理制御を停止する(S730)。
【0140】
光ディスク201への記録や再生の動作を行うコマンドであれば、記録や再生を行い、コマンド処理ごとに前回のコマンド処理終了から次回のコマンドの開始を監視しながら待機時間を測定し(S706)、待機時間が所定の期間T以上、例えば5分間以上となったかどうか判別し(S707)、所定の期間Tの時間未満であれば、(S704)に戻り処理を続ける。
【0141】
コマンド入力待ちの待機時間が所定の期間Tを越えると(S707)、所定の期間Tとコマンド間隔の平均値との差が設定最小値より小さいかどうか判別し(S708)、小さければ光ディスク201の回転は停止せずに、最小値以上であれば、光ディスク201の回転を停止(S709)し、待機時間がコマンド間隔の平均値以上かどうか判別される(S710)。
【0142】
待機時間がコマンド間隔の平均値より短いときは、コマンド入力があるかどうか判別し(S711)、入力がなければ(S710)に戻る。
【0143】
コマンド入力があれば(S711)、前回のコマンド処理終了から今回の入力したコマンドまでのコマンド間隔時間と、以前のコマンド間隔の平均値よりコマンド間隔の平均値を更新する(S712)。そして、光ディスク201が回転中かどうかを判別し(S713)、回転中でなければ光ディスク201を回転させ(S714)、回転中であれば回転したまま(S704)に戻る。
【0144】
コマンドの入力待ちの待機時間がコマンド間隔の平均値以上のとき(S710)は、光ディスク201が回転中かどうかを判別し(S715)、回転していなかったら、次のコマンドを入力する前であっても、光ディスク201を再回転し(S716)、前回のコマンド処理終了からの待機時間を測定を続け(S717)、回転中にコマンド入力があるかどうか判別し(S718)、コマンド入力があれば(S719)、前回のコマンド処理終了から今回の入力したコマンドまでのコマンド間隔時間と、以前の平均コマンド間隔より平均コマンド間隔を更新する(S719)。そして(S704)のコマンド処理に戻る。
【0145】
(S718)判定でコマンド入力がなければ、(S716)で光ディスク201の回転を開始してからの回転時間が所定時間TT1以上経過したかどうかを判定し(S720)、所定時間TT1以上経過したら光ディスク201の回転を停止し(S721)、経過していなければ(S718)に戻る。そしてコマンド入力があるかどうかを判定し(S722)、コマンドの入力がなければ、(S721)で光ディスク201の回転を停止してからの停止時間が所定時間TT2以上経過したかどうかを判定し(S725)経過していなければ(S722)に戻る。
【0146】
停止時間が所定時間TT2以上経過したら、光ディスク201を回転して、(S718)に戻る。
【0147】
(S720)でコマンド入力があると、光ディスク201が回転中かどうか判定し(S723)回転していなければ回転させ(S724)、回転中であればそのまま(S719)に戻る。
【0148】
このようにすることで、所定の期間Tとコマンド間隔の平均値が所定の最小値より小さくなれば、光ディスク201の回転を停止せず、コマンド間隔の平均値を求めていく学習の結果、所定の期間Tとコマンド間隔の平均値との時間間隔が所定の最小値以上となると光ディスク201の回転をさせるようにすることができる。
【0149】
なお、本発明の実施の形態1および本発明の実施の形態2では、ホストコンピュータ11に外付けする光ディスク装置13を例にとって説明したが、ホストコンピュータ11に内蔵光ディスク装置18でも同様に利用できる。
【0150】
外付け光ディスク装置13に適用すると、外付け光ディスク装置13の駆動電源として、ACアダプターを付加することができるので、ホストコンピュータ11からの省電力要求があってもACアダプターからの電源に切り替えて適用することができるので特に有効である。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本発明に係わる光ディスク装置およびその回転制御方法は、光ディスクへのコマンドによるアクセスが所定期間以上の時間ないときに回転を停止し、光ディスクの回転が停止した後に次回のコマンド入力がない場合でも、次にコマンドがくる時間を予測して光ディスクの回転を再開させることができるようになるので、低消費エネルギーおよびアクセス早めることを目的としたディスク装置に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0152】
【図1】本発明の実施1の形態1に係わるホストコンピュータ装置と周辺装置に関するネットワーク図
【図2】本発明の実施の形態1に係わる光ディスク装置のブロック図
【図3】本発明の実施の形態1に係わるコマンド処理の構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態1に係わる回転制御処理を示す図
【図5】本発明の実施の形態1に係わる回転制御のフローチャート
【図6】本発明の実施の形態1に係わるコマンド間隔の平均値算出処理のフローチャート
【図7】本発明の実施の形態2に係わる回転制御のフローチャート
【図8】従来の回転制御の動作に関するフローチャート
【符号の説明】
【0153】
9 ACアダプタ
11 ホストコンピュータ
12 ディスプレイ
13 光ディスク装置
14 USBインターフェース端子
15 USBインターフェースケーブル
16 USBコネクタ
17 ディスプレイケーブル
18 内蔵光ディスク装置
19 電源スイッチ
201 光ディスク
202 ピックアップモジュール
203 ピックアップ
204 スピンドルモータ
205 フォーカス駆動コイル
212 デジタルサーボコントローラ
213 データ処理部
214 フォーカス駆動コイル制御手段
217 レーザ駆動制御手段
218 回転制御手段
219 スピンドルモータ駆動手段
220 記憶手段
222 コマンド間隔測定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホストコンピュータから所定の動作を指示するコマンドを入力する手段と、
前記コマンドの入力により光ディスクを回転駆動し、前記コマンドの終了から所定期間次のコマンドが入力されなかった場合前記光ディスクの回転を停止する駆動手段と、
前回のコマンドの終了と次回のコマンドの入力との時間間隔が前記所定期間を超えることが複数回あった場合、前記所定時間を超えた複数回の時間間隔の平均値を算出する制御手段と、を具備し、
前記制御手段は、前回のコマンドの終了から前記平均値が示す時間間隔を経過すると、次回のコマンドが入力されない場合であっても、前記停止した光ディスクの回転を再開させることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記所定期間を超えた時間間隔が所定の最大値の範囲内である場合、前記平均値を算出する数値要素として用いることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記所定期間と前記算出された平均値との差分が、所定の最小値以下となったとき、前記所定期間が経過しても前記光ディスクの回転を停止させないことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記平均値を記憶する記憶手段を有し、前記記憶した平均値と新たに前記所定期間を超えた時間間隔とで平均値を算出し、新たな平均値としてこの平均値を前記記憶手段に記憶することを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記所定の動作を指示するコマンドは、ATAPIコマンドであることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記所定の動作を指示するコマンドは、先頭コマンドと転送データとからなることを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
【請求項7】
ホストコンピュータから所定の動作を指示するコマンドを入力し、
前記入力したコマンドに基づき光ディスクを回転駆動し前記所定の動作を実行し、
前回のコマンドの終了から所定期間次のコマンドが入力されなかった場合前記光ディスクの回転を停止し、
前回のコマンドの終了と次回のコマンドの入力との時間間隔が前記所定期間を超えることが複数回あった場合、前記所定時間を超えた複数回の時間間隔の平均値を算出し、
前回のコマンドの終了から前記平均値が示す時間的間隔を経過すると、次回のコマンドが入力されない場合であっても、前記光ディスクの回転を再開させることを特徴とする光ディスク装置の回転制御方法。
【請求項8】
前回のコマンドの終了と次回のコマンドの入力との時間間隔が前記所定期間を超えることが複数回あり、前記所定期間を超えた時間間隔が所定の最大値の範囲内である場合、前記平均値を算出する数値要素とすることを特徴とする請求項7記載の光ディスク装置の回転制御方法。
【請求項9】
前記光ディスクの回転を停止する所定の時間と、前記平均値が示す時間間隔との時間的間隔が所定の最小値以下となった場合、前記光ディスクの回転を停止させないことを特徴とする請求項7記載の光ディスク装置の回転制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−27542(P2008−27542A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200324(P2006−200324)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】