説明

光偏向器、光走査装置および画像形成装置

【課題】 従来のカバー付き光偏向器は、光ビームが出入りする開口部に取り付けられた透明プレートがカバー内外の温度変化により歪んでいたため、光ビームがその影響で曲がる等の問題点を有していた。
【解決手段】 光ビームを偏向するポリゴンミラーと、少なくともポリゴンミラーを覆い、光ビームが通過する開口部が形成されたカバーと、この開口部を塞いだ透明プレートとを備えた光偏向器において、透明プレートを固化後も弾性を有する接着剤によりカバーに接着固定したことにより、透明プレートの周縁部をフリーにし、温度変化による透明プレートに発生していた歪みを無くした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ビームを偏向反射するポリゴンミラーを用いた光偏向器、光走査装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタや複写機等の画像形成装置では、例えばレーザ素子などの発光素子(光源)から出射(出力)された光ビームをポリゴンミラーの各反射面で偏向反射する光偏向器が用いられている。光偏向器としては、図23に示したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図23に示した光偏向器は、アルミニウム合金製のハウジング100に固定配設された円柱形状のセラミック製または金属製の固定軸101と、この固定軸101に回転自在に支持される回転体110とを有している。低振動が要求される光偏向器を製造する場合は、ハウジング100の材質をアルミニウム合金よりも比重が大きい亜鉛合金とすることが望ましい。
【0004】
この回転体110は、固定軸101との間にわずかの隙間をもって配設されるセラミック製または金属製の回転軸111と、この回転軸111の上部内側に固定配設されるリング状のマグネット112と、回転軸111の中央部外側に固定配設されるポリゴンミラー113と、回転軸111の下部外側にフランジ114を介して固定配設されるリング状の駆動マグネット115とを備えている。尚、回転軸111の下端部には、回転体110の重量の偏心を修正するためのバランスウエイト117が取り付けられる円環状の溝116が形成されている。
【0005】
また、固定軸101の上端には、回転体110に設けられたリング状マグネット112と対向するようにリング状のマグネット102が固定配設されており、これらリング状のマグネット102及び112によって回転体110をスラスト方向に軸受けするスラスト磁気軸受Sが構成されている。
【0006】
さらに、ハウジング100には、回転体110に設けられたリング状の駆動マグネット115と対向するように鉄心コイル103が固定配設されており、これらリング状の駆動マグネット115と鉄心コイル103によって回転体110を回転させるブラシレスモータMが構成されている。
【0007】
また、回転体110の回転軸111のうち、固定軸101の外周面101aと対向する内周面111aは、高精度な軸受面仕上げが施されている。そして、この回転軸111の内周面111aと対向する固定軸101の外周面101aには図中破線で示すようにヘリングボーン状の溝104が形成され、これら回転軸111の内周面111aと固定軸101の外周面101aに設けられた溝104によって、回転体110をラジアル方向に支持するラジアル動圧軸受Rが構成されている。
【0008】
この光偏向器では、ブラシレスモータMにより回転体110を回転させると、回転体110が、ラジアル動圧軸受Rにより固定軸101に対して一定距離(隙間)をもって非接触に支持されると共に、スラスト磁気軸受Sにより固定軸101に対して一定高さに支持される。また、回転体110の重心の位置を回転体110の略中心の位置にすることができるので、回転体110を安定して回転させることができる。
【0009】
前記した光偏向器は、近年、高速化が進み、回転中の風切り音による騒音が問題となってきたため、ポリゴンミラー113の周囲をカバーで覆った光偏向器が採用されている(例えば、特許文献2、3参照)。
【0010】
しかし、これらの光偏向器は、光束が入出射する開口部(窓)が開放されているため、騒音が外部に漏れ、かつ、窓から粉塵が入り込むという問題がある。そこで、ポリゴンミラーの周囲を覆うカバーの開口部を透明プレートで覆う光偏向器が採用されている(例えば、特許文献4、5参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平05−071532号公報
【特許文献2】特開平11−264949号公報
【特許文献3】特開平11−183836号公報
【特許文献4】特開2008−181029号公報
【特許文献5】特開2008−197295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかし、前記した特許文献4に記載された発明は、カバーに設けられた開口部にプラスチック製またはガラス製の透明プレートが嵌め込まれているため、カバーの内部または外部の温度変化があった場合に、透明プレートに歪みが発生するという問題があった。
【0013】
つまり、透明プレートに歪みが生じると、透明プレートを通過してポリゴンミラーに入射する光ビームと、この光ビームがポリゴンミラーにより偏向反射された後再度透明プレートを通過する光ビームが影響を受けるため、かかる光偏向器を画像形成装置に使用した場合に、画質が劣化するという問題があった。
【0014】
また、前記した特許文献5に記載された発明は、プラスチック製またはガラス製の透明プレートがカバー内面における開口部の周囲に設けられた取付部に接着剤等を用いて強固に固定されているため、上記特許文献4に記載された発明と同様の問題が発生していた。
【0015】
カバー内部の温度は、カバー内部に存するブラシレスモータMが回転すると上昇し、ブラシレスモータMが停止すると低下するため、常に温度変化が発生している。また、カバー外部の温度においても、光偏向器が搭載される機器の周囲環境(機器内部の発熱装置の存在、気温等)により常に温度変化が発生しているといえる。このため、前記したカバーの内部および外部の温度変化による透明プレートの歪みは無視し得ない問題である。
【0016】
本発明は、前記した問題を解決するためにさなれたものであって、カバーの開口部に設けた透明プレートの周縁部(端部)の一部または全部をフリーにすることにより、透明プレートに発生する歪みを無くした光偏向器等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
(第1発明)
第1発明は、光ビームを偏向するポリゴンミラーと、少なくともポリゴンミラーを覆い、光ビームが通過する開口部が形成されたカバーと、この開口部を塞いだ透明プレートとを備えた光偏向器に関するものである。そして、透明プレートは、弾性部材を用いてカバーに取り付けられたことを特徴とする。
【0018】
かかる構成により、透明プレートは、その周縁部がフリーになる、つまり、透明プレートは、カバーの内部および/または外部の温度変化に応じて、自由に伸びたり縮んだりすることができるので、カバーの内部または外部の温度変化により透明プレートに歪みが生じない。このため、透明プレートを通過する光ビームが透明プレートの歪みの影響を受けて曲がる等することが無い。
【0019】
(第2発明)
第2発明に係る光偏向器は、第1発明において、弾性部材のヤング率は、カバーを構成する材料および透明プレートを構成する材料のヤング率よりも低くしたものである。かかる構成により、前記した第1発明と同じの効果を得ることができる。
ここで、ヤング率とは、縦弾性係数ともいい、応力に対する歪みの値を規定する定数である。ヤング率が低い材質ほど、応力に対して歪みやすい。
【0020】
(第3発明)
第3発明に係る光偏向器は、第2発明において、ヤング率は、透明プレートを構成する材料、カバーを構成する材料、弾性部材の順に低くしたものである。
かかる構成であっても、前記した第2発明と同じ効果を得ることができる。
【0021】
(第4発明)
第4発明に係る光走査装置は、光ビームを出射する発光素子と、この発光素子から出射された光ビームを整形する第1の光学素子と、この第1の光学素子により整形された光ビームを偏向反射する第1発明、第2発明または第3発明の光偏向器と、この第1発明の光偏向器により偏向反射された光ビームを再整形する第2の光学素子とを備えたものである。かかる構成により、前記した第1発明の効果を奏する光走査装置を提供できる。
【0022】
ここで、光学素子とは、少なくともレンズを含んだ光学部品群をいう。つまり、レンズのみならず、ミラーを含んでいても良い。レンズとしては、シリンダーレンズ(シリンドリカルレンズ)、コリメータレンズ、Fθレンズ等が例示される。また、ミラーとしては、反射ミラー(折り返しミラー)等が例示される。
また、光ビームを整形するとは、ミラーにより光ビームの進む向きを所望の向きに変えたり、レンズにより光ビームの形を所望の形に変えたりすることをいう。
【0023】
(第5発明)
第5発明に係る画像形成装置は、感光体と、この感光体上を光ビームにより走査する第4発明の光走査装置とを備えたものである。
かかる構成により、前記した第1発明の効果を奏する画像形成装置を提供できる。つまり、温度変化により光偏向器に設けられた透明プレートが歪まないので、温度変化があっても、従来よりも高画質な画像形成が可能な画像形成装置を提供できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、ポリゴンミラーを覆うカバーの内部および/または外部の温度変化があっても、カバーの開口部を塞いだ透明プレートの歪みが無いので、透明プレートを通過する光ビームが透明プレートの歪みの影響を受けて曲がる等することが無い光偏向器等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図2に示した光偏向器の断面図である(実施例1)
【図2】光偏向器の斜視図である(実施例1)
【図3】図2に示した光偏向器の断面図である(実施例1)
【図4】図3に示した光偏向器の断面図の部分拡大図である(実施例1)
【図5】透明プレートの斜視図である(実施例1)
【図6】カバーの斜視図である(実施例1)
【図7】薄肉シートの平面図である(実施例1)
【図8】光偏向器の斜視図である(実施例2)
【図9】図8に示した光偏向器の断面図である(実施例2)
【図10】図9に示した光偏向器の断面図の部分拡大図である(実施例2)
【図11】透明プレートの斜視図である(実施例2)
【図12】光偏向器の断面図(部分拡大図)である(実施例3)
【図13】光偏向器の斜視図である(実施例3)
【図14】カバーを上方から見た図である(実施例4)
【図15】カバーの斜視図である(実施例4)
【図16】薄肉シートの平面図である(実施例4)
【図17】カバーを開口部のある側から見た斜視図である(実施例4)
【図18】カバーの内側の斜視図である(実施例4)
【図19】カバーの内側の斜視図である(実施例4)
【図20】光偏向器の斜視図である(実施例4)
【図21】画像形成装置の模式図である(実施例1)
【図22】光走査装置の模式図である(実施例1)
【図23】従来の光偏向器の断面図である
【図24】光偏向器の斜視図である
【図25】キャップの斜視図である
【図26】光偏向器の斜視図である
【図27】光偏向器の断面図(部分拡大図)である
【図28】光偏向器の断面図(部分拡大図)である
【図29】光偏向器の断面図(部分拡大図)である
【図30】光偏向器の断面図(部分拡大図)である
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を用いて、本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0027】
(画像形成装置)
図21は、本発明に係る画像形成装置501の構成の一例を示した図である。
図21に示した画像形成装置501は、電子写真方式を用いたいわゆるタンデム型のデジタルカラープリンタである。この画像形成装置501は、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部570と、画像形成装置501全体の動作を制御する制御部580と、例えばパーソナルコンピュータ(PC)503やスキャナ等の画像読取装置504等から受信した画像データに所定の画像処理を施す画像処理部581とを備えている。
【0028】
画像形成プロセス部570は、4つの画像形成ユニット510Y、510M、510C、510K(以下、まとめて「画像形成ユニット510」と総称することがある。)が上下方向(略鉛直方向)に一定の間隔で並列配置されている。この画像形成ユニット510は、像保持体としての感光体ドラム511、帯電ロール512、現像器513、ドラムクリーナ514とを備えている。
【0029】
ここで、帯電ロール512は、感光体ドラム511の表面を所定電位で一様に帯電するものである。また、現像器513は、画像形成ユニット10それぞれにおいて、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色トナーと磁性キャリアとからなる二成分現像剤を保持して、感光体ドラム511上に形成された静電潜像を各色トナーで現像するものである。また、ドラムクリーナ514は、例えば板状部材を感光体ドラム11表面に接触させて、感光体ドラム511上に付着したトナーや紙粉等を除去するものである。
【0030】
さらに、画像形成装置501には、画像形成ユニット510それぞれに配設された感光体ドラム511を露光する光走査装置の一例としてのレーザ露光器520が設けられている。レーザ露光器520は、各色毎の画像データを画像処理部581から取得し、取得した画像データに基づいて点灯制御された光ビーム(レーザ光)により、各画像形成ユニット510の感光体ドラム511上をそれぞれ走査露光する。
【0031】
また、各画像形成ユニット510の感光体ドラム511と接触しながら移動するように、用紙590を搬送する用紙搬送ベルト530が配置されている。この用紙搬送ベルト530は、用紙590を静電吸着するフィルム状の無端ベルトであって、駆動ロール532とアイドルロール533とに掛け渡されて循環移動するものである。
【0032】
また、用紙搬送ベルト530の内側であって各感光体ドラム511と対向する位置には、それぞれ転写ロール531が配置され、感光体ドラム511との間に転写電界を形成し、用紙590上に、各画像形成ユニット510で形成された各色トナー像を順次転写する。
【0033】
さらに、各転写ロール531の下流側には、転写後の感光体ドラム511を除電する除電ランプ515が設けられている。また、用紙搬送ベルト530の用紙搬送方向の下流側には、用紙590上の未定着トナー像に対して熱および圧力による定着処理を施す定着器540が設けられている。
【0034】
さらに、用紙搬送系として、用紙590を収容する用紙収容部550、用紙収容部550に収容された用紙590を所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール551、繰り出された用紙590を搬送する搬送ロール552、画像形成動作に合わせて用紙590を用紙搬送ベルト530に送り出すレジストロール553が設けられている。
【0035】
また、定着器540にて定着処理された用紙590を搬送する排紙ロール554、片面プリントの場合には用紙590を装置本体上部に設けられた排紙積載部591に向けて排出し、両面プリントの場合には排紙積載部591に向けた回転方向から逆方向に反転することで、定着器540にて片面が定着された用紙590を両面搬送路592に向けて送り出す反転ロール555等が配設されている。
【0036】
画像形成装置501において、画像形成プロセス部570は、制御部580による制御の下で画像形成動作を行う。すなわち、パーソナルコンピュータ503や画像読取装置504等から入力された画像データは、画像処理部581によって所定の画像処理が施され、光走査装置としてのレーザ露光器520に供給される。そして、各画像形成ユニット510にて、帯電ロール512により所定電位で一様に帯電された感光体ドラム511の表面が、レーザ露光器520により画像処理部581からの画像データに基づいて点灯制御された光ビーム(レーザ光)で走査露光され、感光体ドラム511上に静電潜像が形成される。
【0037】
形成された静電潜像は現像器513により現像され、感光体ドラム511上に各色のトナー像が形成される。各画像形成ユニット510での各色トナー像の形成が開始されると、用紙収容部550から取り出された用紙590は、用紙搬送ベルト530により搬送され、転写ロール531により形成される転写電界によって各色トナー像が用紙590上に順次転写される。その後、定着器540に搬送され、未定着トナー像が用紙590に定着された後、用紙590は排紙積載部591に積載される。
【0038】
(光走査装置)
次に、本発明に係る光走査装置について説明する。
図22は、光走査装置としてのレーザ露光器520の構成を説明する側断面図である。図22に示したように、レーザ露光器520は、光ビーム(レーザ光)を出射する発光素子としての半導体レーザを4個有する光源521を備えている。そして、この光源521からの各光ビームに対応して設けられた第1の光学素子としての4つのコリメータレンズ522と、シリンダーレンズ(シリンドリカルレンズ)523を備えている。
【0039】
さらに、例えば正六角面体で構成されたポリゴンミラー(回転多面鏡)7およびカバー19を備えた後述する光偏向器1と、第2の光学素子としての各光ビームが共通に通過する共通レンズのfθレンズ525および複数の折り返しミラー526を備えている。そして、これらのレーザ露光器520を構成する各部品は樹脂製または金属製のハウジング528内に固定され、ハウジング528により光ビームの外部への漏洩や各光学部材への埃等の付着が防止される。
【0040】
このレーザ露光器520は、光源521から出射された複数の光ビームとしての発散性の4本のレーザ光LK、LC、LM、LYが、各コリメータレンズ522によって平行光に変換(整形)され、副走査方向にのみ屈折力を持つシリンダーレンズ523により、光偏向器1の内部にあるポリゴンミラー7の偏向反射面(鏡面)7a近傍にて主走査方向に長い線像として結像(整形)される。そして、各レーザ光LK、LC、LM、LYは、高速で定速回転するポリゴンミラー7の偏向反射面7aにより反射され、等角速度的に走査される。
【0041】
ポリゴンミラー7への光ビームの入射方式としては、複数の光ビームを主走査方向に角度を持たせて入射させるタンジェンシャル・オフセット入射方式や、複数の光ビームを副走査方向にそれぞれ異なる角度で入射させるサジタル・オフセット入射方式等がある。
【0042】
本実施例では、ポリゴンミラー7の偏向反射面7aに入射する各レーザ光LK、LC、LM、LYがそれぞれ副走査方向に角度を持ち、サジタル方向に互いにオフセット入射するサジタル・オフセット入射方式を採用している。そして、ポリゴンミラー7に入射する各レーザ光LK、LC、LM、LYは、偏向反射面7aにおける反射位置が副走査方向に一致するように設定される。
【0043】
ポリゴンミラー7で偏向された各レーザ光LK、LC、LM、LYは、fθレンズ525を通過し、複数の折り返しミラー526により感光体ドラム511の表面に向けて方向を変えられて(整形されて)各画像形成ユニット510の感光体ドラム511の表面を走査露光する。ここで、fθレンズ525は、レーザ光の光スポットの走査速度を感光体ドラム511上で等速化する機能を有している。
【0044】
また、上記した線像は、ポリゴンミラー7の偏向反射面7aの近傍に結像し、fθレンズ525は副走査方向に関して偏向反射面7aを物点として光スポットを感光体ドラム511の表面上に結像させるので、この走査光学系は、偏向反射面7aの面倒れを補正する機能を有している。
【0045】
ところで、本実施の形態では、各レーザ光が共通に通過する共通レンズとしてのfθレンズ525を採用している。通常の走査光学装置であれば、レーザの光線1つに対して、例えばガラス部材からなる1つのレンズが用いられるが、本実施の形態では、樹脂部材を用いて4本のレーザ光に対して1つのfθレンズ525が採用されている。設計によっては、2本のレーザ光に対して1つずつ、計2つのfθレンズを採用することも可能である。このように、複数のレーザ光をfθレンズ25に入射し、被走査体(感光体ドラム511)に走査露光している。
【0046】
尚、本実施例1においては、第1の光学素子として、コリメータレンズ522およびシリンダーレンズ523のみを用いたものを示したが、画像形成装置の構成によっては折り返しミラー526が途中に存在していても良い。また、本実施例1においては、第2の光学素子として、fθレンズ525および複数の折り返しミラー526を示したが、画像形成装置の構成によってはfθレンズ525のみ用いたものであっても良い。
【0047】
(光偏向器)
次に、本発明に係る光偏向器について説明する。
図2は本発明に係る光偏向器1の斜視図であり、図1および図3はその断面図である。図1は図2の光偏向器1の短手方向の略中央部を垂直方向に輪切りにした断面図、図3は図2の光偏向器1をポリゴンミラー7の回転平面で切った場合のカバー19および透明プレート21の断面図である。そして、図4は、図3における開口部20近辺の部分拡大図である。また、図6は、カバー19の斜視図である。
【0048】
図1に示すように、光偏向器1は、亜鉛合金製のベース2と、複数の電子部品12〜14が実装され、このベース2に固定された基板15と、この基板15に形成された貫通穴16を貫くようにして図示しないネジ等でベース2に固定された円柱形状でかつ金属製の固定軸3と、この固定軸3に回転自在に支持された回転体4と、複数の電子部品12〜14、固定軸3、および回転体4を覆い、ベース2に固定されたカバー19(図6)とを備えている。
【0049】
回転体4は、固定軸3との間に僅かの隙間をもって外挿された円筒形状で、かつ金属製のスリーブ5と、このスリーブ5に固定されたアルミニウム製のフランジ6と、このフランジ6の上に置かれ、外周面に多数の偏向反射面7aが形成されたアルミニウム製のポリゴンミラー7と、このポリゴンミラー7の上に置かれたリング状の板バネ部材8と、この板バネ部材8の上に置かれ、ポリゴンミラー7をフランジ6に押し付けるようにしてスリーブ5の上部で圧入又は焼嵌め等により強制的に嵌入されたアルミニウム製の押圧部材9と、フランジ6の内周面に接着剤等で固定された駆動マグネット10と、スリーブ5の上端に固定された蓋25とから構成されている。
【0050】
また、基板15には、駆動マグネット10に対向するようにコイル17が固定され、駆動マグネット10とコイル17によりブラシレスモータ18が形成されている。また、駆動マグネット10とコイル17の間で働く磁気吸引力により回転体は常に浮いた状態に保たれている。そして、ポリゴンミラー7およびブラシレスモータ18等は、回転により生じる騒音の発生防止と、防塵のため、図6に示した樹脂製のカバー19によりその全体が覆われている。
【0051】
カバー19には、図2に示すように、光ビームが出入り(入出射する)位置に開口部20が設けられ、この開口部20には図5に示すプラスチック製またはガラス製の透明プレート21がカバー19の内面の取付部39において弾性部材としての接着剤40を用いて取り付けられている(図3、図4)。
【0052】
ここで、取付部とは、開口部20を取り囲むようにしてカバー19の内面に設けられた一定の領域をいう。例えば、カバー19の内面に設けた領域であって、開口部20の開口端部から開口部の外方5mmの領域である。このような領域に透明プレート21を接着剤40を用いて取り付ければ、開口部20を透明プレート21で完全に覆うことができる。
【0053】
また、本発明で用いる接着剤40は、固化後も弾性を有するものでなければならない。つまり、図4に示すように、カバー19の取付面39と透明プレート21の表面との間に介在する接着剤40は、塗布した直後は流動性および弾性を有するものであるが、時間が経過して固化した後であっても当初の弾性と同一の弾性である必要はないが、少なくとも透明プレート21が温度変化によって伸びたり縮んだりしても透明プレート21自体に歪みが発生しない程度の弾性が必要である。ここで、弾性とは、応力が加えられた場合に変形し、変形した後、かかる応力を除くと反発して元に戻る物理的な性質をいう。
【0054】
本実施例1においては、弾性部材としての接着剤40として、セメダイン社のスーパーX(ヤング率=20MPa)を用いた。また、透明プレート21の材料としてオハラ社製BSL7(ヤング率=80000MPa)、カバー19の材料としてUMGABS社製ABS樹脂サイコラックVD200(ヤング率=2850MPa)を用いた。
【0055】
つまり、弾性部材としての接着剤40のヤング率は、カバー19を構成する材料であるABS樹脂および透明プレート21を構成するガラス材料のヤング率よりも低いものを用いた。さらに詳述すると、本実施例1においては、ヤング率が透明プレート21を構成する材料、カバー19を構成する材料、弾性部材である接着剤40を構成する材料(アクリル変性シリコン樹脂)の順に低いものを用いた。
【0056】
また、カバー19には、ポリゴンミラー7を覆う部位であるポリゴンミラー7の上部に空気吸引穴22と、電子部品12〜14を覆う部位に空気排出穴23が設けられている。そして、空気吸引穴22には、粉塵補足フィルタ24が設けられ、ポリゴンミラー7の回転によりカバー19内に吸引される空気に含まれる粉塵がカバー19内に侵入するのを阻止している。
【0057】
さらに、図6に示したようにカバー19の天板60には、開口部20の上方に、第2の開口部55が設けられている。この第2の開口部55は、(第1の)開口部20に接着剤40により取り付けられた透明プレート21をカバー19の内部からクリーニングする第1の目的と、カバー19の内部に入り込んだ埃を除去する第2の目的を有するものである。
【0058】
したがって、第2の開口部55の大きさは、第1の目的を達成できるものであれば良く、例えば、綿棒を挿入して左右に動作させる等して、カバー19の内部に面した透明プレート21の一面をクリーニングできる大きさであれば良い。
【0059】
また、第2の目的を達成するため、第2の開口部55を塞ぐように図2に示した薄肉シート56が貼り付けられている。薄肉シートは、厚さ0.5mm以下の樹脂製のシートであり、図7に示したように、表面57は粘着性が無く、裏面58は粘着剤59が塗布されていて粘着性を有するものである。
【0060】
この粘着性がある裏面58をカバー19の第2の開口部55を塞ぐように貼り付けることにより、薄肉シート56における粘着性を有する裏面58の一部は、第2の開口部55を介してカバー19の内部に面することになる。このため、ポリゴンミラー7の回転によりカバー19の内部に循環する空気流は、常に薄肉シート56の裏面58の粘着剤59に当たることになるので、その際に、カバー19の内部の粉塵が粘着剤59に貼り付くことにより、カバー19の内部を粉塵の無い状態に保つことができる。
【0061】
また、薄肉シート56は、カバー19の外面に貼り付けられているだけなので、光偏向器1の外部から簡単に交換可能である。このため、使用頻度に応じて、薄肉シート56を交換することにより、カバー19の内部を常に粉塵の無い状態に保つことができる。
【0062】
次に、光偏向器1の作用を説明する。
ブラシレスモータ18によりポリゴンミラー7が回転すると、空気吸引穴22に設けられた粉塵補足フィルタ24からカバー19の外側にある空気がカバー19の内部に流入する。そして、空気流は、ポリゴンミラー7の上方から下方に向かって流れ、電子部品12、電子部品13、電子部品14の順に、基板15に実装された複数の電子部品に当たる、またはその近傍を通ってカバー19内を流れ、空気排出穴23から排出される。
【0063】
このため、ポリゴンミラー7の回転により生じた空気流は、必ず電子部品12〜14に当たるまたはその近傍を通るので、電子部品12〜14は、ヒートシンク等の放熱部材を設けることなく、効率的に冷却される。また、空気排出穴23は、ポリゴンミラー7から離れた基板15の端部11に位置する電子部品14を覆う部位である電子部品14の上部に設けられているので、ポリゴンミラー7の停止時には、粉塵が空気排出穴23からカバー19内に入り込み、粉塵が電子部品14に積もることが考えられる。しかし、ポリゴンミラー7の回転によりカバー15内の空気は、空気排出穴23から排出されるので、空気排出穴23に特に粉塵補足フィルタを設ける必要はない。
【0064】
ポリゴンミラー7の回転により、カバー19の内部に空気流が発生するため、カバー19の内部にある少量の粉塵がカバー19内に散乱する場合があるが、前記したように、薄肉シート56の粘着性を有する裏面58の一部がカバー19の内部に面しているので、集塵され、光ビームが粉塵の影響を受けて乱されることは無い。
【0065】
尚、透明プレート21のカバー19への固定は、図4に示したように、カバー19の内周面と透明プレート21の間に接着剤40が存在するようにするのみならず、図27に示したように、カバー19の開口部20を塞ぐように透明プレート21をカバー19の内周面に押し付けた後、透明プレート21の端部(周縁部)に接着剤40を塗布しても良い。かかる構成であっても、透明プレート21の端部はフリーになるので、カバー19の内外で温度変化があっても透明プレート21に歪みが生じることが無い。
【実施例2】
【0066】
本発明の他の実施例を図8乃至図11を用いて詳細に説明する。
図8は、本実施例2にかかる光偏向器1の斜視図である。図9は、図8におけるポリゴンミラー7の回転平面でカバー19を切った場合のカバー19および透明プレート21の断面図である。図10は、図9における開口部20の周辺の部分拡大図である。図11は、透明プレート21の斜視図である。
尚、実施例1に係る光偏向器1と同様の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
本実施例2の実施例1との主な相違点は、カバー19における開口部20の周辺を平面にすることにより取付部39も平面にした点と、この取付部39に取付ける透明プレート21を平板形状にした点のみである。
【0068】
かかる構成により、実施例1と同一の効果を得ることができるだけではなく、図11に示すように、透明プレート21を平板形状にすることができるので、透明プレート21の加工が容易となり、透明プレート21のコストを安価にでき、ひいては、光偏向器1のコストを安価にすることができる。
【0069】
尚、透明プレート21のカバー19への固定は、図10に示したように、カバー19の内周面と透明プレート21の間に接着剤40が存在するようにするのみならず、図28に示したように、カバー19の開口部20を塞ぐように透明プレート21をカバー19の内面に押し付けた後、透明プレート21の端部(周縁部)に接着剤40を塗布しても良い。かかる構成であっても、接着剤40は固化後も弾性を有するので、透明プレート21の端部はフリーになるため、カバー19の内外で温度変化があっても透明プレート21に歪みが生じることが無い。
【0070】
さらに、図29に示したように、透明プレート21は、カバー19の内面にネジ66等で固定されたブラケット64によって保持されたウレタンシートでカバー19の内面に押圧して、カバー19に固定しても良い。かかる構成であっても、透明プレート21は、弾性が低い(ヤング率が小さい)ウレタンシートを用いてカバー19の内面に押し付けられているだけなので、透明プレート21の端部はフリーになっている。このため、カバー19の内外で温度変化があっても透明プレート21に歪みが生じることが無い。
【実施例3】
【0071】
本発明の他の実施例を図12および図13を用いて詳細に説明する。
図13は光偏向器1の斜視図であり、図12は図13の光偏向器1のカバー19をポリゴンミラー7の回転平面で切った場合のカバー19および透明プレート21の断面図の部分拡大図である。
尚、実施例1に係る光偏向器1と同様の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
本実施例3の実施例1との主な相違点は、カバー19の外面に透明プレート21を接着剤40で取り付けた点のみである。かかる構成であっても、カバー19の内部または外部の温度変化により透明プレート21が伸びたり縮んだりしても、カバー19の外面の透明プレート21の外面取付部と、透明プレート21の間には、固化後も弾性を有する接着剤40が存在するので、透明プレート21は、自由に伸び縮みすることができる。このため、透明プレート21に歪みが生じることがないので、透明プレート21の歪みに起因して光ビームが曲げられたりすることが無い。
【0073】
尚、透明プレート21のカバー19への固定は、図12に示したように、カバー19の外周面と透明プレート21の間に接着剤40が存在するようにするのみならず、図30に示したように、カバー19の開口部20を塞ぐように透明プレート21をカバー19の外周面に押し付けた後、透明プレート21の端部(周縁部)に接着剤40を塗布しても良い。かかる構成であっても、透明プレート21の端部はフリーになるので、カバー19の内外で温度変化があっても透明プレート21に歪みが生じることが無い。
【実施例4】
【0074】
本発明の他の実施例を図14乃至図20を用いて詳細に説明する。
図20は、本実施例4に係る光偏向器63である。尚、図示を省略するが、光偏向器63のカバー41の内部には、前記した実施例1と同様、ポリゴンミラー7等が入れられている。
【0075】
図14および図15に示したように、カバー41は、側面に第1の開口部47が形成されており、天板43には第1の開口部47における光ビームの主走査方向の幅よりも広い幅の第2の開口部48が形成されている。そして、第1の開口部47および第2の開口部48は連通しており、1つの開口部42が形成されている。その他に、カバー41には、天板43の略中央部には空気吸引穴45が形成され、周囲には取り付け穴44が形成されている。
【0076】
ここで、主走査方向とは、光偏向器が光ビームを偏向した際の光ビームの移動方向をいう。また、主走査方向が感光体ドラムの長手方向(軸方向)である場合、副走査方向とは、感光体ドラムの表面の移動方向である。これら主走査方向と副走査方向は、互いに直交する関係にある。また、連通とは、隔絶された2つの空間を連続状態にすることをいう。
【0077】
かかる構成のカバー41の天板43には、図20に示したように粉塵補足フィルタ53および薄肉シート49が貼り付けられている。この薄肉シート49は、図16に示したように厚さが0.5mm以下の樹脂製のシートであり、その裏面51は、粘着剤52により粘着性を有している。この粘着剤52を利用して、薄肉シート49の裏面51を、図17に示したように、第2の開口部48を塞ぐようにカバー41の表面に貼り付けると、図18に示したように、粘着剤52の一部がカバー41の内部に面することになる。このため、カバー41の内部の粉塵は、ポリゴンミラー7の回転により発生する空気流により粘着剤52に貼り付くので、カバー41の内部を粉塵の無いきれいな状態に保つことができる。
【0078】
そして、薄肉シート49は、裏面51の粘着剤52によりカバー41に貼り付けられているだけなので、容易に剥がすことができ、交換が簡単にできる。このため、光偏向器63の使用頻度に応じて薄肉シート49を交換することにより、長年使用しても常にカバー41の内部を粉塵の無い状態に保つことができる。また、薄肉シート49の交換時に、透明プレート54をカバー41の内部から綿棒等を用いてクリーニングすることができる。
【0079】
また、図20に示した透明プレート54は、図18に示した状態において、一端(上端)が薄肉シート49の裏面51に当て付けられると共に、取付部46に当て付けられた後、透明プレート54の端部に硬化後も弾性を維持する接着剤40を塗布することにより、取付部46に取り付けられている(図19)。このように、薄肉シート49の裏面51に透明プレート54の一端を当て付けることにより透明プレート54の上下方向の位置決めが容易にできる。また、薄肉シート49は、文字通り肉厚が薄いので、接着剤が固化した後においては、透明プレート54の温度変化による伸び縮みに追従して変形する。このため、薄肉シート49および接着剤40の弾性変形により、カバー46の内外で温度変化があっても透明プレート54は自由に伸び縮みできるので、透明プレート54自体に歪みが発生することが無い。
【0080】
尚、透明プレート54は、図20の第1の開口部47を見ても分かるように、第1の開口部47の上方から下方にかけてカバー41の内側に向かうように傾斜して取り付けられている。かかる構成により、透明プレート54の外面に埃が積もることを防止できる等の効果がある。
【0081】
また、図示を省略したが、空気吸引穴45に取り付けた粉塵補足フィルタ533から吸引した外気を排出する空気排出穴は、カバー41の任意の箇所に形成できる。
【0082】
前記した実施例は、説明のために例示したものであって、本発明としてはこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明及び図面の記載から当事者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更、削除および付加が可能である。
【0083】
例えば、前記した実施例においては、ポリゴンミラー7、ブラシレスモータ8および基板15のすべてをカバー19で覆う光偏向器1を示したが、図26に示したように、カバー19は、少なくともポリゴンミラー7を覆うものであれば良い。
【0084】
また、実施例4において、図24に示したように、カバー41の天板43に別に貫通孔を形成し、かかる貫通孔に図25に示した樹脂製のキャップ61を嵌めても良い。かかる構成により、キャップ61が簡単に着脱でき、容易にカバー41の内部のポリゴンミラー等の調整ができるだけではなく、キャップ61の下端62に前記した粘着剤52を付ければ、より集塵効果を高めることができる。
【0085】
また、前記した実施例においては、弾性部材として接着剤を用いたものを示したが、これに限定するものではなく、ヤング率がカバーを構成する材料および透明プレートを構成する材料のヤング率よりも低い樹脂を主成分とする材料からなるものであって、透明プレートに接触させることにより、透明プレートをカバーに取り付けるものであれば何でも良い。
【0086】
さらに、前記した実施例においては、透明プレートとしてガラスを用いたものを示したが、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)等の透明樹脂からなる透明プレートであっても良い。
【0087】
また、本発明は、以下のように把握することもできる。
(1)光ビームを偏向するポリゴンミラーと、
少なくとも該ポリゴンミラーを覆い、前記光ビームが通過する開口部が形成されたカバーと、
該開口部を覆う透明プレートとを備えた光偏向器において、
前記カバーの天板には、前記開口部における前記光ビームの主走査方向の幅よりも広い幅の第2の開口部が形成されており、
該第2の開口部は、前記開口部と連通し、かつ、薄肉シートで塞がれており、
前記透明プレートは、該薄肉シートに当接されて、前記カバーに接着固定されたことを特徴とする光偏向器
【0088】
(2)前記透明プレートを前記カバーに接着固定する接着剤は、固化後も弾性を有する(1)に記載の光偏向器
【0089】
(3)前記薄肉シートの一面は、粘着剤が塗布された(1)または(2)に記載の光偏向器
【0090】
(4)光ビームを出射する発光素子と、
該発光素子から出射された光ビームを整形する第1の光学素子と、
該第1の光学素子により整形された光ビームを偏向反射する(1)〜(3)のいずれか1つに記載の光偏向器と、
該光偏向器により偏向反射された光ビームを再整形する第2の光学素子とを備えた光走査装置
【0091】
(5)感光体と、
該感光体上を光ビームにより走査する(4)に記載の光走査装置を備えた画像形成装置
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、光偏向器、この光偏向器を用いた光走査装置、およびこの光走査装置を用いた画像形成装置に適用される。
【符号の説明】
【0093】
1 光偏向器
7 ポリゴンミラー
19 カバー
20 開口部
21 透明プレート板
40 接着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ビームを偏向するポリゴンミラーと、
少なくとも該ポリゴンミラーを覆い、前記光ビームが通過する開口部が形成されたカバーと、
該開口部を塞いだ透明プレートとを備えた光偏向器において、
該透明プレートは、弾性部材を用いて前記カバーに取り付けられたことを特徴とする光偏向器
【請求項2】
前記弾性部材のヤング率は、前記カバーを構成する材料および前記透明プレートを構成する材料のヤング率よりも低い請求項1に記載の光偏向器
【請求項3】
ヤング率は、前記透明プレートを構成する材料、前記カバーを構成する材料、前記弾性部材の順に低い請求項2に記載の光偏向器
【請求項4】
光ビームを出射する発光素子と、
該発光素子から出射された光ビームを整形する第1の光学素子と、
該第1の光学素子により整形された光ビームを偏向反射する請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の光偏向器と、
該光偏向器により偏向反射された光ビームを再整形する第2の光学素子とを備えた光走査装置
【請求項5】
感光体と、
該感光体上を光ビームにより走査する請求項4に記載の光走査装置とを備えた画像形成装置

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2010−237513(P2010−237513A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−86414(P2009−86414)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(310010793)富士ゼロックスマニュファクチュアリング株式会社 (13)
【Fターム(参考)】