説明

光勾配力を印加する改良された装置、システムおよび方法

【課題】 粒子を操作するための光トラップアレイを生成し、制御する。
【解決手段】 本発明は、レーザ光をビームレットに回折することと、(レーザ光に関して仮想のレンズとして働いて)ビームレットを収束させることとの両方が可能であり、それによって回折されたレーザビームをフォーカスレンズに転送するための複数の物理的なレンズの必要をなくす二重の機能を有する光学素子に関連する。本発明はまた、回折されないレーザ光から生じる反射・散乱の雑音の量を制限することによって、光トラップのモニタリングをより向上させることにも関連する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光トラップに関する。特に本発明は、微小粒子を操作するための複数の光トラップを形成するように光勾配力を印加する装置、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願を通じて、さまざまな出版物を参照している。本発明に関連する技術の状態をより十分に説明するために、ここで本出願においてこれらの出版物の開示を全体的に援用する。
【0003】
光ピンセットは、集光された光ビームの勾配力を用いて、周囲の媒体よりも高い誘電率をもつ粒子を操作する光学的なツールである。そのエネルギーを最小にするために、このような粒子を電界が最も高い領域に動かす。モーメントに関して述べると、集光された光ビームは放射圧を発生し、粒子による光の吸収、反射、回折あるいは屈折によって微小な力を生じる。放射圧によって生じる力はほとんど無視してよい・・・10mWで動作するダイオード励起Nd:YAGレーザのような光源は数ピコニュートンを生じさせるだけである。しかしながら、数ピコニュートンの力は微小粒子を操作するには十分である。
【0004】
微小粒子を操作するために用いることができる他の光学的なツールには、オプティカルボルテックス(vortex)、オプティカルボトル(optical bottle)、オプティカルローテータ(optical rotator)、光ケージ等があるが、これらには限られない。オプティカルボルテックスは光ピンセットと使用法は類似しているが、反対の原理で動作する。オプティカルボルテックスはゼロ電界の領域を取り巻いて勾配を生成し、これが周囲の媒体よりも低い誘電率の粒子、あるいは反射性の粒子または光ピンセットを撥ね付ける他のタイプの粒子を操作するのに役立つ。そのエネルギーを最小にするために、このような粒子を電界が最も低い領域、すなわち、ほぼ整形されたレーザビームの焦点におけるゼロ電界領域に動かす。オプティカルボルテックスは、ドーナツ(トロイド)の中の穴のようなゼロ電界の領域を提供する。光勾配は放射状であり、ドーナツの円周において最も高い電界をもつ。オプティカルボルテックスは微小粒子をドーナツの穴の内部に拘束する。この拘束は、ボルテックスをゼロ電界の線に沿って微小粒子の上を滑らせることによって実現される。
【0005】
オプティカルボトルは、焦点においてのみゼロ電界をもち、ボルテックスの端部ではゼロではない電界をもつという点でオプティカルボルテックスとは異なっている。オプティカルボトルは、オプティカルボルテックスまたは光ピンセットでトラップするには小さすぎる、あるいは吸収的すぎるような原子およびナノクラスタをトラップするのに有用である。ジェイ アールト 及びエム ジェイ パジェット「高輝度領域に囲われた暗焦点を伴うビームの発生・光学ボトルビーム」オプティカルレター 25、191−193ページ。2000年(非特許文献1)。
【0006】
オプティカルローテータは近年説明されている光学式のツールであり、物体をトラップするスパイラルアームのパターンを提供する。パターンを変えることによって、トラップされた物体を回転させる。エル パターソン、エムピー マクドナルド、ジェイ アールト、ダブリュ シベット、ピーイー ブライアンド、及びケイ ドラリア 「光学的にトラップされた微細粒子の制御された回転」サイエンス 292巻、912−914ペイジ。2001年(非特許文献2)。このクラスのツールは、非球体の粒子を操作し、MEMS装置あるいはナノマシンを駆動するのに有用である。
【0007】
光ケージは、ニールによって米国特許第5,939,716号(特許文献1)に記載されているが、大雑把には、オプティカルボルテックスの巨視的ないとこである。光ケージは、オプティカルボルテックスのリングを形成して、大きすぎる、あるいは反射性がありすぎる、あるいは周囲の媒体よりも低い誘電率をもつ粒子を取り囲む。オプティカルボルテックスがドーナツのようであるとしたら、光ケージはゼリー入りのドーナツのようである。(ボルテックスに関して)ドーナツの穴がゼロ電界の領域であるのに対して、ゼリーフィルは電界が低い領域である。一般的には、ドーナツを形成する複数の光ピンセットの勾配力が、周囲の媒体よりも低い誘電率の粒子を、複数の光ピンセットの間に位置するより明るくない領域とも考えられるゼリーに向けて「押す」。しかしながら、ボルテックスとは違って、ゼロでない電界の領域が生成される。
【0008】
集光されている複数の回折レーザビームを形成して光トラップのアレイを形成するのに回折光学素子とともにレーザ光の単一ビームを用いることが、この分野では知られている。グライアーおよびダフレスに付与された米国特許第6,055,106号(特許文献2)は光トラップのアレイを記載している。この特許は、回折されたレーザビームをフォーカスレンズの後ろの開口部へ導くために物理的なトランスファーレンズを用いることを教示している。複数の物理的なレンズが、レーザビームを導いて、少なくとも約0.8の実効開口数(NA)を得るような十分な重なりでフォーカスレンズの後ろの開口部に重ねるのに使用される。この実効開口数は、チュウおよびクロニスに付与された米国特許第5,079,169号(特許文献3)に教示されているように、三次元で粒子をトラップし、操作するのに必要である最小のNAであると考えられる。米国特許第6,055,106号(特許文献2)に記載されている装置の欠点は、各レンズはその内部で動作する物理的なスペースをかなり大きく必要とし、かつ各レンズは、整備され、清掃され、そして配列されていなければならないということである。トランスファーレンズ系に詳しい人は、システム内のレンズの数が増えると、配列のずれや他の整備の問題の機会も増えるということを理解するであろう。したがって、光トラップの配列を形成するのに用いられるトランスファーレンズ系におけるレンズの数を減らす必要がある。本発明はこの必要を満たす。
【0009】
米国特許第6,055,106号(特許文献2)に記載されている光トラップの活動を監視するための共通の手法は、ビームスプリッタをレーザビームの進路に置いて、それによって光学的なデータストリームを作り出すことである。この手法の一つの制限は、雑音が光学データストリームにもたらす悪影響である。光トラップに関して、雑音とは、システム内に光またはエネルギーの回折されていない集光されたビーム、光トラップから発する光、および物理的トランスファーレンズシステムにおけるレンズの欠陥、ほこり、塵かずれによってレンズから反射あるいは回折した光が存在することに起因する、光トラップ、それらの内容物あるいは周囲の領域の結像、測定および/あるいは観察との干渉を指している。米国特許第6,055,106号(特許文献2)に教示されているように、雑音を減らす一つの方法は、回折素子に対して斜めの角度でレーザビームを導き、それにより、回折されなかったビームを対物レンズから離すようにすることである。その意図された目的には有用であるが、他の雑音のもとが残っている。回折されていないレーザビームや光トラップのアレイを作り出すシステムの構成要素から散乱・反射されるレーザ光によって生じる雑音を減らす、あるいはなくす必要がある。本発明は、この必要および他の必要をも満足し、関連する利点を提供する。
【非特許文献1】ジェイ アールト 及びエム ジェイ パジェット「高輝度領域に囲われた暗焦点を伴うビームの発生・光学ボトルビーム」オプティカルレター 25、191−193ページ。2000年。
【非特許文献2】エル パターソン、エムピー マクドナルド、ジェイ アールト、ダブリュ シベット、ピーイー ブライアンド、及びケイ ドラリア 「光学的にトラップされた微細粒子の制御された回転」サイエンス 292巻、912−914ペイジ。2001年。
【特許文献1】米国特許第5,939,716号
【特許文献2】米国特許第6,055,106号
【特許文献3】米国特許第5,079,169号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできる「発明の主題」を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、単一の物理的トランスファーレンズを使用している光トラップアレイを生成し、モニタし、制御するための新規かつ改良された方法、システムおよび装置を提供する。発明はまた、システム内の散乱光、非回折光、反射光が引き起こす「雑音」を除去する、あるいはシャッターで除く光トラップのモニタリングおよび制御を改良する。
【0012】
複数のトランスファーレンズは、複数の光トラップを生成するシステムにおいては、レンズ機能を回折光学素子に変換することによってなくすか減らされる。回折光学素子はまた、ビームのいずれの位相をも変える。複数のビームを収束するように回折光学素子を変換することによって、発明は、対物レンズの後ろの開口部に複数のビームを移動して重ね、それを通して光トラップを形成するために単一の物理的トランスファーレンズを用いるのに有利な状況を作り出す。
【0013】
基本的な形態では、発明(図1A)は、変換されたレンズ機能を有する回折光学素子によって回折された単一のレーザビームのような集光された光またはエネルギーのビームである。このレーザビームは複数のビームに回折され、それぞれのビームはまた、回折素子によって収束されて、それから単一のトランスファーレンズに導かれる。単一のトランスファーレンズはこれらの複数のビームを(顕微鏡の対物レンズのような)フォーカスレンズの後ろの開口部に導いて重ね、それによって複数の光トラップを形成する。任意の光トラップの位置を変えるために、そのトラップを形成するビームは、回折光学素子を介して新しい位置に操縦されてもよく、それによって、それに起因する光トラップの位置を変える。全ての光トラップの位置を一体として同時に変えるために可動ミラーを付加してもよい(図1D、1E、2および4)。いくつかの場合には、任意の光トラップの位置を変えるために、単一のトランスファーレンズの動きも望ましいことがある。
【0014】
単一のレンズトランスファーシステムを有する光トラップのアレイの選択的な生成および制御は、例えば光学回路の設計および製造、ナノ複合材料の構築、電子部品の製造、オプトエレクトロニクス、化学的および生物学的なセンサアレイ、ホログラフィックデータストレージマトリクスの組み立て、MEMSを駆動するエネルギー源あるいは光学的モータ、コンビトナリアルケミストリーの促進、コロイドの自己組織化の促進、生物学的材料の問い合わせ、選択された生物学的材料の濃縮、生物学的材料の性質の調査および生物学的材料を調べることというような多岐にわたる商業的な応用において有用であり得る。
【0015】
発明のいくつかの実施形態(図2〜4)においては、フォーカスレンズの前のビームの進路にビームスプリッタを置き、そして回折されていない散乱または反射光の通過を制限するように光学データストリームに沿ってフィルタを導入してこのような雑音を減らすことによって、光トラップアレイの活動をリアルタイムで見ることが可能である。この雑音は、光学データストリームをビデオで、あるいは他の手法でモニタする妨げとなりうる。光トラップアレイ全体の位置を調節するのに有用である可動ミラーをビームスプリッタと組み合わせてもよいし(図2および3)、システムに付加してもよい(図4)。
【0016】
レーザ光を周期的にシャッタで遮って(図3)、光学データストリームをモニタすることによって、および/あるいはレーザがオンのときに光学データストリームをシャッタで遮ることによって、雑音の減少を実現してもよい。
【0017】
本発明の他の特徴および利点は、後に続く説明および付随する図面においてある程度は述べられるであろう。これらにおいては、本発明の好ましい実施形態が記載され、示されており、付随する図面と関連して続く詳細な説明を精査すれば当業者に明らかになるであろう。あるいは本発明の実施によって本発明の好ましい実施形態を学ぶかもしれない。本発明の利点は、付随するクレームにおいて具体的に指摘されている手段および組み合わせによって実現され、得られるであろう。
【0018】
即ち、本発明の第1の形態によると、複数の可動光トラップを形成する方法であって、集光された光ビームを発生し、前記集光された光ビームを、可変光学表面を有する位相パターニング光学素子に導いて、前記位相パターニング光学素子から発する複数のビームレットを形成し、各ビームレットは位相プロファイルを有しており、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを前記位相パターニング光学素子で前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させ、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを、前記単一のトランスファーレンズに通して、フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ね、前記フォーカスレンズから発する前記ビームレットを収束させて複数の光トラップを形成することを包含することを特徴とする。
【0019】
前記方法は、前記光学表面を変えることによって前記位相パターニング光学素子から発する少なくとも一つのビームレットの収束位置を変更して、少なくとも一つの光トラップの配置を変えることをさらに包含してもよい。
【0020】
前記光トラップは、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、光ケージ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
前記光学表面を変えることによって前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットのうちの少なくとも一つの前記位相プロファイルを変化させることをさらに包含してもよい。
前記光トラップで生物学的な材料を操作することをさらに包含してもよい。
【0021】
前記集光された光ビームはレーザビームであってもよい。前記レーザビームの波長は緑のスペクトルであってもよい。前記レーザビームの波長は約400nmから約1060nmの範囲から選択されてもよい。
前記フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる前に、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして可動ミラーで操縦することをさらに包含してもよい。
【0022】
本発明の第2の形態によれば、複数の可動光トラップを形成する方法であって、集光されたエネルギービームを発生し、前記集光されたエネルギービームを、可変光学表面を有する位相パターニング光学素子に導いて複数のビームレットを形成し、前記ビームレットを前記位相パターニング光学素子で収束させ、前記ビームレットを単一のトランスファーレンズに通して、フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ね、前記フォーカスレンズから発する前記ビームレットを収束させて複数の光トラップを形成することを包含することを特徴とする。
【0023】
前記方法は、前記光学表面を変えることによって前記位相パターニング光学素子から発する少なくとも一つのビームレットの収束を変更して、少なくとも一つの光トラップの配置を変えることをさらに包含してもよい。
【0024】
前記方法は、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、および光ケージから選択される光トラップの2つ以上の異なる種類を形成することをさらに包含してもよい。
【0025】
前記方法は、前記位相パターニング光学素子で、前記ビームレットのうちの少なくとも一つの前記位相プロファイルを変化させることをさらに包含してもよい。
前記集光されたエネルギービームは電磁波エネルギーであってもよい。
【0026】
本発明の第3の形態によれば、複数の可動光トラップを形成し、モニタする方法であって、集光された光ビームを発生し、前記集光された光ビームを位相パターニング光学素子に導いて、可変光学表面を有する前記位相パターニング光学素子から発する複数のビームレットを形成し、各ビームレットは位相プロファイルを有しており、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを前記位相パターニング光学素子で前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させ、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを単一のトランスファーレンズに通して、ビームスプリッタの表面で前記ビームレットを重ね、ビームレットの2つのストリームを生成し、前記ビームスプリッタはビームレットの第一のストリームをフォーカスレンズの後ろの開口部に反射し、ビームレットの第二のストリームを反射して光学データストリームを形成し、前記フォーカスレンズから発する前記ビームレットを収束させて複数の光トラップを形成することを包含することを特徴とする。
【0027】
前記方法は、前記位相パターニング光学素子から発する少なくとも一つのビームレットの収束を変更して、少なくとも一つの光トラップの配置を変化させることをさらに包含してもよい。
【0028】
前記方法は、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、および光ケージからなる群から選択される2つ以上の異なる種類の光トラップを形成することをさらに包含してもよい。
【0029】
前記方法は、前記ビームレットの少なくとも一つの前記位相プロファイルを前記位相パターニング光学素子で変化させることをさらに包含してもよい。
【0030】
前記方法は、前記光トラップで生物学的材料を操作することをさらに包含してもよい。前記集光された光ビームはレーザビームであってもよい。前記レーザビームの波長は緑のスペクトルであってもよい。前記単一のレーザビームの波長は約400nmから約1060nmの範囲から選択されてもよい。
【0031】
前記方法は、前記フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる前に、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして可動ミラーで操縦することをさらに包含してもよい。
【0032】
前記方法は、前記光学データストリームをビデオ信号に変換することをさらに包含してもよい。前記方法は、前記光学データストリームのスペクトルを得て解析することをさらに包含してもよい。
前記方法は、前記光学データストリームをコンピュータで受け取ることをさらに包含してもよい。前記光学表面を変えることは、コンピュータによって指示されてもよい。
前記方法は、前記光学データストリームの解析された前記スペクトルに応じて、前記光学表面を変えて少なくとも一つの光トラップの配置を変化させることをさらに包含してもよい。
【0033】
前記方法は、前記ビデオ信号に応じて、前記光学表面を変えて少なくとも一つの光トラップの配置を変化させることをさらに包含してもよい。
【0034】
前記方法は、前記光学データストリームから光の予め選択された波長以外の全てを除去することをさらに包含してもよい。
前記方法は、前記光学データストリームから、1つ以上の予め選択された光の波長を除去することをさらに包含してもよい。
【0035】
前記方法は、前記集光された光ビームが発生されていないときには前記光学データストリームがブロックされ、前記集光された光ビームが発生されているときには前記光学データストリームはブロックされないように、前記集光された光ビームを選択的に発生し、前記光学データストリームを選択的にブロックしたり、ブロックしなかったりすることをさらに包含してもよい。
【0036】
前記方法は、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットが前記ビームスプリッタに通ることを選択的にブロックしたり、ブロックしなかったりし、前記ビームレットをブロックするときに、前記光学データストリームを選択的にモニタすることをさらに包含してもよい。
【0037】
本発明の第4の形態によれば、少なくとも2つの光トラップを生成する装置であって、集光された光ビームを受け取り、それを、それぞれが位相プロファイルを有する少なくとも2つのビームレットに回折する位相パターニング光学素子と、前記位相パターニング光学素子から発する各ビームレットを前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させる、前記位相パターニング光学素子内に変換された仮想レンズと、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを導いてフォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる前記単一のトランスファーレンズと、前記トランスファーレンズから発する各ビームレットを収束させて前記光トラップを形成する前記フォーカスレンズと、前記フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる、前記位相パターニング光学素子と前記フォーカスレンズとの間の単一のトランスファーレンズとを備えていることを特徴とする。
【0038】
前記単一のトランスファーレンズは可動であってもよい。前記位相パターニング光学素子は静的な表面を有していてもよい。前記静的な表面は、前記静的な表面の異なる部分を前記光ビームを受けるように並べるために再配置可能であってもよい。前記静的な表面は2つ以上の不連続な、不均質の領域からなってもよい。前記静的な表面は実質的に連続的に変化してもよい。
【0039】
前記位相パターニング光学素子は、格子、回折格子、反射格子、透過格子、ホログラム、ステンシル、光整形ホログラフィックフィルタ、多色ホログラム、レンズ、ミラー、プリズム、波長板およびホログラムからなる群の少なくとも一つから選択されていてもよい。
前記位相パターニング光学素子は動的であってもよい。前記変換された仮想レンズを選択的に変えることは、それから発するビームレットの数を変化させてもよい。
【0040】
前記変換された仮想レンズを選択的に変えることは、それから発する前記ビームレットのうちの少なくとも一つの収束位置を変化させてもよい。
前記位相パターニング光学素子を選択的に変えることは、それから発する前記ビームレットのうちの少なくとも一つの前記位相プロファイルを変化させてもよい。
【0041】
本発明の第5の形態によれば、少なくとも2つの光トラップを生成し、モニタする装置であって、集光された光ビームを受け、それを、それぞれが位相プロファイルを有する少なくとも2つのビームレットに回折する位相パターニング光学素子と、前記位相パターニング光学素子から発する各ビームレットを前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させる、前記位相パターニング光学素子において変換された仮想レンズと、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを導いて、ビームスプリッタの表面で重ねる前記単一のトランスファーレンズと、前記単一のトランスファーレンズから発する前記ビームレットを受け取ってビームレットの2つのストリームを作り出し、その後ビームレットの第一のストリームをフォーカスレンズの後ろの開口部に反射し、ビームレットの第二のストリームを光学データストリームを形成するように反射する前記ビームスプリッタと、前記ビームスプリッタから発する各ビームレットを収束させて、少なくとも2つの光トラップを形成する前記フォーカスレンズとを備えていることを特徴とする。
【0042】
前記単一のトランスファーレンズは可動であってもよい。前記位相パターニング光学素子は静的な表面を有していてもよい。前記静的な表面は、前記光ビームを受けるように前記静的な表面の異なる部分を並べるために再配置可能であってもよい。前記静的な表面は、2つ以上の不連続な、不均質の領域からなってもよい。前記静的な表面は実質的に連続的に変化してもよい。
【0043】
前記位相パターニング光学素子は、格子、回折格子、反射格子、透過格子、ホログラム、ステンシル、光整形ホログラフィックフィルタ、多色ホログラム、レンズ、ミラー、プリズム、波長板およびホログラムからなる群のうちの少なくとも一つから選択されてもよい。
【0044】
前記位相パターニング光学素子は動的であってもよい。前記動的な位相パターニング光学素子は選択的に可変であり、それによりそれから発するビームレットの数を変化させることが可能であってもよい。
前記動的な位相パターニング光学素子は選択的に可変であり、それによりそれから発する各別個のビームレットの収束位置を変化させることが可能であってもよい。
前記動的な位相パターニング光学素子は選択的に変えることが可能であり、それによりそれから発する各別個のビームレットの前記位相プロファイルを変化させることが可能であってもよい。
【0045】
前記位相パターニング光学素子は、コンピュータにより生成された可変回折パターン、可変位相シフト材料、可変液晶位相シフトアレイ、マイクロミラーアレイ、ピストンモードマイクロミラーアレイ、空間光変調器、電子光学偏向器、音響光学変調器、変形可能ミラーおよび反射MEMSアレイからなる群のうちの少なくとも一つから選択されていてもよい。
【0046】
前記ビームスプリッタは、静止している全方向ミラー、静止している光バンドギャップミラー、静止しているダイクロイックミラー、可動全方向ミラー、可動光バンドギャップミラー、および可動ダイクロイックミラーからなる群のうちの少なくとも一つから選択されていてもよい。
【0047】
前記トランスファーレンズの上流に配置されており、前記ビームレットを前記フォーカスレンズの後ろの開口部で重ねる前に、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして操縦する可動ミラーをさらに備えていてもよい。
前記可動ミラーと前記フォーカスレンズとの間に望遠鏡レンズシステムをさらに備えていてもよい。
【0048】
本発明の第6の形態によれば、複数の光トラップを生成し、モニタする装置であって、単一のレーザビームを受け取って、それを、それぞれが位相プロファイルを有する少なくとも2つのビームレットに回折する動的な回折光学素子と、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させる、前記回折光学素子において変換された仮想レンズと、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを導いて、ビームスプリッタの表面で重ねる前記単一のトランスファーレンズと、前記単一のトランスファーレンズから発する前記ビームレットを受け取ってビームレットの2つのストリームを作り出し、そしてビームレットの第一のストリームをフォーカスレンズの後ろの開口部に反射し、ビームレットの第二のストリームを光学データストリームを形成するように反射する前記ビームスプリッタと、前記ビームスプリッタから発する各ビームレットを収束させて少なくとも2つの光トラップを形成する前記フォーカスレンズとを備えていることを特徴とする。
【0049】
本発明の第7の形態によれば、微小粒子を操作するための複数の光トラップを生成するシステムであって、複数の微小粒子と、集光された光ビームを生成する光源と、集光された光ビームと、前記集光された光ビームを受け取って、それを、それぞれが位相プロファイルを有する少なくとも2つのビームレットに回折する位相パターニング光学素子と、前記位相パターニング光学素子から発する各ビームレットを前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させる、前記位相パターニング光学素子内に変換された仮想レンズと、前記位相パターニング光学素子と、各ビームレットが通過するフォーカスレンズとの間に配置された前記単一のトランスファーレンズであって、各ビームレットは前記フォーカスレンズの後ろの開口部で重ねられるような単一のトランスファーレンズと、それぞれが複数の微小粒子のうちの一つを操作することが可能である少なくとも2つの光トラップを形成するように、前記トランスファーレンズから発する各ビームレットを収束させる前記フォーカスレンズとを備えていることを特徴とする。
【0050】
前記単一のトランスファーレンズは可動であってもよい。前記光トラップは、前記単一のトランスファーレンズの動きに対応して動いてもよい。前記位相パターニング光学素子は可変光学表面を有していてもよい。前記位相パターニング光学素子は、静的な表面を有していてもよい。前記静的な表面は、前記集光された光ビームを前記静的な表面の選択された領域に合わせるように移動可能であってもよい。前記静的な表面は2つ以上の不連続な、不均質の領域からなってもよい。前記静的な表面は、実質的に連続的に変化していてもよい。
【0051】
前記位相パターニング光学素子は、格子、回折格子、反射格子、透過格子、ホログラム、ステンシル、光整形ホログラフィックフィルタ、多色ホログラム、レンズ、ミラー、プリズム、波長板およびホログラムからなる群のうちの少なくとも一つから選択されていてもよい。
【0052】
前記位相パターニング光学素子は動的であってもよい。前記位相パターニング光学素子は、コンピュータで生成された可変回折パターン、可変位相シフト材料、可変液晶位相シフトアレイ、マイクロミラーアレイ、ピストンモードマイクロミラーアレイ、空間光変調器、電子光学偏向器、音響光学変調器、変形可能ミラーおよび反射MEMSアレイからなる群のうちの少なくとも一つから選択されていてもよい。
【0053】
前記位相パターニング光学素子を選択的に変えるためのコンピュータをさらに備えていてもよい。前記複数の微小粒子の少なくともいくつかは、生物学的な材料であってもよい。
【0054】
前記光源はレーザであり、前記集光された光ビームは、緑のスペクトルの波長を有するレーザビームであってもよい。
前記光源はレーザであり、前記集光された光ビームは、約400nmから約1060nmの範囲から選択される波長を有するレーザビームであってもよい。
【0055】
前記ビームレットを前記フォーカスレンズの後ろの開口部で重ねる前に、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして操縦するための可動ミラーをさらに備えていてもよい。
【0056】
前記単一のレンズから下流で前記フォーカスレンズより前に望遠鏡レンズ系をさらに備えていてもよい。
【0057】
本発明の第8の形態によれば、光トラップを用いて微小粒子を操作するシステムであって、複数の微小粒子と、集光された光ビームを生成する光源と、集光された光ビームと、前記集光された光ビームを受け取り、それを、それぞれが位相プロファイルを有する少なくとも2つのビームレットに回折する位相パターニング光学素子と、前記位相パターニング光学素子から発する各ビームレットを前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させる、前記位相パターニング光学素子内に変換された仮想レンズと、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを受け取ってビームレットの2つのストリームを作り出し、ビームレットの第一のストリームをフォーカスレンズの後ろの開口部に重ねるように反射し、ビームレットの第二のストリームを光学データストリームを形成するように反射するビームスプリッタと、前記位相パターニング光学素子と、各ビームレットが通過する前記フォーカスレンズとの間に配置された単一のトランスファーレンズであって、各ビームレットは前記フォーカスレンズの後ろの開口部で重ねられるようなトランスファーレンズと、それぞれが、前記複数の微小粒子のうちの一つを操作することができる少なくとも2つの光トラップと、前記光学データストリームのモニタとを備えていることを特徴とする。
【0058】
前記単一のトランスファーレンズは可動であってもよい。前記光トラップは、前記単一のトランスファーレンズの動きに対応して動いてもよい。前記位相パターニング光学素子は可変光学表面を有していてもよい。前記位相パターニング光学素子は静的な表面を有していてもよい。前記静的な表面は、前記静的な表面の選択された領域に前記集光された光ビームを選択的に合わせるように動かすことができてもよい。
【0059】
前記静的な表面は不連続な、不均質の領域からなってもよい。前記静的な表面は実質的に連続的に変化していてもよい。
【0060】
前記位相パターニング光学素子は、格子、回折格子、反射格子、透過格子、ホログラム、ステンシル、光整形ホログラフィックフィルタ、多色ホログラム、レンズ、ミラー、プリズム、波長板、およびホログラムからなる群のうちの少なくとも一つから選択されてもよい。
前記位相パターニング光学素子は動的であってもよい。
前記位相パターニング光学素子は、コンピュータで生成された可変回折パターン、可変位相シフト材料、可変液晶位相シフトアレイ、マイクロミラーアレイ、ピストンモードマイクロミラーアレイ、空間光変調器、電子光学偏向器、音響光学変調器、変形可能ミラーおよび反射MEMSアレイからなる群のうちの少なくとも一つから選択されていてもよい。
前記動的な位相パターニング光学素子を選択的に制御するためのコンピュータをさらに備えていてもよい。
【0061】
前記複数の微小粒子の少なくともいくつかは、生物学的な材料であってもよい。
前記光源はレーザであり、前記集光された光ビームは緑のスペクトルの波長を有するレーザビームであってもよい。
前記光源はレーザであり、前記集光された光ビームは、約400nmから約1060nmの範囲から選択された波長を有するレーザビームであってもよい。
前記フォーカスレンズの後ろの開口部に前記ビームレットを重ねる前に、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして操縦するための可動ミラーをさらに備えていてもよい。
【0062】
前記単一のレンズから下流に、かつ前記フォーカスレンズより前に望遠鏡レンズ系をさらに備えていてもよい。
前記モニタは人間のモニタであってもよい。前記モニタはビデオモニタであってもよい。
前記光学データストリームをデジタルデータストリームに変換する手段をさらに備えていてもよい。前記光学データストリームのスペクトルを生成する分光計をさらに備えていてもよい。
前記光学データストリームをデジタルデータストリームに変換することによってデジタルデータストリームを受け取るコンピュータをさらに備えていてもよい。
前記光学データストリームを受け取ってデジタルデータストリームに処理し、前記光学データストリームにおける情報に基づいて前記光トラップの少なくとも一つの配置を変化させるコンピュータをさらに備えていてもよい。
【0063】
前記フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる前に、可動ミラーに、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして操縦させるためのコンピュータをさらに備えていてもよい。
前記スペクトルを解析するコンピュータと、前記フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる前に、前記可動ミラーに、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを操縦させるためのコンピュータとをさら備えていてもよい。
【0064】
前記光学データストリームの通路内に配置された偏光フィルタあるいはバンドパスフィルタをさらに備えていてもよい。
前記集光された光ビームがオンであるときには前記光学データストリームを選択的にブロックし、前記集光された光ビームがオフであるときには前記光学データストリームをブロックしないシャッタをさらに備えていてもよい。
前記光学データストリームがモニタされているときには前記集光された光ビームを選択的にブロックするシャッタをさらに備えていてもよい。
【0065】
集光された光ビームを生成する前記光源はレーザであり、前記集光された光ビームはレーザビームであってもよい。
前記光学データストリームがモニタされているときには前記レーザビームを選択的にブロックする第一のシャッタと、前記レーザビームがオンであるときに前記光学データストリームを選択的にブロックし、前記レーザビームがオフである時に前記光学データストリームをブロックしない第二のシャッタとをさらに備えていてもよい。
【0066】
本発明の第9の形態によれば、微小粒子をモニタし、操作する光学システムであって、集光されたエネルギーの単一のビームの源と、集光されたエネルギーの単一のビームと、動的な回折光学素子と、前記光学素子に前記単一のビームを導くことによって生成される複数の収束されたビームレットと、フォーカスレンズと、前記収束されたビームレットの光路に配置されており、ビームレットの2つのストリームを作り出して、ビームレットの第一のストリームを前記フォーカスレンズの後ろの開口部で重ねるように反射し、ビームレットの第二のストリームを光学データストリームを形成するように反射するビームスプリッタと、前記光学素子と前記ビームスプリッタとの間に配置された、それらのビームレットを前記ビームスプリッタに導く可動単一レンズと、前記フォーカスレンズを通る前記ビームレットの収束によって形成される少なくとも2つの光トラップと、前記光学データストリームのためのモニタとを備えていることを特徴とする。
【0067】
前記集光されたエネルギーの単一のビームの源は、固体レーザ、ダイオード励起レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、アレキサンドライトレーザ、自由電子レーザ、VCSELレーザ、ダイオードレーザ、Ti−サファイアレーザ、ドープYAGレーザ、ドープYLFレーザ、ダイオード励起YAGレーザ、フラッシュランプ励起YAGレーザ、発光ダイオードおよび一体化された平行化素子を有する発光ダイオードからなる群から選択されていてもよい。
前記集光された光ビームは電磁波エネルギーであってもよい。前記光トラップは、前記単一レンズの動きに対応して動いてもよい。前記光トラップの配置の変化は、前記光学素子における少なくとも一つの変化によってもたらされてもよい。
【0068】
各光トラップは、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、および光ケージからなる群から選択されてもよい。
【0069】
本発明の第10の形態によれば、複数の可動光トラップを形成する方法であって、集光された光ビームを発生し、前記集光された光ビームを位相パターニング光学素子に導いて、前記位相パターニング光学素子から発する複数のビームレットを形成し、各ビームレットは位相プロファイルを有しており、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを前記位相パターニング光学素子で前記位相パターニング光学素子と前記単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させ、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを、可動ミラーによって前記単一のトランスファーレンズを通過させて、フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ね、前記フォーカスレンズから発する前記ビームレットを収束させて複数の光トラップを形成することを特徴とする。
【0070】
前記方法は、前記ミラーを動かして少なくとも一つの光トラップの配置を変化させることをさらに包含してもよい。
【0071】
前記光トラップは、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、光ケージおよびこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。前記方法は、前記光トラップで生物学的な材料を操作することをさらに包含してもよい。
【0072】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0073】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0074】
以下の明細書では、便宜と言及のためであって、限定のためにではなく、ある用語を用いる。簡単な定義を以下に示す。
【0075】
A.「ビームレット」とは、レーザから生成される光あるいは発光ダイオードからの平行にされた出力のような光あるいは他のエネルギー源の集光されたビームを、ビームを2つ以上のサブビームに回折する媒体に通すことによって生成される集光された光あるいは他のエネルギー源のサブビームを指す。ビームレットの一例は、格子から回折された高次のレーザビームである。
【0076】
B.「位相プロファイル」とは、ビームの断面における光または他のエネルギー源の位相を指す。
【0077】
C.「位相パターニング」とは、光、他のエネルギー源あるいはビームレットの集光されたビームに、その位相プロファイルを変えるパターン化された位相シフトを与えることを指し、光、他のエネルギー源あるいはビームレットの集光されたビームの位相変調、モード形成、分割、収束、発散、整形およびそれ以外の操縦(steering)を含むが、これらには限られない。
【0078】
複数の可動光トラップを形成する発明の装置のさまざまな実施形態を概して8で表し、図1A、1Bおよび1Cに示す。図1Aに示す実施形態では、電磁波エネルギーのようなエネルギーの集光されたビームを生成することによって、光トラップの可動アレイが形成される。好ましい実施形態において、電磁波は光波であり、好ましくは約400nmから約1060nmの波長を有しており、より好ましくは緑のスペクトルの波長を有している。このビームは、例えば発光ダイオードからの平行化された出力、あるいは好ましくは図1A〜1Eに示されているレーザビーム10のような平行光から形成されている。
【0079】
集光された光ビームは、可変光学表面を有する回折光学素子12のような可変光学表面を有する位相パターニング光学素子を通して光軸500に沿って導かれて、選択された位相プロファイルを有する複数のビームレット32および33(2つを図示している)を生成する。光学素子は、対物レンズ18のようなフォーカスレンズの後ろの開口部16の平面15に共役な平面に実質的に配置されている。回折光学素子の光学表面を変えることで、ビームレットを変える。
【0080】
回折光学素子12内には仮想レンズが変換されており、この仮想レンズは複数のビームレットを変換された回折光学レンズと単一のトランスファーレンズとの間の位置に収束する。変換された回折光学素子から発したビームレットは収束後、対物レンズ18のようなフォーカスレンズの後ろの開口部でビームレットを重ねるように、トランスファーレンズを通して導かれる。そしてビームレットはフォーカスレンズによって収束されて、動作焦点領域2000内に複数の光トラップ1002および1004を形成する。動作焦点領域2000は、光トラップ1002および1004によって調査、測定あるいは操作されるべき粒子3000あるいは他の材料3002を含む媒体が置かれている領域である。
【0081】
レーザビーム10の発生源として、どのような適切なレーザをも用いることができる。有用なレーザには、固体レーザ、ダイオード励起レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、アレキサンドライトレーザ、自由電子レーザ、VCSELレーザ、ダイオードレーザ、Ti−サファイアレーザ、ドープYAGレーザ、ドープYLFレーザ、ダイオード励起YAGレーザ、およびフラッシュランプ励起YAGレーザがある。10mWと5mWとの間で動作するダイオード励起Nd:YAGレーザが好ましい。
【0082】
集光された光ビーム10が変換された回折光学素子12を通して導かれるとき、変換された回折光学素子は、位相プロフェイルが変えられた複数の回折ビームレット32および33を生成する。この位相プロファイルの変更は、望まれる光トラップのタイプに応じて、波面整形、位相シフト、操縦(steering)、発散および収束を含み得、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、光ケージおよび異なる種類の組み合わせを含む光トラップの異なる種類を形成する。明確にするために、2つの回折されたビームレットと2つの対応する光ピンセット1002および1004のみが示されているが、このようなビームレットのアレイが変換された回折光学素子によって作り出されることは理解できるであろう。
各トラップの配置は、変換された回折光学素子によって選択的に制御される。各トラップの動きが、固定された位置における回転、固定されていない位置における回転、二次元と三次元、ならびに連続的と段階的は選択的に制御可能であるということが本発明の重要な特徴である。制御は、ビームが通過する回折光学素子の表面を変えることによって実現され、それにより、変換された回折光学素子から発するビームレットの収束位置を変更する。
【0083】
適した回折光学素子は、どのように集光された光ビームを導くかに応じて、透過性または反射性に特徴付けられる。透過性回折光学素子は、図1Aおよび1Bに示すように、光ビームを集光するのに対して、反射性回折光学素子は、図1Cに示すように、ビームを反射する。
【0084】
2つの大まかなグループ内で、回折光学素子は、静的な媒体から形成されているか、動的な媒体から形成されているかに区別される。適した静的な回折光学素子の例は、格子のような固定表面を有する回折光学素子を含む。この格子には、回折格子、反射格子、透過格子、ホログラム、ステンシル、光整形ホログラフィックフィルタ、多色ホログラム、レンズ、ミラー、プリズム、波長板等が含まれる。
【0085】
静的な回折光学素子は、それぞれの領域がビームレットに対して異なる位相プロファイルを与えるように構成された異なる領域を有していてもよい。このような実施形態においては、静的な回折光学素子の表面は、その表面をレーザビーム10に対して動かして、ビームレットに与えられる所望の特性を変えるように、すなわち得られるビームレットのうちの少なくとも一つの所望の位相プロファイルを変えるように適切な領域を選択することによって変えられ得る。いくつかの実施形態においては、静的な表面は2つ以上の不連続な、不均質の領域を含んでいる。他の実施形態においては、静的な表面は実質的に連続的に変化している。
【0086】
機能に対して時間依存性の側面を有している適した動的な回折光学素子の例は、コンピュータによって生成される可変の回折パターン、可変の位相シフト材料、可変の液晶位相シフトアレイ、マイクロミラーアレイ、ピストンモードマイクロミラーアレイ、空間光変調器、電気光学偏向器、音響光学変調器、変形可能なミラー、反射MEMSアレイ等を含む。動的な回折光学素子があれば、変換された表面の特徴は、例えばコンピュータによって、ビームレットの数、ビームレットの少なくとも一つの位相プロファイル、およびビームレットの少なくとも一つの配置を変えるように変更可能である。
【0087】
回折光学素子上で変換された仮想レンズは、光学素子に入射する光の位相を変更する。代表的な仮想レンズは、例えば、反射性格子あるいはネマティック液晶の配向において変換されたフレネルレンズに類似したパターンである。仮想レンズは、物理的なレンズと区別可能であり、これは各ビームレット32、33の相対位置を独立して変更することができる仮想の素子として、ビームレット32および33の全てに全体として影響を及ぼす。
【0088】
また回折光学素子は、レーザ光に特定の位相モード(トポロジカルモード)を与えるのにも役立つ。したがって、一つのビームレット32はガウス・ラゲールのモードで形成され、他のビームレット33はガウスのモードで形成されるということがあり得る。
【0089】
好ましい仮想レンズに変換された回折光学素子は、日本のハママツによって製造された「PAL-SLMシリーズX7665」あるいはコロラド州ラファイエットのボルダ−ノンリニアシステムズによって製造された「SLM 512SA7」のような位相だけの空間光変調器を含む。これらの変換された回折光学素子はコンピュータで制御可能であり、多機能である。したがって、これらの回折光学素子は、レーザビーム10を回折して、得られたビームレットに所望の特性を選択的に与えることによって、ビームレット32および33を生成することができる。
【0090】
回折されたビームレットのそれぞれは、変換された回折光学素子の前面13上の領域Aから発している。またそれぞれは後ろの開口部16上の領域Bも通らなければならない。それによってビームレットは対物レンズ18の後ろの開口部16で重なっている。図1に示す実施形態においては、仮想レンズに変換された回折光学素子と単一の可動の下流にある光学レンズL1とを組み合わせることによって、ほぼ正確な重なりが効率的に達成される。
【0091】
レーザビーム10は、好ましくは、後ろの開口部16の直径に一致するビーム径wを有しており、対物レンズ18の後ろの開口部16はいっぱいになることがほとんど、あるいは全くなく、これがレーザビーム10の強度を節約するだけではなく、動作焦点領域2000内で所望のパターンの実効的な光トラップ1002および1004を作り出す電界勾配の強度を維持するということが発明のシステムの利点である。
【0092】
数学的な観点から述べる。光トラップを形成するのに十分な勾配力を確立するための実効NAが0.8であり、かつ実効NAが式NA=n*sinφ/2であるとする。ここでnは対物レンズの外側の媒体の屈折率を表し、φは回折されたビームの収束角度である。屈折率が1.5の油浸対物レンズを用いたとすれば、0.8の実効NAを維持するためには、φは、三次元で粒子を操作するのに効果的な光トラップを形成し維持するために光トラップの動きの間少なくとも66度に維持されなければならない。
【0093】
あるいは、レーザビーム10に対して大きすぎる後ろの開口部を有する大きすぎるフォーカスレンズを使用すれば、後ろの開口部16を満たすことなく効果的な光トラップを形成することができる。しかしながら、このようなレンズはより大きな物理的なスペースを必要とするであろうし、コストが高くなるかもしれない。
【0094】
図1Bに示されている代わりの実施形態に目を向けると、光トラップの制御可能なアレイが、レーザビーム10を、光軸500に対して鋭角βをなす面14'に実質的に配置されている仮想レンズを有して変換された回折光学素子12を通過させることによって形成されている。この実施形態では、変換された回折光学素子の前面上の領域Aから発したビームレット32および33は、回折光学素子によって導かれて、対物レンズ18の後ろの開口部16を通過し、動作焦点領域2000内に光トラップ1002および1004を形成する。光軸500に対するレーザビーム10の位置を変更することによって、非回折光34の一部が除かれて、これが非回折光34によって生じる雑音を減少させ、それにより光トラップ1002および1004を形成する効率および実効性を高める。さらに、図1Aおよび1Cに示すように光軸に沿ってレーザビームが導かれるときにレーザビームの非回折部分を形成する可能性がある非可動の光トラップ(図示せず)は、なくされる。
【0095】
図1Cは、変換された仮想レンズを有する回折光学素子12"からレーザビーム10を反射することによって光トラップの制御可能なアレイが形成されている代わりの実施形態を示している。
【0096】
図1Dおよび1Eは、位相パターニング光学素子から発したビームレットを、フォーカスレンズの後ろの開口部でビームレットを重ねる前に一つのグループとして操縦する可動ミラー41を有する代わりの実施形態を示している。可動ミラー41は、その回転の中心が領域CにあるようにトランスファーレンズL1の上流に配置されている。代表的なビームレット32は、変換された回折光学素子12の前面13上の領域AからトランスファーレンズL1を通り抜けて領域Cに達し、領域Cはビームレットを後ろの開口部16の領域Bに反射する。可動ミラー41を傾けることは、ミラー41に対するビームレット32の入射角を変化させる効果があり、光トラップ1002および1004のアレイを平行移動させるのに用いられ得る。
【0097】
この可動ミラーは、小さい振幅の速く振動する変位の間中、光トラップを動的に強化するように静止した基板内で光トラップアレイを正確に並べることと、光トラップにパルスを与えて同じ数のビームレットから光トラップの2つ以上の交互のセットを形成しつつ、光トラップのアレイの位置を正確に変更することによってトラップ活動を効果的に増やすこととの両方に有用である。
【0098】
図1Dに示す実施形態は、従来の望遠鏡システム42を可動ミラー41と対物レンズ18との間に含むことによってビームレットのずれを最小にする。望遠鏡システムは、共役面43および45の間に置かれた2つのレンズL2およびL3から構成されている、ビームレットは変換された回折光学素子12の前面13の領域Aから面43内の領域Cのビームスプリッタ51の回転中心へ達し、そして面44内の対物レンズ18の後ろの開口部16上の領域Bを通る。図1Eに示す実施形態では、可動ミラー41は、ビームレットのずれを最小にするために、後ろの開口部16の非常に近接して置かれている。
【0099】
図2および3に示す発明の実施形態を用いると、動作焦点領域200内の微小粒子3000と相互に作用している光トラップ1002および1004の光学データストリームをリアルタイムで観察することが可能である。光トラップ1002および1004の可動アレイは、単一のレンズトランスファー光学素子L1を用いて形成される。明瞭にするために一つのビームレット32だけが図示されているが、光学素子12によってこのようなビームレットが複数作り出されることを理解されたい。
光トラップのアレイを生成するために、レーザビーム10は回折光学素子12を通過して、変換された回折光学素子12の前面13上の領域Aから発し、その後領域Cへと達するビームレット32を生成する。領域Cは対物レンズ18の前にあるビームスプリッタ51の表面上の中心の領域である。ビームスプリッタ51は、静的あるいは可動のダイクロイックミラー、静的あるいは可動の光バンドギャップミラー、静的あるいは可動の全方向性ミラー、または他の同様な装置から構成される。図2に示されているビームスプリッタは可動であり、それゆえに、可動ミラーとビームスプリッタとの二つの機能を果たす。図3に示す代わりの実施形態においては、ビームスプリッタ51は固定されている。
【0100】
ビームスプリッタ51は、光トラップを形成するのに用いられる光の波長を選択的に反射し、他の波長を透過させてビームレットの2つのストリームを形成する。したがって、図2および3に示されるように、ビームレットの第一のストリームは領域Cから対物レンズ18の後ろの開口部16の領域Bを通って進み、それにより全てのビームレットを後ろの開口部で効果的に重ねて光トラップ1002および1004を形成する。ビームレットの第二のストリームはビームスプリッタ51によってモニタの方に反射されて、結像照明源(図示せず)の助けを借りて、リアルタイムで光学データストリームを提供するのに用いられる。ビームレットの第二のストリームは装置8を通過し、人間のモニタ65によって目視64aされる。モニタ65はコンピュータ66とのインタフェースであってもよく、ビームレット32の一つあるいはすべての位置を変更するようにシステムのパラメータをコンピュータに変更させる。
【0101】
あるいは、光学データストリームのスペクトル64bを得て、解析することができ、かつ/または光学データストリームをビデオ信号に変換してビデオモニタ64cでモニタすることができる。いくつかの実施形態においては、光学データストリームは分光計を通され、そして少なくとも一つのビームレットの収束位置がスペクトルの解析あるいはビデオによるモニタリングに応じて、対応する光トラップの配置を変化させるように変更され得る。
【0102】
生物学的な材料の試料の分光法64bは、非弾性分光法あるいは偏光の後方散乱に適した結像証明とともに実現される。前者は化学的な構造を調べるのに有用であり、後者は核のサイズを測定するのに適している。コンピュータ66はデータを解析して疑わしいガン性、前ガン性、および/あるいは非ガン性の細胞を同定し、光学アレイに選択された細胞タイプの試料を分離して濃縮させる。当業者は、ガン性の細胞に特有のパラメータに基づいて細胞を濃縮するために用いられる手順は、他のパラメータに基づいて他のタイプの細胞を同定および/あるいは濃縮するように発明の範囲から逸脱することなく変更され得ることを理解するであろう。生物学的材料を操作するのに有用である光トラップを構成するために用いられるレーザビーム10の波長は、約400nmから約1060nmの赤外、近赤外、および可視の波長を含む。
【0103】
さらに他の実施形態では、光学データストリームを記録し、解析し、そして/あるいは回折光学素子13を介してビームレット32の一つあるいはすべての位置、単一のトランスファーレンズL1の位置、および/または可動ビームスプリッタ51の位置を正確に調整するように適応されたコンピュータ66が光学データストリームを受け取ってもよい。あるいは、光学データストリームは、強度をモニタするための光検出器、あるいは光学データストリームをコンピュータ66によって使用するために適用されたデジタルデータストリームに変換するいかなる適した装置によって処理されてもよい。
【0104】
リアルタイムの光学データストリームは、雑音が制御されていれば、より有用な情報を提供する。図2に示すように、偏光素子あるいはバンドパス素子のようなフィルタ素子53を、光学データストリームの軸に沿って進む反射、散乱あるいは非回折レーザ光10の量を減らすように、光学データストリームの通り道内に置く。このフィルタ素子53は、1つ以上の予め選択された波長を除去し、いくつかの実施形態においては光学データストリームのある予め選択された波長を除く全てを除去する。
【0105】
光学データストリームにおける雑音を制限する他の方法は、光学データストリームをシャッタで遮る、あるいは光学データストリームにパルスを与えることである。図3は、制御可能なシャッタ62および63のシステムを示している。シャッタの一つの利点は、光学データストリームから雑音または干渉の実質的に全てをなくすことである。シャッタ62は、開く動作をレーザビーム10のオン・オフと協働させることによって、光学データストリームをシステムから自由に通過させることを選択的にブロックしたり、ブロックしなかったりする。レーザビームが発生されていないときには光学データストリームはブロックされ、集光された光ビームが発生されているときには光学データストリームはブロックされない。レーザビーム10がシャッタでふさいだりしているとき(これがビームレット32およびそれから得られる光トラップ1002を「オン」および「オフ」の切り替えを引き起こす)に光トラップ内の微小粒子(図示せず)の制御を維持するために、シャッタのパルスレートは操作されている粒子の性質に応じて調整される。しかしながら、あまりにもゆっくりしたパルスレートは、補足されている粒子が漂うのを許してしまう。粒子が漂うことが望ましいような状況に関しては、パルスレートは、漂うように仕向けるように調整されてもよい。
【0106】
あるいは、シャッタ62は、レーザビーム(図示せず)あるいはビームレットが対物レンズへと自由に通過することを妨げる。シャッタ63の開いたり閉じたりを光学データストリームのモニタリングの「オン」および「オフ」と協働させることによって、雑音は減少する。いくつかの例においては、シャッタを二重に用いることが望ましい。シャッタを二重に用いることの一つの利点は、レーザビーム10とモニタリング機器の両方とを常時「オン」にしたままにできることである。このような構成においては、シャッタ62および63の活動のみを協働させる必要がある。コンピュータ66は、シャッタ62および63を選択的に制御するために用いられてもよい。
【0107】
図4に、光学データストリームを提供するように可動ミラー41およびビームスプリッタ51と組み合わせられた単一のトランスファーレンズL1の後にシステム内に配置された伝統的な望遠鏡のトランスファーレンズシステム42を使用することが、機器の入手可能性、物理的なスペースの制限あるいは他の性能のパラメータに恩恵をもたらすような場合に有用である実施形態を示す。
【0108】
装置8は、複数の微小粒子を操作するためのシステムの一部として有用である。この装置に加えて、システムは、集光された光ビームを生成するための光源(図示せず)、集光された光ビーム10、および光トラップ1002および1004によって操作される複数の微小粒子3000を含んでいる。
【0109】
発明によると、複数の光トラップが作り出される。いくつかの実施形態では、光トラップは、生物学的な材料を操作するのに必要な勾配の状態を形成する。
【0110】
ここで関係する発明の範囲から逸脱することなく上記装置に変更を行い得るので、上記説明に含まれ、付随する図面、明細書およびクレームに示されている全ての事項は例示的なものであると解されるべきであり、限定的な意味ではない。
【0111】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができる。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】図1Aは微小粒子のアレイを操作するシステムを示し、図1Bは微小粒子のアレイを操作する第一の代わりのシステムを示し、図1Cは、反射回折光学素子を有する、微小粒子のアレイを操作する第二の代わりのシステムを示し、図1Dは、可動ミラーを有する、微小粒子アレイを操作する第三の代わりのシステムを示し、図1Eは、可動ミラーを有する、微小粒子のアレイを操作する第四の代わりのシステムを示している。
【図2】図2は、リアルタイムでの雑音のない観察用に適応された、微小粒子のアレイを操作する第五の代わりのシステムを示している。
【図3】図3は、リアルタイムでの雑音のない観察用に適応された、微小粒子のアレイを操作する第六の代わりのシステムを示している。
【図4】図4は、リアルタイムでの観察用に適応された、微小粒子のアレイを操作する第七の代わりのシステムを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の可動光トラップを形成する方法であって、
集光された光ビームを発生し、
前記集光された光ビームを、可変光学表面を有する位相パターニング光学素子に導いて、前記位相パターニング光学素子から発する複数のビームレットを形成し、各ビームレットは位相プロファイルを有しており、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを前記位相パターニング光学素子で前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させ、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを、前記単一のトランスファーレンズに通して、フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ね、
前記フォーカスレンズから発する前記ビームレットを収束させて複数の光トラップを形成することを包含する方法。
【請求項2】
前記方法は、前記光学表面を変えることによって前記位相パターニング光学素子から発する少なくとも一つのビームレットの収束位置を変更して、少なくとも一つの光トラップの配置を変えることをさらに包含する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光トラップは、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、光ケージ、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記光学表面を変えることによって前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットのうちの少なくとも一つの前記位相プロファイルを変化させることをさらに包含する請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記光トラップで生物学的な材料を操作することをさらに包含する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記集光された光ビームはレーザビームである請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記レーザビームの波長は緑のスペクトルである請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記レーザビームの波長は約400nmから約1060nmの範囲から選択される請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる前に、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして可動ミラーで操縦することをさらに包含する請求項1に記載の方法。
【請求項10】
複数の可動光トラップを形成する方法であって、
集光されたエネルギービームを発生し、
前記集光されたエネルギービームを、可変光学表面を有する位相パターニング光学素子に導いて複数のビームレットを形成し、
前記ビームレットを前記位相パターニング光学素子で収束させ、
前記ビームレットを単一のトランスファーレンズに通して、フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ね、
前記フォーカスレンズから発する前記ビームレットを収束させて複数の光トラップを形成することを包含する方法。
【請求項11】
前記方法は、前記光学表面を変えることによって前記位相パターニング光学素子から発する少なくとも一つのビームレットの収束を変更して、少なくとも一つの光トラップの配置を変えることをさらに包含する請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、および光ケージから選択される光トラップの2つ以上の異なる種類を形成することをさらに包含する請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記方法は、前記位相パターニング光学素子で、前記ビームレットのうちの少なくとも一つの前記位相プロファイルを変化させることをさらに包含する請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記集光されたエネルギービームは電磁波エネルギーである請求項10に記載の方法。
【請求項15】
複数の可動光トラップを形成し、モニタする方法であって、
集光された光ビームを発生し、
前記集光された光ビームを位相パターニング光学素子に導いて、可変光学表面を有する前記位相パターニング光学素子から発する複数のビームレットを形成し、各ビームレットは位相プロファイルを有しており、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを前記位相パターニング光学素子で前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させ、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを単一のトランスファーレンズに通して、ビームスプリッタの表面で前記ビームレットを重ね、ビームレットの2つのストリームを生成し、前記ビームスプリッタはビームレットの第一のストリームをフォーカスレンズの後ろの開口部に反射し、ビームレットの第二のストリームを反射して光学データストリームを形成し、
前記フォーカスレンズから発する前記ビームレットを収束させて複数の光トラップを形成することを包含する方法。
【請求項16】
前記方法は、前記位相パターニング光学素子から発する少なくとも一つのビームレットの収束を変更して、少なくとも一つの光トラップの配置を変化させることをさらに包含する請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、および光ケージからなる群から選択される2つ以上の異なる種類の光トラップを形成することをさらに包含する請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記ビームレットの少なくとも一つの前記位相プロファイルを前記位相パターニング光学素子で変化させることをさらに包含する請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記方法は、前記光トラップで生物学的材料を操作することをさらに包含する請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記集光された光ビームはレーザビームである請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記レーザビームの波長は緑のスペクトルである請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記単一のレーザビームの波長は約400nmから約1060nmの範囲から選択される請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記方法は、前記フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる前に、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして可動ミラーで操縦することをさらに包含する請求項15に記載の方法。
【請求項24】
前記方法は、前記光学データストリームをビデオ信号に変換することをさらに包含する請求項15に記載の方法。
【請求項25】
前記方法は、前記光学データストリームのスペクトルを得て解析することをさらに包含する請求項15に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、前記光学データストリームをコンピュータで受け取ることをさらに包含する請求項15に記載の方法。
【請求項27】
前記光学表面を変えることは、コンピュータによって指示される請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記方法は、前記光学データストリームの解析された前記スペクトルに応じて、前記光学表面を変えて少なくとも一つの光トラップの配置を変化させることをさらに包含する請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、前記ビデオ信号に応じて、前記光学表面を変えて少なくとも一つの光トラップの配置を変化させることをさらに包含する請求項24に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、前記光学データストリームから光の予め選択された波長以外の全てを除去することをさらに包含する請求項15に記載の方法。
【請求項31】
前記方法は、前記光学データストリームから、1つ以上の予め選択された光の波長を除去することをさらに包含する請求項15に記載の方法。
【請求項32】
前記方法は、前記集光された光ビームが発生されていないときには前記光学データストリームがブロックされ、前記集光された光ビームが発生されているときには前記光学データストリームはブロックされないように、前記集光された光ビームを選択的に発生し、前記光学データストリームを選択的にブロックしたり、ブロックしなかったりすることをさらに包含している請求項15に記載の方法。
【請求項33】
前記方法は、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットが前記ビームスプリッタに通ることを選択的にブロックしたり、ブロックしなかったりし、
前記ビームレットをブロックするときに、前記光学データストリームを選択的にモニタすることをさらに包含する請求項15に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも2つの光トラップを生成する装置であって、
集光された光ビームを受け取り、それを、それぞれが位相プロファイルを有する少なくとも2つのビームレットに回折する位相パターニング光学素子と、
前記位相パターニング光学素子から発する各ビームレットを前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させる、前記位相パターニング光学素子内に変換された仮想レンズと、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを導いてフォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる前記単一のトランスファーレンズと、
前記トランスファーレンズから発する各ビームレットを収束させて前記光トラップを形成する前記フォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる、前記位相パターニング光学素子と前記フォーカスレンズとの間の単一のトランスファーレンズと
を備えている装置。
【請求項35】
前記単一のトランスファーレンズは可動である請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記位相パターニング光学素子は静的な表面を有している請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記静的な表面は、前記静的な表面の異なる部分を前記光ビームを受けるように並べるために再配置可能である請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記静的な表面は2つ以上の不連続な、不均質の領域からなる請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記静的な表面は実質的に連続的に変化している請求項37に記載の装置。
【請求項40】
前記位相パターニング光学素子は、格子、回折格子、反射格子、透過格子、ホログラム、ステンシル、光整形ホログラフィックフィルタ、多色ホログラム、レンズ、ミラー、プリズム、波長板およびホログラムからなる群の少なくとも一つから選択されている請求項36に記載の装置。
【請求項41】
前記位相パターニング光学素子は動的である請求項34に記載の装置。
【請求項42】
前記変換された仮想レンズを選択的に変えることは、それから発するビームレットの数を変化させる請求項41に記載の装置。
【請求項43】
前記変換された仮想レンズを選択的に変えることは、それから発する前記ビームレットのうちの少なくとも一つの収束位置を変化させる請求項41に記載の装置。
【請求項44】
前記位相パターニング光学素子を選択的に変えることは、それから発する前記ビームレットのうちの少なくとも一つの前記位相プロファイルを変化させる請求項41に記載の装置。
【請求項45】
少なくとも2つの光トラップを生成し、モニタする装置であって、
集光された光ビームを受け、それを、それぞれが位相プロファイルを有する少なくとも2つのビームレットに回折する位相パターニング光学素子と、
前記位相パターニング光学素子から発する各ビームレットを前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させる、前記位相パターニング光学素子において変換された仮想レンズと、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを導いて、ビームスプリッタの表面で重ねる前記単一のトランスファーレンズと、
前記単一のトランスファーレンズから発する前記ビームレットを受け取ってビームレットの2つのストリームを作り出し、その後ビームレットの第一のストリームをフォーカスレンズの後ろの開口部に反射し、ビームレットの第二のストリームを光学データストリームを形成するように反射する前記ビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタから発する各ビームレットを収束させて、少なくとも2つの光トラップを形成する前記フォーカスレンズと
を備えている装置。
【請求項46】
前記単一のトランスファーレンズは可動である請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記位相パターニング光学素子は静的な表面を有している請求項45に記載の装置。
【請求項48】
前記静的な表面は、前記光ビームを受けるように前記静的な表面の異なる部分を並べるために再配置可能である請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記静的な表面は、2つ以上の不連続な、不均質の領域からなる請求項48に記載の装置。
【請求項50】
前記静的な表面は実質的に連続的に変化している請求項48に記載の装置。
【請求項51】
前記位相パターニング光学素子は、格子、回折格子、反射格子、透過格子、ホログラム、ステンシル、光整形ホログラフィックフィルタ、多色ホログラム、レンズ、ミラー、プリズム、波長板およびホログラムからなる群のうちの少なくとも一つから選択されている請求項47に記載の装置。
【請求項52】
前記位相パターニング光学素子は動的である請求項45に記載の装置。
【請求項53】
前記動的な位相パターニング光学素子は選択的に可変であり、それによりそれから発するビームレットの数を変化させることが可能である請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記動的な位相パターニング光学素子は選択的に可変であり、それによりそれから発する各別個のビームレットの収束位置を変化させることが可能である請求項52に記載の装置。
【請求項55】
前記動的な位相パターニング光学素子は選択的に変えることが可能であり、それによりそれから発する各別個のビームレットの前記位相プロファイルを変化させることが可能である請求項52に記載の装置。
【請求項56】
前記位相パターニング光学素子は、コンピュータにより生成された可変回折パターン、可変位相シフト材料、可変液晶位相シフトアレイ、マイクロミラーアレイ、ピストンモードマイクロミラーアレイ、空間光変調器、電子光学偏向器、音響光学変調器、変形可能ミラーおよび反射MEMSアレイからなる群のうちの少なくとも一つから選択されている請求項52に記載の装置。
【請求項57】
前記ビームスプリッタは、静止している全方向ミラー、静止している光バンドギャップミラー、静止しているダイクロイックミラー、可動全方向ミラー、可動光バンドギャップミラー、および可動ダイクロイックミラーからなる群のうちの少なくとも一つから選択されている請求項45に記載の装置。
【請求項58】
前記トランスファーレンズの上流に配置されており、前記ビームレットを前記フォーカスレンズの後ろの開口部で重ねる前に、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして操縦する可動ミラーをさらに備えている請求項45に記載の装置。
【請求項59】
前記可動ミラーと前記フォーカスレンズとの間に望遠鏡レンズシステムをさらに備えている請求項58に記載の装置。
【請求項60】
複数の光トラップを生成し、モニタする装置であって、
単一のレーザビームを受け取って、それを、それぞれが位相プロファイルを有する少なくとも2つのビームレットに回折する動的な回折光学素子と、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させる、前記回折光学素子において変換された仮想レンズと、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを導いて、ビームスプリッタの表面で重ねる前記単一のトランスファーレンズと、
前記単一のトランスファーレンズから発する前記ビームレットを受け取ってビームレットの2つのストリームを作り出し、そしてビームレットの第一のストリームをフォーカスレンズの後ろの開口部に反射し、ビームレットの第二のストリームを光学データストリームを形成するように反射する前記ビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタから発する各ビームレットを収束させて少なくとも2つの光トラップを形成する前記フォーカスレンズと
を備えている装置。
【請求項61】
微小粒子を操作するための複数の光トラップを生成するシステムであって、
複数の微小粒子と、
集光された光ビームを生成する光源と、
集光された光ビームと、
前記集光された光ビームを受け取って、それを、それぞれが位相プロファイルを有する少なくとも2つのビームレットに回折する位相パターニング光学素子と、
前記位相パターニング光学素子から発する各ビームレットを前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させる、前記位相パターニング光学素子内に変換された仮想レンズと、
前記位相パターニング光学素子と、各ビームレットが通過するフォーカスレンズとの間に配置された前記単一のトランスファーレンズであって、各ビームレットは前記フォーカスレンズの後ろの開口部で重ねられるような単一のトランスファーレンズと、
それぞれが複数の微小粒子のうちの一つを操作することが可能である少なくとも2つの光トラップを形成するように、前記トランスファーレンズから発する各ビームレットを収束させる前記フォーカスレンズと
を備えているシステム。
【請求項62】
前記単一のトランスファーレンズは可動である請求項61に記載のシステム。
【請求項63】
前記光トラップは、前記単一のトランスファーレンズの動きに対応して動く請求項61に記載のシステム。
【請求項64】
前記位相パターニング光学素子は可変光学表面を有している請求項61に記載のシステム。
【請求項65】
前記位相パターニング光学素子は、静的な表面を有している請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記静的な表面は、前記集光された光ビームを前記静的な表面の選択された領域に合わせるように移動可能である請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
前記静的な表面は2つ以上の不連続な、不均質の領域からなる請求項66に記載のシステム。
【請求項68】
前記静的な表面は、実質的に連続的に変化している請求項67に記載のシステム。
【請求項69】
前記位相パターニング光学素子は、格子、回折格子、反射格子、透過格子、ホログラム、ステンシル、光整形ホログラフィックフィルタ、多色ホログラム、レンズ、ミラー、プリズム、波長板およびホログラムからなる群のうちの少なくとも一つから選択されている請求項67に記載のシステム。
【請求項70】
前記位相パターニング光学素子は動的である請求項61に記載のシステム。
【請求項71】
前記位相パターニング光学素子は、コンピュータで生成された可変回折パターン、可変位相シフト材料、可変液晶位相シフトアレイ、マイクロミラーアレイ、ピストンモードマイクロミラーアレイ、空間光変調器、電子光学偏向器、音響光学変調器、変形可能ミラーおよび反射MEMSアレイからなる群のうちの少なくとも一つから選択されている請求項70に記載のシステム。
【請求項72】
前記位相パターニング光学素子を選択的に変えるためのコンピュータをさらに備えている請求項70に記載のシステム。
【請求項73】
前記複数の微小粒子の少なくともいくつかは、生物学的な材料である請求項61に記載のシステム。
【請求項74】
前記光源はレーザであり、前記集光された光ビームは、緑のスペクトルの波長を有するレーザビームである請求項61に記載のシステム。
【請求項75】
前記光源はレーザであり、前記集光された光ビームは、約400nmから約1060nmの範囲から選択される波長を有するレーザビームである請求項61に記載のシステム。
【請求項76】
前記ビームレットを前記フォーカスレンズの後ろの開口部で重ねる前に、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして操縦するための可動ミラーをさらに備えている請求項61に記載のシステム。
【請求項77】
前記単一のレンズから下流で前記フォーカスレンズより前に望遠鏡レンズ系をさらに備えている請求項61に記載のシステム。
【請求項78】
光トラップを用いて微小粒子を操作するシステムであって、
複数の微小粒子と、
集光された光ビームを生成する光源と、
集光された光ビームと、
前記集光された光ビームを受け取り、それを、それぞれが位相プロファイルを有する少なくとも2つのビームレットに回折する位相パターニング光学素子と、
前記位相パターニング光学素子から発する各ビームレットを前記位相パターニング光学素子と単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させる、前記位相パターニング光学素子内に変換された仮想レンズと、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを受け取ってビームレットの2つのストリームを作り出し、ビームレットの第一のストリームをフォーカスレンズの後ろの開口部に重ねるように反射し、ビームレットの第二のストリームを光学データストリームを形成するように反射するビームスプリッタと、
前記位相パターニング光学素子と、各ビームレットが通過する前記フォーカスレンズとの間に配置された単一のトランスファーレンズであって、各ビームレットは前記フォーカスレンズの後ろの開口部で重ねられるようなトランスファーレンズと、
それぞれが、前記複数の微小粒子のうちの一つを操作することができる少なくとも2つの光トラップと、
前記光学データストリームのモニタと
を備えているシステム。
【請求項79】
前記単一のトランスファーレンズは可動である請求項78に記載のシステム。
【請求項80】
前記光トラップは、前記単一のトランスファーレンズの動きに対応して動く請求項79に記載のシステム。
【請求項81】
前記位相パターニング光学素子は可変光学表面を有している請求項80に記載のシステム。
【請求項82】
前記位相パターニング光学素子は静的な表面を有している請求項78に記載のシステム。
【請求項83】
前記静的な表面は、前記静的な表面の選択された領域に前記集光された光ビームを選択的に合わせるように動かすことができる請求項78に記載のシステム。
【請求項84】
前記静的な表面は不連続な、不均質の領域からなる請求項78に記載のシステム。
【請求項85】
前記静的な表面は実質的に連続的に変化している請求項78に記載のシステム。
【請求項86】
前記位相パターニング光学素子は、格子、回折格子、反射格子、透過格子、ホログラム、ステンシル、光整形ホログラフィックフィルタ、多色ホログラム、レンズ、ミラー、プリズム、波長板、およびホログラムからなる群のうちの少なくとも一つから選択されている請求項78に記載のシステム。
【請求項87】
前記位相パターニング光学素子は動的である請求項78に記載のシステム。
【請求項88】
前記位相パターニング光学素子は、コンピュータで生成された可変回折パターン、可変位相シフト材料、可変液晶位相シフトアレイ、マイクロミラーアレイ、ピストンモードマイクロミラーアレイ、空間光変調器、電子光学偏向器、音響光学変調器、変形可能ミラーおよび反射MEMSアレイからなる群のうちの少なくとも一つから選択されている請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
前記動的な位相パターニング光学素子を選択的に制御するためのコンピュータをさらに備えている請求項88に記載のシステム。
【請求項90】
前記複数の微小粒子の少なくともいくつかは、生物学的な材料である請求項80に記載のシステム。
【請求項91】
前記光源はレーザであり、前記集光された光ビームは緑のスペクトルの波長を有するレーザビームである請求項80に記載のシステム。
【請求項92】
前記光源はレーザであり、前記集光された光ビームは、約400nmから約1060nmの範囲から選択された波長を有するレーザビームである請求項80に記載のシステム。
【請求項93】
前記フォーカスレンズの後ろの開口部に前記ビームレットを重ねる前に、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして操縦するための可動ミラーをさらに備えている請求項80に記載のシステム。
【請求項94】
前記単一のレンズから下流に、かつ前記フォーカスレンズより前に望遠鏡レンズ系をさらに備えている請求項80に記載のシステム。
【請求項95】
前記モニタは人間のモニタである請求項80に記載のシステム。
【請求項96】
前記モニタはビデオモニタである請求項80に記載のシステム。
【請求項97】
前記光学データストリームをデジタルデータストリームに変換する手段をさらに備えている請求項80に記載のシステム。
【請求項98】
前記光学データストリームのスペクトルを生成する分光計をさらに備えている請求項80に記載のシステム。
【請求項99】
前記光学データストリームをデジタルデータストリームに変換することによってデジタルデータストリームを受け取るコンピュータをさらに備えている請求項80に記載のシステム。
【請求項100】
前記光学データストリームを受け取ってデジタルデータストリームに処理し、前記光学データストリームにおける情報に基づいて前記光トラップの少なくとも一つの配置を変化させるコンピュータをさらに備えている請求項80に記載のシステム。
【請求項101】
前記フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる前に、可動ミラーに、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを一つのグループとして操縦させるためのコンピュータをさらに備えている請求項100に記載のシステム。
【請求項102】
前記スペクトルを解析するコンピュータと、
前記フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ねる前に、前記可動ミラーに、前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを操縦させるためのコンピュータと
をさら備えている請求項100に記載のシステム。
【請求項103】
前記光学データストリームの通路内に配置された偏光フィルタあるいはバンドパスフィルタをさらに備えている請求項80に記載のシステム。
【請求項104】
前記集光された光ビームがオンであるときには前記光学データストリームを選択的にブロックし、前記集光された光ビームがオフであるときには前記光学データストリームをブロックしないシャッタをさらに備えている請求項80に記載のシステム。
【請求項105】
前記光学データストリームがモニタされているときには前記集光された光ビームを選択的にブロックするシャッタをさらに備えている請求項80に記載のシステム。
【請求項106】
集光された光ビームを生成する前記光源はレーザであり、前記集光された光ビームはレーザビームである請求項80に記載のシステム。
【請求項107】
前記光学データストリームがモニタされているときには前記レーザビームを選択的にブロックする第一のシャッタと、
前記レーザビームがオンであるときに前記光学データストリームを選択的にブロックし、前記レーザビームがオフである時に前記光学データストリームをブロックしない第二のシャッタと
をさらに備えている請求項106に記載のシステム。
【請求項108】
微小粒子をモニタし、操作する光学システムであって、
集光されたエネルギーの単一のビームの源と、
集光されたエネルギーの単一のビームと、
動的な回折光学素子と、
前記光学素子に前記単一のビームを導くことによって生成される複数の収束されたビームレットと、
フォーカスレンズと、
前記収束されたビームレットの光路に配置されており、ビームレットの2つのストリームを作り出して、ビームレットの第一のストリームを前記フォーカスレンズの後ろの開口部で重ねるように反射し、ビームレットの第二のストリームを光学データストリームを形成するように反射するビームスプリッタと、
前記光学素子と前記ビームスプリッタとの間に配置された、それらのビームレットを前記ビームスプリッタに導く可動単一レンズと、
前記フォーカスレンズを通る前記ビームレットの収束によって形成される少なくとも2つの光トラップと、
前記光学データストリームのためのモニタと
を備えている光学システム。
【請求項109】
前記集光されたエネルギーの単一のビームの源は、固体レーザ、ダイオード励起レーザ、ガスレーザ、色素レーザ、アレキサンドライトレーザ、自由電子レーザ、VCSELレーザ、ダイオードレーザ、Ti−サファイアレーザ、ドープYAGレーザ、ドープYLFレーザ、ダイオード励起YAGレーザ、フラッシュランプ励起YAGレーザ、発光ダイオードおよび一体化された平行化素子を有する発光ダイオードからなる群から選択されている請求項108に記載の光学システム。
【請求項110】
前記集光された光ビームは電磁波エネルギーである請求項109に記載のシステム。
【請求項111】
前記光トラップは、前記単一レンズの動きに対応して動く請求項109に記載のシステム。
【請求項112】
前記光トラップの配置の変化は、前記光学素子における少なくとも一つの変化によってもたらされる請求項109に記載のシステム。
【請求項113】
各光トラップは、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、および光ケージからなる群から選択される請求項112に記載のシステム。
【請求項114】
各光トラップは、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、および光ケージからなる群から選択される請求項61に記載のシステム。
【請求項115】
各光トラップは、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、および光ケージからなる群から選択される請求項80に記載のシステム。
【請求項116】
複数の可動光トラップを形成する方法であって、
集光された光ビームを発生し、
前記集光された光ビームを位相パターニング光学素子に導いて、前記位相パターニング光学素子から発する複数のビームレットを形成し、各ビームレットは位相プロファイルを有しており、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを前記位相パターニング光学素子で前記位相パターニング光学素子と前記単一のトランスファーレンズとの間の位置で収束させ、
前記位相パターニング光学素子から発する前記ビームレットを、可動ミラーによって前記単一のトランスファーレンズを通過させて、フォーカスレンズの後ろの開口部で前記ビームレットを重ね、
前記フォーカスレンズから発する前記ビームレットを収束させて複数の光トラップを形成する方法。
【請求項117】
前記方法は、前記ミラーを動かして少なくとも一つの光トラップの配置を変化させることをさらに包含する請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記光トラップは、光ピンセット、オプティカルボルテックス、オプティカルボトル、オプティカルローテータ、光ケージおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項116に記載の方法。
【請求項119】
前記方法は、前記光トラップで生物学的な材料を操作することをさらに包含する請求項116に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−229837(P2008−229837A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−34706(P2008−34706)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【分割の表示】特願2002−589827(P2002−589827)の分割
【原出願日】平成14年5月14日(2002.5.14)
【出願人】(503419767)アリックス インコーポレイテッド (13)
【Fターム(参考)】