説明

光学活性2−ヒドロキシエステル化合物の製造方法

【課題】反応後にpH調整を繰り返すことなく、容易に、式(2)


(式中、R1は置換されていてもよい低級アルキル基等を表わし、*は光学活性な炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ヒドロキシエステル化合物や式(4)


(式中、*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物を製造する方法を提供すること。
【解決手段】式(1)


(式中、R1は上記と同一の意味を、R2は低級アシル基を表わす。)
で示される2−アシルオキシエステル化合物のアシルオキシ基部位を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物あるいはその処理物を、前記式(1)で示される化合物に接触させることを特徴とする式(2)で示される光学活性2−ヒドロキシエステル化合物の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学活性2−ヒドロキシエステル化合物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸に代表される式(4)

(式中、*は光学活性な炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物は、光学活性な医農薬の合成原料として重要な化合物であることが知られており(例えば特許文献1参照。)、その製造方法として、ラセミ体の2−ヒドロキシ−2−ピリジルアセトニトリルを酵素により不斉加水分解する方法が知られている(例えば特許文献1参照。)。しかしながら、かかる方法では、原料の2−ヒドロキシ−2−ピリジルアセトニトリルも、目的生成物である光学活性2−ヒドロキシ−2−ピリジル酢酸も水に溶けやすいため、未反応原料と目的生成物とを分離し、目的生成物を取り出すために、反応終了後、一旦系内のpHをアルカリ性に調整して抽出処理を行い、その後、系内のpHを酸性に調整して、抽出処理を行う必要があった。
【0003】
【特許文献1】特開平8−205878号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況のもと、本発明者らは、反応後にpH調整を繰り返すことなく、容易に光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物を製造する方法を見出すべく検討したところ、新規な化合物である式(1)

(式中、R1は置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わし、R2は低級アシル基を表わす。)
で示される2−アシルオキシエステル化合物を原料として用い、該2−アシルオキシエステル化合物のアシルオキシ基部位を優先的に加水分解する能力を有する酵素等を該2−アシルオキシエステル化合物に接触させることにより、アシルオキシ基部位が優先的に加水分解された式(2)

(式中、R1は上記と同一の意味を表わし、*は光学活性な炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ヒドロキシエステル化合物と未反応の式(3)

(式中、R1、R2および*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−アシルオキシエステル化合物とが得られ、これらをpH調整することなく、分液操作のみで、容易に分離できること、さらに、分離した光学活性2−ヒドロキシエステル化合物や未反応の式(3)で示される光学活性2−アシルオキシエステル化合物を、酸の存在下に水を作用せしめることにより、容易に式(4)

(式中、*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物へ誘導でき、pH調整することなく、生成した式(4)で示される光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物を取り出すことができることを見出し、本発明に至った。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、本発明は、式(1)

(式中、R1は置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わし、R2は低級アシル基を表わす。)
で示される2−アシルオキシエステル化合物のアシルオキシ基部位を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物あるいはその処理物を、前記式(1)で示される化合物に接触させることを特徴とする式(2)

(式中、R1は上記と同一の意味を表わし、*は光学活性な炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ヒドロキシエステル化合物の製造方法等を提供するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、原料と目的生成物とが容易に分離でき、工業的により有利に光学活性2−ヒドロキシエステル化合物や光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
まず、式(1)

で示される2−アシルオキシエステル化合物(以下、2−アシルオキシエステル化合物(1)と略記する。)について、説明する。
【0008】
上記式(1)の式中、R1は置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わし、R2は低級アシル基を表わす。置換されていてもよい低級アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の無置換の炭素数1〜4の低級アルキル基、およびこれら無置換の低級アルキル基を構成する水素原子の一つもしくは二つ以上が、例えばフッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子、例えばメトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基等の置換基で置換された、例えばクロロメチル基、クロロエチル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基等が挙げられ、無置換の炭素数1〜4の低級アルキル基が好ましく、なかでもエチル基またはn−ブチル基が特に好ましい。置換されていてもよいアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の無置換のアリール基、およびこれら無置換のアリール基を構成する芳香環の一つもしくは二つ以上の水素原子が、例えば前記ハロゲン原子、前記低級アルキル基、前記低級アルコキシ基等の置換基で置換された、2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基等が挙げられる。置換されていてもよいアラルキル基としては、前記置換されていてもよい低級アルキル基と前記置換されていてもよいアリール基とから構成されるもの、例えばベンジル基、2−フェニルエチル基、2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基等が挙げられる。
【0009】
低級アシル基としては、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基とカルボニル基とから構成される炭素数2〜5のアシル基が挙げられる。
【0010】
かかる2−アシルオキシエステル化合物(1)としては、例えば2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、
【0011】
2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、
【0012】
2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、
【0013】
2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、
【0014】
2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、
【0015】
2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル等が挙げられる。
【0016】
続いて、かかる2−アシルオキシエステル化合物(1)のアシルオキシ基部位を優先的に加水分解する能力を有する酵素について説明する。
【0017】
かかる酵素としては、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)等のアスペルギルス(Aspergillus)属の微生物、例えばバークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)等のバークホルデリア(Burkholderia)属の微生物、例えばキャンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)、キャンディダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)、キャンディダ・ルゴサ(Candida rugosa)等のキャンディダ(Candida)属の微生物、例えばリゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)等のリゾプス(Rhizopus)属の微生物を起源とする酵素が挙げられ、バークホルデリア(Burkholderia)属の微生物またはキャンディダ(Candida)属の微生物を起源とする酵素が好ましく、バークホルデリア(Burkholderia)属の微生物を起源とする酵素がより好ましい。
【0018】
2−アシルオキシエステル化合物(1)のアシルオキシ基部位を優先的に加水分解する能力を有し、S体の式(2)

(式中、R1は上記と同一の意味を表わし、*は光学活性な炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(以下、光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)と略記する。)を選択的に生成する酵素の具体例としては、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、キャンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)、リゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)等の微生物を起源とする酵素が挙げられ、さらに具体的には、例えばリパーゼAP4(Aspergillus niger由来)、リパーゼPSアマノ(Burkholderia cepacia由来)、リパーゼF−AP15(Rhizopus oryzae由来)(以上、天野エンザイム社製)、キラザイムL5(Candida antarctica由来)(ロッシュ ダイアグノスティックス社製)等が挙げられる。
【0019】
また、2−アシルオキシエステル化合物(1)のアシルオキシ基部位を優先的に加水分解する能力を有し、R体の光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)を選択的に生成する酵素の具体例としては、例えばキャンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)、キャンディダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)、キャンディダ・ルゴサ(Candida rugosa)等の微生物を起源とする酵素が挙げられ、さらに具体的には、リパーゼAYSアマノ(Candida rugosa由来)(天野エンザイム社製)、リパーゼMY(Candida cylindracea由来)、リパーゼOF−30(Candida cylindracea由来)(以上、名糖産業製)等が挙げられる。
【0020】
かかる酵素の産生能を有する微生物の培養方法としては、例えば、通常用いられる液体培養方法が挙げられる。用いられる培地としては、通常の微生物培養に使用される炭素源、窒素源、無機物等を適宜含有する各種培地が挙げられる。炭素源としては、例えばグルコース、グリセロール、デンプン、有機酸、糖蜜等が挙げられ、窒素源としては、例えば酵母エキス、ペプトン、カザミノ酸、麦芽エキス、大豆粉、コーンスティープリカー(corn steep liquor)、綿実粉、乾燥酵母、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム等が挙げられ、無機塩としては、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、炭酸カルシウム、酢酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸第一鉄、塩化コバルト等が挙げられる。
【0021】
培養温度および培養液のpHは、前記微生物が生育する範囲であれば特に限定されるものではないが、培養温度としては、約15〜45℃の範囲、培養液のpHとしては、約4〜8の範囲が好ましい。培養時間は、培養条件により適宜選択することができるが、約1〜7日間が好ましい。
【0022】
かくして酵素の培養物が得られ、前記のとおり、得られた培養物をそのまま用いてもよいし、該培養物を精製して酵素を得、得られた酵素を用いてもよい。培養物を精製する方法としては、通常の酵素を精製する方法が挙げられる。例えば超音波処理、ダイノミル処理等により培養物中の菌体を破砕した後、遠心分離等により不溶物を濾別し、例えばイオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー等のカラムクロマログラフィー処理する方法が挙げられる。
【0023】
かかる酵素またはその培養物の処理物としては、例えば培養して得られた菌体を凍結乾燥処理したもの、例えばアセトン、エタノール等の有機溶媒で処理したもの、例えばアルカリ処理したもの、例えば物理的にもしくは酵素的に破砕処理したもの、これらのものから分離・抽出された粗酵素等が挙げられる。また、これらを、公知の方法により固定化処理したものを用いてもよい。固定化処理方法としては、例えばシリカゲル、セラミック等の無機担体、セルロース、イオン交換樹脂等の担体に吸着させる担体結合方法、例えばポリアクリルアミド法、含硫多糖ゲル法(例えばカラギーナンゲル法)、アルギン酸ゲル法、寒天ゲル法等が挙げられる。
【0024】
続いて、2−アシルオキシエステル化合物(1)のアシルオキシ基部位を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物あるいはその処理物を、前記式(1)で示される化合物に接触させて、光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)を製造する方法について説明する。
【0025】
2−アシルオキシエステル化合物(1)に接触させる酵素の使用量としては、2−アシルオキシエステル化合物(1)に対して、通常0.001〜1重量倍、好ましくは0.0002〜0.5重量倍である。微生物の培養物あるいはその処理物を用いる場合のその使用量は、2−アシルオキシエステル化合物(1)に対して、通常0.01〜200重量倍、好ましくは0.1〜50重量倍である。
【0026】
2−アシルオキシエステル化合物(1)と酵素は、通常水中で混合、接触させられる。水の使用量は、2−アシルオキシエステル化合物(1)に対して、通常1〜300重量倍、好ましくは5〜100重量倍である。また、緩衝剤の共存下に実施してもよく、緩衝剤としては、例えばリン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩、例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等のアルカリ金属酢酸塩等が挙げられる。かかる緩衝剤の使用量は、用いた緩衝剤が有効に機能する量であれば特に限定されない。
【0027】
また、有機溶媒の共存下に接触させてもよく、有機溶媒としては、例えばテトラヒドロフラン、tert−ブチルメチルエーテル、イソプロピルエーテル等のエーテル系溶媒、例えばトルエン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、イソオクタン、デカン等の炭化水素系溶媒、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶媒、例えばジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、例えばアセトニトリル等のニトリル系溶媒、例えばアセトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。かかる有機溶媒の使用量は、2−アシルオキシエステル化合物(1)に対して、通常100重量倍以下、好ましくは70重量倍以下である。
【0028】
反応温度としては、酵素の安定性、反応速度の観点から、通常0〜70℃、好ましくは10〜50℃である。また、反応系内のpHは、反応が進行する範囲であれば適宜変化させることができるが、通常pH4〜11の範囲、好ましくはpH5〜9の範囲で反応が実施される。反応の進行に伴い、反応系内のpHが変化する場合には、例えば塩基を加え、反応系内のpHを適宜選択された範囲内に調整しながら反応を実施してもよい。かかる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム等のアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、例えばリン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム等のアルカリ金属リン酸塩等が挙げられる。
【0029】
2−アシルオキシエステル化合物(1)と酵素が水中で混合、接触させられ、2−アシルオキシエステル化合物(1)のいずれか一方の光学異性体のアシルオキシ部位が優先的に加水分解され、光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)が得られる。生成した光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)は水に溶けやすく、未反応の式(3)

(式中、R1、R2および*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−アシルオキシエステル化合物(以下、光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)と略記する。)は水に溶けにくいため、反応終了後、必要に応じて水に不溶の有機溶媒を加え、分液処理することにより、光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)を含む水層と、未反応の光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)を含む有機層とを得ることができ、生成物である光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)と未反応の光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)とを容易に分離することができる。水に不溶の有機溶媒としては、例えばトルエン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶媒、例えばtert−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えば酢酸エチル等のエステル系溶媒等が挙げられ、その使用量は特に制限されない。なお、反応液中に不溶分が存在する場合には、分液処理の前もしくは後にかかる不溶分を濾別することが好ましい。
【0030】
得られた光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)を含む水層を、例えば濃縮処理することにより、光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)を取り出すことができる。かかる光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)としては、例えば光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル等が挙げられる。
【0031】
また、未反応の光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)を含む有機層を濃縮処理することにより、光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)を取り出すことができる。かかる光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)としては、例えば光学活性2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、
【0032】
光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、
【0033】
光学活性2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、
【0034】
光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、
【0035】
光学活性2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−アセチルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−プロピオニルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−ブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、
【0036】
光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−イソブチリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−バレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−イソバレリルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−ブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、光学活性2−ピバロイルオキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル等が挙げられる。
【0037】
続いて、光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)に、酸性条件下で水を作用させて、式(4)

(式中、*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物(以下、光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物(4)と略記する。)を製造する方法について説明する。取り出した光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)に、酸性条件下で水を作用させてもよいし、光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)を取り出すことなく、光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)を含む有機層に、酸性条件下で水を作用させてもよい。
【0038】
光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)に作用させる水の使用量は、光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)に対して、通常0.1〜10重量倍、好ましくは0.5〜3重量倍である。
【0039】
酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸、リン酸等の無機酸が挙げられ、かかる酸はそれぞれ単独で用いてもよいし、二つ以上を混合して用いてもよい。かかる酸は、そのまま用いてもよいし、水溶液として用いてもよい。かかる酸の使用量は、光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)に対して、通常0.1〜30モル倍、好ましくは0.5〜10モル倍である。
【0040】
水を作用させる温度は、生成物の安定性や反応速度の観点から、通常5〜50℃の範囲、好ましくは10〜40℃の範囲である。
【0041】
有機溶媒の共存下に水を作用させてもよく、有機溶媒としては、例えば前記炭化水素系溶媒、前記スルホキシド系溶媒等が挙げられ、その使用量は、光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)に対して、通常10重量倍以下、好ましくは3重量倍以下である。
【0042】
光学活性2−アシルオキシエステル化合物(3)に、酸性条件下で水を作用させることにより、アシルオキシ部位およびエステル部位の加水分解反応が進行し、光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物(4)が生成する。生成した光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物(4)は、反応液をpH調整することなく、例えば濃縮処理することにより容易に取り出すことができる。酸の使用量によっては、光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物(4)の酸付加塩として取り出すこともできる。
【0043】
かくして得られる光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物(4)としては、光学活性2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸、光学活性2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸、光学活性2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸が挙げられる。
【0044】
続いて、生成した光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)に、酸性条件下で、水を作用させて、光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物(4)を製造する方法について説明する。前記で取り出した光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)に、酸性条件下で水を作用させてもよいし、光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)を取り出すことなく、光学活性2−ヒドロキシエステル化合物(2)を含む水層に酸を加えてもよい。かかる反応は、エステル化合物を酸性条件下で加水分解してカルボン酸化合物に誘導する公知の方法に準じて実施すればよく、また、反応終了後、pH調整することなく、容易に光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物(4)を取り出すことができる。
【0045】
最後に、2−アシルオキシエステル化合物(1)の製造方法について説明する。2−アシルオキシエステル化合物(1)は、例えば公知の方法に従い製造される式(5)

(式中、R1は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物とアシル化剤とを反応させることにより製造することができる。
【0046】
式(5)で示される化合物としては、例えば2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸メチル、2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸イソブチル、2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸フェニル、2−ヒドロキシ−2−(2−ピリジル)酢酸ベンジル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸メチル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸イソブチル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸フェニル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸ベンジル、2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸メチル、2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸エチル、2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸n−プロピル、2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソプロピル、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル、2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸イソブチル、2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸sec−ブチル、2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸tert−ブチル、2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸フェニル、2−ヒドロキシ−2−(4−ピリジル)酢酸ベンジル等が挙げられる。
【0047】
アシル化剤としては、例えば無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸等の炭素数2〜4〜10の酸無水物等が挙げられ、通常市販されているものが用いられる。
【0048】
アシル化剤の使用量は、式(5)で示される化合物に対して、通常1〜10モル倍、好ましくは1〜5モル倍である。
【0049】
式(5)で示される化合物とアシル化剤との反応は、通常無溶媒もしくは有機溶媒の存在下に、その両者を混合することにより実施される。有機溶媒としては、反応に不活性な有機溶媒であれば制限されず、例えば前記炭化水素系溶媒等が挙げられる。かかる有機溶媒の使用量は特に制限されない。
【0050】
反応温度は、通常30〜200℃、好ましくは40〜90℃である。
【0051】
反応終了後、例えば反応液を濃縮処理することにより、2−アシルオキシエステル化合物(1)を取り出すことができる。取り出した2−アシルオキシエステル化合物(1)は、そのまま前記酵素と接触させてもよいし、例えば再結晶等の通常の精製手段により精製した後、前記酵素と接触させてもよい。
【実施例】
【0052】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、光学純度は、光学活性カラム(ダイセル化学工業製CHIRALCEL ADまたは住化分析センター製SUMICHIRAL OA−6100R)を用いる液体クロマトグラフィー分析法により求めた。
【0053】
実施例1
容量5Lの四つ口フラスコに、リン酸二水素カリウム13.6g、リン酸水素二カリウム28.9gおよび水1004.5gを仕込んだ。これに、内温24℃で、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル110.8gを10分かけて滴下した。さらに、1.9重量%リン酸水素二カリウム水溶液1080.5gを加え、pH7に調整した。これに、リパーゼPSアマノ(天野エンザイム社製)11gを加え、内温22〜24℃で26時間攪拌、反応させた。なお、4重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応液のpHを7に調整しながら反応を実施した。反応終了後、ヘキサン770gを加え、30分攪拌した後、不溶分を濾別した。濾液を静置し、分液処理し、(2R)−2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチルを含む有機層と(2S)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチルを含む水層に分離した。水層を、さらにヘキサン770gで2回抽出処理し、得られたヘキサン層を先に得た有機層に合一した。合一後の有機層を水1162gで6回洗浄した後、濃縮処理し、(2R)−2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル42.4gを得た。収率:38.3%(2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル基準)。光学純度:99%e.e.以上。
【0054】
実施例2
前記実施例1と同様に実施して得られた(2R)−2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル168gに、氷冷下で、濃塩酸284.8gを滴下した。その後、内温20℃に調整し、同温度で6時間攪拌、反応させた。さらに、酢酸120.5gを、同温度で1時間かけて滴下し、同温度でさらに2時間反応させた。反応終了後、反応液を濃縮処理し、イソプロパノール340gを内温50℃で30分かけて滴下した。内温2〜5℃に冷却し、析出した結晶を濾取し、(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸の塩酸塩97.3gを得た。収率:77%((2R)−2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル基準)。光学純度:99.9%e.e.以上。
【0055】
実施例3
容量50mLの四つ口フラスコに、無水酢酸12.5gを仕込み、内温50℃で、2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル5.1gを5分かけて滴下した。滴下終了後、同温度で4時間攪拌、反応させた。その後、反応液を濃縮処理し、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル6gを得た。収率:98%。
【0056】
2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチルの1H−NMRデータ(CDCl3,δ/ppm)
0.87(t,3H),1.23−1.33(m,2H),1.54−1.60(m,2H),2.22(s,3H),4.09−4.21(m,2H),5.97(s,1H),7.35(dd,1H),7.82(dt,1H),8.64(dd,1H),8.73(d,1H)
【0057】
実施例4
容量50mLの四つ口フラスコに、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル0.25g、リン酸二水素カリウム0.06g、リン酸水素二カリウム0.06gおよび水5.1gを仕込み、さらに2.2重量%リン酸水素二カリウム水溶液5.3gを加え、pH7に調整した。これに、リパーゼPSアマノ(天野エンザイム社製)125mgを加え、内温22〜24℃で3.5時間攪拌、反応させた。なお、4重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応液のpHを7に調整しながら反応を実施した。反応終了後、トルエン25gを加え、30分攪拌した後、不溶分を濾別した。濾液を静置し、分液処理し、(2R)−2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルを含む有機層と(2S)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルを含む水層に分離した。(2S)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルの収率は24%(2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル基準)、光学純度は96.2%e.e.であった。
【0058】
実施例5
容量50mLの四つ口フラスコに、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル0.25g、リン酸二水素カリウム0.06g、リン酸水素二カリウム0.06gおよび水5.1gを仕込み、さらに、2.2重量%リン酸水素二カリウム水溶液6gを加え、pH7に調整した。これに、リパーゼP−30A(天野エンザイム社製)0.25gを加え、内温22〜24℃で7.8時間攪拌、反応させた。なお、4重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応液のpHを7に調整しながら反応を実施した。反応終了後、トルエン25gを加え、30分攪拌した後、不溶分を濾別した。濾液を静置し、分液処理し、(2R)−2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルを含む有機層と(2S)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルを含む水層に分離した。(2S)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルの収率は、14%(2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル基準)、光学純度は92.4%e.e.であった。
【0059】
実施例6
容量50mLの四つ口フラスコに、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル0.25g、リン酸二水素カリウム0.06g、リン酸水素二カリウム0.06gおよび水5.1gを仕込み、さらに、2.2重量%リン酸水素二カリウム水溶液4.2gを加え、pH7に調整した。これに、キラザイムL5(ロッシュ ダイアグノスティックス社製)18.4mgを加え、内温22〜24℃で10時間攪拌、反応させた。なお、4重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応液のpHを7に調整しながら反応を実施した。反応終了後、トルエン25gを加え、30分攪拌した後、不溶分を濾別した。濾液を静置し、分液処理し、(2R)−2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルを含む有機層と(2S)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルを含む水層に分離した。(2S)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルの収率は12%(2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル基準)、光学純度は71.8%e.e.であった。
【0060】
実施例7
容量50mLの四つ口フラスコに、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル0.25g、リン酸二水素カリウム0.06g、リン酸水素二カリウム0.06gおよび水5.2gを仕込み、さらに、2.2重量%リン酸水素二カリウム水溶液4.2gを加え、pH7に調整した。これに、リパーゼAYS−30アマノ(天野エンザイム社製)125mgを加え、内温22〜24℃で3時間攪拌、反応させた。なお、4重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応液のpHを7に調整しながら反応を実施した。(2S)−2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチルと(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチルとが生成していることを確認した。(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチルの収率は48%(2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸n−ブチル基準)、光学純度は83.6%e.e.であった。
【0061】
実施例8
容量50mLの四つ口フラスコに、2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル0.25g、リン酸二水素カリウム0.06g、リン酸水素二カリウム0.06gおよび水5.2gを仕込み、さらに、2.2重量%リン酸水素二カリウム水溶液4.7gを加え、pH7に調整した。これに、リパーゼMY(名糖産業社製)0.25gを加え、内温22〜24℃で8.3時間攪拌、反応させた。なお、4重量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、反応液のpHを7に調整しながら反応を実施した。反応終了後、トルエン25gを加え、30分攪拌した後、不溶分を濾別した。濾液を静置し、分液処理し、(2S)−2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルを含む有機層と(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルを含む水層に分離した。(2R)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチルの収率は8%(2−アセチルオキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル基準)、光学純度は73.2%e.e.であった。
【0062】
実施例9
前記実施例4と同様に実施して得られた(2S)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸エチル(光学純度:86.2%e.e.)0.1g、水0.55g、酢酸2gおよび濃塩酸0.24gを混合し、内温25℃で24時間攪拌、反応させた。反応終了後、反応液を濃縮処理し、析出した結晶をアセトン1gで洗浄し、(2S)−2−ヒドロキシ−2−(3−ピリジル)酢酸0.08gを得た。収率:78%。光学純度:83.0%e.e.(住化分析センター製光学活性カラムSUMICHIRAL OA−5000Lを用いた液体クロマトグラフィー分析法により分析)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

(式中、R1は置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わし、R2は低級アシル基を表わす。)
で示される2−アシルオキシエステル化合物のアシルオキシ基部位を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物あるいはその処理物を、前記式(1)で示される化合物に接触させることを特徴とする式(2)

(式中、R1は上記と同一の意味を表わし、*は光学活性な炭素原子であることを表わす。)
で示される光学活性2−ヒドロキシエステル化合物の製造方法。
【請求項2】
酵素が、アスペルギルス(Aspergillus)属、バークホルデリア(Burkholderia)属、キャンディダ(Candida)属またはリゾプス(Rhizopus)属の微生物を起源とする酵素である請求項1に記載の光学活性2−ヒドロキシエステル化合物の製造方法。
【請求項3】
酵素が、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、キャンディダ・アンタークティカ(Candida antarctica)、キャンディダ・シリンドラセア(Candida cylindracea)、キャンディダ・ルゴサ(Candida rugosa)またはリゾプス・オリザエ(Rhizopus oryzae)を起源とする酵素である請求項1に記載の光学活性2−ヒドロキシエステル化合物の製造方法。
【請求項4】
請求項1で得られた式(2)で示される光学活性2−ヒドロキシエステル化合物に、酸性条件下で、水を作用させることを特徴とする式(4)

(式中、*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物の製造方法。
【請求項5】
式(1)で示される2−アシルオキシエステル化合物において、R2がアセチル基である請求項1に記載の光学活性2−ヒドロキシエステル化合物の製造方法。
【請求項6】
式(1)で示される2−アシルオキシエステル化合物において、R1が低級アルキル基である請求項1に記載の光学活性2−ヒドロキシエステル化合物の製造方法。
【請求項7】
式(1)

(式中、R1は置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わし、R2は低級アシル基を表わす。)
で示される2−アシルオキシエステル化合物のアシルオキシ基部位を優先的に加水分解する能力を有する酵素、または該酵素の産生能を有する微生物の培養物あるいはその処理物を、前記式(1)で示される化合物に接触させた後、抽出処理して、未反応の式(3)

(式中、R1、R2および*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性2−アシルオキシエステル化合物を取得することを特徴とする光学活性2−アシルオキシエステル化合物の製造方法。
【請求項8】
請求項7で得られた式(3)で示される光学活性2−アシルオキシエステル化合物に、酸性条件下で、水を作用させることを特徴とする式(4)で示される光学活性2−ヒドロキシ酢酸化合物の製造方法。
【請求項9】
式(6)

(式中、下記

で示される基は、ピリジン環の3位または4位に結合し、R1は置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わし、R2は低級アシル基を表わす。)
で示される2−アシルオキシエステル化合物またはその光学活性体。
【請求項10】
式(5)

(式中、R1は置換されていてもよい低級アルキル基、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいアラルキル基を表わす。)
で示される化合物とアシル化剤とを反応させることを特徴とする式(1)

(式中、R1は上記と同一の意味を表わし、R2は低級アシル基を表わす。)
で示される2−アシルオキシエステル化合物の製造方法。

【公開番号】特開2006−151883(P2006−151883A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−345804(P2004−345804)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000167646)広栄化学工業株式会社 (114)
【Fターム(参考)】