説明

光バースト交換式(OpticalBurstSwitched:OBS)通信ネットワークにおける仮想的光学経路の監視のためのスイッチシステム及び方法

本発明は、光バースト交換式(Optical Burst Switched:OBS)通信ネットワークにおける光バーストスイッチを提供し、前記光バーストスイッチは、リングネットワークに配置された、トラフィックデータが物理的光学経路を介してノード間で送信及び/又は受信されることを可能にする、ある通信ノードから複数の他の通信ノードへの仮想的光学経路のメッシュを監視し、維持するための手段を備える。スイッチはまた、OBS通信ネットワークにおいて、あるノードから他のそれぞれのノードに仮想的経路上のデータパケットプローブを送信するための手段も備え、前記スイッチにおいて受信されたデータパケットプローブ情報は、ノード間でトラフィックデータを送信するための物理的光学経路の利用可能性についての情報をもたらす。スイッチは、この経路監視が、経路の故障又は低下を監視するイベントにおける保護スイッチ50ms未満を保証するレートでスケジューリングされるように構成可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、波長アドレス光バースト交換通信ネットワークにおける通信チャネル又は光学経路の存在の監視に関する。
【発明に対する背景】
【0002】
利用可能性が高く、ロバスト及びスケーラブルな電気通信インフラの供給と関連する多くの層が存在する。情報の交換及び輸送は、このようなネットワークが、地理的な遠距離にわたって効率的なサービス提供をするために支持する必要があるアトミック機能のうちの2つである。従来から、これらの機能は、個別の交換(イーサネットシリコンスイッチ、ATMスイッチ、SDHクロスコネクトなど)や、高帯域幅ポイントツーポイント輸送パイプ(例えば、10G及び40G WDM、並びにDWDMの技術)を使用して行われている。
【0003】
従来の分布型フィードバックレーザの置換技術として同調可能レーザの出現で、フレキシブル光回路を支持する性能が、知られているファイバ容量内に物理的チャネルを供給する、より動的な供給中心手段を可能にしている。実際、次世代の光バースト交換式(optical burst switched:OBS)ネットワークにおいては、光パケット交換/輸送(optical packet switch and transport:OPST)性能をもたらす能力が、光伝送ネットワークにおいて仮想的に接続されたエンドポイント間の効率的且つ効果的な情報の交換及び輸送の手段となっており、このようなネットワークは、通常、リングトポロジ及び波長アドレスバーストを用いる。このような構成において、物理的に接続されたリングは、ソースレーザから放出される光の波長が前記仮想的スイッチのポート間で仮想的経路を創出する分布型スイッチを構成する。「The Optical Switching Revival: Rebuilding Optical Networks for Packets」(Heavy Reading、7巻、第3号、2009年3月)と題する最近の論文には、この仮想的スイッチ概念が開示されており、次世代の光バースト交換式(OBS)ネットワークは、それに向かって進んでいる。
【0004】
従来の回路交換式電気通信システムは、情報の放出及び受信に恒久的に利用可能な固定専用通信チャネルに基づいて動作する。このような通信経路の完全性は、いくつかの異なるスキームにおいて監視され、例えば、SONET\SDHは、Trace Identifier Mismatch(TIM)を生成するために使用されるJ0、J1、J2を、電気通信規格G709は、Trail Trace Identifier(TTI)を、IP\MPLSは、Bidirectional Forwarding Detection(BFD)を、及び/又はEthernetは、新生の802.1ag\Y1731を有する。これらのスキームにおいては、情報量子が、情報交換の目的でチャネルの連続性を確実にする手段としてシステム内に特定のプローブパケットを介して放出され、ただし、この場合のチャネルは、ネットワークの端末機器内に埋め込まれた、より高いレベルの通信機能間の連続性及び接続性チェックのためのメッセージング又はより高いレベルのエンティティである。
【0005】
OBS通信ネットワークは、一般的な場合、非同期的な時間的方法で物理的チャネルにアクセスする。すなわち、通信チャネルへのアクセスは、いずれのシステムタイミング境界にも合わせられず、ただし、このようなアクセスは、動的トラフィック負荷によって導出される。実際のOBSネットワークにおいては、物理的輸送インフラに対する、提案されているアクセス機構の高い非周期的性質により、ネットワークの高レベルの制御機能は、このようなインフラを使用する前に、すべてのリンク及び経路の利用可能性を完全に分かっているような物理的プラントの状態について可視性を連続ベースで有することを確実にする必要性がある。ネットワークにおける所与の経路が使用される前に、長い周期の非活動が存在し得る非同期的OBSネットワークにおいて、無警報の故障が起きないこと、及び非同期的、非周期的なOBS経路が時間限界ベースでプロービングされることは、システムの高い利用可能性への重大な要求である。無警報の故障は、OBS経路上の長い周期の非活動が起こり得ることにより、経路の故障が、データの損失により検出されない状況を示す。提案されているように、このような決定論的機構なしでは、いずれのOBSベースの伝送ネットワークも、無警報の故障イベントを起こしやすく、キャリアクラスの展開に対する弾力性不足を起こしやすい。
【0006】
Dense Wavelength Decision Multiplex技術に基づいた光通信システムは、波長依存の性能を示す。波長アドレス光バーストネットワークにおいては、このようなインフラにオーバレイするサービスは、ネットワーク内のすべての波長が、仮想的スイッチ経路全体が無色のままであることを確実にするために、最小レベルの性能を維持することが必要である。無色動作は、このような仮想的スイッチにおける各経路の波長に依存しない性質を示し、すなわち、任意の色が、スイッチの任意の経路上のデータをカートに入れるタスクを実行するように割当て可能である。各経路は、具体的な波長を割り当てられ、ネットワークにおける各ノード又はスイッチは、特定の波長を送信/受信するように構成されている。
【0007】
リングネットワークにおいては、一般に、データは、非同期的な形でこのような仮想的波長アドレススイッチ上にスケジューリングされ、それにより、すべてのノードが、スイッチファブリックに対して公平にアクセスできる。経路監視機能は、デフォルトで、最も高いスケジューリングの優先レベルで、及び周期的な方法で実行される。このタイプのスケジューリングについては、本出願と同一出願人、Intune Networks Limitedによって出願された国際出願PCT2004/040722号によって開示されている。
【0008】
そのため、フレキシブルネットワークサービスの提供に向けて、OBSネットワークと関連する上述の問題を克服する高度に利用可能なネットワークインフラを提供するために、光バースト交換式ネットワークにおける仮想的経路の物理的経路監視を行う必要性が存在する。
【発明の概要】
【0009】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲に示すように、光バースト交換式(OBS)通信ネットワークにおける光バーストスイッチが提供され、前記光バーストスイッチは、
リングネットワークに配置された、トラフィックデータが物理的光学経路を介してノード間で送信及び/又は受信されることを可能にする、ある通信ノードから複数の他の通信ノードへの仮想的光学経路のメッシュを監視し、維持するための手段と、
OBS通信ネットワークにおいて、あるノードから他のそれぞれのノードに仮想的経路上のデータパケットプローブを送信するための手段であって、前記スイッチにおいて受信されたデータパケットプローブ情報が、ノード間でトラフィックデータを送信するための物理的光学経路の利用可能性についての情報をもたらす、手段と
を備える。
【0010】
ネットワークは、光バースト交換式ネットワークに見られるように、物理的チャネルをプロービングし、仮想的光学回路における物理的光学経路の利用可能性の保証をもたらす、優先度が高い非同期的な時間的に制限されたバースト情報の周期的な放出及び/又は受信を用いる。本発明は、リングトポロジネットワークにおける完全なN×Nの仮想的スイッチ経路を実現するため、宛先への光波長分割多重の時間的なバースト及びソース波長アドレス指定を用いる通信ネットワークに特に利用可能である。
【0011】
一実施形態においては、データパケットプローブが、優先度が高い非同期的な時間的に制限されたバースト情報の周期的な放出及び受信を使用して送られる。
【0012】
一実施形態においては、前記プローブ情報が、ソース側保護交換を可能にするように、仮想的スイッチのソース側で生成される。
【0013】
一実施形態においては、仮想的経路が、このような経路によって形成されるN×Nの完全メッシュのスイッチを備えるソースレーザの波長の同調によって形成される。
【0014】
一実施形態においては、物理的経路監視機能が、波長アドレス光バーストによる帯域内にあり、全バースト経路に沿って監視性能を備える。
【0015】
一実施形態においては、仮想的スイッチ上に周期的にスケジューリングされる優先度が最も高いパケットデータの挿入及びフィルタリングは、データパケットプローブ情報に基づいて確定される。
【0016】
一実施形態においては、本発明は、双方向リングトポロジを可能にする第2のリングネットワークを備える。
【0017】
一実施形態においては、スイッチは、分布型光交換ファブリック全体にわたって、優先度が最も高い維持メッセージをスケジューリングする手段を備え、ここでは、ファブリックスイッチが、ソース同調可能レーザの波長を同調することに基づいており、保護機構は、故障が1つのリング上で検出された場合、双方向の経路交換が特定の時間限界内に生じることを可能にする。
【0018】
一実施形態においては、仮想的スイッチの各論理的ポートが、データの転送に向けて、それにとって利用可能な完全接続性の表示を含む。
【0019】
一実施形態においては、各データパケットプローブが、独自の識別子を含む。
【0020】
一実施形態においては、データパケットプローブが、あるノードから別のノードへとデータを送信する前に、ノード間の物理的光学経路の利用可能性についての量的情報のうちの少なくとも1つのパラメータを含む。
【0021】
一実施形態においては、量的情報が、以下のパラメータ、すなわち、光学受信パワー、エラーレート、現在又は既にプロービングされている仮想的経路に関連する動作及び計装データのうちの1つ又は複数を含み、いわゆる「クリア」チャネルを介して、データプレーンからの優先度が高い情報、及び/又は低速な物理的チャネル低下をメッセージングする手段をもたらす。
【0022】
一実施形態においては、前記スイッチは、複数の論理的ポートであって、分布型スイッチの各論理的ポートが、周期的な方法で、分布型スイッチについての仮想的経路維持ベクトルを収集する、論理的ポートと、完全N×N仮想的スイッチについての仮想的経路維持マトリックスを作成するための手段とを備え、前記マトリックスは、すべての論理的ポートベクトルの組合せである、
【0023】
一実施形態においては、各維持ベクトルが、ソースバースト波長に基づいてアドレス指定されるように、スイッチの各ソースと各宛先との間のバイナリ接続性経路マップから成り、ただし、各エントリは、0(利用可能な経路は存在しない)か、又は1(利用可能な経路)かのいずれかである。
【0024】
一実施形態においては、波長アドレス光バーストによる帯域内にあり、全バースト経路に沿って監視性能を備える物理的経路監視機能が提供される。
【0025】
一実施形態においては、分布型スケジューリングシステムによって維持される仮想的経路のそれぞれへの公平なアクセスを行うための手段が提供され、前記スケジューリングシステムが、経路維持に向けて仮想的回路内に挿入されるデータパケットプローブ情報に関する遅延及びジッタ限界を保証する。
【0026】
一実施形態においては、スキャニングが前記データパケットプローブによって実行されることになる順序を規定するための手段が提供される。
【0027】
一実施形態においては、スキャニング順序が、スイッチのポート間のトラフィックの優先度及び負荷に基づいて依存している。
【0028】
一実施形態においては、前記プローブ波長アドレスパケットが、周期的、確定的にソースとなるパケットにより、システムの他の光学経路をプロービングし、このようなデータプレーンが存在しない経路における「無警報」の故障の検出を確実にする。このようなデータプレーンが存在しない経路は、いまだにサービスを始めていない経路である。
【0029】
本発明のさらなる実施形態においては、光バースト交換式(OBS)光ネットワークにおいてデータを送信及び/又は受信するための方法を提供し、方法は
リングネットワークに配置された、トラフィックデータが物理的光学経路を介してノード間で送信及び/又は受信されることを可能にする、ある通信ノードから複数の他の通信ノードへの仮想的光学経路のメッシュを監視し、維持するステップと、
OBS通信ネットワークにおいて、あるノードから他のそれぞれのノードに仮想的経路上のデータパケットプローブを送信するステップであって、スイッチにおいて受信されたデータパケットプローブ情報が、ノード間でトラフィックデータを送信するための物理的光学経路の利用可能性についての情報をもたらす、ステップと
を含む。
【0030】
さらなる実施形態においては、光通信ネットワークにおける光スイッチを提供し、前記光スイッチが、
トラフィックデータが、物理的光学経路を介してノード間で送信及び/又は受信されることを可能にする、ある通信ノードから複数の他の通信ノードへの仮想的光学経路のメッシュを監視し、維持するための手段と、
OBS通信ネットワークにおいて、あるノードから他のそれぞれのノードに仮想的経路上のデータパケットプローブを送信するための手段であって、前記スイッチにおいて受信されたデータパケットプローブ情報が、ノード間でトラフィックデータを送信するための物理的光学経路の利用可能性についての情報をもたらす、手段と
を備える。
【0031】
別の実施形態においては、光バースト交換式(OBS)通信ネットワークにおける光バーストスイッチが提供され、前記光バーストスイッチは、
トラフィックデータが物理的光学経路を介してノード間で送信及び/又は受信されることを可能にする、ある通信ノードから複数の他の通信ノードへの仮想的光学経路のメッシュを監視し、維持するための手段と、
OBS通信ネットワークにおいて、あるノードから他のそれぞれのノードへの仮想的経路上のデータパケットプローブを送信するための手段であって、前記スイッチにおいて受信されたデータパケットプローブ情報が、ノード間でトラフィックデータを送信するための物理的光学経路の利用可能性についての情報をもたらす、手段と
を備える。
【0032】
さらなる実施形態においては、光バースト交換式(OBS)通信ネットワークにおける光バーストスイッチのためのコントローラが提供され、前記コントローラは、
トラフィックデータが物理的光学経路を介してノード間で送信及び/又は受信されることを可能にする、ある通信ノードから複数の他の通信ノードへの仮想的光学経路のメッシュを監視し、維持するための手段と、
OBS通信ネットワークにおいて、あるノードから他のそれぞれのノードへの仮想的経路上のデータパケットプローブを送信するための手段であって、前記スイッチにおいて受信されたデータパケットプローブ情報が、ノード間でトラフィックデータを送信するための物理的光学経路の利用可能性についての情報をもたらす、手段と
を備える。
【0033】
より低速なコンピュータプログラムを介してさらに構成可能であり、プローブパケットを主要なデータ経路と/から、マージ(merge)し/フィルタリングする実質的に高速な自立的プログラム可能ハードウェア論理システムもまた提供され、この方法を実行する前記プログラムは、適切な記録媒体又は読取り専用メモリにおいて実施可能である。
【0034】
本発明は、添付の図面を参照にして、例としてのみ与えられる以下の実施形態の説明からより明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】ソース波長交換及びリングトポロジを使用する既知の光リング通信ネットワークアーキテクチャを示す図である。
【図2】仮想的及び物理的経路を示す光リングネットワークにおける分布型波長アドレススイッチを示す図である。
【図3】双方向のリングネットワークアーキテクチャにおいてプロービングされる仮想的及び物理的経路を示す図である、
【図4】本発明による仮想的及び物理的経路を使用する光リングネットワークにおけるスイッチの動作を示す図である。
【図5】プローブごとに経路利用可能性を示す流れ図である。
【図6】プローブごとに経路利用可能性を示す流れ図である。
【図7】経路利用可能性監視機能が、いかにしてソース交換式保護に適用可能であるかを示した一実施形態を示す図である。
【図面の詳細な説明】
【0036】
次に、図面を、最初に図1を参照すると、いくつかのポート104、105、106、及び107に接続されているいくつかの外部ネットワークインターフェース100、101、102、103を備える既知の光リング通信ネットワークアーキテクチャが示されており、ただし、好ましくは、これらは、所与の宛先ポートをアドレス指定するように波長交換される高速同調可能レーザを含み、リングネットワークに配置されている。ポート104、105、106、及び107は、送信機から受信機に時計回りの形で、例えば光ファイバを使用して、物理的光学経路リンク108によって接続されている。各ポート104、105、106、及び107は、波長アドレス光仮想的経路を介して、互いと通信することが可能である。例として、経路109、110、及び111は、107内に存在する、高速同調可能レーザから送信される異なるバースト波長に基づいて、107から104、107から105、及び107から106の間でセットアップされた経路である。
【0037】
図2を参照すると、リングアーキテクチャ上のこのようないくつかのポート200及び201が示されており、このような分布型波長アドレススイッチ(この場合は、4つのポート)上の支持可能なすべての論理的、仮想的スイッチメッシュ経路が点線で示されている。203及び204は、それぞれ201及び200から送信、又は201及び200によって受信される仮想的経路の群を丸で囲んでいる。示す例においては、λ及びλは、200及び201の側を受け取るように割り当てられており、それにより、これらの波長のみが、これらのそれぞれにおける受信機にドロップ(drop)される。他のすべての波長は、それぞれ200及び201を通過し、それにより、スイッチにおけるあるポートから別のポートへのすべてのトラフィックバーストが、正確な波長割当て受信ポートに直接、「仮想的に」進む。これが、分布型スイッチにおける仮想的経路を構成することである。
【0038】
図3及び図4を参照すると、図3は、双方向のリングトポロジを有する光バースト交換式ネットワークを示している。図4は、本発明による仮想的及び物理的経路を使用する光リングネットワークにおける光バーストスイッチのアーキテクチャを示している。光バーストスイッチは、図2又は図3に示すように、リングネットワークに配置された、データが物理的光学経路を介してノード間で送信及び/又は受信されることを可能にする、あるノードから複数の他の通信ノードへの仮想的光学経路のメッシュを制御する。
【0039】
動作中、スイッチは、光モジュール402(ウォッチドッグ)からのデータパケットプローブ401をクライアントサービスパケットデータ400とマージする。このデータは、スイッチを介して波長割当てブロック404に転送され、高速同調可能レーザ405へと前方へ転送され、それは、双方向の保護リング構成の場合には、光ファイバ412又は413上に時間的に制限されるバーストを放出する。周期的ベースで、前記401プローブパケットは、転送され、スイッチの種々の仮想的ポートに種々の波長(404)を割り当てられ、送信される。
【0040】
図4の下部を参照すると、故障した仮想的経路の検出は、物理的リンクの故障、又は通信チャネルの低下(例えば、ビットエラー数の増加)によってデータパケットプローブから得られる。これは、各仮想的経路のソース側における方法で集められ、ソース側保護交換を物理的経路レベルで支持されることを可能にし、リングネットワークにおける故障経路からのデータは、双方向の経路スイッチリング構成における保護経路に転送される。すなわち、スイッチにおいて受信されるネットワークにおける他のノードから放出されるデータパケットプローブ情報410及び411は、ノード間でデータを送信するための物理的光学経路の利用可能性についての情報をもたらす。効果的には、データパケットプローブ401は、ファイバインフラを管理する等価な手段を輸送する機構をもたらし、ネットワークにおける、より高い層から離れ、エンドポイントツーエンドポイントの接続性を維持又は監視する。データパケットプローブは、光学的連続性、光学的パワー損失、正確なアドレス指定、バースト損失などの、しかしそれらに限定されないパラメータを含むように構成可能であり、それにより、正確な光学的同調が確定可能である。
【0041】
各物理的光学経路は、クライアントサービスの必要としているものが、光学経路を通じてのポート間での転送を求めている場合、データトラフィックによって使用される。各ノード/ポートは、特殊なトラフィック発生器を備え、検出器は、各ノードが、クライアントトラフィックフローから独立してすべての他のノードにトラフィックを送信し、すべてのノードが、クライアントトラフィックフローから独立してすべての他のノードから特殊なトラフィックを受信するように設けられる。スイッチ200、201の動作については、より詳細に後述する。
【0042】
個々の光チャネルを使用してリンクの故障又は低下を監視し、検出する場合とは異なって、この経路監視機能は、波長アドレス光バーストによる帯域内にあり、(電気的及び光学的な)全バースト経路に沿って監視性能を有する。
【0043】
例としては、図3及び図4を参照すると、仮想的経路は、経路が経路故障のイベントにおいて保護される50msの保護交換性能を確保するために利用可能であることを確実にするように、時間限界サイクル時間内に、物理的リングの周りをノードバイノードの形の時計回り又は反時計回り(等価な仮想的スイッチにおける線形にポートバイポート)でスキャニング可能である。このような仮想的経路維持パケットがスイッチファブリック上にスケジューリングされる間の時間は、すべてのソース‐宛先のシグナルが、所与の仮想的スイッチ尺度では50msのサービス停止測定基準を確保できることを確実にするためのものである。80ポート(80ラムダ)スイッチの例では、80個のこのような経路維持パケットについてのスキャニング時間は、好ましくは、5msである。
【0044】
上述のスキャニング機構は、ポートツーポートのトラフィック負荷のものから完全に自立及び独立しており、ゼロ負荷の周期の間、持続し、「無警報」の故障の検出を確実にする。仮想的スイッチポート間のこのスキャニング機構の追加の利点が、スキャニングの順序、ポート設定サイズ、及びレートが完全にプログラム可能であることであり、このようなパラメータは、仮想的スイッチそれ自体の中で異なるパラメータに基づいて設定されることが可能である(例えば、わずかに負荷がかかったポートは、より低速なレートでスキャニング可能である)。これにより、ポート間の重いトラフィック負荷又はトラフィック優先度に基づいて、検出性能のレートの上昇が可能になる。
【0045】
図5及び図6を参照すると、プローブごとの経路利用可能性を示す流れ図が示されている。流れ図は、各経路の入口側及び出口側に関する(すなわち、送信側及び受信側における)論理、並びにソース側交換に対するこれらの閉鎖を概説している。
【0046】
図5において、ステップは、送信側においては以下の通りである。
1.正確なエラーレートで宛先ごとの経路利用可能性フレームを創出することによってフレームを作成する。
2.データ経路についてのフレームをラベル付けし、優先度1としてマーク付けする。
3.データ経路内にフレームをマージし、正確な優先度で正確な宛先にバッファリングする。
4.経路利用可能性フレームは、宛先ノードへBurstファブリック全体にわたって転送される。
【0047】
図6において、ステップは、受信側においては以下の通りである。
1.フレームが、すべてのソース又は宛先から受信される。
2.DataStreamにおいて経路利用可能性フレームを検出し、監視機能に転送する。
3.経路監視機能は、この宛先にトラフィックを送信するソースごとに存在する。
4.経路利用可能性が失われた場合、割込みがシステムに生じる。
【0048】
図7は、経路利用可能性監視機能がいかにして、ソース交換式保護に適用されるかを示している。この適用例は、各ノード上の受信監視機能と、送信経路機能との間のリンクを示している。AからBへの送信される経路利用可能性フレームは、Bがソースとなる経路利用可能性フレームが、Aによって受信された場合、Bと示す。したがって、ノードBは、ノードBからノードAへの経路利用可能性に関する情報を有し、これを保護交換のベースとして使用することが可能であり、すなわち、第2の光バーストファブリックを使用する。
【0049】
仮想的経路のメッシュによって形成される分布型パケットスイッチの、故障又は低下に関する物理的経路の監視のための方法が、バースト波長に基づいて、ノード間の完全N×Nのメッシュ接続性をもたらすことは理解されるであろう。スイッチは、仮想的スイッチ上に周期的にスケジューリングされる優先度が最も高いパケットの挿入及びフィルタリングを可能にし、それにより、前記仮想的経路全体にわたって転送されるトラフィックが存在しない場合であっても、経路の故障又は低下の手段がもたらされる。スイッチのソース側における経路維持情報は、ソース側保護交換を可能にする。
【0050】
スイッチは、光バースト交換式ネットワークに見られるように、物理的チャネルをプロービングし、仮想的光学回路における物理的光学経路の利用可能性の保証をもたらす、優先度が高い非同期的な時間的に制限されたバースト情報の周期的な放出及び受信を用いる。本発明は、リングトポロジネットワークにおける完全なN×Nの仮想的スイッチ経路を実現するため、宛先への光波長分割多重の時間的なバースト及びソース波長アドレス指定を用いる通信ネットワークに特に利用可能である。
【0051】
経路監視機能は、双方向のリングトポロジを有する波長アドレス光バースト交換式ネットワーク全体にわたって、優先度が最も高いパケットをスケジューリングすることによって実行可能であり、その動作については、より詳細に後述する。
【0052】
本実施形態においては、データパケットプローブは、通信終了に対して空きチャネルの帯域幅を生成する性能を有し、それにより、プローブが、制御チャネル故障の場合、制御情報に使用可能であることは理解されるであろう。
【0053】
分布型光交換ファブリック全体にわたって、優先度が最も高い維持メッセージのスケジューリングであって、ファブリックスイッチが、ソース同調可能レーザの波長を同調することに基づいている、スケジューリングは、
保護機構への方法信号が、双方向の経路交換が特定の時間限界内に生じることを可能にし、
分布型スイッチの各論理的ポートが、データ転送に向けて、それに利用可能な完全接続性の表示を有する
2つの面から成る。
【0054】
分布型スイッチの各ポートは、周期的な方法で、分布型スイッチについて仮想的経路維持ベクトルそれ自体を自立的に集め、完全なN×Nスイッチについての仮想的経路維持マトリックスは、すべての論理的ポートベクトルの組合せである。維持ベクトルは、ソースバースト波長に基づいてアドレス指定されるように、スイッチの各ソースと各宛先との間のバイナリ接続性経路マップから成り、ただし、各エントリは、0(利用可能な経路が存在しない)か、又は1(利用可能な経路)かのいずれかである。
【0055】
例として、以下は、仮想的経路接続性マトリックスであり、ただし、行は、スイッチのソース(送信)を示し、列は、スイッチの宛先(受信)を示し、各宛先ポートは、具体的な波長である。(S1、D1)位置における1エントリは、それ自体と通信する送信、すなわち、ループバックを示す。すべての光学経路が利用可能な図2の4つのポート分布型スイッチを参照すると、以下のマトリックス
【表1】


によって表される。
【0056】
ポート2と3との間の経路の故障が存在する場合には、結果として得られる経路接続性マトリックスは、
【表2】


である。
【0057】
仮想的経路のそれぞれへの公平なアクセスが、分布型スケジューリングシステムによって維持される。このようなスケジューリングシステムは、経路維持に向けて仮想的経路内に挿入される経路監視バースト情報に関する遅延及びジッタ限界を保証するように実現される。スイッチファブリック上への公正性は、このような経路維持特徴の含有によって影響を受けない。
【0058】
本発明が、負荷及びトラフィックタイプに基づいて、利用可能性帯域幅性能を最適化し、利用可能性測定基準を維持するために、スイッチの異なる論理的部分全体にわたって、高速及び低速のスキャニング機構を支持する性能をもたらすということは理解されるであろう。
【0059】
仮想的スイッチの波長の数、したがって、仮想的スイッチのポートの数は、理論上は無制限であるが、好ましい実施形態においては、波長の数は、ITU DWDM対応のネットワークに日常的に見られるように、40又は80波長である。
【0060】
本発明はまた、スキャニングが、所与のスキャニング周期内で実行又は繰り返されることになる順序を規定する手段も提供する。例として、このスキャニング順序は、スイッチのポート間のトラフィックの優先度及び負荷に基づいて決定可能である。
【0061】
本発明の別の実施形態においては、フォトニックサブシステムにおける各受動光スプリッタで複製されるプローブ波長アドレスパケットが、周期的、確定的にソースとなるパケットによりシステムの他の光学経路をプロービングし、このようなデータプレーンが存在しない経路において「無警報」の故障の検出を確実にする。
【0062】
適切には、このようなプローブパケットは、波長アドレス光バーストスイッチシステムの衝突防止サブシステムにおける波長依存の経路をプロービングする手段をもたらす。
【0063】
好ましくは、プローブパケットは、パケットのタイプに関連する情報、すなわち、現在又は既にプロービングされている仮想的経路に関連する動作及び計装データを含むいくつかのフィールドを含み、或いは各分布型スイッチポートにデータプレーンからの優先度が高い情報をメッセージングする手段をもたらす。このようなメッセージングチャネルは、宛先側情報(例えば、受信光パワー、チャネルビットエラーレート)がソースに戻ってメッセージングされることを可能にし、送信バーストのソース側最適化(例えば、送信パワーの上昇、又はデータバーストのソース側事前チャープの増加)を可能にする。
【0064】
図面を参照して説明した本発明における実施形態は、コンピュータ装置及び/又はコンピュータ装置において実行される処理を含む。しかし、本発明はまた、コンピュータプログラム、特に、本発明を実施させるように構成されているキャリア上、又はキャリア内に記憶されたコンピュータプログラムにも及ぶ。プログラムは、部分的にコンパイルされた形態など、ソースコードの形態であっても、オブジェクトコードの形態であっても、又はソースとオブジェクトコードとの中間コードの形態であっても、或いは本発明による方法の実装形態において使用するのに適している任意の他の形態であってもよい。キャリアは、ROM、例えばCD ROMなどの記憶媒体、或いは磁気記録媒体、例えばフロッピディスク又はハードディスクを備えることも可能である。キャリアは、電気ケーブル又は光ケーブル、或いは無線又は他の手段を介して伝送可能な電気信号であっても、光信号であってもよい。
【0065】
本発明は、本明細書に前述した実施形態に限定されず、構造及び詳細の両方において多様であり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光バースト交換式(Optical Burst Switched:OBS)通信ネットワークにおける光バーストスイッチであって、
リングネットワークに配置された、トラフィックデータが物理的光学経路を介してノード間で送信及び/又は受信されることを可能にする、ある通信ノードから複数の他の通信ノードへの仮想的光学経路のメッシュを監視し、維持するための手段と、
前記OBS通信ネットワークにおいて、あるノードから他のそれぞれのノードに仮想的経路上のデータパケットプローブを送信するための手段であり、前記スイッチにおいて受信されたデータパケットプローブ情報が、ノード間でトラフィックデータを送信するための前記物理的光学経路の利用可能性についての情報をもたらす、手段と
を備える、光バーストスイッチ。
【請求項2】
前記データパケットプローブが、優先度が高い非同期的な時間的に制限されたバースト情報の周期的な放出及び/又は受信を使用して送られる、請求項1に記載の光バーストスイッチ。
【請求項3】
前記プローブ情報が、ソース側保護交換を可能にするように、仮想的スイッチのソース側で生成される、請求項1又は2に記載の光バーストスイッチ。
【請求項4】
前記仮想的経路が、このような経路によって形成されるN×Nの完全メッシュのスイッチを備えるソースレーザの波長の同調によって形成される、請求項1〜3のいずれ一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項5】
物理的経路監視機能が、波長アドレス光バーストによる帯域内にあり、全バースト経路に沿って監視性能を備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項6】
仮想的スイッチ上に周期的にスケジューリングされる優先度が最も高いパケットデータの挿入及びフィルタリングは、データパケットプローブ情報に基づいて確定される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項7】
双方向リングトポロジを可能にする第2のリングネットワークを備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項8】
分布型光交換ファブリック全体にわたって、優先度が最も高い維持メッセージをスケジューリングするための手段であって、前記ファブリックスイッチがソース同調可能レーザの波長を同調することに基づいた、手段と、
このような維持メッセージの受信が無いことに基づいて、故障が1つのリングネットワーク上で検出された場合、双方向の経路交換が特定の時間限界内に生じることを可能にする保護機構と
を備える、請求項7に記載の光バーストスイッチ。
【請求項9】
各ノードにおける前記スイッチが、データの転送に向けて、前記ネットワークにおける他のすべてのノードに利用可能な完全接続性の表示を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項10】
各データパケットプローブが、独自の識別子を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項11】
前記データパケットプローブが、あるノードから別のノードへとデータを送信する前に、ノード間の物理的光学経路の利用可能性についての量的情報のうちの少なくとも1つのパラメータを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項12】
前記量的情報が、以下のパラメータ、すなわち、光学受信パワー、物理的チャネルエラーレート、現在又は既にプロービングされている仮想的経路に関連する動作及び計装データのうちの1つ又は複数を含み、データプレーンにおける優先度が高い「クリア」チャネルをメッセージングする手段をもたらす、請求項11に記載の光バーストスイッチ。
【請求項13】
前記スイッチは、複数の論理的ポートであって、前記分布型スイッチの各論理的ポートが、周期的な方法で、前記スイッチについての仮想的経路維持ベクトルを受け取る、論理的ポートと、完全N×N仮想的スイッチについての仮想的経路維持マトリックスを作成するための手段とを備え、前記マトリックスは、すべての論理的ポート維持ベクトルの組合せである、請求項1〜12のいずれ一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項14】
各維持ベクトルが、ソースバースト波長に基づいてアドレス指定されるように、前記スイッチの各ポートと各宛先との間のバイナリ接続性経路マップを含み、ただし、各エントリが0(利用可能な経路は存在しない)か、又は1(利用可能な経路)かのいずれかである、請求項13に記載の光バーストスイッチ。
【請求項15】
物理的経路監視機能が、前記波長アドレス光バーストによる帯域内にあり、前記全バースト経路に沿って監視性能を備える、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項16】
分布型スケジューリングシステムによって維持される仮想的経路のそれぞれへの公平なアクセスを行うための手段を備え、前記スケジューリングシステムが、経路維持に向けて仮想的回路内に挿入される前記データパケットプローブ情報に関する遅延及びジッタ限界を保証する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項17】
スキャニングが前記データパケットプローブによって実行されることになる順序を規定するための手段を備える、請求項1〜16のいずれか一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項18】
前記スキャニング順序が、スイッチのポート間のトラフィックの優先度及び負荷に基づいて依存している、請求項17に記載の光バーストスイッチ。
【請求項19】
前記プローブ波長アドレスパケットが、周期的、決定論的なソースパケットにより、前記システムの他の光学経路をプロービングし、このようなデータプレーンが存在しない経路における「無警報」の故障の検出を確実にする、請求項1〜18のいずれか一項に記載の光バーストスイッチ。
【請求項20】
光バースト交換式(OBS)光ネットワークにおいてデータを送信及び/又は受信するための方法であって、
リングネットワークに配置された、トラフィックデータが物理的光学経路を介してノード間で送信及び/又は受信されることを可能にする、ある通信ノードから複数の他の通信ノードへの仮想的光学経路のメッシュを監視し、維持するステップと、
OBS通信ネットワークにおいて、あるノードから他のそれぞれのノードに仮想的経路上のデータパケットプローブを送信するステップであって、スイッチにおいて受信されたデータパケットプローブ情報がノード間でトラフィックデータを送信するための前記物理的光学経路の利用可能性についての情報をもたらす、ステップと
を含む、方法。
【請求項21】
コンピュータに、請求項20の方法を実行させるためのプログラム命令を含む、コンピュータプログラム。
【請求項22】
記録媒体において実施可能な、請求項21に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2013−511181(P2013−511181A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538344(P2012−538344)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【国際出願番号】PCT/EP2010/067377
【国際公開番号】WO2011/058135
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.ETHERNET
【出願人】(510063122)インチューン ネットワークス リミテッド (3)
【氏名又は名称原語表記】Intune Networks Limited
【Fターム(参考)】