説明

光パケット送受信装置および光パケット受信装置

【課題】光パケット間レベル差が大きい場合でも、光パケットを適切に受信する。
【解決手段】光レベル情報が付加された光パケットを受信する光パケット受信装置14は、入力された光パケットのヘッダに付加された光レベル情報に応じて、該光パケットを第1〜第4出力ポートOP1〜OP4のいずれかに出力する光スイッチ部21と、光スイッチ部21の第1〜第4出力ポートOP1〜OP4に設けられた第1〜第4可変光減衰器23a〜23dと、その後段に設けられた光カプラ28と、光カプラ28から出力された光パケットを受信する光受信器30とを備える。第1〜第4可変光減衰器23a〜23dは、出力される光パケットのピークパワーが所定の受信可能範囲R内となるようにそれぞれの減衰量が設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光パケット信号に付与された経路情報に従って光スイッチを切り替えることにより、光パケット単位でのパケット交換を可能とする光パケット交換方式に関する。
【背景技術】
【0002】
波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)を用いた光伝送システムにおいて、波長選択スイッチ(WSS:wavelength selective switch)等を用いることで、波長単位のパス切替を行う技術が実用化されている。その次の技術として、切替を行う単位を例えばIPパケット(10GEther(10 Gigabit Ethernet(登録商標))信号等)一つ一つという細かい単位とし、各々を光パケットという形式に変換して、超高速の光スイッチで方路切り替えを行う光パケット交換方式が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
IPパケットはデータが存在しない間は有意な情報が転送されておらず、その分だけ帯域が無駄になっているが、光パケット交換方式が実現すれば、データが存在しない時間帯を別のパケットが占有できることになる。従って、光パケット交換方式は、伝送路の帯域利用効率を飛躍的に高める可能性があり、将来の技術として有望視されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−235986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光パケット交換方式においては、光パケット毎にパケット長が変わるので、光信号が存在する時間帯と、存在しない時間帯とがある。ここでは、光信号が存在する比率を表す指標として、「パケット密度」を定義する。パケット密度は、パケット長/パケット間隔で定義される。
【0006】
光パケット交換システムにおいては、光パケット送信装置で光パケットを出力する際、パケット密度に応じて出力される光パケットのピークパワーが変動する。従って、光パケット交換システムの光受信器は、様々なピークパワーを有する光パケットを受信することが要求される。なお、本明細書でいう「ピークパワー」とは、光信号が「1」のときの光パワーレベルを意味する。
【0007】
図1は、光受信器に入力される光パケット信号の一例を示す。図1は、ピークパワーが大きな光パケット♯1の後に、ピークパワーの小さな光パケット♯2が入力されることを示している。隣接する光パケット♯1と光パケット♯2の間隔を「光パケット間隔」と呼ぶ。また、隣接する光パケット♯1と光パケット♯2間のピークパワー差を「光パケット間レベル差」と呼ぶ。光受信器は、通常、光パケット間隔が短く且つ光パケット間レベル差が大きい場合、適切な受信処理を行うことが難しくなる。この点について以下説明する。
【0008】
図2は、光受信器の構成の一例を示す。図2に示すように、光受信器100は、PIN−PD102と、プリアンプ104と、カップリングコンデンサ105と、リミッタアンプ106と、G−VCO108と、バンドパスフィルタ110と、Dフリップフロップ112と、アンプ114と、コンデンサ116とを備える。
【0009】
光受信器100に入力された光パケット信号は、PIN−PD102で電気信号に変換された後、プリアンプ104にて増幅される。プリアンプ104は、差動出力のプリアンプである。プリアンプ104から出力されたパケット信号は、カップリングコンデンサ105を介してリミッタアンプ106で増幅される。リミッタアンプ106から出力されたパケット信号は、G−VCO108と、Dフリップフロップ112とに入力される。
【0010】
G−VCO(Gated Voltage-Controlled-Oscillator)108は、発振したクロックの位相を入力されたパケット信号の位相に合わせ、バンドパスフィルタ110に出力する。バンドパスフィルタ110から出力されたクロックは、アンプ114で増幅された後、コンデンサ116を介して差動クロックA,Bとして出力される。G−VCO108、バンドパスフィルタ110、アンプ114、およびコンデンサ116は、タイミング抽出回路を構成している。
【0011】
Dフリップフロップ112には、リミッタアンプ106からのパケット信号(データ)と、アンプ114からのクロックとが入力される。Dフリップフロップ112は、パケット信号を識別再生した後、データA,Bとして出力する。
【0012】
ここで、図1に示すようにピークパワーの大きな光パケット♯1のすぐ後にピークパワーの小さな光パケット♯2が光受信器100に入力されると、光パケット♯1の電荷がコンデンサ116から抜けきるのに時間がかかるため、光パケット♯2からのクロック抽出が難しくなる。その結果、Dフリップフロップ112に入力されるデータとクロックの位相が不定となり、光パケット♯2の識別再生を行うことができなくなる可能性がある。
【0013】
図3は、ピークパワーの大きな光パケットの後にピークパワーの小さな光パケットが入力された場合に、ピークパワーの小さな光パケットが受信不可となる光パケット間隔と、光パケット間レベル差の関係を示す。例えば、光パケット間隔が25nsのときに、光パケット間レベル差が3dB以上あると、後続のピークパワーの小さな光パケットは、光受信器で受信することができない。
【0014】
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、光パケット間レベル差が大きい場合でも、光パケットを適切に受信できる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の光パケット送受信装置は、光レベル情報が付加された光パケットを送信する光パケット送信装置と、光パケットを受信する光パケット受信装置とを備える。光パケット受信装置は、入力された光パケットのヘッダに付加された光レベル情報に応じて、該光パケットを複数の出力ポートのいずれかに出力する光スイッチ部と、光スイッチ部の各出力ポート毎に設けられた複数の光減衰器であって、出力される光パケットのピークパワーが所定の受信可能範囲内となるようにそれぞれの減衰量が設定された複数の光減衰器と、複数の光減衰器の後段に設けられた光カプラと、光カプラから出力された光パケットを受信する光受信器とを備える。
【0016】
光スイッチ部は、光パケットの光レベルと、光パケットの出力ポートとを対応付けたテーブルを備え、該テーブルを参照して入力された光パケットの出力ポートを判定してもよい。
【0017】
光減衰器は可変光減衰器であり、光パケット受信装置は、各可変光減衰器から出力された光パケットのピークパワーを検出する光レベルモニタと、光レベルモニタにより検出されたピークパワー情報に基づいて、各可変光減衰器から出力される光パケットのピークパワーが受信可能範囲内となるように各可変光減衰器の減衰量を制御する減衰量制御部と、を備えてもよい。
【0018】
光パケット受信装置は、光受信器で受信した光パケットのビットエラーレートを検出するBER検出部をさらに備えてもよい。減衰量制御部は、ピークパワー情報に加え、BER検出部により検出されたビットエラーレート情報に基づいて可変光減衰器の減衰量を制御してもよい。
【0019】
本発明の別の態様は、光パケット受信装置である。この装置は、光レベル情報が付加された光パケットを受信する光パケット受信装置であって、入力された光パケットのヘッダに付加された光レベル情報に応じて、該光パケットを複数の出力ポートのいずれかに出力する光スイッチ部と、光スイッチ部の各出力ポート毎に設けられた複数の光減衰器であって、出力される光パケットのピークパワーが所定の受信可能範囲内となるようにそれぞれの減衰量が設定された複数の光減衰器と、複数の光減衰器の後段に設けられた光カプラと、光カプラから出力された光パケットを受信する光受信器とを備える。
【0020】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を装置、方法、システム、プログラム、プログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、光パケット間レベル差が大きい場合でも、光パケットを適切に受信できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】光受信器に入力される光パケット信号の一例を示す図である。
【図2】光受信器の構成の一例を示す図である。
【図3】ピークパワーの小さな光パケットが受信不可となる光パケット間隔と、光パケット間レベル差の関係を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る光パケット送受信装置を示す図である。
【図5】光パケット送信装置の構成を説明するための図である。
【図6】光パケットのフォーマットの一例を示す図である。
【図7】光パケット受信装置の構成を説明するための図である。
【図8】光レベルと出力ポートとを対応付けたテーブルの一例を示す図である。
【図9】減衰器制御部の制御を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
【0024】
図4は、本発明の実施形態に係る光パケット送受信装置10を示す。図4に示すように、光パケットを送信する第1〜第4光パケット送信装置12a〜12dと、第1〜第4光パケット送信装置12a〜12dからの光パケットを受信する光パケット受信装置14とを備える。
【0025】
図5は、光パケット送信装置の構成を説明するための図である。図5に示すように、光パケット送信装置12は、入力されたクライアント信号にヘッダを付与して電気信号のパケットを生成するパケット生成部16と、パケット生成部16にて生成されたパケットを光パケットに変換して出力する電気/光変換部18とを備える。
【0026】
パケット生成部16は、パケットのヘッダにパケット長情報を付与するパケット長情報付加部20と、パケットのヘッダに光レベル情報を付加する光レベル情報付加部22とを備える。光レベル情報付加部22で付加する光レベル情報は、電気信号のパケットが電気/光変換部18で光パケットに変換されたときのピークパワーである。上述したように、光パケットのピークパワーは、パケット密度に応じて変動する。パケット生成部16ではパケット密度が分かるので、電気信号の段階で電気/光変換後の光パケットのピークパワーを推定できる。例えば、光レベル情報付加部22は、光パケットの光レベルを「特大」、「大」、「中」、「小」の4つのレベルに分類し、その情報をヘッダに付与する。
【0027】
図6は、光パケットのフォーマットの一例を示す。光パケットは、図6に示すように、ユーザ領域であるデータと、データの前に設けられたヘッダとから構成されている。ヘッダは、光レベル情報と、パケット長情報とを有する。なお、図6には図示していないが、ヘッダには、光パケット交換を行うための宛先情報や、光パケットの送信元情報などが含まれてもよい。
【0028】
図7は、光パケット受信装置の構成を説明するための図である。図7に示すように、光パケット受信装置14は、光スイッチ部21と、第1〜第4可変光減衰器23a〜23dと、第1〜第4光分岐カプラ24a〜24dと、第1〜第4光レベルモニタ26a〜26dと、光カプラ28と、光受信器30と、BER検出部32と、減衰器制御部34とを備える。
【0029】
光スイッチ部21は、4つの入力ポート(第1〜第4入力ポートIP1〜IP4)と、4つの出力ポート(第1〜第4出力ポートOP1〜OP4)と、解析部36とを備える。本実施形態において、第1入力ポートIP1には第1光パケット送信装置12aからの光パケットが入力され、第2入力ポートIP2には第2光パケット送信装置12bからの光パケットが入力され、第3入力ポートIP3には第3光パケット送信装置12cからの光パケットが入力され、第4入力ポートIP4には第4光パケット送信装置12dからの光パケットが入力される。
【0030】
光スイッチ部21は、第1〜第4入力ポートIP1〜IP4に入力された光パケットのヘッダに付加された光レベル情報に応じて、該光パケットを第1〜第4出力ポートOP1〜OP4のいずれかに出力する。
【0031】
解析部36は、第1〜第4入力ポートIP1〜IP4に入力された光パケットのヘッダを解析し、光レベル情報およびパケット長情報を抽出する。解析部36は、光パケットの光レベルと、光パケットの出力ポートとを対応付けたテーブルを備え、該テーブルを参照して入力された光パケットの出力ポートを判定する。図8は、光レベルと出力ポートとを対応付けたテーブルの一例を示す。図8に示すように、光レベルが「特大」の光パケットは第1出力ポートOP1に出力され、光レベルが「大」の光パケットは第2出力ポートOP2に出力され、光レベルが「中」の光パケットは第3出力ポートOP3に出力され、光レベルが「小」の光パケットは第1出力ポートOP4に出力される。なお、パケット長情報は、光スイッチ部21が光パケットの最後尾を判定するために用いられる。
【0032】
第1〜第4出力ポートOP1〜OP4の後段にはそれぞれ、第1〜第4可変光減衰器23a〜23dが設けられており、入力された光パケットを減衰させる。各第1〜第4可変光減衰器23a〜23dの減衰量は、減衰器制御部34により制御される。
【0033】
第1〜第4可変光減衰器23a〜23dの後段にはそれぞれ、第1〜第4光分岐カプラ24a〜24dが設けられている。第1〜第4光分岐カプラ24a〜24dはそれぞれ、入力された光パケットを分岐し、一方を第1〜第4光レベルモニタ26a〜26dに出力し、他方を光カプラ28に出力する。
【0034】
第1〜第4光レベルモニタ26a〜26dはそれぞれ、入力された一方の光パケットのピークパワーを検出する。検出されたピークパワー情報は、減衰器制御部34に入力される。
【0035】
光カプラ28は、第1〜第4光分岐カプラ24a〜24dの後段に設けられており、入力された他方の光パケットを多重化する。
【0036】
光受信器30は、光カプラ28から出力された光パケットを受信し、等化増幅(Reshaping)、リタイミング(Retiming)、識別再生(Regenerating)等の所定の受信処理を行う。光受信器30の構成は、例えば図2に示す光受信器100と同様であってよい。
【0037】
BER検出部32は、光受信器30で受信した各光パケットのビットエラーレートを検出する。BER検出部32で検出された各光パケットのビットエラーレート情報は、減衰器制御部34に入力される。
【0038】
次に、図7を用いて、本実施形態に係る光パケット送受信装置10の動作について説明する。ここでは、第3光パケット送信装置12cから出力された光パケット♯1が光スイッチ部21の第3入力ポートIP3に入力され、第4光パケット送信装置12dから出力された光パケット♯2が光スイッチ部21の第3入力ポートIP4に入力され、第1光パケット送信装置12aから出力された光パケット♯3が光スイッチ部21の第1入力ポートIP1に入力され、第2光パケット送信装置12bから出力された光パケット♯4が光スイッチ部21の第2入力ポートIP2に入力される場合を考える。光パケットが光スイッチ部21には、光パケット♯1、♯2、♯3、♯4の順で入力される。また、光パケット♯1の光レベルは「特大」であり、光パケット♯2の光レベルは「中」であり、光パケット♯3の光レベルは「大」であり、光パケット♯4の光レベルは「小」である。光パケット♯1〜♯4を光カプラで多重化した場合、光パケット♯1の直後の光パケット♯2は、光パケット間レベル差が大きいため、通常の光受信器では受信できないとする。また、光パケット♯3の直後の光パケット♯4は、光パケット間レベル差が大きいため、通常の光受信器では受信できないとする。
【0039】
光スイッチ部21の解析部36は、入力された各光パケット♯1〜♯4のヘッダを解析し、光レベル情報およびパケット長情報を抽出する。そして、図8に示すテーブルを参照して、各パケットの出力ポートを選択する。具体的には、第3入力ポートIP3に入力された光パケット♯1は、光レベル情報が「特大」であるので、第1出力ポートOP1から出力される。第4入力ポートIP4に入力された光パケット♯2は、光レベル情報が「中」であるので、第3出力ポートOP3から出力される。第1入力ポートIP1に入力された光パケット♯3は、光レベル情報が「大」であるので、第2出力ポートOP2から出力される。第2入力ポートIP2に入力された光パケット♯4は、光レベル情報が「小」であるので、第4出力ポートOP4から出力される。
【0040】
第1〜第4出力ポートOP1〜OP4から出力された各光パケットは、第1〜第4可変光減衰器23a〜23dに入力される。ここで、本実施形態においては、減衰器制御部34は、各第1〜第4可変光減衰器23a〜23dから出力される光パケットのピークパワーが所定の受信可能範囲R内となるように各第1〜第4可変光減衰器23a〜23dの減衰量を制御する。受信可能範囲Rは、その範囲内であれば後段の光受信器30で適切に受信できるという範囲である。
【0041】
図9は、減衰器制御部の制御を説明するための図である。装置の起動直後においては、入力される光パケットのピークパワーが正確には分からない場合がある。そのような場合、減衰器制御部34は、以下の手順により減衰量を設定する。ここでは、第1可変減衰器23aを例として説明する。
【0042】
(1)まず、1つ目の光パケットについては、減衰させずにそのまま第1可変減衰器23a通過させる。
【0043】
(2)1つ目の光パケットのピークパワーが第1光レベルモニタ26aにより検出される。
【0044】
(3)減衰器制御部34は、検出された1つ目の光パケットのピークパワー情報に基づいて、第1可変減衰器23aの減衰量を制御する。具体的には、1つ目の光パケットのピークパワーが受信可能範囲R内か否かを判定し、受信可能範囲R内ではない場合には、1つ目の光パケットのピークパワーを受信可能範囲R内とするのに必要な減衰量を計算する。そして、第1可変減衰器23aをその減衰量となるよう制御する。一方、受信可能範囲R内である場合は、そのままの減衰量(すなわち、減衰なし)で問題ないので、減衰量を維持する。
【0045】
(4)次に入力された光パケットは、第1可変減衰器23aにより設定された減衰量だけ減衰される。光スイッチ部21により、第1出力ポートOP1から出力されてくる光パケットは光レベルが「特大」のものに限定されているので、次の光パケットのピークパワーを受信可能範囲R内とすることができる。第1光レベルモニタ26aによるピークパワーのモニタリングは常時行われ、ピークパワーが受信可能範囲Rを超えた場合には、再度減衰量の設定が行われる。
【0046】
以上のような減衰量の制御が第2〜第4可変光減衰器23b〜23dについても同様に行われる。これにより、第1〜第4可変光減衰器23a〜23dから出力される光パケット♯1〜♯4のピークパワーは、受信可能範囲R内となる。
【0047】
図7に戻り、第1〜第4可変光減衰器23a〜23dから出力された光パケット♯1〜♯4は、第1〜第4光レベルモニタ26a〜26dを介して光カプラ28に入力される。光カプラ28は、光パケット♯1〜♯4を多重化し、光受信器30に出力する。光受信器30に入力される光パケット♯1〜♯4は、ピークパワーが受信可能範囲R内となっており、光パケット間レベル差が低減されているので、光受信器30は、光パケット♯1〜♯4を適切に受信できる。
【0048】
受信可能範囲Rは、光受信器30の性能によってことなるので、実験やシミュレーションにより適宜設定すればよい。
【0049】
減衰器制御部34は、BER検出部32により検出されたビットエラーレート情報に基づいて第1〜第4可変光減衰器23a〜23dの減衰量を制御してもよい。具体的には、減衰器制御部34は、ビットエラーレートが減少するように第1〜第4可変光減衰器23a〜23dの減衰量をフィードバック制御する。これにより、第1〜第4可変光減衰器23a〜23dの減衰量を適切な値に設定でき、良好な受信状態を維持することができる。
【0050】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せによりいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0051】
例えば、光スイッチ部21の各出力ポートから出力される光パケットのピークパワーが予め大体分かっており、殆ど変動しないという場合には、第1〜第4可変光減衰器23a〜23dの減衰量は固定であってよい。さらに、この場合には可変光減衰器である必要はなく、減衰量が固定の減衰器であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10 光パケット送受信装置、 12 光パケット送信装置、 14 光パケット受信装置、 16 パケット生成部、 18 電気/光変換部、 20 パケット長情報付加部、 21 光スイッチ部、 22 光レベル情報付加部、 28 光カプラ、 30 光受信器、 32 BER検出部、 34 減衰器制御部、 36 解析部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光レベル情報が付加された光パケットを送信する光パケット送信装置と、
光パケットを受信する光パケット受信装置と、を備える光パケット送受信装置であって、
前記光パケット受信装置は、
入力された光パケットのヘッダに付加された光レベル情報に応じて、該光パケットを複数の出力ポートのいずれかに出力する光スイッチ部と、
前記光スイッチ部の各出力ポート毎に設けられた複数の光減衰器であって、出力される光パケットのピークパワーが所定の受信可能範囲内となるようにそれぞれの減衰量が設定された複数の光減衰器と、
複数の前記光減衰器の後段に設けられた光カプラと、
前記光カプラから出力された光パケットを受信する光受信器と、
を備えることを特徴とする光パケット送受信装置。
【請求項2】
前記光スイッチ部は、光パケットの光レベルと、光パケットの出力ポートとを対応付けたテーブルを備え、該テーブルを参照して光パケットの出力ポートを判定することを特徴とする請求項1に記載の光パケット送受信装置。
【請求項3】
前記光減衰器は可変光減衰器であり、
前記光パケット受信装置は、
各可変光減衰器から出力された光パケットのピークパワーを検出する光レベルモニタと、
前記光レベルモニタにより検出されたピークパワー情報に基づいて、各可変光減衰器から出力される光パケットのピークパワーが前記受信可能範囲内となるように各可変光減衰器の減衰量を制御する減衰量制御部と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光パケット送受信装置。
【請求項4】
前記光パケット受信装置は、
前記光受信器で受信した光パケットのビットエラーレートを検出するBER検出部をさらに備え、
前記減衰量制御部は、ピークパワー情報に加え、前記BER検出部により検出されたビットエラーレート情報に基づいて前記可変光減衰器の減衰量を制御することを特徴とする請求項3に記載の光パケット送受信装置。
【請求項5】
光レベル情報が付加された光パケットを受信する光パケット受信装置であって、
入力された光パケットのヘッダに付加された光レベル情報に応じて、該光パケットを複数の出力ポートのいずれかに出力する光スイッチ部と、
前記光スイッチ部の各出力ポート毎に設けられた複数の光減衰器であって、出力される光パケットのピークパワーが所定の受信可能範囲内となるようにそれぞれの減衰量が設定された複数の光減衰器と、
複数の前記光減衰器の後段に設けられた光カプラと、
前記光カプラから出力された光パケットを受信する光受信器と、
を備えることを特徴とする光パケット受信装置。
【請求項6】
前記光スイッチ部は、光パケットの光レベルと、光パケットの出力ポートとを対応付けたテーブルを備え、該テーブルを参照して入力された光パケットの方路切替を行うことを特徴とする請求項5に記載の光パケット受信装置。
【請求項7】
前記光減衰器は可変光減衰器であり、
各可変光減衰器から出力された光パケットのピークパワーを検出する光レベルモニタと、
前記光レベルモニタにより検出されたピークパワー情報に基づいて、各可変光減衰器から出力される光パケットのピークパワーが前記受信可能範囲内となるように各可変光減衰器の減衰量を制御する減衰量制御部と、
を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の光パケット受信装置。
【請求項8】
前記光受信器で受信した光パケットのビットエラーレートを検出するBER検出部をさらに備え、
前記減衰量制御部は、ピークパワー情報に加え、前記BER検出部により検出されたビットエラーレート情報に基づいて前記可変光減衰器の減衰量を制御することを特徴とする請求項7に記載の光パケット受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−249170(P2012−249170A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120710(P2011−120710)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000237662)富士通テレコムネットワークス株式会社 (682)
【Fターム(参考)】