光ファイバの配列構造体及びその製造方法
【課題】複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体において、光源の増大を抑える。
【解決手段】複数の光ファイバ直線部を面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体1である。第1(赤)、第2(緑)、第3(青)の順序で平行に配列された第1〜第3光ファイバ直線部からなる光ファイバ群が、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列されている。一の光ファイバ群に含まれる第1〜第3光ファイバ直線部が、他の光ファイバ群に含まれる対応する第1〜第3光ファイバ直線部と、有効領域外で光ファイバからなる第1〜第3渡り線部によって繋がれている。
【解決手段】複数の光ファイバ直線部を面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体1である。第1(赤)、第2(緑)、第3(青)の順序で平行に配列された第1〜第3光ファイバ直線部からなる光ファイバ群が、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列されている。一の光ファイバ群に含まれる第1〜第3光ファイバ直線部が、他の光ファイバ群に含まれる対応する第1〜第3光ファイバ直線部と、有効領域外で光ファイバからなる第1〜第3渡り線部によって繋がれている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、光ファイバの端面から入射させた光を、光ファイバの側面から漏洩させて、当該光ファイバをこの側面漏光を用いた線状発光体として、イルミネーション等の照明装飾に用いることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、スペーサ用線状体と、このスペーサ用線状体の外周周回方向に捩られて最密状態に配置された複数本の光ファイバと、この光ファイバの外周に密着被覆された前記光ファイバのクラッド部よりも屈曲率の大きい透明樹脂からなる透明樹脂被覆層とから、側面漏光性光ファイバコードを構成することによって、側面漏光を均一化するようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−270630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のもののように、光ファイバ束の側面漏光を用いた光ファイバコードは、形状に自由度はあるものの、線状発光体として用いられるに過ぎず、大きな発光面を要する面上照明装置等に用いることが困難である。
【0006】
ここで、例えば、光ファイバを平面上で平行に複数配列すれば、大きな発光面を有する面状発光体等を得ることが可能となるが、このような単に光ファイバを複数配列したものでは、光ファイバの本数に応じた光源が必要となるという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体において、光源の増大を抑える技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体であって、所定の順序で平行に配列された第1〜第n(nは、n≧3を満たす整数)の光ファイバからなる光ファイバ群が、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列されており、一の光ファイバ群に含まれる第1〜第nの光ファイバが、他の光ファイバ群に含まれる対応する第1〜第nの光ファイバと、有効領域外で光ファイバからなる第1〜第nの渡り線部によって繋がれる光ファイバ群の組が、少なくとも一組存在していることを特徴とするものである。
【0009】
第1の発明によれば、一の光ファイバ群に含まれる第1〜第nの光ファイバが、他の光ファイバ群に含まれる対応する第1〜第nの光ファイバと、有効領域外で第1〜第nの渡り線部によって繋がれる光ファイバ群の組が、少なくとも一組存在しているので、1つの光源によって複数の群に跨る光ファイバに光を入射することが可能となる。したがって、光ファイバの光源を確実に減少させることができる。
【0010】
なお、本発明において「有効領域」とは、光ファイバの配列構造体の用途に応じて実質的に面光源等として用いられる領域を意味する。また、「対応する第1〜第nの光ファイバ」とは、一の光ファイバ群に含まれる第k(kは、1≦k≦nを満たす整数)の光ファイバに対しては、他の光ファイバ群に含まれる第kの光ファイバを意味する。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第nの渡り線部は、互いに交差するとともに、3本以上の当該渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように配列されていることを特徴とするものである。
【0012】
ところで、一の光ファイバ群に含まれる、所定の順序で配列された第1〜第nの光ファイバと、他の光ファイバ群に含まれる、所定の順序で配列された第1〜第nの光ファイバとを、第1〜第nの渡り線部で繋ぐ場合、以下のような問題がある。
【0013】
すなわち、例えば図14(a)に示すように、第1〜第3の光ファイバ101,102,103の渡り線部101c,102c,103cを、有効領域外で平面的に曲げる(例えば、オフセットした関係で配列する)だけでは、有効領域内における光ファイバの順序が逆転するという問題がある。
【0014】
有効領域外の部分を大きくし過ぎることなく、このような問題を解決するために、図14(b)に示すように、光ファイバ101,102,103を渡り線部部101c,102c,103cで捩ることで、有効領域内における光ファイバ101,102,103の順序が逆転するのを防ぐことも考えられるが、このように光ファイバからなる渡り線部部101c,102c,103cを強く曲げ(捩り)過ぎると、有効領域外にある渡り線部部101c,102c,103cからの漏洩が激しくなるおそれがあるとともに、3本の渡り線部部101c,102c,103cが同一点cpで重なり合うと、座屈発生の可能性が高くなるという問題がある。
【0015】
ここで、第2の発明によれば、同じファイバ群と繋がれる第1〜第nの渡り線部は、互いに交差するので光ファイバの順序が逆転するのを抑えることができる。さらに、当該第1〜第nの渡り線部は、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように配列されているので、漏洩や座屈の発生を抑えることができる。
【0016】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記各渡り線部には、曲率半径が最小曲げ半径以上の円弧状コーナー部が形成されており、同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第nの渡り線部は、各々のコーナー部又は当該コーナー部近傍で交差するとともに、当該第1〜第nの渡り線部のうち同じ曲率半径のコーナー部を有する渡り線部は多くとも1組であることを特徴とするものである。
【0017】
第3の発明によれば、同じファイバ群と繋がれる第1〜第nの渡り線部のコーナー部の曲率半径が全て異なる場合には、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合うことはない。また、同じファイバ群と繋がれる渡り線部のうち同じ曲率半径のコーナー部を有する渡り線部が1組ある場合には、他の渡り線部は、当該同じ曲率半径を有する渡り線部同士の交差点よりも、外側又は内側でこれらの渡り線部と交差するので、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合うことはない。このように、同じファイバ群と繋がれる渡り線部のコーナー部の曲率半径を異ならせるという簡単な構成で、3本以上の渡り線部が同一点で重なり合わないように配列することが可能となる。
【0018】
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、互いに平行に複数配列される、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列された上記光ファイバ群からなる光ファイバブロックと、異なる光ファイバブロック間の対応する光ファイバ同士を繋ぐ渡り線部とを有し、当該各光ファイバブロックに含まれる光ファイバとこれらを繋ぐ当該渡り線部とが周回形状をなし、且つ、同じ渡り線部によって繋がれる当該光ファイバブロックのうち少なくとも一組が所定間隔をあけて配列された光ファイバ層を複数備え、一の光ファイバ層の光ファイバブロックが他の光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックの間に配置されるように、各層を重ねることで形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
第4の発明では、各光ファイバ層には、所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックが少なくとも一組存在している。このように光ファイバブロックの間に所定間隔を設けることにより、渡り線部のコーナー部の曲率半径を大きくすることができるので、曲げによる渡り線部(光ファイバ)の損傷を抑えることができる。
【0020】
また、光ファイバの配列構造体は、一の光ファイバ層の光ファイバブロックが他の光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックの間に配置されるように、各層を重ねることで形成されているので、光ファイバブロックの間に所定間隔を設けた場合でも、光ファイバ群を等間隔に配列することができる。
【0021】
なお、本発明において「周回」とは、一の光ファイバブロックに含まれる光ファイバ、当該光ファイバに一端が繋がれる渡り線部、当該渡り線部の他端に繋がれる他の光ファイバブロックに含まれる光ファイバ、…というふうに、連続する光ファイバと渡り線部とを交互に巡ることをいう。また、「周回形状」とは、光ファイバの「周回」によって描かれる経路を1周毎にオフセットさせるようにずらしながら、「周回」を複数回繰り返すことにより、一筆書きで描かれたように形成された形状をいう。
【0022】
第5の発明は、上記第1の発明において、上記光ファイバ群は、所定の順序で配列された第1〜第3の光ファイバからなり、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列された上記光ファイバ群からなる光ファイバブロックが平行に複数配列され、且つ、異なる光ファイバブロック間の対応する光ファイバが渡り線部で繋がれており、
同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第3の渡り線部のうち、第1及び第2の渡り線部は互いに交差する一方、第3の渡り線部は第1及び第2の渡り線部と交差しておらず、且つ、各光ファイバブロックにおける光ファイバ配列方向の端に位置する第3の光ファイバ同士が、有効領域外で他の渡り線部と略直交するように交差する渡り線部によって繋がれていることを特徴とするものである。
【0023】
第5の発明によれば、第3の渡り線部は第1及び第2の渡り線部と交差しておらず、且つ、各光ファイバブロックにおける光ファイバ配列方向の端に位置する第3の光ファイバ同士が、有効領域外で他の光ファイバと略直交するように交差する渡り線部によって繋がれることから、複数の光ファイバを所定の順序で配列しつつ、平行に近い浅い角度で光ファイバ同士が交差する点が少なくなり、座屈発生のリスクが逓減されるとともに、(交差角度が鋭角なため)設計通りに交差させることが困難な箇所が減るので、製造歩留を向上させることができる。
【0024】
第6の発明は、上記第5の発明において、上記光ファイバブロックと上記渡り線部とを有し、当該各光ファイバブロックに含まれる光ファイバとこれらを繋ぐ当該渡り線部とが周回形状をなし、且つ、同じ渡り線部が繋がれる当該光ファイバブロックのうち少なくとも一組が所定間隔をあけて配列された光ファイバ層を複数備え、一の光ファイバ層の光ファイバブロックが他の光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックの間に配置されるように、各層を重ねることで形成されていることを特徴とするものである。
【0025】
第6の発明によれば、上記第4の発明と同様の効果を得ることができる。
【0026】
第7の発明は、複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体の製造方法であって、光ファイバを供給するファイバ供給口を有し、当該ファイバ供給口とそれに対向する配線基材とを相対移動させることにより当該配線基材上に光ファイバを布線するファイバ布線装置を用意し、上記配線基材に接着剤を塗布する工程と、上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを上記配線基材上で複数回に亘って周回させることで、有効領域内で平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部を繋ぐように形成された渡り線部を有する第1の光ファイバを布線する工程と、上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを、上記配線基材上で上記第1光ファイバ同士の間を縫うように複数回に亘って周回させることで、有効領域内で上記第1の光ファイバの直線部と同数且つ平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部同士を繋ぐとともに、合い隣接する第1の光ファイバの渡り線部と交差するように形成された渡り線部を有する第2の光ファイバを布線する工程と、上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを上記配線基材上で複数回に亘って周回させることで、有効領域内で光ファイバ配列方向に第1〜第n(nは、n≧3を満たす整数)の順序で並ぶように上記第1の光ファイバの直線部と同数且つ平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部同士を繋ぐとともに、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように形成された渡り線部を有する第nの光ファイバを布線する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0027】
第7の発明によれば、1つの光源によって複数の群に跨る光ファイバに光を入射することが可能となり、光ファイバの光源を減少させることができるとともに、各渡り線部は、3つ以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように配列されているので、漏洩や座屈の発生を抑えることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る光ファイバの配列構造体によれば、一の光ファイバ群に含まれる第1〜第nの光ファイバが、他の光ファイバ群に含まれる対応する第1〜第nの光ファイバと、有効領域外で第1〜第nの渡り線部によって繋がれる光ファイバ群の組が、少なくとも一組存在しているので、1つの光源によって複数の群に跨る光ファイバに光が入射されることから、光ファイバの光源を確実に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に係る光ファイバの配列構造体を示す平面図である。
【図2】第1光ファイバ層を示す平面図である。
【図3】第2光ファイバ層を示す平面図である。
【図4】図2のA部の拡大図である。
【図5】図3のB部の拡大図である。
【図6】第1光ファイバ層の第1光ファイバを示す平面図である。
【図7】第2光ファイバ層のコーナー部を示す拡大図である。
【図8】ファイバ布線装置の概略斜視図である。
【図9】光ファイバの配列構造体の製造手順を模式的に説明する図である。
【図10】実施形態2に係る光ファイバの配列構造体の第2光ファイバ層のコーナー部を示す拡大図である。
【図11】光ファイバの配列構造体を示す平面図である。
【図12】光ファイバの配列構造体を示す平面図である。
【図13】光ファイバの配列構造体の参考例を示す平面図である。
【図14】従来のコーナー部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
(実施形態1)
−光ファイバの配列構造体−
図1は、本実施形態に係る光ファイバの配列構造体を示す平面図であり、図2は、第1光ファイバ層を示す平面図であり、図3は、第2光ファイバ層を示す平面図である。なお、図1〜図3では、図を見易くするために、1本1本の光ファイバを示す線を省略している。また、図1〜図3は平面図であるが、図を見易くするために、第1光ファイバ層3及び第2光ファイバ層5にはそれぞれ異なるハッチングを施している。光ファイバの配列構造体1は、プラスティック基材(配線基材)に接着剤を塗布し、当該プラスティック基材上に、光ファイバとしてプラスティックコアとプラスティッククラッドとを備えるプラスティックファイバを布設したものである。なお、光ファイバの布設が完了した後、光ファイバの配列構造が維持できる状態になれば、プラスティック基材は不要となる。
【0032】
この光ファイバの配列構造体1は、有効領域内において、複数の光ファイバを面状をなすように配列したものであり、第1光ファイバ層(光ファイバ層)3と、第2光ファイバ層(光ファイバ層)5とを備えている。
【0033】
第1光ファイバ層3(下層)は、図2に示すように、有効領域内において、所定間隔sをあけて配列される第1〜第4の4つの下側光ファイバブロックLB1,LB2,LB3,LB4と、下側第1光ファイバブロックLB1と下側第2光ファイバブロックLB2とを有効領域外で繋ぐ下側第1渡り線ブロックLCB1と、下側第2光ファイバブロックLB2と下側第3光ファイバブロックLB3とを有効領域外で繋ぐ下側第2渡り線ブロックLCB2と、下側第3光ファイバブロックLB3と下側第4光ファイバブロックLB4とを有効領域外で繋ぐ下側第3渡り線ブロックLCB3と、下側第1光ファイバブロックLB1と下側第4光ファイバブロックLB4とを有効領域外で繋ぐ下側第4渡り線ブロックLCB4とを備えている。
【0034】
一方、第2光ファイバ層5(上層)は、図3に示すように、有効領域内において、所定間隔sをあけて配列される第1〜第4の4つの上側光ファイバブロックUB1,UB2,UB3,UB4と、上側第1光ファイバブロックUB1と上側第2光ファイバブロックUB2とを有効領域外で繋ぐ上側第1渡り線ブロックUCB1と、上側第2光ファイバブロックUB2と上側第3光ファイバブロックUB3とを有効領域外で繋ぐ上側第2渡り線ブロックUCB2と、上側第3光ファイバブロックUB3と上側第4光ファイバブロックUB4とを有効領域外で繋ぐ上側第3渡り線ブロックUCB3と、上側第1光ファイバブロックUB1と上側第4光ファイバブロックUB4とを有効領域外で繋ぐ上側第4渡り線ブロックUCB4とを備えている。
【0035】
各光ファイバブロックLB1,UB1,…は、例えば図4に示すように、第1光ファイバ直線部r(二点鎖線)、第2光ファイバ直線部g(実線)、第3光ファイバ直線部b(一点鎖線)の順序(所定の順序)で配列された3本の光ファイバ直線部(光ファイバ)r,g,bからなる光ファイバ群G1,G2,…,G17が、有効領域内で等間隔且つ平行に17群配列されることで構成されている。このように、各光ファイバブロックLB1,UB1,…は、光ファイバ配列方向(以下、縦方向という)と直角な方向(以下、横方向という)に延びる51本(3本×17群)の光ファイバ直線部r,g,b,…が、全体として長方形状をなすように配列されることで形成されている。
【0036】
なお、光ファイバ群G1,G2,…,G17が等間隔に配列されるとは、各光ファイバ群G1,G2,…の横方向に延びる中心線の間隔が均一となるように配列されていることを意味する。また、図4では例として下側第1光ファイバブロックLB1の拡大図を示したが、いずれの光ファイバブロックLB1,UB1,…においても、光ファイバ直線部及び光ファイバ群は、縦方向一方側から他方側に向かって昇順に並んでいる。
【0037】
これに対し、各渡り線ブロックUCB1,…は、図5に示すように、各光ファイバブロック間(上側第1光ファイバブロックUB1と上側第2光ファイバブロックUB2)で対応する光ファイバ同士を繋ぐように、第1〜第3渡り線部rc,gc,bcが17群配列された51本の渡り線部rc,gc,bc,…によって形成されている。より詳しくは、各渡り線ブロックLCB1,UCB1,…は、縦方向に延びる直線部UCB1aと、当該直線部UCB1aの一方側及び他方側でそれぞれ横方向に延びる接続部UCB1b,UCB1cと、当該直線部UCB1aと各接続部UCB1b,UCB1cとを繋ぐ円弧部UCB1d,UCB1eとを有する略コ字状をなすように形成されている。なお、図5では例として上側第1渡り線ブロックUCB1を示したが、他の渡り線ブロックLCB2,UCB1,…もほぼ同様に略コ字状をなしている。
【0038】
そうして、例えば、上側第1渡り線ブロックUCB1の横方向左側から3番目の第3渡り線部bcは、上側第1光ファイバブロックUB1の縦方向一方側から3番目の光ファイバ直線部(第1群G1の第3光ファイバ直線部b)の左側端から横方向左側に延び、円弧状に湾曲した後縦方向他方側に延び、再び円弧状に湾曲した後横方向右方向に延びて上側第2光ファイバブロックUB2の一方側から51番目の光ファイバ直線部(第17群G17の第3光ファイバ直線部b)と繋がっている。
【0039】
上記各光ファイバ群G1,G2,…は、上述の如く、第1〜第3の順序で配列された3本の光ファイバ直線部r,g,bからなり、これら第1〜第3光ファイバ直線部r,g,bは、有効領域内で縦方向に等間隔且つ平行に配列されている。また、第1光ファイバ直線部rには赤色光が、第2光ファイバ直線部gには緑色光が、第3光ファイバ直線部bには青色光がそれぞれ入射されるようになっている。
【0040】
そうして、ある光ファイバ群(縦方向一方側)の第3光ファイバ直線部bと隣の光ファイバ群(縦方向他方側)の第1光ファイバ直線部rとの間隔は、各光ファイバ群G1,G2,…における第1光ファイバ直線部rと第2光ファイバ直線部gとの(第2光ファイバ直線部gと第3光ファイバ直線部bとの)間隔と同じに設定されているので、各光ファイバブロックLB1,UB1,…においては、51本の光ファイバ直線部r,g,b,…が等間隔で第1(赤色)、第2(緑色)、第3(青色)の順に並ぶことになる。
【0041】
また、各渡り線部rc,gc,bc,…と、有効領域外で当該渡り線部rc,gc,bc,…によって繋がれる各光ファイバブロックの光ファイバ直線部r,g,b,…とは、単一の光ファイバR,G,Bによって形成されている。より詳しくは、例えば、第1光ファイバ層3の赤色光が入射される第1光ファイバ直線部r,r,…は、図6に示すように、1本の光ファイバRを複数回に亘って周回させることで形成された周回形状を有している。
【0042】
ここで、「周回」とは、例えば第1光ファイバ層3を例に採ると、始点Sから延びた光ファイバRが、下側第1光ファイバブロックLB1、下側第1渡り線ブロックLCB1、下側第2光ファイバブロックLB2、下側第2渡り線ブロックLCB2、下側第3光ファイバブロックLB3、下側第3渡り線ブロックLCB3、下側第4光ファイバブロックLB4、下側第4渡り線ブロックLCB4の順に巡ることをいう。換言すると、「周回」とは、ある光ファイバ直線部、当該光ファイバ直線部に一端が繋がれる渡り線部、当該渡り線部の他端に繋がれる光ファイバ直線部、…というふうに、連続する光ファイバ直線部と渡り線部とを交互に巡ることをいう。また、「周回形状」とは、光ファイバの「周回」によって描かれる経路を1周毎にオフセットさせるようにずらしながら、「周回」を複数回繰り返すことにより、一筆書きで描かれたように形成された形状をいう。
【0043】
そうして、周回を17回繰り返すことにより、図6に示すような第1光ファイバ層3の第1光ファイバRが形成され、当該第1光ファイバRに1箇所(例えば始点S)から赤色光を入射すれば、第1光ファイバ層3の第1光ファイバ直線部r,r,…全てが赤色の側面漏光を示すことになる。同様に、第1光ファイバ層3の緑色光が入射される第2光ファイバ直線部g,g,…及び青色光が入射される第3光ファイバ直線部b,b,…も、1本の光ファイバG,Bを複数回に亘って周回させることで形成されている。
【0044】
つまり、第1光ファイバ層3は、有効領域内で光ファイバブロックLB1,LB2,LB3,LB4が所定間隔sをあけて4つ配列されるとともに、異なる光ファイバブロック間の対応する光ファイバ直線部(第1光ファイバ直線部同士r,r、第2光ファイバ直線部同士g,g、第3光ファイバ直線部同士b,b)r,g,b,…を渡り線部rc,gc,bc,…で繋ぐように、光ファイバR,G,Bを17回ずつ周回させることによって形成されている。また、第2光ファイバ層5は、第1光ファイバ層3の第3光ファイバBの終端から延びる光ファイバR(G,B)を、第1光ファイバ層3と同様に、周回させることによって形成されている。
【0045】
第1光ファイバ層3の各下側光ファイバブロックLB1,LB2,…は、当該下側光ファイバブロック間に第2光ファイバ層5の上側光ファイバブロックUB1,UB2,…が収まるような所定間隔sをあけて配列される一方、第2光ファイバ層5の各上側光ファイバブロックUB1,UB2,…は、当該上側光ファイバブロック間に第1光ファイバ層3の下側光ファイバブロックLB1,LB2,…が収まるような所定間隔sをあけて配列されている。
【0046】
そうして、例えば、第1光ファイバ層3の下側第1光ファイバブロックLB1と下側第2光ファイバブロックLB2との間に、第2光ファイバ層5の上側第1光ファイバブロックUB1が収まった状態では、下側第1光ファイバブロックLB1の第17群G17の第3光ファイバ直線部bと上側第1光ファイバブロックUB1の第1群G1の第1光ファイバ直線部rとの間隔、及び、下側第2光ファイバブロックLB2の第1群G1の第1光ファイバ直線部rと上側第1光ファイバブロックUB1の第17群G17の第3光ファイバ直線部bとの間隔は、ともに各光ファイバ群G1,G2,…における第1光ファイバ直線部rと第2光ファイバ直線部gとの(第2光ファイバ直線部gと第3光ファイバ直線部bとの)間隔と同じに設定されている。
【0047】
すなわち、第1光ファイバ層3(一の光ファイバ層)の下側光ファイバブロックLB1,LB2,…が第2光ファイバ層5(他の光ファイバ層)の所定間隔sをあけて配列された上側光ファイバブロックUB1,UB2,…の間に配置されるように、各層3,5を重ねることで形成される本実施形態の光ファイバの配列構造体1においては、408本(3本×17群×4ブロック×2層)の光ファイバ直線部r,g,b,…が等間隔で並ぶことになる。これにより、例えば図1の右側端且つ一方側端において下側第4渡り線ブロックLCB4から横方向右側に延びる3本の光ファイバR,G,Bを切断し、当該切り口から、第1光ファイバ直線部rに赤色光を、第2光ファイバ直線部gに緑色光を、第3光ファイバ直線部bに青色光をそれぞれ入射させると、当該光ファイバの配列構造体1を、例えば、大きな発光面を有する面状の照明装飾として用いることが可能となる。なお、側面漏光を積極的に生じさせるために、プラスティックコア及びプラスティッククラッドに、クロム等の光散乱物質を混入させてもよい。
【0048】
ところで、一の光ファイバ群に含まれる、所定の順序で配列された第1〜第3の光ファイバと、他の光ファイバ群に含まれる、所定の順序で配列された第1〜第3の光ファイバとを、第1〜第3の渡り線部で繋ぐ場合、各渡り線ブロックを構成する渡り線部を単にオフセットした関係で配列するだけでは、有効領域内における光ファイバの順序が逆転するという問題がある。このような問題を解決するために、光ファイバを渡り線部部で捩ることで、有効領域内における光ファイバの順序が逆転するのを防ぐことも考えられるが、このように光ファイバを強く曲げ(捩り)過ぎると、光ファイバからの漏洩が激しくなるおそれがあるとともに、3本の光ファイバが同一点で重なり合うと、座屈発生の可能性が高くなるという問題がある。
【0049】
そこで、本実施形態においては、各渡り線部rc,gc,bc,…は、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように配列されている。具体的には、第1〜第3渡り線部rc,gc,bcには、図7に示すように、それぞれ曲率半径が最小曲げ半径以上の円弧状のコーナー部C1,C2,C3が形成されている。そうして、同じファイバ群と繋がれる第1〜第3渡り線部rc,gc,bcは、各々のコーナー部C1,C2,C3で交差するとともに、同じ曲率半径を有する渡り線部は1組となるように構成されている。
【0050】
より詳しくは、第2光ファイバ層5を例に採ると、上側第3渡り線ブロックUCB3の横方向左側から1番目の第1渡り線部rcは、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第1光ファイバ直線部rの左側端から横方向左側に延び、円弧状に湾曲して縦方向他方側に延び、図7に示すように、曲がり始点BC1で最小曲げ半径以上の曲率半径R1で湾曲(コーナー部C1を形成)した後、曲がり終点EC1から横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第1光ファイバ直線部rに繋がる。
【0051】
また、上側第3渡り線ブロックUCB3の外側から3番目の第3渡り線部bcは、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第3光ファイバ直線部bの左側端から横方向左側に延び、円弧状に湾曲して第1渡り線部rcの内側(右側)で縦方向他方側に延び、第1渡り線部rcと同じく曲率半径R1で湾曲するが、その曲がり始点BC3は、第1光渡り線部rcの曲がり始点BC1よりも、縦方向他方側に位置する。そうして、第3渡り線部bcは、そのコーナー部C3が第1光渡り線部rcのコーナー部C1と互いの中央部cp13で交差した後、第1光渡り線部rcの曲がり終点EC1よりも横方向右側に位置する曲がり終点EC3から横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第3光ファイバbに繋がる。
【0052】
さらに、上側第3渡り線ブロックUCB3の外側から2番目の第2渡り線部gcは、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第2光ファイバ直線部gの左側端から横方向左側に延び、円弧状に湾曲して第1光渡り線部rcの内側(右側)且つ第3渡り線部bcの外側(左側)で縦方向他方側に延び、第1及び第3渡り線部の曲がり始点BC1,BC3よりも、縦方向他方側に位置する曲がり始点BC2から、第1及び第3渡り線部rc,bcと異なる曲率半径R2(R2<R1)で湾曲する。そうして、第2渡り線部のコーナー部C2は、第1及び第3渡り線部の交差点cp13以外の点cp12で第1光渡り線部のコーナー部C1と交差した後、交差点cp12及びcp13以外の点cp23で第3光渡り線部のコーナー部C3と交差する。その後、第2渡り線部gcは、第1及び第3渡り線部の曲がり終点EC1,EC3よりも横方向左側に位置する曲がり終点EC2から横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第2光ファイバ直線部gに繋がる。
【0053】
このように、第1渡り線部rcと第3渡り線部bcとの曲がり始点及び終点をずらすとともに、第2渡り線部gcの曲率半径を、第1及び第3渡り線部rc,bcの曲率半径と異ならせることで、第1〜第3渡り線部のコーナー部C1,C2,C3を交差させつつ、3本の渡り線部が同一点で重なり合うのが回避されることから、漏洩や座屈の発生を抑えながら複数の光ファイバを所定の順序で配列することが可能となる。
【0054】
−光ファイバの配列構造体の製造方法−
図8は、ファイバ布線装置の概略斜視図である。このファイバ布線装置7は、基台9上に設けられた可動ステージ11と、基台9の縁より上方に設けられた支持部材13と、当該支持部材13の先端に取り付けられている布線ヘッド15とを備えている。可動ステージ11は、第1直線移動ステージ17と第2直線移動ステージ23とを備えている。
【0055】
第1直線移動ステージ17は、基台9上に固定された第1固定部材21と、この第1固定部材21の上側に設けられた第1移動台19とを有していて、第1移動台19は第1固定部材21に対して不図示のモータにより、図のY方向に相対的に往復運動するようになっている。
【0056】
第2直線移動ステージ23は、第1移動台19上に固定された第2固定部材27と、この第2固定部材27の上側に設けられた第2移動台25とを有していて、第2移動台25は第2固定部材27に対して不図示のモータにより、図のX方向に相対的に往復運動するようになっている。第2移動台25の上面は、プラスティック基材29を着脱自在に取り付けることができるように構成されている。
【0057】
布線ヘッド15は、内部にファイバボビンを供給手段(図示せず)として備えている。この供給手段と一体に布線ヘッド15は、プラスティック基材29面に対して垂直な軸回りに不図示のモータにより回転する。当該布線ヘッド15の下面には、ファイバ供給口31が設けられている。ファイバボビンに巻き取られている光ファイバRは、当該ファイバ供給口31から送り出されてプラスティック基材29上に布線される。
【0058】
そうして、複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体1を製造する際には、先ず、プラスティック基材29を第2移動台25の上面に取り付け、当該プラスティック基材29の上面に、光ファイバを止着するために接着剤を塗布して、接着層を形成する。
【0059】
次いで、ファイバ供給口31から接着層に光ファイバを供給する。このとき、可動ステージ11を水平面内で動かすことにより、光ファイバを17回(複数回)に亘って周回させて、プラスティック基材29上に、図6に示すように、有効領域内で平行に配列された68本の第1光ファイバ直線部r,r,…、及び、有効領域外で当該第1光ファイバ直線部同士r,rを繋ぐように形成された第1渡り線部rc,rc,…を有する第1の光ファイバRを布線する。
【0060】
次いで、図9(a)に示すように、光ファイバを、プラスティック基材29上で第1光ファイバ直線部同士r,rの間を縫うように、斜線入り矢印の方向から白抜き矢印の方向に17回に亘って周回させることで、有効領域内で第1光ファイバ直線部rと同数且つ平行に配列された第2光ファイバ直線部g,g,…、及び、有効領域外で当該第2光ファイバ直線部同士g,gを繋ぐとともに、合い隣接する第1光ファイバの渡り線部rc,rc,…と交差するように形成された第2渡り線部gc,gc,…を有する第2光ファイバGを布線する。
【0061】
さらに、図9(b)に示すように、光ファイバを、プラスティック基材29上で、第1及び第2光ファイバ直線部r,gの間を縫うように、より具体的には、第m群(mは16以下の整数)の第2光ファイバ直線部gと第m+1群の第1光ファイバ直線部rとの間を縫うように、斜線入り矢印の方向から白抜き矢印の方向に17回に亘って周回させることで、有効領域内で縦方向に第1〜第3の順序で並ぶように第1光ファイバ直線部r,r,…と同数且つ平行に配列された第3光ファイバ直線部b,b,…、及び、有効領域外で当該第3光ファイバ直線部同士b,bを繋ぐとともに、3本の渡り線部rc,gc,bcが有効領域外の同一点で重なり合わず且つ同じファイバ群と繋がれる第1及び第2渡り線部rc,gcと交差するように形成された第3渡り線部bc,bc,…を有する第3光ファイバBを布線する。
【0062】
そうして、図2に示すような第1光ファイバ層3を形成した後、第1光ファイバ層3と同じ要領で、第2光ファイバ層5を形成するが、第2光ファイバ層5は、その光ファイバブロックUB1,UB2,…が第1光ファイバ層3の所定間隔sをあけて配列された光ファイバブロックLB1,LB2,…の間に配置されるように形成する。
【0063】
−効果−
本実施形態によれば、一の光ファイバブロックLB1,LB2,…の光ファイバ群G1,G2,…に含まれる第1〜第3光ファイバ直線部r,g,bが、他の光ファイバブロックLB1,LB2,…の光ファイバ群G1,G2,…に含まれる第1〜第3光ファイバ直線部r,g,bと、有効領域外で光ファイバからなる渡り線部rc,gc,bc,…によって繋がれているので、1つの光源によって複数の群に跨って配置される光ファイバ直線部r,g,b,…に光を入射することが可能となる。したがって、光ファイバ直線部r,g,b,…の光源を確実に減少させることができる。
【0064】
また、同じファイバ群と繋がれる渡り線部のうち第1及び第3渡り線部のコーナー部C1,C3だけが同じ曲率半径R1を有しているので、R1よりも小さい曲率半径R2のコーナー部を有する第2渡り線部gcは、第1渡り線部rcと第3渡り線部bcとの交差点cp13とは異なる点cp12,cp23で第1及び第3渡り線部rc,bcと交差するので、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合うことはない。このように、同じファイバ群と繋がれる第1〜第3渡り線部rc,gc,bcの曲率半径を異ならせるという簡単な構成で、3本以上の渡り線部を同一点で重なり合わないように配列することが可能となる。よって、漏洩や座屈の発生を抑えつつ、複数の光ファイバ直線部r,g,b,…を所定の順序で配列することができる。
【0065】
さらに、各光ファイバ層3,5は、光ファイバブロックLB1,UB1,…が所定間隔sをあけて複数配列されることで形成されている。このように光ファイバブロックLB1,UB1,…の間に所定間隔sを設けることにより、第1〜第3渡り線部のコーナー部C1,C2,C3の曲率半径を大きくすることができるので、曲げによる渡り線部rc,gc,bcの損傷を抑えることができる。
【0066】
また、光ファイバの配列構造体1は、第1光ファイバ層3の光ファイバブロックLB1,LB2,…が第2光ファイバ層5の所定間隔sをあけて配列された光ファイバブロックUB1,UB2,…の間に配置されるように、各層3,5を重ねることで形成されているので、光ファイバブロックLB1,UB1,…の間に所定間隔sを設けた場合でも、光ファイバ群G1,G2,…を等間隔に配列することができる。
【0067】
(実施形態2)
本実施形態は、第1及び第2渡り線部rc,gcに対する第3渡り線部bcの交差のさせ方が、実施形態1と異なるものである。以下、実施形態1と異なる点について説明する。
【0068】
上記実施形態1では、光ファイバブロック間で光ファイバ群内の第1〜第3光ファイバ光ファイバ直線部r,g,b,…の並び順が逆転するのを防ぐために、第2渡り線部のコーナー部C2を、第1及び第3渡り線部の交差点cp13以外の点で、第1渡り線部のコーナー部C1及び第3渡り線部のコーナー部C3と交差させたが、本実施形態では、同じファイバ群と繋がれる渡り線部のうち第1及び第2渡り線部rc,gcは、各々のコーナー部C1,C2で交差する一方、第3渡り線部bcは第1及び第2渡り線部rc,gcとコーナー部で交差しておらず、且つ、各光ファイバブロックLB1,UB1,…における縦方向他方側端に位置する第3光ファイバ直線部同士b,bが、有効領域外で他の渡り線部rc,gc,bc,…と略直交するように交差する渡り線部bc’によって繋がれている。
【0069】
より詳しくは、第2光ファイバ層5を例にとると、図10に示すように、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第1光ファイバ直線部rに繋がれる、第1渡り線部rc(上側第3渡り線ブロックUCB3の横方向左側から1番目)は、有効領域を出た後横方向左側に延びてから円弧状に湾曲して縦方向他方側に延び、最小曲げ半径以上の曲率半径R1で湾曲(円弧状コーナー部C1を形成)した後、横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第1光ファイバrに繋がる。
【0070】
また、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第2光ファイバ直線部gに繋がれる第2渡り線部gc(上側第3渡り線ブロックUCB3の横方向左側から2番目)は、有効領域を出た後横方向左側に延びてから円弧状に湾曲して第1渡り線部rcの内側(右側)で縦方向他方側に延び、最小曲げ半径以上の曲率半径R2で湾曲し、そのコーナー部C2が、第1渡り線部のコーナー部C1と点cp12で交差した後、横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第2光ファイバ直線部gに繋がる。
【0071】
さらに、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第3光ファイバ直線部bに繋がれる第3渡り線部bc(上側第3渡り線ブロックUCB3の横方向左側から3番目)は、有効領域を出た後横方向左側に延びてから円弧状に湾曲して第2渡り線部gcの内側(右側)で縦方向他方側に延び、最小曲げ半径以上の曲率半径で湾曲し、第1及び第2渡り線部rc,gcと交差することなく横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第16群G16の第3光ファイバ直線部bに繋がる。
【0072】
そうして、上側第3光ファイバブロックUB3の第17群G17の第3光ファイバ直線部bと、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第3光ファイバ直線部bとは、有効領域外で上側第4光ファイバブロックUB4の1番〜50番までの渡り線部rc,gc,bc,…と略直交するように交差する渡り線部bc’によって繋がれている。
【0073】
つまり、本実施形態では、各光ファイバ群の第1〜第3渡り線部rc,gc,bcをコーナー部C1,C2,C3で交差させることにより、各光ファイバ群内で並び順を修正するのではなく、第3渡り線部bcをそのコーナー部C3で交差させずに、隣接する光ファイバ群に取り込ませるとともに、上側第3及び第4光ファイバブロックUB3,UB4の縦方向他方側端に位置する第3光ファイバ直線部同士b,bを繋げることで、上側第4光ファイバブロックUB4内の並び順を修正するようにしている。
【0074】
−効果−
本実施形態によれば、第3渡り線部bcは第1及び第2渡り線部rc,gcとコーナー部C3で交差しておらず、且つ、上側第3及び第4光ファイバブロックUB3,UB4の縦方向他方側端に位置する第3光ファイバ直線部同士b,bが、有効領域外で他の渡り線部rc,gc,bc,…と略直交するように交差する渡り線部bc’によって繋がれていることから、複数の光ファイバ直線部r,g,b,…を所定の順序で配列しつつ、平行に近い浅い角度で渡り線部同士が交差する点が少なくなり、座屈発生のリスクが逓減されるとともに、(交差角度が鋭角なため)設計通りに交差させることが困難な箇所が減るので、製造歩留を向上させることができる。
【0075】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0076】
上記各実施形態では、光ファイバとして、プラスティックコアとプラスティッククラッドとを備えるプラスティックファイバを用いたが、これに限らず、例えば、ガラスコアとガラスクラッドと外被とを備えるガラスファイバや、ガラスコアとプラスティッククラッドとを備えるガラスファイバを用いてもよい。
【0077】
また、上記各実施形態では、光ファイバブロックを1つ置きに渡り線ブロックで繋ぐようにしたが、これに限らず、図11及び図12に示す形態で光ファイバブロックを繋いでもよい。なお、図11及び図12では、図を見易くするために、1本1本の光ファイバを示す線を省略するとともに、実際は繋がっている光ファイバブロックと渡り線ブロックとを離間して示している。さらに、第1光ファイバ層3にはハッチングを施している。
【0078】
すなわち、図11に示すように、光ファイバブロックLB,UB,…を2つ置きに繋ぐ渡り線ブロックLCB,UCB,…を設けてもよい。また、図12に示すように、光ファイバブロックLB,UB,…を1つ置き及び2つ置きに渡り線ブロックLCB,UCB,…で繋ぐようにしてもよい。
【0079】
なお、第1光ファイバ層の光ファイバブロックLBが第2光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックUBの間に配置されるように各層を重ねものではないが、図13に示すように、2つ置きに渡り線ブロックLCB,UCB,…で繋いだ光ファイバブロックLB,UB,…を縦方向一方側と他方側に分けて配置してもよい。
【0080】
また、上記各実施形態では、光ファイバの配列構造体1を面状発光体として用いたが、これに限らず、例えば、光を受光する面状受光体として用いてもよい。
【0081】
さらに、上記各実施形態では、第1〜第3の3本の光ファイバで光ファイバ群を構成したが、これに限らず、例えば、異なる色の光が入射される4本以上の光ファイバで光ファイバ群を構成してもよい。
【0082】
また、上記各実施形態では、第1〜第3の3本の光ファイバ直線部r,g,bで光ファイバ群を構成したが、これに限らず、例えば、異なる色の光が入射される4本以上の光ファイバ直線部で光ファイバ群を構成してもよい。
【0083】
さらに、上記各実施形態では、光ファイバ直線部r,g,b及び渡り線部rc,gc,bcを1本の光ファイバR,G,Bで形成したが、光ファイバ直線部r,g,bと渡り線部rc,gc,bcとを別体としてもよい。
【0084】
また、上記各実施形態では、第1及び第3渡り線部のコーナー部C1,C3を同じ曲率半径にしたが、これに限らず、第1〜第3渡り線部rc,gc,bcのコーナー部C1,C2,C3の曲率半径を全て異なる曲率半径としてもよい。
【0085】
さらに、上記各実施形態では、第1〜第3光ファイバ直線部r,g,bに異なる色の光を入射したが、これに限らず、例えば、第1〜第3の光ファイバにそれぞれ異なる波長変換機能を持たせて、同じ色の光を入射することで、それぞれ異なる色の光を発光させるようにしてもよい。
【0086】
また、上記各実施形態では、光ファイバ群G1,G2,…,G17を有効領域内で等間隔且つ平行に配列するとともに各光ファイバ群G1,G2,…における第1〜第3光ファイバr,g,bを縦方向に等間隔且つ平行に配列したが、光ファイバ群G1,G2,…,G17を等間隔に配列するのであれば、これに限らず、各光ファイバ群G1,G2,…における第1〜第3光ファイバr,g,bの縦方向の間隔を区々にしてもよい。
【0087】
さらに、上記各実施形態では、第1光ファイバ直線部rには赤色光を、第2光ファイバ直線部gには緑色光を、第3光ファイバ直線部bには青色光をそれぞれ入射させたが、これに限らず、例えば、第1〜第3の光ファイバと赤色光、緑色光及び青色光との組合せを変えてもよいし、第1〜第3の光ファイバにこれら3色と一部又は全部色の異なる光を入射させるようにしてもよい。
【0088】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上説明したように、本発明は、複数の光ファイバを面状をなすように平行に配列した光ファイバの配列構造体及びその製造方法等について有用である。
【符号の説明】
【0090】
1 配列構造体
3 第1光ファイバ層(光ファイバ層)
5 第2光ファイバ層(光ファイバ層)
7 ファイバ布線装置
29 プラスティック基材(配線基材)
31 ファイバ供給口
LB1 下側第1光ファイバブロック
LB2 下側第2光ファイバブロック
LB3 下側第3光ファイバブロック
LB4 下側第4光ファイバブロック
UB1 上側第1光ファイバブロック
UB2 上側第2光ファイバブロック
UB3 上側第3光ファイバブロック
UB4 上側第4光ファイバブロック
r 第1光ファイバ直線部(光ファイバ)(直線部)
g 第2光ファイバ直線部(光ファイバ)(直線部)
b 第3光ファイバ直線部(光ファイバ)(直線部)
rc 第1渡り線部
gc 第2渡り線部
bc 第3渡り線部
bc’ 第3渡り線部
G1〜G17 光ファイバ群
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、光ファイバの端面から入射させた光を、光ファイバの側面から漏洩させて、当該光ファイバをこの側面漏光を用いた線状発光体として、イルミネーション等の照明装飾に用いることが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、スペーサ用線状体と、このスペーサ用線状体の外周周回方向に捩られて最密状態に配置された複数本の光ファイバと、この光ファイバの外周に密着被覆された前記光ファイバのクラッド部よりも屈曲率の大きい透明樹脂からなる透明樹脂被覆層とから、側面漏光性光ファイバコードを構成することによって、側面漏光を均一化するようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−270630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のもののように、光ファイバ束の側面漏光を用いた光ファイバコードは、形状に自由度はあるものの、線状発光体として用いられるに過ぎず、大きな発光面を要する面上照明装置等に用いることが困難である。
【0006】
ここで、例えば、光ファイバを平面上で平行に複数配列すれば、大きな発光面を有する面状発光体等を得ることが可能となるが、このような単に光ファイバを複数配列したものでは、光ファイバの本数に応じた光源が必要となるという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体において、光源の増大を抑える技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体であって、所定の順序で平行に配列された第1〜第n(nは、n≧3を満たす整数)の光ファイバからなる光ファイバ群が、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列されており、一の光ファイバ群に含まれる第1〜第nの光ファイバが、他の光ファイバ群に含まれる対応する第1〜第nの光ファイバと、有効領域外で光ファイバからなる第1〜第nの渡り線部によって繋がれる光ファイバ群の組が、少なくとも一組存在していることを特徴とするものである。
【0009】
第1の発明によれば、一の光ファイバ群に含まれる第1〜第nの光ファイバが、他の光ファイバ群に含まれる対応する第1〜第nの光ファイバと、有効領域外で第1〜第nの渡り線部によって繋がれる光ファイバ群の組が、少なくとも一組存在しているので、1つの光源によって複数の群に跨る光ファイバに光を入射することが可能となる。したがって、光ファイバの光源を確実に減少させることができる。
【0010】
なお、本発明において「有効領域」とは、光ファイバの配列構造体の用途に応じて実質的に面光源等として用いられる領域を意味する。また、「対応する第1〜第nの光ファイバ」とは、一の光ファイバ群に含まれる第k(kは、1≦k≦nを満たす整数)の光ファイバに対しては、他の光ファイバ群に含まれる第kの光ファイバを意味する。
【0011】
第2の発明は、上記第1の発明において、同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第nの渡り線部は、互いに交差するとともに、3本以上の当該渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように配列されていることを特徴とするものである。
【0012】
ところで、一の光ファイバ群に含まれる、所定の順序で配列された第1〜第nの光ファイバと、他の光ファイバ群に含まれる、所定の順序で配列された第1〜第nの光ファイバとを、第1〜第nの渡り線部で繋ぐ場合、以下のような問題がある。
【0013】
すなわち、例えば図14(a)に示すように、第1〜第3の光ファイバ101,102,103の渡り線部101c,102c,103cを、有効領域外で平面的に曲げる(例えば、オフセットした関係で配列する)だけでは、有効領域内における光ファイバの順序が逆転するという問題がある。
【0014】
有効領域外の部分を大きくし過ぎることなく、このような問題を解決するために、図14(b)に示すように、光ファイバ101,102,103を渡り線部部101c,102c,103cで捩ることで、有効領域内における光ファイバ101,102,103の順序が逆転するのを防ぐことも考えられるが、このように光ファイバからなる渡り線部部101c,102c,103cを強く曲げ(捩り)過ぎると、有効領域外にある渡り線部部101c,102c,103cからの漏洩が激しくなるおそれがあるとともに、3本の渡り線部部101c,102c,103cが同一点cpで重なり合うと、座屈発生の可能性が高くなるという問題がある。
【0015】
ここで、第2の発明によれば、同じファイバ群と繋がれる第1〜第nの渡り線部は、互いに交差するので光ファイバの順序が逆転するのを抑えることができる。さらに、当該第1〜第nの渡り線部は、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように配列されているので、漏洩や座屈の発生を抑えることができる。
【0016】
第3の発明は、上記第2の発明において、上記各渡り線部には、曲率半径が最小曲げ半径以上の円弧状コーナー部が形成されており、同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第nの渡り線部は、各々のコーナー部又は当該コーナー部近傍で交差するとともに、当該第1〜第nの渡り線部のうち同じ曲率半径のコーナー部を有する渡り線部は多くとも1組であることを特徴とするものである。
【0017】
第3の発明によれば、同じファイバ群と繋がれる第1〜第nの渡り線部のコーナー部の曲率半径が全て異なる場合には、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合うことはない。また、同じファイバ群と繋がれる渡り線部のうち同じ曲率半径のコーナー部を有する渡り線部が1組ある場合には、他の渡り線部は、当該同じ曲率半径を有する渡り線部同士の交差点よりも、外側又は内側でこれらの渡り線部と交差するので、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合うことはない。このように、同じファイバ群と繋がれる渡り線部のコーナー部の曲率半径を異ならせるという簡単な構成で、3本以上の渡り線部が同一点で重なり合わないように配列することが可能となる。
【0018】
第4の発明は、上記第1〜3のいずれか1つの発明において、互いに平行に複数配列される、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列された上記光ファイバ群からなる光ファイバブロックと、異なる光ファイバブロック間の対応する光ファイバ同士を繋ぐ渡り線部とを有し、当該各光ファイバブロックに含まれる光ファイバとこれらを繋ぐ当該渡り線部とが周回形状をなし、且つ、同じ渡り線部によって繋がれる当該光ファイバブロックのうち少なくとも一組が所定間隔をあけて配列された光ファイバ層を複数備え、一の光ファイバ層の光ファイバブロックが他の光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックの間に配置されるように、各層を重ねることで形成されていることを特徴とするものである。
【0019】
第4の発明では、各光ファイバ層には、所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックが少なくとも一組存在している。このように光ファイバブロックの間に所定間隔を設けることにより、渡り線部のコーナー部の曲率半径を大きくすることができるので、曲げによる渡り線部(光ファイバ)の損傷を抑えることができる。
【0020】
また、光ファイバの配列構造体は、一の光ファイバ層の光ファイバブロックが他の光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックの間に配置されるように、各層を重ねることで形成されているので、光ファイバブロックの間に所定間隔を設けた場合でも、光ファイバ群を等間隔に配列することができる。
【0021】
なお、本発明において「周回」とは、一の光ファイバブロックに含まれる光ファイバ、当該光ファイバに一端が繋がれる渡り線部、当該渡り線部の他端に繋がれる他の光ファイバブロックに含まれる光ファイバ、…というふうに、連続する光ファイバと渡り線部とを交互に巡ることをいう。また、「周回形状」とは、光ファイバの「周回」によって描かれる経路を1周毎にオフセットさせるようにずらしながら、「周回」を複数回繰り返すことにより、一筆書きで描かれたように形成された形状をいう。
【0022】
第5の発明は、上記第1の発明において、上記光ファイバ群は、所定の順序で配列された第1〜第3の光ファイバからなり、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列された上記光ファイバ群からなる光ファイバブロックが平行に複数配列され、且つ、異なる光ファイバブロック間の対応する光ファイバが渡り線部で繋がれており、
同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第3の渡り線部のうち、第1及び第2の渡り線部は互いに交差する一方、第3の渡り線部は第1及び第2の渡り線部と交差しておらず、且つ、各光ファイバブロックにおける光ファイバ配列方向の端に位置する第3の光ファイバ同士が、有効領域外で他の渡り線部と略直交するように交差する渡り線部によって繋がれていることを特徴とするものである。
【0023】
第5の発明によれば、第3の渡り線部は第1及び第2の渡り線部と交差しておらず、且つ、各光ファイバブロックにおける光ファイバ配列方向の端に位置する第3の光ファイバ同士が、有効領域外で他の光ファイバと略直交するように交差する渡り線部によって繋がれることから、複数の光ファイバを所定の順序で配列しつつ、平行に近い浅い角度で光ファイバ同士が交差する点が少なくなり、座屈発生のリスクが逓減されるとともに、(交差角度が鋭角なため)設計通りに交差させることが困難な箇所が減るので、製造歩留を向上させることができる。
【0024】
第6の発明は、上記第5の発明において、上記光ファイバブロックと上記渡り線部とを有し、当該各光ファイバブロックに含まれる光ファイバとこれらを繋ぐ当該渡り線部とが周回形状をなし、且つ、同じ渡り線部が繋がれる当該光ファイバブロックのうち少なくとも一組が所定間隔をあけて配列された光ファイバ層を複数備え、一の光ファイバ層の光ファイバブロックが他の光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックの間に配置されるように、各層を重ねることで形成されていることを特徴とするものである。
【0025】
第6の発明によれば、上記第4の発明と同様の効果を得ることができる。
【0026】
第7の発明は、複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体の製造方法であって、光ファイバを供給するファイバ供給口を有し、当該ファイバ供給口とそれに対向する配線基材とを相対移動させることにより当該配線基材上に光ファイバを布線するファイバ布線装置を用意し、上記配線基材に接着剤を塗布する工程と、上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを上記配線基材上で複数回に亘って周回させることで、有効領域内で平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部を繋ぐように形成された渡り線部を有する第1の光ファイバを布線する工程と、上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを、上記配線基材上で上記第1光ファイバ同士の間を縫うように複数回に亘って周回させることで、有効領域内で上記第1の光ファイバの直線部と同数且つ平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部同士を繋ぐとともに、合い隣接する第1の光ファイバの渡り線部と交差するように形成された渡り線部を有する第2の光ファイバを布線する工程と、上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを上記配線基材上で複数回に亘って周回させることで、有効領域内で光ファイバ配列方向に第1〜第n(nは、n≧3を満たす整数)の順序で並ぶように上記第1の光ファイバの直線部と同数且つ平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部同士を繋ぐとともに、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように形成された渡り線部を有する第nの光ファイバを布線する工程と、を含むことを特徴とするものである。
【0027】
第7の発明によれば、1つの光源によって複数の群に跨る光ファイバに光を入射することが可能となり、光ファイバの光源を減少させることができるとともに、各渡り線部は、3つ以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように配列されているので、漏洩や座屈の発生を抑えることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る光ファイバの配列構造体によれば、一の光ファイバ群に含まれる第1〜第nの光ファイバが、他の光ファイバ群に含まれる対応する第1〜第nの光ファイバと、有効領域外で第1〜第nの渡り線部によって繋がれる光ファイバ群の組が、少なくとも一組存在しているので、1つの光源によって複数の群に跨る光ファイバに光が入射されることから、光ファイバの光源を確実に減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施形態1に係る光ファイバの配列構造体を示す平面図である。
【図2】第1光ファイバ層を示す平面図である。
【図3】第2光ファイバ層を示す平面図である。
【図4】図2のA部の拡大図である。
【図5】図3のB部の拡大図である。
【図6】第1光ファイバ層の第1光ファイバを示す平面図である。
【図7】第2光ファイバ層のコーナー部を示す拡大図である。
【図8】ファイバ布線装置の概略斜視図である。
【図9】光ファイバの配列構造体の製造手順を模式的に説明する図である。
【図10】実施形態2に係る光ファイバの配列構造体の第2光ファイバ層のコーナー部を示す拡大図である。
【図11】光ファイバの配列構造体を示す平面図である。
【図12】光ファイバの配列構造体を示す平面図である。
【図13】光ファイバの配列構造体の参考例を示す平面図である。
【図14】従来のコーナー部を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
(実施形態1)
−光ファイバの配列構造体−
図1は、本実施形態に係る光ファイバの配列構造体を示す平面図であり、図2は、第1光ファイバ層を示す平面図であり、図3は、第2光ファイバ層を示す平面図である。なお、図1〜図3では、図を見易くするために、1本1本の光ファイバを示す線を省略している。また、図1〜図3は平面図であるが、図を見易くするために、第1光ファイバ層3及び第2光ファイバ層5にはそれぞれ異なるハッチングを施している。光ファイバの配列構造体1は、プラスティック基材(配線基材)に接着剤を塗布し、当該プラスティック基材上に、光ファイバとしてプラスティックコアとプラスティッククラッドとを備えるプラスティックファイバを布設したものである。なお、光ファイバの布設が完了した後、光ファイバの配列構造が維持できる状態になれば、プラスティック基材は不要となる。
【0032】
この光ファイバの配列構造体1は、有効領域内において、複数の光ファイバを面状をなすように配列したものであり、第1光ファイバ層(光ファイバ層)3と、第2光ファイバ層(光ファイバ層)5とを備えている。
【0033】
第1光ファイバ層3(下層)は、図2に示すように、有効領域内において、所定間隔sをあけて配列される第1〜第4の4つの下側光ファイバブロックLB1,LB2,LB3,LB4と、下側第1光ファイバブロックLB1と下側第2光ファイバブロックLB2とを有効領域外で繋ぐ下側第1渡り線ブロックLCB1と、下側第2光ファイバブロックLB2と下側第3光ファイバブロックLB3とを有効領域外で繋ぐ下側第2渡り線ブロックLCB2と、下側第3光ファイバブロックLB3と下側第4光ファイバブロックLB4とを有効領域外で繋ぐ下側第3渡り線ブロックLCB3と、下側第1光ファイバブロックLB1と下側第4光ファイバブロックLB4とを有効領域外で繋ぐ下側第4渡り線ブロックLCB4とを備えている。
【0034】
一方、第2光ファイバ層5(上層)は、図3に示すように、有効領域内において、所定間隔sをあけて配列される第1〜第4の4つの上側光ファイバブロックUB1,UB2,UB3,UB4と、上側第1光ファイバブロックUB1と上側第2光ファイバブロックUB2とを有効領域外で繋ぐ上側第1渡り線ブロックUCB1と、上側第2光ファイバブロックUB2と上側第3光ファイバブロックUB3とを有効領域外で繋ぐ上側第2渡り線ブロックUCB2と、上側第3光ファイバブロックUB3と上側第4光ファイバブロックUB4とを有効領域外で繋ぐ上側第3渡り線ブロックUCB3と、上側第1光ファイバブロックUB1と上側第4光ファイバブロックUB4とを有効領域外で繋ぐ上側第4渡り線ブロックUCB4とを備えている。
【0035】
各光ファイバブロックLB1,UB1,…は、例えば図4に示すように、第1光ファイバ直線部r(二点鎖線)、第2光ファイバ直線部g(実線)、第3光ファイバ直線部b(一点鎖線)の順序(所定の順序)で配列された3本の光ファイバ直線部(光ファイバ)r,g,bからなる光ファイバ群G1,G2,…,G17が、有効領域内で等間隔且つ平行に17群配列されることで構成されている。このように、各光ファイバブロックLB1,UB1,…は、光ファイバ配列方向(以下、縦方向という)と直角な方向(以下、横方向という)に延びる51本(3本×17群)の光ファイバ直線部r,g,b,…が、全体として長方形状をなすように配列されることで形成されている。
【0036】
なお、光ファイバ群G1,G2,…,G17が等間隔に配列されるとは、各光ファイバ群G1,G2,…の横方向に延びる中心線の間隔が均一となるように配列されていることを意味する。また、図4では例として下側第1光ファイバブロックLB1の拡大図を示したが、いずれの光ファイバブロックLB1,UB1,…においても、光ファイバ直線部及び光ファイバ群は、縦方向一方側から他方側に向かって昇順に並んでいる。
【0037】
これに対し、各渡り線ブロックUCB1,…は、図5に示すように、各光ファイバブロック間(上側第1光ファイバブロックUB1と上側第2光ファイバブロックUB2)で対応する光ファイバ同士を繋ぐように、第1〜第3渡り線部rc,gc,bcが17群配列された51本の渡り線部rc,gc,bc,…によって形成されている。より詳しくは、各渡り線ブロックLCB1,UCB1,…は、縦方向に延びる直線部UCB1aと、当該直線部UCB1aの一方側及び他方側でそれぞれ横方向に延びる接続部UCB1b,UCB1cと、当該直線部UCB1aと各接続部UCB1b,UCB1cとを繋ぐ円弧部UCB1d,UCB1eとを有する略コ字状をなすように形成されている。なお、図5では例として上側第1渡り線ブロックUCB1を示したが、他の渡り線ブロックLCB2,UCB1,…もほぼ同様に略コ字状をなしている。
【0038】
そうして、例えば、上側第1渡り線ブロックUCB1の横方向左側から3番目の第3渡り線部bcは、上側第1光ファイバブロックUB1の縦方向一方側から3番目の光ファイバ直線部(第1群G1の第3光ファイバ直線部b)の左側端から横方向左側に延び、円弧状に湾曲した後縦方向他方側に延び、再び円弧状に湾曲した後横方向右方向に延びて上側第2光ファイバブロックUB2の一方側から51番目の光ファイバ直線部(第17群G17の第3光ファイバ直線部b)と繋がっている。
【0039】
上記各光ファイバ群G1,G2,…は、上述の如く、第1〜第3の順序で配列された3本の光ファイバ直線部r,g,bからなり、これら第1〜第3光ファイバ直線部r,g,bは、有効領域内で縦方向に等間隔且つ平行に配列されている。また、第1光ファイバ直線部rには赤色光が、第2光ファイバ直線部gには緑色光が、第3光ファイバ直線部bには青色光がそれぞれ入射されるようになっている。
【0040】
そうして、ある光ファイバ群(縦方向一方側)の第3光ファイバ直線部bと隣の光ファイバ群(縦方向他方側)の第1光ファイバ直線部rとの間隔は、各光ファイバ群G1,G2,…における第1光ファイバ直線部rと第2光ファイバ直線部gとの(第2光ファイバ直線部gと第3光ファイバ直線部bとの)間隔と同じに設定されているので、各光ファイバブロックLB1,UB1,…においては、51本の光ファイバ直線部r,g,b,…が等間隔で第1(赤色)、第2(緑色)、第3(青色)の順に並ぶことになる。
【0041】
また、各渡り線部rc,gc,bc,…と、有効領域外で当該渡り線部rc,gc,bc,…によって繋がれる各光ファイバブロックの光ファイバ直線部r,g,b,…とは、単一の光ファイバR,G,Bによって形成されている。より詳しくは、例えば、第1光ファイバ層3の赤色光が入射される第1光ファイバ直線部r,r,…は、図6に示すように、1本の光ファイバRを複数回に亘って周回させることで形成された周回形状を有している。
【0042】
ここで、「周回」とは、例えば第1光ファイバ層3を例に採ると、始点Sから延びた光ファイバRが、下側第1光ファイバブロックLB1、下側第1渡り線ブロックLCB1、下側第2光ファイバブロックLB2、下側第2渡り線ブロックLCB2、下側第3光ファイバブロックLB3、下側第3渡り線ブロックLCB3、下側第4光ファイバブロックLB4、下側第4渡り線ブロックLCB4の順に巡ることをいう。換言すると、「周回」とは、ある光ファイバ直線部、当該光ファイバ直線部に一端が繋がれる渡り線部、当該渡り線部の他端に繋がれる光ファイバ直線部、…というふうに、連続する光ファイバ直線部と渡り線部とを交互に巡ることをいう。また、「周回形状」とは、光ファイバの「周回」によって描かれる経路を1周毎にオフセットさせるようにずらしながら、「周回」を複数回繰り返すことにより、一筆書きで描かれたように形成された形状をいう。
【0043】
そうして、周回を17回繰り返すことにより、図6に示すような第1光ファイバ層3の第1光ファイバRが形成され、当該第1光ファイバRに1箇所(例えば始点S)から赤色光を入射すれば、第1光ファイバ層3の第1光ファイバ直線部r,r,…全てが赤色の側面漏光を示すことになる。同様に、第1光ファイバ層3の緑色光が入射される第2光ファイバ直線部g,g,…及び青色光が入射される第3光ファイバ直線部b,b,…も、1本の光ファイバG,Bを複数回に亘って周回させることで形成されている。
【0044】
つまり、第1光ファイバ層3は、有効領域内で光ファイバブロックLB1,LB2,LB3,LB4が所定間隔sをあけて4つ配列されるとともに、異なる光ファイバブロック間の対応する光ファイバ直線部(第1光ファイバ直線部同士r,r、第2光ファイバ直線部同士g,g、第3光ファイバ直線部同士b,b)r,g,b,…を渡り線部rc,gc,bc,…で繋ぐように、光ファイバR,G,Bを17回ずつ周回させることによって形成されている。また、第2光ファイバ層5は、第1光ファイバ層3の第3光ファイバBの終端から延びる光ファイバR(G,B)を、第1光ファイバ層3と同様に、周回させることによって形成されている。
【0045】
第1光ファイバ層3の各下側光ファイバブロックLB1,LB2,…は、当該下側光ファイバブロック間に第2光ファイバ層5の上側光ファイバブロックUB1,UB2,…が収まるような所定間隔sをあけて配列される一方、第2光ファイバ層5の各上側光ファイバブロックUB1,UB2,…は、当該上側光ファイバブロック間に第1光ファイバ層3の下側光ファイバブロックLB1,LB2,…が収まるような所定間隔sをあけて配列されている。
【0046】
そうして、例えば、第1光ファイバ層3の下側第1光ファイバブロックLB1と下側第2光ファイバブロックLB2との間に、第2光ファイバ層5の上側第1光ファイバブロックUB1が収まった状態では、下側第1光ファイバブロックLB1の第17群G17の第3光ファイバ直線部bと上側第1光ファイバブロックUB1の第1群G1の第1光ファイバ直線部rとの間隔、及び、下側第2光ファイバブロックLB2の第1群G1の第1光ファイバ直線部rと上側第1光ファイバブロックUB1の第17群G17の第3光ファイバ直線部bとの間隔は、ともに各光ファイバ群G1,G2,…における第1光ファイバ直線部rと第2光ファイバ直線部gとの(第2光ファイバ直線部gと第3光ファイバ直線部bとの)間隔と同じに設定されている。
【0047】
すなわち、第1光ファイバ層3(一の光ファイバ層)の下側光ファイバブロックLB1,LB2,…が第2光ファイバ層5(他の光ファイバ層)の所定間隔sをあけて配列された上側光ファイバブロックUB1,UB2,…の間に配置されるように、各層3,5を重ねることで形成される本実施形態の光ファイバの配列構造体1においては、408本(3本×17群×4ブロック×2層)の光ファイバ直線部r,g,b,…が等間隔で並ぶことになる。これにより、例えば図1の右側端且つ一方側端において下側第4渡り線ブロックLCB4から横方向右側に延びる3本の光ファイバR,G,Bを切断し、当該切り口から、第1光ファイバ直線部rに赤色光を、第2光ファイバ直線部gに緑色光を、第3光ファイバ直線部bに青色光をそれぞれ入射させると、当該光ファイバの配列構造体1を、例えば、大きな発光面を有する面状の照明装飾として用いることが可能となる。なお、側面漏光を積極的に生じさせるために、プラスティックコア及びプラスティッククラッドに、クロム等の光散乱物質を混入させてもよい。
【0048】
ところで、一の光ファイバ群に含まれる、所定の順序で配列された第1〜第3の光ファイバと、他の光ファイバ群に含まれる、所定の順序で配列された第1〜第3の光ファイバとを、第1〜第3の渡り線部で繋ぐ場合、各渡り線ブロックを構成する渡り線部を単にオフセットした関係で配列するだけでは、有効領域内における光ファイバの順序が逆転するという問題がある。このような問題を解決するために、光ファイバを渡り線部部で捩ることで、有効領域内における光ファイバの順序が逆転するのを防ぐことも考えられるが、このように光ファイバを強く曲げ(捩り)過ぎると、光ファイバからの漏洩が激しくなるおそれがあるとともに、3本の光ファイバが同一点で重なり合うと、座屈発生の可能性が高くなるという問題がある。
【0049】
そこで、本実施形態においては、各渡り線部rc,gc,bc,…は、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように配列されている。具体的には、第1〜第3渡り線部rc,gc,bcには、図7に示すように、それぞれ曲率半径が最小曲げ半径以上の円弧状のコーナー部C1,C2,C3が形成されている。そうして、同じファイバ群と繋がれる第1〜第3渡り線部rc,gc,bcは、各々のコーナー部C1,C2,C3で交差するとともに、同じ曲率半径を有する渡り線部は1組となるように構成されている。
【0050】
より詳しくは、第2光ファイバ層5を例に採ると、上側第3渡り線ブロックUCB3の横方向左側から1番目の第1渡り線部rcは、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第1光ファイバ直線部rの左側端から横方向左側に延び、円弧状に湾曲して縦方向他方側に延び、図7に示すように、曲がり始点BC1で最小曲げ半径以上の曲率半径R1で湾曲(コーナー部C1を形成)した後、曲がり終点EC1から横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第1光ファイバ直線部rに繋がる。
【0051】
また、上側第3渡り線ブロックUCB3の外側から3番目の第3渡り線部bcは、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第3光ファイバ直線部bの左側端から横方向左側に延び、円弧状に湾曲して第1渡り線部rcの内側(右側)で縦方向他方側に延び、第1渡り線部rcと同じく曲率半径R1で湾曲するが、その曲がり始点BC3は、第1光渡り線部rcの曲がり始点BC1よりも、縦方向他方側に位置する。そうして、第3渡り線部bcは、そのコーナー部C3が第1光渡り線部rcのコーナー部C1と互いの中央部cp13で交差した後、第1光渡り線部rcの曲がり終点EC1よりも横方向右側に位置する曲がり終点EC3から横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第3光ファイバbに繋がる。
【0052】
さらに、上側第3渡り線ブロックUCB3の外側から2番目の第2渡り線部gcは、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第2光ファイバ直線部gの左側端から横方向左側に延び、円弧状に湾曲して第1光渡り線部rcの内側(右側)且つ第3渡り線部bcの外側(左側)で縦方向他方側に延び、第1及び第3渡り線部の曲がり始点BC1,BC3よりも、縦方向他方側に位置する曲がり始点BC2から、第1及び第3渡り線部rc,bcと異なる曲率半径R2(R2<R1)で湾曲する。そうして、第2渡り線部のコーナー部C2は、第1及び第3渡り線部の交差点cp13以外の点cp12で第1光渡り線部のコーナー部C1と交差した後、交差点cp12及びcp13以外の点cp23で第3光渡り線部のコーナー部C3と交差する。その後、第2渡り線部gcは、第1及び第3渡り線部の曲がり終点EC1,EC3よりも横方向左側に位置する曲がり終点EC2から横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第2光ファイバ直線部gに繋がる。
【0053】
このように、第1渡り線部rcと第3渡り線部bcとの曲がり始点及び終点をずらすとともに、第2渡り線部gcの曲率半径を、第1及び第3渡り線部rc,bcの曲率半径と異ならせることで、第1〜第3渡り線部のコーナー部C1,C2,C3を交差させつつ、3本の渡り線部が同一点で重なり合うのが回避されることから、漏洩や座屈の発生を抑えながら複数の光ファイバを所定の順序で配列することが可能となる。
【0054】
−光ファイバの配列構造体の製造方法−
図8は、ファイバ布線装置の概略斜視図である。このファイバ布線装置7は、基台9上に設けられた可動ステージ11と、基台9の縁より上方に設けられた支持部材13と、当該支持部材13の先端に取り付けられている布線ヘッド15とを備えている。可動ステージ11は、第1直線移動ステージ17と第2直線移動ステージ23とを備えている。
【0055】
第1直線移動ステージ17は、基台9上に固定された第1固定部材21と、この第1固定部材21の上側に設けられた第1移動台19とを有していて、第1移動台19は第1固定部材21に対して不図示のモータにより、図のY方向に相対的に往復運動するようになっている。
【0056】
第2直線移動ステージ23は、第1移動台19上に固定された第2固定部材27と、この第2固定部材27の上側に設けられた第2移動台25とを有していて、第2移動台25は第2固定部材27に対して不図示のモータにより、図のX方向に相対的に往復運動するようになっている。第2移動台25の上面は、プラスティック基材29を着脱自在に取り付けることができるように構成されている。
【0057】
布線ヘッド15は、内部にファイバボビンを供給手段(図示せず)として備えている。この供給手段と一体に布線ヘッド15は、プラスティック基材29面に対して垂直な軸回りに不図示のモータにより回転する。当該布線ヘッド15の下面には、ファイバ供給口31が設けられている。ファイバボビンに巻き取られている光ファイバRは、当該ファイバ供給口31から送り出されてプラスティック基材29上に布線される。
【0058】
そうして、複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体1を製造する際には、先ず、プラスティック基材29を第2移動台25の上面に取り付け、当該プラスティック基材29の上面に、光ファイバを止着するために接着剤を塗布して、接着層を形成する。
【0059】
次いで、ファイバ供給口31から接着層に光ファイバを供給する。このとき、可動ステージ11を水平面内で動かすことにより、光ファイバを17回(複数回)に亘って周回させて、プラスティック基材29上に、図6に示すように、有効領域内で平行に配列された68本の第1光ファイバ直線部r,r,…、及び、有効領域外で当該第1光ファイバ直線部同士r,rを繋ぐように形成された第1渡り線部rc,rc,…を有する第1の光ファイバRを布線する。
【0060】
次いで、図9(a)に示すように、光ファイバを、プラスティック基材29上で第1光ファイバ直線部同士r,rの間を縫うように、斜線入り矢印の方向から白抜き矢印の方向に17回に亘って周回させることで、有効領域内で第1光ファイバ直線部rと同数且つ平行に配列された第2光ファイバ直線部g,g,…、及び、有効領域外で当該第2光ファイバ直線部同士g,gを繋ぐとともに、合い隣接する第1光ファイバの渡り線部rc,rc,…と交差するように形成された第2渡り線部gc,gc,…を有する第2光ファイバGを布線する。
【0061】
さらに、図9(b)に示すように、光ファイバを、プラスティック基材29上で、第1及び第2光ファイバ直線部r,gの間を縫うように、より具体的には、第m群(mは16以下の整数)の第2光ファイバ直線部gと第m+1群の第1光ファイバ直線部rとの間を縫うように、斜線入り矢印の方向から白抜き矢印の方向に17回に亘って周回させることで、有効領域内で縦方向に第1〜第3の順序で並ぶように第1光ファイバ直線部r,r,…と同数且つ平行に配列された第3光ファイバ直線部b,b,…、及び、有効領域外で当該第3光ファイバ直線部同士b,bを繋ぐとともに、3本の渡り線部rc,gc,bcが有効領域外の同一点で重なり合わず且つ同じファイバ群と繋がれる第1及び第2渡り線部rc,gcと交差するように形成された第3渡り線部bc,bc,…を有する第3光ファイバBを布線する。
【0062】
そうして、図2に示すような第1光ファイバ層3を形成した後、第1光ファイバ層3と同じ要領で、第2光ファイバ層5を形成するが、第2光ファイバ層5は、その光ファイバブロックUB1,UB2,…が第1光ファイバ層3の所定間隔sをあけて配列された光ファイバブロックLB1,LB2,…の間に配置されるように形成する。
【0063】
−効果−
本実施形態によれば、一の光ファイバブロックLB1,LB2,…の光ファイバ群G1,G2,…に含まれる第1〜第3光ファイバ直線部r,g,bが、他の光ファイバブロックLB1,LB2,…の光ファイバ群G1,G2,…に含まれる第1〜第3光ファイバ直線部r,g,bと、有効領域外で光ファイバからなる渡り線部rc,gc,bc,…によって繋がれているので、1つの光源によって複数の群に跨って配置される光ファイバ直線部r,g,b,…に光を入射することが可能となる。したがって、光ファイバ直線部r,g,b,…の光源を確実に減少させることができる。
【0064】
また、同じファイバ群と繋がれる渡り線部のうち第1及び第3渡り線部のコーナー部C1,C3だけが同じ曲率半径R1を有しているので、R1よりも小さい曲率半径R2のコーナー部を有する第2渡り線部gcは、第1渡り線部rcと第3渡り線部bcとの交差点cp13とは異なる点cp12,cp23で第1及び第3渡り線部rc,bcと交差するので、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合うことはない。このように、同じファイバ群と繋がれる第1〜第3渡り線部rc,gc,bcの曲率半径を異ならせるという簡単な構成で、3本以上の渡り線部を同一点で重なり合わないように配列することが可能となる。よって、漏洩や座屈の発生を抑えつつ、複数の光ファイバ直線部r,g,b,…を所定の順序で配列することができる。
【0065】
さらに、各光ファイバ層3,5は、光ファイバブロックLB1,UB1,…が所定間隔sをあけて複数配列されることで形成されている。このように光ファイバブロックLB1,UB1,…の間に所定間隔sを設けることにより、第1〜第3渡り線部のコーナー部C1,C2,C3の曲率半径を大きくすることができるので、曲げによる渡り線部rc,gc,bcの損傷を抑えることができる。
【0066】
また、光ファイバの配列構造体1は、第1光ファイバ層3の光ファイバブロックLB1,LB2,…が第2光ファイバ層5の所定間隔sをあけて配列された光ファイバブロックUB1,UB2,…の間に配置されるように、各層3,5を重ねることで形成されているので、光ファイバブロックLB1,UB1,…の間に所定間隔sを設けた場合でも、光ファイバ群G1,G2,…を等間隔に配列することができる。
【0067】
(実施形態2)
本実施形態は、第1及び第2渡り線部rc,gcに対する第3渡り線部bcの交差のさせ方が、実施形態1と異なるものである。以下、実施形態1と異なる点について説明する。
【0068】
上記実施形態1では、光ファイバブロック間で光ファイバ群内の第1〜第3光ファイバ光ファイバ直線部r,g,b,…の並び順が逆転するのを防ぐために、第2渡り線部のコーナー部C2を、第1及び第3渡り線部の交差点cp13以外の点で、第1渡り線部のコーナー部C1及び第3渡り線部のコーナー部C3と交差させたが、本実施形態では、同じファイバ群と繋がれる渡り線部のうち第1及び第2渡り線部rc,gcは、各々のコーナー部C1,C2で交差する一方、第3渡り線部bcは第1及び第2渡り線部rc,gcとコーナー部で交差しておらず、且つ、各光ファイバブロックLB1,UB1,…における縦方向他方側端に位置する第3光ファイバ直線部同士b,bが、有効領域外で他の渡り線部rc,gc,bc,…と略直交するように交差する渡り線部bc’によって繋がれている。
【0069】
より詳しくは、第2光ファイバ層5を例にとると、図10に示すように、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第1光ファイバ直線部rに繋がれる、第1渡り線部rc(上側第3渡り線ブロックUCB3の横方向左側から1番目)は、有効領域を出た後横方向左側に延びてから円弧状に湾曲して縦方向他方側に延び、最小曲げ半径以上の曲率半径R1で湾曲(円弧状コーナー部C1を形成)した後、横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第1光ファイバrに繋がる。
【0070】
また、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第2光ファイバ直線部gに繋がれる第2渡り線部gc(上側第3渡り線ブロックUCB3の横方向左側から2番目)は、有効領域を出た後横方向左側に延びてから円弧状に湾曲して第1渡り線部rcの内側(右側)で縦方向他方側に延び、最小曲げ半径以上の曲率半径R2で湾曲し、そのコーナー部C2が、第1渡り線部のコーナー部C1と点cp12で交差した後、横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第2光ファイバ直線部gに繋がる。
【0071】
さらに、上側第3光ファイバブロックUB3の第1群G1の第3光ファイバ直線部bに繋がれる第3渡り線部bc(上側第3渡り線ブロックUCB3の横方向左側から3番目)は、有効領域を出た後横方向左側に延びてから円弧状に湾曲して第2渡り線部gcの内側(右側)で縦方向他方側に延び、最小曲げ半径以上の曲率半径で湾曲し、第1及び第2渡り線部rc,gcと交差することなく横方向右側に延びて、上側第4光ファイバブロックUB4の第16群G16の第3光ファイバ直線部bに繋がる。
【0072】
そうして、上側第3光ファイバブロックUB3の第17群G17の第3光ファイバ直線部bと、上側第4光ファイバブロックUB4の第17群G17の第3光ファイバ直線部bとは、有効領域外で上側第4光ファイバブロックUB4の1番〜50番までの渡り線部rc,gc,bc,…と略直交するように交差する渡り線部bc’によって繋がれている。
【0073】
つまり、本実施形態では、各光ファイバ群の第1〜第3渡り線部rc,gc,bcをコーナー部C1,C2,C3で交差させることにより、各光ファイバ群内で並び順を修正するのではなく、第3渡り線部bcをそのコーナー部C3で交差させずに、隣接する光ファイバ群に取り込ませるとともに、上側第3及び第4光ファイバブロックUB3,UB4の縦方向他方側端に位置する第3光ファイバ直線部同士b,bを繋げることで、上側第4光ファイバブロックUB4内の並び順を修正するようにしている。
【0074】
−効果−
本実施形態によれば、第3渡り線部bcは第1及び第2渡り線部rc,gcとコーナー部C3で交差しておらず、且つ、上側第3及び第4光ファイバブロックUB3,UB4の縦方向他方側端に位置する第3光ファイバ直線部同士b,bが、有効領域外で他の渡り線部rc,gc,bc,…と略直交するように交差する渡り線部bc’によって繋がれていることから、複数の光ファイバ直線部r,g,b,…を所定の順序で配列しつつ、平行に近い浅い角度で渡り線部同士が交差する点が少なくなり、座屈発生のリスクが逓減されるとともに、(交差角度が鋭角なため)設計通りに交差させることが困難な箇所が減るので、製造歩留を向上させることができる。
【0075】
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
【0076】
上記各実施形態では、光ファイバとして、プラスティックコアとプラスティッククラッドとを備えるプラスティックファイバを用いたが、これに限らず、例えば、ガラスコアとガラスクラッドと外被とを備えるガラスファイバや、ガラスコアとプラスティッククラッドとを備えるガラスファイバを用いてもよい。
【0077】
また、上記各実施形態では、光ファイバブロックを1つ置きに渡り線ブロックで繋ぐようにしたが、これに限らず、図11及び図12に示す形態で光ファイバブロックを繋いでもよい。なお、図11及び図12では、図を見易くするために、1本1本の光ファイバを示す線を省略するとともに、実際は繋がっている光ファイバブロックと渡り線ブロックとを離間して示している。さらに、第1光ファイバ層3にはハッチングを施している。
【0078】
すなわち、図11に示すように、光ファイバブロックLB,UB,…を2つ置きに繋ぐ渡り線ブロックLCB,UCB,…を設けてもよい。また、図12に示すように、光ファイバブロックLB,UB,…を1つ置き及び2つ置きに渡り線ブロックLCB,UCB,…で繋ぐようにしてもよい。
【0079】
なお、第1光ファイバ層の光ファイバブロックLBが第2光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックUBの間に配置されるように各層を重ねものではないが、図13に示すように、2つ置きに渡り線ブロックLCB,UCB,…で繋いだ光ファイバブロックLB,UB,…を縦方向一方側と他方側に分けて配置してもよい。
【0080】
また、上記各実施形態では、光ファイバの配列構造体1を面状発光体として用いたが、これに限らず、例えば、光を受光する面状受光体として用いてもよい。
【0081】
さらに、上記各実施形態では、第1〜第3の3本の光ファイバで光ファイバ群を構成したが、これに限らず、例えば、異なる色の光が入射される4本以上の光ファイバで光ファイバ群を構成してもよい。
【0082】
また、上記各実施形態では、第1〜第3の3本の光ファイバ直線部r,g,bで光ファイバ群を構成したが、これに限らず、例えば、異なる色の光が入射される4本以上の光ファイバ直線部で光ファイバ群を構成してもよい。
【0083】
さらに、上記各実施形態では、光ファイバ直線部r,g,b及び渡り線部rc,gc,bcを1本の光ファイバR,G,Bで形成したが、光ファイバ直線部r,g,bと渡り線部rc,gc,bcとを別体としてもよい。
【0084】
また、上記各実施形態では、第1及び第3渡り線部のコーナー部C1,C3を同じ曲率半径にしたが、これに限らず、第1〜第3渡り線部rc,gc,bcのコーナー部C1,C2,C3の曲率半径を全て異なる曲率半径としてもよい。
【0085】
さらに、上記各実施形態では、第1〜第3光ファイバ直線部r,g,bに異なる色の光を入射したが、これに限らず、例えば、第1〜第3の光ファイバにそれぞれ異なる波長変換機能を持たせて、同じ色の光を入射することで、それぞれ異なる色の光を発光させるようにしてもよい。
【0086】
また、上記各実施形態では、光ファイバ群G1,G2,…,G17を有効領域内で等間隔且つ平行に配列するとともに各光ファイバ群G1,G2,…における第1〜第3光ファイバr,g,bを縦方向に等間隔且つ平行に配列したが、光ファイバ群G1,G2,…,G17を等間隔に配列するのであれば、これに限らず、各光ファイバ群G1,G2,…における第1〜第3光ファイバr,g,bの縦方向の間隔を区々にしてもよい。
【0087】
さらに、上記各実施形態では、第1光ファイバ直線部rには赤色光を、第2光ファイバ直線部gには緑色光を、第3光ファイバ直線部bには青色光をそれぞれ入射させたが、これに限らず、例えば、第1〜第3の光ファイバと赤色光、緑色光及び青色光との組合せを変えてもよいし、第1〜第3の光ファイバにこれら3色と一部又は全部色の異なる光を入射させるようにしてもよい。
【0088】
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上説明したように、本発明は、複数の光ファイバを面状をなすように平行に配列した光ファイバの配列構造体及びその製造方法等について有用である。
【符号の説明】
【0090】
1 配列構造体
3 第1光ファイバ層(光ファイバ層)
5 第2光ファイバ層(光ファイバ層)
7 ファイバ布線装置
29 プラスティック基材(配線基材)
31 ファイバ供給口
LB1 下側第1光ファイバブロック
LB2 下側第2光ファイバブロック
LB3 下側第3光ファイバブロック
LB4 下側第4光ファイバブロック
UB1 上側第1光ファイバブロック
UB2 上側第2光ファイバブロック
UB3 上側第3光ファイバブロック
UB4 上側第4光ファイバブロック
r 第1光ファイバ直線部(光ファイバ)(直線部)
g 第2光ファイバ直線部(光ファイバ)(直線部)
b 第3光ファイバ直線部(光ファイバ)(直線部)
rc 第1渡り線部
gc 第2渡り線部
bc 第3渡り線部
bc’ 第3渡り線部
G1〜G17 光ファイバ群
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体であって、
所定の順序で平行に配列された第1〜第n(nは、n≧3を満たす整数)の光ファイバからなる光ファイバ群が、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列されており、
一の光ファイバ群に含まれる第1〜第nの光ファイバが、他の光ファイバ群に含まれる対応する第1〜第nの光ファイバと、有効領域外で光ファイバからなる第1〜第nの渡り線部によって繋がれる光ファイバ群の組が、少なくとも一組存在していることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項2】
請求項1記載の光ファイバの配列構造体において、
同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第nの渡り線部は、互いに交差するとともに、3本以上の当該渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように配列されていることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項3】
請求項2記載の光ファイバの配列構造体において、
上記各渡り線部には、曲率半径が最小曲げ半径以上の円弧状コーナー部が形成されており、
同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第nの渡り線部は、各々のコーナー部又は当該コーナー部近傍で交差するとともに、当該第1〜第nの渡り線部のうち同じ曲率半径のコーナー部を有する渡り線部は多くとも1組であることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ファイバの配列構造体において、
互いに平行に複数配列される、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列された上記光ファイバ群からなる光ファイバブロックと、異なる光ファイバブロック間の対応する光ファイバ同士を繋ぐ渡り線部と、を有し、当該各光ファイバブロックに含まれる光ファイバとこれらを繋ぐ当該渡り線部とが周回形状をなし、且つ、同じ渡り線部が繋がれる当該光ファイバブロックのうち少なくとも一組が所定間隔をあけて配列された光ファイバ層を複数備え、
一の光ファイバ層の光ファイバブロックが他の光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックの間に配置されるように、各層を重ねることで形成されていることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項5】
請求項1記載の光ファイバの配列構造体において、
上記光ファイバ群は、所定の順序で配列された第1〜第3の光ファイバからなり、
有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列された上記光ファイバ群からなる光ファイバブロックが平行に複数配列され、且つ、異なる光ファイバブロック間の対応する光ファイバが渡り線部で繋がれており、
同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第3の渡り線部のうち、第1及び第2の渡り線部は互いに交差する一方、第3の渡り線部は第1及び第2の渡り線部と交差しておらず、且つ、各光ファイバブロックにおける光ファイバ配列方向の端に位置する第3の光ファイバ同士が、有効領域外で他の渡り線部と略直交するように交差する渡り線部によって繋がれていることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項6】
請求項5記載の光ファイバの配列構造体において、
上記光ファイバブロックと上記渡り線部とを有し、当該各光ファイバブロックに含まれる光ファイバとこれらを繋ぐ当該渡り線部とが周回形状をなし、且つ、同じ渡り線部が繋がれる当該光ファイバブロックのうち少なくとも一組が所定間隔をあけて配列された光ファイバ層を複数備え、
一の光ファイバ層の光ファイバブロックが他の光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックの間に配置されるように、各層を重ねることで形成されていることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項7】
複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体の製造方法であって、
光ファイバを供給するファイバ供給口を有し、当該ファイバ供給口とそれに対向する配線基材とを相対移動させることにより当該配線基材上に光ファイバを布線するファイバ布線装置を用意し、
上記配線基材に接着剤を塗布する工程と、
上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを上記配線基材上で複数回に亘って周回させることで、有効領域内で平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部を繋ぐように形成された渡り線部を有する第1の光ファイバを布線する工程と、
上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを、上記配線基材上で上記第1光ファイバ同士の間を縫うように複数回に亘って周回させることで、有効領域内で上記第1の光ファイバの直線部と同数且つ平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部同士を繋ぐとともに、合い隣接する第1の光ファイバの渡り線部と交差するように形成された渡り線部を有する第2の光ファイバを布線する工程と、
上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを上記配線基材上で複数回に亘って周回させることで、有効領域内で光ファイバ配列方向に第1〜第n(nは、n≧3を満たす整数)の順序で並ぶように上記第1の光ファイバの直線部と同数且つ平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部同士を繋ぐとともに、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように形成された渡り線部を有する第nの光ファイバを布線する工程と、を含むことを特徴とする光ファイバの配列構造体の製造方法。
【請求項1】
複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体であって、
所定の順序で平行に配列された第1〜第n(nは、n≧3を満たす整数)の光ファイバからなる光ファイバ群が、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列されており、
一の光ファイバ群に含まれる第1〜第nの光ファイバが、他の光ファイバ群に含まれる対応する第1〜第nの光ファイバと、有効領域外で光ファイバからなる第1〜第nの渡り線部によって繋がれる光ファイバ群の組が、少なくとも一組存在していることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項2】
請求項1記載の光ファイバの配列構造体において、
同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第nの渡り線部は、互いに交差するとともに、3本以上の当該渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように配列されていることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項3】
請求項2記載の光ファイバの配列構造体において、
上記各渡り線部には、曲率半径が最小曲げ半径以上の円弧状コーナー部が形成されており、
同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第nの渡り線部は、各々のコーナー部又は当該コーナー部近傍で交差するとともに、当該第1〜第nの渡り線部のうち同じ曲率半径のコーナー部を有する渡り線部は多くとも1組であることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の光ファイバの配列構造体において、
互いに平行に複数配列される、有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列された上記光ファイバ群からなる光ファイバブロックと、異なる光ファイバブロック間の対応する光ファイバ同士を繋ぐ渡り線部と、を有し、当該各光ファイバブロックに含まれる光ファイバとこれらを繋ぐ当該渡り線部とが周回形状をなし、且つ、同じ渡り線部が繋がれる当該光ファイバブロックのうち少なくとも一組が所定間隔をあけて配列された光ファイバ層を複数備え、
一の光ファイバ層の光ファイバブロックが他の光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックの間に配置されるように、各層を重ねることで形成されていることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項5】
請求項1記載の光ファイバの配列構造体において、
上記光ファイバ群は、所定の順序で配列された第1〜第3の光ファイバからなり、
有効領域内で等間隔且つ平行に複数配列された上記光ファイバ群からなる光ファイバブロックが平行に複数配列され、且つ、異なる光ファイバブロック間の対応する光ファイバが渡り線部で繋がれており、
同じファイバ群と繋がれる上記第1〜第3の渡り線部のうち、第1及び第2の渡り線部は互いに交差する一方、第3の渡り線部は第1及び第2の渡り線部と交差しておらず、且つ、各光ファイバブロックにおける光ファイバ配列方向の端に位置する第3の光ファイバ同士が、有効領域外で他の渡り線部と略直交するように交差する渡り線部によって繋がれていることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項6】
請求項5記載の光ファイバの配列構造体において、
上記光ファイバブロックと上記渡り線部とを有し、当該各光ファイバブロックに含まれる光ファイバとこれらを繋ぐ当該渡り線部とが周回形状をなし、且つ、同じ渡り線部が繋がれる当該光ファイバブロックのうち少なくとも一組が所定間隔をあけて配列された光ファイバ層を複数備え、
一の光ファイバ層の光ファイバブロックが他の光ファイバ層の所定間隔をあけて配列された光ファイバブロックの間に配置されるように、各層を重ねることで形成されていることを特徴とする光ファイバの配列構造体。
【請求項7】
複数の光ファイバを面状をなすように配列した光ファイバの配列構造体の製造方法であって、
光ファイバを供給するファイバ供給口を有し、当該ファイバ供給口とそれに対向する配線基材とを相対移動させることにより当該配線基材上に光ファイバを布線するファイバ布線装置を用意し、
上記配線基材に接着剤を塗布する工程と、
上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを上記配線基材上で複数回に亘って周回させることで、有効領域内で平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部を繋ぐように形成された渡り線部を有する第1の光ファイバを布線する工程と、
上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを、上記配線基材上で上記第1光ファイバ同士の間を縫うように複数回に亘って周回させることで、有効領域内で上記第1の光ファイバの直線部と同数且つ平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部同士を繋ぐとともに、合い隣接する第1の光ファイバの渡り線部と交差するように形成された渡り線部を有する第2の光ファイバを布線する工程と、
上記ファイバ供給口から供給される光ファイバを上記配線基材上で複数回に亘って周回させることで、有効領域内で光ファイバ配列方向に第1〜第n(nは、n≧3を満たす整数)の順序で並ぶように上記第1の光ファイバの直線部と同数且つ平行に配列された複数の直線部、及び、有効領域外で当該直線部同士を繋ぐとともに、3本以上の渡り線部が有効領域外の同一点で重なり合わないように形成された渡り線部を有する第nの光ファイバを布線する工程と、を含むことを特徴とする光ファイバの配列構造体の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−64912(P2011−64912A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−214923(P2009−214923)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000003263)三菱電線工業株式会社 (734)
【Fターム(参考)】
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