説明

光ディスク装置

【課題】
光ディスク装置のバラツキを考慮して検証して時間である閾値を設定しても、大量生産における光ディスク装置のバラツキを追従することはできず、光ディスク装置に装填された光ディスクの種別判別を正しく行えないという課題が残っていた。
【解決手段】
フォーカスサーチ動作が行なわれている間に該光ディスクのディスク面と情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光がそれぞれ検出される間の時間を計測し、該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間と、該光ディスクのディスク面と情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光がそれぞれ検出される間の時間との比率を算出し、前記算出された比率に基づいて、該光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CD、DVD(登録商標)、更には、次世代光ディスクを含め、各種の光ディスクを再生可能な光ディスク装置に関し、特に、装填された光ディスクの種類を判定するための光ディスク判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ディスク記録媒体は、非接触、大容量かつ低コストで、高速にデータアクセスを可能とする情報記録媒体として、例えば、デジタルオーディオデータやデジタル動画データの記録/再生、更には、パーソナルコンピュータのデータ記録媒体として、幅広く利用されており、特に、近年においては、書き換えが可能で、かつ、大容量の光ディスクとして、次世代光ディスク(ブルーレイ・ディスク(BD(登録商標))やHD−DVD(登録商標)等)が提案されている。これに伴い、かかる各種の情報記録媒体に対しても情報を記録・再生することが可能な光ディスク装置が望まれており、その場合、装置に装填される光ディスクを確実に判別することが必要となる。
ところで、上述した各種の光ディスクに対し、夫々に対応した波長のレーザ光により情報の記録/再生を行なうことの可能な、3波長対応可能な光ディスク装置では、装置の小型化を達成するため、当該光ディスク装置に搭載する光ヘッドの小型化を実現することが強く求められており、かかる要求を実現するための手段として、3波長互換対物レンズが知られている。
なお、この3波長互換対物レンズは、各レーザ光の波長は、CD:780nm、DVD:650nm、次世代光ディスク用:405nm、のすべてに対応している。それぞれの光ディスクの物理的構造において、ディスク表面から情報記録面までの距離は、CD:1.2mm、DVD:0.6mm、次世代光ディスク用:0.1mm、と全く異なるが、3波長互換対物レンズを採用してすべての光ディスクに対してフォーカス制御可能なようになされている。
このように、光ヘッドの小型化を実現することを可能とする3波長互換対物レンズは、各波長の焦点距離が異なっており、そのため、この3波長互換対物レンズを光ディスク装置に採用した場合、特に、光ピックアップを構成する光学素子の感度特性のバラツキによって、ディスクの種別を誤判別してしまうという問題があった。
例えば、以下の特許文献1によれば、3波長互換対物レンズを搭載した光ディスク装置において、光ディスクを判別する判別方法が開示されている。
図8を参照して特許文献1に記載の技術を説明する。次世代光ディスクであるBD(Blu−ray DISC:登録商標)、DVD(登録商標)およびCDと、波長の異なる3つのレーザ光を選択的に、3波長互換対物レンズを介して、光ディスクの情報記録面に照射して情報を記録又は再生する光ディスク装置において、まずBD用レーザを点灯させ(ステップS801)、球面収差を補正するためのビームエキスパンダの位置をBD用に設定し(ステップS802)、続いてフォーカスサーチ処理を行う(ステップS803)。フォーカスサーチ処理中に光ディスク表面からの反射光を検出したときから、データ面からの反射光を検出するまでの時間を計測し、計測された時間が予め決められた時間よりも小さいかどうか判断(ステップS804)し、小さければければ、装填された光ディスクがBDであると判断し、計測された時間が予め決められた時間よりも大きければ、DVD用レーザを点灯させ(ステップS805)、前記BD用レーザ点灯以降のステップS801〜S804の処理と同様に、装填されたディスクがDVDであるかどうかを判断する処理を行い、ステップS808でDVDではないと判断された場合には、CD用レーザを点灯させ(ステップS809)、ビームエキスパンダの位置をCD用に設定し(ステップS810)、続いてフォーカスサーチ処理を行い(ステップS811)、装填されたディスクがCDであるかどうかを判断し(ステップS812)、ステップS812でCDではな
いと判断された場合には、ディスクなしと判断する。
前述の通り、特許文献1に記載の技術は、各光ディスクの物理的構造の違いである、ディスク表面から情報記録面までの距離の違いをフォーカスサーチの時間にて検出し、予め決められた値と比較して、光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別している。前述のとおり、光ディスク表面から情報記録面の距離の大きさは、CD>DVD>BDであるため、フォーカスサーチ処理によって計測される光ディスク表面から情報記録面までのフォーカスサーチ時間も同様に、CD>DVD>BDとなる。この関係を用いて、3種類の光ディスクを判別するための閾値を設定して、計測された時間と閾値を比較することで、ディスク判別を行っている。
【特許文献1】特開2005−259252
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の技術では、ディスク判別を行うための閾値は時間として設定され、該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間を計測し、予め定められた時間である閾値と、前記検出された時間とを比較してディスクの種別を判別していた。この場合には、光ディスク装置を構成する光学素子の受光感度や、フォーカスサーチ処理を駆動するモータトルクの特性バラツキなどによって、計測された時間が短くなったり長くなったりする。このため、個々の光ディスク装置のバラツキを考慮し、判別のための閾値を設定するが、大量生産における光ディスク装置のバラツキを追従することはできず、光ディスク装置に装填された光ディスクの種別判別を正しく行えないという課題が残っていた。また、別の方法では、前記バラツキに追従するために、光ディスク装置の生産工程において、フォーカスアクチュエータの感度調整を行ってフォーカスサーチ速度を一定にそろえるという工程を追加しなければならないという課題も残っていた。
そこで、本発明では、前述した従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、前述した3波長互換対物レンズを搭載した光ディスク装置においても、各構成素子の特性バラツキに影響されることなく、装置に装填される光ディスクを、確実に、判別することを可能とする光ディスク判別方法を利用した光ディスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、光ディスク装置において、複数の波長の異なるレーザ光を共通の対物レンズを介して光ディスクの情報記録面に照射する光ピックアップと、前記対物レンズを光ディスク面に対して垂直方向に相対移動させるフォーカスドライブ手段と、前記フォーカスドライブ手段によって前記対物レンズが相対移動している間の光ディスクからの反射光を検出してフォーカス制御を行うフォーカス制御手段と、前記フォーカス制御手段によってフォーカスサーチ動作が行なわれている間に、該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間を計測するための時間計測手段とを有し、前記フォーカスサーチ動作が行なわれている間に該光ディスクのディスク面と情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光とがそれぞれ検出される間の時間を、前記時間計測手段によって計測し、前記時間計測手段によって計測された該光ディスクのディスク面と情報記録面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間と、該光ディスクのディスク面および情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光とがそれぞれ検出される間の時間との比率を算出し、前記算出された比率に基づいて、該光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別する。
光ディスク装置において、前記比率は、該光ディスクのディスク面と情報記録面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間を、該光ディスクのディスク面および情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面とにおける反射
光がそれぞれ検出される間の時間で割ることで算出する。
光ディスク装置において、前記光ディスクは、少なくとも、CD、DVD、次世代光ディスクを含む。
光ディスク装置において、前記検出する偽反射光は、CD用レーザ光を発光した場合に検出される。
光ディスク装置において、前記算出された比率をrとした場合に、r<αの時には次世代光ディスク、α≦r≦βの時にはDVD、β<rの時にはCDであると光ディスクの種類を判別するよう閾値αおよびβを定める。
光ディスク装置において、前記反射光の検出は、フォーカス差信号のゼロクロスポイント、もしくはフォーカス和信号の最大点にて行う。
光ディスク装置において、複数の波長の異なるレーザ光を共通の対物レンズを介して、少なくともCD、DVD、次世代光ディスクを含む光ディスクの情報記録面に照射する光ピックアップと、前記対物レンズを光ディスク面に対して垂直方向に相対移動させるフォーカスドライブ手段と、前記フォーカスドライブ手段によって前記対物レンズが相対移動している間の光ディスクからの反射光を検出してフォーカス制御を行うフォーカス制御部と前記フォーカス制御手段によってフォーカスサーチ動作が行なわれている間に、該光ディスクのディスク面と情報記録面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間を計測するための時間計測手段とを有し、前記反射光の検出は、フォーカス差信号のゼロクロスポイント、もしくはフォーカス和信号の極大ポイントにおいて行い、CD用レーザ光を発光して前記フォーカスサーチ動作が行なわれている間に該光ディスクのディスク面と情報記録面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間と、該光ディスクのディスク面および情報記録面とのいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光とがそれぞれ検出される間の時間とを前記時間計測手段によって計測し、前記計測された該光ディスクのディスク面と情報記録面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間を、該光ディスクのディスク面および情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光とがそれぞれ検出される間の時間で割ることによって比率rを算出し、前記算出されたrが、r<αの時には次世代光ディスク、α≦r≦βの時にはDVD、β<rの時にはCDであると光ディスクの種類を判別するよう閾値αおよびβを定めることで該光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別し、かつ次世代光ディスク用レーザ光を発光して該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間が所定時間以下の場合には、前記比率を算出することなく、該光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別する。
前記の通り構成することにより、光ディスク装置個々の特性のバラツキに影響されることなく、光ディスク装置に装填された光ディスクの種別が判別可能なように作用する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1に記載の発明によれば、フォーカスサーチ動作中にディスク面の反射光が検出されてから偽反射光が検出されるまでを計測した時間を基準時間とし、各ディスクのディスク面の反射光が検出されてから情報記録面の反射光が検出されるまでを計測した時間と、前記基準時間との比率を算出して、予め定められた閾値と比較して装填された光ディスクの種別を判断するので、光ディスク装置個々の構成素子の特性バラツキによる計測時間の誤差に関係なく、確実に光ディスクの種別を判別することが可能となる。また、経年変化による光ピックアップの性能劣化によってフォーカスアクチュエータ感度が落ちてしまっても、正常に判別を行うことが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、「該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間」÷「該光ディスクのディスク面と情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光がそれぞれ検出される間の時間」で比率を算出することで、光ディスク装置個々の構成素子の特性バラツキによる計測時間の誤差に影響を受けず、確実に光ディスクの種別を判別すること
が可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、少なくとも、CD、DVD、次世代光ディスクの判別を行うことが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、偽反射光を検出する際には、CD用レーザ光を発光することで、確実に偽反射光を検出することを可能にする。
請求項5に記載の発明によれば、「該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間」÷「該光ディスクのディスク面と情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光がそれぞれ検出される間の時間」によって算出された比率をrとした場合に、r<αの時には次世代光ディスク、α≦r≦βの時にはDVD、β<rの時にはCDであるとなるようにα、βの閾値を設定することで確実に光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別することが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、反射光の検出を、フォーカス差信号のゼロクロスポイントか、フォーカス和信号の極大ポイントで行うことで、確実なタイミングで反射光を検出することが可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、フォーカスサーチ動作中に「該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間」÷「CD用レーザ光を発光することで、該光ディスクのディスク面と情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光がそれぞれ検出される間の時間」で比率を算出して、予め定められた閾値と比較して装填された光ディスクの種別を判断するので、光ディスク装置個々の構成素子の特性バラツキによる計測時間の誤差に関係なく、少なくとも、CD、DVD、次世代光ディスクを含む光ディスクの種別を、確実に判別することが可能となる。また、「該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間」÷「該光ディスクのディスク面と情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光がそれぞれ検出される間の時間」によって算出された比率をrとした場合に、r<αの時には次世代光ディスク、α≦r≦βの時にはDVD、β<rの時にはCDであるとなるようにα、βの閾値を設定することで確実に光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別することが可能となる。また、反射光の検出を、フォーカス差信号のゼロクロスポイントか、フォーカス和信号の極大ポイントで行うことで、確実なタイミングで反射光を検出することが可能となる。さらに、次世代光ディスク用レーザ光を発光して該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間が所定時間以下の場合には、前記比率を算出することなく、該光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別するよう制御することで、次世代光ディスクが装填されている場合には直ちにディスク判別を完了することが可能となる。また、経年変化による光ピックアップの性能劣化によってフォーカスアクチュエータ感度が落ちてしまっても、正常に判別を行うことが可能となる。
前述の通り、光ディスク装置個々のフォーカスアクチュエータは、感度特性が個々で異なるため、ディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間も異なり、フォーカスサーチ速度も異なる。このため、従来技術のようにフォーカスサーチ時間を判別基準にしても、光ディスク装置個々のフォーカスサーチ時間が一定しないため、誤判別を発生する可能性がある。本発明では、判別基準を時間で行うのではなく、比率で行うことで、光ディスク装置個々のフォーカスサーチ速度の違いに関係なく、確実にディスク種別の判別を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る光ディスク装置のブロック図を表す。本発明に係る光ディスク装置は、光ディスク101に対してレーザ光を照射して記録再生を行なうためのピックアップ102、光ディスク装置の動作を制御するための制御部103、光ピックアップ102のディスク面に対する主直
方向の動作を行うためのフォーカスドライブ手段104、光ピックアップ102が受光した信号を検出するための検出回路105、検出回路105からの出力信号からフォーカス差信号を算出するためのフォーカス差信号算出手段106、検出回路105の出力信号からフォーカス和信号を算出するためのフォーカス和信号算出手段107より構成される。また、光ピックアップ102の内部は、光ディスク101の表面(図の下面)に対向して配置された、対物レンズ108、球面収差を補正するためのビームエキスパンダ109を含む光学系と共に、それぞれ波長の異なるレーザ光を発生する、例えば、レーザダイオードからなるレーザ発生素子110、111、112、更には、例えば、フォトダイオード等により構成される受光素子113を備えている。なお、この対物レンズ108は、前述した3波長互換対物レンズであり、複数のレンズから構成されるビームエキスパンダ109と共に、例えば、電磁力を利用したアクチュエータ114により、光ディスク101の表面に垂直な方向(図の矢印を参照)に移動可能となっている。また、上記のレーザ発生素子110、111、112は、制御部103からの指令に応答し、それぞれの駆動回路115、116、117によって発光が駆動され、例えば、レーザ発生素子110はBD用の波長405nmのレーザ光を、レーザ発光素子111は、DVD用の波長650nmのレーザ光を、レーザ発光素子112は、CD用の波長780nmのレーザ光を、それぞれ、発生する。また、図中の符号118は、上記各レーザ発生素子110〜112から発生するレーザ光を反射し、上記対物レンズ108及びビームエキスパンダ109を介して光ディスク101の表面に照射すると共に、光ディスク101の表面からの反射光を通過して受光素子113へ導くための、ハーフミラー(又は、偏向ビームスプリッタでもよい)である。なお、上記受光素子113により検出された反射光は、検出回路105において検出され、電気信号に変換される。
また、制御部103の内部は、フォーカスドライブ手段104を制御するためのフォーカス制御手段119、光ディスク装置の動作に関わる種々のデータを記憶するためのメモリ120、時間を計測するための121から構成される。
次に図2は、光ディスク装置に装填される各種の光ディスクの構造を表す。(a)は次世代光ディスク(例えば、BD)、(b)はDVD、(c)はCDを表す。それぞれ、レーザ光が照射される円盤状のディスク表面(図の下面)からデータ記録されている情報記録面までの距離が大きく異なる。即ち、BDでは、約0.1mm、DVDでは、約0.6mm、CDでは、約1.2mmとなっている。即ち、CDでは、光ディスクの上面に情報記録面が形成されている。
次に図3は、CD用レーザ光を発光した場合の各光ディスクにおけるフォーカス和信号(以下、FS信号)を表す。図3の上図の光ディスク装置Aの場合を参照しながら、FS信号について説明を行う。まず、図3の光ディスク装置Aの上段の波形は、CDを当該光ディスク装置に装填し、光ピックアップのCD用の赤色(波長約780nm)のレーザ光を用いてフォーカスサーチ動作を実施した場合における、その反射光強度の時間に対する変化を表している。なお、フォーカスサーチ動作とは、前記で説明した3波長互換対物レンズ(図1の108)をその駆動装置(図1の114)によって光ディスク101の表面に対して移動する動作であり、図の下方から上方に向かって、即ち、ディスク表面に対して最も遠い場所からディスク表面に向かって、連続的に、所定の速度で移動する動作である。その結果、CDの表面に照射されたレーザ光は、まず、装填されたCDの表面(図2の最下面)で反射し(第1の反射光ピーク:Ts_Aを参照)、その後、所定の時間T_FAKE_Aを経過した後に偽反射を起こす。(第2の反射光ピーク:Tf_A)。前記偽反射とは、3波長互換対物レンズを採用した光ディスク装置において、光ディスク表面でも情報記録面でもない箇所で検知される反射光であり、3波長互換対物レンズのように、複数の光ディスク媒体に対応させようとすると、対物レンズを光ディスクに向けて移動させつつ、信号面での反射光を捉えるまでに、当該対物レンズ自身の内部で、開口数を変化させるにあたり不要となったレーザ光が、光ディスクの表面や信号面の反射光として、対物レンズに入射して乱反射し、偽信号(Fake)として検出してしまうことである。特にCDを装填した場合には、開口数を少なくするため、不要となるレーザ光が多くなり、
フォーカスサーチ処理を行なった時には、明らかなレベルで偽反射光が検知できる。続いて、Ts_Aから所定の時間T_DATA_CD_Aを経過した後に、データ記録されている情報記録面に至り、そこで反射する(第3の反射光ピーク:時間Td_CD_Aを参照)。
続いて、図3の光ディスク装置Aの中段の波形は、DVDを当該光ディスク装置に装填し、光ピックアップのDVD用の赤色(波長約650nm)のレーザ光を用いてフォーカスサーチ動作を実施した場合における、その反射光強度の時間に対する変化を表している。前記と同様にフォーカスサーチ動作を行なった結果、DVDの表面に照射されたレーザ光は、DVDの表面(図2の最下面)で反射し(第1の反射光ピーク:Ts_A)、その後、所定の時間T_FAKE_Aを経過した後に偽反射を起こし(第2の反射光ピーク:Tf_A)、Ts_Aから所定の時間T_DATA_DVD_Aを経過した後に、データ記録されている情報記録面に至り、そこで反射する(第3の反射光ピーク:時間Td_DVD_Aを参照)。
次に、図3の光ディスク装置Aの下段の波形は、BDを当該光ディスク装置に装填し、光ピックアップのBD用の青色もしくは青紫色(波長約405nm)のレーザ光を用いてフォーカスサーチ動作を実施した場合における、その反射光強度の時間に対する変化を表している。前記と同様にフォーカスサーチ動作を行なった結果、DVDの表面に照射されたレーザ光は、DVDの表面(図2の最下面)で反射し(第1の反射光ピーク:Ts_A)、その後、所定の時間T_FAKE_Aを経過した後に偽反射(FAKE)を起こし(第2の反射光ピーク:Tf_A)、Ts_Aから所定の時間T_DATA_CD_Aを経過した後に、データ記録されている情報記録面に至り、そこで反射する(第3の反射光ピーク:時間Td_DVD_Aを参照)。
図3の通り、ディスク表面での反射から情報記録面での反射までのサーチ時間は、CD、DVD、BDの順番に短くなっている。これは図2で説明したとおり、ディスク表面から情報記録面までの距離が、CD、DVD、BDの順に小さくなっており、フォーカスサーチの速度は等速であることから、前記の通りのサーチ時間となる。また、ディスク表面での反射から偽反射(FAKE)を発生するまでの時間である、T_FAKE_Aは、すべてのディスクにおいて一定となっている。これは、偽反射は、光ディスクのいずれかの面で反射するのではなく、光ピックアップ自身のレンズ内部で発生するためであり、各光ディスクにおける表面から情報記録面までの距離に関わらず、一定となる理由である。
次に図3の下図の光ディスク装置BでのFS信号について説明する。前記の光ディスク装置Aと同様に、3種類のディスクでFS信号を検出した波形を、上からCD、DVD、BDの順に示している。光ディスク装置Aと比較して、すべてのディスクにおいて、ディスク表面の反射から偽反射(FAKE)、および情報記録面(DATA)までの時間、T_FAKE_B、T_DATA_CD_B、T_DATA_DVD_B、T_DATA_BD_Bのそれぞれが長くなっている。これは、光ディスク装置Aに対して、光ディスク装置Bの光学素子感度が低い、フォーカスドライブ速度が遅いなどの構成素子の特性のバラツキによって、フォーカスサーチ速度が遅いためである。
このように光ディスク装置個々が有する特性のバラツキによって、フォーカスサーチ速度が異なるため、ディスク表面の反射から偽反射(FAKE)、および情報記録面(DATA)までの時間も光ディスク装置個々で異なる。従って、CD、DVD、BDそれぞれのフォーカスサーチ中のディスク表面から情報記録面に到達するのにかかる時間、Td_CD、Td_DVD、Td_BDの違いに着目し、時間を閾値として設定してディスク判別を行っても、前述のように光ディスク装置個々の特性のバラツキによって、フォーカスサーチ中のディスク表面から情報記録面に到達するのにかかる時間が異なるため、特に光ピックアップの構成素子それぞれのバラツキが相乗されて、光ディスク装置の特性が大きくばらついた場合には、ディスク種別を確実に判断することは困難である。
本発明においては、フォーカスサーチ時に偽反射が発生する時間(T_FAKE)が、ディスク種別に関わらずほぼ一定であることを利用して、閾値を時間ではなく比率:rとし、T_FAKEを基準として、フォーカスサーチ時のディスク表面から情報記録面に到達
するのにかかる時間を比率に換算してディスクの種別を判別する。光ディスク装置Aと光ディスク装置Bの特性のバラツキから、両装置のフォーカスサーチ時間の関係は、
(T_FAKE_A)<(T_FAKE_B)、
(T_DATA_CD_A)<(T_DATA_CD_B)
となる。
一方、光ディスク装置AのCD装填時におけるディスク表面から偽反射に到達するまでのフォーカスサーチ時間と、ディスク表面から情報記録面に到達するまでのフォーカスサーチ時間の比率をr_Aとすると、
r_A=(T_FAKE_A)/(T_DATA_CD_A)
となる。また、光ディスク装置AのCD装填時におけるディスク表面から偽反射に到達するまでのフォーカスサーチ時間と、ディスク表面から情報記録面に到達するまでのフォーカスサーチ時間の比率をr_Bとすると、
r_B=(T_FAKE_B)/(T_DATA_CD_B)
となる。
両装置のフォーカスサーチ時間は特性のバラツキにより、光ディスク装置Aに対して光ディスク装置Bのフォーカスサーチ時間が長くなるが、前記のように比率を取れば、特性のバラツキに関係なく一定となり、
r_A=r_B
の関係が得られる。
また、偽反射はディスクの種別に関わらず、一定の時間(T_FAKE)で発生することから、前記CDの場合に限らず、すべての光ディスク同士で同様に比率をとることで光ディスク装置が有する特性バラツキに関係なく、一定の基準として用いることが出来る。
次に図4は、T_FAKEと比率rと各光ディスクとの関係を表している。T_FAKEは四角をプロット点とした折れ線グラフで表されており、いずれのディスクにおいても30msec前後に分布しており、ディスクの種類に関わらずほぼ一定であることがわかる。また、比率rは、該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間のフォーカスサーチ時間であるT_DATAを、該光ディスクのディスク面と情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光がそれぞれ検出される間の時間であるT_FAKEで割ることによって算出しており、菱形をプロット点とした折れ線グラフで表されている。図4の通り、比率rの数値は、BD系ディスクで0.10前後と低い値に分布し、DVD系ディスクで0.70前後に分布し、CD系ディスクで1.20〜1.60と高い値に分布しており、3種類のディスクの系統グループは、明確な数値範囲に分かれて分布している。これら3種類のディスクの系統グループを区別するrの閾値を、αとβとし、図4では、rがαより小さいディスクをBD、rがα以上β以下であるディスクをDVD、rがβよりも大きいディスクをCDとなるように設定する。式で表すと、
r=(T_DATA)/(T_FAKE)、
r<αの時はBD(次世代光ディスク)、α≦r≦βの時にはDVD、β<rの時にはCD
となる。
続いて、図5は本発明における第一の実施例のフローチャートを表す。図5を参照して第一の動作処理例を説明する。まずCD用レーザ素子(図1の112)を駆動回路(図1の117)によって発光させ(ステップS501)、フォーカス制御手段(図1の119)からのフォーカスサーチ指令に従ってフォーカスドライブ手段(図1の104)が光ピックアップ(図1の102)を光ディスク(図1の101)の下面に対して上下運動をさせてフォーカスサーチを開始し、光ディスク(図1の101)からの反射光を受光素子(図1の105)が受光し、検出回路(図1の105)に出力する。検出回路(図1の105)からの出力信号をフォーカス和信号算出手段(図1の107)が算出する。制御部(図1の103)はフォーカス和信号算出手段(図1の107)からの出力信号が光ディスクの表面からの反射光を受け取って極大ポイントになるときと、偽反射光を受け取って極大ポイントとなるときとの間の時間(T_FAKE)を時間計測手段(図1の121)によ
って計測する(ステップS502)。
次にBD用レーザ素子(図1の110)もしくはDVD用レーザ素子(図1の111)をそれぞれの駆動回路(図1の115および116)によって発光させ、ステップS502同様にフォーカスサーチを行ない、光ディスクの表面からの反射光を検出したときから、光ディスクの情報記録面からの反射光を検出するまでの時間(T_DATA)を計測する(ステップS503)。続いて、制御部(図1の103)で比率rを前記ステップで計測した時間より、算式(T_DATA)/(T_FAKE)によって算出する(ステップS504)。算出された比率rの値を、閾値αおよびβと比較を行い、比較結果が
r<αの時はBD(次世代光ディスク)、α≦r≦βの時にはDVD、β<rの時にはCD
のどの条件に相当するかで、BD/DVD/CDのディスク種別を判別する(ステップS505)。
次に、図6は本発明における第二の実施例のフローチャートを表す。図3の通り、光ディスクの表面から情報記録面までのフォーカスサーチ時間は、CDとDVDに比べて、BDは極端に短くなっている。この違いを利用して、光ディスク装置に光ディスクが装填された場合に、装填されたディスクがBDであるかどうかだけを判別する処理を優先して行うことで、判別処理にかかる処理時間を短くすることが可能な動作処理である。図6を参照して第一の動作処理例を説明する。まずBD用レーザ素子(図1の110)を駆動回路(図1の115)によって発光させ(ステップS601)、フォーカス制御手段(図1の119)からのフォーカスサーチ指令に従ってフォーカスドライブ手段(図1の104)が光ピックアップ(図1の102)を光ディスク(図1の101)の下面に対して上下運動をさせてフォーカスサーチを開始し、光ディスク(図1の101)からの反射光を受光素子(図1の105)が受光し、検出回路(図1の105)に出力する。検出回路(図1の105)からの出力信号をフォーカス和信号算出手段(図1の107)が算出する。制御部(図1の103)はフォーカス和信号算出手段(図1の107)からの出力信号が、光ディスクの表面からの反射光を受け取る極大ポイントになるときと、情報記録面からの反射光を受け取って極大になるポイントの間の時間(T_DATA)を時間計測手段(図1の121)によって計測する(ステップS602)。
ステップS602で計測にかかっている時間(T_DATA)が閾値γを超えるかどうかで装填された光ディスクがBDであるかどうかを判別し(ステップS603)、
T_DATAが閾値γよりも短ければ、BDであると判別して判別処理を終了する。
T_DATAが閾値γを超えれば、CD用レーザ素子(図1の112)を駆動回路(図1の117)によって発光させ(ステップS604)、フォーカス制御手段(図1の119)からのフォーカスサーチ指令に従ってフォーカスドライブ手段(図1の104)が光ピックアップ(図1の102)を光ディスク(図1の101)の下面に対して上下運動をさせてフォーカスサーチを開始し、光ディスク(図1の101)からの反射光を受光素子(図1の105)が受光し、検出回路(図1の105)に出力する。検出回路(図1の105)からの出力信号をフォーカス和信号算出手段(図1の107)が算出する。制御部(図1の103)はフォーカス和信号算出手段(図1の107)からの出力信号が光ディスクの表面からの反射光を受け取って極大ポイントになるときと、偽反射光を受け取って極大ポイントとなるときとの間の時間(T_FAKE)を時間計測手段(図1の121)によって計測する(ステップS605)。
次にDVD用レーザ素子(図1の111)を駆動回路(図1の115)によって発光させ、ステップS605同様にフォーカスサーチを行ない、光ディスクの表面からの反射光を検出したときから、光ディスクの情報記録面からの反射光を検出するまでの時間(T_DATA)を計測する(ステップS606)。続いて、制御部(図1の103)で比率rを前記ステップで計測した時間より、算式(T_DATA)/(T_FAKE)によって算出する(ステップS607)。算出された比率rの値を、閾値βと比較を行い、比較結果が
r≦βの時にはDVD、β<rの時にはCD
のどちらの条件に相当するかで、DVD/CDのディスク種別を判別し(ステップS60
8)、すべてのディスク種別の判別処理を終了する。
本実施例のおける閾値αおよびベータは、α=0.40、β=1.00前後で設定している。また、第二実施例における閾値γは、2〜7mSECで設定している。これら閾値の設定は、各光ディスク装置個々の設計段階での検証作業によって設定されることが望ましい。
次に図7は本発明における第三の実施例のフローチャートを表す。まず、CD用レーザを発光し(ステップS701)、フォーカスサーチを開始してT_FAKEを計測する(ステップS702)。次にフォーカスサーチ速度を所定の速度に調整するためのフォーカスサーチ駆動理想ゲインYに調整するための係数を算出する(ステップS703)。なお、ここでフォーカスサーチ駆動理想ゲインYの算出方法を説明する。前記でも説明したように、偽反射光は、ディスクの種別に関わらず、フォーカスサーチ処理中の表面反射から一定の時間で発生するため、複数の光ディスクにおけるフォーカスサーチ速度をあわせるための指標として、理想的なフォーカスサーチ速度におけるT_FAKEをT_FAKE_TARGETとする。現在未調整の光ディスク装置のフォーカスサーチ駆動ゲインをXとし、フォーカスサーチ駆動ゲインXにてフォーカスサーチした際に計測されるT_FAKEをT_FAKE_Xとすると、
X : Y = T_FAKE_X : T_FAKE_TARGETとなるから、
フォーカスサーチ駆動理想ゲインYは次式で算出される。
Y = X × T_FAKE_TARGET ÷ T_FAKE_X
従って、フォーカスサーチ駆動理想ゲインYに調整するための係数は、
T_FAKE_TARGET ÷ T_FAKE_X
となる。
続いて、フローチャートは、ステップS703で算出された前記係数にて、フォーカス駆動を調整し(ステップS704)、BDもしくはDVD用レーザ素子を発光させ(ステップS705)、再びフォーカスサーチを行ない、T_DATAを計測し(ステップS706)、T_DATAをフォーカスサーチ時間としての所定の閾値によって、ディスクの種別判別を行う(ステップS707)。
また、前述した通り、偽反射は、特にCDを装填してフォーカスサーチ処理を行なった時に明らかなレベルで検知できる反射光であるため、第一の実施例において、T_DATAを計測する場合のレーザ素子をCD用レーザで発光した場合には、フォーカスサーチ動作で大きなレベルの偽反射光を検知してしまい、T_FAKEをT_DATAと誤って検知し、算出されたrが無効なものとなってディスク種別の誤判別を発生する可能性があるため、T_DATAを計測する場合は、BDかDVD用のレーザ素子を発光させて計測するのが望ましい。
また、本実施例において、光ディスクの表面反射、偽反射、情報記録面の反射のタイミングを検知するのに、フォーカス和信号算出手段(図1の107)を用いて、図3の通りの波形からタイミングを検知しているが、フォーカス差信号算出手段(図1の106)を用いてS字カーブ波形におけるグランドレベルとのゼロクロスポイントにてタイミングを検知しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0007】
本発明は、光ディスクの種別を判別するための機能を有する光ディスク装置に好適であって、特には、少なくともCD、DVD、次世代光ディスクの種別を判別する機能を有する光ディスク装置に対して好適である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る光ディスク装置のブロック図を表す。
【図2】当該光ディスク装置に装填される各種の光ディスクの構造を表す。
【図3】各種の光ディスクにおけるフォーカス和信号(以下、FS信号)を表す。
【図4】T_FAKEと比率rと各光ディスクとの関係を表している。
【図5】本発明における第一の実施例のフローチャートを表す。
【図6】本発明における第二の実施例のフローチャートを表す。
【図7】本発明における第三の実施例のフローチャートを表す。
【図8】従来例に係る動作処理フローを表す。
【符号の説明】
【0009】
101 光ディスク
102 光ピックアップ
104 フォーカスドライブ手段
108 対物レンズ
119 フォーカス制御手段
121 時間計測手段





























【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の波長の異なるレーザ光を共通の対物レンズを介して光ディスクの情報記録面に照射する光ピックアップと、前記対物レンズを光ディスク面に対して垂直方向に相対移動させるフォーカスドライブ手段と、前記フォーカスドライブ手段によって前記対物レンズが相対移動している間の光ディスクからの反射光を検出してフォーカス制御を行うフォーカス制御手段と、前記フォーカス制御手段によってフォーカスサーチ動作が行なわれている間に、該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間を計測するための時間計測手段とを有する光ディスク装置において、
前記フォーカスサーチ動作が行なわれている間に該光ディスクのディスク面と情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光とがそれぞれ検出される間の時間を、前記時間計測手段によって計測し、
前記時間計測手段によって計測された該光ディスクのディスク面と情報記録面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間と、該光ディスクのディスク面および情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光とがそれぞれ検出される間の時間との比率を算出し、前記算出された比率に基づいて、該光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
前記比率は、該光ディスクのディスク面と情報記録面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間を、該光ディスクのディスク面および情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間で割ることで算出する請求項1に記載の光ディスク装置。
【請求項3】
前記光ディスクは、少なくとも、CD、DVD、次世代光ディスクを含む請求項1乃至2に記載の光ディスク装置。
【請求項4】
前記検出する偽反射光は、CD用レーザ光を発光した場合に検出される請求項1乃至3に記載の光ディスク装置。
【請求項5】
前記算出された比率をrとした場合に、r<αの時には次世代光ディスク、α≦r≦βの時にはDVD、β<rの時にはCDであると光ディスクの種類を判別するよう閾値αおよびβを定める請求項1乃至3に記載の光ディスク装置。
【請求項6】
前記反射光の検出は、フォーカス差信号のゼロクロスポイント、もしくはフォーカス和信号の最大点にて行う請求項1乃至4に記載の光ディスク装置。
【請求項7】
複数の波長の異なるレーザ光を共通の対物レンズを介して、少なくともCD、DVD、次世代光ディスクを含む光ディスクの情報記録面に照射する光ピックアップと、前記対物レンズを光ディスク面に対して垂直方向に相対移動させるフォーカスドライブ手段と、前記フォーカスドライブ手段によって前記対物レンズが相対移動している間の光ディスクからの反射光を検出してフォーカス制御を行うフォーカス制御部と前記フォーカス制御手段によってフォーカスサーチ動作が行なわれている間に、該光ディスクのディスク面と情報記録面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間を計測するための時間計測手段とを有する光ディスク装置において、
前記反射光の検出は、フォーカス差信号のゼロクロスポイント、もしくはフォーカス和信号の極大ポイントにおいて行い、CD用レーザ光を発光して前記フォーカスサーチ動作が行なわれている間に該光ディスクのディスク面と情報記録面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間と、該光ディスクのディスク面および情報記録面とのいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光とがそれぞれ検出
される間の時間とを前記時間計測手段によって計測し、前記計測された該光ディスクのディスク面と情報記録面とにおける反射光がそれぞれ検出される間の時間を、該光ディスクのディスク面および情報記録面のいずれでもない面から検出される偽反射光と該光ディスクのディスク面における反射光とがそれぞれ検出される間の時間で割ることによって比率rを算出し、前記算出されたrが、r<αの時には次世代光ディスク、α≦r≦βの時にはDVD、β<rの時にはCDであると光ディスクの種類を判別するよう閾値αおよびβを定めることで該光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別し、かつ次世代光ディスク用レーザ光を発光して該光ディスクのディスク面と情報記録面における反射光がそれぞれ検出される間の時間が所定時間以下の場合には、前記比率を算出することなく、該光ディスク装置に装填された光ディスクの種類を判別することを特徴とする光ディスク装置。







【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−64484(P2009−64484A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−229105(P2007−229105)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】