光ビーム制御装置及び光造形装置
【課題】 装置構成が簡単で、レーザビームのビーム径及び焦点位置を高速で変更する。
【解決するための手段】 外部より入射されたレーザビームの焦点位置及びビーム径を変更するための光ビーム制御装置12は、レーザビームのビーム径及び焦点位置を変更するためのレンズと、レンズを直接的あるいは間接的に担持し、外部からの駆動制御信号に基づいてレーザビームLの光軸方向に直動するボイスコイル部を有するボイスコイルモータ21と、ボイスコイル部を支持するとともに、当該ボイスコイル部の直動をガイドする案内部23と、レンズ位置を検出し、位置検出信号を出力するエンコーダ24と、を備える。
【解決するための手段】 外部より入射されたレーザビームの焦点位置及びビーム径を変更するための光ビーム制御装置12は、レーザビームのビーム径及び焦点位置を変更するためのレンズと、レンズを直接的あるいは間接的に担持し、外部からの駆動制御信号に基づいてレーザビームLの光軸方向に直動するボイスコイル部を有するボイスコイルモータ21と、ボイスコイル部を支持するとともに、当該ボイスコイル部の直動をガイドする案内部23と、レンズ位置を検出し、位置検出信号を出力するエンコーダ24と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ビーム制御装置及び光造形装置に係り、特に、光ビームとしてレーザビームを用いる光ビーム制御装置及び光造形装置において、ビーム径および焦点位置を高速で制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、三次元形状の物体を造形する手法として、光硬化樹脂を用いた光硬化造形法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
光硬化造形法では、例えば、造形対象形状の等高断面に対応させて光硬化性樹脂の液面にレーザビームを走査させつつ照射する。するとレーザビームが照射された光硬化成樹脂の液面が光硬化され、断面硬化層が形成される。光硬化造形法ではこのようにして断面硬化層を形成すると同時に、新たに形成される断面硬化層が先に形成されている断面硬化層に積層一体化されるように三次元的に連続的に造形を行う。このようにすることにより、断面硬化層が積層一体化されて全体として造形対象の形状を有する三次元物体が造形されることとなっていた。
【特許文献1】特開昭56−144478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、光硬化樹脂にレーザビームを照射するに際しては、ビーム径と焦点位置を同時に制御する必要があるが、従来の光硬化造形装置においては、焦点位置を制御する焦点位置制御装置を構成し、この焦点位置制御装置全体をレーザビームの光軸方向に駆動する構成を採っていたため、高速でビーム径を変更することはできないという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、装置構成が簡単で、レーザビームのビーム径及び焦点位置を高速で変更することが可能な光ビーム制御装置およびこの光ビーム制御装置を用いた光造形装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、外部より入射されたレーザビームの焦点位置及びビーム径を変更するための光ビーム制御装置は、レンズと、前記レンズを直接的あるいは間接的に担持し、外部からの駆動制御信号に基づいて前記光ビームの光軸方向に直動するボイスコイル部を有するボイスコイルモータと、前記ボイスコイル部を支持するとともに、当該ボイスコイル部の直動をガイドするガイド部材と、前記レンズ位置を検出し、位置検出信号を出力するエンコーダと、を備えたことを特徴としている。
【0005】
上記構成によれば、ボイスコイルモータのボイスコイル部は、レンズを直接的あるいは間接的に担持し、外部からの駆動制御信号に基づいて光ビームの光軸方向に直動する。
このとき、ガイド部材は、ボイスコイル部を支持するとともに、当該ボイスコイル部の直動をガイドする。
さらにこれと並行して、エンコーダは、レンズ位置を検出し、位置検出信号を出力する。
【0006】
この場合において、前記ボイスコイル部は、前記ガイド部材に支持されるとともに、コイルが巻回された円筒形状のボビンを有し、前記レンズは、前記ボビン内に担持されているようにしてもよい。
【0007】
また、前記エンコーダは、前記ボイスコイル部の直動に連動して直動するスケールと、前記スケールを読み取って前記位置検出信号を出力するエンコーダヘッドと、を備えるようにしてもよい。
【0008】
さらに、前記ビーム径に対応する前記レンズの位置を基準位置とし、前記焦点位置に応じて前記レンズの位置を前記基準位置から所定距離移動させるようにしてもよい。
【0009】
また、光造形装置は、レーザビームを出射するレーザビーム出射装置と、上記光ビーム制御装置と、前記光ビーム制御装置を通過したレーザビームを集光する対物レンズと、レーザビームを走査するためのスキャナ部と、造形対象の三次元形状に対応する造形データおよび前記位置検出信号に基づいて、前記駆動制御信号を出力する造形コントローラと、を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、レーザビーム出射装置は、レーザビームを光ビーム制御装置に出射する。
これにより、造形コントローラは、造形対象の三次元形状に対応する造形データに基づいて、駆動制御信号を光ビーム制御装置に出力する。
一方、光ビーム制御装置を構成するボイスコイル部は、レンズを直接的あるいは間接的に担持し、造形コントローラからの駆動制御信号に基づいて光ビームの光軸方向に直動し、ガイド部材は、ボイスコイル部を支持するとともに、当該ボイスコイル部の直動をガイドする。
【0011】
これと並行して、エンコーダは、レンズ位置を検出し、位置検出信号を造形コントローラに出力する。
これらの結果、造形コントローラは、造形対象の三次元形状に対応する造形データおよび位置検出信号に基づいて、新たな駆動制御信号を出力する。
さらに対物レンズは、光ビーム制御装置を通過したレーザビームを集光し、スキャナ部はレーザビームを走査して光硬化造形を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な装置構成で、レーザビームのビーム径及び焦点位置を高速で変更することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の光造形装置の概要構成図である。
光硬化造形装置10は、レーザビームLを出射するレーザビーム出射装置11と、出射されたレーザビームLの焦点位置及びビーム径を制御する光ビーム制御装置12と、光ビーム制御装置12を通過したレーザビームLを集光する対物レンズ13と、レーザビームLを走査するためのスキャナ部14と、図示しないエレベータ装置を有し光硬化樹脂を貯留する樹脂貯留槽15と、光硬化造形装置10全体を制御するための造形コントローラ16と、造形コントローラ16の制御下でレーザビーム出射装置11、光ビーム制御装置12スキャナ部14等における光学系の制御を行う光学系コントローラ17と、樹脂貯留槽15を図示しないテーブルにより昇降させるための制御を行うテーブル昇降制御部18と、樹脂貯留槽15内の光硬化樹脂の表面を均すための図示しないナイフを制御するためのナイフ制御部と、樹脂貯留槽15内の光硬化樹脂の液面制御を行う液面制御部20と、を備えている。
【0014】
スキャナ部14は、2個のガルバノ式スキャナ14A、14Bと、各ガルバノ式スキャナ14A、14Bに取り付けられた2枚のミラー14C、14Dと、を備えている。
【0015】
図2は、ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の平面図である。図3は、ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の正面図である。図4は、ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の背面図である。図5は、ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の側面図である。図6は、光ビーム制御装置のボイスコイルモータ部の断面図である。図7は、光ビーム制御装置の分解斜視図である。図8は、図2のA−A断面矢視図である。
【0016】
光ビーム制御装置12は、大別すると、ボイスコイルモータ部21と、ボイスコイルモータ部21を構成する円筒状のボビン22をレーザビームLの光軸方向に沿って案内するための案内部23と、ボビン22の位置を検出するためのエンコーダ部24と、ボイスコイルモータ部21、案内部23及びエンコーダ部24を支持するベース部25と、外部から駆動制御信号を入力するとともに、外部にエンコーダ部24の検出信号を出力するリード線部26と、ボビン22の温度を計測するための温度センサ27と、を備えている。
【0017】
ボイスコイルモータ部21は、ボビン22と、このボビン22の両端側にそれぞれ巻回されたコイル31A、31B(図6及び図7参照)と、ボビン22内に収納された焦点位置及びビーム径調整用のレンズ32(図6参照)と、各コイル31A、31Bの少なくとも一部がそれぞれ収納される略二重管形状のマグネットヨーク部33A、33Bと、を備えている。
【0018】
マグネットヨーク部33Aは、図6に示すように、円筒形状の永久磁石33A1と、円筒形状のヨーク部33A2と、ボビン22内に挿入され、ボビン22を案内する案内筒34Aを備えている。同様に、マグネットヨーク部33Bは、円筒形状の永久磁石33B1と、円筒形状のヨーク部33B2と、ボビン22内に挿入され、ボビン22を案内する案内筒34Bを備えている。
【0019】
この場合において、レーザビームLは、一方のマグネットヨーク部33Aの一端の開口から案内筒34Aを介してボビン22内に入射し、レンズ32を通って、他方のマグネットヨーク部33Bの案内筒34B及び開口から出射するようにされている。
【0020】
案内部23は、ボビン22をマグネットヨーク部33A、33Bに接触しないように支持するための略U字状の支持部を有する支持ブロック41と、支持ブロック41の一方の側部にねじにより固着されるベアリングガイドブロック42と、支持ブロック41の他方の側部の下方側から支持するとともに、ベアリングガイドブロック42と協働して、支持ブロック41をボビン22と一体でレーザビームの光軸方向に直線的に摺動させるためリニアガイドブロック43と、ベース部25に設けられた位置決め用溝25A内に固定されているガイド軸44と、を備えている。
【0021】
ベアリングガイドブロック42は、ガイド軸44に対応する位置に一対のベアリング45A、45Bを有し、ベアリング45A、45Bがガイド軸44上で転動することにより、ベアリングガイドブロック43を滑らかにレーザビームLの光軸方向に直線的に摺動させる。
【0022】
エンコーダ部24は、支持ブロック41の他方の側部にねじにより固着されるエンコーダガイド51を有し、このエンコーダガイド51には、移動量を検出するための平板状のスケール(エンコーダテープ)52が設けられている。このスケール52の対向する位置には、スケール52を読み取るためのエンコーダヘッド53がベース部25の所定位置に固定されている。ここで、エンコーダガイド51は、第1端子板54として機能し、エンコーダヘッド53には、第2端子板55が固定されている。
【0023】
そして、第1端子板54と第2端子板55との間は、ボビン22の滑らかな動きを阻害しないようにフレキシブルハーネス56により電気的に接続され、さらに第2端子板55からボビン22に複数のリード線で構成されるリード線群56が導かれている。このリード線群56を介して駆動電流がコイル31A、31Bに供給され、温度センサ27の検出信号が外部に出力されるようになっている。
【0024】
これらの場合において、ボビン22は高速で移動するため、ボビン22、支持ブロック41、ベアリングガイドブロック42及びエンコーダガイド51が一体となって浮き上がる方向に力が働く可能性がある。これを防止するため、支持ブロック41のボビン22と反対側の面に吸引ヨーク61が設けられ、ベース部25の吸引ヨーク61に対向する位置には、マグネット62及び吸引ヨーク63が埋設されている。これによりボビン22、支持ブロック41、ベアリングガイドブロック42及びエンコーダガイド51が一体となってベース部25側に吸引され、安定してボビン22の駆動が可能となっている。
また、造形コントローラ16は、各種造形データの処理を行う造形データ処理部16Aと、造形データに基づいて光学系コントローラ17、テーブル昇降制御部18、ナイフ制御部19および液面制御部20を制御するための制御部16Bと、を備えている。
【0025】
次に実施形態の動作について説明する。
図9は実施形態の処理フローチャートである。
まず、光硬化造形装置10の造形コントローラ16は、造形対象物の一つの等高断面におけるCADデータ(造形データ)が入力されると(ステップS1)、レーザビームの走査手順(走査方向、走査形状、走査順番など)、各走査手順に応じたレーザビーム径設定、レーザビームの焦点位置設定を含む造形制御データを生成する(ステップS2)。
【0026】
次に造形コントローラ16は、操作手順に従って、走査を開始し、走査速度、レーザビーム径に基づいてレーザビームの照射時の当該レーザビームのエネルギー密度が常に一定になるように、レーザビーム出射装置11を制御して、出射されるレーザビームLのエネルギー強度を調整するとともに、レーザビームの出射の可否を制御する(ステップS3)。
続いて造形コントローラ16は、光ビーム制御装置12を制御し、必要な光ビーム径に応じてボビン22内に収納された焦点位置及びビーム径調整用のレンズ32の位置を調整する(ステップS4)。
【0027】
この結果、造形コントローラ16は、駆動信号をリード線部26を介して、第1端子板54に供給する。第1端子板54に供給された駆動信号は、フレキシブルハーネス56を介して第2端子板55に供給され、さらに第2端子板55からボビン22に複数のリード線で構成されるリード線群56が導かれている。このリード線群56を介して駆動電流がコイル31A、31Bに供給されて、ボビン22、ひいては、レンズ32が駆動される。
これと並行して、実際のレンズ32の位置は、エンコーダガイド51に設けられたスケール(エンコーダテープ)52をエンコーダヘッド53により読み取り、リード線部26を介して位置検出信号として造形コントローラ16にフィードバックされ、レンズ32の位置のフィードバック制御がなされ、レンズ32は、所望の位置に移動されることとなる。
【0028】
図10は、焦点位置及びビーム径調整用のレンズの制御テーブルの一例の説明図である。
図10に示すように、ビーム径を調整する場合には、レンズ32を10mm〜15mmの間で駆動することとなる。
すなわち、ビーム径が0.1mmφである場合には、レンズ32を10.00mm駆動した位置を基準位置とし、ビーム径が0.2mmφである場合には、レンズ32を10.20mm駆動した位置を基準位置とし、ビーム径が0.3mmφである場合には、レンズ32を10.40mm駆動した位置を基準位置とし、ビーム径が0.4mmφである場合には、レンズ32を10.60mm駆動した位置を基準位置とする。
【0029】
次に造形コントローラ16は、光ビーム制御装置12を制御し、照射位置に対応する焦点位置に応じてボビン22内に収納された焦点位置及びビーム径調整用のレンズ32の位置を調整する(ステップS5)。
図11は、ミラーとレーザビーム照射位置の関係説明図である。図11においては、説明の簡略化のため、ミラー14Dのみを図示している。
図10に示すように、照射位置に対応させて焦点位置を調整する場合には、レンズ32を基準位置から0.00mm〜0.15mmの間で駆動することとなる。
【0030】
具体的には、照射位置がミラー14Dの真下にある照射位置P1と、最も遠い照射位置である照射位置P3 と、照射位置P1及び照射位置P3 の間に位置する照射位置P2 について説明する。
照射位置P1では、ミラー14Dから最も近い位置であるので、レンズ32を基準位置から0.00mm、すなわち、基準位置そのままとする。
照射位置P2 では、レンズ32粗基準位置から0.05mm駆動した位置とする。
さらに、照射位置P3 では、最も遠い照射位置であるので、レンズ32を基準位置から0.15mm駆動した位置とする。
【0031】
より詳細には、ビーム径0.2mmφで照射位置P1にレーザビームを照射する場合には、レンズ32を、
10.20+0.00=10.20(mm)
の位置に駆動することとなる。同様にビーム径0.2mmφで照射位置P2 にレーザビームを照射する場合には、レンズ32を、
10.20+0.05=10.25(mm)
の位置に駆動することとなる。ビーム径0.2mmφで照射位置P3 にレーザビームを照射する場合には、レンズ32を、
10.20+0.15=10.35(mm)
の位置に駆動することとなる。すなわち、ビーム径0.2mmφで照射位置P1〜P3 まで連続的に走査した場合には、レンズ32を10.20〜10.35mmの範囲で駆動することとなる。
【0032】
続いて造形コントローラ16は、造形対象物の全ての等高断面におけるCADデータ(造形データ)に対応する走査が完了したか否かを判別し(ステップS6)、造形対象物の全ての等高断面におけるCADデータ(造形データ)に対応する走査が完了するまでは、処理を再びステップS1に移行して同様の処理を行うこととなる。
以上の説明のように、本実施形態によれば、光ビーム制御装置12は、焦点位置及びビーム径調整用のレンズ32を軽量化が容易なボイスコイルモータ部21で駆動する構成を採っているので、ビーム径と焦点位置を高速、かつ、高精度で変更し、制御することができる。
【0033】
以上の説明においては、光ビーム制御装置12を構成するレンズ32をボビン32内に配置する構成を採っていたが、例えば、ベアリングガイドブロック42に設けたり、ボビン22の外周上面に配置するなどボビン32外に設けるように構成することも可能である。
以上の説明においては、スキャナ部14をガルバノ式スキャナで構成していたが、ポリゴンミラーを用いたスキャナ、サーボモータを使用したスキャナなど他のスキャナを用いるように構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態の光造形装置の概要構成図である。
【図2】ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の平面図である。
【図3】ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の正面図である。
【図4】ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の背面図である。
【図5】ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の側面図である。
【図6】光ビーム制御装置のボイスコイルモータ部の断面図である。
【図7】光ビーム制御装置の分解斜視図である。
【図8】図2のA−A断面矢視図である。
【図9】実施形態の処理フローチャートである。
【図10】焦点位置及びビーム径調整用のレンズの制御テーブルの一例の説明図である。
【図11】ミラーとレーザビーム照射位置の関係説明図である。
【符号の説明】
【0035】
10…光硬化造形装置、11…レーザビーム出射装置、12…光ビーム制御装置、13…対物レンズ、14…スキャナ部、15…樹脂貯留槽、16…造形コントローラ、17…光学系コントローラ、18…テーブル昇降制御部、19…ナイフ制御部、20…液面制御部、21…ボイスコイルモータ部、22…ボビン、23…案内部(案内部材)、24…エンコーダ部、25…ベース部、L…レーザビーム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ビーム制御装置及び光造形装置に係り、特に、光ビームとしてレーザビームを用いる光ビーム制御装置及び光造形装置において、ビーム径および焦点位置を高速で制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、三次元形状の物体を造形する手法として、光硬化樹脂を用いた光硬化造形法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
光硬化造形法では、例えば、造形対象形状の等高断面に対応させて光硬化性樹脂の液面にレーザビームを走査させつつ照射する。するとレーザビームが照射された光硬化成樹脂の液面が光硬化され、断面硬化層が形成される。光硬化造形法ではこのようにして断面硬化層を形成すると同時に、新たに形成される断面硬化層が先に形成されている断面硬化層に積層一体化されるように三次元的に連続的に造形を行う。このようにすることにより、断面硬化層が積層一体化されて全体として造形対象の形状を有する三次元物体が造形されることとなっていた。
【特許文献1】特開昭56−144478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、光硬化樹脂にレーザビームを照射するに際しては、ビーム径と焦点位置を同時に制御する必要があるが、従来の光硬化造形装置においては、焦点位置を制御する焦点位置制御装置を構成し、この焦点位置制御装置全体をレーザビームの光軸方向に駆動する構成を採っていたため、高速でビーム径を変更することはできないという問題点があった。
そこで、本発明の目的は、装置構成が簡単で、レーザビームのビーム径及び焦点位置を高速で変更することが可能な光ビーム制御装置およびこの光ビーム制御装置を用いた光造形装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するため、外部より入射されたレーザビームの焦点位置及びビーム径を変更するための光ビーム制御装置は、レンズと、前記レンズを直接的あるいは間接的に担持し、外部からの駆動制御信号に基づいて前記光ビームの光軸方向に直動するボイスコイル部を有するボイスコイルモータと、前記ボイスコイル部を支持するとともに、当該ボイスコイル部の直動をガイドするガイド部材と、前記レンズ位置を検出し、位置検出信号を出力するエンコーダと、を備えたことを特徴としている。
【0005】
上記構成によれば、ボイスコイルモータのボイスコイル部は、レンズを直接的あるいは間接的に担持し、外部からの駆動制御信号に基づいて光ビームの光軸方向に直動する。
このとき、ガイド部材は、ボイスコイル部を支持するとともに、当該ボイスコイル部の直動をガイドする。
さらにこれと並行して、エンコーダは、レンズ位置を検出し、位置検出信号を出力する。
【0006】
この場合において、前記ボイスコイル部は、前記ガイド部材に支持されるとともに、コイルが巻回された円筒形状のボビンを有し、前記レンズは、前記ボビン内に担持されているようにしてもよい。
【0007】
また、前記エンコーダは、前記ボイスコイル部の直動に連動して直動するスケールと、前記スケールを読み取って前記位置検出信号を出力するエンコーダヘッドと、を備えるようにしてもよい。
【0008】
さらに、前記ビーム径に対応する前記レンズの位置を基準位置とし、前記焦点位置に応じて前記レンズの位置を前記基準位置から所定距離移動させるようにしてもよい。
【0009】
また、光造形装置は、レーザビームを出射するレーザビーム出射装置と、上記光ビーム制御装置と、前記光ビーム制御装置を通過したレーザビームを集光する対物レンズと、レーザビームを走査するためのスキャナ部と、造形対象の三次元形状に対応する造形データおよび前記位置検出信号に基づいて、前記駆動制御信号を出力する造形コントローラと、を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、レーザビーム出射装置は、レーザビームを光ビーム制御装置に出射する。
これにより、造形コントローラは、造形対象の三次元形状に対応する造形データに基づいて、駆動制御信号を光ビーム制御装置に出力する。
一方、光ビーム制御装置を構成するボイスコイル部は、レンズを直接的あるいは間接的に担持し、造形コントローラからの駆動制御信号に基づいて光ビームの光軸方向に直動し、ガイド部材は、ボイスコイル部を支持するとともに、当該ボイスコイル部の直動をガイドする。
【0011】
これと並行して、エンコーダは、レンズ位置を検出し、位置検出信号を造形コントローラに出力する。
これらの結果、造形コントローラは、造形対象の三次元形状に対応する造形データおよび位置検出信号に基づいて、新たな駆動制御信号を出力する。
さらに対物レンズは、光ビーム制御装置を通過したレーザビームを集光し、スキャナ部はレーザビームを走査して光硬化造形を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、簡単な装置構成で、レーザビームのビーム径及び焦点位置を高速で変更することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に本発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の光造形装置の概要構成図である。
光硬化造形装置10は、レーザビームLを出射するレーザビーム出射装置11と、出射されたレーザビームLの焦点位置及びビーム径を制御する光ビーム制御装置12と、光ビーム制御装置12を通過したレーザビームLを集光する対物レンズ13と、レーザビームLを走査するためのスキャナ部14と、図示しないエレベータ装置を有し光硬化樹脂を貯留する樹脂貯留槽15と、光硬化造形装置10全体を制御するための造形コントローラ16と、造形コントローラ16の制御下でレーザビーム出射装置11、光ビーム制御装置12スキャナ部14等における光学系の制御を行う光学系コントローラ17と、樹脂貯留槽15を図示しないテーブルにより昇降させるための制御を行うテーブル昇降制御部18と、樹脂貯留槽15内の光硬化樹脂の表面を均すための図示しないナイフを制御するためのナイフ制御部と、樹脂貯留槽15内の光硬化樹脂の液面制御を行う液面制御部20と、を備えている。
【0014】
スキャナ部14は、2個のガルバノ式スキャナ14A、14Bと、各ガルバノ式スキャナ14A、14Bに取り付けられた2枚のミラー14C、14Dと、を備えている。
【0015】
図2は、ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の平面図である。図3は、ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の正面図である。図4は、ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の背面図である。図5は、ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の側面図である。図6は、光ビーム制御装置のボイスコイルモータ部の断面図である。図7は、光ビーム制御装置の分解斜視図である。図8は、図2のA−A断面矢視図である。
【0016】
光ビーム制御装置12は、大別すると、ボイスコイルモータ部21と、ボイスコイルモータ部21を構成する円筒状のボビン22をレーザビームLの光軸方向に沿って案内するための案内部23と、ボビン22の位置を検出するためのエンコーダ部24と、ボイスコイルモータ部21、案内部23及びエンコーダ部24を支持するベース部25と、外部から駆動制御信号を入力するとともに、外部にエンコーダ部24の検出信号を出力するリード線部26と、ボビン22の温度を計測するための温度センサ27と、を備えている。
【0017】
ボイスコイルモータ部21は、ボビン22と、このボビン22の両端側にそれぞれ巻回されたコイル31A、31B(図6及び図7参照)と、ボビン22内に収納された焦点位置及びビーム径調整用のレンズ32(図6参照)と、各コイル31A、31Bの少なくとも一部がそれぞれ収納される略二重管形状のマグネットヨーク部33A、33Bと、を備えている。
【0018】
マグネットヨーク部33Aは、図6に示すように、円筒形状の永久磁石33A1と、円筒形状のヨーク部33A2と、ボビン22内に挿入され、ボビン22を案内する案内筒34Aを備えている。同様に、マグネットヨーク部33Bは、円筒形状の永久磁石33B1と、円筒形状のヨーク部33B2と、ボビン22内に挿入され、ボビン22を案内する案内筒34Bを備えている。
【0019】
この場合において、レーザビームLは、一方のマグネットヨーク部33Aの一端の開口から案内筒34Aを介してボビン22内に入射し、レンズ32を通って、他方のマグネットヨーク部33Bの案内筒34B及び開口から出射するようにされている。
【0020】
案内部23は、ボビン22をマグネットヨーク部33A、33Bに接触しないように支持するための略U字状の支持部を有する支持ブロック41と、支持ブロック41の一方の側部にねじにより固着されるベアリングガイドブロック42と、支持ブロック41の他方の側部の下方側から支持するとともに、ベアリングガイドブロック42と協働して、支持ブロック41をボビン22と一体でレーザビームの光軸方向に直線的に摺動させるためリニアガイドブロック43と、ベース部25に設けられた位置決め用溝25A内に固定されているガイド軸44と、を備えている。
【0021】
ベアリングガイドブロック42は、ガイド軸44に対応する位置に一対のベアリング45A、45Bを有し、ベアリング45A、45Bがガイド軸44上で転動することにより、ベアリングガイドブロック43を滑らかにレーザビームLの光軸方向に直線的に摺動させる。
【0022】
エンコーダ部24は、支持ブロック41の他方の側部にねじにより固着されるエンコーダガイド51を有し、このエンコーダガイド51には、移動量を検出するための平板状のスケール(エンコーダテープ)52が設けられている。このスケール52の対向する位置には、スケール52を読み取るためのエンコーダヘッド53がベース部25の所定位置に固定されている。ここで、エンコーダガイド51は、第1端子板54として機能し、エンコーダヘッド53には、第2端子板55が固定されている。
【0023】
そして、第1端子板54と第2端子板55との間は、ボビン22の滑らかな動きを阻害しないようにフレキシブルハーネス56により電気的に接続され、さらに第2端子板55からボビン22に複数のリード線で構成されるリード線群56が導かれている。このリード線群56を介して駆動電流がコイル31A、31Bに供給され、温度センサ27の検出信号が外部に出力されるようになっている。
【0024】
これらの場合において、ボビン22は高速で移動するため、ボビン22、支持ブロック41、ベアリングガイドブロック42及びエンコーダガイド51が一体となって浮き上がる方向に力が働く可能性がある。これを防止するため、支持ブロック41のボビン22と反対側の面に吸引ヨーク61が設けられ、ベース部25の吸引ヨーク61に対向する位置には、マグネット62及び吸引ヨーク63が埋設されている。これによりボビン22、支持ブロック41、ベアリングガイドブロック42及びエンコーダガイド51が一体となってベース部25側に吸引され、安定してボビン22の駆動が可能となっている。
また、造形コントローラ16は、各種造形データの処理を行う造形データ処理部16Aと、造形データに基づいて光学系コントローラ17、テーブル昇降制御部18、ナイフ制御部19および液面制御部20を制御するための制御部16Bと、を備えている。
【0025】
次に実施形態の動作について説明する。
図9は実施形態の処理フローチャートである。
まず、光硬化造形装置10の造形コントローラ16は、造形対象物の一つの等高断面におけるCADデータ(造形データ)が入力されると(ステップS1)、レーザビームの走査手順(走査方向、走査形状、走査順番など)、各走査手順に応じたレーザビーム径設定、レーザビームの焦点位置設定を含む造形制御データを生成する(ステップS2)。
【0026】
次に造形コントローラ16は、操作手順に従って、走査を開始し、走査速度、レーザビーム径に基づいてレーザビームの照射時の当該レーザビームのエネルギー密度が常に一定になるように、レーザビーム出射装置11を制御して、出射されるレーザビームLのエネルギー強度を調整するとともに、レーザビームの出射の可否を制御する(ステップS3)。
続いて造形コントローラ16は、光ビーム制御装置12を制御し、必要な光ビーム径に応じてボビン22内に収納された焦点位置及びビーム径調整用のレンズ32の位置を調整する(ステップS4)。
【0027】
この結果、造形コントローラ16は、駆動信号をリード線部26を介して、第1端子板54に供給する。第1端子板54に供給された駆動信号は、フレキシブルハーネス56を介して第2端子板55に供給され、さらに第2端子板55からボビン22に複数のリード線で構成されるリード線群56が導かれている。このリード線群56を介して駆動電流がコイル31A、31Bに供給されて、ボビン22、ひいては、レンズ32が駆動される。
これと並行して、実際のレンズ32の位置は、エンコーダガイド51に設けられたスケール(エンコーダテープ)52をエンコーダヘッド53により読み取り、リード線部26を介して位置検出信号として造形コントローラ16にフィードバックされ、レンズ32の位置のフィードバック制御がなされ、レンズ32は、所望の位置に移動されることとなる。
【0028】
図10は、焦点位置及びビーム径調整用のレンズの制御テーブルの一例の説明図である。
図10に示すように、ビーム径を調整する場合には、レンズ32を10mm〜15mmの間で駆動することとなる。
すなわち、ビーム径が0.1mmφである場合には、レンズ32を10.00mm駆動した位置を基準位置とし、ビーム径が0.2mmφである場合には、レンズ32を10.20mm駆動した位置を基準位置とし、ビーム径が0.3mmφである場合には、レンズ32を10.40mm駆動した位置を基準位置とし、ビーム径が0.4mmφである場合には、レンズ32を10.60mm駆動した位置を基準位置とする。
【0029】
次に造形コントローラ16は、光ビーム制御装置12を制御し、照射位置に対応する焦点位置に応じてボビン22内に収納された焦点位置及びビーム径調整用のレンズ32の位置を調整する(ステップS5)。
図11は、ミラーとレーザビーム照射位置の関係説明図である。図11においては、説明の簡略化のため、ミラー14Dのみを図示している。
図10に示すように、照射位置に対応させて焦点位置を調整する場合には、レンズ32を基準位置から0.00mm〜0.15mmの間で駆動することとなる。
【0030】
具体的には、照射位置がミラー14Dの真下にある照射位置P1と、最も遠い照射位置である照射位置P3 と、照射位置P1及び照射位置P3 の間に位置する照射位置P2 について説明する。
照射位置P1では、ミラー14Dから最も近い位置であるので、レンズ32を基準位置から0.00mm、すなわち、基準位置そのままとする。
照射位置P2 では、レンズ32粗基準位置から0.05mm駆動した位置とする。
さらに、照射位置P3 では、最も遠い照射位置であるので、レンズ32を基準位置から0.15mm駆動した位置とする。
【0031】
より詳細には、ビーム径0.2mmφで照射位置P1にレーザビームを照射する場合には、レンズ32を、
10.20+0.00=10.20(mm)
の位置に駆動することとなる。同様にビーム径0.2mmφで照射位置P2 にレーザビームを照射する場合には、レンズ32を、
10.20+0.05=10.25(mm)
の位置に駆動することとなる。ビーム径0.2mmφで照射位置P3 にレーザビームを照射する場合には、レンズ32を、
10.20+0.15=10.35(mm)
の位置に駆動することとなる。すなわち、ビーム径0.2mmφで照射位置P1〜P3 まで連続的に走査した場合には、レンズ32を10.20〜10.35mmの範囲で駆動することとなる。
【0032】
続いて造形コントローラ16は、造形対象物の全ての等高断面におけるCADデータ(造形データ)に対応する走査が完了したか否かを判別し(ステップS6)、造形対象物の全ての等高断面におけるCADデータ(造形データ)に対応する走査が完了するまでは、処理を再びステップS1に移行して同様の処理を行うこととなる。
以上の説明のように、本実施形態によれば、光ビーム制御装置12は、焦点位置及びビーム径調整用のレンズ32を軽量化が容易なボイスコイルモータ部21で駆動する構成を採っているので、ビーム径と焦点位置を高速、かつ、高精度で変更し、制御することができる。
【0033】
以上の説明においては、光ビーム制御装置12を構成するレンズ32をボビン32内に配置する構成を採っていたが、例えば、ベアリングガイドブロック42に設けたり、ボビン22の外周上面に配置するなどボビン32外に設けるように構成することも可能である。
以上の説明においては、スキャナ部14をガルバノ式スキャナで構成していたが、ポリゴンミラーを用いたスキャナ、サーボモータを使用したスキャナなど他のスキャナを用いるように構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態の光造形装置の概要構成図である。
【図2】ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の平面図である。
【図3】ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の正面図である。
【図4】ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の背面図である。
【図5】ケースを取り外した場合の光ビーム制御装置の側面図である。
【図6】光ビーム制御装置のボイスコイルモータ部の断面図である。
【図7】光ビーム制御装置の分解斜視図である。
【図8】図2のA−A断面矢視図である。
【図9】実施形態の処理フローチャートである。
【図10】焦点位置及びビーム径調整用のレンズの制御テーブルの一例の説明図である。
【図11】ミラーとレーザビーム照射位置の関係説明図である。
【符号の説明】
【0035】
10…光硬化造形装置、11…レーザビーム出射装置、12…光ビーム制御装置、13…対物レンズ、14…スキャナ部、15…樹脂貯留槽、16…造形コントローラ、17…光学系コントローラ、18…テーブル昇降制御部、19…ナイフ制御部、20…液面制御部、21…ボイスコイルモータ部、22…ボビン、23…案内部(案内部材)、24…エンコーダ部、25…ベース部、L…レーザビーム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部より入射されたレーザビームの焦点位置及びビーム径を変更するための光ビーム制御装置において、
レンズと、
前記レンズを直接的あるいは間接的に担持し、外部からの駆動制御信号に基づいて前記光ビームの光軸方向に直動するボイスコイル部を有するボイスコイルモータと、
前記ボイスコイル部を支持するとともに、当該ボイスコイル部の直動をガイドするガイド部材と、
前記レンズ位置を検出し、位置検出信号を出力するエンコーダと、
を備えたことを特徴とする光ビーム制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ビーム制御装置において、
前記ボイスコイル部は、前記ガイド部材に支持されるとともに、コイルが巻回された円筒形状のボビンを有し、
前記レンズは、前記ボビン内に担持されていることを特徴とする光ビーム制御装置。
【請求項3】
請求項2記載の光ビーム制御装置において、
前記エンコーダは、前記ボイスコイル部の直動に連動して直動するスケールと、
前記スケールを読み取って前記位置検出信号を出力するエンコーダヘッドと、
を備えたことを特徴とする光ビーム制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光ビーム制御装置において、
前記ビーム径に対応する前記レンズの位置を基準位置とし、前記焦点位置に応じて前記レンズの位置を前記基準位置から所定距離移動させる事を特徴とする光ビーム制御装置。
【請求項5】
レーザビームを出射するレーザビーム出射装置と、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光ビーム制御装置と、
前記光ビーム制御装置を通過したレーザビームを集光する対物レンズと、
レーザビームを走査するためのスキャナ部と、
造形対象の三次元形状に対応する造形データおよび前記位置検出信号に基づいて、前記駆動制御信号を出力する造形コントローラと、
を備えたことを特徴とする光造形装置。
【請求項1】
外部より入射されたレーザビームの焦点位置及びビーム径を変更するための光ビーム制御装置において、
レンズと、
前記レンズを直接的あるいは間接的に担持し、外部からの駆動制御信号に基づいて前記光ビームの光軸方向に直動するボイスコイル部を有するボイスコイルモータと、
前記ボイスコイル部を支持するとともに、当該ボイスコイル部の直動をガイドするガイド部材と、
前記レンズ位置を検出し、位置検出信号を出力するエンコーダと、
を備えたことを特徴とする光ビーム制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の光ビーム制御装置において、
前記ボイスコイル部は、前記ガイド部材に支持されるとともに、コイルが巻回された円筒形状のボビンを有し、
前記レンズは、前記ボビン内に担持されていることを特徴とする光ビーム制御装置。
【請求項3】
請求項2記載の光ビーム制御装置において、
前記エンコーダは、前記ボイスコイル部の直動に連動して直動するスケールと、
前記スケールを読み取って前記位置検出信号を出力するエンコーダヘッドと、
を備えたことを特徴とする光ビーム制御装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光ビーム制御装置において、
前記ビーム径に対応する前記レンズの位置を基準位置とし、前記焦点位置に応じて前記レンズの位置を前記基準位置から所定距離移動させる事を特徴とする光ビーム制御装置。
【請求項5】
レーザビームを出射するレーザビーム出射装置と、
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の光ビーム制御装置と、
前記光ビーム制御装置を通過したレーザビームを集光する対物レンズと、
レーザビームを走査するためのスキャナ部と、
造形対象の三次元形状に対応する造形データおよび前記位置検出信号に基づいて、前記駆動制御信号を出力する造形コントローラと、
を備えたことを特徴とする光造形装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−154126(P2006−154126A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−342809(P2004−342809)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(391064429)シーメット株式会社 (38)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(391064429)シーメット株式会社 (38)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]