説明

光学フィルム及び該光学フィルムを用いた照明装置

【課題】 解決しようとする課題は照明装置の幅方向での指向性が広かったため、照明装置の輝度に限界があったことであり、該指向性を狭めるために適当な光学フィルムが無かった。
【解決手段】 光源と導光板とを有する照明装置に用いる光学フィルムにおいて、面に光反射層を設けた透明体の光学部材を複数個接続してフィルム状となし、前記導光板の出射面に近接して配置して使用する。また、光源と導光板とを有する照明装置において、辺に光反射層を設けた透明体の光学部材を複数個接続してフィルム状となした光学フィルムを、前記導光板の出射面に近接して配置した。さらに、前記透明体の光学部材を入光面に対してある角度を持って、傾けて配列した。すなわち前記光学部材を前記導光板の面とほぼ平行な上面と下面を有する斜柱とし、前記光反射層を前記斜柱の側辺の一部に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話・PDA等の小型ディスプレイ等に用いられる光学フィルム及び該光学フィルムを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近来、蛍光表示管に比べ、寿命が長い、照明装置光の色度調整が容易等の利点があるため発光ダイオード(以下LEDと略記する)を光源とした照明装置が用いられ始めている。
図8は発光ダイオード(以下LEDと略記する)を用いたサイドライト型照明装置をバックライトとして用いた場合の従来例を示す図で、(a)が平面図、(b)が側面図、(c)が照明装置中の光の挙動を示した断面図である。
図8における照明装置は、複数のLED光源44を略直方体の導光板26の側面に配置し、該LED光源44の出射光が導光板26に入射する。導光板26にはマイクロプリズム、すなわちグルーブが形成され、該マイクロプリズムの頂点を結んだ稜線は図8(a)に点線群70で示したように複数のLED光源44が配置された側面に平行とされていた。
側面構造は図8(b)に示すように、導光板26の下面に反射シート48が、上面にプリズムシート76が配置され、導光板26、反射シート48、プリズムシート76がホルダー42に収納され、上部に置かれる(図示していない)液晶表示装置等の受光型表示装置を照明する構造となっていた。
【0003】
このような構造の照明装置中の光の挙動を示したのが図8(c)で、LED光源44から入射された光78は導光板26内で、導光板26上面と導光板26下面に設けられたマイクロプリズムの面とで屈折を繰り返して伝播される。該伝播を繰り返すうちに、光の進行方向と導光板26上面とがなす角度が臨界角よりも小さくなり、導光板26上面から光が出射する。導光板26下面に出射されてしまって光79は反射シート48で反射されて導光板26に戻される。導光板26から出射した光は、プリズムシート76によって屈曲され表示装置側へと導かれる。
なお以下の図において、同様の部材には同様の番号を付している。
このように導光板上に光を屈曲させるプリズムシーもしくはレンズシートと呼ばれるようなシートを置いて受光型表示装置を照明する提案は多くなされている(例えば特許文献1、図1参照)。
【0004】
しかしこのようなサイドライト型照明装置には問題がある。それはLED光源44からはそれぞれの光源で設定されたいろいろな方向に光が出射されるが、例えば図8(a)に示すように、LED光源44から出射された光72,74はグルーブの稜線70と直交する方向73に対して角度を有してしまい、直交しない光が多くあるということである。
このように光軸と稜線パターンとが直交しない光が多くなるとグルーブ部で図8(c)の80で示すように、光が散乱してしまった状態に近くなり、グルーブ部で屈折して導光板26の上面に出射される光のうち導光板26の面に対して垂直でない光成分が多くなってしまう。そのため照明装置の照明光の指向性が悪くなってしまい照明装置の輝度を高めることが出来ないという問題がある。
【0005】
この状況をグラフに表したのが図9である。
図9(a)は図8に示したような従来の照明装置の光学特性を表したグラフで、図9(b)は本明細書で用いている座標軸を説明する図である。
図9(b)に示すように、座標軸は導光板26平面の縦方向をX軸、横方向をZ軸、導光板26上面の法線方向で、X軸およびZ軸と直交する軸をY軸とする。かつ導光板26から照明光が出射される方向Y’と該Y軸とが成す角を光放射角度θとする。
このように座標軸を定めて従来の照明装置の光学特性をグラフ化すると図9(a)のようになる。
図9(a)における横軸は光放射角度θで、縦軸は光強度の相対値であり、図の点線の太線82はX−Y平面における照明光の方向と照明光の強度の関係、実線の太線84はZ−Y平面における照明光の方向と照明光の強度の関係を示している。したがって横軸がθ=0の点は導光板26と直交する方向の照明光強度を示しており、θ=+−90の点は導光板26の面と平行な方向の照明光強度を示している。
【0006】
図9(a)のグラフが示すように従来の照明装置はX−Y平面での特性82、Z−Y平面での特性84ともに、導光板26の表面に対して垂直な方向の光が最も強いものの、例えば垂直方向から30°の角度の光もX−Y平面で垂直方向光の40%程度、Z−Y平面で垂直方向光の10%程度の光強度を有しており、特に幅方向であるX−Y平面での指向性が広くなってしまい照明装置としての光の指向性が不十分であり、その結果照明装置の輝度に限界があった。
【0007】
図10は照明装置の特性を説明するために設けた参考図で、図9と同様の座標軸を用いている。
図10(a)は理想的な指向性を有した場合の特性を示しており、X−Y平面での特性、Z−Y平面での特性ともに実線の太線86で示したように、すべての光が導光板の面に対して垂直な、θ=0の方向となっている。
図10(b)は全く指向性がない場合の特性で、X−Y平面での特性Z−Y平面での特性共に、実線の太線88で示したように導光板の面に対する各角度での光強度が一定となってしまっている。
本発明は図10(a)に示した特性86に近い特性を持った照明装置を実現することを目的としており、特に従来に比べて幅方向であるX−Y平面での指向性を強めることを目的としている。
【0008】
【特許文献1】特開2002−42529
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする課題は照明装置の幅方向での指向性が広かったため、照明装置の輝度に限界があったことであり、該指向性を狭めるために適当な光学フィルムが無かったことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光学フィルムは、光源と導光板とを有する照明装置に用いる光学フィルムにおいて、面に光反射層を設けた透明体の光学部材を複数個接続してフィルム状となし、前記導光板の出射面に近接して配置して使用することを特徴とする。
【0011】
また本発明の光学フィルムは、前記光反射層が銀またはそれに順ずる光反射物を含む層であることを特徴とする。
【0012】
また本発明の光学フィルムは、前記透明体の光学部材の反射面が入光面に対してある角度を持って、傾いていることを特徴とする。
【0013】
また本発明の光学フィルムは、前記光学部材が前記導光板の面とほぼ平行な上面と下面を有した斜柱であることを特徴とする。
【0014】
また本発明の光学フィルムは、前記光反射層が前記斜柱の側面の一部に設けられていることを特徴とする。
【0015】
また本発明の光学フィルムは、前記上面及び下面が平行四辺形であることを特徴とする請求項4記載の光学フィルム。
【0016】
また本発明の光学フィルムは、前記上面及び下面が6角形であることを特徴とする。
【0017】
また本発明の光学フィルムは、前記上面及び下面が楕円形であることを特徴とする。
【0018】
本発明の照明装置は、光源と導光板とを有する照明装置において、面に光反射層を設けた透明体の光学部材を複数個接続してフィルム状となした光学フィルムを、前記導光板の出射面に近接して配置したことを特徴とする。
【0019】
また本発明の照明装置は、前記光反射層が銀またはそれに順ずる光反射物を含む層であることを特徴とする。
【0020】
また本発明の照明装置は、前記透明体の光学部材の反射面が入光面に対してある角度を持って、傾いていることを特徴とする。
【0021】
また本発明の照明装置は、前記光学部材が前記導光板の面とほぼ平行な上面と下面を有した斜柱であることを特徴とする。
【0022】
また本発明の照明装置は、前記光反射層が前記斜柱の側面の一部に設けられていることを特徴とする。
【0023】
また本発明の照明装置は、前記斜柱の上面及び下面が平行四辺形であることを特徴とする。
【0024】
また本発明の照明装置は、前記斜柱の上面及び下面が6角形であることを特徴とする。
【0025】
また本発明の照明装置は、前記斜柱の上面及び下面が楕円形であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の光学フィルムを用いれば、もしくは本発明の光学フィルムを用いた照明装置よれば、照明装置の幅方向の指向性を劇的に高めることが出来る。その結果、照明装置の輝度を高めることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
光源と導光板とを有する照明装置に用いる光学フィルムにおいて、面に光反射層を設けた透明体の光学部材を複数個接続してフィルム状となし、前記導光板の出射面に近接して配置して使用する。
また、光源と導光板とを有する照明装置において、面に光反射層を設けた透明体の光学部材を複数個接続してフィルム状となした光学フィルムを、前記導光板の出射面に近接して配置した。
さらに、前記透明体の光学部材を入光面に対してある角度を持って、傾けて配列した。すなわち前記光学部材を前記導光板の面とほぼ平行な上面と下面を有する斜柱とし、前記光反射層を前記斜柱の側面の一部に設けた。
【実施例1】
【0028】
図2は、透明体の光学部材12、該透明体光学部材を複数個接続してフィルム状となした本発明による光学フィルム20、及び本発明による照明装置を説明する図である。
図2(a)において、透明体の光学部材12は透明体18の斜柱と平行四辺形である上面13及び同様の形状の下面15とから成っており計6面ある面のうち、側面の一部である2つの面に斜線で示した光反射層14,16が設けられている。
光反射層16,14を構成する物質は光反射率の良好なものならば問題ないが、反射光の色問題からは銀またはそれに順ずる光反射物のような反射光が白色となる物質が好ましい。
斜柱12の透明体18は上面13及び下面15に対し図示のように角度β傾いている。
【0029】
図2(b)に示した20は、透明体光学部材12を複数個接続してフィルム状となした本発明による光学フィルムで、複数個の透明体光学部材12の上面13及び下面15がそれぞれ同一面をなすように接続されている。すなわち光学フィルム20は銀に代表される光反射層と透明体とが連続して形成されたミラーフィルムとなっている。該光学フィルム20は導光板26の照明光出射面に近接して配置され、導光板26からの入射光の中心方向が光24の方向、すなわち図2(a)に示した軸22の方向となるように配置されている。図2(b)では簡単のため、光学フィルム20が導光板26上を部分的に覆っているよう作図されているが、実際には導光板26上のほぼ全てを覆うように配置される。
【0030】
光学フィルム20は図3に示すように大判のシート状に形成され、例えば導光板の大きさに合わせて切り出して使用する。
【0031】
図1は本発明の照明装置を説明する図で、図1(a)は簡単のため透明体光学部材12を1個のみ導光板26上に置いた場合の照明光の進路を示した図、図1(b)は照明装置の断面方向から照明光の進路を示した図である。
図1(a)において、LED等による光源44から導光板26に入射した光39は導光板26の上方に出射した後透明体光学部材12に入射される。
透明体光学部材12に入射され光のうち、前記中心方向よりも下方に向けて入射された光34は光反射層14上の点36で反射されて導光板26の上方に向かう照明光38となり、前記中心方向よりも上方に向けて入射された光28は光反射層16上の点30で反射されて導光板26の上方に向かう照明光32となる。
照明光のY−Z平面上での指向性は、斜柱の傾き、(図2(a)に示した角度β)で中心値を調整することが出来、X−Y平面上での指向性は、上面13及び下面15を形成する多角形の角度(図2(a)に示した角度α1,α2)で狭めることが出来る。
【0032】
本発明の照明装置では特にX−Y平面上での指向性が改善されている。従来は図8(a)に示したように、LED光源44の出射光72,74がグルーブの稜線70に対して斜めに入射される部分が多く、その結果図8(c)の80に示したように照明装置の出射照明光が散乱されてしまっていたが、本発明においてはLED光源44の出射光の中心的な方向に対して光反射層14、16が正対するように前記角度α1,α2を調整することが出来るため、X−Y平面上での指向性を劇的に改善することが出来ている。
【0033】
図1(b)は照明装置の断面方向から照明光の進路を示した図で、LED光源44が導光板26の辺に配置され、導光板26の光出射面である上面に近接して透明体の光学部材を複数個接続してフィルム状となした光学フィルム20が配置されている。
LED光源44から出射された光は導光板26の斜め上方に出射され、該出射光は光学フィルム20内の光反射層14,16によってほぼ導光板26の光出射面に対して法線方向の光40となって、光学フィルム20上方に置かれる液晶表示装置等の受光型表示装置を照明する。
ここで、光源44と導光板26と光学フィルム20とが本発明の照明装置の基本構成であり、導光板26と光学フィルム20の間もしくは導光板26と光学フィルム20の外側である光学フィルム20の上方に拡散層等のフィルムを設け、照明装置の光学特性を調整しても良い。また導光板26の下方にも照明光を出射するような構成として両面表示タイプの照明装置とすることも勿論可能である。
【0034】
図4は本発明の照明装置によるサイドライト型照明装置の構成例で、(a)が平面図、(b)が側面図、(c)が照明光の軌跡を説明する断面図である。
図4における照明装置は、図4(a)に示すように、複数のLED光源44が略直方体の導光板26の側面に配置され、該LED光源44の出射光が導光板26に入射する。導光板26にはマイクロプリズム、すなわちグルーブが形成されている。側面構造は図4(b)に示すように、略直方体の導光板26の下面に反射シート48が、上面に光学フィルム20が配置され、導光板26、反射シート48、光学フィルム20がホルダー42に収納され、上部に置かれる液晶表示装置等の受光型表示装置50を照明する構造となっている。
【0035】
このような構造の照明装置中の光の挙動を示したのが図4(c)で、LED光源44から入射された光52は導光板26内で、導光板26上面と導光板26下面に設けられたマイクロプリズムの面とで屈折を繰り返して伝播される。該伝播を繰り返すうちに、光の進行方向と導光板26上面とがなす角度が臨界角よりも小さくなり、導光板26上面から光が出射する。導光板26下面に出射されてしまった光53は反射シート48で反射されて導光板26に戻される。導光板26から出射した光は、光学フィルム20によって反射され表示装置50側へと導かれる。
図4(a)に21で示した実線は光学フィルム20を構成する透明体光学部材の光反射層14、16を指している。前述したように、LED光源44から出射された光28,34は導光板26から上方に出射されると、出射された導光板面近傍の透明体光学部材に入射され、該透明体光学部材内の光反射層で反射されて照明光として上方に出射される。透明体光学部材に入射された光の角度と前記光反射層とのなす角度を、前記角度α1,α2を調整することにより従来に比べ90°に近くすることが出来るため、光の広がりを抑制し指向性を高めることが出来ている。
【0036】
このように構成したため本発明による照明装置の光学特性は図5に示したようになる。
なお、座標軸は図9(b)で説明した軸と同様である。
図5における横軸は光放射角度θで、縦軸は光強度の相対値であり、図の点線の太線58はX−Y平面における照明光の方向と照明光の強度の関係、実線の太線60はZ−Y平面における照明光の方向と照明光の強度の関係を示している。したがって横軸がθ=0の点は導光板26の法線方向の照明光強度を示しており、θ=90の点は導光板26の面と平行な方向の照明光強度を示している。
図5のグラフが示すように本発明の照明装置はX−Y平面での特性58、Z−Y平面での特性60ともに、従来に比べ導光板26の表面に対して垂直な方向に光が集光されている。例えば垂直方向から30°の角度の光は、X−Y平面で垂直方向光の10%程度、Z−Y平面では垂直方向光の数%程度の光強度となっており、特に幅方向であるX−Y平面での指向性が高く(狭く)なって照明装置としての光の指向性が向上している。
【実施例2】
【0037】
図6は本発明による照明装置の第2の実施例を示した図で、図2と同様に、透明体光学部材及び光学フィルムの実施例を示している。
図6(a)の透明体の光学部材62が図2(a)に示した透明体の光学部材12と異なるのは、上面75及び下面77が6角形をなしており、計8面ある面のうち、側面の一部である2つの面に斜線で示した光反射層63,64が設けられている点である。
透明体の光学部材62の斜柱は上面13及び下面15に対し図示のようにやはり角度β傾いている。
【0038】
図6(b)に示した65は、透明体光学部材62を複数個接続してフィルム状となした光学フィルムで、複数個の透明体光学部材62の上面64及び下面77がそれぞれ同一面をなすように接続されている。すなわち光学フィルム65は銀に代表される光反射層と透明体とが連続して形成されたミラーフィルムとなっている。該光学フィルム65は導光板26の照明光出射面に近接して配置され、導光板26からの入射光の中心方向が光57の方向、すなわち図6(a)に示した軸55の方向となるように配置されている。図6(b)では簡単のため、光学フィルム65が導光板26上を部分的に覆っているよう作図されているが、実際には導光板26上のほぼ全てを覆うように配置される。
光学フィルム65が図3に示すように大判のシート状に形成され、例えば導光板の大きさに合わせて切り出して使用されることは同様である。
このように構成しても図2に示した照明装置と同様の効果が期待出来る。
【0039】
このように上面及び下面の形状はいろいろなものが選択可能であり、例えば多角形の画数を3以上の画数に設定することが可能である。また光反射層を設ける側面は2面に限らず複数の面を選択し得る。
【実施例3】
【0040】
図7は本発明による照明装置の第3の実施例を示した図で、図2と同様に、透明体光学部材及び光学フィルムの実施例を示している。
図7(a)の透明体の光学部材66が図2(a)に示した透明体の光学部材12と異なるのは、上面81及び下面83が楕円形をなしており、側面の一部に斜線で示した光反射層67,68が設けられている点である。
透明体の光学部材の斜柱は上面81及び下面83に対し図示のようにやはり角度β傾いている。
【0041】
図7(b)に示した69は、透明体光学部材66を複数個接続してフィルム状となした光学フィルムで、例えば透明な樹脂61で複数個の透明体光学部材66を接着し、上面81及び下面83がそれぞれ同一面をなすように接続している。すなわち光学フィルム69は銀に代表される光反射層と透明体とが連続して形成されたミラーフィルムとなっている。該光学フィルム69は導光板26の照明光出射面に近接して配置されている。図7(b)では簡単のため、光学フィルム69が導光板26上を部分的に覆っているよう作図されているが、実際には導光板26上のほぼ全てを覆うように配置される。
光学フィルム69が図3に示すように大判のシート状に形成され、例えば導光板の大きさに合わせて切り出して使用されることは同様である。
このように構成しても図2に示した照明装置と同様の効果が期待出来る。
【0042】
このように上面及び下面の形状はいろいろなものが選択可能であり、多角形の画数を無限大とすると形状は楕円になる。円形も楕円形の一種であることは勿論である。また光反射層を設ける側面の領域は自由に設定し得る。
またこのように、透明な樹脂で複数個の透明体光学部材66を接着する手法によれば上面及び下面の形状の制約が無くなる。
【0043】
なお、実施例1,2,3で述べたような光学フィルムは、多角形柱もしくは楕円柱を透明な接着剤で接着し、図2,5,6に示した角度β傾けて斜めに切り出すことにより得ることが出来る。
また、本明細書ではLED光源を用いた照明装置を例に説明したが、本発明の光学フィルム及び該光学フィルムを用いた照明装置が例えば冷陰極管のような他の光源を用いた照明装置であっても効果があることは勿論である。
【0044】
以上述べたように本発明によれば、照明装置の幅方向の指向性を高めることが出来、その結果照明装置の高輝度化を計ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の光学フィルム及び照明装置を説明する図である。
【図2】透明体の光学部材及び光学フィルムを説明する図である。
【図3】本発明による光学フィルムを示した図である。
【図4】本発明による照明装置の構成例である。
【図5】本発明による照明装置の光学特性を示した図である。
【図6】本発明による照明装置の第2の実施例を示した図である。
【図7】本発明による照明装置の第2の実施例を示した図である。
【図8】従来の照明装置を説明する図である。
【図9】従来の照明装置の光学特性及び座標軸を説明する図である。
【図10】照明装置の特性を説明するために設けた参考図である。
【符号の説明】
【0046】
44 光源
26 導光板
14,16 光反射層
12 透明体の光学部材
20、65,69 光学フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と導光板とを有する照明装置に用いる光学フィルムにおいて、
面に光反射層を設けた透明体の光学部材を複数個接続してフィルム状となし、前記導光板の出射面に近接して配置して使用することを特徴とする光学フィルム。
【請求項2】
前記光反射層は銀またはそれに順ずる光反射物を含む層であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム。
【請求項3】
前記透明体の光学部材の反射面は入光面に対してある角度を持って、傾いていることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム。
【請求項4】
前記光学部材は前記導光板の面とほぼ平行な上面と下面を有した斜柱であることを特徴とする請求項1記載の光学フィルム。
【請求項5】
前記光反射層は前記斜柱の側面の一部に設けられていることを特徴とする請求項4記載の光学フィルム。
【請求項6】
前記上面及び下面は平行四辺形であることを特徴とする請求項4記載の光学フィルム。
【請求項7】
前記上面及び下面は6角形であることを特徴とする請求項4記載の光学フィルム。
【請求項8】
前記上面及び下面は楕円形であることを特徴とする請求項4記載の光学フィルム。
【請求項9】
光源と導光板とを有する照明装置において、
面に光反射層を設けた透明体の光学部材を複数個接続してフィルム状となした光学フィルムを、前記導光板の出射面に近接して配置したことを特徴とする照明装置。
【請求項10】
前記光反射層は銀またはそれに順ずる光反射物を含む層であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項11】
前記透明体の光学部材の反射面は入光面に対してある角度を持って、傾いていることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項12】
前記光学部材は前記導光板の面とほぼ平行な上面と下面を有した斜柱であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項13】
前記光反射層は前記斜柱の側面の一部に設けられていることを特徴とする請求項4記載の照明装置。
【請求項14】
前記上面及び下面は平行四辺形であることを特徴とする請求項4記載の照明装置。
【請求項15】
前記上面及び下面は6角形であることを特徴とする請求項4記載の照明装置。
【請求項16】
前記上面及び下面は楕円形であることを特徴とする請求項4記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−108543(P2007−108543A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−301081(P2005−301081)
【出願日】平成17年10月15日(2005.10.15)
【出願人】(000131430)シチズン電子株式会社 (798)
【Fターム(参考)】