説明

光学的情報読取装置

【課題】読取口と読取対象との間の距離にかかわらず、読取可能な範囲および読取可能な範囲の中心を正確に明示し得る光学的情報読取装置を提供する。
【解決手段】二次元コードリーダでは、右側マーカ光学系24および左側マーカ光学系27を備え、受光センサ23が右側マーカ光学系24と左側マーカ光学系27との間で、かつ、右側マーカ光MRの右側マーカ光軸JRと左側マーカ光MLの左側マーカ光軸JLとを結ぶ仮想線K上に位置する。このため、右側マーカ光MRと左側マーカ光MLとを含むマーカ光全体の中心にあたる中心軸と、受光センサ23の受光軸JSとを一致させることができるので、読取口と読取対象物との間の距離にかかわらず、読取可能範囲とその読取中心位置を正確に明示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読取対象に対しマーカ光を照射して、受光センサが読取可能な範囲および読取可能な範囲の中心を使用者に明示し得るマーカ光光学系を備えた光学的情報読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
読取対象に対しマーカ光を照射して受光センサが読取可能な範囲およびその中心を使用者に明示し得るマーカ光光学系を備えた光学的情報読取装置として、例えば、下記特許文献1に開示される「光学情報読取装置」がある。
【0003】
この種の光学情報読取装置では、下記特許文献1の図4に示すように、二次元コード(Q)の像を受光センサ(3)に結像させる結像光学系(結像レンズ(4))と、このような二次元コード(Q)が印刷された読取対象(R)に対してマーカ光(M)を照射して受光センサ(3)が受光可能な範囲(読取可能な範囲)やその中心を当該光学情報読取装置の使用者に明示し得るマーカ光光学系(マーカ光照射部(6))と、がそれぞれ別個に設けられている。なお、括弧内の記号や数字は、下記特許文献1において使用されている符号に対応する。
【特許文献1】特開2005−202930号公報(段落0033等、図1,4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような光学情報読取装置によると、結像レンズ(4)のレンズ軸(O)、つまり結像光学系の光軸と、マーカ光(M)の光軸(P)、つまりマーカ光光学系の光軸とが平行ではなく微小な角度θで交差するように構成されている(上記特許文献1;段落0033、図1)。
【0005】
このため、光学情報読取装置の本体ケース(1)の読取口(1c)と読取対象(R)との間の距離が変化すると、受光センサ(3)の撮影視野(F)中におけるマーカ光(M)の照射位置が上下左右に変動してしまうことから、二次元コード(Q)の大きさと当該距離との兼ね合いで、受光センサ(3)が受光可能な範囲の中心を正確に把握したい場合があってもそのような要求には応えることができないという問題がある。
【0006】
また、受光センサ(3)の撮影視野(F)内であれば、二次元コード(Q)が存在する位置にかかわらず、読み取り可能であるが、撮影視野(F)内であってもマーカ光(M)により示される読取可能な範囲からはみ出た部分は、あたかも受光センサ(3)の撮影ができないというような誤った認識を使用者に与えたり、さらには使い勝手があまり良くないといったマイナスイメージを与えてしまうおそれがある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、読取口と読取対象との間の距離にかかわらず、読取可能な範囲および読取可能な範囲の中心を正確に明示し得る光学的情報読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の光学的情報読取装置では、表示媒体に投射される第1のガイドマーカにより情報コードを読取可能な範囲を使用者に示し得るとともに前記表示媒体に投射される第2のガイドマーカにより前記読取可能な範囲の中心位置を前記使用者に示し得るマーカ光を前記表示媒体に照射するマーカ光光学系と、前記表示媒体に表示され前記読取可能な範囲内に位置する前記情報コードに反射した反射光を受光する受光センサと、を備えた光学的情報読取装置であって、前記マーカ光は、一のマーカ光と他のマーカ光とを含み、前記マーカ光光学系は、前記読取可能な範囲を二等分割した一方の範囲について、前記第1のガイドマーカの一部および前記第2のガイドマーカの一部を投射可能な前記一のマーカ光を発する一方の光学系と、前記二等分割した他方の範囲について、前記第1のガイドマーカの残部および前記第2のガイドマーカの残部を投射可能な前記他のマーカ光を発する他方の光学系と、を備え、前記受光センサは、前記一方の光学系と前記他方の光学系との間で、かつ、前記一のマーカ光の光軸と前記他のマーカ光の光軸とを結ぶ仮想線上に位置していることを技術的特徴とする。
【0009】
特許請求の範囲に記載の請求項2の光学的情報読取装置では、請求項1記載の光学的情報読取装置において、前記受光センサは、前記仮想線の中心に位置していることを技術的特徴とする。
【0010】
特許請求の範囲に記載の請求項3の光学的情報読取装置では、請求項1または2記載の光学的情報読取装置前記一のマーカ光の光軸および前記受光センサの受光軸がなす一方の鋭角と、前記他のマーカ光の光軸および前記受光センサの受光軸がなす他方の鋭角と、が等しくなるように、前記一方の光学系および前記他方の光学系の位置関係を設定することを技術的特徴とする。
【0011】
特許請求の範囲に記載の請求項4の光学的情報読取装置では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、前記受光センサが前記反射光を受光可能な複数の受光素子を二次元に配列して構成される長方形状の受光面を備える請求項1記載の光学的情報読取装置であって、前記受光面の長辺と前記仮想線とが平行になるように、前記受光センサ、前記一方の光学系および前記他方の光学系の位置関係を設定することを技術的特徴とする。
【0012】
特許請求の範囲に記載の請求項5の光学的情報読取装置では、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置において、光源と、この光源から出射されて入射した光を第1の分配光と第2の分配光とに分配する光分配手段と、を備え、前記第1の分配光を前記一のマーカ光として、前記第2の分配光を前記他のマーカ光とすることを技術的特徴とする。
【0013】
特許請求の範囲に記載の請求項6の光学的情報読取装置では、前記マーカ光光学系は、前記マーカ光に加えて、前記第1のガイドマーカにより示される前記読取可能な範囲よりも内側かつ前記第2のガイドマーカにより示される前記中心位置よりも外側に位置する所定の範囲を前記使用者に示し得る第3のガイドマーカを前記表示媒体に投射するサブマーカ光を前記表示媒体に照射する請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置であって、前記サブマーカ光は、第1のサブマーカ光と第2のサブマーカ光とを含み、前記マーカ光光学系の前記一方の光学系は、前記読取可能な範囲を二等分割した一方の範囲内で、前記第1のガイドマーカの一部よりも内側で前記第2のガイドマーカの一部よりも外側の範囲内に、前記第3のガイドマーカの一部を投射可能な第1のサブマーカ光を発し、前記マーカ光光学系の前記他方の光学系は、前記二等分割した他方の範囲内で、前記第1のガイドマーカの残部よりも内側で前記第2のガイドマーカの残部よりも外側の範囲内に、前記第3のガイドマーカの残部を投射可能な第2のサブマーカ光を発することを技術的特徴とする。
【0014】
特許請求の範囲に記載の請求項7の光学的情報読取装置では、請求項1記載の光学的情報読取装置において、前記マーカ光光学系は、前記一方の光学系と前記他方の光学系とに代えて、前記読取可能な範囲の中心範囲の一部をいずれも含むように前記読取可能な範囲を四分割した第1部分の範囲について、前記第1のガイドマーカの一部および前記第2のガイドマーカの一部を投射可能な第1のマーカ光を前記マーカ光の一部として発する第1の光学系と、前記四分割のうち前記第1部分の範囲に対して前記中心範囲を挟んで位置する第2部分の範囲について、前記第1のガイドマーカの一部および前記第2のガイドマーカの一部を投射可能な第2のマーカ光を前記マーカ光の一部として発する第2の光学系と、前記四分割のうち前記第1部分の範囲と前記第2部分の範囲との間に位置する第3部分の範囲について、前記第1のガイドマーカの一部および前記第2のガイドマーカの一部を投射可能な第3のマーカ光を前記マーカ光の一部として発する第3の光学系と、前記四分割のうち前記第3部分の範囲に対して前記中心範囲を挟んで位置する第4部分の範囲について、前記第1のガイドマーカの一部および前記第2のガイドマーカの一部を投射可能な第4のマーカ光を前記マーカ光の一部として発する第4の光学系と、を備え、前記受光センサは、前記第1の光学系、前記第2の光学系、前記第3の光学系および前記第4の光学系に囲まれ、前記第1のマーカ光の光軸と前記第2のマーカ光の光軸とを結ぶ第1仮想線と、前記第3のマーカ光の光軸と前記第4のマーカ光の光軸とを結ぶ第2仮想線と、の交点上に位置していることを技術的特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明では、読取可能な範囲を二等分割した一方の範囲について、一方の光学系により「読取可能な範囲を示す第1のガイドマーカ」の一部および「読取可能な範囲の中心を示す第2のガイドマーカ」の一部を投射可能な一のマーカ光を発し、二等分割した他方の範囲について、他方の光学系により当該第1のガイドマーカの残部および当該第2のガイドマーカの残部を投射可能な他のマーカ光を発する。そして、一方の光学系と他方の光学系との間で、かつ、一のマーカ光の光軸と他のマーカ光の光軸とを結ぶ仮想線上に受光センサが位置している。これにより、受光センサは、当該受光センサの受光し得る範囲の中心軸(以下「受光軸」という)がこれら2つのマーカ光の光軸に挟まれた位置でかつこれらマーカ光の光軸を含む平面内で位置することになるため、一のマーカ光と他のマーカ光とを含むマーカ光全体の中心にあたる中心軸と、受光センサの受光軸とを一致させることができる。したがって、読取口と読取対象との間の距離にかかわらず、読取可能な範囲とその中心を正確に明示することができる。
【0016】
請求項2の発明では、受光センサは、一のマーカ光の光軸と前記他のマーカ光の光軸とを結ぶ仮想線の中心に位置していることから、一のマーカ光の光軸と他のマーカ光の光軸とを平行(一のマーカ光および他のマーカ光の照射方向が受光センサの受光軸方向に対して平行)に設定しても、一のマーカ光と他のマーカ光とを含むマーカ光全体の中心軸と受光センサの受光軸とを一致させることができる。これにより、受光センサの受光軸、一方の光学系や他方の光学系の光軸が、それぞれの被取付面に対して垂直方向や水平方向に設定されている場合には、マーカ光全体の中心軸と受光センサの受光軸とを容易に一致させることが可能となるため、受光センサが仮想線の中心に位置していない場合に比べて、組付工数や調整工数を削減することができる。
【0017】
請求項3の発明では、一のマーカ光の光軸および受光センサの受光軸がなす一方の鋭角と、他のマーカ光の光軸および受光センサの受光軸がなす他方の鋭角と、が等しくなるように、一方の光学系および他方の光学系の位置関係を設定する。これにより、一のマーカ光および他のマーカ光の照射方向が、受光センサの受光軸方向に傾いて受光軸に近づくぶん、一のマーカ光および他のマーカ光の照射範囲を狭くすることができるので、一のマーカ光および他のマーカ光の照射方向が受光センサの受光軸方向に対して平行である場合に比べて照射範囲が狭いぶん、マーカ光の輝度を高めることができる。
【0018】
請求項4の発明では、受光センサが反射光を受光可能な複数の受光素子を二次元に配列して構成される長方形状の受光面を備える場合、当該受光面の長辺と仮想線(一のマーカ光の光軸と他のマーカ光の光軸とを結ぶ線)とが平行になるように、受光センサ、一方の光学系および他方の光学系の位置関係を設定することから、これらの位置関係が当該受光面の長辺と仮想線とが垂直になるように設定される場合に比べて、一のマーカ光および他のマーカ光の照射範囲を狭くすることができる。このため、マーカ光の照射範囲が狭いぶん、マーカ光の輝度を高めることができる。
【0019】
請求項5の発明では、光分配手段により分配された第1の分配光を一のマーカ光として、光分配手段により分配された第2の分配光を他のマーカ光とする。これにより、一つの光源で一のマーカ光と他のマーカ光の双方が得られるので、比較的高価でコスト高の要因になりやすい光源の数を減らすことが可能となり、製品コストを削減することができる。
【0020】
請求項6の発明では、一方の光学系は、第1のガイドマーカの一部よりも内側で第2のガイドマーカの一部よりも外側の範囲内で、サブマーカ光として、第3のガイドマーカの一部を投射可能な第1のサブマーカ光を発し、他方の光学系は、第1のガイドマーカの残部よりも内側で第2のガイドマーカの残部よりも外側の範囲内で、サブマーカ光として、第3のガイドマーカの残部を投射可能な第2のサブマーカ光を発する。これにより、第1のガイドマーカにより示される範囲よりも内側の所定範囲について当該第3のガイドマーカにより示することができるので、例えば、このような所定範囲を受光センサの高解像度範囲として使用者に明示することができる。したがって、読取可能な範囲の内側に設定される所定範囲についても、読取可能な範囲とその中心と同様に、読取口と読取対象との間の距離にかかわらず、正確に明示することができる。
【0021】
請求項7の発明では、読取可能な範囲の中心範囲の一部をいずれも含むように読取可能な範囲を四分割した第1部分の範囲について、第1の光学系により、第1のガイドマーカの一部および第2のガイドマーカの一部を投射可能な第1のマーカ光をマーカ光の一部として発し、四分割のうち第1部分の範囲に対して中心範囲を挟んで位置する第2部分の範囲について、第2の光学系により、第1のガイドマーカの一部および第2のガイドマーカの一部を投射可能な第2のマーカ光をマーカ光の一部として発し、四分割のうち第1部分の範囲と第2部分の範囲との間に位置する第3部分の範囲について、第3の光学系により、第1のガイドマーカの一部および第2のガイドマーカの一部を投射可能な第3のマーカ光をマーカ光の一部として発し、四分割のうち第3部分の範囲に対して中心範囲を挟んで位置する第4部分の範囲について、第4の光学系により、第1のガイドマーカの一部および第2のガイドマーカの一部を投射可能な第4のマーカ光をマーカ光の一部として発する。そして、第1の光学系、第2の光学系、第3の光学系および第4の光学系に囲まれ、第1のマーカ光の光軸と第2のマーカ光の光軸とを結ぶ第1仮想線と、第3のマーカ光の光軸と第4のマーカ光の光軸とを結ぶ第2仮想線と、の交点上に受光センサが位置している。これにより、受光センサは、その受光軸がこれら4つのマーカ光の光軸に囲まれた位置でかつその中心に位置することになるため、これら4つの第1〜第4のマーカ光を含むマーカ光全体の中心にあたる中心軸と、受光センサの受光軸とを一致させることができる。したがって、読取口と読取対象との間の距離にかかわらず、読取可能な範囲とその中心を正確に明示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の光学的情報読取装置を二次元コードリーダに適用した実施形態について図を参照して説明する。まず、本実施形態に係る二次元コードリーダ10の構成概要を図1〜図3に基づいて説明する。
【0023】
なお、図1には、二次元コードリーダ10の構成概要を示す説明図(同(A):部分縦断面図、同(B):部分横断面図)が図示されている。また図2には、二次元コードリーダ10を構成する制御系ユニット基板および光学系ユニット基板の回路構成等を示すブロック図が図示されており、そのうちの光学系ユニット基板の構成例を示す説明図が図3に図示されている(同(A):正面図、同(B):3B線断面図、同(C):3C線断面図)。なお、図3(A) に記載された上下左右の4方向を示す矢印は、使用者により使用可能に把持された二次元コードリーダ10から出射されるマーカ光Mの出射方向を「前方向」(図3の紙面垂直上方向)とした場合における当該光学系ユニット基板16の各方向を示すものである。
【0024】
図1(A) および図1(B) に示すように、二次元コードリーダ10は、丸みを帯びた薄型のほぼ矩形箱状なすハウジング本体11と、このハウジング本体11の下面ほぼ中央後端寄りにハウジング本体11に一体に形成されるグリップ部12と、からなるガンタイプのハウジングを備えている。このグリップ部12は、使用者が片手で把持可能な程度の外径に設定されており、当該グリップ部12を握った使用者の人差し指が当接する部位に、後述する照明光の出射を指示するトリガスイッチ14が設けられている。
【0025】
ハウジング本体11の内部には、後述する制御系ユニット基板15や光学系ユニット基板16が収容されており、またハウジング本体11の先端部には、当該光学系ユニット基板16から発せられる照明光やマーカ光の出射を可能にしたり、反射光の入射を可能にする読取口11aが形成されている。なお、マーカ光は、後述するように、右側マーカ光MRと左側マーカ光MLとからなる。
【0026】
図1〜図3に示すように、制御系ユニット基板15に実装される回路部20は、主に、照明光源21、結像光学系22、受光センサ23、右側マーカ光学系24、左側マーカ光学系27等の光学系と、メモリ35、制御回路40、操作スイッチ42、液晶表示器46等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系と、電源スイッチ41、電池49等の電源系と、から構成されており、前述した制御系ユニット基板15や光学系ユニット基板16に実装あるいはハウジング本体11内に内装されている。
【0027】
図1および図2に示すように、光学系は、照明光源21、結像光学系22、受光センサ23、右側マーカ光学系24、左側マーカ光学系27等から構成されている。
照明光源21は、読取対象物Rに照射される照射光Lfを発光可能な機能を有するもので、複数個の赤色のLEDとこれらのLEDの出射側に設けられる図略の拡散レンズ等とから構成されている。
【0028】
図3(A) に示すように、照明光源21は、例えば、受光センサ23の周囲を円環状に囲むように配置された16個のLEDにより構成されており、ハウジング本体11の読取口11aを介して読取対象物Rに向けて照明光Lfを照射可能に実装されている。なお、この読取対象物Rには、情報コードとして二次元コード(QRコード、データマトリックスやマキシコード、PDF417、ベリコード、CPコード、カルラコード等)Qが貼付されている。
【0029】
図3(A) 〜図3(C) に示すように、結像光学系22は、鏡筒22aと結像レンズ22bとから構成され、結像レンズ22bを介して入射する入射光を受光センサ23の受光面23aで受光可能に光学系ユニット基板16に実装されている。即ち、結像レンズ22bは、読取対象物R等に反射し読取口11aを介して入射する反射光Lr(入射光)を集光して受光センサ23の受光面23aに像を結像可能にし、鏡筒22aは、このような結像レンズ22bをレンズ軸が受光センサ23の受光軸JSに合致するように支持している。
【0030】
受光センサ23は、読取対象物Rや二次元コードQに照射されて反射した反射光Lrを受光可能に構成されるもので、例えば、C−MOSやCCD等の固体撮像素子である。本実施形態の場合、情報コードとして二次元コードQを読み取るため、複数の受光素子が長方形状の矩形範囲に配置されて構成される受光面23aを有する、いわゆるエリアセンサを用いている。なお、受光センサ23は、受光面23aが正方形状に構成されるエリアセンサであっても良い。
【0031】
この受光センサ23は、その受光面23aがハウジング本体11外から読取口11aを介して外観可能に、また右側マーカ光学系24と左側マーカ光学系27との間で、かつ、右側マーカ光MRの右側マーカ光軸JRと左側マーカ光MLの左側マーカ光軸JLとを結ぶ仮想線K上のぼほ中心に位置するように、光学系ユニット基板16に実装されている。これにより、受光センサ23は、当該受光センサ23の受光軸JS(当該受光センサ23の受光し得る範囲の中心軸)がこれら2つのマーカ光MR,MLの光軸JR,JLに挟まれた位置でかつこれらマーカ光MR,MLの光軸JR,JLを含む平面内で位置する。また受光センサ23の受光面23aの長辺とこの仮想線Kとが平行になるように、受光センサ23、右側マーカ光学系24および左側マーカ光学系27の位置関係を設定している。
【0032】
右側マーカ光学系24は、ホルダ24aと右側マーカホログラム24bとから構成されており、読取対象物Rに対して右側読取可能範囲を明示し得る右側範囲ガイドマーカおよび右側中心ガイドマーカを投射可能な右側マーカ光を発する機能を有するものである。この右側マーカ光学系24は、右側マーカ光MRを読取口11aから出射可能に光学系ユニット基板16に実装されており、特許請求の範囲に記載の「一方の光学系」に相当し得るものである。右側マーカホログラム24bに入射するレーザ光LBRは、右側マーカ光源25から出射されており、右側マーカ光源25は、光学系ユニット基板16に実装されたレーザダイオード(例えばInGaAlPレーザを出力するもの)により構成されている。
【0033】
即ち、図4(A) および図4(B) に示すように、右側マーカホログラム24bは、右側マーカ光源25から照射されて入射するレーザ光LBRを、右側読取可能範囲ArR(二等分割した一方の範囲)について右側範囲ガイドマーカGAR(第1のガイドマーカの一部)および右側中心ガイドマーカGCR(第2のガイドマーカの一部)を投射可能な右側マーカ光MR(一のマーカ光)を出射し得るホログラムプレートで、レーザ光LBRを回折させてこのような右側マーカ光MRを生成可能な回折格子が形成されている。このように構成される右側マーカホログラム24bは、その回折格子に右側マーカ光源25からのレーザ光LBRが入射し得るように、ホルダ24aによって支持されている。
【0034】
これに対し、図3(A) 〜図3(C) に示すように、左側マーカ光学系27も、右側マーカ光学系24とほぼ同様に、ホルダ27aと左側マーカホログラム27bとから構成されており、読取対象物Rに対して左側読取可能範囲を明示し得る左側範囲ガイドマーカおよび左側中心ガイドマーカを投射可能な左側マーカ光を発する機能を有する。この左側マーカ光学系27は、左側マーカ光MLを読取口11aから出射可能に光学系ユニット基板16に実装されており、特許請求の範囲に記載の「他方の光学系」に相当し得るものである。なお、左側マーカホログラム27bに入射するレーザ光LBLも、レーザ光LBRと同様に、光学系ユニット基板16に実装されたレーザダイオード(例えばInGaAlPレーザを出力するもの)により構成される左側マーカ光源28から出射されている。
【0035】
即ち、図4(A) および図4(C) に示すように、左側マーカホログラム27bは、左側マーカ光源28から照射されて入射するレーザ光LBLを、左側読取可能範囲ArL(二等分割した他方の範囲)について左側範囲ガイドマーカGAL(第1のガイドマーカの残部)および左側中心ガイドマーカGCL(第2のガイドマーカの残部)を投射可能な左側マーカ光ML(他のマーカ光)を出射し得るホログラムプレートで、レーザ光LBLを回折させてこのような左側マーカ光MLを生成可能な回折格子が形成されている。このように構成される左側マーカホログラム27bは、その回折格子に左側マーカ光源28からのレーザ光LBLが入射し得るように、ホルダ27aによって支持されている。
【0036】
このように光学系を構成することにより、図4(A)〜図4(D)に示すように、読取可能範囲Arを二等分割した右側読取可能範囲ArRについて、右側マーカ光学系24により右側範囲ガイドマーカGARおよび右側中心ガイドマーカGCRを投射可能な右側マーカ光MRを発し、二等分割した左側読取可能範囲ArLについて、左側マーカ光学系27により左側範囲ガイドマーカGALおよび左側中心ガイドマーカGCLを投射可能な左側マーカ光MLを発する。そして、右側マーカ光学系24と左側マーカ光学系27との間で、かつ、右側マーカ光MRの右側マーカ光軸JRと左側マーカ光MLの左側マーカ光軸JLとを結ぶ仮想線K上に受光センサ23が位置している。
【0037】
これにより、受光センサ23は、当該受光センサ23の受光軸JSがこれら2つのマーカ光の光軸に挟まれた位置でかつこれら右側マーカ光MRの右側マーカ光軸JRと左側マーカ光MLの左側マーカ光軸JLとを含む平面内で位置することになる。このため、図5に示すように、右側マーカ光MRと左側マーカ光MLとを含むマーカ光M全体の中心にあたる中心軸JZと、受光センサ23の受光軸JSとを一致させることができ、読取口11aと読取対象物Rとの間の距離にかかわらず、読取可能範囲Arとその読取中心位置Crを正確に明示することができる。
【0038】
即ち、マーカ光M全体の中心軸JZと受光センサ23の受光軸JSとが一致しているので、読取口11aと読取対象物Rとの間に距離が、例えば、100mm(図5に示す位置α)、300mm(図5に示す位置β)というように離隔距離が変化しても、その離隔距離にかかわらず、読取対象物R,R’に照射される範囲ガイドマーカ(右側範囲ガイドマーカGAR,左側範囲ガイドマーカGAL)により明示される読取可能範囲Arやその中心ガイドマーカ(右側中心ガイドマーカGCR,左側中心ガイドマーカGCL)により明示される読取中心位置Crは変動しない。したがって、読取口11aと読取対象物Rとの間の距離にかかわらず、読取可能範囲Arやその読取中心位置Crを正確に使用者に明示することができる。
【0039】
次に、図2に戻ってマイコン系の構成概要を説明する。マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御回路40、操作スイッチ14,42、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコンとして機能し得る制御回路40およびメモリ35と中心に構成される。
【0040】
光学系の受光センサ23から出力される画像信号は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データは、メモリ35に入力されると、画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ23およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0041】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、前述した画像データ蓄積領域のほかに、制御回路40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域等も確保可能に構成されている。またROMには、後述するデコード処理等を実行可能な所定プログラムやその他、照明光源21、受光センサ23、右側マーカ光源25、左側マーカ光源28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。
【0042】
制御回路40は、二次元コードリーダ10全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなり、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御回路40には、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、電源スイッチ41、操作スイッチ42(トリガスイッチ14)、LED43、ブザー44、液晶表示器46、通信インタフェース48等が接続されている。
【0043】
これにより、例えば、電源スイッチ41や操作スイッチ42、トリガスイッチ14の監視や管理、またインジケータとして機能するLED43の点灯・消灯、ビープ音やアラーム音を発生可能なブザー44の鳴動のオンオフ、さらには読み取った二次元コードQによるコード内容を画面表示可能な液晶表示器46の画面制御や外部装置とのシリアル通信を可能にする通信インタフェース48の通信制御等を可能にしている。なお、通信インタフェース48に接続される外部装置には、当該二次元コードリーダ10の上位システムに相当するホストコンピュータ等が含まれる。
【0044】
電源系は、電源スイッチ41、電池49等により構成されており、制御回路40により管理される電源スイッチ41のオンオフによって、上述した各装置や各回路に、電池49から供給される駆動電圧の導通や遮断が制御されている。なお、電池49は、所定の直流電圧を発生可能な二次電池で、例えば、リチウムイオン電池等がこれに相当する。
【0045】
このように二次元コードリーダ10を構成することによって、例えば、電源スイッチ41がオンされて所定の自己診断処理等が正常終了し、二次元コードQの読み取りが可能な状態になると、制御回路40が照明光Lfの発光を指示するトリガスイッチ14の入力を受け付けるとともに、同期信号を基準に所定周期で発光信号を右側マーカ光源25および左側マーカ光源28に出力する。
【0046】
これにより、発光信号を受けた右側マーカ光源25および左側マーカ光源28は、レーザダイオードを間欠的に発光させて右側マーカ光MRや左側マーカ光MLを発するため、使用者が当該二次元コードリーダ10の読取口11aを読取対象物Rに向けることで、例えば、図5に示すように、右側マーカ光MRおよび左側マーカ光MLからなるマーカ光Mが読取対象物Rに照射されて映る。
【0047】
即ち、右側マーカ光学系24から読取対象物Rに照射された右側マーカ光MRにより映し出される右側範囲ガイドマーカGARと、左側マーカ光学系27から読取対象物Rに照射された左側マーカ光MLにより映し出される左側範囲ガイドマーカGALとによって、右側読取可能範囲ArRと左側読取可能範囲ArLとを組み合わせた読取可能範囲Arが当該二次元コードリーダ10の使用者に明示されるとともに、右側マーカ光MRにより映し出される右側中心ガイドマーカGCRと左側マーカ光MLにより映し出される左側中心ガイドマーカGCLとによって読取可能範囲Arの読取中心位置Crが当該使用者に明示される。このため、当該使用者は、これらのガイドマーカにより、読取可能範囲Arとその読取中心位置Crを把握することができるので、読取対象物Rに貼付や印刷された二次元コードQに対して読取口11aの向きを合わせることが可能となる。
【0048】
そして、使用者がトリガスイッチ14をオンにすることによって、制御回路40が同期信号を基準に照明光源21に発光信号を出力するので、当該発光信号を受けた照明光源21は照明光Lfを照射し、照射された照明光Lfが二次元コードQ等に反射するとその反射光Lrが読取口11bを介して結像レンズ22bに入射する。このため、受光センサ23の受光面23aには、二次元コードQの像が結像されるので、上述したマイコン系により画像処理された後、画像データとしてメモリ35を介して、デコード処理に渡される。メモリ35から当該画像データを取り出した制御回路40は、所定のデコード処理によって当該画像データをデコードしデコードデータとして外部に出力する。
【0049】
以上説明したように、二次元コードリーダ10を構成することによって、図1〜図5に示すように、マーカ光光学系として、右側マーカ光学系24および左側マーカ光学系27を備え、受光センサ23が右側マーカ光学系24と左側マーカ光学系27との間で、かつ、右側マーカ光MRの右側マーカ光軸JRと左側マーカ光MLの左側マーカ光軸JLとを結ぶ仮想線K上に位置している。これにより、読取可能範囲Arを二等分割した右側読取可能範囲ArRについて、右側マーカ光学系24により右側範囲ガイドマーカGARおよび右側中心ガイドマーカGCRを投射可能な右側マーカ光MRを発し、二等分割した左側読取可能範囲ArLについて、左側マーカ光学系27により左側範囲ガイドマーカGALおよび左側中心ガイドマーカGCLを投射可能な左側マーカ光MLを発すると、当該受光センサ23の受光軸JSがこれら2つのマーカ光の光軸に挟まれた位置でかつこれら右側マーカ光MRの右側マーカ光軸JRと左側マーカ光MLの左側マーカ光軸JLとを含む平面内で位置することになる。このため、右側マーカ光MRと左側マーカ光MLとを含むマーカ光M全体の中心にあたる中心軸JZと、受光センサ23の受光軸JSとを一致させることができる。したがって、読取口11aと読取対象物Rとの間の距離にかかわらず、読取可能範囲Arとその読取中心位置Crを正確に明示することができる。
【0050】
また、上述した二次元コードリーダ10では、受光センサ23は、その受光面23aが右側マーカ光学系24と左側マーカ光学系27との間で、かつ、右側マーカ光MRの右側マーカ光軸JRと左側マーカ光MLの左側マーカ光軸JLとを結ぶ仮想線K上のぼほ中心に位置するように構成していることから、右側マーカ光軸JRと左側マーカ光軸JLとを平行(右側マーカ光MRおよび左側マーカ光MLの照射方向が受光センサ23の受光軸JS方向に対して平行)に設定しても、右側マーカ光MRと左側マーカ光MLとを含むマーカ光M全体の中心軸JZと受光センサ23の受光軸JSとを一致させることができる。これにより、図3(B),(C)に示すように、受光センサ23の受光軸JS、右側マーカ光学系24の右側マーカ光軸JR、左側マーカ光学系27の左側マーカ光軸JLが、それぞれが実装される光学系ユニット基板16の基板面(被取付面)に対して垂直方向に設定されている場合でも、図5に示すように、マーカ光M全体の中心軸JZと受光センサ23の受光軸JSとを容易に一致させることが可能となる。このため、受光センサ23が仮想線Kの中心に位置していない場合に比べて、組付工数や調整工数を削減することができる。
【0051】
右側マーカ光MRおよび左側マーカ光MLの照射方向が受光センサ23の受光軸JS方向に対して平行になるように、右側マーカ光学系24、左側マーカ光学系27および受光センサ23を光学系ユニット基板16に実装したが、受光センサ23の受光軸JS方向に右側マーカ光MRの右側マーカ光軸JRおよび左側マーカ光MLの左側マーカ光軸JLが向くように、例えば、右側マーカ光軸JRと受光軸JSとがなす一方の鋭角と、左側マーカ光軸JLと受光軸JSとがなす他方の鋭角と、が等しくなるように、右側マーカ光学系24および左側マーカ光学系27の位置関係を設定しても良い。これにより、右側マーカ光MRおよび左側マーカ光MLの照射方向が、受光センサ23の受光軸JS方向に傾いて受光軸JSに近づくぶん、右側マーカ光MRおよび左側マーカ光MLの照射範囲を狭くすることができるので、右側マーカ光MRおよび左側マーカ光MLの照射方向が受光センサ23の受光軸JS方向に対して平行である場合に比べて照射範囲が狭いぶん、マーカ光Mの輝度を高めることができる。
【0052】
さらに、上述した二次元コードリーダ10では、受光センサ23の受光面23aを、複数の受光素子が二次元に配列して構成される長方形状に構成し、当該受光面23aの長辺と仮想線Kとが平行になるように、受光センサ23、右側マーカ光学系24および左側マーカ光学系27の位置関係を設定したことから、これらの位置関係が当該受光面23aの長辺と仮想線Kとが垂直になるように設定される場合に比べて、右側マーカ光MRおよび左側マーカ光MLの照射範囲を狭くすることができる。このため、右側マーカ光MRおよび左側マーカ光MLからなるマーカ光Mの照射範囲が狭いぶん、このような構成によってもマーカ光Mの輝度を高めることができる。
【0053】
なお、上述した光学系ユニット基板16では、マーカ光Mを発するマーカ光光学系として、読取可能範囲Arを左右2分割し、読取可能範囲Arの右半分(右側読取可能範囲ArR)の右側マーカ光MRを照射する右側マーカ光学系24と、読取可能範囲Arの左半分(左側読取可能範囲ArL)の左側マーカ光MLを照射する左側マーカ光学系27と、の2つに分けて構成したが、例えば、読取可能範囲Arを上下2分割し、読取可能範囲Arの上半分(上側読取可能範囲)の上側マーカ光を照射する上側マーカ光学系と、読取可能範囲Arの下半分(下側読取可能範囲)の下側マーカ光を照射する下側マーカ光学系と、の2つに分けて構成しても、上述と同様の作用・効果を得ることができる。
【0054】
また、上述した光学系ユニット基板16では、読取可能範囲Arを左右2分割して、マーカ光Mを発するマーカ光光学系として右側マーカ光学系24および左側下マーカ光学系27Lを設けたが、例えば、図7に示すように、読取可能範囲Arを左右上下に4分割してそれぞれの範囲に対応するようにマーカ光Mを発するマーカ光光学系を設けても良い。
【0055】
即ち、図6および図7に示すように、マーカ光Mを発するマーカ光光学系として、読取可能範囲Arを左右上下に4分割し、読取可能範囲Arの右上四分の一(右側上読取可能範囲ArRU)の右側範囲上ガイドマーカGARUおよび右側中心上ガイドマーカGCRUを照射する右側上マーカ光学系24Uと、読取可能範囲Arの右下四分の一(右側下読取可能範囲ArRL)の右側範囲下ガイドマーカGARLおよび右側中心下ガイドマーカGCRLを照射する右側下マーカ光学系24Lと、読取可能範囲Arの左上四分の一(左側上読取可能範囲ArLU)の左側範囲上ガイドマーカGALUおよび左側中心上ガイドマーカGCLUを照射する左側上マーカ光学系27Uと、読取可能範囲Arの左下四分の一(左側下読取可能範囲ArLL)の左側範囲下ガイドマーカGALLおよび左側中心下ガイドマーカGCLLを照射する左側下マーカ光学系27Lと、により構成し、これらのマーカ光学系24U,24L,27U,27Lに囲まれる範囲の中心に受光センサ23が位置するように、マーカ光学系24U,24L,27U,27Lと受光センサ23とを光学系ユニット基板16’に実装するように構成する。
【0056】
具体的には、例えば、図6(A) に示すように、光学系ユニット基板16’上に、仮想の正方形(同図に示す二点鎖線)を描いたとすると、その四隅(四角)に4つのマーカ光学系24U,24L,27U,27Lを配置し、またその仮想正方形の中心に受光センサ23を配置する。より詳細には、仮想正方形の四隅のうちの一つに、右側上マーカ光学系24Uから出射される右側上マーカ光MRUの右側上マーカ光軸JRUが位置するとした場合に、その対角に、左側下マーカ光学系27Lから出射される左側下マーカ光MLLの左側下マーカ光軸JLLが位置し、当該対角の時計回り方向の隣の角に、右側下マーカ光学系24Lから出射される右側下マーカ光MRLの右側下マーカ光軸JRLが位置し、残りの角に、左側上マーカ光学系27Uから出射される左側上マーカ光MLUの左側上マーカ光軸JLUが位置するようにこれらのマーカ光学系24U,24L,27U,27Lを配置する。そして、右側上マーカ光学系24U、左側下マーカ光学系27L、右側下マーカ光学系24Lおよび左側上マーカ光学系27Uに囲まれ、右側上マーカ光MRUの右側上マーカ光軸JRUと左側下マーカ光MLLの左側下マーカ光軸JLLとを結ぶ第1仮想線Kaと、右側下マーカ光MRLの右側下マーカ光軸JRLと左側上マーカ光MLUの左側上マーカ光軸JLUとを結ぶ第2仮想線Kbと、の交点上に受光センサ23を配置する。また、このように配置される4つのマーカ光学系24U,24L,27U,27Lに囲まれる範囲内で、図3(A) を参照して説明した光学系ユニット基板16と同様に、この受光センサ23の周囲を円環状に囲むように16個のLEDを配置する。
【0057】
そして、右側上マーカ光学系24Uは、図6(B),(C)に示すように、前述した右側マーカ光学系24と同様に、ホルダ24aと右側上マーカホログラム24bUとから構成され、読取対象物Rに対して右側上読取可能範囲ArRUを明示し得る右側範囲上ガイドマーカGARUおよび右側中心上ガイドマーカGCRUを投射可能な右側上マーカ光MRUを発し得るように、ホログラムプレートである右側上マーカホログラム24bUの回折格子が形成される(図7(A) 参照)。ホルダ24aは、右側上マーカ光源25Uからのレーザ光LBRUが右側上マーカホログラム24bUに入射し得るように当該右側上マーカホログラム24bUを支持する。右側上マーカ光源25Uは、前述の右側マーカ光源25と同様に構成される。
【0058】
同様に、右側下マーカ光学系24Lも、ホルダ24aと右側下マーカホログラム24bLとから構成され、読取対象物Rに対して右側下読取可能範囲ArRLを明示し得る右側範囲下ガイドマーカGARLおよび右側中心下ガイドマーカGCRLを投射可能な右側下マーカ光MRLを発し得るように、ホログラムプレートである右側下マーカホログラム24bLの回折格子が形成される(図7(B) 参照)。ホルダ24aおよび右側下マーカ光源25Lについては、右側上マーカ光学系24Uのものと同様である。
【0059】
これらに対し、左側上マーカ光学系27Uは、図6(B),(C)に示すように、前述した左側マーカ光学系27と同様に、ホルダ27aと左側上マーカホログラム27bUとから構成される。そして、読取対象物Rに対して左側上読取可能範囲ArLUを明示し得る左側範囲上ガイドマーカGALUおよび左側中心上ガイドマーカGCLUを投射可能な左側上マーカ光MLUを発し得るように、ホログラムプレートである左側上マーカホログラム27bUの回折格子が形成される(図7(C) 参照)。ホルダ27aは、左側上マーカ光源28Uからのレーザ光LBLUが左側上マーカホログラム27bUに入射し得るように当該左側上マーカホログラム27bUを支持する。左側上マーカ光源28Uは、前述の左側マーカ光源28と同様に構成される。
【0060】
同様に、左側下マーカ光学系27Lも、ホルダ27aと左側下マーカホログラム27bLとから構成され、読取対象物Rに対して左側下読取可能範囲ArLLを明示し得る左側範囲下ガイドマーカGALLおよび左側中心下ガイドマーカGCLLを投射可能な左側下マーカ光MLLを発し得るように、ホログラムプレートである左側下マーカホログラム27bLの回折格子が形成される(図7(D) 参照)。ホルダ27aおよび左側下マーカ光源28Lについては、左側上マーカ光学系27Uのものと同様である。
【0061】
このように光学系ユニット基板16’を構成することによって、読取可能範囲Arを四分割した右側上読取可能範囲ArRUについて、右側上マーカ光学系24Uにより、右側範囲上ガイドマーカGARUおよび右側中心上ガイドマーカGCRUを投射可能な右側上マーカ光MRUをマーカ光Mの一部として発し、この右側上読取可能範囲ArRUに対して読取中心位置Crを挟んで位置する左側下読取可能範囲ArLLについて、左側下マーカ光学系27Lにより、左側範囲下ガイドマーカGALLおよび左側中心下ガイドマーカGCLLを投射可能な左側下マーカ光MLLをマーカ光Mの一部として発し、右側上読取可能範囲ArRUと左側下読取可能範囲ArLLとの間に位置する右側下読取可能範囲ArRLについて、右側下マーカ光学系24Lにより、右側範囲下ガイドマーカGARLおよび右側中心下ガイドマーカGCRLを投射可能な右側下マーカ光MRLをマーカ光Mの一部として発し、この右側下読取可能範囲ArRLに対して読取中心位置Crを挟んで位置する左側上読取可能範囲ArLUについて、左側上マーカ光学系27Uにより、左側範囲上ガイドマーカGALUおよび左側中心上ガイドマーカGCLUを投射可能な左側上マーカ光MLUをマーカ光Mの一部として発する。
【0062】
そして、右側上マーカ光学系24U、左側下マーカ光学系27L、右側下マーカ光学系24Lおよび左側上マーカ光学系27Uに囲まれ、右側上マーカ光MRUの右側上マーカ光軸JRUと左側下マーカ光MLLの左側下マーカ光軸JLLとを結ぶ第1仮想線Kaと、右側下マーカ光MRLの右側下マーカ光軸JRLと左側上マーカ光MLUの左側上マーカ光軸JLUとを結ぶ第2仮想線Kbと、の交点上に受光センサ23が位置している。
【0063】
これにより、受光センサ23は、その受光軸JSがこれら4つのマーカ光MRU,MRL,MLU,MLLの光軸JRU,JRL,JLU,JLLに囲まれた位置でかつその中心に位置することになるため、これらのマーカ光MRU,MRL,MLU,MLLを含むマーカ光M全体の中心にあたる中心軸JZと、受光センサ23の受光軸JSとを一致させることができる。したがって、読取口11aと読取対象物Rとの間の距離にかかわらず、読取可能範囲Arとその読取中心位置Crを当該二次元コードリーダ10の使用者に正確に明示することができる。
【0064】
また、上述した光学系ユニット基板16では、マーカ光Mを発するマーカ光光学系の、右側マーカ光学系24および左側マーカ光学系27のそれぞれにマーカ光源25,28を設けたが、例えば、図8(A) に示すように、右側マーカ光源25を廃止して左側マーカ光源28(光源)から出射されるレーザ光LBをハーフミラー71(光分配手段)により一方のレーザ光LBa(第1の分配光)と他方のレーザ光LBb(第2の分配光)とに分配し、それぞれをレーザ光LBL,LBRとしても良い。
【0065】
これにより、一方のレーザ光LBaをレーザ光LBLとして左側マーカ光学系27に、また他方のレーザ光LBbをレーザ光LBRとして右側マーカ光学系24に、それぞれ入射させることで、一つの左側マーカ光源28で左側マーカ光MLと右側マーカ光MRとを発することができるため、比較的高価でコスト高の要因になりやすいマーカ光源の数を減らすことが可能となり、製品コストを削減することができる。なお、図8(A) に示すミラー72は、ハーフミラー71により2分配されたレーザ光LBa,LBbのうちのレーザ光LBbの進行方向を右側マーカ光学系24方向に変更するための光学部材である。
【0066】
さらに、上述した光学系ユニット基板16’では、マーカ光Mを発するマーカ光光学系の、右側上マーカホログラム24bU、右側下マーカ光学系24L、左側上マーカ光学系27Uおよび左側下マーカ光学系27Lのそれぞれに右側上マーカ光源25U、右側下マーカ光源25L、左側上マーカ光源28U、左側下マーカ光源28Lを設けたが、例えば、図8(B) 〜図8(D) に示すように、右側上マーカ光源25U、右側下マーカ光源25Lおよび左側下マーカ光源28Lを廃止して左側上マーカ光源28U(光源)から出射されるレーザ光LBをハーフミラー81(第1光分配手段)により一方のレーザ光LBa(第1の分配光)と他方のレーザ光LBb(第2の分配光)とに分配し、このうちの一方のレーザ光LBaをハーフミラー82(第2光分配手段)によりレーザ光LBc(第3の分配光)とレーザ光LBd(第4の分配光)とに分配し、残りの他方のレーザ光LBbをハーフミラー85(第3光分配手段)によりレーザ光LBe(第5の分配光)とレーザ光LBf(第6の分配光)とに分配しても良い。
【0067】
これにより、レーザ光LBcをレーザ光LBLUとして左側上マーカ光学系27Uに、レーザ光LBdをレーザ光LBLLとして左側下マーカ光学系27Lに、レーザ光LBeをレーザ光LBRUとして右側上マーカ光学系24Uに、レーザ光LBfをレーザ光LBRLとして右側下マーカ光学系24Lに、それぞれ入射させることで、一つの左側上マーカ光源28Uで左側上マーカ光MLU、左側下マーカ光MLL、右側上マーカ光MRUおよび右側下マーカ光MRLを発することができるため、比較的高価でコスト高の要因になりやすいマーカ光源の数を減らすことが可能となり、製品コストを削減することができる。なお、図8(B) に示すミラー84は、ハーフミラー81により2分配されたレーザ光LBa,LBbうちのレーザ光LBbの進行方向をハーフミラー85方向に変更するための光学部材で、図8(C) に示すミラー83は、ハーフミラー82により2分配されたレーザ光LBc,LBdうちのレーザ光LBdの進行方向を左側下マーカ光学系27L方向に変更するための光学部材で、図8(D) に示すミラー86は、ハーフミラー85により2分配されたレーザ光LBe,LBfうちのレーザ光LBfの進行方向を右側下マーカ光学系24L方向に変更するための光学部材である。
【0068】
また、上述した光学系ユニット基板16では、図9(A) に示すように、右側マーカ光学系24から照射される右側マーカ光MRによる「右側範囲ガイドマーカGARおよび右側中心ガイドマーカGCR」と、左側マーカ光学系27から照射される左側マーカ光MLによる「左側範囲ガイドマーカGALおよび左側中心ガイドマーカGCL」と、からマーカ光M全体を構成したが(符号QはQRコード等の二次元コードを示す)、例えば、図9(B) に示すように、右側範囲ガイドマーカGAR、右側中心ガイドマーカGCRに加えて、右側範囲ガイドマーカGARよりも内側で右側中心ガイドマーカGCRよりも外側の範囲内に右側範囲サブマーカSARを投射可能に右側マーカ光学系24の右側マーカホログラム24bを構成し、また、左側範囲ガイドマーカGAL、左側中心ガイドマーカGCLに加えて、左側範囲ガイドマーカGALよりも内側で左側中心ガイドマーカGCLよりも外側の範囲内に左側範囲サブマーカSALを投射可能に左側マーカ光学系27の左側マーカホログラム27bを構成しても良い。
【0069】
これにより、例えば、このような右側範囲サブマーカSARおよび左側範囲サブマーカSALに囲まれる所定範囲を受光センサ23の高解像度範囲として使用者に明示することができる。したがって、読取可能範囲Arの内側に設定される所定範囲についても、読取可能範囲Arとその読取中心位置Crと同様に、読取口11aと読取対象物Rとの間の距離にかかわらず、正確に明示することができる。なお、図9(A) および図9(B) における括弧内の符号は、前述した図6および図7に示す4分割構成の場合において対応する符号である。
【0070】
なお、上述した実施形態では、情報コードとしてQRコード等の二次元コードを例に説明したが、本発明は、情報コードであれば、JAN,CODE39,NW−7等のバーコード(一次元コード)用の一次元コードリーダのガイドマーカにも適用することができ、上述と同様の作用および効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本実施形態に係る二次元コードリーダの構成を示す説明図で、図1(A) は部分縦断面を示すもの、図1(B) は部分横断面を示すもの、である。
【図2】本実施形態の二次元コードリーダを構成する制御系ユニット基板および光学系ユニット基板の回路構成等を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の二次元コードリーダを構成する光学系ユニット基板の構成例を示す説明図で、図3(A) は読取口から見える正面を示すもの、図3(B) は図3(A) に示す3B線断面を示すもの、図3(C) は図3(A) に示す3C線断面を示すもの、である。
【図4】本実施形態の二次元コードリーダにより照射されるマーカ光と読取可能範囲との関係を示す説明図で、図4(A) は左右すべての範囲ガイドマーカ、中心ガイドマーカおよび読取可能範囲の関係を示すもの、図4(B) は右側の範囲ガイドマーカ、中心ガイドマーカおよび読取可能範囲の関係を示すもの、図4(C) は左側の範囲ガイドマーカ、中心ガイドマーカおよび読取可能範囲の関係を示すもの、図4(D) は左右全体の読取可能範囲を示すものである。
【図5】本実施形態の二次元コードリーダにより照射されるマーカ光と読取対象物との距離関係にかかわらず、当該マーカ光により読取可能範囲の中心を示し得ることを示す説明図である。
【図6】本実施形態の二次元コードリーダを構成する光学系ユニット基板の他の構成例を示す説明図で、図6(A) は読取口から見える正面を示すもの、図6(B) は図6(A) に示す7B線断面を示すもの、図6(C) は図6(A) に示す7C線断面を示すもの、である。
【図7】本実施形態の二次元コードリーダにより照射されるマーカ光と読取可能範囲との関係を示す説明図で、図7(A) は右側上の範囲ガイドマーカ、中心ガイドマーカおよび読取可能範囲の関係を示すもの、図7(B) は右側下の範囲ガイドマーカ、中心ガイドマーカおよび読取可能範囲の関係を示すもの、図7(C) は左側上の範囲ガイドマーカ、中心ガイドマーカおよび読取可能範囲の関係を示すもの、図7(D) は左側下の範囲ガイドマーカ、中心ガイドマーカおよび読取可能範囲の関係を示すものである。
【図8】図8(A) は読取可能範囲を左右2分割した場合において1つのマーカ光源で右側マーカ光および左側マーカ光を照射し得る構成例を示す説明図、図8(B) は読取可能範囲を左右上下4分割した場合において1つのマーカ光源で右側上マーカ光、右側下マーカ光、左側上マーカ光および左側下マーカ光を照射し得る構成例を示す説明図、図8(C) は図8(B) に示す8C矢視による構成例を示す説明図、図8(D) は図8(B) に示す8D矢視による構成例を示す説明図、である。
【図9】図9(A) は、読取対象物に貼付された二次元コードに照射されるマーカ光による右側範囲ガイドマーカ、左側範囲ガイドマーカ等の例を示す説明図で、図9(B) は、サブマーカ光による右側範囲上ガイドマーカ、右側範囲下ガイドマーカ、左側範囲上ガイドマーカ、左側範囲下ガイドマーカ等の例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0072】
10…二次元コードリーダ(光学的情報読取装置)
11…ハウジング本体
11a…読取口
12…グリップ部
14…トリガスイッチ
15…制御系ユニット基板
16、16’…光学系ユニット基板
20…回路部
21…照明光源
22…結像光学系
23…受光センサ
23a…受光面
24…右側マーカ光学系(マーカ光光学系、一方の光学系)
24U…右側上マーカ光学系(マーカ光光学系、第1の光学系)
24L…右側下マーカ光学系(マーカ光光学系、第3の光学系)
27…左側マーカ光学系(マーカ光光学系、他方の光学系)
27U…左側上マーカ光学系(マーカ光光学系、第4の光学系)
27L…左側下マーカ光学系(マーカ光光学系、第2の光学系)
28…左側マーカ光源(光源)
40…制御回路
71…ハーフミラー(光分配手段)
Ar…読取可能範囲(読取可能な範囲)
ArR…右側読取可能範囲(二等分割した一方の範囲)
ArL…左側読取可能範囲(二等分割した他方の範囲)
ArRU…右側上読取可能範囲(第1部分の範囲)
ArRL…右側下読取可能範囲(第3部分の範囲)
ArLU…左側上読取可能範囲(第4部分の範囲)
ArLL…左側下読取可能範囲(第2部分の範囲)
Cr…読取中心位置(読取可能な範囲の中心位置)
GAR…右側範囲ガイドマーカ(第1のガイドマーカの一部)
GARU…右側範囲上ガイドマーカ(第1のガイドマーカの一部)
GARL…右側範囲下ガイドマーカ(第1のガイドマーカの一部)
GAL…左側範囲ガイドマーカ(第1のガイドマーカの残部)
GALU…左側範囲上ガイドマーカ(第1のガイドマーカの一部)
GALL…左側範囲下ガイドマーカ(第1のガイドマーカの一部)
GCR…右側中心ガイドマーカ(第2のガイドマーカの一部)
GCRU…右側中心上ガイドマーカ(第2のガイドマーカの一部)
GCRL…右側中心下ガイドマーカ(第2のガイドマーカの一部)
GCL…左側中心ガイドマーカ(第2のガイドマーカの残部)
GCLU…左側中心上ガイドマーカ(第2のガイドマーカの一部)
GCLL…左側中心下ガイドマーカ(第2のガイドマーカの一部)
JL…左側マーカ光軸(一のマーカ光の光軸)
JLU…左側上マーカ光軸(第4マーカ光の光軸)
JLL…左側下マーカ光軸(第2マーカ光の光軸)
JR…右側マーカ光軸(他のマーカ光の光軸)
JRU…右側上マーカ光軸(第1マーカ光の光軸)
JRL…右側下マーカ光軸(第3マーカ光の光軸)
JS…受光軸
JZ…中心軸
K…仮想線
Ka…第1仮想線
Kb…第2仮想線
LBa…レーザ光(第1の分配光)
LBb…レーザ光(第2の分配光)
Lf…照射光
Lr…反射光
M…マーカ光
MR…右側マーカ光(一のマーカ光)
MRU…右側上マーカ光(第1のマーカ光)
MRL…右側下マーカ光(第3のマーカ光)
ML…左側マーカ光(他のマーカ光)
MLU…左側上マーカ光(第4マーカ光)
MLL…左側下マーカ光(第2マーカ光)
SAR…右側範囲サブマーカ(第3のガイドマーカの一部)
SARU…右側範囲上サブマーカ
SARL…右側範囲下サブマーカ
SAL…左側範囲サブマーカ(第3のガイドマーカの残部)
SALU…左側範囲上サブマーカ
SALL…左側範囲下サブマーカ
Q…二次元コード(情報コード)
R…読取対象物(表示媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示媒体に投射される第1のガイドマーカにより情報コードを読取可能な範囲を使用者に示し得るとともに前記表示媒体に投射される第2のガイドマーカにより前記読取可能な範囲の中心位置を前記使用者に示し得るマーカ光を前記表示媒体に照射するマーカ光光学系と、
前記表示媒体に表示され前記読取可能な範囲内に位置する前記情報コードに反射した反射光を受光する受光センサと、を備えた光学的情報読取装置であって、
前記マーカ光は、一のマーカ光と他のマーカ光とを含み、
前記マーカ光光学系は、
前記読取可能な範囲を二等分割した一方の範囲について、前記第1のガイドマーカの一部および前記第2のガイドマーカの一部を投射可能な前記一のマーカ光を発する一方の光学系と、
前記二等分割した他方の範囲について、前記第1のガイドマーカの残部および前記第2のガイドマーカの残部を投射可能な前記他のマーカ光を発する他方の光学系と、を備え、
前記受光センサは、前記一方の光学系と前記他方の光学系との間で、かつ、前記一のマーカ光の光軸と前記他のマーカ光の光軸とを結ぶ仮想線上に位置していることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】
前記受光センサは、前記仮想線の中心に位置していることを特徴とする請求項1記載の光学的情報読取装置。
【請求項3】
前記一のマーカ光の光軸および前記受光センサの受光軸がなす一方の鋭角と、前記他のマーカ光の光軸および前記受光センサの受光軸がなす他方の鋭角と、が等しくなるように、前記一方の光学系および前記他方の光学系の位置関係を設定することを特徴とする請求項1または2記載の光学的情報読取装置。
【請求項4】
前記受光センサが前記反射光を受光可能な複数の受光素子を二次元に配列して構成される長方形状の受光面を備える請求項1記載の光学的情報読取装置であって、
前記受光面の長辺と前記仮想線とが平行になるように、前記受光センサ、前記一方の光学系および前記他方の光学系の位置関係を設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】
光源と、この光源から出射されて入射した光を第1の分配光と第2の分配光とに分配する光分配手段と、を備え、
前記第1の分配光を前記一のマーカ光として、前記第2の分配光を前記他のマーカ光とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置。
【請求項6】
前記マーカ光光学系は、前記マーカ光に加えて、前記第1のガイドマーカにより示される前記読取可能な範囲よりも内側かつ前記第2のガイドマーカにより示される前記中心位置よりも外側に位置する所定の範囲を前記使用者に示し得る第3のガイドマーカを前記表示媒体に投射するサブマーカ光を前記表示媒体に照射する請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学的情報読取装置であって、
前記サブマーカ光は、第1のサブマーカ光と第2のサブマーカ光とを含み、
前記マーカ光光学系の前記一方の光学系は、
前記読取可能な範囲を二等分割した一方の範囲内で、前記第1のガイドマーカの一部よりも内側で前記第2のガイドマーカの一部よりも外側の範囲内に、前記第3のガイドマーカの一部を投射可能な第1のサブマーカ光を発し、
前記マーカ光光学系の前記他方の光学系は、
前記二等分割した他方の範囲内で、前記第1のガイドマーカの残部よりも内側で前記第2のガイドマーカの残部よりも外側の範囲内に、前記第3のガイドマーカの残部を投射可能な第2のサブマーカ光を発することを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項7】
前記マーカ光光学系は、前記一方の光学系と前記他方の光学系とに代えて、
前記読取可能な範囲の中心範囲の一部をいずれも含むように前記読取可能な範囲を四分割した第1部分の範囲について、前記第1のガイドマーカの一部および前記第2のガイドマーカの一部を投射可能な第1のマーカ光を前記マーカ光の一部として発する第1の光学系と、
前記四分割のうち前記第1部分の範囲に対して前記中心範囲を挟んで位置する第2部分の範囲について、前記第1のガイドマーカの一部および前記第2のガイドマーカの一部を投射可能な第2のマーカ光を前記マーカ光の一部として発する第2の光学系と、
前記四分割のうち前記第1部分の範囲と前記第2部分の範囲との間に位置する第3部分の範囲について、前記第1のガイドマーカの一部および前記第2のガイドマーカの一部を投射可能な第3のマーカ光を前記マーカ光の一部として発する第3の光学系と、
前記四分割のうち前記第3部分の範囲に対して前記中心範囲を挟んで位置する第4部分の範囲について、前記第1のガイドマーカの一部および前記第2のガイドマーカの一部を投射可能な第4のマーカ光を前記マーカ光の一部として発する第4の光学系と、を備え、
前記受光センサは、前記第1の光学系、前記第2の光学系、前記第3の光学系および前記第4の光学系に囲まれ、前記第1のマーカ光の光軸と前記第2のマーカ光の光軸とを結ぶ第1仮想線と、前記第3のマーカ光の光軸と前記第4のマーカ光の光軸とを結ぶ第2仮想線と、の交点上に位置していることを特徴とする請求項1記載の光学的情報読取装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate