説明

光ピックアップ装置及び当該光ピックアップ装置を備えた光ディスク再生装置

【課題】光源や受光部品がピックアップケースの正規の位置から位置ずれしにくくなる光ピックアップ装置及び当該光ピックアップ装置を備えた光ディスク再生装置を提供する。
【解決手段】 光ピックアップ装置21はLD28とLD28から出射されかつCD2の表面で反射されたレーザ光を受光するPD29とLD28からのレーザ光をCD2の表面まで導きかつCD2の表面で反射されたレーザ光をPD29まで導く複数の光学部品40,41,42,43,44とCD2の径方向に移動自在に設けられたピックアップケース27とを備えている。ピックアップケース27はLD28、PD29及び複数の光学部品40,41,42,43,44を取り付けている。ピックアップケース27はLD28とPD29とのうち少なくとも一方をピックアップケース27の外周面の当該ピックアップケース27に取り付けられるモータ38との間に位置付ける位置に配置している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、Compact DiscやBD(Blu-ray Disc)などの光ディスクから情報を読み出す光ピックアップ装置及び当該光ピックアップ装置を備えた光ディスク再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disc)やBD(Blu-ray Disc)などの光ディスクから情報を読み出すために、従来から種々の光ピックアップ装置(例えば、特許文献1参照)が用いられてきた。
【0003】
前述した特許文献1などに示された光ピックアップ装置は、前述したCDなどの光ディスクの径方向に移動自在に設けられたピックアップケースと、前記ピックアップケースに取り付けられる光源としてのレーザダイオード(以下、LDと記す)と、前記LDに出射されかつ前記光ディスクの表面で反射されたレーザ光を受光する受光部品としてホトダイード(PD)と、前記ピックアップケースに取り付けられた複数の光学部品とを備えている。
【0004】
前述したLD及びPDは、接着剤により前記ピックアップケースの外周面に取り付けられる。前記複数の光学部品は、前記LDから出射されたレーザ光を前記光ディスクの表面まで導きかつ前記光ディスクの表面で反射されたレーザ光を前記PDまで導く。
【0005】
前述した構成の光ピックアップ装置は、LDから出射されたレーザ光を前記複数の光学部品により前述した光ディスクの表面まで導き、当該光ディスクの表面で反射されたレーザ光をPDで受光して、当該光ディスクから情報を読み出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−122828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した従来の光ピックアップ装置は、ピックアップケースの外周面に前述したLD及びPDを接着剤により取り付けるために、当該光ピックアップ装置の組立工程において、作業員がこれらのLD及びPDに触れやすかった。このため、光ピックアップ装置の組立工程において、前述した接着剤が硬化する前に作業員がこれらのLD及びPDに触れてしまうと、当該LD及びPDが若干(少なくとも数十μm以上)正規の位置から移動してしまう。この場合、光ピックアップ装置は、所望の性能を発揮することが困難となるおそれがあった。
【0008】
したがって、本発明の目的は、例えば、光源や受光部品がピックアップケースの正規の位置から位置ずれしにくくなる光ピックアップ装置及び当該光ピックアップ装置を備えた光ディスク再生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明は、光源と、前記光源から出射されかつ光ディスクの表面で反射されたレーザ光を受光する受光部品と、前記光源からのレーザ光を前記光ディスクの表面まで導きかつ前記光ディスクの表面で反射されたレーザ光を前記受光部品まで導く複数の光学部品と、前記光源、前記受光部品及び前記複数の光学部品を取り付けるとともに、前記光ディスクの径方向に移動自在に設けられたピックアップケースと、を備えた光ピックアップ装置において、前記光源と前記受光部品とのうち少なくとも一方を、前記ピックアップケースの外周面の当該ピックアップケースに取り付けられる他の部品との間に位置付ける位置に配置していることを特徴としている。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態にかかる光ピックアップ装置を説明する。本発明の一実施形態にかかる光ピックアップ装置は、光源と受光部品とのうち少なくとも一方をピックアップケースの外周面と他の部品との間に配置している。こうすることで、前述した他の部品により、光源と受光部品とのうち少なくとも一方に作業員が触れ難くなる。このために、光ピックアップ装置の組立工程において、光源や受光部品を取り付けるための接着剤が硬化する前に、作業員がこれらの光源や受光部品に触れてしまうことを防止でき、当該光源や受光部品が若干(少なくとも数十μm以上)正規の位置から移動してしまうことを防止できる。
【0011】
また、本実施形態の光ピックアップ装置は、光学部品としてレーザ光を鋭角に反射する反射部材を備え、ピックアップケースの外周面の光ディスクの径方向に沿って外周側の凸の突出形状に光源及び受光部品を設け、更に、当該突出形状に隣接してコリメータレンズ駆動部をもうけてもよい。この場合、コリメータレンズ駆動部を光ディスクの径方向外周側に配置することで光ピックアップが光ディスクの接線方向に大型化することを防ぐとともに、コリメータレンズ駆動部により光源と受光部品とのうち少なくとも一方に作業員が触れ難くなる。さらに、反射部材により光ディスクの接線方向をレーザ光の主な光軸方向とすることで、レーザ光の光路長を確保して、異物のレーザ光の強度に対する影響を低減しながらも、ピックアップケース即ち光ピックアップ装置自体の小型化を図ることができる。
【0012】
また、受光部品を突出形状のコリメータレンズ駆動部寄りに設け、光源を突出形状の受光部品よりもコリメータレンズ駆動部から離れた位置に設けてもよい。この場合、受光部品をコリメータレンズ駆動部と光源との間に配置することで、作業員が触れた際に正規の位置から移動し易い部品である受光部品を適切に保護できる。
【0013】
さらに、本実施形態の光ピックアップ装置は、レーザ光が機器本体の外周面と平行になるように、複数の光学部品、光源及び受光部品を配置しても良い。この場合、ピックアップケースの外周面を機器本体の外周面と平行になるように形成することができるので、当該ピックアップケースの小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例にかかるCDプレーヤの斜視図である。
【図2】図1に示されたCDプレーヤのシャーシ本体及びクランプ再生ユニットなどを示す斜視図である。
【図3】図1に示されたCDプレーヤのクランプ再生ユニットの側面図である。
【図4】図1に示されたCDプレーヤの光ピックアップ装置の斜視図である。
【図5】図4に示された光ピックアップ装置の光結合部などの構成を示す斜視図である。
【図6】図4に示された光ピックアップ装置のピックアップケースと光結合部などの構成を示す平面図である。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の一実施例にかかる光ディスク再生装置の一例としてのCDプレーヤ1を、図1ないし図6に基づいて説明する。図1などに示すCDプレーヤ1は、移動体としての自動車のインストルメントパネル(以下、インパネと呼ぶ)などに取り付けられて、光ディスクとしてのCD2(図1に示す)を一枚収容して、このCD2に記録された情報を読み出(再生)して、音声として出力する装置である。CD2は、勿論、中央に孔が設けられた円板状即ちディスク状に形成されており、コンピュータなどの電子機器で読みとることのできる情報を記録した記録媒体である。
【0016】
CDプレーヤ1は、図1及び図2に示すように、機器本体3(図1に示す)と、搬送手段としての搬送ユニット5と、クランプ再生手段としてのクランプ再生ユニット6などを備えている。なお、以下、CD2の表面と搬送ユニット5のCD2の搬送方向との双方と平行な図1中の矢印YをCDプレーヤ1の奥行き方向と記し、CD2の表面と平行でかつ前記奥行き方向Yと直交する矢印XをCDプレーヤ1の幅方向と記し、CD2の表面と奥行き方向Yと幅方向Xの全てと直交する矢印ZをCDプレーヤ1の厚み方向と記す。
【0017】
機器本体3は、平面形状が四角形状の扁平な箱状に形成され、かつ、合成樹脂や金属等からなる図1に示す外側ケース8と、図2に示すシャーシ本体9とを備えている。
【0018】
外側ケース8は、扁平な箱状に形成されている。外側ケース8の前述したインパネに取り付けると乗員に相対する前面8a(図1に示す)には、CD2を出し入れ可能な挿入口10が一つ設けられている。なお、前面8aは、外側ケース8即ちCDプレーヤ1がインパネに取り付けられると、該インパネの外側に露出する外側ケース8の一つの面である。
【0019】
挿入口10は、外側ケース8の外壁を貫通している。挿入口10は、内側にCD2を通すことができる。挿入口10を通して、前記CD2は、外側ケース8即ち機器本体3内に収容されたり、該機器本体3内から排出される。即ち、挿入口10は、CD2を機器本体3に出し入れ自在とする。
【0020】
さらに、前述した前面8aには、表示パネル11と、各種のスイッチ12とが設けられている。
【0021】
表示パネル11は、前面8aに露出して、使用者に対し各種の情報を表示する表示領域としての表示面を備えている。表示パネル11は、表示面に再生中のプログラム名等の情報を表示する。
【0022】
各種のスイッチ12は、使用者が操作するための操作部を構成している。スイッチ12が使用者などに操作されることによって、例えば、クランプ再生ユニット6が再生するCDのプログラムの選択やCDの出し入れなどが行われる。
【0023】
シャーシ本体9は、図2などに示すように、複数の折り曲げられた板金などが互いに取り付けられて構成されている。シャーシ本体9は、図2及び図3に示すように、略平坦な底壁13と、該底壁13に間隔をおいて相対する略平坦な天井壁15と、これらの底壁13と天井壁15とに連なる複数の周壁14と、を備えている。これらの壁13,14,15には、それぞれ、前記シャーシ本体9の軽量化と剛性の確保とのために、複数の開口部が設けられている。
【0024】
搬送ユニット5は、挿入口10の近傍に配され、かつ図示しないローラアームと、図 に示すディスクガイド17と、を備えている。ローラアームは、モータなどの駆動源により回転駆動される搬送ローラが設けられている。ディスクガイド17は、平板状に形成され、ローラアームと間隔をあけて配置されている。
【0025】
前述した構成のローラアームとディスクガイド17は、互いに接離自在に設けられ、かつ互いに近づいて互いの間にCD2を挟んで、搬送ローラがモータにより回転駆動されることで、機器本体3にCD2を出し入れする。
【0026】
クランプ再生ユニット6は、図3に示すように、キャリッジシャーシ18と、クランプアーム19と、を備えている。キャリッジシャーシ18は、板金などからなるシャーシ本体20と、該シャーシ本体20に取り付けられた図示しない回転テーブルと、シャーシ本体20に取り付けられた光ピックアップ装置21(図4に示す)と、を備えている。
【0027】
シャーシ本体20は、略平板状に形成されている。回転テーブルは、シャーシ本体20に回転自在に支持されている。回転テーブルは、CD2の中央の孔内に侵入するとともに、シャーシ本体20に取り付けられたスピンドルモータの駆動力によって、CD2を回転させる。光ピックアップ装置21の構成は、後ほど説明する。
【0028】
クランプアーム19は、板金などからなるアーム本体22と、クランパ23と、を備えている。アーム本体22は、略平板状に形成されている。キャリッジシャーシ18のシャーシ本体20に、挿入口10から離れた端部を中心として回転自在に支持されている。アーム本体22の回転中心は、シャーシ本体9の幅方向Xと平行である。アーム本体22がシャーシ本体20に近づいた状態では、シャーシ本体20とアーム本体22とが略平行になる。
【0029】
クランパ23は、回転テーブルに相対する位置に配されている。クランパ23は、円板状に形成されているとともに、アーム本体22に回転自在に支持されている。クランパ23は、アーム本体22がシャーシ本体20と略平行な状態となると、回転テーブルとの間にCD2を挟むことができる。さらに、クランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ18とクランプアーム19とは、図示しないばねなどの付勢手段により互いに近づく方向に付勢されている。
【0030】
また、前述した構成のクランプ再生ユニット6は、図示しないゴムなどの弾性体からなるダンパと、コイルばねなどによって、前記機器本体3に対し移動自在にシャーシ本体9内に支持される。クランプ再生ユニット6は、クランプアーム19のアーム本体22がキャリッジシャーシ18に回転自在に支持されることで、これらのキャリッジシャーシ18とクランプアーム19とが互いに接離自在に設けられている。クランプ再生ユニット6は、クランプアーム19とキャリッジシャーシ18とが互いに近づいて、回転テーブルとクランパ23との間にCD2を挟んで(即ち互いの間にCD2を挟んでクランプし)、回転テーブル55でCDを回転させ光ピックアップ装置21で該CD2内の情報を読み出す。
【0031】
そして、クランプ再生ユニット6は、前記自動車の走行中の振動によって機器本体3が振動しても、前記ダンパとコイルばねとによってシャーシ本体9に対し移動する。このように、前記ダンパとコイルばねなどは、前記自動車の走行中の振動などが前記CD2の情報を読み出す作業に悪影響を与えることを防止する。
【0032】
光ピックアップ装置21は、シャーシ本体20に取り付けられた駆動機構24(図4に示す)によって、機器本体3の対角線上すなわちCD2の径方向に沿って移動自在に設けられている。駆動機構24は、図示しないモータの駆動源により回転駆動されるとともに、機器本体3の対角線上すなわちCD2の径方向と平行な直線状のリードスクリュー25(図4中に二点鎖線で示す)と、当該リードスクリュー25と平行な円柱ピン26(図4中に二点鎖線で示す)とを備えている。
【0033】
光ピックアップ装置21は、図4ないし図6に示すように、ピックアップケース27と、光源としてのレーザダイオード(以下、LDと記す)28と、受光部品としてのホトダイオード(以下、PDと記す)29と、光結合部30とを備えている。
【0034】
ピックアップケース27は、リードスクリュー25に螺合しかつ前記円柱ピン26によりスライド自在に設けられたベース部31と、このベース部31に対して移動自在に設けられたレンズ部32と、前記ベース部31に対して前記レンズ部32を厚み方向Z及びCD2の径方向に沿って移動させるアクチュエータ33と備えている。
【0035】
ベース部31は、図6に示すように、前記機器本体3の外側ケース8の互いに連なる二つの外周面8b(機器本体3の外周面に相当)と平行な平行面34がその隅部に設けられた扁平な箱状に形成されている。また、ベース部31の外周面には、CD2の径方向でかつ外周方向に凸状の突出形状50が設けられている。なお、突出形状50の平面形状は、三角形に形成され、前記平行面34のうち一方が突出形状50の外表面をなしている。レンズ部32は、扁平な四角形状に形成されアクチュエータ33の後述する線条弾性部材35の先端が取り付けられて、当該線条弾性部材35により前記ベース部31に対して厚み方向Z及びCD2の径方向に沿って移動自在に支持されている。
【0036】
アクチュエータ33は、一端がベース部31に取り付けられかつ他端がレンズ部32に取り付けられた四つの線条弾性部材35と、レンズ部32に取り付けられかつ前記線条弾性部材35により駆動電流が供給される平板状の一対のプリントコイル36と、これらのプリントコイル36と間隔をあけて相対して配置されかつ前記ベース部31に取り付けられたマグネット37とを備えている。前記アクチュエータ33は、線条弾性部材35を介してプリントコイル36に駆動電流が供給されることで、レンズ部32即ち後述する対物レンズ43を厚み方向ZとCD2の径方向に移動させる。
【0037】
前記ピックアップケース27のベース部31の外周面の平行面34間でかつ機器本体3の外側に位置するとともに前記突出形状50の隣接する位置には、後述するコリメータレンズ42を移動させるための他の部品としてのモータ38(コリメータレンズ駆動部に相当する)が取り付けられている。モータ38の出力軸にはリードスクリュー39が取り付けられ、かつこのリードスクリュー39にはコリメータレンズ42を保持する保持部材48が螺合している。モータ38は、リードスクリュー39を回転駆動することで、コリメータレンズ42を後述する第2プリズム41とミラー44との間に位置するレーザ光の光軸P(図6中に一点鎖線で示す)方向に移動させる。
【0038】
LD28とPD29は、互いに光軸P(図6中に一点鎖線で示す)が間隔をあけかつ互いに光軸Pが平行に配置され、前記ピックアップケース27のベース部31の外周面の平行面34間でかつ突出形状50に取り付けられている。LD28とPD29とは、ピックアップケース27のベース部31の外周面の前記モータ38との間に位置付けられる位置に配置されている。また、前述したLD28とPD29は、ピックアップケース27のベース部31の外周面の機器本体3の隅部寄りの箇所に取り付けられている。LD28は、CD2から情報を読み取るために最適な波長のレーザ光を出射し、PD29は、CD2の表面で反射された前述した最適な波長のレーザ光を受光する。また、前記PD29は、突出形状50の前記モータ38寄りの位置に配置され、前記LD28は、前記PD29に隣接しかつ当該PD29よりもモータ38から離れた位置に配置されている。
【0039】
光結合部30は、図5に示すように、第1プリズム40と、反射部材としての第2プリズム41と、コリメータレンズ42と、対物レンズ43と、ミラー44とを備えている。なお、これらの第1プリズム40と、第2プリズム41と、コリメータレンズ42と、対物レンズ43と、ミラー44とは、勿論、特許請求の範囲に記載された光学部品をなしている。
【0040】
第1プリズム40は、ピックアップケース27のベース部31内に収容され、かつ前記LD28及びPD29の近傍に配置されている。第1プリズム40は、図6に示すように、その内部に前記LD28と当該LD28の光軸Pに沿って相対した反射面45と、前記PD29と当該PD29の光軸Pに沿って相対した反射透過面46とが設けられている。反射面45は、LD28から出射されたレーザ光を反射透過面46に向かって反射する。反射透過面46は、反射面45からのLD28から出射されたレーザ光をPD29から離れる方向即ち第2プリズム41に向って反射する。また、反射透過面46は、CD2の表面で反射されて第2プリズム41から入射したレーザ光を透過してPD29に導く。
【0041】
第2プリズム41は、ピックアップケース27のベース部31内に収容され、かつ前記第1プリズム40の近傍でかつ当該第1プリズム40を前記PD29との間に挟む位置に配置されている。第2プリズム41は、図6に示すように、その内部に反射面47を設けている。反射面47は、第1プリズム40からのLD28から出射されたレーザ光をCD2の接線方向即ちコリメータレンズ42に向って反射するとともに、CD2の表面で反射されてコリメータレンズ42から入射したレーザ光を第1プリズム40に向って反射する。この第2プリズム41の反射面47のレーザ光の反射角度θ(図6に示し、反射面47の前後のレーザ光の光軸P同士のなす角度をいう)は、90度以下即ち鋭角となっている。即ち、第2プリズム41の反射面47は、LD28が出射するレーザ光とCD2の表面で反射されたレーザ光を鋭角に反射させる。このように、第2プリズム41は、LD28が出射するレーザ光をCD2の接線方向に反射する位置に配置されている。また、第1及び第2プリズム41は、LD28から出射してこのPD29と第1プリズムとの間のレーザ光と、CD2の表面で反射されて第1プリズム40とPD29との間のレーザ光との双方を前記機器本体3の外周面8bと平行となる位置に配置されている。
【0042】
コリメータレンズ42は、前記第2プリズム41とミラー44との間に配置され、かつ前記保持部材48に保持されて、前記レーザ光の光軸Pに沿って移動自在に設けられている。コリメータレンズ42は、CD2の厚みのばらつきによるレーザ光のCD2の表面上でのぼやけを防止するために、当該レーザ光の焦点が前記CD2の表面上に位置するように、保持部材48即ちモータ38により移動される。
【0043】
対物レンズ43は、レンズ部32のCD2と相対する表面に取り付けられて、当該CD2の表面と間隔をあけて相対している。ミラー44は、レンズ部32内に収容され、コリメータレンズ42からのLD28が出射したレーザ光を対物レンズ43に向って反射するとともに、CD2の表面で反射されたレーザ光をコリメータレンズ42に向って反射する。
【0044】
前述した光結合部30は、LD28が出射したレーザ光をCD2のまで導き、当該CD2の表面で反射されたレーザ光をPD29まで導く。
【0045】
前述した構成のCDプレーヤ1は、挿入口10から機器本体3内に挿入されたCD2を搬送ユニット5がクランプ再生ユニット6のキャリッジシャーシ18とクランプアーム19との間まで搬送し、クランプ再生ユニット6がキャリッジシャーシ18とクランプアーム19との間にクランプして、光ピックアップ装置21をCD2の径方向に移動させてCD2の所望の位置から情報を読み出す。そして、前述した構成のCDプレーヤ1は、再生が完了したCD2を搬送ユニット5がキャリッジシャーシ18とクランプアーム19との間から挿入口10を機器本体3外まで搬送する。
【0046】
本実施例によれば、LD28とPD29をピックアップケース27のベース部31の外周面と他の部品としてのモータ38との間に配置している。このために、前述したモータ38により、LD28とPD29に作業員が触れ難くなる。このために、光ピックアップ装置21の組立工程において、LD28やPD29を取り付けるための接着剤が硬化する前に、作業員がこれらのLD28やPD29に触れてしまうことを防止でき、当該LD28やPD29が若干(少なくとも数十μm以上)正規の位置から移動してしまうことを防止できる。
【0047】
また、光結合部30が、光学部品としてレーザ光を鋭角に反射する反射部材としての第2プリズム41を備えている。ピックアップケース27の外周面のCD2の径方向に沿って外周側に凸の突出形状50にLD28及びPD29を設け、更に、当該突出形状50に隣接してモータ38をもうけている。このために、モータ38をCD2の径方向外周側に配置することで光ピックアップ装置21がCD2の接線方向に大型化することを防ぐとともに、モータ38によりLD28とPD29とのうち少なくとも一方に作業員が触れ難くなる。さらに、第2プリズム41によりCD2の接線方向をレーザ光の主な光軸方向とすることで、レーザ光の光路長を確保して、PD29が受光する際のレーザ光の強度に対する異物の影響を低減しながらも、ピックアップケース27即ち光ピックアップ装置21自体の小型化を図ることができる。
【0048】
また、PD29を突出形状50のモータ38寄りに設け、LD28を突出形状50のPD29よりモータ38から離れた位置に設けている。このために、PD29をモータ38とLD28との間に配置することで、作業員が触れた際に正規の位置から移動し易い部品であるPD29を適切に保護できる。
【0049】
さらに、光ピックアップ装置21は、レーザ光が機器本体3の外周面8bと平行になるように、第1及び第2プリズム41などを配置している。このために、ピックアップケース27の外周面を機器本体3の外周面と平行な平行面34に形成できるので、当該ピックアップケース27の小型化を図ることができる。また、本発明では、CD2に限らず種々の光ディスクの情報を読み出す光ディスク再生装置に適用してもよい。
【0050】
前述した実施例によれば、以下のCDプレーヤ1が得られる。
【0051】
(付記) LD28と、
前記LD28から出射されかつCD2の表面で反射されたレーザ光を受光するPD29と、
前記LD28からのレーザ光を前記CD2の表面まで導きかつ前記CD2の表面で反射されたレーザ光を前記PD29まで導く複数の光学部品40,41,42,43,44と、
前記LD28、前記PD29及び前記複数の光学部品40,41,42,43,44を取り付けるとともに、前記CD2の径方向に移動自在に設けられたピックアップケース27と、を備えた光ピックアップ装置21において、
前記LD28と前記PD29とのうち少なくとも一方を、前記ピックアップケース27の外周面の当該ピックアップケース27に取り付けられる他の部品38との間に位置付ける位置に配置していることを特徴とする光ピックアップ装置21。
【0052】
付記によれば、LD28とPD29をピックアップケース27のベース部31の外周面と他の部品としてのモータ38との間に配置している。このために、前述したモータ38により、LD28とPD29に作業員が触れ難くなる。このために、光ピックアップ装置21の組立工程において、LD28やPD29を取り付けるための接着剤が硬化する前に、作業員がこれらのLD28やPD29に触れてしまうことを防止でき、当該LD28やPD29が若干(少なくとも数十μm以上)正規の位置から移動してしまうことを防止できる。
【0053】
前述した実施例では、LD28とPD29の双方をピックアップケース27の外周面のモータ38との間に位置付けられる位置に取り付けている。しかしながら、本発明では、LD28とPD29のうちいずれか一方をピックアップケース27の外周面のモータ38との間に位置付けられる位置に取り付けてもよい。
【0054】
なお、前述した実施例は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施例に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 CDプレーヤ(光ディスク再生装置)
2 CD(光ディスク)
3 機器本体
8a 外周面
21 光ピックアップ装置
27 ピックアップケース
28 LD(光源)
29 PD(受光部品)
38 モータ(他の部品、コリメータレンズ駆動部)
40 第1プリズム(光学部品)
41 第2プリズム(反射部材、光学部品)
42 コリメータレンズ(光学部品)
43 対物レンズ(光学部品)
44 ミラー(光学部品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から出射されかつ光ディスクの表面で反射されたレーザ光を受光する受光部品と、
前記光源からのレーザ光を前記光ディスクの表面まで導きかつ前記光ディスクの表面で反射されたレーザ光を前記受光部品まで導く複数の光学部品と、
前記光源、前記受光部品及び前記複数の光学部品を取り付けるとともに、前記光ディスクの径方向に移動自在に設けられたピックアップケースと、を備えた光ピックアップ装置において、
前記光源と前記受光部品とのうち少なくとも一方を、前記ピックアップケースの外周面の当該ピックアップケースに取り付けられる他の部品との間に位置付ける位置に配置していることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項2】
前記他の部品として、前記光学部品であるコリメータレンズを前記レーザ光の光軸方向に駆動させるコリメータレンズ駆動部と、
前記光学部品として、前記光源が出射するレーザ光と前記光ディスクの表面で反射されたレーザ光との双方を鋭角に反射させる反射部材を備え、
前記ピックアップケースは、前記ピックアップケースの外周面から前記光ディスクの径方向外周側に凸の突出形状を設け、
前記コリメータレンズ駆動部は、前記ピックアップケースの外周面において前記突出形状に隣接する位置に配置され、
前記光源及び前記受光部品は、前記突出形状に取り付けられ、
前記反射部材は、前記光源が出射するレーザ光を前記光ディスクの接線方向に反射する位置に配置されることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
【請求項3】
前記受光部品は、前記突出形状の前記コリメータレンズ駆動部寄りの位置に配置され、
前記光源は、前記受光部品に隣接しかつ前記受光部品よりも前記コリメータレンズ駆動部から離れた位置に配置されることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置。
【請求項4】
平面形状が四角形状の機器本体と、
前記機器本体の対角線上を移動自在に設けられかつ前記機器本体内に収容された光ディスクから情報を読み出す光ピックアップ装置と、を備えた光ディスク再生装置において、
前記光ピックアップ装置として請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載の光ピックアップ装置を備え、
前記光源と前記受光部品とのうち少なくとも一方を、前記ピックアップケースの前記機器本体の隅部寄りの位置に配置し、前記複数の光学部品を前記光源からのレーザ光及び前記受光部品に受光されるレーザ光が前記機器本体の外周面と略平行となる位置に配置したことを特徴とする光ディスク再生装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−8856(P2011−8856A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151045(P2009−151045)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】