説明

光ポンピングされた超偏極ガスを生成する方法

【課題】 増大した量の偏極ガスを付与するための方法を提供する
【解決手段】 超偏極ガスを生成する方法は、(a)光ポンピングセル(20)は対向する頂部および底部を有しており、光ポンピングセル(20)においてターゲットガスを加熱することと、(b)光ポンピングセルにおいてターゲットガスを偏極することと、(c)蓄積貯槽は光ポンピング室から流出する加熱されたターゲットガスの温度より低い温度を有しており、加熱された偏極ガスを光ポンピングセルの頂部から蓄積貯槽(30)に流出するように誘導することと、(d)以前に偏極されたガスを貯槽(30)から光ポンピングセル(20)内に誘導することとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、NMR及び磁気共鳴映像法(“MRI”)に特に有用である偏極希ガスの生成に関する。
【背景技術】
【0002】
偏極された不活性希ガスは、この態様においてこれまで少しも満足でない画像を生成してきた身体の特定の部位および領域の改善されたMRI画像を生成することができる。偏極されたヘリウム3(He)およびキセノン129(129Xe)が、特にこの目的に適しているとわかっている。残念ながら、後述するように、ガスの偏極状態は取扱いおよび環境条件に敏感であり、不都合にも、偏極状態から比較的急速に減衰し得る。
【0003】
超偏極器は、偏極希ガスを生成し蓄積するために使用される。超偏極器は、(129XeまたはHeといった)特定の希ガス核の偏極を、自然または平衡レベル、すなわちボルツマン偏極以上に人工的に増強する。そのような増大は、それがMRI信号強度を増強し高め、医師が身体における物質のより良好な画像を取得できるようにすることから、望ましい。特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4および特許文献5を参照されたい。これらの特許の開示は、あたかもここに完全に引用されたごとく、参照によってここに採り入れられる。
【0004】
超偏極ガスを生成するために、希ガスは一般に、ルビジウム(Rb)といった光ポンピングされたアルカリ金属蒸気と混合され得る。これらの光ポンピングされた金属蒸気は、希ガスの核と衝突し、「スピン交換」として知られる現象を通じて希ガスを超偏極する。アルカリ金属蒸気の「光ポンピング」は、アルカリ金属蒸気を、アルカリ金属の第1主共鳴(first principal resonance)の波長(例えば、Rbの場合795nm)の円偏光で照射することによって生成される。概略的に言えば、基底状態の原子が励起状態になり、その後減衰して基底状態に戻る。適度の磁場(約10ガウス)の下で、基底状態と励起状態との間の原子のサイクリングは、数マイクロ秒で原子のほぼ100%の偏極を生じることができる。この偏極は一般に、アルカリ金属の孤立原子価電子特性によって伝えられる。非ゼロの核スピン希ガスの存在において、アルカリ金属蒸気原子は、原子価電子の偏極が相互スピンフリップ「スピン交換」を通じて希ガス核へ移される形で、希ガス原子と衝突し得る。
【0005】
概略的に言えば、上述の通り、従来の超偏極器は、オーブンに保持されており、動作中に円偏光を光ポンピング室に送出するように機器構成され方向づけられているレーザー源と連通している、光ポンピング室を備える。超偏極器はまた、偏極転写プロセス点、すなわち光セルまたは光ポンピング室において達成された偏極レベルを監視し得る。それを行うために、一般に小型「表面」NMRコイルが光ポンピング室に隣り合って配置されて、その中のガスを励起および検出し、そして偏極転写プロセスの間においてガスの偏極のレベルを監視することができる。光ポンピングセルおよび偏極器のための偏極監視システムのさらなる説明については特許文献5を参照されたい。
【0006】
オンボード超偏極器監視装置は、もはや高磁場NMR装置を必要としないが、その代わりに従来の高磁場NMR技法よりも極めて低い磁界強度(例えば1〜100G)で光セルの偏極監視を実行するための低磁界検出技法を使用することができる。この低い磁界強度は、1〜400kHzといった相応に低い検出装置動作周波数を可能にする。サーム(Saam)らは、セルを包囲する温度調節オーブン内部の光チャンバまたはセルにおける超偏極Heの偏極レベルのオンボード検出のための低周波NMR回路を明確に提起している。非特許文献1を参照されたい。その内容はこれをもって、ここに全部が引用されたごとく、参照によってここに採り入れられる。
【0007】
ターゲットガスをスピン交換光ポンピングを用いて偏極することは相対的に遅速なプロセスであり、1リットルのバッチの偏極ヘリウムガスが従来の大きさの偏極セルにおいてその飽和偏極に到達または接近するのに約10〜16時間以上かかり得る。より大きな容積のセルを使用すれば、従来使用されてきたものよりもより大きなオーブン、より大きなレーザーパワーおよびより強力な光学系を必要とし得る。
【0008】
従って、偏極ガスの増大した容積の生成をもたらすことができる方法およびシステムの必要性が依然として存在する。
【特許文献1】特表平10−501708号公報
【特許文献2】特表2000−507689号公報
【特許文献3】特表2000−507688号公報
【特許文献4】特表2002−500337号公報
【特許文献5】特表2003−503710号公報
【非特許文献1】サーム(Saam)他による「ロー・フリークエンシーNMRポラリメータ・フォー・ハイパーポラライズド・ガスズ(Low Frequency NMR Polarimeterfor Hyperpolarized Gases)」、ジャーナル・オブ・マグネティック・レゾナンス(Jnl. of Magnetic Resonance)134、67−71頁(1998年)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のことに鑑みて、本発明の実施形態は、増大した量の偏極ガスを付与するための超偏極器、システム、方法およびコンピュータプログラム製品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
特定の実施形態は、(a)光ポンピングセルにおいてターゲットガスを加熱することと、光ポンピングセルは対向する頂部および底部を有しており、(b)光ポンピングセルにおいてターゲットガスを偏極することと、(c)加熱された偏極ガスを光ポンピングセルの頂部から蓄積貯槽へ流出するように誘導することと、蓄積貯槽は光ポンピング室から流出する加熱されたターゲットガスの温度より低い温度を有しており、(d)以前に偏極されたガスを貯槽から光ポンピングセル内に流すこととによって、超偏極ガスを生成するための方法に向けられている。
【0011】
他の実施形態は、光ポンピングされたアルカリ金属とのスピン交換によってターゲットガスを偏極するための偏極システムに向けられている。システムは、(a)別個の出口および入口を有する光ポンピングセルと、出口は光ポンピングセルの頂部に存在しており、(b)光ポンピングセルと流体連通している貯槽室と、貯槽は別個の出口および入口を有しており、(c)光ポンピングセル出口から貯槽入口、および貯槽出口から光ポンピングセル入口に延びる循環ガス流路とを含み、動作中、ターゲットガスは光ポンピングセルにおいて偏極させられ、偏極されたターゲットガスは光ポンピングセル出口から貯槽室へのガス流路内に対流により流出させられる。
【0012】
さらに他の実施形態は、(a)光ポンピングセルにおいてターゲットガスを加熱するための手段と、光ポンピングセルは対向する頂部および底部を有しており、(b)光ポンピングセルにおいてターゲットガスを偏極するための手段と、(c)加熱された偏極ガスを光ポンピングセルの頂部から蓄積貯槽に対流により流出させるための手段と、蓄積貯槽は光ポンピング室から流出する加熱されたターゲットガスの温度より低い温度を有しており、(d)以前に偏極されたガスを貯槽から光ポンピングセル内に流すための手段とを含む、ターゲットガスを偏極するための装置に向けられている。
【0013】
さらに他の実施形態は、レーザー励起源を備える超偏極器を操作するためのコンピュータプログラム製品に向けられている。超偏極器は、偏極された希ガスを生成するために循環ガス流路と流体連通している分配弁および流量弁を備える循環ガス流路を用いて少なくとも1つの光ポンピングセルから少なくとも1つの貯槽への偏極ガスの対流誘起流れ放出を使用している。コンピュータプログラム製品は、媒体に具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読プログラムコードは、(a)超偏極器の光ポンピングセルに保持された偏極ガスの偏極レベルを決定するコンピュータ可読プログラムコードと、(b)超偏極器の貯槽に保持された偏極ガスの偏極レベルを決定するコンピュータ可読プログラムコードと、(c)ターゲットガスおよび以前に偏極されたターゲットガスを光ポンピングするように光ポンピングセルに指示するコンピュータ可読プログラムコードとを含む。
【0014】
有利には、本発明は、光ポンピングセルが偏極ガスの新たな供給を生じるために動作している間に、貯槽が(0.5〜2リットルといった)個々の患者に適した分量の偏極ガスを保持できる超偏極ガスの増大した適時生成をもたらすことができる。バッチ形式の生成プロセスとは異なり、本発明によって提供されるシステムおよび方法は、動作中、従来のセルと類似の大きさにされた偏極セルを用いて増大した量の偏極ガスを供給するために要求に応じて偏極ガスをほぼ連続的に再循環させる、および/または新鮮なターゲットガスを分配することができる。
【0015】
上述の実施形態の全部または所定の操作、機能および/または機器構成は、本発明によって想定されるような方法、システム、コンピュータプログラム製品、アセンブリおよび/または装置として実行され得る。
【0016】
本発明の上述および他の目的および態様は、ここに詳細に説明されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
ここで本発明を、本発明の好ましい実施形態が示されている添付図面に関して以下に詳述する。しかし、本発明は、多くの異なる形態において実施され得て、ここに述べられる実施形態に限定されるものと解釈してはならない。同じ数字は全体を通じて同じ要素を指示する。図面において、層、領域または構成要素は、明瞭のために誇張され得る。図において、破線は、別段に記載のない限り、随意選択の特徴を指示する。
【0018】
以下の本発明の説明において、他の構造に対する特定の構造の位置関係に言及するために特定の用語が使用され得る。ここで使用される限り、用語「前方」およびその派生語は、超偏極器システム中を移動する際にターゲットガスまたはターゲットガス混合物が移動する一般的な方向を言い、この用語は、作用を受けている特定の材料が他の材料よりも製造プロセスにおいて遠くに進んでいることを指示するために製造環境においてしばしば使用される用語「下流」と同義であるように意図されている。逆に、用語「後方」および「上流」ならびにそれらの派生語はそれぞれ、前方および下流の方向の反対の方向を言う。
【0019】
また、ここに述べる通り、偏極ガスは、MRIおよび/またはNMR分光学用途のために、生成および収集され、特定の実施形態において、凍結、解凍され、単独および/または他の成分と組み合わせて使用され得る。説明の簡単のために、用語「凍結偏極ガス」は、偏極ガスが固体状態に凍結されたことを意味する。用語「液体偏極ガス」は、偏極ガスが液体状態に液化されたか、または液化されていることを意味する。このように、各用語は語「ガス」を含むが、この語は、偏極「ガス」生成物を得るために超偏極器によって生成されるガスを名づけ記述的に追跡するために使用される。このように、ここで使用される限り、用語「ガス」または「ターゲットガス」は、超偏極希ガス生成物を記述的に指示するために特定の箇所で使用され得て、その生成物の状態または相を記述するために「固体の」、「凍結した」および「液体の」といった修飾語とともに使用され得る。また、ここで使用される限り、用語「偏極ガス」、「ターゲットガス」および/または「偏極ターゲットガス」は、(例えば以下に限らないが、Heおよび/または129Xeといった)少なくとも1つの意図した関心のあるターゲットガスを含み、他のキャリヤーガスまたは混合ガス、バッファガス、または所要の場合キャリヤー液体といった1つ以上の他の成分を含み得る。さらに、用語「偏極する」、「偏極器」、「偏極された」などは、用語「超偏極する」、「超偏極器」、「超偏極された」などと交換可能に使用されている。
【0020】
偏極ガスを蓄積および捕捉するために種々の技法が使用されてきた。例えば、特表2000−507689号公報は、スピン交換偏極希ガスのための大容積超偏極器を記載しており、特表2000−507688号公報は、スピン偏極された129Xeのための低温アキュムレータを記載している。ここで使用される限り、用語「超偏極する」、「偏極する」などは、交換可能に使用されており、特定の希ガス核の偏極を自然または平衡レベル以上に人工的に増強することを意味する。そのような増大は、それが物質および身体の標的部位のより良好なMRI画像に対応するイメージング信号をより強化できることから、望ましい。当業者には周知の通り、超偏極は、光ポンピングされたアルカリ金属蒸気とのスピン交換によって、または代替として準安定性交換によって誘起され得る。特表平10−501708号公報を参照。
【0021】
概括的に述べれば、超偏極器システムは、ダイオードレーザーアレイといったレーザー源を備える光学系、ビームスプリッタ、レンズ、ミラーまたはリフレクタ、ビーム偏光子もしくは偏波器または波シフタといった光ビーム形成または集光構成要素、および/または、光ポンピングセルに保持されたターゲットガスに円偏光源を付与するための他の焦点構成要素を含む。説明の簡単のために、ここで使用される限り、用語「光学系」は、円偏光を生成および/または集光するために使用される光ポンピング構成要素を含む。
【0022】
概括的に述べれば、本発明の操作は、温度差を用いて光ポンピングセルからの偏極ガスの対流誘起放出をもたらし、それによって偏極ガスが光ポンピングセルから上昇し貯槽へ流れさせるように行われる。特定の実施形態において、システムは、光ポンピングセルおよび貯槽を接続し、貯槽内のガスを必要に応じて再偏極させるために光ポンピングセルへ戻るように移動させる閉ループ循環ガス流路を含む。
【0023】
図1は、本発明の実施形態を実施するために使用され得る操作を図示している。対向する頂部および底部を有する光ポンピングセルにおいてターゲットガスが加熱され得る(ブロック100)。ターゲットガスは、光ポンピングセルにおいて偏極され得る(ブロック110)。加熱は、(a)ターゲットガスを光ポンピングするために使用されるレーザーエネルギー、(b)ストリップまたはプレートヒータ、(c)光ポンピングセルを収容するオーブン、または(d)別の所望の熱誘発源のうちの1つ以上を使用するといったように、いずれかの適格なエネルギー源(単数または複数)を用いて実行することができる。光ポンピングセル(およびその中のガス)は、少なくとも約150℃に、一般に約180℃に加熱され得て(ブロック116)、そして貯槽はほぼ室温とすることができる。
【0024】
いずれにせよ、加熱された偏極ガスは、光ポンピングセルのそれより低い(下回る)温度に保たれている蓄積貯槽へ光ポンピングセルの頂部から流出する(ブロック115)。貯槽のガスは、ガスがポンピングセルから流出する場所とは異なる場所で光ポンピングセルへ流れ戻ることができる(ブロック120)。一般に、貯槽のガスはポンピングセルの底部に流入するように誘導されるが、他の場所もまた使用され得る。しかし、入口の場所は、より直近に偏極された(加熱された)ガスだけが出口を出ることができるように出口から十分な垂直距離だけ離間されなければならない。
【0025】
蓄積貯槽は、光ポンピングセルと少なくとも同じ大きさの容積を備える大きさおよび構成とすることができ、一般に貯槽容積は光ポンピングセルのそれとほぼ同じか、またはそれより大きいはずである(ブロック113)。ある特定の実施形態において、光ポンピングセルは約250ccの内部容積を有することができ、貯槽は約250ないし1000ccの内部容積を有し得る。
【0026】
特定の実施形態において、閉ループガス循環流路は、光ポンピングセルと貯槽との間に延びるように構成され得る(ブロック111)。偏極ガスは、貯槽から、または貯槽の下流かつ光ポンピングセルの上流で循環ガス流路と流体連通している別の場所で分配され得る。分配は、光ポンピングセルがその中に保持されたターゲットガスを偏極するために能動的に動作している間に実行され得る(ブロック117)。貯槽が周囲温度に保たれているので、貯槽からの、または上述の通りその下流での分配前に偏極ガスを冷却する必要はまったくない。動作中、循環ガス流路、光セルおよび貯槽はすべて、共通のシステム圧力に、一般に約6ないし10気圧、より一般的には約8〜10気圧に維持され得る。しかし、最大約20ないし30気圧の圧力も適格なハードウェアとともに使用され得る。セットアップの間に、システムは、適格な量のターゲットガスおよび補助ガスを追加することによって所望のシステム圧力になるように充填され得る。
【0027】
次に図2に転じれば、超偏極器システム10の1例が図示されている。この実施形態において、システム10は、偏光15Lを生成し送出する光学系15、光ポンピングセル20、貯槽30、循環ガス流路40、および磁場源によって生成される磁場31を含む。磁場31は、ある場の大きさを有する低磁界強度および、光ポンピングセル20および保持セル30の両方を包含するように拡張するために十分な均一性を備えて構成され得る。動作中、ガスは、図の中央に描かれた矢印で例示された方向で流れる。流れの方向は、光ポンピングセル20に対する貯槽30の機器構成を変更することによって変わり得る。
【0028】
光ポンピングセル20は、セル20の中央を通って引かれた線の両側に位置する対向する頂部および底部20u、20bを含む。ルビジウムといった少量のアルカリ金属25が、スピン交換の間に蒸気に転化するためにセル20に配置され得る。セル20は、出口20eおよび離間した入口20iを備える。出口20eは、セル20からの加熱された偏極ガスの対流誘起放出を利用するためにセル20の上部20uに配置されなければならない。すなわち、高温の偏極ガスが上昇するにつれて、それは出口20eから流出し、ガス流路40に流れ、(光ポンピングセル20に対して低減された温度の)貯槽30へ進行する。出口20eは、セル本体の入口20iより上に配置されなければならず、各口は同じ圧力で動作し得る。光ポンピングセル20は、約100ないし500ccの内部容積の大きさとすることができ、一般には約250ccである。特定の実施形態において、光ポンピングセル20および貯槽30は、容器の容積対表面積の比率を増大させるためにほぼ球形であるように造形され得る。しかし、適切な場合、他の形状も使用され得る。
【0029】
貯槽30は、ガス流の入口30iおよび離間した出口30eを備える。貯槽30の本体は、セル20とほぼ同じ大きさであるような大きさとすることができる。より一般的には、貯槽30は光ポンピングセル20に対して増大された容積で機器構成されており、それにより、偏極ガスを出口30e(または分配口38)から解放する間にいくつかの連続する偏極されたガスのバッチをその中に保持することができる。例えば、約100ないし500ccの容積を有する光ポンピングセル20を備えるシステム10の場合、貯槽は、セル20の大きさの約1.5〜4倍、一般にセル20の大きさの約2〜3倍である大きさにすることができ、例えば、貯槽30は約300ないし1000cc、またはそれ以上とすることができる。
【0030】
貯槽30は、周囲温度に冷却されるか、またはそれで存在し得る。いずれにせよ、貯槽30は、閉ループシステムにおいて所要の温度勾配を付与するために光ポンピングセル20および/またはその中のガスのもの(T)より低い温度(T)に保たれる。上述の通り、光ポンピングセルへの熱21は、所要のTおよび/または温度勾配を付与するためにいずれかの適格な源によって供給され得る。源は、偏極ガスの減衰を抑制するように機器構成されなければならない。非限定的な例として、源は、吹き込み暖気、表面巻き付けヒータ、(偏極計装または補助エネルギー源からの)レーザーエネルギーなどとし得る。絶縁オーブン(図示せず)が光ポンピングセル20の上に配置され得る。例えば、光セル20は、遠隔場所に発熱体を保持し、ガス(図示せず)の近傍からのいずれかの偏極解消作用を抑制するために強制暖気をセル20に吹き込む再循環オーブン構成で収容され得る。他の実施形態において、レーザーエネルギーは、熱的に絶縁されたオーブン空間において捕捉され、光ポンピングプロセスによって放出された熱を利用する実質的に自己加熱機器構成をもたらす。
【0031】
加熱された偏極ガスは、光ポンピングセル20の頂部を出て、貯槽30へガス流路40を移動する。貯槽30は、セル20の上方(図2)かまたは貯槽30の下方(図3)に位置し得る。貯槽30はまた、貯槽30に接続するために光ポンピングセル20から立ち上がっているガス流区分40を備えて同じ高さに位置し得る(図示せず)。
【0032】
ガス流路40は、所要のシステム圧力に耐えるように機器構成された小径の管またはコンジットから構成され得る。小径の管は、約0.25インチ以下の直径を有し得る。ガス流路40は、閉ループ循環経路40を移動するガスの所要の流量をもたらすような大きさとすることができる。ガス流路40は、アルミノケイ酸塩またはゾル‐ゲル被覆ガラス管といったいずれかの適格な偏極減衰抑制材料から形成され得る。以下に限らないが、陽極処理アルミニウムといった他の適格な材料もまた、使用され得る。
【0033】
ガス流路40は、貯槽30と光ポンピングセル20との間に延びる第2の流れ区分40(戻り区間)に対して光ポンピングセル20と貯槽30との間で小さい長さおよび/または低減した容積を有する第1の流れ区分40(発出区間)を備える大きさとされ得る。この機器構成は、偏極ガスが貯槽30へ移動する際に受ける偏極減衰の量を低減し得る。他の実施形態において、区間40、40はほぼ同じ長さとするか、または図3に図示の通り、第2の(戻り)区間40をより短くすることができる。
【0034】
特定の実施形態において、貯槽30の入口30iは、光ポンピングセル20の出口20eから少なくとも約2インチ離間されている。特定の実施形態において、ガス流路の第1の区間40は、約2〜3インチの長さとすることができる。加えて、ガス流路の第2の区間40は、第1の区間40の長さの約3〜6倍とすることができる。例えば、第2の区間40は長さ約14インチとし得る。
【0035】
システム10における(区間40および40を含む)関係するガス流路40は、貯槽30およびセル20の合算した容積のそれより著しく少ない容積を有し得る。著しく少ないというのは、流路がシステムの総流路容積の約10%である容積を有し得ることを意味する。総流路容積は、区間40、40の容積および、貯槽30およびセル20の容積を含む。例えば、セル20および貯槽30を除外して測定した時の流路容積40は約15ccであり、その時、セル20および貯槽を伴う流路40は約500ないし1250ccの容積を有し得る。
【0036】
第1の区間40の断面幅は、流量の目的で第2の区間40とは異なるような大きさとすることができる。他の実施形態では、第1および第2の区間40、40は、ほぼ同じ断面幅であるように機器構成され得る。
【0037】
図3はまた、ガス流路40が随意選択の流量制御弁40Vを備え得ることも例示している。弁40Vは、光ポンピングセル20に先立つ貯槽30の後ろに、貯槽に先立って配置され得る。また、1つの弁の代わりに、複数の弁がガス流路40に沿って使用され得る(図示せず)。偏極強度の維持が要求される、特に貯槽30の上流およびセル20の下流では、偏極になじむ弁(Polarization friendly valves)が使用されなければならない。
【0038】
特定の実施形態において、循環ガス流路40は、光セル20から貯槽30へ、および/または貯槽30から光セル20へ約50cc/分の流量を付与するように機器構成され得る。特定の実施形態において、閉ループ経路40全体(閉ループガス流路はセル20および貯槽30を含む)は同じ圧力に保たれ、ガスはほぼ一定の流量で流路40を移動する。
【0039】
図2は、分配口38および関係する分配弁38Vが、偏極ガスを所望の配給容器に分配できるようにするために貯槽30に配置され得ることを例示している。分配口38はまた、ガス流路40と流体連通している貯槽30の下流または上流に配置され得る。分配口を貯槽30に(または下流であるがその近傍に)配置することにより、偏極ガスを分配前に冷却させることを可能にする(Heのバッチ生成の後、偏極セル20を冷却することはもはや必要としない)。光ポンピングセルが偏極ガスのバッチ間に冷却される必要がないので、光ポンピングセルは、付加的な量の偏極ガスを生成することができ、それによって内部の冷却に関係する「ダウンタイム」を不要にする。
【0040】
分配後、追加のターゲットガスまたはターゲットガスブレンドが、分配された偏極ガスに取って代わるためにガス流路40に追加され得る。そうしたものとして、充填口(図示せず)が、閉ループシステムに制御可能に再供給するために使用されるガス流路40に接続され得る。従って、前述の通り、ガス流路40は、再充填、分配を可能にするために、および/または閉ループシステムにおけるガスの流量、圧力などを制御するために、移動経路における1つ以上の(自動化された)弁(文字“V”で識別された)と有効に関係づけられ得る。他の実施形態において、ガスは、偏極ガスのほぼ全部が分配されるまで、低い圧力および流量で循環し続け得る。その後、システム10全体は再充填され得る。
【0041】
図2に図示の通り、ガスの偏極および/または流れは、コントローラ11によって自動化および制御され得る。コントローラ11はまた、操作の順序付けおよび/または光学系15の起動を制御する命令を伴うコンピュータプログラムコードを含み得る。超偏極器10はまた、ガス流路40および、偏極ガス50pが分配されるのを可能にする関係する分配口40pを備え得る。コントローラ11は、光ポンピングセル20および貯槽30の一方または両方における偏極ガスの偏極レベルを自動的に監視するように機器構成され得る。さらに、コントローラ11は、計画および/または要求された分配出力に時間的に近い所要の偏極レベルを下回り減衰した偏極ガスを分配することを禁止し得る。コントローラ11は、閉ループ循環流路における特定の場所で温度を監視し、光ポンピングセルまたは貯槽のどちらか一方または両方の温度の調整(上昇または低下)を指示して、所要の温度勾配を付与するか、かつ/または閉ループ経路40における流量を増減するために温度勾配を増減させることができる。
【0042】
図4は、システム10が、NMRコイル51、52および、コイルから偏極測定システム50までそれぞれ延びる関係するリード線51L、52Lを備え得ることを例示している。偏極測定システムが当業者には公知であることを指摘しておく。偏極ガスの偏極強度は、偏極測定およびRF偏極測定コイル51、52を用いて監視され得る。例えば、特表2003−503710号公報および米国特許第6,566,875号、そしてサーム(Saam)他による「ロー・フリークエンシーNMRポラリメータ・フォー・ハイパーポラライズド・ガスズ(Low Frequency NMR Polarimeterfor Hyperpolarized Gases)」、ジャーナル・オブ・マグネティック・レゾナンス(Jnl. of Magnetic Resonance)134、67−71頁(1998年)を参照されたい。これらの各々の内容はこれをもって、ここに全部が引用されたごとく、参照によってここに採り入れられる。
【0043】
図2〜4において光ポンピングセル20および貯槽30を包括している破線によって図示された磁場31は、永久磁石または電磁石といったいずれかの適格な磁場源によって付与され得る。低磁界強度が使用され得て、一般に約500ガウス以下、より一般的には約100ガウス以下であり、偏極ターゲットガスの生成および貯蔵の間に偏極解消作用を抑制するために十分な均一性を備える。特定の実施形態では、7ないし20ガウスの磁界強度が適切かもしれない。特定の実施形態では、少なくとも任意の時間長の間、超偏極ガスを包含している領域について、10−3cm−1(ガウス)のオーダの磁場均一性が望ましい。従来、ヘルムホルツコイルが使用されてきた。磁場31はまた、ガス分配口38(図2)を包含するために十分な距離で拡張するように構成され得る。特定の実施形態において、磁場31はさらに、分配の間に偏極ガスの受入れ容器を包含するように拡張するように発生、形成または整形され得る(図示せず)。
【0044】
このように、磁場源は、当業者には公知である通り1対のヘルムホルツコイル、および/または永久磁石とすることができる。図6に図示の通り、特定の実施形態において、磁場源は、磁場31を発生させるために機器構成されている円筒形ソレノイド80である。ソレノイド80は、光ポンピングセル20および貯槽30を包囲するような大きさおよび機器構成にされている空洞80cを備え得る。偏極ガスは、ほぼソレノイド80の軸に沿って超偏極器から分配口38を流出または分配するようにガスを誘導することによって分配され得る。他の分配機器構成もまた使用され得る。ソレノイド80は、(合計1528巻線のために)648の全巻線層および各端部の58の追加層の巻線(16ゲージ電線)が幅約8インチおよび長さ18インチの楕円形磁場を付与するように機器構成され得る。ソレノイドは約3440フィートの電線(約14.4Ω)により構成され得る。1.0Aおよび15Vを用いて、十分な大きさおよび均一性を備える約18.7ガウスの磁場が生成され得る。端補償ソレノイド機器構成といった適格なソレノイド磁場源が共同譲渡された特許公開2002−518652号に記載されており、また永久磁石機器構成は特許公開2003−506651号号に記載されている。これらの出願の内容はこれをもって、ここに全部が引用されたごとく、参照によってここに採り入れられる。
【0045】
特定の実施形態において、貯槽30、光ポンピングセル20および、それらの間の流路40は全部、図6に図示の通りソレノイドの空洞の内側で単一の共通の磁気保持場B内の十分な均一性の領域内に保持される。他の実施形態において、超偏極器に所要の保持場を付与するために、複数の別個の磁場源または発生器(すべて電磁石、すべて永久磁石、または個々の組合せ)が使用され得る(図示せず)。
【0046】
セル20は、以下に限らないが、Heまたは129Xeといった同じ種類の超偏極ターゲットガス(一般に希ガス)を生成するために機器構成され得る。
【0047】
初期始動の前またはその間に、閉ループシステム10は、セル20が大気圧以上に、一般に室温時110psiになるように、ターゲットガス(一般にガス混合物)を充填または装入され得る。動作中、セルは、上述の通り約6ないし10気圧といった高圧で動作し得る。一部の特定の実施形態において、セル20の事前充填およびシステム10との関与の代わりに、セル20は、分配経路および/もしくは分配口、または充填口および充填経路(図示せず)を使用するなどして、外生的に保持されたガスの供給源をセル20に誘導することによって、所要のターゲットガスが充填され得る。特表2002−526168号、共同譲渡された米国特許同時係属出願第10/277911号、第10/277909号および第10/625097号(マニホルドおよび充填・分配システムとともに、パージおよび排気手順を記載している)を参照されたい。これらの内容はこれをもって、ここに全部が引用されたごとく、参照によってここに採り入れられる。
【0048】
偏極ガスの単数または複数のバッチの全部または一部を分配した後に閉ループシステムを補充するために、システム10は、ターゲットガスをガス流路40、貯槽またはセル20に流すなどによって、外生的(非偏極ガス)補充を可能にするように機器構成され得る。一般に、補充ガスは、その中に保持された偏極ガスを希薄にしないために貯槽の下流でシステム10に入るように誘導される。
【0049】
概括的に述べれば、動作中、光ポンピングセル20は、高温に、一般には約150〜200℃以上、典型的には約180℃まで加熱される。ターゲットガス混合物は、セル20において約6ないし10気圧の圧力で偏極させられる。当然ながら、当業者には公知の通り、高圧で動作可能なハードウェアにより、約20〜30気圧といった10気圧を超える作業圧力が、アルカリ金属吸収をプレッシャーブロードニング(pressure−broaden)させ、スピン交換を促進するために使用され得る。アルカリ金属(例えばルビジウム(Rb))とともに高圧を使用することにより、光学光の吸収を助成し得る(最大100%に近づける)。対照的に、従来の線幅より小さいレーザー線幅の場合、低い圧力が使用され得る。
【0050】
光ポンピングセル20は一般に、関心のあるターゲットガスのスピン交換偏極をもたらすために蒸発し協働するある量のアルカリ金属25(図2)を包含する。アルカリ金属は一般に、補充を伴うことなく複数のポンピング手順に使用され得る。光ポンピングセル20は従来、アルカリ金属の腐食可能性による劣化に耐えるその能力および、ガスの超偏極状態のその比較的易しい処理(すなわち、セルの壁とのガスの衝突に帰せられる表面接触誘起緩和を抑制するその能力のためにそのように言われる“良好なスピン緩和特性”)のために、ほぼ純粋な(常磁性汚染物質が実質的にない)アルミノケイ酸塩グラスから形成されてきた。ゾル‐ゲルコーティング、重水素化ポリマーコーティング、金属膜コーティングおよび、偏極解消を抑制する他のコーティングおよび材料といったコーティングもまた、提起されてきた。例えば、特開2001−515215号および特開平11−508354号を参照されたい。これらの各々の内容はこれをもって、ここに全部が引用されたごとく、参照によってここに採り入れられる。貯槽30は、偏極減衰を抑制する類似の材料で形成され得る。
【0051】
偏極の間に、(Heといった)選択した希ガスは、アルカリ金属とともに光セルに保持される。光ポンピングセルは、高圧にさらされ、オーブンにおいて高温に加熱され、それとともに、一般に光学系15(図2)におけるレーザーおよび/またはレーザーアレイによって付与される光源が光セル20に方向づけられてアルカリ金属を光ポンピングし、ターゲットガスを偏極させる。
【0052】
システム10は、Rb蒸気吸収帯幅をプレッシャーブロードニングするために光ポンピングセル20のヘリウムバッファガスを使用し得る。バッファガスの選定は、バッファガスが、吸収帯幅をプレッシャーブロードニングする間に、所望の希ガスよりもむしろバッファガスにアルカリ金属の角運動量損失を潜在的に導入することによってアルカリ金属−希ガススピン交換にも望ましくなく影響し得るので、重要となり得る。
【0053】
当業者には容易に理解されるように、RbはHOと反応性である。それ故、偏極器セル20に導入されるあらゆる水または水蒸気は、Rbにレーザー吸収を損失させ、偏極器セル20におけるスピン交換の量または効率を低減させ得る。従って、付加的な予防措置として、追加のフィルタまたは清浄器(図示せず)を、付加的な表面積を備える偏極器セル20の入口の前に配置して、この望ましくない不純物の付加的な量をも除去し偏極器の効率をさらに高めることができる。
【0054】
超偏極器システム10はまた、加熱されたポンピングセル20と貯槽30との間の管路または貯槽30自体における温度変化を利用して、セル20における、および/またはガス流路の一部を成すセル20の近傍のコンジットにおける偏極ガス流からアルカリ金属25を析出させることができる。
【0055】
当業者には容易に理解されるように、アルカリ金属25は約40℃の温度でガス流から析出し得る。システム10はまた、アルカリ金属還流凝縮器(図示せず)またはポストセルフィルタ(図示せず)を備え得る。還流凝縮器は、室温に保たれている垂直還流出口パイプを使用することができる。還流パイプ内のガス流速および還流出口パイプの大きさは、アルカリ金属蒸気が凝縮し重力によってポンピングセルに落下して戻るようなものである。代替的かつ/または付加的に、Rbフィルタは、分配経路に沿ってまたは分配口38(図2)における回収または蓄積の前に、超偏極ガスから過剰なRbを除去するために使用され得る。いずれにせよ、非毒性、滅菌または製薬上許容可能な物質(すなわち、適格であるもの)を提供するために、偏極ガスを患者に送達する前に(また一般に、超偏極器から分配する前に)、アルカリ金属を除去することが望ましい。
【0056】
当業者には理解されるように、特定の実施形態において、コントローラ11は、システムから汚染物質を除去するために、中央のパージガス源および真空ポンプからのパージ/ポンプ容量を閉ループガス流路40に付与するように構成され得る。そうしたものとして、パージおよび真空源から光ポンピングセル20および/または貯槽30へと延びる配管の流体流路は、配管、弁およびソレノイドの流体流通システムまたはマニホルド網によって規定される。これらの流体流路は、光ポンピングセル20、貯槽30および閉ループガス流路40へ/からパージガスを選択的に誘導して流路をパージおよび排気し、それらを偏極操作に備えて準備させるか、または偏極ガスを保持または処理する。
【0057】
ターゲットガスの量は、単一のバッチを形成するために必要なものに相応した成分を付与するための大きさとすることができる。一般に、非偏極ターゲットガスは、微量のターゲット希ガスおよび大量の1つ以上の高純度の生体適合性フィラーガスよりなるガス混合物である。例えば、Heの偏極の場合、He/Nの非偏極ガスブレンドは、約99.25/0.75とし得る。超偏極129Xeを生成する場合、事前混合された非偏極ガス混合物は、約85〜98%のHe(好ましくは約85〜89%のHe)、約5%以下の129Xe、および約1〜10%のN(好ましくは約6〜10%)とすることができる。
【0058】
偏極ガスの個別の量は、単一のMRI撮像またはNMR評価セッションのための単一の患者量を付与する量で貯槽30から分与され得る。製薬等級の偏極ガス用量を付与するために、偏極ガスはそれ自体、分配時に製薬等級キャリヤーガスまたは液体と混合され得るかまたは、唯一または主要な物質または成分として投与されるように構成され得る。特定の実施形態において、偏極ガスは、Heであり、分配の前またはその間に(または患者への投与の前に)窒素フィラーガスと混合されて、患者が吸入する量のガス混合物を形成する。他の実施形態では、例えば、吸入用129Xeを生成する場合、129Xeは、投与用量の大部分(または全部)を形成し得る。他の実施形態において、偏極ガスは、生体内に(液体キャリヤー、微小泡溶液または気体の形態で)注入されるように調製され得る。
【0059】
超偏極器システム10は、水蒸気、アルカリ金属および酸素といった不純物をシステムから除去するために(または内部へのそれらの進入を抑止するために)、配管に沿って配置されている1つ以上の清浄器またはフィルタ(図示せず)を備え得る。超偏極器システム10はまた、流量計を含む種々のセンサのほか、超偏極器10の構成要素の流体流路および動作を規定するためにコントローラ11によって制御され得る、複数の弁、電気ソレノイド、油圧または空気式アクチュエータを備え得る。当業者には理解されるはずであるように、他の流れ制御機構および装置(アナログおよび電子的)が、本発明の範囲内において使用され得る。計量分配システムの付加的な説明については、米国特許同時係属出願第10/277911号、第10/277909号および第10/625097号を参照されたい。これらの内容はこれをもって、ここに全部が引用されたごとく、参照によってここに採り入れられる。
【0060】
超偏極器システム10は、使用現場(病院または診療室)の箇所に、一般にMRIまたはNMR装置の近傍または近辺に配置され得る。すなわち、超偏極器システム10は、空間的輸送および望ましくない環境条件への潜在的な露呈を制限するために、MRI装置一式に隣接して、またはその近くの脇室に存在し得る。特定の実施形態において、超偏極器とイメージング装置一式との間での偏極ガス輸送時間は、ほぼ1時間未満である。超偏極器を診療室または病院に置くことにより、手順から手順までの短くて一貫した輸送時間を可能にする。加えて、より高レベルの偏極を有する偏極ガスにより医薬品偏極ガスを調製することは、最終投与製品を形成するために使用される偏極ガスの量を低減し、それによって製品のコストを潜在的に引き下げることができる。
【0061】
当業者には容易に理解されるはずである通り、本発明は、方法、データまたは信号処理システム、またはコンピュータプログラム製品として実施形態され得る。従って、本発明は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態、またはソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせている実施形態の形をとり得る。さらに、本発明は、媒体に具体化されたコンピュータ可用プログラムコード手段を有するコンピュータ可用記憶媒体におけるコンピュータプログラム製品の形をとり得る。ハードディスク、CD−ROM、光学的記憶装置または磁気記憶装置を含む、あらゆる適格なコンピュータ可読媒体が利用され得る。
【0062】
コンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体は、例えば、以下に限らないが、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線または半導体システム、装置、デバイスまたは伝達媒体とすることができる。コンピュータ可読媒体のさらに具体的な例(非排他的なリスト)は、以下を含むであろう。1つ以上の電線を有する電気的接続、携帯コンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能ROM(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光ファイバ、および可搬コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)。コンピュータ可用またはコンピュータ可読媒体は、プログラムが印刷された紙または別の適格な媒体であってもよく、なぜなら、プログラムが例えば、その紙または他の媒体の光学式走査によって電子的に捕捉され、その後、編集、解釈または必要に応じて適格な方法で別様に処理され、そしてコンピュータメモリに記憶され得るからであることに留意されたい。
【0063】
本発明の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、ジャバ(Java(登録商標))7、スモールトーク(Smalltalk(登録商標))、パイソン(Python(登録商標))またはC++といったオブジェクト指向プログラミング言語で記述され得る。しかし、本発明の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードはまた、“C”プログラミング言語といった従来の手続き型プログラミング言語で、またはアセンブリ言語でさえも記述され得る。プログラムコードは、独立型ソフトウェアパッケージとして、完全に使用者のコンピュータ上で、部分的に使用者のコンピュータ上で、一部使用者のコンピュータ上および一部遠隔コンピュータ上で、または完全に遠隔コンピュータ上で、実行され得る。後者の状況では、遠隔コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイドエリアネットワーク(WAN)によって使用者のコンピュータと接続され得るし、または、接続は外部コンピュータと(例えば、インターネット(登録商標)サービスプロバイダを用いてインターネットを通じて)行われ得る。
【0064】
図5は、本発明の実施形態に従ったシステム、方法およびコンピュータプログラム製品を例証するデータ処理システムの例示的な実施形態のブロック図である。プロセッサ310は、アドレス/データバス348によってメモリ314と通信する。プロセッサ310は、いずれかの市販または特注のマイクロプロセッサとすることができる。メモリ314は、データ処理システム305の機能性を具体化するために使用されるソフトウェアおよびデータを含んでいる記憶素子の全階層構造を表している。メモリ314は、以下に限らないが、以下の種類の装置を含み得る。キャッシュ、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、SRAMおよびDRAM。
【0065】
図5に図示の通り、メモリ314は、オペレーティングシステム352、アプリケーションプログラム354、入出力(I/O)装置ドライバ358、バックグラウンド推定モジュール350およびデータ356といった、データ処理システム305において使用されるいくつかの部類のソフトウェアおよびデータを含み得る。データ356は、画像収集システム320から得られ得る画像データ362を含み得る。当業者には容易に理解されるはずであるように、オペレーティングシステム352は、インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション(International Business Machines Corporation)社(ニューヨーク州アーモンク)のOS/2、AIXまたはOS/390、マイクロソフト・コーポレーション(Microsoft Corporation)社(ワシントン州レドモンド)のWindows(登録商標)XP、Windows(登録商標)CE、Windows(登録商標)NT、Windows(登録商標)95、Windows(登録商標)98またはWindows(登録商標)2000、パーム・インコーポレーテッド(Palm,Inc.)社のPalm(登録商標)OS、アップル・コンピュータ(Apple Computer)社のMac(登録商標)OS、UNIX(登録商標)、FreeBSDまたはLinux、所有権を主張できるオペレーティングシステムまたは、例えば埋込みデータ処理システムの専用オペレーティングシステムといった、データ処理システムでの使用に適格なあらゆるオペレーティングシステムとすることができる。
【0066】
入出力装置ドライバ358は一般に、入出力データポート(単数または複数)、データ記憶装置356および特定のメモリ314構成要素、および/または画像収集システム320といった装置と通信するためにオペレーティングシステム352を介してアプリケーションプログラム354によってアクセスされるソフトウェアルーチンを含む。アプリケーションプログラム354は、データ処理システム305の種々の機能を具体化し、好ましくは本発明の実施形態に従って操作を支援する少なくとも1つのアプリケーションを含むプログラムを例示している。最後に、データ356は、アプリケーションプログラム354、オペレーティングシステム352、入出力装置ドライバ358および、メモリ314に存在し得る他のソフトウェアプログラムによって使用される静的および動的データを表す。
【0067】
本発明は、例えば、対流放出および再循環偏極ガス超偏極器のための制御モジュール350との言及が図5におけるアプリケーションプログラムであると例示されているが、当業者には容易に理解されるはずであるように、本発明の教示から依然利益を得ながら、他の機器構成もまた利用され得る。例えば、モジュール350はまた、オペレーティングシステム352、入出力装置ドライバ358または、データ処理システム305の他のそうした論理部門に組み込まれ得る。従って、本発明は図5の機器構成に限定されるように解釈してはならず、それはここに記載された操作を実行できるあらゆる機器構成を包含するように意図されている。
【0068】
特定の実施形態において、対流放出および再循環(閉ループ流路)偏極ガス超偏極器のための制御モジュール350は、光ポンピングセルおよび/または貯槽における偏極レベルデータを追跡し、貯槽が十分に減衰した偏極ガスを有する場合にそれが再偏極される準備ができているか、または使用に適していないことを通知するためのコンピュータプログラムコードを含む。偏極レベルが過度に低いかまたは、代替分配口が作動しているかもしれない(すなわち、より新しい偏極ガスが存在し得る貯槽の一方の上流で)場合、分配は禁止され得る。モジュール350は、自動的に決定するはずである操作の開始を指示するか、かつ/または以下の1つ以上を行うはずであるコントローラの動作を開始させ得る。(a)ポンピングセルの温度を調整する、(b)偏極ガスを貯槽から分配口に解放する、(c)流路の温度勾配または1つ以上の流れ弁の弁位置を調整することによって閉ループ経路におけるガスの流量を調整する、(d)閉ループ経路の補充または再充填を開始する。
【0069】
入出力データポートは、データ処理システム305とNMR偏極測定システム320、または別のコンピュータシステム、ネットワーク(例えばインターネット)またはプロセッサによって制御される他の装置との間で情報を転送するために使用され得る。これらの構成要素は、多くの従来のデータ処理システムにおいて使用されるものといった従来の構成要素とすることができ、それらはここに記載された通り動作するように本発明に従って機器構成され得る。
【0070】
本発明は、例えば、プログラム、機能およびメモリの特定の部門に関して例証されているが、本発明はそうした論理的部門に限定されるように解釈してはならない。従って、本発明は、図5の機器構成に限定されるように解釈してはならず、ここに記載された操作を実行できるあらゆる機器構成を包含するように意図されている。
【0071】
ここでの図の一部の流れ図およびブロック図は、本発明に従ったプローブセル推定手段の可能な具体化のアーキテクチャ、機能性および動作を例証している。これに関して、流れ図またはブロック図における各ブロックは、指定の論理的機能(単数または複数)を具体化するための1つ以上の実行可能な命令を含む、コードのモジュール、セグメントまたは部分を表している。流れ図およびブロック図の一部は、本発明の実施形態に従った偏極ガスを得るために超偏極器またはその構成要素を操作するための方法を例証している。これに関して、流れ図またはブロック図における各ブロックは、指定の論理的機能(単数または複数)を具体化するための1つ以上の実行可能な命令を含む、コードのモジュール、セグメントまたは部分を表している。また、他の一部の代替的な具体化において、ブロックに記された機能が図に記された順序から外れて生じることもある点に留意しなければならない。例えば、連続して示された2ブロックが実際には、ほぼ同時に実行され得るし、またはブロックは時として、関与する機能性に応じて、逆の順序で実行され得る。
【0072】
上述のことは本発明の例証であり、その限定として解釈されるべきではない。本発明の2、3の例示的実施形態を説明したが、当業者は、本発明の新規な教示および利益を著しく逸脱することなく、例示的実施形態において多くの修正が可能であることを容易に理解するはずである。従って、全部のそうした修正は、請求項において規定された通り、本発明の範囲内に含まれるように意図されている。請求項において、使用されていれば、ミーンズ・プラス・アクション節は、引用した機能を実行するものとしてここに記載された構造および、構造上の等価物だけでなく等価な構造をも包含するように意図されている。従って、上述のことは本発明の例証であり、開示された特定の実施形態に限定されるように解釈されるべきではないことを、また開示された実施形態へのその修正とともに、他の実施形態も添付請求項の範囲内に含まれるように意図されていることを理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の実施形態を実行するために使用され得る操作のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に従った偏極ガスを循環させるための閉ループ流路を備える光ポンピングセルを有する偏極器システムの略図である。
【図3】本発明の実施形態に従った、貯槽が光セルの下方に位置すること以外、図2に図示のものに類似の偏極器システムの略図である。
【図4】本発明の他の実施形態に従った偏極器システムの略図である。
【図5】本発明の実施形態に従った対流放出ガスとともに使用するためのコンピュータモジュールのブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に従った磁場を付与するために機器構成されたソレノイドの正面部分切取図である。
【符号の説明】
【0074】
10 超偏極器システム
11 コントローラ
15 光学系
15L 偏光
20 光ポンピングセル
20u 上部
20b 底部
20e 出口
20i 入口
21 熱
25 アルカリ金属
30 貯槽
30e 出口
30i 入口
31 磁場
38 分配口
38V 分配弁
40 ガス流路
40、40 区間
40p 分配口
40V 流量制御弁
50 偏極測定システム
50p 偏極ガス
51、52 NMRコイル
51L、52L リード線
80 円筒形ソレノイド
80c 空洞

【特許請求の範囲】
【請求項1】
超偏極ガスを生成する方法であって、
光ポンピングセルにおいてターゲットガスを加熱することと、光ポンピングセルは対向する頂部および底部を有しており、
光ポンピングセルにおいてターゲットガスを偏極することと、
加熱された偏極ガスを光ポンピングセルの頂部から蓄積貯槽に流出するように誘導することと、蓄積貯槽は光ポンピング室から流出する加熱されたターゲットガスの温度より低い温度を有しており、
以前に偏極されたガスを貯槽から光ポンピングセル内に誘導することとを含む、方法。
【請求項2】
第2の誘導するステップは、以前に偏極されたガスを光ポンピングセルの底部内に誘導することによって実行される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
貯槽は光ポンピングセルよりも大きい容積を有する、請求項1記載の方法。
【請求項4】
光ポンピングセルは約150℃超まで加熱される、請求項1記載の方法。
【請求項5】
貯槽は室温である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
ターゲットガスはHeである、請求項1記載の方法
【請求項7】
偏極ガスを貯槽から分配することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項8】
分配するステップは偏極ステップの間に実行される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
光ポンピングセルと貯槽との間に延びる閉ループ循環経路を設けることをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
循環経路、貯槽および光ポンピングセルは約8〜10気圧の圧力に保たれている、請求項9記載の方法。
【請求項11】
第2の誘導するステップは約50cc/分の関係する流量を有する、請求項1記載の方法。
【請求項12】
第1の誘導するステップは約50cc/分の関係する流量を有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
光ポンピングセルは貯槽の上方に存在する、請求項1記載の方法。
【請求項14】
光ポンピングセルは貯槽の下方に存在する、請求項1記載の方法。
【請求項15】
光ポンピングセルは約250ccの容積を有しており、貯槽は約250ないし1000ccの容積を有する、請求項1記載の方法。
【請求項16】
閉ループガス流路は、セルおよび貯槽の容積を含め約500ないし1250の関係する総容積を有しており、セルおよび貯槽容積を除外した閉ループガス流路の容積は約15ccである、請求項9記載の方法。
【請求項17】
第1の誘導するステップは偏極ターゲットガスの対流加熱を用いて実行される、請求項1記載の方法。
【請求項18】
光ポンピングセル、閉ループ流路および貯槽を包含する磁気保持場を発生させることをさらに含む、請求項10記載の方法。
【請求項19】
光ポンピングセルは少なくとも約2〜3インチだけ貯槽から離間されている、請求項1記載の方法。
【請求項20】
貯槽に保持された偏極ガスの偏極レベルを決定することをさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
光ポンピングセルの偏極ガスの偏極レベルを決定することをさらに含む、請求項20記載の方法。
【請求項22】
光ポンピングされたアルカリ金属とのスピン交換によってターゲットガスを偏極するための偏極システムであって、
別個の出口および入口を有する光ポンピングセルと、出口は光ポンピングセルの頂部に存在しており、
光ポンピングセルと流体連通している貯槽室と、貯槽は別個の出口および入口を有しており、
光ポンピングセル出口から貯槽入口、および貯槽出口から光ポンピングセル入口に延びる循環ガス流路とを含み、動作中、ターゲットガスは光ポンピングセルにおいて偏極させられ、偏極されたターゲットガスは光ポンピングセル入口から貯槽室へのガス流路内に対流により流出する、システム。
【請求項23】
光ポンピングセルに保持されたある量のアルカリ金属をさらに含む、請求項22記載のシステム。
【請求項24】
偏極のために光ポンピングセルに保持されたある量のターゲット希ガスをさらに含む、請求項22記載のシステム。
【請求項25】
動作中、循環ガス流路、光ポンピングセルおよび貯槽は全部、ほぼ同じ作業圧力に保たれる、請求項22記載のシステム。
【請求項26】
圧力は約8ないし10気圧である、請求項25記載のシステム。
【請求項27】
貯槽は光ポンピングセルの下方に配置されている、請求項22記載のシステム。
【請求項28】
貯槽は光ポンピングセルの上方に配置されている、請求項22記載のシステム。
【請求項29】
光ポンピングセル入口は光ポンピングセルの底部のまわりに配置されている、請求項22記載のシステム。
【請求項30】
貯槽は光ポンピングセルよりも大きい容積を有する、請求項22記載のシステム。
【請求項31】
光ポンピングセルを約150℃超まで加熱するために機器構成された熱源をさらに備える、請求項22記載のシステム。
【請求項32】
動作中、貯槽はほぼ室温である、請求項22記載のシステム。
【請求項33】
偏極ターゲットガスは偏極されたHeである、請求項22記載のシステム。
【請求項34】
貯槽からまたは、光ポンピングセルに先立つ貯槽の下流のガス流路の場所から偏極ガスを分配するための分配口をさらに備える、請求項22記載のシステム。
【請求項35】
ガス流路は、約50cc/分のガス流路における偏極ガス流量をもたらすように機器構成されている、請求項22記載のシステム。
【請求項36】
光ポンピングセルおよび貯槽は、ガス流路において所要の流量をもたらすために選定される温度差を規定する、請求項22記載のシステム。
【請求項37】
動作中、偏極ターゲットガスは約50cc/分の流量でガス流路内を移動する、請求項22記載のシステム。
【請求項38】
光ポンピングセルは約250ccの容積を有しており、貯槽は約250ないし1000ccの容積を有する、請求項22記載のシステム。
【請求項39】
循環ガス流路は、貯槽およびセルの容積を含め約500ないし1250ccの関係する総容積を有しており、循環ガス流路は貯槽およびセルの容積を除外して約15ccの容積を有する、請求項22記載のシステム。
【請求項40】
光ポンピングセル、ガス流路および貯槽を包含する磁気保持場を発生させるための磁場源をさらに備える、請求項22記載のシステム。
【請求項41】
光ポンピングセルは少なくとも約2〜3インチだけ貯槽から離間されている、請求項40記載のシステム。
【請求項42】
貯槽に保持された偏極ガスの偏極レベルを決定するための貯槽に保持されたRF表面コイルをさらに備える、請求項22記載のシステム。
【請求項43】
光ポンピングセルの偏極ガスの偏極レベルを決定するための光ポンピングセルに保持されたRF表面コイルをさらに備える、請求項22記載のシステム。
【請求項44】
ターゲットガスを偏極するための装置であって、
光ポンピングセルにおいてターゲットガスを加熱するための手段と、光ポンピングセルは対向する頂部および底部を有しており、
光ポンピングセルにおいてターゲットガスを偏極するための手段と、
加熱された偏極ガスを光ポンピングセルの頂部から蓄積貯槽に対流により誘導するための手段と、蓄積貯槽は光ポンピング室から流出する加熱されたターゲットガスの温度より低い温度を有しており、
以前に偏極されたガスを貯槽から光ポンピングセル内に誘導するための手段とを含む、装置。
【請求項45】
レーザー励起源を備える超偏極器を操作するためのコンピュータプログラム製品であって、超偏極器は、偏極された希ガスを生成するために循環ガス流路と流体連通している分配弁および流量弁を備える循環ガス流路を用いて少なくとも1つの光ポンピングセルから少なくとも1つの貯槽への偏極ガスの対流誘起流れ放出を使用しており、コンピュータプログラム製品は、
当該媒体に具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを有するコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記コンピュータ可読プログラムコードは、
超偏極器の光ポンピングセルに保持された偏極ガスの偏極レベルを決定するコンピュータ可読プログラムコードと、
超偏極器の貯槽に保持された偏極ガスの偏極レベルを決定するコンピュータ可読プログラムコードと、
動作中、ターゲットガスおよび以前に偏極された再循環ターゲットガスを光ポンピングセルにおいて光ポンピングするように超偏極器に指示するコンピュータ可読プログラムコードとを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項46】
コンピュータプログラムはHeを偏極するように設定されている、請求項45記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項47】
光ポンピングセルと貯槽の近傍の場所との間のガス流路における温度差を監視するコンピュータ可読プログラムコードと、
循環ガス流路における偏極ガスの流量を調整するためにガス流路の温度差を変更できるコンピュータ可読プログラムコードとをさらに含む、請求項45記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項48】
ガス流路内を移動しているガスの流量を自動的に調整するために少なくとも1つの流量弁の動作を制御するコンピュータ可読プログラムコードをさらに含む、請求項45記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項49】
貯槽におけるガスの偏極レベルが所要のレベルを満たしていると決定された場合、偏極ガスを使用者に分配するために分配弁を作動させるコンピュータ可読プログラムコードをさらに含む、請求項45記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2006−527010(P2006−527010A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501023(P2006−501023)
【出願日】平成16年1月20日(2004.1.20)
【国際出願番号】PCT/US2004/001299
【国際公開番号】WO2004/065975
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(500436053)メディ−フィジックス・インコーポレイテッド (18)
【Fターム(参考)】