説明

光ピックアップ装置及び光ディスク装置

【課題】光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光する対物レンズを1つのみ有し、複数種類の光記録媒体に対応可能な光ピックアップ装置において、球面収差の補正を低消費電力で適切に行え、装置を大型化しない光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置4が備えるビームエキスパンダ20は、第1レンズ24と、第2レンズ25と、第1レンズを保持する第1のレンズホルダ26と、第2レンズを保持し、第1のレンズホルダ26内を移動可能に設けられる第2のレンズホルダ27と、第2のレンズホルダ27を駆動する駆動部28と、第2のレンズホルダ27とともに移動するアパーチャ29と、アパーチャ29を付勢する圧縮バネ36と、を備える。また、第1のレンズホルダ26の内面の一部には、アパーチャ29を保持するアパーチャ保持部30が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光記録媒体に光ビームを照射して情報の読み取りや書き込みを可能とする光ピックアップ装置に関し、詳細には、光記録媒体の記録面に集光する対物レンズを単一として、複数種類の光記録媒体に対応できる光ピックアップ装置に関する。また、本発明は、そのような光ピックアップ装置を備える光ディスク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
コンパクトディスク(以下、CDという。)やデジタル多用途ディスク(以下、DVDという。)といった光記録媒体が普及している。更に、近年、光記録媒体の情報量を増やすために、光記録媒体の高密度化に関する研究が進められ、例えば、高品位のDVDであるHD−DVDやブルーレイディスク(以下、BDという。)といった高密度化された光記録媒体も実用化され始めている。
【0003】
このような光記録媒体の記録再生を行うにあたっては、光記録媒体に光ビームを照射して情報の記録や情報の読み取りを可能とする光ピックアップ装置が用いられるが、光記録媒体の種類によって、光ピックアップ装置に用いられる対物レンズの開口数(NA)や光源の波長が異なってくる。例えば、CDに対しては、対物レンズのNAが0.50、光源の波長が780nm、DVDに対しては、対物レンズのNAが0.65、光源の波長が650nm、HD−DVDに対しては、対物レンズのNAが0.65、光源の波長が405nm、BDに対しては、対物レンズのNAが0.85、光源の波長が405nmとなる。
【0004】
このように、光記録媒体の種類によって、用いられる対物レンズのNAや波長が異なるために、光記録媒体毎に異なる光ピックアップ装置を用いることも考えられるが、1つの光ピックアップ装置で複数種類の光記録媒体について情報の読み取り等が行える方が便利であり、そのような光ピックアップ装置が多く開発されている。
【0005】
ところで、複数種類の光記録媒体に対応する場合に、光ピックアップ装置の装置サイズの小型化や光ピックアップ装置の装置構成の簡易化等を目的として、光記録媒体の記録面に光ビームを集光する対物レンズを1つのみで対応することが考えられるが、この場合、球面収差の発生が問題となる。
【0006】
このため、例えば、特許文献1や特許文献2において示されるように、光ピックアップ装置の光路中に光軸に沿って平行移動できるアパーチャを配置し、再生や記録の対象となる光記録媒体に応じて、対物レンズの開口数の切り替えを行えるように構成することで、球面収差の影響を低減することが考えられる。
【0007】
また、特許文献3に示されるように、対物レンズの開口数の制御を液晶光学素子で行う構成の光ピックアップ装置とすることも考えられ、これによれば、球面収差の影響の低減と合わせて、開口制御に機械的可動部を必要とする場合に比べて、装置の小型化や低コスト化を図ることが可能ともなる。
【0008】
しかし、対物レンズの開口数を制御する目的で配置されるアパーチャや液晶光学素子(開口数を制御する素子)を光ピックアップ装置に配置しただけでは球面収差の補正が十分できないために、従来、光ピックアップ装置の光学系中に開口数を制御する素子に加えて、球面収差を補正するエキスパンダレンズや液晶素子といった収差補正素子を光ピックアップ装置の光学系中に配置することが行われている。
【0009】
また、特許文献4においては、液晶パネルを用いて構成されて開口制限を行う機能を一体的に有する収差補正素子も紹介されている。
【特許文献1】特開平9−63104号公報
【特許文献2】特開平10−208289号公報
【特許文献3】特開2005−266483号公報
【特許文献4】特開2005−71424号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、アパーチャや液晶シャッターといった開口数を制御する素子と収差補正素子とを組み合わせる構成の場合、光ピックアップ装置の装置サイズが大きくなる点で問題がある。この点、特許文献4に示される構成の場合、開口数を制御する素子と収差補正素子とが一体となっているために、装置サイズを大型化しないために利点を有する。
【0011】
しかし、特許文献4に紹介される収差補正素子は、液晶パネルを用いて構成されており、この構成の場合、収差補正素子に入射する光ビームの偏光方向の調整が必要であるために、光ピックアップ装置を組立てる際に作業負担となる。また、液晶を用いて開口制限を行う場合には、光ピックアップ装置によって光記録媒体の情報の読み取り等を行う際に、液晶に電圧を印加し続ける必要があるために消費電力が増大するといった問題がある。
【0012】
以上の問題点を鑑みて、本発明の目的は、光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光する対物レンズを1つのみ有し、複数種類の光記録媒体に対応可能な光ピックアップ装置において、球面収差の補正を低消費電力で適切に行え、装置を大型化しない光ピックアップ装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、複数種類の光記録媒体の対応可能で、光記録媒体の記録再生品質が良好であり、低消費電力で運転可能な光ディスク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために本発明は、光源と、該光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光する集光レンズを含む光学系と、前記光学系中に配置されて波面収差の補正を行う収差補正素子と、前記収差補正素子の駆動を制御する制御部と、を備える光ディスク装置において、前記収差補正素子は、入射光の光ビームの径を変換して射出するビームエキスパンダであって、前記ビームエキスパンダは、前記集光レンズと対向して配置される第1レンズと、第2レンズと、前記第1レンズと前記第2レンズとの間に配置されるアパーチャと、筒状に形成されて一方の端部側で前記第1レンズを保持する第1のホルダと、前記第2レンズを保持し、前記第1のホルダの前記第1レンズが保持される側と反対の端部側に、前記第1のホルダ内を移動可能に設けられる第2のホルダと、前記第2のホルダを前記ビームエキスパンダに入射する光ビームの光軸と平行な方向に移動可能とし、前記制御部によってその駆動を制御される駆動部と、前記アパーチャを前記第2のホルダ側に付勢する付勢手段と、前記第1のホルダ内に形成されて、前記第2のホルダを前記付勢手段の付勢力に反して前記駆動部の駆動力により移動した場合に、前記第2のホルダとともに移動する前記アパーチャを所定の位置で保持する保持部と、を備えることを特徴としている。
【0014】
また、上記目的を達成するために本発明は、光源と、該光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光する集光レンズと、前記光源と前記集光レンズとの間に配置されて波面収差の補正を行う収差補正素子と、を備える光ピックアップ装置において、前記収差補正素子は、入射光の光ビームの径を変換して射出するビームエキスパンダであって、前記ビームエキスパンダが有する第1レンズと第2レンズとの間には、アパーチャが配置されることを特徴としている。
【0015】
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記アパーチャは、その位置を移動可能に設けられ、複数の位置に切り替えて配置されることを特徴としている。
【0016】
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記アパーチャは、前記第1レンズ又は前記第2レンズの移動とともに移動することを特徴としている。
【0017】
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記アパーチャは、付勢手段によって前記第1レンズ又は前記第2レンズのいずれか一方側に付勢されており、前記第1レンズと前記第2レンズとの間には、前記アパーチャを所定の位置で保持する少なくとも1つの保持部が設けられることを特徴としている。
【0018】
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、筒状に形成されて一方の端部側で前記第1レンズを保持する第1のホルダと、前記第2レンズを保持し、前記第1のホルダの前記第1レンズが保持される側と反対の端部側に、前記第1のホルダ内を移動可能に設けられる第2のホルダと、前記第2のホルダを前記ビームエキスパンダに入射する光ビームの光軸と平行な方向に移動可能とする駆動部と、前記アパーチャを前記第2のホルダ側に付勢する付勢手段と、前記第1のホルダ内に形成されて、前記第2のホルダを前記付勢手段の付勢力に反して前記駆動部の駆動力により移動した場合に、前記第2のホルダとともに移動する前記アパーチャを所定の位置で保持する保持部と、を備えることを特徴としている。
【0019】
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置において、前記第1レンズは前記集光レンズと対向する位置に配置されることを特徴としている。
【0020】
また、本発明は、上記構成の光ピックアップ装置を備える光ディスク装置であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の構成によれば、複数種類の光記録媒体に対応する光ディスク装置において、波面収差の補正を行うビームエキスパンダ中に、その位置を切り替え可能なアパーチャが備えられる構成のために、ビームエキスパンダは、波面収差の補正に加えて、対物レンズの開口数の制御も行えることとなる。このため、光ディスク装置の光学系が備える、光源からの光ビームを光記録媒体の記録面に集光する集光レンズ(対物レンズ)、で発生する球面収差を適切に補正することが可能な光ディスク装置を大型化せずに提供可能となる。また、開口数の制御を行う場合に、アパーチャの位置を切り替える場合にのみ駆動部を駆動すれば良いために、液晶素子を用いて開口数の制御を行う場合のように、開口数の制御を行っている間中、電圧を印加し続ける必要がなく、低消費電力とできる。更に、波面収差の補正又は開口数の制御のために液晶素子を用いる場合に必要となる偏光方向の調整が不要であるために、作業負担が少ない光ディスク装置を提供できる。
【0022】
また、本発明の第2の構成によれば、波面収差を補正するビームエキスパンダと開口数の制御を行うアパーチャが一体となった構成であるために、収差の補正を適切に行え、装置が大型化しない光ピックアップ装置の提供が可能となる。
【0023】
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の光ピックアップ装置において、アパーチャの位置を切り替え可能に構成されているために、光記録媒体の種類によってアパーチャの位置を切り替えることが可能であり、光記録媒体に光源からの光ビームを集光する対物レンズを1つとして、複数種類に光記録媒体に対して適切に球面収差の補正ができる光ピックアップ装置を提供できる。そして、液晶素子を開口数の制御や球面収差の補正に用いた場合のように、光ピックアップ装置を動作する場合に、ビームエキスパンダに常時、電力を供給する必要がないために、球面収差の補正が適切に行え、且つ低消費電力の光ピックアップ装置を実現できる。
【0024】
また、本発明の第4の構成によれば、上記第2又は第3の構成の光ピックアップ装置において、ビームエキスパンダは2つのレンズの距離を可変とするために、最初からレンズの位置を駆動する駆動部を備えており、この駆動部によるレンズの移動を利用してアパーチャも移動できる構成としているために、別途駆動部を設ける必要がなく、装置の大型化を避けられ、更には低コストで、球面収差の補正が適切に行え、且つ低消費電力の光ピックアップ装置を実現できる。
【0025】
また、本発明の第5の構成によれば、上記第4の構成の光ピックアップ装置において、アパーチャの保持位置を切り替えられる機構を、付勢手段を利用して実現する構成のために、低コストでの実現が可能となる。
【0026】
また、本発明の第6の構成によれば、上記第2から第5のいすれかの構成の光ピックアップ装置において、従来のビームエキスパンダの構成を利用して、アパーチャを2つのレンズの間で切り替えて配置することが可能なビームエキスパンダを容易に実現できる。
【0027】
また、本発明の第7の構成によれば、上記第6の構成の光ピックアップ装置において、移動可能に設けられる第2のレンズホルダが、対物レンズから離れた構成であるために、装置設計が容易となる。
【0028】
また、本発明の第7の構成によれば、上記第2から第6のいずれかの構成の光ピックアップ装置を備える光ディスク装置において、複数種類の光記録媒体の対応可能で、光記録媒体の記録再生品質が良好であり、低消費電力で運転可能な光ディスク装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、ここで示す実施形態は一例であり、本発明はここに示す実施形態に限定されるものではない。
【0030】
図1は、本実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。光ディスク装置1は、光記録媒体15の情報の再生、及び光記録媒体15への情報の記録を行うことができる。2は、スピンドルモータであり、光記録媒体15は、このスピンドルモータ2の上部に設けられるチャック部(図示せず)に着脱可能に保持される。そして、光記録媒体15の情報の記録再生を行う際に、スピンドルモータ2は光記録媒体15を連続回転する。スピンドルモータ2の回転制御は、スピンドルモータ制御部3によって行われる。
【0031】
4は、光ピックアップ装置であり、光源から出射される光ビームを光記録媒体15に照射し、光記録媒体15への情報の書き込みと、光記録媒体15に記録されている情報の読み取りを可能とする。図2は、本実施形態に係る光ピックアップ装置4の光学系の構成を示す概略図である。図2に示すように、光ピックアップ装置4においては、光源16から出射された光ビームは、コリメートレンズ17で平行光となり、ビームスプリッタ18を透過し、立ち上げミラー19で反射されてその光軸が光記録媒体15の記録面15aと略垂直とされ、ビームエキスパンダ20を通過して対物レンズ21によって光記録媒体15の情報が記録される記録面15aに集光される。
【0032】
光記録媒体15で反射された反射光は、対物レンズ21、ビームエキスパンダ20の順に通過し、立ち上げミラー19で反射された後、更にビームスプリッタ18で反射されて集光レンズ22によって光検出器23の受光部(図示せず)に集光される。光検出器23は受光した光ビームが有する光情報を電気信号に変換し、これらの信号情報は再生信号として、また、サーボ信号等として使用される。
【0033】
なお、本実施形態においては、光源16は波長405nmのレーザビームを出射する半導体レーザとされており、光ピックアップ装置4は、BDとHD−DVDとの2種類の光記録媒体に対応可能とされている。
【0034】
また、本実施形態の光ピックアップ装置4はビームエキスパンダ20を備えているが、このビームエキスパンダ20は、ビームエキスパンダ20が有する可動レンズの移動によって、ビームエキスパンダ20に入射する平行光のビーム径及び平行度を調整して射出することが可能となっている。そして、このビームエキスパンダ20の存在により、光記録媒体15の記録面15aを保護する保護層15bの厚みが異なる複数種類の光記録媒体15に対して球面収差の補正を適切に行うことが可能となる。ビームエキスパンダ20の構成の詳細については後述する。
【0035】
なお、ビームエキスパンダ20が備える可動レンズの駆動の制御は、信号処理部8からの収差情報を取得するビームエキスパンダ制御部6(図1参照)によって行われる。また、ビームエキスパンダ制御部6は、光ディスク装置1が記録再生する光記録媒体15の種類に応じて、ビームエキスパンダ20内に設けられるアパーチャの位置を切り替える役割をも果たすが、この点については後述する。
【0036】
図1に戻って、光ディスク装置1には信号処理部8が設けられており、この信号処理部8は、少なくともRF信号処理部9とトラックエラー信号処理部10とフォーカスエラー信号処理部11とを含んでいる。そして、この信号処理部8において、光検出器23(図2参照)で変換された電気信号に基づいて、RF信号、トラックエラー信号(TE信号)、フォーカスエラー信号(FE信号)を生成する。RF信号はデータ復調部12でデータに復調され、図示しないインターフェースを介してパソコン等の外部機器に出力される。
【0037】
TE信号及びFE信号は、アクチュエータ制御部7に出力される。アクチュエータ制御部7は、これらの信号に基づいて、対物レンズ21を移動可能とする図示しないアクチュエータに駆動信号を供給する。駆動信号が供給されたアクチュエータは、信号に基づいて各部を作動させて、対物レンズ21を光軸と平行な方向に移動して、光記録媒体15の記録面15aにフォーカスを追従させるフォーカス制御や対物レンズ21を光記録媒体15の半径方向と平行な方向に移動して光ビームのスポット位置を光記録媒体15に形成されるトラック位置に追従させるトラッキング制御を行う。
【0038】
その他、レーザ制御手段5は、光ピックアップ4に備えられる半導体レーザから成る光源16(図2参照)のレーザ出力を制御する。また、全体制御部13は、スピンドルモータ制御部3、レーザ制御部5、ビームエキスパンダ制御部6、アクチュエータ制御部7、信号処理部8、及びデータ復調部12等を制御して、装置全体のコントロールを行う。
【0039】
図3は、本実施形態の光ピックアップ装置4が備えるビームエキスパンダ20の構成を示す概略断面図である。図3に示されるように、ビームエキスパンダ20は、第1レンズ24と、第2レンズ25と、第1のレンズホルダ26と、第2のレンズホルダ27と、駆動部28と、アパーチャ29と、圧縮バネ(付勢手段)36と、圧縮バネ支持部材37と、を備える。
【0040】
第1レンズ24は、その詳細は後述する第1のレンズホルダ26に保持されている。一方、第2レンズ25は、その詳細は後述する第2のレンズホルダ27に保持されている。第2レンズ25は、移動可能に設けられる第2のレンズホルダ27の移動とともに移動可能となっており、第1レンズ24と第2レンズ25との距離は可変とされている。そして、第1レンズ24と第2レンズ25との距離を可変とすることで、これら第1レンズ24と第2レンズ25は一組で、ビームエキスパンダ20に入射する光ビームのビーム径を調整して射出することが可能となっている。
【0041】
第1のレンズホルダ26は、筒状に形成されており、図3に示すように、その内面上部側にはレンズ保持部26aが設けられており、第1レンズ24は、このレンズ保持部26aに搭載された状態で保持されている。また、第1のレンズホルダ26の内面には、レンズ保持部26aより下部側の一部に、その詳細は後述するアパーチャ29を保持するアパーチャ保持部30が形成されている。
【0042】
図4は、図3に示す第1のレンズホルダ26のA−A断面図である。図4に示されるように、アパーチャ保持部30は、第1のレンズホルダ26の内面に沿うように、4つのエリアに設けられている。そして、隣り合うアパーチャ保持部30の間には、それぞれ間隙32a〜32dが形成されている。また、アパーチャ保持部30の上部側には、階段状に2つの斜面が形成されている。階段状形成される斜面の詳細については後述する。
【0043】
なお、図3及び図4に示すように、筒状に形成される第1のレンズホルダ26の側面の一部には、その外面と内面とを貫通する切り欠き26cが設けられており、この切り欠き26cの存在により、第2のレンズホルダ27の上下方向(図3参照)の移動が可能となっている。この切り欠き26cが形成される位置は、図4に示すように、アパーチャ保持部30間に形成される4つの間隙32a〜32dのうちの対向する2つの間隙32b、32dの位置と同一となっている。
【0044】
また、第1のレンズホルダ26には、その上部側の側面から突出し、下部側に向けて延びるガイドロッド26bが設けられており、これは、後述するように第2のレンズホルダ27の移動を案内する役割を果たす。
【0045】
第2のレンズホルダ27も第1のレンズホルダ26と同様に筒状に形成されているが、その外径は第1のレンズホルダ26の内径よりも小さく、第2のレンズホルダ27は第1のレンズホルダ26内を移動可能に形成されている。第2のレンズホルダ27の内面には、第2レンズ25を保持するレンズ保持部27aが設けられており、第2レンズ25は、このレンズ保持部27aに搭載された状態で保持されている。
【0046】
筒状に形成される第2のレンズホルダ27の側面2箇所からは、それぞれ右方向又は左方向に棒状の腕部27b、27cが突出しており、腕部27bの先端には、その内面がリードスクリュ28bと螺合するネジ部27dが設けられ、腕部27cの先端には図示しない貫通穴が設けられて、第1のレンズホルダ26から突出するガイドロッド26bが貫通した状態となっている。
【0047】
腕部27b、27cはいずれも、第1のレンズホルダ26の切り欠き26c部分を貫通しており、更に第1のレンズホルダ26の内面に形成されるアパーチャ保持部30間の間隙32b、32dよりも細く形成されているために、第2のレンズホルダ26は、図3における上下方向に移動可能となっている。
【0048】
第2のレンズホルダ27の上下方向への移動は、駆動部28によって行われる。この駆動部28は、ステッピングモータ28aとステッピングモータ28aに連結されるリードスクリュ28bとで構成される。また、駆動部28は、ビームエキスパンダ制御部6(図1参照)と電気的に接続されており、ビームエキスパンダ制御部6によって制御される。
【0049】
ビームエキスパンダ制御部6からの指示によりステッピングモータ28aが駆動して、リードスクリュ28bが回転操作されると、第2のレンズホルダ27はリードスクリュ28b及びガイドロッド26bに沿って、リードスクリュ28bの回転方向に応じた方向に移動操作される。そして、第2のレンズホルダ27の移動にともなって、第2のレンズホルダ27に搭載される第2レンズ25も移動するために、第1のレンズホルダ26に固定される第1レンズ24と第2レンズ25との間隔が可変となる。
【0050】
図5は、第2のレンズホルダ27の構成を示す概略斜視図である。なお、図5においては第2のレンズホルダ27の側面から突出する腕部27b、27c等は省略されている。図5に示すように、第2のレンズホルダ27の上面には所定の角度の斜面を有する8つの凸部33a〜33hが形成されている。この所定の角度の斜面を有する凸部33a〜33hの存在により、アパーチャ29を回転させながら、アパーチャ29の保持位置の切り替えが可能となる。アパーチャ29の保持位置の切り替えについては後述する。なお、図3においては、この凸部33a〜33hは省略されている。
【0051】
図6は、第1のレンズホルダ26と第2のレンズホルダ27の位置関係を模式的に示す平面図である。図6に示すように、凸部33aが間隙32aと対応する位置に、凸部33cが間隙32bと対応する位置に、凸部33eが間隙32cと対応する位置に、凸部33gが間隙32dと対応する位置となるように、第2のレンズホルダ27は第1のレンズホルダ26内に配置されている。
【0052】
図7は、アパーチャ29の構成を示す概略平面図である。図3及び図7に示すように、アパーチャ29は円形の板状に形成されており、中央部分に開口穴34が形成されている。そして、開口穴34以外の部分は光ビームが通過しないように形成されている。このため、アパーチャ29によりビームエキスパンダ20に入射する光ビームの開口制限が可能となる。
【0053】
アパーチャ29の外周には円柱状に形成される凸部35a〜35hが形成されており、この円柱状の凸部35a〜35hの存在のより、アパーチャ29を回転させながら、アパーチャ29の保持位置の切り替えが可能となる。この点については後述する。なお、この凸部35a〜35hには長さの異なる2種類の凸部が存在し、凸部35a、35c、35e、35gが同一の長さで、凸部35b、35d、35f、35hが同一の長さとなっている。そして、凸部35a、35c、35e、35gの方が、凸部35b、35d、35f、35hより長く形成されている。
【0054】
アパーチャ29は、図3に示すように圧縮バネ36によって第2のレンズホルダ27側に付勢されている。そして、アパーチャ29と圧縮バネ36との間には、圧縮バネ支持部材37が配置されており、これにより後述するアパーチャ29の回転が圧縮バネ36の存在によって阻害される等の影響を防止できる構成となっている。
【0055】
図8は、本実施形態の圧縮バネ支持部材37の構成を示す概略斜視図であり、図に示すように圧縮バネ支持部材37は円形の板状に形成されており、その中央側は開口穴38が形成されている。圧縮バネ支持部材37の開口穴38の直径は、アパーチャ29の開口穴34(図7参照)の直径より大きく形成されている。また、圧縮バネ支持部材37の下面には、複数の小突起39が設けられており、これにより圧縮バネ支持部材37とアパーチャ29との間に発生する摩擦力を低減し、アパーチャ29の回転をともなう移動を阻害しないようになっている。
【0056】
なお、圧縮バネ支持部材37は必ずしも設けなくても良いが、上述したように圧縮バネ36の存在によってアパーチャ29の動作が円滑に行われない場合もあるために、圧縮バネ支持部材37は配置するのが好ましい。
【0057】
本実施形態のビームエキスパンダ20は以上のように構成されるが、ビームエキスパンダ20内に配置されるアパーチャ29は、光軸40(図3参照)と平行な方向に移動可能となっており、このアパーチャ29の位置を、光ピックアップ装置4を用いて読み取りや書き込みを行う光記録媒体15の種類(本実施形態においては、BDとHD−DVD)に応じて切り替えることで、対物レンズ21(図2参照)の開口数を変化させられるようになっている。以下、アパーチャ29の位置の切り替え動作について図9及び図10を用いて説明する。
【0058】
図9は、アパーチャ29とアパーチャ保持部30との位置関係を示す概略平面図で、図9(a)は、アパーチャ29がアパーチャ保持部30上に保持されていない状態を示し、図9(b)は、アパーチャ29がアパーチャ保持部30上に保持されている状態を示す。なお、図3の状態は、アパーチャ29がアパーチャ保持部30上に保持されていない状態に相当する。
【0059】
図10は、アパーチャ29の位置が図9(a)の状態から図9(b)の状態へと移動する様子を示す模式図で、図9の破線で囲まれる部分を破線矢印で示す方向から見た様子を平面的に示した図である。なお、図10にいては、第2のレンズホルダ27は、第2のレンズホルダ27の上部に設けられる凸部33c〜33gでのみ示されている。
【0060】
以下、図9と図10とを参照しながら、アパーチャ29の位置を、第2のレンズホルダ26に支持された状態(図9(a)、図10(a)の状態)から、アパーチャ保持部30上に保持される状態(図9(b)、図10(c)の状態)へと切り替える動作について説明する。この場合、まず、駆動部28が駆動して、第2のレンズホルダ27が光軸40(図3参照)と平行な上方向に移動し、これにより、第2のレンズホルダ27上に載せられるアパーチャ29も光軸40と平行な上方向に移動を開始する。
【0061】
そして、第2のレンズホルダ27に上部に設けられる凸部33a〜33hの斜面の下端と、アパーチャ保持部30に設けられる斜面の上端と、の位置が同じ高さとなる(図10(b)の状態)と、アパーチャ29が有する円柱状の凸部35a、35c、35e、35gが第2のレンズホルダ27に設けられる凸部33a、33c、33e、33gの斜面及びアパーチャ保持部30に設けられる斜面を滑り落ち、アパーチャ29が有する円柱状の凸部35b、35d、35f、35hが第2のレンズホルダ27に設けられる凸部33b、33d、33f、33hの斜面を滑り落ちる(図10(b)の矢印参照)。すなわち、アパーチャ29は、図9において反時計回り方向に回転することとなる。
【0062】
そして、アパーチャ29の凸部35a、35c、35e、35gは、アパーチャ保持部30の上面に設けられる斜面が階段状に形成されているために、段差の部分で滑り落ちる動作を止められて保持され、アパーチャ29はアパーチャ保持部30上に保持されることとなる(図9(b)、図10(c)の状態)。また、第2のレンズホルダ27は、所定の位置まで下げられる。なお、アパーチャ29の凸部35b、35d、35f、35hは、その長さが短いためにアパーチャ保持部30上で保持されることはない。この凸部35b、35d、35f、35hは、アパーチャ29の回転を円滑とするために設けられており、必ずしも必須の構成要素ではない。
【0063】
また、アパーチャ29をアパーチャ保持部30から降ろす場合には、図10(c)の状態から、第2のレンズホルダ27でアパーチャ29を持ち上げ、第2のレンズホルダ27に上部に設けられる凸部33a〜33hの斜面の下端と、アパーチャ保持部30に設けられる斜面の上端と、の位置を同じ高さとする。これにより、アパーチャ29が先程と同様に回転して、今度はアパーチャ29の凸部35a〜35hはいずれも、アパーチャ保持部30で保持されず、第2のレンズホルダ27に支持される状態となってアパーチャ保持部30から降ろされる。
【0064】
図11は、ビームエキスパンダ20において、アパーチャ29がアパーチャ保持部30に保持されず第2のレンズホルダ27に支持された状態を示す概略断面図で、図12は、ビームエキスパンダ20において、アパーチャ29がアパーチャ保持部30に保持された状態を示す概略断面図である。
【0065】
図11の場合には、第2レンズ25とアパーチャ29とは近接して配置され、光源16(図2参照)から第2レンズ25に入射し、第2レンズ25を出射する光ビームは、アパーチャ29によって開口制限されることなく第1レンズ24へと到達し、広いビーム径の光ビームを対物レンズ21に入射することが可能となる。本実施形態においては、図11の状態では、第1レンズ24を出射する光ビームは、対物レンズ21に無限系で入射(平行光が入射)するように調整されており、図11の状態は、大きな開口数NA(例えば、NA=0.85)を必要とするBDの記録再生を行う状態に相当する。
【0066】
一方、図12の場合には、第2レンズ25とアパーチャ29との間隔を大きくできるために、光源16から第2レンズ25に入射し、第2レンズ25を出射する光ビームについて、アパーチャ29で開口制限を行うことが可能となり、第1レンズ24に入射する光ビームのビーム径は絞られ、対物レンズ21に入射する光ビームのビーム径を小さなビーム径とできる。本実施形態においては、図12の状態では、第1レンズ24を出射する光ビームは、対物レンズ21に有限系で入射(発散光が入射)するようになっており、図12の状態は、BDの場合に比べて小さな開口数NA(例えば、NA=0.65)で足りるHD−DVDの記録再生を行う状態に相当する。
【0067】
以上のように構成することにより、光記録媒体15の種類に応じてビームエキスパン20を用いて開口数を可変することが可能となるが、この場合でも更に球面収差の補正が必要となる場合がある。この場合には、第2のレンズホルダ27を移動することにより、第2レンズ25を光軸40(図3参照)方向に移動して、第2レンズ25の位置を調整して球面収差の補正を行うこととなる。
【0068】
本発明に係るビームエキスパンダ20の構成は、本実施形態の構成に限定される趣旨ではなく、本発明の目的を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。すなわち、例えば、本実施形態においては、対物レンズ21に対して遠い方の第2レンズ25が可動する構成としているが、本実施形態と同様の構成で、対物レンズ21に近い第1レンズ24が可動する構成等としても構わない。
【0069】
また、ビームエキスパンダ20が備える第2のレンズホルダ27の駆動機構についても別形態としても構わず、例えば、図13に示すように、第2のレンズホルダ27及び第2のレンズホルダ27の下部側に設けられる回転部41の外周側を波状に曲がりくねった状態とし、回転部41の回転によって第2のレンズホルダ27が上下する構成等としても構わない。なお、図13は、第2のレンズホルダ27を側面から見た側面図であり、図13において、42は第2のレンズホルダ27の周囲に形成されたギアで、43は、ステッピングモータ44の出力軸にセットされたギアである。また、本実施形態のように駆動手段としてステッピングモータを用いずに、例えば、磁気回路を形成し、コイルに電流を流して電磁力を用いて第2のレンズホルダ27を移動可能とする構成等としても構わない。
【0070】
更に、以上に示した実施形態では、HD−DVDとBDとの2種類に対応する光ディスク装置1(光ピックアップ装置4)としているが、これに限定されず、他の種類の光記録媒体にもちろん変更可能である。この場合、光源16の数や光学部品の構成を変更する必要があるが、これは公知の技術によって変更すれば良い。
【0071】
また、本発明は、2種類の光記録媒体に限らず、3種類以上の光記録媒体に対応する光ディスク装置(光ピックアップ装置)にも適用することが可能である。ただし、3種類以上とする場合には、ビームエキスパンダ20が備えるアパーチャ保持部30が、異なる3つ以上の高さでアパーチャ29を保持できるように構成する必要が生じる場合がある。これについては、例えばアパーチャ29の位置を3段階の切り替えができるような場合を想定すると、アパーチャ保持部30の構成を図14に示すように、アパーチャ29を図15に示すような構成等とすることに対応可能である。
【0072】
なお、図14に示す図は、図10に示す図と同様の模式図で、図10の場合と比べて、アパーチャ保持部30の斜面の数が1つ増えており、さらには、中間位置で保持できるような保持溝45が設けられている点で、その構成が異なる。また、アパーチャ29については、図15に示すように、本実施形態の場合と比べて、アパーチャ29から突出する円柱状の凸部(長さが短い方の凸部)の数を増やしている。この場合には、図示しないが、第2のレンズホルダ27の上部に設けられる凸部(図5参照)の数もアパーチャ29から突出する凸部の数に合わせて増やす構成等とすることが考えられる。
【0073】
その他、以上に示した本実施形態の光ディスク装置は記録再生を行えるタイプのものであるが、もちろん、再生専用の光ディスク装置にも本発明は適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明によれば、複数種類の光記録媒体に対応可能な光ピックアップ装置において、装置サイズを大型化することなく、更に低消費電力で球面収差の補正が適切に行える光ピックアップ装置を提供できる。従って、複数種類の光記録媒体に対応可能な光ディスク装置の分野で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】は、本実施形態の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】は、本実施形態に係る光ピックアップ装置の光学系の構成を示す概略図である。
【図3】は、本実施形態の光ピックアップ装置が備えるビームエキスパンダの構成を示す概略断面図である。
【図4】は、ビームエキスパンダが備える第1のレンズホルダについて、図3のA−A断面図である。
【図5】は、ビームエキスパンダが備える第2のレンズホルダの構成を示す概略斜視図である。
【図6】は、第1のレンズホルダと第2のレンズホルダの位置関係を模式的に示す平面図である。
【図7】は、ビームエキスパンダが備えるアパーチャの構成を示す概略平面図である。
【図8】は、ビームエキスパンダが備える圧縮バネ支持部材の構成を示す概略斜視図である。
【図9】は、アパーチャとアパーチャ保持部との位置関係を示す概略平面図である。
【図10】は、アパーチャの位置の切り替え動作を説明するための模式図である。
【図11】は、本実施形態のビームエキスパンダにおいて、アパーチャが第2のレンズホルダに支持された状態を示す概略断面図である。
【図12】は、本実施形態のビームエキスパンダにおいて、アパーチャがアパーチャ保持部に保持された状態を示す概略断面図である。
【図13】は、本発明に係るビームエキスパンダの他の実施形態を説明する図である。
【図14】は、本発明に係るビームエキスパンダの他の実施形態を説明する図である。
【図15】は、本発明に係るビームエキスパンダの他の実施形態を説明する図である。
【符号の説明】
【0076】
1 光ディスク装置
4 光ピックアップ装置
15 光記録媒体
15a 記録面
16 光源
20 ビームエキスパンダ
21 対物レンズ(集光レンズ)
24 第1レンズ
25 第2レンズ
26 第1のレンズホルダ(第1のホルダ)
27 第2のレンズホルダ(第2のホルダ)
28 駆動部
29 アパーチャ
30 アパーチャ保持部
36 圧縮バネ(付勢手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
該光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光する集光レンズを含む光学系と、
前記光学系中に配置されて波面収差の補正を行う収差補正素子と、
前記収差補正素子の駆動を制御する制御部と、
を備える光ディスク装置において、
前記収差補正素子は、入射光の光ビームの径を変換して射出するビームエキスパンダであって、
前記ビームエキスパンダは、
前記集光レンズと対向して配置される第1レンズと、
第2レンズと、
前記第1レンズと前記第2レンズとの間に配置されるアパーチャと、
筒状に形成されて一方の端部側で前記第1レンズを保持する第1のホルダと、
前記第2レンズを保持し、前記第1のホルダの前記第1レンズが保持される側と反対の端部側に、前記第1のホルダ内を移動可能に設けられる第2のホルダと、
前記第2のホルダを前記ビームエキスパンダに入射する光ビームの光軸と平行な方向に移動可能とし、前記制御部によってその駆動を制御される駆動部と、
前記アパーチャを前記第2のホルダ側に付勢する付勢手段と、
前記第1のホルダ内に形成されて、前記第2のホルダを前記付勢手段の付勢力に反して前記駆動部の駆動力により移動した場合に、前記第2のホルダとともに移動する前記アパーチャを所定の位置で保持する保持部と、
を備えることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】
光源と、
該光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集光する集光レンズと、
前記光源と前記集光レンズとの間に配置されて波面収差の補正を行う収差補正素子と、
を備える光ピックアップ装置において、
前記収差補正素子は、入射光の光ビームの径を変換して射出するビームエキスパンダであって、
前記ビームエキスパンダが有する第1レンズと第2レンズとの間には、アパーチャが配置されることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項3】
前記アパーチャは、その位置を移動可能に設けられ、複数の位置に切り替えて配置されることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
【請求項4】
前記アパーチャは、前記第1レンズ又は前記第2レンズの移動とともに移動することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の光ピックアップ装置。
【請求項5】
前記アパーチャは、付勢手段によって前記第1レンズ又は前記第2レンズのいずれか一方側に付勢されており、
前記第1レンズと前記第2レンズとの間には、前記アパーチャを所定の位置で保持する少なくとも1つの保持部が設けられることを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。
【請求項6】
筒状に形成されて一方の端部側で前記第1レンズを保持する第1のホルダと、
前記第2レンズを保持し、前記第1のホルダの前記第1レンズが保持される側と反対の端部側に、前記第1のホルダ内を移動可能に設けられる第2のホルダと、
前記第2のホルダを前記ビームエキスパンダに入射する光ビームの光軸と平行な方向に移動可能とする駆動部と、
前記アパーチャを前記第2のホルダ側に付勢する付勢手段と、
前記第1のホルダ内に形成されて、前記第2のホルダを前記付勢手段の付勢力に反して前記駆動部の駆動力により移動した場合に、前記第2のホルダとともに移動する前記アパーチャを所定の位置で保持する保持部と、
を備えることを特徴とする請求項2から請求項5のうちのいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
【請求項7】
前記第1レンズは前記集光レンズと対向する位置に配置されることを特徴とする請求項6に記載の光ピックアップ装置。
【請求項8】
請求項2から請求項7のうちのいずれか1項に記載の光ピックアップ装置を備えることを特徴とする光ディスク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図9】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−317289(P2007−317289A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144942(P2006−144942)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】