光学コヒーレンス画像形成のためのシステム及び方法
少なくとも電磁放射を伝送させるための装置及び方法が提供される。特に、第1軸に沿って延びる1つ以上の端部をもった、1つ以上の光ファイバが設けられる。さらに、光伝送光学装置部が、光ファイバと光学的に連携して提供される。この光学装置部は、第2軸に対して垂直な平面部をもった第1面と、曲面部をもった第2面を有することができる。第1軸は、第2軸に対して0°よりも大きく、かつ90°よりも小さい特定の角度で設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、生物学的試料の画像形成用の画像化プローブとシステムに関し、特に、光ファイバプローブと、生物学的試料の画像形成のために、このようなプローブを用いることが可能な光学画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の内臓の生体内光学画像形成は通常、光ファイバカテーテルによって行われている。心臓病学、インターベンショナル・ラジオロジ(介入放射線医学)、消化器病学等の多くの臨床分野では、r−φ断面画像を生成するために直径の小さな、回転する光学プローブ又はカテーテルを必要とする。また、回転するカテーテルを長手方向に沿って引き戻し、対象となる組織塊の三次元画像を得ることができる。この用途では、集光されたビーム、及び画像形成システムとの接続性を与えるカテーテルは重要な器具である。光学画像形成システムには、光周波数領域画像形成及び光学コヒーレンス・トモグラフィがある。
【0003】
一般に、光ファイバカテーテルの理想的な特性には、a)径が細く、b)柔軟性が高く、c)収差が小さいことが挙げられる。光ファイバは、250μm(マイクロメートル)未満の直径で容易に製作できるため、光ファイバプローブは生きた被験物内の小さな導管や狭い場所に、最小限の侵襲性をもって近接できる可能性をもつ。通常、カテーテルは、螢光透視によるガイド下に置かれたガイドワイヤを使用して対象場所へと向けられる。ガイドワイヤとの適合性を得るために、そして光ファイバを保護するために通常、カテーテルは外側の透明シース(鞘)を用いる。光ファイバはこのシースの内部に配置され、自由に回転し、また長手方向において並進移動できる。ファイバを通る光は、カテーテルの長手方向の軸に対して垂直な経路へと向けられ、対象組織内において、シースの外部の点へと焦点を結ぶ。光がシースを通して伝搬する際には、その焦点特性が、シースの内面及び外面での屈折によって変化する。すなわち、シースはレンズとして機能する。しかしながら、シースが円筒形状であるために、そのレンズ特性は望ましくない場合があり、特に、著しい収差をもたらす虞がある。シースの最も顕著な収差の一つが非点収差であり、この影響は細い直径のシースを用いる場合に著しく増加する。非点収差をもった光学素子を通過する光線は、二つの異なる焦点を呈し、その一つはサジタル平面内の光線の焦点であり、もう一つはこれに直交する接平面内の光線の焦点である。このような制限を克服する装置(例えば、カテーテル)は、光学画像形成を改善し、特に、医学及び生物学において広範囲に応用することができる。
【0004】
シースによってもたらされる非点収差を克服する一つの方法は、シースの屈折率を、シース内における外側の媒質と一致させることである。生物学的な画像形成の場合、これは、水とほぼ等しい屈折率を持つシースを用い、シースの内腔を水、又はこれとほぼ等しい屈折率の物質で満たすことで近似的に実現できる。光学画像形成用カテーテルでは、シース内の部品を回転させることと、該部品を長手方向に引き戻すこととの両立が強く望まれる。水で満たされたシース内で、内部の部品を回転させることは可能であるが、長手方向の引き戻しについては、液体の粘性及び乱流のために問題が多い。より望ましい解決策は、他の光学部品を用いてシースの非点収差を補正すると共に、シースと内部の部品との間隙に空気又は他のガスを充填させたカテーテルを操作することである。
【0005】
標準的な光学通信ファイバの直径とほぼ等しい直径をもつ微小レンズを用いて、光ファイバから出射される光を整形し、ファイバの外部に焦点を形成できることが技術的に知られている。また、このようなデバイスが、焦点からの光を集めて、この光を上記とは逆行する方向に光ファイバで伝送可能であることも周知である。
【0006】
図1a乃至図1dは、微小レンズと光ファイバを組み合わせるための、例示的な従来の構成を示す。例えば、実装サイズを小さくし、光ファイバの直径(ほぼ500μm未満)とほぼ等しいサイズを得るためには、勾配屈折率(GRIN又はSELFOC)レンズ25が用いられる。通常、ガラス製光ファイバの外側の保護層10は、ファイバ15の一端から部分的に剥がされ、レンズ25が光学接着剤又は光学エポキシ樹脂を用いてファイバに固定される。勾配屈折率レンズの場合、ファイバのコア20から出射した光は、その周辺光線30が正弦波状を描く経路をたどる。レンズ材料の屈折率分布及びレンズの長さを適切に選択することによって、レンズから出射される光の焦点特性を制御できる。このようなレンズとファイバとを組み合わせた一般的な構成は、レンズの端面から予め決められた距離にある焦点35をもたらす。レンズに加えて、プリズム90等のビーム偏向器が用いられることもあり、これはレンズから出射した光85の向きを変えて、ファイバの軸に対して側方に位置した焦点80に光を照射させる。レンズからの後方反射を最小限に抑え、装置の機械的な完全性を向上させるために、レンズは光ファイバに直接的に接合されるか又は融着接続されることもある。あるいはこれに代わって、均一な屈折率をもったガラス製円柱を含むスペーサ105を、ファイバ100とレンズ115との間に挿入することで、焦点形成前にビーム拡大110を許容する場合もある。更には、プリズム又はビーム偏向器120を用い、ファイバの軸に対して横方向にオフセットした位置にある焦点125へと、ビームの向きを変えることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1a乃至図1cに示した各プローブでは、特定の用途に対して所望の焦点特性を得るために、レンズとスペーサの長さを注意深く制御し、素子を注意深く位置合わせしなければならない。その結果、このようなプローブの製造が困難となる。更に、これらの設計は機械的完全性を欠き、機械的な故障を避けるために外部の保護スリーブ等の追加的な構造を必要とする。この必要性のために、これがなければ可能となる直径や長さに比して、プローブの直径が大きくなり、柔軟性のない硬い部分の長さが長くなってしまう。
【0008】
ガラス製の単一の球状粒子を含むボールレンズを代わりに用いて、光ファイバを出射した光から焦点を形成することも可能である。この場合に、図1dに示すように、ファイバから出射した光130は球面135で屈折する。ボールレンズはファイバの末端に配置することもでき、またガラスの加熱と溶融を制御することによってファイバの材料から直接形成することもできる。加熱プロセス中、ファイバ125の光ガイドコアの部分を破壊し、焦点特性140を向上させるボールレンズの外面135で光を大きなビームサイズに回折させことができる。図1に示す装置の重要な特徴は、光ファイバの末端を融解させて再形成することでボールレンズが製作され、ボールの表面が、光を通す部分に亘って、ほぼ球状をなすことである。そして、プリズム等のビーム偏向器を、ボールレンズの球面に直接的に接合することはできず、よって、その位置決めと機械的な固定のために追加のハウジングが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した欠点の少なくとも幾つかを克服するために、切除された光学プローブと、このようなプローブを用いる光学画像形成システムの例示的な実施形態が、本発明に従って、生物学的試料の画像化に提供される。ある例示的な実施形態では、このプローブを用いて、画像形成システムからの光を集光ビームとして提供し、生物学的試料から反射した光を集め、それを画像形成システムへと戻すように伝送して、焦点を形成する光ビームを生物学的試料に亘って2次元又は3次元の空間次元で走査することが可能となる。本発明による、切除された光学プローブを用いる画像形成システムの適用には、血管内の画像形成、心臓血管の画像形成、消化管の画像形成が含まれる。
【0010】
本発明の例示的な実施形態によると、少なくとも一つの電磁放射を伝送するための装置と方法が提供される。特に、第1軸に沿って延びる少なくとも一つの端部を有する一つ以上の光ファイバが提供される。更に、光ファイバと光学的に連携する光伝送光学装置部が提供される。この光学装置部は、第2軸に対して垂直な平面部を有する第1面、及び曲面部を含む第2面を有することができる。第1軸は、第2軸に対して0°よりも大きく、かつ90°よりも小さい特定の角度で設けることができる。
【0011】
本発明の例示的な実施形態の一つによると、この平面部は、少なくとも一つの電磁放射の一部を、少なくとも部分的に反射するように構成され、曲面部は、少なくとも一つの電磁放射の一部を、当該部分を通して透過することができる。この曲面部は第1軸に対して垂直な第1平面内で第1曲率を有し、第3軸に対して垂直な第2平面内で第2曲率を有してもよい。例えば、第1平面は第2平面と異なっており、第1曲率は第2曲率と異なっても構わない。更には、第1軸と第3軸との間になす角度が約90°とされる。
【0012】
本発明の他の例示的な実施形態によると、この特定の角度は光伝送光学装置部とその外部の媒質との間で全反射させるための角度とされる。第1面の平面部は反射面であってもよく、及び/又は、金属層を有してもよい。更には、光ファイバと光伝送光学装置部は、同一材料から一体物として形成されてもよい。光ファイバは、少なくとも一つの第1領域及び少なくとも一つの第2領域を有することができ、この第1領域は、少なくとも一つの電磁放射をガイドし、また第2領域は、少なくとも一つの電磁放射の導波性をもたない。更には、第1領域と第2領域は、第1軸に沿って配置することができる。
【0013】
ほぼ透明な部分を有するシースが提供され、光伝送光学装置部は、このほぼ透明な部分内に配置される。また、前記の第1曲率と第2曲率は、ほぼ透明な部分によって引き起こされる非点収差を減少させる特性をもつ。この第1曲率と第2曲率は、非点収差を減少させる特性をもつことが可能である。光ファイバは、第1及び第2の光ファイバを含み、これらの一つが、毎秒約30回転よりも速い、ほぼ均一な回転速度をもって回転することができる。この第1及び第2の光ファイバのうち、少なくとも一つを平行移動させるように構成された並進ステージが長手方向に沿って提供される。第1の光ファイバ又は第2の光ファイバ、あるいは両光ファイバは公称カットオフ波長をもつシングルモードファイバでもよい。この第1の光ファイバ又は第2の光ファイバ、あるいはその両方の公称カットオフ波長は、約900nm(ナノメートル)と1300nmとの間とされる。
【0014】
本発明の上記の目的、特徴、及び利点は、付属する請求項と関連して、以下に詳細に説明した本発明の実施形態を読むことで明らかとなる。
【0015】
そして、本発明の更なる目的、特徴、及び利点は、本発明の例示的な実施形態を示す添付図面と併せて、以下に詳述する本発明の記載から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図2は、本発明に従って、先端を削った光ファイバプローブの例示的な実施形態を示す。この例示的なプローブの実施形態の特徴は、光ファイバ150(例えば、好ましくはシングルモードファイバ)を含んでおり、この光ファイバの末端が扁長な回転楕円体状のボール160の一部を含み、ファイバと一体化されていることである。扁長な回転楕円体は、その両極を離間させるように軸に沿って引っ張り、つまり伸張させた球によって特徴付けられる。ボール160の表面の予め決められた(例えば小さな)部分195に亘って、この表面は、ファイバの末端で2つの異なる曲率半径、つまり170で示すR1及び180で示すR2(図2aの側面図と図2bの端面図を参照)を持つように特徴付けられる。曲率半径R1、170は、ボールの物理的な半径Rb、172よりも大きい。曲率半径R2、180は物理的な半径172とほぼ等しい。
【0017】
このファイバの末端は更に、ファイバの軸に対してある角度をなした、ほぼ平坦な面190によって更に特徴付けられる。この面190は、ファイバから出射する光(図2aに破線で示す)を偏向させるように構成されることで、この光が焦点200に向けてボールの表面195を通過することになる。このファイバの末端は更に、領域210、つまり、コアからの光を回折させて面195のかなりの割合を照射できるように、ファイバの光ガイドコア155が存在しない領域によって特徴付けられる。特定の長さ(L)215を有する領域210は、加熱するか、又は光ガイドコアを有するファイバの一端にコアを持たないファイバを融着接続することによって、コアの破壊作業を通じて製作可能である。後者の場合、ボールレンズ160と面190は、コアを持たないファイバ材料から製作することができる。図2a及び図2bに示す、例示的なプローブを製作し、曲率半径170及び180を制御するための具体的な方法について以下に説明する。
【0018】
図2a及び図2bに示すプローブの例示的な実施形態では、ある望ましい特性、例えば曲率半径170と180が異なり、それらは製作工程で独立に制御可能である。この特質は有利であるが、これは、カテーテルのシースによって持ち込まれる非点収差を補正できるからである。光は球面を通過する際に屈折を受ける。球面を透過することで屈折した収束光についての、有効焦点距離は下式で与えられる。
【0019】
【数1】
【0020】
ここで、「nm」は面の外側の媒質の屈折率であり、「nb」は面の内側の屈折率であり、「R」は曲率半径である。図2a及び図2bに示す、例示的なプローブの有効焦点距離は二つの異なる値をもつことができ、その一つが「R1」に関し、もう一つが「R2」に関する。R1とR2を適切に選択することによって、シースが原因で生じる、サジタル面内の光線と接平面内の光線との間の焦点距離の差を補正することができ、非点収差のない焦点を、シースの外部に形成できる。生物医学的な画像形成の場合に、カテーテルは、水の屈折率とほぼ等しい屈折率を有する組織又は体液に浸漬される。このような場合には、シース内に空気があると、シースの屈折力が負となる。換言すれば、シースはそれを通って伝搬する光の焦点をぼかす作用をもつ。しかしながら、シースの屈折力は、例えば、一つの軸に沿ってのみ作用することになる。シースの長手方向に沿って、屈折力は全くない。プローブの例示的な設計では、「R1>R2」とされる。
【0021】
また、面190の有効焦点距離は、曲率半径170及び180に加えて、光ガイドコア155と面190との間隔L215によっても決定することができる。図3は、種々の焦点距離を与えることが可能な、例示的なLとRの許容値の対を表す計算例のグラフを示す。図3の従属軸250は、マイクロメートル単位でのLとRとの差を表し、水平軸252はマイクロメートル単位でのR値の2倍を表す。本図のそれぞれの曲線は異なる焦点距離、すなわち、1.0mm(ラベル254)、1.5mm(ラベル256)、2.0mm(ラベル258)、2.5mm(ラベル260)、3.0mm(ラベル262)、及び50mm(ラベル264)を示している。図3に示す、例示的な計算結果は、空気に囲まれた石英ガラス製プローブに基づいている。
【0022】
図4は、例示的な石英ガラス製プローブが水に浸漬されている場合において、同様な計算の例示的なグラフを示す。図4の従属軸266はマイクロメートル単位でのLとRとの差を表し、水平軸268はマイクロメートル単位でのR値の2倍を表す。本図のそれぞれの曲線は異なる焦点距離、すなわち、1.0mm(ラベル270)、1.5mm(ラベル272)、2.0mm(ラベル274)、2.5mm(ラベル276)、3.0mm(ラベル280)、及び50mm(ラベル282)を示している。
【0023】
図5a乃至図5eは、図2a及び図2bに示した実施形態の光学画像化プローブを製造するために使用可能な製作工程によって製造された例示的な製品を示す。標準的な遠距離通信ファイバ(例えば、図5aに示すSMF−28)は、直径250μmの保護用アクリル被覆300と、直径125μmのガラス被覆305と、光ガイドコア310とを含み、ここでモードフィールド径が公称9μmとされる。例示的な画像化プローブの製作は、アクリル被覆の部分を剥がし、ガラス被覆を露出させることで始まる(図5a参照)。例えばSMF−28のクラッドと同じ直径をもった、一本の均質なガラスファイバ315をファイバ305に融着接続して、予め決められた長さに切断することができる(図5b参照)。このファイバ融着接続工程は、二つの光ファイバを付着させる一方で、挿入損失及び後方反射の低い方法として技術的に周知である。直径の異なるファイバの融着接続は、より顕著なビーム拡大が望ましい場合にも実施される。ボールレンズ325は、例えばVytran FFS−2000等のファイバ融着接続装置を用いて、均質なガラスファイバ315の端部に形成することができる(図5c参照)。温度、持続時間及び挿入速度等のパラメータによって、溶融するファイバ先端320の量が決まる。このようにして、結果としてのボールの半径330や、ボールの中心から、均質なファイバ320と光ガイドファイバ340との接合部までの距離335を確定できる。ボールの形成に続き、プローブの末端を研磨して角度のついた面345を形成することができる(図5d参照)。光ファイバや微小光学部品の研磨機は容易に入手でき、高度な平坦度と平滑度をもつ高品質の光学面を形成可能である。
【0024】
図3の例示的なグラフを用いて角度350を選択することで、シングルモードファイバ305から出射される光線の全てが、研磨した面345上に、全反射角よりも大きな角度350をもって入射する。この例示的な構成では、面345がほぼ完全な反射面として作用し、ボールの上面325へと光を偏向させる。また、この角度は任意に決めることが可能であり、金やアルミニウム等のコーティングを用いて面345での高反射率を得ることができる。コーティングを適用する場合に、プローブの先端は、例えば最終製作工程として、アクリルコート355を施すことによって保護できる(図5e参照)。
【0025】
図6a及び図6bは、本発明によるプローブの例示的な実施形態の形成/製作の種々の段階を例示した画像である。例えば、図6aの画像は、図5cの例にほぼ対応しており、ファイバ375の末端にボール370を形成した後のものである。また、図6bの画像は、図5dの例にほぼ対応しており、ボール370を研磨して角度のついた面380を形成した後のものである。
【0026】
図7は、図6aと図6bに示した、例示的なプローブを用いて取得可能な、例示的な光学コヒーレンス・トモグラフィ(「OCT」)画像を示している。図7の試料は、被験者の指の腹の部分である。上部の最も薄く暗い層400は角質層に相当し、角質層の真下の、より明るい領域が表皮410に相当し、暗くその下に横たわる帯420が真皮に相当する。
【0027】
血管内又は管腔内の画像形成では、図2aに示した例示的なカテーテルが、回転を可能にする光学的なロータリ接合と共に用いられる。図8は、一対のコリメータ12及び18を用いるロータリ接合の例示的な実施形態を示し、図2a及び2bに示した例示的なプローブと共に使用可能である。一方のコリメータレンズ18は、管状構造体26に(直接的又は間接的に)取り付け可能である。ファイバ21の末端は、スリーブ34内に位置するコネクタ・フェルール28へと挿入することができる。コネクタ・ハウジングケース33とフェルール32を備えたマッチング・コネクタをスリーブ34に挿入してもよい。この例示的な構成により、2つのファイバ21と31との間の光伝送が容易となる。管状構造体26は、ベアリング36を介してハウジング39に接続される。また、管状構造体26は、ベルト又はギア38を介して回転モータ37に接続することができる。モータ37は管状構造体26を回転させ、従って、コリメータ18を回転させることができる。ハウジング39は、例えば引き戻し操作のために、固定レール41上に設置される並進ステージ40に取り付けてもよい。このロータリ接合によって、代替ファイバ31をコネクタハウジング33において交換可能にする一方で、回転しないファイバ11と回転するファイバ31との間の光伝送がもたらされる。
【0028】
本発明のある例示的な実施形態において、光ファイバ11、21、31はシングルモード光ファイバとされる。本発明の他の例示的な実施形態によると、各ファイバ11、21、31は、マルチモードファイバ、偏光保持ファイバ、及び/又はフォトニック結晶ファイバでもよい。ファイバ11、21はレンズ12、18に融着され、これにより、大幅に後方反射を減少させてスループットを高めることが可能である。またこれに代わってコリメータレンズ12、18は、非球面屈折レンズ、又は軸方向の勾配屈折率レンズでもよい。レンズ12、18の光学面には、使用する光の波長範囲において反射防止コーティングを施してもよい。この波長範囲は、800±100nm(ナノメートル)、1000乃至1300nm、又は1600乃至1800nmである。レンズ12、18の焦点距離については、約100μmから1000μmのビーム径を与えるように選択することができる。ファイバ11、21、31からの全スループットは、典型的には70%より大きく、後方反射は−55dB(デジベル)より小さい。管状構造体26は中空モータ軸でもよく、モータ37を管状構造体26と同軸に位置させることで、例えばベルト又はギア38を不要にすることができる。コネクタ28、32の研磨角度は、表面の法線に対して約4°から10°の間とされて、後方反射を最小限に抑えることができる。コネクタハウジング33は、好ましくは、例えばSCタイプと同様の、スナップ式接続を提供し、組み込み式の端部保護ゲートを備えることができる。
【0029】
図9は、光周波数領域画像形成(OFDI)システムの例示的な実施形態を示し、ロータリ接合と上述のカテーテルを使用することができる。例えば、光源は波長掃引レーザ81とされる。ロータリ接合部39は干渉計の試料アームに接続することができ、この干渉計は、10/90カプラ82、減衰器84、偏光コントローラ86、サーキュレータ88、89、長さ整合ファイバ90、コリメータレンズ92、及び参照ミラー94を含む。検出回路は、50/50カプラ96、偏光コントローラ98、偏光ビームスプリッタ99、101、双平衡受光器103、104、電気フィルタ106、107、及びデータ取得基板111を含むことができる。このデータ取得基板111は、コンピュータ112に接続され、トリガー回路114、モータコントローラ94、及び並進ステージ41、42と通信することができる。OCTの動作原理は当分野では周知である。双平衡検出と偏光分岐検出(Polarization Diverse Detection)を同時に提供するために、偏光コントローラ98は、カプラからの2つのファイバ経路の複屈折を整合させることができるように構成される。参照アームの他の偏光コントローラ86を調整し、偏光ビームスプリッタ101、102のそれぞれにおいて参照光を等しい比率に分離することができる。スプリッタの後段における、対応する偏光状態(x又はyで示す)については、双平衡受光器103、104へと向けられる。
【0030】
図10は、上述した本発明によるロータリ接合及びカテーテルを用いて構成される、スペクトル領域OCTシステムの例示的な実施形態を示す。光源121は、低コヒーレンス広帯域光源、パルス性広帯域光源、及び/又はカメラ122の読み出し速度に同期して反復動作する可変波長光源を含むことができる。カメラ122は、電荷結合素子及び/又はCMOS撮像素子に基づく検出器アレイ124を用いることができる。干渉信号は、コリメータ126、グレーティング(回折格子)128等の回折素子、及びフォーカシングレンズ131を用いて検出器アレイ124に導かれる。OCTの動作原理は当分野で周知であり、ここに組み込まれる。
【0031】
前述の説明は単に本発明の原理を例示したに過ぎない。本明細書の説明を考慮して、記載した実施形態に種々の変更や改変を加えることは、当業者にとって明白である。例えば、ここに説明した本発明は、米国特許仮出願第60/514,769号(2003年10月27日出願)及び国際特許出願PCT/US03/02349(2003年1月24日出願)に説明された例示的な方法、システム、及び装置に有用であり、これらの開示内容は、その全体をここに援用する。従って、当業者にとっては、本明細書に明確に提示又は説明されていなくとも、本発明の原理を具現化する数多くのシステム、装置、及び方法に工夫を凝らすことが可能であり、これは本発明の趣旨と範囲内に含まれることが理解されるであろう。また、上記に引用した文献、特許及び特許出願については、本明細書の一部としてその全体をここに援用する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1aは光ファイバからの光を合焦させるための勾配屈折率レンズを含む、微小レンズ及びビーム導波器について従来の構成を示す図であり、図1bは光ファイバからの光を合焦させるための勾配屈折率レンズ及びプリズムを含む、微小レンズ及びビーム導波器について従来の構成を示す図であり、図1cは光ファイバからの光を合焦させるための、勾配屈折率レンズ、及び該レンズとファイバとの間のスペーサを有するプリズムを含む、微小レンズ及びビーム導波器について従来の構成を示す図であり、図1dは光ファイバからの光を合焦させるための、光ファイバの先端を加熱して形成されるボール状レンズを含む、微小レンズ及びビーム導波器について従来の構成を示す図である。
【図2a】本発明による、先端を削った画像化用光ファイバプローブの実施形態の一例を示す長手方向の側面図である。
【図2b】図2aに示すプローブの断面図である。
【図3】空気中で所望の焦点距離を得るためのプローブパラメータの計算例を示すグラフである。
【図4】水中で所望の焦点距離を得るためのプローブパラメータの計算例を示すグラフである。
【図5a】本発明による、先端を削った例示的なファイバプローブを製造するための第1作成工程例を示す概略図である。
【図5b】本発明による、先端を削った例示的なファイバプローブを製造するための第2作成工程例を示す図である。
【図5c】本発明による、先端を削った例示的なファイバプローブを製造するための第3作成工程例を示す概略図である。
【図5d】本発明による、先端を削った例示的なファイバプローブを製造するための第4作成工程例を示す概略図である。
【図5e】本発明による、先端を削った例示的なファイバプローブを製造するための第5作成工程例を示す概略図である。
【図6a】本発明による例示的なプローブについて、ボール状レンズを形成する場合にその形成後の画像を例示した図である。
【図6b】本発明による例示的なプローブについて、ボール状レンズの傾斜面を研磨した後の画像を例示した図である。
【図7】図6a及び図6bに示すプローブを使用して得られた、人の生体内の皮膚について画像例を示す図である。
【図8】図6a及び図6bに示すプローブと共に使用可能な、本発明によるロータリ接合の実施形態の一例を示す図である。
【図9】図6a及び図6bのプローブを利用して構成される、光周波数領域画像化に基づく光学システムの実施形態の一例を示すブロック図である。
【図10】図6a及び図6bのプローブを利用して構成される、スペクトル領域光コヒーレンス・トモグラフィに基づく光学システムの実施形態の一例を示すブロック図である。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、生物学的試料の画像形成用の画像化プローブとシステムに関し、特に、光ファイバプローブと、生物学的試料の画像形成のために、このようなプローブを用いることが可能な光学画像形成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の内臓の生体内光学画像形成は通常、光ファイバカテーテルによって行われている。心臓病学、インターベンショナル・ラジオロジ(介入放射線医学)、消化器病学等の多くの臨床分野では、r−φ断面画像を生成するために直径の小さな、回転する光学プローブ又はカテーテルを必要とする。また、回転するカテーテルを長手方向に沿って引き戻し、対象となる組織塊の三次元画像を得ることができる。この用途では、集光されたビーム、及び画像形成システムとの接続性を与えるカテーテルは重要な器具である。光学画像形成システムには、光周波数領域画像形成及び光学コヒーレンス・トモグラフィがある。
【0003】
一般に、光ファイバカテーテルの理想的な特性には、a)径が細く、b)柔軟性が高く、c)収差が小さいことが挙げられる。光ファイバは、250μm(マイクロメートル)未満の直径で容易に製作できるため、光ファイバプローブは生きた被験物内の小さな導管や狭い場所に、最小限の侵襲性をもって近接できる可能性をもつ。通常、カテーテルは、螢光透視によるガイド下に置かれたガイドワイヤを使用して対象場所へと向けられる。ガイドワイヤとの適合性を得るために、そして光ファイバを保護するために通常、カテーテルは外側の透明シース(鞘)を用いる。光ファイバはこのシースの内部に配置され、自由に回転し、また長手方向において並進移動できる。ファイバを通る光は、カテーテルの長手方向の軸に対して垂直な経路へと向けられ、対象組織内において、シースの外部の点へと焦点を結ぶ。光がシースを通して伝搬する際には、その焦点特性が、シースの内面及び外面での屈折によって変化する。すなわち、シースはレンズとして機能する。しかしながら、シースが円筒形状であるために、そのレンズ特性は望ましくない場合があり、特に、著しい収差をもたらす虞がある。シースの最も顕著な収差の一つが非点収差であり、この影響は細い直径のシースを用いる場合に著しく増加する。非点収差をもった光学素子を通過する光線は、二つの異なる焦点を呈し、その一つはサジタル平面内の光線の焦点であり、もう一つはこれに直交する接平面内の光線の焦点である。このような制限を克服する装置(例えば、カテーテル)は、光学画像形成を改善し、特に、医学及び生物学において広範囲に応用することができる。
【0004】
シースによってもたらされる非点収差を克服する一つの方法は、シースの屈折率を、シース内における外側の媒質と一致させることである。生物学的な画像形成の場合、これは、水とほぼ等しい屈折率を持つシースを用い、シースの内腔を水、又はこれとほぼ等しい屈折率の物質で満たすことで近似的に実現できる。光学画像形成用カテーテルでは、シース内の部品を回転させることと、該部品を長手方向に引き戻すこととの両立が強く望まれる。水で満たされたシース内で、内部の部品を回転させることは可能であるが、長手方向の引き戻しについては、液体の粘性及び乱流のために問題が多い。より望ましい解決策は、他の光学部品を用いてシースの非点収差を補正すると共に、シースと内部の部品との間隙に空気又は他のガスを充填させたカテーテルを操作することである。
【0005】
標準的な光学通信ファイバの直径とほぼ等しい直径をもつ微小レンズを用いて、光ファイバから出射される光を整形し、ファイバの外部に焦点を形成できることが技術的に知られている。また、このようなデバイスが、焦点からの光を集めて、この光を上記とは逆行する方向に光ファイバで伝送可能であることも周知である。
【0006】
図1a乃至図1dは、微小レンズと光ファイバを組み合わせるための、例示的な従来の構成を示す。例えば、実装サイズを小さくし、光ファイバの直径(ほぼ500μm未満)とほぼ等しいサイズを得るためには、勾配屈折率(GRIN又はSELFOC)レンズ25が用いられる。通常、ガラス製光ファイバの外側の保護層10は、ファイバ15の一端から部分的に剥がされ、レンズ25が光学接着剤又は光学エポキシ樹脂を用いてファイバに固定される。勾配屈折率レンズの場合、ファイバのコア20から出射した光は、その周辺光線30が正弦波状を描く経路をたどる。レンズ材料の屈折率分布及びレンズの長さを適切に選択することによって、レンズから出射される光の焦点特性を制御できる。このようなレンズとファイバとを組み合わせた一般的な構成は、レンズの端面から予め決められた距離にある焦点35をもたらす。レンズに加えて、プリズム90等のビーム偏向器が用いられることもあり、これはレンズから出射した光85の向きを変えて、ファイバの軸に対して側方に位置した焦点80に光を照射させる。レンズからの後方反射を最小限に抑え、装置の機械的な完全性を向上させるために、レンズは光ファイバに直接的に接合されるか又は融着接続されることもある。あるいはこれに代わって、均一な屈折率をもったガラス製円柱を含むスペーサ105を、ファイバ100とレンズ115との間に挿入することで、焦点形成前にビーム拡大110を許容する場合もある。更には、プリズム又はビーム偏向器120を用い、ファイバの軸に対して横方向にオフセットした位置にある焦点125へと、ビームの向きを変えることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図1a乃至図1cに示した各プローブでは、特定の用途に対して所望の焦点特性を得るために、レンズとスペーサの長さを注意深く制御し、素子を注意深く位置合わせしなければならない。その結果、このようなプローブの製造が困難となる。更に、これらの設計は機械的完全性を欠き、機械的な故障を避けるために外部の保護スリーブ等の追加的な構造を必要とする。この必要性のために、これがなければ可能となる直径や長さに比して、プローブの直径が大きくなり、柔軟性のない硬い部分の長さが長くなってしまう。
【0008】
ガラス製の単一の球状粒子を含むボールレンズを代わりに用いて、光ファイバを出射した光から焦点を形成することも可能である。この場合に、図1dに示すように、ファイバから出射した光130は球面135で屈折する。ボールレンズはファイバの末端に配置することもでき、またガラスの加熱と溶融を制御することによってファイバの材料から直接形成することもできる。加熱プロセス中、ファイバ125の光ガイドコアの部分を破壊し、焦点特性140を向上させるボールレンズの外面135で光を大きなビームサイズに回折させことができる。図1に示す装置の重要な特徴は、光ファイバの末端を融解させて再形成することでボールレンズが製作され、ボールの表面が、光を通す部分に亘って、ほぼ球状をなすことである。そして、プリズム等のビーム偏向器を、ボールレンズの球面に直接的に接合することはできず、よって、その位置決めと機械的な固定のために追加のハウジングが必要となる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した欠点の少なくとも幾つかを克服するために、切除された光学プローブと、このようなプローブを用いる光学画像形成システムの例示的な実施形態が、本発明に従って、生物学的試料の画像化に提供される。ある例示的な実施形態では、このプローブを用いて、画像形成システムからの光を集光ビームとして提供し、生物学的試料から反射した光を集め、それを画像形成システムへと戻すように伝送して、焦点を形成する光ビームを生物学的試料に亘って2次元又は3次元の空間次元で走査することが可能となる。本発明による、切除された光学プローブを用いる画像形成システムの適用には、血管内の画像形成、心臓血管の画像形成、消化管の画像形成が含まれる。
【0010】
本発明の例示的な実施形態によると、少なくとも一つの電磁放射を伝送するための装置と方法が提供される。特に、第1軸に沿って延びる少なくとも一つの端部を有する一つ以上の光ファイバが提供される。更に、光ファイバと光学的に連携する光伝送光学装置部が提供される。この光学装置部は、第2軸に対して垂直な平面部を有する第1面、及び曲面部を含む第2面を有することができる。第1軸は、第2軸に対して0°よりも大きく、かつ90°よりも小さい特定の角度で設けることができる。
【0011】
本発明の例示的な実施形態の一つによると、この平面部は、少なくとも一つの電磁放射の一部を、少なくとも部分的に反射するように構成され、曲面部は、少なくとも一つの電磁放射の一部を、当該部分を通して透過することができる。この曲面部は第1軸に対して垂直な第1平面内で第1曲率を有し、第3軸に対して垂直な第2平面内で第2曲率を有してもよい。例えば、第1平面は第2平面と異なっており、第1曲率は第2曲率と異なっても構わない。更には、第1軸と第3軸との間になす角度が約90°とされる。
【0012】
本発明の他の例示的な実施形態によると、この特定の角度は光伝送光学装置部とその外部の媒質との間で全反射させるための角度とされる。第1面の平面部は反射面であってもよく、及び/又は、金属層を有してもよい。更には、光ファイバと光伝送光学装置部は、同一材料から一体物として形成されてもよい。光ファイバは、少なくとも一つの第1領域及び少なくとも一つの第2領域を有することができ、この第1領域は、少なくとも一つの電磁放射をガイドし、また第2領域は、少なくとも一つの電磁放射の導波性をもたない。更には、第1領域と第2領域は、第1軸に沿って配置することができる。
【0013】
ほぼ透明な部分を有するシースが提供され、光伝送光学装置部は、このほぼ透明な部分内に配置される。また、前記の第1曲率と第2曲率は、ほぼ透明な部分によって引き起こされる非点収差を減少させる特性をもつ。この第1曲率と第2曲率は、非点収差を減少させる特性をもつことが可能である。光ファイバは、第1及び第2の光ファイバを含み、これらの一つが、毎秒約30回転よりも速い、ほぼ均一な回転速度をもって回転することができる。この第1及び第2の光ファイバのうち、少なくとも一つを平行移動させるように構成された並進ステージが長手方向に沿って提供される。第1の光ファイバ又は第2の光ファイバ、あるいは両光ファイバは公称カットオフ波長をもつシングルモードファイバでもよい。この第1の光ファイバ又は第2の光ファイバ、あるいはその両方の公称カットオフ波長は、約900nm(ナノメートル)と1300nmとの間とされる。
【0014】
本発明の上記の目的、特徴、及び利点は、付属する請求項と関連して、以下に詳細に説明した本発明の実施形態を読むことで明らかとなる。
【0015】
そして、本発明の更なる目的、特徴、及び利点は、本発明の例示的な実施形態を示す添付図面と併せて、以下に詳述する本発明の記載から明らかとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図2は、本発明に従って、先端を削った光ファイバプローブの例示的な実施形態を示す。この例示的なプローブの実施形態の特徴は、光ファイバ150(例えば、好ましくはシングルモードファイバ)を含んでおり、この光ファイバの末端が扁長な回転楕円体状のボール160の一部を含み、ファイバと一体化されていることである。扁長な回転楕円体は、その両極を離間させるように軸に沿って引っ張り、つまり伸張させた球によって特徴付けられる。ボール160の表面の予め決められた(例えば小さな)部分195に亘って、この表面は、ファイバの末端で2つの異なる曲率半径、つまり170で示すR1及び180で示すR2(図2aの側面図と図2bの端面図を参照)を持つように特徴付けられる。曲率半径R1、170は、ボールの物理的な半径Rb、172よりも大きい。曲率半径R2、180は物理的な半径172とほぼ等しい。
【0017】
このファイバの末端は更に、ファイバの軸に対してある角度をなした、ほぼ平坦な面190によって更に特徴付けられる。この面190は、ファイバから出射する光(図2aに破線で示す)を偏向させるように構成されることで、この光が焦点200に向けてボールの表面195を通過することになる。このファイバの末端は更に、領域210、つまり、コアからの光を回折させて面195のかなりの割合を照射できるように、ファイバの光ガイドコア155が存在しない領域によって特徴付けられる。特定の長さ(L)215を有する領域210は、加熱するか、又は光ガイドコアを有するファイバの一端にコアを持たないファイバを融着接続することによって、コアの破壊作業を通じて製作可能である。後者の場合、ボールレンズ160と面190は、コアを持たないファイバ材料から製作することができる。図2a及び図2bに示す、例示的なプローブを製作し、曲率半径170及び180を制御するための具体的な方法について以下に説明する。
【0018】
図2a及び図2bに示すプローブの例示的な実施形態では、ある望ましい特性、例えば曲率半径170と180が異なり、それらは製作工程で独立に制御可能である。この特質は有利であるが、これは、カテーテルのシースによって持ち込まれる非点収差を補正できるからである。光は球面を通過する際に屈折を受ける。球面を透過することで屈折した収束光についての、有効焦点距離は下式で与えられる。
【0019】
【数1】
【0020】
ここで、「nm」は面の外側の媒質の屈折率であり、「nb」は面の内側の屈折率であり、「R」は曲率半径である。図2a及び図2bに示す、例示的なプローブの有効焦点距離は二つの異なる値をもつことができ、その一つが「R1」に関し、もう一つが「R2」に関する。R1とR2を適切に選択することによって、シースが原因で生じる、サジタル面内の光線と接平面内の光線との間の焦点距離の差を補正することができ、非点収差のない焦点を、シースの外部に形成できる。生物医学的な画像形成の場合に、カテーテルは、水の屈折率とほぼ等しい屈折率を有する組織又は体液に浸漬される。このような場合には、シース内に空気があると、シースの屈折力が負となる。換言すれば、シースはそれを通って伝搬する光の焦点をぼかす作用をもつ。しかしながら、シースの屈折力は、例えば、一つの軸に沿ってのみ作用することになる。シースの長手方向に沿って、屈折力は全くない。プローブの例示的な設計では、「R1>R2」とされる。
【0021】
また、面190の有効焦点距離は、曲率半径170及び180に加えて、光ガイドコア155と面190との間隔L215によっても決定することができる。図3は、種々の焦点距離を与えることが可能な、例示的なLとRの許容値の対を表す計算例のグラフを示す。図3の従属軸250は、マイクロメートル単位でのLとRとの差を表し、水平軸252はマイクロメートル単位でのR値の2倍を表す。本図のそれぞれの曲線は異なる焦点距離、すなわち、1.0mm(ラベル254)、1.5mm(ラベル256)、2.0mm(ラベル258)、2.5mm(ラベル260)、3.0mm(ラベル262)、及び50mm(ラベル264)を示している。図3に示す、例示的な計算結果は、空気に囲まれた石英ガラス製プローブに基づいている。
【0022】
図4は、例示的な石英ガラス製プローブが水に浸漬されている場合において、同様な計算の例示的なグラフを示す。図4の従属軸266はマイクロメートル単位でのLとRとの差を表し、水平軸268はマイクロメートル単位でのR値の2倍を表す。本図のそれぞれの曲線は異なる焦点距離、すなわち、1.0mm(ラベル270)、1.5mm(ラベル272)、2.0mm(ラベル274)、2.5mm(ラベル276)、3.0mm(ラベル280)、及び50mm(ラベル282)を示している。
【0023】
図5a乃至図5eは、図2a及び図2bに示した実施形態の光学画像化プローブを製造するために使用可能な製作工程によって製造された例示的な製品を示す。標準的な遠距離通信ファイバ(例えば、図5aに示すSMF−28)は、直径250μmの保護用アクリル被覆300と、直径125μmのガラス被覆305と、光ガイドコア310とを含み、ここでモードフィールド径が公称9μmとされる。例示的な画像化プローブの製作は、アクリル被覆の部分を剥がし、ガラス被覆を露出させることで始まる(図5a参照)。例えばSMF−28のクラッドと同じ直径をもった、一本の均質なガラスファイバ315をファイバ305に融着接続して、予め決められた長さに切断することができる(図5b参照)。このファイバ融着接続工程は、二つの光ファイバを付着させる一方で、挿入損失及び後方反射の低い方法として技術的に周知である。直径の異なるファイバの融着接続は、より顕著なビーム拡大が望ましい場合にも実施される。ボールレンズ325は、例えばVytran FFS−2000等のファイバ融着接続装置を用いて、均質なガラスファイバ315の端部に形成することができる(図5c参照)。温度、持続時間及び挿入速度等のパラメータによって、溶融するファイバ先端320の量が決まる。このようにして、結果としてのボールの半径330や、ボールの中心から、均質なファイバ320と光ガイドファイバ340との接合部までの距離335を確定できる。ボールの形成に続き、プローブの末端を研磨して角度のついた面345を形成することができる(図5d参照)。光ファイバや微小光学部品の研磨機は容易に入手でき、高度な平坦度と平滑度をもつ高品質の光学面を形成可能である。
【0024】
図3の例示的なグラフを用いて角度350を選択することで、シングルモードファイバ305から出射される光線の全てが、研磨した面345上に、全反射角よりも大きな角度350をもって入射する。この例示的な構成では、面345がほぼ完全な反射面として作用し、ボールの上面325へと光を偏向させる。また、この角度は任意に決めることが可能であり、金やアルミニウム等のコーティングを用いて面345での高反射率を得ることができる。コーティングを適用する場合に、プローブの先端は、例えば最終製作工程として、アクリルコート355を施すことによって保護できる(図5e参照)。
【0025】
図6a及び図6bは、本発明によるプローブの例示的な実施形態の形成/製作の種々の段階を例示した画像である。例えば、図6aの画像は、図5cの例にほぼ対応しており、ファイバ375の末端にボール370を形成した後のものである。また、図6bの画像は、図5dの例にほぼ対応しており、ボール370を研磨して角度のついた面380を形成した後のものである。
【0026】
図7は、図6aと図6bに示した、例示的なプローブを用いて取得可能な、例示的な光学コヒーレンス・トモグラフィ(「OCT」)画像を示している。図7の試料は、被験者の指の腹の部分である。上部の最も薄く暗い層400は角質層に相当し、角質層の真下の、より明るい領域が表皮410に相当し、暗くその下に横たわる帯420が真皮に相当する。
【0027】
血管内又は管腔内の画像形成では、図2aに示した例示的なカテーテルが、回転を可能にする光学的なロータリ接合と共に用いられる。図8は、一対のコリメータ12及び18を用いるロータリ接合の例示的な実施形態を示し、図2a及び2bに示した例示的なプローブと共に使用可能である。一方のコリメータレンズ18は、管状構造体26に(直接的又は間接的に)取り付け可能である。ファイバ21の末端は、スリーブ34内に位置するコネクタ・フェルール28へと挿入することができる。コネクタ・ハウジングケース33とフェルール32を備えたマッチング・コネクタをスリーブ34に挿入してもよい。この例示的な構成により、2つのファイバ21と31との間の光伝送が容易となる。管状構造体26は、ベアリング36を介してハウジング39に接続される。また、管状構造体26は、ベルト又はギア38を介して回転モータ37に接続することができる。モータ37は管状構造体26を回転させ、従って、コリメータ18を回転させることができる。ハウジング39は、例えば引き戻し操作のために、固定レール41上に設置される並進ステージ40に取り付けてもよい。このロータリ接合によって、代替ファイバ31をコネクタハウジング33において交換可能にする一方で、回転しないファイバ11と回転するファイバ31との間の光伝送がもたらされる。
【0028】
本発明のある例示的な実施形態において、光ファイバ11、21、31はシングルモード光ファイバとされる。本発明の他の例示的な実施形態によると、各ファイバ11、21、31は、マルチモードファイバ、偏光保持ファイバ、及び/又はフォトニック結晶ファイバでもよい。ファイバ11、21はレンズ12、18に融着され、これにより、大幅に後方反射を減少させてスループットを高めることが可能である。またこれに代わってコリメータレンズ12、18は、非球面屈折レンズ、又は軸方向の勾配屈折率レンズでもよい。レンズ12、18の光学面には、使用する光の波長範囲において反射防止コーティングを施してもよい。この波長範囲は、800±100nm(ナノメートル)、1000乃至1300nm、又は1600乃至1800nmである。レンズ12、18の焦点距離については、約100μmから1000μmのビーム径を与えるように選択することができる。ファイバ11、21、31からの全スループットは、典型的には70%より大きく、後方反射は−55dB(デジベル)より小さい。管状構造体26は中空モータ軸でもよく、モータ37を管状構造体26と同軸に位置させることで、例えばベルト又はギア38を不要にすることができる。コネクタ28、32の研磨角度は、表面の法線に対して約4°から10°の間とされて、後方反射を最小限に抑えることができる。コネクタハウジング33は、好ましくは、例えばSCタイプと同様の、スナップ式接続を提供し、組み込み式の端部保護ゲートを備えることができる。
【0029】
図9は、光周波数領域画像形成(OFDI)システムの例示的な実施形態を示し、ロータリ接合と上述のカテーテルを使用することができる。例えば、光源は波長掃引レーザ81とされる。ロータリ接合部39は干渉計の試料アームに接続することができ、この干渉計は、10/90カプラ82、減衰器84、偏光コントローラ86、サーキュレータ88、89、長さ整合ファイバ90、コリメータレンズ92、及び参照ミラー94を含む。検出回路は、50/50カプラ96、偏光コントローラ98、偏光ビームスプリッタ99、101、双平衡受光器103、104、電気フィルタ106、107、及びデータ取得基板111を含むことができる。このデータ取得基板111は、コンピュータ112に接続され、トリガー回路114、モータコントローラ94、及び並進ステージ41、42と通信することができる。OCTの動作原理は当分野では周知である。双平衡検出と偏光分岐検出(Polarization Diverse Detection)を同時に提供するために、偏光コントローラ98は、カプラからの2つのファイバ経路の複屈折を整合させることができるように構成される。参照アームの他の偏光コントローラ86を調整し、偏光ビームスプリッタ101、102のそれぞれにおいて参照光を等しい比率に分離することができる。スプリッタの後段における、対応する偏光状態(x又はyで示す)については、双平衡受光器103、104へと向けられる。
【0030】
図10は、上述した本発明によるロータリ接合及びカテーテルを用いて構成される、スペクトル領域OCTシステムの例示的な実施形態を示す。光源121は、低コヒーレンス広帯域光源、パルス性広帯域光源、及び/又はカメラ122の読み出し速度に同期して反復動作する可変波長光源を含むことができる。カメラ122は、電荷結合素子及び/又はCMOS撮像素子に基づく検出器アレイ124を用いることができる。干渉信号は、コリメータ126、グレーティング(回折格子)128等の回折素子、及びフォーカシングレンズ131を用いて検出器アレイ124に導かれる。OCTの動作原理は当分野で周知であり、ここに組み込まれる。
【0031】
前述の説明は単に本発明の原理を例示したに過ぎない。本明細書の説明を考慮して、記載した実施形態に種々の変更や改変を加えることは、当業者にとって明白である。例えば、ここに説明した本発明は、米国特許仮出願第60/514,769号(2003年10月27日出願)及び国際特許出願PCT/US03/02349(2003年1月24日出願)に説明された例示的な方法、システム、及び装置に有用であり、これらの開示内容は、その全体をここに援用する。従って、当業者にとっては、本明細書に明確に提示又は説明されていなくとも、本発明の原理を具現化する数多くのシステム、装置、及び方法に工夫を凝らすことが可能であり、これは本発明の趣旨と範囲内に含まれることが理解されるであろう。また、上記に引用した文献、特許及び特許出願については、本明細書の一部としてその全体をここに援用する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】図1aは光ファイバからの光を合焦させるための勾配屈折率レンズを含む、微小レンズ及びビーム導波器について従来の構成を示す図であり、図1bは光ファイバからの光を合焦させるための勾配屈折率レンズ及びプリズムを含む、微小レンズ及びビーム導波器について従来の構成を示す図であり、図1cは光ファイバからの光を合焦させるための、勾配屈折率レンズ、及び該レンズとファイバとの間のスペーサを有するプリズムを含む、微小レンズ及びビーム導波器について従来の構成を示す図であり、図1dは光ファイバからの光を合焦させるための、光ファイバの先端を加熱して形成されるボール状レンズを含む、微小レンズ及びビーム導波器について従来の構成を示す図である。
【図2a】本発明による、先端を削った画像化用光ファイバプローブの実施形態の一例を示す長手方向の側面図である。
【図2b】図2aに示すプローブの断面図である。
【図3】空気中で所望の焦点距離を得るためのプローブパラメータの計算例を示すグラフである。
【図4】水中で所望の焦点距離を得るためのプローブパラメータの計算例を示すグラフである。
【図5a】本発明による、先端を削った例示的なファイバプローブを製造するための第1作成工程例を示す概略図である。
【図5b】本発明による、先端を削った例示的なファイバプローブを製造するための第2作成工程例を示す図である。
【図5c】本発明による、先端を削った例示的なファイバプローブを製造するための第3作成工程例を示す概略図である。
【図5d】本発明による、先端を削った例示的なファイバプローブを製造するための第4作成工程例を示す概略図である。
【図5e】本発明による、先端を削った例示的なファイバプローブを製造するための第5作成工程例を示す概略図である。
【図6a】本発明による例示的なプローブについて、ボール状レンズを形成する場合にその形成後の画像を例示した図である。
【図6b】本発明による例示的なプローブについて、ボール状レンズの傾斜面を研磨した後の画像を例示した図である。
【図7】図6a及び図6bに示すプローブを使用して得られた、人の生体内の皮膚について画像例を示す図である。
【図8】図6a及び図6bに示すプローブと共に使用可能な、本発明によるロータリ接合の実施形態の一例を示す図である。
【図9】図6a及び図6bのプローブを利用して構成される、光周波数領域画像化に基づく光学システムの実施形態の一例を示すブロック図である。
【図10】図6a及び図6bのプローブを利用して構成される、スペクトル領域光コヒーレンス・トモグラフィに基づく光学システムの実施形態の一例を示すブロック図である。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの電磁放射を伝送させるための装置であって、
第1軸に沿って延びる少なくとも1つの端部を有する1つ以上の光ファイバと、
前記1つ以上の光ファイバと光学的に連携するように設けられた光伝送光学装置部とを備え、該光学装置部は、第2軸に対して垂直な平面部を有する第1面と、曲面部を含む第2面とを備え、前記第1軸が、前記第2軸に対して0°より大きく、かつ90°より小さい特定の角度で設けられた装置。
【請求項2】
前記平面部は、前記少なくとも1つの電磁放射の一部を少なくとも部分的に反射するように構成され、前記曲面部は、前記少なくとも1つの電磁放射の一部を、当該部分を通して透過させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記曲面部は、前記第1軸に対して垂直な第1平面内で第1曲率を有し、第3軸に対して垂直な第2平面内で第2曲率を有しており、前記第1平面が前記第2平面と異なり、かつ前記第1曲率が前記第2曲率と異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1軸と前記第3軸との間になす角度が約90°である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記特定の角度は、前記光伝送光学装置部とその外部の媒質との間で全反射させるための角度である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1面の前記平面部が反射面である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1面の前記平面部が金属層を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ以上の光ファイバ及び前記光伝送光学装置部が、同一材料から一体物として形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上の光ファイバは、少なくとも1つの第1領域及び少なくとも1つの第2領域を有し、前記第1領域は前記少なくとも1つの電磁放射をガイドする構成とされ、前記第2領域は前記少なくとも1つの電磁放射の導波性をもたず、前記第1領域及び第2領域が前記第1軸に沿って配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
ほぼ透明な部分を有するシースを更に備え、前記光伝送光学装置部がほぼ透明な部分の内側に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
第1曲率及び第2曲率が前記ほぼ透明な部分によって引き起こされる非点収差を減少させる特性を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1曲率及び第2曲率が非点収差を減少させる特性を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項13】
前記1つ以上の光ファイバは、第1及び第2の光ファイバを含み、前記第1及び第2の光ファイバのうちの1つが毎秒約30回転よりも大きく、かつほぼ均一な回転速度で回転する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つを長手方向に沿って平行移動させるように構成された並進ステージを更に備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つが公称カットオフ波長をもつシングルモードファイバである、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つの前記公称カットオフ波長が約900nmと1300nmとの間である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つの電磁放射を伝送させるための方法であって、
第1軸に沿って延びる少なくとも1つの端部を有する1つ以上の光ファイバを提供し、
前記1つ以上の光ファイバと光学的に連携する光伝送光学装置部を提供することを含み、該光学装置部は、第2軸に対して垂直な平面部を有する第1面と、曲面部を含む第2面とを備え、前記第1軸が、前記第2軸に対して0°より大きく、かつ90°よりも小さい特定の角度で設けられるようにした方法。
【請求項18】
前記平面部は、前記少なくとも1つの電磁放射の一部を少なくとも部分的に反射するように構成され、前記曲面部は、前記少なくとも1つの電磁放射の一部を、当該部分を通して透過させるように構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記曲面部は、前記第1軸に対して垂直な第1平面内で第1曲率を有し、第3軸に対して垂直な第2平面内で第2曲率を有しており、前記第1平面が前記第2平面と異なり、かつ前記第1曲率が前記第2曲率と異なる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1軸と前記第3軸との間になす角度が約90°である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記特定の角度は、前記光伝送光学装置部とその外部の媒質との間で全反射させるための角度である、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記第1面の前記平面部が反射面である、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記第1面の前記平面部が金属層を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上の光ファイバ及び前記光伝送光学装置部を、同一材料から一体物として形成する、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記1つ以上の光ファイバは、少なくとも1つの第1領域及び少なくとも1つの第2領域を有し、前記第1領域は前記少なくとも1つの電磁放射をガイドする構成とされ、前記第2領域は前記少なくとも1つの電磁放射の導波性をもたず、前記第1領域及び第2領域が前記第1軸に沿って配置される、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
ほぼ透明な部分を有するシースを更に備え、前記光伝送光学装置部を、ほぼ透明な部分の内側に配置させる、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
第1曲率及び第2曲率が前記ほぼ透明な部分によって引き起こされる非点収差を減少させる特性を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1曲率及び第2曲率が非点収差を減少させる特性を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記1つ以上の光ファイバは、第1及び第2の光ファイバを含み、前記第1及び第2の光ファイバのうちの1つを、毎秒約30回転よりも大きく、かつほぼ均一な回転速度で回転させる、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
並進ステージを更に備えることで、前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つを長手方向に沿って平行移動させるようにした、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つが公称カットオフ波長をもつシングルモードファイバである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つの前記公称カットオフ波長が約900nmと1300nmとの間である、請求項31に記載の方法。
【請求項1】
少なくとも1つの電磁放射を伝送させるための装置であって、
第1軸に沿って延びる少なくとも1つの端部を有する1つ以上の光ファイバと、
前記1つ以上の光ファイバと光学的に連携するように設けられた光伝送光学装置部とを備え、該光学装置部は、第2軸に対して垂直な平面部を有する第1面と、曲面部を含む第2面とを備え、前記第1軸が、前記第2軸に対して0°より大きく、かつ90°より小さい特定の角度で設けられた装置。
【請求項2】
前記平面部は、前記少なくとも1つの電磁放射の一部を少なくとも部分的に反射するように構成され、前記曲面部は、前記少なくとも1つの電磁放射の一部を、当該部分を通して透過させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記曲面部は、前記第1軸に対して垂直な第1平面内で第1曲率を有し、第3軸に対して垂直な第2平面内で第2曲率を有しており、前記第1平面が前記第2平面と異なり、かつ前記第1曲率が前記第2曲率と異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1軸と前記第3軸との間になす角度が約90°である、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記特定の角度は、前記光伝送光学装置部とその外部の媒質との間で全反射させるための角度である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1面の前記平面部が反射面である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記第1面の前記平面部が金属層を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記1つ以上の光ファイバ及び前記光伝送光学装置部が、同一材料から一体物として形成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記1つ以上の光ファイバは、少なくとも1つの第1領域及び少なくとも1つの第2領域を有し、前記第1領域は前記少なくとも1つの電磁放射をガイドする構成とされ、前記第2領域は前記少なくとも1つの電磁放射の導波性をもたず、前記第1領域及び第2領域が前記第1軸に沿って配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
ほぼ透明な部分を有するシースを更に備え、前記光伝送光学装置部がほぼ透明な部分の内側に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
第1曲率及び第2曲率が前記ほぼ透明な部分によって引き起こされる非点収差を減少させる特性を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1曲率及び第2曲率が非点収差を減少させる特性を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項13】
前記1つ以上の光ファイバは、第1及び第2の光ファイバを含み、前記第1及び第2の光ファイバのうちの1つが毎秒約30回転よりも大きく、かつほぼ均一な回転速度で回転する、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つを長手方向に沿って平行移動させるように構成された並進ステージを更に備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つが公称カットオフ波長をもつシングルモードファイバである、請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つの前記公称カットオフ波長が約900nmと1300nmとの間である、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つの電磁放射を伝送させるための方法であって、
第1軸に沿って延びる少なくとも1つの端部を有する1つ以上の光ファイバを提供し、
前記1つ以上の光ファイバと光学的に連携する光伝送光学装置部を提供することを含み、該光学装置部は、第2軸に対して垂直な平面部を有する第1面と、曲面部を含む第2面とを備え、前記第1軸が、前記第2軸に対して0°より大きく、かつ90°よりも小さい特定の角度で設けられるようにした方法。
【請求項18】
前記平面部は、前記少なくとも1つの電磁放射の一部を少なくとも部分的に反射するように構成され、前記曲面部は、前記少なくとも1つの電磁放射の一部を、当該部分を通して透過させるように構成される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記曲面部は、前記第1軸に対して垂直な第1平面内で第1曲率を有し、第3軸に対して垂直な第2平面内で第2曲率を有しており、前記第1平面が前記第2平面と異なり、かつ前記第1曲率が前記第2曲率と異なる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1軸と前記第3軸との間になす角度が約90°である、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記特定の角度は、前記光伝送光学装置部とその外部の媒質との間で全反射させるための角度である、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記第1面の前記平面部が反射面である、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記第1面の前記平面部が金属層を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記1つ以上の光ファイバ及び前記光伝送光学装置部を、同一材料から一体物として形成する、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
前記1つ以上の光ファイバは、少なくとも1つの第1領域及び少なくとも1つの第2領域を有し、前記第1領域は前記少なくとも1つの電磁放射をガイドする構成とされ、前記第2領域は前記少なくとも1つの電磁放射の導波性をもたず、前記第1領域及び第2領域が前記第1軸に沿って配置される、請求項17に記載の方法。
【請求項26】
ほぼ透明な部分を有するシースを更に備え、前記光伝送光学装置部を、ほぼ透明な部分の内側に配置させる、請求項17に記載の方法。
【請求項27】
第1曲率及び第2曲率が前記ほぼ透明な部分によって引き起こされる非点収差を減少させる特性を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1曲率及び第2曲率が非点収差を減少させる特性を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記1つ以上の光ファイバは、第1及び第2の光ファイバを含み、前記第1及び第2の光ファイバのうちの1つを、毎秒約30回転よりも大きく、かつほぼ均一な回転速度で回転させる、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
並進ステージを更に備えることで、前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つを長手方向に沿って平行移動させるようにした、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つが公称カットオフ波長をもつシングルモードファイバである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記第1及び第2の光ファイバのうちの少なくとも1つの前記公称カットオフ波長が約900nmと1300nmとの間である、請求項31に記載の方法。
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図5d】
【図5e】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2008−514383(P2008−514383A)
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−534894(P2007−534894)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/035711
【国際公開番号】WO2006/037132
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SELFOC
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/035711
【国際公開番号】WO2006/037132
【国際公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.SELFOC
【出願人】(592017633)ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション (177)
【Fターム(参考)】
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