説明

光学ピックアップの送り制御装置

【課題】使用温度環境が異なったり、エラー信号の検出部に応答遅れがあったりしても常に変わらぬ動作性能を得る。
【解決手段】ディスク1上の情報の記録または再生を行う光学ピックアップ4と、光学ピックアップ4を動力伝達機構6を介して移動させるトラバースモータ5と、このトラバースモータ5駆動力を制御するコントローラ10とを備える送り制御装置において、レンズシフト検出手段8で検出したレンズシフト量が所定のしきいを越えた時点からレンズシフト量に応じた駆動電圧をトラバースモータドライブ出力演算手段103により算出してトラバースモータ5に印加し、この駆動電圧をモータ電圧印加時間設定手段105で設定された規定時間だけトラバースモータ5に出力した後、該駆動電圧の供給を停止するように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学ディスク装置に使用される光学ピックアップの送り制御装置に関し、特に使用温度環境が異なったり、エラー信号の検出部に応答遅れがあったりしても、動作不良の発生を防止できる光学ピックアップの送り制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種従来の光学ピックアップ送り制御装置について、図10から図12を参照して説明する。
【0003】
図10において、ディスク1はスピンドルモータ2により回転され、スピンドルモータ2はスピンドルモータドライバ3により光学ヘッド上の線速が一定となるように制御される構成になっている。光学ピックアップ4は、ディスク1に記録されている情報を光学的に読み取って電気信号に変換したり、情報をディスク1に光学的に書き込んだりするもので、ディスク1上にレーザを集光させてディスク1上のピットで構成されるデータを読み取ったりする対物レンズ4aと、対物レンズ4aを上下方向(フォーカス方向)とディスク1の半径方向(トラッキング方向)に微小移動させるための密アクチュエータ4bと、対物レンズ4a及び密アクチュエータ4b等を搭載するキャリッジ4cを備える。
【0004】
光学ピックアップ4をディスク1の半径方向(トラッキング方向)に移動させる送り機構は、トラバースモータ5と、このトラバースモータ5の駆動力をキャリッジ4cに伝達する送りねじ等からなる動力伝達機構6とから構成される。
【0005】
コントローラ7は、密アクチュエータ4b及びトラバースモータ5を制御するもので、スピンドルモータドライバ3を有するとともに、密アクチュエータドライブ出力手段71及び定電圧パルス発生手段72を備え、この密アクチュエータドライブ出力手段71及び定電圧パルス発生手段72は、対物レンズ4aのキャリッジ中心からのずれ量(以下、レンズシフト量という)を検出するレンズシフト検出手段8が接続されている。密アクチュエータドライブ出力手段71は、レンズシフト検出手段8で検出されたレンズシフト量に応じて密アクチュエータ4bにドライブ出力信号を送出し、密アクチュエータ4bをトラッキング方向に微小送り制御を行う。また、定電圧パルス発生手段73は、レンズシフト検出手段8で検出されたレンズシフト量に応じて発生する定電圧パルスをトラバースモータ5に印加してキャリッジ4cを移動制御する。
【0006】
次に、上記のように構成された光学ピックアップ送り制御装置の動作について説明する。ディスク1に記録されている情報を再生する時には、キャリッジ4cをディスク半径方向(以下、トラッキング方向という)へ送る動作(以下、光軸補正送りという)が発生する。以下では、この動作について述べる。
【0007】
再生動作中、光学ピックアップ4の対物レンズ4aは密アクチュエータ4bによりトラッキング方向外周へ向かって微小移動しながら、回転するディスク1のトラックをトレースしてデータの読み込みを行う。この場合、密アクチュエータ4bは精密な移動ができる構成になっているが、その可動範囲は狭いため、対物レンズ4aが所定の距離以上にキャリッジ4cの中心からずれた時(以下、レンズシフトが発生した時という)キャリッジ4cを移動させ、再び対物レンズ4aをキャリッジ4cの中心位置付近に戻す必要がある。キャリッジ4cを動かすために、動力伝達機構6の摩擦負荷を越えるだけの定電圧パルスを定電圧パルス発生手段72から出力し、この定電圧パルスをトラバースモータ5に印加して駆動することにより、動力伝達機構6を介してキャリッジ4cをトラッキング方向へ移動することで行う。
【0008】
このため、コントローラ7では、通常密アクチュエータ4bをディスク1のトラックへ追従させる制御(トラッキング制御)と、必要に応じてトラバースモータ5を駆動して対物レンズ4aをキャリッジ4cの中心位置付近に制御(トラバース制御)する制御を同時に行っている。
【0009】
以下、この動作を図11及び図12を参照しながら詳細に説明する。図11は従来の光軸補正送りの動作手順を示すフローチャートであり、図12は従来の光軸補正送りの動作説明図である。
【0010】
再生動作を指令を受け取ると、まず、レンズシフト検出手段8によりレンズシフト量を検出し(ステップS111)、キャリッジ4cの移動が必要かどうかを決定する。すなわち、レンズシフト量がしきい値以上か否かを判定する(ステップS112)。ここで、シフト量がしきい値未満で密アクチュエータ4bの可動範囲内である場合は密アクチュエータドライブ出力手段71から密アクチュエータ4bにドライブ出力信号を出力し、密アクチュエータ4bをトラッキング方向へ微小送りする(ステップS113)。そして、ステップS111〜ステップS113の処理を実行することによりレンズシフト量が次第に大きくなり、しきい値以上になると光軸補正送り処理に移行する(ステップS114)。
【0011】
光軸補正送り処理では、図12(A)に示すように、レンズシフト量がしきい値以上になった時、定電圧パルス発生手段72から定電圧パルス(モータ駆動パルス)を図12(B)に示すように発生させ、この定電圧パルスをトラバースモータ5に印加することにより、キャリッジ4cをレンズシフト量がキャンセルされる方向(通常はディスクの外周方向)へ移動させる(ステップS115)。そして、キャリッジ4cが移動したことにより、レンズシフト量が再びしきい値以上かを判定し(ステップS116)、しきい値以上の場合はステップS65に移行してステップS115〜ステップS116の処理を実行する。また、レンズシフト量が減少し再びしきい値未満になった時は、トラバースモータ5への駆動電圧の供給を停止し(ステップS117)、1回目の光軸補正送り処理が終了し(ステップS118)、再びステップS111に戻って密アクチュエータ4bによるレンズ移動のみの制御となる。このように再生動作中は、上述した動作を繰り返す。
【0012】
このようにして、従来の光学ピックアップ送り制御装置でも光軸補正送り動作を行うことができる。
【特許文献1】特開平6−119650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
一般に、密アクチュエータ4bは移動精度が良く使用環境温度による影響が小さいが、キャリッジ4cの送り動作を行う駆動力伝達機構部6は、その送り量が使用環境温度の影響を受け易い。すなわち、低温時にはグリスが硬化し動力伝達機構部4cの摩擦負荷が増大するため、常温時に比べより大きな駆動力が必要となり、高温では逆にグリスの粘性による制動力が低下するため同じ駆動電圧でも移動量が大きくなる。
【0014】
従って、上記のような従来の光学ピックアップ送り制御装置では、該装置の使用環境温度が大きく異なる車載用機器に適用した場合、動力伝達機構の摩擦負荷が大きく変動し、定電圧パルスのパルス高と摩擦負荷の相対関係が変化し、低温でのグリス硬化による負荷の増大でキャリッジが移動しなくなったり、また、これを防ぐために駆動電圧を高めに設定すると高温時にキャリッジの送り量が過剰になって動作が不安定になるという問題があった。
【0015】
また、従来の光学ピックアップ送り制御装置では、検出したレンズシフト量としきい値の大小関係によってトラバースモータに一定電圧のパルスを印加して駆動するため、モータドライブ電圧の供給を行うかどうかを決定するレンズシフト量検出部の応答遅れ時間の存在により、実際にはキャリッジが移動したにも関わらず、レンズシフト量の検出値がしきい値以下とならないため、モータドライブ出力が送出され続け、駆動力が過剰となり、キャリッジ送り量が過剰となって動作が不安定になるという問題があった。
【0016】
さらに、従来の光学ピックアップ送り制御装置では、検出したレンズシフト量としきい値の大小関係によってトラバースモータに一定電圧のパルスを印加して駆動するため、規格外の偏心量をもつディスクを再生した場合、レンズシフト検出信号に偏心成分が重畳し、モータドライブ電圧がキャリッジを正逆両方向への送り電圧として発生し、キャリッジの送り動作が不安定になるという問題があった。
【0017】
本発明はこのような従来の問題点を解決するものであり、本発明の第1の目的は、使用温度環境が異なっても常に変わらぬ動作性能を得ることができる光学ピックアップの送り制御装置を提供することにある。
【0018】
また本発明の第2の目的は、レンズシフト量検出部の中に遅れ時間が存在しても、常に変わらぬ動作性能を得ることができる光学ピックアップの送り制御装置を提供することにある。
【0019】
また本発明の第3の目的は、規格外の偏心量をもつディスクの再生を行っても、常に変わらぬ動作性能を得ることができる光学ピックアップの送り制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0020】
前記第1の目的を達成するために本発明の光学ピックアップの送り制御装置においては、レンズ系のレンズシフト量を検出するレンズシフト検出手段と、前記レンズシフト検出手段で検出したレンズシフト量が所定のしきい値を越えた時点からレンズシフト量に応じた駆動電圧をトラバースモータに印加するトラバースモータドライブ出力演算手段と、前記駆動電圧を規定時間だけ出力した後該駆動電圧の供給を停止する制御手段とを備えるものである。
【0021】
本発明によれば、使用温度環境が異なっても常に変わらぬ動作性能を得ることができる。
【0022】
前記第2の目的を達成するために本発明の光学ピックアップの送り制御装置においては、レンズ系のレンズシフト量を検出するレンズシフト検出手段と、前記レンズシフト検出手段で検出したレンズシフト量が所定のしきい値を越えた時点からレンズシフト量に応じた駆動電圧をトラバースモータに印加するトラバースモータドライブ出力演算手段と、前記トラバースモータドライブ出力演算手段から駆動電圧を規定の時間出力する第1の制御手段と、前記規定の時間駆動電圧を出力した時点から規定の時間前記トラバースモータドライブ出力演算手段からの駆動電圧の出力を停止制御する第2の制御手段とを備えるものである。
【0023】
本発明によれば、レンズシフト量検出部の中に遅れ時間が存在しても、常に変わらぬ動作性能を得ることができる。
【0024】
前記第3の目的を達成するために本発明の光学ピックアップの送り制御装置においては、レンズ系のレンズシフト量を検出するレンズシフト検出手段と、前記レンズシフト検出手段で検出したレンズシフト量が所定のしきい値を越えた時点からレンズシフト量に応じた駆動電圧をトラバースモータに印加するトラバースモータドライブ出力演算手段と、前記トラバースモータドライブ出力演算手段から駆動電圧を規定の時間出力する第1の制御手段と、前記光学ピックアップのディスクに対する相対位置から計算される駆動電圧停止時間を基に前記規定の時間駆動電圧を出力した時点から前記トラバースモータドライブ出力演算手段からの駆動電圧の出力を停止制御する第2の制御手段とを備えるものである。
【0025】
本発明によれば、規格外の偏心量をもつディスクの再生を行っても、常に変わらぬ動作性能を得ることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、上記実施例より明らかなように、レンズシフトの検出遅れによって生じる駆動電圧の供給過剰を防止でき、送り過ぎの発生を防止して送りの安定化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は、ディスクに対して光を集光させて情報の記録または再生を行うレンズ系を有する光学ピックアップと、前記光学ピックアップと前記ディスクの相対位置を制御しながら前記光学ピックアップをディスク半径方向に移動させるトラバースモータを有する光学ピックアップの送り制御装置において、前記レンズ系のレンズシフト量を検出するレンズシフト検出手段と、前記レンズシフト検出手段で検出したレンズシフト量が所定のしきい値を越えた時点からレンズシフト量に応じた駆動電圧をトラバースモータに印加するトラバースモータドライブ出力演算手段と、前記トラバースモータドライブ出力演算手段から駆動電圧を規定の時間出力する第1の制御手段と、前記規定の時間駆動電圧を出力した時点から規定の時間前記トラバースモータドライブ出力演算手段からの駆動電圧の出力を停止制御する第2の制御手段とを備えるものである。
【0028】
本発明は、第1の制御手段が、光軸補正送り制御の開始と同時にカウントを開始して経過時間を計数するタイマカウンタと、光軸補正送り制御時にトラバースモータドライブ出力演算手段からトラバースモータに供給される電圧の印加時間を設定するモータ電圧印加時間設定手段と、前記モータ電圧印加時間設定手段で設定されたモータ電圧印加時間と前記タイマカウンタで計数された経過時間とを比較し、経過時間がモータ電圧印加時間以上になった時に前記トラバースモータドライブ出力演算手段に停止信号を送出する比較手段とから構成され、第2の制御手段が、駆動電圧を出力する規定の時間が経過した時点からトラバースモータへの電圧供給停止時間を設定するモータ供給電圧停止時間設定手段と、前記トラバースモータドライブ出力演算手段を前記モータ供給電圧停止時間設定手段で設定された時間だけ停止させる停止制御手段とから構成されるものである。
【0029】
よって、光ディスク装置の光軸補正送り動作において、レンズシフト量を検出しレンズシフト量が所定のしきい値を越えた時点からレンズシフト量に応じた駆動電圧をトラバースモータに印加し、モータ電圧を規定時間t1だけ供給し、その後モータ電圧を規定時間t2だけ停止するように制御することより、温度変化や負荷のばらつき等により摩擦負荷が変動しても適切な駆動力が供給され、同時にレンズシフト検出の応答時間遅れの影響をキャンセルして、送りすぎの発生を防止し、送りの安定化を図れるという作用を有する。
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図9を用いて説明する。
【0031】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における光学ピックアップ送り制御装置の構成を示すブロック図、図2は本発明の実施の形態1における光軸補正送りの動作を示すフローチャート、図3は本発明の実施の形態1における光軸補正送り時の動作説明用波形図である。
【0032】
図1において、1はディスク、2はディスク1を回転するスピンドルモータである。4はディスク1に記録されている情報を光学的に読み取って電気信号に変換したり、情報をディスク1に光学的に書き込んだりする光学ピックアップであり、この光学ピックアップ4は、ディスク1上にレーザを集光させてディスク1上のピットで構成されるデータを読み取ったりする対物レンズ4aと、この対物レンズ4aを上下方向(フォーカス方向)とディスク1の半径方向(トラッキング方向)に微小移動させるための密アクチュエータ4bと、対物レンズ4a及び密アクチュエータ4b等を搭載するキャリッジ4cを備える。また、8は対物レンズ4aのキャリッジ中心からのずれ量(以下、レンズシフト量という)を検出するレンズシフト検出手段である。
【0033】
10は密アクチュエータ4b及びトラバースモータ5を制御するコントローラであり、このコントローラ10は、スピンドルモータ2をスピンドルモータドライバ3により光学ヘッド上の線速が一定となるように制御するスピンドルモータドライバ101と、レンズシフト検出手段8で検出されたレンズシフト量に応じて密アクチュエータ4bにドライブ出力信号を送出し、密アクチュエータ4bをトラッキング方向に微小送り制御する密アクチュエータドライブ出力手段102と、レンズシフト検出手段8で検出されたレンズシフト量に応じたトラバースモータドライブ出力を演算するトラバースモータドライブ出力演算手段103と、光軸補正送り制御の開始と同時にカウントを開始して経過時間tcを計数するタイマカウンタ104と、光軸補正送り制御時にトラバースモータドライブ出力演算手段103からトラバースモータ5に供給される電圧の印加時間t1を設定するモータ電圧印加時間設定手段105と、モータ電圧印加時間設定手段105で設定されたモータ電圧印加時間t1とタイマカウンタ104で計数された経過時間tcとを比較し、tc>t1の時に停止信号を送出する比較手段106とを備える。トラバースモータドライブ出力演算手段103は、タイマカウンタ104のカウント開始時の信号によりモータドライブ出力電圧の演算を開始してモータ電圧を出力し、比較手段106からの出力信号によりモータドライブ出力演算手段103の演算を停止してトラバースモータ5への電圧供給を停止する構成になっている。
【0034】
次に、上記のように構成された本発明の実施の形態1における光学ピックアップ送り制御装置の動作について、図2及び図3を参照して説明する。
【0035】
再生動作を指令を受け取ると、まず、レンズシフト検出手段8によりレンズシフト量を検出し(ステップS21)、キャリッジ4cの移動が必要かどうかを決定する。すなわち、レンズシフト量がしきい値以上か否かを判定する(ステップS22)。ここで、シフト量がしきい値未満で密アクチュエータ4bの可動範囲内である場合は密アクチュエータドライブ出力手段102から密アクチュエータ4bにドライブ出力信号を出力し、密アクチュエータ4bをトラッキング方向へ微小送りする(ステップS23)。そして、ステップS21〜ステップS23の処理を実行することによりレンズシフト量が次第に大きくなり、このレンズシフト量が図3(A)に示すようにしきい値以上になると光軸補正送り処理に移行する(ステップS24)。
【0036】
光軸補正送り処理がスタートすると、まず、タイマカウンタ104をリセットしてからスタートさせ(ステップS25)、次いで、トラバースモータドライブ出力算出手段103により、レンズシフト検出手段8で検出したレンズシフト量に応じたドライブ出力電圧を演算し(ステップS26)、この電圧をトラバースモータ5に印加する(ステップS27)。これにより、キャリッジ4cをレンズシフト量がキャンセルされる方向へ移動させる。
【0037】
ここで、レンズシフト量には、通常トラッキングエラー信号が用いられ、この信号の低域成分をフィルタで抽出し増幅することによりトラバースモータドライブ出力を生成する。この時、トラバースサーボの周波数帯域は非常に低く、レンズシフト量とトラバースモータドライブ出力の関係はほぼ比例関係にある。
【0038】
トラバースモータドライブ出力算出手段103からトラバースモータ5に供給される電圧の経過時間tcはタイマカウンタ104により計数される。この経過時間tcはモータ電圧印加時間設定手段105で設定されたモータ電圧印加時間t1と比較手段106で比較され、モータ電圧印加時間t1がtc<t1かを判定する(ステップS28)。tc<t1の場合はステップS26に戻り、経過時間tcがモータ電圧印加時間設定手段105で設定されたモータ電圧印加時間t1よりも小さい間は、ステップS26〜ステップS28の処理を繰り返し実行することにより、レンズシフト量に応じてトラバースモータドライブ出力算出手段103から出力されるモータ電圧をトラバースモータ5に供給され続ける。
【0039】
また、比較手段106での判定結果がtc<t1でない、すなわち、経過時間tcがモータ電圧印加時間t1を越えた場合は、比較手段106から出力される信号によりトラバースモータドライブ出力算出手段103を停止させ、トラバースモータ5へのドライブ出力電圧の供給を停止し(ステップS29)、キャリッジ4cの送りを停止する。キャリッジ4cが停止した後は、再びレンズシフト量をレンズシフト検出手段8により検出し、そのレンズシフト量がしきい値以上かをコントローラ10で再度判定する(ステップS30)。ここで、レンズシフト量がしきい値以上の場合はステップS25に戻り、再度タイマカウンタ104をリセットした後スタートさせて、ステップS25以下の一連の処理をレンズシフト量がしきい値以下になるまで繰り返す。この結果、トラバースモータドライブ出力算出手段103からはトラバースモータ5に対して図3(B)に示す波形の電圧が断続して供給される。
【0040】
この時、レンズ4bはトラッキングサーボにより常に動作しているので、レンズシフト量は前回よりも大きな値となる。このため、供給開始電圧値も大きくなり図3(B)に示すような駆動電圧波形となる。また、摩擦負荷と供給開始電圧が合致した時、キャリッジ4cが動く。キャリッジ4cが動いたことによりレンズシフト量がしきい値以下になった時光軸補正送り動作を終了する(ステップS31)。
【0041】
このように本発明の実施の形態1によれば、温度環境の相違や負荷のばらつきによる摩擦負荷の変動を、トラバースモータの駆動電圧を摩擦負荷に適応した値に設定することで吸収し、送り量が過剰となる動作の発生を防止し、送りの安定化を図ることができる。
【0042】
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2における光学ピックアップ送り制御装置の構成を示すブロック図、図5は本発明の実施の形態2における光軸補正送りの動作を示すフローチャート、図6は本発明の実施の形態2における光軸補正送り時の動作説明用波形図である。
【0043】
図4において、図1と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、図1と異なる部分を重点に述べる。この実施の形態2において図1と異なる点は、コントローラ10の内部構成にあり、図1に示す場合と同様にスピンドルモータドライバ101、密アクチュエータドライブ出力手段102、トラバースモータドライブ出力演算手段103、タイマカウンタ104、モータ電圧印加時間設定手段105及び比較手段106を備えるほか、新たにモータ供給電圧停止時間設定手段107と、トラバースモータドライブ出力演算手段103をモータ供給電圧停止時間設定手段107で設定された時間だけ停止させる停止制御手段108を付加したところにある。
【0044】
モータ供給電圧停止時間設定手段107は、モータ電圧印加時間t1が経過した時点からのトラバースモータ5への電圧供給停止時間t2を設定するもので、このモータ電圧供給停止時間t2は、レンズシフト検出手段8の内部に存在する遅れ時間よりも十分に大きな値に設定される。また、停止制御手段108は、タイマカウンタ104で計数された経過時間tcとモータ電圧供給停止時間t2に基づいてトラバースモータドライブ出力演算手段103の停止時間を演算し、この演算結果に基づいてトラバースモータドライブ出力演算手段103をt2の間停止制御する。
【0045】
次に、上記のように構成された本発明の実施の形態2における光学ピックアップ送り制御装置の動作について、図5及び図6を参照して説明する。
【0046】
再生動作を指令を受け取ると、まず、レンズシフト検出手段8によりレンズシフト量を検出し(ステップS51)、キャリッジ4cの移動が必要かどうかを決定する。すなわち、レンズシフト量がしきい値以上か否かを判定する(ステップS52)。ここで、シフト量がしきい値未満で密アクチュエータ4bの可動範囲内である場合は密アクチュエータドライブ出力手段102から密アクチュエータ4bにドライブ出力信号を出力し、密アクチュエータ4bをトラッキング方向へ微小送りする(ステップS53)。そして、ステップS51〜ステップS53の処理を実行することによりレンズシフト量が次第に大きくなり、このレンズシフト量が図6(A)に示すようにしきい値以上になると光軸補正送り処理に移行する(ステップS54)。
【0047】
光軸補正送り処理がスタートすると、まず、タイマカウンタ104をリセットしてからスタートさせ(ステップS55)、次いで、トラバースモータドライブ出力算出手段103により、レンズシフト検出手段8で検出したレンズシフト量に応じたドライブ出力電圧を演算し(ステップS56)、この電圧をトラバースモータ5に印加する(ステップS57)。これにより、キャリッジ4cをレンズシフト量がキャンセルされる方向へ移動させる。
【0048】
ここで、レンズシフト量には、通常トラッキングエラー信号が用いられ、この信号の低域成分をフィルタで抽出し増幅することによりトラバースモータドライブ出力を生成する。この時、トラバースサーボの周波数帯域は非常に低く、レンズシフト量とトラバースモータドライブ出力の関係はほぼ比例関係にある。
【0049】
トラバースモータドライブ出力算出手段103からトラバースモータ5に供給される電圧の経過時間tcはタイマカウンタ104により計数される。この経過時間tcはモータ電圧印加時間設定手段105で設定されたモータ電圧印加時間t1と比較手段106で比較され、モータ電圧印加時間t1がtc<t1かを判定する(ステップS58)。tc<t1の場合はステップS56に戻り、経過時間tcがモータ電圧印加時間設定手段105で設定されたモータ電圧印加時間t1よりも小さい間は、ステップS56〜ステップS58の処理を繰り返し実行することにより、レンズシフト量に応じてトラバースモータドライブ出力算出手段103から出力されるモータ電圧をトラバースモータ5に供給され続ける。
【0050】
また、比較手段106での判定結果がtc<t1でない、すなわち、経過時間tcがモータ電圧印加時間t1を越えた場合は、比較手段106から出力される信号によりトラバースモータドライブ出力算出手段103を停止させ、トラバースモータ5へのドライブ出力電圧の供給を停止し(ステップS59)、キャリッジ4cの送りを停止する。
【0051】
この停止状態において、停止時間演算手段108では、タイマカウンタ104で計数された経過時間tcとモータ供給電圧停止時間設定手段107で設定されたモータ電圧供給停止時間t2を基に停止時間を演算し、モータ電圧供給停止時間t2に達したかを判定する(ステップS60)。すなわち、ステップS55でタイマカウンタ104をスタートさせてからの経過時間tcがt1+t2の時間以内か以上かを判定する。ここで、経過時間tcがt1+t2の時間に達していないと判断された場合はステップS59に戻り、経過時間tcがt1+t2の時間以上になるまでステップS59及びステップS60の処理を繰り返し実行する。そして、時間t2だけ停止した後は、再びレンズシフト量をレンズシフト検出手段8により検出し、そのレンズシフト量がしきい値以上かをコントローラ10で再度判定する(ステップS61)。ここで、レンズシフト量がしきい値以上の場合はステップS55に戻り、再度タイマカウンタ104をリセットした後スタートさせて、ステップS55以下の一連の処理をレンズシフト量がしきい値以下になるまで繰り返す。この結果、トラバースモータドライブ出力算出手段103からはトラバースモータ5に対して図6(B)に示す波形の電圧が断続して供給される。
【0052】
この時、レンズ4bはトラッキングサーボにより常に動作しているので、レンズシフト量は前回よりも大きな値となる。このため、供給開始電圧値も大きくなり図6(B)に示すような駆動電圧波形となる。また、摩擦負荷と供給開始電圧が合致した時、キャリッジ4cが動く。キャリッジ4cが動いたことによりレンズシフト量がしきい値以下になった時光軸補正送り動作を終了する(ステップS62)。
【0053】
このように本発明の実施の形態2によれば、温度環境の相違や負荷のばらつきによる摩擦負荷の変動を、トラバースモータの駆動電圧を摩擦負荷に適応した値に設定することで吸収でき、かつレンズシフト量の検出部の応答遅れ時間の間駆動電力の供給を停止してやることにより、送り過ぎの発生を防止し、送りの安定化を図ることができる。
【0054】
(実施の形態3)
図7は本発明の実施の形態3における光学ピックアップ送り制御装置の構成を示すブロック図、図8は本発明の実施の形態3における光軸補正送りの動作を示すフローチャート、図9は本発明の実施の形態3における光軸補正送り時の動作説明用波形図である。
【0055】
図7において、図1と同一の構成要素には同一符号を付してその構成説明を省略し、図1と異なる部分を重点に述べる。この実施の形態2において図1と異なる点は、コントローラ10の内部構成にあり、図1に示す場合と同様にスピンドルモータドライバ101、密アクチュエータドライブ出力手段102、トラバースモータドライブ出力演算手段103、タイマカウンタ104、モータ電圧印加時間設定手段105及び比較手段106を備えるほか、光学ピックアップ4のディスク1に対する相対位置からモータ電圧停止時間tvを計算するするモータ電圧供給停止時間演算手段109と、タイマカウンタ104で計数された経過時間tcと算出した時間tvに基づいて時間tvの間トラバースモータドライブ出力演算手段103を停止制御する停止制御手段110を新たに付加したところにある。
【0056】
次に、上記の用に構成された本実施の形態3の動作について、図8及び図9を参照しながら説明する。
【0057】
まず、本実施の形態3の動作説明に先立ち、従来例における規格外の偏心量を持つディスクを再生した場合のレンズシフト量に対するモータ電圧及びキャリッジの変位について、図9(a)を参照して説明する。
【0058】
規格外の偏心量を持つディスクに対するレンズシフト量は図9(a)に示すように変化する。このため、レンズシフト検出手段で検出したレンズシフト量としきい値の大小関係によってトラバースモータに対し一定電圧のパルス駆動を行うと、レンズシフト量に対し図9(a)に示すような正逆両方向送りのモータ電圧が発生し、その結果、光学ピックアップのキャリッジの変位は図9(a)に示すようにディスクの内外周両方向へ変化し、送り動作の安定性が失われ動作不良を引き起こし易くなる。
【0059】
そこで、本発明の実施の形態3では、レンズシフト量をしきい値との間で比較する時間間隔を偏心周波数と同期させて常に同位相でレンズシフト検出を行うことにより、偏心成分の影響を受けてディスクの内外周両方向への送りを行うモータ電圧の発生を防止する。以下、本方式の原理について説明する。
【0060】
ディスクに規格外の偏心が存在した場合のレンズシフト量は、時間経過とともに徐々にオフセット値が増えていくDC成分要素と、現在レンズが情報の読み取りを行っている位置での偏心周波数によるAC成分要素の和となる。
【0061】
CD等の光ディスクは線速度一定で情報が記録されているため、ピックアップレンズのディスクに対する相対変位によってディスクの回転速度が変化する(1倍速回転において3.3(最外周)〜8.9(最内周)Hz)。ここで、ディスクの偏心成分の周波数は次式によって計算される。
【0062】
fh = VL / (2・π・r) (1)
fh:ディスク偏心周波数(Hz)
VL :ディスク線速度(m/s)
r:ディスク相対位置(m)
また、ディスクの相対位置rは次式の数1によって計算される。
【0063】
【数1】

レンズシフト量をしきい値と比較する時間間隔(以下モータ電圧供給停止時間)を偏心周波数に同期するように設定した場合、tvは次式にて求められる。
【0064】
tv = 1/fh (3)
tv: モータ電圧供給停止時間(s)
fh:ディスク偏心周波数(Hz)
モータ電圧供給停止時間算出手段109は以上のような計算を行って、レンズシフト量の検出時間間隔tvの計算を行う。
【0065】
次に、実際の動作について、図8を参照して説明する。
【0066】
再生動作を指令を受け取ると、まず、レンズシフト検出手段8によりレンズシフト量を検出し(ステップS81)、キャリッジ4cの移動が必要かどうかを決定する。すなわち、レンズシフト量がしきい値以上か否かを判定する(ステップS82)。ここで、シフト量がしきい値未満で密アクチュエータ4bの可動範囲内である場合は密アクチュエータドライブ出力手段102から密アクチュエータ4bにドライブ出力信号を出力し、密アクチュエータ4bをトラッキング方向へ微小送りする(ステップS83)。そして、ステップS51〜ステップS53の処理を実行することによりレンズシフト量が次第に大きくなり、このレンズシフト量が図9(b)に示すようにしきい値以上になると光軸補正送り処理に移行する(ステップS84)。
【0067】
光軸補正送り処理がスタートすると、まず、タイマカウンタ104をリセットしてからスタートさせ(ステップS85)、次いで、トラバースモータドライブ出力算出手段103により、レンズシフト検出手段8で検出したレンズシフト量に応じたドライブ出力電圧を演算し(ステップS86)、この電圧をトラバースモータ5に印加する(ステップS87)。これにより、キャリッジ4cをレンズシフト量がキャンセルされる方向へ移動させる。
【0068】
ここで、レンズシフト量には、通常トラッキングエラー信号が用いられ、この信号の低域成分をフィルタで抽出し増幅することによりトラバースモータドライブ出力を生成する。この時、トラバースサーボの周波数帯域は非常に低く、レンズシフト量とトラバースモータドライブ出力の関係はほぼ比例関係にある。
【0069】
トラバースモータドライブ出力算出手段103からトラバースモータ5に供給される電圧の経過時間tcはタイマカウンタ104により計数される。この経過時間tcはモータ電圧印加時間設定手段105で設定されたモータ電圧印加時間t1と比較手段106で比較され、モータ電圧印加時間t1がtc<t1かを判定する(ステップS88)。tc<t1の場合はステップS86に戻り、経過時間tcがモータ電圧印加時間設定手段105で設定されたモータ電圧印加時間t1よりも小さい間は、ステップS86〜ステップS88の処理を繰り返し実行することにより、レンズシフト量に応じてトラバースモータドライブ出力算出手段103から出力されるモータ電圧をトラバースモータ5に供給され続ける。
【0070】
また、比較手段106での判定結果がtc<t1でない、すなわち、経過時間tcがモータ電圧印加時間t1を越えた場合は、比較手段106から出力される信号によりトラバースモータドライブ出力算出手段103を停止させ、トラバースモータ5へのドライブ出力電圧の供給を停止し(ステップS89)、キャリッジ4cの送りを停止する。この停止状態において、現在アドレス、すなわち光学ピックアップ4のディスク1に対する相対位置からモータ電圧停止時間tvをモータ電圧供給停止時間演算手段109で計算し(ステップS90)、この算出した時間tvだけトラバースモータドライブ出力演算手段103のドライブ出力がトラバースモータ5に供給されないように停止制御する。
【0071】
次いで、モータ電圧供給停止時間tvに達したかを判定する(ステップS91)。すなわち、ステップS85でタイマカウンタ104をスタートさせてからの経過時間tcがt1+tvの時間以内か以上かを判定する。ここで、経過時間tcがt1+tvの時間に達していないと判断された場合はステップS89に戻り、経過時間tcがt1+tvの時間以上になるまでステップS89〜ステップS91の処理を繰り返し実行する。そして、時間tvだけ停止した後は、再びレンズシフト量をレンズシフト検出手段8により検出し、そのレンズシフト量がしきい値以上かをコントローラ10で再度判定する(ステップS92)。ここで、レンズシフト量がしきい値以上の場合はステップS85に戻り、再度タイマカウンタ104をリセットした後スタートさせて、ステップS85以下の一連の処理をレンズシフト量がしきい値以下になるまで繰り返す。この結果、トラバースモータドライブ出力算出手段103からはトラバースモータ5に対して図9(b)に示す波形の電圧が断続して供給され、光学ピックアップのキャリッジの変位は図9(b)に示すようにディスクの内外周両方向へ変化することのない階段状の波形となる。
【0072】
この時、レンズ4bはトラッキングサーボにより常に動作しているので、レンズシフト量は前回よりも大きな値となる。このため、供給開始電圧値も大きくなり図9(b)に示すような駆動電圧波形となる。また、摩擦負荷と供給開始電圧が合致した時、キャリッジ4cが動く。キャリッジ4cが動いたことによりレンズシフト量がしきい値以下になった時光軸補正送り動作を終了する(ステップS93)。
【0073】
このように本発明の実施の形態3によれば、レンズシフト量を検出する間隔を偏心周波数と同期したタイミングにすることにより、不要なモータ電圧の発生を防ぎ、温度変化や負荷のばらつき等によって摩擦負荷が変動しても適切な駆動電力が供給され、同時にレンズシフト量検出の応答時間遅れの影響をキャンセルできるとともに、偏心の大きなディスクの使用時にレンズシフト量の検出信号に偏心成分が大きく重畳した場合でも、その影響をキャンセルすることができ、ハンチング動作の発生を防止し、送りの安定化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明にかかる光学ピックアップの送り制御装置は、レンズシフトの検出遅れによって生じる駆動電圧の供給過剰を防止でき、送り過ぎの発生を防止して送りの安定化を図ることができるので、光学ディスク装置に使用される光学ピックアップの送り制御装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態1における光学ピックアップ送り制御装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における光軸補正送りの動作を示すフローチャート
【図3】本発明の実施の形態1における光軸補正送り時の動作説明用波形図
【図4】本発明の実施の形態2における光学ピックアップ送り制御装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態2における光軸補正送りの動作を示すフローチャート
【図6】発明の実施の形態2における光軸補正送り時の動作説明用波形図
【図7】本発明の実施の形態3における光学ピックアップ送り制御装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態3における光軸補正送りの動作を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態3における光軸補正送り時の動作説明用波形図
【図10】従来における光学ピックアップ送り制御装置の構成を示すブロック図
【図11】従来における光軸補正送りの動作を示すフローチャート
【図12】従来における光軸補正送り時の動作説明用波形図
【符号の説明】
【0076】
1 ディスク
2 スピンドルモータ
4 光学ピックアップ
4a レンズ
4b 密アクチュエータ
4c キャリッジ
5 トラバースモータ
6 動力伝達機構
8 レンズシフト検出手段
10 コントローラ
101 スピンドルモータドライバ
102 密アクチュエータドライブ出力手段
103 トラバースモータドライブ出力演算手段
104 タイマカウンタ
105 モータ電圧印加時間設定手段
106 比較手段
107 モータ供給電圧停止時間設定手段
108 停止制御手段
109 モータ電圧供給停止時間演算手段
110 停止制御手段




【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクに対して光を集光させて情報の記録または再生を行うレンズ系を有する光学ピックアップと、前記光学ピックアップと前記ディスクの相対位置を制御しながら前記光学ピックアップをディスク半径方向に移動させるトラバースモータを有する光学ピックアップの送り制御装置において、前記レンズ系のレンズシフト量を検出するレンズシフト検出手段と、前記レンズシフト検出手段で検出したレンズシフト量が所定のしきい値を越えた時点からレンズシフト量に応じた駆動電圧をトラバースモータに印加するトラバースモータドライブ出力演算手段と、前記トラバースモータドライブ出力演算手段から駆動電圧を規定の時間出力する第1の制御手段と、前記光学ピックアップのディスクに対する相対位置から計算される駆動電圧停止時間を基に前記規定の時間駆動電圧を出力した時点から前記トラバースモータドライブ出力演算手段からの駆動電圧の出力を停止制御する第2の制御手段とを備えることを特徴とする光学ピックアップの送り制御装置。
【請求項2】
第1の制御手段は、光軸補正送り制御の開始と同時にカウントを開始して経過時間を計数するタイマカウンタと、光軸補正送り制御時にトラバースモータドライブ出力演算手段からトラバースモータに供給される電圧の印加時間を設定するモータ電圧印加時間設定手段と、前記モータ電圧印加時間設定手段で設定されたモータ電圧印加時間と前記タイマカウンタで計数された経過時間とを比較し、経過時間がモータ電圧印加時間以上になった時に前記トラバースモータドライブ出力演算手段に停止信号を送出する比較手段とから構成され、第2の制御手段は、光学ピックアップのディスクに対する相対位置からモータ電圧停止時間tvを計算するモータ電圧供給停止時間演算手段と、タイマカウンタで計数された経過時間と前記算出した時間tvに基づいて時間tvの間前記トラバースモータドライブ出力演算手段を停止制御する停止制御手段とから構成される請求項1記載の光学ピックアップの送り制御装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−221808(P2006−221808A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−109433(P2006−109433)
【出願日】平成18年4月12日(2006.4.12)
【分割の表示】特願平9−283165の分割
【原出願日】平成9年10月1日(1997.10.1)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】