光ファイバ配線部材
【課題】切断したが使用されなかった光ファイバの再接続や、引っ張り出したテープ心線をクロージャに収納するといった手間が解消可能であると共に、伝送損失も増加させず、更には、光ファイバテープ心線の一括再接続が可能な手段の提供。
【解決手段】複数の光ファイバ心線をまとめて被覆部材により被覆したテープ部を有する光ファイバ配線部材において、前記複数の光ファイバ心線の内少なくとも一の光ファイバ心線が単心に分離し、かつ、余長を有する光ファイバ配線部材。
【解決手段】複数の光ファイバ心線をまとめて被覆部材により被覆したテープ部を有する光ファイバ配線部材において、前記複数の光ファイバ心線の内少なくとも一の光ファイバ心線が単心に分離し、かつ、余長を有する光ファイバ配線部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線用(引き落とし用)の光ファイバ配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
端子函は、架空通信線路のケーブル芯線の相互接続を行う柱上設置の端子台箱である。この端子函としては、光ケーブル用、ケーブルテレビ用及び加入者電話回線用という種類が存在し、これらの内、光ケーブルの端子函を光クロージャと呼ぶ。そして、光クロージャにも複数種類が存在し、地下配管から架空へ接続されるき線点に設置され、地下ケーブルと架空ケーブルとを接続又は分岐するための「き線点用」、幹線ケーブル同士を接続又は分岐するための「接続点用」、加入者宅の光引込線(ドロップケーブル)と接続するための「配線用」、配線点から更に小心のケーブル等で分解する場合に使用する「分配点用」がある。
【0003】
ここで、光ケーブルには、複数の単心線から構成される単心集合型と、複数の心線(例えば2心や4心)が一体化したテープ心線集合型がある。これらの内、汎用であるテープ心線集合型の光ケーブルの内の一本の光ファイバを加入者宅の光引込線と接続する際の典型的な作業工程を説明すると、まず、多くの光ファイバテープ心線が収容されたスロット型アクセスケーブルから一のテープ心線を引っ張り出す工程と、当該一のテープ心線を切断する工程と、切断した結果剥き出しとなった複数の光ファイバを単心線に分ける工程と、一本の光ファイバを、対象とする加入者宅の光引込線と融着接続法で接続する工程と、からなる。このように、光ファイバテープ心線から光ファイバを単心分離する際、中間の位置において個々の光ファイバを分離して取り出すことは容易でなく、例えば4心の光ファイバテープを4心とも一度に切断し、その端末から任意の1心を取り出して使用する方法が採用されている。
【特許文献1】特開2007−34078
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、前述した作業工程においては、次の四つの問題がある。一点目は、加入者宅の光引込線と接続される光ファイバ以外の、切断された他の光ファイバはそのままでは切断点より先では使用できなくなるので、機能を復活させるために光ファイバを再接続しなくてはならない手間である。また、切断した光ファイバテープ心線は長さが足りなくなる場合がある。二点目は、前述の融着の後、引っ張り出したテープ心線をクロージャに再び戻す面倒さである。三点目は、光ファイバテープ心線を引っ張り出す際に力を加えるが、この際に起こる微小な半径の曲げにより光の漏洩が生じ伝送損失が増加してしまうという点である。更には、光ファイバ心線を切断してその内のいくつかの単心線を光引込線と接続すると、残ったテープ心線は他端と心線数が合わなくなり一括で再接続できない。そのため、単心線毎に個別に再接続しなければならず、長い作業時間や手間を要してしまっていた。したがって、本発明は、切断したが使用されなかった光ファイバの再接続や、引っ張り出したテープ心線をクロージャに収納するといった手間が解消可能であると共に、伝送損失も増加させず、更には、光ファイバテープ心線の一括再接続が可能な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(1)は、複数の光ファイバ心線をまとめて被覆部材により被覆したテープ部を有する光ファイバ配線部材において、前記複数の光ファイバ心線の内少なくとも一の光ファイバ心線が単心に分離し、かつ、余長を有することを特徴とする光ファイバ配線部材である。
【0006】
本発明(2)は、前記テープ部は、前記少なくとも一の光ファイバ心線の両端にある、前記発明(1)の光ファイバ配線部材である。
【0007】
本発明(3)は、前記被覆部材がシリコーンゴムである、前記発明(1)の光ファイバ配線部材である。
【0008】
本発明(4)は、前記余長が保護部材により保護されている、前記発明(1)の光ファイバ配線部材である。
【0009】
本発明(5)は、前記余長がチューブにより保護されている、前記発明(4)の光ファイバ配線部材である。
【0010】
本発明(6)は、前記余長の光ファイバ心線が前記テープ部の光ファイバ心線よりも径が大きい、前記発明(1)の光ファイバ配線部材である。
【0011】
本発明(7)は、前記テープ部に引裂防止部材を設けてなる、前記発明(1)又は(2)の光ファイバ配線部材である。
【0012】
本発明(8)は、前記引裂防止部材は融着スリーブである、前記発明(7)の光ファイバ配線部材である。
【0013】
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書における用語の定義を説明する。「被覆部材により被覆」とは、複数の光ファイバ心線を被覆した結果、これら複数の光ファイバが一つの纏まりを有する(テープ状)ようになる限り特に限定されず、複数の光ファイバ心線を全体的に被覆するもののみならず、例えば、複数の光ファイバ心線の片面のみを被覆したり、隣接する光ファイバ心線間にのみ存在するといった、複数の光ファイバ心線を部分的に被覆するものも包含する。
【発明を実施するための最良形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の最良形態を説明する。尚、本発明の技術的範囲は本最良形態に限定されるものではない。また、一つの例について具体的に説明した事項に関しては、そうではないとの特記がある場合を除き、他の例にもそのまま適用されるものと理解すべきである。
【0015】
(光ファイバ配線部材の構造)
<第一の最良形態>
第一の最良形態に係る光ファイバ配線部材の基本構造は、汎用の光ファイバテープ心線と同様、例えば、外径0.25mmの外層を紫外線硬化樹脂で着色した光ファイバ心線を複数個並列に配置し、このように配置された複数の光ファイバ心線を被覆部材(例えば、シリコーン樹脂や、紫外線硬化樹脂)によって一括被覆して外被が構成されたものである。図1は、当該例に係る光ファイバ配線部材100のテープ部Tの断面図であり、図中、101a〜dは光ファイバ、102は被覆部材を示す。尚、本最良形態では心数が4個であるが、複数個である限り当該個数に何ら限定されない。また、上述した外径や原材料も同様に限定されない。更に、複数の光ファイバ心線の全体を被覆部材(シリコーン樹脂)で被覆しなくとも、片面のみを被覆する形態であってもよい。
【0016】
ここで、使用される光ファイバは、特に限定されず、例えば、石英系のシングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバ、プラスチック製のマルチモード光ファイバ等を挙げることができる。
【0017】
次に、図2を参照しながら、本最良形態の特徴的構造を詳述する。ここで、図2は、加入者宅の光引込線と接続される位置に配される、光ファイバ配線部材100の拡大図である。尚、理解の容易上、光ファイバ心線101aのみ示したが、他の光ファイバ心線101b〜101dについても同様の構成を採っている。そこで本特徴的構造を説明すると、4本の光ファイバ心線101a〜101dが一体化した光ファイバ配線部材100は、左側のテープ部Tの下流側ですべて単心分離する(一本一本がバラバラになる)。ここで、光ファイバ心線101aを代表して説明すると、単心分離した光ファイバ心線101aは、左側のテープ部Tと右側のテープ部Tとの間に形成された光ファイバ単心分離部Cにおいて、巻回状の余長部101a−1を形成する。そして、バラバラになったすべての光ファイバ心線は、右側のテープ部Tで再び一体化する。また、巻回状の余長部101a−1は、解けて絡んだりしないよう、切断可能又は取り外し可能な結束部材101a−2により纏められている。ここで、余長部101a−1の長さは特に限定されず、接続対象である光引込線までの長さ等を踏まえて適宜設定する。当該長さとしては、10〜100cmが好ましく、30〜100cmが更に好ましい。再接続の度にファイバ長が短くなるので、十分に余長を設けておくことが好ましい。尚、余長部の巻回の方向(時計回り、反時計回り)は、光引込線の位置やクロージャの構造等に合わせて選択することが好ましい。
【0018】
以上で、本特徴的構造の基本骨格を説明したが、図2の態様はあくまで例示であり、各種変更態様が想定される。まず、余長部101a−1の形状(纏め方)は、当該光ファイバ単心分離部Cにおいて、配線用光ファイバテープ心線100(図2における線A)に対して余長がある限り特に限定されず、図2に示した巻回状の他、図3に示したΩ字状を挙げることができる。
【0019】
次に、余長部101aを纏める結束部材101a−2の代わりに、図4に示すように、光ファイバ心線101aの余長部101a−1の形状を保持すると共に、剥き出しになった当該光ファイバ心線を保護するための保護部材(例えばシート基材)101a−3で当該余長部101a−1を被覆してもよい。他にチューブやボビンを用いて保護したり、余長部に径の大きい光ファイバを用いることもできる。尚、径を大きくする場合、その径は、Φ0.5mm、Φ0.9mm、Φ1.1mm等が好ましい。また、チューブの場合も、上記三つの径のようなΦ2.0mm以下が好ましい。
【0020】
ここで、保護部材としては、単に保護するだけでなく使用後の光ファイバ余長の復元が容易である、光ファイバ余長処理シートの形態であることが好適である。そこで、以下、当該前記保護部材101a−3がシート光ファイバ余長処理シートである場合を詳述する。
【0021】
まず、図4に示すように、光ファイバ余長処理シート101a−3が、左側のテープ部Tと右側のテープ部Tとの間に配されている。ここで、図5に示すように、光ファイバ余長処理シート101a−3は、2枚のシート基材101a−3−1及び101a−3−2によって光ファイバ101aの余長部101a−1が挟みこまれた構造を採っている。そして、一方のシート基材101a−3−1が接着剤層101a−3−3を有し、光ファイバの前記余長部が該接着剤に固定されており、他方のシート基材101a−3−2が剥離性を有する。このような構成を採ることにより、剥き出しになった光ファイバを保護すると共に、光ファイバの余長部の形状を固定することが可能となる。
【0022】
ここで、光ファイバ余長処理シート101a−3を構成する両シート基材及び接着剤層を説明すると、まず、接着剤層を有するシート基材101a−3−1としては、特に限定されるものではなく、一般には可撓性を有するシート状のものが好ましく使用される。シート基材の具体例としては、例えば、ガラス−エポキシ樹脂複合基板、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、シリコーン又はポリウレタンよりなるゴム又はフォーム状物等の有機材料のゲル状物、ゴム状物及びフォーム状物等よりなるシートが挙げられ、通常の電子部品、電気部品で使用される基材であれば如何なるものでも使用することが可能である。また、当該シート基材は、使用目的によっては可撓性である必要はなく、剛直なものでもよい。例えば、剛直な高分子材料よりなる基板、セラミック基板等を使用することができ、その形状は如何なるものでもよい。また、当該シート基材の厚みは好適には1mm以下である。
【0023】
次に、接着剤層を構成する接着剤101a−3−3としては、固定される光ファイバの曲げ等で生じる張力に対して光ファイバの余長を保持し、かつ接着により光ファイバが応力ひずみを受けない程度の接着力を有するものであれば特に限定されず、例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ナイロン系、フェノール系、ポリイミド系、ビニル系、シリコーン系、ゴム系、フッ素化エポキシ系、フッ素化アクリル系等各種の感圧接着剤(粘着剤)、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤が使用可能である。光ファイバの固定及び取り出しの容易さからは、感圧接着剤及び熱可塑性接着剤が好ましく使用される。
【0024】
次に、剥離性を有するシート基材101a−3−2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスチレン(PS)、フッ素樹脂等のフィルム及び紙等の可撓性あるフィルム状基材が好ましく使用される。また、剥離性を保有させる方法も適宜選択して使用されるが、例えば、シリコーン系、アルキドシリコーン系、フッ素系の樹脂材料を上記フィルム状基材に塗工して、紫外線、電子線又は熱により硬化させる等の方法が挙げられる。また、当該シート基材の厚みは好適には1mm以下である。
【0025】
ここで、光ファイバ余長処理シート101a−3の剥離性を説明する。装置等の保守、点検及び管理時に、剥離性を有するシート基材を剥離し、光ファイバを取り出す場合の作業性を考慮すると、剥離性を有する基材を接着剤層から剥離する力(剥離力)は、100g/cm以下、好ましくは50g/cm以下、さらに好ましくは20g/cm以下で、下限は1g/cmの範囲が好ましい。尚、剥離力の測定は、以下の方法によって行うことができる。(1)被着材として、洗浄した2mm厚のソーダガラス上に接着剤層を設けたものを用意する。(2)その接着剤層上に、試験用の剥離性を有するシート基材(サイズ250mm×25mm)の剥離面を接着する。但し、シート基材の端部から30mm程度は接着しないようにする。(3)剥離性を有するシート基材を角度90°で引き剥がすことができる治具を用意し、その治具に接着剤層を設けたソーダガラスを取り付け、その治具を引張試験機の下部つかみに挟み、また、シート基材の接着していない端部を引張試験機の上部つかみに挟み、毎分300mmの引張り速度でシート基材を引き剥がす。(4)引き剥がし開始時点から50mmの位置から150mmの位置の100mm間の剥離力を求める。(5)上記の測定を5回繰り返して平均し、単位長さ当りの平均剥離力を求める。
【0026】
尚、図6に示すように、すべての光ファイバ心線101a〜101dの余長部101a−1〜101d−1について当該保護部材を適用した場合には、使用する一の光ファイバ心線を切断する際、使用しない他の光ファイバ心線を誤って傷つけたり切断したりする事態を防止することが可能となる。
【0027】
更に、本発明のように、光ファイバ配線部材から各光ファイバ心線を単心分離する場合、当該単心分離地点から光ファイバ配線部材のテープ部が引き裂ける傾向がある。そこで、これを防止するため、図7に示すように、上流側と下流側の両単心分離地点におけるテープ部Tと単心分離した光ファイバ心線とを一体的に固定するための引裂防止部材103を設置することが好適である。この際、引裂防止部材103としては、汎用の融着スリーブを使用することが好適である。この融着スリーブを使用することにより、本発明に係る光ファイバ配線部材を、汎用の融着トレイ内の融着スリーブホルダーに固定することが可能となる。尚、図6では、上流側と下流側とで一体化した引裂防止手段を例示したが、これに限定されず、引裂防止手段は、上流側、下流側それぞれに設けることもできる(図中の点線)。この場合、引裂防止手段としては、金属テープ、ホットメルト樹脂、硬化樹脂等が好適である。
【0028】
更に、前述した、剥き出しになった光ファイバ心線を保護するための保護部材と、上流側と下流側の両単心分離地点におけるテープ部と単心分離した光ファイバ心線とを一体的に固定するための引裂防止部材とを、一つの部材として構成してもよい。ここで、図8(a)は、保護部材として光ファイバ余長シートを採用した例である。当該図に示すように、光ファイバ余長処理シート104−1は、上流側と下流側の両単心分離地点におけるテープ部Tと単心分離した光ファイバ心線のすべてを被覆するよう構成されている。或いは、図8(b)に示すように、保護・引裂防止部材104−2は、これらを収納するケース部材として構成してもよい。尚、図8(a)の場合、光ファイバ余長処理シート104−1としては、例えば、前述した光ファイバ余長処理シート101a−3と同一構造・同一材質のものが使用可能である。
【0029】
更に、本発明の光ファイバ配線部材は、一部の光ファイバ心線のみが単心分離している形態であってもよい。例えば、図9は、4本ある光ファイバ心線の内、1本だけが単心分離している形態を示した図である。このように、光ファイバ心線101aのみが単心分離して余長部101a−1を形成し、残りの光ファイバ心線101b〜101dは、光ファイバ配線部材内で一体化されたままである。尚、この場合、本発明にいう「テープ部」は、すべての光ファイバ心線が被覆部材で纏められた、図中の「T」の部分である。
【0030】
<第二の最良形態>
次に、図10を参照しながら、本最良形態の特徴的構造を詳述する。第一の最良形態においては、単心分離した光ファイバ心線が一つの余長部を形成するよう構成されているが、本最良形態においては、単心分離した光ファイバ心線が複数(2個以上)の余長部を形成するよう構成されていることを特徴とする。ここで、図10は、加入者宅の光引込線と接続される位置に配される、光ファイバ配線部材200の拡大図である。尚、理解の容易上、光ファイバ心線201aのみ示したが、他の光ファイバ心線201b〜201dについても同様の構成を採っている。そこで本特徴的構造を説明すると、4本の光ファイバ心線201a〜201dが一体化したテープ部Tを有する光ファイバ配線部材200は、左側のテープ部Tの下流側で一本一本が単心分離する。ここで、光ファイバ心線201aを代表して説明すると、単心分離した光ファイバ心線201aは、左側のテープ部Tと右側のテープ部Tとの間に形成された光ファイバ単心分離部において、巻回状の第一余長部201a−1−1及び第二余長部201a−1−2を形成する。ここで、各余長部の長さは30〜100cmであることが好適であり、両方の余長部の長さが同じであることが好適である。そして、単心分離したすべての光ファイバ心線は、再び一体化してテープ部Tを成す。また、巻回状の第一余長部201a―1−1及び第二余長部201a−1−2は、上流側と下流側の両単心分離地点におけるテープ部Tと共に、光ファイバ余長処理シート204により一体的に被覆されている。ここで、光ファイバ余長処理シート204は、第一余長部201a−1−1及び第二余長部201a−1−2の巻回形状を保持する一方、前述した被覆部材と同様、剥き出しになった光ファイバを保護すると共に、前述した引裂防止部材として、単心分離地点からテープ部Tが引裂けることを防止する。
【0031】
ここで、図11に示すように、光ファイバ余長処理シート204は、2枚のシート基材204−1及び204−2によって光ファイバ201aの余長部201a−1−1及び201a−1−2が挟みこまれた構造を採っており、一方のシート基材204−1が接着剤層204−3を有し、光ファイバの前記余長部が該接着剤に固定されており、他方のシート基材204−2が剥離性を有する。このような構成を採ることにより、剥き出しになった光ファイバを保護すると共に、光ファイバの余長部の形状を固定することが可能となる。
【0032】
更に、図10及び図11に示すように、光ファイバ余長処理シート204は、切り取り線204aを有している。そして、使用時には、当該切り取り線204aに沿って当該シートを切断することで、シート基材204−2は、上流側の第一余長部201a−1−1を被覆する部分204Aと、下流側の第二余長部201a−1−2を被覆する部分204Bに分断される。このようにしておくことで、部分204Aのみを剥離することにより、部分204Bにおける第二余長部201a−1−2に全く影響を与えること無く、第一余長部202a−1−1のみを使用することが可能となる。具体的には、切り取り線204aにより部分204Aのみを接着剤層204−3から剥離し、第一余長部201a−1−1を解いて必要な長さの光ファイバ201aを取り出し、接続作業終了後、再び接着すればよい。これによって、例えば短い余長しか必要無い状況下では、部分204B側の第二余長部に何ら影響を与えない一方、使用した部分204Aについても簡単に光ファイバ余長処理シートが復元できる。
【0033】
更に、図12に示すように、シート基材204−2の切断を補助する要素として、切取り線の代わりに切欠部204bを設けてもよい。切欠部は5〜10mmが好ましい。
【0034】
(配線用光ファイバテープ心線の使用方法)
<第一の最良形態>
次に、図2を参照しながら、第一の最良形態に係る光ファイバ配線部材の使用方法を詳述する。まず、図示していないスロット型アクセスケーブルから一のテープ心線を引っ張り出し、当該一のテープ心線を切断する。次に、上流側の切断面を図2の左方、下流側の切断面を図2の右方に位置させて、それぞれ本発明の光ファイバ配線部材のテープ部Tと融着接続させておく。そして、加入者宅の光引込線と接続させる際には、図2に示す結束部材101a−2を外した後、余長部101a−1の巻回を解く。そして、当該余長部101a−1の所定箇所を切断することにより、光ファイバ心線101aは、上流側と下流側とに分断される。そして、上流側の光ファイバ心線101aを、新規加入者宅の光引込線と融着法により接続する。他方、下流側の光ファイバ心線101aについては、テープ部Tから突出した当該自由端が長い場合には、この自由端を巻回する等してコンパクトにした上で、融着トレイに収納する。
【0035】
<第二の最良形態>
次に、図10を参照しながら、第二の最良形態に係る光ファイバ配線部材の使用方法を詳述する。本最良形態の使用方法の最も重要な特徴は、新規加入者宅の光引込線と接合するに際して必要な光ファイバの長さに応じ、複数の余長部のどこまで(即ち、本最良形態では、第一余長部及び第二余長部)を使用するかを決定できる点にある。更に、図10の態様に関しては、各余長部がそれぞれ切り取り線で分離可能なシート基材で保護されているため、接続に使用される余長部のシート基材だけ剥離して使用することにより、接続に使用されなかった余長部については引き続きシート基材で保護されている状態を維持できるという特徴も有する。そこで、具体的に説明すると、例えば、短い光ファイバ長でよい場合には、切り取り線204aに沿ってシート基材204−2を切断し、部分204Aを剥離する。これにより、第一余長部202a−1−1が剥き出しとなる。そして、第一余長部201a−1−1の巻回を解き、必要長さ分の光ファイバ心線201aとなるよう切断する。そして、当該切断した上流側の光ファイバ心線201aを、新規加入者宅の光引込線と融着法により接続する。他方、下流側の光ファイバ心線201aについては、再度204A側の接着剤層204−3上に載せた後、剥離した部分204Aを再び被せる。このように、光ファイバ余長処理シートが簡単に復元できると共に、第二余長部201a−1−2に何ら影響を与えないので当該復元作業が更に容易となる。他方、新規加入者宅の光引込線と接続するに際し、長い光ファイバ長を確保したい場合には、シート基材204−2の全体を剥離し、第一余長部202a−1−1及び第二余長部202a−1−2を剥き出しにする。そして、必要長さ分の光ファイバ心線201aとなるよう光ファイバ心線201aを切断し、上流側の光ファイバ心線201aを、新規加入者宅の光引込線と融着法により接続する。そして、下流側の光ファイバ心線201aについては、再度接着剤層204−3上に光ファイバ心線201aを載せた後、剥離したシート204−2を再び被せる。尚、これ以外の操作については、第一の最良形態に係る光ファイバ配線部材の使用方法と同一である。
【実施例】
【0036】
(実施例1)
二次元平面上に長さ2mの4本の光ファイバ心線(住友電工社製石英系シングルモードファイバ外径0.25mm)を手で直線に並列させ、中央の40cmはマスキングテープでカバーし、被覆材料として紫外線硬化樹脂(ビスコタック PM−654大阪有機化学工業製)をファイバ表面に流し、ヘラで表面をすり切ってから紫外線照射装置により樹脂を硬化させた。その後マスキングテープを剥して、中央の光ファイバ単心線についてそれぞれ巻回して結束部材で纏めることで光ファイバ配線部材を作成した。
【0037】
(実施例2)
二次元平面上に長さ2mの4本の光ファイバ心線(住友電工社製石英系シングルモードファイバ外径0.25mm)を手で直線に並列させ、4本の光ファイバのうち1本を、直径6cmの円柱冶具に6回転周回させた。他の3本は周回させた1本と両端が揃うように切断した。周回部分以外を紫外線硬化樹脂により被覆し硬化させた後、周回させた光ファイバの3箇所を粘着シートで貼り合せて固定し、円柱冶具を取り外して、光ファイバ配線部材を作製した。
【0038】
(実施例3)
被覆材料として熱硬化性のシリコーンゴム樹脂(KE1800信越シリコーン社製)を用いた以外は実施例1と同様にして光ファイバ配線部材を作製した。尚、硬化は乾燥機によって120℃で1時間加熱することによって行った。本実施例で作製した光ファイバ配線部材はシリコーンゴムを用いているので良好に曲げることができ、作業性が良好であった。
【0039】
(実施例4)
周回させた光ファイバの3箇所を粘着シートで貼り合わせる代わりに、2枚のPETフィルム(横100mm×縦50mm×フィルム厚0.1mm)を粘着剤(アクリル系粘着剤、剥離力10g/cm)を介して貼り合せて光ファイバを固定、保護した以外は実施例2と同様にして光ファイバ配線部材を作製した。実施例4の光ファイバ配線部材は2枚のPETフィルムにより余長部が保護されているので余長をシートとして取り扱うことが出来るようになった。
【0040】
(実施例5)
二次元平面上に長さ2mの4本の光ファイバ心線(住友電工社製石英系シングルモードファイバ外径0.25mm)を手で直線に並列させ、4本の光ファイバ全てを直径6cmの冶具に6回転周回させた。周回部分を単心線ごとに取り出し、それぞれ実施例4と同様に固定、保護した。周回部分以外は熱硬化性のシリコーンゴム樹脂(KE1800信越シリコーン社製)を用いて被覆し、120℃で1時間加熱して硬化させ、光ファイバ配線部材を作製した。 本実施例で作製した光ファイバ配線部材は4つの余長部がそれぞれフィルムに収納され、使用する光ファイバ心線を切断する際、他の光ファイバ心線を傷付けたり切断したりする事態を防止できた。
【0041】
上記実施例1〜5の光ファイバ配線部材は、前述の使用方法に則して用いることでいずれも本発明の課題を解決することができた。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本最良形態に係る光ファイバ配線部材のテープ部Tの断面図である。
【図2】図2は、本最良形態(第一の最良形態)に係る光ファイバ配線部材の概観図である。
【図3】図3は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の別の纏め方(Ω状)を示した図である。
【図4】図4は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の保護部材(光ファイバ余長処理シート)を有する態様を示した図である。
【図5】図5は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の保護部材(光ファイバ余長処理シート)の一部切開図である。
【図6】図6は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の保護部材(光ファイバ余長処理シート)を有する態様を示した図である。
【図7】図7は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の引裂防止部材を有する態様を示した図である。
【図8】図8は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の保護・引裂防止部材(光ファイバ余長処理シート)を有する態様を示した図である。
【図9】図9は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、一本の光ファイバ心線のみが単心分離した態様を示した図である。
【図10】図10は、本最良形態(第二の最良形態)に係る光ファイバ配線部材の概観図である。
【図11】図11は、本最良形態(第二の最良形態)に係る光ファイバ配線部材の保護部材(光ファイバ余長処理シート)の一部切開図である。
【図12】図12は、本最良形態(第二の最良形態)の変更例に係る、光ファイバ配線部材の保護部材(光ファイバ余長処理シート)の概観図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、配線用(引き落とし用)の光ファイバ配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
端子函は、架空通信線路のケーブル芯線の相互接続を行う柱上設置の端子台箱である。この端子函としては、光ケーブル用、ケーブルテレビ用及び加入者電話回線用という種類が存在し、これらの内、光ケーブルの端子函を光クロージャと呼ぶ。そして、光クロージャにも複数種類が存在し、地下配管から架空へ接続されるき線点に設置され、地下ケーブルと架空ケーブルとを接続又は分岐するための「き線点用」、幹線ケーブル同士を接続又は分岐するための「接続点用」、加入者宅の光引込線(ドロップケーブル)と接続するための「配線用」、配線点から更に小心のケーブル等で分解する場合に使用する「分配点用」がある。
【0003】
ここで、光ケーブルには、複数の単心線から構成される単心集合型と、複数の心線(例えば2心や4心)が一体化したテープ心線集合型がある。これらの内、汎用であるテープ心線集合型の光ケーブルの内の一本の光ファイバを加入者宅の光引込線と接続する際の典型的な作業工程を説明すると、まず、多くの光ファイバテープ心線が収容されたスロット型アクセスケーブルから一のテープ心線を引っ張り出す工程と、当該一のテープ心線を切断する工程と、切断した結果剥き出しとなった複数の光ファイバを単心線に分ける工程と、一本の光ファイバを、対象とする加入者宅の光引込線と融着接続法で接続する工程と、からなる。このように、光ファイバテープ心線から光ファイバを単心分離する際、中間の位置において個々の光ファイバを分離して取り出すことは容易でなく、例えば4心の光ファイバテープを4心とも一度に切断し、その端末から任意の1心を取り出して使用する方法が採用されている。
【特許文献1】特開2007−34078
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、前述した作業工程においては、次の四つの問題がある。一点目は、加入者宅の光引込線と接続される光ファイバ以外の、切断された他の光ファイバはそのままでは切断点より先では使用できなくなるので、機能を復活させるために光ファイバを再接続しなくてはならない手間である。また、切断した光ファイバテープ心線は長さが足りなくなる場合がある。二点目は、前述の融着の後、引っ張り出したテープ心線をクロージャに再び戻す面倒さである。三点目は、光ファイバテープ心線を引っ張り出す際に力を加えるが、この際に起こる微小な半径の曲げにより光の漏洩が生じ伝送損失が増加してしまうという点である。更には、光ファイバ心線を切断してその内のいくつかの単心線を光引込線と接続すると、残ったテープ心線は他端と心線数が合わなくなり一括で再接続できない。そのため、単心線毎に個別に再接続しなければならず、長い作業時間や手間を要してしまっていた。したがって、本発明は、切断したが使用されなかった光ファイバの再接続や、引っ張り出したテープ心線をクロージャに収納するといった手間が解消可能であると共に、伝送損失も増加させず、更には、光ファイバテープ心線の一括再接続が可能な手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明(1)は、複数の光ファイバ心線をまとめて被覆部材により被覆したテープ部を有する光ファイバ配線部材において、前記複数の光ファイバ心線の内少なくとも一の光ファイバ心線が単心に分離し、かつ、余長を有することを特徴とする光ファイバ配線部材である。
【0006】
本発明(2)は、前記テープ部は、前記少なくとも一の光ファイバ心線の両端にある、前記発明(1)の光ファイバ配線部材である。
【0007】
本発明(3)は、前記被覆部材がシリコーンゴムである、前記発明(1)の光ファイバ配線部材である。
【0008】
本発明(4)は、前記余長が保護部材により保護されている、前記発明(1)の光ファイバ配線部材である。
【0009】
本発明(5)は、前記余長がチューブにより保護されている、前記発明(4)の光ファイバ配線部材である。
【0010】
本発明(6)は、前記余長の光ファイバ心線が前記テープ部の光ファイバ心線よりも径が大きい、前記発明(1)の光ファイバ配線部材である。
【0011】
本発明(7)は、前記テープ部に引裂防止部材を設けてなる、前記発明(1)又は(2)の光ファイバ配線部材である。
【0012】
本発明(8)は、前記引裂防止部材は融着スリーブである、前記発明(7)の光ファイバ配線部材である。
【0013】
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書における用語の定義を説明する。「被覆部材により被覆」とは、複数の光ファイバ心線を被覆した結果、これら複数の光ファイバが一つの纏まりを有する(テープ状)ようになる限り特に限定されず、複数の光ファイバ心線を全体的に被覆するもののみならず、例えば、複数の光ファイバ心線の片面のみを被覆したり、隣接する光ファイバ心線間にのみ存在するといった、複数の光ファイバ心線を部分的に被覆するものも包含する。
【発明を実施するための最良形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら、本発明の最良形態を説明する。尚、本発明の技術的範囲は本最良形態に限定されるものではない。また、一つの例について具体的に説明した事項に関しては、そうではないとの特記がある場合を除き、他の例にもそのまま適用されるものと理解すべきである。
【0015】
(光ファイバ配線部材の構造)
<第一の最良形態>
第一の最良形態に係る光ファイバ配線部材の基本構造は、汎用の光ファイバテープ心線と同様、例えば、外径0.25mmの外層を紫外線硬化樹脂で着色した光ファイバ心線を複数個並列に配置し、このように配置された複数の光ファイバ心線を被覆部材(例えば、シリコーン樹脂や、紫外線硬化樹脂)によって一括被覆して外被が構成されたものである。図1は、当該例に係る光ファイバ配線部材100のテープ部Tの断面図であり、図中、101a〜dは光ファイバ、102は被覆部材を示す。尚、本最良形態では心数が4個であるが、複数個である限り当該個数に何ら限定されない。また、上述した外径や原材料も同様に限定されない。更に、複数の光ファイバ心線の全体を被覆部材(シリコーン樹脂)で被覆しなくとも、片面のみを被覆する形態であってもよい。
【0016】
ここで、使用される光ファイバは、特に限定されず、例えば、石英系のシングルモード光ファイバ、マルチモード光ファイバ、プラスチック製のマルチモード光ファイバ等を挙げることができる。
【0017】
次に、図2を参照しながら、本最良形態の特徴的構造を詳述する。ここで、図2は、加入者宅の光引込線と接続される位置に配される、光ファイバ配線部材100の拡大図である。尚、理解の容易上、光ファイバ心線101aのみ示したが、他の光ファイバ心線101b〜101dについても同様の構成を採っている。そこで本特徴的構造を説明すると、4本の光ファイバ心線101a〜101dが一体化した光ファイバ配線部材100は、左側のテープ部Tの下流側ですべて単心分離する(一本一本がバラバラになる)。ここで、光ファイバ心線101aを代表して説明すると、単心分離した光ファイバ心線101aは、左側のテープ部Tと右側のテープ部Tとの間に形成された光ファイバ単心分離部Cにおいて、巻回状の余長部101a−1を形成する。そして、バラバラになったすべての光ファイバ心線は、右側のテープ部Tで再び一体化する。また、巻回状の余長部101a−1は、解けて絡んだりしないよう、切断可能又は取り外し可能な結束部材101a−2により纏められている。ここで、余長部101a−1の長さは特に限定されず、接続対象である光引込線までの長さ等を踏まえて適宜設定する。当該長さとしては、10〜100cmが好ましく、30〜100cmが更に好ましい。再接続の度にファイバ長が短くなるので、十分に余長を設けておくことが好ましい。尚、余長部の巻回の方向(時計回り、反時計回り)は、光引込線の位置やクロージャの構造等に合わせて選択することが好ましい。
【0018】
以上で、本特徴的構造の基本骨格を説明したが、図2の態様はあくまで例示であり、各種変更態様が想定される。まず、余長部101a−1の形状(纏め方)は、当該光ファイバ単心分離部Cにおいて、配線用光ファイバテープ心線100(図2における線A)に対して余長がある限り特に限定されず、図2に示した巻回状の他、図3に示したΩ字状を挙げることができる。
【0019】
次に、余長部101aを纏める結束部材101a−2の代わりに、図4に示すように、光ファイバ心線101aの余長部101a−1の形状を保持すると共に、剥き出しになった当該光ファイバ心線を保護するための保護部材(例えばシート基材)101a−3で当該余長部101a−1を被覆してもよい。他にチューブやボビンを用いて保護したり、余長部に径の大きい光ファイバを用いることもできる。尚、径を大きくする場合、その径は、Φ0.5mm、Φ0.9mm、Φ1.1mm等が好ましい。また、チューブの場合も、上記三つの径のようなΦ2.0mm以下が好ましい。
【0020】
ここで、保護部材としては、単に保護するだけでなく使用後の光ファイバ余長の復元が容易である、光ファイバ余長処理シートの形態であることが好適である。そこで、以下、当該前記保護部材101a−3がシート光ファイバ余長処理シートである場合を詳述する。
【0021】
まず、図4に示すように、光ファイバ余長処理シート101a−3が、左側のテープ部Tと右側のテープ部Tとの間に配されている。ここで、図5に示すように、光ファイバ余長処理シート101a−3は、2枚のシート基材101a−3−1及び101a−3−2によって光ファイバ101aの余長部101a−1が挟みこまれた構造を採っている。そして、一方のシート基材101a−3−1が接着剤層101a−3−3を有し、光ファイバの前記余長部が該接着剤に固定されており、他方のシート基材101a−3−2が剥離性を有する。このような構成を採ることにより、剥き出しになった光ファイバを保護すると共に、光ファイバの余長部の形状を固定することが可能となる。
【0022】
ここで、光ファイバ余長処理シート101a−3を構成する両シート基材及び接着剤層を説明すると、まず、接着剤層を有するシート基材101a−3−1としては、特に限定されるものではなく、一般には可撓性を有するシート状のものが好ましく使用される。シート基材の具体例としては、例えば、ガラス−エポキシ樹脂複合基板、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、シリコーン又はポリウレタンよりなるゴム又はフォーム状物等の有機材料のゲル状物、ゴム状物及びフォーム状物等よりなるシートが挙げられ、通常の電子部品、電気部品で使用される基材であれば如何なるものでも使用することが可能である。また、当該シート基材は、使用目的によっては可撓性である必要はなく、剛直なものでもよい。例えば、剛直な高分子材料よりなる基板、セラミック基板等を使用することができ、その形状は如何なるものでもよい。また、当該シート基材の厚みは好適には1mm以下である。
【0023】
次に、接着剤層を構成する接着剤101a−3−3としては、固定される光ファイバの曲げ等で生じる張力に対して光ファイバの余長を保持し、かつ接着により光ファイバが応力ひずみを受けない程度の接着力を有するものであれば特に限定されず、例えばウレタン系、アクリル系、エポキシ系、ナイロン系、フェノール系、ポリイミド系、ビニル系、シリコーン系、ゴム系、フッ素化エポキシ系、フッ素化アクリル系等各種の感圧接着剤(粘着剤)、熱可塑性接着剤、熱硬化性接着剤が使用可能である。光ファイバの固定及び取り出しの容易さからは、感圧接着剤及び熱可塑性接着剤が好ましく使用される。
【0024】
次に、剥離性を有するシート基材101a−3−2としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリスチレン(PS)、フッ素樹脂等のフィルム及び紙等の可撓性あるフィルム状基材が好ましく使用される。また、剥離性を保有させる方法も適宜選択して使用されるが、例えば、シリコーン系、アルキドシリコーン系、フッ素系の樹脂材料を上記フィルム状基材に塗工して、紫外線、電子線又は熱により硬化させる等の方法が挙げられる。また、当該シート基材の厚みは好適には1mm以下である。
【0025】
ここで、光ファイバ余長処理シート101a−3の剥離性を説明する。装置等の保守、点検及び管理時に、剥離性を有するシート基材を剥離し、光ファイバを取り出す場合の作業性を考慮すると、剥離性を有する基材を接着剤層から剥離する力(剥離力)は、100g/cm以下、好ましくは50g/cm以下、さらに好ましくは20g/cm以下で、下限は1g/cmの範囲が好ましい。尚、剥離力の測定は、以下の方法によって行うことができる。(1)被着材として、洗浄した2mm厚のソーダガラス上に接着剤層を設けたものを用意する。(2)その接着剤層上に、試験用の剥離性を有するシート基材(サイズ250mm×25mm)の剥離面を接着する。但し、シート基材の端部から30mm程度は接着しないようにする。(3)剥離性を有するシート基材を角度90°で引き剥がすことができる治具を用意し、その治具に接着剤層を設けたソーダガラスを取り付け、その治具を引張試験機の下部つかみに挟み、また、シート基材の接着していない端部を引張試験機の上部つかみに挟み、毎分300mmの引張り速度でシート基材を引き剥がす。(4)引き剥がし開始時点から50mmの位置から150mmの位置の100mm間の剥離力を求める。(5)上記の測定を5回繰り返して平均し、単位長さ当りの平均剥離力を求める。
【0026】
尚、図6に示すように、すべての光ファイバ心線101a〜101dの余長部101a−1〜101d−1について当該保護部材を適用した場合には、使用する一の光ファイバ心線を切断する際、使用しない他の光ファイバ心線を誤って傷つけたり切断したりする事態を防止することが可能となる。
【0027】
更に、本発明のように、光ファイバ配線部材から各光ファイバ心線を単心分離する場合、当該単心分離地点から光ファイバ配線部材のテープ部が引き裂ける傾向がある。そこで、これを防止するため、図7に示すように、上流側と下流側の両単心分離地点におけるテープ部Tと単心分離した光ファイバ心線とを一体的に固定するための引裂防止部材103を設置することが好適である。この際、引裂防止部材103としては、汎用の融着スリーブを使用することが好適である。この融着スリーブを使用することにより、本発明に係る光ファイバ配線部材を、汎用の融着トレイ内の融着スリーブホルダーに固定することが可能となる。尚、図6では、上流側と下流側とで一体化した引裂防止手段を例示したが、これに限定されず、引裂防止手段は、上流側、下流側それぞれに設けることもできる(図中の点線)。この場合、引裂防止手段としては、金属テープ、ホットメルト樹脂、硬化樹脂等が好適である。
【0028】
更に、前述した、剥き出しになった光ファイバ心線を保護するための保護部材と、上流側と下流側の両単心分離地点におけるテープ部と単心分離した光ファイバ心線とを一体的に固定するための引裂防止部材とを、一つの部材として構成してもよい。ここで、図8(a)は、保護部材として光ファイバ余長シートを採用した例である。当該図に示すように、光ファイバ余長処理シート104−1は、上流側と下流側の両単心分離地点におけるテープ部Tと単心分離した光ファイバ心線のすべてを被覆するよう構成されている。或いは、図8(b)に示すように、保護・引裂防止部材104−2は、これらを収納するケース部材として構成してもよい。尚、図8(a)の場合、光ファイバ余長処理シート104−1としては、例えば、前述した光ファイバ余長処理シート101a−3と同一構造・同一材質のものが使用可能である。
【0029】
更に、本発明の光ファイバ配線部材は、一部の光ファイバ心線のみが単心分離している形態であってもよい。例えば、図9は、4本ある光ファイバ心線の内、1本だけが単心分離している形態を示した図である。このように、光ファイバ心線101aのみが単心分離して余長部101a−1を形成し、残りの光ファイバ心線101b〜101dは、光ファイバ配線部材内で一体化されたままである。尚、この場合、本発明にいう「テープ部」は、すべての光ファイバ心線が被覆部材で纏められた、図中の「T」の部分である。
【0030】
<第二の最良形態>
次に、図10を参照しながら、本最良形態の特徴的構造を詳述する。第一の最良形態においては、単心分離した光ファイバ心線が一つの余長部を形成するよう構成されているが、本最良形態においては、単心分離した光ファイバ心線が複数(2個以上)の余長部を形成するよう構成されていることを特徴とする。ここで、図10は、加入者宅の光引込線と接続される位置に配される、光ファイバ配線部材200の拡大図である。尚、理解の容易上、光ファイバ心線201aのみ示したが、他の光ファイバ心線201b〜201dについても同様の構成を採っている。そこで本特徴的構造を説明すると、4本の光ファイバ心線201a〜201dが一体化したテープ部Tを有する光ファイバ配線部材200は、左側のテープ部Tの下流側で一本一本が単心分離する。ここで、光ファイバ心線201aを代表して説明すると、単心分離した光ファイバ心線201aは、左側のテープ部Tと右側のテープ部Tとの間に形成された光ファイバ単心分離部において、巻回状の第一余長部201a−1−1及び第二余長部201a−1−2を形成する。ここで、各余長部の長さは30〜100cmであることが好適であり、両方の余長部の長さが同じであることが好適である。そして、単心分離したすべての光ファイバ心線は、再び一体化してテープ部Tを成す。また、巻回状の第一余長部201a―1−1及び第二余長部201a−1−2は、上流側と下流側の両単心分離地点におけるテープ部Tと共に、光ファイバ余長処理シート204により一体的に被覆されている。ここで、光ファイバ余長処理シート204は、第一余長部201a−1−1及び第二余長部201a−1−2の巻回形状を保持する一方、前述した被覆部材と同様、剥き出しになった光ファイバを保護すると共に、前述した引裂防止部材として、単心分離地点からテープ部Tが引裂けることを防止する。
【0031】
ここで、図11に示すように、光ファイバ余長処理シート204は、2枚のシート基材204−1及び204−2によって光ファイバ201aの余長部201a−1−1及び201a−1−2が挟みこまれた構造を採っており、一方のシート基材204−1が接着剤層204−3を有し、光ファイバの前記余長部が該接着剤に固定されており、他方のシート基材204−2が剥離性を有する。このような構成を採ることにより、剥き出しになった光ファイバを保護すると共に、光ファイバの余長部の形状を固定することが可能となる。
【0032】
更に、図10及び図11に示すように、光ファイバ余長処理シート204は、切り取り線204aを有している。そして、使用時には、当該切り取り線204aに沿って当該シートを切断することで、シート基材204−2は、上流側の第一余長部201a−1−1を被覆する部分204Aと、下流側の第二余長部201a−1−2を被覆する部分204Bに分断される。このようにしておくことで、部分204Aのみを剥離することにより、部分204Bにおける第二余長部201a−1−2に全く影響を与えること無く、第一余長部202a−1−1のみを使用することが可能となる。具体的には、切り取り線204aにより部分204Aのみを接着剤層204−3から剥離し、第一余長部201a−1−1を解いて必要な長さの光ファイバ201aを取り出し、接続作業終了後、再び接着すればよい。これによって、例えば短い余長しか必要無い状況下では、部分204B側の第二余長部に何ら影響を与えない一方、使用した部分204Aについても簡単に光ファイバ余長処理シートが復元できる。
【0033】
更に、図12に示すように、シート基材204−2の切断を補助する要素として、切取り線の代わりに切欠部204bを設けてもよい。切欠部は5〜10mmが好ましい。
【0034】
(配線用光ファイバテープ心線の使用方法)
<第一の最良形態>
次に、図2を参照しながら、第一の最良形態に係る光ファイバ配線部材の使用方法を詳述する。まず、図示していないスロット型アクセスケーブルから一のテープ心線を引っ張り出し、当該一のテープ心線を切断する。次に、上流側の切断面を図2の左方、下流側の切断面を図2の右方に位置させて、それぞれ本発明の光ファイバ配線部材のテープ部Tと融着接続させておく。そして、加入者宅の光引込線と接続させる際には、図2に示す結束部材101a−2を外した後、余長部101a−1の巻回を解く。そして、当該余長部101a−1の所定箇所を切断することにより、光ファイバ心線101aは、上流側と下流側とに分断される。そして、上流側の光ファイバ心線101aを、新規加入者宅の光引込線と融着法により接続する。他方、下流側の光ファイバ心線101aについては、テープ部Tから突出した当該自由端が長い場合には、この自由端を巻回する等してコンパクトにした上で、融着トレイに収納する。
【0035】
<第二の最良形態>
次に、図10を参照しながら、第二の最良形態に係る光ファイバ配線部材の使用方法を詳述する。本最良形態の使用方法の最も重要な特徴は、新規加入者宅の光引込線と接合するに際して必要な光ファイバの長さに応じ、複数の余長部のどこまで(即ち、本最良形態では、第一余長部及び第二余長部)を使用するかを決定できる点にある。更に、図10の態様に関しては、各余長部がそれぞれ切り取り線で分離可能なシート基材で保護されているため、接続に使用される余長部のシート基材だけ剥離して使用することにより、接続に使用されなかった余長部については引き続きシート基材で保護されている状態を維持できるという特徴も有する。そこで、具体的に説明すると、例えば、短い光ファイバ長でよい場合には、切り取り線204aに沿ってシート基材204−2を切断し、部分204Aを剥離する。これにより、第一余長部202a−1−1が剥き出しとなる。そして、第一余長部201a−1−1の巻回を解き、必要長さ分の光ファイバ心線201aとなるよう切断する。そして、当該切断した上流側の光ファイバ心線201aを、新規加入者宅の光引込線と融着法により接続する。他方、下流側の光ファイバ心線201aについては、再度204A側の接着剤層204−3上に載せた後、剥離した部分204Aを再び被せる。このように、光ファイバ余長処理シートが簡単に復元できると共に、第二余長部201a−1−2に何ら影響を与えないので当該復元作業が更に容易となる。他方、新規加入者宅の光引込線と接続するに際し、長い光ファイバ長を確保したい場合には、シート基材204−2の全体を剥離し、第一余長部202a−1−1及び第二余長部202a−1−2を剥き出しにする。そして、必要長さ分の光ファイバ心線201aとなるよう光ファイバ心線201aを切断し、上流側の光ファイバ心線201aを、新規加入者宅の光引込線と融着法により接続する。そして、下流側の光ファイバ心線201aについては、再度接着剤層204−3上に光ファイバ心線201aを載せた後、剥離したシート204−2を再び被せる。尚、これ以外の操作については、第一の最良形態に係る光ファイバ配線部材の使用方法と同一である。
【実施例】
【0036】
(実施例1)
二次元平面上に長さ2mの4本の光ファイバ心線(住友電工社製石英系シングルモードファイバ外径0.25mm)を手で直線に並列させ、中央の40cmはマスキングテープでカバーし、被覆材料として紫外線硬化樹脂(ビスコタック PM−654大阪有機化学工業製)をファイバ表面に流し、ヘラで表面をすり切ってから紫外線照射装置により樹脂を硬化させた。その後マスキングテープを剥して、中央の光ファイバ単心線についてそれぞれ巻回して結束部材で纏めることで光ファイバ配線部材を作成した。
【0037】
(実施例2)
二次元平面上に長さ2mの4本の光ファイバ心線(住友電工社製石英系シングルモードファイバ外径0.25mm)を手で直線に並列させ、4本の光ファイバのうち1本を、直径6cmの円柱冶具に6回転周回させた。他の3本は周回させた1本と両端が揃うように切断した。周回部分以外を紫外線硬化樹脂により被覆し硬化させた後、周回させた光ファイバの3箇所を粘着シートで貼り合せて固定し、円柱冶具を取り外して、光ファイバ配線部材を作製した。
【0038】
(実施例3)
被覆材料として熱硬化性のシリコーンゴム樹脂(KE1800信越シリコーン社製)を用いた以外は実施例1と同様にして光ファイバ配線部材を作製した。尚、硬化は乾燥機によって120℃で1時間加熱することによって行った。本実施例で作製した光ファイバ配線部材はシリコーンゴムを用いているので良好に曲げることができ、作業性が良好であった。
【0039】
(実施例4)
周回させた光ファイバの3箇所を粘着シートで貼り合わせる代わりに、2枚のPETフィルム(横100mm×縦50mm×フィルム厚0.1mm)を粘着剤(アクリル系粘着剤、剥離力10g/cm)を介して貼り合せて光ファイバを固定、保護した以外は実施例2と同様にして光ファイバ配線部材を作製した。実施例4の光ファイバ配線部材は2枚のPETフィルムにより余長部が保護されているので余長をシートとして取り扱うことが出来るようになった。
【0040】
(実施例5)
二次元平面上に長さ2mの4本の光ファイバ心線(住友電工社製石英系シングルモードファイバ外径0.25mm)を手で直線に並列させ、4本の光ファイバ全てを直径6cmの冶具に6回転周回させた。周回部分を単心線ごとに取り出し、それぞれ実施例4と同様に固定、保護した。周回部分以外は熱硬化性のシリコーンゴム樹脂(KE1800信越シリコーン社製)を用いて被覆し、120℃で1時間加熱して硬化させ、光ファイバ配線部材を作製した。 本実施例で作製した光ファイバ配線部材は4つの余長部がそれぞれフィルムに収納され、使用する光ファイバ心線を切断する際、他の光ファイバ心線を傷付けたり切断したりする事態を防止できた。
【0041】
上記実施例1〜5の光ファイバ配線部材は、前述の使用方法に則して用いることでいずれも本発明の課題を解決することができた。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本最良形態に係る光ファイバ配線部材のテープ部Tの断面図である。
【図2】図2は、本最良形態(第一の最良形態)に係る光ファイバ配線部材の概観図である。
【図3】図3は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の別の纏め方(Ω状)を示した図である。
【図4】図4は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の保護部材(光ファイバ余長処理シート)を有する態様を示した図である。
【図5】図5は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の保護部材(光ファイバ余長処理シート)の一部切開図である。
【図6】図6は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の保護部材(光ファイバ余長処理シート)を有する態様を示した図である。
【図7】図7は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の引裂防止部材を有する態様を示した図である。
【図8】図8は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、単心分離した光ファイバ心線の保護・引裂防止部材(光ファイバ余長処理シート)を有する態様を示した図である。
【図9】図9は、本最良形態(第一の最良形態)の変更例に係る、一本の光ファイバ心線のみが単心分離した態様を示した図である。
【図10】図10は、本最良形態(第二の最良形態)に係る光ファイバ配線部材の概観図である。
【図11】図11は、本最良形態(第二の最良形態)に係る光ファイバ配線部材の保護部材(光ファイバ余長処理シート)の一部切開図である。
【図12】図12は、本最良形態(第二の最良形態)の変更例に係る、光ファイバ配線部材の保護部材(光ファイバ余長処理シート)の概観図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光ファイバ心線をまとめて被覆部材により被覆したテープ部を有する光ファイバ配線部材において、前記複数の光ファイバ心線の内少なくとも一の光ファイバ心線が単心に分離し、かつ、余長を有することを特徴とする光ファイバ配線部材。
【請求項2】
前記テープ部は、前記少なくとも一の光ファイバ心線の両端にある、請求項1記載の光ファイバ配線部材。
【請求項3】
前記被覆部材がシリコーンゴムである、請求項1記載の光ファイバ配線部材。
【請求項4】
前記余長が保護部材により保護されている、請求項1記載の光ファイバ配線部材。
【請求項5】
前記余長がチューブにより保護されている、請求項4記載の光ファイバ配線部材。
【請求項6】
前記余長の光ファイバ心線が前記テープ部の光ファイバ心線よりも径が大きい、請求項1記載の光ファイバ配線部材。
【請求項7】
前記テープ部に引裂防止部材を設けてなる、請求項1又は2記載の光ファイバ配線部材。
【請求項8】
前記引裂防止部材は融着スリーブである、請求項7記載の光ファイバ配線部材。
【請求項1】
複数の光ファイバ心線をまとめて被覆部材により被覆したテープ部を有する光ファイバ配線部材において、前記複数の光ファイバ心線の内少なくとも一の光ファイバ心線が単心に分離し、かつ、余長を有することを特徴とする光ファイバ配線部材。
【請求項2】
前記テープ部は、前記少なくとも一の光ファイバ心線の両端にある、請求項1記載の光ファイバ配線部材。
【請求項3】
前記被覆部材がシリコーンゴムである、請求項1記載の光ファイバ配線部材。
【請求項4】
前記余長が保護部材により保護されている、請求項1記載の光ファイバ配線部材。
【請求項5】
前記余長がチューブにより保護されている、請求項4記載の光ファイバ配線部材。
【請求項6】
前記余長の光ファイバ心線が前記テープ部の光ファイバ心線よりも径が大きい、請求項1記載の光ファイバ配線部材。
【請求項7】
前記テープ部に引裂防止部材を設けてなる、請求項1又は2記載の光ファイバ配線部材。
【請求項8】
前記引裂防止部材は融着スリーブである、請求項7記載の光ファイバ配線部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−162813(P2009−162813A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339281(P2007−339281)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000153591)株式会社巴川製紙所 (457)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000153591)株式会社巴川製紙所 (457)
【Fターム(参考)】
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