説明

光学フィルムの製造方法

【課題】精密かつ再現性よく凹凸形状の転写された外観に優れる光学フィルムを安定して連続加工し得る製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の光学フィルムの製造方法は、透明基材フィルムの少なくとも一方の面に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布して塗布層を形成する塗布工程と、該塗布層が形成された透明基材フィルムを、凹凸ロールと該凹凸ロールと対向配置されるニップロールとの間に供給して、該塗布層に凹凸ロール表面の凹凸を形状転写させる転写工程と、該塗布層を硬化して、凹凸層を形成する硬化工程とを含み、該塗布層の幅が該ニップロールの幅よりも広い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光の反射を防止する機能または光を拡散させる機能を発揮する光学フィルムとして、表面に凹凸形状を有する光学フィルムが多用されている。このような光学フィルムの製造方法としては、微細な凹凸形状を有する凹凸ロールの凹凸部に硬化型樹脂組成物を充填し、当該凹凸ロールにフィルム基材を接触させると同時に硬化型樹脂組成物を硬化させて、凹凸形状の転写された光学フィルムを得る方法が知られている(例えば、特許文献1)。しかし、この方法では、フィルム基材が滑りやすく、凹凸形状を精密に転写することが困難である。また、外観上の欠点も発生しやすい。
【0003】
このような問題を解決する方法として、表面に樹脂液層が形成されているフィルム基材を、凹凸ロールと当該凹凸ロールに対向配置されるニップロールとで挟圧した後に、樹脂液を硬化させる方法が提案されている(特許文献2、3)。しかし、この方法では、凹凸ロールとニップロールとの間に樹脂液が溜まったり、凹凸ロールが樹脂液に汚染されるという問題がある。これらの問題が生じた場合、フィルム基材の破断が生じ、安定して連続加工することが困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4287109号
【特許文献2】特開2007−106025号公報
【特許文献3】特開2007−118449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、凹凸ロールの汚染を防いで、精密かつ再現性よく凹凸形状の転写された外観に優れる光学フィルムを、安定して連続加工し得る製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光学フィルムの製造方法は、透明基材フィルムの少なくとも一方の面に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布して塗布層を形成する塗布工程と、該塗布層が形成された透明基材フィルムを、凹凸ロールと該凹凸ロールと対向配置されるニップロールとの間に供給して、該塗布層に凹凸ロール表面の凹凸を形状転写させる転写工程と、該塗布層を硬化して、凹凸層を形成する硬化工程とを含み、該塗布層の幅が該ニップロールの幅よりも広い。
好ましい実施形態においては、上記塗布工程後、上記転写工程前に、上記塗布層の粘度を塗布時よりも上昇させる粘度調整工程をさらに含む。
好ましい実施形態においては、上記粘度調整工程において、上記塗布層に活性エネルギー線を照射する。
好ましい実施形態においては、上記活性エネルギー線の発光ピーク波長が380nm〜450nmである。
好ましい実施形態においては、上記硬化工程が、上記透明基材フィルム側から活性エネルギー線を照射して上記塗布層を硬化させることを含む。
好ましい実施形態においては、上記硬化工程において、硬化処理を段階的に行う。
好ましい実施形態においては、上記硬化工程において、1段階目の硬化を上記凹凸ロール上で行い、2段階目の硬化を上記塗布層の形成された透明基材フィルムを該凹凸ロールから剥離した後に行い、2段階目の硬化においては、該塗布層側から活性エネルギー線を照射することを含む。
本発明の別の局面によれば、光学フィルムが提供される。この光学フィルムは、上記凹凸層の幅方向両端部または幅方向両端部の近傍に、該凹凸層の幅方向中央部よりも厚みが大きい厚膜部を有する。
本発明の別の局面によれば、偏光板が提供される。この偏光板は、上記製造方法により得られた光学フィルムを含む。
本発明の別の局面によれば、画像表示装置が提供される。この画像表示装置は、上記製造方法により得られた光学フィルムを含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、ニップロール幅よりも広い幅で透明基材フィルムに塗布した後、当該透明基材フィルムを凹凸ロールとニップロールとの間に供給することにより、凹凸ロールの汚染を防いで、精密かつ再現性よく凹凸形状の転写された外観に優れる光学フィルムを安定して連続加工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の光学フィルムの一実施の形態に係る製造方法を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る製造方法により得られる光学フィルムの概略断面図である。
【図3】(a)は、本発明の製造方法における、塗布層20の幅と各ロールの幅の関係を示す断面図であり、(b)は当該幅の関係を示す斜視図である。
【図4】(a)は、本発明の製造方法おける塗布層20の厚みおよび幅の変動を説明する図であり、(b)は従来の製造方法における塗布層20の厚みおよび幅の変動を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の光学フィルムの一実施の形態に係る製造方法を示す概略図である。本実施の形態では、例えば、本発明の製造方法は、透明基材フィルム10の少なくとも一方の面(図示例では、片面)に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布して塗布層20を形成する塗布工程と、該塗布層20が形成された透明基材フィルム10を、凹凸ロール1と該凹凸ロール1と対向配置されるニップロール2との間に供給して、該塗布層20に凹凸ロール1表面の凹凸を形状転写させる転写工程と、該塗布層20を硬化して、凹凸層21を形成する硬化工程とを含む。なお、転写工程においては、塗布層20が凹凸ロール1と、透明基材フィルム10がニップロール2と接触するようにして、塗布層20が形成された透明基材フィルム10を当該両ロール間に供給して挟圧する。ニップロール2を用いて挟圧することにより、精密かつ再現性よく外観に優れる光学フィルムを得ることができる。本発明の製造方法は、溶媒を用いるか否かに関わらず、凹凸層21表面に凹凸形状を形成させることができる。溶剤を用いない場合は、非防曝型の装置が使用可能となり、結果的に、低コストで光学フィルムを生産することができる。
【0010】
図2は、本発明の一実施の形態に係る製造方法により得られる光学フィルムの概略断面図である。本発明の製造方法によれば、透明基材フィルム10上に表面に微細な凹凸(図示せず)を有する凹凸層21を有する光学フィルム100が得られる。また、図示しないが、1つの実施形態においては、本発明の光学フィルムは、後述するように、凹凸層の幅方向両端部または幅方向両端部の近傍に厚膜部を有する。
【0011】
図3(a)は、本発明の製造方法における、塗布工程における塗布層20の幅と、各ロールの幅の関係とを示す模式断面図であり、図3(b)は当該幅の関係を示す斜視図である。本発明においては、塗布層幅Yを、ニップロール幅Bよりも広くなるように設定する。
【0012】
より好ましくは、透明基材フィルム幅X、塗布層幅Y、凹凸ロール幅Aおよびニップロール幅Bは、図3に示すように、凹凸ロール幅A>透明基材フィルム幅X≧塗布層幅Y>ニップロール幅Bとなるように設定される。これらの幅がこのような関係にあれば、凹凸ロール1の汚染を防いで、精密かつ再現性よく凹凸形状の転写された光学フィルムを安定的に連続加工することができる。なお、本明細書において、凹凸ロール幅およびニップロールロール幅とは、それぞれのロールにおけるロール面の幅をいう。
【0013】
上記塗布層幅Yは、ニップロール幅Bに対して、好ましくは101%〜130%であり、より好ましくは102%〜110%である。このような幅で塗布すれば、凹凸ロール1の汚染を防いで、かつ、製造ロスを少なくすることができる。
【0014】
図4(a)は、本発明の製造方法における塗布層20の厚みおよび幅の変動を説明する図であり、図4(b)は従来の製造方法における塗布層20の厚みおよび幅の変動を説明する図である。本発明においては、上記のように、塗布層幅Yを、ニップロール幅Bよりも広くなるように設定する。こうすることにより、塗布層20が形成された透明基材フィルム10を、転写工程において、凹凸ロール1とニップロール2とにより挟圧した際、塗布層20の幅方向の両端部分にはニップロール2による圧がかからないので、塗布層幅Yの両端側への拡大を抑制できる。挟圧時の塗布層幅Yの拡大を抑制することにより、転写工程前に透明基材フィルム10との接触履歴がない塗布層部分(すなわち、凹凸ロール1とニップロール2とにより挟圧されることによって幅方向の両側へ広がった部分であり、挟圧されて初めて透明基材フィルム10と接触する塗布層部分)の発生を防ぐことができる。一方、図4(b)に示すように、塗布時の塗布層幅Y’がニップロール幅B以下である従来の製造方法においては、挟圧時に塗布層幅Y’が両端側へ拡大して、転写工程前に透明基材フィルム10との接触履歴のない塗布層部分20bが生じる。
【0015】
本発明によれば、上記のとおり、透明基材フィルム10と転写工程前に接触履歴がない塗布層部分の発生を防ぎ、塗布層20は、その全体において、転写工程前に透明基材フィルム10と接触履歴があるので、凹凸ロール1の汚染を防止することができる。このように、凹凸ロール1の汚染が防止される理由は、以下のメカニズムによるものと推察される。すなわち、転写工程前に透明基材フィルム10との接触履歴がある塗布層20は、例えば、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の透明基材フィルム10への浸透、塗布層20と透明基材フィルム10との間の分子間相互作用、塗布層20および透明基材フィルム10の形成成分の反応等により、透明基材フィルム10との密着性が高くなる。本発明における塗布層20は、その全体において、透明基材フィルム10に対する密着性が高いので、凹凸ロール1は、汚染が少なく、清浄な状態が保たれる。その結果、光学フィルムを安定的に連続加工することができる。一方、転写工程前に透明基材フィルム10との接触履歴のない塗布層部分20bが生じる従来の製造方法においては、当該部分の透明基材フィルム10に対する密着性は低い。このため、当該部分からの塗布層成分(代表的には、活性エネルギー線硬化型樹脂)が、凹凸形状を有して表面積の大きい凹凸ロール1側へ付着しやすくなる。なお、本発明は上記メカニズムによって限定されない。
【0016】
A.塗布工程
塗布工程は、任意の適切な塗布手段(図1の塗布手段4)により、透明基材フィルム10の少なくとも一方の面に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布して塗布層20を形成する工程である。
【0017】
上記透明基材フィルム10は、代表的には、透明でかつ光学的に複屈折の少ない樹脂を含むフィルムで構成される。このような樹脂の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状またはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂;塩化ビニル系樹脂、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系樹脂;イミド系樹脂;スルホン系樹脂;ポリエーテルスルホン系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン系樹脂;ポリフェニレンスルフィド系樹脂;ビニルアルコール系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ビニルブチラール系樹脂;アリレート系樹脂;ポリオキシメチレン系樹脂;エポキシ系樹脂;およびこれらのブレンドが挙げられる。好ましくは、トリアセチルセルロース(TAC)、ビニルアルコール系樹脂または(メタ)アクリル系樹脂である。
【0018】
上記透明基材フィルム10は偏光子であってもよい。偏光子としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等が挙げられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素などの二色性物質を吸着させて一軸延伸した偏光子が、偏光二色比が高く、特に好ましい。ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を吸着させて一軸延伸した偏光子は、代表的には、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作製される。延伸は染色した後に行ってもよいし、染色しながら延伸してもよいし、延伸してから染色してもよい。延伸、染色以外にも、例えば、膨潤、架橋、調整、水洗、乾燥等の処理が施されて作製される。
【0019】
上記透明基材フィルム10は、目的に応じて任意の適切な添加剤を含有し得る。添加剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系等の酸化防止剤;耐光安定剤、耐候安定剤、熱安定剤等の安定剤;ガラス繊維、炭素繊維等の補強材;近赤外線吸収剤;トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、トリアリルホスフェート、酸化アンチモン等の難燃剤;アニオン系、カチオン系、ノニオン系の界面活性剤等の帯電防止剤;無機顔料、有機顔料、染料等の着色剤;有機フィラーや無機フィラー;樹脂改質剤;有機充填剤や無機充填剤;可塑剤;滑剤;帯電防止剤;難燃剤;位相差低減剤等が挙げられる。含有される添加剤の種類、組み合わせ、含有量等は、目的や所望の特性に応じて適切に設定され得る。
【0020】
上記透明基材フィルム10には、必要に応じて、塗布層20との密着性を向上させるために表面処理を施してもよい。表面処理としては、例えば、低圧プラズマ処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理、易接着処理等が挙げられる。
【0021】
上記透明基材フィルム10の厚みは、好ましくは10μm〜500μmであり、より好ましくは30μm〜300μmであり、さらに好ましくは40μm〜100μmである。
【0022】
上記透明基材フィルム幅Xは、光学フィルムの用途に応じて、任意の適切な値に設定され得る。好ましくは0.1m〜3mであり、より好ましくは0.4m〜2mである。
【0023】
上記透明基材フィルム10の光透過率は、好ましくは40%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。このような範囲であれば、後工程の硬化工程において、透明基材フィルム10側から活性エネルギー線を照射して(例えば、図1の硬化手段5aにより、活性エネルギー線を照射して)、塗布層20を硬化させることができるので、塗布層20が形成された透明基材フィルム10を凹凸ロール1に巻き付けた状態で硬化処理を行うことができる。このように硬化処理を行えば、精密かつ再現性よく凹凸形状を転写することができる。
【0024】
上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、活性エネルギー線(紫外線や電子線など)を照射して硬化し得る活性エネルギー線硬化型樹脂を含む。活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば、ポリエステル系、(メタ)アクリル系、ウレタン系、シリコーン系、エポキシ系等のモノマー、オリゴマーおよびポリマーが挙げられる。好ましくは、活性エネルギー線硬化型樹脂は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基等の不飽和基を2個以上有する。
【0025】
上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、好ましくは、任意の適切な光重合開始剤を含む。光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス-(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、チオキサントン系化合物等が挙げられる。
【0026】
上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、任意の適切な添加剤をさらに含み得る。添加剤としては、例えば、レベリング剤、ブロッキング防止剤、分散安定剤、揺変剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、分散剤、界面活性剤、触媒、フィラー、滑剤、帯電防止剤、溶媒等が挙げられる。含有される添加剤の種類、組み合わせ、含有量等は、目的や所望の特性に応じて適切に設定され得る。
【0027】
上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、塗布方法に適した粘度に調整するために、溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、析出物、相分離、白濁等が生じず均一に他の成分と混合し得る限り、任意の適切な溶媒を採用し得る。溶媒としては、例えば、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,5−トリオキサン、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、酢酸イソブチル、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2−オクタノン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン,3−ヘプタノン、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。なお、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が溶媒を含む場合には、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物塗布後、転写工程前に溶媒を揮発、乾燥することが好ましい。
【0028】
上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布方法は、任意の適切な方法を採用し得る。例えば、任意の適切なコーターを用いる方法が挙げられる。コーターとしては、例えば、コンマロールコーター、ダイロールコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどが挙げられる。
【0029】
上記塗布層20の転写工程前の厚みは、好ましくは2μm〜30μmであり、より好ましくは3μm〜20μmであり、さらに好ましくは5μm〜10μmである。膜厚が薄すぎると、良好な凹凸形状を形成することができないおそれがある。一方、膜厚が厚すぎると、次工程の転写工程において、凹凸ロール1とニップロール2とにより挟圧された際、塗布層20が幅方向両側に流動して生じる厚膜部の厚みが厚くなりすぎ、フィルムが破断するおそれがある。なお、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が溶媒を含む場合、上記塗布層20の転写工程前の厚みとは、当該溶媒を揮発、乾燥させた後の厚みをいう。
【0030】
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物塗布時の塗布層20(すなわち、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物)の粘度は、採用する塗布方法により塗布が可能であれば限定されず、例えば、5mPa・s〜1000mPa・sである。
【0031】
上記塗布工程後、転写工程前に、上記塗布層20の粘度を塗布時よりも上昇させる粘度調整工程を設けてもよい。転写工程前に、塗布層20の粘度を上昇させてその流動性を低下させれば、転写工程において塗布層20の形成された透明基材フィルム10を挟圧する際に生じ得る塗布層幅Yの広がりをより良好に抑制することができる。塗布層20の粘度を上昇させる方法としては、例えば、塗布層20に活性エネルギー線を照射する方法、塗布層20を冷却する方法等が挙げられる。
【0032】
上記粘度調整工程においては、例えば、図1に示す硬化手段5bにより、上記塗布層20に活性エネルギー線を照射することが好ましい。図1に示すように、活性エネルギー線は、塗布層20側から照射することが好ましい。活性エネルギー線源としては、例えば、LEDランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。活性エネルギー線の発光ピーク波長は、好ましくは380nm〜450nmであり、より好ましくは390nm〜410nmである。このような範囲であれば、照射量により硬化度を制御でき、塗布層20の最表層が硬化することなく、塗布層20の粘度を上昇させることができる。粘度調整工程における活性エネルギー線の照射積算光量は、好ましくは50mJ/cm〜500mJ/cmであり、より好ましくは80mJ/cm〜180mJ/cmである。
【0033】
上記粘度調整工程を設ける場合、粘度調整工程後の塗布層20の粘度は、好ましくは10,000,000mPa・s〜100,000,000mPa・sであり、より好ましくは30,000,000mPa・s〜50,000,000mPa・sである。このような範囲であれば、転写工程において、転写工程において塗布層20が形成された透明基材フィルム10を挟圧する際に生じ得る塗布層幅Yの拡大をより良好に抑制しつつも、塗布層20に凹凸形状を転写することができる。
【0034】
上記塗布工程後、転写工程前に、塗布層20が形成された透明基材フィルム10をプレヒートしてもよい。プレヒートすれば、塗布層20と透明基材フィルム10との密着性が高くなり、転写工程において凹凸ロール1の汚染をより良好に防止することができる。プレヒートの温度は、好ましくは、50℃〜140℃である。プレヒートの時間は、好ましくは、30秒〜5分である。上記粘度調整工程を設ける場合、プレヒートは、粘度調整工程の前に行われることが好ましい。
【0035】
B.転写工程
転写工程は、塗布層20が形成された透明基材フィルム10を、凹凸ロール1と該凹凸ロール1と対向配置されるニップロール2との間に供給して、該塗布層20に凹凸ロール1表面の凹凸を形状転写させる工程である。
【0036】
上記凹凸ロール1は、表面に微細な凹凸パターンを有するロールである。凹凸パターンの形状、凸部の間隔および凹部深さは、所望とする光学フィルムの特性に応じて、適切な値に設定され得る。
【0037】
上記凹凸ロール幅Aは、代表的には、0.3m〜2mである。
【0038】
上記凹凸ロール1の外径は、好ましくは150mm〜1500mmであり、より好ましくは600mm〜1200mmである。凹凸ロール1の外径が150mm以上であれば、次工程(硬化工程)において、塗布層20が形成された透明基材フィルム10を凹凸ロール1に巻き付けた状態で硬化処理を行う場合に、効率よく硬化処理を行うことができる。
【0039】
上記凹凸ロール1表面には、離型処理を施してもよい。これにより、凹凸ロールの汚染を抑制し得る。離型処理としては、例えば、フッ素樹脂によるコーティングが挙げられる。
【0040】
上記ニップロール2は、好ましくは、弾性体で形成される。弾性体としては、好ましくは、シリコンゴムが用いられる。ニップロール2の表面硬度は、JIS K 6253に準じて測定されるゴム硬度で、代表的には30度〜80度である。
【0041】
上記ニップロール幅Bは、代表的には、0.2m〜1.8mである。
【0042】
上記ニップロール2により加えられるニップ圧は、好ましくは0.2MPa/m〜3MPa/mであり、より好ましくは0.8MPa/m〜1.7MPa/mである。このような範囲であれば、精密かつ再現性よく外観に優れる光学フィルムを得ることができる。
【0043】
1つの実施形態においては、図4に示すように、塗布層20が形成された透明基材フィルム10が、凹凸ロール1とニップロール2とにより挟圧された際、ニップ圧により挟圧された塗布層20が幅方向両側に流動し、挟圧後、塗布層20のニップロール2に対応する部分(被挟圧部分)の両外側に厚膜部20aが生じる。本発明においては、上記のように、塗布層成分が凹凸ロールに付着しないので、塗布層の厚膜部は、硬化工程後まで残存する(すなわち、硬化して凹凸層の厚膜部21aとなる)。その結果、得られた光学フィルムは、両端部または両端部近傍に厚膜部を有する。厚膜部を有する光学フィルムは、ブロッキングや巻締りが防止され、光学フィルムを円滑にロール状に巻き取ることができる。このようにロール状に巻き取られた光学フィルムは、他の光学部材(例えば、偏光子)と積層して光学積層体(例えば、偏光板)を作製する際の原反として有効に用いられ得る。
【0044】
C.硬化工程
硬化工程は、塗布層20を硬化して、凹凸層21を形成する工程である。塗布層20を硬化することにより、塗布層20に形成された凹凸形状が固定化される。
【0045】
上記塗布層20の硬化は、代表的には、活性エネルギー線を照射して行う。図1に示すように、活性エネルギー線の照射は、透明基材フィルム10側から行うことが好ましく、塗布層20の形成された透明基材フィルム10を凹凸ロール1に巻き付けた状態、すなわち塗布層20が凹凸ロール1に接触した状態で、透明基材フィルム10側から行うことがより好ましい。このようにすれば、精密かつ再現性よく凹凸形状が転写された光学フィルムを製造することができる。
【0046】
上記活性エネルギー線源としては、例えば、LEDランプ、高圧水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げられる。活性エネルギー線の発光ピーク波長は、好ましくは250nm〜450nmである。活性エネルギー線の発光ピーク波長は、使用する透明基材フィルム10の種類に応じて設定することが好ましい。より詳細には、透明基材フィルム10側から活性エネルギー線の照射を行うことが好ましいことから、透明基材フィルム10が吸収しない領域に発光ピーク波長をもつ活性エネルギー線源を使用すれば、塗布層20を効率良く硬化でき、精密かつ再現性よく凹凸形状を固定化することができる。
【0047】
硬化工程における活性エネルギー線の照射積算光量は、好ましくは100mJ/cm〜600mJ/cmであり、より好ましくは200mJ/cm〜400mJ/cmである。
【0048】
上記塗布層20の硬化は、段階的に行ってもよい。塗布層20を段階的に硬化させれば、耐擦傷性に優れる光学フィルムを得ることができる。塗布層20を段階的に硬化させる場合、第一段階目の硬化(半硬化)は、上記のように塗布層20の形成された透明基材フィルム10を凹凸ロール1に巻き付けた状態で透明基材フィルム10側から活性エネルギー線を照射して(すなわち、図1に示す硬化手段5aにより活性エネルギー線を照射して)行い、第2段階目の硬化(本硬化)は塗布層20が形成された透明基材フィルム10を凹凸ロール1から剥離(代表的には、図1に示すように、剥離ロール3を用いて剥離)した後、塗布層20側から活性エネルギー線を照射して(すなわち、図1に示す硬化手段5a’により活性エネルギー線を照射して)行うことが好ましい。
【0049】
上記塗布層20を硬化して得られる凹凸層21の厚みは、厚膜部が生じない場合、好ましくは1μm〜20μmであり、より好ましくは5μm〜10μmである。また、厚膜部が生じる場合、厚膜部以外の部分の厚みは、好ましくは1μm〜20μmであり、より好ましくは5μm〜10μmであり、厚膜部の厚みは、厚膜部以外の部分(具体的には、幅方向中央部)よりも1μm以上厚いことが好ましい。
【0050】
D.光学フィルム
本発明の製造方法により得られる光学フィルムの具体例としては、モスアイ構造を有するフィルム、防眩性フィルム、レンチキュラーレンズ等の平板状レンズ、導光板、光拡散シート、輝度向上シート、光導波路シート、プリズムシート等のエンボスシート等が挙げられる。また、本発明の製造方法により得られる光学フィルムは、画像表示装置の前面板または偏光板の保護材料として好適に用いられ得る。
【実施例】
【0051】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。また、実施例において、特に明記しない限り、「部」および「%」は重量基準である。
【0052】
(1)粘度
実施例および比較例で用いた活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の粘度を、活性エネルギー線を照射しない場合、および活性エネルギー(光源:水銀キセノンランプ、シグマ光機製シャープカットフィルターSCF−50S−38Lを用い、380nm以下の波長をカット)を積算光量130mJ/cmで照射した場合、それぞれについてREOLOGICA社製UVレオメータRS−100を用いて測定した。
活性エネルギー線を照射しない場合の粘度は、粘度調整工程を設けない場合(実施例1、2および比較例1)の転写工程直前の塗布層の粘度に相当し、活性エネルギー線を照射する場合の粘度は、粘度調整工程を設ける場合(実施例3および比較例2)の転写工程直前の塗布層の粘度に相当する。
(2)ロール汚れ
凹凸ロールへの樹脂汚染(ロール汚れ)は、光学フィルムを連続に加工した後、凹凸ロールの状態を目視確認し、以下の基準で評価した。
◎:端部への樹脂残りも起こらず、安定して500m以上の連続転写可能
○:若干端部への樹脂残りは発生するが、500m以上の連続転写可能
×:経時とともに樹脂残りが顕著に起こり、500m以上の連続転写不可能
××:転写直後から樹脂残りが発生し、短時間でフィルム破断起こり、連続転写不可能
(3)凹凸層の厚み
(株)ミツトヨ社製のマイクロゲージ式厚み計を用い、光学フィルムの全体厚みを測定し、全体厚みから、透明基材フィルムの厚みを差し引くことにより、凹凸層の厚みを算出した。
(4)耐擦傷性
実施例および比較例で得られた光学フィルムを幅11mm、長さ100mmの大きさに切断し、透明基材フィルムを下にしてガラス板に載せた。次いで、当該光学フィルムの凹凸層側表面上で、直径11mmの円柱の断面に取り付けたスチールウール#0000を、荷重400g、100mm/secで10往復させた。その後の凹凸層側表面を目視観察し、以下の基準で評価した。
◎:傷が全く観察されない
○:傷がほとんど観察されない
×:数本以上の傷が観察される
【0053】
<実施例1>
紫外線硬化型アクリル樹脂(日本ペイント(株)製、商品名「ルシフラール」)の樹脂固形分100部当たり、レベリング剤(DIC(株)製、商品名「GRANDIC PC−4133」)0.1重量部、光重合開始剤(BASF社製、商品名「イルガキュア819」)3重量部および反応性希釈剤((株)興人社製、商品名「HEAA」)を混合し、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を調整した。
透明基材フィルムとして、トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム(株)製、商品名「TD80UL」、厚さ:80μm)を準備した。
(塗布工程)
上記透明基材フィルム(幅400mm)の片面に、上記活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を、コンマコータを用いて塗布層を形成した。このとき、塗布層幅は380mmとし、ニップロール幅(幅350mm)より幅の広い塗布層を形成した。また、塗布層の厚みは8μmとした。
(転写工程)
塗布工程で得られた塗布層を形成した透明基材フィルムを、60℃で1分間プレヒートした後、凹凸ロール(幅500mm)とニップロールとの間に供給した。
(硬化工程)
塗布層を形成した透明基材フィルムを凹凸ロールに巻き付けた状態で、透明基材フィルム側から、波長405nmの紫外線(積算光量300mJ/cm2)を照射して、塗布層を硬化させ、光学フィルムを得た。
得られた光学フィルムを上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を下記表1に示す。
【0054】
<実施例2>
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を酢酸エチルにてベース濃度(固形分濃度)40%に希釈し、塗布したこと以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを得た。得られた光学フィルムを上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を下記表1に示す。
【0055】
<実施例3>
硬化工程において、硬化処理を2段階で行った以外は、実施例1と同様にして光学フィルムを得た。1段階目の硬化処理は、塗布層を形成した透明基材フィルムを凹凸ロールに巻き付けた状態で、透明基材フィルム側から波長405nmの紫外線(積算光量300mJ/cm2)を照射して行い、2段階目の硬化処理は、塗布層を形成した透明基材フィルムを凹凸ロールから剥離した後、塗布層側から波長405nmの紫外線(積算光量300mJ/cm2)を照射して行った。得られた光学フィルムを上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を下記表1に示す。
【0056】
<実施例4>
塗布工程と転写工程との間に粘度調整工程を設けた以外は、実施例3と同様にして光学フィルムを得た。粘度調整工程においては、塗布層側から、波長405nmの紫外線(積算光量130mJ/cm2)を照射して行った。得られた光学フィルムを上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を下記表1に示す。
【0057】
<実施例5>
塗布工程において、透明基材フィルム幅を1330mmとし、塗布層幅を1280mmとし、ニップロール幅を1250mmとし、転写工程において、凹凸ロール幅を1500mmとした以外は、実施例4と同様にして光学フィルムを得た。得られた光学フィルムを上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を下記表1に示す。
【0058】
<比較例1>
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布層幅を、300mmとし、ニップロール幅(幅350mm)より幅の狭い塗布層を形成した以外は、実施例3と同様にして光学フィルムを得た。得られた光学フィルムを上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を下記表1に示す。
【0059】
<比較例2>
活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布層幅を、300mmとし、ニップロール幅(幅350mm)より幅の狭い塗布層を形成した以外は、実施例4と同様にして光学フィルムを得た。得られた光学フィルムを上記(1)〜(4)の評価に供した。結果を下記表1に示す。
【0060】
【表1】

【0061】
表1からも明らかなように、本発明の製造方法によれば、活性エネルギー線硬化型樹脂組成物の塗布層幅をニップロール幅より広くすることにより、凹凸ロールの汚染がなく、光学フィルムを安定的に連続加工することができる。また、このような効果は、転写工程直前の塗布層の粘度を上昇させることにより顕著となる(実施例4および5)。硬化処理を段階的に行えば、耐擦傷性に優れる光学フィルムを得ることができる(実施例3〜5)。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の製造方法により得られる光学フィルムは、画像表示装置に好適に用いられ得る。
【符号の説明】
【0063】
1 凹凸ロール
2 ニップロール
3 剥離ロール
4 塗布手段(活性エネルギー線硬化型樹脂組成物塗布)
5a、5a’、5b 硬化手段(活性エネルギー線照射)
10 透明基材フィルム
20 塗布層
20a 塗布層の厚膜部
21 凹凸層
100 光学フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基材フィルムの少なくとも一方の面に活性エネルギー線硬化型樹脂組成物を塗布して塗布層を形成する塗布工程と、
該塗布層が形成された透明基材フィルムを、凹凸ロールと該凹凸ロールと対向配置されるニップロールとの間に供給して、該塗布層に凹凸ロール表面の凹凸を形状転写させる転写工程と、
該塗布層を硬化して、凹凸層を形成する硬化工程とを含み、
該塗布層幅が該ニップロールの幅よりも広い、
光学フィルムの製造方法。
【請求項2】
前記塗布工程後、前記転写工程前に、前記塗布層の粘度を塗布時よりも上昇させる粘度調整工程をさらに含む、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記粘度調整工程において、前記塗布層に活性エネルギー線を照射する、請求項2に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記活性エネルギー線の発光ピーク波長が380nm〜450nmである、請求項3に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記硬化工程が、前記透明基材フィルム側から活性エネルギー線を照射して前記塗布層を硬化させることを含む、請求項1から4のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記硬化工程において、硬化処理を段階的に行う、請求項1から5のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記硬化工程において、
1段階目の硬化を前記凹凸ロール上で行い、
2段階目の硬化を前記塗布層の形成された透明基材フィルムを該凹凸ロールから剥離した後に行い、
2段階目の硬化においては、該塗布層側から活性エネルギー線を照射することを含む、
請求項6に記載の光学フィルムの製造方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の製造方法により得られ、前記凹凸層の幅方向両端部または幅方向両端部の近傍に、該凹凸層の幅方向中央部よりも厚みが大きい厚膜部を有する、光学フィルム。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の製造方法により得られた光学フィルムを含む、偏光板。
【請求項10】
請求項1から7のいずれかに記載の製造方法により得られた光学フィルムを含む、画像表示装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−218196(P2012−218196A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−83378(P2011−83378)
【出願日】平成23年4月5日(2011.4.5)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】