光ファイバの保持機構
【課題】 信頼に優れる光ファイバの保持装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 投光素子等の前方には保持部材30が装着される。保持部材30は一対の挟持片31を有し、その対向面にファイバ挿通孔34が形成される。保持部材30の回りには、押圧部67Aを備えたロック部材45が装着されており、挟持片31を閉じ方向に押圧可能としている。これにより、ファイバ挿通孔34が縮径されることで光ファイバFの端部が挟持される。ここで、ファイバ挿通孔34の孔径は光ファイバFを挿通する前の状態においては光ファイバFの外径より小さい設定とされている。そのため、保持部材30の締め込みにより光ファイバFが縮径変形すると、その分だけロック部材45に対する挟持片31の反発力が小さくなる。これにより、ロック部材45が光ファイバFの保持を緩める方向に変形し難くなるからファイバ保持の信頼性が高まる。
【解決手段】 投光素子等の前方には保持部材30が装着される。保持部材30は一対の挟持片31を有し、その対向面にファイバ挿通孔34が形成される。保持部材30の回りには、押圧部67Aを備えたロック部材45が装着されており、挟持片31を閉じ方向に押圧可能としている。これにより、ファイバ挿通孔34が縮径されることで光ファイバFの端部が挟持される。ここで、ファイバ挿通孔34の孔径は光ファイバFを挿通する前の状態においては光ファイバFの外径より小さい設定とされている。そのため、保持部材30の締め込みにより光ファイバFが縮径変形すると、その分だけロック部材45に対する挟持片31の反発力が小さくなる。これにより、ロック部材45が光ファイバFの保持を緩める方向に変形し難くなるからファイバ保持の信頼性が高まる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電スイッチ等において光電素子の前方で光ファイバの端部を保持する機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の保持装置としては、内部に光電素子が装着される素子ブロックの前面に弾性拡開可能な一対の挟持片を有する保持部材と、この保持部材をロック状態に保持するための操作部材を配したものが知られている(特許文献1)。このものにおいて、保持部材の挟持片には、対向する対向面間に光ファイバを挿通・保持するためのファイバ挿通孔が形成されている。
一方、操作部材は押圧部を備えるとともに、上昇位置と下降位置との間を変位可能とされている。上昇位置において操作部材の押圧部は挟持片から離間した状態にあるが、下降位置においては挟持片の外周に当接して挟持片をロック方向に弾性変位させるようになっている。これにより、ファイバ挿通孔の孔径を縮径させる方向に挟持片を弾性変位させることで光ファイバの端部を保持するようになっている。
また、ファイバ挿通孔の孔径は、自然状態にあっては使用される最大のファイバの径サイズより大きい設定とされている。
【特許文献1】特開2002−296455公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構成では、光ファイバの保持はロック部材3によって挟持片1を押圧することによって行うから、図15に示すようにロック状態において、ロック部材3が受ける反発力は光ファイバFを押圧するのに必要とされる力と、これに加えて保持部材を閉じ方向に弾性変形させるのに必要とされる力の双方の力を加算した力となる。
そのため、このような反発力が経時的に加わるとロック部材3が変形を来す虞があり、光ファイバ保持の信頼性向上という点において改善の余地があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、信頼に優れる光ファイバの保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、内部に光電素子が装着される素子ブロックと、前記素子ブロックに設けられ、前記光電素子と対面して配置される光ファイバを弾性的に挟持可能な一対の挟持片を有する保持部材と、前記一対の挟持片の対向面間に形成され前記光ファイバを挿通させるファイバ挿通孔と、前記一対の挟持片を前記ファイバ挿通孔が縮径される締め込み方向に押圧するロック位置と、前記押圧状態を解く解除位置との間で変位可能とされたロック部材とを備えた光ファイバ保持装置であって、前記ファイバ挿通孔の非押圧状態における孔径サイズは前記光ファイバの外径サイズより小さい径サイズとされるとともに、前記保持部材或いは前記ロック部材には、前記光ファイバの挿入前或いは挿入動作に伴って前記光ファイバ挿通孔の孔径を前記非押圧状態の孔径以上の孔径に拡径させることで前記ファイバ挿通孔に対する光ファイバの挿入動作を案内するための拡径手段が設けられ、更に、前記ロック部材は前記拡径手段により拡径された前記ファイバ挿通孔を前記ロック位置において非押圧状態の孔径サイズより小さくならない範囲内において縮径させるところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、内部に光電素子が装着される素子ブロックと、前記素子ブロックに設けられ、前記光電素子と対面して配置される光ファイバを挟持可能な一対の挟持片を有する保持部材と、前記一対の挟持片の対向面間に形成され前記光ファイバを挿通させるファイバ挿通孔と、前記一対の挟持片を前記ファイバ挿通孔が縮径される締め込み方向に押圧するロック位置と、前記挟持片より離間して同押圧状態を解く解除位置との間で変位可能とされたロック部材とを備えた光ファイバ保持装置であって、前記保持部材は個別に形成された両挟持片の端部同士をヒンジを介して開脚自在に接続してなるところに特徴を有する。
【0006】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記ファイバ挿通孔のうち挿入動作の際に前記光ファイバと対面する側の孔縁部には、先端側に向けて孔径が徐々に広くなるような前記拡径手段とされた案内部が設けられているところに特徴を有する。
【0007】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載のものにおいて、前記ロック部材には、同ロック部材が前記解除位置にあるときに前記両挟持片に当接して前記ファイバ挿通孔を拡開させるように前記挟持片を拡開させる前記拡径手段とされた拡開突部が形成されるとともに、この拡開突部は前記ロック部材の前記解除位置から前記ロック位置への変位動作に伴って、前記両挟持片より退避して前記当接状態を解除するところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0008】
<請求項1の発明>
光ファイバの保持はロック部材によって挟持片を押圧することによって行うから、ロック部材は挟持片から反発力を受ける。仮に、大きな反発力が経時的に作用すると、ロック部材が変形を来す虞がある。この点に関し請求項1の発明によれば、ファイバ挿通孔の非押圧状態における孔径サイズは光ファイバの外径サイズより小さく設定されている。そのため、ロック部材によるファイバ挿通孔の縮径動作が所定の使用範囲内で(押圧後のファイバ挿通孔が非押圧状態の孔径サイズより小さくならないような範囲内)行われるものであれば、ロック部材が受ける反発力は光ファイバFを押圧するのに必要とされる力だけで済む。加えて、時間の経過に伴って光ファイバが挟持片になじんで幾らか縮径変形するが、反発力の大きさもそれに伴って光ファイバが縮径変形された分だけ減少する。従って、ロック部材が受ける反発力の大きさが小さくなるからロック部材が変形を来し難い構造となり、保持の信頼性にも優れる。
【0009】
尚、使用範囲を越えて使用(ロック部材がファイバ挿通孔の孔径サイズを非押圧状態の孔径サイズより小さくなるまで押圧してしまうと)すると、ロック部材に対する反発力がその分大きくなってしまう。というのも、ファイバ挿通孔の孔径を非押圧状態の孔径サイズより小さくなるようにするには、光ファイバFを変形させる他に、保持部材の挟持片を閉じ方向に弾性変位させる必要があるためでり、その分だけロック部材が受ける反発力も大きくなる。
【0010】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、挟持片はヒンジを介して繋がれており開脚自在である。このような構成であれば、請求項1の発明と同様に時間の経過に伴って光ファイバが縮径変形した場合に、それに伴って挟持片の拡開方向への反発力もファイバが縮径変形された分だけ減少する。従って、挟持片を介してロック部材が受ける力の大きさが小さくなるからロック部材が変形を来し難い構造となり、保持の信頼性にも優れる。
【0011】
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、案内部によってファイバ挿通孔に対する光ファイバの挿入動作が案内されるから組み付け作業性に優れる。
【0012】
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、ロック部材が解除位置にある時には、ファイバ挿通孔は拡径された状態にあるから同ファイバ挿通孔に対する光ファイバの挿抜が容易に出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。
図1において、符号10は素子ブロックであって、合成樹脂材によって縦長状に形成されており、素子ブロック10自身は、機器等に突設された取付板11にネジ12等で取り付けられるようになっている。
素子ブロック10の後面側(図1の右側)には、光電素子の装着部15が設定されているとともに、前面側に後記する保持部材30等の取付部16が設定されている。
【0014】
上記した装着部15は、上部側が後方に張り出した段付き状に形成されており、この張出部17内には、奥側が縮径された段付き状の上装着孔18が後面に開口して形成されている。この上装着孔18内には、奥側の縮径部18Aを開けた状態で、ケーシング20Aに覆われた投光素子20が前方を向いて収容されている。
装着部15の下部側には、同じく奥側が縮径された段付き状の下装着孔19が後面に開口して形成されている。下装着孔19内には、その全域にわたって受光素子21が同じく前方を向いて収容されている。両素子20,21のリード線22はそれぞれ後方に引き出されている。
【0015】
上装着孔18における縮径部18Aの前面の中心からは、光ファイバFを挿通可能な水平方向を向いた挿通路25が、上記した取付部16の前面に開口して形成されている。ただし、この挿通路25の奥端は縮径され、その段部26が挿通された光ファイバFの先端を突き当て可能となっている。
一方、下装着孔19の前面の中心からは、上記と同様に使用される光ファイバFを挿通可能な水平方向を向いた挿通路25が、取付部16の前面に開口して形成されている。なお、この取付部16の上下両側は、後記するロック部材45を逃がすために奥側に一段引っ込んでいる。
【0016】
取付部16の前面には、上下2個の保持部材30が装着されている。この保持部材30は合成樹脂製であって、2個が同一形状に形成されている。保持部材30は詳細には、図5に示すように、一対の弾性変位可能な挟持片31の上端同士が連結部32で連結された形状であって、この連結部32を中心として両挟持片31が開閉可能となっている。両挟持片31の下端寄りの外面には、三角形状の切欠部37が形成されるとともに、更に、その下方部には直線形状をなす当接部36が形成されている。
【0017】
また、両挟持片31の対向面における上端寄りの位置には、光ファイバFを挿通するファイバ挿通孔34が形成されている。詳細には後述するがこのファイバ挿通孔34の孔径は両挟持片31に対して他の部材からの力が加わっていない自然状態にあっては、使用される光ファイバFの外径より小さな孔径とされている。これが、本発明における「前記ファイバ挿通孔の非押圧状態における孔径サイズは前記光ファイバの外径サイズより小さい径サイズとされる」に相当する構成である。
【0018】
また、図9に示すようにファイバ挿通孔34の前面側の口縁には案内斜部(本発明の案内部に相当する)34Aが形成されており、前方(光ファイバFと対向する側)に向かって孔径が拡がるようになっている。そのため、ファイバ挿通孔34に光ファイバFを押し当てると、光ファイバFは案内斜部34Aによるガイド作用を受けてファイバ挿通孔34の中心に向かって案内されるとともに、両挟持片31は光ファイバFから拡開方向への押圧力を受ける。これにより、光ファイバ挿入前の状態においてファイバ挿通孔34の孔径は光ファイバFの外径より小さな径とされているが、差し込み動作に伴ってファイバ挿通孔34の孔径が拡がることとなるからファイバ挿通孔34に対する光ファイバFの差し込み動作を円滑に行うことが可能となる。
【0019】
保持部材30における連結部32の後面には、図1にも示すように、取付棒38が突設されているとともに、両挟持片31の下端寄りの位置の後面には、それぞれ短寸の脚体39が突設されている。
一方、取付部16の前面に形成された各挿通路25の入口の上方位置には、上記の取付棒38が圧入可能な取付孔40が開口されている。詳細には、上側の取付孔40は取付部16の上方の一段引っ込んだ面に、下側の取付孔40は取付部16の前面にそれぞれ開口されている。また、各挿通路25の下方位置には、両脚体39を高さ方向にクリアランスを持って挿入可能とした横長の溝41が形成されている。
【0020】
したがって保持部材30は、取付棒38を対応する取付孔40内に圧入し、また両脚体39を溝41内に挿入しつつ取付部16の前面で縦向きに取り付けられる。このとき、それぞれの保持部材30における両挟持片31の間に形成されるファイバ挿通孔34の中心が対応する挿通路25の軸心、すなわち投光素子20または受光素子21の軸心と一致する設定となっている。また、両挟持片31は、脚体39を溝41内で揺動させつつ開閉可能とされる。
【0021】
この取付部16の前面には、上記したファイバ挿通孔34内に挿通された光ファイバFを抜止め状態に保持するためのロック部材45が装着されている。このロック部材45は合成樹脂製であって、図3に示すように、取付部16よりも少し縦長で後方に開口した箱形に形成されており、取付部16の前面に装着された保持部材30から取付部16の側面を覆って被着可能となっている。ただし、上下方向には所定のクリアランスが設けられている。
【0022】
また、ロック部材45の前面には、縦向きの長孔64が上下に2個並んで形成されており、ロック部材45が後記するロック位置と解除位置のいずれに移動した場合にも、上下の挿通路25が対応する長孔64を通して前方に開口し得るようになっている。
【0023】
ロック部材45の左右の側板には、その後縁における中央高さ位置から案内板46が後方に向けて突設されている。この案内板46は、素子ブロック10における前側の左右の側面に摺接可能であって、両案内板46の対向面における突出縁の上下両端には、それぞれ内向きのフック47が形成されている。一方、素子ブロック10の左右の側面には、図2に示すように、上記したフック47を嵌める縦向きのガイド溝48が形成されている。
【0024】
従ってロック部材45は、取付部16の前面側から被せられて、両案内板46のフック47をガイド溝48に嵌めることによって、ガイド溝48に沿ってロック位置(図7に示す位置であって、保持部材30を内向きに押圧してファイバ挿通孔34を縮径させる位置)と、解除位置(図6に示す位置であって、前記押圧を解く位置)との間を上下移動可能に装着されている。
【0025】
より具体的に説明すると、ロック部材45内の左右の側面からは、図5に示すように、保持部材30の両側に向けて突出するようにして左右対称形状をなす係合壁65が形成されている。この係合壁65のうち挟持片31の先端(同図における下端)部分とほぼ対向した位置にはロック突部67が上下2組形成されている。このロック突部67は内向きに突出する押圧部67Aとこれに連なる傾斜部67Bとからなる。両傾斜部67Bは対向する壁面間が下部側に向かうに連れて拡がるように傾斜している。
【0026】
ロック部材45が図6に示す解除位置にあるときには、挟持片31の当接部36は押圧部67Aの下方に退避した位置にあって、両挟持片31はロック部材45から何ら締め込み方向へ(内向き)の押圧力を受けない状態に留め置かれる。ただし、挟持片31の切欠部37と傾斜部67Bとは互いに当接しており、挟持片31が過度に開き変形することを規制するようになっている。
【0027】
一方、ロック部材45が図7に示すロック位置にあるときには、押圧部67Aが挟持片31の切欠部37から当接部36に乗り上げるようになっている。これにより、ロック部材45は開いた状態にある両挟持片31をファイバ挿通孔34が縮径される閉じ方向に変位させる。
【0028】
また、両挟持片31の外面のうちファイバ挿通孔34の側方部には図5において上下方向に沿う嵌合部35が設けられる一方、ロック部材45における嵌合部35と対向する位置のやや上方には同じく上下方向に沿う被嵌合部66が形成されている。これら両部35、66の横幅寸法はほぼ同寸法に形成されており、ロック位置においては被嵌合部66の内側に嵌合部35が嵌まるようになっている。
そして、これら両部35、66の対向面は互いに斜めに傾斜しており、同嵌合状態において両部35、66は斜めに嵌合する(図9参照)。このような斜め嵌合する構成とすることで、光ファイバFに抜け方向への力が作用した場合に嵌合部35が被嵌合部66から内向きの押圧力を受けるから光ファイバFが保持部材30から抜けにくくなる。
【0029】
ところで、図8に示すように、ファイバ挿通孔34の自然状態における孔径φaは2.0mmとされているのに対して光ファイバFの外径φは2.2mmとされており、ファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径に比べて小さく設定されている。このような寸法設定とすることで、ロック部材45によるファイバ挿通孔34の縮径動作が所定の使用範囲内で(押圧後のファイバ挿通孔34が自然状態の孔径サイズより小さくならないような範囲内)行われるものであれば、ロック部材45が変形し難くなる。
【0030】
というのも、先に述べたようにロック位置においてロック部材45は閉じ方向に保持部材30を押圧している。そのため、ロック部材は保持部材30から反発力(復元力)を受けるが、この反発力が経時的に作用し続けるとロック部材45が変形し易くなる。仮に、ファイバ挿通孔34の孔径φaが2.2mm或いはそれ以上である設定である場合には、ロック部材45が受ける反発力は光ファイバFを押圧するのに必要とされる力と、これに加えて保持部材30を閉じ方向に弾性変形させるのに必要とされる力の双方の力を加算した力となる。
【0031】
ところが本実施形態では、ファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径に比べて小さく設定されている。そのため、ロック部材45が受ける反発力は光ファイバFを押圧するのに必要とさせる分の力のみで済むからファイバ挿通孔34の孔径φaが2.2mm或いはそれ以上である設定である場合に比べて反発力の大きさが小さくなる。
加えて、光ファイバFのうち締め込まれた部分は時間の経過に伴って、締め込みの径サイズ(本実施形態では2.0mm)に縮径変形するが、上記構成であれば、その分だけ反発力の大きさも小さくなり、更にロック部材45が変形し難くなる。
【0032】
尚、使用範囲を越えて使用(ロック部材45がファイバ挿通孔34の孔径サイズを自然状態の孔径サイズより小さくなるまで押圧)すると、ロック部材45に対する反発力がその分大きくなってしまう。というのも、光ファイバFの挿通により拡径されたファイバ挿通孔34の孔径を自然状態の孔径φaより小さくなるようにするには光ファイバFを変形させる他に、保持部材30の挟持片31を閉じ方向に弾性変位させる必要があり、その分だけロック部材45が受ける反発力も大きくなる。
【0033】
素子ブロック10の上面には、取付部16の上方に突出するようにして支持腕50が形成され、この支持腕50に前記ロック部材45を上下動させるためのレバー51が支持されている。このレバー51は合成樹脂製であって、一端側に指を掛ける操作部52が、他端側に二股となった係合部53が形成されている。そして、係合部53が支持腕50を挟むようにして装着され、係合部53の付け根部分に形成された軸孔54と、支持腕50の軸孔55にわたってピン56が挿入されることで、レバー51は、図1に示す傾倒位置と図4に示す起立位置との間で回動可能に支持されている。
【0034】
このレバー51は、係合部53の先端がロック部材45の上板45Uを押圧するように機能する。また、ロック部材45の上面における後端部には、一対の鈎部58が対向して立ち上がり形成されているとともに、レバー51の係合部53の前縁側の外面には、鈎部58内に潜り込み可能な引き上げ部59が張り出し形成されている。
すなわち、レバー51が傾倒位置にある場合には、引き上げ部59が鈎部58に引っ掛かってこれを引き上げることにより、ロック部材45は解除位置に持ち来され、一方、レバー51が起立位置に回動されると、係合部53が上板45Uを押し下げることにより、ロック部材45は上板45Uが上側の保持部材30の上面に当たるロック位置まで持ち来されるようになっている。なおレバー51は、素子ブロック10側に設けられたロック爪61(図4の鎖線で表示)が側面に形成されたロック溝62に嵌まることで起立位置に保持可能とされている。
【0035】
素子ブロック10の前面にはカバー70が装着されている。カバー70は、レバー51の軸支位置から保持部材30の前面を覆うようにして装着され、上下の挿通路25と対応した位置に窓孔71が開口されている。また、ロック部材45の前面には、複数の突部が形成されてカバー70の裏面に当接されており、ロック部材45とカバー70との間の摩擦抵抗を減じて、スムーズな摺動を担保するようになっている。
【0036】
本実施形態は上記のような構造であって、続いてその作用を説明する。
光ファイバFを装着するに当たっては、レバー51を図1の傾倒位置に回動させてロック部材45を解除位置にセットしておく。このときは、保持部材30のファイバ挿通孔34とロック部材45の長孔64の下部側とが整合した状態にあって、前方より光ファイバFをファイバ挿通孔34に対して挿通させることが出来るようになっている。尚、光ファイバFを挿通する前の状態においてファイバ挿通孔34の孔径は2.0mmとされている。
【0037】
この状態から光ファイバFをファイバ挿通孔34に正対させて、奥側に押し込むと、光ファイバFは案内斜部34Aによるガイド作用を受けてファイバ挿通孔34の中心に向かって案内されるとともに、両挟持片31は光ファイバFから拡開方向への押圧力を受ける。これにより、ファイバ挿通孔34の孔径は光ファイバFの差し込み動作に伴って拡径され、光ファイバFはファイバ挿通孔34の奥側、ひいては挿通路25に挿通されてゆく。やがて、上側では挿通路25の奥の段部26に当たり、下側では受光素子21の前面に当たることで、挿通が停止される。尚、この光ファイバFの挿通動作が完了した状態にあっては、ファイバ挿通孔34の孔径は2.2mmに拡径された状態にある(図8の(B)参照、拡径時の孔径φbは2.2mm)。
【0038】
両光ファイバFが挿通されたら、操作部52に指を掛けてレバー51を図4の起立位置に向けて回動し、ロック爪61によりロックする。この間に、レバー51がピン56を中心として図1の時計回り方向に回動し、係合部53の先端が上板45Uを押し下げることでロック部材45が下降する。
それに伴い、各光ファイバFはロック部材45の長孔64の上部側に相対的に移動するとともに、係合壁65における左右の押圧部67Aが挟持片31の切欠部37に沿って移動してゆく。これにより、両挟持片31は内向きに押圧されファイバ挿通孔34が次第に締め込み方向に縮径されてゆく。やがて、押圧部67Aが挟持片31の当接部36に乗り上げ、保持部材30はロック位置に至る。
【0039】
このロック位置においては、ファイバ挿通孔34はその孔径が2.0mmまで縮径された状態にあって内部に挿通される光ファイバFの端部を挟持する(図8の(C)参照、締め込み時の孔径φcは2.0mm)。以上のことから、上側の光ファイバFの端部は投光素子20と同軸に、また下側の光ファイバFの端部は受光素子21と同軸にそれぞれ保持される。また、このロック位置においては、押圧部67Aが両挟持片31の当接部36に当接することで、保持部材30の開き防止を行うようになっている。
【0040】
本実施形態によれば、自然状態(光ファイバ挿通前)におけるファイバ挿通孔34の孔径φaは2.0mmとされており、光ファイバFの外径より小さな設定とされている。そのため先に述べたように、ロック部材45が保持部材30から受ける反発力は光ファイバFを押圧させる分の力のみで済むからファイバ挿通孔34の孔径φaが2.2mm或いはそれ以上である設定である場合に比べて反発力の大きさが小さくなる。加えて、光ファイバFのうち締め込まれた部分は時間の経過に伴って、締め込みの径サイズ(本実施形態では2.0mm)に縮径変形するが、上記構成であれば、その分だけ反発力の大きさも小さくなり、更にロック部材45が変形し難くなる。
【0041】
また、自然状態におけるファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径より小さな設定とされていることで次の効果も得られる。
すなわち、上記設定であれば光ファイバFがファイバ挿通孔34に一旦差し込まれると、ロック部材45による押圧に拘わらず光ファイバFは両挟持片31から内向きの押圧力を常に受ける。一方、ファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径より大きく設定されている場合には光ファイバFはロック部材45による押圧によって初めて押圧力を受ける。従って、ロック部材45による押圧力が等ければ、ファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径より小さな設定とされている場合の方が、光ファイバFに対する全押圧力が大きくなる。
【0042】
以上のことから、光ファイバ挿通前のファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径より小さな設定とされることで、長期間に亘って安定した保持力が得られることとなり、投光素子20或いは受光素子21と、光ファイバFとの間で位置ずれが生ずることなく、所定の光伝達効率が確保できて高い検出精度が得られる。
【0043】
<実施形態2>
実施形態2を図10ないし図12を参照して説明する。
実施形態1ではファイバ挿通孔34を拡げる拡径手段を案内斜部34Aによって形成したが、実施形態2ではロック部材45に拡開突部75を設けている。その他の構成については実施形態1と同様であるため重複した部位については同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0044】
図10に示すように、ロック部材45の側面(保持部材30と対向する側の面)のうち幅方向の中央部分には拡開突部75が上下一対形成されている。この拡開突部75は三角形状をなしており、ロック部材45が解除位置にあるときには丁度両挟持片31間に侵入して、挟持片31ひいてはファイバ挿通孔34を拡開させるようになっている(図11参照)。尚、拡開突部75の横幅は、解除位置においてファイバ挿通孔34の孔径がφ2.3mmとなるような寸法設定とされている。
このような構成とすることで、ファイバ挿通孔34に対する光ファイバFの挿通動作が円滑に行うことが可能であり、また、光ファイバFをファイバ挿通孔34に挿入する際の押し込み力も実施形態1の場合に比較して低く押さえることが可能となる。
【0045】
また、ロック部材45が解除位置からロック位置へ下降してゆくと、それに伴って拡開突部75も挟持片31の先端側に下降してゆき、ロック部材45がロック位置に至ると、拡開突部75は両挟持片31間より完全に退避するようになっている(図12参照)。従って、ロック部材45による押圧動作が支障なく行われ、同ロック位置において光ファイバFは保持部材30によって保持される。
【0046】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図13ないし図14によって説明する。
実施形態1では両挟持片31を一体的に形成し、その端部同士を連結部32によって接続したが、実施形態3では挟持片81、82を個別の部材により形成するとともにその対向面間に光ファイバFを挿通させるためのファイバ挿通孔34を設けている。また、各挟持片81、82はその上端同士がヒンジ85によって接続されており、両挟持片81、82が開脚自在とされている。尚、両挟持片81、82間には付勢力を生ずるようなばね部材等は装着されていない。そのため、開脚動作をおこなっても保持部材80が単独の状態(ファイバ挿通孔に光ファイバが差し込まれる前の状態)にあるときには、両挟持片81、82間には何ら復元力等が生じない構成とされている。その他の構成については実施形態1と同様である。
このように挟持片81、82をヒンジ85によって接続し開脚自在とする構成であれば、実施形態1の場合と同様の効果が得られる。すなわち、ロック部材45が受ける反発力は光ファイバFを押圧させる分の力のみで済む。
【0047】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0048】
(1)上記実施形態では、保持部材30を素子ブロック10とは別体により構成したが一体的に構成するものであってもよい。
【0049】
(2)上記実施形態では、ロック部材45をレバー51により操作したが、レバー51を廃止してロック部材45を手動操作してもよい、
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施形態1におけるロック部材が解除位置にある状態を示す縦断面図
【図2】その部分底面図
【図3】ロック部材の斜視図
【図4】ロック部材がロック位置にある状態を示す縦断面図
【図5】光ファイバを差し込み前の状態を示す断面図
【図6】光ファイバ挿通により保持部材が拡開した状態を示す断面図
【図7】ロック部材により保持部材が押圧された状態を示す断面図
【図8】ファイバ挿通孔の孔径の変動を表す図
【図9】ファイバ挿通孔に対する光ファイバの差し込み動作を示す図
【図10】実施形態2に係るロック部材の斜視図(裏側からみた状態を示す)
【図11】拡開突部によって保持部材が押し広げられた状態を示す断面図
【図12】拡開突部が保持部材から退避した状態を示す断面図
【図13】実施形態3における保持部材の分解状態を示す図
【図14】挟持片がヒンジによって繋がれた状態を示す図
【図15】従来例を示す図
【符号の説明】
【0051】
F…光ファイバ
10…素子ブロック
20…投光素子(光電素子)
21…受光素子(光電素子)
30…保持部材
34…ファイバ挿通孔
45…ロック部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電スイッチ等において光電素子の前方で光ファイバの端部を保持する機構に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の保持装置としては、内部に光電素子が装着される素子ブロックの前面に弾性拡開可能な一対の挟持片を有する保持部材と、この保持部材をロック状態に保持するための操作部材を配したものが知られている(特許文献1)。このものにおいて、保持部材の挟持片には、対向する対向面間に光ファイバを挿通・保持するためのファイバ挿通孔が形成されている。
一方、操作部材は押圧部を備えるとともに、上昇位置と下降位置との間を変位可能とされている。上昇位置において操作部材の押圧部は挟持片から離間した状態にあるが、下降位置においては挟持片の外周に当接して挟持片をロック方向に弾性変位させるようになっている。これにより、ファイバ挿通孔の孔径を縮径させる方向に挟持片を弾性変位させることで光ファイバの端部を保持するようになっている。
また、ファイバ挿通孔の孔径は、自然状態にあっては使用される最大のファイバの径サイズより大きい設定とされている。
【特許文献1】特開2002−296455公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構成では、光ファイバの保持はロック部材3によって挟持片1を押圧することによって行うから、図15に示すようにロック状態において、ロック部材3が受ける反発力は光ファイバFを押圧するのに必要とされる力と、これに加えて保持部材を閉じ方向に弾性変形させるのに必要とされる力の双方の力を加算した力となる。
そのため、このような反発力が経時的に加わるとロック部材3が変形を来す虞があり、光ファイバ保持の信頼性向上という点において改善の余地があった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、信頼に優れる光ファイバの保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、内部に光電素子が装着される素子ブロックと、前記素子ブロックに設けられ、前記光電素子と対面して配置される光ファイバを弾性的に挟持可能な一対の挟持片を有する保持部材と、前記一対の挟持片の対向面間に形成され前記光ファイバを挿通させるファイバ挿通孔と、前記一対の挟持片を前記ファイバ挿通孔が縮径される締め込み方向に押圧するロック位置と、前記押圧状態を解く解除位置との間で変位可能とされたロック部材とを備えた光ファイバ保持装置であって、前記ファイバ挿通孔の非押圧状態における孔径サイズは前記光ファイバの外径サイズより小さい径サイズとされるとともに、前記保持部材或いは前記ロック部材には、前記光ファイバの挿入前或いは挿入動作に伴って前記光ファイバ挿通孔の孔径を前記非押圧状態の孔径以上の孔径に拡径させることで前記ファイバ挿通孔に対する光ファイバの挿入動作を案内するための拡径手段が設けられ、更に、前記ロック部材は前記拡径手段により拡径された前記ファイバ挿通孔を前記ロック位置において非押圧状態の孔径サイズより小さくならない範囲内において縮径させるところに特徴を有する。
【0005】
請求項2の発明は、内部に光電素子が装着される素子ブロックと、前記素子ブロックに設けられ、前記光電素子と対面して配置される光ファイバを挟持可能な一対の挟持片を有する保持部材と、前記一対の挟持片の対向面間に形成され前記光ファイバを挿通させるファイバ挿通孔と、前記一対の挟持片を前記ファイバ挿通孔が縮径される締め込み方向に押圧するロック位置と、前記挟持片より離間して同押圧状態を解く解除位置との間で変位可能とされたロック部材とを備えた光ファイバ保持装置であって、前記保持部材は個別に形成された両挟持片の端部同士をヒンジを介して開脚自在に接続してなるところに特徴を有する。
【0006】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、前記ファイバ挿通孔のうち挿入動作の際に前記光ファイバと対面する側の孔縁部には、先端側に向けて孔径が徐々に広くなるような前記拡径手段とされた案内部が設けられているところに特徴を有する。
【0007】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載のものにおいて、前記ロック部材には、同ロック部材が前記解除位置にあるときに前記両挟持片に当接して前記ファイバ挿通孔を拡開させるように前記挟持片を拡開させる前記拡径手段とされた拡開突部が形成されるとともに、この拡開突部は前記ロック部材の前記解除位置から前記ロック位置への変位動作に伴って、前記両挟持片より退避して前記当接状態を解除するところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0008】
<請求項1の発明>
光ファイバの保持はロック部材によって挟持片を押圧することによって行うから、ロック部材は挟持片から反発力を受ける。仮に、大きな反発力が経時的に作用すると、ロック部材が変形を来す虞がある。この点に関し請求項1の発明によれば、ファイバ挿通孔の非押圧状態における孔径サイズは光ファイバの外径サイズより小さく設定されている。そのため、ロック部材によるファイバ挿通孔の縮径動作が所定の使用範囲内で(押圧後のファイバ挿通孔が非押圧状態の孔径サイズより小さくならないような範囲内)行われるものであれば、ロック部材が受ける反発力は光ファイバFを押圧するのに必要とされる力だけで済む。加えて、時間の経過に伴って光ファイバが挟持片になじんで幾らか縮径変形するが、反発力の大きさもそれに伴って光ファイバが縮径変形された分だけ減少する。従って、ロック部材が受ける反発力の大きさが小さくなるからロック部材が変形を来し難い構造となり、保持の信頼性にも優れる。
【0009】
尚、使用範囲を越えて使用(ロック部材がファイバ挿通孔の孔径サイズを非押圧状態の孔径サイズより小さくなるまで押圧してしまうと)すると、ロック部材に対する反発力がその分大きくなってしまう。というのも、ファイバ挿通孔の孔径を非押圧状態の孔径サイズより小さくなるようにするには、光ファイバFを変形させる他に、保持部材の挟持片を閉じ方向に弾性変位させる必要があるためでり、その分だけロック部材が受ける反発力も大きくなる。
【0010】
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、挟持片はヒンジを介して繋がれており開脚自在である。このような構成であれば、請求項1の発明と同様に時間の経過に伴って光ファイバが縮径変形した場合に、それに伴って挟持片の拡開方向への反発力もファイバが縮径変形された分だけ減少する。従って、挟持片を介してロック部材が受ける力の大きさが小さくなるからロック部材が変形を来し難い構造となり、保持の信頼性にも優れる。
【0011】
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、案内部によってファイバ挿通孔に対する光ファイバの挿入動作が案内されるから組み付け作業性に優れる。
【0012】
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、ロック部材が解除位置にある時には、ファイバ挿通孔は拡径された状態にあるから同ファイバ挿通孔に対する光ファイバの挿抜が容易に出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図9によって説明する。
図1において、符号10は素子ブロックであって、合成樹脂材によって縦長状に形成されており、素子ブロック10自身は、機器等に突設された取付板11にネジ12等で取り付けられるようになっている。
素子ブロック10の後面側(図1の右側)には、光電素子の装着部15が設定されているとともに、前面側に後記する保持部材30等の取付部16が設定されている。
【0014】
上記した装着部15は、上部側が後方に張り出した段付き状に形成されており、この張出部17内には、奥側が縮径された段付き状の上装着孔18が後面に開口して形成されている。この上装着孔18内には、奥側の縮径部18Aを開けた状態で、ケーシング20Aに覆われた投光素子20が前方を向いて収容されている。
装着部15の下部側には、同じく奥側が縮径された段付き状の下装着孔19が後面に開口して形成されている。下装着孔19内には、その全域にわたって受光素子21が同じく前方を向いて収容されている。両素子20,21のリード線22はそれぞれ後方に引き出されている。
【0015】
上装着孔18における縮径部18Aの前面の中心からは、光ファイバFを挿通可能な水平方向を向いた挿通路25が、上記した取付部16の前面に開口して形成されている。ただし、この挿通路25の奥端は縮径され、その段部26が挿通された光ファイバFの先端を突き当て可能となっている。
一方、下装着孔19の前面の中心からは、上記と同様に使用される光ファイバFを挿通可能な水平方向を向いた挿通路25が、取付部16の前面に開口して形成されている。なお、この取付部16の上下両側は、後記するロック部材45を逃がすために奥側に一段引っ込んでいる。
【0016】
取付部16の前面には、上下2個の保持部材30が装着されている。この保持部材30は合成樹脂製であって、2個が同一形状に形成されている。保持部材30は詳細には、図5に示すように、一対の弾性変位可能な挟持片31の上端同士が連結部32で連結された形状であって、この連結部32を中心として両挟持片31が開閉可能となっている。両挟持片31の下端寄りの外面には、三角形状の切欠部37が形成されるとともに、更に、その下方部には直線形状をなす当接部36が形成されている。
【0017】
また、両挟持片31の対向面における上端寄りの位置には、光ファイバFを挿通するファイバ挿通孔34が形成されている。詳細には後述するがこのファイバ挿通孔34の孔径は両挟持片31に対して他の部材からの力が加わっていない自然状態にあっては、使用される光ファイバFの外径より小さな孔径とされている。これが、本発明における「前記ファイバ挿通孔の非押圧状態における孔径サイズは前記光ファイバの外径サイズより小さい径サイズとされる」に相当する構成である。
【0018】
また、図9に示すようにファイバ挿通孔34の前面側の口縁には案内斜部(本発明の案内部に相当する)34Aが形成されており、前方(光ファイバFと対向する側)に向かって孔径が拡がるようになっている。そのため、ファイバ挿通孔34に光ファイバFを押し当てると、光ファイバFは案内斜部34Aによるガイド作用を受けてファイバ挿通孔34の中心に向かって案内されるとともに、両挟持片31は光ファイバFから拡開方向への押圧力を受ける。これにより、光ファイバ挿入前の状態においてファイバ挿通孔34の孔径は光ファイバFの外径より小さな径とされているが、差し込み動作に伴ってファイバ挿通孔34の孔径が拡がることとなるからファイバ挿通孔34に対する光ファイバFの差し込み動作を円滑に行うことが可能となる。
【0019】
保持部材30における連結部32の後面には、図1にも示すように、取付棒38が突設されているとともに、両挟持片31の下端寄りの位置の後面には、それぞれ短寸の脚体39が突設されている。
一方、取付部16の前面に形成された各挿通路25の入口の上方位置には、上記の取付棒38が圧入可能な取付孔40が開口されている。詳細には、上側の取付孔40は取付部16の上方の一段引っ込んだ面に、下側の取付孔40は取付部16の前面にそれぞれ開口されている。また、各挿通路25の下方位置には、両脚体39を高さ方向にクリアランスを持って挿入可能とした横長の溝41が形成されている。
【0020】
したがって保持部材30は、取付棒38を対応する取付孔40内に圧入し、また両脚体39を溝41内に挿入しつつ取付部16の前面で縦向きに取り付けられる。このとき、それぞれの保持部材30における両挟持片31の間に形成されるファイバ挿通孔34の中心が対応する挿通路25の軸心、すなわち投光素子20または受光素子21の軸心と一致する設定となっている。また、両挟持片31は、脚体39を溝41内で揺動させつつ開閉可能とされる。
【0021】
この取付部16の前面には、上記したファイバ挿通孔34内に挿通された光ファイバFを抜止め状態に保持するためのロック部材45が装着されている。このロック部材45は合成樹脂製であって、図3に示すように、取付部16よりも少し縦長で後方に開口した箱形に形成されており、取付部16の前面に装着された保持部材30から取付部16の側面を覆って被着可能となっている。ただし、上下方向には所定のクリアランスが設けられている。
【0022】
また、ロック部材45の前面には、縦向きの長孔64が上下に2個並んで形成されており、ロック部材45が後記するロック位置と解除位置のいずれに移動した場合にも、上下の挿通路25が対応する長孔64を通して前方に開口し得るようになっている。
【0023】
ロック部材45の左右の側板には、その後縁における中央高さ位置から案内板46が後方に向けて突設されている。この案内板46は、素子ブロック10における前側の左右の側面に摺接可能であって、両案内板46の対向面における突出縁の上下両端には、それぞれ内向きのフック47が形成されている。一方、素子ブロック10の左右の側面には、図2に示すように、上記したフック47を嵌める縦向きのガイド溝48が形成されている。
【0024】
従ってロック部材45は、取付部16の前面側から被せられて、両案内板46のフック47をガイド溝48に嵌めることによって、ガイド溝48に沿ってロック位置(図7に示す位置であって、保持部材30を内向きに押圧してファイバ挿通孔34を縮径させる位置)と、解除位置(図6に示す位置であって、前記押圧を解く位置)との間を上下移動可能に装着されている。
【0025】
より具体的に説明すると、ロック部材45内の左右の側面からは、図5に示すように、保持部材30の両側に向けて突出するようにして左右対称形状をなす係合壁65が形成されている。この係合壁65のうち挟持片31の先端(同図における下端)部分とほぼ対向した位置にはロック突部67が上下2組形成されている。このロック突部67は内向きに突出する押圧部67Aとこれに連なる傾斜部67Bとからなる。両傾斜部67Bは対向する壁面間が下部側に向かうに連れて拡がるように傾斜している。
【0026】
ロック部材45が図6に示す解除位置にあるときには、挟持片31の当接部36は押圧部67Aの下方に退避した位置にあって、両挟持片31はロック部材45から何ら締め込み方向へ(内向き)の押圧力を受けない状態に留め置かれる。ただし、挟持片31の切欠部37と傾斜部67Bとは互いに当接しており、挟持片31が過度に開き変形することを規制するようになっている。
【0027】
一方、ロック部材45が図7に示すロック位置にあるときには、押圧部67Aが挟持片31の切欠部37から当接部36に乗り上げるようになっている。これにより、ロック部材45は開いた状態にある両挟持片31をファイバ挿通孔34が縮径される閉じ方向に変位させる。
【0028】
また、両挟持片31の外面のうちファイバ挿通孔34の側方部には図5において上下方向に沿う嵌合部35が設けられる一方、ロック部材45における嵌合部35と対向する位置のやや上方には同じく上下方向に沿う被嵌合部66が形成されている。これら両部35、66の横幅寸法はほぼ同寸法に形成されており、ロック位置においては被嵌合部66の内側に嵌合部35が嵌まるようになっている。
そして、これら両部35、66の対向面は互いに斜めに傾斜しており、同嵌合状態において両部35、66は斜めに嵌合する(図9参照)。このような斜め嵌合する構成とすることで、光ファイバFに抜け方向への力が作用した場合に嵌合部35が被嵌合部66から内向きの押圧力を受けるから光ファイバFが保持部材30から抜けにくくなる。
【0029】
ところで、図8に示すように、ファイバ挿通孔34の自然状態における孔径φaは2.0mmとされているのに対して光ファイバFの外径φは2.2mmとされており、ファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径に比べて小さく設定されている。このような寸法設定とすることで、ロック部材45によるファイバ挿通孔34の縮径動作が所定の使用範囲内で(押圧後のファイバ挿通孔34が自然状態の孔径サイズより小さくならないような範囲内)行われるものであれば、ロック部材45が変形し難くなる。
【0030】
というのも、先に述べたようにロック位置においてロック部材45は閉じ方向に保持部材30を押圧している。そのため、ロック部材は保持部材30から反発力(復元力)を受けるが、この反発力が経時的に作用し続けるとロック部材45が変形し易くなる。仮に、ファイバ挿通孔34の孔径φaが2.2mm或いはそれ以上である設定である場合には、ロック部材45が受ける反発力は光ファイバFを押圧するのに必要とされる力と、これに加えて保持部材30を閉じ方向に弾性変形させるのに必要とされる力の双方の力を加算した力となる。
【0031】
ところが本実施形態では、ファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径に比べて小さく設定されている。そのため、ロック部材45が受ける反発力は光ファイバFを押圧するのに必要とさせる分の力のみで済むからファイバ挿通孔34の孔径φaが2.2mm或いはそれ以上である設定である場合に比べて反発力の大きさが小さくなる。
加えて、光ファイバFのうち締め込まれた部分は時間の経過に伴って、締め込みの径サイズ(本実施形態では2.0mm)に縮径変形するが、上記構成であれば、その分だけ反発力の大きさも小さくなり、更にロック部材45が変形し難くなる。
【0032】
尚、使用範囲を越えて使用(ロック部材45がファイバ挿通孔34の孔径サイズを自然状態の孔径サイズより小さくなるまで押圧)すると、ロック部材45に対する反発力がその分大きくなってしまう。というのも、光ファイバFの挿通により拡径されたファイバ挿通孔34の孔径を自然状態の孔径φaより小さくなるようにするには光ファイバFを変形させる他に、保持部材30の挟持片31を閉じ方向に弾性変位させる必要があり、その分だけロック部材45が受ける反発力も大きくなる。
【0033】
素子ブロック10の上面には、取付部16の上方に突出するようにして支持腕50が形成され、この支持腕50に前記ロック部材45を上下動させるためのレバー51が支持されている。このレバー51は合成樹脂製であって、一端側に指を掛ける操作部52が、他端側に二股となった係合部53が形成されている。そして、係合部53が支持腕50を挟むようにして装着され、係合部53の付け根部分に形成された軸孔54と、支持腕50の軸孔55にわたってピン56が挿入されることで、レバー51は、図1に示す傾倒位置と図4に示す起立位置との間で回動可能に支持されている。
【0034】
このレバー51は、係合部53の先端がロック部材45の上板45Uを押圧するように機能する。また、ロック部材45の上面における後端部には、一対の鈎部58が対向して立ち上がり形成されているとともに、レバー51の係合部53の前縁側の外面には、鈎部58内に潜り込み可能な引き上げ部59が張り出し形成されている。
すなわち、レバー51が傾倒位置にある場合には、引き上げ部59が鈎部58に引っ掛かってこれを引き上げることにより、ロック部材45は解除位置に持ち来され、一方、レバー51が起立位置に回動されると、係合部53が上板45Uを押し下げることにより、ロック部材45は上板45Uが上側の保持部材30の上面に当たるロック位置まで持ち来されるようになっている。なおレバー51は、素子ブロック10側に設けられたロック爪61(図4の鎖線で表示)が側面に形成されたロック溝62に嵌まることで起立位置に保持可能とされている。
【0035】
素子ブロック10の前面にはカバー70が装着されている。カバー70は、レバー51の軸支位置から保持部材30の前面を覆うようにして装着され、上下の挿通路25と対応した位置に窓孔71が開口されている。また、ロック部材45の前面には、複数の突部が形成されてカバー70の裏面に当接されており、ロック部材45とカバー70との間の摩擦抵抗を減じて、スムーズな摺動を担保するようになっている。
【0036】
本実施形態は上記のような構造であって、続いてその作用を説明する。
光ファイバFを装着するに当たっては、レバー51を図1の傾倒位置に回動させてロック部材45を解除位置にセットしておく。このときは、保持部材30のファイバ挿通孔34とロック部材45の長孔64の下部側とが整合した状態にあって、前方より光ファイバFをファイバ挿通孔34に対して挿通させることが出来るようになっている。尚、光ファイバFを挿通する前の状態においてファイバ挿通孔34の孔径は2.0mmとされている。
【0037】
この状態から光ファイバFをファイバ挿通孔34に正対させて、奥側に押し込むと、光ファイバFは案内斜部34Aによるガイド作用を受けてファイバ挿通孔34の中心に向かって案内されるとともに、両挟持片31は光ファイバFから拡開方向への押圧力を受ける。これにより、ファイバ挿通孔34の孔径は光ファイバFの差し込み動作に伴って拡径され、光ファイバFはファイバ挿通孔34の奥側、ひいては挿通路25に挿通されてゆく。やがて、上側では挿通路25の奥の段部26に当たり、下側では受光素子21の前面に当たることで、挿通が停止される。尚、この光ファイバFの挿通動作が完了した状態にあっては、ファイバ挿通孔34の孔径は2.2mmに拡径された状態にある(図8の(B)参照、拡径時の孔径φbは2.2mm)。
【0038】
両光ファイバFが挿通されたら、操作部52に指を掛けてレバー51を図4の起立位置に向けて回動し、ロック爪61によりロックする。この間に、レバー51がピン56を中心として図1の時計回り方向に回動し、係合部53の先端が上板45Uを押し下げることでロック部材45が下降する。
それに伴い、各光ファイバFはロック部材45の長孔64の上部側に相対的に移動するとともに、係合壁65における左右の押圧部67Aが挟持片31の切欠部37に沿って移動してゆく。これにより、両挟持片31は内向きに押圧されファイバ挿通孔34が次第に締め込み方向に縮径されてゆく。やがて、押圧部67Aが挟持片31の当接部36に乗り上げ、保持部材30はロック位置に至る。
【0039】
このロック位置においては、ファイバ挿通孔34はその孔径が2.0mmまで縮径された状態にあって内部に挿通される光ファイバFの端部を挟持する(図8の(C)参照、締め込み時の孔径φcは2.0mm)。以上のことから、上側の光ファイバFの端部は投光素子20と同軸に、また下側の光ファイバFの端部は受光素子21と同軸にそれぞれ保持される。また、このロック位置においては、押圧部67Aが両挟持片31の当接部36に当接することで、保持部材30の開き防止を行うようになっている。
【0040】
本実施形態によれば、自然状態(光ファイバ挿通前)におけるファイバ挿通孔34の孔径φaは2.0mmとされており、光ファイバFの外径より小さな設定とされている。そのため先に述べたように、ロック部材45が保持部材30から受ける反発力は光ファイバFを押圧させる分の力のみで済むからファイバ挿通孔34の孔径φaが2.2mm或いはそれ以上である設定である場合に比べて反発力の大きさが小さくなる。加えて、光ファイバFのうち締め込まれた部分は時間の経過に伴って、締め込みの径サイズ(本実施形態では2.0mm)に縮径変形するが、上記構成であれば、その分だけ反発力の大きさも小さくなり、更にロック部材45が変形し難くなる。
【0041】
また、自然状態におけるファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径より小さな設定とされていることで次の効果も得られる。
すなわち、上記設定であれば光ファイバFがファイバ挿通孔34に一旦差し込まれると、ロック部材45による押圧に拘わらず光ファイバFは両挟持片31から内向きの押圧力を常に受ける。一方、ファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径より大きく設定されている場合には光ファイバFはロック部材45による押圧によって初めて押圧力を受ける。従って、ロック部材45による押圧力が等ければ、ファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径より小さな設定とされている場合の方が、光ファイバFに対する全押圧力が大きくなる。
【0042】
以上のことから、光ファイバ挿通前のファイバ挿通孔34の孔径φaが光ファイバFの外径より小さな設定とされることで、長期間に亘って安定した保持力が得られることとなり、投光素子20或いは受光素子21と、光ファイバFとの間で位置ずれが生ずることなく、所定の光伝達効率が確保できて高い検出精度が得られる。
【0043】
<実施形態2>
実施形態2を図10ないし図12を参照して説明する。
実施形態1ではファイバ挿通孔34を拡げる拡径手段を案内斜部34Aによって形成したが、実施形態2ではロック部材45に拡開突部75を設けている。その他の構成については実施形態1と同様であるため重複した部位については同一符号を付して説明を省略するものとする。
【0044】
図10に示すように、ロック部材45の側面(保持部材30と対向する側の面)のうち幅方向の中央部分には拡開突部75が上下一対形成されている。この拡開突部75は三角形状をなしており、ロック部材45が解除位置にあるときには丁度両挟持片31間に侵入して、挟持片31ひいてはファイバ挿通孔34を拡開させるようになっている(図11参照)。尚、拡開突部75の横幅は、解除位置においてファイバ挿通孔34の孔径がφ2.3mmとなるような寸法設定とされている。
このような構成とすることで、ファイバ挿通孔34に対する光ファイバFの挿通動作が円滑に行うことが可能であり、また、光ファイバFをファイバ挿通孔34に挿入する際の押し込み力も実施形態1の場合に比較して低く押さえることが可能となる。
【0045】
また、ロック部材45が解除位置からロック位置へ下降してゆくと、それに伴って拡開突部75も挟持片31の先端側に下降してゆき、ロック部材45がロック位置に至ると、拡開突部75は両挟持片31間より完全に退避するようになっている(図12参照)。従って、ロック部材45による押圧動作が支障なく行われ、同ロック位置において光ファイバFは保持部材30によって保持される。
【0046】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図13ないし図14によって説明する。
実施形態1では両挟持片31を一体的に形成し、その端部同士を連結部32によって接続したが、実施形態3では挟持片81、82を個別の部材により形成するとともにその対向面間に光ファイバFを挿通させるためのファイバ挿通孔34を設けている。また、各挟持片81、82はその上端同士がヒンジ85によって接続されており、両挟持片81、82が開脚自在とされている。尚、両挟持片81、82間には付勢力を生ずるようなばね部材等は装着されていない。そのため、開脚動作をおこなっても保持部材80が単独の状態(ファイバ挿通孔に光ファイバが差し込まれる前の状態)にあるときには、両挟持片81、82間には何ら復元力等が生じない構成とされている。その他の構成については実施形態1と同様である。
このように挟持片81、82をヒンジ85によって接続し開脚自在とする構成であれば、実施形態1の場合と同様の効果が得られる。すなわち、ロック部材45が受ける反発力は光ファイバFを押圧させる分の力のみで済む。
【0047】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0048】
(1)上記実施形態では、保持部材30を素子ブロック10とは別体により構成したが一体的に構成するものであってもよい。
【0049】
(2)上記実施形態では、ロック部材45をレバー51により操作したが、レバー51を廃止してロック部材45を手動操作してもよい、
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施形態1におけるロック部材が解除位置にある状態を示す縦断面図
【図2】その部分底面図
【図3】ロック部材の斜視図
【図4】ロック部材がロック位置にある状態を示す縦断面図
【図5】光ファイバを差し込み前の状態を示す断面図
【図6】光ファイバ挿通により保持部材が拡開した状態を示す断面図
【図7】ロック部材により保持部材が押圧された状態を示す断面図
【図8】ファイバ挿通孔の孔径の変動を表す図
【図9】ファイバ挿通孔に対する光ファイバの差し込み動作を示す図
【図10】実施形態2に係るロック部材の斜視図(裏側からみた状態を示す)
【図11】拡開突部によって保持部材が押し広げられた状態を示す断面図
【図12】拡開突部が保持部材から退避した状態を示す断面図
【図13】実施形態3における保持部材の分解状態を示す図
【図14】挟持片がヒンジによって繋がれた状態を示す図
【図15】従来例を示す図
【符号の説明】
【0051】
F…光ファイバ
10…素子ブロック
20…投光素子(光電素子)
21…受光素子(光電素子)
30…保持部材
34…ファイバ挿通孔
45…ロック部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に光電素子が装着される素子ブロックと、
前記素子ブロックに設けられ、前記光電素子と対面して配置される光ファイバを弾性的に挟持可能な一対の挟持片を有する保持部材と、
前記一対の挟持片の対向面間に形成され前記光ファイバを挿通させるファイバ挿通孔と、
前記一対の挟持片を前記ファイバ挿通孔が縮径される締め込み方向に押圧するロック位置と、前記押圧状態を解く解除位置との間で変位可能とされたロック部材とを備えた光ファイバ保持装置であって、
前記ファイバ挿通孔の非押圧状態における孔径サイズは前記光ファイバの外径サイズより小さい径サイズとされるとともに、
前記保持部材或いは前記ロック部材には、前記光ファイバの挿入前或いは挿入動作に伴って前記光ファイバ挿通孔の孔径を前記非押圧状態の孔径以上の孔径に拡径させることで前記ファイバ挿通孔に対する光ファイバの挿入動作を案内するための拡径手段が設けられ、
更に、前記ロック部材は前記拡径手段により拡径された前記ファイバ挿通孔を前記ロック位置において非押圧状態の孔径サイズより小さくならない範囲内において縮径させることを特徴とする光ファイバの保持機構。
【請求項2】
内部に光電素子が装着される素子ブロックと、
前記素子ブロックに設けられ、前記光電素子と対面して配置される光ファイバを挟持可能な一対の挟持片を有する保持部材と、
前記一対の挟持片の対向面間に形成され前記光ファイバを挿通させるファイバ挿通孔と、
前記一対の挟持片を前記ファイバ挿通孔が縮径される締め込み方向に押圧するロック位置と、前記挟持片より離間して同押圧状態を解く解除位置との間で変位可能とされたロック部材とを備えた光ファイバ保持装置であって、
前記保持部材は個別に形成された両挟持片の端部同士をヒンジを介して開脚自在に接続してなることを特徴とする光ファイバの保持機構。
【請求項3】
前記ファイバ挿通孔のうち挿入動作の際に前記光ファイバと対面する側の孔縁部には、先端側に向けて孔径が徐々に広くなるような前記拡径手段とされた案内部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバの保持機構。
【請求項4】
前記ロック部材には、同ロック部材が前記解除位置にあるときに前記両挟持片に当接して前記ファイバ挿通孔を拡開させるように前記挟持片を拡開させる前記拡径手段とされた拡開突部が形成されるとともに、
この拡開突部は前記ロック部材の前記解除位置から前記ロック位置への変位動作に伴って、前記両挟持片より退避して前記当接状態を解除することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバの保持機構。
【請求項1】
内部に光電素子が装着される素子ブロックと、
前記素子ブロックに設けられ、前記光電素子と対面して配置される光ファイバを弾性的に挟持可能な一対の挟持片を有する保持部材と、
前記一対の挟持片の対向面間に形成され前記光ファイバを挿通させるファイバ挿通孔と、
前記一対の挟持片を前記ファイバ挿通孔が縮径される締め込み方向に押圧するロック位置と、前記押圧状態を解く解除位置との間で変位可能とされたロック部材とを備えた光ファイバ保持装置であって、
前記ファイバ挿通孔の非押圧状態における孔径サイズは前記光ファイバの外径サイズより小さい径サイズとされるとともに、
前記保持部材或いは前記ロック部材には、前記光ファイバの挿入前或いは挿入動作に伴って前記光ファイバ挿通孔の孔径を前記非押圧状態の孔径以上の孔径に拡径させることで前記ファイバ挿通孔に対する光ファイバの挿入動作を案内するための拡径手段が設けられ、
更に、前記ロック部材は前記拡径手段により拡径された前記ファイバ挿通孔を前記ロック位置において非押圧状態の孔径サイズより小さくならない範囲内において縮径させることを特徴とする光ファイバの保持機構。
【請求項2】
内部に光電素子が装着される素子ブロックと、
前記素子ブロックに設けられ、前記光電素子と対面して配置される光ファイバを挟持可能な一対の挟持片を有する保持部材と、
前記一対の挟持片の対向面間に形成され前記光ファイバを挿通させるファイバ挿通孔と、
前記一対の挟持片を前記ファイバ挿通孔が縮径される締め込み方向に押圧するロック位置と、前記挟持片より離間して同押圧状態を解く解除位置との間で変位可能とされたロック部材とを備えた光ファイバ保持装置であって、
前記保持部材は個別に形成された両挟持片の端部同士をヒンジを介して開脚自在に接続してなることを特徴とする光ファイバの保持機構。
【請求項3】
前記ファイバ挿通孔のうち挿入動作の際に前記光ファイバと対面する側の孔縁部には、先端側に向けて孔径が徐々に広くなるような前記拡径手段とされた案内部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバの保持機構。
【請求項4】
前記ロック部材には、同ロック部材が前記解除位置にあるときに前記両挟持片に当接して前記ファイバ挿通孔を拡開させるように前記挟持片を拡開させる前記拡径手段とされた拡開突部が形成されるとともに、
この拡開突部は前記ロック部材の前記解除位置から前記ロック位置への変位動作に伴って、前記両挟持片より退避して前記当接状態を解除することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光ファイバの保持機構。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−10865(P2006−10865A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185346(P2004−185346)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】
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