説明

光ピックアップ装置

【課題】フォーカス調整等の精度を従来よりも改善することが可能な光ピックアップ装置を提供する。
【解決手段】光ピックアップ装置300は、レーザ光Laを出射する光源304と、レーザ光Laを光ディスクDxに向けて反射するミラー部305と、レーザ光Laを透過し光ディスクDxで反射したレーザ光Lbを回折するホログラム部120を有するホログラム素子306と、ホログラム部120を透過したレーザ光Laを平行光にするコリメータレンズ307と、ホログラム部120で回折されたレーザ光Lbを受光する受光部308を有する受光素子309と、を備える。ホログラム素子306は、光源304に対応する領域に光源304からの漏れ光Lcを回折する第1回折部311と、受光部308に対応する領域に外部から入射する外乱光を回折する第2回折部312と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ディスクに情報を記録したり光ディスクに記録されている情報を再生するための光ピックアップ装置に係り、特にホログラム素子を備えた光ピックアップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光ピックアップ装置は、光ディスクに情報を記録したり光ディスクに記録されている情報を再生するためのものである。
また、光ピックアップ装置は、標準的なフォーカス誤差検出法である非点収差法と小型化及び高信頼性とを両立するための手段として、ホログラム素子による非点収差法を用いたものが採用されている。
【0003】
ホログラム素子による非点収差法を用いた光ピックアップ装置は、一般的に、レーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光源から出射されたレーザ光を光ディスクに向けて反射するミラー部と、ミラー部で反射されたレーザ光を平行光にするためのコリメータレンズと、コリメータレンズで平行光とされたレーザ光を集光させて光ディスクの所定の情報記録面に合焦させるための対物レンズと、光ディスクで反射したレーザ光(戻り光)を後述する受光部に向けて回折するホログラム部を有するホログラム素子と、ホログラム部で回折された戻り光を受光する受光部を有する受光素子と、を備えている。
【0004】
また、光ピックアップ装置は、CDとDVDのように情報記録密度の異なる2種類の光ディスクに対応するための、互いに発振波長の異なる2つのレーザ光源を備えたものがある。2つのレーザ光源を備えた光ピックアップ装置では、コリメータレンズ及び対物レンズの光軸上に2つのレーザ光源を一度に配置することが難しいため、発振波長がCDよりも短波長である高記録密度のDVD用のレーザ光源をコリメータレンズ及び対物レンズの光軸上に配置し、CD用のレーザ光源をDVD用のレーザ光源の近傍に配置することが一般的である。
【0005】
DVD用のレーザ光とCD用のレーザ光は、対物レンズに入射する際に必要な光束の直径が異なる。コリメータレンズと対物レンズ間の光軸上には、コリメータレンズから出射されるレーザ光の波長に応じて、コリメータレンズから出射された光束の一部を反射又は透過して、対物レンズに入射する光束の直径を変える作用のある、ダイクロイックフィルタを配置するようにしてもよい。
なお、一般的に対物レンズに入射する際に必要な光束の直径は、DVD用の直径 > CD用の直径の関係にある。従って、DVD用のレーザ光の場合は、ダイクロイックフィルタに入射した光束はほぼ全部が透過し、CD用のレーザ光の場合は、光束の外側がほぼ全部反射し、内側がほぼ全部透過するように作用する。
【0006】
また、2層DVDのように2層の情報記録層を有する光ディスクの記録再生を行う光ピックアップ装置がある。
【0007】
ところで、上述の正規の光路とは異なって外部からの迷光等の外乱光がホログラム素子におけるホログラム部よりも外側の領域を通って受光部に入射する場合がある。
外乱光の受光部への入射はフォーカス調整やトラッキング調整等の精度を悪化させる要因となる。
【0008】
そこで、ホログラム素子におけるホログラム部よりも外側の領域を粗面化してこの外側の領域を透過する外乱光を粗面により散乱させる手段が特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2001−076363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示されている手段では、粗面により散乱した外乱光の一部が受光部に入射する場合があるため、さらなる改善が望まれる。
【0011】
ところで、光ピックアップ装置に用いられるレーザ光源は、互いに対向する一対の共振器面を備えた共振器構造を有する。そのため、レーザ光源の一方の共振器面から出射されるレーザ光(主ビーム)はミラー部に照射されるものの、レーザ光源の他方の共振器面からも光ディスクに情報を記録したり光ディスクに記録されている情報を再生することに寄与しない漏れ光が発生する。漏れ光の光量は主ビームの光量の1/1〜1/5程度である。
レーザ光源で発生した漏れ光の一部は、ホログラム素子におけるホログラム部よりも外側の領域、及びコリメータレンズを順次透過してダイクロイックフィルタや光ディスクに照射される。この漏れ光がダイクロイックフィルタや光ディスクで反射して受光部に入射すると、フォーカス調整やトラッキング調整等の精度を悪化させる要因となる。
【0012】
上記問題は、ダイクロイックフィルタを配置した場合に発生しやすく、特にCDとDVDのように情報記録密度の異なる2種類の光ディスクに対応するための、互いに発振波長の異なる2つのレーザ光源を有する光ピックアップ装置において、コリメータレンズや対物レンズの光軸上に配置されていないCD用のレーザ光源に対して発生しやすい。
【0013】
そこで、本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、従来よりも、外部から入射した外乱光が受光部に照射されることを防止し、レーザ光源で発生した漏れ光がコリメータレンズを通って反射光として受光部に照射されることを防止することができ、フォーカス調整やトラッキング調整等の精度を従来よりも改善することが可能な光ピックアップ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明は次の光ピックアップ装置を提供する。
1)レーザ光(La)を出射する光源(304)と、前記光源から出射されたレーザ光を光ディスク(Dx)に向けて反射するミラー部(305)と、前記ミラー部で反射されたレーザ光を透過し、前記光ディスクで反射したレーザ光(Lb)を回折するホログラム部(120)が第1の領域に形成されたホログラム素子(306)と、前記ホログラム部を透過したレーザ光を平行光にするコリメータレンズ(307)と、前記ホログラム部で回折されたレーザ光(Lb)を受光する受光部(308)を有する受光素子(309)と、を備え、前記ホログラム素子は、前記第1の領域とは異なる領域であり且つ前記光源に対応する第2の領域に、前記光源から出射される前記レーザ光とは異なる漏れ光(Lc)が前記コリメータレンズに入射しないように、前記漏れ光を第1の方向(y1,y2)に回折する第1の回折部(311)と、前記第1の領域及び第2の領域とは異なる領域であり且つ前記受光部に対応する第3の領域に、外部から入射する外乱光が前記受光部に入射しないように、前記外乱光を第2の方向(y3,y4)に回折する第2の回折部(312)と、を備えていることを特徴とする光ピックアップ装置(300)。
2)前記第1の領域における所定の位置(O20)を中心座標点(0,0)とし、前記中心座標点(0,0)を通る第1の線をx軸とし、前記中心座標点(0,0)を通り前記第1の線に直交する第2の線をy軸としたときに、前記ホログラム部は、前記第1の領域が前記第1の線である第1の分割線(A)とxy座標点(−xa,0)とxy座標点(−xb,yb)とを結ぶ第2の分割線(B)とによって分割された第1のホログラム領域(21)と、前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第2の分割線とxy座標点(xa,0)とxy座標点(xb,yb)とを結ぶ第3の分割線(C)とによって分割された第2のホログラム領域(22)と、前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第3の分割線とによって分割された第3のホログラム領域(23)と、前記第1の領域が前記第1の分割線とxy座標点(xa,0)とxy座標点(xb,−yb)とを結ぶ第4の分割線(D)とによって分割された第4のホログラム領域(24)と、前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第4の分割線とxy座標点(−xa,0)とxy座標点(−xb,−yb)とを結ぶ第5の分割線(E)とによって分割された第5のホログラム領域(25)と、前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第5の分割線とによって分割された第6のホログラム領域(26)と、を有し、前記xa及び前記xbはxa<xbの関係式を満たし、前記ya及び前記ybはya<ybの関係式を満たし、前記第2のホログラム領域及び前記第5のホログラム領域は、前記第2の線に対して所定の角度をなす非点収差が付与され、前記第1のホログラム領域,前記第3のホログラム領域,前記第4のホログラム領域,及び前記第6のホログラム領域は、前記第2の線に対して前記所定の角度とは異なる角度をなす非点収差が付与されていることを特徴とする1)記載の光ピックアップ装置(90)。
3)前記第1の分割線から前記第5の分割線のうちの少なくともいずれかは、直線,曲線,または折れ線であることを特徴とする2)記載の光ピックアップ装置。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、外部から入射した外乱光が受光部に照射されることを防止し、レーザ光源で発生した漏れ光がコリメータレンズを通って反射光として受光部に照射されることを防止することができ、フォーカス調整やトラッキング調整等の精度を従来よりも改善することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の光ピックアップ装置の実施例1を説明するための図であり、図1(a)は受光素子側から見たときの模式的断面図であり、図1(b)はレーザ光源側から見たときの模式的断面図であり、図1(c)はホログラム素子側から見たときの模式的上面図である。
【図2】本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2を説明するための図であり、例えばDVDを再生する場合を示すものである。
【図3】本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2を説明するための図であり、例えばCDを再生する場合を示すものである。
【図4】本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2を説明するための図であり、例えば2層DVDを再生する場合を示すものである。
【図5】本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2におけるホログラム素子を説明するための模式的平面図である。
【図6】実施例1及び2のホログラム部に光ディスクからの戻り光が照射された状態を示す模式的平面図である。
【図7】本発明に係る光ピックアップ装置の実施例1における受光部の平面図であり、図7(a)は例えばDVD再生においてDVDからの戻り光が実施例1のホログラム部で回折されて受光部に照射された状態を示し、図7(b)は例えばCD再生においてCDからの戻り光が実施例1のホログラム部で回折されて受光部に照射された状態を示し、図7(c)は例えば2層DVDにおけるレーザ光源に近い側の情報記録層の再生において2層DVDにおけるレーザ光源から遠い側の情報記録層からの戻り光が実施例1のホログラム部で回折されて受光部に照射された状態を示すものである。
【図8】本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2における受光部の平面図であり、図8(a)は例えばDVD再生においてDVDからの戻り光が実施例2のホログラム部で回折されて受光部に照射された状態を示し、図8(b)は例えばCD再生においてCDからの戻り光が実施例2のホログラム部で回折されて受光部に照射された状態を示し、図8(c)は例えば2層DVDにおけるレーザ光源に近い側の情報記録層の再生において2層DVDにおけるレーザ光源から遠い側の情報記録層からの戻り光が実施例2のホログラム部で回折されて受光部に照射された状態を示すものである。
【図9】本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2の変形例を説明するための模式的平面図であり、図5に対応するものである。
【図10】本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2の変形例を説明するための模式的平面図であり、図5に対応するものである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態を、好ましい実施例1及び2により図1〜図10を用いて説明する。
【0018】
<実施例1>
図1に示すように、光ピックアップ装置300は、ベース部302と、ベース部302上に固定されたサブマウント部303と、サブマウント部303上に固定され、所定の発振波長を有するレーザ光の主ビームLaを後述するミラー部305に向けて出射するレーザ光源304と、ベース部302上に固定され、レーザ光源304から出射された主ビームLaを光ディスクDxに向けて反射する反射面305aを有するミラー部305と、ミラー部305で反射された主ビームLaの光軸上に配置され、反射面305aで反射された主ビームLaを透過し、光ディスクDxからの戻り光Lbを後述する受光部308に向けて回折するホログラム部120を有するホログラム素子306と、ホログラム素子306の上方であって主ビームLaの光軸上に配置され、ホログラム部120を透過した主ビームLaを平行光にするためのコリメータレンズ307と、コリメータレンズ307で平行光とされた主ビームLaを集光して光ディスクDxの所定の情報記録面に合焦させるための対物レンズ200と、光ディスクDxからの戻り光Lbを受光する受光部308を有する受光素子309と、を備えている。
【0019】
光ディスクDxは、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital versatile Disc)、BD(Blue-ray Disc)、2層の情報記録層を有する2層DVD等である。
ベース部302は例えばリードフレームや回路基板である。
【0020】
図1では、説明をわかりやすくするために1つのレーザ光源を示しているが、例えばCD及びDVDにそれぞれ対応するためにはCD用及びDVD用の2つのレーザ光源を備えることは言うまでもない。
即ち、レーザ光源304の数やレーザ光(主ビーム)Laの発振波長は対象とする光ディスクDxの形態に応じて適宜設定されるものである。
【0021】
また、レーザ光(主ビーム)Laの発振波長に応じて対物レンズ200に入射する際に必要な光束の直径が互いに異なるため、コリメータレンズ307と対物レンズ200との間の光軸上には、レーザ光(主ビーム)Laの発振波長に応じてコリメータレンズ307から出射された光束の一部を反射又は透過して、対物レンズ200に入射する光束の直径を変える作用を有するダイクロイックフィルタ400が配置されている。
コリメータレンズ307の光軸と対物レンズ200の光軸とは互いに一致しており、図1ではこれら光軸を便宜上、一点鎖線で共通に示している。
【0022】
次に、ホログラム素子306について図1(c)を用いて詳細に説明する。
【0023】
図1(c)に示すように、ホログラム素子306は、6つのホログラム領域121〜126を有するホログラム部120と、ホログラム部120よりも外側の領域であってレーザ光源304の上方にレーザ光源304を覆うように形成された回折部311と、ホログラム部120よりも外側の領域であって受光素子309の上方に少なくとも受光部308を覆うように形成された回折部312と、を備えている。
ホログラム部120は、ホログラム部120の中心O120が図1(a)及び(b)の一点鎖線で示すコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸上に位置するように配置されている。
【0024】
ここで、レーザ光源304から出射されるレーザ光の主ビームLaの光路について説明する。
【0025】
レーザ光源304は一般的に一対の共振器面を備えた共振器構造を有し、レーザ光源304の一方の共振器面からレーザ光の主ビームLaが出射される。
主ビームLaはミラー部305の反射面305aで反射され、ホログラム素子306のホログラム部120の中心O120及びその近傍の領域を通過する。
さらに主ビームLaはコリメータレンズ307で平行光とされて光ピックアップ装置300から光ディスクDxに向けて出射される。
【0026】
光ピックアップ装置300から出射された主ビームLaは、ダイクロイックフィルタ400を通過し、対物レンズ200で集光されて光ディスクDxの所定の情報記録面に合焦される。
【0027】
光ディスクDxの所定の情報記録面に合焦された主ビームLaは、情報記録面に記録されている情報に応じて変調され、戻り光Lbとなって反射される。
戻り光Lbは、対物レンズ200、ダイクロイックフィルタ400、及びコリメータレンズ307を順次透過してホログラム素子306のホログラム部120の中心O120及びその近傍の領域に照射される。
ホログラム部120に照射された戻り光Lbはホログラム領域121〜126ごとに回折されて受光素子309の受光部308に照射される。
【0028】
ところで、レーザ光源304は主ビームLaが出射される一方の共振器面に対向する他方の共振器面からのレーザ光の漏れ光Lcが出射される。
漏れ光Lcの光量は主ビームLaの光量に対して1/1〜1/5程度である。
【0029】
ここで、漏れ光Lcの光路について図1(a)を用いて説明する。なお、図1(a)では主ビームLaとの区別を容易にするために漏れ光Lcを破線で示している。
【0030】
まず、回折部311を有さない場合を比較例として説明する。
レーザ光源304の他方の共振器面から出射された漏れ光Lcは、ホログラム素子306におけるホログラム部120よりも外側の領域を透過してダイクロイックフィルタ400に照射される。
ダイクロイックフィルタ400は、ダイクロイックフィルタ400に入射したレーザ光(主ビーム)Laの発振波長に応じて、入射した主ビームLaの光束の一部が反射した場合に、その反射したレーザ光が、コリメータレンズ307を透過してホログラム素子306に入射し、ホログラム素子306を透過、又はホログラム部120により回折されて、受光素子309の受光部308に入射することで、フォーカス誤差検出精度やトラッキング誤差検出精度が悪化する影響を低減するために一点鎖線で示す光軸に対して傾いて配置されている。このため、ダイクロイックフィルタ400で反射した漏れ光Lcは、コリメータレンズ307を透過してホログラム素子306のホログラム部120又はホログラム部120よりも外側の領域に照射される場合がある。ホログラム部120又はホログラム部120よりも外側の領域に照射された漏れ光Lcは、受光素子309の受光部308に照射される。このため、漏れ光Lcの受光部308への照射は受光素子309としてのフォーカス誤差検出精度やトラッキング誤差検出精度を悪化させる要因になる。
【0031】
上述した比較例に対して実施例1のホログラム素子306では、ホログラム部120よりも外側の領域であってレーザ光源304の上方にレーザ光源304を覆うように回折部311が形成されている。
このため、レーザ光源304の他方の共振器面から出射された漏れ光Lcは、ホログラム素子306の回折部311に照射される。
回折部311は、レーザ光源304から出射された漏れ光Lcがコリメータレンズ307やダイクロイックフィルタ400に照射されないように、漏れ光Lcを例えば矢印y1,y2の方向に±1次以上の回折光として回折し、透過する0次光の光量が極めて小さくなるように設計されている。
回折部311の漏れ光Lcに対する回折方向、回折角度、及び各回折光の光量比率は回折部311に形成する溝のピッチ、幅、深さ、及び曲率等のパラメータを調整することによって決定される。
従って、回折部311により、レーザ光源304から出射された漏れ光Lcが受光部308に照射されることを防止できる。
【0032】
次に、外部から外乱光Ldが光ピックアップ装置300に入射した場合について図1(b)を用いて説明する。
【0033】
前述のように、回折部311は、透過する0次光の光量が極めて小さくなるように設計されているものの、製造上の寸法や位置のばらつきによって透過する0次光の光量が増減する場合がある。透過する0次光の光量が増加した場合は、ダイクロイックフィルタ400に入射する漏れ光Lcの光量も増加し、ダイクロイックフィルタ400で反射し、ホログラム素子306のホログラム部120又はホログラム部120よりも外側の領域に外乱光Ldとして照射され、受光素子309の受光部308に照射される。
【0034】
ダイクロイックフィルタ400は図示しないアクチュエータに取り付けられており、アクチュエータが駆動するとダイクロイックフィルタ400は、一点鎖線で示す光軸に対する角度やコリメータレンズとの相対距離が変化する。そのため、ダイクロイックフィルタ400で反射して、ホログラム素子306のホログラム部120又はホログラム部120よりも外側の領域に照射する外乱光Ldの位置及び光量が変化し、アクチュエータの駆動状態に応じて受光部308に照射される外乱光Ldの光量が変化する場合がある。そのため、外乱光Ldは受光素子309としてのフォーカス誤差検出精度やトラッキング誤差検出精度を悪化させる要因になる。
【0035】
それに対して実施例1のホログラム素子306では、ホログラム部120よりも外側の領域であって受光素子309の上方に少なくとも受光部308を覆うように形成された回折部312を備えている。
回折部312は、外部から照射される外乱光Ldが受光素子309、特に受光部308に照射されないように、外乱光Ldを例えば矢印y3,y4の方向に±1次以上の回折光として回折し、透過する0次光の光量が極めて小さくなるように設計されている。
回折部312の外乱光Ldに対する回折方向及び回折角度は回折部312に形成する溝のピッチ、幅、深さ、及び曲率等のパラメータを調整することによって決定される。
このため、外部から受光部308に向かって外乱光Ldが照射された場合においても、外乱光Ldは回折部312によって回折し、透過する0次光の光量は極めて小さいので、外乱光Ldの受光素子309、特に受光部308への照射を防止することができる。
【0036】
上述した回折部311及び回折部312はホログラム部120と共に一度に形成することができる。
【0037】
<実施例2>
次に、本発明の光ピックアップ装置の実施例2について図2〜図10を用いて説明する。
実施例2は、実施例1に対して特にホログラム素子のホログラム部の構成が異なる点に特徴を有する。また、実施例2の光ピックアップ装置では発振波長が互いに異なる2つのレーザ光源を備えている。なお、実施例1と同じ構成部については説明をわかりやすくするために同じ符号を付して説明する。
【0038】
まず、実施例2の光ピックアップ装置90について図2〜図4を用いて説明する。図2は例えばDVDを再生する場合を示すものである。図3は例えばCDを再生する場合を示すものである。図4は例えば2層DVDを再生する場合を示すものである。図2〜図4の(a)〜(c)は図1の(a)〜(c)にそれぞれ対応するものである。
【0039】
図2〜図4に示すように、光ピックアップ装置90は、ベース部302と、ベース部302上に固定されたサブマウント部303と、サブマウント部303上に固定され、所定の発振波長を有するレーザ光の主ビームLa1を後述するミラー部305に向けて出射するレーザ光源1と、上記所定の発振波長とは異なる発振波長を有するレーザ光の主ビームLa2を後述するミラー部305に向けて出射するレーザ光源2と、ベース部302上に固定され、レーザ光源1,2から出射された主ビームLa1,La2を光ディスクD1〜D3に向けて反射する反射面305aを有するミラー部305と、ミラー部305の上方であってミラー部305(反射面305a)で反射された主ビームLa1,La2の光軸上に配置され、反射面305aで反射した主ビームLa1,La2を透過し、光ディスクD1〜D3からの戻り光Lb1〜Lb3を後述する受光部308に向けて回折するホログラム部20を有するホログラム素子3と、ホログラム素子3の上方であって主ビームLa1,La2の光軸上に配置され、ホログラム部20を透過した主ビームLa1,La2を平行光にするためのコリメータレンズ307と、コリメータレンズ307で平行光とされたレーザ光の主ビームLa1,La2を集光して光ディスクD1〜D3の所定の情報記録面に合焦させるための対物レンズ200と、光ディスクD1〜D3からの戻り光Lb1〜Lb3を受光する受光部308を有する受光素子309と、を備えている。
ベース部302は例えばリードフレームや回路基板である。
【0040】
コリメータレンズ307から出射された主ビームLa1,La2の光軸上には、コリメータレンズ307で平行光とされたレーザ光の主ビームLa1,La2を集光して光ディスクD1〜D3の所定の情報記録面に合焦させるための対物レンズ200が配置されている。
コリメータレンズ307の光軸と対物レンズ200の光軸とは互いに一致しており、図2〜図4ではこれら光軸を便宜上、一点鎖線で共通に示している。
【0041】
実施例2の光ディスクD1〜D3は実施例1の光ディスクDxに対応し、図2(a)に示すD1は所定の情報記録密度を有する光ディスク(例えばDVD)であり、図2(b)に示すD2は光ディスクD1よりも情報記録密度が低い光ディスク(例えばCD)であり、図2(c)に示すD3は2層の情報記録層を有する光ディスク(例えば2層DVD)である。
【0042】
実施例2のレーザ光源1,2は実施例1のレーザ光源304に対応する。
レーザ光源1は所定の発振波長を有するレーザ光源(例えばDVD用のレーザ光源)であり、コリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸上に配置されている。
レーザ光源2はレーザ光源1よりも発振波長が短いレーザ光源(例えばCD用のレーザ光源)であり、レーザ光源1の近傍に配置されており、レーザ光源2の主ビームLa1の光軸とコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸とは一致していない。
レーザ光源1の発光点とレーザ光源2の発光点との距離は、各レーザ光源1,2の構造上100μm以上になる。
【0043】
実施例2のホログラム部20及びホログラム素子3は実施例1のホログラム部120及びホログラム素子306に対応する。
【0044】
コリメータレンズ307から出射したレーザ光(主ビーム)La1,La2の発振波長に応じて対物レンズ200に入射する際に必要な光束の直径が互いに異なるため、コリメータレンズ307と対物レンズ200との間の光軸上には、レーザ光(主ビーム)La1,La2の発振波長に応じてコリメータレンズ307から出射された光束の一部を反射又は透過して、対物レンズ200に入射する光束の直径を変える作用を有するダイクロイックフィルタ400が配置されている。
【0045】
実施例2では、検出光学系の横倍率を6倍とし、レーザ光源1の発光点からホログラム部の中心点までの距離を2.6mmとし、レーザ光源1の発光点とレーザ光源2の発光点との距離を0.11mmとした。
【0046】
次に、ホログラム素子3について図5を用いて詳細に説明する。
【0047】
図5に示すように、ホログラム素子3は、6つのホログラム領域21〜26を有するホログラム部20と、ホログラム部20よりも外側の領域であってレーザ光源1,2の上方にレーザ光源1,2を覆うように形成された{図2〜図4の(c)参照}回折部311と、ホログラム部20よりも外側の領域であって受光素子309の上方に少なくとも受光部308を覆うように形成された{図2〜図4の(c)参照}回折部312と、を備えている。
ホログラム部20は、ホログラム部20の中心O20が図2〜図4の(a)及び(b)の一点鎖線で示すコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸上に位置するように配置されている。
実施例2のホログラム領域21〜26は実施例1のホログラム領域121〜126にそれぞれ対応するものである。
また、実施例2の回折部311及び回折部312は実施例1の回折部311及び回折部312にそれぞれ対応するものである。
【0048】
図5に示すように、ホログラム部20をx−y座標で表すと、ホログラム部20は、(−xb,yb)、(xb,yb)、(xb,−yb)、及び(−xb,−yb)の4つの座標点を結ぶ線で囲まれた領域で表すことができる。なお、図5では光ディスクD1〜D3(図2〜図4参照)のトラックを二点鎖線で模式的に示しており、y軸は光ディスクD1〜D3のトラックの座標点(0,0)における接線に相当する。
【0049】
また、ホログラム部20は、6つのホログラム領域21〜26を有している。
ホログラム領域21は、座標点(0,0)を通りy軸に直交する分割線A(x軸に相当する)と、座標点(−xa,ya)を通り座標点(−xa,0)と座標点(−xb,yb)とを結ぶ分割線Bと、によって分割された領域である。
ホログラム領域22は、分割線Aと、分割線Bと、座標点(xa,ya)を通り座標点(xa,0)と座標点(xb,yb)とを結ぶ分割線Cと、によって分割された領域である。
ホログラム領域23は分割線Aと分割線Cとによって分割された領域である。
ホログラム領域24は、分割線Aと、座標点(xa,−ya)を通り座標点(xa,0)と座標点(xb,−yb)とを結ぶ分割線Dと、によって分割された領域である。
ホログラム領域25は、分割線Aと、分割線Dと、座標点(−xa,−ya)を通り座標点(−xa,0)と座標点(−xb,−yb)とを結ぶ分割線Eと、によって分割された領域である。
ホログラム領域26は分割線Aと分割線Eとによって分割された領域である。
ここで、xa及びxbは、xa<xbの関係式を満たし、ya及びybは、ya<ybの関係式を満たす。実施例では、xa=0.15mm、xb=0.5mm、ya=0.15mm、yb=0.5mmとした。
【0050】
ホログラム領域22及び25は、光ディスクD1〜D3のトラックの座標点(0,0)における接線(y軸)に対して略45度の角度をなす非点収差が付与され、他のホログラム領域21,23,24,及び26は、光ディスクD1〜D3のトラックの座標点(0,0)における接線(y軸)に対して略90度の角度をなす非点収差が付与されており、これらホログラム領域21〜26は光ディスクD1〜D3からの戻り光Lb1〜Lb3を上記接線と略直交する方向に回折する。
【0051】
次に、光ディスクD1(例えばDVD)を再生する場合、光ディスクD2(例えばCD)を再生する場合、及び光ディスクD3(例えば2層DVD)を再生する場合について、図1〜図5と共に図6〜図8を用いて説明する。
図6(a)〜(c)は実施例1のホログラム部を示すものである。図6(d)〜(f)は実施例2のホログラム部を示すものである。
また、図6(a),(d)は例えばDVD再生においてDVDからの戻り光がホログラム部に照射された状態を示し、図6(b),(e)は例えばCD再生においてCDからの戻り光がホログラム部に照射された状態を示し、図6(c),(f)は例えば2層DVD再生において2層DVDからの戻り光がホログラム部に照射された状態を示すものであり、図6(a)〜(c)と図6(d)〜(f)とはそれぞれ対応するものである。
なお、図6(a)〜(f)では説明をわかりやすくするために回折部311及び回折部312をそれぞれ省略して示している。
【0052】
ここで、受光素子309の受光部308について説明する。
受光部308は、ホログラム領域122及び125によって非点収差を付与された戻り光Lbに対応するそれぞれ2つの焦線の間で戻り光Lbをそれぞれ受光するように配置されており、ホログラム領域121〜126でそれぞれ回折された回折光(戻り光Lb)を回折する方向と略同じ方向の分割線により、少なくとも2つの領域に分割された受光領域で受光するように構成されている。
また、受光部308は、ホログラム領域22及び25によって非点収差を付与された戻り光Lb1〜Lb3に対応するそれぞれ2つの焦線の間で戻り光Lb1〜Lb3をそれぞれ受光するように配置されており、ホログラム領域21〜26でそれぞれ回折された回折光(戻り光Lb1〜Lb3)を回折する方向と略同じ方向の分割線により、少なくとも2つの領域に分割された受光領域で受光するように構成されている。
【0053】
図7及び図8に示すように、実施例1及び実施例2では、受光部308は、分割線x30とこの分割線x30に直交する分割線y30とによって分割された4つの受光領域31〜34を有し、後述するスポット142,145,152,155,42,45,52,55が分割線x30でそれぞれ分割されるように配置されている。
【0054】
まず、実施例1のホログラム部120を有するホログラム素子306を用い、他の構成は実施例2の光ピックアップ装置と同様のものを実施例1の変形例(第1変形例)として以下に説明する。
【0055】
光ディスクD1(例えばDVD)の再生を行う場合、光ディスクD1用のレーザ光源1はコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸上に配置されているため、図6(a)に示すように、光ディスクD1からの戻り光Lb1のホログラム部120上における光束Lb111は、ホログラム部120の中心部に位置する。
戻り光Lb1(光束Lb111)は、さらにホログラム部120の6つのホログラム領域121〜126毎に回折されて受光部308に到達する。図7(a)に示すスポット141〜146は、各ホログラム領域121〜126で回折された戻り光Lb1が受光部308に照射される領域であり、スポット141〜146とホログラム領域121〜126とはそれぞれ対応するものである。
【0056】
一方、光ディスクD2(例えばCD)の再生を行う場合、光ディスクD2用のレーザ光源2の主ビームLa1の光軸とコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸とは一致していないため、図6(b)に示すように、光ディスクD2からの戻り光Lb2のホログラム部120上における光束Lb112は、ホログラム部120の中心部からずれる。このとき、戻り光Lb2の光束Lb112の中心OLb112はホログラム領域122及び125とは異なった領域に位置する。
戻り光Lb2(光束Lb112)は、さらにホログラム部120の6つのホログラム領域121〜126毎に回折されて受光部308に到達する。図7(b)に示すスポット151〜156は、各ホログラム領域121〜126で回折された戻り光Lb2が受光部308に照射される領域であり、スポット151〜156とホログラム領域121〜126とはそれぞれ対応するものである。
【0057】
図7(a)及び(b)に示すように、光ディスクD2(CD)再生の場合は光ディスクD1(DVD)再生の場合に比べて受光領域31,32におけるスポット155,152の面積が小さくなる。スポットの面積はその受光領域31,32における戻り光の受光量に相当するので、スポット155,152の面積が小さい受光領域31,32では受光量が減少するため、受光素子309としての光ディスクD2再生におけるフォーカス誤差検出感度が悪化する。
【0058】
ところで、光ピックアップ装置を製造する過程で各光学部品の実装位置のばらつきにより、受光部308におけるスポットの位置が光ピックアップ装置毎にばらつく。
図7(a)の破線部は、光ディスクD1再生の場合に各光学部品の実装位置のばらつきによってスポット145及び142がずれた状態を模式的に示すものである。また、図7(b)の破線部は、光ディスクD2再生の場合に各光学部品の実装位置のばらつきによってスポット155及び152がずれた状態を模式的に示すものである。
【0059】
図7(a)に示すように、光ディスクD1の再生において、スポット145,142が破線で示す位置にずれた場合、受光領域の分割線x30とスポット145,142との重なり長さが小さくなるため、上述した理由と同様の理由により、受光素子309としてのフォーカス誤差検出感度が悪化する。
【0060】
また、図7(b)に示すように、光ディスクD2の再生において、スポット155,152が破線で示す位置にずれた場合、受光領域の分割線x30におけるスポット155,152の重なり長さが光ディスクD1の再生の場合の受光領域の分割線x30におけるスポット145,142の重なり長さよりもさらに小さくなるため、上述した理由と同様の理由により、受光素子309としてのフォーカス誤差検出感度がさらに悪化する。
フォーカス誤差検出感度が悪化すると、記録再生時における光ディスクの面ぶれに対する対物レンズの追従に遅れが生じ、記録再生信号のジッター劣化が発生する場合がある。
【0061】
図4に示すように、2層DVD等の光ディスクD3は、2層の情報記録層D3a,D3bを有している。
光ピックアップ装置に近い側の情報記録層D3aの再生を行う場合、図6(c)に示すように、光ディスクD3における情報記録層D3aからの戻り光Lb3のホログラム部120上における光束Lb113は、ホログラム部120の中心部である、フォーカス誤差検出用に非点収差を付与した領域に位置する。
このとき、再生しない側の情報記録層D3bからの反射光Lb4もホログラム部120に照射される。この再生しない側の情報記録層D3bからの反射光Lb4は不要光である。図6(c)では、反射光Lb4のホログラム部120上における光束をLb114として示している。
例えば、戻り光Lb3のホログラム部20上における光束Lb13の直径は約0.5mmであり、反射光Lb4のホログラム部20上における光束Lb14の直径は0.1mm以下である。
【0062】
反射光Lb4(光束Lb114)は、ホログラム部120の6つのホログラム領域121〜126毎に回折されて受光部308に到達する。図7(c)に示すスポット161〜166は、各ホログラム領域121〜126で回折された反射光Lb4(光束Lb114)が受光部308及びその近傍に照射される領域であり、スポット161〜166とホログラム領域121〜126とはそれぞれ対応するものである。
【0063】
戻り光Lb3と不要光である反射光Lb4とがホログラム領域121〜126に照射されている状態で例えば対物レンズ200の位置が光ディスクの半径方向に移動すると、図6(c)の破線で示すように、反射光Lb4(光束Lb114)が分割線A120及びB120を横切って移動するため、図7(c)に示すようなスポット161〜166の分布になる。
そのため、受光部308の各受光領域31〜34におけるスポット161〜166の面積の和、即ち各受光領域31〜34におけるスポット161〜166の受光量の和が受光領域31〜34ごとに異なる。不要光である反射光Lb4の受光量が受光領域31〜34ごとに異なるため、受光領域31〜34の受光感度に与える反射光(不要光)Lb4の影響が受光領域31〜34ごとに異なる。その結果、受光素子309としてのフォーカス誤差検出信号にノイズが加わり、合焦ずれの状態で記録再生することになる。この結果、記録再生信号のジッター劣化が発生する場合がある。
【0064】
次に、上述した実施例1の変形例(第1変形例)に対し、実施例2の光ピックアップ装置90を用いて光ディスクD1〜D3を再生する場合について説明する。
【0065】
図2に示すように、光ディスクD1(例えばDVD)を再生する場合、光ディスクD1を再生するためのレーザ光源1はコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸上に配置されているため、図6(d)に示すように、光ディスクD1からの戻り光Lb1のホログラム部20上における光束Lb11は、ホログラム部20の中心部に位置する。
戻り光Lb1(光束Lb11)は、さらにホログラム部20の6つのホログラム領域21〜26毎に回折されて受光部308に到達する。図8(a)に示すスポット41〜46は、各ホログラム領域21〜26で回折された戻り光Lb1が受光部308に照射される領域であり、スポット41〜46とホログラム領域21〜26とはそれぞれ対応するものである。
【0066】
ところで、前述したように光ピックアップ装置を製造する過程で発生する各光学部品の実装位置のばらつきにより受光部308における戻り光Lb1,Lb2の照射位置が光ピックアップ装置毎にばらつく。
図8(a)の破線部は、光ディスクD1を再生する場合に各光学部品の実装位置のばらつきによってスポット45及び42がずれた状態を模式的に示すものである。
図8(a)に示すように、光ディスクD1の再生において、スポット45,42が破線で示す位置にずれた場合でも、スポット45,42と分割線x30と重なる長さはほとんど変化しないため、実施例1{図7(a)の破線部参照}よりも受光素子309としての光ディスクD1に対するフォーカス誤差検出感度が、上述した光学部品の実装位置のばらつき(搭載ずれ)の影響を受けにくくなる。
【0067】
図3に示すように、光ディスクD2(例えばCD)を再生する場合、レーザ光源2から出射されるレーザ光の主ビームLa2の光軸とコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸とは一致していないため、図6(e)に示すように、光ディスクD2からの戻り光Lb2のホログラム部20上における光束Lb12は、ホログラム部20の中心部からずれる。このとき、光束Lb12の中心OLb12は、ホログラム領域22、ホログラム領域25、及びホログラム領域22とホログラム領域25との境界線上のいずれかに位置している。
戻り光Lb2(光束Lb12)は、さらにホログラム部20の6つのホログラム領域21〜26毎に回折されて受光部308に到達する。図8(b)に示すスポット51〜56は、各ホログラム領域21〜26で回折された戻り光Lb2が受光部308に照射される領域であり、スポット51〜56とホログラム領域21〜26とはそれぞれ対応するものである。
【0068】
図8(a)及び(b)に示すように、光ディスクD2を再生する場合は光ディスクD1を再生する場合に比べて受光領域31,32におけるスポット55,52の面積が小さくなるものの、実施例1の変形例(第1変形例){図7(b)参照}に比べて受光領域31,32におけるスポット55,52の面積が大きくなる。この面積はその受光領域における戻り光Lb2の受光量に相当するので、スポット55,52の面積が実施例1の変形例(第1変形例)よりも大きくなることにより受光領域31,32の受光感度が向上するため、受光素子309としての光ディスクD2に対するフォーカス誤差検出感度が実施例1の変形例(第1変形例)よりも向上する。
【0069】
ところで、前述したように、光ピックアップ装置を製造する過程で生じる各光学部品の実装位置のばらつきにより、受光部308における戻り光Lb1,Lb2の照射位置が光ピックアップ装置毎にばらつく。
図8(b)の破線部は、光ディスクD2を再生する場合に各光学部品の実装位置のばらつきによってスポット55及び52がずれた状態を模式的に示すものである。
図8(b)に示すように、光ディスクD2の再生において、スポット55,52が破線で示す位置にずれた場合、受光領域31,32におけるスポット55,52の面積がさらに小さくなるものの、スポット55,52と分割線x30との重なり長さの変化量は実施例1の変形例(第1変形例)よりも小さいので、上述した理由と同様の理由により、実施例1よりも受光素子309としての光ディスクD2に対するフォーカス誤差検出感度が上述した光学部品の実装位置のばらつき(搭載ずれ)の影響を受けにくくなる。
【0070】
フォーカス誤差検出感度は記録再生時における光ディスクの面ぶれに対する許容度に影響するため、フォーカス誤差検出感度が向上することにより、記録再生信号の悪化、例えばジッターの悪化やトラッキングエラーの発生を実施例1よりも抑制することができる。
【0071】
図4に示すように、2層DVD等の光ディスクD3は、2層の情報記録層D3a,D3bを有している。
光ピックアップ装置90に近い側の情報記録層D3aの再生を行う場合、図6(f)に示すように、光ディスクD3からの戻り光Lb3のホログラム部20上における光束Lb13は、ホログラム部20の中心部に位置する。
このとき、再生しない側の情報記録層D3bからの反射光Lb4もホログラム部20に照射される。この再生しない側の情報記録層D3bからの反射光Lb4は不要光である。図6(f)では、反射光Lb4のホログラム部20上における光束をLb14として示している。
例えば、戻り光Lb3のホログラム部20上における光束Lb13の直径は約0.5mmであり、反射光Lb4のホログラム部20上における光束Lb14の直径は0.1mm以下である。
【0072】
不要光である反射光Lb4(光束Lb14)は、ホログラム部20の2つのホログラム領域22及び25のみに照射されるので、反射光Lb4はこれら2つのホログラム領域22及び25でそれぞれ回折されて受光部308に到達する。
図8(c)に示すスポット62及び65は、2つのホログラム領域22及び25で回折された反射光Lb4が受光部308及びその近傍に照射される領域であり、スポット62及び65とホログラム領域22及び25とはそれぞれ対応するものである。
【0073】
ところで、一般的に、フォーカスのずれ量は、互いに対角の位置関係にある、受光領域31及び33の受光量の和と受光領域32及び34の受光量の和との差分を算出して導き出す。
実施例1では、図7(c)に示すように、各受光領域31〜34におけるスポット161〜166の受光量の和が受光領域31〜34ごとに異なっている。
それに対して、実施例2では、図8(c)に示すように、例えば、スポット62は受光領域33及び34に照射され、スポット65は受光領域31及び32に照射されるため、互いに対角の位置関係にある、受光領域31及び33の受光量の和と受光領域32及び34の受光量の和とが同じになるので、反射光(不要光)Lb4の影響が相殺されて正しいフォーカスのずれ量を導き出すことができる。
従って、実施例1よりもフォーカスのずれ量を低減することができる。
【0074】
また、反射光Lb3と不要光である反射光Lb4とがホログラム部20に照射されている状態で例えば対物レンズ200の位置が光ディスクの半径方向に移動すると、図6(c)の破線で示すように、反射光Lb4(光束Lb14)が2つのホログラム領域22及び25内のみを移動するため、実施例1よりも合焦ずれを抑制することができる。
【0075】
次に、実施例2の光ピックアップ装置90におけるホログラム素子3の回折部311について説明する。
【0076】
図2〜図5に示すように、回折部311は、ホログラム素子3におけるホログラム部20よりも外側の領域であってレーザ光源1及び2の上方にレーザ光源1及び2を覆うように形成されている。
【0077】
レーザ光源1及び2は互いに対向する一対の共振器面を備えた共振器構造を有し、レーザ光源1及び2の一方の共振器面からレーザ光の主ビームLa1及びLa2がそれぞれ出射される。
その一方で、レーザ光源1及び2からは、主ビームLa1及びLa2が出射される一方の共振器面に対向する他方の共振器面からのレーザ光の漏れ光Lc1及びLc2が出射される。漏れ光Lc1及びLc2の光量は主ビームLa1及びLa2の光量に対してそれぞれ1/10〜1/5程度である。
レーザ光源1及び2の他方の共振器面から出射された漏れ光Lc1及びLc2は、ホログラム素子306の回折部311に照射される。
【0078】
回折部311は、レーザ光源1及び2から出射された漏れ光Lc1及びLc2がコリメータレンズ307やダイクロイックフィルタ400に照射されないように、漏れ光Lc1及びLc2を例えば矢印y1,y2の方向に±1次以上の回折光として回折するように設計されている。
回折部311の漏れ光Lc1及びLc2に対する回折方向及び回折角度は回折部311に形成する溝のピッチ、幅、深さ、及び曲率等のパラメータを調整することによって決定される。
回折部311により、レーザ光源1及び2から出射された漏れ光Lc1及びLc2が受光部308に照射されることを防止できる。
【0079】
なお、回折部311が形成されていない従来の場合は、漏れ光Lc1及びLc2が、ホログラム素子3におけるホログラム部20よりも外側の領域を透過して0次光としてダイクロイックフィルタ400に照射される。
ダイクロイックフィルタ400は、ダイクロイックフィルタ400に入射したレーザ光(主ビーム)の発振波長に応じて、入射した主ビームLa1,La2の光束の一部が反射した場合に、その反射したレーザ光がコリメータレンズ307を透過してホログラム素子306に入射し、ホログラム素子306を透過、又はホログラム部120により回折されて、受光素子309の受光部308に入射することで、フォーカス誤差検出精度やトラッキング誤差検出精度が悪化する影響を低減するために図2〜図4の(a)及び(b)の一点鎖線で示すコリメータレンズ307及び対物レンズ200の光軸に対して傾いて配置されているので、ダイクロイックフィルタ400で反射した漏れ光Lc1及びLc2は、コリメータレンズ307を透過してホログラム素子3のホログラム部20に照射される場合がある。ホログラム部120に照射された漏れ光Lc1及びLc2は、受光素子309の受光部308に照射される。受光部308への漏れ光Lc1及びLc2の照射は受光素子309としてのフォーカス誤差検出精度やトラッキング誤差検出精度を悪化させる要因になる。
【0080】
次に、実施例2の光ピックアップ装置90におけるホログラム素子3の回折部312について説明する。
【0081】
図2〜図5に示すように、回折部312は、ホログラム素子3におけるホログラム部20よりも外側の領域であって受光素子309の上方に少なくとも受光部308を覆うように形成されている。
【0082】
ところで、ダイクロイックフィルタ400は図示しないアクチュエータに取り付けられており、アクチュエータが駆動すると受光素子309の受光部308に外乱光Ldが照射されたり、アクチュエータの駆動状態に応じて外乱光Ldの光量が変化する場合がある。そのため外乱光Ldは受光素子309としてのフォーカス誤差検出精度やトラッキング誤差検出精度を悪化させる要因になる。
【0083】
しかしながら、実施例2の光ピックアップ装置90では、回折部312が、外部から照射される外乱光Ldが受光素子309、特に受光部308に照射されないように、外乱光Ldを例えば矢印y3,y4の方向に±1次以上の回折光として回折するように設計されている。
回折部312の外乱光Ldに対する回折方向及び回折角度は回折部312に形成する溝のピッチ、幅、深さ、及び曲率等のパラメータを調整することによって決定される。
このため、外部から受光部308に向かって外乱光Ldが照射された場合においても、外乱光Ldは回折部312によって回折されるので、外乱光Ldの受光素子309、特に受光部308への照射を防止することができる。
【0084】
上述した回折部311及び回折部312はホログラム部20と共に一度に形成することができる。
【0085】
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
【0086】
ここで、上述した実施例2の変形例(第2変形例)について図9を用いて説明する。図9は、本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2の変形例(第2変形例)を説明するための平面図であり、前述した図5に対応するものである。
【0087】
<変形例(第2変形例)>
第2変形例は、実施例2の光ピックアップ装置90に対してホログラム部における6つのホログラム領域の形状が異なり、他の構成部については実施例2と同じなのでその説明を省略する。なお、説明をわかりやすくするために実施例2と同じ構成部には同じ符号を付して説明する。
【0088】
図9に示すように、ホログラム部70をx−y座標で表すと、ホログラム部70は、(−xb,yb)、(xb,yb)、(xb,−yb)、及び(−xb,−yb)の4つの座標点を結ぶ線で囲まれた領域で表すことができる。なお、図9では光ディスクD1〜D3(図2〜図4参照)のトラックを二点鎖線で模式的に示しており、y軸は光ディスクD1〜D3のトラックの座標点(0,0)における接線に相当する。
【0089】
また、ホログラム部70は、6つのホログラム領域71〜76を有している。
ホログラム領域71は、座標点(0,0)を通りy軸に直交する分割線A(x軸に相当する)と、座標点(−xa,0)と座標点(−xc,yb)とを結ぶ分割線Fと、によって分割された領域である。
ホログラム領域72は、分割線Aと、分割線Fと、座標点(xa,0)と座標点(xc,yb)とを結ぶ分割線Gと、によって分割された領域である。
ホログラム領域73は分割線Aと分割線Gとによって分割された領域である。
ホログラム領域74は、分割線Aと、座標点(xa,0)と座標点(xc,−yb)とを結ぶ分割線Hと、によって分割された領域である。
ホログラム領域75は、分割線Aと、分割線Hと、座標点(−xa,0)と座標点(−xc,−yb)とを結ぶ分割線Jと、によって分割された領域である。
ホログラム領域76は分割線Aと分割線Jとによって分割された領域である。
第2変形例のホログラム領域71〜76は実施例2のホログラム領域21〜26にそれぞれ対応するものである。
ここで、xa,xb,及びxcは、xa<xc<xbの関係式を満たす。第1変形例では、xa=0.15mm、xb=0.3mm、xc=0.5mm、yb=0.5mmとした。
【0090】
ホログラム領域72及び75は、光ディスクD1〜D3のトラックの座標点(0,0)における接線(y軸)に対して略45度の角度をなす非点収差が付与され、他のホログラム領域71,73,74,及び76は、光ディスクD1〜D3のトラックの座標点(0,0)における接線(y軸)に対して略90度の角度をなす非点収差が付与されており、これらホログラム領域71〜76は光ディスクD1〜D3からの戻り光Lb1〜Lb3を上記接線と直交する方向に回折する。
【0091】
次に、上述した実施例2の変形例(第3変形例)について図10を用いて説明する。
図10は、本発明に係る光ピックアップ装置の実施例2の変形例(第3変形例)を説明するための平面図であり、前述した図2に対応するものである。
【0092】
<変形例(第3変形例)>
第3変形例は、実施例2の光ピックアップ装置90に対してホログラム部の6つのホログラム領域の形状が異なり、他の構成部については実施例2と同じなのでその説明を省略する。なお、説明をわかりやすくするために実施例2と同じ構成部には同じ符号を付して説明する。
【0093】
図10に示すように、ホログラム部80をx−y座標で表すと、ホログラム部80は、(−xb,yb)、(xb,yb)、(xb,−yb)、及び(−xb,−yb)の4つの座標点を結ぶ線で囲まれた領域で表すことができる。なお、図10では光ディスクD1〜D3(図2〜図4参照)のトラックを二点鎖線で模式的に示しており、y軸は光ディスクD1〜D3のトラックの座標点(0,0)における接線に相当する。
【0094】
また、ホログラム部80は、6つのホログラム領域81〜86を有している。
ホログラム領域81は、座標点(0,0)を通りy軸に直交する分割線A(x軸に相当する)と、座標点(−xa,0)と座標点(−xd,yb)とを結ぶ分割曲線Kと、によって分割された領域である。
ホログラム領域82は、分割線Aと、分割線Kと、座標点(xa,0)と座標点(xd,yb)とを結ぶ分割曲線Mと、によって分割された領域である。
ホログラム領域83は分割線Aと分割線Mとによって分割された領域である。
ホログラム領域84は、分割線Aと、座標点(xa,0)と座標点(xd,−yb)とを結ぶ分割曲線Nと、によって分割された領域である。
ホログラム領域85は、分割線Aと、分割線Nと、座標点(−xa,0)と座標点(−xd,−yb)とを結ぶ分割線Pと、によって分割された領域である。
ホログラム領域86は分割線Aと分割線Pとによって分割された領域である。
第3変形例のホログラム領域81〜86は実施例2のホログラム領域21〜26にそれぞれ対応するものである。
ここで、xa,xb,及びxdは、xa<xd<xbの関係式を満たす。第2変形例では、xa=0.15mm、xb=0.3mm、xd=0.5mm、yb=0.5mmとした。
【0095】
ホログラム領域82及び85は、光ディスクD1〜D3のトラックの座標点(0,0)における接線(y軸)に対して略45度の角度をなす非点収差が付与され、他のホログラム領域81,83,84,及び86は、光ディスクD1〜D3のトラックの座標点(0,0)における接線(y軸)に対して略90度の角度をなす非点収差が付与されており、これらホログラム領域81〜86は光ディスクD1〜D3からの戻り光Lb1〜Lb3を上記接線と直交する方向に回折する。
【符号の説明】
【0096】
1,2,304_レーザ光源、 3,306_ホログラム素子、 20,120_ホログラム部、 21〜26,121〜126_ホログラム領域、 31〜34_受光領域、 90,300_光ピックアップ装置、 200_対物レンズ、 302_ベース部、 303_サブマウント部、 305_ミラー部、 305a_反射面、 307_コリメータレンズ、 308_受光部、 309_受光素子、 311,312_回折部、 400_ダイクロイックフィルタ、 La,La1,La2_レーザ光(主ビーム)、 Dx,D1〜D3_光ディスク、 Lb_戻り光、 O20,O120_中心、 Lc_漏れ光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出射する光源と、
前記光源から出射されたレーザ光を光ディスクに向けて反射するミラー部と、
前記ミラー部で反射されたレーザ光を透過し、前記光ディスクで反射したレーザ光を回折するホログラム部が第1の領域に形成されたホログラム素子と、
前記ホログラム部を透過したレーザ光を平行光にするコリメータレンズと、
前記ホログラム部で回折されたレーザ光を受光する受光部を有する受光素子と、
を備え、
前記ホログラム素子は、
前記第1の領域とは異なる領域であり且つ前記光源に対応する第2の領域に、前記光源から出射される前記レーザ光とは異なる漏れ光が前記コリメータレンズに入射しないように、前記漏れ光を第1の方向に回折する第1の回折部と、
前記第1の領域及び第2の領域とは異なる領域であり且つ前記受光部に対応する第3の領域に、外部から入射する外乱光が前記受光部に入射しないように、前記外乱光を第2の方向に回折する第2の回折部と、
を備えていることを特徴とする光ピックアップ装置。
【請求項2】
前記第1の領域における所定の位置を中心座標点(0,0)とし、前記中心座標点(0,0)を通る第1の線をx軸とし、前記中心座標点(0,0)を通り前記第1の線に直交する第2の線をy軸としたときに、
前記ホログラム部は、
前記第1の領域が前記第1の線である第1の分割線とxy座標点(−xa,0)とxy座標点(−xb,yb)とを結ぶ第2の分割線とによって分割された第1のホログラム領域と、
前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第2の分割線とxy座標点(xa,0)とxy座標点(xb,yb)とを結ぶ第3の分割線とによって分割された第2のホログラム領域と、
前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第3の分割線とによって分割された第3のホログラム領域と、
前記第1の領域が前記第1の分割線とxy座標点(xa,0)とxy座標点(xb,−yb)とを結ぶ第4の分割線とによって分割された第4のホログラム領域と、
前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第4の分割線とxy座標点(−xa,0)とxy座標点(−xb,−yb)とを結ぶ第5の分割線とによって分割された第5のホログラム領域と、
前記第1の領域が前記第1の分割線と前記第5の分割線とによって分割された第6のホログラム領域と、
を有し、
前記xa及び前記xbはxa<xbの関係式を満たし、前記ya及び前記ybはya<ybの関係式を満たし、
前記第2のホログラム領域及び前記第5のホログラム領域は、前記第2の線に対して所定の角度をなす非点収差が付与され、前記第1のホログラム領域,前記第3のホログラム領域,前記第4のホログラム領域,及び前記第6のホログラム領域は、前記第2の線に対して前記所定の角度とは異なる角度をなす非点収差が付与されていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
【請求項3】
前記第1の分割線から前記第5の分割線のうちの少なくともいずれかは、直線,曲線,または折れ線であることを特徴とする請求項2記載の光ピックアップ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−113628(P2011−113628A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271349(P2009−271349)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000004329)日本ビクター株式会社 (3,896)
【Fターム(参考)】