説明

光ピックアップ装置及び情報記録再生装置

【課題】 3つの異なる記録フォーマットに対応した記録媒体に対する情報の記録及び再生を行いつつ、小型化を実現する。
【解決手段】 CD及びDVD用の光学系とBD(ブルーレイディスク)用の光学系を別個に設け、各光学系毎にDVD用の第2半導体レーザ12とCD用の第3半導体レーザ13を1パッケージとした光源ユニット10とBD用の第1半導体レーザ11を設ける。また、往路/復路分離部21にダイクロイックPBS211とハーフミラー212を設け、(a)第1半導体レーザ11から出力された光ビームを第1コリメータレンズ22に、光源ユニット10から出力された光ビームを第2コリメータレンズ23に、夫々導光する一方、(b)光ディスクDKからの反射光の光路を合成し、受光部3に導光する。これにより、1ディテクタ化を実現し、光ピックアップ装置PUの小型化を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスク等の光学式記録媒体に対する情報の記録及び再生に用いる光ピックアップ装置及び情報記録再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)といった光ディスクの分野においては急速な記録密度の向上が図られ、最近では青色のレーザ光(波長405nm)を用いてデータの記録及び再生を行う光ディスク(例えば、BD(Blu-ray Disc)及びHigh Definition-DVD(以下、「HD−DVD」))が規格化されるに至っている。その一方において、新たな記録フォーマットを有する光ディスクが出現したとしても光ディスクの完全なる切換には、未だ想到の時間を要することが想定され、今後もCDやDVDは広く流通することが予想される。かかる現状に鑑みた場合、これら複数の記録フォーマットに対応した光ディスク(例えばCDとDVD及びBD)に対して如何にして1台の装置にて情報の記録再生を行うか、すなわち、如何にしてコンパチビリティ(互換性)を実現するかが大きな課題となる。
【0003】
ここで、かかるコンパチビリティを備えた情報記録再生装置(所謂、コンパチブルレコーダ)の実現方法としては、例えば、各記録フォーマット毎に別個独立した光ピックアップ装置を設け、情報の記録再生対象となる光ディスクの種別に応じて利用する光ピックアップ装置を切り換えるという手法も考えられる。しかし、かかる方法は、情報記録再生装置の製造コストの上昇と装置の大型化という弊害を招来しかねず、現実的な選択肢ということができない。かかる観点から、従来、一つのパッケージ内に、CD用の半導体レーザとDVD用の半導体レーザをパッケージングした光源ユニットと、高記録密度型の光ディスク(具体的には、BD等)用の半導体レーザとを配置し、所謂、互換対物レンズ(すなわち、内周側と外周側でレンズの開口数を異ならせた対物レンズ)を用いて、各光源から出力された光ビームを各記録フォーマットに対応した光ディスク上に集光させる方法が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−281008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の光ピックアップ装置は、CD及びDVD用のディテクタと、高記録密度型光ディスク用のディテクタとが別個に設けられた構成となっている。このため、この光ピックアップ装置を実際に製造する場合、光ピックアップ内にディテクタ用の基板を2つ設け、更に、各基板毎に受光信号を出力するための配線を設けることが必須となってしまい、光ピックアップ装置自体の小型化が困難となっていた。
【0005】
本願は、以上説明した事情に鑑みてなされたものであり、その課題の一例としては、3つの異なる記録フォーマットに対応した記録媒体に対する情報の記録及び再生を行いつつ、小型化を実現することが可能な光ピックアップ装置及び情報記録再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本願の一つの観点において請求項1に記載の光ピックアップ装置は、各々波長の異なる3つの光ビームであって、最も波長の短い第1光ビームを出力する第1光源と、前記第1光ビームよりも波長の長い第2光ビームを出力する第2光源と、前記第2光ビームよりも波長の長い第3光ビームを出力する第3光源とを備え、前記第1、第2及び第3光ビームを、夫々、記録フォーマットの異なる光学式記録媒体に集光すると共に、前記第1、第2及び第3光ビームの前記光学式記録媒体における反射光を、夫々、受光する光ピックアップ装置であって、前記第1光源と第3光源が各々異なる位置に配置されると共に、前記第2光源が前記第1光源及び第3光源の何れか一方と同一筐体内にユニット化された光ビーム出力手段と、第1光路を介して前記第1光ビームを前記光学式記録媒体に集光させると共に、第2光路を介して前記第3光ビームを前記光学式記録媒体に集光させる一方、前記第2光ビームについては前記ユニット化された他の光源からの光ビームと略同一の光路を介して前記光学式記録媒体に集光させる往路集光手段と、単一のユニットとして構成され、前記第1、第2及び第3光ビームに対応した前記反射光を受光する受光手段と、入射光の偏光状態に依存して光を透過させ或いは反射させる光学素子を有し、前記第1光路を介して入射される前記反射光を前記受光手段に集光させる第1復路集光手段と、入射光の偏光状態に依存することなく一定の割合にて当該光を透過させ或いは反射させる光学素子を有し、前記第2光路を介して入射される前記反射光を前記受光手段に集光する第2復路集光手段と、を具備することを特徴とする。
【0007】
また、本願の他の観点において請求項5に記載の情報記録再生装置は、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の光ピックアップ装置と、前記光ピックアップ装置を駆動する駆動手段と、前記駆動手段を制御することにより、前記光学式記録媒体に対する情報の記録及び再生を制御する制御手段と、前記光ピックアップ装置における受光結果に対応した信号を出力する出力手段と、を具備することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本願の実施形態について説明することとするが、これに先立って、本願の完成に至る基本発想について説明する。
【0009】
基本発想
まず、上述したように3つの異なる記録フォーマットに対応した光ディスクに対するデータの記録及び再生を実現しつつ、光ピックアップ装置の小型化を実現するためには、光ピックアップ装置内に搭載するディテクタ数を削減し、ディテクタ数の増加に伴う、基板や配線の増加を防止することが必要となる。そこで、本願の完成に際しては、複数光源から出力された光ビームを如何にして一つのディテクタに集光すべきかを主要観点とし、光学系の設計を行うこととした。
【0010】
その一方、光ディスクに対する情報の記録再生時における最適な条件は、各記録フォーマット毎に異なっているため、光学系の設計に際しては、以下の2つの点を考慮することが必要となる。すなわち、
条件1> 光ディスクにおける記録密度の向上を実現するためには、光ディスクに照射される光ビームのエネルギー密度(すなわち集光スポットにおけるエネルギー密度)を増加させる必要があるという点、及び
条件2> CDのように保護層の厚い光ディスクにおいては、保護層において生じる複屈折が多くなる可能性が高く、光ビームが保護層を透過する際に、この複屈折に起因して偏光状態に変化が生じる可能性があるという点、である。
【0011】
かかる点を考慮した場合、BD(すなわち、高記録密度型光ディスク)等に対する情報の記録及び再生を行う光学系においては、往路(すなわち、光源から出力された光ビームを光ディスクに導光する方向)と、復路(すなわち、光ディスクにおける反射光をディテクタに導光する方向)の分離素子として、ハーフミラー等のエネルギー損失の大きい光学素子を用いることなく、光の偏光状態に応じて透過/反射特性を変化させられる光学素子(例えば、PBS:偏光ビームスプリッタ)を用いることが望ましい。しかしながら、このような光学素子を用いた場合、光ディスクにおける複屈折に起因して偏光の状態が変化してしまうと、往路及び復路の分離特性が悪化する。従って、CDのような保護層の厚い光ディスク用の光学系においては、光の透過/反射特性に関して偏光依存性を有する光学素子を用いることなく、例えば、ハーフミラーのような偏光依存性のない往路/復路分離素子を用いる必要性が生じてくるのである。
【0012】
かかる観点から、本願においては、1ディテクタの構成を踏襲しつつ、CDのような保護層の厚い光ディスク用の光学系と、BDやHD−DVDといった高記録密度型光ディスク用の光学系と、を別個の光路により設計すると共に、
(a)保護層の厚い光ディスク用の光学系については非偏光光学系(具体的には、偏光依存性のある往路/復路分離素子が配置されていない光学系)、
(b)高記録密度型光ディスク用の光学系については偏光光学系(偏光依存性のある往路/復路分離素子を配置した光学系)、
とする構成を採用することとした。
【0013】
なお、DVDの場合、光路上におけるエネルギー損失の影響は少なく、また、光ディスクにおける複屈折も少ないため、偏光光学系、非偏光光学系の何れを用いても問題は生じず、何れの光路を用いることも可能となる。以下、上記基本発想に基づく本願の実施の形態について詳細に説明することとする。
【0014】
[1]実施形態
[1.1]実施形態の構成
以下、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの概要構成を示す図1を参照しつつ、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの全体構成及び動作概要について説明する。なお、本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、CD、DVD、更には、BDの各記録フォーマットに対応した光ディスクDKに対するデータの記録及び再生を行うコンパチブルレコーダに、本願の光ピックアップ装置PUを適用したものである。
【0015】
同図に示すように本実施形態にかかる情報記録再生装置RPは、大別して信号処理部SPと、制御部Cと、駆動回路Dと、光ピックアップ装置PUと、アクチュエータサーボ回路ASと、再生部Pと、により構成される。
【0016】
信号処理部SPは、入力端子を有しており、この端子を介して外部から入力されたデータに信号処理を施して制御部Cに出力する。この信号処理部SPにおいて行う具体的な処理内容については任意であり、例えば、入力されたデータをMPEG(Moving Picture Experts Group)等の圧縮方式にて圧縮した後、当該データを制御部Cに出力するようにしても良い。
【0017】
制御部Cは、主としてCPU(Central Processing Unit)により構成され、情報記録再生装置RPの各部を制御する。例えば、光ディスクDKに対してデータを記録する場合、制御部Cは信号処理部SPから入力されたデータに対応した記録用の駆動信号を駆動回路Dに出力する一方、光ディスクDKに記録されているデータの再生を行う場合には、再生用の駆動信号を駆動回路Dに出力する。
【0018】
駆動回路Dは主として増幅回路により構成され、制御部Cから入力された駆動信号を増幅した後、光ピックアップ装置PUに供給する。この駆動回路Dにおける増幅率は制御部Cにより制御され、光ディスクDKにデータを記録する場合には、光ピックアップ装置PUから記録パワーにて光ビームが出力されるように増幅率が制御される。なお、「記録パワー」とは、相変化型の光ディスクDK(例えば、DVD-RW)及び色素変色型の光ディスクDK(例えば、DVD-R)において相変化若しくは色素変色を生じるエネルギー量を意味する。一方、光ディスクDKに記録されているデータを再生する場合、光ピックアップ装置PUから再生パワー(すなわち、光ディスクDKにおいて色素変色等の変化が生じないエネルギー量)にて光ビームが出力されるように増幅率が制御される。
【0019】
光ピックアップ装置PUは、駆動回路Dから供給される制御信号に基づいて複数の記録フォーマットに対応した光ディスクDK(すなわち、BD、DVD、CD)に対して光ビームを照射し、光ディスクDKに対するデータの記録及び読み出しを行うために用いられる。かかる機能を実現するため、本実施形態にかかる光ピックアップ装置PUは、大別して、光源部1と、光学部2と、受光部3と、を有している。
【0020】
これらの要素中、光源部1は、駆動回路Dから供給される駆動信号に基づいて光ビームを出力するための要素である。この光源部1は、第1半導体レーザ11と、第2半導体レーザ12と、第3半導体レーザ13と、を備えており、各半導体レーザは、第1半導体レーザ11がBD用、第2半導体レーザ12がDVD用、第3半導体レーザ13がCD用の光ビームを出力する素子となっている。また、これらの半導体レーザ11〜13の内、第2半導体レーザ12と第3半導体レーザ13は、光源ユニット10の単一パッケージ内に納められており(所謂、2レーザ1パッケージ)、この光源ユニット10内の各レーザ12及び13から出力される光ビームは、第1光源11から出力される光ビームと異なる光路を介して出力されるようになっている。換言するならば、この光源部1においては、CD用の光源とDVD用の光源が1パッケージとされ、BD用の光源とは別個の位置に配置されると共に、BD用の光ビームと、CD、DVD用の光ビームとが、完全に分離された光路を介して出力されるのである。
【0021】
次に、光学部2は、往路/復路分離部21と、第1コリメータレンズ22と、第2コリメータレンズ23と、λ/4板24と、第1対物レンズ251及び第2対物レンズ252を有するアクチュエータ部25と、を有し、光源部1から出力される光ビームを光ディスクDK上に集光する。この光学部2は、(a)BD用の光学系と、(b)CD、DVD用の光学系とが、分離されており、第1半導体レーザ11から出射された光ビームについては、第1対物レンズ251に導光され、この第1対物レンズ251を透過して光ディスクDKに照射されるようになっている。これに対して、光源ユニット10の各半導体レーザ12及び13から出力される光ビームは、第2対物レンズ252を介して光ディスクDKに照射される。
【0022】
かかる機能を実現するための各要素について、以下説明する。
【0023】
まず、往路/復路分離部21は、ダイクロイックPBS211と、ハーフミラー212とを有し、(a)第1半導体レーザ11から出力された光ビームを第1コリメータレンズ22に、光源ユニット10から出力された光ビームを第2コリメータレンズ23に、夫々導光する一方、(b)各コリメータレンズ22及び23からの射出光(すなわち、光ディスクDKからの反射光)の光路を合成し、受光部3に導光する。
【0024】
この往路/復路分離部21を構成するハーフミラー212は、光源ユニット10と第2コリメータレンズ23との間の光路上に設けられたCD、DVD用光学系の往路/復路分離素子である。このハーフミラー212は、入射される光の偏光状態と無関係に、例えば、50%の透過率にて光源ユニット12から出力された光ビームを透過し、残りの50%の光ビームを図において(以下、「図中」という。)上方に反射する。また、第2コリメータレンズ23から反射光が入射された場合、当該反射光を50%程度の反射率にて図中下方に反射する。かかるハーフミラー212の機能により、本実施形態にかかる光ピックアップ装置PUにおいては、CD、DVD用の光学系において非偏光光学系が実現されるようになっている。
【0025】
これに対して、ダイクロイックPBS211は、第1半導体レーザ11と第1コリメータレンズ22との間の光路上に設けられたBD光学系の往路/復路分離素子であり、光の反射特性に関して偏光依存性と、波長依存性の双方を有している。このダイクロイックPBS211における光ビームの反射特性について図2を参照しつつ説明する。なお、同図においては、S偏光された光ビームに関する反射特性を実線にて示すと共に、P偏光された光ビームに関する反射特性を点線にて示している。
【0026】
同図に示すように、このダイクロイックPBS211は、P偏光された光ビームを、全波長領域においてほぼ全て透過させる性質を有する。これに対してS偏光された光ビームに対しては、所定波長領域に急峻な透過−反射特性の変化点を有しており、405nmの波長においてはS偏光光ビームのほぼ全てを反射するに対し、650nm及び780nmの波長においてはS偏光光ビームをほぼ全て透過させる特性を有する。この結果、このダイクロイックPBS211は、405nmの波長の光ビームに対してPBSとして機能し、BD用の光学系において偏光光学系が実現されるのに対して、650nm及び780nmの波長を有する光ビームに対してはPBSとして機能せず、ハーフミラー212により図中下方に反射された反射光を単に透過させる機能を実現するのみとなる。なお、図2に示す偏光特性は、使用する波長領域A、A’、B、C以外の偏光特性については、一例を示すものであり、これに限定するものではない。
【0027】
かかるダイクロイックPBS211の機能により、本実施形態にかかる光ピックアップ装置PUにおいては、各々異なる光路を解して光ディスクDKに照射された光ビームの反射光の光路が合成され、単一の受光部3に向けて出射されることとなる。
【0028】
次いで、第1コリメータレンズ22は、第1半導体レーザ11から出射された光ビームの光路上に配置され、BD用の光学系を構成する一方、第2コリメータレンズ23は、光源ユニット10から出射された光ビームの光路上に配置され、CD及びDVD用の光学系を構成する。また、λ/4板24は、第1コリメータレンズ22及び第2コリメータレンズ23からの出射光の光路上に設けられ、直線偏光、円偏光間の相互変換を行う。
【0029】
アクチュエータ部25は、第1対物レンズ251と、互換対物レンズとして構成された第2対物レンズ252と、両対物レンズ251及び252が固定される対物レンズホルダ253、更には、この対物レンズホルダ253を一体的に可動させる可動機構254と、を有し、アクチュエータサーボ回路ASから供給される補正信号に基づいて対物レンズの位置を変更させ、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボを実現する。
【0030】
次に、受光部3は、位置合わせグレーティング31と、エラー検出レンズ32と、OEIC33と、を有し、光ディスクDKからの反射光を受光し、当該受光結果に応じた受光信号を出力する。
【0031】
これらの要素中、位置合わせグレーティング31は、往路/復路分離部21から射出される反射光の光路上に配置されたグレーティングであり、OEIC33上における集光スポット位置を調整するために設けられたものとなっている。なお、この位置合わせグレーティング31の具体的な格子構成については任意であり、位置合わせの対象となる光ビームのみ回折させ、OEIC33上における集光スポット位置を調整することができれば良い。例えば、光ピックアップ装置PUの製造時に、第1半導体レーザ11及び第2半導体レーザ12(或いは、第3半導体レーザ13)について光軸調整を行い、OEIC33上の集光スポット位置の合わせを行った場合を想定する。この場合、光源ユニット10の取り付け位置は、第2半導体レーザ12(或いは、第3半導体レーザ13)を基準に合わされるため、単一パッケージ内に納められた第3半導体レーザ13(或いは、第2半導体レーザ12)についてOEIC33上の集光スポット位置にズレが生じる。このため、位置合わせグレーティング31による集光スポット位置の調整が必要となるのは、第3半導体レーザ13(或いは、第2半導体レーザ12)から出力された光ビームに対応した反射光のみとなるため、位置合わせグレーティング31は、780nm(650nm)の光ビームのみ回折させる特性を持たせれば良い。
【0032】
エラー検出レンズ32は、位置合わせグレーティング31から射出される反射光をOEIC33に集光させる。OEIC33は、例えば、フォトダイオードにより構成され、エラー検出レンズ32から照射される光ビームを受光して、受光信号を制御部C、再生部P及びアクチュエータサーボ回路ASに出力する。
【0033】
次に、再生部Pは、例えば、加算回路及び増幅回路を有し、OEIC33から供給される受光信号に基づいて再生RF信号を生成する。そして、再生部Pは、当該再生RF信号に対して所定の信号処理を施した後、出力端子OUTに出力する。
【0034】
アクチュエータサーボ回路ASは、演算回路により構成され、光ピックアップ装置PUのOEIC33から供給される受光信号に基づいて補正信号(具体的にはトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号)を生成してアクチュエータ部25に出力する。この結果、アクチュエータ部25においては、当該補正信号に基づいて対物レンズホルダ253の位置が変更されトラッキングサーボ及びフォーカスサーボがなされることとなる。
【0035】
なお、トラッキングサーボ及びフォーカスサーボを実現するための具体的な方式については任意である。例えば、トラッキングサーボの方式としてはDPP方式(差動プッシュプル方式)やヘテロダイン方式、更には3ビーム方式を用いることが可能である。DPP方式や3ビーム方式を採用する場合、OEIC33に対して副ビーム(±1次光)を受光するための受光部を設けると共に、第1半導体レーザ11及び光源ユニット10と光学部2との間にグレーティングを設け、このグレーティングにより各光源から射出される光ビームを3ビーム(0次光及び±1次光)とするようにすれば良い。また、フォーカスサーボの方式としては、例えば、非点収差法やスポットサイズ法を採用することが可能である。非点収差法を採用する場合、検出レンズ32としてシリンドリカルレンズを用いる共にOEIC33の受光部を4分割形状とすれば良く、スポットサイズ法を採用する場合には検出レンズ32にホログラムレンズを用いてOEIC33の受光部を2分割形状とすれば良い。
【0036】
[1.2]実施形態の動作
次いで、以上のような構成を有する本実施形態にかかる情報記録再生装置RPの具体的な動作について説明することとするが、同情報記録再生装置RPにおける動作は、(1)BDを光ディスクDKとして用いた場合と、(2)CD及びDVDを光ディスクDKとして用いた場合、とで動作内容が異なるため以下においては、両パターンに場合分けして説明を行うこととする。
【0037】
(1)BDを光ディスクDKとして用いた場合
情報記録再生装置RPに対して光ディスクDKとしてBDが挿入された場合、図示せぬディスク判別回路により挿入された光ディスクがBDであることが検出される。この状態において、ユーザが図示せぬ操作部に対して当該光ディスクDKに対して情報を記録し、或いは、再生する旨の入力操作を行う。すると、制御部Cは、当該入力操作に応じて駆動回路Dに対する駆動信号の供給を開始する。この際、当該操作が情報の記録を指示するものであった場合、制御部Cは、信号処理部SPから供給される信号に対応した駆動信号を駆動回路Dに供給すると共に駆動回路Dにおける増幅率を記録パワーに対応した値に設定する。また、当該操作が情報の再生を指示するものであった場合、制御部Cは、再生用の駆動信号を駆動回路Dに供給すると共に駆動回路Dにおける増幅率を再生パワーに対応した値に設定する。
【0038】
このようにして制御部Cから駆動信号が供給されると駆動回路Dは、第1半導体レーザ11に対して所定の駆動信号を出力する。この結果、第1半導体レーザ11から405nmの波長を有する光ビーム(例えば、P偏光)が出力され、当該光ビームは、ダイクロイックPBS211を透過して、第1コリメータレンズ22において平行光に変換された後、λ/4板24に入射される。次いで、この光ビームは、λ/4板24を透過して円偏光の状態に移行し、第1対物レンズ251により光ディスクDKの記録面上に集光される。
【0039】
このようにして、光ディスクDKの記録面上に集光された光ビームは、当該記録面において反射され、反射光として第1対物レンズ251を透過した後、再度、λ/4板24を透過することにより、往路とπ/2だけ偏光方向が変化し、例えば、往路においてP偏光されていた光ビームが復路においてS偏光された状態となる。この結果、λ/4板24を透過して偏光方向の変化した反射光は、第1コリメータレンズ22を透過した後に、ダイクロイックPBS211により図中下方へと反射され、位置合わせグレーティング31を透過して、エラー検出レンズ32に入射し、OEIC33に集光される。
【0040】
一方、このようにして集光された反射光を受光すると、OEIC33は、当該反射光に対応した受光信号を再生部Pや制御部C、更には、アクチュエータサーボ回路ASに出力する。この結果、例えば、再生時には再生部Pから光ディスクに記録された情報に対応する信号が出力される。また、例えば、制御部Cにより駆動回路Dの増幅率が制御され第1半導体レーザ11から出力される光ビームの光量が制御されると共に、アクチュエータサーボ回路ASによってアクチュエータ部25が駆動されてトラッキング及びフォーカスの各サーボが実現されることとなる。
【0041】
(2)CD及びDVDを光ディスクDKとして用いた場合
一方、情報の記録再生対象となる光ディスクDKがCD若しくはDVDである場合、駆動回路Dは、制御部Cから供給される駆動信号に基づいて光源ユニット10の第2半導体レーザ12或いは第3半導体レーザ13に対して所定の駆動信号を出力する。この結果、光源ユニット10から650nm或いは780nmの波長を有する光ビーム(例えば、P偏光)が射出され、当該光ビームは、ハーフミラー212を、例えば、50%程度の透過率で透過した後、第2コリメータレンズ23へと入射される。そして、この光ビームは、第2コリメータレンズ23により平行光に変換された後、λ/4板24を透過して円偏光の状態に移行し、第2対物レンズ252により光ディスクDKの記録面上に集光される。
【0042】
このようにして、光ディスクDKの記録面上に照射された光ビームは、当該記録面において反射され、反射光として第2対物レンズ252を透過した後、λ/4板24を透過する。この結果、当該反射光は、往路とπ/2だけ偏光方向が変化した直線偏光を中心とし、光ディスクDKの持つ複屈折量に応じた楕円偏光の状態に移行する(なお、DVDの場合、複屈折による影響は小さい)。次いで、この反射光は、第2コリメータレンズ23を透過して、ハーフミラー212において光ディスクDKの持つ複屈折量の大小にかかわらずに50%程度の反射率(すなわち、光源ユニット10からの出力光量に対して25%程度の光量)にて図中下方へと反射される。この結果、この反射光は、ダイクロイックPBS211を透過して、位置合わせグレーティング31に入射され、位置合わせグレーティング31においてグレーティングの特性に応じて当該反射光が回折される。
【0043】
次いで、この位置合わせグレーティング31からの射出光は、エラー検出レンズ32により、OEIC33に集光される。この結果、当該反射光がOEIC33により受光されて、トラッキングサーボ等が実現されることとなる。
【0044】
このようにして、本実施形態にかかる光ピックアップ装置PUにおいては、光源部1に第1半導体レーザ11と、2レーザ1パッケージとなった光源ユニット10とを設けると共に、(i)BD用の光学系と、(ii)CD、DVD用の光学系を別個に設け、更に、往路/復路分離部21に(i)偏光依存性の無いハーフミラー212と、(ii)偏光依存性及び波長依存性のあるダイクロイックPBS211とを設けて、単一のOEIC33に反射光を集光させる構成となっている。この構成により、第1〜第3半導体レーザ11〜13から出力された光ビームの反射光が全て、OEIC33に集光されることとなり、3つの異なる記録フォーマットに対応した記録媒体に対する情報の記録及び再生を行いつつ、光ピックアップ装置の小型化を実現することが可能となる。また、上記構成によれば、BD用の光学系については偏光光学系、CD、DVD用の光学系については非偏光光学系となるため、各記録フォーマット毎に最適な条件下において光ディスクDKに対するデータの記録及び再生を行うことが可能となる。
【0045】
また、本実施形態においては、波長405nmの光ビームに対してPBSとして機能する一方、波長650nm及び780nmの光ビームに対しては単純な透過特性を有するダイクロイックPBS211を用いて往路/復路を分離する構成としているため、装置内に複雑な構成を設けることなく、往路/復路の分離を行うことが可能となり装置の小型化を実現することが可能となる。
【0046】
なお、上記実施形態においては、BD、DVD及びCDのコンパチブルレコーダを実現する場合を例に説明を行ったが、例えば、HD−DVD、DVD及びCDのコンパチブルプレーヤ等、記録フォーマットの異なる各種光ディスクDKに対する情報の記録及び再生を行う情報記録再生装置RPについても、上記実施形態と同様の構成により実現することが可能である。
【0047】
また、上記実施形態においては、位置合わせグレーティング31を用いて、OEIC33における集光スポット位置の調整を行う場合を例に説明を行った。しかし、この位置合わせグレーティング31は、必ずしも必要とはならず、例えば、OEIC33の受光部の分割形状を工夫することによっても同様の受光形態を実現することが可能である。この場合、光軸合わせ後におけるOEIC33上の集光スポット位置を予め実験的に求め、当該位置に受光部を設けるようにすれば良い。
【0048】
また更に、上記実施形態にかかる情報記録再生装置RPにおいては、制御部C及び駆動回路Dを光ピックアップ装置PUと別体の装置(例えば、CPU)により構成した例について説明したが、これらは光ピックアップ装置PUと一体的に構成するようにしても良い。
【0049】
[1.3]実施形態の変形例
(1)変形例1
上記実施形態においては、第2半導体レーザ12と、第3半導体レーザ13とを、光源ユニット10内にパッケージングし、DVD用の光学系を非偏光光学系として設計した構成例について説明した。しかし、上述のように、DVD用の光学系については、偏光光学系を採用することも可能である。この場合、第1半導体レーザ11及び第2半導体レーザ12を1パッケージとして光源ユニットを構成するようにすれば良い。
【0050】
また、この構成を採用する場合、ダイクロイックPBS211を用いて405nm及び650nmの光ビームの往路/復路の分離を行うことが必要となり、ダイクロイックPBS211の反射特性を変更することが必要となる。この構成を採用した場合における、ダイクロイックPBS211の反射特性を図3に示す。なお、同図においては、S偏光された光ビームに関する反射特性を実線にて示すと共に、P偏光された光ビームに関する反射特性を点線にて示している。
【0051】
同図に示すように、この場合においても、ダイクロイックPBS211の反射特性としてはP偏光された光ビームを全波長領域においてほぼ全て透過させるようにすることが必要となる。一方、S偏光された光ビームに対しては、例えば、700nm近傍に急峻な透過−反射特性の変化点を設けるようにし、405nm及び650nmの波長においてはS偏光光ビームのほぼ全てを反射するに対し、780nmの波長においてはS偏光光ビームをほぼ全て透過させる特性を持たせることが必要となる。かかる特性を持たせることにより、405nm及び650nmの波長の光ビームに対してダイクロイックPBS211をPBSとして機能させ、780nmの波長を有する光ビームに対しては単純な透過特性を持たせることが可能となる。
【0052】
この結果、本変形例にかかる光ピックアップ装置PUにおいては、(a)第1半導体レーザ11及び第2半導体レーザ12がパッケージングされた光源ユニットから出力された光ビームが第1コリメータレンズ22に、第3半導体レーザ13から出力された光ビームが第2コリメータレンズ23に、夫々照射される一方、(b)各コリメータレンズ22及び23からの射出光(すなわち、光ディスクDKからの反射光)が全て受光部3に導光されることとなる。
【0053】
このようにして、本変形例にかかる光ピックアップ装置PUによれば、BD用の第1半導体レーザ11と、DVD用の第2半導体レーザ12とを1パッケージにした場合であっても、上記実施形態と同様に、単一のOEIC33に反射光を集光させることが可能となる。この結果、3つの異なる記録フォーマットに対応した記録媒体に対する情報の記録及び再生を行いつつ、光ピックアップ装置の小型化を実現することが可能となると共に、BD、DVD用の光学系については偏光光学系、CD用の光学系については非偏光光学系とし、各記録フォーマット毎に最適な条件下において光ディスクDKに対するデータの記録及び再生を行うことが可能となる。
【0054】
(2)変形例2
上記実施形態においては、BD用の光学系に対して、単に第1コリメータレンズ22を設けた構成を採用していた。しかし、BDフォーマットのような高記録密度を実現した光ディスクDKにおいては、対物レンズの開口数を大きくし、集光スポットの絞り込みを行う必要性が高いため、保護層の厚み誤差に起因して発生する収差や、光ディスクDKの回転歪みに起因する収差を適切に補正することが必要となる。
【0055】
そこで、本変形例にかかる情報記録再生装置RP2においては、光ピックアップ装置PU2のBD用光学系に対して収差補正機構220を設けた構成を採用することとした。本変形例にかかる情報記録再生装置RP2の構成を示すブロック図を図4に示す。なお、同図において、上記図1と同様の要素については同様の符号を付してある。
【0056】
同図に示すように本変形例にかかる光ピックアップ装置PU2は、第1コリメータレンズ22を含む収差補正機構220を有している。この収差補正機構220は、光源側から入射される光ビーム及び光ディスクDKからの反射光に対して収差補正を行うために設けられた要素であり、第1コリメータレンズ22と、このコリメータレンズ22を固定するためのレンズホルダ222と、ステップモータ223と、を有している。この収差補正機構220を構成するレンズホルダ222は、主軸224及び副軸225により光軸方向に対して平行移動可能な状態にて支持されており、ステップモータサーボ回路SSから供給される駆動信号に基づいてステップモータ223が回転駆動されるのに伴いレンズホルダ222が光軸方向に平行移動するように構成されている。かかる機構に基づきコリメータレンズ22が移動し、コリメータレンズ22の射出光、すなわち、第1対物レンズ181および第2対物レンズ182の入射光が拡散、収束することにより収差補正機能が実現される。
【0057】
ステップモータサーボ回路SSは、図示せぬ演算回路や記録メモリにより構成され、センサSEに設けられた各種センサ(例えば、コリメータ151の位置情報や初期位置を検出する位置センサ)、OEIC33や信号処理部SPから供給される球面収差補正を行うために必要な信号(例えば、エンベロープ信号や球面収差エラー信号、ジッター等)に基づいてステップモータ223を駆動する。かかるステップモータサーボ回路SSの機能により、本実施形態にかかる情報記録再生装置RP2においては、光ピックアップ装置PU2の光路上において発生する収差の補正が実現される。
【0058】
なお、このステップモータサーボ回路SSが実際にステップモータ223を駆動する際に採用する方法については任意であり、例えば、センサSEからの検出信号値及びエンベロープ信号の信号値に対応する補正量を図示せぬメモリ上にテーブル化して保持させ、このテーブルに基づいてステップモータ223を駆動するようにしても良い。
【0059】
このようにして、本変形例にかかる情報記録再生装置RP2は、収差補正機構220を設け、この収差補正機構220をステップモータサーボ回路SSにより駆動する構成を採用しているため、BDフォーマットのように開口数の大きなレンズを用いて集光スポットの絞り込みを行うことが必要となる場合であっても、球面収差、或いは、色収差等に起因する収差を補正することが可能となり、もって、光ディスクDKに対する情報の記録再生時におけるエラー出現確率を効果的に低下させることが可能となる。
【0060】
なお、上記変形例においては、コリメータレンズを移動させることにより収差補正を実現する構成が採用されていたが、例えば、ビームエキスパンダを用い、或いは、液晶パネルにより構成された収差補正素子を用いて、同様の機能を実現することが可能である。なおビームエキスパンダを用いた収差補正機構の構成例については、例えば、特開2002−170274号公報に記載された構成と同様であり、液晶素子を用いた場合における具体的な収差補正の方法に関しては特開2002−358690号公報に記載された構成と同様であるため詳細は省略する。
【0061】
(3)変形例3
上記実施形態においては、BD用の光学系に第1コリメータレンズ22及び第1対物レンズ251を設けると共に、CD及びDVD用の光学系に第2コリメータレンズ23及び第2対物レンズ252を設けた構成を採用していた。しかし、単一のコリメータレンズ及び単一の対物レンズを用いた構成により上記実施形態と同様の機能を実現することも可能である。かかる構成を採用した本変形例にかかる情報記録再生装置RP3の構成を図5に示す。なお、同図において、上記図1及び図4と同様の要素については同様の符号を付してある。
【0062】
同図に示すように、本変形例にかかるアクチュエータ部250には、BD、DVD及CDの3記録フォーマットに対応した開口数を有する互換対物レンズ2501が設けられ、この互換対物レンズ2501は、対物レンズホルダ2502に固定されて、可動機構2503により可動されるようになっている。
【0063】
また、単一のコリメータレンズ221は、レンズホルダ222に固定され、このレンズホルダ222は、上記変形例2と同様にステップモータ223により光軸方向に対して平行に移動されるようにされている。
【0064】
一方、このように、単一のコリメータレンズ221及び互換対物レンズ2501を用いようとする場合、第1半導体レーザ11及び光源ユニット10から出射された光ビームを如何にして、単一のコリメータレンズ221に入射させるかが問題となる。そこで、本変形例においては、光路合成部210を設けることとした。この光路合成部210は、第1半導体レーザ11から出射される光ビームの光路上に設けられたミラー2101と、光源ユニット10から出射される光ビームの光路上に設けられ、波長405nmの光ビームを反射する一方、波長650nm及び780nmの光ビームを透過させるダイクロイックミラー2102とを有している。
【0065】
かかる光路合成部210の機能により、第1半導体レーザ11から出力された光ビームは、ダイクロイックPBS211を透過した後、ミラー2101により図中上方に反射され、ダイクロイックミラー2102により、図中右方へと反射されて、コリメータレンズ221に入射されることとなる。また、当該光ビームの光ディスクDKにおける反射光は、コリメータレンズ221を介してダイクロイックミラー2102により図中下方に反射された後、ミラー2101により図中左方に反射され、更に、ダイクロイックPBS211により図中下方に反射されて、受光部3に導光されることとなる。
【0066】
一方、光源ユニット10から出力された光ビームは、リレーレンズ200によりビーム径が調整された後、ハーフミラー212及びダイクロイックミラー2102を透過してコリメータレンズ221に入射される。そして、当該光ビームの光ディスクDKにおける反射光は、ダイクロイックミラー2102を透過して、ハーフミラー212において図中下方に反射され、ダイクロイックPBS211を透過して受光部3に導光されることとなる。
【0067】
このようにして、本変形例にかかる情報記録再生装置RP3によれば、単一のコリメータレンズ221及び互換対物レンズ2501を利用しつつ、3つの記録フォーマットに対応した光ディスクDKに対する情報の記録再生を行うことが可能となり、光ピックアップ装置PU3の更なる小型化を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施形態における情報記録再生装置RPの構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態にかかるダイクロイックPSB211の反射特性を示す図である。
【図3】変形例1にかかるダイクロイックPSB211の反射特性を示す図である。
【図4】変形例2における情報記録再生装置RP2の構成を示すブロック図である。
【図5】変形例3における情報記録再生装置RP3の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0069】
RP、RP2、RP3・・・情報記録再生装置
SP・・・信号処理部
C・・・制御部
D・・・駆動回路
PU、PU2、PU3・・・光ピックアップ装置
AS・・・アクチュエータサーボ回路
SS・・・ステップモータサーボ回路
P・・・再生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々波長の異なる3つの光ビームであって、最も波長の短い第1光ビームを出力する第1光源と、前記第1光ビームよりも波長の長い第2光ビームを出力する第2光源と、前記第2光ビームよりも波長の長い第3光ビームを出力する第3光源とを備え、前記第1、第2及び第3光ビームを、夫々、記録フォーマットの異なる光学式記録媒体に集光すると共に、前記第1、第2及び第3光ビームの前記光学式記録媒体における反射光を、夫々、受光する光ピックアップ装置であって、
前記第1光源と第3光源が各々異なる位置に配置されると共に、前記第2光源が前記第1光源及び第3光源の何れか一方と同一筐体内にユニット化された光ビーム出力手段と、
第1光路を介して前記第1光ビームを前記光学式記録媒体に集光させると共に、第2光路を介して前記第3光ビームを前記光学式記録媒体に集光させる一方、前記第2光ビームについては前記ユニット化された他の光源からの光ビームと略同一の光路を介して前記光学式記録媒体に集光させる往路集光手段と、
単一のユニットとして構成され、前記第1、第2及び第3光ビームに対応した前記反射光を受光する受光手段と、
入射光の偏光状態に依存して光を透過させ或いは反射させる光学素子を有し、前記第1光路を介して入射される前記反射光を前記受光手段に集光させる第1復路集光手段と、
入射光の偏光状態に依存することなく一定の割合にて当該光を透過させ或いは反射させる光学素子を有し、前記第2光路を介して入射される前記反射光を前記受光手段に集光する第2復路集光手段と、
を具備することを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項2】
前記第1復路集光手段は、少なくとも前記第1光ビームについては偏光状態に応じて反射或いは透過させる一方、前記第3光ビームについては偏光状態に依存することなく透過させる光学素子であることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
【請求項3】
前記光路上に配置され、少なくとも前記光学式記録媒体に集光する前記第1光ビームに発生する収差を補正する収差補正手段を更に有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ピックアップ装置。
【請求項4】
前記往路集光手段は、前記第1光路と前記第2光路とを合成する合成手段と、前記合成手段により合成された光路を介して前記光学式記録媒体に前記第1、第2及び第3光ビームを集光する集光手段と、を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の光ピックアップ装置と、
前記光ピックアップ装置を駆動する駆動手段と、
前記駆動手段を制御することにより、前記光学式記録媒体に対する情報の記録及び再生を制御する制御手段と、
前記光ピックアップ装置における受光結果に対応した信号を出力する出力手段と、
を具備することを特徴とする情報記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−146685(P2008−146685A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−99845(P2005−99845)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】