説明

光学物品

【課題】耐擦傷性、密着性、耐候性、耐湿性および発色性に優れ、高屈折率を有する光学物品を提供すること。
【解決手段】メガネレンズ10は、レンズ基材11と、プライマー層12と、ハードコート層13と、反射防止層14と、を備えている。ハードコート層13は、下記成分(A)および成分(B)を主成分としたコーティング組成物で形成される。(A)チタン酸化物微粒子とチタン酸化物が含まれる複合微粒子のうち少なくともいずれか一方を主体とする微粒子。(B)アンチモンとジルコニウムのうち少なくともいずれか一方の酸化物を主体とする微粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックレンズなどの光学物品に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、メガネレンズなどの光学物品の表面にはハードコート層と反射防止層とが形成される。ハードコート層は、干渉縞を抑制する目的で、高屈折率のレンズ基材と同程度の高い屈折率が要求される。ハードコート層の高屈折率化への対応は、高屈折率を有する無機酸化物微粒子を用いる方法が一般的であり、具体的には、Al、Sn、Sb、Ta、CE、La、Fe、Zn、W、Zr、In、Tiなどの酸化物やこれらの複合酸化物からなる無色透明の無機酸化物微粒子が用いられる。このうち、屈折率、透明性、分散安定性等の点から酸化チタンを含有する無機酸化物微粒子が一般的に用いられている。
しかしながら、酸化チタンは、紫外線(<380nm)を受けることによって価数変化(Ti4+→Ti3+)を生じて青色を呈する(青変現象)問題がある。また、反射防止層をハードコート層の表面に配した場合に発色した色が残存し、退色しにくいという問題もあった。
青変現象を抑制する方法としては、材料に改良を加えることが考えられる。例えば、特許文献1には、ルチル型構造をとる酸化チタンを珪素酸化物とジルコニウムおよび/またはアルミニウムの酸化物を含有したコーティング組成物で被覆し、Fe原子やV原子を含む化合物をドーピングした技術が記載されている。
一方、青変現象を抑制する他の方法としては、触媒ドープや無機反射防止層の密度コントロールなどの膜構成による対策も進められている。
【0003】
【特許文献1】特開2005−281430号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、紫外線による青変現象は解決できたものの、耐擦傷性、耐候性および耐湿性などが十分でなかった。
また、触媒ドープや無機反射防止層の密度コントロールなどの膜構成による対策で青変現象を抑制しようとすると、着色や耐擦傷性低下といった不具合が生じていた。
【0005】
したがって、本発明の目的は、耐擦傷性、密着性、耐候性、耐湿性および発色性に優れ、高屈折率を有する光学物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の光学物品は、プラスチック基材の表面にハードコート層および反射防止層が形成される光学物品であって、前記ハードコート層は、下記の成分(A)と成分(B)とを含むコーティング組成物で形成され、前記成分(A)と前記成分(B)が前記コーティング組成物中に各々分散していることを特徴とする。
(A)チタン酸化物微粒子および/またはチタン酸化物が含まれる複合微粒子。
(B)アンチモン酸化物を含む微粒子および/またはジルコニウム酸化物を含む微粒子。
【0007】
この発明によれば、上記成分(A)と成分(B)を主成分としたコーティング組成物でハードコート層を形成している。
したがって、成分(A)のチタン酸化物により高屈折率を有する光学物品とすることができるとともに、成分(B)のアンチモン酸化物またはジルコニウム酸化物によりチタン酸化物の価数変化(青変現象)を抑制することができる。
また、コーティング組成物中では、上記成分(A)と成分(B)とをそれぞれ分散させている。したがって、成分(B)のアンチモン酸化物またはジルコニウム酸化物により耐擦傷性、耐候性、耐湿性などの機能を阻害されることがない。
すなわち、擦傷性、耐候性、耐湿性に優れ、高屈折率を有し、青変現象の生じない光学物品を提供することができる。
【0008】
本発明の光学物品は、前記成分(A)と前記成分(B)との質量比は、99.9/0.1〜50/50であることが好ましい。
この発明では、成分(A)と成分(B)とを、質量比99.9/0.1〜50/50の範囲内で混合する。成分(B)の質量比が0.1より小さいと、青変現象を抑制することができない。また、成分(B)の質量比が50より大きいと、屈折率が低下してしまう。
【0009】
また、本発明の光学物品は、前記成分(A)と前記成分(B)との質量比は、99/1〜80/20であることが好ましい。
この発明によれば、成分(A)と成分(B)との質量比を99/1〜80/20とすることで、高屈折率と青変現象の抑制機能をバランスよく備えた光学物品を提供することができる。
【0010】
本発明の光学物品において、前記反射防止層は、無機酸化物で形成されることが好ましい。
この発明によれば、反射防止層を無機酸化物で形成する。反射防止層は、無機酸化物の単層または多層で構成される。無機酸化物としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WOなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
これらの無機酸化物を用いて多層構成とする場合、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構成が好ましく、例えば、低屈折率層にSiO、高屈折率層にZrOを使用した構成を例示できる。このような構成であれば、耐擦傷性、反射防止性に優れた光学物品を提供することができる。
【0011】
本発明の光学物品は、光学レンズであることが好ましい。
この発明では、前述の効果を有する光学レンズを提供することができる。特に、カラーレンズなどを使用した場合は、青変現象による着色がおこらないので、発色性に優れたカラーレンズを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態で使用する光学物品はメガネレンズである。
図1は、本実施形態のメガネレンズの断面図である。
【0013】
[メガネレンズ10の構成]
図1において、メガネレンズ10は、レンズ基材11と、プライマー層12と、ハードコート層13と、反射防止層14と、を備えている。
【0014】
[レンズ基材11]
レンズ基材11は、屈折力、機械的強度、透過率など、メガネまたは光学物品における基本特性を維持するための機能を有する。
レンズ基材11は特に限定されないが、(メタ)アクリル樹脂をはじめとしてスチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリル樹脂、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート樹脂(CR−39)等のアリルカーボネート樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、イソシアネート化合物とジエチレングリコールなどのヒドロキシ化合物との反応で得られたウレタン樹脂、イソシアネート化合物とポリチオール化合物とを反応させたチオウレタン樹脂、分子内に1つ以上のジスルフィド結合を有する(チオ)エポキシ化合物を含有する重合性組成物を硬化して得られる透明なプラスチック樹脂等を例示することができる。
【0015】
上記レンズ基材11を製造する際には、原料を重合性組成物として用意し、必要に応じて重合触媒、光安定剤、酸化防止剤などの添加剤を混合し、加熱処理や紫外線照射などを行って製造することができる。その一例として注型重合が挙げられる。注型重合では、対向配置した2枚の円形のガラス型の側面を粘着テープやガスケットで固定することで、ガラス型間の隙間を封止したモールドを組み立て、このモールドに前記重合性組成物を注入充填し、熱エネルギー又は光エネルギーにより重合硬化させ、最終的にガラス型から離型することで、プラスチック基材を製造することができる。
【0016】
[プライマー層12]
プライマー層12は、レンズ基材11の表面に形成され、レンズ基材11と後述するハードコート層13双方の界面に存在して、レンズ基材11とハードコート層13双方への密着性を発揮する性質を有し、表面処理膜全体の耐久性を向上させる役割を担う。さらに外部からの衝撃吸収層としての性質も併せ持ち、耐衝撃性を向上させる性質も有する。
このようなプライマー層12としては、極性を有する有機樹脂ポリマーと、酸化チタンを含有する金属酸化物微粒子(単独酸化物あるいは複合酸化物)とを含む組成物を用いて形成されることが好ましい。
【0017】
有機樹脂ポリマーは、レンズ基材11とハードコート層13の双方に密着性を発現する。金属酸化物微粒子は、フィラーとしてプライマー層12の架橋密度向上に作用して、耐水性、耐候性や耐光性の向上を図ることができる。上記有機樹脂ポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂等の各種樹脂を使用することが可能である。この内、硫黄原子を含むレンズ基材に対する密着性とフィラーとなる金属酸化物微粒子の分散性の点から、ポリエステル樹脂を好ましく用いることができる。
一方、酸化チタンを含有する金属酸化物微粒子としては、光活性のないルチル型の結晶構造を有する酸化チタンを用いることが耐光性の観点から好ましい。この金属酸化物微粒子の平均粒径は、1〜200nmが好ましく、より好ましくは5〜30nmを用いる。
【0018】
プライマー層形成用組成物(コーティング液)の塗布にあたっては、レンズ基材とプライマー被膜の密着性の向上を目的として、レンズ基材の表面を予めアルカリ処理、酸処理、界面活性剤処理、無機あるいは有機の微粒子による剥離/研磨処理、プラズマ処理を行うことが効果的である。また、コーティング液の塗布/硬化方法としては、ディッピング法(浸漬法)、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、あるいは、フローコート法等によりコーティング液を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱/乾燥することにより、プライマー層を形成できる。
また、プライマー層の膜厚は、0.01〜50μm、特に0.1〜30μmの範囲が好ましい。プライマー層が薄すぎると耐水性や耐衝撃性などの基本性能が実現できず、逆に厚すぎると、表面の平滑性が損なわれたり、光学的歪や白濁、曇りなどの外観欠点を発生する場合がある。なお、プライマー層の屈折率は、干渉縞の発生を避けるため、レンズ基材の屈折率に合わせることが好ましい。
【0019】
[ハードコート層13]
ハードコート層13は、下記成分(A)および成分(B)を主成分としたコーティング組成物で形成される。
(A)チタン酸化物微粒子とチタン酸化物が含まれる複合微粒子のうち少なくともいずれか一方を主体とする微粒子。
(B)アンチモンとジルコニウムのうち少なくともいずれか一方の酸化物を主体とする微粒子。
成分(A)は、チタン酸化物微粒子を単独で用いてもよいが、チタン酸化物のほかに酸化スズ、酸化ケイ素などの微粒子を複合した複合微粒子などを使用することができる。
成分(B)は、アンチモン酸化物またはジルコニウム酸化物のうち少なくともいずれか一方を主体とする微粒子である。
成分(A)および成分(B)の微粒子の粒径は、5〜50μmであることが好ましく、より好ましくは10〜40μm、さらに好ましくは10〜20μmである。微粒子の粒径が50μmを超えると、光が散乱してしまい、光学物品としての特性を得ることができない。また、微粒子の粒径が5μmより小さいと、耐擦傷性が低下するおそれがある。
【0020】
成分(A)および(B)は、分散媒、例えば水、アルコール系もしくはその他の有機溶媒にコロイド状に分散させたものを使用する。
成分(A)と成分(B)とを分散させるには、質量比を99.9/0.1〜50/50の範囲内で行うことが好ましく、より好ましくは99/1〜80/20である。成分(B)の含有量が質量比で50を超えると、屈折率が低下して好ましくない。また、成分(B)の含有量が質量比で0.1より小さくなると、酸化チタンの青変現象を抑制することができない。
【0021】
また、成分(A)および成分(B)を分散させたコーティング組成物には、分散安定性を向上させる目的で、有機ケイ素化合物を加える。
有機ケイ素化合物としては、例えば、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシ−エトキシ)シラン、アリルトリアルコキシシラン、アクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリアルコキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリアルコキシシラン、メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシラン等があげられる。有機ケイ素化合物は、2種類以上を混合して用いてもよい。
【0022】
有機ケイ素化合物の添加量は、成分(A)との質量比で、有機ケイ素化合物/成分(A)=30/70〜70/30、より好ましくは60/40〜40/60の範囲内となるようにする。有機ケイ素化合物が質量比で70を超えると、クラックが発生するおそれがある。また、有機ケイ素化合物が質量比で30より小さくなると、後述の反射防止層14との密着性が低下したり、耐擦傷性が低下して好ましくない。
【0023】
また、ハードコート層用組成物には、多官能性エポキシ化合物を配合することが有用である。多官能性エポキシ化合物を併用することで、耐水性を向上させ、かつ下地のプライマー層12との密着性を更に安定化することができる。特に多官能エポキシ化合物の分子中にヒドロキシル基が存在すると、プライマー層との密着性が向上することが認められる。従って、一分子中に一個以上のヒドロキシル基を含む多官能エポキシ化合物を用いることによって、この多官能エポキシ化合物全体の配合量を減らすことが可能であるため、耐擦傷性の低下を招くことなく、耐久性を向上させることが可能である。
【0024】
多官能性エポキシ化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ノナエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ノナプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールヒドロキシヒバリン酸エステルのジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールジグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールテトラグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアナートのジグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアナートのトリグリシジルエーテル、等の脂肪族エポキシ化合物、イソホロンジオールジグリシジルエーテル、ビス−2,2−ヒドロキシシクロヘキシルプロパンジグリシジルエーテル等の脂環族エポキシ化合物、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、オルトフタル酸ジグリシジルエーテル、フェノールノボラックポリグリシジルエーテル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル等の芳香族エポキシ化合物等が挙げられる。
【0025】
このうち、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアナートのトリグリシジルエーテル等の脂肪族エポキシ化合物を好ましく用いることができる。
【0026】
さらに、ハードコート層13用のコーティング組成物には、硬化触媒を添加してもよい。硬化触媒としては、例えば、過塩素酸、過塩素酸アンモニウム、過塩素酸マグネシウム等の過塩素酸類、Cu(II)、Zn(II)、Co(II)、Ni(II)、Be(II)、Ce(III)、Ta(III)、Ti(III)、Mn(III)、La(III)、Cr(III)、V(III)、Co(III)、Fe(III)、Al(III)、Ce(IV)、Zr(IV)、V(IV)等を中心金属原子とするアセチルアセトナート、アミン、グリシン等のアミノ酸、ルイス酸、有機酸金属塩等が挙げられる。
このうち好ましい硬化触媒としては、過塩素酸マグネシウム、Al(III),Fe(III)を中心金属原子とするアセチルアセトナートが挙げられる。特に、Fe(III)を中心金属原子とするアセチルアセナートを使用することが最も好ましい。硬化触媒の添加量は、ハードコート液の固形分の0.01〜5質量%の範囲内が望ましい。
【0027】
このようにして得られるハードコート層13用のコーティング組成物は、必要に応じ、溶剤に希釈して用いることができる。溶剤としては、アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、芳香族類等の溶剤が用いられる。また、ハードコート層13用のコーティング組成物は、必要に応じて、少量の金属キレート化合物、界面活性剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油溶染料、顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダードアミン、ヒンダードフェノール系等の耐光耐熱安定剤等を添加し、コーティング液の塗布性、硬化速度および硬化後の被膜性能を改良することもできる。
【0028】
また、コーティング用組成物の塗布、および硬化方法としては、ディッピング法、スピンコート法、スプレーコート法、ロールコート法、あるいは、フローコート法によりコーティング用組成物を塗布した後、40〜200℃の温度で数時間加熱乾燥することにより、ハードコート被膜を形成することができる。
なお、ハードコート層13の膜厚は、0.05〜30μmであることが好ましい。膜厚が0.05μm未満では、基本性能が実現できない。また、膜厚が30μmを越えると表面の平滑性が損われたり、光学歪みが発生してしまう場合がある。
【0029】
[反射防止層14について]
反射防止層14は、ハードコート層13上に形成される。反射防止層14は、ハードコート層13の屈折率よりも0.10以上低い屈折率を有し、かつ50nm〜150nmの層厚の、無機薄層の単層または多層で構成される。無機薄層の材質としては、SiO、SiO、ZrO、TiO、TiO、Ti、Ti、Al、Ta、CeO、MgO、Y、SnO、MgF、WO等の無機物が挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。プラスチックレンズの場合は、低温で真空蒸着が可能なSiO、ZrO、TiO、Taが好ましい。また、多層膜構成とした場合は、最外層はSiOとすることが好ましい。
【0030】
本実施形態では、無機酸化物からなる多層膜構成とした。本実施形態における反射防止層14として、低屈折率層(L)および高屈折率層(H)からなる多層構成が開示されている。具体的には、反射防止層14は、ハードコート層13に接する側から、低屈折率層14L1がまず積層され、その上面に高屈折率層14H1が積層され、以下、これらの層が交互に14L2、14H2、14L3のように積層されて、計5層の反射防止層14を形成している。
反射防止層14は、例えば、SiOやフッ化物のような低屈折率物質からなる低屈折率層と、ZrO、TiO、Nb、あるいはTaのような高屈折率物質からなる高屈折率層とを交互に5層積層したものであるが、積層数としては、これより多くても少なくともよい。例えば、4層〜7層程度積層して形成して反射防止層としてもよい。
【0031】
また、反射防止層を形成する際には、ハードコート層の表面処理を行なうことが望ましい。この表面処理の具体的例としては、酸処理,アルカリ処理,紫外線照射処理,アルゴンもしくは酸素雰囲気中での高周波放電によるプラズマ処理,アルゴンや酸素もしくは窒素などのイオンビーム照射処理などが挙げられる。
反射防止層14の形成方法としては、例えば真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、CVD法、飽和溶液中での化学反応により析出させる方法等を採用することができる。真空蒸着法においては、蒸着中にイオンビームを同時に照射するイオンビームアシスト法を用いてもよい。
【0032】
[メガネレンズ10の製造方法]
以下、本実施形態に係るメガネレンズ10の製造方法について説明する。
前述のレンズ基材11の表面に各層を形成して上述のメガネレンズ10を製造するには、まず、液体のプラスチック原料に対して加熱および/または光照射をしてレンズ基材11を成形し、レンズ基材11にプライマー層12およびハードコート層13を形成する。これらのプライマー層12およびハードコート層13の形成は、ディッピング法によりコート液を塗布した後、加熱乾燥することにより行う。そして、ハードコート層13の表面にプラズマによって表面改質処理を施した後、スパッタリング法により、反射防止層14の塗布を行う。なお、プライマー層12およびハードコート層13の形成は、ディッピング法のほかに、スピンナー法、スプレー法、フロー法、刷毛塗り法などの湿式法を用いてもよい。
反射防止層14は、ハードコート層13の表面に、低屈折率層と高屈折率層とが交互に積層して形成する。低屈折率層14L1、14L2、14L3は、SiOからなるターゲットを使用し、アルゴン導入圧2〜5Paの下、高周波電圧を印加して形成する。高屈折率層14H1、14H2は、ZrOからなるターゲットを使用し、アルゴン導入圧5〜10Paの下、高周波電圧を印加して形成する。
本実施形態における反射防止層14の各層の厚みは設計波長λに対して低屈折率層14L1が0.10λ、高屈折率層14H1が2.71λ、低屈折率層14L2が0.13λ、高屈折率層14H2が0.62λ、低屈折率層14L3が1.24λである。
このようにして、レンズ基材11上にプライマー層12、ハードコート層13および反射防止層14が形成されたメガネレンズ10を得ることができる。
【0033】
以上説明した本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態では、ハードコート層13を形成するコーティング組成物には、チタン酸化物微粒子のほかに、アンチモン酸化物微粒子とジルコニウム酸化物微粒子とを分散させた。
したがって、アンチモン酸化物微粒子とジルコニウム酸化物微粒子とにより紫外線を散乱させることができるとともに、紫外線により価数変化したチタン酸化物は、元の価数に戻される。すなわち、チタン酸化物の価数変化による青変現象を抑制することができる。
【0034】
(2)また、本実施形態では、チタン酸化物を含む成分(A)と、アンチモン酸化物微粒子とジルコニウム酸化物微粒子を含む成分(B)とを分散させた。すなわち、成分(A)は成分(B)で被覆されておらず、ハードコート層13の中でそれぞれが分散して存在している。
したがって、チタン酸化物と有機ケイ素化合物との結合を阻害することがないので、耐擦傷性に優れたメガネレンズを提供することができる。
【0035】
(3)本実施形態では、チタン酸化物を含む成分(A)とアンチモン酸化物微粒子とジルコニウム酸化物微粒子を含む成分(B)とを、質量比で99.9/0.1〜50/50の範囲内で分散させた。これにより、高屈折率、かつ、青変現象が生じないメガネレンズを提供することができる。
【0036】
(4)本実施形態は、ハードコート層13の表面に反射防止層14を形成した。従来、青変現象という問題は、反射防止層が形成されている場合に多く発生していた。
したがって、本実施形態のように反射防止層14が設けられたメガネレンズ10においても青変現象の生じないメガネレンズを提供することができる。
【0037】
(5)本実施形態では、ハードコート層13を湿式法で形成しているので、引き上げ速度を調整することによって膜厚を簡単に制御でき、操作性が良い。
【0038】
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的および効果を達成できる範囲内での変形や改良が、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。
例えば、本実施形態では、レンズ基材11、プライマー層12、ハードコート層13、反射防止層14からなる構成としたが、反射防止層の上面に撥水・撥油性能を向上させる目的で、フッ素を含有する有機ケイ素化合物からなる防汚層を形成してもよい。防汚層は、ディッピング法、スピンナー法、スプレー法、フロー法などの公知の方法で形成することができる。
【実施例】
【0039】
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例などの記載内容に何ら制約されるものではない。
以下の実施例1〜4および比較例1〜3に示す方法でメガネレンズを作製し、後述する方法で評価を行った。
【0040】
[実施例1]
(1)プラスチックレンズ基材の作製
窒素雰囲気下、ビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィド90質量部、硫黄10質量部を100℃で1時間、混合攪拌した。冷却後、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド0.05質量部を混合後均一液とした。ついでこれを0.5μmのPTFEフィルターで濾過し1.2mm厚のレンズ成型用ガラスモールドに注入し、オーブン中で10℃から22時間かけて120℃に昇温し重合硬化させ、レンズを製造した。得られたレンズの屈折率は1.76、アッベ数は33であり、且つ透明で表面状態は良好であった。
【0041】
(2)プライマー組成物の調整
ステンレス製容器内に、メチルアルコール3700質量部、純水250質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル1000質量部を投入し、十分に攪拌した後、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、全固形分濃度20重量%、触媒化成工業(株)製、商品名「オプトレイク1120Z(8RS−7・G)」)2800質量部を加えて攪拌混合した。次いで、ポリエステル樹脂2200質量部を加えて攪拌混合した後、更にシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名L−7604)2質量部を加えて一昼夜攪拌を続けた後、2μmのフィルターで濾過を行い、プライマー組成物を得た。
【0042】
(3)ハードコート組成物の調整
ステンレス製容器に、ブチルセロソルブ1000質量部を投入し、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン1200質量部を加えて十分攪拌した後、0.1モル/リットル塩酸水溶液300質量部を添加して一昼夜攪拌を続け、シラン加水分解物を得た。このシラン加水分解物中にシリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名FZ−2164)30質量部を加えて1時間攪拌した後、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、触媒化成工業(株)製、商品名「オプトレイク1120Z(8RS−25・A17)」)と、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子(濃度30重量%、メタノール分散、日産化学工業(株)製、商品名「サンコロイドHZ−307M6」)を質量比100:10として計7300質量部を加えて2時間攪拌混合した。次いで、エポキシ樹脂(ナガセ化成(株)製、商品名「EX−313」)250質量部を加えて2時間攪拌した後、鉄(III)アセチルアセトナート20質量部を加えて1時間攪拌し、2μmのフィルターで濾過を行い、ハードコート組成物を得た。
【0043】
(4)プライマー層、ハードコート層、反射防止膜の形成
前記(1)で得られた直径80mmのプラスチックレンズ基材をアルカリ処理(50℃に保たれた2モル/リットルの水酸化カリウム水溶液に5分間浸漬した後、純水で洗浄し、次いで25℃に保たれた1.0モル/リットル硫酸に1分間浸漬して中和処理を行う)し、純水洗浄および乾燥、放冷を行った。次に、前記(2)で調整したプライマー組成物中に浸漬し、引き上げ速度200mm/分でディップコートして80℃で20分焼成し、プラスチック基材表面にプライマー層を形成した。次いで、プライマー層が形成されたプラスチックレンズ表面に、(3)で調整したハードコート組成物中に浸漬し、引き上げ速度400mm/分でディップコートして80℃で30分焼成し、プライマー層上にハードコート層を形成した。その後、125℃に保たれたオーブン内で3時間加熱して、プライマー層とハードコート層が形成されたプラスチックレンズを得た。
そして、表面処理層が形成されたプラスチックレンズにプラズマ処理(アルゴンプラズマ400W×60秒)を行い、基板から大気に向かって順に、SiO2、ZrO2、SiO2、ZrO2、SiO2の5層で構成される多層反射防止膜を真空蒸着機((株)シンクロン製)にて形成した。各層の光学的膜厚は、最初のSiO2層、次のZrO2とSiO2の等価膜層および次のZrO2層、最上層のSiO2層について、設計波長λを520nmとしてそれぞれλ/4となる様に形成した。
【0044】
[実施例2]
実施例1のハードコート組成物の調整において、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、触媒化成工業(株)製、商品名「オプトレイク1120Z(8RS−25・A17)」)と、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子(濃度30重量%、メタノール分散、日産化学工業(株)製、商品名「サンコロイドHZ−307M6」)との質量比を100:0.5とした以外は実施例1と同様にハードコート層を形成した。
【0045】
[実施例3]
実施例1のハードコート組成物の調整において、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、触媒化成工業(株)製、商品名「オプトレイク1120Z(8RS−25・A17)」)と、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子(濃度30重量%、メタノール分散、日産化学工業(株)製、商品名「サンコロイドHZ−307M6」)との質量比を100:40とした以外は実施例1と同様にハードコート層を形成した。
【0046】
[実施例4]
実施例1のハードコート組成物の調整において、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、触媒化成工業(株)製、商品名「オプトレイク1120Z(8RS−25・A17)」)の代わりに、酸化チタン、酸化鉄、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(アナターゼ型結晶構造、メタノール分散、触媒化成工業(株)製、商品名「オプトレイク1120F」)を使用した以外は実施例1と同様にハードコート層を形成した。
【0047】
[比較例1]
実施例1のハードコート組成物の調整において、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子(濃度30質量%、メタノール分散、日産化学工業(株)製、商品名「サンコロイドHZ−307M6」)を添加せず、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、触媒化成工業(株)製、商品名「オプトレイク1120Z(8RS−25・A17)」)7300質量部を添加した以外は実施例1と同様にハードコート膜を形成した。
【0048】
[比較例2]
実施例1のハードコート組成物の調整において、酸化チタン、酸化スズ、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子ゾル(ルチル型結晶構造、メタノール分散、触媒化成工業(株)製、商品名「オプトレイク1120Z(8RS−25・A17)」)と、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子(濃度30重量%、メタノール分散、日産化学工業(株)製、商品名「サンコロイドHZ−307M6」)との質量比を100:80とした以外は実施例1と同様にハードコート膜を形成した。
【0049】
[比較例3]
実施例1のハードコート組成物の調整において、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素を主体とする複合微粒子を核粒子とし、酸化アンチモンで被覆した複合微粒子ゾル(アナターゼ型結晶構造、メタノール分散、触媒化成工業(株)製、商品名ハイネックスDC−20)とした以外は実施例1と同様にハードコート層を形成した。
【0050】
実施例1〜4および比較例1〜3で得られたプラスチックレンズを下記の評価方法によって評価した。
(a)耐擦傷性
ボンスター#0000スチールウール(日本スチールウール(株)製)で1kgの荷重をかけた状態で10往復表面を摩擦し、1cm×3cmの範囲内に傷ついた程度を目視で次の段階に分けて評価した。
A:全く傷がつかない。
B:1〜10本の傷がつく。
C:10〜100本の傷がつく。
D:無数の傷がついているが、平滑な表面が残っている。
E:表面についた傷のため、平滑な表面が残っていない。
【0051】
(b)初期密着性
基材とハードコート膜およびハードコート膜とマルチコート膜との密着性は、JIS K5400 8.5.1〜2碁盤目法・碁盤目テープ法に準じてクロスカットテープ試験によって行った。即ち、カッターナイフを用い基材表面に1mm間隔に切れ目を入れ、1平方mmのマス目を100個形成させる。次に、その上へセロファン粘着テープ(ニチバン(株)製 商品名「セロテープ」)を強く押し付けた後、表面から90度方向へ急に引っ張り剥離した後コート被膜の残存マス目数を以下の通り分類した。
A:被膜剥がれなし(残存マス目数100)
B:ほとんど剥がれなし(残存マス目数99.9〜95)
C:やや剥がれ有り(残存マス目数94.9〜80)
D:剥がれ有り(残存マス目数79.9〜30)
E:ほぼ全面剥がれ(残存マス目数29.9〜0)
【0052】
(c)耐候性
カーボンアークによるサンシャインウェザーメーターに300時間暴露した後、前記(b)に記載のクロスカットテープ試験を行い、コート被膜の残存マス目数を耐久性指標とした。
【0053】
(d)耐湿性
温度60℃、相対湿度98%に保たれた恒温恒湿槽中に10日間放置した後、前記(b)記載のクロスカットテープ試験を行い、コート被膜の残存マス目数を耐久性指標とした。
【0054】
(e)発色性
温度25℃に保たれた恒温槽中において、人工太陽灯下に20時間放置した後、下記の通り分類した。
A:変化なし
B:若干発色が認められるが、使用上問題なし
C:発色が認められ、視認性を阻害する
【0055】
(f)干渉縞
三波長型蛍光灯(商品名「ナショナルパルック」)の下でレンズ表面に発生している干渉縞を反射光により目視観察し、以下の通り評価を行った。
○;全体に色変化が少なく、干渉縞がほとんど見られない。
△;膜厚ムラに起因する縞模様が数本見られ、干渉縞が認識できる。
×;膜厚ムラに起因する縞模様がレンズ全体に見られ、干渉縞がはっきりと認識できる。
これらの評価結果を以下の表1に示す。
【0056】
【表1】

【0057】
実施例1および実施例4は、耐擦傷性、初期密着性、耐候性、耐湿性、発色性および干渉縞の全てにおいて良好であった。実施例2は耐候性および発色性、実施例3は耐擦傷性および干渉縞が、実施例1に比べてやや劣っていたが、実用上問題なかった。
比較例1は、ハードコート層にジルコニウムまたはアンチモンが含まれていないために発色性、耐候性に問題があった。比較例2は、発色性、耐候性は良好なものの、耐擦傷性および干渉縞に問題があった。比較例3は、耐擦傷性、耐候性および耐湿性が劣っていた。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、メガネレンズなどのプラスチック製光学物品に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態にかかるメガネレンズの断面図。
【符号の説明】
【0060】
10…メガネレンズ、11…レンズ基材、12…プライマー層、13…ハードコート層、14…反射防止層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチック基材の表面にハードコート層および反射防止層が形成される光学物品であって、
前記ハードコート層は、下記の成分(A)と成分(B)とを含むコーティング組成物で形成され、
前記成分(A)と前記成分(B)が前記コーティング組成物中に各々分散している
ことを特徴とする光学物品。
(A)チタン酸化物微粒子および/またはチタン酸化物が含まれる複合微粒子。
(B)アンチモン酸化物を含む微粒子および/またはジルコニウム酸化物を含む微粒子。
【請求項2】
請求項1に記載の光学物品において、
前記成分(A)と前記成分(B)との質量比は、99.9/0.1〜50/50である
ことを特徴とする光学物品。
【請求項3】
請求項2に記載の光学物品において、
前記成分(A)と前記成分(B)との質量比は、99/1〜80/20である
ことを特徴とする光学物品。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学物品において、
前記反射防止層は、無機酸化物で形成される
ことを特徴とする光学物品。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の光学物品において、
前記光学物品は光学レンズである
ことを特徴とする光学物品。

【図1】
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【公開番号】特開2008−310005(P2008−310005A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−157378(P2007−157378)
【出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】