説明

光学フィルム貼付け装置、光学フィルム貼付け方法、および表示用パネルの製造方法

【課題】光学フィルムを表示パネルに貼り付ける際、貼り付け開始部分における気泡や皴の発生を防止する。
【解決手段】円筒形部材3の特定領域3aにおいて光学フィルム2の巻きつけを開始する。円筒部材3の特定領域3aには孔10が形成され、孔10を通して光学フィルム2を真空吸着したり、圧空剥離したりすることが出来る。円筒形部材3が回転して表示パネル1に光学フィルム2が接触すると同時に、円筒形部材3の孔10に圧空を供給して光学フィルム2を円筒形部材3から剥離する。これによって光学フィルム2を皴無く表示パネル1に貼り付けることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどのフラットパネル表示装置の製造において、表示パネルに対して、偏光板、反射防止フィルム、視野角拡大フィルムなどの光学機能を持ったフィルムを気泡やしわを発生させずに貼付ける製造方法および製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ装置の製造工程では、TFT(Thin Film Transistor)基板とカラーフィルター基板との間に液晶を封入して液晶パネルを構成した後、液晶パネルの表面および裏面に偏光機能及びその他光学機能を持つフィルムの貼付けが行われる(以下では、偏光板と総称する)。偏光板の片面には粘着剤が塗布してあり、さらにそれを覆う糊面保護フィルムが貼付けられている。偏光板の貼付けには一般に自動化された装置が使用されている。偏光板を液晶パネルに貼付ける際には、糊面保護フィルムを剥離した後に、気泡やしわが発生しないように圧着させる。
【0003】
これらの技術は、例えば「特許文献1」、「特許文献2」および「特許文献3」に記載されている。「特許文献1」に記載の方法は、偏光板保持体で保持した偏光板の前縁を液晶パネルに接触させた後、加圧ローラにより加圧しながら移動することで基板に貼付けていく方法である。「特許文献2」に記載の方法は、光学フィルムの糊面を液晶セルに密着させ、一方の光学フィルムの端部を吸着パッドによって保持して皺にならないよう張力をコントロールしながら、加圧ローラにより貼付けて行く方式である。
【0004】
また、「特許文献2」の第2の実施例では、真空もしくは弱い粘着により円筒状の偏光板保持体に偏光板を貼付ける方式が記載されている。「特許文献3」には、キャリアテープに固定されて供給される偏光板を液晶パネルに貼付ける方法が記載されているが、ここではキャリアテープを円筒形の偏光板保持体に設けた多数の微細な真空吸着孔で、キャリアテープを巻付けた部分全体で吸着保持する技術が記載されている
【特許文献1】特開昭63−212903号公報
【特許文献2】特開平6−255063号公報
【特許文献3】特開平8−262429号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶パネルに偏光板を貼付ける「特許文献1」に記載の方法では、偏光板を真空吸着によって保持する平板状の偏光板保持体で平面保持する。この時、偏光板が最初に液晶パネルに接触する部分である前縁は、偏光板保持体で保持されない。
【0006】
偏光板の前縁を液晶パネルに接触させた後、加圧ローラにより前者を加圧しながら液晶パネルと共に偏光板をしごき出すことで、液晶パネルに偏光板の貼付けを行っている。この方法では偏光板と液晶パネルが接触した瞬間に、接触状態が不安定になりやすい。
【0007】
このため、高速で貼付ける場合や、偏光板の板厚が薄い場合に、気泡やしわが発生する確率が高くなる。また、偏光板終縁でも偏光板が偏光板保持体から離れ、平面保持されない瞬間が生じるため、同様に気泡やしわが発生しやすくなる。
【0008】
一般的に偏光板は、その両面が保護フィルムで覆われ、保護されている。このうち粘着剤が塗布された糊面を保護するフィルムを剥がしてから、液晶パネルに貼付けを行う。もう一方の糊面と反対側の面を覆う偏光板表面保護フィルムは、製品保護のために偏光板貼付け工程では剥がさない。
【0009】
糊面保護フィルムを剥がす時は、偏光板は偏光板支持体から脱落したり位置ずれしたりしないように、剥がす時に発生する引剥がし力よりも強い保持力で固定されなければならない。偏光板保持体が真空吸着機構の場合、真空吸着の強弱により制御できることは、公知である。
【0010】
しかし、「特許文献2」の実施例において、粘着ローラの粘着力で偏光板を保持する場合、糊面保護フィルムを剥がすときのために強い粘着力のローラを用いる必要があるが、強い粘着力のローラを用いると偏光板を保持はできるが、同ローラで偏光板を液晶パネルに貼付ける際に、偏光板表面保護フィルムを剥がしてローラ面に巻上げてしまうという問題が生じる。
【0011】
「特許文献2」の実施例において、ローラの円筒面に吸着孔を設けて負圧により偏光板を吸着し、弱粘着性ゴムを巻付けた1対のローラで偏光板を粘着させて偏光板を液晶パネルに貼付ける方式が提案されている。これにより、偏光板の貼り始めと貼り終わりについては、気泡やしわの発生を抑える効果があるが、糊面の保護フィルムを剥がす時に偏光板がローラから脱落する、あるいは糊面と反対側の保護フィルムが貼付け時に偏光板から剥がされるという問題は解決できない。
【0012】
「特許文献3」の方法は多数の微細な吸気孔を円筒面に持つローラを用いた偏光板貼付けである。偏光板を多数、等ピッチで貼付けたキャリアテープをローラに巻付け、吸着させる。1対のローラの間に液晶パネルを挟みこみ、ローラを回転させることで、偏光板を貼付ける方式であった。しかし、パネルサイズが大きくなると、偏光板はキャリアテープでの供給ではなく、枚葉供給が主流となる。
【0013】
この場合、多数の微細な吸気孔のローラで偏光板を保持しようとすると、ある偏光板サイズに特化するような吸気孔の分布になってしまう。つまり、偏光板サイズが設定したものよりも大きい場合は部分的な吸着不良を発生し、逆に小さい場合は空気漏れにより、吸着力が低下してしまう。これが偏光板の搬送不良や貼付け時の気泡・しわの発生原因となっていた。
【0014】
以上を鑑み、本発明においては(1)光学フィルムと表示パネルとの貼付けで貼付け始め及び貼付け終わり近傍の領域で気泡としわを発生させない、(2)偏光板を脱落させず、偏光板の糊面と反対側の面を保護する保護フィルムが偏光板から剥がれ落ちないようにして、偏光板を液晶パネルに貼付ける、(3) パネルサイズ及び偏光板サイズの変更に柔軟に対応できるという機能を満足させる製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するための、本発明の代表的な製造装置は次のようなものである。
【0016】
すなわち、光学フィルムを供給する供給手段と、前記光学フィルムを保持する保持手段と、前記光学フィルムから糊面の保護フィルムの剥離を行う粘着面保護フィルム剥離手段と、前記光学フィルムに表示パネルを接触させる表示パネル接触手段を有する光学フィルム貼り付け装置であって、前記保持手段は粘着性を有する円筒形部材から構成され、前記保持手段の回転運動に伴い、前記光学フィルムを粘着保持する位置、前記光学フィルムの粘着面保護フィルム剥離位置、前記光学フィルムと前記表示パネル接触位置を、順次前記光学フィルムが通過する配置とし、前記円筒形部材は前記光学フィルムを特定領域において巻きつけを開始し、前記円筒形部材の前記特定領域には真空吸引手段と圧空供給手段が接続された孔が形成されていることを特徴とする光学フィルム貼り付け装置である。
【0017】
光学フィルムのサイズに柔軟に対応するために、本発明の装置の構成は、前記孔はグループ毎に複数形成され、グループ毎に真空吸引、圧空供給、または、真空吸引および圧空供給のいずれも行わないように切り替えが出来る光学フィルム貼り付け装置とすることも出来る。
【0018】
また、前記課題を解決するための、本発明の製造方法に関する主な手段は次のとおりである。
【0019】
すなわち、光学フィルムを供給手段により供給し、保持手段により前記光学フィルムを保持しながら、粘着面保護フィルム剥離手段により光学フィルムから糊面の保護フィルムの剥離を行い、その後、保持手段により光学フィルムを保持しながら、接触手段により前記光学フィルムを表示パネルに接触させる表示パネルへの光学フィルム貼り付け方法であって、粘着性を有する円筒形部材により前記光学フィルムを粘着保持し、粘着性を有する円筒形部材を回転させることにより、光学フィルムを粘着保持位置、粘着面保護フィルム剥離位置、表示パネル接触位置の順に通過させる配置とし、前記円筒形部材は前記光学フィルムを特定領域において巻きつけを開始し、前記円筒形部材の前記特定領域には真空吸引手段と圧空供給手段が接続された孔が形成されており、前記円筒形部材に巻きつけられた光学フィルムを表示パネルに押し付けて貼り付けする際に、前記孔に圧空を供給して前記円筒形部材から前記光学フィルムを剥離することを特徴とする光学フィルム貼り付け方法である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、偏光板などの光学フィルムを、保持手段である円筒形部材で粘着力と真空吸着を用いて確実に保持できるため、先端部や終端部で光学フィルムが保持手段から脱落することなく、光学フィルムと表示パネルとを高速に貼付けた場合でも、貼り始め及び貼り終わりで光学フィルム端部が不安定に表示パネルに接触することがなく、終始滑らかに貼付けられるため光学フィルムの前縁や終縁近傍の領域で気泡やしわを発生させず貼付けることが可能となる製造方法及び製造装置が得られる。
【0021】
本発明によれば、最も脱落しやすい光学フィルムの前縁を円筒形部材の粘着に加えて円筒形部材に設けられた孔から光学フィルムを真空吸着することで、光学フィルムの前縁や終縁に発生するそりや皴を矯正して保持することが可能である。
【0022】
また、糊面保護フィルムの剥離時の引剥がし力による位置ずれや脱落をさせず保持することが可能で、光学フィルムが表示パネルに圧着されるまで円筒形部材に安定的に支持することが可能である。
【0023】
さらに、圧着した瞬間に、光学フィルムに対して真空吸着から圧空の供給に切替えることで、円筒形部材の粘着力による光学フィルム前縁における糊面に対して反対側の保護フィルムの巻上がりを発生させずに、光学フィルムを表示パネルに貼付けることが可能となる。
【0024】
本発明によれば、保持手段である円筒形部材に設けられた孔が、個々またはグループ毎に真空源に接続状態、圧空源へ接続した状態、またはどちらにも接続しない状態の3つの接続状態に切替えることができ、光学フィルムに合わせて吸着または圧空供給範囲を変更できるのでパネルサイズに柔軟に対応できる製造方法及び製造装置が得られる。
【0025】
本発明の製造方法によれば、光学フィルム全面にわたり気泡やしわのない高品質な表示パネルを製作することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下実施例によって本発明に内容を詳しく説明する。
【実施例1】
【0027】
本発明の光学フィルムの前縁に真空吸着および圧空供給可能な孔が一列設けられている粘着ローラによる光学フィルム貼付け装置および貼付方法の実施例を説明する。ここで例に挙げる光学フィルムは、両面がフィルムで覆われた片面に粘着性のある糊が塗布されている光学フィルムの複合体である。以下では液晶パネルにおける偏光板の貼付けを例に挙げ、まず、偏光板の構造、偏光板貼付け装置の構成、偏光板の貼付けに必要な条件と動作を説明する。
【0028】
偏光板の構造を図1に示す。偏光板2は、光学機能を持つ偏光板本体2cを2枚の保護フィルムで挟んだ3枚の部材で構成されている。光学機能を持つ偏光板本体2cは、液晶パネルに接着させるために糊2bが塗布されている。糊2bを覆うように糊面保護フィルム2aが貼られており、糊面保護フィルム2aは、貼付け前に引き剥がすため通常シリコーンなどの離型材などによる表面処理が施されている。
【0029】
糊2bの反対側の偏光板本体2c面を覆う傷防止保護フィルム2eは、偏光板本体に傷が付かないように保護するフィルムであり、傷防止保護フィルム2e自身に糊2dが塗布されている。この傷防止保護フィルム2eは偏光板本体2cに貼付けられた状態で液晶パネル組立の最終工程まで処理される。
【0030】
第2図は本発明による液晶パネルへの偏光板の貼付けを実現する偏光板貼付け装置の概要を示す斜視図である。偏光板貼付け装置は、偏光板の貼付けおよび偏光板の保持機能をもつ一対の粘着ローラ3と偏光板2を保持するときに押圧するための巻付けローラ4、糊面保護フィルムを剥離するための剥離ユニット5、駆動源12、真空吸引と圧空の切替えを行う切替弁6a、6b、バルブ切替え制御用のコントローラ8、貼付ローラ3の位置情報を検出する角度検出器7で構成されている。
【0031】
粘着ローラ3は、偏光板前縁の保持位置に真空吸着および圧空供給可能な孔10が一列設置されており、個々の開閉バルブ6cを介して配管9につながっている。この貼付け装置の基本的な動作は、偏光板2を粘着ローラ3の円筒面で保持し、粘着ローラ3が駆動源12により回転することで液晶パネル1を両方から挟み、偏光板2を貼付けていくものである。
【0032】
図3のフローチャートと図4および図5を用いて本実施例の貼付け動作を説明する。図4および図5は図3に記載するフローチャートを詳細に図解したものであり、図4および図5について詳細に説明する。図4および図5は、図2で示すA-A断面図である。液晶パネル1は図示しない投入口から水平方向に投入され、90度に回転した後、搬送ローラ17貼付け位置の手前で機械的な押付けあるいは光学的なエッジ検出15によって位置決めされる。
【0033】
一方、偏光板2はカセットやマガジンなどの貼付け装置内部の偏光板供給部に保管されている。偏光板2はこのカセットまたはマガジンから枚葉で取り出され、搬送ローラ18により粘着ローラ3の巻き取り位置まで搬送され、機械的な押付けあるいは光学的なエッジ検出機16に基づいて位置決めが行われる。
【0034】
次に偏光板を粘着ローラ3に受け渡す。このときの状態を図4(a)に示す。偏光板は、粘着ローラ3の粘着力と孔10からの真空吸着により保持するため、偏光板の前縁が孔10を覆うまで巻き取られた後真空吸着を開始する例を挙げるが、偏光板が粘着ローラ3から脱落する虞がない場合は、真空吸着を使用しなくてもかまわない。
【0035】
粘着ローラ3は、偏光板の受取り位置で巻付け始められるように、ポテンショメータ、エンコーダなどの回転角度検出器または特定角度で反応するように調整した光電センサ(図示せず)などによって巻付けローラの回転角度を合わせ込むことができる。粘着ローラ3の角度検出については、常に偏光板2の巻付け開始時に、常に同じ向きに向けられたことを検証できるのであれば、上記の検出方法にこだわらなくて良い。
【0036】
粘着ローラ3の回転角度の調整完了後、糊面保護フィルム2a側の外側に配置した偏光板2を粘着ローラ3の接線方向に巻付け開始端13の位置に偏光板2を供給し、巻付けローラ4で偏光板2を粘着ローラ3に押付けて偏光板2を粘着ローラ3に巻付ける。
【0037】
粘着ローラ3の円筒面上に設置されている孔10を塞ぐように、偏光板2の前縁が巻付けられた後、この孔10と図2に示す真空源をつなぐバルブ6aを開き、偏光板2を真空吸着する。孔10に個々に付属する図2に示す開閉バルブ6cは、真空吸着する孔10の配置を事前に選出しておく。
【0038】
巻付けローラ4は、全面に押付けるために偏光板2の幅よりも十分大きいことが好ましい。また、巻付けローラ4の機能は均一に偏光板2を粘着ローラ3に押付ける機能が必要でこれを満足する剛性が得られる材質、径のものが必要である。
【0039】
発明者らは径30mm以上のローラを用いたが、図6のようにバックアップローラ20を巻付けローラ4に対して角度θで配置し力Fを負荷することで撓まないようにすることでも当初の目的を満足することができる。バックアップローラ20の取付けは、クリーニングローラ11、11’に対しても同様の効果を得ることができる。偏光板2の巻付け手段については、ローラによる押付け方法だけに限るものではなく、偏光板2に傷をつけず、粘着ローラ3に偏光板2を密着できるのであればスキージなどを用いてもよい。
【0040】
粘着ローラ3を回転させながら偏光板2を巻付けた後、偏光板の前縁は糊面保護フィルム2aの剥離位置まで回転する。図4(b)は、糊面保護フィルムが粘着ベルト5の位置で巻き挙げられている状態を示している。粘着ローラ3は、一定角度粘着ローラ3を回転させたところで偏光板2前縁の外面の糊面保護フィルム2aを粘着ベルト5で接触させて巻上げる。
【0041】
粘着ベルト5は、図2に示すように、一定間隔で複数台設置される。粘着ローラ3を回転させ、糊面保護フィルム2aをある程度巻上げた段階で、糊面保護フィルム2aを機械式チャック19で把持し、ベルト5を移動させ糊面保護フィルムの先端を回収先に引き渡す。引渡し後は、初期の剥離位置に戻り次の偏光板を処理する時まで待機する。
【0042】
この剥離動作の詳細を図7、図8、図9の斜視図を用いて説明する。粘着機能を持つベルト5(5a、5b、5c)が、糊面保護フィルム2aを偏光板の前縁から持ち上げる時の様子を図7に示す。
【0043】
まず粘着ベルト5に接着した糊面保護フィルム2aが偏光フィルム2cとの間で剥離して巻上がり、その後剥離が横に伝播する。隣の粘着ベルトも同様に剥離動作を行い剥離が伝播して剥離領域が合体する。
【0044】
その後、図8に示すとおり偏光フィルム2cから糊面保護フィルム2aが端部で分離する。この時の剥離する力は、粘着ゴム3bの偏光板2を保持する力と反対方向に発生し、孔10により真空吸着するので偏光板が粘着ゴム3bから脱落することはない。図9は偏向フィルム2cが粘着ベルト5によってさらに剥離された状態を示す。
【0045】
なお、前記剥離動作の場合、孔の位置関係の例を、正面図である図10(a)、断面図である10(b)に示す。糊面保護フィルム、粘着ベルト5の直下の位置と粘着ベルト5aと粘着ベルト5bの中間地点、偏光板隅部に孔を配置すると、剥離による力に対して、効果的に真空吸着で保持力補助できる。円筒形部材の粘着力の状態に応じ、孔をさらに増やしても構わない。
【0046】
また、糊面保護フィルム2aが完全に持ち上がった図8及び図9の状態では、糊面保護フィルムには一般的に離型剤、フッ素コーティングさせていることもあり、始めに持ち上げるときよりも小さい力で剥離することができる。そのため、偏光板の端部が巻きつけられる特定領域3aの範囲から糊面保護フィルムが剥離できた後は、偏光板が粘着ローラ3から脱落するおそれがない場合は、真空吸着を停止するあるいは大気開放してもかまわない。
【0047】
図4(c)に戻り、糊面保護フィルム剥離後の動作を述べる。糊面2bが露出した偏光板2’は液晶パネル1の貼付け位置に位置決めし、図5(d)のように前縁を接着させる。粘着ローラ3が偏光板2を介して液晶パネル1を加圧し始めた時に、真空吸着を解除し粘着ローラ3の円筒面の孔10を圧空源につなぐように図2に示すバルブ6bを制御し、圧空を供給する。
【0048】
圧空の供給により、粘着ローラ3表面に粘着している傷防止保護フィルム2aを偏光フィルム2cから分離することなく、偏光板2’を液晶パネルへ転写する。液晶パネル1はもう1対の粘着ローラ3(図示せず)との間に挟まれ、図5(e)に示すように粘着ローラ3の回転により、液晶パネル1と偏光板2を貼り合せが進行する。
【0049】
円筒形部材3が偏光板から離れるさい、帯電が生ずるので、円筒形部材3の芯金3d、粘着ゴム3bのいずれか一方、または両方に導電性を持たせ、基準電位を印加することによって、円筒形部材の帯電を防止することが出来る。
【0050】
真空吸引を圧空供給に切替える方法については、粘着ローラ3の回転角や液晶パネル1の位置および偏光板2の位置を検知し、自動制御で図2に示すバルブ6a、6bの切替制御を行えるようにすることが好ましい。
【0051】
個々の孔またはグループ毎に図2に図示するバルブ6cを操作できるようにし、偏光板サイズに合わせてバルブ6cから真空吸引と圧空供給を行うことで、偏光板サイズ変更に柔軟に対応でき、段取り替え時間を短縮できる。
【0052】
孔10の噴出口の形状が円形の場合、均一に剥離領域を確保できる可能性が高く、隣の孔10との間隔を設定しやすいが、必ずしも円形でなくても構わない。また、孔10の径や形は、同一でなくてもよく、配置によって孔10の径や形状を変えても構わない。
【0053】
例えば、楕円にすることで、長軸方向の延長線上に隣の孔10がある場合、剥離した領域が合体しやすく、噴出による剥離を効率的に行うことができる。孔10は、傷防止保護フィルム2eの端部を粘着ローラ3から一気に剥離するために、偏光板開始端と平行に少なくとも一列に配置されていることが好ましい。
【0054】
ただし、傷防止保護フィルム2eを一気に剥離できるのであれば、図11(a)、図11(b)に示すように複数列平行に配置したり、千鳥格子に配置したりしても構わない。また、孔の間隔は、配管の長さ、配管構造によって噴出する圧力が損失することを考慮して、列内での間隔を変えてもよい。
【0055】
たとえば、図11(a)、図11(b)において、孔の領域をグループA、グループBのように分類し、偏光板の大きさに合わせて指定したグループのみに、真空源あるいは圧空源を接続し、他の領域の孔には真空源あるいは圧空源を接続しない構成としておくことが出来る。
【0056】
ここで発明者らは、孔10を直径1〜2mmの円状に加工し、偏光板開始端部から3〜15mm内側に孔を一列に配置して実験を行った。流量の調整は孔10に流量計を個々につけて行った。孔10同士の間隔を5〜15mm配置し、0.2MPaの圧縮空気を噴出すると、偏光板と粘着ゴムの間でできた空気層は直径約20mmの円状となり、隣の孔10と空気層がつながり、貼付け時に糊面保護フィルムを偏光フィルム2cから離脱させることなく液晶パネルに貼付けられることを確認した。
【0057】
図5(e)に戻り、本実施例の偏光板貼付け後の動作を説明する。粘着ローラ3の表面には、偏光板2の削れ屑や、糊2bのはみ出し残渣、傷防止保護フィルム2e表面に付着していた塵埃などが付着する可能性がある。このような異物が蓄積すると、粘着ローラ3と偏光板との粘着低下や、異物起因の気泡の発生が生じる。
【0058】
そこで、粘着ローラ3の偏光板を貼付け位置から次の偏光板を受け取り位置までの間に塵埃吸着ローラ11および11’を配置してある。この塵埃吸着ローラ11は粘着ローラ3に比して強い粘着力を有し、粘着ローラ3の表面に付着した異物を引き剥がして集める働きがある。
【0059】
さらに粘着ローラ3に接している塵埃吸着ローラ11の反対側にはより強力な粘着力を有する塵埃吸着ローラ11’を配置してあり、異物や汚染は最終的にこの塵埃吸着ローラ11’に集められ、粘着ローラ3は清浄さを取り戻して、次回の貼付けに対応できる。
【0060】
なお、この塵埃吸着ローラ11および11’の粘着力の強化を優先し耐磨耗性が劣る場合には、塵埃吸着ローラ11および11’には別途クラッチ機構(図示せず)を設け、一定の生産回数毎に粘着ローラ3の清掃を行うように設定すればよい。
【0061】
ローラ11およびローラ11’に導電性を持たせることによって、ローラ11およびローラ11’が帯電してごみが付着する現象を防止することが出来る。
【0062】
図5(f)に示すように、粘着ローラ3が一回転し、巻付け開始端13に次の偏光板を供給し、上記に示したような流れを繰返しで、偏光板2を液晶パネル1への貼付けを連続的におこなうことができる。
【0063】
以上で説明した方法を用いることで、偏光板2が液晶パネル1と接触する際に、偏光板は液晶パネルに圧着される瞬間まで粘着ローラ3により保持されているため、偏光板2先端部分における気泡の内在やしわの発生を防止することができる。また、これは偏光板2の終端部においても同様である。
【0064】
粘着ローラ3を2ケ用いて液晶パネルに対して対称的に偏光板貼付け動作を行うことにより、両面同時に貼り合わせることが可能となる。
【実施例2】
【0065】
粘着ローラの円周長が偏光板の長さに比べて長いとき、実施例1で示した偏光板の前縁近傍に設ける真空吸引または圧空供給を行う孔を複数列粘着ローラに設けることにより、連結して偏光板貼りが行える。図12に孔を円筒面に複数箇所空けた場合の例を示す。これにより生産能力の向上を計ることが出来る。
【実施例3】
【0066】
孔10を偏光板巻付け開始位置13に配置したが、偏光板の巻付け終了位置14に孔10を設けてもよい。図13は,本実施例を表している。偏光板を粘着ローラ3に巻付けると、偏光板のスプリングバックにより、偏光板の巻き始めと巻き終わりの位置から粘着ローラ3に対する脱落が生じる。
【0067】
巻付け終了位置14に孔10を設けることで、偏光板の終端も真空吸着できるため、偏光板の脱落を回避することができる。粘着ローラ3が粘着ローラ3での異物付着により粘着力が低下した場合や偏光板の吸湿によるそりが生じた場合に有効となる。
【実施例4】
【0068】
実施例1〜3の処理で、偏光板の粘着ローラ3への拘束が強すぎる場合には、偏光板の糊面2bと反対側の面を覆う傷防止保護フィルム2eと光学機能をもつ偏光板本体2cが分離してしまい、製品上も装置の継続運転上も支障が生じる。図14は、偏光板本体2cから傷防止保護フィルム2eが分離し粘着ローラ3に巻き取られている状態を表している。
【0069】
そこで、真空吸引していた孔から圧空を供給し、粘着ローラ3に対する偏光板前縁の拘束を一時的に弱めることで、液晶パネルへの偏光板貼付け後に傷防止保護フィルム2eが粘着ローラに残ること無く貼付けを完了することが可能である。
【0070】
しかし、真空吸着を圧空供給に切替えるタイミングが遅れた場合も偏光板引剥がし時の粘着ローラ3の拘束力が強すぎるため、偏光板2と粘着ローラ3との間の保持状態が不安定になり、しわや気泡が生じやすくなる。
【0071】
発明者らは市販される偏光板2を粘着ローラ3に巻付けた状態でスプリングバックして巻付け開始位置と終了位置が粘着ローラ3から離れないことを粘着ゴムの選定指標の一つとした。
【0072】
もう、一つの指標として、吸着・圧空供給を行わない状態で偏光板2を液晶パネル1に低速で貼った時に偏光板2の偏光フィルム2cと傷防止保護フィルム2eが分離しないこととした。吸着・圧空供給は貼付け速度上昇時にマージンを持たせるための補助的手段とした。上記に示した粘着ゴムの選定により、400mm/s以上の高速な貼付けを行っても気泡の内在やしわの発生が生じない貼付けを実現した。
【実施例5】
【0073】
粘着ローラ3の孔に関する製造方法について実施例を説明する。孔10を形成するためには、芯金3dに予めピンを打ち込んでおき、その上から未加硫のゴムを巻いて加硫する。加硫後、ピンを抜いて孔10を形成する。本実施例では孔10は法線方向に開けている例を示しているが、法線方向に対して傾いてもよい。
【0074】
孔10の形に関して、形状が円形の場合、均一に剥離領域を確保できる可能性が高く、隣の孔との間隔を設定しやすく、また均一に加工しやすく好ましいが、必ずしも円形でなくても構わない。孔10の径や形は、同一でなくてもよく、配置によって孔10の径や形状を変えても構わない。例えば、楕円にすることで、長軸方向の延長線上に隣の孔10がある場合、剥離した領域が合体しやすく、噴出による剥離を効率的に行うことができる。
【実施例6】
【0075】
実施例1〜5では、孔10から供給して噴出するガスは圧縮空気で例示したが、圧縮空気に限定されず、アルゴンや窒素などの不活性ガスを用いてもよい。粘着ローラ3は異物や油分により粘着力が低下するため、クリーンエアーを用いることが好ましい。
【実施例7】
【0076】
実施例5では、芯金3dに接着層3cを形成しゴムを巻付けて加硫する方法を例示したが、接着層3cと芯金3dの間に金属板3c’を巻付けて固定しゴムを加硫しても構わない。金属板3c’を芯金3dから着脱可能にすれば、粘着ゴム3bを加硫したあと、芯金3dから取り外すことが出来る。
【0077】
図15(a)に、芯金3dに金属板3c’を巻付けたときの断面図を、図15(b)芯金3dに金属板3c’を巻付けたときの上面図を例示する。芯金3dに固定ピン300を打ち込み、可動できるスライダー301のピン302に厚みが0.1mm〜0.3mmで予めピンの位置と合う箇所に孔加工を施した金属板3c’を引っ掛けて巻付ける。
【0078】
ピンの直径は、孔の直径と同じもしくはそれよりも数%大きいものが望ましい。クサビ303で締め上げた金属板上に、前述のブチル系合成ゴムを配合し混練して脱泡した未加硫のゴムを、接着剤を塗布した3c’に巻付け、温水加硫釜で加硫する。加硫後、熟成した後ローラ表面を研磨する。ピンが埋まっている部分のゴムを切除してクサビを抜くと、ゴムロールが金属板に接着したシートになり、芯金3dから分離できる。
【0079】
芯金3dと金属板3c’は、加硫時の熱により膨張や伸縮を考慮して、熱膨張係数が鉄、鋼レベルのものを選び、夫々の係数は近い値にすることが好ましい。
【0080】
以上のようにすれば、粘着ゴムの不具合発生時に大形で重量物となるローラ自体の交換を行わなくても粘着ゴム3bをシート状で交換することができる。これにより装置維持コストを大幅に減らすことができる。さらに、シート状であれば、ゴムシート製作後に孔を、ドリルやパンチ、プレス加工などの一般的な方法で加工することができ、粘着ローラ3の製造コストを低減できる利点がある。
【実施例8】
【0081】
実施例1〜7では、粘着ローラ3は、円筒形状で説明したが、偏光板2を貼付けるときに1回転以上しない場合、貼付け時に偏光板2の保持に使用しない外周部に継目や平坦部、曲率のちがう部分があってもよい。
【実施例9】
【0082】
実施例1〜8では、大気圧空間であることを前提としていたが、偏光板の貼付けを減圧チャンバの中で行うと、仮に気泡が生じても大気圧に戻したときに気泡が接着剤に溶け込み消滅する。減圧チャンバの圧力は低いほうが好ましいが、ゲージ圧で−0.02〜0.05MPa程度でも構わない。
【実施例10】
【0083】
ここまでの実施例1〜9では、液晶パネルに対する偏光板貼付けを例として用いたが、同様の工程は各種の平面ディスプレイにおいて普遍的な工程であり、必ずしも偏光板貼付けに限定する物ではない。
【0084】
例えば、プラズマディスプレイパネルや有機ELパネルなどの自発光パネルにおいて外光反射による、白みを軽減するために用いられるアンチグレアフィルムを貼付ける場合や、有機ELパネルで表面の薄ガラスを衝撃から保護する保護フィルムを貼付ける場合、電界効果ディスプレイで真空爆発時のガラス飛散を防止するための飛散防止フィルムを貼付ける場合など、平面ディスプレイに光学的に均一な各種機能フィルムを貼付ける工程に広く用いることが出来る。
【実施例11】
【0085】
以上の実施例は、液晶表示装置における偏光板の貼り付けに即して説明した。図16は、液晶表示装置の断面図である。図16において、画素電極および薄膜トランジスタ(TFT)を有する画素がマトリクス状に形成されたTFT基板201とカラーフィルタが形成されたカラーフィルタ202が対向して設置され、TFT基板201とカラーフィルタ202の間に液晶層240が挟持されている。液晶層240は封止材210によって封止されている。画素毎に液晶層240によってバックライトからの矢印で示す光の透過率を制御することによって画像を形成する。
【0086】
液晶は偏光光のみを制御することが出来るので、バックライトからの矢印で示す光は下偏光板によって偏光光に偏光され、液晶層240によって制御されたあと、上偏光板によって、再び偏光(検光)され、人間の目に画像が視認される。
【0087】
このように、偏光板の貼り付けは液晶表示装置の製造工程では重要な工程である。本発明を適用することによって、偏光板の貼り付け工程の歩留りを大幅に向上させることが出来、液晶表示装置の製造コストの低減と品質の向上に資することが出来る。
【実施例12】
【0088】
本発明によるフィルムの貼り付け方法は、液晶表示装置のみならず、他の表示装置においても適用することが出来る。図17はプラズマディスプレイパネルの断面模式図である。図17において、前面基板602には、放電電極となるX電極とY電極が第1の方向に延在している。背面基板601には、X電極あるいはY電極と直角方向の第2の方向に延在しているアドレス電極が形成されている。
【0089】
前面基板602と背面基板601は封止材210によって封止されている。背面基板601には隔壁620が形成されており、隔壁620によって放電空間621が区画されるとともに、画素が規定される。放電によって発生する紫外線によって画素毎に形成された蛍光体を発光させて画像を形成する。
【0090】
前面基板602には、コントラストを上げるための減光効果、色度調整、帯電防止、高周波の漏洩防止等のために表面保護板が形成される。この表面保護板はガラスで形成する場合もあるし、フィルムで形成する場合もある。フィルムで形成する場合(以後減光フィルム630)は、減光フィルム630を液晶表示装置における偏光板と同様に、フィルム本体と、減光フィルム630を前面基板602に接着するための接着層、フィルムを傷等から保護するための保護フィルム等が設置される。
【0091】
したがって、実施例1〜実施例10で説明した偏光板の接着方法は、プラズマディスプレイパネルにおける前面基板602への減光フィルム630の接着方法に適用することが出来る。
【実施例13】
【0092】
図18は有機EL表示装置の断面模式図である。図18において、素子基板401には、有機EL層とTFTとで形成された画素がマトリクス状に配置されている。TFTは有機EL層に印加される信号をスイッチングする役割を有する。画素毎に有機EL層に映像信号を印加することによって画像を形成する。
【0093】
有機EL層は水分によって劣化するために、ガラスで形成された封止基板402を素子基板401に対向して配置することによって、有機EL層を水分から保護している。素子基板401と封止基板402は周辺において、封止材210によって封止されている。
【0094】
画素毎に赤、緑、青を発光する有機EL層が形成されているので、原理的にはフルカラーの表示が可能であるが、有機EL層の特性によって表示色が偏る場合がある。また、白色色温度を所望の値にしたい場合がある。このような場合は、有機EL表示装置の封止基板402に色度調整フィルム430を形成する。この色度調整フィルム430も、本体と、封止基板402と接着するための粘着層、および、傷等から保護するための保護フィルムから形成されていることは液晶表示装置における偏光板と同様である。
【0095】
したがって、有機EL表示装置における色度調整フィルム430の接着においても、実施例1〜実施例10で説明した本発明を適用することが出来る。なお、図18は、有機EL層からの光を封止基板402側から取り出すいわゆるトップエミッション型の有機EL表示装置である。有機EL層からの光を素子基板401側から取り出すボトムエミッション型有機EL表示装置では、色度調整フィルム430は素子基板401側に接着すれば良い。この場合も、実施例1〜実施例10で説明した本発明を適用することが出来る。
【実施例14】
【0096】
図19は電界効果型ディスプレイパネルの断面模式図である。図19において、カソートがマトリクス状に形成されたカソード基板501と、カソードに対応して蛍光体が形成されたアノード基板502が封止材210を介して対向して配置されている。カソード基板501とアノード基板502間の空間は、排気基板503に取り付けられた排気管を通して真空に排気される。
【0097】
電界効果型ディスプレイパネルはフルカラーの表示が可能であるが、コントラストを改善するために減光フィルム530を用いる場合がある。この場合は、減光フィルム530をアノード基板502に貼り付けて対応する。この場合の減光530も、本体と、封止基板402と接着するための粘着層、および、傷等から保護するための保護フィルムから形成されていることは液晶表示装置における偏光板と同様である。
【0098】
したがって、電界効果型ディスプレイパネルに減光フィルム530を接着する場合も実施例1〜実施例10で説明した本発明の方法を適用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】光学フィルムの一例である偏光板の構造を示す拡大断面図である。
【図2】本発明による光学フィルムの表示パネルへの貼付けを実現する貼付け装置の概要を示す斜視である。
【図3】本発明の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の動作のフローを説明する断面図である。
【図5】本発明の動作の図4に続くフローを説明する断面図である。
【図6】本発明の巻付け機構を説明する断面図である。
【図7】本発明の糊面保護フィルムを剥離する動作を説明する斜視図である。
【図8】本発明の糊面保護フィルムを剥離する図7に続く動作を説明する斜視図である。
【図9】本発明の糊面保護フィルムを剥離する図8に続く動作を説明する斜視図である。
【図10】本発明の粘着ベルトと孔の位置関係を説明する図である。
【図11】粘着ローラに形成される孔の例を示す平面図である。
【図12】粘着ローラの複数の位置に孔が形成される例を示す断面図である。
【図13】粘着ローラの偏光フィルム巻きつけ終了位置に孔を設けた例である。
【図14】偏光板の傷防止フィルムが粘着ローラから剥離しない例である。
【図15】着脱可能な粘着ローラの製造方法を示す断面図と平面図である。
【図16】液晶表示装置の断面図である。
【図17】プラズマディスプレイパネルの断面図である。
【図18】有機EL表示装置の断面図である。
【図19】電界効果型ディスプレイパネルの断面図である。
【符号の説明】
【0100】
1 液晶パネル
2 偏光板(光学フィルム複合体)
2’ 偏光板2から糊面保護フィルム2aを除いたもの
2a 糊面保護フィルム
2b 糊面
2c 偏光板本体
2d 傷防止保護フィルム
2d’ 空隙
3a 孔のある領域
3b 粘着ゴム
3c 接着層
3d 芯金
3e 回転軸
4 巻付けローラ
5 粘着ベルト
6a 真空源をつなぐバルブ
6b 圧空源をつなぐバルブ
6c 開閉バルブ
7 角度検出器
8 バルブ切替制御コントローラ
9 配管
10 孔
11 クリーニングローラ
11’ クリーニングローラ
12 駆動源
13 偏光板巻付け開始位置
14 偏光板巻付け終了位置
15 液晶パネル位置決め用センサ
16 偏光板位置決め用センサ
17 液晶パネル搬送ローラ
18 偏光板搬送ローラ
19 機械式チャック
300 固定ピン
301 スライダー
302 ピン
303 クサビ
3c’ 金属板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学フィルムを供給する供給手段と、
前記光学フィルムを保持する保持手段と、
前記光学フィルムから糊面の保護フィルムの剥離を行う粘着面保護フィルム剥離手段と、
前記光学フィルムに表示パネルを接触させる表示パネル接触手段を有する光学フィルム貼り付け装置であって、
前記保持手段は粘着性を有する円筒形部材から構成され、
前記保持手段の回転運動に伴い、前記光学フィルムを粘着保持する位置、前記光学フィルムの粘着面保護フィルム剥離位置、前記光学フィルムと前記表示パネル接触位置を、順次前記光学フィルムが通過する配置とし、
前記円筒形部材は前記光学フィルムを特定領域において巻きつけを開始し、
前記円筒形部材の前記特定領域には真空吸引手段と圧空供給手段が接続された孔が形成されていることを特徴とする光学フィルム貼り付け装置。
【請求項2】
前記孔はグループ毎に複数形成され、グループ毎に真空吸引、圧空供給、または、真空吸引および圧空供給のいずれも行わないように切り替えが出来ることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム貼り付け装置。
【請求項3】
前記円筒形部材は、回転角度を検出する手段と、光学フィルムを位置決めする手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルム貼り付け装置。
【請求項4】
前記円筒形部材に巻きつけられた光学フィルムを表示パネルに押し付けて貼り付けする際に、前記孔に圧空を供給することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学フィルム貼り付け装置。
【請求項5】
前記円筒形部材は、粘着性シートがローラに巻きつけられて固定された構成であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム貼り付け装置。
【請求項6】
前記円筒形部材の外周面には、前記円筒形部材の外周面に付着した異物を除去するための粘着性を持ったローラが接触していることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルム貼り付け装置。
【請求項7】
前記円筒形部材の前記粘着性シートあるいは前記ローラのいずれかは導電性を有しており、基準電位に接続されていることを特徴とする請求項5に記載の光学フィルム貼り付け装置。
【請求項8】
前記異物を除去するための粘着性を持ったローラは導電性を有しており、基準電位に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の光学フィルム貼り付け装置。
【請求項9】
第1と第2の光学フィルムを供給する第1と第2の供給手段と、
前記第1と第2の光学フィルムを保持する第1と第2の保持手段と、
前記第1と第2の光学フィルムから糊面の保護フィルムの剥離を行う第1と第2の粘着面保護フィルム剥離手段と、
前記第1と第2の光学フィルムに表示パネルを接触させる第1と第2の表示パネル接触手段を有する光学フィルム貼り付け装置であって、
前記第1と第2の保持手段は粘着性を有する円筒形部材から構成され、
前記第1と第2の保持手段の回転運動に伴い、前記第1と第2の光学フィルムを粘着保持する位置、前記第1と第2の光学フィルムの粘着面保護フィルム剥離位置、前記第1と第2の光学フィルムと前記表示パネル接触位置を、順次前記第1と第2の光学フィルムが通過する配置とし、
前記第1と第2の円筒形部材は前記第1と第2の光学フィルムを特定領域において巻きつけを開始し、
前記第1と第2の円筒形部材の前記特定領域には真空吸引手段と圧空供給手段が接続された孔が形成されており、
前記表示パネルの第1の面には前記第1の円筒形部材から前記第1の光学フィルムが貼り付けられ、前記表示パネルの第2の面には前記第2の円筒形部材から前記第2の光学フィルムが貼り付けられることを特徴とする光学フィルム貼り付け装置。
【請求項10】
光学フィルムを供給手段により供給し、
保持手段により前記光学フィルムを保持しながら、
粘着面保護フィルム剥離手段により光学フィルムから糊面の保護フィルムの剥離を行い、
その後、保持手段により光学フィルムを保持しながら、接触手段により前記光学フィルムを表示パネルに接触させる表示パネルへの光学フィルム貼り付け方法であって、
粘着性を有する円筒形部材により前記光学フィルムを粘着保持し、
粘着性を有する円筒形部材を回転させることにより、光学フィルムを粘着保持位置、粘着面保護フィルム剥離位置、表示パネル接触位置の順に通過させる配置とし、
前記円筒形部材は前記光学フィルムを特定領域において巻きつけを開始し、
前記円筒形部材の前記特定領域には真空吸引手段と圧空供給手段が接続された孔が形成されており、
前記円筒形部材に巻きつけられた光学フィルムを表示パネルに押し付けて貼り付けする際に、前記孔に圧空を供給して前記円筒形部材から前記光学フィルムを剥離することを特徴とする光学フィルム貼り付け方法。
【請求項11】
前記円筒形部材が前記光学フィルムの巻きつけを開始する時に、前記孔を真空吸引して、前記光学フィルムを前記円筒形部材に吸引することを特徴とする請求項10に記載の光学フィルム貼り付け方法。
【請求項12】
画素電極およびTFTが形成されたTFT基板とカラーフィルタが形成されたカラーフィルタ基板との間に液晶層が挟持され、前記TFT基板および前記カラーフィルタ基板には偏光板が貼り付けられた液晶表示装置の製造方法であって、
前記偏光板は、前記偏光板の供給手段から供給された後、円筒形部材によって保持し、
粘着面保護フィルム剥離手段により前記偏光板から糊面の保護フィルムの剥離を行い、
その後、接触手段により前記偏光板を前記TFT基板または前記カラーフィルタ基板に接触させ、
前記偏光板の前記円筒形部材による保持位置、前記保護フィルムの剥離位置、前記偏光板を前記TFT基板及び前記カラーフィルタ基板に接触する位置への前記偏光板の移動は、前記円筒形部材を回転させることによって行われ、
前記円筒形部材は前記偏光板を特定領域において巻きつけを開始し、
前記円筒形部材の前記特定領域には真空吸引手段と圧空供給手段が接続された孔が形成されており、
前記円筒形部材に巻きつけられた前記偏光板を液晶表示装置に押し付けて貼り付けする際に、前記孔に圧空を供給して前記円筒形部材から前記偏光板を剥離することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
【請求項13】
前面基板と背面基板の間に放電空間が形成され、前記放電空間における放電による紫外線によって前記放電空間に形成された蛍光体を発光させることによって画像を形成するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記前面基板には減光フィルムが形成され、
前記減光フィルムは、前記減光フィルムの供給手段から供給された後、円筒形部材によって保持し、
粘着面保護フィルム剥離手段により前記減光フィルムから糊面の保護フィルムの剥離を行い、
その後、接触手段により前記減光フィルムを前記前面基板に接触させ、
前記減光フィルムの前記円筒形部材による保持位置、前記保護フィルムの剥離位置、前記減光フィルムを前記前面基板に接触する位置への前記減光フィルムの移動は、前記円筒形部材を回転させることによっておこなわれ、
前記円筒形部材は前記減光フィルムを特定領域において巻きつけを開始し、
前記円筒形部材の前記特定領域には真空吸引手段と圧空供給手段が接続された孔が形成されており、
前記円筒形部材に巻きつけられた前記減光フィルムをプラズマディスプレイパネルに押し付けて貼り付けする際に、前記孔に圧空を供給して前記円筒形部材から前記減光フィルムを剥離することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項14】
有機EL素子およびTFTが形成された素子基板を封止基板によって封止した有機EL表示装置製造方法であって、
前記封止基板には色度調整フィルムが形成され、
前記色度調整フィルムは、前記色度調整フィルムの供給手段から供給された後、円筒形部材によって保持し、
粘着面保護フィルム剥離手段により前記色度調整フィルムから糊面の保護フィルムの剥離を行い、
その後、接触手段により前記色度調整フィルムを前記封止基板に接触させ、
前記色度調整フィルムの前記円筒形部材による保持位置、前記保護フィルムの剥離位置、前記色度調整フィルムを前記前面基板に接触する位置への前記色度調整フィルムの移動は、前記円筒形部材を回転させることによって行われ、
前記円筒形部材は前記色度調整フィルムを特定領域において巻きつけを開始し、
前記円筒形部材の前記特定領域には真空吸引手段と圧空供給手段が接続された孔が形成されており、
前記円筒形部材に巻きつけられた前記色度調整フィルムを有機EL表示装置に押し付けて貼り付けする際に、前記孔に圧空を供給して前記円筒形部材から前記色度調整フィルムを剥離することを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
【請求項15】
マトリクス状に配置されたカソードが形成されたカソード基板と、前記カソードに対応して蛍光体が形成されたアノード基板を対向させ、内部を真空にした電界効果型ディスプレイパネルの製造方法であって、
前記アノード基板には減光フィルムが形成され、
前記減光フィルムは、前記減光フィルムの供給手段から供給された後、円筒形部材によって保持し、
粘着面保護フィルム剥離手段により前記減光フィルムから糊面の保護フィルムの剥離を行い、
その後、接触手段により前記減光フィルムを前記アノード基板に接触させ、
前記減光フィルムの前記円筒形部材による保持位置、前記保護フィルムの剥離位置、前記減光フィルムを前記前面基板に接触する位置への前記減光フィルムの移動は、前記円筒形部材を回転させることによって行われ、
前記円筒形部材は前記減光フィルムを特定領域において巻きつけを開始し、
前記円筒形部材の前記特定領域には真空吸引手段と圧空供給手段が接続された孔が形成されており、
前記円筒形部材に巻きつけられた前記減光フィルムを電界効果型ディスプレイパネルに押し付けて貼り付けする際に、前記孔に圧空を供給して前記円筒形部材から前記減光フィルムを剥離することを特徴とする電界効果型ディスプレイパネルの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−145597(P2010−145597A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320839(P2008−320839)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】