説明

光ネットワークシステムおよびWDM装置

【課題】マックスポンダを用いてクライアントインタフェースを多重収容する場合に、1波の冗長波長による冗長切替を実施することができる光ネットワークシステムを得ること。
【解決手段】N:1プロテクション伝送を行う光ネットワークシステムであって、M系統の信号束ごとにクライアント信号を多重し、多重化信号ごとに異なる波長の光信号に変換する送信側現用系マックスポンダ3−1〜3−Nと、クライアント信号を現用系と冗長の2系統に分岐する送信側光カプラ2−1〜2−4Nと、冗長系の信号から各々1系統を予備系クライアント信号として選択する送信側光スイッチ5−1〜5−4と、予備系クライアント信号に対して設定された収容モードに応じた所定の送信側を行った後に多重化し、多重化信号を現用系と異なる波長の光信号に変換し、収容モードを系統ごとに独立に設定可能とする送信側予備系マックスポンダ6と、を備えるノード101を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冗長系を有する光ネットワークにおいて冗長系と現用系の切換えを行う光ネットワークシステムおよびWDM装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の収容モードを有する光ネットワークが冗長系を有する場合の冗長系切替技術として、例えば下記特許文献1に記載の技術がある。下記特許文献1では、収容モードの変更により複数のクライアントインタフェース種別に対応できるトランスポンダを、N:1冗長プロテクション装置の冗長パスに適用することで、冗長波長を1波のみ使用するN:1プロテクション装置において、複数のクライアントインタフェースを混在して保護し、送受信機に単一のクライアントインタフェースしか持たないトランスポンダのみを適用した、WDM(Wavelength Division Multiplexing)装置(WDM伝送装置)の実現方法について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2010/044154号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、トランスポンダが単一のクライアントインタフェースしか有しないことを前提としており、複数種の混在したクライアントインタフェースを多重収容するマックスポンダを用いたWDM装置における冗長切替えを行う場合の、装置構成方法および混在多重収容されたクライアントインタフェースの制御方法は開示されていない。
【0005】
このため、上記特許文献1に記載の技術は、冗長パスに適用するトランスポンダが単一のクライアントインタフェースを有する場合にしか適用できず、複数のクライアントインタフェースを多重収容するマックスポンダを用いる場合に、1波の冗長波長によるN:1プロテクションを行うことができない、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、マックスポンダを用いてクライアントインタフェースを多重収容する場合に、1波の冗長波長による冗長切替を実施することができる光ネットワークシステムおよびWDM装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、M(Mは2以上の整数)系統で1つの信号束を形成するM×N(Nは1以上の整数)系統のクライアント信号に対してN:1プロテクションの伝送を行う光ネットワークシステムであって、前記クライアント信号は複数の種別の信号を含むこととし、前記クライアント信号をクライアント信号の種別に応じた所定の送信側処理を含む多重化処理により前記信号束ごとに多重化信号を生成し、多重化信号ごとに異なる波長の現用系光信号に変換する送信側現用系マックスポンダと、前記クライアント信号の系統ごとに、前記クライアント信号を現用系信号と冗長信号の2系統に分岐する送信側光カプラと、N束の前記信号束の各々1系統の前記冗長信号のうちから各々1系統を選択してM系統の予備系クライアント信号として出力するM並行の送信側光スイッチと、M系統の前記予備系クライアント信号に対して当該信号の種別に応じた所定の送信側処理を含む多重化処理により多重化信号を生成し、多重化信号を前記現用系光信号と異なる波長の予備系光信号に変換し、前記所定の送信側処理において前記種別に対応する収容モードを設定することにより前記種別に応じた処理を行い、前記収容モードを系統ごとに独立に設定可能とする送信側予備系マックスポンダと、を備える送信側光冗長切替え装置と、前記現用系光信号と前記予備系光信号とを波長多重し、波長多重信号を光伝送路へ送出する第1のWDM装置と、前記光伝送路から入力される波長多重信号を波長分離して波長分離信号とする第2のWDM装置と、前記波長分離信号のうち前記現用系光信号に対して、前記クライアント信号の種別に応じた所定の受信側処理を含む分離処理により出力クライアント信号を生成する受信側現用系マックスポンダと、前記波長分離信号のうち前記予備系信号に対して、前記クライアント信号の種別に応じた所定の受信側処理を含む分離処理により出力クライアント信号を生成し、前記所定の受信側処理において前記種別に対応する収容モードを設定することにより前記種別に応じた処理を行い、前記収容モードを系統ごとに独立に設定可能とする受信側予備系マックスポンダと、前記クライアント信号の系統ごとに備えられ、前記受信側予備系マックスポンダ装置が生成した出力クライアント信号と受信側現用系マックスポンダ装置が生成した出力クライアント信号とを光学的に合流させる受信側光カプラと、前記受信側予備系マックスポンダが生成した出力クライアント信号の出力先として、前記送信側光スイッチが選択した系統に対応する受信側光カプラを選択し、選択した受信側光カプラに対して前記受信側予備系マックスポンダが生成した出力クライアント信号を出力する受信側光スイッチと、を備える受信側光冗長切替え装置と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、マックスポンダを用いてクライアントインタフェースを多重収容する場合に、1波の冗長波長による冗長切替を実施することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、光ネットワークシステムの構成例を示す図である。
【図2】図2は、予備系マックスポンダの構成例を示す図である。
【図3】図3は、フレーム構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、低ペイロードデータのフレーム構成の一例を示す図である。
【図5】図5は、低位フレームを多重して収容する高位フレームの構成例を示す図である。
【図6】図6は、高位フレームの詳細構成例を示す図である。
【図7】図7は、収容モード切換え制御手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明にかかる光ネットワークシステムおよびWDM装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本発明にかかる光ネットワークシステムの実施の形態1の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態の光ネットワークシステムは、WDM装置であるノード101と、WDM装置であるノード102と、を備え、ノード101とノード102は光伝送路で接続されている。なお、図1では、ノード101が送信装置として機能し、ノード102が受信装置として機能する場合を示しており、ノード101については送信に係る部分(送信部)のみを図示し、ノード102については受信に係る部分(受信部)のみを図示している。なお、この送信部および受信部は、冗長波長により伝送する信号を切り替える光冗長切替え装置(送信側光冗長切替え装置、受信側光冗長切替え装置)としての機能を有する。
【0012】
ノード101は、4系統のクライアント信号を多重化する送信側現用系マックスポンダ(MXPND)3−1〜3−N(Nは、1以上の整数)を備える。また、ノード101は、送信側予備系マックスポンダ(Redundant MXPND)6を備える。
【0013】
ノード101には、4系統で1つのクライアント信号束(同一の多重化信号として多重化される信号束)を構成する入力クライアント信号1−1〜1−4Nが入力される。図1の例では、例えば、入力クライアント信号1−1〜1−4が1つのクライアント信号束を構成している。入力された入力クライアント信号1−1〜1−4Nは、それぞれ送信側光カプラ2−1〜2−4Nにより2つに分岐される。
【0014】
送信側光カプラ2−1〜2−4Nにより分岐された信号のうち、一方は送信側現用系マックスポンダ3−1〜3−Nのうちのいずれか1つに入力され、他方は送信側光スイッチ5−1〜5−4のいずれか1つに入力される。1つのクライアント信号束を構成する4つのクライアント信号(分岐された4つの信号)が、それぞれ異なる送信側光スイッチ5−1〜5−4へ入力されることとし、ここでは、入力クライアント信号1−1は送信側光スイッチ5−1に入力され、入力クライアント信号1−2は送信側光スイッチ5−2に入力され、入力クライアント信号1−3は送信側光スイッチ5−3に入力され、入力クライアント信号1−4は送信側光スイッチ5−4に入力され、入力クライアント信号1−5は送信側光スイッチ5−1に入力され、入力クライアント信号1−6は送信側光スイッチ5−2に入力され、…、というように入力されるとする。
【0015】
送信側光スイッチ5−1〜5−4は、保護対象とする(送信側予備系マックスポンダ6を用いて送信する)クライアント信号束に応じて入力されたクライアント信号のうちの1つを選択して、送信側予備系マックスポンダ6へ入力する。送信側現用系マックスポンダ3−1〜3−Nは、各々に入力された4つのクライアント信号束を多重化して互いに異なる波長の光信号を生成し、送信側WDM(波長分割多重部)4へ入力する。送信側予備系マックスポンダ6は、入力された4つのクライアント信号束をクライアント信号の種別に応じて各々のクライアント収容モードを切り替えて多重化して送信側現用系マックスポンダ3−1〜3−Nとは異なる波長の光信号を生成し、送信側WDM(波長分割多重部)4へ入力する。送信側WDM(波長分割多重部)4に入力された光信号は、送信側WDM4により波長分割多重されて光伝送路経由でノード102へ伝送される。
【0016】
ノード102の受信側WDM(波長分離部)11は、入力された光信号を波長分離し、分離後の光信号を受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−N、受信側予備系マックスポンダ14へそれぞれ入力する。なお、受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−N、受信側予備系マックスポンダ14は各々異なる波長であるため、波長により入力する受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−N、受信側予備系マックスポンダ14を決定することができる。受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−Nは、入力された波長分離信号を4つの信号に分離してクライアント信号束を生成し、受信側光カプラ15−1〜15−4Nのうちの接続される4つに分離したそれぞれの信号を入力する。
【0017】
受信側予備系マックスポンダ14は、入力された波長分離信号を4つの信号に分離してクライアント信号束を生成し、受信側光スイッチ13−1〜13−4へ分離した信号をそれぞれ入力する。受信側光スイッチ13−1〜13−4は、保護対象とする(送信側予備系マックスポンダ6を用いて送信された)クライアント信号束に応じて出力先の受信側光カプラ(受信側光カプラ15−1〜15−4Nのうちの1つ)を選択して、入力された信号を選択した受信側光カプラへ出力する。
【0018】
受信側光カプラ15−1〜15−4Nは、受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−Nと受信側予備系マックスポンダ14のいずれか一方から入力された信号を出力クライアント信号16−1〜16−4Nとしてそれぞれ出力する。なお、受信側光カプラ15−1〜15−4Nにおいて入力される2つの信号が合流時に衝突しないように、受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−Nと受信側予備系マックスポンダ14は、同一の受信側光カプラ15−1〜15−4Nに入力する2つの信号のうちの一方の信号をシャットダウンすることとする。
【0019】
なお、本実施の形態では、4系統のクライアント信号でクライアント信号束を構成する例を説明するが、クライアント信号束を構成するクライアント信号の数は、これに限らずいくつであってもよい。この場合、送信側現用系マックスポンダ3−1〜3−N、送信側予備系マックスポンダ6、受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−Nおよび受信側予備系マックスポンダ14は、それぞれクライアント信号束を構成するクライアント信号の数の入力ポートを備えることとする。また、送信側光カプラ、送信側光スイッチ、受信側光カプラおよび受信側光スイッチの数は、クライアント信号の数に応じた数とする。
【0020】
また、図1では、ノード101の送信部とノード102の受信部を備えているが、ノード101とノード102が、それぞれ送信部と受信部の両方を備えていてもよい。さらに、送信部と受信部を同一のハードウェアで実現し、各々の構成要素が送受両方に対応するようにしてもよい(送信側光カプラ2−1〜2−4N、送信側光スイッチ5−1〜5−4、送信側現用系マックスポンダ3−1〜3−N、送信側予備系マックスポンダ6、送信側WDM6が、それぞれ受信側光カプラ15−1〜15−4N、受信側光スイッチ13−1〜13−4、受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−N、受信側予備系マックスポンダ14、受信側WDM11の機能も有する)。
【0021】
図2は、本実施の形態の予備系マックスポンダの構成例を示す図である。図2に示した予備系マックスポンダは、送信側予備系マックスポンダ6と受信側予備系マックスポンダ14の両方の機能を有する場合の構成例を示している。
【0022】
本実施の形態では、入力されるクライアント信号は、STM(Synchronous Transport Module)−64、10GbE信号のいずれかであるとする。また、ノード101とノード102間の伝送では、OTNフレーム(例えばOTU(Optical Transform Unit)2フレーム)として光信号が送信されるとする。
【0023】
なお、同一のクライアント信号を構成するクライアント信号のインタフェース種別は互いに異なっていてもよいし同一でもよい。ここでは、クライアント信号は、STM−64信号、10GbE信号のうちのいずれかとしたが、これら以外のインタフェース種別のクライアント信号が含まれていてもよい。図1の例では、入力クライアント信号1−1,1−2がSTM−64信号であり、入力クライアント信号1−3,1−4が10GbE信号である場合を示している。
【0024】
図2を用いて本実施の形態の動作を説明する。まず、送信時の動作を説明する。XFPモジュール21−1〜21−4には、送信側光スイッチ5−1〜5−4経由で4系統のクライアント信号が入力される。XFP(10 Gigabit Small Form Factor Pluggable)モジュール21−1〜21−4は、入力されたクライアント信号をシリアル電気信号に変換し、SerDes(Serializer/Deserializer)22−1〜22−4にそれぞれ出力する。
【0025】
SerDes22−1〜22−4は、入力されたシリアル電気信号をパラレル電気信号に変換して接続するクライアント信号終端回路(Client Term)23−1〜23−4へ出力する。クライアント信号終端回路23−1〜23−4は、入力されたクライアント信号のインタフェース種別に応じた信号終端処理を実施して低位ペイロードデータを生成してOTN多重化回路24へ出力し、また、インタフェース種別に応じたクロック抽出回路により入力されたクライアント信号に基づいてクライアントクロックを抽出してそれぞれクライアントPLL回路(PLL(Phase Lock Loop))28−1〜28−4へ出力する。
【0026】
クライアントPLL回路28−1〜28−4は、クライアント信号終端回路23−1〜23−4によって抽出されたクライアントクロックに対してジッタ抑圧等の処理施し、前それぞれ22−1〜22−4に出力される。SerDes22−1〜22−4は、入力されたクライアントクロックに基づきシリアルパラレル変換処理を行う。
【0027】
OTN多重化回路24は、入力された低位ペイロードデータを各々インタフェース種別に応じた多重化処理等を実施して、クライアント信号(低位ペイロードデータ)を収容した低位フレームを生成して、高位OTNペイロード処理回路(HO(Higher Order) OPU(Optical channel Payload Unit)3/HO ODU(Optical Data Unit)3 Mapper)25へ出力される。
【0028】
図3、4は、OTN多重化回路24が生成する低ペイロードデータのフレーム構成の一例を示す図である。図3は、クライアント信号がSTM−64信号である場合にクライアント信号をITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector) G.709に基づくLO(Low Order) ODU2フレームに収容した例を示し、図4は、クライアント信号が10GbE信号である場合にクライアント信号をLO(Low Order) ODU2フレームに収容した例を示している。なお、ここでは、低位フレームとして、LO ODU2フレームの構成例を示したが、低位フレームの構成はこれに限らず、ODTU23、ODTUG3等であってもよく、低位フレームの構成に限定はない。
【0029】
高位OTNペイロード処理回路25は、入力された低位フレームに対して警報監視処理を含む所定の処理を行って高位OTNペイロードデータを生成して、伝送FEC(Forward Error Correction)処理回路26へ出力する。また、高位OTNペイロード処理回路25は、独立して生成された伝送クロックを伝送PLL回路(PLL)29へ出力する。伝送クロックの生成方法は、クライアント信号からクロックを抽出する方法以外であれば(すなわち、クライアント信号とは独立に生成する方法であれば)どのような生成方法でもよい。伝送FEC処理回路26は、高位OTNペイロードデータに対して送信側の誤り訂正符号処理を実施して伝送パラレル電気信号としてWDMトランシーバ(40G WDM Tranceiver)27へ出力する。
【0030】
図5は、低位フレームを多重して収容する高位フレームの構成例を示す図である。図5は、高位フレームがOTU3V-10%のITU−T G.709に基づくHO OPU3フレームである場合の構成例を示している。高位OTNペイロード処理回路25は、図5のHO OTU3V−10% FEC(FEC)の部分を除いた部分を生成し、伝送FEC処理回路26が図5のHO OTU3V−10% FEC(FEC)の部分を生成する。なお、ここでは、高位フレームとして、HO ODU3フレームの構成例を示したが、高位フレームの構成はこれに限らず、HO OPU3等であってもよく、高位フレームの構成に限定はない。
【0031】
伝送PLL回路29は、入力された伝送クロックに対してジッタ抑圧等の処理を行い、WDMトランシーバ27へ入力する。WDMトランシーバ27は、入力された伝送クロックに基づき伝送パラレル電気信号に対してパラレルシリアル変換および電気光変換を実施して、所定の波長のWDM伝送信号光として出力する。
【0032】
以上の動作により4系統のクライアント信号が終端多重化され、WDM伝送信号光として出力され、WDM4経由で受信側へ伝送される。
【0033】
次に、受信時の動作を説明する。受信時には、信号の流れが送信時となる。まず、WDMトランシーバ27は、WDM11から入力されたWDM伝送信号光をシリアルパラレル変換および光電気変換を行ってパラレル電気信号として、伝送FEC処理回路26へ入力する。伝送FEC処理回路26は、入力されたパラレル電気信号に対して受信側の誤り訂正符号処理を実施して高位OTNペイロード処理回路25へ出力する。
【0034】
高位OTNペイロード処理回路25は、伝送FEC処理回路26からパラレル電気信号として入力される高位フレームに基づいて警報監視処理を含む所定の処理を実施して、高位OTNペイロードデータを抽出し、OTN多重化回路24へ出力する。OTN多重化回路24は、高位OTNペイロードデータを低位フレームに分離して、分離した低位フレームを対応するクライアント信号終端回路23−1〜23−4へそれぞれ出力する。
【0035】
クライアント信号終端回路23−1〜23−4は、低位フレームに対してクライアント信号の種別に応じた終端処理を実施してそれぞれ接続するSerDes22−1〜22−4へ出力する。SerDes22−1〜22−4は、入力されたパラレル電気信号をシリアル電気信号に変換して、接続するXFP21−1〜21−4へそれぞれ出力する。
【0036】
XFP21−1〜21−4は、入力されたシリアル電気信号をクライアント信号に変換して、出力する。
【0037】
本実施の形態では、上述のように、クライアントクロックを生成する各々の系統のクライアントPLL回路28−1〜28−4と伝送PLL回路29とがすべて独立して動作する。このため、クライアント信号の収容モード(予備系マックスポンダが収容するクライアント信号のインタフェース種別に対応するモード)を変更してもクライアントクロックに伝送信号用のクロックが影響されることはなく、また、クライアント信号間の干渉なしに、4つのクライアント信号の収容モードをそれぞれ独立したタイミングで個別に切替えることが可能である。
【0038】
なお、送信側現用系マックスポンダ3−1〜3−N、受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−Nの構成に特に限定はないが、図2で示した予備系マックスポンダの構成と同様としてもよい。ただし、送信側現用系マックスポンダ3−1〜3−N、受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−Nは、クライアントPLL回路28−1〜28−4と伝送PLL回路29と独立して備える必要はなく、また4つのクライアント信号をインタフェース種別をそれぞれ独立して設定できるようにする必要はない(例えば、4つともインタフェース種別が固定されていてもよいし、4つまとめてインタフェース種別を変更するような形態でもよい)。
【0039】
次に、本実施の形態の収容モード切換え制御方法について説明する。図6は、本実施の形態の高位フレームの詳細構成例を示す図である。図7は、本実施の形態の収容モード切換え制御手順の一例を示す図である。
【0040】
一般に、障害時等のノード間の収容モード切替えに関する情報の授受には、たとえば、OTNフレームのOH領域のAPSバイトを用いることができる。図3に示したLO ODU2 OH内のAPS(Automatic Protection Switching)バイトを用いることができる。このAPSバイトは、Request/state、Protection type、Requested Signal、Bridged Signalを示すビットを含んでいる。
【0041】
例えば、このAPSバイトこのRequest/stateの部分にSF(Signal Fail)等の切替え要因/要求状態を、Protection typeの部分に切替えタイプ(N:1の切替えあるか、1+1の切替えであるか等の情報)を、Requested Signalに切替え要求波長番号を、Bridged Signalの部分に送信側にてブリッジした波長番号をそれぞれ格納して通知することで、ノード間の切替え制御を行うことができる。
【0042】
ここでは、送信側現用系マックスポンダ3−1〜3−N、受信側現用系マックスポンダ12−1〜12−Nが、従来と同様にAPSバイトを用いてAPSメッセージにより切替え要因/要求状態を通知することとする。
【0043】
本実施の形態では、さらに、高位フレームのOHビットを待機中の予備系マックスポンダの収容モードの選択のために用いる。図6に示したHO ODU3フレームのFA(Frame Alignment) OHには、フレームの開始位置を示す6バイトのフレーム・アライメント信号(FAS)が格納される。その後の、1バイトは、マルチフレーム・アライメント信号(MFAS)の領域として定義されている。マルチフレーム・アライメント信号は、フレーム毎に0x00、0x01、0x02、…、0xFE、0xFF、0x00と常に循環的にインクリメントされていくカウンタ値が収納されており、このカウンタ値を利用して複数のフレームを連ねることによりマルチフレームを構成する場合に使用される。本実施の形態では、MFASの領域の8ビットのうち、6ビット目から8ビット目の値がすべて「1」(b111)の場合のマルチフレームAPSバイトを用いて予備系マックスポンダの収容モード変更制御を行う。なお、ここでは、MFASの6ビット目から8ビット目の値がすべて「1」になる場合のマルチフレームAPSバイトにより予備系マックスポンダの収容モード変更制御を行うようにしたが、HO ODU3フレームの他のフレームあるいはマルチフレームOH領域を用いて収容モード変更制御を行うようにしてもよい。
【0044】
図7では、本実施の形態の送信部および受信部を備えたノード(Node)Aと、本実施の形態の送信部および受信部を備えたノード(Node)Zと、が通信を行っている例を示している。通常時には、ノードAおよびノードZは、APSバイトのRequest/stateの部分にNR(No Request)を格納したNRフレームを送信している(ステップS1,ステップS2)。
【0045】
次に、ノードAからノードZへの伝送路中にある波長で障害が発生し(ステップS3)、ノードZの受信部が、障害を検出する(ステップS4)。この障害の検出はどのような方法で行ってもよいが、例えば、定期的に受信するフレームが所定の時間以上未受信となった場合に障害を検出したと判断する。
【0046】
ノードZの受信部は、送信部に障害を検出した波長とともに障害発生を通知し、送信部は、障害を検出した波長番号情報を格納した波長を格納した「SF 1,0」フレームをノードZへ送信する。「SF 1,0」フレームは、APSバイトのRequest/stateの部分にSFが発生し相手に切替えを要求することを示す。
【0047】
ノードAの受信部は、「SF 1,0」フレームを受信する(ステップS5)と、「SF 1,0」フレームにより通知された波長に対応するクライアント信号束が送信側予備系マックスポンダ6へ出力されるように、送信側光スイッチ5−1〜5−4の切替えを実施し(ステップS6)、送信側予備系マックスポンダ6の各系統(XFP21−1〜21−4にそれぞれ対応する4つの系統)の収容モードの切替えを実施する。また、ノードAの送信部は、障害による切替が行われたことを示す「RR 1,1」フレームをノードZへ送信する。以上の送信側光スイッチ5−1〜5−4の切替えおよび「RR 1,1」フレームの送信は、送信側光スイッチ5−1〜5−4の切替えの所要時間や収容モードの切替えの所要時間に比べ十分に短時間(例えば10ms以内)に、すなわちほぼ同時に行われる。
【0048】
なお、送信側予備系マックスポンダ6の収容モードの切替には、上述の「RR 1,1」フレームまでの時間よりも時間を要する場合がある。また、送信側予備系マックスポンダ6の収容モードの切替を行っている系統では一定時間低位フレームを生成できない場合がある。このため、例えば、低位フレームを用いてAPS制御を行っている場合、「RR 1,1」フレームの送信が遅れる等の遅延が発生する可能性があるが、本実施の形態では、高位フレームのOHを用いてAPS制御を行うため、このような問題は生じない。すなわち、送信側予備系マックスポンダ6の収容モードの切替を行っている間もAPS制御シーケンスを継続できる。
【0049】
また、送信側予備系マックスポンダ6が収容モードの切替前の待機状態において各系統がどのようなモードに設定されていたか否かにより、収容モードの切替の所要時間が異なる。例えば、4系統のうち2系統が切替前の待機状態と切替後で、収容モードが同一である場合には、2系統については切替を実施せずそのままのモードで通信が継続でき、他の2系統のみ再構成(切替)を行えば良いことになる。例えば、クラアント信号束のうち優先度の高いクライアント信号束がある場合、そのクライアント信号束に合わせて待機中の送信側予備系マックスポンダ6および受信側予備系マックスポンダ14の収容モードを設定しておくと収容モードの切替を実施せず(収容モード切替に伴う付加的な通信断なく)そのままのモードで通信が継続できる。また、優先するクライアント束うち優先するクライアント信号を例えば1番目と2番目のポートとする等と決めておき、待機中の送信側予備系マックスポンダ6および受信側予備系マックスポンダ14の1番目と2番目のポートを当該クライアント束の収容モードにあわせておくこともできる。このような待機中のポートの設定の合意(収容モードの設定制御)は上述のマルチフレームAPSバイトを用いて行ってもよいし、全く別系統の制御監視用通信路で行ってもよく、あるいはネットワーク建設時に固定的に取り決めておいてもよい。
【0050】
なお、図7では、収容モード切替の所要時間を白から黒へ色が変わる長方形で示しており、4系統のうち2系統は収容モードの切替が必要となった例を示している。
【0051】
ノードZでは、「RR 1,1」フレームを受信する(ステップS7)と、受信側予備系マックスポンダ14の収容モードの切替を実施する。そして、ノードZは、反対方向に同様に構成された送信側光スイッチ5−1〜5−4の切替えおよび送信側予備系マックスポンダ6の収容モードの切替を実施し(ステップS8)、障害による切替が行われたことを示す「SF 1,1」フレームをノードAへ送信する(ステップS9)。以上の処理により、送信側予備系マックスポンダ6および受信側予備系マックスポンダ14の収容モードの変更(クライアント信号のインタフェース種別の変更)を除く、双方向の送信部および受信部の切替え処理が完了する。
【0052】
そして、ノードAは、「RR 1,1」フレームの受信から送信側予備系マックスポンダ6の収容モードの変更の所要時間または送信側光スイッチ5−1〜5−4の切替えの所要時間のうち大きい方の所要時間以上の時間が経過した後に、受信側光スイッチ13−1〜13−4の切替えを実施する。
【0053】
また、ノードZは、「SF 1,1」フレームの受信から送信側予備系マックスポンダ6の収容モードの変更の所要時間または送信側光スイッチ5−1〜5−4の切替えの所要時間のうち大きい方の所要時間以上の時間が経過した後に、受信側光スイッチ13−1〜13−4の切替えを実施する。以上の手順により、受信部および収容モードの切替も含む全体の切替処理が終了する。
【0054】
なお、ここでは、ノードZは、「SF 1,1」フレームの受信から送信側予備系マックスポンダ6の収容モードの変更の所要時間または送信側光スイッチ5−1〜5−4の切替えの所要時間のうち大きい方の所要時間が経過した後に、受信側光スイッチ13−1〜13−4の切替えを実施するようにしたが、「SF 1,0」フレームを受信してから送信側予備系マックスポンダ6の収容モードの変更の所要時間または送信側光スイッチ5−1〜5−4の切替えの所要時間のうち大きい方の所要時間が経過した後に、受信側光スイッチ13−1〜13−4の切替えを実施するようにしてもよい。また、同様に、ノードZは、「SF 1,1」フレームの受信と同時または短い時間内で送信側光スイッチ5−1〜5−4および収容モードの切替えを行ったが、「SF 1,0」フレームの受信と同時または短い時間内で送信側光スイッチ5−1〜5−4および収容モードの切替えを行うようにしてもよい。
【0055】
ノードA,ノードZでは、送信側予備系マックスポンダ6および受信側予備系マックスポンダ14における収容モードの切替えの完了をクライアント信号系統ごとに各々観測し、送信側光スイッチ5−1〜5−4の切替を観測結果に基づいてクライアント信号系統ごとに独立して行うようにしてもよい。
【0056】
また、ノードA,ノードZでは、送信側予備系マックスポンダ6および受信側予備系マックスポンダ14における収容モードの切替えの系統ごとの所要時間に基づいて送信側光スイッチ5−1〜5−4の切替をクライアント信号系統ごとに独立して行うようにしてもよい。例えば、図7の例で、「SF 1,0」フレームと「SF 1,1」フレームとでは、前記マルチフレームAPSバイト、若しくは前記マルチフレームAPSバイトとは別のマルチフレームバイトを用いて切替対象として異なる系統を指示し、2回の切替えで全切替処理を完了するようにしてもよい。
【0057】
このように、本実施の形態では、予備系マックスポンダがクライアント信号の系統ごとに独立に収容モードを設定できるようにした。そのため、マックスポンダを用いてクライアントインタフェースを多重収容する場合に、収容モードの切替えの必要のない系統については、一例として数ms程度の光スイッチによる経路切替時の瞬断のみで、収容モード切替のために付加的な時間を費やすことなく、1波の冗長波長による冗長切替を実施することができる。さらに、障害復旧時間の短縮を実現することができる。
【符号の説明】
【0058】
1−1〜1−4N クライアント信号
2−1〜2−4N 送信側光カプラ
3−1〜3−N 送信側現用系マックスポンダ
4 送信側WDM
5−1〜5−4 送信側光スイッチ
6 送信側予備系マックスポンダ
11 受信側WDM
12−1〜12−N 受信側現用系マックスポンダ
13−1〜13−4 受信側光スイッチ
14 受信側予備系マックスポンダ
15−1〜15−4N 受信側光カプラ
16−1〜16−4N 出力クライアント信号
21−1〜21−4 XFPモジュール
22−1〜22−4 SerDes
23−1〜23−4 クライアント信号終端回路
24 OTN多重化回路
25 高位OTNペイロード処理回路
26 伝送FEC処理回路
27 WDMトランシーバ
28−1〜28−4 クライアントPLL回路
29 伝送PLL回路
101,102 ノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
M(Mは2以上の整数)系統で1つの信号束を形成するM×N(Nは1以上の整数)系統のクライアント信号に対してN:1プロテクションの伝送を行う光ネットワークシステムであって、
前記クライアント信号は複数の種別の信号を含むこととし、
前記クライアント信号をクライアント信号の種別に応じた所定の送信側処理を含む多重化処理により前記信号束ごとに多重化信号を生成し、多重化信号ごとに異なる波長の現用系光信号に変換する送信側現用系マックスポンダと、
前記クライアント信号の系統ごとに、前記クライアント信号を現用系信号と冗長信号の2系統に分岐する送信側光カプラと、
N束の前記信号束の各々1系統の前記冗長信号のうちから各々1系統を選択してM系統の予備系クライアント信号として出力するM並行の送信側光スイッチと、
M系統の前記予備系クライアント信号に対して当該信号の種別に応じた所定の送信側処理を含む多重化処理により多重化信号を生成し、多重化信号を前記現用系光信号と異なる波長の予備系光信号に変換し、前記所定の送信側処理において前記種別に対応する収容モードを設定することにより前記種別に応じた処理を行い、前記収容モードを系統ごとに独立に設定可能とする送信側予備系マックスポンダと、
を備える送信側光冗長切替え装置と、
前記現用系光信号と前記予備系光信号とを波長多重し、波長多重信号を光伝送路へ送出する第1のWDM装置と、
前記光伝送路から入力される波長多重信号を波長分離して波長分離信号とする第2のWDM装置と、
前記波長分離信号のうち前記現用系光信号に対して、前記クライアント信号の種別に応じた所定の受信側処理を含む分離処理により出力クライアント信号を生成する受信側現用系マックスポンダと、
前記波長分離信号のうち前記予備系信号に対して、前記クライアント信号の種別に応じた所定の受信側処理を含む分離処理により出力クライアント信号を生成し、前記所定の受信側処理において前記種別に対応する収容モードを設定することにより前記種別に応じた処理を行い、前記収容モードを系統ごとに独立に設定可能とする受信側予備系マックスポンダと、
前記クライアント信号の系統ごとに備えられ、前記受信側予備系マックスポンダ装置が生成した出力クライアント信号と受信側現用系マックスポンダ装置が生成した出力クライアント信号とを光学的に合流させる受信側光カプラと、
前記受信側予備系マックスポンダが生成した出力クライアント信号の出力先として、前記送信側光スイッチが選択した系統に対応する受信側光カプラを選択し、選択した受信側光カプラに対して前記受信側予備系マックスポンダが生成した出力クライアント信号を出力する受信側光スイッチと、
を備える受信側光冗長切替え装置と、
を備えることを特徴とする光ネットワークシステム。
【請求項2】
前記送信側予備系マックスポンダは、前記多重化処理を行う際に用いる伝送クロックを前記クライアント信号により抽出したクロックとは独立に生成する、ことを特徴とする請求項1に記載の光ネットワークシステム。
【請求項3】
前記送信側予備系マックスポンダおよび前記受信側予備系マックスポンダは、前記予備系信号に関する処理を実施していない待機時の収容モードを系統ごとに任意に設定できる、ことを特徴とする請求項1または2に記載の光ネットワークシステム。
【請求項4】
前記第1のおよび受信側光冗長切替え装置は、収容モードの切替え制御に係る通知をITU−T G.709に基づく多重フレームにおける高位フレームのオーバヘッドバイトを用いて行う、ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の光ネットワークシステム。
【請求項5】
前記光ネットワークシステムは、前記送信側光冗長切替え装置としての機能と受信側光冗長切替え装置としての機能とを有する第1の冗長切替え装置と、前記送信側光冗長切替え装置としての機能と受信側光冗長切替え装置としての機能とを有し前記第1の冗長切替え装置と対向する第2の冗長切替え装置と、を備え、
前記第2の冗長切替え装置は、前記第1の冗長切替え装置との間の経路での障害の発生を検出した場合、前記障害の発生を通知する第1の通知を前記第1の冗長切替え装置へ送信し、
前記第1の冗長切替え装置は、前記第1の通知を受信した後、前記収容モードの変換時間および前記送信側光スイッチの切替え時間より短い時間内で、前記送信側光スイッチの切替え、前記送信側予備系マックスポンダの収容モードの切替え、および前記第1の通知に対する応答である第2の通知の前記第2の冗長切替え装置への送信、を行う、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の光ネットワークシステム。
【請求項6】
前記第2の冗長切替え装置は、前記第2の通知を受信した後、前記収容モードの変換時間および前記送信側光スイッチの切替え時間より短い時間内で、前記送信側光スイッチの切替え、前記送信側予備系マックスポンダの収容モードの切替え、および障害に伴う切替が完了したことを通知する第3の通知の前記第1の冗長切替え装置への送信、を行う、ことを特徴とする請求項5に記載の光ネットワークシステム。
【請求項7】
前記第2の冗長切替え装置は、前記第2の通知を受信してから前記収容モードの変換時間および前記送信側光スイッチの切替え時間より長い時間待機した後、前記受信側光スイッチの切替えを行う、ことを特徴とする請求項5または6に記載の光ネットワークシステム。
【請求項8】
前記第1の冗長切替え装置は、前記第1の通知を受信してから、前記収容モードの変換時間および前記送信側光スイッチの切替え時間より長い時間待機した後、前記受信側光スイッチの切替えを行う、ことを特徴とする請求項5、6または7に記載の光ネットワークシステム。
【請求項9】
前記光ネットワークシステムは、前記送信側光冗長切替え装置としての機能と受信側光冗長切替え装置としての機能とを有する第1の冗長切替え装置と、前記送信側光冗長切替え装置としての機能と受信側光冗長切替え装置としての機能とを有し前記第1の冗長切替え装置と対向する第2の冗長切替え装置と、を備え、
前記第2の冗長切替え装置は、前記第1の冗長切替え装置との間の経路での障害の発生を検出した場合、前記障害の発生を通知する第1の通知を前記第1の冗長切替え装置へ送信し、
前記第1の冗長切替え装置は、前記第1の通知を受信した後、前記第1の通知に対する応答である第2の通知の前記第2の冗長切替え装置への送信、を行う、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の光ネットワークシステム。
【請求項10】
前記第2の冗長切替え装置は、前記第2の通知を受信してから前記収容モードの変換時間および前記送信側光スイッチの切替え時間より長い時間待機した後、前記受信側光スイッチの切替えを行う、ことを特徴とする請求項9に記載の光ネットワークシステム。
【請求項11】
前記第2の冗長切替え装置は、前記第2の通知を受信した後、前記収容モードの変換時間および前記送信側光スイッチの切替え時間より短い時間内で、前記送信側光スイッチの切替え、前記送信側予備系マックスポンダの収容モードの切替え、および障害に伴う切替が完了したことを通知する第3の通知の前記第1の冗長切替え装置への送信、を行う、ことを特徴とする請求項9または10に記載の光ネットワークシステム。
【請求項12】
前記第1の冗長切替え装置は、前記第3の通知を受信した後、前記収容モードの変換時間および前記送信側光スイッチの切替え時間より短い時間内で、前記送信側光スイッチの切替え、前記送信側予備系マックスポンダの収容モードの切替え、を行う、ことを特徴とする請求項11に記載の光ネットワークシステム。
【請求項13】
前記第1の冗長切替え装置は、前記第3の通知を受信してから、前記収容モードの変換時間および前記送信側光スイッチの切替え時間より長い時間待機した後、前記受信側光スイッチの切替えを行う、ことを特徴とする請求項11または12に記載の光ネットワークシステム。
【請求項14】
前記第1の光冗長切替え装置および前記第2の光冗長切替え装置は、
障害を検出したクライアント信号束に対応する前記受信側現用系マックスポンダに設定されている収容モードと、前記送信側予備系マックスポンダおよび前記受信側予備系マックスポンダにおける待機時に設定されている収容モードと、をクライアント信号系統ごとに比較し、収容モードが一致した系統については、収容モードの再設定は行わないことを特徴とする請求項5〜13のいずれか1つに記載の光ネットワークシステム。
【請求項15】
前記第1の光冗長切替え装置および前記第2の光冗長切替え装置は、
前記送信側予備系マックスポンダおよび前記受信側予備系マックスポンダにおける収容モードの切替えの完了をクライアント信号系統ごとに各々観測し、前記送信光スイッチの切替を観測結果に基づいてクライアント信号系統ごとに独立して行う、ことを特徴とする請求項に5〜14のいずれか1つに記載の光ネットワークシステム。
【請求項16】
前記第1の光冗長切替え装置および前記第2の光冗長切替え装置は、
前記送信側予備系マックスポンダおよび前記受信側予備系マックスポンダにおける収容モードの切替えの系統ごとの所要時間に基づいて前記送信光スイッチの切替をクライアント信号系統ごとに独立して行う、ことを特徴とする請求項に5〜14のいずれか1つに記載の光ネットワークシステム。
【請求項17】
M(Mは2以上の整数)系統で1つの信号束を形成するM×N(Nは1以上の整数)系統のクライアント信号に対してN:1プロテクションの伝送を行う光ネットワークシステムにおけるWDM装置であって、
前記クライアント信号は複数の種別の信号を含むこととし、
前記クライアント信号をクライアント信号の種別に応じた所定の送信側処理を含む多重化処理により前記信号束ごとに多重化信号を生成し、多重化信号ごとに異なる波長の現用系光信号に変換する送信側現用系マックスポンダと、
前記クライアント信号の系統ごとに、前記クライアント信号を現用系信号と冗長信号の2系統に分岐する送信側光カプラと、
N束の前記信号束の各々1系統の前記冗長信号のうちから各々1系統を選択してM系統の予備系クライアント信号として出力するM並行の送信側光スイッチと、
M系統の前記予備系クライアント信号に対して当該信号の種別に応じた所定の送信側処理を含む多重化処理により多重化信号を生成し、多重化信号を前記現用系光信号と異なる波長の予備系光信号に変換し、前記所定の送信側処理において前記種別に対応する収容モードを設定することにより前記種別に応じた処理を行い、前記収容モードを系統ごとに独立に設定可能とする送信側予備系マックスポンダと、
を備える送信側光冗長切替え装置と、
前記現用系光信号と前記予備系光信号とを波長多重し、波長多重信号を光伝送路へ送出する第1のWDM部と、
前記光伝送路から入力される他の前記WDM装置から送信された波長多重信号を波長分離する第2のWDM部と、
前記波長分離信号のうち前記現用系光信号に対して、前記クライアント信号の種別に応じた所定の受信側処理を含む分離処理により出力クライアント信号を生成する受信側現用系マックスポンダと、
前記波長分離信号のうち前記予備系信号に対して、前記クライアント信号の種別に応じた所定の受信側処理を含む分離処理により出力クライアント信号を生成し、前記所定の受信側処理において前記種別に対応する収容モードを設定することにより前記種別に応じた処理を行い、前記収容モードを系統ごとに独立に設定可能とする受信側予備系マックスポンダと、
前記クライアント信号の系統ごとに備えられ、前記受信側予備系マックスポンダ装置が生成した出力クライアント信号と受信側現用系マックスポンダ装置が生成した出力クライアント信号とを光学的に合流させる受信側光カプラと、
前記受信側予備系マックスポンダが生成した出力クライアント信号の出力先として、前記送信側光スイッチが選択した系統に対応する受信側光カプラを選択し、選択した受信側光カプラに対して前記受信側予備系マックスポンダが生成した出力クライアント信号を出力する受信側光スイッチと、
を備える受信側光冗長切替え装置と、
を備えることを特徴とするWDM装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−195782(P2012−195782A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−58424(P2011−58424)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】