光ディスク装置
【課題】光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクいずれの場合でも、特殊な部材や駆動機構を用いることなく光ディスクへのデータの記録及び(又は)光ディスクからのデータの読出し精度を高める。
【解決手段】光ディスク装置Aは、ディスクトレイ1と、トラバースユニット2と、ローダーシャーシユニット3とを有し、ローダーシャーシユニット3は、カムスライダー34と連動するクランプアーム8で光ディスクDsをクランプする。
【解決手段】光ディスク装置Aは、ディスクトレイ1と、トラバースユニット2と、ローダーシャーシユニット3とを有し、ローダーシャーシユニット3は、カムスライダー34と連動するクランプアーム8で光ディスクDsをクランプする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録された情報を読み出す又は光ディスクに情報を記録する光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、映像、音声又は情報の記録媒体として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクが多く用いられている。これら光ディスクを記録媒体として用いる光ディスク装置は該光ディスクの記録面に対しレーザ光を照射し、反射してきた光を検出することで、データの記録又は読出しを行っている。
【0003】
前記光ディスク装置の多くは、前記光ディスクを載置するディスクトレイを有している。前記光ディスク装置は前記ディスクトレイに光ディスクを載置し、該ディスクトレイを摺動させ、該光ディスクを筐体内の所定位置へ搬送(ローディング)する。前記光ディスクがローディングされると該光ディスクを駆動するためのディスク駆動手段及び該光ディスクにレーザ光を照射するための光ヘッドが備えられたトラバースシャーシを移動し、前記光ディスクを前記ディスク駆動手段にて挟着(クランプ)する。その後、前記ディスク駆動手段で駆動される前記光ディスクを駆動しつつ、前記光ヘッドを該光ディスクの径方向に移動させ、該光ヘッドから該光ディスクへレーザ光を照射することで、データの記録又は読出しを行う。
【0004】
前記光ディスクを排出(アンローディング)するとき、前記トラバースシャーシをローディング時と反対方向に移動させ、該光ディスクを離し、前記ディスクトレイを排出方向に摺動させて光ディスクをアンローディングする。
【0005】
近年、光ディスクの記憶容量は大容量化している。光ディスクは記憶容量にかかわらず、外径に変化がない。すなわち、前記光ディスクの記録ピットは細くなっており、それだけ、該光ディスクの表面に付着するよごれ、埃、塵等の異物の付着によって、データの記録又は読出しの精度が低下することがある。そこで、大容量の光ディスクの場合、カートリッジに格納されているものが多い。
【0006】
例えば、特開2002−304796号公報や、特開2003−162861号公報に記載の光ディスク装置では、一台で異なる容量の光ディスクにデータを記録又は異なる容量の光ディスクよりデータを読出すことができるものが示されている。すなわち、カートリッジ内に配置された光ディスク及びそれ単体で取り扱われる光ディスクの両方をトレイを用いてローディング又はアンローディングすることができる光ディスク装置が示されている。
【0007】
前記光ディスク装置では前記カートリッジに格納されている光ディスクもクランプする場合があり、光ディスクをクランプするための空間が少ないので、光ディスクの両サイドよりクランプする機構を備えている。
【特許文献1】特開2002−304796号公報
【特許文献2】特開2003−162861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特開2002−304796号公報及び特開2003−162861号公報に記載の発明では、光ディスクをクランプするためのクランプアームが備えられており、このクランプアームはディスクトレイに押されることで、光ディスクをクランプするためのクランパーが移動するものが示されている。
【0009】
しかしながら、上述のような前記ディスクトレイの動作に連動する前記クランプアームの場合、光ディスクが停止する前にクランプアームが始動するので、光ディスクがクランプのための位置に到着する前に、クランパーが光ディスクをクランプする位置に移動する場合もあり、該クランパーがカートリッジや光ディスクに接触して、クランプ精度が低下する。
【0010】
これにより、前記光ディスクをクランプするときに、光ディスクの記録面がクランパー、カートリッジ等と接触して光ディスクを傷つけたり、確実にクランプできなくなったりし、光ディスク装置でのデータの記録、読出しが安定的にできなくなる。
【0011】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、挿入される光ディスクが光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクいずれの場合でも、該光ディスクを高精度で確実にクランプすることができ、それだけ、光ディスクへのデータの記録及び(又は)光ディスクからのデータの読出し精度を高めることができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、特殊な部材や駆動機構を用いることなく、光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクのクランプ動作を高精度で確実に行うことができ、それだけ、製造に必要な手間、時間を低減することができ、低コスト化、省エネルギ化することができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクを載置し摺動することで光ディスクを挿入/排出するディスクトレイと、前記光ディスクに対してレーザ光を照射させる摺動自在な光ヘッドと、前記光ヘッド及び前記光ディスクを支持するターンテーブルを搭載した昇降自在なトラバースユニットと、前記ディスクトレイの摺動、前記光ヘッドの摺動及び前記トラバースユニットの昇降の動力源になる駆動モータと、前記トラバースユニットと、前記駆動モータを支持するローダーシャーシと、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動し、前記トラバースシャーシ及び前記ディスクトレイを連動させるカムスライダーとを有するローダーシャーシユニットと、前記光ディスクを前記ターンテーブルと挟着するクランプ部材を備えるクランプアームとを備えた光ディスク装置であって、前記クランプアームは前記ローダーシャーシに揺動可能に支持されており、前記クランプ部材を回動可能且つ前記ディスクトレイ側に抜けないように支持するクランプ支持部と、前記クランプ支持部に取り付けられ、前記クランプ部材を前記ディスクトレイ側に付勢する付勢部材と、前記カムスライダーに設けられている当接部と当接する突出部と、前記クランプアームを前記クランプ部材が前記ディスクトレイより遠ざかる方向に付勢する弾性部材とを有しており、前記カムスライダーが摺動することで該当接部の斜行部が該突出部を押しクランプアームを揺動させ、前記クランプ部材と前記ターンテーブルにて前記光ディスクを挟着することを特徴とする。
【0014】
この構成によると、前記クランプアームと前記ディスクトレイが連動しないので、該ディスクトレイの動作と該クランプアームの陽動による光ディスクのクランプ動作のタイミングを常に正確に保つことができる。
【0015】
このことにより、前記ディスクトレイと前記クランプアームの動作タイミングのずれによる光ディスクのクランプミスの発生や、光ディスク所定の場所意外に前記クランプ部材が接触することによる、汚れの付着や傷の発生を抑制することができる。
【0016】
また、前記ディスクトレイが挿入/排出されるときに、前記クランプアームがディスクトレイ、カートリッジ等と接触するのを抑制することができ、それだけ、安定してデータの記録/読出しを行うことができる。
【0017】
上記構成において、前記カムスライダーの当接部と前記クランプアームの突出部は前記ディスクトレイが停止した後に駆動し始めるように配置されていてもよい。このことは、光ディスクが光ディスク装置のデータ記録/読出し位置に停止している状態で、該光ディスクをクランプするので、前記クランプアームがクランプ動作を行うときに、前記ディスクトレイが駆動し接触するのを防ぐことができ、それだけ、精度良く、円滑に且つ安定してデータの記録/読出し動作を行うことができる。
【0018】
上記構成において、前記当接部の斜行部が前記クランプアームに向けて傾斜している形状であってもよく、前記ディスクトレイの排出側が傾斜しており、前記カムスライダーの摺動先端側が細くなる形状であってもよい。
【0019】
前記斜行部の形状は、これらに限られるものではなく、前記クランプアームの突出部と当接して前記カムスライダーの摺動にあわせて、該突出部を押し、前記クランプアームを陽動させることができるものを広く採用することができる。
【0020】
前記弾性部材として、コイルばね、ねじりばね、板ばね等を用いるものを挙げることができる。また、これらに限定されるものではなく、前記クランプアームを前記クランプ部材が前記ディスクトレイよりはなれる方向に弾性的に付勢することができるものを広く採用することができる。
【0021】
前記付勢部材として、板ばねを用いるものを挙げることができる。また、片持ち梁で形成され、自由端側にばねが取り付けられており、梁の中間部でクランプ部材を押すもの等、クランプ部材が前記光ディスクをクランプしたときに、該クランプ部材を前記ターンテーブル側に押え、前記光ディスクが滑らないようにクランプすることができるものを広く採用することができる。
【0022】
なお本発明の光ディスク装置を詳細に説明すると、動力源である駆動モータと、光ディスク装置本体に対してスライドして開閉可能に設けられるものであり、下面に前記駆動モータの駆動力を受けるためのトレイラックと、連動機構であるガイド溝とを備え、上面に光ディスク単体を載置できる円形の溝と、内部に光ディスクを格納したカートリッジをずれないように支持するカートリッジ支持枠とが形成されたディスクトレイと、前記光ディスクに対してレーザ光を照射するとともに、該光ディスクの内周又は外周へと往復摺動可能に設けられるものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるとともに、ラックボスを具備したラックを備えた光ヘッドと、前記ディスクトレイに対し昇降し、前記駆動モータの駆動力を受けるための摺動ボスを具備し、前記光ディスクを回動するためのスピンドルモータと及び前記スピンドルモータに回動可能に取り付けられ前記光ディスクを支持するターンテーブルが搭載されるトラバースシャーシと、前記ラックのラックボスに係合するトリガーガイドを具備し該光ヘッドの移動に連動するとともに、連結ボスを有するレバートリガーと、前記駆動モータの駆動力を伝達するための駆動力伝達歯車機構を備え、前記光ヘッドが摺動可能に取り付けられるトラバースユニットと、前記駆動モータを搭載するとともに、前記駆動力伝達歯車機構と歯合して前記駆動モータの駆動力を受ける一方、該駆動力伝達歯車機構との歯合を解消し前記駆動力が伝達されないようにするための間欠部を具備するギアトレイと、前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラックを具備するとともに、前記トラバースシャーシの摺動ボスが係合するカム溝、前記ディスクトレイのガイド溝と係合する立設ボス及び前記レバートリガーの連結ボスと係合する連結溝を具備し、該トラバースシャーシ及びディスクトレイを連動させる一方、前記レバートリガーの移動と連動するカムスライダーと、前記駆動モータを保持し、前記ギアトレイを回動可能に軸支するとともに、前記カムスライダーを摺動可能に支持するローダーシャーシとを備えるローダーシャーシユニットと、クランププレートと、前記ターンテーブルと対向して配置されるクランプ部材と、前記クランププレートと一体的に形成され、前記クランプ部材を回動可能にかつ前記ディスクトレイ方向に抜けないように支持するクランプ支持部と、前記クランプ支持部に取り付けられるとともに前記クランプ部材を前記ターンテーブルに向けて付勢するための板ばね状の付勢部材と、前記ローダーシャーシと回動可能に係合する軸支部材と、前記クランプ部材が前記ディスクトレイより遠ざかる方向に付勢するコイルばね形状の弾性部材と、前記クランププレートより前記ディスクトレイ方向に突出する突出部とを備えるクランプアームとを含む光ディスク装置であって、前記カムスライダーには前記クランプアームの突出部と当接する斜行部を備えた当接部が形成されており、該カムスライダーが摺動することで該当接部の斜行部が該突出部を押しクランプアームを揺動させ、前記クランプ部材と前記ターンテーブルにて前記光ディスクを挟着するものであり、前記ディスクトレイが前記ローダーシャーシ内部で停止しているときに前記クランプアームが駆動することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、挿入される光ディスクが光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクいずれの場合でも、該光ディスクを高精度で確実にクランプすることができ、それだけ、光ディスクへのデータの記録及び(又は)光ディスクからのデータの読出し精度を高めることができる光ディスク装置を提供することができる。
【0024】
また本発明によると、特殊な部材や駆動機構を用いることなく、光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクのクランプ動作を高精度で確実に行うことができ、それだけ、製造に必要な手間、時間を低減することができ、低コスト化、省エネルギ化することができる光ディスク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1〜図6は本発明にかかる光ディスク装置を示している。図1は光ディスク装置の斜視図であり、図2は上方から見た光ディスク装置の概略構成図を示している。図3は光ディスク装置の内部を上方から見た概略構成図であり、図4は下方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。図5及び図6はそれぞれ図3に示す光ディスク装置の内部をフロントパネル側、側方から見た概略構成図である。なお、便宜上、図3〜図6においては、ディスクトレイ自体を省略し、後述のガイド溝11及びトレイラック12のみを図示している。
【0026】
光ディスク装置Aはローディングされた光ディスクにレーザ光を照射し、データの読出し及び(又は)書込みを行うものである。図2に示すように光ディスク装置Aは、ディスクトレイ1と、トラバースユニット2と、ローダーシャーシユニット3とを有している。光ディスク装置AはカートリッジCdに格納された光ディスクDsと、光ディスクDs単体との両方にデータを記録したり、両方からデータを読出したりすることができる。本実施例ではカートリッジCdに格納された光ディスクについて説明しているが、光ディスク単体の場合も同様である。
【0027】
<ディスクトレイについて>
図1に示すように光ディスク装置Aはディスクトレイ1が、外装ハウジングOhのフロントパネルFpに設けられたスリット状の出入り口Stから、出入りできるように配置されている。
【0028】
ディスクトレイ1が出入り口Stより光ディスク装置Aの外部に排出されている状態で光ディスクを載置し、ディスクトレイ1を挿入することで光ディスクを再生/記録可能な領域に挿入(ローディング)する。また、ディスクトレイ1を光ディスク装置Aより排出することで光ディスク装置A内部に挿入されている光ディスクを排出(アンローディング)する。
【0029】
図4に示すようにディスクトレイ1の下面に段階的に屈曲するガイド溝11と、後述のギアトレイ33から駆動力を伝達されるトレイラック12がディスクトレイ1の長手方向に設けられている。ガイド溝11はディスクトレイ1の摺動方向に延びる直線部111と、所定の位置で斜めに屈曲する斜行部112と、さら
に摺動方向と直交するように屈曲する直交部113とを有している。
【0030】
ディスクトレイ1はカートリッジCdに格納された光ディスクDsを載置するときに、カートリッジCdがずれるのを防ぐためのカートリッジ支持枠13と、光ディスクDsをそのまま配置し、光ディスクDsがずれるのを防ぐ円形状のディスク配置溝14とを有している。ディスク配置溝14は、大径(直径12cm)の大溝141と、大溝141の中心部に小径(直径8cm)の小溝142とを有している。
【0031】
なお、フロントパネルFpが設けられている方向をフロント側(「F」)、フロント側に対向する方向をリア側(「R」)と表現する。また、フロント側からリア側に延びる方向に対する垂直横行をサイド側(「S」)と表す。
【0032】
<トラバースユニットについて>
図3に示すようにトラバースユニット2は、トラバースシャーシ21に、光ヘッド4、レバートリガー5、スピンドルモータ6及び駆動力伝達歯車機構7を取り付けたものである。トラバースシャーシ21は、ローダーシャーシ31のリア側の一端に取付ねじにてねじ止めされている。
【0033】
図2に示すように、トラバースシャーシ2はトラバースシャーシ21に設けられた取付孔に、該孔自体の周囲(円周)及び軸方向の両端側を覆い、且つ、ローダーシャーシ31に設けられたボスを挿入できる開口を有するフローティングゴム(ダンパー)210を嵌め込みにて介在させ、ボスが取付孔を貫通するように、トラバースシャーシ21を載置し、トラバースシャーシ21の取付孔とローダーシャーシ31のボスとを、取付ねじで固定させている。
【0034】
取付ねじは、ねじ頭とローダーシャーシ31の間が一定の間隔になるように、取付固定されている。この間隔を利用して、トラバースシャーシ21(トラバースユニット2)は取付ねじを支点として回転移動が可能となり、光ディスクからデータを読み出す又は光ディスクにデータを書き込む場合には、上昇して光ディスクを挟持する(クランプする)。また、光ディスクを排出する場合には、トラバースシャーシ21(トラバースユニット2)は下降し、光ディスクがディスクトレイ1に載置された状態(光ディスクと後述のターンテーブルが離れている状態)にする。
【0035】
光ヘッド3は光ディスクにレーザ光を照射してデータを読出し又は記録するものであり、トラバースシャーシ21に設けられたガイド軸211に沿って摺動するように取り付けられている。光ディスクに対してレーザ光を照射する対物レンズ31を備えている。また、図示を省略しているが、レーザ光を出射するレーザ光源、光ディスクで反射したレーザ光を受光し電気信号に変換する受光素子等の光学部品が配置されている。
【0036】
なお、光ヘッド4には、後述の駆動モータ9の駆動力が伝達されるラック42が設けられている。ラック42は下部に光ヘッド3に一体的に形成されるメインラック421と、メインラック421と重なるように上部に配置されるサブラック422とを有している。つまり、ラック42はメインラック421とサブラック422が重なったダルブラックとなっている。
【0037】
メインラック421は後述する第1歯車71と歯合し、駆動モータ9の駆動力を受けて光ヘッド4の摺動を行う。また、サブラック422はメインラック421に対してスライド可能に取り付けられており、メインラック421とサブラック422はギア歯が平面視でずれるように、コイルばねにて付勢されている。メインラック421とサブラック422のギア歯が上述のとおりずれることで、第1歯車71のギア歯を挟むのでバックラッシュを取り除くことができる。
【0038】
ラック42では、サブラック422のギア歯がメインラック421のギア歯よりも長く形成されており、サブラック422のギア歯がメインラック421のギア歯に対してリア側に長くなるように重ねて配置される。これにより、光ヘッド4の位置によっては、メインラック421とサブラック422とが第1歯車71と歯合している、サブラック422のみが第1歯車71と歯合している及びメインラック421、サブラック422いずれもが第1歯車71と歯合していない場合がある。
【0039】
また、サブラック432の先端には、後述するレバートリガー5のトリガーガイド51に摺動可能に係合するラックボス423が形成されている(立設されている)。
【0040】
光ヘッド4が光ディスクの内周側に摺動し、光ヘッド4の移動の限界部まで来ると、メインラック421と第1歯車71との歯合がはずれ、光ヘッド4の摺動は停止する。このとき、サブラック422はまだ第1歯車71と歯合しており、サブラック422は光ディスクの内周側にさらに摺動する。
【0041】
レバートリガー5は、ラックボス423が係合するトリガーガイド51(図3参照)と、後述のカムスライダー34の連結溝341と嵌合する連結ボス52(図4、図5参照)とを有している。レバートリガー5はラックボス423の位置(移動)に応じてサイド方向(ディスクトレイ1の移動方向に対して直行する方向)に往復移動するように、トラバースシャーシ21に取り付けられている。レバートリガー5はサブラック422が摺動し、ラックボス423がトリガーガイド51の側部を押すことで、サイド方向に移動する。このとき、カムスライダー34の連結溝341を連結ボス52が押し、カムスライダー34を移動させる。
【0042】
スピンドルモータ6は光ディスクを支持するためのターンテーブル61を有しており、ターンテーブル61は後述のクランプ部材80と光ディスクDsを挟着(クランプ)する。スピンドルモータ6はクランプされた光ディスクを回転させるモータである。
【0043】
トラバースシャーシ21は、カムスライダー34のカム溝343に係合する摺動ボス212を有しており、カムスライダー34の移動に連動して、トラバースシャーシ21を昇降させるものである。
【0044】
駆動力伝達歯車機構7は、第1歯車71、第2歯車72、第3歯車73を有している。各歯車はトラバースシャーシ21に回動可能に軸支持されている。駆動力伝達歯車機構7はローダーシャーシユニット2(図6参照)に設けられる駆動モータ9からの駆動力を、ディスクトレイ1の往復移動、光ヘッド4の往復移動及びカムスライダー34の移動のために伝達するものである。
【0045】
第1歯車71は、駆動モータ9の出力軸90(後述)に取り付けられたピニオンギア91(後述)より、駆動力が伝達される第1大歯車711と、第1大歯車711と同一の中心軸上、下部(ローダーシャーシ31に近づく方向)に設けられ、光ヘッド4のラック42に駆動力を伝達する第1小歯車712とを有している。すなわち、第1大歯車711が上方に、第1小歯車712が下方に同軸上で軸支されるように構成されている。
【0046】
第2歯車72は、第1歯車71からの駆動力が伝達される第2大歯車721と、第2大歯車721と同一の中心軸上、下部(ローダーシャーシ31に近い方向)に設けられ、第3歯車73に駆動力を伝達する第2小歯車722とを有している。すなわち、第2大歯車721が上方に、第2小歯車722が下方に同軸上で軸支されるように構成されている。
【0047】
第3歯車73は、第2小歯車722から駆動力を伝達される歯車であり、トラバースシャーシ21上に回動可能に軸支されている。
【0048】
<ローダーシャーシユニットについて>
ローダーシャーシユニット3は、図2及び図3に示すように、ローダーシャーシ31、ギアトレイ33、カムスライダー34、駆動モータ9及びクランプアーム8を有している。ローダーシャーシ31は、トラバースユニット2を収容する本体シャーシであり、ギアトレイ33、カムスライダー34、駆動モータ9、クランプアーム8を備えるように構成されている。
【0049】
ギアトレイ33は、第3歯車73から駆動力が伝達される歯車であり、ローダーシャーシ31に回動可能に軸支持される。ギアトレイ33には、軸方向に、一部欠損する欠損部331(図6参照)が設けられており、第3歯車73と歯合する場合、歯合しない場合を角度およびトラバースユニット2の高さによって選択的に作り出すことができるようになっている。
【0050】
駆動モータ9は、ディスクトレイ1の摺動動作、光ヘッド4の往復移動及びカムスライダー34の往復移動(トラバースユニット2の昇降移動)のための動力源である。駆動モータ9の出力軸90にはピニオンギア91がはめ込まれており、ピニオンギア91は出力軸90と共に回転する。ピニオンギア91は第1大歯車711と歯合している。
【0051】
カムスライダー34は、レバートリガー5の連結ボス52が係合する連結溝341(図5参照)、ディスクトレイ1の下面のガイド溝11に係合する立設ボス342(図3、5等参照)、トラバースシャーシ21の摺動ボス212と係合するカム溝343(図5参照)及びギアトレイ33と歯合するカムスライダーラック344と、カムスライダーラック344の摺動方向の先端部には後述のクランプアーム8に備えられた突出部85と当接する当接部345と、ディスクトレイ1のディスク配置面と対向して配置されるカバー部材35とを有している。
【0052】
カムスライダー34は、ローダーシャーシ31のフロント側に、ディスクトレイ1の移動方向に対して直交する方向に摺動可能に配置されている。また、カム溝343は、カムスライダー34が配置された状態でトラバースシャーシ21の昇降運動の上下方向に配置される上側カム溝3431と下側カム溝3432とを有しており、上側カム溝3431と下側カム溝3432とを連結する傾斜カム溝3433とを有している。カム溝343には、トラバースシャーシ21の摺動ボス212が貫通しており、摺動ボス212が上側カム溝3431に位置するように移動すればトラバースシャーシ21(トラバースユニット2)が上昇し、下側カム溝3432に位置するように移動すればトラバースシャーシ21(トラバースユニット2)が下降する。
【0053】
当接部345は、カムスライダー34の摺動方向に細くなる斜行部3451を有しており、斜行部3451に突出部85が当接し相対的に摺動することで、突出部85は斜行部3451に押され、クランプアーム8は軸支部材83を中心に揺動する。また、カムスライダー34のスライダーラック344の反対側に、弾性変形することができる既知のストッパ部材(図示省略)が備えられている。ストッパ部材は弾性変形することができるものであり、ストッパ部材はカムスライダー34が端部まで移動したときに、ローダーシャーシ31に設けられた凸部(図示省略)と係合し、大きな力が付与しない限り逆方向に移動するのを抑制する。
【0054】
図7はクランプアームの平面図であり、図8はクランプアームの側面図である。クランプアーム8はローダーシャーシ31のディスクトレイ1の上面(ディスク配置面)に対向して回動可能に支持されるものである。クランプアーム8は本体部であるクランププレート81と、光ディスクDsの記録面と反対側より押えるクランプ部材80と、クランププレート81に一体的に形成され、クランプ部材80を回動可能に支持するクランプ支持部82と、ローダーシャーシ31にクランプアーム8を揺動可能に軸支するための軸支部材83と、軸支部材83に配置され、クランプアーム8をクランプ部材80がディスクトレイ1より遠ざかる方向に付勢するばね部材84と、クランププレート81よりディスクトレイ1方向に突出する突出部85を備えている。
【0055】
図7に示すようにクランプアーム8のクランプ支持部82にはクランプ押え部材86が取り付けられている。クランプ押え部材86はそれには限定されないが、ここでは、板ばねで形成されている。クランプ押え部材86はターンテーブル61と光ディスクDsを挟着するときに、ターンテーブル61が回転するときに、光ディスクDsが滑ったり、ずれたりしないようにクランプ部材80を押圧するものである。また、クランプ押え部材として、十分に押圧することができるものを広く採用することができるが、クランプアーム8を光ディスクDsから離れる方向に付勢するので、構造が簡単で、軽量であるものが好ましい。
【0056】
カバー部材35には、ディスクトレイ1が移動する方向に延びる溝351が形成されている。溝351はリア方向に向かって湾曲しており、溝351に摺動可能に係合される摺動部材352が配置されている。摺動部材352はディスクトレイ1と接触しないように配置されている。摺動部材352はカートリッジCdに格納された光ディスクDsがトレイに配置されると、カートリッジCdのシャッターShと係合する。摺動部材352がシャッターShと係合した状態で、ディスクトレイ1をリア方向に移動すると、摺動部材352が溝351に沿って摺動し、シャッターShがカートリッジCdに沿って摺動して開く。摺動部材352は図示を省略した弾性部材にてフロント方向に付勢されている。
【0057】
<各部材の移動について>
ここで各部材(光ヘッド4、トラバースユニット2、ディスクトレイ1)の移動について、図1〜図12、特に図9〜図12を参照にしながら説明する。図9〜図12において「実線」は機械的固定(例えば、圧入やねじ止め等)を、「一点鎖線」はギア歯による歯合を意味している。また、「二重線」はカムによる係合を、「破線」は、遮断された関係を意味している。その移動工程や切り替え工程に寄与する部材については、ドットでハッチングしている。
【0058】
<ディスクトレイの移動(トレイクローズ)について(図9参照)>
本発明の光ディスク装置Aにおけるディスクトレイ1の移動について説明する。例えば、DVD等の光ディスクの記録又は再生のために、光ディスクDsを光ディスク装置Aにローディングする場合、すなわち、ディスクトレイ1をクローズさせる場合を考える。
【0059】
ディスクトレイ1に光ディスクDs単体又はカートリッジCdに格納された光ディスクDsが配置され、使用者によりディスクトレイ1をクローズする指示がなされると、駆動モータ9がA1方向に回転する。駆動モータ9の回転に伴い、ピニオンギア91もA1方向に回転する。そして、このピニオンギア91と歯合する第1大歯車711がB1方向に回転する。そうすると、第1大歯車711と連なっている(連設されている)第1小歯車712もB1方向に回転し、この第1小歯車712と歯合するラック42(メインラック421、サブラック422)がC1方向に移動する。このラック42が取り付けられている光ヘッド4もC1方向に移動する。
【0060】
ピニオンギア91と第1大歯車711、第1小歯車712と第2大歯車721、第2小歯車722と第3歯車73とは常時歯合しており、第2小歯車722と第3歯車73には常に駆動モータ9からの駆動力が伝達されるようになっている。また、ディスクトレイ1の移動時には、第3歯車73はギアトレイ33と歯合しており第3歯車73介してギアトレイ33に駆動力が伝達され、ギアトレイ33と歯合しているトレイラック12はD1方向に移動する。すなわち、ディスクトレイ1がフロント側からリア側へと移動し、フロントパネルFpのスリット状の出入り口Stからディスクトレイ1が挿入される。
【0061】
<ディスクトレイの移動からトラバースユニットの移動への切り替えについて(図10参照)>
ディスクトレイ1がリア方向に移動するとき、ディスクトレイ1の下面に設けられたガイド溝11とカムスライダー34の立設ボス342とが係合している。ディスクトレイ1がリア方向へ摺動し始めたときは、立設ボス342はガイド溝11の直線部111と係合しており、カムスライダー34は停止したままである。
【0062】
ディスクトレイ1が移動し、立設ボス342が斜行部112に差し掛かると、立設ボス342が斜行部112より押され、カムスライダー34がディスクトレイ1の移動方向と直交するE1方向(ギアトレイ33に近づく方向)に摺動し始める。ディスクトレイ1がさらに移動し、立設ボス112が斜行部112の端部に到達すると、トレイラック12はギアトレイ33から離反するとともに、カムスライダー34のカムスライダーラック344がギアトレイ33と歯合する。
【0063】
<トラバースユニットの移動(上昇)について(図11参照)>
カムスライダー34のカムスライダーラック344がギアトレイ33と歯合して、ギアトレイ33の回転にあわせてカムスライダー34がE1方向に移動する。カムスライダー34のカム溝343をトラバースシャーシ21の摺動ボス212が貫通しており、カム溝343の移動にあわせて摺動する。ディスクトレイ1が排出されている状態では摺動ボス212はカム溝343の下側カム溝3432と係合しており、トラバースユニット2は光ディスクDsより遠くに位置している。
【0064】
カートリッジCdに格納された光ディスクDsがトレイに配置されている場合、ディスクトレイ1がある程度クローズしたときに、摺動部材352とカートリッジCdのシャッターShとが係合する。摺動部材352がシャッターShと係合した状態で、ディスクトレイ1がリア方向(D1方向)に移動すると、摺動部材352が溝351に沿って摺動し、シャッターShがカートリッジCdに沿って摺動し、シャッターShが開き、光ディスクDsの一部が露出する。
【0065】
また、レバートリガー5は連結ボス52を有しており、連結ボス52は連結溝341と係合しており、トラバースユニット2の移動にあわせて移動する。このときレバートリガー5は移動しない。このとき、レバートリガー5のトリガーガイド51にラックボス423が係合しており、光ヘッド4が光利ディスクの内周側の退避位置に、摺動しないように保持されている。
【0066】
カムスライダー34がさらにE1方向に移動すると、摺動ボス212はカム溝343の傾斜カム溝3433と係合する。摺動ボス212が傾斜カム溝3433と係合し、カムスライダー34がE1方向に移動することで、摺動ボス212が傾斜カム溝3433に押され、トラバースユニット2は光ディスクDsに近づく方向に移動する。レバートリガー5もトラバースシャーシ21と連動して光ディスクDsに近づく方向に移動する。
【0067】
カムスライダー34がさらにE1方向に移動すると摺動ボス212が傾斜カム溝3433から、上側カム溝3431に到達する。このとき、トラバースユニット2に配置されているターンテーブル61が光ディスクDsをディスクトレイ1又はカートリッジCdより持ち上げた状態で保持している。
【0068】
<トラバースユニットの移動から光ヘッドの移動の切り替えについて(図11参照)>
カムスライダー34がさらにE1方向に移動すると、摺動ボス212は上側カム溝3431と係合し、トラバースユニット2の移動は停止する。レバートリガー5の連結ボス52は摺動ボス212が上側カム溝3431と係合した直後に、連結溝341の端部に押され、レバートリガー5がトラバースシャーシ21に対して摺動する。レバートリガー5が摺動することで、トリガーガイド51とラックボス423との係合がはずれ、光ヘッド4が摺動可能になる。
【0069】
<光ディスクのクランプ及び光ヘッドの移動について(図12参照)>
さらにカムスライダー34がE1方向に移動することで、カムスライダー34の当接部345がクランプアーム8に設けられた突出部85と当接する。クランプアーム8の突出部85が当接部345と当接した状態で、カムスライダー34がE1方向に移動すると、突出部85は当接部345の斜行部3451にてF1方向押され、クランプアーム8が軸支部材83を中心にG1方向に回動する。カムスライダー34が最も奥まで移動すると、クランプアーム8が回動し、クランプ支持部82に支持されているクランプ部材80が光ディスクDsをターンテーブル61の反対側より押圧し光ディスクDsをディスクトレイ1又はカートリッジCdと接触しないように挟持する。
【0070】
このとき、トラバースユニット2に取り付けられている第3歯車73がギアトレイ33の欠損部331に移動し、第3歯車73からギアトレイ33への駆動力の伝達が停止する。またこのとき、光ヘッド4のラック42は第1小歯車712と歯合しており、駆動モータ9の駆動によって光ディスクDsの周方向へ移動する。このとき、ストッパ部材がローダーシャーシ31に設けられた凸部と係合し、振動、衝撃等の小さな力が付与することでカムスライダー34がE2方向に移動するのを抑制している。
【0071】
光ディスクDsはクランプ部材80とターンテーブル61とによりクランプされた光ディスクDsは、スピンドルモータ6を駆動することで回転する。このとき、光ディスクDsはターンテーブル61に対して滑ったり、ずれたりしにくいので、光ヘッド4より光ディスクDsに対して安定してレーザ光を照射することができる。
【0072】
以上のように、ディスク装置Aでは1つの駆動モータ9の回転によって、光ヘッド4、トラバースユニット2、ディスクトレイ1、クランプアーム8を動作させることが可能になっている。なお、上記例では、ディスクトレイ1のクローズ、トラバースユニット2の上昇、光ディスクDsのクランプ及び光ヘッド4の外周への移動に係る一連の動作について説明したが、駆動モータ9をA2方向(逆回転:図3参照)に回転させることで、各部分は上記B1〜G1方向とは逆のB2〜G2方向に回転又は移動する。これにより、光ヘッド4の内周への移動、光ディスクのディスクトレイ1への載置、トラバースユニット2の下降及びディスクトレイ1のオープンにかかる動作も可能となっている。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、DVD、CD等の光ディスクを記録媒体とする光ディスク装置において適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明にかかる光ディスク装置の斜視図である。
【図2】本発明にかかる光ディスク装置内部の概略平面図である。
【図3】図2に示す光ディスク装置からローダーシャーシ、ディスクトレイを省略した概略構成図である。
【図4】下方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図5】フロントパネル側から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図6】側方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図7】本発明にかかる光ディスクに配置されるクランプアームの平面図である。
【図8】図7に示すクランプアームの側面図である。
【図9】ディスクトレイの移動を説明するブロック図である。
【図10】ディスクトレイの移動からトラバースユニットの移動への切り替えについて説明するブロック図である。
【図11】トラバースユニットの移動について説明するブロック図である。
【図12】光ディスクのクランプ及び光ヘッドの移動について説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
A 光ディスク装置
1 ディスクトレイ
11 ガイド溝
12 トレイラック
2 トラバースユニット
21 トラバースシャーシ
22 突起部
3 ローダーシャーシユニット
31 ローダーシャーシ
32 クランプ
33 ギアトレイ
34 カムスライダー
4 光ヘッド
5 レバートリガー
51 トリガーガイド
52 連結ボス
6 スピンドルモータ
61 ターンテーブル
7 駆動力伝達歯車機構
71 第1歯車
72 第2歯車
73 第3歯車
8 クランプアーム
80 クランプ部材
81 クランププレート
82 クランプ支持部
83 軸支部材
84 ばね部材
85 突出部
86 クランプ押え部材
9 駆動モータ
90 駆動軸
91 ピニオンギア
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに記録された情報を読み出す又は光ディスクに情報を記録する光ディスク装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、映像、音声又は情報の記録媒体として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクが多く用いられている。これら光ディスクを記録媒体として用いる光ディスク装置は該光ディスクの記録面に対しレーザ光を照射し、反射してきた光を検出することで、データの記録又は読出しを行っている。
【0003】
前記光ディスク装置の多くは、前記光ディスクを載置するディスクトレイを有している。前記光ディスク装置は前記ディスクトレイに光ディスクを載置し、該ディスクトレイを摺動させ、該光ディスクを筐体内の所定位置へ搬送(ローディング)する。前記光ディスクがローディングされると該光ディスクを駆動するためのディスク駆動手段及び該光ディスクにレーザ光を照射するための光ヘッドが備えられたトラバースシャーシを移動し、前記光ディスクを前記ディスク駆動手段にて挟着(クランプ)する。その後、前記ディスク駆動手段で駆動される前記光ディスクを駆動しつつ、前記光ヘッドを該光ディスクの径方向に移動させ、該光ヘッドから該光ディスクへレーザ光を照射することで、データの記録又は読出しを行う。
【0004】
前記光ディスクを排出(アンローディング)するとき、前記トラバースシャーシをローディング時と反対方向に移動させ、該光ディスクを離し、前記ディスクトレイを排出方向に摺動させて光ディスクをアンローディングする。
【0005】
近年、光ディスクの記憶容量は大容量化している。光ディスクは記憶容量にかかわらず、外径に変化がない。すなわち、前記光ディスクの記録ピットは細くなっており、それだけ、該光ディスクの表面に付着するよごれ、埃、塵等の異物の付着によって、データの記録又は読出しの精度が低下することがある。そこで、大容量の光ディスクの場合、カートリッジに格納されているものが多い。
【0006】
例えば、特開2002−304796号公報や、特開2003−162861号公報に記載の光ディスク装置では、一台で異なる容量の光ディスクにデータを記録又は異なる容量の光ディスクよりデータを読出すことができるものが示されている。すなわち、カートリッジ内に配置された光ディスク及びそれ単体で取り扱われる光ディスクの両方をトレイを用いてローディング又はアンローディングすることができる光ディスク装置が示されている。
【0007】
前記光ディスク装置では前記カートリッジに格納されている光ディスクもクランプする場合があり、光ディスクをクランプするための空間が少ないので、光ディスクの両サイドよりクランプする機構を備えている。
【特許文献1】特開2002−304796号公報
【特許文献2】特開2003−162861号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特開2002−304796号公報及び特開2003−162861号公報に記載の発明では、光ディスクをクランプするためのクランプアームが備えられており、このクランプアームはディスクトレイに押されることで、光ディスクをクランプするためのクランパーが移動するものが示されている。
【0009】
しかしながら、上述のような前記ディスクトレイの動作に連動する前記クランプアームの場合、光ディスクが停止する前にクランプアームが始動するので、光ディスクがクランプのための位置に到着する前に、クランパーが光ディスクをクランプする位置に移動する場合もあり、該クランパーがカートリッジや光ディスクに接触して、クランプ精度が低下する。
【0010】
これにより、前記光ディスクをクランプするときに、光ディスクの記録面がクランパー、カートリッジ等と接触して光ディスクを傷つけたり、確実にクランプできなくなったりし、光ディスク装置でのデータの記録、読出しが安定的にできなくなる。
【0011】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、挿入される光ディスクが光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクいずれの場合でも、該光ディスクを高精度で確実にクランプすることができ、それだけ、光ディスクへのデータの記録及び(又は)光ディスクからのデータの読出し精度を高めることができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0012】
また本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、特殊な部材や駆動機構を用いることなく、光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクのクランプ動作を高精度で確実に行うことができ、それだけ、製造に必要な手間、時間を低減することができ、低コスト化、省エネルギ化することができる光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクを載置し摺動することで光ディスクを挿入/排出するディスクトレイと、前記光ディスクに対してレーザ光を照射させる摺動自在な光ヘッドと、前記光ヘッド及び前記光ディスクを支持するターンテーブルを搭載した昇降自在なトラバースユニットと、前記ディスクトレイの摺動、前記光ヘッドの摺動及び前記トラバースユニットの昇降の動力源になる駆動モータと、前記トラバースユニットと、前記駆動モータを支持するローダーシャーシと、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動し、前記トラバースシャーシ及び前記ディスクトレイを連動させるカムスライダーとを有するローダーシャーシユニットと、前記光ディスクを前記ターンテーブルと挟着するクランプ部材を備えるクランプアームとを備えた光ディスク装置であって、前記クランプアームは前記ローダーシャーシに揺動可能に支持されており、前記クランプ部材を回動可能且つ前記ディスクトレイ側に抜けないように支持するクランプ支持部と、前記クランプ支持部に取り付けられ、前記クランプ部材を前記ディスクトレイ側に付勢する付勢部材と、前記カムスライダーに設けられている当接部と当接する突出部と、前記クランプアームを前記クランプ部材が前記ディスクトレイより遠ざかる方向に付勢する弾性部材とを有しており、前記カムスライダーが摺動することで該当接部の斜行部が該突出部を押しクランプアームを揺動させ、前記クランプ部材と前記ターンテーブルにて前記光ディスクを挟着することを特徴とする。
【0014】
この構成によると、前記クランプアームと前記ディスクトレイが連動しないので、該ディスクトレイの動作と該クランプアームの陽動による光ディスクのクランプ動作のタイミングを常に正確に保つことができる。
【0015】
このことにより、前記ディスクトレイと前記クランプアームの動作タイミングのずれによる光ディスクのクランプミスの発生や、光ディスク所定の場所意外に前記クランプ部材が接触することによる、汚れの付着や傷の発生を抑制することができる。
【0016】
また、前記ディスクトレイが挿入/排出されるときに、前記クランプアームがディスクトレイ、カートリッジ等と接触するのを抑制することができ、それだけ、安定してデータの記録/読出しを行うことができる。
【0017】
上記構成において、前記カムスライダーの当接部と前記クランプアームの突出部は前記ディスクトレイが停止した後に駆動し始めるように配置されていてもよい。このことは、光ディスクが光ディスク装置のデータ記録/読出し位置に停止している状態で、該光ディスクをクランプするので、前記クランプアームがクランプ動作を行うときに、前記ディスクトレイが駆動し接触するのを防ぐことができ、それだけ、精度良く、円滑に且つ安定してデータの記録/読出し動作を行うことができる。
【0018】
上記構成において、前記当接部の斜行部が前記クランプアームに向けて傾斜している形状であってもよく、前記ディスクトレイの排出側が傾斜しており、前記カムスライダーの摺動先端側が細くなる形状であってもよい。
【0019】
前記斜行部の形状は、これらに限られるものではなく、前記クランプアームの突出部と当接して前記カムスライダーの摺動にあわせて、該突出部を押し、前記クランプアームを陽動させることができるものを広く採用することができる。
【0020】
前記弾性部材として、コイルばね、ねじりばね、板ばね等を用いるものを挙げることができる。また、これらに限定されるものではなく、前記クランプアームを前記クランプ部材が前記ディスクトレイよりはなれる方向に弾性的に付勢することができるものを広く採用することができる。
【0021】
前記付勢部材として、板ばねを用いるものを挙げることができる。また、片持ち梁で形成され、自由端側にばねが取り付けられており、梁の中間部でクランプ部材を押すもの等、クランプ部材が前記光ディスクをクランプしたときに、該クランプ部材を前記ターンテーブル側に押え、前記光ディスクが滑らないようにクランプすることができるものを広く採用することができる。
【0022】
なお本発明の光ディスク装置を詳細に説明すると、動力源である駆動モータと、光ディスク装置本体に対してスライドして開閉可能に設けられるものであり、下面に前記駆動モータの駆動力を受けるためのトレイラックと、連動機構であるガイド溝とを備え、上面に光ディスク単体を載置できる円形の溝と、内部に光ディスクを格納したカートリッジをずれないように支持するカートリッジ支持枠とが形成されたディスクトレイと、前記光ディスクに対してレーザ光を照射するとともに、該光ディスクの内周又は外周へと往復摺動可能に設けられるものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるとともに、ラックボスを具備したラックを備えた光ヘッドと、前記ディスクトレイに対し昇降し、前記駆動モータの駆動力を受けるための摺動ボスを具備し、前記光ディスクを回動するためのスピンドルモータと及び前記スピンドルモータに回動可能に取り付けられ前記光ディスクを支持するターンテーブルが搭載されるトラバースシャーシと、前記ラックのラックボスに係合するトリガーガイドを具備し該光ヘッドの移動に連動するとともに、連結ボスを有するレバートリガーと、前記駆動モータの駆動力を伝達するための駆動力伝達歯車機構を備え、前記光ヘッドが摺動可能に取り付けられるトラバースユニットと、前記駆動モータを搭載するとともに、前記駆動力伝達歯車機構と歯合して前記駆動モータの駆動力を受ける一方、該駆動力伝達歯車機構との歯合を解消し前記駆動力が伝達されないようにするための間欠部を具備するギアトレイと、前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラックを具備するとともに、前記トラバースシャーシの摺動ボスが係合するカム溝、前記ディスクトレイのガイド溝と係合する立設ボス及び前記レバートリガーの連結ボスと係合する連結溝を具備し、該トラバースシャーシ及びディスクトレイを連動させる一方、前記レバートリガーの移動と連動するカムスライダーと、前記駆動モータを保持し、前記ギアトレイを回動可能に軸支するとともに、前記カムスライダーを摺動可能に支持するローダーシャーシとを備えるローダーシャーシユニットと、クランププレートと、前記ターンテーブルと対向して配置されるクランプ部材と、前記クランププレートと一体的に形成され、前記クランプ部材を回動可能にかつ前記ディスクトレイ方向に抜けないように支持するクランプ支持部と、前記クランプ支持部に取り付けられるとともに前記クランプ部材を前記ターンテーブルに向けて付勢するための板ばね状の付勢部材と、前記ローダーシャーシと回動可能に係合する軸支部材と、前記クランプ部材が前記ディスクトレイより遠ざかる方向に付勢するコイルばね形状の弾性部材と、前記クランププレートより前記ディスクトレイ方向に突出する突出部とを備えるクランプアームとを含む光ディスク装置であって、前記カムスライダーには前記クランプアームの突出部と当接する斜行部を備えた当接部が形成されており、該カムスライダーが摺動することで該当接部の斜行部が該突出部を押しクランプアームを揺動させ、前記クランプ部材と前記ターンテーブルにて前記光ディスクを挟着するものであり、前記ディスクトレイが前記ローダーシャーシ内部で停止しているときに前記クランプアームが駆動することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、挿入される光ディスクが光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクいずれの場合でも、該光ディスクを高精度で確実にクランプすることができ、それだけ、光ディスクへのデータの記録及び(又は)光ディスクからのデータの読出し精度を高めることができる光ディスク装置を提供することができる。
【0024】
また本発明によると、特殊な部材や駆動機構を用いることなく、光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクのクランプ動作を高精度で確実に行うことができ、それだけ、製造に必要な手間、時間を低減することができ、低コスト化、省エネルギ化することができる光ディスク装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1〜図6は本発明にかかる光ディスク装置を示している。図1は光ディスク装置の斜視図であり、図2は上方から見た光ディスク装置の概略構成図を示している。図3は光ディスク装置の内部を上方から見た概略構成図であり、図4は下方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。図5及び図6はそれぞれ図3に示す光ディスク装置の内部をフロントパネル側、側方から見た概略構成図である。なお、便宜上、図3〜図6においては、ディスクトレイ自体を省略し、後述のガイド溝11及びトレイラック12のみを図示している。
【0026】
光ディスク装置Aはローディングされた光ディスクにレーザ光を照射し、データの読出し及び(又は)書込みを行うものである。図2に示すように光ディスク装置Aは、ディスクトレイ1と、トラバースユニット2と、ローダーシャーシユニット3とを有している。光ディスク装置AはカートリッジCdに格納された光ディスクDsと、光ディスクDs単体との両方にデータを記録したり、両方からデータを読出したりすることができる。本実施例ではカートリッジCdに格納された光ディスクについて説明しているが、光ディスク単体の場合も同様である。
【0027】
<ディスクトレイについて>
図1に示すように光ディスク装置Aはディスクトレイ1が、外装ハウジングOhのフロントパネルFpに設けられたスリット状の出入り口Stから、出入りできるように配置されている。
【0028】
ディスクトレイ1が出入り口Stより光ディスク装置Aの外部に排出されている状態で光ディスクを載置し、ディスクトレイ1を挿入することで光ディスクを再生/記録可能な領域に挿入(ローディング)する。また、ディスクトレイ1を光ディスク装置Aより排出することで光ディスク装置A内部に挿入されている光ディスクを排出(アンローディング)する。
【0029】
図4に示すようにディスクトレイ1の下面に段階的に屈曲するガイド溝11と、後述のギアトレイ33から駆動力を伝達されるトレイラック12がディスクトレイ1の長手方向に設けられている。ガイド溝11はディスクトレイ1の摺動方向に延びる直線部111と、所定の位置で斜めに屈曲する斜行部112と、さら
に摺動方向と直交するように屈曲する直交部113とを有している。
【0030】
ディスクトレイ1はカートリッジCdに格納された光ディスクDsを載置するときに、カートリッジCdがずれるのを防ぐためのカートリッジ支持枠13と、光ディスクDsをそのまま配置し、光ディスクDsがずれるのを防ぐ円形状のディスク配置溝14とを有している。ディスク配置溝14は、大径(直径12cm)の大溝141と、大溝141の中心部に小径(直径8cm)の小溝142とを有している。
【0031】
なお、フロントパネルFpが設けられている方向をフロント側(「F」)、フロント側に対向する方向をリア側(「R」)と表現する。また、フロント側からリア側に延びる方向に対する垂直横行をサイド側(「S」)と表す。
【0032】
<トラバースユニットについて>
図3に示すようにトラバースユニット2は、トラバースシャーシ21に、光ヘッド4、レバートリガー5、スピンドルモータ6及び駆動力伝達歯車機構7を取り付けたものである。トラバースシャーシ21は、ローダーシャーシ31のリア側の一端に取付ねじにてねじ止めされている。
【0033】
図2に示すように、トラバースシャーシ2はトラバースシャーシ21に設けられた取付孔に、該孔自体の周囲(円周)及び軸方向の両端側を覆い、且つ、ローダーシャーシ31に設けられたボスを挿入できる開口を有するフローティングゴム(ダンパー)210を嵌め込みにて介在させ、ボスが取付孔を貫通するように、トラバースシャーシ21を載置し、トラバースシャーシ21の取付孔とローダーシャーシ31のボスとを、取付ねじで固定させている。
【0034】
取付ねじは、ねじ頭とローダーシャーシ31の間が一定の間隔になるように、取付固定されている。この間隔を利用して、トラバースシャーシ21(トラバースユニット2)は取付ねじを支点として回転移動が可能となり、光ディスクからデータを読み出す又は光ディスクにデータを書き込む場合には、上昇して光ディスクを挟持する(クランプする)。また、光ディスクを排出する場合には、トラバースシャーシ21(トラバースユニット2)は下降し、光ディスクがディスクトレイ1に載置された状態(光ディスクと後述のターンテーブルが離れている状態)にする。
【0035】
光ヘッド3は光ディスクにレーザ光を照射してデータを読出し又は記録するものであり、トラバースシャーシ21に設けられたガイド軸211に沿って摺動するように取り付けられている。光ディスクに対してレーザ光を照射する対物レンズ31を備えている。また、図示を省略しているが、レーザ光を出射するレーザ光源、光ディスクで反射したレーザ光を受光し電気信号に変換する受光素子等の光学部品が配置されている。
【0036】
なお、光ヘッド4には、後述の駆動モータ9の駆動力が伝達されるラック42が設けられている。ラック42は下部に光ヘッド3に一体的に形成されるメインラック421と、メインラック421と重なるように上部に配置されるサブラック422とを有している。つまり、ラック42はメインラック421とサブラック422が重なったダルブラックとなっている。
【0037】
メインラック421は後述する第1歯車71と歯合し、駆動モータ9の駆動力を受けて光ヘッド4の摺動を行う。また、サブラック422はメインラック421に対してスライド可能に取り付けられており、メインラック421とサブラック422はギア歯が平面視でずれるように、コイルばねにて付勢されている。メインラック421とサブラック422のギア歯が上述のとおりずれることで、第1歯車71のギア歯を挟むのでバックラッシュを取り除くことができる。
【0038】
ラック42では、サブラック422のギア歯がメインラック421のギア歯よりも長く形成されており、サブラック422のギア歯がメインラック421のギア歯に対してリア側に長くなるように重ねて配置される。これにより、光ヘッド4の位置によっては、メインラック421とサブラック422とが第1歯車71と歯合している、サブラック422のみが第1歯車71と歯合している及びメインラック421、サブラック422いずれもが第1歯車71と歯合していない場合がある。
【0039】
また、サブラック432の先端には、後述するレバートリガー5のトリガーガイド51に摺動可能に係合するラックボス423が形成されている(立設されている)。
【0040】
光ヘッド4が光ディスクの内周側に摺動し、光ヘッド4の移動の限界部まで来ると、メインラック421と第1歯車71との歯合がはずれ、光ヘッド4の摺動は停止する。このとき、サブラック422はまだ第1歯車71と歯合しており、サブラック422は光ディスクの内周側にさらに摺動する。
【0041】
レバートリガー5は、ラックボス423が係合するトリガーガイド51(図3参照)と、後述のカムスライダー34の連結溝341と嵌合する連結ボス52(図4、図5参照)とを有している。レバートリガー5はラックボス423の位置(移動)に応じてサイド方向(ディスクトレイ1の移動方向に対して直行する方向)に往復移動するように、トラバースシャーシ21に取り付けられている。レバートリガー5はサブラック422が摺動し、ラックボス423がトリガーガイド51の側部を押すことで、サイド方向に移動する。このとき、カムスライダー34の連結溝341を連結ボス52が押し、カムスライダー34を移動させる。
【0042】
スピンドルモータ6は光ディスクを支持するためのターンテーブル61を有しており、ターンテーブル61は後述のクランプ部材80と光ディスクDsを挟着(クランプ)する。スピンドルモータ6はクランプされた光ディスクを回転させるモータである。
【0043】
トラバースシャーシ21は、カムスライダー34のカム溝343に係合する摺動ボス212を有しており、カムスライダー34の移動に連動して、トラバースシャーシ21を昇降させるものである。
【0044】
駆動力伝達歯車機構7は、第1歯車71、第2歯車72、第3歯車73を有している。各歯車はトラバースシャーシ21に回動可能に軸支持されている。駆動力伝達歯車機構7はローダーシャーシユニット2(図6参照)に設けられる駆動モータ9からの駆動力を、ディスクトレイ1の往復移動、光ヘッド4の往復移動及びカムスライダー34の移動のために伝達するものである。
【0045】
第1歯車71は、駆動モータ9の出力軸90(後述)に取り付けられたピニオンギア91(後述)より、駆動力が伝達される第1大歯車711と、第1大歯車711と同一の中心軸上、下部(ローダーシャーシ31に近づく方向)に設けられ、光ヘッド4のラック42に駆動力を伝達する第1小歯車712とを有している。すなわち、第1大歯車711が上方に、第1小歯車712が下方に同軸上で軸支されるように構成されている。
【0046】
第2歯車72は、第1歯車71からの駆動力が伝達される第2大歯車721と、第2大歯車721と同一の中心軸上、下部(ローダーシャーシ31に近い方向)に設けられ、第3歯車73に駆動力を伝達する第2小歯車722とを有している。すなわち、第2大歯車721が上方に、第2小歯車722が下方に同軸上で軸支されるように構成されている。
【0047】
第3歯車73は、第2小歯車722から駆動力を伝達される歯車であり、トラバースシャーシ21上に回動可能に軸支されている。
【0048】
<ローダーシャーシユニットについて>
ローダーシャーシユニット3は、図2及び図3に示すように、ローダーシャーシ31、ギアトレイ33、カムスライダー34、駆動モータ9及びクランプアーム8を有している。ローダーシャーシ31は、トラバースユニット2を収容する本体シャーシであり、ギアトレイ33、カムスライダー34、駆動モータ9、クランプアーム8を備えるように構成されている。
【0049】
ギアトレイ33は、第3歯車73から駆動力が伝達される歯車であり、ローダーシャーシ31に回動可能に軸支持される。ギアトレイ33には、軸方向に、一部欠損する欠損部331(図6参照)が設けられており、第3歯車73と歯合する場合、歯合しない場合を角度およびトラバースユニット2の高さによって選択的に作り出すことができるようになっている。
【0050】
駆動モータ9は、ディスクトレイ1の摺動動作、光ヘッド4の往復移動及びカムスライダー34の往復移動(トラバースユニット2の昇降移動)のための動力源である。駆動モータ9の出力軸90にはピニオンギア91がはめ込まれており、ピニオンギア91は出力軸90と共に回転する。ピニオンギア91は第1大歯車711と歯合している。
【0051】
カムスライダー34は、レバートリガー5の連結ボス52が係合する連結溝341(図5参照)、ディスクトレイ1の下面のガイド溝11に係合する立設ボス342(図3、5等参照)、トラバースシャーシ21の摺動ボス212と係合するカム溝343(図5参照)及びギアトレイ33と歯合するカムスライダーラック344と、カムスライダーラック344の摺動方向の先端部には後述のクランプアーム8に備えられた突出部85と当接する当接部345と、ディスクトレイ1のディスク配置面と対向して配置されるカバー部材35とを有している。
【0052】
カムスライダー34は、ローダーシャーシ31のフロント側に、ディスクトレイ1の移動方向に対して直交する方向に摺動可能に配置されている。また、カム溝343は、カムスライダー34が配置された状態でトラバースシャーシ21の昇降運動の上下方向に配置される上側カム溝3431と下側カム溝3432とを有しており、上側カム溝3431と下側カム溝3432とを連結する傾斜カム溝3433とを有している。カム溝343には、トラバースシャーシ21の摺動ボス212が貫通しており、摺動ボス212が上側カム溝3431に位置するように移動すればトラバースシャーシ21(トラバースユニット2)が上昇し、下側カム溝3432に位置するように移動すればトラバースシャーシ21(トラバースユニット2)が下降する。
【0053】
当接部345は、カムスライダー34の摺動方向に細くなる斜行部3451を有しており、斜行部3451に突出部85が当接し相対的に摺動することで、突出部85は斜行部3451に押され、クランプアーム8は軸支部材83を中心に揺動する。また、カムスライダー34のスライダーラック344の反対側に、弾性変形することができる既知のストッパ部材(図示省略)が備えられている。ストッパ部材は弾性変形することができるものであり、ストッパ部材はカムスライダー34が端部まで移動したときに、ローダーシャーシ31に設けられた凸部(図示省略)と係合し、大きな力が付与しない限り逆方向に移動するのを抑制する。
【0054】
図7はクランプアームの平面図であり、図8はクランプアームの側面図である。クランプアーム8はローダーシャーシ31のディスクトレイ1の上面(ディスク配置面)に対向して回動可能に支持されるものである。クランプアーム8は本体部であるクランププレート81と、光ディスクDsの記録面と反対側より押えるクランプ部材80と、クランププレート81に一体的に形成され、クランプ部材80を回動可能に支持するクランプ支持部82と、ローダーシャーシ31にクランプアーム8を揺動可能に軸支するための軸支部材83と、軸支部材83に配置され、クランプアーム8をクランプ部材80がディスクトレイ1より遠ざかる方向に付勢するばね部材84と、クランププレート81よりディスクトレイ1方向に突出する突出部85を備えている。
【0055】
図7に示すようにクランプアーム8のクランプ支持部82にはクランプ押え部材86が取り付けられている。クランプ押え部材86はそれには限定されないが、ここでは、板ばねで形成されている。クランプ押え部材86はターンテーブル61と光ディスクDsを挟着するときに、ターンテーブル61が回転するときに、光ディスクDsが滑ったり、ずれたりしないようにクランプ部材80を押圧するものである。また、クランプ押え部材として、十分に押圧することができるものを広く採用することができるが、クランプアーム8を光ディスクDsから離れる方向に付勢するので、構造が簡単で、軽量であるものが好ましい。
【0056】
カバー部材35には、ディスクトレイ1が移動する方向に延びる溝351が形成されている。溝351はリア方向に向かって湾曲しており、溝351に摺動可能に係合される摺動部材352が配置されている。摺動部材352はディスクトレイ1と接触しないように配置されている。摺動部材352はカートリッジCdに格納された光ディスクDsがトレイに配置されると、カートリッジCdのシャッターShと係合する。摺動部材352がシャッターShと係合した状態で、ディスクトレイ1をリア方向に移動すると、摺動部材352が溝351に沿って摺動し、シャッターShがカートリッジCdに沿って摺動して開く。摺動部材352は図示を省略した弾性部材にてフロント方向に付勢されている。
【0057】
<各部材の移動について>
ここで各部材(光ヘッド4、トラバースユニット2、ディスクトレイ1)の移動について、図1〜図12、特に図9〜図12を参照にしながら説明する。図9〜図12において「実線」は機械的固定(例えば、圧入やねじ止め等)を、「一点鎖線」はギア歯による歯合を意味している。また、「二重線」はカムによる係合を、「破線」は、遮断された関係を意味している。その移動工程や切り替え工程に寄与する部材については、ドットでハッチングしている。
【0058】
<ディスクトレイの移動(トレイクローズ)について(図9参照)>
本発明の光ディスク装置Aにおけるディスクトレイ1の移動について説明する。例えば、DVD等の光ディスクの記録又は再生のために、光ディスクDsを光ディスク装置Aにローディングする場合、すなわち、ディスクトレイ1をクローズさせる場合を考える。
【0059】
ディスクトレイ1に光ディスクDs単体又はカートリッジCdに格納された光ディスクDsが配置され、使用者によりディスクトレイ1をクローズする指示がなされると、駆動モータ9がA1方向に回転する。駆動モータ9の回転に伴い、ピニオンギア91もA1方向に回転する。そして、このピニオンギア91と歯合する第1大歯車711がB1方向に回転する。そうすると、第1大歯車711と連なっている(連設されている)第1小歯車712もB1方向に回転し、この第1小歯車712と歯合するラック42(メインラック421、サブラック422)がC1方向に移動する。このラック42が取り付けられている光ヘッド4もC1方向に移動する。
【0060】
ピニオンギア91と第1大歯車711、第1小歯車712と第2大歯車721、第2小歯車722と第3歯車73とは常時歯合しており、第2小歯車722と第3歯車73には常に駆動モータ9からの駆動力が伝達されるようになっている。また、ディスクトレイ1の移動時には、第3歯車73はギアトレイ33と歯合しており第3歯車73介してギアトレイ33に駆動力が伝達され、ギアトレイ33と歯合しているトレイラック12はD1方向に移動する。すなわち、ディスクトレイ1がフロント側からリア側へと移動し、フロントパネルFpのスリット状の出入り口Stからディスクトレイ1が挿入される。
【0061】
<ディスクトレイの移動からトラバースユニットの移動への切り替えについて(図10参照)>
ディスクトレイ1がリア方向に移動するとき、ディスクトレイ1の下面に設けられたガイド溝11とカムスライダー34の立設ボス342とが係合している。ディスクトレイ1がリア方向へ摺動し始めたときは、立設ボス342はガイド溝11の直線部111と係合しており、カムスライダー34は停止したままである。
【0062】
ディスクトレイ1が移動し、立設ボス342が斜行部112に差し掛かると、立設ボス342が斜行部112より押され、カムスライダー34がディスクトレイ1の移動方向と直交するE1方向(ギアトレイ33に近づく方向)に摺動し始める。ディスクトレイ1がさらに移動し、立設ボス112が斜行部112の端部に到達すると、トレイラック12はギアトレイ33から離反するとともに、カムスライダー34のカムスライダーラック344がギアトレイ33と歯合する。
【0063】
<トラバースユニットの移動(上昇)について(図11参照)>
カムスライダー34のカムスライダーラック344がギアトレイ33と歯合して、ギアトレイ33の回転にあわせてカムスライダー34がE1方向に移動する。カムスライダー34のカム溝343をトラバースシャーシ21の摺動ボス212が貫通しており、カム溝343の移動にあわせて摺動する。ディスクトレイ1が排出されている状態では摺動ボス212はカム溝343の下側カム溝3432と係合しており、トラバースユニット2は光ディスクDsより遠くに位置している。
【0064】
カートリッジCdに格納された光ディスクDsがトレイに配置されている場合、ディスクトレイ1がある程度クローズしたときに、摺動部材352とカートリッジCdのシャッターShとが係合する。摺動部材352がシャッターShと係合した状態で、ディスクトレイ1がリア方向(D1方向)に移動すると、摺動部材352が溝351に沿って摺動し、シャッターShがカートリッジCdに沿って摺動し、シャッターShが開き、光ディスクDsの一部が露出する。
【0065】
また、レバートリガー5は連結ボス52を有しており、連結ボス52は連結溝341と係合しており、トラバースユニット2の移動にあわせて移動する。このときレバートリガー5は移動しない。このとき、レバートリガー5のトリガーガイド51にラックボス423が係合しており、光ヘッド4が光利ディスクの内周側の退避位置に、摺動しないように保持されている。
【0066】
カムスライダー34がさらにE1方向に移動すると、摺動ボス212はカム溝343の傾斜カム溝3433と係合する。摺動ボス212が傾斜カム溝3433と係合し、カムスライダー34がE1方向に移動することで、摺動ボス212が傾斜カム溝3433に押され、トラバースユニット2は光ディスクDsに近づく方向に移動する。レバートリガー5もトラバースシャーシ21と連動して光ディスクDsに近づく方向に移動する。
【0067】
カムスライダー34がさらにE1方向に移動すると摺動ボス212が傾斜カム溝3433から、上側カム溝3431に到達する。このとき、トラバースユニット2に配置されているターンテーブル61が光ディスクDsをディスクトレイ1又はカートリッジCdより持ち上げた状態で保持している。
【0068】
<トラバースユニットの移動から光ヘッドの移動の切り替えについて(図11参照)>
カムスライダー34がさらにE1方向に移動すると、摺動ボス212は上側カム溝3431と係合し、トラバースユニット2の移動は停止する。レバートリガー5の連結ボス52は摺動ボス212が上側カム溝3431と係合した直後に、連結溝341の端部に押され、レバートリガー5がトラバースシャーシ21に対して摺動する。レバートリガー5が摺動することで、トリガーガイド51とラックボス423との係合がはずれ、光ヘッド4が摺動可能になる。
【0069】
<光ディスクのクランプ及び光ヘッドの移動について(図12参照)>
さらにカムスライダー34がE1方向に移動することで、カムスライダー34の当接部345がクランプアーム8に設けられた突出部85と当接する。クランプアーム8の突出部85が当接部345と当接した状態で、カムスライダー34がE1方向に移動すると、突出部85は当接部345の斜行部3451にてF1方向押され、クランプアーム8が軸支部材83を中心にG1方向に回動する。カムスライダー34が最も奥まで移動すると、クランプアーム8が回動し、クランプ支持部82に支持されているクランプ部材80が光ディスクDsをターンテーブル61の反対側より押圧し光ディスクDsをディスクトレイ1又はカートリッジCdと接触しないように挟持する。
【0070】
このとき、トラバースユニット2に取り付けられている第3歯車73がギアトレイ33の欠損部331に移動し、第3歯車73からギアトレイ33への駆動力の伝達が停止する。またこのとき、光ヘッド4のラック42は第1小歯車712と歯合しており、駆動モータ9の駆動によって光ディスクDsの周方向へ移動する。このとき、ストッパ部材がローダーシャーシ31に設けられた凸部と係合し、振動、衝撃等の小さな力が付与することでカムスライダー34がE2方向に移動するのを抑制している。
【0071】
光ディスクDsはクランプ部材80とターンテーブル61とによりクランプされた光ディスクDsは、スピンドルモータ6を駆動することで回転する。このとき、光ディスクDsはターンテーブル61に対して滑ったり、ずれたりしにくいので、光ヘッド4より光ディスクDsに対して安定してレーザ光を照射することができる。
【0072】
以上のように、ディスク装置Aでは1つの駆動モータ9の回転によって、光ヘッド4、トラバースユニット2、ディスクトレイ1、クランプアーム8を動作させることが可能になっている。なお、上記例では、ディスクトレイ1のクローズ、トラバースユニット2の上昇、光ディスクDsのクランプ及び光ヘッド4の外周への移動に係る一連の動作について説明したが、駆動モータ9をA2方向(逆回転:図3参照)に回転させることで、各部分は上記B1〜G1方向とは逆のB2〜G2方向に回転又は移動する。これにより、光ヘッド4の内周への移動、光ディスクのディスクトレイ1への載置、トラバースユニット2の下降及びディスクトレイ1のオープンにかかる動作も可能となっている。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、DVD、CD等の光ディスクを記録媒体とする光ディスク装置において適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本発明にかかる光ディスク装置の斜視図である。
【図2】本発明にかかる光ディスク装置内部の概略平面図である。
【図3】図2に示す光ディスク装置からローダーシャーシ、ディスクトレイを省略した概略構成図である。
【図4】下方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図5】フロントパネル側から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図6】側方から見た光ディスク装置内部の概略構成図である。
【図7】本発明にかかる光ディスクに配置されるクランプアームの平面図である。
【図8】図7に示すクランプアームの側面図である。
【図9】ディスクトレイの移動を説明するブロック図である。
【図10】ディスクトレイの移動からトラバースユニットの移動への切り替えについて説明するブロック図である。
【図11】トラバースユニットの移動について説明するブロック図である。
【図12】光ディスクのクランプ及び光ヘッドの移動について説明するブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
A 光ディスク装置
1 ディスクトレイ
11 ガイド溝
12 トレイラック
2 トラバースユニット
21 トラバースシャーシ
22 突起部
3 ローダーシャーシユニット
31 ローダーシャーシ
32 クランプ
33 ギアトレイ
34 カムスライダー
4 光ヘッド
5 レバートリガー
51 トリガーガイド
52 連結ボス
6 スピンドルモータ
61 ターンテーブル
7 駆動力伝達歯車機構
71 第1歯車
72 第2歯車
73 第3歯車
8 クランプアーム
80 クランプ部材
81 クランププレート
82 クランプ支持部
83 軸支部材
84 ばね部材
85 突出部
86 クランプ押え部材
9 駆動モータ
90 駆動軸
91 ピニオンギア
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動力源である駆動モータと、
光ディスク装置本体に対してスライドして開閉可能に設けられるものであり、下面に前記駆動モータの駆動力を受けるためのトレイラックと、連動機構であるガイド溝とを備え、上面に光ディスク単体を載置できる円形の溝と、内部に光ディスクを格納したカートリッジをずれないように支持するカートリッジ支持枠とが形成されたディスクトレイと、
前記光ディスクに対してレーザ光を照射するとともに、該光ディスクの内周又は外周へと往復摺動可能に設けられるものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるとともに、ラックボスを具備したラックを備えた光ヘッドと、
前記ディスクトレイに対し昇降し、前記駆動モータの駆動力を受けるための摺動ボスを具備し、前記光ディスクを回動するためのスピンドルモータと及び前記スピンドルモータに回動可能に取り付けられ前記光ディスクを支持するターンテーブルが搭載されるトラバースシャーシと、前記ラックのラックボスに係合するトリガーガイドを具備し該光ヘッドの移動に連動するとともに、連結ボスを有するレバートリガーと、前記駆動モータの駆動力を伝達するための駆動力伝達歯車機構を備え、前記光ヘッドが摺動可能に取り付けられるトラバースユニットと、
前記駆動モータを搭載するとともに、前記駆動力伝達歯車機構と歯合して前記駆動モータの駆動力を受ける一方、該駆動力伝達歯車機構との歯合を解消し前記駆動力が伝達されないようにするための間欠部を具備するギアトレイと、前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラックを具備するとともに、前記トラバースシャーシの摺動ボスが係合するカム溝、前記ディスクトレイのガイド溝と係合する立設ボス及び前記レバートリガーの連結ボスと係合する連結溝を具備し、該トラバースシャーシ及びディスクトレイを連動させる一方、前記レバートリガーの移動と連動するカムスライダーと、前記駆動モータを保持し、前記ギアトレイを回動可能に軸支するとともに、前記カムスライダーを摺動可能に支持するローダーシャーシとを備えるローダーシャーシユニットと、
クランププレートと、前記ターンテーブルと対向して配置されるクランプ部材と、前記クランププレートと一体的に形成され、前記クランプ部材を回動可能にかつ前記ディスクトレイ方向に抜けないように支持するクランプ支持部と、前記クランプ支持部に取り付けられるとともに前記クランプ部材を前記ターンテーブルに向けて付勢するための板ばね状の付勢部材と、前記ローダーシャーシと回動可能に係合する軸支部材と、前記クランプ部材が前記ディスクトレイより遠ざかる方向に付勢するコイルばね形状の弾性部材と、前記クランププレートより前記ディスクトレイ方向に突出する突出部とを備えるクランプアームとを含む光ディスク装置であって、
前記カムスライダーには前記クランプアームの突出部と当接する斜行部を備えた当接部が形成されており、該カムスライダーが摺動することで該当接部の斜行部が該突出部を押しクランプアームを揺動させ、前記クランプ部材と前記ターンテーブルにて前記光ディスクを挟着するものであり、前記ディスクトレイが前記ローダーシャーシ内部で停止しているときに前記クランプアームが駆動することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクを載置し摺動することで光ディスクを挿入/排出するディスクトレイと、
前記光ディスクに対してレーザ光を照射させる摺動自在な光ヘッドと、
前記光ヘッド及び前記光ディスクを支持するターンテーブルを搭載した昇降自在なトラバースユニットと、
前記ディスクトレイの摺動、前記光ヘッドの摺動及び前記トラバースユニットの昇降の動力源になる駆動モータと、
前記トラバースユニットと、前記駆動モータを支持するローダーシャーシと、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動し、前記トラバースシャーシ及び前記ディスクトレイを連動させるカムスライダーとを有するローダーシャーシユニットと、
前記光ディスクを前記ターンテーブルと挟着するクランプ部材を備えるクランプアームとを備えた光ディスク装置であって、
前記クランプアームは前記ローダーシャーシに揺動可能に支持されており、前記クランプ部材を回動可能且つ前記ディスクトレイ側に抜けないように支持するクランプ支持部と、前記クランプ支持部に取り付けられ、前記クランプ部材を前記ディスクトレイ側に付勢する付勢部材と、前記カムスライダーに設けられている当接部と当接する突出部と、前記クランプアームを前記クランプ部材が前記ディスクトレイより遠ざかる方向に付勢する弾性部材とを有しており、
前記カムスライダーが摺動することで該当接部の斜行部が該突出部を押しクランプアームを揺動させ、前記クランプ部材と前記ターンテーブルにて前記光ディスクを挟着することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
前記カムスライダーの当接部と前記クランプアームの突出部は前記ディスクトレイが停止した後に駆動し始めるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記当接部の斜行部は前記クランプアームに向けて傾斜している形状であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記当接部の斜行部は前記ディスクトレイの排出側が傾斜しており、前記カムスライダーの摺動先端側が細くなる形状であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の光ディスク装置。
【請求項1】
動力源である駆動モータと、
光ディスク装置本体に対してスライドして開閉可能に設けられるものであり、下面に前記駆動モータの駆動力を受けるためのトレイラックと、連動機構であるガイド溝とを備え、上面に光ディスク単体を載置できる円形の溝と、内部に光ディスクを格納したカートリッジをずれないように支持するカートリッジ支持枠とが形成されたディスクトレイと、
前記光ディスクに対してレーザ光を照射するとともに、該光ディスクの内周又は外周へと往復摺動可能に設けられるものであり、前記駆動モータの駆動力を受けるとともに、ラックボスを具備したラックを備えた光ヘッドと、
前記ディスクトレイに対し昇降し、前記駆動モータの駆動力を受けるための摺動ボスを具備し、前記光ディスクを回動するためのスピンドルモータと及び前記スピンドルモータに回動可能に取り付けられ前記光ディスクを支持するターンテーブルが搭載されるトラバースシャーシと、前記ラックのラックボスに係合するトリガーガイドを具備し該光ヘッドの移動に連動するとともに、連結ボスを有するレバートリガーと、前記駆動モータの駆動力を伝達するための駆動力伝達歯車機構を備え、前記光ヘッドが摺動可能に取り付けられるトラバースユニットと、
前記駆動モータを搭載するとともに、前記駆動力伝達歯車機構と歯合して前記駆動モータの駆動力を受ける一方、該駆動力伝達歯車機構との歯合を解消し前記駆動力が伝達されないようにするための間欠部を具備するギアトレイと、前記ギアトレイと歯合するカムスライダーラックを具備するとともに、前記トラバースシャーシの摺動ボスが係合するカム溝、前記ディスクトレイのガイド溝と係合する立設ボス及び前記レバートリガーの連結ボスと係合する連結溝を具備し、該トラバースシャーシ及びディスクトレイを連動させる一方、前記レバートリガーの移動と連動するカムスライダーと、前記駆動モータを保持し、前記ギアトレイを回動可能に軸支するとともに、前記カムスライダーを摺動可能に支持するローダーシャーシとを備えるローダーシャーシユニットと、
クランププレートと、前記ターンテーブルと対向して配置されるクランプ部材と、前記クランププレートと一体的に形成され、前記クランプ部材を回動可能にかつ前記ディスクトレイ方向に抜けないように支持するクランプ支持部と、前記クランプ支持部に取り付けられるとともに前記クランプ部材を前記ターンテーブルに向けて付勢するための板ばね状の付勢部材と、前記ローダーシャーシと回動可能に係合する軸支部材と、前記クランプ部材が前記ディスクトレイより遠ざかる方向に付勢するコイルばね形状の弾性部材と、前記クランププレートより前記ディスクトレイ方向に突出する突出部とを備えるクランプアームとを含む光ディスク装置であって、
前記カムスライダーには前記クランプアームの突出部と当接する斜行部を備えた当接部が形成されており、該カムスライダーが摺動することで該当接部の斜行部が該突出部を押しクランプアームを揺動させ、前記クランプ部材と前記ターンテーブルにて前記光ディスクを挟着するものであり、前記ディスクトレイが前記ローダーシャーシ内部で停止しているときに前記クランプアームが駆動することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
光ディスク単体又はカートリッジに格納された光ディスクを載置し摺動することで光ディスクを挿入/排出するディスクトレイと、
前記光ディスクに対してレーザ光を照射させる摺動自在な光ヘッドと、
前記光ヘッド及び前記光ディスクを支持するターンテーブルを搭載した昇降自在なトラバースユニットと、
前記ディスクトレイの摺動、前記光ヘッドの摺動及び前記トラバースユニットの昇降の動力源になる駆動モータと、
前記トラバースユニットと、前記駆動モータを支持するローダーシャーシと、前記ディスクトレイの摺動方向と直交する方向に摺動し、前記トラバースシャーシ及び前記ディスクトレイを連動させるカムスライダーとを有するローダーシャーシユニットと、
前記光ディスクを前記ターンテーブルと挟着するクランプ部材を備えるクランプアームとを備えた光ディスク装置であって、
前記クランプアームは前記ローダーシャーシに揺動可能に支持されており、前記クランプ部材を回動可能且つ前記ディスクトレイ側に抜けないように支持するクランプ支持部と、前記クランプ支持部に取り付けられ、前記クランプ部材を前記ディスクトレイ側に付勢する付勢部材と、前記カムスライダーに設けられている当接部と当接する突出部と、前記クランプアームを前記クランプ部材が前記ディスクトレイより遠ざかる方向に付勢する弾性部材とを有しており、
前記カムスライダーが摺動することで該当接部の斜行部が該突出部を押しクランプアームを揺動させ、前記クランプ部材と前記ターンテーブルにて前記光ディスクを挟着することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】
前記カムスライダーの当接部と前記クランプアームの突出部は前記ディスクトレイが停止した後に駆動し始めるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記当接部の斜行部は前記クランプアームに向けて傾斜している形状であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記当接部の斜行部は前記ディスクトレイの排出側が傾斜しており、前記カムスライダーの摺動先端側が細くなる形状であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の光ディスク装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−141356(P2007−141356A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−333701(P2005−333701)
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月18日(2005.11.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]