光学シートおよび光学シートを用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置
【課題】
ディスプレイ装置が長時間連続して使用される場合であっても、熱変形によるそりや剥離、撓みが生じない光学シート及び、その光学シートを用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
ディスプレイ用光学シートであって、ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シート、およびそれを用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置である。
ディスプレイ装置が長時間連続して使用される場合であっても、熱変形によるそりや剥離、撓みが生じない光学シート及び、その光学シートを用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【解決手段】
ディスプレイ用光学シートであって、ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シート、およびそれを用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素単位での透過/非透過のレンズシートおよびディスプレイ用光学シート、あるいは透明状態/散乱状態に応じて表示パターンが規定される表示素子が配置された液晶パネルを、背面側から照明するバックライトユニット、ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT型液晶パネルやSTN型液晶パネルを使用した液晶表示装置は、主としてOA分野のカラーノートPC(パーソナルコンピュータ)を中心に商品化されている。
【0003】
このような液晶表示装置においては、液晶パネルの背面側(観察者側)に光源を配置し、この光源からの光で液晶パネルを照明する方式、いわゆる、バックライト方式が採用されている。
【0004】
この種のバックライト方式に採用されているバックライトユニットとしては、大別して冷陰極管(CCFT)等の光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる、エッジライト方式)と、導光板を用いない「直下型方式」とがある。
【0005】
導光板ライトガイド方式のバックライトユニットが搭載された液晶表示装置としては、例えば、図30に示すものが一般に知られている。
【0006】
これは、上部に偏光板71,73に挟まれた液晶パネル72が設けられ、その下面側に、略長方形板状のPMMA(ポリメチルメタクリレート)やアクリル等の透明な基材からなる導光板79が設置されており、該導光板の上面(光射出側)に拡散フィルム(拡散層)78が設けられている。
【0007】
さらに、この導光板79の下面に、導光板79に導入された光を効率よく上記液晶パネル72方向に均一となるように散乱して反射されるための散乱反射パターン部が印刷などによって設けられる(図示せず)と共に、散乱反射パターン部下方に反射フィルム(反射層)77が設けられている。
【0008】
また、上記導光板79には、側端部に光源ランプ76が取り付けられており、さらに、光源ランプ76の光を効率よく導光板79中に入射させるべく、光源ランプ76の背面側を覆うようにして高反射率のランプリフレクター81が設けられている。上記散乱反射パターン部は、白色である二酸化チタン(TiO2)粉末を透明な接着剤等の溶液に混合した混合物を、所定パターン、例えばドットパターンにて印刷し乾燥、形成したものであり、導光板79内に入射した光に指向性を付与し、光射出面側へと導くようになっており、高輝度化を図るための工夫である。
【0009】
さらに、最近では、光利用効率をアップして高輝度化を図るべく、図31に示すように、拡散フィルム78と液晶パネル72との間に、光集光機能を備えたプリズムフィルム(プリズム層)74,75を設けることが提案されている。このプリズムフィルム74,75は導光板79の光射出面から射出され、拡散フィルム78で拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させるものである。
【0010】
しかしながら、図30に例示した装置では、視野角の制御は、拡散フィルム78の拡散性のみに委ねられており、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部は明るく、周辺部に行くほど暗くなる特性は避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招いていた。
さらに、図31に例示したプリズムフィルムを用いる装置では、プリズムフィルムの枚数が2枚必要であるため、フィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材数の増加によりコストが上昇する原因にもなっていた。
【0011】
一方、直下型方式は、導光板の利用が困難な大型の液晶TVなどの表示装置が用いられている。
【0012】
直下型方式の液晶表示装置としては、図32に例示する装置が一般的に知られている。これにおいては、上部に偏光板71、73に挟まれた液晶パネル72が設けられ、その下面側に、蛍光管等からなる光源51から射出され、拡散フィルム82のような光学シートで拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させるものである。光源51からの光を効率よく照明光として利用するために、光源51の背面には、リフレター52が配置されている。
【0013】
しかしながら、図32に例示する装置でも、視野角の制御は、拡散フィルム82の拡散性のみに委ねられており、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部は明るく、周辺部に行くほど暗くなる特性は避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招いていた。さらに、プリズムフィルムを用いるものでは、プリズムフィルムの枚数が2枚必要であるため、フィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材数の増加によりコストが上昇する原因にもなっていた。
【0014】
また光源51間の間隔が広すぎると、画面上に輝度ムラが生じやすく、光源51の数を減らせず、消費電力の増加及びコストの増加を招く原因となっていた。
【0015】
ところで、このような液晶表示装置では、軽量、低消費電力、高輝度、薄型化であることが市場ニーズとして強く要請されており、それに伴い、液晶表示装置に搭載されるバックライトユニットも、軽量、低消費電力、高輝度であることが要求されている。
【0016】
特に、最近、目覚しい発展をみるカラー液晶表示装置においては、液晶パネルのパネル透過率がモノクロ対応の液晶パネルに比べ格段に低く、そのため、バックライトユニットの輝度向上を図ることが、装置自体の低消費電力を得るために必須となっている。
【0017】
しかしながら、上述したように従来の装置では、高輝度、低消費電力の要請に充分に応えられているとは言いがたく、ユーザからは、低価格、高輝度、高表示品位で、かつ低消費電力の液晶表示装置を実現できるバックライトユニットの開発が待ち望まれている。
【0018】
上記の状況に鑑みて本出願人は、例えば、特許文献1のように、液晶パネルと、この液晶パネルに背面側から光を照明する光源手段とを備え、この光源手段に、光源からの光を液晶パネルへと導くレンズ層が設けられ、該レンズ層焦点面近傍に開口をもつ遮光部を有することを特徴とする液晶表示装置を提案している。
【0019】
上述の特許文献1には、同文献の図1から図3に示されるように、液晶パネルとバックライトユニットの間に、遮光部を有するレンズシートを配置してなる構成が開示されているが、図1から図3のいずれも、レンズシートは液晶パネル側にレンズ部を構成する凹凸形状を有している。
【0020】
上述のレンズシートを介在させたことによる作用効果は、導光板から射出する光が有する拡散性をレンズ作用により変調して、液晶パネル側にレンズ部を構成する凹凸形状を有している。
【0021】
上述のレンズシートを介在させたことによる作用効果は、導光板から射出する光が有する拡散性をレンズ作用に変調して、液晶パネル側に方向を揃えて射出させることが可能となる点にある。
【0022】
加えて、特定箇所に開口を形成したことにより、液晶パネルの画素に入射する光量を選択的に多くすることが可能となり、バックライトの利用効率が向上することと、前記開口の形状を制御することで表示光の視野領域も制御することが可能となることである。
【特許文献1】特開2000−284268号公報
【特許文献2】特開2006−106197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
ところで、液晶TVや、パソコン用モニターに使用される液晶表示装置では、携帯電話やモバイル端末に比べて、長時間連続して使用される。それに加えて最近では、携帯電話やモバイル端末に使用される液晶表示装置でも、省電力化設計の採用に伴い、従来よりも長時間連続して使用されることが予想される。
【0024】
このように、液晶表示装置がより長時間連続して使用されるようになると、光源から発せられる熱の影響で、バックライトユニットに用いられる光学シートの温度が上昇し、熱変形による反りや剥離が生じたり、またシートの剛性が低いためにたわみが生じたりして、液晶表示装置から表示される画質が低下する恐れがあるという問題がある。
【0025】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり拡散フィルム、レンズシート、光拡散層を一体化させることで、薄型で十分な強度を有し、熱変形による反りや剥離が生じたりせず、かつ光学特性を満足する光学シート及びこの光学シートを用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
すなわち請求項1の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートである。
請求項2の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面の4辺と隙間を保持しながら固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートである。
請求項3の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面の4辺のうち、何れか一組の向い合う対辺を固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートである。
請求項4の発明は、前記支持要素は、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面及び前記側面から前記レンズシートの表示外領域を固定する第1の張出し部と、
前記側面から前記光拡散層を固定する第2の張出し部を有することを特徴とする請求項1から請求項3記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項5の発明は、前記第1の張出し部は、
前記レンズシートのレンズ部の少なくとも一つ以上の単位レンズの凹凸と噛み合わせて固定することを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項6の発明は、前記支持要素は、金属からなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項7の発明は、前記支持要素は、樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項8の発明は、前記支持要素は、少なくとも一つ以上の穴が開いていることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項9の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御するレンズシートと
前記レンズシートの出射面側にあり、前記レンズシートからの光を拡散する拡散フィルムを備え、
前記光拡散層と前記レンズシートとは第1の間隙を保持しつつ固定要素を介して一体化しており、
さらに前記レンズシートと前記拡散フィルムとは第2の間隙を保持しつつ粘着層又は接着層を介して一体化しており、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシート及び前記拡散フィルムの何れか一組の向い合う対辺を固定する支持要素を有することを特徴とする請求項3記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項10の発明は、前記固定要素が接着剤を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項11の発明は、前記固定要素が粘着剤を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項12の発明は、前記固定要素が前記接着剤若しくは前記粘着剤の場合に、前記接着剤及び前記粘着剤が微粒子を含有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項13の発明は、前記固定要素がリブを有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項14の発明は、前記固定要素が反射表面を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項15の発明は、前記固定要素の接地面積は、前記レンズシートの入射面の面積に対して0.05%以上20%以下であることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項16の発明は、前記光拡散層の表面が微細な凹凸形状からなることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項17の発明は、前記光拡散層の表面に微粒子層があることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項18の発明は、前記レンズシートのレンズ部が、複数の単位三角プリズムもしくは単位凸シリンドリカルレンズが並列配置されてなる場合に、
前記ディスプレイ用光学シートの向い合う2組の端面のうち、前記単位三角プリズムまたは単位凸シリンドリカルレンズの長手方向と平行となる1組の前記端面が支持要素で固定されており、
もう一方の1組の前記端面の前記第1の間隙及び前記第2の間隙が開放されていることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
請求項19の発明は、前記単位三角プリズムの頂角が70°±30°の範囲に規定されることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項20の発明は、前記単位三角プリズムの谷部付近と頂点付近が丸みを帯びていることを特徴とする請求項1または請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項21の発明は、前記接着剤または接着剤層の厚さTと前記単位レンズの高さHとの間に
2T≦Hの関係が成立することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項22の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有し、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシートの側面と前記支持要素の間から空気が漏れることを特徴とするディスプレイ用光学シートである。
請求項23の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有し、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシートの側面と前記支持要素の間に緩衝材を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートである。
請求項24の発明は、請求項1から請求項3または請求項22から請求項23に記載のディスプレイ用光学シートと
前記ディスプレイ用光学シートの裏面に液晶パネルを前記液晶パネルの非視認面側から光を照射する光源を備えることを特徴とするバックライトユニットである。
請求項25の発明は、前記バックライトユニットと、
前記バックライトの前記ディスプレイ用光学シートの光出射面側に前記液晶パネルを備えることを特徴とするディスプレイ装置である。
請求項26の発明は、前記バックライト装置及び前記ディスプレイ装置はそれぞれ光源を有しており、かつ前記光源が冷陰極蛍光ランプ、LED,EL、半導体レーザーのいずれかであることを特徴とする請求項19記載のディスプレイ装置である。
【発明の効果】
【0027】
上述したように、本発明に係るレンズシート、ディスプレイ用光学シート、さらにこれらを用いたバックライトユニット及びディスプレイ装置においては、従来構成と比較して、薄型で十分な強度を有し、熱変形による反りや剥離が生じたりせず、所望の輝度や配光範囲、均一性などを達成する、光学シート、バックライトユニット、ディスプレイ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る、光学シート9の構成例を示す側面図である。
光学シート9は、光拡散層7とレンズシート5が固定要素3で第1の間隙6を保った状態で一体化されており、さらにレンズシート5のレンズ部の上に拡散フィルム1が粘着層または接着層2を介して第2の間隙4を保ちつつ一体化されたものである。
【0029】
図1(a)及び図26より、この光学シート9は、入射面100からの光Kを、非入射面側である出射面102側に散乱する光拡散層7を備えてなる。
【0030】
ここで、光拡散層7は、透明樹脂とこの透明樹脂の中に分散された透明粒子とを具備して構成されており、これら透明樹脂の屈折率と透明粒子の屈折率が異なるものである必要がある。透明樹脂の屈折率と透明粒子の屈折率の差は0.02以上であることが望ましい。屈折率の差がこれより小さいと十分な光散乱性能が得られない。また、その屈折率差は0.5以下でよい。
【0031】
また光拡散層7は、この光拡散層7に入射した光Hを散乱させながら透過させる必要がある。このため、光拡散層7に含まれる前記透明粒子の平均粒径は0.5〜10.0μmであることが望ましい。好ましくは1.0〜5.0μmである。または、光拡散層7は透明樹脂中に空気を含む微細な空洞を有した構造をしており、透明樹脂と空気の屈折率差で拡散性能を得ても良い。
【0032】
透明樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体等を使用することができる。
【0033】
ここで、ポリカーボネート、ポリスチレン、メチルスチレン樹脂及びシクロオレフィンポリマーの線膨張係数は、それぞれ6.7×10−5(cm/cm/℃)、7×10−5(cm/cm/℃)、7×10−5(cm/cm/℃)及び6〜7×10−5(cm/cm/℃)である。一方、レンズシート5が、例えばPETを含む場合、PETの線膨張係数は2.7×10−5(cm/cm/℃)であり、光散乱層の線膨張係数の方が大きい。従って、光学シート9が熱を受け、変形する場合には、光散乱層7側に反りが発生する。
しかしながら、本発明の実施の形態では、レンズシート5の線膨張係数が小さいことを考慮し、光拡散層7の線膨張係数を、7.0×10−5(cm/cm/℃)以下とすることにより上述の変形を防止することが可能である。
なお、レンズシート5を押出しの方法で材料としてポリカーボネートを用いて作製する場合は、線膨張係数が他の透明樹脂とほぼ同等であるためそりは発生しない。
【0034】
また、透明粒子としては、無機酸化物からなる透明粒子又は樹脂からなる透明粒子が使用できる。例えば、無機酸化物からなる透明粒子としてはシリカやアルミナ等からなる粒子を挙げることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリルニトリルスチレン共重合体の粒子、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン―ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン―ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン―テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。これら透明粒子は、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0035】
そして、これら透明樹脂中に透明粒子を分散して、押出し成型することにより、板状の光拡散層7を製造することができる。その厚みは、1〜5mmであることが望ましい。
1mm未満の場合、光拡散層7は薄くこしがないのでたわむという欠点がある。一方5mmを越えると、光源15からの光の透過率が悪くなるという欠点がある。
【0036】
さらにまた、光拡散層7は表面に微細な凹凸を具備し、この表面の微細な凹凸で光の拡散性を有していても良い。この場合、光拡散層7は当該分野でよく知られた押し出し法、キャスト法、または押し出し法とキャスト法を併用した方法で作成される。ここで、微細な凹凸の種類としては、凸状シリンドリカル形状のもの、レンズ形状のもの、三角プリズム形状が挙げられるが、これらに限らず、光拡散層7の光拡散機能が微細な凹凸が付与される前に比較して向上する凹凸形状のものであれば上記の形状に限らない。
【0037】
また、光拡散層7の表面に微細な凹凸を形成することは、上述の光拡散機能にとどまらず、後述する第1の間隙6を確保することも可能となる。
すなわち、光拡散層7の光出射面102とレンズシート5の光入射面104を接合する際に光拡散層7の光出射面102に形成された微細な凹凸により第1の間隙6を確保することが可能となる。この場合、微細な凹凸として、例えば光拡散層7に凹凸のパターニングをしたものやリブやマイクロレンズが挙げられるが、これに限らず、間隙6を確保することが出来る凹凸の形状であれば良い。
【0038】
更に光拡散層7の両面の表面に、光の拡散性をより向上させるために微粒子層を付けてもよく、この微粒子層は両面に限らず片面に付けたものでもよい。またこの微粒子層については、例えば、ビーズ、スペーサー等を含有する透明インキが挙げられるが、微粒子層の厚さ、微粒子の種類、大きさに限定はなく、光拡散層7の光拡散機能が微粒子層を付与する前と比較して向上するものであればよい。
【0039】
尚、上述のように光拡散層7を透明樹脂に空気を含む微細な空洞で作成する場合、あらかじめ透明樹脂中に含有された発泡剤を発泡させて作成しても良い。また、透明樹脂が相溶しない樹脂を含有し、少なくとも一軸方向に延伸する方法で作成される。
【0040】
この光学シート9は、光拡散層7の出射面102側とレンズシート5の入射面104の間に設けられ、光拡散層7とレンズシート5の第1の間隙6を保持しながら固定する固定要素3を有している。
【0041】
固定要素3として、光拡散層7によって拡散した光を透過する複数のリブ、接着層や粘着剤層、または光散乱層7によって拡散した光を光拡散層7側に反射する複数の反射表面を有するもしくは反射材を含むリブ、反射材を含有した粘着層や接着層が挙げられる。
【0042】
ここで固定要素3は、光拡散層7の非入射面102及びレンズシート5の入射面104を全て覆うものではない。
すなわちこれにより、図1の光拡散層7とレンズシート5の間に設けられ、光拡散層7によって拡散した光を非拡散層側であるレンズシート5に透過する第1の間隙6を備えることができる。この間隙4により透過する光を集光してレンズシート5に導くことが可能となる。第1の間隙6は空気からなる。すなわち第1の間隙6に空気が流れることにより光源15から光学シート9が受ける熱を逃がすことが可能となる。これにより光学シート9のそりや剥離の防止に効果がある。
【0043】
まず、固定要素3として、粘着層または接着層を用いる場合について述べる。粘着層または接着層を付ける位置は、光拡散層7とレンズシート5の表示領域外(ディスプレイ装置にレンズシート5が組み込まれた場合に画像表示に使用される以外の領域をいう)を少なくとも部分的に接合する。
【0044】
しかし場合によっては、ディスプレイの画像表示品位(例えば、固定要素3がディスプレイから視認される等)に影響がなければ、粘着層または接着層が表示領域内にあっても良い。この場合、レンズシート5の入射面104、若しくは光拡散層7の出射面102の面積に対して、固定要素3の接地面積は、0.05%から20%以下が好ましい。
0.05%以下であるとレンズシート5と光拡散層7の密着力が弱く剥がれやすくなる。また、20%以上では、固定要素が光学シートの視認面側から見えてしまう等表示品位が低下するためである。
【0045】
粘着層または接着層としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘着剤や接着剤が挙げられる。いずれの場合も高温のバックライト内で使用されるため、100℃で貯蔵弾性率G’ 1.0E+04 Pa以上であることが望ましい。これより値が低いと、使用中に光拡散層7とレンズシート5がずれてしまう可能性がある。また安定に第1の間隙6を確保するために、粘着層または接着層の中に透明の微粒子、例えば、ビーズ等を混ぜても良い。
また粘着剤は両面テープ状のものでも良いし、単層のものでもよい。
【0046】
さらに、表示領域内に粘着層または接着層を使用する場合、光の吸収は1%以内でなければならない。1%を超えると光学シート9から射出する積算光量が減少し、レンズシート5の形状によらず正面輝度が低下する。
【0047】
粘着層または接着層を塗る方法として、コンマコーター等の各種塗工装置、印刷方式、ディスペンサーやスプレーを用いる方法、または筆等を用いた手作業による塗工であってもよい。
【0048】
ここで、図2より上述の第1の間隙6を設ける方法として、図2(a)に示すように、スペーサー等の微粒子を粘着剤に混ぜて塗布して作製する方法や、光拡散層7に凹凸のパターニングをしておいたものとレンズシート5に粘着層や接着層を塗布やラミネートしたものと張り合わせたり、図2(c)のように、レンズシート5に凹凸を作製したものと光拡散層7に粘着層や接着層を塗布やラミネートしたものと張り合わせて作製する方法もある。
【0049】
また固定要素3として、リブを用いることもできる。このリブを用いる方法により、きわめて安定に第1の間隙6を、一定の厚みで均一に固定することができるので表示品位(光学密着、ムラ、ニュートンリング)などの外観特性を向上することもできる。
【0050】
ここでリブは、一定の形状に成形された透明樹脂から構成される。また透明樹脂中には、無機、有機粒子や気泡などを含有して、拡散や着色など他の効果を併せ持たせてもよい。
【0051】
リブ材料の透明樹脂として、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリルニトリルスチレン共重合体、ポリカーボネ−ト樹脂、ポリスチレン樹脂、メチルスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、シクロオレフィンポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいはポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のオリゴマー又はアクリレート系等からなる放射線硬化性樹脂などの透明樹脂が一般的に用いられるが上記の材料以外にもリブの特性を出せる樹脂等も使用することができる。
【0052】
また透明樹脂中に分散させる粒子として、シリカやアルミナ、酸化チタンやカーボンブラック、ガラスビーズなどの無機物や各種樹脂ビーズ等の有機物などを使用することができる。また透明リブに分散させる各種粒子はリブ表面に反射特性を持たせるなど、局所的に配置させたりすることもできる。また樹脂中に気泡などを分散させて粒子の代わりに用いることもできる。これらの透明樹脂中に分散させる粒子や気泡は、使用する用途に応じて、複数種類を組み合わせて使用したり、あえて使用しなくてもよい。
【0053】
リブの高さとしては光学シート9の歪みによる光学密着を妨げるためにレンズシート5と光拡散層7間の第1の間隙6を200nm以上保つ必要がある。また第1の間隙6の厚さが2mmを超えると、リブの視認性が上がり、ムラの原因になり、またサイドから光漏れが起こりやすくなるため好ましくない。
【0054】
リブの非入射面102への接地面積は、接着強度の低下や正面輝度の低下を防止するため、光拡散層7の非入射面102若しくはレンズシート5の入射面104と接するリブの総接地面積を、光拡散層7の非入射面102若しくはレンズシートの入射面104の面積に対して0.01以上60%以下にすることが望ましい。更に、輝度低下を最小限に抑えるためにリブの光拡散層7の非入射面102への設置面積は0.05%以上20%以下にすることがより好ましい。
【0055】
ここで、リブを用いる場合は、上述のような表示領域外に設置位置に限定する必要はなく、レンズシート5の入射面104若しくは光拡散層7の光出射面102の全面に設置できる。
【0056】
また、一つのリブ(場合によっては一群のリブ)の光拡散層7の非入射面102への接地サイズは、光学シート9の上面からリブムラが視認されないように、一方向に延在したレンチキュラー形状や台形形状、プリズム形状などの構造に関してはレンズシート5に接合した部分の接地部分のリブの幅が50μm以下であることが好ましい。また円錐(又は多角台錐、円錐台など)や多角柱、円柱などの柱状、直方体や球状(又は半球状)、楕円体などの構造の接地部分の面積が2500μm2以下にすることが好ましい。
更に視認性を向上させるために前記リブの幅を3μm、面積900μm2以下にすることがより好ましい。
【0057】
リブの形状として一方向に延在したレンチキュラー形状や台形形状、プリズム形状などの構造や多角錐、円錐(又は多角台錐、円錐台など)や多角柱、円柱などの柱状、直方体や球状(又は半球状)、楕円体などの構造であってもよい。
またリブの作製方法によっては、リブの高さが一定であれば側面の形状は不特定の形状であってもよい。これらのリブで第1の間隙6を確保する場合、上記の1種類のリブ構造を全体に使用しても、複数種類のリブ構造を組み合わせて使用してもよい。またこれらのリブの配列はストレイプ状や点線等の周期的なものでもランダムでもよく、設計に応じて適宜選択される。
【0058】
リブの硬さに関してはバックライト使用中の高温下でもレンズシート5と光拡散層7間の反りを最小限に抑えることができるように、適度な柔軟性を有することが好ましい。
リブの高さに関しては全体的に均一にリブが配置されていることが好ましいがレンズシート5の基材の剛性や熱、吸水などによる伸縮に合わせ、適度な高さの変動を有していてもよい。
【0059】
そして、これらの透明樹脂や粒子等を利用して、リブ単体またはレンズシート5の裏面、光拡散層7の表面に一度に放射線硬化成形や押し出し成形、熱プレス成形など種々の方法を用いてリブ形状を作製することができる。また貼り合わせをする場合、リブの片面又は両面に粘着剤や接着剤を使用してレンズシート5と光拡散層7の間を一定の間隙4を有するように一体化することができる。更に他のリブ成形方法として、予め、粘着剤又は接着剤にリブを分散させておき、各種印刷法で塗工することで粘着または接着性を有したリブを一度に作製でき、均一な高さの第1の間隙6を有するように一体化することができる。
【0060】
次に、固定要素3として、複数の反射表面を有するリブもしくは、反射材を含有した接着剤層、反射材を含有した粘着剤を用いる場合について述べる。
【0061】
反射材を含有した粘着層または接着層は、金属粒子または高屈折率透明粒子を上述の粘・接着剤に分散させたものを光拡散層7に塗工することにより作成することができる。
また、反射表面を有するリブの場合は、リブを形成する透明樹脂の中に金属粒子または高屈折率透明粒子を練り混ぜて作成することができる。またリブの表面に光反射性の高い銀やアルミウム、ニッケル等の金属を蒸着やスパッタ等の乾式成膜によっても作成できる。
【0062】
さらにまたは、透明なリブの表面に高屈折率透明粒子を分散混合してなるインキ、もしくは、高屈折率透明粒子を分散混合してなる粘・接着剤層を塗布することによっても作成できる。尚、上記以外に反射性を有する固定要素37の作成方法として、金属粒子または高屈折率透明粒子をバインダーに練りこんだものを転写で形成、又は白箔や金属箔のラミネート形成によっても形成できる。
【0063】
ここで、高屈折率透明粒子としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、クレー、水酸化アルミニウム、硫化亜鉛、シリカおよびシリコーンなどが挙げられる。金属粒子または金属箔としては、例えば、アルミニウムや銀が挙げられる。これらの高屈折率透明粒子、金属粒子または金属箔は1種類を使用しても良いし、複数種類を混ぜて使用しても良い。
【0064】
さらに光反射の機能を有する固定要素3による光の吸収は1%以内でなければならない。1%を超えると光学シート37から射出する積算光量が減少し、レンズシート1の形状によらず軸上輝度が低下する。
上述の反射機能を有する固定要素3の場合、その反射率は70%以上必要であり、よりこの好ましくは80%以上である。70%より低い場合、透過光が増えすぎるため、輝度の低い視野で明部として視認される場合がある。80%以上であれば、輝度の低い視野でも視認されない。
【0065】
また反射機能を有する固定要素3の配置は、上述の反射機能がないリブの場合と同じである。
【0066】
上述のレンズシート5は、図26より、光源15から光拡散層7及び第1の間隙6を伝達してきた光を入射する入射面104から入射し、さらにその光を入射面104の反対面から光学利得が1以上の光Kとして出射するものである。
【0067】
ここで光学利得とは、光学的な拡散部材の拡散性を示す指標の一つであり、完全拡散する拡散体の輝度を1として、その光の輝度との比で表される。測定する拡散部材の拡散性が方向によって偏っている場合、方向ごとの光学利得を出すことで、その拡散部材の拡散特性を示すことが出来る。
また、完全拡散とは、吸収が0で、かつ、どの方向にも一定の強度をもつとする理想的な拡散体のことを示す。つまり、光学利得が1以上であるということは、その測定する方向に光を集める効果を持つことを示し、その値が大きいほど集光効果が強いことを示す。
【0068】
ここで、図1(b)では、レンズシート5は、三角プリズムの形状であるが、これに限らず凸シリンドリカル形状や放物線状のものであってもよい。また三角プリズムにおいて、左右の辺が非対称であってもよく、また辺が直線ではなく曲線になっていてもよい。
また上述の三角プリズムにおいて、その谷部X及び頂部Yが丸みを帯びていてもよい。
さらにレンズシート5と拡散フィルム1粘着層または接着層6で固定することも考慮し、三角プリズムの頂部が平坦でもよい。この場合頂部の平坦の幅は、レンズピッチPに対して0.5%から30%以下が好ましい。すなわち、0.5%以下であるとレンズシート1と粘着層または接着層6が剥離しやすく、30%以上であると視認性が悪くなる。
【0069】
このレンズシート5は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、アクリルニトリルスチレン共重合体、COP(シクロオレフィンポリマー)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成する。
【0070】
またレンズシート5をUVや放射線硬化型の樹脂(UVや放射線で硬化する材料を含む樹脂であれば特に種類は限定しない)を用いて成形してもよい。
【0071】
ここでレンズシート5が、シリンドリカルレンズである場合には、単位レンズの凹凸の谷部Xからの垂線と単位レンズの接線がなす角度はα(15°<α)である必要がある。
その理由は、互いに隣接する単位レンズの境界(谷部X)のなす角度2αが30°未満であると、成形後の離型性が低下したり、又は、成形を繰り返すうちに金型先端が曲がってしまい成形品離型ができなくなったり、金型取扱時に金型先端を損傷したりして、金型寿命が短くなることが多いためである。
【0072】
また、三角プリズムの場合、頂角は°70±30°であることが好ましい。すなわち、頂角が40°より小さいと正面輝度のみが高く、視野角が狭くなってしまう。また、頂角が100°より大きいと視野角は広くなるが正面輝度が下がりディスプレイが暗くなってしまうためである。
【0073】
図1より、拡散フィルム1は、レンズシート5の出射面(入射面104の裏面)にレンズシート5からの光を拡散させるものであり、粘着層または接着層2を介して第1の間隙4を保ちつつレンズシート5と一体化している。
【0074】
レンズシート5から出射される光は、図33に示すように、正面輝度分布において、軸上輝度のみが過度に向上し、輝度分布の曲線のピーク幅が著しく狭くなり、視域が極端に限定されるため、拡散フィルム1をレンズシート5のレンズ部(レンズシート5のレンズ形状が形成された部分)の上に設けることで、レンズシート5から出射される光のピーク幅を適度に拡げ、またサイドロープを低減させることができる。
また拡散フィルム1の別の機能として、レンズシート5が三角プリズムの場合に頂部がキズ付くのを防いだり、レンズシート5のレンズピッチPとディスプレイの画素により生じるモアレを低減することができる。
【0075】
また、光学シート9のシート剛性は、光拡散層7とレンズシート5のみが一体化したものと比較して、拡散フィルム1まで一体化したものの方が光学シート9のシート剛性は向上し光学シート9をディスプレイ装置に組み込んだ場合にたわみが生じにくくなる。
【0076】
ここで、拡散フィルム1は、PETの基材フィルムに両面もしくは片面にバインダーにフィラーを分散させた層を設けたものか、若しくはポリカーボネートの表面をマット状にしたものを用いることができる。また膜厚は0.05mmから0.3mmで、ヘイズは、40%から80%のものが好ましい。
【0077】
拡散フィルム1とレンズシート5は粘着層または接着層2により固定する。図3は、固定する方法について示したものである。
図3(a)は、拡散フィルム1に粘着層または接着層2をコンマコーター等の各種塗工装置、印刷方式、ディスペンサーやスプレーを用いる方法、または筆等を用いた手作業による塗工により行う。このようにして接着層6を付着した拡散フィルム1をレンズシート5にラミネート等により接着させる。
図3(b)は、図3(a)同様にレンズシート5と拡散フィルム1を粘着層または接着層2を用いて接着させたものであるが、より強固に接着させるため、レンズシート5のレンズ頂部を拡散フィルム1に突き刺してもよい。この場合は、粘着層または接着層2が完全に硬化する前にレンズシート1のレンズ頂部を拡散フィルム1に突き刺し、突き刺した後に粘着層または接着層2を完全に硬化することが望ましい。
図3(c)は、レンズシート5のレンズの頂部にのみ粘着層または接着層2を付与して拡散フィルム1と接着させたものである。
【0078】
粘着層または接着層2としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘着剤や接着剤が挙げられる。いずれの場合も高温のバックライト内で使用されるため、100℃で貯蔵弾性率G’ 1.0E+04 Pa以上であることが望ましい。これより値が低いと、使用中に拡散フィルム1とレンズシート5がずれてしまう可能性がある。また安定に第1の間隙4を確保するために、粘着剤や接着剤の中に透明の微粒子、例えば、ビーズ等を混ぜても良い。
【0079】
また、粘着層または接着層2に用いる粘着剤や接着剤としては、白ボンドのように白濁した透明度の低い材料のものは使用できず、視認性の観点から透明度が高い材料である必要がある。具体的には分光光度計で全光線透過率(JIS K7361−112、粘着剤や接着剤の厚み10μm)が80%以上必要である。
【0080】
さらにレンズシート5と拡散フィルム1を粘着層または接着層2で一体化させる際に間隙4を保つためにはレンズシート5のレンズ高さHと粘着層または接着層2の厚さTの間に2T≦Hである必要がある。これにより確実にレンズシート5と拡散フィルム1の間に第1の間隙4を設けることができる。これにより第1の間隙4に空気が流れることで、光学シート9を冷却することができ、光学シート9のそりや剥離を防ぐのに効果的である。
【0081】
上述のようにして作成された光学シート9は、光拡散層7、レンズシート5、拡散フィルム1と3種類の構成要素が一体化したものであり、このような材料や厚さの異なる構成要素を一体化したものを例えば、液晶表示装置に組込み長時間連続して使用すると光学シート9が光源15からの熱の影響によりはがれや撓みが発生しやすくなる。
【0082】
そこで、図4より、光学シート9の側面を支持要素11で固定することではがれやたわみ、そりを防止できる。特に支持要素11により光学シート9のシート剛性は飛躍的に向上する。図4(a)は光学シート9の側面のみを固定した場合を示している。この場合、光学シート9の両端は、レンズシート5の単位レンズの谷部Xではないところが端部になっていることが好ましい。すなわち、レンズシート5の単位レンズの谷部Xの場合と比較して支持要素11とレンズシート5の接触面積が大きいため強固に支持要素11と接着させることが可能となるからである。
【0083】
図4(b)は、光学シート9の側面のみならず、光学シート9のディスプレイ装置に組み込んだ際にディスプレイとして表示されない表示領域外U、Gのところにも支持要素11が付いているものを示している。この場合は図4(a)と比較してより強固に光学シート9を固定することが可能となる。
【0084】
更に図5は、支持要素11がレンズシート5の単位レンズと嵌合に固定する場合を示したものである。この場合、より安定に光学シート9を固定するため単位レンズの凹凸とかみ合うように固定する。この場合支持要素11とのかみ合いに必要な単位レンズは少なくとも1つ以上(1ピッチ以上)必要である。
【0085】
また図6より、支持要素11は、光学シート9の4辺のうち、向い合う2組の端面のうち一組のみを固定する必要がある。これにより、支持要素11の無い端面は開放されたままであるため、間隙4に空気の流れFがよくなるので、光学シート9を効率良く冷却することが可能となる。従って、液晶表示装置が長時間連続して使用される場合であっても、光学シート9の熱変形による反りや剥離を防ぎ、また支持要素11により光学シート9に撓みを防ぎ、もって画質の低下を阻止することが可能となる。
【0086】
上述の場合に空気の流れFを考慮し、レンズシート5のレンズ部が、複数の単位三角プリズムもしくは単位凸シリンドリカルレンズが並列配置されてなる場合には、光学シート9の向い合う2組の端面のうち、単位三角プリズムまたは単位凸シリンドリカルレンズの長手方向Nと平行となる1組の前記端面が支持要素11で固定する必要がある。もし逆の端面を固定してしまうと第1の間隙4に空気が流れないからである。
【0087】
一方、レンズシート5のレンズ部が、複数の単位凸レンズが2次元配列されてなる場合には、光学シート9の向い合う2組の端面のうち、いずれか1組の端面が支持要素11で固定されていればよい。いずれの方向からでも第1の間隙4に空気が流れるからである。
【0088】
図7より、空気の流れFを考慮するとディスプレイ装置に光学シート9を設置した場合に空気の流れFは図7(a)と図7(b)を比較すると、図7(a)の方が空気の流れが良いので光学シート9をより効率よく冷却できるため好ましい。
【0089】
ここで、支持要素11としては、粘着剤や接着剤、溶着する方法、固定具を用いる方法、エキシマを照射し常温接合する方法等が挙げられる。
【0090】
粘着剤や接着剤としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘着剤や接着剤が挙げられる。いずれの場合も高温のバックライト内で使用されるため、100℃で貯蔵弾性率G’ 1.0E+04 Pa以上であることが望ましい。これより値が低いと、使用中に支持要素11が剥がれてしまう可能性がある。また粘着剤や接着剤は両面テープ状のものでも良いし、単層のものでもよい。
【0091】
粘着剤や接着剤を塗る方法として、コンマコーター等の各種塗工装置、印刷方式、ディスペンサーやスプレーを用いる方法、または筆等を用いた手作業による塗工であってもよい。
【0092】
支持要素11として、溶着の手法を用いる場合、例えば、熱や超音波やレーザーを使用する方法が挙げられる。これらの方法は加工法が容易であり、表示領域外の接合に適している。
【0093】
支持要素11として、固定具を用いる場合、固定具としては、例えば図4、図5の支持要素11の形状に成形された樹脂や金属、金属の止め具、ホチキス、テープ、ゴム、クリップなどが挙げられる。また、環境問題を考慮して、生分解プラスチックや、紙、木等のセルロースを含む材質のものでもよい。
また成形された樹脂や金属の止め具はバックライトの筺体と一体化されていても構わない。これらの方法は溶着よりもさらに加工法が容易であり、表示領域外の接合に適している。
【0094】
また、支持要素11を用いて光学シート9を固定する場合、作業効率の向上を考慮して、予め拡散フィルム1、レンズシート5、光拡散層7に位置決め用の開口部を設け、支持要素11に開口部に貫通させるピンを設けることによって、光学シート9を容易に組み立てることができる。このピンは支持要素11に複数箇所あるとより位置精度が向上する。
【0095】
支持要素11として、エキシマを照射し常温接合する方法を用いる場合、178nmのエキシマUVを接合する2つの素材の片方、もしくは両方に照射したのち、2つの素材をラミネートする。ラミネート時に熱をかけても良いし、ラミネート後に熱をかけても良い。
【0096】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。
上述の光学シート9の場合においては、拡散フィルム1、レンズシート5、光拡散層7がそれぞれ1枚ずつある構成について示したものである。ここで、上述の支持要素11を用いることによって、以下のような光学シート9の構成も可能である。
【0097】
図8は、レンズシート5として、シリンドリカルレンズシートを2枚直交させたものを積み重ね(積層させ)(図9)、さらにその下に光拡散層7を積層したものの側面を支持要素11で固定したものである。
このように、支持要素11を用いることにより、拡散フィルム1の下にレンズシート5が2枚、さらにその下に光拡散層7がある構成等、シートやフィルムが複数枚積層されたものの側面を固定し、光学シート9から空気の流れを確保することによっても、以下に詳述するような方法により、図8に示すような光学シート9のそりを防ぐことが可能である。
【0098】
図9は、レンズシート5として、2枚のシリンドリカルレンズシートが直交して積層されているが、これに限らずレンズシート5の種類としては、三角プリズム、凸シリンドリカル形状や放物線状のものなどのレンズの配列が一次元配列されたものや、マイクロレンズ等のレンズの配列が二次元配列されたものであってもよい。
【0099】
また三角プリズムにおいては、図21に示すように、左右の辺が非対称であってもよく、また辺が直線ではなく曲線になっていてもよい。同様に凸シリンドリカルレンズのように左右の辺が対称な曲線のものだけでなく、左右非対称のものであってもよい。
【0100】
さらに、上述の三角プリズムにおいて、単位レンズの頂点部分や単位レンズ同士の谷部が丸みを帯びていてもよい。また、図15に示すような台形プリズムでもよい。
すなわち、レンズシート5の単位レンズ間に第2の間隙4が形成されれば空気を通すことが可能となるからである。
【0101】
また、複数枚のレンズシート5を積層することを考慮し、上述のレンズシート5の頂部が略平坦でもよい。この場合レンズシート5同士をより安定に積層できる。
さらに、この場合、図23に示すように、レンズ部の頂部の略平坦に上述の高屈折率透明粒子を含有した光反射層を形成してもよい。これによりレンズシート5から出射される光を制御することができるからである。
【0102】
また複数枚のレンズシート5を積層するため、光学密着(ニュートンリングの防止等)を防ぎ、またより空気を通すためにレンズシート5のレンズが形成された面の裏面側に微細な凹凸形状を付与してもよい。
【0103】
上述の構成においては、レンズシート5を少なくとも2枚以上使用する場合について規定しているが、当然レンズシート5は1枚でも良い。なお、レンズシートの材質や製法は上述に示すものと同じである。
【0104】
次に図10は、レンズシート5の上に拡散フィルム1を積層した構成を示したものである。拡散フィルム1を積層する理由は上述の場合と同じでレンズシート5が三角プリズム等の場合に頂部にキズが付くのを防いだり、レンズシート5のレンズピッチPとディスプレイの画素により生じるモアレを低減するため等である。
【0105】
この場合に用いる拡散フィルム1としては、PETの基材フィルムに両面もしくは片面にバインダーにフィラーを分散させた層を設けたものか、若しくはポリカーボネートの表面をマット状にしたものを用いることができる。また部分的に支持要素11で固定する場合等を考慮し、ある程度の剛性があった方が拡散フィルム1の自重によるしわ等が発生しにくいので、拡散フィルム1の膜厚は0.3mm以上であることがより好ましい。またこの場合の拡散フィルム1のヘイズは、40%から80%のものが好ましい。
【0106】
次にレンズシート5の下に積層される光拡散層7は上述の図1の構成で用いる光拡散層7と同じである。
図11は、光拡散層7の表面に凹凸を形成したものである。この場合は凹凸形状はシリンドリカルの形状をしている。これによりレンズシート5と光拡散層7の凹凸の間隙から空気が流れるのでそりの防止には効果がある。
【0107】
ここで、複数枚のレンズシート5を使用したり、例えば、少なくとも1枚のレンズシート1の中に上述の光拡散層7で用いた透明粒子を含有させることで光源15のランプイメージ(光源15があるところは明るく見え、光源15と光源15の間は暗く見えてしまうこと)がほとんどなくなる場合には光拡散層7を用いなくてもよい。
【0108】
例えば、図25は、光拡散層7の上に2枚のレンズシート5が積層されたものを支持要素11で固定した光学シート9を示したものである。ここで2枚のレンズシート5のうち、上に積層されているレンズシート5中には上述の光拡散層7で用いた透明粒子を含有されている。図25(a)は、レンズシート5の全体に透明粒子が含まれているものを示しており、図25(b)は、レンズシート5のレンズ部Y以外に透明粒子が含まれている。また図25(c)は、レンズシート5のレンズ部Yのみに透明粒子が含まれているものを示している。この図25の場合では、図25中の光拡散層7がなくてもランプイメージがほとんどなくなる場合には、光拡散層7がなくても良い。
【0109】
次に支持要素11は、図12(a)に示すように、図1の構成と同様に光学シート9の向い合う一組の対辺を支持要素11で固定する方法と、図12(b)に示すように光学シート9の4辺全部を支持要素11で固定する方法とがある。また、支持要素11の種類や材質や製法は、上述に示したものと同じである。
また場合によっては、例えば、光学シート9の1辺の全てを支持要素11で固定しなくても、光学シート9の1辺を部分的に支持要素11で固定してもよい。
何れの場合においても、光学シート9の間で空気が流れることを前提としたものである。
【0110】
まず、支持要素11で光学シート9の向い合う一組の対辺を支持要素11で固定する方法は、上述の図4、図5で示す方法により固定する。ここで、レンズシート5が複数枚を直交して用いる場合には、積層されるいずれかのレンズシート5同士の間に第2の間隙4が形成されるため、支持要素11で固定されていない、もう一組の対辺は空気が通り抜ける。
【0111】
次に光学シート9の4辺を全て支持要素11で固定する場合は、レンズシート5や光拡散層7の側面全てが固定されているため、光学シート9自体の剛性が飛躍的に向上し、また光学シート9を4辺から固定するのでしわが生じにくい。
この場合、光学シート9の間の空気の流れを確保するため、図13に示すように、レンズシート5、光拡散層7、拡散フィルム1と支持要素11との間に隙間Tを設けることが必要となる。ここで、隙間Tは、光学シート4辺のうち少なくとも一箇所が開いていればよい。また空気の流れを考慮して、入り口と出口の2箇所以上あった方がより好ましい。すなわち、光学シート9の側面と支持要素11の間で空気が漏れていればよい。
【0112】
また光学シート9の4辺を全て支持要素11で固定する場合に、例えば、支持要素11自体に少なくとも1つ以上の穴Wが開いている構成でもよい。ここで、穴Wの大きさや形状、位置、個数は光学シート9の側面と支持要素11の間で空気がより漏れることを考慮して適宜決めればよい。
【0113】
さらに、例えば、支持要素11がプラスチックや、アルミニウムやステンレス等の金属で形成されている場合には、衝撃や高温条件下でのレンズシート5等の伸縮により、レンズシート5や光拡散層7が支持要素11とぶつかり、レンズシート5等から摩擦や衝撃による磨耗粉等が発生するため、光学シート9の側面と支持要素11の間にゴムやスポンジ、バネ等の緩衝材を設けるとよい。この場合は緩衝材から、もしくは緩衝材と支持要素11の間、または緩衝材と光学シート9の間から空気が漏れることが必要となる。
また、空気の漏れをさらによくするためには、緩衝材は支持要素11の全面にある必要はなく、部分的に間隔を置いて緩衝材をつけても良い。このような緩衝材は、支持要素11や光学シート9の側面と固定する場合には適宜粘着剤や接着剤等で固定するとよい。
【0114】
また、図14に示すように、拡散フィルム1、レンズシート5、光拡散層7が配置される位置に支持要素11にスライドVが形成されていてもよい。これにより安定して拡散フィルム1等を配置することができる。この場合、4辺ではなく、3辺のみの固定でもよい。
3辺の場合には、支持要素11が無い辺からレンズシート5等をスライドして挿入できるので作業効率がよいからである。
【0115】
また、支持要素11の光学シート9と接する面側は表面が粗面であることが好ましい。光学シート9と支持要素11との間で空気が流れやすくなるからである。また光学シートの輝度向上のためには、光源15から入射した光Kが光学シート9の端に漏れた光を反射し光学シート9内で再利用するため、支持要素11の光学シート9と接する面側の表面に
上述の高屈折率透明粒子を含有した反射層を形成してもよい。また逆に、ディスプレイ装置13内で光学シート9を設置する筐体が白色で光をよく反射するようなものであれば、支持要素11は透明であってもよい。
【0116】
上述の光学シート9の4辺を支持要素11で固定する場合には、光学シート9におけるレンズシート5や拡散フィルム1、光拡散層7の配置や構成はどのようなものであってもよい。支持要素11と光学シート9の間で空気が漏れるからである。
さらに、支持要素11で固定する場合は、支持要素11で隙間Tを保ちながら固定するので、レンズシート5や拡散フィルム1や光拡散層7の大きさがそれぞれ多少異なっていても良い。
【0117】
上述のようにして作製させる光学シート9の代表的な構成例を以下に示す。
図15は、光拡散層7の上に、レンズシート5として台形プリズム用いたものを示したものである。台形プリズムの第1の間隙6の下には高屈折率透明粒子を含有した反射層Xが形成されている。この場合、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11を固定するとよい。
【0118】
図16は、レンズシート5として、シリンドリカル形状からなるレンズ部Yの裏面に凹凸を付けたものであり、凸部の底辺には、高屈折率透明粒子を含有した反射層Xが形成されている。この場合、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0119】
図17は、図16の光学シート9において、レンズシート5の凹部が楕円の一部、曲面になっているものである。この場合も、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0120】
図18は、レンズシート5として、シリンドリカル形状からなるレンズ部Yの裏面に凹凸を付けたものであり、凹部には高屈折率透明粒子を含有した反射層Xが形成されている。この場合は、支持要素11と光学シート9の隙間Tより空気が漏れるようにするとよい。
この場合、空気の漏れを多くするため、支持要素11で2辺のみを固定するのが好ましい。
【0121】
図19は、レンズシート5として、シリンドリカル形状からなるレンズ部Yの下に微細な凹凸を付けたものである。この場合、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0122】
図20は、レンズシート5として、レンズ部Yの高さが異なる場合のものを示しており、この場合は、支持要素11は左右で支持要素11の高さが異なったり、また別の材質や形状等の支持要素11を適宜選択して固定する。この場合は、支持要素11と光学シート9の隙間Tより空気が漏れるようにするとよい。
【0123】
図21は、レンズシート5として左右のレンズ形状が異なる三角プリズムを用いた場合を示しており、この場合は、より好ましくは、第2の間隙4から空気が流れるように固定要素11で光学シート9を固定する。
【0124】
図22は、レンズシート5として、2枚のシリンドリカルレンズシートを2枚平行に積層させたものである。この場合、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0125】
図23は、レンズシート5として、シリンドリカルレンズシート5の頂部が平坦であり、その頂部に反射層Xが形成されたもの同士が直交して配列され、さらにその上に拡散フィルム1が積層されている。この場合、より好ましくは、第1の間隙6、もしくは図23からは見えないが、拡散フィルム1とレンズシート5の間に形成された第2の間隙4の間から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0126】
図24は、レンズシート5としてシリンドリカルレンズシートが2枚レンズ部を逆向きにして積層されたものである。この場合、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0127】
以上の説明により作成される光学シート9は、バックライトの輝度向上に用いる用途以外にも、LCD、ELやPDPなどディスプレイの視野角コントロールフィルムや、コントラスト向上フィルム、太陽電池用の光制御フィルム、投射スクリーンなどに用いることができる。
【0128】
図26は、本発明の実施の形態に係る、光学シート9を用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置の一例を示す側面図である。
本発明の実施の形態に係るバックライトユニットは、ランプハウス内(図示せず)に収納されたシリンダー形状の複数の光源15と、各光源15からの光Kを、偏光板21に挟まれた液晶パネル19に供給する光学シート9を備えてなる。なお、図中17は、複数の光源41の背面側に配置された光反射板である。
【0129】
また、本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置は、前述の光源15と光学シート9とさらにその上に液晶パネル19を含んだ装置である。この場合は、ディスプレイ装置は液晶表示装置を示すが、これに限らず、上述の光学シート9を含んだ、投射スクリーン装置、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等画像を光を利用して表示する表示装置であればその種類は問わない。
【0130】
光学シート9は、光源が、冷陰極蛍光ランプの場合はもちろん、近年、ディスプレイ用光源として注目を浴びているLED、EL、半導体レーザー等を用いたディスプレイ装置にも用いることができる。
【0131】
ここで、ディスプレイ装置の光源としてLEDを用いる場合、図29(a)に示すように、赤色、緑色、青色のLEDのアレイを使用し、導光板等で赤色、緑色、青色のLEDのアレイからの光を混ぜ合わせ白色光として均一に出射するものや、図29(b)に示すように拡散板等を用いた赤色、緑色、青色のLEDのアレイからの光を混ぜ合わせ白色光として均一に出射することができるものにも使用できる。
【0132】
またバックライトユニットにおいては、ますます薄型化が進んでおり、それに従い光源と光学シートの距離も短くなっているが、本願発明の光学シート9を使用すれば直下型やサイドエッジ型のバックライトユニットにおいても、光源ランプ同士の間に暗い箇所生じる等視認性の影響はなく十分に使用することができる。
さらにディスプレイ装置もますます大型化の一途をたどっており、それに伴い光学シート39のサイズも大きくなっていくが、本願発明の光学シート39は薄くて強度が強く、さらに表示品位も優れているためこういった大型ディスプレイ装置にも十分に使用できる。
【0133】
図26は、本願発明にかかる光学シート9を直下型のバックライトユニット及びそれを用いたディスプレイ装置に用いた実施例を示している。
【0134】
図27は、本願発明にかかる光学シート9をサイドエッジ型の導光板23に用いた実施例を示している。
【0135】
図28は、本願発明にかかる光学シート9をディスプレイの光源としてEL光源25を用いた場合の実施例を示している。
【0136】
(光学シートの作製方法)
(実施例1)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、マイクロレンズ形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズ直径が50μm、高さHが25μmのマイクロレンズ群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にスプレー法で均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルム1の一方の面にアクリル系の接着剤を全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を作製した。さらに光学シート9の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した。
このように作製された光学シート9をイージーコントラスト(視野角測定装置)で測定したところ、図33の拡散フィルム1付のグラフに示すようにサイドローブのない正面輝度分布を得ることができた。
更に上述のようにして作製した光学シート9を80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果光拡散層7、レンズシート5、拡散フィルム1は剥がれたり反りが発生せず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、輸送による振動状態を試験するために、作成した光学シート9と冷陰極ランプが入ったランプハウスを筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
また、輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シート9に剥がれやそりは発生しなかった。
【0137】
(光学シートの作製方法)
(実施例2)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、三角プリズムの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズピッチPが50μm、高さHが25μmの三角プリズム群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にスプレー法で均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと平行の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートA)。
同様に上述のように作製された光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと直行する一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートB)。
また、同様に上述のように作製された光学シート9を、さらに光学シート9の4辺すべての端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートC)。
このように作製された光学シートA,B,Cをそれぞれイージーコントラスト(視野角測定装置)で測定したところ、図33の拡散フィルム1付のグラフに示すようにサイドローブのない正面輝度分布を得ることができた。
更に上述のようにして作製した光学シートA,B,Cを80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートAは光拡散層、レンズシート、拡散フィルムは剥がれたり、そりが発生せず、接着剤からも気泡が発生しなかったが、光学シートB,Cは剥がれや反りが発生した。
また、輸送による振動状態を試験するために、作成した光学シートA,B,Cをそれぞれ冷陰極ランプが入ったランプハウスを筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
また、輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シートA,B,Cに剥がれやそりは発生しなかった。
【0138】
(光学シートの作製方法)
(実施例3)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、三角プリズムの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズピッチPが50μm、高さHが25μmの三角プリズム群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にバーコーターで均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと平行の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートD)。
上述のように作製した光学シートにおいて、粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が0.03%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にバーコーターで均一に塗布した(光学シートE)。
また上述のように作製した光学シートにおいて、粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が30%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にバーコーターで均一に塗布した(光学シートF)。
このように作製された光学シートD,Eをそれぞれイージーコントラスト(視野角測定装置)で測定したところ、図33の拡散フィルム1付のグラフに示すようにサイドローブのない正面輝度分布を得ることができた。しかし光学シートFは、粘着ムラが視認面側から確認された。
更に上述のようにして作製した光学シートD,E、Fを80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートD、Fは剥がれたり、そりが発生せず、接着剤からも気泡が発生しなかったが、光学シートEは剥がれた。
【0139】
(光学シートの作製方法)
(実施例4)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、三角プリズムの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズピッチPが50μm、高さHが25μmの三角プリズム群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にスプレー法で均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を膜厚Tが5μmで全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと平行の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートG)。
上述のように作製した光学シートにおいて、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を膜厚Tが12μmで全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。(光学シートH)。
また上述のように作製した光学シートにおいて、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を膜厚Tが30μmで全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。(光学シートI)。
上述のようにして作製した光学シートG,H,Iを80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートG、Hでは反りが発生せず、接着剤からも気泡が発生しなかったが、光学シートIは反りが発生した。また、光学シートG,H,Iの端面を実体顕微鏡で観察したところ、光学シートG,Hでは第1の間隙6が確認されたが、光学シートIでは第1の間隙6は接着剤で埋まっていることが分かった。
【0140】
(光学シートの作製方法)
(実施例5)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、マイクロレンズ形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズ直径が50μm、高さHが25μm、頂角θが90°のマイクロレンズ群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にスプレー法で均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルム1の一方の面にアクリル系の接着剤を全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を作製した。さらに光学シート9の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートJ)。
上述のように作製した光学シートにおいて、レンズシート5の、レンズ直径が50μm、高さHが25μm、頂角θが55°のマイクロレンズ群であるものを作製した(光学シートK)。
また上述のように作製した光学シートにおいて、レンズシート5の、レンズ直径が50μm、高さHが25μm、頂角θが130°のマイクロレンズ群であるものを作製した(光学シートL)。
このように作製された光学シートJ,K,Lをイージーコントラスト(視野角測定装置)で測定したところ、光学シートJは図33の拡散フィルム1付のグラフに示すようにサイドローブのない正面輝度分布を得ることができた。また光学シートK、Lは図33の拡散フィルム付のグラフのような形状であるが正面輝度が低くディスプレイ用光学シートとしては光学特性が悪かった。
【0141】
(光学シートの作製方法)
(実施例6)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、三角プリズムの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズピッチPが50μm、高さHが25μmの三角プリズム群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にスプレー法で均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと平行の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートA)。
同様に上述のように作製された光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと直行する一組の端面を端から5mmを図5に示す形状のプラスチックの羽目板(支持要素11)で、レンズシート1の単位レンズの1ピッチのみを固定した(光学シートM)。
また、同様に上述のように作製した光学シートにおいて、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと直行する一組の端面を端から5mmを図5に示す形状のプラスチックの羽目板(支持要素11)で、レンズシート1の単位レンズの2ピッチのみを固定した(光学シートN)。
このようにして作製された光学シートM,Nを輸送による振動状態を試験するために、光学シートM,Nを冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シートNには剥がれやそりは発生しなかったが、好学シートMでは支持要素11が剥がれ光学シートに剥がれが発生した。
【0142】
(光学シートの作製方法)
(実施例7)
アクリルニトリルスチレン共重合体の樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、シリンドリカルの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、2枚のシリンドリカルレンズシートを作製した。このレンズのレンズピッチPが60μm、高さHが30μmのシリンドリカルレンズ群である。次に光拡散層7を、透明樹脂をアクリルニトリルスチレン共重合体にし、その中にアクリル粒子を分散配合して作製した。
次に上述のようにして作製された光拡散層7の上にシリンドリカルレンズシートを直交させておいた。
次にこのようにして積層したレンズシート5と光拡散層7の側面を、アルミニウム製で図4(b)に示す形状の支持要素11で光学シート9の向い合う一組の対辺を嵌め合わせて固定した。
このように作製された光学シート9をそれぞれイージーコントラスト(視野角測定装置)で測定したところ、図33の拡散フィルム1付のグラフに示すようにサイドローブのない正面輝度分布を得ることができた。
更に上述のようにして作製した光学シート9を80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートAは光拡散層、レンズシート、拡散フィルムは反りがほとんど発生しなかった。
また作製された光学シート9を輸送による振動状態を試験するために、光学シート9を冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シート9にはそりは発生せず、また支持要素11と光学シート9に剥がれが発生しなかった。
【0143】
(光学シートの作製方法)
(実施例8)
ポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、シリンドリカルの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、2枚のシリンドリカルレンズシートを作製した。このレンズのレンズピッチPが60μm、高さHが30μmのシリンドリカルレンズ群である。次に光拡散層7を、透明樹脂をポリカーボネート樹脂にし、その中にアクリル粒子を分散配合して作製した。
次に上述のようにして作製された光拡散層7の上にシリンドリカルレンズシートを直交させておいた。ここで、今回用いたシリンドリカルレンズシートや光拡散層5の大きさは、37インチサイズのものである。
次にこのようにして積層したレンズシート5と光拡散層7の側面の4辺すべてを、アルミニウム製で図4(b)に示す形状の支持要素11で嵌め合わせて固定した。ここで、各辺に対応する支持要素11にそれぞれ直径5mmの穴を5箇所ずつ数センチずつ離して等間隔で開けた。ここで、支持要素11が金属であると強度があるため、作業時に支持要素11だけを手で持って扱える点で作業効率が良い。この場合、支持要素11に手で押さえるための取っ手が付いているとより作業効率は向上する。
このようにして作製された光学シート9を輸送による振動状態を試験するために、光学シート9を冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
更に上述のようにして作製した光学シート9を80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートAは光拡散層、レンズシート、拡散フィルムは反りがほとんど発生しなかった。
また作製された光学シート9を輸送による振動状態を試験するために、光学シート9を冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シート9にはそりは発生せず、また支持要素11と光学シート9に剥がれが発生しなかった。
【0144】
(光学シートの作製方法)
(実施例9)
ポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、シリンドリカルの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、2枚のシリンドリカルレンズシートを作製した。このレンズのレンズピッチPが60μm、高さHが30μmのシリンドリカルレンズ群である。次に光拡散層7を、透明樹脂をポリカーボネート樹脂にし、その中にアクリル粒子を分散配合して作製した。
次に上述のようにして作製された光拡散層7の上にシリンドリカルレンズシートを直交させておいた。ここで、今回用いたシリンドリカルレンズシートや光拡散層5の大きさは、37インチサイズのものである。
次にこのようにして積層したレンズシート5と光拡散層7の側面の4辺すべてを、ポリカーボネートで、図4(b)に示す形状に射出成形で作製した支持要素11を用いて、積層したレンズシート5と光拡散層7の側面と支持要素11の間に緩衝材として、厚さ10mmのスポンジを間に挟んで固定した。
このようにして作製された光学シート9を輸送による振動状態を試験するために、光学シート9を冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
更に上述のようにして作製した光学シート9を80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートAは光拡散層、レンズシート、拡散フィルムは反りがほとんど発生しなかった。
また作製された光学シート9を輸送による振動状態を試験するために、光学シート9を冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シート9にはしわやそり、またレンズシート5等からの磨耗粉は発生しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】(a)本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係るレンズシートの斜視図を示す説明図である。
【図2】(a)本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係る光学シートの斜視図を示す説明図である。 (c)本発明の実施の形態に係る光学シートの斜視図を示す説明図である。
【図3】(a)本発明の実施の形態に係るレンズシートと粘着層または接着層の一体化の方法を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係るレンズシートと粘着層または接着層の一体化の方法を示す説明図である。 (c)本発明の実施の形態に係るレンズシートと粘着層または接着層の一体化の方法を示す説明図である。
【図4】(a)本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。 (c)本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る光学シートに空気が通り抜けることを示す説明図である。
【図7】(a)本発明の実施の形態に係る光学シートをディスプレイ装置に組み込んだときの空気の流れを示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係る光学シートをディスプレイ装置に組み込んだときの空気の流れを示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るレンズシートの斜視図を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図12】(a)本発明の実施の形態に係る光学シートの上面図を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係る光学シートの上面図を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図23】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図24】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図25】(a)本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。(b) 本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。(c) 本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図26】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の断面図を示す説明図である。
【図27】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の断面図を示す説明図である。
【図28】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の断面図を示す説明図である。
【図29】(a)本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の断面図を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の断面図を示す説明図である。
【図30】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図31】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図32】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図33】BEFを用いた光学シートから出射される光強度分布を示す説明図である。
【符号の説明】
【0146】
1…拡散フィルム、2…粘着層または接着層、3…固定要素、4…第2の間隙、5…レンズシート、6…第1の間隙、7…光拡散層、9…光学シート、11…支持要素、13…ディスプレイ装置、15…光源、17…反射板、19…液晶層、21…偏光板、23…導光板、25…EL、27、29…LED、100…光拡散層の入射面、102…光拡散層の出射面、104…レンズシートの入射面、X…単位レンズの谷部、Y…単位レンズの頂部、N…単位レンズの長手方向、T…粘着層または接着層の膜厚、H…単位レンズの高さ、P…単位レンズのレンズピッチ、G…第1の張出し部、U…第2の張出し部、F…第1の間隙または第2の間隙を流れる空気の流れ、K…光源、S…ディスプレイの視認方向、α…単位レンズの凹凸の谷部Xからの垂線と単位レンズの接線がなす角度、θ…単位レンズの頂角、T…隙間、V…スライド、W…穴、X…反射層、Y…レンズ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、画素単位での透過/非透過のレンズシートおよびディスプレイ用光学シート、あるいは透明状態/散乱状態に応じて表示パターンが規定される表示素子が配置された液晶パネルを、背面側から照明するバックライトユニット、ディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、TFT型液晶パネルやSTN型液晶パネルを使用した液晶表示装置は、主としてOA分野のカラーノートPC(パーソナルコンピュータ)を中心に商品化されている。
【0003】
このような液晶表示装置においては、液晶パネルの背面側(観察者側)に光源を配置し、この光源からの光で液晶パネルを照明する方式、いわゆる、バックライト方式が採用されている。
【0004】
この種のバックライト方式に採用されているバックライトユニットとしては、大別して冷陰極管(CCFT)等の光源ランプを、光透過性に優れたアクリル樹脂等からなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆる、エッジライト方式)と、導光板を用いない「直下型方式」とがある。
【0005】
導光板ライトガイド方式のバックライトユニットが搭載された液晶表示装置としては、例えば、図30に示すものが一般に知られている。
【0006】
これは、上部に偏光板71,73に挟まれた液晶パネル72が設けられ、その下面側に、略長方形板状のPMMA(ポリメチルメタクリレート)やアクリル等の透明な基材からなる導光板79が設置されており、該導光板の上面(光射出側)に拡散フィルム(拡散層)78が設けられている。
【0007】
さらに、この導光板79の下面に、導光板79に導入された光を効率よく上記液晶パネル72方向に均一となるように散乱して反射されるための散乱反射パターン部が印刷などによって設けられる(図示せず)と共に、散乱反射パターン部下方に反射フィルム(反射層)77が設けられている。
【0008】
また、上記導光板79には、側端部に光源ランプ76が取り付けられており、さらに、光源ランプ76の光を効率よく導光板79中に入射させるべく、光源ランプ76の背面側を覆うようにして高反射率のランプリフレクター81が設けられている。上記散乱反射パターン部は、白色である二酸化チタン(TiO2)粉末を透明な接着剤等の溶液に混合した混合物を、所定パターン、例えばドットパターンにて印刷し乾燥、形成したものであり、導光板79内に入射した光に指向性を付与し、光射出面側へと導くようになっており、高輝度化を図るための工夫である。
【0009】
さらに、最近では、光利用効率をアップして高輝度化を図るべく、図31に示すように、拡散フィルム78と液晶パネル72との間に、光集光機能を備えたプリズムフィルム(プリズム層)74,75を設けることが提案されている。このプリズムフィルム74,75は導光板79の光射出面から射出され、拡散フィルム78で拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させるものである。
【0010】
しかしながら、図30に例示した装置では、視野角の制御は、拡散フィルム78の拡散性のみに委ねられており、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部は明るく、周辺部に行くほど暗くなる特性は避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招いていた。
さらに、図31に例示したプリズムフィルムを用いる装置では、プリズムフィルムの枚数が2枚必要であるため、フィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材数の増加によりコストが上昇する原因にもなっていた。
【0011】
一方、直下型方式は、導光板の利用が困難な大型の液晶TVなどの表示装置が用いられている。
【0012】
直下型方式の液晶表示装置としては、図32に例示する装置が一般的に知られている。これにおいては、上部に偏光板71、73に挟まれた液晶パネル72が設けられ、その下面側に、蛍光管等からなる光源51から射出され、拡散フィルム82のような光学シートで拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させるものである。光源51からの光を効率よく照明光として利用するために、光源51の背面には、リフレター52が配置されている。
【0013】
しかしながら、図32に例示する装置でも、視野角の制御は、拡散フィルム82の拡散性のみに委ねられており、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部は明るく、周辺部に行くほど暗くなる特性は避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招いていた。さらに、プリズムフィルムを用いるものでは、プリズムフィルムの枚数が2枚必要であるため、フィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材数の増加によりコストが上昇する原因にもなっていた。
【0014】
また光源51間の間隔が広すぎると、画面上に輝度ムラが生じやすく、光源51の数を減らせず、消費電力の増加及びコストの増加を招く原因となっていた。
【0015】
ところで、このような液晶表示装置では、軽量、低消費電力、高輝度、薄型化であることが市場ニーズとして強く要請されており、それに伴い、液晶表示装置に搭載されるバックライトユニットも、軽量、低消費電力、高輝度であることが要求されている。
【0016】
特に、最近、目覚しい発展をみるカラー液晶表示装置においては、液晶パネルのパネル透過率がモノクロ対応の液晶パネルに比べ格段に低く、そのため、バックライトユニットの輝度向上を図ることが、装置自体の低消費電力を得るために必須となっている。
【0017】
しかしながら、上述したように従来の装置では、高輝度、低消費電力の要請に充分に応えられているとは言いがたく、ユーザからは、低価格、高輝度、高表示品位で、かつ低消費電力の液晶表示装置を実現できるバックライトユニットの開発が待ち望まれている。
【0018】
上記の状況に鑑みて本出願人は、例えば、特許文献1のように、液晶パネルと、この液晶パネルに背面側から光を照明する光源手段とを備え、この光源手段に、光源からの光を液晶パネルへと導くレンズ層が設けられ、該レンズ層焦点面近傍に開口をもつ遮光部を有することを特徴とする液晶表示装置を提案している。
【0019】
上述の特許文献1には、同文献の図1から図3に示されるように、液晶パネルとバックライトユニットの間に、遮光部を有するレンズシートを配置してなる構成が開示されているが、図1から図3のいずれも、レンズシートは液晶パネル側にレンズ部を構成する凹凸形状を有している。
【0020】
上述のレンズシートを介在させたことによる作用効果は、導光板から射出する光が有する拡散性をレンズ作用により変調して、液晶パネル側にレンズ部を構成する凹凸形状を有している。
【0021】
上述のレンズシートを介在させたことによる作用効果は、導光板から射出する光が有する拡散性をレンズ作用に変調して、液晶パネル側に方向を揃えて射出させることが可能となる点にある。
【0022】
加えて、特定箇所に開口を形成したことにより、液晶パネルの画素に入射する光量を選択的に多くすることが可能となり、バックライトの利用効率が向上することと、前記開口の形状を制御することで表示光の視野領域も制御することが可能となることである。
【特許文献1】特開2000−284268号公報
【特許文献2】特開2006−106197号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
ところで、液晶TVや、パソコン用モニターに使用される液晶表示装置では、携帯電話やモバイル端末に比べて、長時間連続して使用される。それに加えて最近では、携帯電話やモバイル端末に使用される液晶表示装置でも、省電力化設計の採用に伴い、従来よりも長時間連続して使用されることが予想される。
【0024】
このように、液晶表示装置がより長時間連続して使用されるようになると、光源から発せられる熱の影響で、バックライトユニットに用いられる光学シートの温度が上昇し、熱変形による反りや剥離が生じたり、またシートの剛性が低いためにたわみが生じたりして、液晶表示装置から表示される画質が低下する恐れがあるという問題がある。
【0025】
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであり拡散フィルム、レンズシート、光拡散層を一体化させることで、薄型で十分な強度を有し、熱変形による反りや剥離が生じたりせず、かつ光学特性を満足する光学シート及びこの光学シートを用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
すなわち請求項1の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートである。
請求項2の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面の4辺と隙間を保持しながら固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートである。
請求項3の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面の4辺のうち、何れか一組の向い合う対辺を固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートである。
請求項4の発明は、前記支持要素は、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面及び前記側面から前記レンズシートの表示外領域を固定する第1の張出し部と、
前記側面から前記光拡散層を固定する第2の張出し部を有することを特徴とする請求項1から請求項3記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項5の発明は、前記第1の張出し部は、
前記レンズシートのレンズ部の少なくとも一つ以上の単位レンズの凹凸と噛み合わせて固定することを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項6の発明は、前記支持要素は、金属からなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項7の発明は、前記支持要素は、樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項8の発明は、前記支持要素は、少なくとも一つ以上の穴が開いていることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項9の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御するレンズシートと
前記レンズシートの出射面側にあり、前記レンズシートからの光を拡散する拡散フィルムを備え、
前記光拡散層と前記レンズシートとは第1の間隙を保持しつつ固定要素を介して一体化しており、
さらに前記レンズシートと前記拡散フィルムとは第2の間隙を保持しつつ粘着層又は接着層を介して一体化しており、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシート及び前記拡散フィルムの何れか一組の向い合う対辺を固定する支持要素を有することを特徴とする請求項3記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項10の発明は、前記固定要素が接着剤を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項11の発明は、前記固定要素が粘着剤を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項12の発明は、前記固定要素が前記接着剤若しくは前記粘着剤の場合に、前記接着剤及び前記粘着剤が微粒子を含有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項13の発明は、前記固定要素がリブを有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項14の発明は、前記固定要素が反射表面を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項15の発明は、前記固定要素の接地面積は、前記レンズシートの入射面の面積に対して0.05%以上20%以下であることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項16の発明は、前記光拡散層の表面が微細な凹凸形状からなることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項17の発明は、前記光拡散層の表面に微粒子層があることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項18の発明は、前記レンズシートのレンズ部が、複数の単位三角プリズムもしくは単位凸シリンドリカルレンズが並列配置されてなる場合に、
前記ディスプレイ用光学シートの向い合う2組の端面のうち、前記単位三角プリズムまたは単位凸シリンドリカルレンズの長手方向と平行となる1組の前記端面が支持要素で固定されており、
もう一方の1組の前記端面の前記第1の間隙及び前記第2の間隙が開放されていることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
請求項19の発明は、前記単位三角プリズムの頂角が70°±30°の範囲に規定されることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項20の発明は、前記単位三角プリズムの谷部付近と頂点付近が丸みを帯びていることを特徴とする請求項1または請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項21の発明は、前記接着剤または接着剤層の厚さTと前記単位レンズの高さHとの間に
2T≦Hの関係が成立することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シートである。
請求項22の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有し、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシートの側面と前記支持要素の間から空気が漏れることを特徴とするディスプレイ用光学シートである。
請求項23の発明は、ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有し、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシートの側面と前記支持要素の間に緩衝材を有することを特徴とするディスプレイ用光学シートである。
請求項24の発明は、請求項1から請求項3または請求項22から請求項23に記載のディスプレイ用光学シートと
前記ディスプレイ用光学シートの裏面に液晶パネルを前記液晶パネルの非視認面側から光を照射する光源を備えることを特徴とするバックライトユニットである。
請求項25の発明は、前記バックライトユニットと、
前記バックライトの前記ディスプレイ用光学シートの光出射面側に前記液晶パネルを備えることを特徴とするディスプレイ装置である。
請求項26の発明は、前記バックライト装置及び前記ディスプレイ装置はそれぞれ光源を有しており、かつ前記光源が冷陰極蛍光ランプ、LED,EL、半導体レーザーのいずれかであることを特徴とする請求項19記載のディスプレイ装置である。
【発明の効果】
【0027】
上述したように、本発明に係るレンズシート、ディスプレイ用光学シート、さらにこれらを用いたバックライトユニット及びディスプレイ装置においては、従来構成と比較して、薄型で十分な強度を有し、熱変形による反りや剥離が生じたりせず、所望の輝度や配光範囲、均一性などを達成する、光学シート、バックライトユニット、ディスプレイ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
図1(a)は、本発明の実施の形態に係る、光学シート9の構成例を示す側面図である。
光学シート9は、光拡散層7とレンズシート5が固定要素3で第1の間隙6を保った状態で一体化されており、さらにレンズシート5のレンズ部の上に拡散フィルム1が粘着層または接着層2を介して第2の間隙4を保ちつつ一体化されたものである。
【0029】
図1(a)及び図26より、この光学シート9は、入射面100からの光Kを、非入射面側である出射面102側に散乱する光拡散層7を備えてなる。
【0030】
ここで、光拡散層7は、透明樹脂とこの透明樹脂の中に分散された透明粒子とを具備して構成されており、これら透明樹脂の屈折率と透明粒子の屈折率が異なるものである必要がある。透明樹脂の屈折率と透明粒子の屈折率の差は0.02以上であることが望ましい。屈折率の差がこれより小さいと十分な光散乱性能が得られない。また、その屈折率差は0.5以下でよい。
【0031】
また光拡散層7は、この光拡散層7に入射した光Hを散乱させながら透過させる必要がある。このため、光拡散層7に含まれる前記透明粒子の平均粒径は0.5〜10.0μmであることが望ましい。好ましくは1.0〜5.0μmである。または、光拡散層7は透明樹脂中に空気を含む微細な空洞を有した構造をしており、透明樹脂と空気の屈折率差で拡散性能を得ても良い。
【0032】
透明樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、PET、ポリプロピレン、アクリルニトリルスチレン共重合体等を使用することができる。
【0033】
ここで、ポリカーボネート、ポリスチレン、メチルスチレン樹脂及びシクロオレフィンポリマーの線膨張係数は、それぞれ6.7×10−5(cm/cm/℃)、7×10−5(cm/cm/℃)、7×10−5(cm/cm/℃)及び6〜7×10−5(cm/cm/℃)である。一方、レンズシート5が、例えばPETを含む場合、PETの線膨張係数は2.7×10−5(cm/cm/℃)であり、光散乱層の線膨張係数の方が大きい。従って、光学シート9が熱を受け、変形する場合には、光散乱層7側に反りが発生する。
しかしながら、本発明の実施の形態では、レンズシート5の線膨張係数が小さいことを考慮し、光拡散層7の線膨張係数を、7.0×10−5(cm/cm/℃)以下とすることにより上述の変形を防止することが可能である。
なお、レンズシート5を押出しの方法で材料としてポリカーボネートを用いて作製する場合は、線膨張係数が他の透明樹脂とほぼ同等であるためそりは発生しない。
【0034】
また、透明粒子としては、無機酸化物からなる透明粒子又は樹脂からなる透明粒子が使用できる。例えば、無機酸化物からなる透明粒子としてはシリカやアルミナ等からなる粒子を挙げることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリルニトリルスチレン共重合体の粒子、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン―ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン―ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン―テトラフルオロエチレン共重合体)等の含フッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子等を挙げることができる。これら透明粒子は、2種類以上を混合して使用してもよい。
【0035】
そして、これら透明樹脂中に透明粒子を分散して、押出し成型することにより、板状の光拡散層7を製造することができる。その厚みは、1〜5mmであることが望ましい。
1mm未満の場合、光拡散層7は薄くこしがないのでたわむという欠点がある。一方5mmを越えると、光源15からの光の透過率が悪くなるという欠点がある。
【0036】
さらにまた、光拡散層7は表面に微細な凹凸を具備し、この表面の微細な凹凸で光の拡散性を有していても良い。この場合、光拡散層7は当該分野でよく知られた押し出し法、キャスト法、または押し出し法とキャスト法を併用した方法で作成される。ここで、微細な凹凸の種類としては、凸状シリンドリカル形状のもの、レンズ形状のもの、三角プリズム形状が挙げられるが、これらに限らず、光拡散層7の光拡散機能が微細な凹凸が付与される前に比較して向上する凹凸形状のものであれば上記の形状に限らない。
【0037】
また、光拡散層7の表面に微細な凹凸を形成することは、上述の光拡散機能にとどまらず、後述する第1の間隙6を確保することも可能となる。
すなわち、光拡散層7の光出射面102とレンズシート5の光入射面104を接合する際に光拡散層7の光出射面102に形成された微細な凹凸により第1の間隙6を確保することが可能となる。この場合、微細な凹凸として、例えば光拡散層7に凹凸のパターニングをしたものやリブやマイクロレンズが挙げられるが、これに限らず、間隙6を確保することが出来る凹凸の形状であれば良い。
【0038】
更に光拡散層7の両面の表面に、光の拡散性をより向上させるために微粒子層を付けてもよく、この微粒子層は両面に限らず片面に付けたものでもよい。またこの微粒子層については、例えば、ビーズ、スペーサー等を含有する透明インキが挙げられるが、微粒子層の厚さ、微粒子の種類、大きさに限定はなく、光拡散層7の光拡散機能が微粒子層を付与する前と比較して向上するものであればよい。
【0039】
尚、上述のように光拡散層7を透明樹脂に空気を含む微細な空洞で作成する場合、あらかじめ透明樹脂中に含有された発泡剤を発泡させて作成しても良い。また、透明樹脂が相溶しない樹脂を含有し、少なくとも一軸方向に延伸する方法で作成される。
【0040】
この光学シート9は、光拡散層7の出射面102側とレンズシート5の入射面104の間に設けられ、光拡散層7とレンズシート5の第1の間隙6を保持しながら固定する固定要素3を有している。
【0041】
固定要素3として、光拡散層7によって拡散した光を透過する複数のリブ、接着層や粘着剤層、または光散乱層7によって拡散した光を光拡散層7側に反射する複数の反射表面を有するもしくは反射材を含むリブ、反射材を含有した粘着層や接着層が挙げられる。
【0042】
ここで固定要素3は、光拡散層7の非入射面102及びレンズシート5の入射面104を全て覆うものではない。
すなわちこれにより、図1の光拡散層7とレンズシート5の間に設けられ、光拡散層7によって拡散した光を非拡散層側であるレンズシート5に透過する第1の間隙6を備えることができる。この間隙4により透過する光を集光してレンズシート5に導くことが可能となる。第1の間隙6は空気からなる。すなわち第1の間隙6に空気が流れることにより光源15から光学シート9が受ける熱を逃がすことが可能となる。これにより光学シート9のそりや剥離の防止に効果がある。
【0043】
まず、固定要素3として、粘着層または接着層を用いる場合について述べる。粘着層または接着層を付ける位置は、光拡散層7とレンズシート5の表示領域外(ディスプレイ装置にレンズシート5が組み込まれた場合に画像表示に使用される以外の領域をいう)を少なくとも部分的に接合する。
【0044】
しかし場合によっては、ディスプレイの画像表示品位(例えば、固定要素3がディスプレイから視認される等)に影響がなければ、粘着層または接着層が表示領域内にあっても良い。この場合、レンズシート5の入射面104、若しくは光拡散層7の出射面102の面積に対して、固定要素3の接地面積は、0.05%から20%以下が好ましい。
0.05%以下であるとレンズシート5と光拡散層7の密着力が弱く剥がれやすくなる。また、20%以上では、固定要素が光学シートの視認面側から見えてしまう等表示品位が低下するためである。
【0045】
粘着層または接着層としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘着剤や接着剤が挙げられる。いずれの場合も高温のバックライト内で使用されるため、100℃で貯蔵弾性率G’ 1.0E+04 Pa以上であることが望ましい。これより値が低いと、使用中に光拡散層7とレンズシート5がずれてしまう可能性がある。また安定に第1の間隙6を確保するために、粘着層または接着層の中に透明の微粒子、例えば、ビーズ等を混ぜても良い。
また粘着剤は両面テープ状のものでも良いし、単層のものでもよい。
【0046】
さらに、表示領域内に粘着層または接着層を使用する場合、光の吸収は1%以内でなければならない。1%を超えると光学シート9から射出する積算光量が減少し、レンズシート5の形状によらず正面輝度が低下する。
【0047】
粘着層または接着層を塗る方法として、コンマコーター等の各種塗工装置、印刷方式、ディスペンサーやスプレーを用いる方法、または筆等を用いた手作業による塗工であってもよい。
【0048】
ここで、図2より上述の第1の間隙6を設ける方法として、図2(a)に示すように、スペーサー等の微粒子を粘着剤に混ぜて塗布して作製する方法や、光拡散層7に凹凸のパターニングをしておいたものとレンズシート5に粘着層や接着層を塗布やラミネートしたものと張り合わせたり、図2(c)のように、レンズシート5に凹凸を作製したものと光拡散層7に粘着層や接着層を塗布やラミネートしたものと張り合わせて作製する方法もある。
【0049】
また固定要素3として、リブを用いることもできる。このリブを用いる方法により、きわめて安定に第1の間隙6を、一定の厚みで均一に固定することができるので表示品位(光学密着、ムラ、ニュートンリング)などの外観特性を向上することもできる。
【0050】
ここでリブは、一定の形状に成形された透明樹脂から構成される。また透明樹脂中には、無機、有機粒子や気泡などを含有して、拡散や着色など他の効果を併せ持たせてもよい。
【0051】
リブ材料の透明樹脂として、例えばポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリルニトリルスチレン共重合体、ポリカーボネ−ト樹脂、ポリスチレン樹脂、メチルスチレン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、シクロオレフィンポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいはポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等のオリゴマー又はアクリレート系等からなる放射線硬化性樹脂などの透明樹脂が一般的に用いられるが上記の材料以外にもリブの特性を出せる樹脂等も使用することができる。
【0052】
また透明樹脂中に分散させる粒子として、シリカやアルミナ、酸化チタンやカーボンブラック、ガラスビーズなどの無機物や各種樹脂ビーズ等の有機物などを使用することができる。また透明リブに分散させる各種粒子はリブ表面に反射特性を持たせるなど、局所的に配置させたりすることもできる。また樹脂中に気泡などを分散させて粒子の代わりに用いることもできる。これらの透明樹脂中に分散させる粒子や気泡は、使用する用途に応じて、複数種類を組み合わせて使用したり、あえて使用しなくてもよい。
【0053】
リブの高さとしては光学シート9の歪みによる光学密着を妨げるためにレンズシート5と光拡散層7間の第1の間隙6を200nm以上保つ必要がある。また第1の間隙6の厚さが2mmを超えると、リブの視認性が上がり、ムラの原因になり、またサイドから光漏れが起こりやすくなるため好ましくない。
【0054】
リブの非入射面102への接地面積は、接着強度の低下や正面輝度の低下を防止するため、光拡散層7の非入射面102若しくはレンズシート5の入射面104と接するリブの総接地面積を、光拡散層7の非入射面102若しくはレンズシートの入射面104の面積に対して0.01以上60%以下にすることが望ましい。更に、輝度低下を最小限に抑えるためにリブの光拡散層7の非入射面102への設置面積は0.05%以上20%以下にすることがより好ましい。
【0055】
ここで、リブを用いる場合は、上述のような表示領域外に設置位置に限定する必要はなく、レンズシート5の入射面104若しくは光拡散層7の光出射面102の全面に設置できる。
【0056】
また、一つのリブ(場合によっては一群のリブ)の光拡散層7の非入射面102への接地サイズは、光学シート9の上面からリブムラが視認されないように、一方向に延在したレンチキュラー形状や台形形状、プリズム形状などの構造に関してはレンズシート5に接合した部分の接地部分のリブの幅が50μm以下であることが好ましい。また円錐(又は多角台錐、円錐台など)や多角柱、円柱などの柱状、直方体や球状(又は半球状)、楕円体などの構造の接地部分の面積が2500μm2以下にすることが好ましい。
更に視認性を向上させるために前記リブの幅を3μm、面積900μm2以下にすることがより好ましい。
【0057】
リブの形状として一方向に延在したレンチキュラー形状や台形形状、プリズム形状などの構造や多角錐、円錐(又は多角台錐、円錐台など)や多角柱、円柱などの柱状、直方体や球状(又は半球状)、楕円体などの構造であってもよい。
またリブの作製方法によっては、リブの高さが一定であれば側面の形状は不特定の形状であってもよい。これらのリブで第1の間隙6を確保する場合、上記の1種類のリブ構造を全体に使用しても、複数種類のリブ構造を組み合わせて使用してもよい。またこれらのリブの配列はストレイプ状や点線等の周期的なものでもランダムでもよく、設計に応じて適宜選択される。
【0058】
リブの硬さに関してはバックライト使用中の高温下でもレンズシート5と光拡散層7間の反りを最小限に抑えることができるように、適度な柔軟性を有することが好ましい。
リブの高さに関しては全体的に均一にリブが配置されていることが好ましいがレンズシート5の基材の剛性や熱、吸水などによる伸縮に合わせ、適度な高さの変動を有していてもよい。
【0059】
そして、これらの透明樹脂や粒子等を利用して、リブ単体またはレンズシート5の裏面、光拡散層7の表面に一度に放射線硬化成形や押し出し成形、熱プレス成形など種々の方法を用いてリブ形状を作製することができる。また貼り合わせをする場合、リブの片面又は両面に粘着剤や接着剤を使用してレンズシート5と光拡散層7の間を一定の間隙4を有するように一体化することができる。更に他のリブ成形方法として、予め、粘着剤又は接着剤にリブを分散させておき、各種印刷法で塗工することで粘着または接着性を有したリブを一度に作製でき、均一な高さの第1の間隙6を有するように一体化することができる。
【0060】
次に、固定要素3として、複数の反射表面を有するリブもしくは、反射材を含有した接着剤層、反射材を含有した粘着剤を用いる場合について述べる。
【0061】
反射材を含有した粘着層または接着層は、金属粒子または高屈折率透明粒子を上述の粘・接着剤に分散させたものを光拡散層7に塗工することにより作成することができる。
また、反射表面を有するリブの場合は、リブを形成する透明樹脂の中に金属粒子または高屈折率透明粒子を練り混ぜて作成することができる。またリブの表面に光反射性の高い銀やアルミウム、ニッケル等の金属を蒸着やスパッタ等の乾式成膜によっても作成できる。
【0062】
さらにまたは、透明なリブの表面に高屈折率透明粒子を分散混合してなるインキ、もしくは、高屈折率透明粒子を分散混合してなる粘・接着剤層を塗布することによっても作成できる。尚、上記以外に反射性を有する固定要素37の作成方法として、金属粒子または高屈折率透明粒子をバインダーに練りこんだものを転写で形成、又は白箔や金属箔のラミネート形成によっても形成できる。
【0063】
ここで、高屈折率透明粒子としては、例えば、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、クレー、水酸化アルミニウム、硫化亜鉛、シリカおよびシリコーンなどが挙げられる。金属粒子または金属箔としては、例えば、アルミニウムや銀が挙げられる。これらの高屈折率透明粒子、金属粒子または金属箔は1種類を使用しても良いし、複数種類を混ぜて使用しても良い。
【0064】
さらに光反射の機能を有する固定要素3による光の吸収は1%以内でなければならない。1%を超えると光学シート37から射出する積算光量が減少し、レンズシート1の形状によらず軸上輝度が低下する。
上述の反射機能を有する固定要素3の場合、その反射率は70%以上必要であり、よりこの好ましくは80%以上である。70%より低い場合、透過光が増えすぎるため、輝度の低い視野で明部として視認される場合がある。80%以上であれば、輝度の低い視野でも視認されない。
【0065】
また反射機能を有する固定要素3の配置は、上述の反射機能がないリブの場合と同じである。
【0066】
上述のレンズシート5は、図26より、光源15から光拡散層7及び第1の間隙6を伝達してきた光を入射する入射面104から入射し、さらにその光を入射面104の反対面から光学利得が1以上の光Kとして出射するものである。
【0067】
ここで光学利得とは、光学的な拡散部材の拡散性を示す指標の一つであり、完全拡散する拡散体の輝度を1として、その光の輝度との比で表される。測定する拡散部材の拡散性が方向によって偏っている場合、方向ごとの光学利得を出すことで、その拡散部材の拡散特性を示すことが出来る。
また、完全拡散とは、吸収が0で、かつ、どの方向にも一定の強度をもつとする理想的な拡散体のことを示す。つまり、光学利得が1以上であるということは、その測定する方向に光を集める効果を持つことを示し、その値が大きいほど集光効果が強いことを示す。
【0068】
ここで、図1(b)では、レンズシート5は、三角プリズムの形状であるが、これに限らず凸シリンドリカル形状や放物線状のものであってもよい。また三角プリズムにおいて、左右の辺が非対称であってもよく、また辺が直線ではなく曲線になっていてもよい。
また上述の三角プリズムにおいて、その谷部X及び頂部Yが丸みを帯びていてもよい。
さらにレンズシート5と拡散フィルム1粘着層または接着層6で固定することも考慮し、三角プリズムの頂部が平坦でもよい。この場合頂部の平坦の幅は、レンズピッチPに対して0.5%から30%以下が好ましい。すなわち、0.5%以下であるとレンズシート1と粘着層または接着層6が剥離しやすく、30%以上であると視認性が悪くなる。
【0069】
このレンズシート5は、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、アクリルニトリルスチレン共重合体、COP(シクロオレフィンポリマー)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成する。
【0070】
またレンズシート5をUVや放射線硬化型の樹脂(UVや放射線で硬化する材料を含む樹脂であれば特に種類は限定しない)を用いて成形してもよい。
【0071】
ここでレンズシート5が、シリンドリカルレンズである場合には、単位レンズの凹凸の谷部Xからの垂線と単位レンズの接線がなす角度はα(15°<α)である必要がある。
その理由は、互いに隣接する単位レンズの境界(谷部X)のなす角度2αが30°未満であると、成形後の離型性が低下したり、又は、成形を繰り返すうちに金型先端が曲がってしまい成形品離型ができなくなったり、金型取扱時に金型先端を損傷したりして、金型寿命が短くなることが多いためである。
【0072】
また、三角プリズムの場合、頂角は°70±30°であることが好ましい。すなわち、頂角が40°より小さいと正面輝度のみが高く、視野角が狭くなってしまう。また、頂角が100°より大きいと視野角は広くなるが正面輝度が下がりディスプレイが暗くなってしまうためである。
【0073】
図1より、拡散フィルム1は、レンズシート5の出射面(入射面104の裏面)にレンズシート5からの光を拡散させるものであり、粘着層または接着層2を介して第1の間隙4を保ちつつレンズシート5と一体化している。
【0074】
レンズシート5から出射される光は、図33に示すように、正面輝度分布において、軸上輝度のみが過度に向上し、輝度分布の曲線のピーク幅が著しく狭くなり、視域が極端に限定されるため、拡散フィルム1をレンズシート5のレンズ部(レンズシート5のレンズ形状が形成された部分)の上に設けることで、レンズシート5から出射される光のピーク幅を適度に拡げ、またサイドロープを低減させることができる。
また拡散フィルム1の別の機能として、レンズシート5が三角プリズムの場合に頂部がキズ付くのを防いだり、レンズシート5のレンズピッチPとディスプレイの画素により生じるモアレを低減することができる。
【0075】
また、光学シート9のシート剛性は、光拡散層7とレンズシート5のみが一体化したものと比較して、拡散フィルム1まで一体化したものの方が光学シート9のシート剛性は向上し光学シート9をディスプレイ装置に組み込んだ場合にたわみが生じにくくなる。
【0076】
ここで、拡散フィルム1は、PETの基材フィルムに両面もしくは片面にバインダーにフィラーを分散させた層を設けたものか、若しくはポリカーボネートの表面をマット状にしたものを用いることができる。また膜厚は0.05mmから0.3mmで、ヘイズは、40%から80%のものが好ましい。
【0077】
拡散フィルム1とレンズシート5は粘着層または接着層2により固定する。図3は、固定する方法について示したものである。
図3(a)は、拡散フィルム1に粘着層または接着層2をコンマコーター等の各種塗工装置、印刷方式、ディスペンサーやスプレーを用いる方法、または筆等を用いた手作業による塗工により行う。このようにして接着層6を付着した拡散フィルム1をレンズシート5にラミネート等により接着させる。
図3(b)は、図3(a)同様にレンズシート5と拡散フィルム1を粘着層または接着層2を用いて接着させたものであるが、より強固に接着させるため、レンズシート5のレンズ頂部を拡散フィルム1に突き刺してもよい。この場合は、粘着層または接着層2が完全に硬化する前にレンズシート1のレンズ頂部を拡散フィルム1に突き刺し、突き刺した後に粘着層または接着層2を完全に硬化することが望ましい。
図3(c)は、レンズシート5のレンズの頂部にのみ粘着層または接着層2を付与して拡散フィルム1と接着させたものである。
【0078】
粘着層または接着層2としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘着剤や接着剤が挙げられる。いずれの場合も高温のバックライト内で使用されるため、100℃で貯蔵弾性率G’ 1.0E+04 Pa以上であることが望ましい。これより値が低いと、使用中に拡散フィルム1とレンズシート5がずれてしまう可能性がある。また安定に第1の間隙4を確保するために、粘着剤や接着剤の中に透明の微粒子、例えば、ビーズ等を混ぜても良い。
【0079】
また、粘着層または接着層2に用いる粘着剤や接着剤としては、白ボンドのように白濁した透明度の低い材料のものは使用できず、視認性の観点から透明度が高い材料である必要がある。具体的には分光光度計で全光線透過率(JIS K7361−112、粘着剤や接着剤の厚み10μm)が80%以上必要である。
【0080】
さらにレンズシート5と拡散フィルム1を粘着層または接着層2で一体化させる際に間隙4を保つためにはレンズシート5のレンズ高さHと粘着層または接着層2の厚さTの間に2T≦Hである必要がある。これにより確実にレンズシート5と拡散フィルム1の間に第1の間隙4を設けることができる。これにより第1の間隙4に空気が流れることで、光学シート9を冷却することができ、光学シート9のそりや剥離を防ぐのに効果的である。
【0081】
上述のようにして作成された光学シート9は、光拡散層7、レンズシート5、拡散フィルム1と3種類の構成要素が一体化したものであり、このような材料や厚さの異なる構成要素を一体化したものを例えば、液晶表示装置に組込み長時間連続して使用すると光学シート9が光源15からの熱の影響によりはがれや撓みが発生しやすくなる。
【0082】
そこで、図4より、光学シート9の側面を支持要素11で固定することではがれやたわみ、そりを防止できる。特に支持要素11により光学シート9のシート剛性は飛躍的に向上する。図4(a)は光学シート9の側面のみを固定した場合を示している。この場合、光学シート9の両端は、レンズシート5の単位レンズの谷部Xではないところが端部になっていることが好ましい。すなわち、レンズシート5の単位レンズの谷部Xの場合と比較して支持要素11とレンズシート5の接触面積が大きいため強固に支持要素11と接着させることが可能となるからである。
【0083】
図4(b)は、光学シート9の側面のみならず、光学シート9のディスプレイ装置に組み込んだ際にディスプレイとして表示されない表示領域外U、Gのところにも支持要素11が付いているものを示している。この場合は図4(a)と比較してより強固に光学シート9を固定することが可能となる。
【0084】
更に図5は、支持要素11がレンズシート5の単位レンズと嵌合に固定する場合を示したものである。この場合、より安定に光学シート9を固定するため単位レンズの凹凸とかみ合うように固定する。この場合支持要素11とのかみ合いに必要な単位レンズは少なくとも1つ以上(1ピッチ以上)必要である。
【0085】
また図6より、支持要素11は、光学シート9の4辺のうち、向い合う2組の端面のうち一組のみを固定する必要がある。これにより、支持要素11の無い端面は開放されたままであるため、間隙4に空気の流れFがよくなるので、光学シート9を効率良く冷却することが可能となる。従って、液晶表示装置が長時間連続して使用される場合であっても、光学シート9の熱変形による反りや剥離を防ぎ、また支持要素11により光学シート9に撓みを防ぎ、もって画質の低下を阻止することが可能となる。
【0086】
上述の場合に空気の流れFを考慮し、レンズシート5のレンズ部が、複数の単位三角プリズムもしくは単位凸シリンドリカルレンズが並列配置されてなる場合には、光学シート9の向い合う2組の端面のうち、単位三角プリズムまたは単位凸シリンドリカルレンズの長手方向Nと平行となる1組の前記端面が支持要素11で固定する必要がある。もし逆の端面を固定してしまうと第1の間隙4に空気が流れないからである。
【0087】
一方、レンズシート5のレンズ部が、複数の単位凸レンズが2次元配列されてなる場合には、光学シート9の向い合う2組の端面のうち、いずれか1組の端面が支持要素11で固定されていればよい。いずれの方向からでも第1の間隙4に空気が流れるからである。
【0088】
図7より、空気の流れFを考慮するとディスプレイ装置に光学シート9を設置した場合に空気の流れFは図7(a)と図7(b)を比較すると、図7(a)の方が空気の流れが良いので光学シート9をより効率よく冷却できるため好ましい。
【0089】
ここで、支持要素11としては、粘着剤や接着剤、溶着する方法、固定具を用いる方法、エキシマを照射し常温接合する方法等が挙げられる。
【0090】
粘着剤や接着剤としては、例えば、アクリル系、ウレタン系、ゴム系、シリコーン系の粘着剤や接着剤が挙げられる。いずれの場合も高温のバックライト内で使用されるため、100℃で貯蔵弾性率G’ 1.0E+04 Pa以上であることが望ましい。これより値が低いと、使用中に支持要素11が剥がれてしまう可能性がある。また粘着剤や接着剤は両面テープ状のものでも良いし、単層のものでもよい。
【0091】
粘着剤や接着剤を塗る方法として、コンマコーター等の各種塗工装置、印刷方式、ディスペンサーやスプレーを用いる方法、または筆等を用いた手作業による塗工であってもよい。
【0092】
支持要素11として、溶着の手法を用いる場合、例えば、熱や超音波やレーザーを使用する方法が挙げられる。これらの方法は加工法が容易であり、表示領域外の接合に適している。
【0093】
支持要素11として、固定具を用いる場合、固定具としては、例えば図4、図5の支持要素11の形状に成形された樹脂や金属、金属の止め具、ホチキス、テープ、ゴム、クリップなどが挙げられる。また、環境問題を考慮して、生分解プラスチックや、紙、木等のセルロースを含む材質のものでもよい。
また成形された樹脂や金属の止め具はバックライトの筺体と一体化されていても構わない。これらの方法は溶着よりもさらに加工法が容易であり、表示領域外の接合に適している。
【0094】
また、支持要素11を用いて光学シート9を固定する場合、作業効率の向上を考慮して、予め拡散フィルム1、レンズシート5、光拡散層7に位置決め用の開口部を設け、支持要素11に開口部に貫通させるピンを設けることによって、光学シート9を容易に組み立てることができる。このピンは支持要素11に複数箇所あるとより位置精度が向上する。
【0095】
支持要素11として、エキシマを照射し常温接合する方法を用いる場合、178nmのエキシマUVを接合する2つの素材の片方、もしくは両方に照射したのち、2つの素材をラミネートする。ラミネート時に熱をかけても良いし、ラミネート後に熱をかけても良い。
【0096】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について以下に説明する。
上述の光学シート9の場合においては、拡散フィルム1、レンズシート5、光拡散層7がそれぞれ1枚ずつある構成について示したものである。ここで、上述の支持要素11を用いることによって、以下のような光学シート9の構成も可能である。
【0097】
図8は、レンズシート5として、シリンドリカルレンズシートを2枚直交させたものを積み重ね(積層させ)(図9)、さらにその下に光拡散層7を積層したものの側面を支持要素11で固定したものである。
このように、支持要素11を用いることにより、拡散フィルム1の下にレンズシート5が2枚、さらにその下に光拡散層7がある構成等、シートやフィルムが複数枚積層されたものの側面を固定し、光学シート9から空気の流れを確保することによっても、以下に詳述するような方法により、図8に示すような光学シート9のそりを防ぐことが可能である。
【0098】
図9は、レンズシート5として、2枚のシリンドリカルレンズシートが直交して積層されているが、これに限らずレンズシート5の種類としては、三角プリズム、凸シリンドリカル形状や放物線状のものなどのレンズの配列が一次元配列されたものや、マイクロレンズ等のレンズの配列が二次元配列されたものであってもよい。
【0099】
また三角プリズムにおいては、図21に示すように、左右の辺が非対称であってもよく、また辺が直線ではなく曲線になっていてもよい。同様に凸シリンドリカルレンズのように左右の辺が対称な曲線のものだけでなく、左右非対称のものであってもよい。
【0100】
さらに、上述の三角プリズムにおいて、単位レンズの頂点部分や単位レンズ同士の谷部が丸みを帯びていてもよい。また、図15に示すような台形プリズムでもよい。
すなわち、レンズシート5の単位レンズ間に第2の間隙4が形成されれば空気を通すことが可能となるからである。
【0101】
また、複数枚のレンズシート5を積層することを考慮し、上述のレンズシート5の頂部が略平坦でもよい。この場合レンズシート5同士をより安定に積層できる。
さらに、この場合、図23に示すように、レンズ部の頂部の略平坦に上述の高屈折率透明粒子を含有した光反射層を形成してもよい。これによりレンズシート5から出射される光を制御することができるからである。
【0102】
また複数枚のレンズシート5を積層するため、光学密着(ニュートンリングの防止等)を防ぎ、またより空気を通すためにレンズシート5のレンズが形成された面の裏面側に微細な凹凸形状を付与してもよい。
【0103】
上述の構成においては、レンズシート5を少なくとも2枚以上使用する場合について規定しているが、当然レンズシート5は1枚でも良い。なお、レンズシートの材質や製法は上述に示すものと同じである。
【0104】
次に図10は、レンズシート5の上に拡散フィルム1を積層した構成を示したものである。拡散フィルム1を積層する理由は上述の場合と同じでレンズシート5が三角プリズム等の場合に頂部にキズが付くのを防いだり、レンズシート5のレンズピッチPとディスプレイの画素により生じるモアレを低減するため等である。
【0105】
この場合に用いる拡散フィルム1としては、PETの基材フィルムに両面もしくは片面にバインダーにフィラーを分散させた層を設けたものか、若しくはポリカーボネートの表面をマット状にしたものを用いることができる。また部分的に支持要素11で固定する場合等を考慮し、ある程度の剛性があった方が拡散フィルム1の自重によるしわ等が発生しにくいので、拡散フィルム1の膜厚は0.3mm以上であることがより好ましい。またこの場合の拡散フィルム1のヘイズは、40%から80%のものが好ましい。
【0106】
次にレンズシート5の下に積層される光拡散層7は上述の図1の構成で用いる光拡散層7と同じである。
図11は、光拡散層7の表面に凹凸を形成したものである。この場合は凹凸形状はシリンドリカルの形状をしている。これによりレンズシート5と光拡散層7の凹凸の間隙から空気が流れるのでそりの防止には効果がある。
【0107】
ここで、複数枚のレンズシート5を使用したり、例えば、少なくとも1枚のレンズシート1の中に上述の光拡散層7で用いた透明粒子を含有させることで光源15のランプイメージ(光源15があるところは明るく見え、光源15と光源15の間は暗く見えてしまうこと)がほとんどなくなる場合には光拡散層7を用いなくてもよい。
【0108】
例えば、図25は、光拡散層7の上に2枚のレンズシート5が積層されたものを支持要素11で固定した光学シート9を示したものである。ここで2枚のレンズシート5のうち、上に積層されているレンズシート5中には上述の光拡散層7で用いた透明粒子を含有されている。図25(a)は、レンズシート5の全体に透明粒子が含まれているものを示しており、図25(b)は、レンズシート5のレンズ部Y以外に透明粒子が含まれている。また図25(c)は、レンズシート5のレンズ部Yのみに透明粒子が含まれているものを示している。この図25の場合では、図25中の光拡散層7がなくてもランプイメージがほとんどなくなる場合には、光拡散層7がなくても良い。
【0109】
次に支持要素11は、図12(a)に示すように、図1の構成と同様に光学シート9の向い合う一組の対辺を支持要素11で固定する方法と、図12(b)に示すように光学シート9の4辺全部を支持要素11で固定する方法とがある。また、支持要素11の種類や材質や製法は、上述に示したものと同じである。
また場合によっては、例えば、光学シート9の1辺の全てを支持要素11で固定しなくても、光学シート9の1辺を部分的に支持要素11で固定してもよい。
何れの場合においても、光学シート9の間で空気が流れることを前提としたものである。
【0110】
まず、支持要素11で光学シート9の向い合う一組の対辺を支持要素11で固定する方法は、上述の図4、図5で示す方法により固定する。ここで、レンズシート5が複数枚を直交して用いる場合には、積層されるいずれかのレンズシート5同士の間に第2の間隙4が形成されるため、支持要素11で固定されていない、もう一組の対辺は空気が通り抜ける。
【0111】
次に光学シート9の4辺を全て支持要素11で固定する場合は、レンズシート5や光拡散層7の側面全てが固定されているため、光学シート9自体の剛性が飛躍的に向上し、また光学シート9を4辺から固定するのでしわが生じにくい。
この場合、光学シート9の間の空気の流れを確保するため、図13に示すように、レンズシート5、光拡散層7、拡散フィルム1と支持要素11との間に隙間Tを設けることが必要となる。ここで、隙間Tは、光学シート4辺のうち少なくとも一箇所が開いていればよい。また空気の流れを考慮して、入り口と出口の2箇所以上あった方がより好ましい。すなわち、光学シート9の側面と支持要素11の間で空気が漏れていればよい。
【0112】
また光学シート9の4辺を全て支持要素11で固定する場合に、例えば、支持要素11自体に少なくとも1つ以上の穴Wが開いている構成でもよい。ここで、穴Wの大きさや形状、位置、個数は光学シート9の側面と支持要素11の間で空気がより漏れることを考慮して適宜決めればよい。
【0113】
さらに、例えば、支持要素11がプラスチックや、アルミニウムやステンレス等の金属で形成されている場合には、衝撃や高温条件下でのレンズシート5等の伸縮により、レンズシート5や光拡散層7が支持要素11とぶつかり、レンズシート5等から摩擦や衝撃による磨耗粉等が発生するため、光学シート9の側面と支持要素11の間にゴムやスポンジ、バネ等の緩衝材を設けるとよい。この場合は緩衝材から、もしくは緩衝材と支持要素11の間、または緩衝材と光学シート9の間から空気が漏れることが必要となる。
また、空気の漏れをさらによくするためには、緩衝材は支持要素11の全面にある必要はなく、部分的に間隔を置いて緩衝材をつけても良い。このような緩衝材は、支持要素11や光学シート9の側面と固定する場合には適宜粘着剤や接着剤等で固定するとよい。
【0114】
また、図14に示すように、拡散フィルム1、レンズシート5、光拡散層7が配置される位置に支持要素11にスライドVが形成されていてもよい。これにより安定して拡散フィルム1等を配置することができる。この場合、4辺ではなく、3辺のみの固定でもよい。
3辺の場合には、支持要素11が無い辺からレンズシート5等をスライドして挿入できるので作業効率がよいからである。
【0115】
また、支持要素11の光学シート9と接する面側は表面が粗面であることが好ましい。光学シート9と支持要素11との間で空気が流れやすくなるからである。また光学シートの輝度向上のためには、光源15から入射した光Kが光学シート9の端に漏れた光を反射し光学シート9内で再利用するため、支持要素11の光学シート9と接する面側の表面に
上述の高屈折率透明粒子を含有した反射層を形成してもよい。また逆に、ディスプレイ装置13内で光学シート9を設置する筐体が白色で光をよく反射するようなものであれば、支持要素11は透明であってもよい。
【0116】
上述の光学シート9の4辺を支持要素11で固定する場合には、光学シート9におけるレンズシート5や拡散フィルム1、光拡散層7の配置や構成はどのようなものであってもよい。支持要素11と光学シート9の間で空気が漏れるからである。
さらに、支持要素11で固定する場合は、支持要素11で隙間Tを保ちながら固定するので、レンズシート5や拡散フィルム1や光拡散層7の大きさがそれぞれ多少異なっていても良い。
【0117】
上述のようにして作製させる光学シート9の代表的な構成例を以下に示す。
図15は、光拡散層7の上に、レンズシート5として台形プリズム用いたものを示したものである。台形プリズムの第1の間隙6の下には高屈折率透明粒子を含有した反射層Xが形成されている。この場合、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11を固定するとよい。
【0118】
図16は、レンズシート5として、シリンドリカル形状からなるレンズ部Yの裏面に凹凸を付けたものであり、凸部の底辺には、高屈折率透明粒子を含有した反射層Xが形成されている。この場合、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0119】
図17は、図16の光学シート9において、レンズシート5の凹部が楕円の一部、曲面になっているものである。この場合も、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0120】
図18は、レンズシート5として、シリンドリカル形状からなるレンズ部Yの裏面に凹凸を付けたものであり、凹部には高屈折率透明粒子を含有した反射層Xが形成されている。この場合は、支持要素11と光学シート9の隙間Tより空気が漏れるようにするとよい。
この場合、空気の漏れを多くするため、支持要素11で2辺のみを固定するのが好ましい。
【0121】
図19は、レンズシート5として、シリンドリカル形状からなるレンズ部Yの下に微細な凹凸を付けたものである。この場合、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0122】
図20は、レンズシート5として、レンズ部Yの高さが異なる場合のものを示しており、この場合は、支持要素11は左右で支持要素11の高さが異なったり、また別の材質や形状等の支持要素11を適宜選択して固定する。この場合は、支持要素11と光学シート9の隙間Tより空気が漏れるようにするとよい。
【0123】
図21は、レンズシート5として左右のレンズ形状が異なる三角プリズムを用いた場合を示しており、この場合は、より好ましくは、第2の間隙4から空気が流れるように固定要素11で光学シート9を固定する。
【0124】
図22は、レンズシート5として、2枚のシリンドリカルレンズシートを2枚平行に積層させたものである。この場合、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0125】
図23は、レンズシート5として、シリンドリカルレンズシート5の頂部が平坦であり、その頂部に反射層Xが形成されたもの同士が直交して配列され、さらにその上に拡散フィルム1が積層されている。この場合、より好ましくは、第1の間隙6、もしくは図23からは見えないが、拡散フィルム1とレンズシート5の間に形成された第2の間隙4の間から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0126】
図24は、レンズシート5としてシリンドリカルレンズシートが2枚レンズ部を逆向きにして積層されたものである。この場合、より好ましくは、第1の間隙6から空気が流れるように支持要素11で固定するとよい。
【0127】
以上の説明により作成される光学シート9は、バックライトの輝度向上に用いる用途以外にも、LCD、ELやPDPなどディスプレイの視野角コントロールフィルムや、コントラスト向上フィルム、太陽電池用の光制御フィルム、投射スクリーンなどに用いることができる。
【0128】
図26は、本発明の実施の形態に係る、光学シート9を用いたバックライトユニット、ディスプレイ装置の一例を示す側面図である。
本発明の実施の形態に係るバックライトユニットは、ランプハウス内(図示せず)に収納されたシリンダー形状の複数の光源15と、各光源15からの光Kを、偏光板21に挟まれた液晶パネル19に供給する光学シート9を備えてなる。なお、図中17は、複数の光源41の背面側に配置された光反射板である。
【0129】
また、本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置は、前述の光源15と光学シート9とさらにその上に液晶パネル19を含んだ装置である。この場合は、ディスプレイ装置は液晶表示装置を示すが、これに限らず、上述の光学シート9を含んだ、投射スクリーン装置、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等画像を光を利用して表示する表示装置であればその種類は問わない。
【0130】
光学シート9は、光源が、冷陰極蛍光ランプの場合はもちろん、近年、ディスプレイ用光源として注目を浴びているLED、EL、半導体レーザー等を用いたディスプレイ装置にも用いることができる。
【0131】
ここで、ディスプレイ装置の光源としてLEDを用いる場合、図29(a)に示すように、赤色、緑色、青色のLEDのアレイを使用し、導光板等で赤色、緑色、青色のLEDのアレイからの光を混ぜ合わせ白色光として均一に出射するものや、図29(b)に示すように拡散板等を用いた赤色、緑色、青色のLEDのアレイからの光を混ぜ合わせ白色光として均一に出射することができるものにも使用できる。
【0132】
またバックライトユニットにおいては、ますます薄型化が進んでおり、それに従い光源と光学シートの距離も短くなっているが、本願発明の光学シート9を使用すれば直下型やサイドエッジ型のバックライトユニットにおいても、光源ランプ同士の間に暗い箇所生じる等視認性の影響はなく十分に使用することができる。
さらにディスプレイ装置もますます大型化の一途をたどっており、それに伴い光学シート39のサイズも大きくなっていくが、本願発明の光学シート39は薄くて強度が強く、さらに表示品位も優れているためこういった大型ディスプレイ装置にも十分に使用できる。
【0133】
図26は、本願発明にかかる光学シート9を直下型のバックライトユニット及びそれを用いたディスプレイ装置に用いた実施例を示している。
【0134】
図27は、本願発明にかかる光学シート9をサイドエッジ型の導光板23に用いた実施例を示している。
【0135】
図28は、本願発明にかかる光学シート9をディスプレイの光源としてEL光源25を用いた場合の実施例を示している。
【0136】
(光学シートの作製方法)
(実施例1)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、マイクロレンズ形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズ直径が50μm、高さHが25μmのマイクロレンズ群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にスプレー法で均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルム1の一方の面にアクリル系の接着剤を全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を作製した。さらに光学シート9の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した。
このように作製された光学シート9をイージーコントラスト(視野角測定装置)で測定したところ、図33の拡散フィルム1付のグラフに示すようにサイドローブのない正面輝度分布を得ることができた。
更に上述のようにして作製した光学シート9を80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果光拡散層7、レンズシート5、拡散フィルム1は剥がれたり反りが発生せず、接着剤からも気泡が発生しなかった。
また、輸送による振動状態を試験するために、作成した光学シート9と冷陰極ランプが入ったランプハウスを筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
また、輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シート9に剥がれやそりは発生しなかった。
【0137】
(光学シートの作製方法)
(実施例2)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、三角プリズムの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズピッチPが50μm、高さHが25μmの三角プリズム群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にスプレー法で均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと平行の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートA)。
同様に上述のように作製された光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと直行する一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートB)。
また、同様に上述のように作製された光学シート9を、さらに光学シート9の4辺すべての端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートC)。
このように作製された光学シートA,B,Cをそれぞれイージーコントラスト(視野角測定装置)で測定したところ、図33の拡散フィルム1付のグラフに示すようにサイドローブのない正面輝度分布を得ることができた。
更に上述のようにして作製した光学シートA,B,Cを80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートAは光拡散層、レンズシート、拡散フィルムは剥がれたり、そりが発生せず、接着剤からも気泡が発生しなかったが、光学シートB,Cは剥がれや反りが発生した。
また、輸送による振動状態を試験するために、作成した光学シートA,B,Cをそれぞれ冷陰極ランプが入ったランプハウスを筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
また、輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シートA,B,Cに剥がれやそりは発生しなかった。
【0138】
(光学シートの作製方法)
(実施例3)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、三角プリズムの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズピッチPが50μm、高さHが25μmの三角プリズム群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にバーコーターで均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと平行の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートD)。
上述のように作製した光学シートにおいて、粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が0.03%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にバーコーターで均一に塗布した(光学シートE)。
また上述のように作製した光学シートにおいて、粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が30%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にバーコーターで均一に塗布した(光学シートF)。
このように作製された光学シートD,Eをそれぞれイージーコントラスト(視野角測定装置)で測定したところ、図33の拡散フィルム1付のグラフに示すようにサイドローブのない正面輝度分布を得ることができた。しかし光学シートFは、粘着ムラが視認面側から確認された。
更に上述のようにして作製した光学シートD,E、Fを80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートD、Fは剥がれたり、そりが発生せず、接着剤からも気泡が発生しなかったが、光学シートEは剥がれた。
【0139】
(光学シートの作製方法)
(実施例4)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、三角プリズムの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズピッチPが50μm、高さHが25μmの三角プリズム群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にスプレー法で均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を膜厚Tが5μmで全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと平行の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートG)。
上述のように作製した光学シートにおいて、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を膜厚Tが12μmで全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。(光学シートH)。
また上述のように作製した光学シートにおいて、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を膜厚Tが30μmで全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。(光学シートI)。
上述のようにして作製した光学シートG,H,Iを80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートG、Hでは反りが発生せず、接着剤からも気泡が発生しなかったが、光学シートIは反りが発生した。また、光学シートG,H,Iの端面を実体顕微鏡で観察したところ、光学シートG,Hでは第1の間隙6が確認されたが、光学シートIでは第1の間隙6は接着剤で埋まっていることが分かった。
【0140】
(光学シートの作製方法)
(実施例5)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、マイクロレンズ形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズ直径が50μm、高さHが25μm、頂角θが90°のマイクロレンズ群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にスプレー法で均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルム1の一方の面にアクリル系の接着剤を全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を作製した。さらに光学シート9の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートJ)。
上述のように作製した光学シートにおいて、レンズシート5の、レンズ直径が50μm、高さHが25μm、頂角θが55°のマイクロレンズ群であるものを作製した(光学シートK)。
また上述のように作製した光学シートにおいて、レンズシート5の、レンズ直径が50μm、高さHが25μm、頂角θが130°のマイクロレンズ群であるものを作製した(光学シートL)。
このように作製された光学シートJ,K,Lをイージーコントラスト(視野角測定装置)で測定したところ、光学シートJは図33の拡散フィルム1付のグラフに示すようにサイドローブのない正面輝度分布を得ることができた。また光学シートK、Lは図33の拡散フィルム付のグラフのような形状であるが正面輝度が低くディスプレイ用光学シートとしては光学特性が悪かった。
【0141】
(光学シートの作製方法)
(実施例6)
熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、三角プリズムの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、作製されたレンズシート5は、レンズピッチPが50μm、高さHが25μmの三角プリズム群である。次に粒径50μmのアクリル系の微粒子接着剤を接着面積が5%になるように、光拡散層7の出射面102側全体にスプレー法で均一に塗布した。そして、この微粒子接着剤の塗布面である光拡散層7の裏面とレンズシート5の入射面104側を重ね合わせた状態で圧縮した。次に、拡散フィルムの一方の面にアクリル系の接着剤を全面塗布し、上述のレンズシート5のレンズ部を重ね合わせた状態で圧縮した。このようにして光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと平行の一組の端面を端から5mmをプラスチックの羽目板(支持要素11)で固定した(光学シートA)。
同様に上述のように作製された光学シート9を、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと直行する一組の端面を端から5mmを図5に示す形状のプラスチックの羽目板(支持要素11)で、レンズシート1の単位レンズの1ピッチのみを固定した(光学シートM)。
また、同様に上述のように作製した光学シートにおいて、さらに光学シート9の一組の端面のうち三角プリズムの長手方向Nと直行する一組の端面を端から5mmを図5に示す形状のプラスチックの羽目板(支持要素11)で、レンズシート1の単位レンズの2ピッチのみを固定した(光学シートN)。
このようにして作製された光学シートM,Nを輸送による振動状態を試験するために、光学シートM,Nを冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シートNには剥がれやそりは発生しなかったが、好学シートMでは支持要素11が剥がれ光学シートに剥がれが発生した。
【0142】
(光学シートの作製方法)
(実施例7)
アクリルニトリルスチレン共重合体の樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、シリンドリカルの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、2枚のシリンドリカルレンズシートを作製した。このレンズのレンズピッチPが60μm、高さHが30μmのシリンドリカルレンズ群である。次に光拡散層7を、透明樹脂をアクリルニトリルスチレン共重合体にし、その中にアクリル粒子を分散配合して作製した。
次に上述のようにして作製された光拡散層7の上にシリンドリカルレンズシートを直交させておいた。
次にこのようにして積層したレンズシート5と光拡散層7の側面を、アルミニウム製で図4(b)に示す形状の支持要素11で光学シート9の向い合う一組の対辺を嵌め合わせて固定した。
このように作製された光学シート9をそれぞれイージーコントラスト(視野角測定装置)で測定したところ、図33の拡散フィルム1付のグラフに示すようにサイドローブのない正面輝度分布を得ることができた。
更に上述のようにして作製した光学シート9を80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートAは光拡散層、レンズシート、拡散フィルムは反りがほとんど発生しなかった。
また作製された光学シート9を輸送による振動状態を試験するために、光学シート9を冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シート9にはそりは発生せず、また支持要素11と光学シート9に剥がれが発生しなかった。
【0143】
(光学シートの作製方法)
(実施例8)
ポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、シリンドリカルの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、2枚のシリンドリカルレンズシートを作製した。このレンズのレンズピッチPが60μm、高さHが30μmのシリンドリカルレンズ群である。次に光拡散層7を、透明樹脂をポリカーボネート樹脂にし、その中にアクリル粒子を分散配合して作製した。
次に上述のようにして作製された光拡散層7の上にシリンドリカルレンズシートを直交させておいた。ここで、今回用いたシリンドリカルレンズシートや光拡散層5の大きさは、37インチサイズのものである。
次にこのようにして積層したレンズシート5と光拡散層7の側面の4辺すべてを、アルミニウム製で図4(b)に示す形状の支持要素11で嵌め合わせて固定した。ここで、各辺に対応する支持要素11にそれぞれ直径5mmの穴を5箇所ずつ数センチずつ離して等間隔で開けた。ここで、支持要素11が金属であると強度があるため、作業時に支持要素11だけを手で持って扱える点で作業効率が良い。この場合、支持要素11に手で押さえるための取っ手が付いているとより作業効率は向上する。
このようにして作製された光学シート9を輸送による振動状態を試験するために、光学シート9を冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
更に上述のようにして作製した光学シート9を80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートAは光拡散層、レンズシート、拡散フィルムは反りがほとんど発生しなかった。
また作製された光学シート9を輸送による振動状態を試験するために、光学シート9を冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シート9にはそりは発生せず、また支持要素11と光学シート9に剥がれが発生しなかった。
【0144】
(光学シートの作製方法)
(実施例9)
ポリカーボネート樹脂を約300℃に加熱し、ロールに沿わせ延伸しながら厚さ0.3mmのフィルムを成形した後に、シリンドリカルの形状が切削されたシリンダー金型を使用し、加熱されたフィルムを加圧しながら冷却(シリンダー金型自体は80℃)して熱可塑性樹脂の粘性を低下させ完全に硬化させた。この方法により、2枚のシリンドリカルレンズシートを作製した。このレンズのレンズピッチPが60μm、高さHが30μmのシリンドリカルレンズ群である。次に光拡散層7を、透明樹脂をポリカーボネート樹脂にし、その中にアクリル粒子を分散配合して作製した。
次に上述のようにして作製された光拡散層7の上にシリンドリカルレンズシートを直交させておいた。ここで、今回用いたシリンドリカルレンズシートや光拡散層5の大きさは、37インチサイズのものである。
次にこのようにして積層したレンズシート5と光拡散層7の側面の4辺すべてを、ポリカーボネートで、図4(b)に示す形状に射出成形で作製した支持要素11を用いて、積層したレンズシート5と光拡散層7の側面と支持要素11の間に緩衝材として、厚さ10mmのスポンジを間に挟んで固定した。
このようにして作製された光学シート9を輸送による振動状態を試験するために、光学シート9を冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
更に上述のようにして作製した光学シート9を80℃に24時間入れた。この条件はバックライト点灯時の温度を想定している。
その結果、光学シートAは光拡散層、レンズシート、拡散フィルムは反りがほとんど発生しなかった。
また作製された光学シート9を輸送による振動状態を試験するために、光学シート9を冷陰極ランプが入ったランプハウスと共に筐体に組み込みバックライトユニットを作製し、更にバックライトユニットの上に液晶パネルを設置しバックライトユニットと液晶パネルの周辺をとめ具で固定し筐体に入れて液晶表示装置を作製した。
輸送による振動状態を試験するために、上述のように作製された液晶ディスプレイ装置を振動数を5から50Hz、加速度を1.0GとしZ方向に70分、X方向に20分、Y方向に20分試験した。その結果、光学シート9にはしわやそり、またレンズシート5等からの磨耗粉は発生しなかった。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】(a)本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係るレンズシートの斜視図を示す説明図である。
【図2】(a)本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係る光学シートの斜視図を示す説明図である。 (c)本発明の実施の形態に係る光学シートの斜視図を示す説明図である。
【図3】(a)本発明の実施の形態に係るレンズシートと粘着層または接着層の一体化の方法を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係るレンズシートと粘着層または接着層の一体化の方法を示す説明図である。 (c)本発明の実施の形態に係るレンズシートと粘着層または接着層の一体化の方法を示す説明図である。
【図4】(a)本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。 (c)本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る光学シートに空気が通り抜けることを示す説明図である。
【図7】(a)本発明の実施の形態に係る光学シートをディスプレイ装置に組み込んだときの空気の流れを示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係る光学シートをディスプレイ装置に組み込んだときの空気の流れを示す説明図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るレンズシートの斜視図を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図12】(a)本発明の実施の形態に係る光学シートの上面図を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係る光学シートの上面図を示す説明図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る光学シートの断面図を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図17】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図20】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図21】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図22】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図23】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図24】本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図25】(a)本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。(b) 本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。(c) 本発明の実施の形態に係る光学シート構成例を示す断面図を示す説明図である。
【図26】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の断面図を示す説明図である。
【図27】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の断面図を示す説明図である。
【図28】本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の断面図を示す説明図である。
【図29】(a)本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の断面図を示す説明図である。 (b)本発明の実施の形態に係るディスプレイ装置の断面図を示す説明図である。
【図30】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図31】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図32】従来技術による液晶表示装置の構成例を示す説明図である。
【図33】BEFを用いた光学シートから出射される光強度分布を示す説明図である。
【符号の説明】
【0146】
1…拡散フィルム、2…粘着層または接着層、3…固定要素、4…第2の間隙、5…レンズシート、6…第1の間隙、7…光拡散層、9…光学シート、11…支持要素、13…ディスプレイ装置、15…光源、17…反射板、19…液晶層、21…偏光板、23…導光板、25…EL、27、29…LED、100…光拡散層の入射面、102…光拡散層の出射面、104…レンズシートの入射面、X…単位レンズの谷部、Y…単位レンズの頂部、N…単位レンズの長手方向、T…粘着層または接着層の膜厚、H…単位レンズの高さ、P…単位レンズのレンズピッチ、G…第1の張出し部、U…第2の張出し部、F…第1の間隙または第2の間隙を流れる空気の流れ、K…光源、S…ディスプレイの視認方向、α…単位レンズの凹凸の谷部Xからの垂線と単位レンズの接線がなす角度、θ…単位レンズの頂角、T…隙間、V…スライド、W…穴、X…反射層、Y…レンズ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項2】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面の4辺と隙間を保持しながら固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項3】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面の4辺のうち、何れか一組の向い合う対辺を固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項4】
前記支持要素は、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面及び前記側面から前記レンズシートの表示外領域を固定する第1の張出し部と、
前記側面から前記光拡散層を固定する第2の張出し部を有することを特徴とする請求項1から請求項3記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項5】
前記第1の張出し部は、
前記レンズシートのレンズ部の少なくとも一つ以上の単位レンズの凹凸と噛み合わせて固定することを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項6】
前記支持要素は、金属からなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項7】
前記支持要素は、樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項8】
前記支持要素は、少なくとも一つ以上の穴が開いていることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項9】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御するレンズシートと
前記レンズシートの出射面側にあり、前記レンズシートからの光を拡散する拡散フィルムを備え、
前記光拡散層と前記レンズシートとは第1の間隙を保持しつつ固定要素を介して一体化しており、
さらに前記レンズシートと前記拡散フィルムとは第2の間隙を保持しつつ粘着層又は接着層を介して一体化しており、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシート及び前記拡散フィルムの何れか一組の向い合う対辺を固定する支持要素を有することを特徴とする請求項3記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項10】
前記固定要素が接着剤を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項11】
前記固定要素が粘着剤を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項12】
前記固定要素が前記接着剤若しくは前記粘着剤の場合に、前記接着剤及び前記粘着剤が微粒子を含有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項13】
前記固定要素がリブを有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項14】
前記固定要素が反射表面を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項15】
前記固定要素の接地面積は、前記レンズシートの入射面の面積に対して0.05%以上20%以下であることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項16】
前記光拡散層の表面が微細な凹凸形状からなることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項17】
前記光拡散層の表面に微粒子層があることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項18】
前記レンズシートのレンズ部が、複数の単位三角プリズムもしくは単位凸シリンドリカルレンズが並列配置されてなる場合に、
前記ディスプレイ用光学シートの向い合う2組の端面のうち、前記単位三角プリズムまたは単位凸シリンドリカルレンズの長手方向と平行となる1組の前記端面が支持要素で固定されており、
もう一方の1組の前記端面の前記第1の間隙及び前記第2の間隙が開放されていることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項19】
前記単位三角プリズムの頂角が70°±30°の範囲に規定されることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項20】
前記単位三角プリズムの谷部付近と頂点付近が丸みを帯びていることを特徴とする請求項1または請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項21】
前記接着剤または接着剤層の厚さTと前記単位レンズの高さHとの間に
2T≦Hの関係が成立することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項22】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有し、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシートの側面と前記支持要素の間から空気が漏れることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項23】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有し、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシートの側面と前記支持要素の間に緩衝材を有することを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項24】
請求項1から請求項3または請求項22から請求項23に記載のディスプレイ用光学シートと
前記ディスプレイ用光学シートの裏面に液晶パネルを前記液晶パネルの非視認面側から光を照射する光源を備えることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項25】
前記バックライトユニットと、
前記バックライトの前記ディスプレイ用光学シートの光出射面側に前記液晶パネルを備えることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項26】
前記バックライト装置及び前記ディスプレイ装置はそれぞれ光源を有しており、かつ前記光源が冷陰極蛍光ランプ、LED,EL、半導体レーザーのいずれかであることを特徴とする請求項19記載のディスプレイ装置。
【請求項1】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項2】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面の4辺と隙間を保持しながら固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項3】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面の4辺のうち、何れか一組の向い合う対辺を固定する支持要素を有することを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項4】
前記支持要素は、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面及び前記側面から前記レンズシートの表示外領域を固定する第1の張出し部と、
前記側面から前記光拡散層を固定する第2の張出し部を有することを特徴とする請求項1から請求項3記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項5】
前記第1の張出し部は、
前記レンズシートのレンズ部の少なくとも一つ以上の単位レンズの凹凸と噛み合わせて固定することを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項6】
前記支持要素は、金属からなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項7】
前記支持要素は、樹脂からなることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項8】
前記支持要素は、少なくとも一つ以上の穴が開いていることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項9】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御するレンズシートと
前記レンズシートの出射面側にあり、前記レンズシートからの光を拡散する拡散フィルムを備え、
前記光拡散層と前記レンズシートとは第1の間隙を保持しつつ固定要素を介して一体化しており、
さらに前記レンズシートと前記拡散フィルムとは第2の間隙を保持しつつ粘着層又は接着層を介して一体化しており、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシート及び前記拡散フィルムの何れか一組の向い合う対辺を固定する支持要素を有することを特徴とする請求項3記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項10】
前記固定要素が接着剤を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項11】
前記固定要素が粘着剤を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項12】
前記固定要素が前記接着剤若しくは前記粘着剤の場合に、前記接着剤及び前記粘着剤が微粒子を含有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項13】
前記固定要素がリブを有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項14】
前記固定要素が反射表面を有することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項15】
前記固定要素の接地面積は、前記レンズシートの入射面の面積に対して0.05%以上20%以下であることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項16】
前記光拡散層の表面が微細な凹凸形状からなることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項17】
前記光拡散層の表面に微粒子層があることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項18】
前記レンズシートのレンズ部が、複数の単位三角プリズムもしくは単位凸シリンドリカルレンズが並列配置されてなる場合に、
前記ディスプレイ用光学シートの向い合う2組の端面のうち、前記単位三角プリズムまたは単位凸シリンドリカルレンズの長手方向と平行となる1組の前記端面が支持要素で固定されており、
もう一方の1組の前記端面の前記第1の間隙及び前記第2の間隙が開放されていることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項19】
前記単位三角プリズムの頂角が70°±30°の範囲に規定されることを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項20】
前記単位三角プリズムの谷部付近と頂点付近が丸みを帯びていることを特徴とする請求項1または請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項21】
前記接着剤または接着剤層の厚さTと前記単位レンズの高さHとの間に
2T≦Hの関係が成立することを特徴とする請求項9記載のディスプレイ用光学シート。
【請求項22】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有し、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシートの側面と前記支持要素の間から空気が漏れることを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項23】
ディスプレイ用光学シートであって、
ディスプレイの光源からの光を拡散する光拡散層と、
前記光拡散層の出射面側にあり、前記光拡散層からの光を制御する少なくとも一つ以上のレンズシートを備え、
前記光拡散層及び前記レンズシートの側面を固定する支持要素を有し、
かつ前記光拡散層及び前記レンズシートの側面と前記支持要素の間に緩衝材を有することを特徴とするディスプレイ用光学シート。
【請求項24】
請求項1から請求項3または請求項22から請求項23に記載のディスプレイ用光学シートと
前記ディスプレイ用光学シートの裏面に液晶パネルを前記液晶パネルの非視認面側から光を照射する光源を備えることを特徴とするバックライトユニット。
【請求項25】
前記バックライトユニットと、
前記バックライトの前記ディスプレイ用光学シートの光出射面側に前記液晶パネルを備えることを特徴とするディスプレイ装置。
【請求項26】
前記バックライト装置及び前記ディスプレイ装置はそれぞれ光源を有しており、かつ前記光源が冷陰極蛍光ランプ、LED,EL、半導体レーザーのいずれかであることを特徴とする請求項19記載のディスプレイ装置。
【図12】
【図30】
【図31】
【図32】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図33】
【図30】
【図31】
【図32】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図33】
【公開番号】特開2009−48152(P2009−48152A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−240801(P2007−240801)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]