説明

光トランシーバモジュール及び光トランシーバモジュールの製造方法

【課題】ケージからの着脱が容易な光トランシーバモジュールを提供する。
【解決手段】本発明は、ケージに着脱可能な光トランシーバモジュールである。この光トランシーバモジュールは、光電気変換素子を収容するとともに、前後方向に沿って形成された案内部を有するハウジングと、操作部とレバー側接触部とを有し、回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングに取り付けられた操作レバーと、前記ケージに設けられた係止部と係合するための楔部と、前記レバー側接触部と接触するためのスライダ側接触部とを有し、前記案内部によって前記前後方向に案内されるスライダと、を備える。前記レバー側接触部は、前記回転軸から見て前記操作部と反対側に位置しており、前記操作部が後側に押されると、前記レバー側接触部が前記スライダ側接触部を前側に押すことによって、前記楔部が前記係止部から外れる位置まで前記スライダが前側に移動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光トランシーバモジュール及び光トランシーバモジュールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバを用いた高速光通信の分野では、電気信号と光信号とを相互に変換する部品として光トランシーバが用いられている。光トランシーバを取り扱う業界団体で取り決められたMSA(Multi Source Agreement)により、XFPタイプやSFPタイプなどのプラガブル光トランシーバの仕様(形状・寸法・ピンアサインなど)が標準化されている(例えば、非特許文献1、2参照)。これらのプラガブル光トランシーバによれば、通信機器側(ホスト側)の基板上にケージが設置され、光電気変換素子や回路基板を内蔵した光トランシーバモジュールがケージに着脱可能に挿入される。光トランシーバモジュールがケージに挿入されると、ケージ内の電気インターフェースコネクタに対して光トランシーバモジュール内の回路基板が電気的・機械的に接続される。これにより、光ファイバで送受される光信号と、通信機器側の基板で処理される電気信号が、光トランシーバモジュール内の光電気変換素子や回路基板によって相互に変換可能になる。
【0003】
このようなプラガブル光トランシーバには、光トランシーバモジュールがケージから外れることを防止するために、ラッチ機構とも呼ばれるロック機構が設けられている。また、光トランシーバのロック機構は、光トランシーバモジュールをケージに対して固定するだけでなく、光トランシーバモジュールをケージから取り出せるようにするために、固定状態を解除できることも必要である。例えば、特許文献1には、操作レバーが手前側に倒れるとロックが解除されるロック機構が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6872010号明細書
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】SFF委員会、「10ギガビット・スモール・フォーム・ファクター・プラガブル・モジュール(10 Gigabit Small Form Factor Pluggable Module)」、2005年8月31日
【非特許文献2】SFF委員会、「スモール、フォーム・ファクター・プラガブルトランシーバ・マルチソース・アグリーメント(Small Form-factor Pluggable (SFP) Transceiver Multi Source Agreement (MSA))」、2000年9月14日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
図15は、操作レバーが手前側に倒れるとロックが解除されるロック機構を備えた光トランシーバ1’の説明図である。
【0007】
このロック機構によれば、操作者が操作レバーを手前側に倒すことによってロックが解除され、光トランシーバモジュール1’がケージ2’から引き抜けるようになる。但し、このようなロック機構では、操作レバー40’を手前に倒すときに光ファイバが邪魔にならないようにするために、光トランシーバモジュール1’のレセプタクルから光コネクタを一旦抜き取る必要がある。つまり、このような構成では、光ファイバが光トランシーバモジュール1’に接続された状態で光トランシーバモジュール1’をケージ2’から抜くことは困難であった。
【0008】
また、このロック機構をピグテールタイプ(光トランシーバモジュールから光ファイバが直接出ているタイプ)の光トランシーバモジュールに適用した場合、光ファイバを光トランシーバモジュールから外すことができないため、光トランシーバモジュールをケージから抜く作業が困難となる。
【0009】
本発明は、ケージからの着脱が容易な光トランシーバモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するための主たる発明は、ケージに着脱可能な光トランシーバモジュールであって、光電気変換素子を収容するとともに、前後方向に沿って形成された案内部を有するハウジングと、操作部とレバー側接触部とを有し、回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングに取り付けられた操作レバーと、前記ケージに設けられた係止部と係合するための楔部と、前記レバー側接触部と接触するためのスライダ側接触部とを有し、前記案内部によって前記前後方向に案内されるスライダと、を備え、前記レバー側接触部は、前記回転軸から見て前記操作部と反対側に位置しており、前記操作部が後側に押されると、前記レバー側接触部が前記スライダ側接触部を前側に押すことによって、前記楔部が前記係止部から外れる位置まで前記スライダが前側に移動することを特徴とする光トランシーバモジュールである。
【0011】
本発明の他の特徴については、後述する明細書及び図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ケージからの着脱が容易な光トランシーバモジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態のロック機構を備えた光トランシーバの説明図である。
【図2A】ロック中の可動機構の状態の説明図である。
【図2B】ロック解除中の可動機構の状態の説明図である。
【図2C】ロック解除後の可動機構の状態の説明図である。
【図3】ケージの説明図である。
【図4】光トランシーバモジュールの本体の説明図である。
【図5】ハウジングの説明図である。
【図6】前側下カバーの説明図である。
【図7】可動機構の説明図である。
【図8】図8A及び図8Bは、操作レバーの説明図である。
【図9】スライダの説明図である。
【図10】楔部の周辺を説明するための断面図である。
【図11】つまみの説明図である。
【図12】図12Aは、可動機構の組み立て方の説明図である。図12Bは、可動機構をハウジングに取り付ける様子の説明図である。
【図13A】可動機構を省略した状態で、第1突出部及び第2突出部にネジを取り付けたときの様子を上から見た図である。
【図13B】可動機構のうちの操作レバーだけがある状態で、第1突出部及び第2突出部にネジを取り付けたときの様子を上から見た図である。
【図14】図14A〜図14Cは、変形例の説明図である。図14Aは、ロック中の可動機構の状態の説明図である。図14Bは、ロック解除中の可動機構の状態の説明図である。図14Cは、ロック解除後の可動機構の状態の説明図である。
【図15】操作レバーが手前側に倒れるとロックが解除されるロック機構を備えた光トランシーバの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0015】
ケージに着脱可能な光トランシーバモジュールであって、
光電気変換素子を収容するとともに、前後方向に沿って形成された案内部を有するハウジングと、
操作部とレバー側接触部とを有し、回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングに取り付けられた操作レバーと、
前記ケージに設けられた係止部と係合するための楔部と、前記レバー側接触部と接触するためのスライダ側接触部とを有し、前記案内部によって前記前後方向に案内されるスライダと、
を備え、
前記レバー側接触部は、前記回転軸から見て前記操作部と反対側に位置しており、
前記操作部が後側に押されると、前記レバー側接触部が前記スライダ側接触部を前側に押すことによって、前記楔部が前記係止部から外れる位置まで前記スライダが前側に移動する
ことを特徴とする光トランシーバモジュールが明らかになる。
このような光トランシーバモジュールによれば、ケージからの着脱が容易である。
【0016】
前記レバー側接触部は突起状の爪部であり、前記スライダ側接触部は、前記爪部が入り込んだ窓であり、前記操作部が後側に押されると、前記爪部が前記窓の前縁を押すことによって、前記楔部が前記係止部から外れる位置まで前記スライダが前側に移動することが望ましい。これにより、爪部が窓の前縁を押すことによって、スライダを前側に移動させることが可能になる。
【0017】
ハンドル部を有するつまみを更に備え、前記操作部が後側に押されると、前記レバー側接触部が前記つまみを押すことによって、前記つまみが前側に移動し、前記ハンドル部が前記ハウジングから離れることが望ましい。これにより、操作者がハンドル部を摘み易くなる。
【0018】
前記操作部が後側に押されたときの前記つまみの移動量は、前記スライダの移動量よりも大きいことが望ましい。これにより、操作者がハンドル部を摘み易くなる。
【0019】
前記ハウジングに突起が設けられており、前記楔部が前記係止部と係合できる位置から前記係止部から外れる位置まで前記操作レバーを回転させるときに、前記突起を乗り越えるように前記操作レバーにタブが設けられており、前記操作部が後側に押され、前記レバー側接触部が前記つまみを押しているが、前記レバー側接触部が前記スライダを押していない状態のとき、前記タブは前記突起の上に位置していることが望ましい。これにより、ハンドル部が摘み易くなっている状態でロック解除されていないことを防止できる。
【0020】
前記突起は、前記ハウジングに取り付けられたネジであることが望ましい。これにより、ハウジングに突起を容易に設けることができる。
【0021】
前記ネジの頭部には、丸みが付いていることが望ましい。これにより、タブがネジの頭部を乗り越えやすくなり、また、タブがネジの頭部を滑りやすくなる。
【0022】
前記操作レバーは軸穴を有し、前記軸穴を通じて前記ハウジングに取り付けられたネジによって、そのネジを前記回転軸にしつつ、前記操作レバーが前記ハウジングに取り付けられていることが望ましい。これにより、ハウジングに操作レバーを容易に取り付けることができる。
【0023】
ケージに着脱可能な光トランシーバモジュールの製造方法であって、
(A)ネジ穴と前後方向に沿って形成された案内部とを有し、光電気変換素子を収容するためのハウジングと、
操作部とレバー側接触部と軸穴とを有し、前記軸穴から見て前記レバー側接触部が前記操作部と反対側に位置している操作レバーと、
前記ケージに設けられた係止部と係合するための楔部と、前記レバー側接触部と接触するためのスライダ側接触部とを有するスライダと
を用意するステップと、
(B)前記レバー側接触部と前記スライダ側接触部とが接触できるように前記操作レバーと前記スライダを組み立てるステップと、
(C)前記スライダが前記案内部によって前記前後方向に案内されるようにしつつ、前記軸穴と前記ネジ穴とを合わせるようにして、前記操作レバー及び前記スライダを前記ハウジングに合わせるステップと、
(D)前記軸穴を通じて前記ネジ穴にネジを取り付けて、前記ネジを中心に回転可能に前記操作レバーを前記ハウジングに取り付けるステップと
を有することを特徴とする光トランシーバモジュールの製造方法も明らかになる。
このような製造方法によれば、ケージからの着脱が容易な光トランシーバモジュールを製造しやすくなる。
【0024】
===概要===
図1は、本実施形態のロック機構を備えた光トランシーバの説明図である。図2A〜図2Cは、ロック解除時の動作の説明図である。図2A〜図2Cについては、符号に下線の付いた部材を中心に本実施形態の概要を説明する。
【0025】
通信機器側(ホスト側)の基板上にはケージ2が設置されている。ケージ2は、光トランシーバモジュール1を着脱可能に収容する。光トランシーバモジュール1は、光電気変換素子や回路基板を内蔵しており、光ファイバで送受される光信号と、通信機器側の基板で処理される電気信号とを相互に変換する。
【0026】
ケージ2の側面には、係止部2Aが形成されている。この係止部2Aは、光トランシーバのロック機構の一部(ケージ2側のロック機構)を構成することになる。
【0027】
光トランシーバモジュール1には、操作レバー40と、スライダ50と、つまみ60とから構成された可動機構30が設けられている。図2A〜図2Cのスライダ50の右端には、外側に突出した楔部51Aが形成されている。この楔部51Aがケージ2の係止部2Aに引っ掛かることによって、光トランシーバモジュール1がケージ2に固定されることになる。このため、スライダ50等を含む可動機構30は、光トランシーバのロック機構の一部(光トランシーバモジュール1側のロック機構)を構成することになる。つまり、ケージ2の係止部2Aと、光トランシーバモジュール1の可動機構30とによって、光トランシーバのロック機構が構成されている。
【0028】
ロックを解除するとき、操作者は操作レバー40を奥側(後側)に押し、操作レバー40を回転させる。操作レバー40が回転することによって、スライダ50が図中の左方向(前)にスライドする(図2C参照)。スライダ50がスライドすると、スライダ50の楔部51Aがケージ2の係止部2A(図1参照)から外れ、光トランシーバモジュール1の固定状態が解除され(ロックが解除され)、光トランシーバモジュール1をケージ2から引き抜けるようになる。操作レバー40を奥側に倒すことによってロックが解除されるので、光トランシーバモジュール1の前側から出ている光ファイバがロック解除時に邪魔にならない。
【0029】
なお、ロックを解除するときに、操作者が操作レバー40を奥側に押すと、つまみ60が操作者側(前)に押し出される(図2B参照)。また、ロック解除時のつまみ60の移動量はスライダ50の移動量よりも大きくなっており、つまみ60が操作者側(前)に大きくせり出される。このため、操作者がつまみ60を指でつまんで光トランシーバモジュール1をケージ2から引き抜くことが容易になる。
【0030】
===構成===
次に、光トランシーバの構成について詳しく説明する。
【0031】
以下の説明では、図1に示すように、前後、上下及び左右を定義する。すなわち、光トランシーバモジュール1を挿入するケージ2の挿入口側を「前」とし、逆側を「後」とする。光トランシーバモジュール1においては、可動機構30が設けられる側を「前」とし、逆側を「後」とする。また、ケージ2が設けられる基板から見て、ケージ2が設けられる面の側を「上」とし、逆側を「下」とする。また、前後方向と上下方向と直交する方向を「左右」とする。
【0032】
図1に示すように、本実施形態の光トランシーバは、ケージ2と、光トランシーバモジュール1とを有する。
【0033】
<ケージ2>
図3は、ケージ2の説明図である。本実施形態のケージ2は、MSAで規定されたXFPタイプのものである。このケージ2は、例えばONU(Optical Network Unit:光加入者系システムの加入者側の通信機器)側の基板上に設けられる。但し、ケージ2をOLT(Optical Line Terminal:光加入者系システムの局側の通信機器)側の基板上に設けてもよい。
【0034】
ケージ2は、光トランシーバモジュール1を挿入するための挿入口を前側に備え、前後方向に長い断面矩形の箱形部材である。このケージ2は、前側を開放するように金属板を折り曲げ加工して形成される。金属板が断面矩形状に折り曲げ加工されることにより、光トランシーバモジュール1を収容するための収容部がケージ2内に形成されている。ケージ2の内部(収容部)の後側には、不図示の電気インターフェースコネクタが設けられている。この電気インターフェースコネクタを介して、光トランシーバモジュール1との間で電気信号が伝送される。
【0035】
ケージ2の側面には、係止部2Aが形成されている。この係止部2Aは、MSAで規定された位置に適合するように、ケージ2の左右の両側面に形成されている。係止部2Aは、U字状に打ち抜かれた舌片状の部分を内側(光トランシーバモジュール1を収容する収容部の側)に少し折り曲げて形成されている。係止部2Aが収容部側に突出することによって、光トランシーバモジュール1がケージ2に挿入されたときに、係止部2Aがスライダ50の楔部51Aと係合し、光トランシーバモジュール1がケージ2に固定されることになる。また、係止部2Aは、外側に向かって弾性変形可能である。ロック解除時にスライダ50の楔部51Aが前側に移動するときに、係止部2Aは外側に向かって弾性変形して逃げることになる。
【0036】
<光トランシーバモジュール1>
光トランシーバモジュール1は、図1に示すように、本体10と、ピグテールファイバ20と、可動機構30とを有する。
【0037】
・本体10
図4は、光トランシーバモジュール1の本体10の説明図である。この本体10は、光電気変換素子(不図示)と、回路基板(不図示)と、ハウジング11と、前側下カバー14と、後側下カバー15とを有する。
【0038】
光電気変換素子(不図示)として、発光素子である半導体レーザや、受光素子であるフォトダイオードが用いられている。これらの光電気変換素子は、BOSAと呼ばれる一心双方向光送受信サブアセンブリ(Bi-directional Optical Sub-Assembly)としてパッケージ化されている。BOSAには、半導体レーザやフォトダイオードだけでなく、WDM(Wavelength Division-Multiplexing)フィルタやレンズなども一緒にパッケージ化されている。光電気変換素子によって、光信号と電気信号との相互の変換が行われる。
【0039】
回路基板(不図示)には、半導体レーザを駆動するドライバや、フォトダイオードの出力を増幅するアンプなどが実装されている。また、回路基板の前側には、前述のBOSAのリードピンで直接、又はフレキシブルプリント基板(FPC)を介して、BOSAが取り付けられている。回路基板の後側には、不図示のコネクタがある。光トランシーバモジュール1がケージ2に挿入されると、このコネクタを介して、光トランシーバモジュール1内の回路基板がケージ2の電気インターフェースコネクタに電気的・機械的に接続される。
【0040】
図5は、ハウジング11の説明図である。ハウジング11は、光電気変換素子や回路基板(不図示)を収容する部材である。ハウジング11の後側にはケージ2に挿入される挿入部12があり、挿入部12の前側にはヘッド部13がある。後側の挿入部12には回路基板が収容されており、前側のヘッド部13にはBOSAが収容されている。
【0041】
挿入部12の左右の両側面には、後側案内部12Aが設けられている。後側案内部12Aは、挿入部12の前側に位置し、前後方向に沿った凹状溝になっている。これにより、後側案内部12Aは、スライダ50(図1、図2A〜図2C参照)を前後方向に移動を可能にしつつ上下方向の移動を規制するように、案内する。なお、後側案内部12Aの後側には、スライダ50の楔部51Aを収容するための楔収容部12Bが形成されている。光トランシーバモジュール1がケージ2に挿入されたとき、スライダ50の楔部51Aは楔収容部12Bの位置で収容されている。このため、この楔収容部12Bは、光トランシーバモジュール1がケージ2に挿入されたときにケージ2の係止部2Aと対向する位置になるように、挿入部12の側面に設けられている。
【0042】
ヘッド部13の左右の両側面には、前側案内部13Aが設けられている。前側案内部13Aは、ヘッド部13の前側から後側にわたって前後方向に沿って形成された凹状溝になっている。前側案内部13Aは、スライダ50及びつまみ60(図1、図2A〜図2C参照)の前後方向の移動を可能にしつつ上下方向の移動を規制するように、スライダ50及びつまみ60を案内する。スライダ50が前側案内部13Aと後側案内部12Aの両方に案内されるようにするため、前側案内部13Aと後側案内部12Aの上下方向の幅は同じになっており、前側案内部13Aと後側案内部12Aの上下方向の位置も同じになっている。
【0043】
前側案内部13Aの上方には、第1突出部13B及び第2突出部13Cが設けられている。どちらの突出部にもネジ穴が形成されている。但し、前側に位置する第1突出部13Bの方が、後側に位置する第2突出部13Cよりも外側に突出している。この理由については、後述する。
【0044】
ヘッド部13の下面の左右には、下側案内部13Dが設けられている。下側案内部13Dは、スライダ50の下側(後述するフック部54)を前後方向に案内する。このため、下側案内部13Dは、前後方向に沿った凹形状になっている。
【0045】
図6は、前側下カバー14の説明図である。前側下カバー14は、ハウジング11のヘッド部13の下側に取り付けられるカバーである。ハウジング11のヘッド部13にはBOSAが収容されるので、前側下カバー14は、BOSAを覆う機能も有する。
前側下カバー14の左右には、スライダ押さえ部14Aが設けられている。スライダ押さえ部14Aは、可動機構30のスライダ50を左右の外側から押さえるためのものである。なお、スライダ押さえ部14Aの後縁は、スライダ50の最前位置を規制する機能を有する(後述するスライダ50の突起部51Bがスライダ押さえ部14Aの後縁に接触する)。
前側下カバー14の前方には、ファイバ押さえ部14Bが設けられている。ファイバ押さえ部14Bは、光トランシーバモジュール1の本体10から出ているピグテールファイバ20を下から支持する機能を有する。
【0046】
後側下カバー15(図4参照)は、ハウジング11の挿入部12の下側に取り付けられるカバーである。ハウジング11の挿入部12には回路基板が収容されているので、後側カバーは、回路基板を覆う機能も有する。
【0047】
・ピグテールファイバ20
ピグテールファイバ20(図1参照)は、BOSA(一心双方向光送受信サブアセンブリ)に取り付けられた双方向通信用の光ファイバである。本実施形態のピグテールファイバ20は、送信方向と受信方向とで異なる波長の光信号を双方向に伝送する。但し、送受信で同一波長としてもよい。
【0048】
ピグテールファイバ20は、光トランシーバモジュール1から取り外しできないように取り付けられている。なお、ピグテールファイバ20の端部には光コネクタ21(例えばSCコネクタ、図1参照)が取り付けられており、この光コネクタ21を介して他の光ファイバに接続可能である。
【0049】
・可動機構30
図7は、可動機構30の説明図である。可動機構30は、操作レバー40と、スライダ50と、つまみ60とから構成される。
【0050】
図8A及び図8Bは、操作レバー40の説明図である。操作レバー40は、ロックを解除するときに操作者が操作する部品である。操作レバー40は、操作部41と、側面プレート42と、レバー連結部43と、爪部44とから構成される。操作部41は、操作レバー40の上方に位置するL字型の部分である。この操作部41は、ロックを解除するときに、操作者の指で後側に押されることになる。操作部41の下側にレバー連結部43が位置し、このレバー連結部43を介して左右の側面プレート42が連結されている。側面プレート42は、法線が左右方向となるように互いに平行に設けられている。各側面プレート42の下側には、爪部44がそれぞれ設けられている。
【0051】
爪部44は、側面プレート42から内側に向かって折り曲げられて形成されている。爪部44は、内側に向かって折り曲げられることによって内側に突起した部材となり、操作レバー40の内側に位置することになるスライダ50(詳しくは、スライダ50の窓52A)と接触するためのレバー側接触部となる。
【0052】
側面プレート42には、軸穴42Aと、スロット42Bと、タブ42Cとが形成されている。軸穴42Aは、操作レバー40の回転軸を支持するための穴である。なお、この軸穴42Aにはハウジング11の第1突出部13Bに取り付けられた軸用ネジ71の頭部が嵌め合わされて、操作レバー40が軸穴42Aを中心に回転可能にハウジング11に取り付けられる(後述)。スロット42B及びタブ42Cは、操作レバー40の位置を規定するものである。スロット42Bは、側面プレート42において凹状に形成されており、これにより、スロット42Bに隣接した位置で側面プレート42から突出するようにタブ42Cが形成される。なお、タブ42Cは、操作レバー40の回転時に、ハウジング11の第2突出部13Cに取り付けられた突起用ネジ72の頭部を乗り越えるように移動することになる(後述)。これにより、突起用ネジ72がスロット42Bに嵌った状態と、突起用ネジ72の下側がタブ42Cの上縁に接触した状態のいずれかの状態になるように、操作レバー40の位置が規定される。タブ42Cは、側面プレート42の軸穴42Aから見て、操作レバー40の操作部41の端部よりも近い位置に設けられている。このため、操作者が操作部41を押したとき、突起用ネジ72の頭部をタブ42Cが乗り越え易くなっている(後述)。
【0053】
爪部44は、側面プレート42の軸穴42Aから見て、操作部41と反対側に位置している。このため、操作部41が前後方向に関して後側に移動したとき、爪部44は前後方向に関して前側(操作部41の前後方向の移動方向と反対側)に移動する。また、爪部44は、側面プレート42の軸穴42Aから見て、操作部41の端部よりも近い位置に設けられている。このため、爪部44は、接触する他の部材(スライダ50やつまみ60)に対して、操作者が操作部41を押した力よりも強い力を与えることができる。
【0054】
図9は、スライダ50の説明図である。図10は、楔部51Aの周辺を説明するための断面図である。スライダ50は、ロックを解除するときに前方向にスライドする部品である。スライダ50は、スライドプレート51と、窓用プレート52と、スライダ連結部53と、フック部54とを有する。
【0055】
スライドプレート51は、前後方向に長い矩形板状の部分であり、スライダ50の後側に位置する。左右のスライドプレート51は、左右方向に所定間隔を空けて、互いに対向している。スライドプレート51がハウジング11の前側案内部13Aと後側案内部12Aの凹状溝に嵌るようにするため、スライドプレート51の上下方向の幅は、前側案内部13Aや後側案内部12Aの上下方向の幅よりも若干狭くなっている。スライドプレート51の後側には、外側に向かって突出した楔部51Aが設けられている。スライドプレート51の外側表面の楔部51Aに隣接する部分は、内側に若干凹んだ形状をしている(図10参照)。この凹んだ部分にケージ2の係止部2Aが入り込むことによって、ケージ2の係止部2Aとスライダ50の楔部51Aが係合し、光トランシーバモジュール1がケージ2に固定されることになる。スライドプレート51の下側には突起部51Bが設けられている。この突起部51Bは、スライドプレート51から外側に折り曲げられて形成されている。突起部51Bが前側下カバー14のスライダ押さえ部14Aの後縁に接触することによって、スライダ50の最前位置が規制されることになる。
【0056】
窓用プレート52は、スライドプレート51の前側に位置する板状の部分である。左右の窓用プレート52は、互いに対向している。左右の窓用プレート52の間隔は、左右のスライドプレート51の間隔よりもつまみ60の板厚分だけ広い間隔であり、また、操作レバー40の左右の側面プレート42の間隔よりは狭い間隔である。窓用プレート52には、矩形状の窓52Aが形成されている。この窓52Aの中に、操作レバー40の爪部44が外側から入り込むことになる。なお、窓52Aは、レバー側接触部である爪部44と接触するためのスライダ側接触部となる。
【0057】
窓52Aの上下方向の幅は、操作レバー40の回転時の爪部44の上下方向の移動範囲よりも広くなっており、窓52Aの上下の縁に爪部44が接触しないようになっている。また、窓52Aの前後方向の幅は、操作レバー40の回転時の爪部44の前後方向の移動範囲よりも狭くなっている。このため、操作レバー40が回転すると、爪部44が窓52Aの前縁又は後縁に接触し、これによりスライダ50が前後方向に移動することになる。
【0058】
窓用プレート52の上側にスライダ連結部53が位置し、このスライダ連結部53を介して左右の窓用プレート52が連結されている。また、窓用プレート52の下側にフック部54が位置している。フック部54は、窓用プレート52から内側に向かって折り曲げられて形成されている。これにより、スライダ50の窓用プレート52、スライダ連結部53及びフック部54が、ハウジング11のヘッド部13を抱持する状態になる。フック部54はハウジング11の下面の下側案内部13Dによって前後方向に案内されることにより、スライダ50が前後方向に移動可能になっている。
【0059】
図11は、つまみ60の説明図である。つまみ60は、ロック解除後の光トランシーバモジュール1をケージ2から抜くときに操作者がつまむための部品である。光トランシーバモジュール1をケージ2から抜くときに、光トランシーバモジュール1の回路基板上のカードエッジコネクタを通信機器側(ホスト側)の基板上のコネクタソケットから引き抜くための力を要するため、つまみ60は、操作レバー40やスライダ50と比較すると、板厚になっている。つまみ60は、ハンドル部61と、引っ掛け部62とを有する。
【0060】
ハンドル部61は、操作者がつまむ部分である。ハンドル部61は、操作者の親指と人差し指で上下方向から摘み易いようにするため、板面の法線が上下方向を向いている。
【0061】
引っ掛け部62は、前後方向に長い矩形板状の部分である。左右に設けられた引っ掛け部62は、ハンドル部61によって連結されている。左右の引っ掛け部62は、スライダ50の左右のスライドプレート51の間隔とほぼ同じ間隔をあけて、互いに対向している。これにより、スライドプレート51を案内する前側案内部13Aを利用して、引っ掛け部62を前後方向に案内することを可能にしている。引っ掛け部62がハウジング11の前側案内部13Aの凹状溝に嵌るようにするため、引っ掛け部62の上下方向の幅は、前側案内部13Aの上下方向の幅よりも若干狭くなっている。引っ掛け部62の後側には、切欠部62Aが形成されている。この切欠部62Aは、引っ掛け部62の下側から凹状にへこませた部分である。この切欠部62Aの中に、操作レバー40の爪部44が入り込むことになる。なお、切欠部62Aは、レバー側接触部である爪部44と接触するためのつまみ側接触部となる。
【0062】
切欠部62Aの前後方向の幅は、切欠部62Aの前後の縁に爪部44が同時に接しないようにするため、操作レバー40の爪部44の前後方向の幅よりも広くなっている。但し、切欠部62Aの前後方向の幅は、スライダ50の窓52Aの前後方向の幅よりも短くなっている。これにより、操作レバー40が回転したときに、つまみ60の移動量が、スライダ50の移動量よりも大きくなる。
【0063】
図12Aは、可動機構30の組み立て方の説明図である。
まず、組立作業者は、操作レバー40とスライダ50を用意する。そして、作業者は、スライダ50の左右のスライドプレート51を内側に撓ませながら、操作レバー40の爪部44をスライダ50の窓52Aの中にはめ込む。次に、作業者は、つまみ60の切欠部62Aを操作レバー40の爪部44に引っ掛ける。
このように、つまみ60を組み立てるときは、つまみ60を爪部44に引っ掛けるだけで良いため、スライダ50の組み立てるときのようにつまみ60を撓ませる必要はない。つまみ60はスライダ50よりも板厚な部材であるため、つまみ60を撓ませずに可動機構30を組み立てられることは特に有効である。
また、つまみ60の切欠部62Aが下側から凹状にへこんでいるため、操作レバー40の爪部44の上側から切欠部62Aを引っ掛けることができる。このため、爪部44の下側から引っ掛ける場合よりも、つまみ60が可動機構30から外れにくく、可動機構30をハウジング11に取り付ける作業が容易になる。
【0064】
図12Bは、可動機構30をハウジング11に取り付ける様子の説明図である。
組立作業者は、可動機構30を組み立てた後、可動機構30をハウジング11に取り付ける。このとき、スライダ50のスライドプレート51とつまみ60の引っ掛け部62が、ハウジング11の側面の前側案内部13Aや後側案内部12Aの凹状溝に嵌るように、ハウジング11に取り付けられる。そして、作業者は、操作レバー40の軸穴42Aの位置をハウジング11の側面の第1突出部13Bに合わせ、軸穴42Aを通じて軸用ネジ71を第1突出部13B(図12Bでは不図示、図5参照)に取り付ける。これにより、可動機構30がハウジング11に取り付けられる。また、作業者は、ハウジング11の側面の第2突出部13Cに突起用ネジ72を取り付ける。
【0065】
図13Aは、可動機構30を省略した状態で、第1突出部13B及び第2突出部13Cにネジを取り付けたときの様子を上から見た図である。図13Bは、可動機構30のうちの操作レバー40だけがある状態で、第1突出部13B及び第2突出部13Cにネジを取り付けたときの様子を上から見た図である。
図に示すように、第1突出部13Bに軸用ネジ71が取り付けられると、軸用ネジ71の頭部が、第1突出部13Bよりも更に外側に突出した状態になる。そして、軸用ネジ71の頭部が、操作レバー40の軸穴42Aに嵌ることにより、操作レバー40が軸用ネジ71の頭部を回転軸にして回転可能な状態で、可動機構30がハウジング11に取り付けられる。
【0066】
本実施形態では、可動機構30をハウジング11に対して位置合わせした後に軸用ネジ71を取り付けているため、可動機構30をハウジング11に取り付け易くなっている。もし仮に、軸用ネジ71がハウジング11に予め取り付けられた状態で可動機構30を取り付けようとすると、操作レバー40の左右の側面プレート42を外側に広げながら軸用ネジ71の頭部を軸穴42Aに嵌める必要があるため、可動機構30をハウジング11に取り付け難くなる。このように、本実施形態では、可動機構30をハウジング11に取り付け易くするために、軸用ネジ71の頭部が操作レバー40の回転軸になる構成を採用しているのである。
【0067】
第2突出部13Cは、第1突出部13Bよりも、外側への突出量が小さい。そして、軸用ネジ71及び突起用ネジ72には同じネジ(鍋ネジ)が用いられているため、ハウジング11に取り付けられた突起用ネジ72は、軸用ネジ71よりも、外側への突出量が小さい状態になる。この結果、操作レバー40の側面プレート42の内面の位置に対して、軸用ネジ71は頭部のほぼ全体が外側に位置するが、突起用ネジ72は頭部の一部だけ(詳しくは、鍋ネジの頭部の角の丸みの付いた部分だけ)しか外側に位置していない。このため、図13Bでは、軸用ネジ71の頭部のほぼ全体は側面プレート42によって隠れているが、突起用ネジ72の頭部は、一部だけしか隠れていない。これにより、操作レバー40の回転時に、タブ42Cが突起用ネジ72の頭部を乗り越えることができる。なお、突起用ネジ72として頭部に丸みの付いた鍋ネジが採用されているため、操作レバー40の回転時にタブ42Cが突起用ネジ72の頭部を乗り越え易くなっている。
【0068】
可動機構30をハウジング11に取り付けた後、ハウジング11内にBOSAや回路基板が組み込まれる。そして、ハウジング11内に回路基板等を収容した後に、前側下カバー14や後側下カバー15がハウジング11に取り付けられて、光トランシーバモジュール1が完成する。
【0069】
===ロック解除===
次に、図2A〜図2Cを用いてロック解除時の動作について詳述する。なお、説明を容易にするため、ケージ2を図示していない。
【0070】
<ロック中>
図2Aは、ロック中の可動機構30の状態の説明図である。
【0071】
操作レバー40は、手前側に最も倒れた状態になっている。このときの操作レバー40は、光トランシーバモジュールの前側から出ている光ファイバには接触していない状態である。このため、操作レバー40は、これよりも前側に倒れることがないため、光ファイバに接触することはない。操作レバー40の爪部44の位置は、前後方向の移動範囲に関して、最も後側にある。操作レバー40のスロット42Bには、突起用ネジ72の頭部が嵌っている。また、操作レバー40のタブ42Cの下側は、突起用ネジ72の上側と接触している。操作レバー40が回転するためには、タブ42Cが突起用ネジ72の頭部を乗り越える必要があるため、操作レバー40に後側の外力が加わらない限り、操作レバー40の位置はこの状態で安定している。(なお、この状態では、操作レバー40に手前側の外力が加わっても、スライダ50がこれ以上後側に移動することができないため、操作レバー40は手前側には動かない。)
スライダ50は、最も後側に位置した状態になっている。スライダ50の楔部51Aは、最も後側に位置した状態になっており、ハウジング11の楔収容部12Bの位置にある。このとき、ケージ2の係止部2Aとスライダ50の楔部51Aが係合しており、光トランシーバモジュール1がケージ2に固定されている。スライダ50のスライドプレート51がハウジング11の後側案内部12Aの最も後側に位置しており、スライダ50の楔部51Aがハウジング11の楔収容部12Bに位置しているため、スライダ50は、更に後側に移動することはできない。また、操作レバー40の爪部44の後縁とスライダ50の窓52Aの後縁が接触した状態で操作レバー40の位置が安定しているため、操作レバー40に外力が加わらない限り、スライダ50もこの位置で安定している。
【0072】
つまみ60も、最も後側に位置した状態になっている。操作レバー40の爪部44によって、つまみ60の切欠部62Aの位置が規制されている。この状態で操作レバー40の位置が安定しているため、操作レバー40に外力が加わらない限り、つまみ60は、切欠部62Aと爪部44との間の遊び程度しか動かない。
【0073】
つまみ60が最も後側に位置しているため、つまみ60のハンドル部61がハウジング11のヘッド部13に最接近した状態になる。このため、操作者がハンドル部61を摘もうとしても、ヘッド部13が邪魔になり、ハンドル部61を摘み難い状態になっている。特に、ハンドル部61の上方に操作レバー40の操作部41が接近しているため、操作レバー40の操作部41が邪魔になり、操作者がハンドル部61を摘み難い状態になっている。従って、操作者は、この状態の光トランシーバモジュール1を、ハンドル部61を摘んでケージ2から抜こうとはしなくなる。
【0074】
<ロック解除中>
図2Bは、ロック解除中の可動機構30の状態の説明図である。
【0075】
操作者が指で操作レバー40の操作部41を後側に押すと、タブ42Cが突起用ネジ72を乗り越えて、操作レバー40が軸用ネジ71の頭部を回転軸にして回転する。タブ42Cは、側面プレート42の軸穴42Aから見て、操作レバー40の操作部41の端部よりも近い位置に設けられているため、操作者が操作部41を押したときに突起用ネジ72の頭部を乗り越え易くなっている。
【0076】
爪部44は、側面プレート42の軸穴42Aから見て、操作部41と反対側に位置しているため、操作者が指で操作レバー40の操作部41を後側に押すと、爪部44は前側に移動する。爪部44が前側に移動すると、爪部44の前縁がつまみ60の切欠部62Aの前縁を押して、つまみ60が前側に押し出される。爪部44は、側面プレート42の軸穴42Aから見て、操作レバー40の操作部41の端部よりも近い位置に設けられているため、操作者が操作部41を押す力が弱くても、つまみ60を前側に押し出せる。
【0077】
爪部44がスライダ50の窓52Aの中を移動している間(図2Aの状態から図2Bの状態までの間)は、爪部44は窓52Aの縁に接触していない。このため、つまみ60が前側に動き始めたときには、スライダ50は未だ動かない。なお、つまみ60の切欠部62Aの前後方向の幅がスライダ50の窓52Aの前後方向の幅よりも短いため、スライダ50が動き出す前につまみ60を先に動かすことを可能にしている。
【0078】
タブ42Cが突起用ネジ72の頭部を乗り越える途中の状態では、左右のタブ42Cが左右方向に広がるように弾性変形しているため、戻ろうとする力が働いている。この状態で操作者が操作レバー40から指を離すと、タブ42Cが突起用ネジ72の頭部を滑るように移動して操作レバー40が若干回転し、タブ42Cが突起用ネジ72の頭部から外れたところで、操作レバー40の回転が止まる。なお、突起用ネジ72として頭部に丸みの付いた鍋ネジが採用されているため、タブ42Cが突起用ネジ72の頭部を滑りやすくなっている。このため、操作レバー40の位置は、突起用ネジ72がスロット42Bに嵌った状態(図2A参照)と、突起用ネジ72の下側がタブ42Cの上縁に接触した状態(図2C参照)では安定であるが、その間の状態(タブ42Cが突起用ネジ72の頭部に位置する状態、例えば図2B参照)では不安定である。
【0079】
図2Bに示すように操作レバー40の爪部44が窓52Aの前縁に接触し、更に操作レバー40が回転すると、スライダ50が前側に動き始める。仮にタブ42Cが突起用ネジ72をほぼ乗り越えた状態の図2Bの状態で操作者が操作レバー40から指を離すと、タブ42Cが突起用ネジ72の下方に向かって滑るように移動し、操作レバー40が若干回転し、図2Cの状態になり、スライダ50が前側に移動する。したがって、操作レバー40が後側に倒れているのに、ロックが解除されていないという状態は生じない。また、つまみ60が前側に押し出されて、操作者がハンドル部61を摘み易くなっている状態のときに、ロックが解除されていない状態にはならない。
【0080】
<ロック解除後>
図2Cは、ロック解除後の可動機構30の状態の説明図である。
【0081】
操作レバー40は、奥側に最も倒れた状態になっている。このため、操作レバー40の爪部44の位置は、前後方向の移動範囲に関して、最も前側にある。操作レバー40のタブ42Cの上縁は、突起用ネジ72の下側と接触している。操作レバー40が回転するためには、タブ42Cが突起用ネジ72を乗り越える必要があるため、操作レバー40に外力が加わらない限り、操作レバー40の位置はこの状態で安定する。
【0082】
スライダ50は、最も前側に位置した状態になっている。スライダ50の楔部51Aは、楔収容部12Bよりも前側の位置にあり、ケージ2の係止部2Aから外れており、操作者は光トランシーバモジュール1をケージ2から引き抜くことが可能になる。スライダ50の下側にある突起部51Bは、前側下カバー14のスライダ押さえ部14Aの後縁に接触しているため、スライダ50が、更に前側に移動することはできない。また、操作レバー40の爪部44の前縁とスライダ50の窓52Aの前縁が接触した状態で操作レバー40の位置が安定しているため、操作レバー40に外力が加わらない限り、スライダ50もこの位置で安定している。
【0083】
つまみ60も、最も前側に位置した状態になっている。操作レバー40の爪部44によって、つまみ60の切欠部62Aの位置が規制されている。この状態で操作レバー40の位置が安定しているため、操作レバー40に外力が加わらない限り、つまみ60は、切欠部62Aと爪部44との間の遊び程度しか動かない。
【0084】
つまみ60が最も前側に位置しているため、つまみ60のハンドル部61がハウジング11のヘッド部13の前面から最も離間した状態になる。このため、操作者が親指と人差し指でハンドル部61を摘み易い状態になっている。また、操作レバー40の操作部41が奥側に倒れたため、操作レバー40の操作部41が邪魔にならずに、操作者が親指と人差し指でハンドル部61を摘み易い状態になっている。これにより、操作者は、光トランシーバモジュール1をケージ2から引き抜き易い。
【0085】
ところで、スライダ50の移動量は、スライダ50の楔部51Aとケージ2の係止部2Aとの係合を解除できればよいため、小さくてもよい。これに対し、つまみ60の移動量は、操作者がハンドル部61を摘み易くするためにつまみ60を前側に移動する必要があるため、大きくする必要がある。そこで、本実施形態では、つまみ60の切欠部62Aの前後方向の幅が、スライダ50の窓52Aの前後方向の幅よりも短くしている。これにより、スライダ50は図2Bの状態から動き始めるのに対し、つまみ60は図2Aの状態から動き始め(つまり、つまみ60はスライダ50よりも先に動き始め)、この結果、つまみ60の移動量がスライダ50の移動量よりも大きくなる。
【0086】
===まとめ===
本実施形態の光トランシーバモジュールによれば、操作レバー40を後側に倒すことによってロックが解除されるので、光トランシーバモジュール1の前側から出ている光ファイバがロック解除時に邪魔にならずに済む。
【0087】
また、つまみ60が設けられており、ロック解除時につまみ60が前側に移動してハウジング11の前面から離れるため、操作者は光トランシーバモジュール1をケージ2から引き抜き易くなる。特に、ロック解除時のつまみ60の移動量がスライダ50の移動量よりも大きいため、操作者は光トランシーバモジュール1をケージ2から引き抜き易くなる。
【0088】
また、タブ42Cと突起用ネジ72によって、操作レバー40の位置が規定されるため、操作者がハンドル部61を摘み易くなっている状態のときに、ロックが解除されていない状態にはならない。
【0089】
また、軸用ネジ71や突起用ネジ72によって、操作レバー40の回転軸や突起をネジで構成しているため、可動機構30をハウジング11に取り付ける作業や、ハウジング11に突起を形成することが容易になる。
【0090】
また、突起用ネジ72として鍋ネジが採用されており、ネジの頭部に丸みが付いているため、タブ42Cがネジの頭部を乗り越えやすくなり、また、タブ42Cがネジの頭部を滑りやすくなる。
【0091】
また、本実施形態の光トランシーバモジュールの組み立て方に従って光トランシーバモジュールを製造すれば、ケージからの着脱が容易な光トランシーバモジュールを製造しやすくなる。
【0092】
===その他===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更・改良され得ると共に、本発明には、その等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる形態であっても、本発明に含まれる。
【0093】
<光トランシーバ>
前述の実施形態では、XFPタイプの光トランシーバモジュール1を用いて説明したが、このタイプに限定されるものではない。他のタイプ(例えばSFPタイプなど)の光トランシーバモジュールにおいても、操作レバー40を後側に倒すことによってロックが解除されれば、光トランシーバモジュールの前側から出ている光ファイバがロック解除時に邪魔にならずに済む。
【0094】
<光ファイバ>
前述の実施形態では、光トランシーバモジュール1がピグテールタイプ(光トランシーバモジュールから光ファイバが直接出ているタイプ)であったが、図15のように、光コネクタによって光ファイバを光トランシーバモジュールから抜き取れるようになっていてもよい。図15のようなレセプタクルタイプの光トランシーバモジュールであっても、光ファイバを付けたまま光トランシーバモジュールをケージから引き抜くことができるという効果を得ることができる。但し、ピグテールタイプの光トランシーバモジュール1のように光ファイバを外せない光トランシーバモジュールに前述の可動機構30を採用すると、特に有効である。
【0095】
また、前述の実施形態では、双方向通信用の光ファイバであったが、これに限られるものではない。光トランシーバモジュール1に受信用光ファイバと送信用光ファイバの2本の光ファイバが取り付けられていてもよい。
【0096】
また、前述の実施形態では、光ファイバの端部の光コネクタ21がSCコネクタであったが、コネクタの種類はこれに限られるものではない。例えば、FCコネクタ、LCコネクタ、MUコネクタ、STコネクタ、MTRJコネクタなどでもよいし、他のコネクタでもよい。
【0097】
<窓52A>
前述の実施形態では、スライダ50に窓52Aが設けられていた。但し、操作レバー40の爪部44と接触する部分(スライダ側接触部)の形状は、これに限られるものではない。例えば、スライダ50の窓52Aの代わりに、つまみ60の切欠部62Aのような下側に開口した凹形状の接触部をスライダ50に形成しても良い。
【0098】
<つまみ60>
前述の実施形態では、可動機構30につまみ60が設けられていた。しかし、可動機構30を操作レバー40とスライダ50だけで構成してもよい。このようにしても、操作レバー40を後側に倒すことによってロックを解除できるので、光トランシーバモジュール1の前から出ている光ファイバが邪魔になることはない。また、可動機構30を操作レバー40とスライダ50だけで構成する場合、操作者は、ロック解除後の光トランシーバモジュール1のヘッド部13を把持して、光トランシーバモジュール1をケージ2から引き抜くとよい。但し、つまみ60がある方が、操作者は光トランシーバモジュール1をケージ2から引き抜き易いので、望ましい。
【0099】
また、前述の実施形態では、つまみ60の移動量がスライダ50の移動量よりも大きかった。但し、これに限られるものではなく、両者の移動量が同じでもよいし、スライダ50の移動量がつまみ60の移動量よりも大きくても良い。但し、つまみ60の移動量がスライダ50の移動量よりも大きい方が、操作者は光トランシーバモジュール1をケージ2から引き抜き易いので、望ましい。
【0100】
<爪部44と窓52Aの接触>
前述の実施形態では、レバー側接触部として操作レバー40に爪部44を設け、スライダ側接触部としてスライダ50に窓52Aを設けていた。但し、操作レバー40に窓を設け、スライダ50に爪部44に相当する凸部を設けても良い。
【0101】
図14A〜図14Cは、変形例の説明図である。図14Aは、ロック中の可動機構の状態の説明図である。図14Bは、ロック解除中の可動機構の状態の説明図である。図14Cは、ロック解除後の可動機構の状態の説明図である。ここでは、説明を容易にするため、操作レバーを太線で示している。また、この変形例では、つまみ60は省略されている。
【0102】
操作レバー40の側面プレート42には、窓42Dが設けられている。窓42Dは、側面プレート42の軸穴42Aから見て、操作部41と反対側に位置している。このため、操作者が指で操作レバー40の操作部41を後側に押すと、窓42Dの後縁が前側に移動する。また、スライダ50の側面には、外側に向かって突出するピン52Bが設けられている。スライダ50のピン52Bは、操作レバー40の窓42Dの中に入り込むように位置している。
【0103】
ロック中には、図14Aに示すように、操作レバー40の窓42Dの前縁と、スライダ50のピン52Bの前縁とが接触している。ロック解除中には、図14Bに示すように、操作レバー40が押されると操作レバー40の窓42Dの後縁がピン52Bに接触し、更に操作レバー40が回転すると、操作レバー40の窓42Dの後縁がピン52Bを前側に押して、スライダ50が前側に移動する。
【0104】
このように、操作レバー40に窓42Dを設け、スライダ50にピン52Bを設けても、操作レバー40の操作部を後側に押すことによってスライダを前側に移動させることが可能である。
【0105】
<軸用ネジ71>
前述の実施形態では、操作レバー40に軸穴42Aを設け、この軸穴42Aを通じて軸用ネジ71によって操作レバー40をハウジング11に対して回転可能に取り付けていた。但し、操作レバー40をハウジング11に対して回転可能に取り付ける際に、軸用ネジ71を用いなくてもよい。
【0106】
例えば、ハウジング11に第1突出部13Bを設ける代わりに、第1突出部13Bよりも外側に突出し、軸穴42Aに挿入できる太さの突出部を予め設け、この突出部に操作レバー40の軸穴42Aを嵌めることによって、操作レバー40をハウジング11に対して回転可能に取り付けてもよい。但し、この場合、操作レバー40の左右の側面プレート42を外側に広げながらハウジングの突出部を軸穴42Aに嵌める必要があるため、可動機構30をハウジング11に取り付け難くなる。
【0107】
また、操作レバー40の軸穴42の代わりに、操作レバー40の側面プレート42の内面から内側に突出する突起を設け、この突起をハウジングの第1突出部13Bの穴に嵌めることによって、操作レバー40をハウジング11に対して回転可能に取り付けてもよい。但し、この場合も、操作レバー40の左右の側面プレート42を外側に広げる必要が生じ、可動機構30をハウジング11に取り付け難くなる。
【0108】
なお、前述の実施形態では、軸用ネジ71として鍋ネジが用いられていたが、他のネジを用いてもよい。
【0109】
<突起用ネジ72>
前述の実施形態では、可動機構30をハウジング11に取り付けた後、突起用ネジ72をハウジング11に取り付けていた。しかし、これに限られるものではなく、例えば、ハウジング11の側面が突起を有する形状になっていてもよい。
【0110】
また、前述の実施形態では、突起用ネジ72として鍋ネジが用いられていたが、他のネジを用いてもよい。但し、頭部に丸みの付いたネジを用いる方が望ましい。
【符号の説明】
【0111】
1 光トランシーバモジュール、2 ケージ、2A 係止部、
10 本体、11 ハウジング、
12 挿入部、12A 後側案内部、12B 楔収容部、13 ヘッド部、
13A 前側案内部、13B 第1突出部、13C 第2突出部、13D 下側案内部、
14 前側下カバー、14A スライダ押さえ部、14B ファイバ押さえ部、
15 後側下カバー、
20 ピグテールファイバ、21 光コネクタ、
30 可動機構、
40 操作レバー、41 操作部、
42 側面プレート、42A 軸穴、42B スロット、42C タブ、
43 レバー連結部、44 爪部、
50 スライダ、
51 スライドプレート、51A 楔部、51B 突起部、
52 窓用プレート、52A 窓、53 スライダ連結部、54 フック部、
60 つまみ、61 ハンドル部、62 引っ掛け部、62A 切欠部、
71 軸用ネジ、72 突起用ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケージに着脱可能な光トランシーバモジュールであって、
光電気変換素子を収容するとともに、前後方向に沿って形成された案内部を有するハウジングと、
操作部とレバー側接触部とを有し、回転軸を中心に回転可能に前記ハウジングに取り付けられた操作レバーと、
前記ケージに設けられた係止部と係合するための楔部と、前記レバー側接触部と接触するためのスライダ側接触部とを有し、前記案内部によって前記前後方向に案内されるスライダと、
を備え、
前記レバー側接触部は、前記回転軸から見て前記操作部と反対側に位置しており、
前記操作部が後側に押されると、前記レバー側接触部が前記スライダ側接触部を前側に押すことによって、前記楔部が前記係止部から外れる位置まで前記スライダが前側に移動する
ことを特徴とする光トランシーバモジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光トランシーバモジュールであって、
前記レバー側接触部は、突起状の爪部であり、
前記スライダ側接触部は、前記爪部が入り込んだ窓であり、
前記操作部が後側に押されると、前記爪部が前記窓を押すことによって、前記楔部が前記係止部から外れる位置まで前記スライダが前側に移動する
ことを特徴とする光トランシーバモジュール。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の光トランシーバモジュールであって、
ハンドル部を有するつまみを更に備え、
前記操作部が後側に押されると、前記レバー側接触部が前記つまみを押すことによって、前記つまみが前側に移動し、前記ハンドル部が前記ハウジングから離れる
ことを特徴とする光トランシーバモジュール。
【請求項4】
請求項3に記載の光トランシーバモジュールであって、
前記操作部が後側に押されたときの前記つまみの移動量は、前記スライダの移動量よりも大きい
ことを特徴とする光トランシーバモジュール。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の光トランシーバモジュールであって、
前記ハウジングに突起が設けられており、
前記楔部が前記係止部と係合できる位置から前記係止部から外れる位置まで前記操作レバーを回転させるときに、前記突起を乗り越えるように前記操作レバーにタブが設けられており、
前記操作部が後側に押され、前記レバー側接触部が前記つまみを押しているが、前記レバー側接触部が前記スライダを押していない状態のとき、前記タブは前記突起の上に位置している
ことを特徴とする光トランシーバモジュール。
【請求項6】
請求項5に記載の光トランシーバモジュールであって、
前記突起は、前記ハウジングに取り付けられたネジであることを特徴とする光トランシーバモジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の光トランシーバモジュールであって、
前記ネジの頭部には、丸みが付いていることを特徴とする光トランシーバモジュール。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の光トランシーバモジュールであって、
前記操作レバーは軸穴を有し、
前記軸穴を通じて前記ハウジングに取り付けられたネジによって、そのネジを前記回転軸にしつつ、前記操作レバーが前記ハウジングに取り付けられている
ことを特徴とする光トランシーバモジュール。
【請求項9】
ケージに着脱可能な光トランシーバモジュールの製造方法であって、
(A)ネジ穴と前後方向に沿って形成された案内部とを有し、光電気変換素子を収容するためのハウジングと、
操作部とレバー側接触部と軸穴とを有し、前記軸穴から見て前記レバー側接触部が前記操作部と反対側に位置している操作レバーと、
前記ケージに設けられた係止部と係合するための楔部と、前記レバー側接触部と接触するためのスライダ側接触部とを有するスライダと
を用意するステップと、
(B)前記レバー側接触部と前記スライダ側接触部とが接触できるように前記操作レバーと前記スライダを組み立てるステップと、
(C)前記スライダが前記案内部によって前記前後方向に案内されるようにしつつ、前記軸穴と前記ネジ穴とを合わせるようにして、前記操作レバー及び前記スライダを前記ハウジングに合わせるステップと、
(D)前記軸穴を通じて前記ネジ穴にネジを取り付けて、前記ネジを中心に回転可能に前記操作レバーを前記ハウジングに取り付けるステップと
を有することを特徴とする光トランシーバモジュールの製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−141474(P2011−141474A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−2745(P2010−2745)
【出願日】平成22年1月8日(2010.1.8)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【出願人】(591230295)NTTエレクトロニクス株式会社 (565)
【Fターム(参考)】