説明

光学ガラス

【課題】耐ソラリゼーション性に優れたSiO系及び/又はB系の光学ガラスを提供する。
【解決手段】質量%で、下記の成分を含有する光学ガラス。
SiO:30〜70%及び/又はB:3〜20%及び/又はPbO:0〜2%及び/又はAl:0〜6%及び/又はLiO:0〜5%及び/又はCaO:0〜2%及び/又はTiO:0〜0.5%及び/又はAs:0〜1%及び/又はSb:0〜1%及び/又はNaO+KO+BaO+ZnO:10〜45%および上記酸化物の一部又は全部を置換したフッ化物のFの合計量が0〜11%

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐ソラリゼーションに優れたSiO成分及び/又はB成分を含有する光学ガラスに関する。
【背景技術】
【0002】
光学ガラスを製造する場合、複数種類のガラス原料を溶融させるカレット化工程及び/又は本溶融工程において、溶融物(素ガラスまたはガラス)を十分に撹拌することが重要である。溶融物を撹拌する方法としては、攪拌翼で溶融物を攪拌する機械撹拌法、気体バブリング装置を使用したバブリング法が提供されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、バブリング法とは、気体バブリング装置を溶融槽または溶融槽の底部に配置し、気体バブリング装置から酸素等の気体の気泡を吹き込ませて、気泡の上昇に伴って液体を移動させることにより、液体を撹拌する方法である。
【0003】
また、高均質な光学ガラスを歩留り良く生産しようとする場合、上記気体バブリング装置や溶融槽のような溶融装置からのコンタミネーションを防止する必要がある。このため、少なくとも溶融物と接する一部分または全部に、耐熱性及び耐食性に優れた白金または白金合金で構成された溶融装置を用いることが一般的である。
【特許文献1】特公昭48−27724号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、溶融槽や気体バブリング装置等に白金又は白金合金を使用した場合、溶融時の高温により白金部分又は白金合金部分の一部が空気中の酸素と反応して、二酸化白金(PtO)が発生してしまう。このPtOは、気体となって気相中から溶融ガラス表面を介して溶融ガラスに溶け込む。また、SiO成分及び/又はB成分を含有する溶融ガラスと白金又は白金合金との境界面からも、白金イオン(Pt4+)が溶融ガラスに溶け込む。そして、SiO成分及び/又はB成分を含有する溶融ガラスに溶け込んだPt4+(PtOを含む)が、最終製品である光学ガラスに不純物として残存した場合、SiO成分及び/又はB成分を含有する溶融ガラスの透過率の劣化や紫外線照射に伴いソラリゼーションの原因となる。
【0005】
上記ソラリゼーションは、SiO成分及び/又はB成分を含有する光学レンズの性能を低下させることになるため、ソラリゼーションをいかに抑えられることができるか否かがその光学レンズを採用する重要な要素となる。例えば、前述したi線ステッパーの光学レンズでは、紫外線照射によるソラリゼーションがないことが求められる。
【0006】
以上のようなソラリゼーションの問題があるにしても、高温となるガラス製造においては前述したような理由により、白金製又は白金合金製の溶融槽や気体バブリング装置を使用することは避けられない。このため、白金が混入することを前提として、耐ソラリゼーションに優れたSiO成分及び/又はB成分を含有する光学ガラスが望まれている。
【0007】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、耐ソラリゼーション性に優れたSiO成分及び/又はB成分を含有する光学ガラスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0009】
(1) SiO成分及び/又はB成分を含有する光学ガラスであって、当該光学ガラスのPt含有量(質量基準)が5ppm以下であることを特徴とする光学ガラス。
【0010】
(2) 質量%で、SiOを30%以上70%以下、および/または、Bを3%以上20%以下を含有することを特徴とする(1)に記載の光学ガラス。
【0011】
(3) 質量%で、下記の成分を含有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の光学ガラス。
(a)SiO:30〜70%および/またはB:3〜20%および/または
PbO:0〜 2%および/または
Al:0〜 6%および/または
LiO:0〜 5%および/または
CaO:0〜 2%および/または
TiO:0〜0.5%および/または
As:0〜 1%および/または
Sb:0〜 1%および/または
NaO:0〜 13%および/または
O:0〜 23%および/または
BaO:0〜 42%および/またはZnO:0〜7%
および
(b)上記酸化物の一部又は全部を置換したフッ化物のFの合計量が0〜11%
【0012】
(4) 質量%で、NaO+KO+BaO+ZnOが10〜45%であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに記載の光学ガラス。
(5) 質量%で、SrOが0〜2%および/またはZrOが0〜2%であることを特徴とする(1)から(4)のいずれかに記載の光学ガラス。
(6) 質量%で、CaO+SrO+ZrOが0〜2%であることを特徴とする(1)から(5)のいずれかに記載の光学ガラス。
(7) 質量%で、前記SiOを50.5%以上70%以下、前記Bを3%以上15%以下、前記Alを0%以上2.9%以下、前記LiOを0%以上4.9%以下含有する(1)から(6)のいずれかに記載の光学ガラス。
【0013】
(8) 前記光学ガラスは、質量%で、前記SiOを55.35%以上70%以下、前記Alを0%以上2.3%以下、前記LiOを0%以上3%以下含有する(1)から(7)のいずれかに記載の光学ガラス。
【0014】
(9) V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、W、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Fr、Tm、Yb、Luの遷移金属及び遷移金属イオンの合計含有量が3ppm以下である(1)から(8)のいずれかに記載の光学ガラス。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、耐ソラリゼーション性に優れたSiO成分及び/又はB成分を含有する光学ガラスを提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0017】
[ガラスの組成]
まず、本発明において、耐ソラリゼーション性に優れたSiO成分及び/又はB成分を含有する、特に、SiO−B成分の光学ガラスを製造することができる組成範囲について説明する。
【0018】
各成分を前記組成範囲に限定した理由は以下のとおりである。
【0019】
SiO成分を含有する光学ガラス、とりわけSiO成分は、ガラス形成上有用な成分である。しかし、その重量%が30%未満では、比較的多くBやBaO等の成分を必要とし、屈折率が高くなりすぎたり、化学的性質の劣化を招いたりするので好ましくない。また、70%を超えると、ガラスの粘度が高くなりすぎ、均質なガラスを得にくくなる。そして、更に、屈折率、化学的性質の劣化性、ガラスの粘性等を考慮すれば、SiO成分は、下限が50.5%以上であることが好ましく、更には、55.35%以上であることがより好ましく、上限は70%以下であることが好ましい。
【0020】
成分を含有する光学ガラスにおいて、B成分は、SiO成分と同様にガラス形成酸化物であり、ガラスを低分散化したり、粘性を調節したりするのに有効である。しかし、その量が3%未満では、その効果は不十分であり、20%を超えると、化学的性質が劣化するので好ましくない。そして、更に、ガラスの低分散性、粘性、化学的性質の劣化等を考慮すれば、B成分は、3%以上15%以下であることが好ましい。したがってB成分の上限は20%以下が好ましく、より好ましくは15%以下であり、下限は3%以上であることが好ましい。
【0021】
Al成分は、ガラスの化学的耐久性の向上、粘度や屈折率の調整に有効である。しかし、その量が6%を超えると、ガラスの粘性が高くなり易い。そして、更に、ガラスの化学的耐久性、粘度や屈折率等を考慮すれば、Al成分は、2.9%以下であることが好ましく、更には、2.3%以下であることより好ましい。
【0022】
LiO成分は、ガラス原料の溶融を促進する効果があるが、しかも他のアルカリ金属酸化物と比べて屈折率の低下を招きにくいので有効である。しかしその量が5%を超えるとガラスの失透性が増大し易いので好ましくない。そして、更に、粘性、屈折率、化学的性質の劣化等を考慮すれば、LiO成分は、5%以下であることが好ましく、更には、4.9%以下であることがより好ましく、3%以下であることが最も好ましい。
【0023】
NaO成分およびKO成分は、ガラス原料の溶融促進に有効であり、多量にガラス中に含有させても安定なガラスをつくる。しかし、NaO成分およびKO成分の量が、それぞれ13%および23%を超えると化学的性質を悪化させ易いので好ましくない。
【0024】
BaO成分は、ガラスの分散をあまり大きくすることなく(アッベ数をあまり小さくすることなく)、屈折率を向上させ、広い組成範囲において耐失透性の大きい安定なガラスを得ることができる。しかし、その量が42%を超えるとガラスの化学的耐久性が極度に劣化し易い。
【0025】
ZnO成分は、屈折率の向上、粘性の調整、耐失透性の向上等に有効な成分である、しかしその量が7%を超えると、短波長域における透過率の低下を招くことがあるので、好ましくない。
【0026】
また、安定で化学的性質が優れ、かつ、短波長域まで透過率の良いガラスを得るためには、NaO成分、KO成分、BaO成分およびZnO成分の1種または2種以上の合計量の範囲%は10%から45%までが好ましい。
【0027】
PbO成分およびTiO成分は、SiO成分及び/またはB成分を含有する光学ガラス、とりわけ、SiO−B−アルカリ金属酸化物および/またはアルカリ土類金属酸化物系ガラスにおいて、ソラリゼーションを防止するのに有効である。しかしこれらの成分は必要以上に多く含有させると短波長域の光線透過率を劣化させる原因になるので、これらの成分の量は、それぞれ2%および0.5%までとすることが好ましい。
【0028】
As成分およびSb成分は、ガラスの清澄助剤としての効果があり、それぞれ任意に添加しうるが、上記効果を得るためには、それぞれ1%以下までで十分である。
【0029】
フッ素成分は、一種または二種以上の上記酸化物の一部または全部と置換したフッ化物として任意に添加することができ、屈折率および粘度の調整に効果がある。しかし、上記フッ化物の合計量が11%を超えると、ガラスが乳白化したり、屈折率が小さくなりすぎたり、溶融の際にフッ素成分の揮発が大きくなりすぎて、均質なガラスを得がたくなったりするので好ましくない。
【0030】
また、上記各成分の他に、屈折率の調整や、ガラスの化学的性質の向上等を目的に、任意成分として、CaO成分、SrO成分およびZrO2成分をそれぞれ2%まで添加することができる。尚、これら成分を添加する場合は、CaO成分、SrO成分およびZrO2成分から選ばれる1種または2種以上を合計で2%までとすることがより好ましい。
【0031】
また、Ti以外の遷移金属の合計含有量が3ppm以下であることが好ましい。不純物として含まれた遷移金属イオン、具体的には、Fe3+の吸収波長は380nm、Cr6+の吸収波長は350nmであり、かつ吸収計数が大きく、少量混入しても透過率の劣化を招く。従って、非酸化性気体を用いて溶融物をバブリングすることにより、Fe3+、Cr6+を低原子価状態にすることが必要である。
【0032】
[光学ガラスの製造方法]
【0033】
次に、上記に述べた溶融装置を用いて、本発明に係る光学ガラスの製造方法を図2(A)及び図2(B)を用いて説明する。
【0034】
まず、図2(A)に示すように、質量%で、30%以上70%以下のSiOおよび/または、3%以上20%以下のBを含有する光学ガラスとなるように配合されたバッチを、バッチ溶融装置100の溶融槽121に投入し、溶融させる。このとき、気体バブリング装置106を用いて、ガラス原料を溶融(粗溶融)して得られたバッチ溶融物A内を非酸化性気体でバブリングさせる。このバブリングは、溶融槽121内のバッチ溶融物Aの液面から100mm以上の深さにおいて、バッチ溶融物Aの容積1リットルあたり、0.002〜0.05リットル/分の供給速度で、非酸化性気体を吹き込むことにより行う(カレット化工程)。得られたバッチ溶融物Aを炉外にてキャストしカレットとして回収する。
【0035】
次に、図2(B)に示すように、回収したカレットを、本溶融装置200の溶融槽221に投入し、溶融させる。このとき、気体バブリング装置206を用いて、カレットを溶融(本溶融)して得られたカレット溶融物D内を非酸化性気体(例えば、アルゴンガス)でバブリングさせる。このバブリングは、溶融槽221内のカレット溶融物Dの液面から100mm以上の深さにおいて、カレット溶融物Dの容積1リットルあたり、0.002〜0.05リットル/分の供給速度で、非酸化性気体を吹き込むことにより行う。また、カレットを溶融する工程においては、カレット溶融物Dの上方の空間の圧力が0.1kPaから100.0kPaとなっていることにより、カレット溶融物Dの上方の空間にある気体は、ダクト210から吸入されて、大気中に放出される(本溶融工程)。得られたカレット溶融物Dは、当該本溶融工程から次工程(清澄工程、攪拌工程、保冷工程)に移り、次工程で光学ガラスを製造ずる。
本溶解溶融物Dの上方の溶融時空間の圧力を0.1kPaから100.0kPaとさせることにより、本溶解溶融物Dの上方の溶融時空間にある気体は、ダクト210から排出される(本溶解工程)。これにより、溶融炉202内の溶融時空間容積を基準として、本溶解装置200内の気体の置換が2〜20回/分と行われることになる。得られた本溶解溶融物Dは、当該本溶解工程から次工程(清澄工程、攪拌工程、保冷工程)に移り、次工程で光学ガラスを製造する。
【0036】
なお、本実施形態においては、原料溶融工程において、ガラス原料を溶融した後、急冷して固化させたカレットを製造し、この製造されたカレットを溶融槽221に投入して、本溶融溶融物を得た後、次工程に連続的に溶融物を供給するようにしたが、本溶融工程を連続方式ではなく、バッチ方式で行うようにしてもよい。
【0037】
以下、実施例及び比較例を用いて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0038】
次に、本発明の製造方法によって製造した光学ガラスを実施例の光学ガラス、及び他の方法で製造した光学ガラスを比較例の光学ガラスに、超高圧水銀灯のi線(365nm)を照射した場合の透過率の変化について説明する。
【0039】
[実施例1]
【0040】
光学ガラス用原料(ガラス原料)を表1に示した組成の割合となるように秤量し、混合した。
【表1】

【0041】
その後、ガラス原料をバッチ溶融装置100の溶融槽121に投入し、1300℃において、14時間、カレット化工程を行った。このとき、バブリングは実施せずバッチ溶融物を冷却して、カレットとして回収した。この回収したカレットを、本溶融装置200の溶融槽221に投入し、1150℃において、15時間溶融させた。このとき、気体バブリング装置206を用いて、カレットを溶融(本溶融)して得られたカレット溶融物内をアルゴンガスでバブリングさせた。このバブリングは、ガラス1リットル当り気体の供給速度0.024リットル/分、バブリングする液面からの深さを500mmとした。また、このガラスブロックを溶融する工程においては、カレット溶融物Dの上方の空間を、大気圧と比較して減圧(カレット溶融物Dの上方の空間の圧力が0.3kPa)とすることにより、カレット溶融物の上方の空間にある気体を、ダクト210から吸入させ、大気中に排出させた(本溶融工程)。得られたカレット溶融物を、次工程(清澄工程、攪拌工程、保冷工程)に移し、次工程で本実施例の光学ガラスを製造した。
【0042】
[比較例]
比較例の光学ガラスのガラス原料は、実施例1と同じ組成の割合となるように秤量し、混合した。その後、このガラス原料を原料溶融装置100の溶融槽121に投入し1300℃において、14時間、カレット化工程を行った。このとき、バブリングは実施せずバッチ溶融物を冷却して、カレットとして回収した。この回収したカレットを、本溶融装置200の溶融槽221に投入し、1150℃において、15時間溶融させた。このとき、気体バブリング装置206を用いて、カレットを溶融(本溶融)して得られたカレット溶融物内を「酸素ガス」でバブリングさせた。このバブリングは、ガラス1リットル当り、気体の供給速度0.024リットル/分、バブリングする液面からの深さを500mmとした。また、このガラスブロックを溶融する工程においては、カレット溶融物Dの上方の空間からの排出は行わなかった(本溶融工程)。得られたカレット溶融物を、次工程(清澄工程、攪拌工程、保冷工程)に移し、次工程で本比較例の光学ガラスを製造した。
次に、図3を用いて、実施例の光学ガラスと比較例の光学ガラスにi線(365nm)を2.5W/cm2の条件で照射した場合の透過率の変化を説明する。透過率は波長365nmにおける透過率をU−4000(日立製作所製)により測定した。
【0043】
図3は、実施例の光学ガラスと比較例の光学ガラスにi線(365nm)を照射した場合の透過率の変化を示した図である、図3に示すように、照射当初から比較例の光学ガラスは、実施例の光学ガラスよりも透過率の劣化率が大きい。また、照射時間が進行するにつれて、その傾向が顕著となっている。このように、ダクトを設けてカレット溶融物の上方の空間における気体を排出するとともに、気体バブリング装置を用いてバッチ溶融物及び/又は本溶融物内のバブリングを行うことによって、耐ソラリゼーション性に優れた光学ガラスを提供することができる。
また、本発明の実施例の光学ガラスの組成と、i線照射(500時間)による透過率の劣化量とPtの含有量について、表1及び図4に示す。

【0044】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(A)は、ガラス原料を溶融する原料溶融装置の平面図である。(B)は、カレットを溶融する本溶融装置の平面図である。
【図2】(A)は、本発明の実施形態のバブリング装置を使用するバッチ溶融装置の図1(A)のIV−IVに沿った断面図である。(B)は、本発明の実施形態のバブリング装置を使用する図1(B)のIV−IVに沿った本溶融装置の断面図である。
【符号の説明】
【0046】
100 原料溶融装置
102,202 溶融炉
104,204 パイプ
106,206 気体バブリング装置
121,221 溶融槽
122,222 炉体
126,226 開口部
216 排出管
200 本溶融装置
210 ダクト
A バッチ溶融物
D カレット溶融物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
SiO成分及び/又はB成分を含有する光学ガラスであって、当該光学ガラスのPt含有量(質量基準)が5ppm以下であることを特徴とする光学ガラス。
【請求項2】
質量%で、SiOを30%以上70%以下、および/または、Bを3%以上20%以下を含有することを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
【請求項3】
質量%で、下記の成分を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学ガラス。
(a)SiO:30〜70%および/またはB:3〜20%および/または
PbO:0〜 2%および/または
Al:0〜 6%および/または
LiO:0〜 5%および/または
CaO:0〜 2%および/または
TiO:0〜0.5%および/または
As:0〜 1%および/または
Sb:0〜 1%および/または
NaO:0〜 13%および/または
O:0〜 23%および/または
BaO:0〜 42%および/またはZnO:0〜7%
および
(b)上記酸化物の一部又は全部を置換したフッ化物のFの合計量が0〜11%
【請求項4】
質量%で、NaO+KO+BaO+ZnOが10〜45%であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項5】
質量%で、SrOが0〜2%および/またはZrOが0〜2%であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項6】
質量%で、CaO+SrO+ZrOが0〜2%であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光学ガラスの製造方法。
【請求項7】
質量%で、前記SiOを50.5%以上70%以下、前記Bを3%以上15%以下、前記Alを2.9%以下、前記LiOを4.9%以下含有する請求項1から6のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項8】
質量%で、前記SiOを55.35%以上70%以下、前記Alを2.3%以下、前記LiOを3%以下含有する請求項1から7のいずれかに記載の光学ガラス。
【請求項9】
V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、W、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Fr、Tm、Yb、Luの遷移金属及び遷移金属イオンの合計含有量(質量基準)が3ppm以下である請求項1から8のいずれかに記載の光学ガラス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−126298(P2007−126298A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−317808(P2005−317808)
【出願日】平成17年10月31日(2005.10.31)
【出願人】(000128784)株式会社オハラ (539)
【Fターム(参考)】