説明

光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録再生方法

【課題】光ディスクに高い記録品質で情報を記録することのできる光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録再生方法を提供する。
【解決手段】光ディスク3に対して情報の記録及び再生を行う光ディスク記録再生装置1において、光ディスク1から識別情報を取得し、光ディスク3にデータを記録しているときに、記録されたデータを再生して該データの記録品質を示すエラーレート及びジッタを検出するエラーレート検出部25及びジッタ検出部26と、エラーレート及びジッタに基づいて、光ディスク3に記録されたデータの記録品質を表示する表示部30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに対して情報の記録及び再生を行う光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録再生方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の光ディスク記録再生装置として、エラーレートが単位時間あたり所定の閾値以上の値となったときに、情報が記録された光ディスクの劣化を判定し、バックアップを指示する信号を発生するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−164332号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の光ディスク記録再生装置では、記録中に記録を中止するほどの記録エラーが発生したか否かを知ることはできるが、光ディスクに記録された情報の記録品質を知ることができなかった。そのため、例えば高品質で記録したい情報やライトワンスコンテンツなどの再度の記録ができない情報を、低い記録品質で記録してしまうなどの問題点があった。
【0004】
本発明は前述の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光ディスクに高い記録品質で情報を記録することのできる光ディスク記録再生装置及び光ディスク記録再生方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は前述の目的を達成するために、光ディスクに対して情報の記録及び再生を行う光ディスク記録再生装置において、前記光ディスクから識別情報を取得する取得部と、前記光ディスクに前記情報を記録しているときに、記録された前記情報を再生して該情報の記録品質を示す記録品質情報を検出する検出部と、前記記録品質情報に基づいて、前記光ディスクに記録された前記情報の記録品質を表示する表示部とを備える光ディスク記録再生装置を提案する。
【0006】
この光情報再生装置によれば、光ディスクに情報を記録しているときに、記録された情報を再生して当該情報の記録品質を示す記録品質情報が検出され、記録品質情報に基づいて、光ディスクに記録された情報の記録品質が表示されるので、光ディスクに情報を記録中に、当該情報の記録品質を知ることができる。
【0007】
また、本発明は前述の目的を達成するために、光ディスクに対して情報の記録及び再生を行う光ディスク記録再生方法において、前記光ディスクから識別情報を取得する第1ステップと、前記光ディスクに前記情報を記録しているときに、記録された前記情報を再生して該情報の記録品質を示す記録品質情報を検出する第2ステップと、前記記録品質情報に基づいて、前記光ディスクに記録された前記情報の記録品質を表示する第3ステップとを備える光ディスク記録再生方法を提案する。
【0008】
この光ディスク記録再生方法によれば、光ディスクに情報を記録しているときに、記録された情報を再生して当該情報の記録品質を示す記録品質情報が検出され、記録品質情報に基づいて、光ディスクに記録された情報の記録品質が表示されるので、光ディスクに情報を記録中に、当該情報の記録品質を知ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光ディスクに情報を記録中に、当該情報の記録品質を知ることができる。これにより、例えば高品質で記録したい情報やライトワンスコンテンツなどの再度の記録ができない情報を、一の光ディスクに低い記録品質で記録しているときに記録を中止することができ、当該情報を他の光ディスクに高い記録品質で記録することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施の形態を詳述する。
【0011】
まず、図1及び図2を用いて本発明に係る光ディスク記録再生装置の構成を説明する。図1は、本発明に係る光ディスク記録再生装置の概略構成を説明するブロック図である。光ディスク記録再生装置1は、多層光ディスクに対応しており、ホストコンピュータ2からの要求に応じて、光ディスク3にデータを記録し又は光ディスク3に記録されたデータを再生するように構成されている。
【0012】
マイクロコンピュータ部10は、CPU(Central Processing Unit)、ホストコンピュータ2との通信を可能にする通信インターフェース10A、及び各種制御プログラムが格納されたメモリ10Bなどを含んで構成されている。マイクロコンピュータ部10は、例えばATAPI(ATA Packet Interface)などから構成される通信インターフェース10Aを介してホストコンピュータ2から受信するコマンドや、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)11から入力される各種情報に基づいて、必要な制御処理や演算処理を実行する。
【0013】
例えば、ホストコンピュータ2から記録コマンドが送信された場合、マイクロコンピュータ部10は、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)11内のモータ制御部12及びモータ駆動回路13を介してスピンドルモータ14を駆動することにより、所定状態に装填された光ディスク3をその記録方式(例えばCLV(Constant Linear Velocity)方式、CAV(Constant Angular Velocity)など)に応じた回転状態で回転させる。
【0014】
また、マイクロコンピュータ部10は、必要に応じてディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)11内のモータ制御部12及びモータ駆動回路13を介して移動・案内機構部15のスライドモータ16を駆動することにより、光ピックアップ17を光ディスク3の径方向に移動させる。
【0015】
ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)11は、ホストコンピュータ2からマイクロコンピュータ部10を介して与えられる記録対象のデータに対して記録信号生成部18において変調処理などの所定の信号処理を施し、信号処理によって得られる記録信号を光ピックアップ17内のレーザダイオード駆動回路(LDD)19に出力する。レーザダイオード駆動回路(LDD)19は、入力される記録信号に基づいてストラテジ制御したパルス状の駆動信号をレーザダイオード(LD)20に印加することにより、当該レーザダイオード(LD)20を点滅駆動する。
【0016】
また、このとき、対物レンズ21を保持する2軸アクチュエータ(図示せず)は、マイクロコンピュータ部10の制御のもとに、対物レンズ21を光ディスク3に対して所定位置に移動させる。
【0017】
この結果、記録対象のデータに応じたパターンで点滅するレーザ光がレーザダイオード(LD)20から発射され、これが対物レンズ21を介して光ディスク3の所望の記録層上に集光される。これにより、記録対象のデータが光ディスク3に記録される。
【0018】
このレーザ光の多層光ディスク3における反射光は、対物レンズ21を介して光ピックアップ17内の受光部22に集光される。受光部22は、例えば4分割フォトディテクタなどから構成されており、入射する反射光を光電変換することにより得られたアナログ波形のRF(Radio Frequency)信号をアナログ・フロント・エンド(AFE:Analog Front End)23に出力する。
【0019】
アナログ・フロント・エンド(AFE)23は、入力されるRF信号に対して増幅や波形整形処理などの所定のアナログ処理を施し、アナログ処理によって得られるディジタル波形のRF信号をディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)11の再生信号処理部24に出力する。
【0020】
再生信号処理部24は、入力されるRF信号に対して復調処理などの所定の信号処理を施し、信号処理によって得られる再生信号に基づいて、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号などの各種サーボ信号を生成する。生成されるフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、光ピックアップ17内の2軸アクチュエータ(図示せず)が制御され、これによりフォーカス制御やトラッキング制御が行なわれる。
【0021】
一方、マイクロコンピュータ部10は、ホストコンピュータ2から再生コマンドが送信された場合、前述の記録コマンドが送信された場合と同様に、光ディスク3をその記録方式に応じた回転状態に回転させる。またマイクロコンピュータ部10は、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)11の記録信号生成部18を制御することにより、所定の駆動信号を光ピックアップ17内のレーザ駆動回路(LDD)19に出力させる。
【0022】
レーザ駆動回路(LDD)19は、入力される駆動信号に基づいて、レーザダイオード(LD)20を所定電圧で点灯駆動する。この結果、レーザダイオード20(LD)から所定パワーのレーザ光が発射され、当該レーザ光が対物レンズ21を介して光ディスク3の所望の記録層上に集光される。
【0023】
このレーザ光の光ディスク3における反射光は、光ピックアップ17内の受光部22により光電変換され、光電変換によって得られるアナログ波形のRF信号が、前述の記録コマンドが送信された場合と同様に、アナログ・フロント・エンド(AFE)23においてディジタル波形のRF信号に変換され、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)11の再生信号処理部24に出力される。
【0024】
再生信号処理部24は、入力されるRF信号に対して復調処理などの再生信号処理を施し、再生信号処理によって得られる再生信号をマイクロコンピュータ部10に出力する。マイクロコンピュータ部10は、入力される再生信号を通信インターフェース10Aを介してホストコンピュータ2に送信する。
【0025】
また、再生信号処理部24は、前述の記録コマンドが送信された場合と同様に、再生信号処理によって得られる再生信号に基づいて、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号などのサーボ信号を生成する。生成されるフォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号に基づいて、データ記録時と同様に、フォーカス制御及びトラッキング制御などが行なわれる。
【0026】
本実施形態では、光ディスク3にデータを記録する際に、マイクロコンピュータ部10は、ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)11や、当該ディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)11を介して移動・案内機構部15のスライドモータ16及び光ピックアップ17のレーザダイオード駆動回路(LDD)19を制御することにより、光ディスク3の製造時に記録されるメディアIDを読み取り、読み取ったメディアIDを通信インターフェース10Aを介してホストコンピュータ2に送信する。
【0027】
また、光ディスク3にデータを記録しているときに、マイクロコンピュータ部10は、所定間隔ごとに記録を停止させ、記録先頭部の所定量のデータを再生させる。そして、このとき得られた再生信号がディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)11の再生信号処理部24からエラーレート検出部25及びジッタ検出部26に出力される。なお、所定間隔は時間、物理的距離、データ量などを問わず、間隔が一定であればよい。また、本実施形態では、記録先頭部のデータを再生させるようにしたが、これに限定されず、記録終端部のデータであってもよい。
【0028】
エラーレート検出部25は、例えばブロックエラー発生率(BLER)などの方法により、入力される再生信号のエラーレートを測定し、測定結果をマイクロコンピュータ部10に出力する。また、ジッタ検出部26は、例えばTIA(Time Interval Analyzer)機能により、入力される再生信号のジッタの値を測定し、測定結果をマイクロコンピュータ部10に出力する。マイクロコンピュータ部10は、入力されるエラーレート及びジッタを通信インターフェース10Aを介してホストコンピュータ2に送信する。このように、光ディスク3に記録されたデータを、所定間隔ごとに所定量再生してエラーレート及びジッタを検出するので、記録された全てのデータを再生する場合と比較して再生に掛かる時間を短縮することができるとともに、サンプルとなる記録されたデータを等間隔に抽出することができる。
【0029】
本実施形態では、光ディスク3に記録されたデータの記録品質を示す情報として、エラーレート及びジッタを検出するようにしたが、これに限定されず、何れか一方のみを検出するようにしてもよいし、他の情報を検出するようにしてもよい。
【0030】
ホストコンピュータ2は、CPU(Central Processing Unit)、マイクロコンピュータ部との通信を可能にする通信インターフェース2A、及び各種制御プログラムが格納されたメモリ2Bなどを含んで構成されている。ホストコンピュータ2は、通信インターフェース2Aを介して各種コマンドをマイクロコンピュータ部10に送信するとともに、マイクロコンピュータ部10からメディアID、エラーレート、及びジッタを受信する。また、ホストコンピュータ2は、エラーレート及びジッタに基づいて、複数のランクの中から光ディスク3に記録されたデータの記録品質のランクを決定し、メディアID及び決定したランクをホストコンピュータ2に接続される表示部30に表示するとともに、メモリ2Bに記憶される記録品質テーブル27に格納する。
【0031】
表示部30は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などで構成されるモニタであり、光ディスク3に記録されたデータの記録品質としてホストコンピュータから入力されたメディアID及びランクを表示する。なお、光ディスク記録再生装置1は、表示部30を備え、表示部30にメディアID及びランクを表示するようにしたが、これに限定されず、光ディスク記録再生装置1に接続される外部のディスプレイなどにメディアID及びランクを表示するようにしてもよい。
【0032】
図2は、記録品質テーブルの一例を説明するデータ構成図である。図2に示すように、記録品質テーブル27は、光ディスク記録再生装置1が光ディスク3に記録したデータの記録品質を保持するためのものであり、1回の記録ごとに1レコード(行)が追加される。記録品質テーブル27は、メディアID欄27A、ランク欄27B、及び日時欄27Cから構成されている。
【0033】
メディアID欄27Aには、マイクロコンピュータ部10から受信するメディアIDが格納され、例えば光ディスクの製造会社、DVD−Rなどの光ディスクの種類、最大記録速度、OEM(Original Equipment Manufacturer)などを一意に識別可能な識別子が格納される。ランク欄27Bには、複数のランク、例えば「A」〜「E」の5段階のランクの中から、エラーレート及びジッタと所定の閾値とに基づいて、光ディスク3に記録されたデータの記録品質を示すランクがホストコンピュータ2によって決定され、決定されたランクが格納される。日時欄27Cには、ランク欄27Bに格納されるランクが決定された日時が格納される。このように、メディアIDと決定されたランクとが記憶されるので、過去において光ディスク3に記録したデータの記録品質を参照することができる。
【0034】
本実施形態では、エラーレート及びジッタに基づいて決定されたランクを記憶するようにしたが、これに限定されず、例えばエラーレート及びジッタ自体を記憶しておき、必要に応じて記憶されたエラーレート及びジッタからランクを決定するようにしてもよい。
【0035】
次に、図3乃至図5を用いて本発明に係る光ディスク記録再生装置の記録処理を説明する。図3は、図1に示した光ディスク記録再生装置の記録処理を説明するフローチャートである。なお、以下において特に記載のない限り、所定間隔ごとに再生させる時間として再生時間が、データを再生する際の所定量として再生データ量が、あらかじめ設定されているものとして説明する。
【0036】
図3に示すように、光ディスク記録再生装置1に装填されている光ディスク3にデータを記録するときに、ホストコンピュータ2は、記録コマンドを生成し(S101)、生成した記録コマンドを記録対象のデータとともにマイクロコンピュータ部10に送信する。記録コマンドを受信したマイクロコンピュータ部10は、装填されている光ディスク3の内周側の管理領域に記録されたメディアIDを取得し(S102)、取得したメディアIDをホストコンピュータ2に送信する。
【0037】
次に、マイクロコンピュータ部10は、ホストコンピュータ2から受信した記録対象のデータを所定単位ごと、例えばブロックごとに光ディスク3に記録する(S103)。次いで、マイクロコンピュータ部10は、ホストコンピュータ2から送信される記録終了コマンドの受信有無に基づいて、光ディスク3に対するデータの記録を続行するか否かを判定する(S104)。本実施形態では、マイクロコンピュータ部10は、記録終了コマンドの受信有無に基づいて記録を続行するか否かを判定するようにしたが、これに限定されず、例えば記録コマンドとともに記録対象のデータのデータ量を受信しておき、受信データ量が当該データ量に達したか否かに基づいて、記録を続行するか否かを判定するようにしてもよい。
【0038】
S104の判定の結果、光ディスク3に対するデータの記録を続行する場合に、マイクロコンピュータ部10は、自己のタイマ機能によって計時する経過時間に基づいて、設定された再生時間に達したか否かを判定する(S105)。S105の判定の結果、設定された再生時間に達した場合に、マイクロコンピュータ部10は、光ディスク3に記録されたデータを再生する(S106)。なお、再生するデータは、設定された再生時間及び再生データ量から算出された再生アドレス及び再生ブロック数によって決定される。本実施形態では、再生間及び再生データ量があらかじめ設定されるようにしたが、これに限定されず、例えば光ディスクの種類ごとに、再生時間及び再生データ量のうち少なくとも一方を変更するようにしてもよい。これにより、光ディスク3に記録されたデータの記録品質を、光ディスク3の特性にあわせて検出することができる。
【0039】
再生されたデータの再生信号がディジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)11の再生信号処理部24からエラーレート取得部25及びジッタ取得部26に出力されると、エラーレート検出部25は再生信号からエラーレートを検出するとともに、ジッタ検出部26は再生信号からジッタを検出し(S107)、マイクロコンピュータ部10は、検出されたエラーレート及びジッタをホストコンピュータ2に送信する。
【0040】
ホストコンピュータ2は、マイクロコンピュータ部10から受信したエラーレート及びジッタに基づいて、光ディスク3に記録されたデータの記録品質のランクを決定する(S108)。なお、ランクは、エラーレート及びジッタの一方のみから決定してもよいし、一方を主、他方を従としてを決定してもよい。また、例えば光ディスク3の種類よって、ランクの決定方法を変更するようにしてもよい。
【0041】
次いで、ホストコンピュータ2は、S102の処理で取得したメディアIDとS108の処理で決定したランクとを、表示部30に表示する(S109)。このように、光ディスク3にデータを記録しているときに、記録されたデータを再生して当該データの記録品質を示すエラーレート及びジッタが検出され、エラーレート及びジッタに基づいて決定された、光ディスク3に記録されたデータの記録品質のランクが表示されるので、光ディスク3にデータを記録中に、当該データの記録品質を知ることができる。
【0042】
図4は、図1に示した表示部に表示する画面の一例を説明するイメージ図である。図4に示すように、記録中画面G01には、例えば光ディスク3のメディアIDに対応する製造会社、種類、最大記録速度などの光ディスク情報G01A、光ディスク3に対するデータの記録の進捗度合を示すプログレスバーG01C、及び該当区間における記録品質を示すランクG01Bが表示される。また、記録中画面G01にはキャンセルボタンG01Dが表示され、利用者はキャンセルボタンG01Cを操作することにより光ディスク3に対するデータの記録を中止することができる。このように、エラーレート及びジッタに基づいて、光ディスク3に記録されたデータの記録品質のランクが決定され、当該ランクが表示されるので、光ディスク3に記録されたデータの記録品質を相対的に表すことができる。
【0043】
本実施形態では、光ディスク3に記録されたデータの記録品質としてランクを表示するようにしたが、これに限定されず、例えばエラーレート及び/又はジッタを表示するようにしてもよい。
【0044】
S109の処理後、マイクロコンピュータ部10はS103の処理に戻る。また、S105の判定の結果、設定された再生時間に達してない場合にも、マイクロコンピュータ部10はS103の処理に戻る。
【0045】
S104の判定の結果、光ディスク3に対するデータの記録を終了する場合に、マイクロコンピュータ部10は、ファイナライズなどの記録終了処理を行い(S110)、光ディスク3に対するデータの記録を終了する。これとともに、ホストコンピュータ2は、S108の処理で決定した1つ又は複数のランクに基づいて、光ディスク3に記録されたデータの記録品質の総合ランクを決定する(S111)。なお、総合ランクは、当該光ディスク3において再生時間ごとに決定した各ランクの平均から決定するようにしてもよいし、例えば光ディスク3の種類や記録速度によって、光ディスクの内周部のランクを重視したり、外周部のランクを重視したりするなど、各ランクに対して重み付けをして決定してもよい。
【0046】
次いで、ホストコンピュータ2は、S102の処理で取得したメディアIDとS111の処理で決定した総合ランクとを表示部30に表示する(S112)。
【0047】
図5は、図1に示した表示部に表示する画面の一例を説明するイメージ図である。図5に示すように、記録終了画面G02には、前述の光ディスク情報G01A、プログレスバーG01C、及びランクG01Bと同様の、光ディスク情報G02A、プログレスバーG02C、及びランクG02Bが表示されるとともに、総合ランクG02Dが表示される。なお、記録品質テーブル27に同一メディアIDのレコード(行)が存在する場合には、当該レコード(行)におけるランク欄27Bに格納されたランクと、S111の処理で決定した総合ランクとに基づいて、過去の総合ランクの履歴を反映した累計ランクを表示するようにしてもよい。
【0048】
次いで、ホストコンピュータ2は、S102の処理で取得したメディアID、S111の処理で決定した総合ランク、及び現在の日時を、メモリ2Bに記憶された記録品質テーブル27の、メディアID欄27A、ランク欄27B、及び日時欄27Cにそれぞれ格納し(S113)、マイクロコンピュータ部10及びホストコンピュータ2は、記録処理を終了する。本実施形態では、S111の処理で決定した総合ランクを記憶するようにしたが、これに限定されず、S108の処理で決定した各ランクを記録するようにしてもよいし、S108の処理で決定した各ランク及びS111の処理で決定した総合ランクのいずれも記憶するようにしてもよい。
【0049】
本実施形態では、ホストコンピュータ2がエラーレート及びジッタに基づいてランクを決定し、当該ランクを表示部30に表示し、当該ランクをメモリ2Bに記憶するようにしたが、これに限定されず、ランクの決定、表示部30への表示、及びランクの記憶のうち、一部又は全部をマイクロコンピュータ部10が行うように構成してもよい。
【0050】
このように、本発明によれば、光ディスク3にデータを記録しているときに、記録されたデータを再生して当該データの記録品質を示すエラーレート及びジッタが検出され、エラーレート及びジッタに基づいて決定された、光ディスク3に記録されたデータの記録品質のランクが表示されるので、光ディスク3にデータを記録中に、当該データの記録品質を知ることができる。これにより、例えば高品質で記録したい情報やライトワンスコンテンツなどの再度の記録ができない情報を、一の光ディスクに低い記録品質で記録しているときに記録を中止することができ、当該情報を他の光ディスクに高い記録品質で記録することができる。
【0051】
また、エラーレート及びジッタに基づいて、光ディスク3に記録されたデータの記録品質のランクが決定され、当該ランクが表示されるので、光ディスク3に記録されたデータの記録品質を相対的に表すことができる。これにより、光ディスク3に記録されたデータの記録品質を利用者に分かり易くすることができる。
【0052】
また、メディアIDと決定されたランクとが記憶されるので、過去において光ディスク3に記録したデータの記録品質を参照することができる。これにより、光ディスク3にデータを記録する前に、同一の記録メディアIDを有する光ディスク3に記録したデータのランクを知ることができ、光ディスク記録再生装置1と相性の良い光ディスクを選択することができる。
【0053】
また、光ディスク3に記録されたデータを、所定間隔ごとに所定量再生してエラーレート及びジッタを検出するので、記録された全てのデータを再生する場合と比較して再生に掛かる時間を短縮することができるとともに、サンプルとなる記録されたデータを等間隔に抽出することができる。これにより、光ディスク3に記録されたデータの記録品質を示すエラーレート及びジッタを短時間で適切に検出することができる。
【0054】
また、再生時間及び再生データ量のうち少なくとも一方が変更されるので、光ディスク3に記録されたデータの記録品質を、光ディスク3の特性にあわせて検出することができる。
【0055】
なお、本発明の構成は、前述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明に係る光ディスク記録再生装置の概略構成を説明するブロック図である。
【図2】記録品質テーブルの一例を説明するデータ構成図である。
【図3】図1に示した光ディスク記録再生装置の記録処理を説明するフローチャートである。
【図4】図1に示した表示部に表示する画面の一例を説明するイメージ図である。
【図5】図1に示した表示部に表示する画面の一例を説明するイメージ図である。
【符号の説明】
【0057】
1…光ディスク記録再生装置、2…ホストコンピュータ、2a…メモリ、3…光ディスク、10…マイクロコンピュータ部、25…エラーレート検出部、26…ジッタ検出部、27…記録品質テーブル、30…表示部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ディスクに対して情報の記録及び再生を行う光ディスク記録再生装置において、
前記光ディスクから識別情報を取得する取得部と、
前記光ディスクに前記情報を記録しているときに、記録された前記情報を再生して該情報の記録品質を示す記録品質情報を検出する検出部と、
前記記録品質情報に基づいて、前記光ディスクに記録された前記情報の記録品質を表示する表示部とを備える
ことを特徴とする光ディスク記録再生装置。
【請求項2】
前記記録品質情報に基づいて、複数のランクの中から前記光ディスクに記録された前記情報の記録品質のランクを決定する決定部を備え、
前記表示部は、決定された前記ランクを表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項3】
前記識別情報と決定された前記ランクとを記憶する記憶部を備える
ことを特徴とする請求項2に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項4】
前記検出部は、記録された前記情報を所定間隔ごとに所定量再生して前記記録品質情報を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項5】
前記所定間隔及び前記所定量のうち、少なくとも一方を変更する変更部を備える
ことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク記録再生装置。
【請求項6】
光ディスクに対して情報の記録及び再生を行う光ディスク記録再生方法において、
前記光ディスクから識別情報を取得する第1ステップと、
前記光ディスクに前記情報を記録しているときに、記録された前記情報を再生して該情報の記録品質を示す記録品質情報を検出する第2ステップと、
前記記録品質情報に基づいて、前記光ディスクに記録された前記情報の記録品質を表示する第3ステップとを備える
ことを特徴とする光ディスク記録再生方法。
【請求項7】
前記第3ステップは、前記記録品質情報に基づいて、複数のランクの中から前記光ディスクに記録された前記情報の記録品質のランクを決定するステップと、決定された前記ランクを表示するステップとを含む
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク記録再生方法。
【請求項8】
前記第3ステップは、前記識別情報と決定された前記ランクとを記憶するステップを含む
ことを特徴とする請求項7に記載の光ディスク記録再生方法。
【請求項9】
前記第2ステップは、記録された前記情報を所定間隔ごとに所定量再生して前記記録品質情報を検出する検出ステップを含む
ことを特徴とする請求項6に記載の光ディスク記録再生方法。
【請求項10】
前記第2ステップは、前記検出ステップの前に、前記所定間隔及び前記所定量のうち、少なくとも一方を変更するステップを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の光ディスク記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−20834(P2010−20834A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180171(P2008−180171)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(501009849)株式会社日立エルジーデータストレージ (646)
【Fターム(参考)】