光合分波器
【課題】 波長変動や製造プロセス変動に対するトレランスを高める。ハイΔ化しても大型化することのないようにする。平坦化帯域の高帯域化。
【解決手段】 入力光導波路101と、出力光導波路102と、導波路アレイ107と、入力側カプラー導波路105と、出力側カプラー導波路106と、入力側接続部導波路103と、出力側接続部導波路104とを有するAWGにおいて、入力側接続部導波路103は、0次モード光と1次モード光とを混合させるモード混合部とモード間の干渉を行わせるモード干渉部とを有するモード変換導波路108によって構成し、出力側接続部導波路104は、テーパ導波路109によって構成する。
【解決手段】 入力光導波路101と、出力光導波路102と、導波路アレイ107と、入力側カプラー導波路105と、出力側カプラー導波路106と、入力側接続部導波路103と、出力側接続部導波路104とを有するAWGにおいて、入力側接続部導波路103は、0次モード光と1次モード光とを混合させるモード混合部とモード間の干渉を行わせるモード干渉部とを有するモード変換導波路108によって構成し、出力側接続部導波路104は、テーパ導波路109によって構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)伝送システムにおいて所望のチャネルだけを取り出すことができる光波長合分波器に関し、特にアレイ導波路型回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)型の光合分波器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の通信需要の拡大に伴い大容量、長距離伝送に適したDWDM(Dense Wavelength Division Multiplex)を用いた光通信システムが広く使われるようになっている。DWDMシステムのキーコンポーネントとしてAWG素子のような導波路型光機能素子の需要が増している。AWGは、入力側から出力側に向かって、入力導波路、入力側カプラー導波路、導波路アレイ、出力側カプラー導波路、出力導波路を順に接続して構成される光機能素子である。AWGはチャネル数に依らず同一プロセス、同一工程数で作製でき、原理的にも損失増加などの特性劣化がないので、チャネル数がより多チャネル化になった場合に波長多重伝送のキーデバイスとして使われている。
【0003】
ここで通常AWGの帯域特性は図16に示すようにガウシアン形状になっている。そのため光源の波長がずれると損失が変動してしまう問題が発生する。またガウシアン形状のAWGを図17のように何段もカスケードに接続すると、帯域特性が掛け算で重なり合わさるため帯域特性が狭窄化していってしまい伝送帯域が維持できなくなってしまう。そこで図18に示すように平坦な帯域特性を実現して、カスケードにAWGを接続していった場合でも最終的に平坦なままの広帯域な伝送特性が維持できるようにする手法が試みられている(例えば、特許文献1参照)。このようなAWGを実現できれば、伝送路の中継器での分波と合波ができるようになるため、図19に示すようなOADM(Optical Add Drop Multiplexing) などの用途が開けてくる。
またAWGを形成する材料として石英を用いた場合、約0.01nm/℃の温度係数を持つため光素子の温度を一定に保ち透過波長を固定する方式がとられている。しかしヒータなどを用いて中心波長を制御する方式では電力供給が必要であり高精度の動的制御技術が必要になる。ここでAWGの帯域特性が平坦であることで多少波長がずれても伝送特性に影響が発生しないようにすることができる。このため波長制御機構が不要または簡略化する事ができ低コスト化と低消費電力化が実現できる。
【0004】
図20(a)、(b)は、AWGの帯域特性を平坦化するために従来より採用されている入力導波路のカプラー導波路への接続部の構成を示す概略図である。これらの接続部は、伝播光のモード変換の行われる領域であって、図20(a)に示す例では、入力導波路11はパラボリック導波路12を介してカプラー導波路に接続される。図20(b)に示す従来例は、MMI(Multi-mode Interference)方式と呼ばれるものであって、この例では、入力導波路21は矩形導波路22を介してカプラー導波路に接続される。
【0005】
而して、このような導波路素子の低コスト化や高機能化を図るために素子サイズの小型化が重要である。小型化の手法として導波路のコア(屈折率n1)とクラッド(屈折率n2)の比屈折率差Δ(=n1−n2)を大きくする手法が有効であり幅広く開発が進められている。Δを大きくすると導波路への光の閉じ込めを強くできるため曲り導波路の最小曲げ半径など各導波路要素を小さくでき素子サイズを小型化することができる。特に光の閉じ込めの効果を利用して図20に示される接続部導波路(パラボリック導波路12、矩形導波路22)の幅Wおよび間隔(ピッチ)を狭くすることができる。一般に、Δ=0.5%ではカプラー導波路との接続部での入出力導波路間隔は30μm程度が必要となるがΔ=1.5%では10μm程度にまで縮小することができる。AWGのような回折格子を原理としたデバイスでは、同一の特性のとき入出力導波路間隔とカプラー導波路長は比例関係にあるため、入出力導波路間隔を1/3にすることができればカプラー長も1/3にすることができる。したがって、入力導波路間隔(および出力導波路間隔)を小さくすることはサイズ縮小の観点から極めて重要である。
【0006】
ところが、従来AWGの帯域特性の平坦化に用いられてきた緩慢な変化のパラボリックテーパの導波路を用いる方法では、テーパ化構造導波路終端での光強度分布を小型AWGの小さな領域で平坦化に最適な光強度分布に変化させることが難しい。これはパラボリック導波路12の導波路幅Wが小さくなったためにモード変換に必要な十分な空間周波数を確保できないためである。このため、従来のパラボリックテーパの導波路を用いた場合には幅Wは従来のAWGと同じ程度とる必要があり、素子サイズが大型化してしまう。一方、極めて急峻な変換構造を用いてモード変換を行うMMI方式では、極めて微妙な光変化を利用するため製造時に特性がばらついてしまい歩留まりよく平坦化を実現することができない。このため安定して製作可能であり、小型化と帯域の平坦化を両立できるAWGの設計手法が求められている。
また従来のAWGの平坦化の手法は基本的に1次モードと0次モードの結合を利用していたためチャネル帯域のうち50%程度までしか平坦化することができなかった(1dB帯域幅において)。これは従来のどの手法を用いた平坦AWGでも同様である。最近CWDM(Coarse Wavelength Division Multiplex)用のAWGの開発が進められているがCWDM用の波長フィルタの平坦帯域は65%程度が要求されており、従来のAWGでは実現が困難であった。
【特許文献1】特開2002−311264号(図34、35、段落[0004]〜[0009]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、第1に、波長変動やプロセス変動に対するトレランス特性を改善した帯域平坦化AWGを提供することである。第2に、ハイΔ化によって帯域平坦化AWGが大型化してしまうことのないようにして、平坦化特性を有するハイΔ化小型AWGを実現できるようにすることである。第3に、CWDMにも対応できるように、平坦帯域がチャネル帯域の50%を超えるAWGを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1および第2カプラー導波路と、一端が入力導波路に接続され、他端が前記第1カプラー導波路の光入力端面に接続された一またはそれ以上の入力側接続部導波路と、一端が出力導波路に接続され、他端が前記第2カプラー導波路の光出力端面に接続された一またはそれ以上の出力側接続部導波路と、前記第1および第2カプラー導波路間に配列された導波路であって、互いに長さの異なる複数のチャネル導波路と、を備え、前記入力側接続部導波路と出力側接続部導波路との内少なくとも一方は、モード変換および干渉が生起されカプラー導波路との接続部での光強度が極小値ないしその近辺の値となるようにその長さが設定されているモード変換導波路により構成されていることを特徴とする光合分波器、が提供される。
【0009】
そして、好ましくは、前記モード変換導波路がモード混合領域とモード干渉領域によって構成される。また、好ましくは、前記入力または出力導波路の光伝搬方向の中心と前記モード変換導波路の光伝搬方向の中心とがずれている。また、好ましくは、前記入力または出力導波路の光伝搬方向が、前記モード変換導波路の光伝搬方向に対して傾いている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光合分波器は、導波路アレイと接続される入力側/出力側それぞれのカプラー導波路に入・出力導波路より幅広の接続部導波路を接続したものであって、入力側/出力側の少なくとも一方の接続部導波路は、モード間の混合および干渉の行われるモード変換導波路になされている。そしてそのモード変換導波路の長さが伝搬モード間の干渉が丁度安定する長さになっていることを特徴とする。光の波動が安定している領域を用いることによって製造トレランスの高い、波長変動に強いAWGを実現できる。また、従来より長さの短いモード混合部において、急峻な導波路構造変化を利用して急激な波面変動を発生させてモード混合を行っているためにハイΔによる小型化したサイズを維持したままで帯域特性の平坦化を実現できる。また、本発明の構造により高次のモードを組み合わせての帯域平坦化AWGを実現することが可能となり、従来の平坦化AWGの平坦帯域が50%程度を上限としていたのに対しより広帯域の平坦化AWGを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の光合分波器の一実施の形態を示す平面図である。図1に示すように、本実施の形態の光合分波器は、それぞれ波長λ1、λ2、…、λ40の光が伝播する入力光導波路101と、同様に波長λ1、λ2、…、λ40の光が伝播する出力光導波路102と、それぞれ長さおよび曲率の異なる複数の導波路からなる導波路アレイ107と、導波路アレイ107の入力側に接続された入力側カプラー導波路105と、導波路アレイ107の出力側に接続された出力側カプラー導波路106と、入力光導波路101と入力側カプラー導波路105との間に接続された入力側接続部導波路103と、出力光導波路102と出力側カプラー導波路106との間に接続された出力側接続部導波路104とを有している。ここで、入力側カプラー導波路105は、Λのカプラー導波路長を有している。
入力側接続部導波路103は、拡大図に示されるように、モード変換導波路108によって構成されており、モード変換導波路108は入力側カプラー導波路105側でWで示される幅を有し間隔Pをもって配列されている。また、出力側接続部導波路104は、テーパ導波路109によって構成されておりテーパ導波路109は出力側カプラー導波路106側でW′で示される幅を有し間隔P′をもって配列されている。
【0012】
図2、図3は、それぞれモード変換導波路108とテーパ導波路109を更に拡大して示す図である。図2に示されるように、モード変換導波路108は、0次モード光と1次モード光との混合が行われるモード混合部110と、その混合されたモード間の干渉が行われるモード干渉部111とを有している。モード混合部110の長さλとその形状は、0次モード光と1次モード光との混合比が適切に調整されるように選定されており、またモード変換導波路108の長さLは、干渉により光強度が最低となる位置に設定されている。また、テーパ導波路109は、図3に示されるように、緩やかな傾斜のテーパを有しており、その幅W′はモード変換導波路幅Wより狭くなされている。テーパ導波路109においては緩やかな変化のためモード変換は行われない。
本実施の形態に変更を加えて、入力側にテーパ導波路を、出力側にモード変換導波路を配置するようにしてもよい。あるいは、入力側および出力側の双方にモード変換導波路を配置するようにしてもよい。
【0013】
図1に示される本実施の形態のAWGはシリコン基板上に形成されている。図4は、モード変換導波路の断面状態を示す部分断面図である。光導波路を構成するコア層3は、シリコン基板1上に形成されたSiO2膜2上にSiONにより形成されており、SiO2により形成されたクラッド層4により被覆されている。この材料選択により高い比屈折率差Δ(=1.5%以上)を実現している。SiO2膜2やコア層3やクラッド層4は、例えば火炎堆積法やCVD法を用いて作製することができる。
【0014】
このAWGは、チャネル数を40、分波間隔を0.8nm(100GHz、1.55μm)として構成されている。ここで、AWGがΔ=1.5%のハイΔにより構成されていることにより、導波路の曲げ半径を例えばΔ=0.5%の場合の8mm程度から2mm程度と小さくすることができるため、チップサイズを1/5から1/10に縮小することができる。またモード変換導波路108を、形状変化の急激なモード混合部110とモード干渉部111とにより構成したことにより、ハイΔ導波路を採用してもモード変換導波路幅Wを例えば14μmと従来の半分ないしそれ以下とすることができる。またハイΔ導波路による小型化の効果はもう一つあり、一般にPLC(Planer Lightwave Circuit)の高Δ化を行うと光導波路へ光が閉じ込められる割合が大きくなるため導波路ピッチ(図1における“P”、“P′”)を縮小してAWGのサイズの小型化を図ることができる。導波路ピッチは比屈折率差Δから決定しており、近接させすぎたときには隣の導波路へ光が漏れてしまうため光のクロストーク(アイソレーション)特性が悪化してしまう。隣接チャネルとのアイソレーションは30dB以上が一般に必要とされているため導波路ピッチの設定は重要である。モード変換導波路108の導波路間隔Pは、カプラー導波路105の長さΛと比例関係にあるので、ハイΔによりカプラー長の短縮、延いてはAWGのサイズ小型化が可能であり8インチウェハーからの収量を20個から30個に拡大することができる。
【0015】
AWGの平坦な帯域特性を実現するためには、モード変換導波路108の最終端(モード変換導波路108のカプラー導波路105との結合部)での光強度分布が中心部分の凹んだ形状(図5の中央上参照)になっている必要ある。これは、AWGの帯域特性がモード変換導波路108−入力側カプラー導波路105間結合部分での光強度分布とテーパ導波路109−出力側カプラー導波路106間結合部分での光強度分布との畳み込み積分によって決定されるところ、出力側が例えば図3に示されるような通常のストレートテーパー導波路であれば出力側のカプラー導波路接続部での光強度分布はガウス型となるからである。本実施の形態においては、モード変換導波路の出力部での光強度分布が中心部が凹んだ形状とするために、モード変換導波路108を、幅を充分拡大したモード干渉部111とその幅までモード変換を行うモード混合部110の二つの領域により構成している。これにより、コンパクトなサイズのAWGで帯域の平坦化が実現される。
【0016】
比屈折率差Δを1.9%と仮定し、出力側のテーパ導波路の幅W′を8.0μmとし、入力側のモード変換導波路の幅Wを12.0μm、間隔Pを15.0μm、モード変換導波路長Lを光強度の最低点の110μmに設定すると共に、モード混合長λを変化させた場合の入力側カプラーとの結合部での光強度分布とAWG帯域特性との計算結果を図5に示す。また、モード混合長λを適切に選定すると共にモード変換導波路長Lを干渉の底が複数回現れるように長く設定し、他の条件を上記と同じにした場合のモード変換導波路での光強度分布をBPM解析法 (Beam Propagation Method) で解析した結果を図6に示す。
【0017】
図5の上段にはカプラー導波路との結合部での光強度分布を、下段には全体の帯域特性を示す。図の上段に示されるように、モード混合長が20μmの場合と、45μmの場合には、二つの山がたった形となっており、それぞれ山の高さ(谷の深さ)異なっていることによりモード混合部長λによって0次モードと1次モードの混合比率が変化することがわかる。モード混合長が20μmの場合には、光強度分布の谷が深すぎることを反映して帯域特性の中央部に凹みができる。モード混合長が45μmの場合には、平坦な特性が得られているので、モード混合が適切に行われたことが分かる。一方、右に示されるモード混合長が100μmの場合には、光強度分布が1山にしかならないので、帯域特性はガウス型となる。すなわち、モード混合長λが長い場合には2山の立つ光強度分布を得るに必要なモードの混合が行われないことが分かる。なお、以上は出力側にテーパ導波路を配置した場合を示したものであったが、入力側の接続部導波路を本発明により提案されたモード変換導波路として出力側をストレートテーパ構造としても同様な効果を得る事ができる。
【0018】
図6において、図中の曲線は等強度線を示し、梨子地部分は光強度の低い領域を示している。入力光導波路101において導波路中央部に集中していた伝播光は、モード混合部110に入射すると回折して広がり同時に0次モード光に1次モード光が混合される。次いで、モード干渉部111を伝播しモード間の干渉により光強度の底(A−A線、C−C線の部分)と頂上(B−B線の部分)とが交互に現れる。本発明は、光強度が極小値をとるところをモード変換導波路の最終端と定めるものであるので、A−A線ないしC−C線の位置がカプラー導波路との結合部となる。
【0019】
本発明において、モード変化導波路長Lを光強度が最低値となる位置に設定しているのは、光強度が最低値を示す部分で光強度分布の進行方向変化微分値が0になるので、製造時に屈折率、導波路幅や導波路長に変動が起きても光強度分布に与える変化は少なくなり、良好な製造トレランスが得られるからである。モード変換導波路の長さLは、導波路の幅Wと導波路材料の屈折率より決まるものであり、後述の式により与えられる。ここで、モード干渉部111に求められる機能はモード間の干渉が生起されることであるので、その形状は必ずしもストレートである必要はなく、例えば図7(a)、(b)に示すような波形ないし山形のモード干渉部111であってもよい。
【0020】
入力側カプラー導波路との結合部が干渉の谷となる導波路長Lは、モード変換領域で0次および1次モード光を使用する場合は、
【0021】
【数1】
により決められる。ここで、β0は0次モードの伝搬定数、β1は1次モードの伝搬定数である。またnは周期的に表れる干渉の底の順番を示す数で0または自然数である。なお、この式では、モード混合部を含む全モード変換導波路の伝搬定数が一定であることが仮定されている。モード混合部の伝搬定数をモード干渉部のそれとを区別した方がよいと考えられるとき、あるいはモード干渉部が図7(a)、(b)に示されるように一定幅を有する導波路でない場合には、導波路Lは、
【0022】
【数2】
の関係を満たすものとなる。なお、図6のA−A線、C−C線はそれぞれ数1または数2においてn=0、n=1となる位置を示している。
また、0次モード光とより高次モード光とを混合させる場合には、上記2式はモード数をNとして下記の2式となる。
【0023】
【数3】
【0024】
【数4】
【0025】
なお、図2に示すモード変換導波路の場合、実際にはモード混合長λを変化させてもモード変換導波路長Lはほとんど変化しないので、以下の数1に基づいて決定されたモード変換導波路をもつAWGの帯域特性についての評価を行う。AWGの特性は、図8に示す1dB帯域幅、3dB帯域幅、隣接チャネルとのアイソレーションにより評価する。1dB(3dB)帯域幅は帯域中心での光強度から1dB(3dB)落ちるまでの帯域幅であり、アイソレーションは隣接チャネルからの強度クロストークである。ここで導波路の比屈折率差Δを1.5%、入・出力導波路間隔P、P′をそれぞれ15μmとし、選択できるパラメータとして入力側導波路幅W、出力導波路幅W′、モード混合部長λの3つとしてモード変換導波路長Lを決定する。しかし、3つのパラメータのうちモード混合部長λに関しては帯域特性が平坦になる長さは両導波路幅が決まれば一意に決定されるので、実際には両導波路幅の二つのパラメータによりモード変換導波路の形状が決定される。なお、導波路間隔P、P′を15μmとしており、隣接導波路との間には安定して作製可能なプロセス精度より決まる1μm程度のギャップをおく必要があるので、入・出力導波路幅W、W′の最大値は14μmとなる。
【0026】
図9は、入力側導波路幅Wと出力側導波路幅W′を変化させたときの1dB帯域幅をプロットし、同一帯域幅を連結して作成したグラフである。
この場合のチャネル間隔は0.8nmであるから1dB帯域幅が0.4nmであるということはチャネル帯域の50%に1dBの平坦性があるということになる。ここで、50%の1dB平坦度を目標とすることにすると、図9の右下の部分で良好な特性が得られることが分かる。図10は、3dB帯域幅をプロットし同一帯域幅を連結したグラフである。この場合、75%を目標帯域幅とすると、0.6nm帯域幅となるのでグラフの右側が条件を満たすことになる。図11は、過剰損失(平坦化特性を得るための損失)をプロットし、同一損失点を連結して作成したグラフである。図11から過剰損失は右下に行くほど増大することが分かる。図12は、隣接チャネルとのアイソレーションをプロットし同一アイソレーション点を連結して作成したグラフである。図12において梨子地にて示した領域が50%の1dB帯域と75%の3dB帯域と30dBのアイソレーション特性の3つがバランスを取れる領域を示しており、この領域を選択することで平坦化された帯域を持つアイソレーション特性の優れたAWGを実現できる。
【0027】
以上は1次モード光を利用して平坦化特性を得るものであったが、2次モード以上の高次導波路モードを用いて設計することでさらに平坦性の高いAWGを開発することができる。図13は、入力側接続部導波路を0次モードと2次モードとの混合が行われるモード変換導波路、出力側接続部導波路をモード変換の行われないテーパ導波路とした場合のそれぞれの導波路のカプラー導波路との結合部での光強度分布と全体の帯域特性を示すグラフである。入力側に1次モード光を利用する場合には、1dB帯域幅50%が限度であったが、2次モード光を利用する場合には、出力側の接続部がストレートテーパであれば66%の広い1dB帯域幅を実現することができる。これによって例えばチャネル間隔が20nmのAWGの場合13nm以上での1dB平坦性を確保することができる。このスペックはCWDM用のフィルタとして必要とされるスペックであり、このような機能が実現できることは産業上極めて有用である。
【0028】
図14に、0次モード光と2次モード光とを混合させることのできるモード変換導波路の例を示す。図14(a)に示す例では、入力光導波路101の光伝播方向の中心線がモード変換導波路108の光伝播方向の中心線からずれている。図14(b)に示す例では、入力光導波路101の光伝播方向がモード変換導波路108の光伝播方向に対して傾いている。さらに、図14(c)に示す例では、入力光導波路101の光伝播方向がモード変換導波路108の光伝播方向に対して傾くと共に入力光導波路101の中心線がモード変換導波路108の中心線からずれている。
【実施例1】
【0029】
シリコン基板上に熱酸化法により膜厚3μmのSiO2膜を形成しその上にCVD法により膜厚4μmのSiO2膜を形成した。続いて、CVD法により膜厚4μmのSiON膜を堆積し、フォトリソグラフィ法によりパターニングして、入・出力光導波路を幅4μmに、入力側のモード変換導波路となるコア層を、モード混合部長λ:45nm、モード変換導波路長L:120μm、幅W:13μm、間隔P:15μm、出力側のテーパ導波路を、導波路長:120μm、幅W′:7μm、間隔P′:15μm、カプラー長Λ:2mm、導波路アレイでの最小曲率半径:2mm、にそれぞれ形成した。その上にクラッド層となるSiO2膜を4μmの膜厚に堆積して、Δ:1.6%の導波路を形成した。形成されたAWGについて帯域特性を測定した。その1チャネル分の特性を図15に示す。図15から読みとれるように、0.6nm以上の3dB帯域幅と30dBの隣接アイソレーションを実現している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態を示す平面図。
【図2】図1の入力側接続部導波路の部分の拡大図。
【図3】図1の出力側接続部導波路の部分の拡大図。
【図4】本発明の一実施の形態の部分断面図。
【図5】モード変換導波路のモード混合部長λを変化させたときのカプラー導波路との結合部での光強度分布を示すグラフと全体の帯域特性を示すグラフ。
【図6】モード変換導波路での光強度分布を示す図。
【図7】本発明の一実施の形態のモード変換導波路のモード干渉部の変更例を示す平面図。
【図8】AWGの帯域特性図における1dB帯域幅、3dB帯域幅およびチャネル間アイソレーションを説明する図。
【図9】モード変換導波路幅Wとテーパ導波路幅W′をパラメータとする、実施の形態のAWGの1dB帯域幅を示すグラフ。
【図10】モード変換導波路幅Wとテーパ導波路幅W′をパラメータとする、実施の形態のAWGの3dB帯域幅を示すグラフ。
【図11】モード変換導波路幅Wとテーパ導波路幅W′をパラメータとする、実施の形態のAWGの過剰損失を示すグラフ。
【図12】モード変換導波路幅Wとテーパ導波路幅W′をパラメータとする、実施の形態のAWGのチャネル間アイソレーションを示すグラフ。
【図13】本発明の他の実施の形態での入力側接続部導波路と出力側接続部導波路のカプラー導波路との結合部での光強度分布と全体のAWG帯域特性を示すグラフ。
【図14】本発明の他の実施の形態のモード変換導波路の例を示す平面図。
【図15】本発明の実施例1の帯域特性を示すグラフ。
【図16】ガウス型の帯域特性を有するAWGの特性を示すグラフ。
【図17】ガウス型帯域特性AWGをカスケードに接続して得られる帯域特性を示すグラフ。
【図18】平坦化帯域特性AWGをカスケードに接続して得られる帯域特性を示すグラフ。
【図19】平坦化帯域特性AWGの応用例を示すブロック図。
【図20】従来の入力側接続部導波路の平面図。
【符号の説明】
【0031】
1 シリコン基板
2 SiO2膜
3 コア層
4 クラッド層
11、21 入力導波路
12 パラボリック導波路
22 矩形導波路
101 入力光導波路
102 出力光導波路
103 入力側接続部導波路
104 出力側接続部導波路
105 入力側カプラー導波路
106 出力側カプラー導波路
107 導波路アレイ
108 モード変換導波路
109 テーパ導波路
110 モード混合部
111 モード干渉部
L モード変換導波路長
P モード変換導波路間隔
W モード変換導波路幅
P′ テーパ導波路間隔
W′ テーパ導波路幅
λ モード混合部長
Λ カプラー導波路長
【技術分野】
【0001】
この発明は波長多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)伝送システムにおいて所望のチャネルだけを取り出すことができる光波長合分波器に関し、特にアレイ導波路型回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)型の光合分波器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の通信需要の拡大に伴い大容量、長距離伝送に適したDWDM(Dense Wavelength Division Multiplex)を用いた光通信システムが広く使われるようになっている。DWDMシステムのキーコンポーネントとしてAWG素子のような導波路型光機能素子の需要が増している。AWGは、入力側から出力側に向かって、入力導波路、入力側カプラー導波路、導波路アレイ、出力側カプラー導波路、出力導波路を順に接続して構成される光機能素子である。AWGはチャネル数に依らず同一プロセス、同一工程数で作製でき、原理的にも損失増加などの特性劣化がないので、チャネル数がより多チャネル化になった場合に波長多重伝送のキーデバイスとして使われている。
【0003】
ここで通常AWGの帯域特性は図16に示すようにガウシアン形状になっている。そのため光源の波長がずれると損失が変動してしまう問題が発生する。またガウシアン形状のAWGを図17のように何段もカスケードに接続すると、帯域特性が掛け算で重なり合わさるため帯域特性が狭窄化していってしまい伝送帯域が維持できなくなってしまう。そこで図18に示すように平坦な帯域特性を実現して、カスケードにAWGを接続していった場合でも最終的に平坦なままの広帯域な伝送特性が維持できるようにする手法が試みられている(例えば、特許文献1参照)。このようなAWGを実現できれば、伝送路の中継器での分波と合波ができるようになるため、図19に示すようなOADM(Optical Add Drop Multiplexing) などの用途が開けてくる。
またAWGを形成する材料として石英を用いた場合、約0.01nm/℃の温度係数を持つため光素子の温度を一定に保ち透過波長を固定する方式がとられている。しかしヒータなどを用いて中心波長を制御する方式では電力供給が必要であり高精度の動的制御技術が必要になる。ここでAWGの帯域特性が平坦であることで多少波長がずれても伝送特性に影響が発生しないようにすることができる。このため波長制御機構が不要または簡略化する事ができ低コスト化と低消費電力化が実現できる。
【0004】
図20(a)、(b)は、AWGの帯域特性を平坦化するために従来より採用されている入力導波路のカプラー導波路への接続部の構成を示す概略図である。これらの接続部は、伝播光のモード変換の行われる領域であって、図20(a)に示す例では、入力導波路11はパラボリック導波路12を介してカプラー導波路に接続される。図20(b)に示す従来例は、MMI(Multi-mode Interference)方式と呼ばれるものであって、この例では、入力導波路21は矩形導波路22を介してカプラー導波路に接続される。
【0005】
而して、このような導波路素子の低コスト化や高機能化を図るために素子サイズの小型化が重要である。小型化の手法として導波路のコア(屈折率n1)とクラッド(屈折率n2)の比屈折率差Δ(=n1−n2)を大きくする手法が有効であり幅広く開発が進められている。Δを大きくすると導波路への光の閉じ込めを強くできるため曲り導波路の最小曲げ半径など各導波路要素を小さくでき素子サイズを小型化することができる。特に光の閉じ込めの効果を利用して図20に示される接続部導波路(パラボリック導波路12、矩形導波路22)の幅Wおよび間隔(ピッチ)を狭くすることができる。一般に、Δ=0.5%ではカプラー導波路との接続部での入出力導波路間隔は30μm程度が必要となるがΔ=1.5%では10μm程度にまで縮小することができる。AWGのような回折格子を原理としたデバイスでは、同一の特性のとき入出力導波路間隔とカプラー導波路長は比例関係にあるため、入出力導波路間隔を1/3にすることができればカプラー長も1/3にすることができる。したがって、入力導波路間隔(および出力導波路間隔)を小さくすることはサイズ縮小の観点から極めて重要である。
【0006】
ところが、従来AWGの帯域特性の平坦化に用いられてきた緩慢な変化のパラボリックテーパの導波路を用いる方法では、テーパ化構造導波路終端での光強度分布を小型AWGの小さな領域で平坦化に最適な光強度分布に変化させることが難しい。これはパラボリック導波路12の導波路幅Wが小さくなったためにモード変換に必要な十分な空間周波数を確保できないためである。このため、従来のパラボリックテーパの導波路を用いた場合には幅Wは従来のAWGと同じ程度とる必要があり、素子サイズが大型化してしまう。一方、極めて急峻な変換構造を用いてモード変換を行うMMI方式では、極めて微妙な光変化を利用するため製造時に特性がばらついてしまい歩留まりよく平坦化を実現することができない。このため安定して製作可能であり、小型化と帯域の平坦化を両立できるAWGの設計手法が求められている。
また従来のAWGの平坦化の手法は基本的に1次モードと0次モードの結合を利用していたためチャネル帯域のうち50%程度までしか平坦化することができなかった(1dB帯域幅において)。これは従来のどの手法を用いた平坦AWGでも同様である。最近CWDM(Coarse Wavelength Division Multiplex)用のAWGの開発が進められているがCWDM用の波長フィルタの平坦帯域は65%程度が要求されており、従来のAWGでは実現が困難であった。
【特許文献1】特開2002−311264号(図34、35、段落[0004]〜[0009]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、上述した従来技術の問題点を解決することであって、その目的は、第1に、波長変動やプロセス変動に対するトレランス特性を改善した帯域平坦化AWGを提供することである。第2に、ハイΔ化によって帯域平坦化AWGが大型化してしまうことのないようにして、平坦化特性を有するハイΔ化小型AWGを実現できるようにすることである。第3に、CWDMにも対応できるように、平坦帯域がチャネル帯域の50%を超えるAWGを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明によれば、第1および第2カプラー導波路と、一端が入力導波路に接続され、他端が前記第1カプラー導波路の光入力端面に接続された一またはそれ以上の入力側接続部導波路と、一端が出力導波路に接続され、他端が前記第2カプラー導波路の光出力端面に接続された一またはそれ以上の出力側接続部導波路と、前記第1および第2カプラー導波路間に配列された導波路であって、互いに長さの異なる複数のチャネル導波路と、を備え、前記入力側接続部導波路と出力側接続部導波路との内少なくとも一方は、モード変換および干渉が生起されカプラー導波路との接続部での光強度が極小値ないしその近辺の値となるようにその長さが設定されているモード変換導波路により構成されていることを特徴とする光合分波器、が提供される。
【0009】
そして、好ましくは、前記モード変換導波路がモード混合領域とモード干渉領域によって構成される。また、好ましくは、前記入力または出力導波路の光伝搬方向の中心と前記モード変換導波路の光伝搬方向の中心とがずれている。また、好ましくは、前記入力または出力導波路の光伝搬方向が、前記モード変換導波路の光伝搬方向に対して傾いている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の光合分波器は、導波路アレイと接続される入力側/出力側それぞれのカプラー導波路に入・出力導波路より幅広の接続部導波路を接続したものであって、入力側/出力側の少なくとも一方の接続部導波路は、モード間の混合および干渉の行われるモード変換導波路になされている。そしてそのモード変換導波路の長さが伝搬モード間の干渉が丁度安定する長さになっていることを特徴とする。光の波動が安定している領域を用いることによって製造トレランスの高い、波長変動に強いAWGを実現できる。また、従来より長さの短いモード混合部において、急峻な導波路構造変化を利用して急激な波面変動を発生させてモード混合を行っているためにハイΔによる小型化したサイズを維持したままで帯域特性の平坦化を実現できる。また、本発明の構造により高次のモードを組み合わせての帯域平坦化AWGを実現することが可能となり、従来の平坦化AWGの平坦帯域が50%程度を上限としていたのに対しより広帯域の平坦化AWGを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の光合分波器の一実施の形態を示す平面図である。図1に示すように、本実施の形態の光合分波器は、それぞれ波長λ1、λ2、…、λ40の光が伝播する入力光導波路101と、同様に波長λ1、λ2、…、λ40の光が伝播する出力光導波路102と、それぞれ長さおよび曲率の異なる複数の導波路からなる導波路アレイ107と、導波路アレイ107の入力側に接続された入力側カプラー導波路105と、導波路アレイ107の出力側に接続された出力側カプラー導波路106と、入力光導波路101と入力側カプラー導波路105との間に接続された入力側接続部導波路103と、出力光導波路102と出力側カプラー導波路106との間に接続された出力側接続部導波路104とを有している。ここで、入力側カプラー導波路105は、Λのカプラー導波路長を有している。
入力側接続部導波路103は、拡大図に示されるように、モード変換導波路108によって構成されており、モード変換導波路108は入力側カプラー導波路105側でWで示される幅を有し間隔Pをもって配列されている。また、出力側接続部導波路104は、テーパ導波路109によって構成されておりテーパ導波路109は出力側カプラー導波路106側でW′で示される幅を有し間隔P′をもって配列されている。
【0012】
図2、図3は、それぞれモード変換導波路108とテーパ導波路109を更に拡大して示す図である。図2に示されるように、モード変換導波路108は、0次モード光と1次モード光との混合が行われるモード混合部110と、その混合されたモード間の干渉が行われるモード干渉部111とを有している。モード混合部110の長さλとその形状は、0次モード光と1次モード光との混合比が適切に調整されるように選定されており、またモード変換導波路108の長さLは、干渉により光強度が最低となる位置に設定されている。また、テーパ導波路109は、図3に示されるように、緩やかな傾斜のテーパを有しており、その幅W′はモード変換導波路幅Wより狭くなされている。テーパ導波路109においては緩やかな変化のためモード変換は行われない。
本実施の形態に変更を加えて、入力側にテーパ導波路を、出力側にモード変換導波路を配置するようにしてもよい。あるいは、入力側および出力側の双方にモード変換導波路を配置するようにしてもよい。
【0013】
図1に示される本実施の形態のAWGはシリコン基板上に形成されている。図4は、モード変換導波路の断面状態を示す部分断面図である。光導波路を構成するコア層3は、シリコン基板1上に形成されたSiO2膜2上にSiONにより形成されており、SiO2により形成されたクラッド層4により被覆されている。この材料選択により高い比屈折率差Δ(=1.5%以上)を実現している。SiO2膜2やコア層3やクラッド層4は、例えば火炎堆積法やCVD法を用いて作製することができる。
【0014】
このAWGは、チャネル数を40、分波間隔を0.8nm(100GHz、1.55μm)として構成されている。ここで、AWGがΔ=1.5%のハイΔにより構成されていることにより、導波路の曲げ半径を例えばΔ=0.5%の場合の8mm程度から2mm程度と小さくすることができるため、チップサイズを1/5から1/10に縮小することができる。またモード変換導波路108を、形状変化の急激なモード混合部110とモード干渉部111とにより構成したことにより、ハイΔ導波路を採用してもモード変換導波路幅Wを例えば14μmと従来の半分ないしそれ以下とすることができる。またハイΔ導波路による小型化の効果はもう一つあり、一般にPLC(Planer Lightwave Circuit)の高Δ化を行うと光導波路へ光が閉じ込められる割合が大きくなるため導波路ピッチ(図1における“P”、“P′”)を縮小してAWGのサイズの小型化を図ることができる。導波路ピッチは比屈折率差Δから決定しており、近接させすぎたときには隣の導波路へ光が漏れてしまうため光のクロストーク(アイソレーション)特性が悪化してしまう。隣接チャネルとのアイソレーションは30dB以上が一般に必要とされているため導波路ピッチの設定は重要である。モード変換導波路108の導波路間隔Pは、カプラー導波路105の長さΛと比例関係にあるので、ハイΔによりカプラー長の短縮、延いてはAWGのサイズ小型化が可能であり8インチウェハーからの収量を20個から30個に拡大することができる。
【0015】
AWGの平坦な帯域特性を実現するためには、モード変換導波路108の最終端(モード変換導波路108のカプラー導波路105との結合部)での光強度分布が中心部分の凹んだ形状(図5の中央上参照)になっている必要ある。これは、AWGの帯域特性がモード変換導波路108−入力側カプラー導波路105間結合部分での光強度分布とテーパ導波路109−出力側カプラー導波路106間結合部分での光強度分布との畳み込み積分によって決定されるところ、出力側が例えば図3に示されるような通常のストレートテーパー導波路であれば出力側のカプラー導波路接続部での光強度分布はガウス型となるからである。本実施の形態においては、モード変換導波路の出力部での光強度分布が中心部が凹んだ形状とするために、モード変換導波路108を、幅を充分拡大したモード干渉部111とその幅までモード変換を行うモード混合部110の二つの領域により構成している。これにより、コンパクトなサイズのAWGで帯域の平坦化が実現される。
【0016】
比屈折率差Δを1.9%と仮定し、出力側のテーパ導波路の幅W′を8.0μmとし、入力側のモード変換導波路の幅Wを12.0μm、間隔Pを15.0μm、モード変換導波路長Lを光強度の最低点の110μmに設定すると共に、モード混合長λを変化させた場合の入力側カプラーとの結合部での光強度分布とAWG帯域特性との計算結果を図5に示す。また、モード混合長λを適切に選定すると共にモード変換導波路長Lを干渉の底が複数回現れるように長く設定し、他の条件を上記と同じにした場合のモード変換導波路での光強度分布をBPM解析法 (Beam Propagation Method) で解析した結果を図6に示す。
【0017】
図5の上段にはカプラー導波路との結合部での光強度分布を、下段には全体の帯域特性を示す。図の上段に示されるように、モード混合長が20μmの場合と、45μmの場合には、二つの山がたった形となっており、それぞれ山の高さ(谷の深さ)異なっていることによりモード混合部長λによって0次モードと1次モードの混合比率が変化することがわかる。モード混合長が20μmの場合には、光強度分布の谷が深すぎることを反映して帯域特性の中央部に凹みができる。モード混合長が45μmの場合には、平坦な特性が得られているので、モード混合が適切に行われたことが分かる。一方、右に示されるモード混合長が100μmの場合には、光強度分布が1山にしかならないので、帯域特性はガウス型となる。すなわち、モード混合長λが長い場合には2山の立つ光強度分布を得るに必要なモードの混合が行われないことが分かる。なお、以上は出力側にテーパ導波路を配置した場合を示したものであったが、入力側の接続部導波路を本発明により提案されたモード変換導波路として出力側をストレートテーパ構造としても同様な効果を得る事ができる。
【0018】
図6において、図中の曲線は等強度線を示し、梨子地部分は光強度の低い領域を示している。入力光導波路101において導波路中央部に集中していた伝播光は、モード混合部110に入射すると回折して広がり同時に0次モード光に1次モード光が混合される。次いで、モード干渉部111を伝播しモード間の干渉により光強度の底(A−A線、C−C線の部分)と頂上(B−B線の部分)とが交互に現れる。本発明は、光強度が極小値をとるところをモード変換導波路の最終端と定めるものであるので、A−A線ないしC−C線の位置がカプラー導波路との結合部となる。
【0019】
本発明において、モード変化導波路長Lを光強度が最低値となる位置に設定しているのは、光強度が最低値を示す部分で光強度分布の進行方向変化微分値が0になるので、製造時に屈折率、導波路幅や導波路長に変動が起きても光強度分布に与える変化は少なくなり、良好な製造トレランスが得られるからである。モード変換導波路の長さLは、導波路の幅Wと導波路材料の屈折率より決まるものであり、後述の式により与えられる。ここで、モード干渉部111に求められる機能はモード間の干渉が生起されることであるので、その形状は必ずしもストレートである必要はなく、例えば図7(a)、(b)に示すような波形ないし山形のモード干渉部111であってもよい。
【0020】
入力側カプラー導波路との結合部が干渉の谷となる導波路長Lは、モード変換領域で0次および1次モード光を使用する場合は、
【0021】
【数1】
により決められる。ここで、β0は0次モードの伝搬定数、β1は1次モードの伝搬定数である。またnは周期的に表れる干渉の底の順番を示す数で0または自然数である。なお、この式では、モード混合部を含む全モード変換導波路の伝搬定数が一定であることが仮定されている。モード混合部の伝搬定数をモード干渉部のそれとを区別した方がよいと考えられるとき、あるいはモード干渉部が図7(a)、(b)に示されるように一定幅を有する導波路でない場合には、導波路Lは、
【0022】
【数2】
の関係を満たすものとなる。なお、図6のA−A線、C−C線はそれぞれ数1または数2においてn=0、n=1となる位置を示している。
また、0次モード光とより高次モード光とを混合させる場合には、上記2式はモード数をNとして下記の2式となる。
【0023】
【数3】
【0024】
【数4】
【0025】
なお、図2に示すモード変換導波路の場合、実際にはモード混合長λを変化させてもモード変換導波路長Lはほとんど変化しないので、以下の数1に基づいて決定されたモード変換導波路をもつAWGの帯域特性についての評価を行う。AWGの特性は、図8に示す1dB帯域幅、3dB帯域幅、隣接チャネルとのアイソレーションにより評価する。1dB(3dB)帯域幅は帯域中心での光強度から1dB(3dB)落ちるまでの帯域幅であり、アイソレーションは隣接チャネルからの強度クロストークである。ここで導波路の比屈折率差Δを1.5%、入・出力導波路間隔P、P′をそれぞれ15μmとし、選択できるパラメータとして入力側導波路幅W、出力導波路幅W′、モード混合部長λの3つとしてモード変換導波路長Lを決定する。しかし、3つのパラメータのうちモード混合部長λに関しては帯域特性が平坦になる長さは両導波路幅が決まれば一意に決定されるので、実際には両導波路幅の二つのパラメータによりモード変換導波路の形状が決定される。なお、導波路間隔P、P′を15μmとしており、隣接導波路との間には安定して作製可能なプロセス精度より決まる1μm程度のギャップをおく必要があるので、入・出力導波路幅W、W′の最大値は14μmとなる。
【0026】
図9は、入力側導波路幅Wと出力側導波路幅W′を変化させたときの1dB帯域幅をプロットし、同一帯域幅を連結して作成したグラフである。
この場合のチャネル間隔は0.8nmであるから1dB帯域幅が0.4nmであるということはチャネル帯域の50%に1dBの平坦性があるということになる。ここで、50%の1dB平坦度を目標とすることにすると、図9の右下の部分で良好な特性が得られることが分かる。図10は、3dB帯域幅をプロットし同一帯域幅を連結したグラフである。この場合、75%を目標帯域幅とすると、0.6nm帯域幅となるのでグラフの右側が条件を満たすことになる。図11は、過剰損失(平坦化特性を得るための損失)をプロットし、同一損失点を連結して作成したグラフである。図11から過剰損失は右下に行くほど増大することが分かる。図12は、隣接チャネルとのアイソレーションをプロットし同一アイソレーション点を連結して作成したグラフである。図12において梨子地にて示した領域が50%の1dB帯域と75%の3dB帯域と30dBのアイソレーション特性の3つがバランスを取れる領域を示しており、この領域を選択することで平坦化された帯域を持つアイソレーション特性の優れたAWGを実現できる。
【0027】
以上は1次モード光を利用して平坦化特性を得るものであったが、2次モード以上の高次導波路モードを用いて設計することでさらに平坦性の高いAWGを開発することができる。図13は、入力側接続部導波路を0次モードと2次モードとの混合が行われるモード変換導波路、出力側接続部導波路をモード変換の行われないテーパ導波路とした場合のそれぞれの導波路のカプラー導波路との結合部での光強度分布と全体の帯域特性を示すグラフである。入力側に1次モード光を利用する場合には、1dB帯域幅50%が限度であったが、2次モード光を利用する場合には、出力側の接続部がストレートテーパであれば66%の広い1dB帯域幅を実現することができる。これによって例えばチャネル間隔が20nmのAWGの場合13nm以上での1dB平坦性を確保することができる。このスペックはCWDM用のフィルタとして必要とされるスペックであり、このような機能が実現できることは産業上極めて有用である。
【0028】
図14に、0次モード光と2次モード光とを混合させることのできるモード変換導波路の例を示す。図14(a)に示す例では、入力光導波路101の光伝播方向の中心線がモード変換導波路108の光伝播方向の中心線からずれている。図14(b)に示す例では、入力光導波路101の光伝播方向がモード変換導波路108の光伝播方向に対して傾いている。さらに、図14(c)に示す例では、入力光導波路101の光伝播方向がモード変換導波路108の光伝播方向に対して傾くと共に入力光導波路101の中心線がモード変換導波路108の中心線からずれている。
【実施例1】
【0029】
シリコン基板上に熱酸化法により膜厚3μmのSiO2膜を形成しその上にCVD法により膜厚4μmのSiO2膜を形成した。続いて、CVD法により膜厚4μmのSiON膜を堆積し、フォトリソグラフィ法によりパターニングして、入・出力光導波路を幅4μmに、入力側のモード変換導波路となるコア層を、モード混合部長λ:45nm、モード変換導波路長L:120μm、幅W:13μm、間隔P:15μm、出力側のテーパ導波路を、導波路長:120μm、幅W′:7μm、間隔P′:15μm、カプラー長Λ:2mm、導波路アレイでの最小曲率半径:2mm、にそれぞれ形成した。その上にクラッド層となるSiO2膜を4μmの膜厚に堆積して、Δ:1.6%の導波路を形成した。形成されたAWGについて帯域特性を測定した。その1チャネル分の特性を図15に示す。図15から読みとれるように、0.6nm以上の3dB帯域幅と30dBの隣接アイソレーションを実現している。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施の形態を示す平面図。
【図2】図1の入力側接続部導波路の部分の拡大図。
【図3】図1の出力側接続部導波路の部分の拡大図。
【図4】本発明の一実施の形態の部分断面図。
【図5】モード変換導波路のモード混合部長λを変化させたときのカプラー導波路との結合部での光強度分布を示すグラフと全体の帯域特性を示すグラフ。
【図6】モード変換導波路での光強度分布を示す図。
【図7】本発明の一実施の形態のモード変換導波路のモード干渉部の変更例を示す平面図。
【図8】AWGの帯域特性図における1dB帯域幅、3dB帯域幅およびチャネル間アイソレーションを説明する図。
【図9】モード変換導波路幅Wとテーパ導波路幅W′をパラメータとする、実施の形態のAWGの1dB帯域幅を示すグラフ。
【図10】モード変換導波路幅Wとテーパ導波路幅W′をパラメータとする、実施の形態のAWGの3dB帯域幅を示すグラフ。
【図11】モード変換導波路幅Wとテーパ導波路幅W′をパラメータとする、実施の形態のAWGの過剰損失を示すグラフ。
【図12】モード変換導波路幅Wとテーパ導波路幅W′をパラメータとする、実施の形態のAWGのチャネル間アイソレーションを示すグラフ。
【図13】本発明の他の実施の形態での入力側接続部導波路と出力側接続部導波路のカプラー導波路との結合部での光強度分布と全体のAWG帯域特性を示すグラフ。
【図14】本発明の他の実施の形態のモード変換導波路の例を示す平面図。
【図15】本発明の実施例1の帯域特性を示すグラフ。
【図16】ガウス型の帯域特性を有するAWGの特性を示すグラフ。
【図17】ガウス型帯域特性AWGをカスケードに接続して得られる帯域特性を示すグラフ。
【図18】平坦化帯域特性AWGをカスケードに接続して得られる帯域特性を示すグラフ。
【図19】平坦化帯域特性AWGの応用例を示すブロック図。
【図20】従来の入力側接続部導波路の平面図。
【符号の説明】
【0031】
1 シリコン基板
2 SiO2膜
3 コア層
4 クラッド層
11、21 入力導波路
12 パラボリック導波路
22 矩形導波路
101 入力光導波路
102 出力光導波路
103 入力側接続部導波路
104 出力側接続部導波路
105 入力側カプラー導波路
106 出力側カプラー導波路
107 導波路アレイ
108 モード変換導波路
109 テーパ導波路
110 モード混合部
111 モード干渉部
L モード変換導波路長
P モード変換導波路間隔
W モード変換導波路幅
P′ テーパ導波路間隔
W′ テーパ導波路幅
λ モード混合部長
Λ カプラー導波路長
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2カプラー導波路と、一端が入力導波路に接続され、他端が前記第1カプラー導波路の光入力端面に接続された一またはそれ以上の入力側接続部導波路と、一端が出力導波路に接続され、他端が前記第2カプラー導波路の光出力端面に接続された一またはそれ以上の出力側接続部導波路と、前記第1および第2カプラー導波路間に配列された導波路であって、互いに長さの異なる複数のチャネル導波路と、を備え、前記入力側接続部導波路と出力側接続部導波路との内少なくとも一方は、モード変換および干渉が生起されカプラー導波路との接続部での光強度が極小値ないしその近辺の値となるようにその長さが設定されているモード変換導波路により構成されていることを特徴とする光合分波器。
【請求項2】
前記モード変換導波路がモード混合領域とモード干渉領域によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光合分波器。
【請求項3】
前記モード混合領域の導波路幅がカプラー導波路に向かって広がる形状変化導波路によって構成され、前記モード干渉領域の導波路幅が一定のストレート導波路によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光合分波器。
【請求項4】
前記入力または出力導波路の光伝搬方向の中心と前記モード変換導波路の光伝搬方向の中心とがずれていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項5】
前記入力または出力導波路の光伝搬方向が、前記モード変換導波路の光伝搬方向に対して傾いていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項6】
前記入力側接続部と出力側接続部との内、モード変換導波路によって構成されていない方の接続部ではモード変換が生起されないことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項7】
前記入力側接続部導波路と出力側接続部導波路との内、モード変換導波路により構成されていない方の接続部はストレートテーパ形状の導波路によって構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項8】
前記第1および第2カプラー導波路、前記入力側接続部導波路および出力側接続部導波路、並びに、前記複数のチャネル導波路は、基板上に膜導波路として形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項9】
前記第1および第2カプラー導波路、前記入力側接続部および出力側接続部、並びに、前記複数のチャネル導波路は、シリコン基板上にSiONをコア材料としてSiO2をクラッド材料として形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項10】
モード変換導波路の全長Lが、
【数1】
を満たす長さもしくはその近傍の長さであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の光合波器(但し、nは0または自然数、Nは自然数、β0、β1は0次モードと1次モードの伝搬定数)。
【請求項11】
モード変換導波路の全長Lが、
【数2】
で与えられるかもしくはその近傍の長さであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の光合分波器(但し、nは0または自然数、Nは自然数、β0、β1は0次モードと1次モードの伝搬定数)。
【請求項1】
第1および第2カプラー導波路と、一端が入力導波路に接続され、他端が前記第1カプラー導波路の光入力端面に接続された一またはそれ以上の入力側接続部導波路と、一端が出力導波路に接続され、他端が前記第2カプラー導波路の光出力端面に接続された一またはそれ以上の出力側接続部導波路と、前記第1および第2カプラー導波路間に配列された導波路であって、互いに長さの異なる複数のチャネル導波路と、を備え、前記入力側接続部導波路と出力側接続部導波路との内少なくとも一方は、モード変換および干渉が生起されカプラー導波路との接続部での光強度が極小値ないしその近辺の値となるようにその長さが設定されているモード変換導波路により構成されていることを特徴とする光合分波器。
【請求項2】
前記モード変換導波路がモード混合領域とモード干渉領域によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光合分波器。
【請求項3】
前記モード混合領域の導波路幅がカプラー導波路に向かって広がる形状変化導波路によって構成され、前記モード干渉領域の導波路幅が一定のストレート導波路によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の光合分波器。
【請求項4】
前記入力または出力導波路の光伝搬方向の中心と前記モード変換導波路の光伝搬方向の中心とがずれていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項5】
前記入力または出力導波路の光伝搬方向が、前記モード変換導波路の光伝搬方向に対して傾いていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項6】
前記入力側接続部と出力側接続部との内、モード変換導波路によって構成されていない方の接続部ではモード変換が生起されないことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項7】
前記入力側接続部導波路と出力側接続部導波路との内、モード変換導波路により構成されていない方の接続部はストレートテーパ形状の導波路によって構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項8】
前記第1および第2カプラー導波路、前記入力側接続部導波路および出力側接続部導波路、並びに、前記複数のチャネル導波路は、基板上に膜導波路として形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項9】
前記第1および第2カプラー導波路、前記入力側接続部および出力側接続部、並びに、前記複数のチャネル導波路は、シリコン基板上にSiONをコア材料としてSiO2をクラッド材料として形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の光合分波器。
【請求項10】
モード変換導波路の全長Lが、
【数1】
を満たす長さもしくはその近傍の長さであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の光合波器(但し、nは0または自然数、Nは自然数、β0、β1は0次モードと1次モードの伝搬定数)。
【請求項11】
モード変換導波路の全長Lが、
【数2】
で与えられるかもしくはその近傍の長さであることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の光合分波器(但し、nは0または自然数、Nは自然数、β0、β1は0次モードと1次モードの伝搬定数)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2007−286077(P2007−286077A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−150067(P2004−150067)
【出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年5月20日(2004.5.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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