説明

光学素子固定装置、光学素子固定装置を含むプロジェクタ、及び、光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法

【課題】容易に、光学素子の角度調整が可能な光学素子固定装置、光学素子固定装置を含むプロジェクタ、及び、光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法を提供する。
【解決手段】下フレーム510a及び上フレーム510cを備えた固定フレーム510と、光学素子である照射ミラー185が固定される可動部材としての光学素子支持体520とを有し、光学素子支持体520は、上フレーム510cに対して揺動回転自在に支持される可動支持部520aを備え、且つ、可動支持部520aを有する面と対向する面にその可動支持部520aの揺動中心580を曲率中心とする球面支持部520cを有すると共にその一部に係合操作部520mを有し、下フレーム510aは球面凹部510gを備え、且つ、球面凹部510gの中心には、球面凹部510gから下フレーム510aの外面に貫通し、係合操作部520mの外形より大きな内径の孔部510hを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子固定装置、光学素子固定装置を含むプロジェクタ、及び、光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、パーソナルコンピュータの画面やビデオ画像、更にメモリカード等に記憶されている画像データによる画像等をスクリーンに投影する画像投影装置としてのデータプロジェクタが多用されている。このプロジェクタは、光源から射出された光をレンズで集光し、ミラーで反射させてDMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれるマイクロミラー表示素子、又は、液晶板に集光させ、スクリーン上にカラー画像を表示させるものである。
【0003】
DMDを用いる一般的なプロジェクタでは、光源装置から所定の光学系を介して射出された光を、DMDの直前に配置されたミラー固定装置のミラーにより反射して、DMDに正確に照射させる必要があるので、ミラーの角度調整を高精度に行うことを要する。
【0004】
従来のプロジェクタのミラー固定装置では、ミラーを取付けた可動部材が、筐体側に固定されたフレームに対して、球面支持部と、該球面支持部の周囲3方向に配置された3個の調整用ネジで角度調整可能に支持されている。ミラーの角度調整時には、筐体外側からドライバー等の治具により3個の調整用ネジを正回転又は逆回転させることで、ミラーの角度調整を行う。
【0005】
例えば、光学系の角度調整を行う手振れ補正装置として、特許文献1には、本体側に固定される固定側ユニットと、レンズ等の光学素子が設けられた可動側ユニットとを有し、ステッピングモータがヒンジを連結点として可動側ユニットを揺動させて、補正を行う装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−205015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記3個の調整用ネジによりミラーの角度調整が可能なプロジェクタでは、3個の調整用ネジを調整するために、外装部に比較的大きな開口部や蓋部を設けることを要する。そして、DMDに対して斜め方向である横下方向から光をDMDに向けて反射するミラー固定装置では、3個の調整用ネジにより反射光をDMDに正しく照射するように調整するには、手数と時間が必要となり、生産性の効率を向上できない欠点があった。
【0008】
また、特許文献1に記載された装置では、ステッピングモータ等の駆動機構を備えるので複雑な構造となっている。
【0009】
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、光学素子の角度調整を容易に行うことができる光学素子固定装置、光学素子固定装置を含むプロジェクタ、及び、光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る光学素子固定装置は、間に空間を設けて配置された第1フレームと第2フレームとを備えた固定フレームと、前記第1フレームと前記第2フレームとの間の空間に挿入され、光学素子を支持する可動部材としての光学素子支持体と、を有し、前記光学素子支持体は、前記第2フレームに対して揺動回転自在に支持される可動支持部を備え、且つ、前記可動支持部を有する面と対向する面に球面状に突出する球面支持部を有すると共に該球面支持部の一部に係合操作部を備え、前記第1フレームは、前記球面支持部を支持する球面凹部を備え、且つ、前記球面凹部の中心には、該球面凹部から前記第1フレームの外面に貫通し、前記係合操作部の外形よりも大きな内径とされた孔部を備えることを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係るプロジェクタは、光源装置と、前記光源装置からの光を表示素子に導光照射する光源側光学系と、前記光源装置からの光により光学像を形成する表示素子と、前記表示素子で形成された光学像をスクリーンに投影する投影側光学系と、前記光源装置及び前記表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、前記光源側光学系は、本発明に係る上記光学素子固定装置を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法は、本発明に係る上記光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法であって、該光学素子固定装置を光学機器に固定した後、前記係合操作部に治具を係合させ、前記係合操作部を中心に回転させるように操作して前記光学素子支持体を回転させ、又、前記係合操作部を前記孔部内で移動させるようにして、前記光学素子支持体に固定された前記光学素子の光軸方向を変化させる角度調整を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡単な構成で、光学素子の角度調整を容易に行うことができる光学素子固定装置、光学素子固定装置を含むプロジェクタ、及び、光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るプロジェクタを示す外観斜視図である。
【図2】本発明の実施形態に係るプロジェクタの機能ブロックを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るプロジェクタの内部構造を示す平面模式図である。
【図4】本発明の実施形態に係るプロジェクタの光学素子固定装置、DMDである表示素子等の要部を拡大した斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るプロジェクタの底面図である。
【図6】本発明の実施形態に係るプロジェクタの光学素子固定装置の断面図である。
【図7】本発明の実施形態に係るプロジェクタの光学素子固定装置における光学素子の角度調整方法の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態に係る光学素子固定装置における光学素子の角度調整方法の一例を示す図である。
【図9】本発明の実施形態に係る光学素子固定装置における光学素子の角度調整方法の一例を示す図である。
【図10】本発明の実施形態の変形例に係るプロジェクタの光学素子固定装置の断面図である。
【図11】本発明の実施形態の他の変形例に係るプロジェクタの光学素子固定装置の断面図である。
【図12】本発明の実施形態の他の変形例に係るプロジェクタの光学素子固定装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。図1は、プロジェクタ10の外観斜視図である。なお、本実施形態において、プロジェクタ10における左右とは投影方向に対しての左右方向を示し、前後とはプロジェクタ10のスクリーン側方向及び光線束の進行方向に対しての前後方向を示す。
【0016】
そして、プロジェクタ10は、図1に示すように、略直方体形状であって、プロジェクタ筐体の前方の側板とされる正面パネル12の側方に投影口を覆うレンズカバー19を有するとともに、この正面パネル12には複数の吸気孔18を設けている。さらに、図示しないがリモートコントローラからの制御信号を受信するIr受信部を備えている。
【0017】
また、筐体の上面パネル11にはキー/インジケータ部37が設けられ、このキー/インジケータ部37には、電源スイッチキーや電源のオン又はオフを報知するパワーインジケータ、投影のオン、オフを切りかえる投影スイッチキー、光源ユニットや表示素子又は制御回路等が過熱したときに報知をする過熱インジケータ等のキーやインジケータが配置されている。
【0018】
さらに、筐体の背面には、背面パネルにUSB端子や画像信号入力用のD−SUB端子、S端子、RCA端子等を設ける入出力コネクタ部及び電源アダプタプラグ等の各種端子20が設けられている。また、背面パネルには、複数の吸気孔が形成されている。なお、図示しない筐体の側板である右側パネル、及び、図1に示した側板である左側パネル15には、各々複数の排気孔17が形成されている。また、左側パネル15の背面パネル近傍の隅部には、吸気孔18も形成されている。
【0019】
次に、プロジェクタ10のプロジェクタ制御手段について図2の機能ブロック図を用いて述べる。プロジェクタ制御手段は、制御部38、入出力インターフェース22、画像変換部23、表示エンコーダ24、表示駆動部26等から構成される。
尚、プロジェクタ筐体の底面パネル16に関する部分ついては、後述する。
【0020】
制御部38は、プロジェクタ10内の各回路の動作制御を司るものであって、CPUや各種セッティング等の動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAM等により構成されている。
【0021】
そして、このプロジェクタ制御手段により、入出力コネクタ部21から入力された各種規格の画像信号は、入出力インターフェース22、システムバス(SB)を介して画像変換部23で表示に適した所定のフォーマットの画像信号に統一するように変換された後、表示エンコーダ24に出力される。
【0022】
また、表示エンコーダ24は、入力された画像信号をビデオRAM25に展開記憶させた上でこのビデオRAM25の記憶内容からビデオ信号を生成して表示駆動部26に出力する。
【0023】
表示駆動部26は、表示素子制御手段として機能するものであり、表示エンコーダ24から出力された画像信号に対応して適宜フレームレートで空間的光変調素子(SOM)である表示素子51を駆動するものである。そして、このプロジェクタ10は、光源ユニット60から射出された光線束を、導光光学系を介して表示素子51に照射することにより、表示素子51の反射光で光像を形成し、後述する投影側光学系220を介して図示しないスクリーンに画像を投影表示する。なお、この投影側光学系220の可動レンズ群235は、レンズモータ45によりズーム調整やフォーカス調整のための駆動が行われる。
【0024】
また、画像圧縮/伸長部31は、画像信号の輝度信号及び色差信号をADCT及びハフマン符号化等の処理によりデータ圧縮して着脱自在な記録媒体とされるメモリカード32に順次書き込む記録処理を行う。
【0025】
さらに、画像圧縮/伸長部31は、再生モード時にメモリカード32に記録された画像データを読み出し、一連の動画を構成する個々の画像データを1フレーム単位で伸長し、この画像データを、画像変換部23を介して表示エンコーダ24に出力し、メモリカード32に記憶された画像データに基づいて動画等の表示を可能とする処理を行う。
【0026】
筐体の上面パネル11に設けられるメインキー及びインジケータ等により構成されるキー/インジケータ部37の操作信号は、直接に制御部38に送出され、リモートコントローラからのキー操作信号は、Ir受信部35で受信され、Ir処理部36で復調されたコード信号が制御部38に出力される。
【0027】
なお、制御部38にはシステムバス(SB)を介して音声処理部47が接続されている。この音声処理部47は、PCM音源等の音源回路を備えており、投影モード及び再生モード時には音声データをアナログ化し、スピーカ48を駆動して拡声放音させる。
【0028】
また、制御部38は、光源制御手段としての光源制御回路41を制御しており、この光源制御回路41は、画像生成時に要求される所定波長帯域の光が光源ユニット60から射出されるように、光源ユニット60の励起光照射装置、赤色光源装置、及び青色光源装置の発光を個別に制御する。
【0029】
さらに、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43に光源ユニット60等に設けた複数の温度センサによる温度検出を行わせ、この温度検出の結果から冷却ファンの回転速度を制御させている。また、制御部38は、冷却ファン駆動制御回路43にタイマー等によりプロジェクタ本体の電源OFF後も冷却ファンの回転を持続させる、あるいは、温度センサによる温度検出の結果によってはプロジェクタ本体の電源をOFFにする等の制御も行う。
【0030】
次に、このプロジェクタ10の内部構造について述べる。図3は、プロジェクタ10の内部構造を示す平面模式図である。プロジェクタ10は、図3に示すように、右側パネル14の近傍に制御回路基板241を備えている。この制御回路基板241は、電源回路ブロックや光源制御ブロック等を備えてなる。また、プロジェクタ10は、制御回路基板241の側方、つまり、プロジェクタ筐体の略中央部分に光源ユニット60を備えている。さらに、プロジェクタ10は、光源ユニット60と左側パネル15との間に光学系ユニット160を備えている。
【0031】
光源ユニット60は、プロジェクタ筐体の左右方向における略中央部分であって背面パネル13近傍に配置される光源装置である励起光照射装置70と、この励起光照射装置70から射出される光線束の光軸上であって正面パネル12の近傍に配置される蛍光発光装置100と、この蛍光発光装置100から射出される光線束と平行となるように正面パネル12の近傍に配置される青色光源装置300と、励起光照射装置70と蛍光発光装置100との間に配置される赤色光源装置120と、蛍光発光装置100からの射出光や赤色光源装置120からの射出光、青色光源装置300からの射出光の光軸が夫々同一の光軸となるように変換して各色光を所定の一面であるライトトンネル175の入射口に導光する導光光学系140と、を備える。
【0032】
励起光照射装置70は、背面パネル13と光軸が平行になるよう配置されたレーザー素子等の光源用素子である励起光源71と、励起光源71からの射出光の光軸を正面パネル12方向に90度変換する反射ミラー群75と、反射ミラー群75で反射した励起光源71からの射出光を集光する集光レンズ78と、励起光源71と右側パネル14との間に配置されたヒートシンク81と、を備える。
【0033】
励起光源71は、3行8列の計24個の青色レーザーダイオードがマトリクス状に配列されており、各青色レーザーダイオードの光軸上には、各青色レーザーダイオードからの射出光を平行光に変換する集光レンズであるコリメータレンズ73が夫々配置されている。また、反射ミラー群75は、複数の反射ミラーが階段状に配列されてなり、励起光源71から射出される光線束の断面積を一方向に縮小して集光レンズ78に射出する。
【0034】
ヒートシンク81と背面パネル13との間には2つの冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261とヒートシンク81とによって励起光源71が冷却される。さらに、反射ミラー群75と背面パネル13との間にも冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって反射ミラー群75や集光レンズ78が冷却される。
【0035】
蛍光発光装置100は、正面パネル12と平行となるように、つまり、励起光照射装置70からの射出光の光軸と直交するように配置された蛍光ホイール101と、この蛍光ホイール101を回転駆動するホイールモータ110と、蛍光ホイール101から背面パネル13方向に射出される光線束を集光する集光レンズ群111と、を備える。
【0036】
蛍光ホイール101は、円板状の金属基材であって、励起光源71からの射出光を励起光として緑色波長帯域の蛍光発光光を射出する環状の蛍光発光領域が凹部として形成され、励起光を受けて蛍光発光する蛍光板として機能する。また、蛍光発光領域を含む蛍光ホイール101の励起光源71側の表面は、銀蒸着等によってミラー加工されることで光を反射する反射面が形成され、この反射面上に緑色蛍光体の層が敷設されている。
【0037】
そして、蛍光ホイール101の緑色蛍光体層に照射された励起光照射装置70からの射出光は、緑色蛍光体層における緑色蛍光体を励起し、緑色蛍光体から全方位に蛍光発光された光線束は、直接励起光源71側へ、あるいは、蛍光ホイール101の反射面で反射した後に励起光源71側へ射出される。また、蛍光体層の蛍光体に吸収されることなく、金属基材に照射された励起光は、反射面により反射されて再び蛍光体層に入射し、蛍光体を励起することとなる。よって、蛍光ホイール101の凹部の表面を反射面とすることにより、励起光源71から射出される励起光の利用効率を上げることができ、より明るく発光させることができる。
【0038】
なお、蛍光ホイール101の反射面で蛍光体層側に反射された励起光において蛍光体に吸収されることなく励起光源71側に射出された励起光は、後述する第一ダイクロイックミラー141を透過し、蛍光光は第一ダイクロイックミラー141により反射されるため、励起光が外部に射出されることはない。そして、ホイールモータ110と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって蛍光ホイール101が冷却される。
【0039】
赤色光源装置120は、励起光源71と光軸が平行となるように配置された赤色光源121と、赤色光源121からの射出光を集光する集光レンズ群125と、を備える。そして、この赤色光源装置120は、励起光照射装置70からの射出光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光と光軸が交差するように配置されている。また、赤色光源121は、赤色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての赤色発光ダイオードである。さらに、赤色光源装置120は、赤色光源121の右側パネル14側に配置されるヒートシンク130を備える。そして、ヒートシンク130と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって赤色光源121が冷却される。
【0040】
青色光源装置300は、蛍光発光装置100からの射出光の光軸と平行となるように配置された青色光源301と、青色光源301からの射出光を集光する集光レンズ群305と、を備える。そして、この青色光源装置300は、赤色光源装置120からの射出光と光軸が交差するように配置されている。また、青色光源301は、青色の波長帯域光を発する半導体発光素子としての青色発光ダイオードである。さらに、青色光源装置300は、青色光源301の正面パネル12側に配置されるヒートシンク310を備える。そして、ヒートシンク310と正面パネル12との間には冷却ファン261が配置されており、この冷却ファン261によって青色光源301が冷却される。
【0041】
そして、導光光学系140は、赤色、緑色、青色波長帯域の光線束を集光させる集光レンズや、各色波長帯域の光線束の光軸を変換して同一の光軸とさせるダイクロイックミラー等からなる。具体的には、励起光照射装置70から射出される青色波長帯域光及び蛍光ホイール101から射出される緑色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に、青色及び赤色波長帯域光を透過し、緑色波長帯域光を反射してこの緑色光の光軸を左側パネル15方向に90度変換する第一ダイクロイックミラー141が配置されている。
【0042】
また、青色光源装置300から射出される青色波長帯域光の光軸と、赤色光源装置120から射出される赤色波長帯域光の光軸と、が交差する位置に、青色波長帯域光を透過し、緑色及び赤色波長帯域光を反射してこの緑色及び赤色光の光軸を背面パネル13方向に90度変換する第二ダイクロイックミラー148が配置されている。そして、第一ダイクロイックミラー141と第二ダイクロイックミラー148との間には、集光レンズが配置されている。さらに、ライトトンネル175の近傍には、ライトトンネル175の入射口に光源光を集光する集光レンズ173が配置されている。
【0043】
光学系ユニット160は、励起光照射装置70の左側方に位置する照明側ブロック161と、背面パネル13と左側パネル15とが交差する位置の近傍に位置する画像生成ブロック165と、導光光学系140と左側パネル15との間に位置する投影側ブロック168と、の3つのブロックによって略コの字状に構成されている。
【0044】
この照明側ブロック161は、光源ユニット60から射出された光源光を画像生成ブロック165が備える表示素子51に導光する光源側光学系170の一部を備えている。この照明側ブロック161が有する光源側光学系170としては、光源ユニット60から射出された光線束を均一な強度分布の光束とするライトトンネル175、ライトトンネル175から射出された光を集光する集光レンズ178、ライトトンネル175から射出された光線束の光軸を画像生成ブロック165方向に変換する光軸変換ミラー181等がある。
【0045】
画像生成ブロック165は、光源側光学系170として、光軸変換ミラー181で反射した光源光を表示素子51に集光させる集光レンズ183と、この集光レンズ183を透過した光線束を表示素子51に所定の角度で照射する反射ミラーである照射ミラー185と、を有している。
【0046】
なお、本発明の実施形態のプロジェクタ10は、上記照射ミラー185の角度調整を容易に行うことが可能なミラー固定装置500を有する。ミラー固定装置500の詳細な説明は後述する。
【0047】
さらに、画像生成ブロック165は、表示素子51とするDMDを備え、この表示素子51と背面パネル13との間には表示素子51を冷却するためのヒートシンク190が配置されて、このヒートシンク190によって表示素子51が冷却される。また、表示素子51の正面近傍には、投影側光学系220としての集光レンズ195が配置されている。
【0048】
投影側ブロック168は、表示素子51で反射されたオン光をスクリーンに放出する投影側光学系220のレンズ群を有している。この投影側光学系220としては、固定鏡筒に内蔵する固定レンズ群225と可動鏡筒に内蔵する可動レンズ群235とを備えてズーム機能を備えた可変焦点型レンズとされ、レンズモータにより可動レンズ群235を移動させることによりズーム調整やフォーカス調整を可能としている。
【0049】
図4は、図3に示したプロジェクタ10の光学素子固定装置としてのミラー固定装置500、DMDである表示素子51等の要部を拡大した斜視図である。本発明の実施形態に係るプロジェクタ10は、光学素子としての照射ミラー185を備えるミラー固定装置500を有する。ミラー固定装置500の照射ミラー185は、光源ユニット60から射出され、集光レンズ173、ライトトンネル175、集光レンズ178、光軸変換ミラー181、集光レンズ183等を透過した光を反射して、DMDである表示素子51に所定の角度で照射する。
【0050】
本実施形態のミラー固定装置500は、装置本体側に固定された固定フレーム510と、照射ミラー185が取り付けられたミラーホルダーであり可動部材としての光学素子支持体520と、を有する。この固定フレーム510は、投影側光学系220の筒形状部220aや、DMDである表示素子51が取り付けられたDMD基板51a等が固定される筐体の底面パネル16に固定されている。なお、図4には固定フレーム510の一部分のみ表示し、他の部分については図示していない。光学素子支持体520は、後述するように、ミラー固定装置500の底面側からプラスドライバー等の治具600により、固定フレーム510に対して角度調整可能に構成されている。
【0051】
次に、プロジェクタ10の底面側の構造について説明する。図5は、本発明の実施形態に係るプロジェクタ10の底面図である。図5に示すように、プロジェクタ10の筐体の底面パネル16には、ミラー固定装置500の位置に合わせて小さい矩形状の開口部16aが形成され、この開口部16aに底パネル蓋16bがネジ801、801により固定されている。この開口部16a及び底パネル蓋16bは、上述したミラー固定装置500に取り付けられている照射ミラー185の光軸方向の角度調整を行うために設けられている。
【0052】
また、プロジェクタ10の筐体の底面パネル16の中央近傍に、励起光照射装置70の位置に合わせて開口部16cが形成され、この開口部16cに底パネル蓋16dがネジ802、802により固定されている。この開口部16c及び底パネル蓋16dは、励起光照射装置70の保守を可能とするものである。
【0053】
図6は、本発明の実施形態に係るプロジェクタ10のミラー固定装置500の断面図である。ミラー固定装置500は、間に空間を設けて配置された第1フレームである下フレーム510aと第2フレームである上フレーム510cとを備えた固定フレーム510と、下フレーム510aと上フレーム510cとの間の空間に挿入され、光学素子としての照射ミラー185が固定される光学素子支持体520と、を有する。
【0054】
固定フレーム510は、例えば、アルミニウム等の所定の材料により形成され、固定フレーム510における下フレーム510aによりプロジェクタ10の本体側に固定されている。詳細には、固定フレーム510は、プロジェクタ10の筐体の底面パネル16に、例えば中間部材560等を介して固定されている。
【0055】
本実施形態では、固定フレーム510は、断面コの字形状に形成されている。詳細には、固定フレーム510は、第1フレームとしての平板状の下フレーム510aと、その下フレーム510aの端部から垂直に上方に延出した平板状の側フレーム510bと、側フレーム510bの上端部から水平方向に延出した第2フレームとしての平板状の上フレーム510cと、を有する。本実施形態では、下フレーム510aと上フレーム510cとは、平行な平板形状に形成されており、互いに相対する面を平行な面としている。
【0056】
本実施形態では、下フレーム510aと側フレーム510bとは一体的に形成されている。また、上フレーム510cは、側フレーム510bの上端部に、ネジなどの固定部材513により着脱自在に固定されている。光学素子支持体520は、下フレーム510aと、上フレーム510cとにより挟持されている。
【0057】
下フレーム510aには、滑らかな表面の球面凹部510gが形成されている。この球面凹部510gは、光学素子支持体520が上フレーム510cに支持された上側被支持部としての可動支持部520aの揺動中心(回転中心)580を曲率中心とし、球面支持部520cの曲率半径と略同一曲率半径に形成されている。つまり、球面凹部510gは、光学素子支持体520の下側に凸形状に形成された滑らかな表面の球面支持部520cを支持する下側支持部510fとして機能する。
【0058】
球面凹部510gの中心には、その球面凹部510gから下フレーム510aの外面に貫通し、光学素子支持体の520の突起部520kの外径よりも大きな内径とされて、この突起部520kを収納する孔部510hが形成されている。
【0059】
この孔部510h、及び光学素子支持体520の突起部520kは、光学素子支持体520が揺動する移動範囲を規制する。光学素子支持体520の移動範囲を所定の範囲に規制することで、角度調整時に、照射ミラー185が固定フレーム510に接触して破損する等の不具合を防止することができる。
【0060】
下フレーム510aの孔部510hには、角度調整後に、光学素子支持体520と固定フレーム510との位置関係を固定する固定部材530が設けられる。詳細には、固定部材530は、孔部510hに収納された光学素子支持体520の突起部520kが移動することを阻止する。この固定部材530は、例えば、孔部510hに充填され、硬化される接着剤である。
【0061】
本実施形態では、側フレーム510bと光学素子支持体520との間に隙間が形成されている。この隙間は、例えば、光学素子支持体520が固定フレーム510に対して移動する際に、接触しない程度の大きさに設定されている。
【0062】
上フレーム510cは、光学素子支持体520の上部を支持する上側支持部510eとして機能する。本実施形態では、上フレーム510cに凹部510dが形成されている。この凹部510dは、光学素子支持体520の上端部に形成された突出部520dを受ける。つまり、凹部510dには突出部520dが摺動自在に嵌合される。
【0063】
光学素子支持体520は、光学素子である照射ミラー185が固定される面と交わる面である上面に第2フレームである上フレーム510cに対して揺動回転自在に支持される可動支持部520aを備える。
【0064】
光学素子支持体520の可動支持部520aは、先端が半球状で凸形状の突出部520dを有する。この光学素子支持体520の突出部520dの曲面の曲率半径は、光学素子支持体520の上部付近に位置する揺動中心(回転中心)580を曲率中心として、上フレーム510cの凹部510dの曲面の曲率半径と略同じとなるように構成されている。
【0065】
また、上述したように、光学素子支持体520の球面支持部520cの曲面の曲率半径は、光学素子支持体520の上部付近に位置する揺動中心(回転中心)580を曲率中心として、下フレーム510aの球面凹部510gの曲面の曲率半径と、略同じとなるように構成されている。
【0066】
なお、光学素子支持体520の可動支持部520aは、上記形態に限られるものではなく、例えば、可動支持部520aは、先端を尖鋭な円錐形状とする突出部520dにより形成され、上フレーム510cには、可動支持部520aを受ける湾曲形状の凹部が形成されていてもよい。
【0067】
光学素子支持体520は、例えば、アルミニウム等の所定の材料により形成され、略直方体に形成されている。略直方体の上部と下部に凸形状部が形成され、上フレーム510c及び下フレーム510aに挟持されている。
【0068】
光学素子支持体520は、固定フレーム510の上フレーム510cの凹部510dに支持される、上方に向かって凸形状の突出部520dを備える可動支持部520aと、可動支持部520aを有する面と対向する面である下面に可動支持部520aの揺動中心580を曲率中心とする球面状に突出する下側被支持部520bとしての球面支持部520cと、その球面支持部520cの一部に形成された突起部520kと、を有する。突起部520kは、下フレーム510aの球面凹部510gに形成された孔部510hに遊嵌するように構成されている。
【0069】
また、可動支持部520aや球面支持部520cが設けられる上面及び下面と交わる光学素子支持体520の側面には、光学素子取付部520eとしての傾斜面が形成されており、その傾斜面に照射ミラー185が取り付けられている。
【0070】
突起部520kの先端部には、調整用の治具600が係合する係合操作部520mが形成されている。係合操作部520mは、窪み又は突出形状に形成されている。また、係合操作部520mは、例えば、突起部520kの先端中央を通る1本の線又は十字形状、更には突起部520kの先端中央部を中心とする六角形、星形の窪み又は突出形状の何れかであってもよい。本実施形態では、突起部520kの係合操作部520mとして、治具600のプラスドライバーの先端部601が係合する十字形状の溝部が形成されているものとする。
【0071】
また、上述したように、プロジェクタ10の筐体の底面パネル16には、ミラー固定装置500の下フレーム510aの孔部510h、及び、光学素子支持体520の突起部520kの位置に合わせて、開口部16aが形成され、この開口部16aに底パネル蓋16bがネジ801、801により固定されている。この開口部16a及び底パネル蓋16bは、照射ミラー185の角度調整時には、ネジ801、801及び底パネル蓋16bを取外し、下フレーム510aの孔部510h、及び、光学素子支持体520の突起部520kを露出させ、角度調整し、接着剤を塗布して固定した後、ネジ801、801及び底パネル蓋16bが取り付けられる。
【0072】
上述した光学素子固定装置であるミラー固定装置500の製造方法の一例を説明する。初期状態では、下フレーム510aには上フレーム510cが取り付けられていない状態である。
【0073】
先ず、光学素子支持体520の光学素子取付部520eの傾斜面に、光学素子としての照射ミラー185を接着剤等により固定する。
【0074】
次に、下フレーム510aに、上述した照射ミラー185が取付けられた光学素子支持体520の下面側の突起部520kを、下フレーム510aの孔部510hに挿通するとともに、光学素子支持体520の下側の球面支持部520cと、下フレーム510aの球面凹部510gとが当接するように配置する。
【0075】
次に、光学素子支持体520の可動支持部520aの突出部520dに、上フレーム510cの凹部510dが嵌合するように、上フレーム510cを側フレーム510bに取付けて、ネジ等の固定部材513により、上フレーム510cを側フレーム510bに固定する。
【0076】
次に、本発明の実施形態に係るプロジェクタ10のミラー固定装置500の調整方法を、図面を参照しながら説明する。図7は、プロジェクタ10のミラー固定装置500の調整方法の一例を示すフローチャートである。図8、図9は、ミラー固定装置500の照射ミラー185の角度の調整方法の一例を示す図である。なお、図8、図9において、底面パネル16、底パネル蓋16b、ネジ801、中間部材560については図示していない。
【0077】
先ず、光学素子固定装置であるミラー固定装置500を光学機器であるプロジェクタ10に固定する。詳細には、ミラー固定装置500を、第1フレームである下フレーム510aによりプロジェクタ10の底板である底面パネル16に固定する。プロジェクタ10の底面パネル16には、図5に示すように、下フレーム510aの孔部510hに対応した位置に開口部16aが形成されている。
【0078】
次に、底パネル蓋16b、ネジ801を底面パネル16から取り外した状態で、突起部520kの先端の係合操作部520mに、プラスドライバー等の治具600を係合させて、照射ミラー185の角度調整を行う。照射ミラー185の角度調整は、例えば、プロジェクタ10からスクリーンに投影した画像の照度が最適な値となるように行う。
【0079】
詳細には、ステップS101において、突起部520kをこの突起部520kの回転軸581を中心に回転させるように操作して、光学素子支持体520を回転させる。具体的には、図8、図9に示すように、プラスドライバー等の治具600の先端部601に形成された係合操作部520mを、光学素子支持体520の突起部520kの係合操作部520mに係合させた状態で、治具600を右回転させる、又は左回転させることにより、光学素子支持体520を回転軸周りに回転させる。
【0080】
ステップS105において、突起部520kを下フレーム510aの孔部510h内で移動させるように、突起部520kの回転軸581である軸を揺動させて、光学素子支持体520に固定された光学素子である照射ミラー185の光軸方向を変化させる角度調整を行う。この際、光学素子支持体520の下側の球面支持部520cが、下フレーム510aの球面凹部510gに対して摺動する。
【0081】
上記ステップS101、S105により、光学素子支持体520の突起部520kを、回転軸581を中心に回転させる、又は回転軸581である軸を揺動させることにより、光学素子支持体520に取付けられている照射ミラー185の角度を調整することができる。なお、上記ステップS101、S105の順番は、逆であってもよいし、照度が最適な値となるまで、ステップS101、S105の調整を適宜行ってもよい。
【0082】
次に、ステップS110において、照射ミラー185の角度調整が終了した場合には、光学素子支持体520を接着剤等の固定部材530により固定する。詳細には、下フレーム510aの孔部510hに接着剤を充填して、所定時間経過後、接着剤を硬化させることにより、固定部材530により光学素子支持体520の突起部520kの位置を下フレーム510aに対して固定する。
【0083】
上記実施形態では、ミラー固定装置500の光学素子支持体520の可動支持部520aに突出部520dが形成され、上フレーム510cには、凹部510dが形成されていたが、この形態に限られるものではない。例えば、図10に示すように、上フレーム510cに凸形状部510pが形成され、光学素子支持体520の可動支持部520aに凹形状部520pが形成され、凸形状部510pが凹形状部520pに摺動自在に嵌合することにより、上フレーム510cが光学素子支持体520の上面を支持するような構成であってもよい。
【0084】
また、上記実施形態では、光学素子支持体520の突起部520kの下側の先端部に係合操作部520mとして、治具600の先端部が係合するプラス形状の溝部が形成されていたが、この形態に限られるものではない。例えば、図10に示すように、光学素子支持体520の突起部520kの下端側の先端部に係合操作部520mとして、プラス形状の突起部が形成されていてもよい。この際、先端部601に、プラス形状の溝部が形成された治具600を用いて、光学素子支持体520の角度調整、つまり照射ミラー185の角度調整を行う。また、上記係合操作部520mの形状は上述したものに限られるものではなく、各種形状のものを採用してよい。上述したように、係合操作部520mは、突起部520kの先端中央を通る1本の線又は十字形状の溝又は板状突出形状、更には突起部520kの先端中央を中心とする六角形、星形の窪み又は突出形状の何れかであってもよい。
【0085】
また、上記実施形態では、角度調整後、下フレーム510aの孔部510hに、接着剤等の固定部材530を充填して光学素子支持体520の突起部520kの位置を下フレーム510aに対して固定したが、この形態に限られるものではない。角度調整後、例えば、図10に示すように、固定部材としての止めネジ531を、下フレーム510aの下側から挿入して、止めネジ531の先端部が光学素子支持体520の球面支持部520cに当接して押圧することで、光学素子支持体520を下フレーム510aに固定する構成としてもよい。このように、止めネジ531により、容易に光学素子支持体520を下フレーム510aに固定することができる。また、止めネジ531を緩めることにより、照射ミラー185の光軸の角度を、容易に再度調整できるようにすることができる。
【0086】
また、光学素子支持体520と上フレーム510cとの支持構造は上記形態に限られるものではない。例えば、図11(a)に示すように、光学素子支持体520の可動支持部520aは、先端を尖鋭な円錐形状とする突出部520dにより形成され、第2フレームである上フレーム510cには、可動支持部520aを受ける湾曲形状の凹部510dが形成されていてもよい。このように、突出部520dの先端が尖鋭な円錐形状とすれば、角度調整時に、光学素子支持体520と上フレーム510cの間の摩擦抵抗が小さくなり、照射ミラー185を更に容易に角度調整を行うことができる。
【0087】
また、図11(b)に示すように、光学素子支持体520の可動支持部520aは、先端を半球状とする突出部520dにより形成され、上フレーム510cには、突出部520dよりも大きい曲率半径の湾曲形状で滑らかな表面の凹部510dが形成されていてもよい。このような構成とすることで、光学素子支持体520と上フレーム510cの間の摩擦抵抗を小さくする共に、上フレーム510cに対する光学素子支持体520の外力による角度ズレを低減することができる。
【0088】
また、図11(c)に示すように、光学素子支持体520の可動支持部520aは、先端を半球状とする突出部520dにより形成され、上フレーム510cには、溝形状の凹部510dが形成されていてもよい。このような構成とすることで、上フレーム510cに対する光学素子支持体520の外力による角度ズレを、更に低減することができる。
【0089】
また、図11(a)、11(b)、11(c)に示したように、光学素子支持体520に凸形状、上フレーム510cに凹形状が形成されていたが、逆に、光学素子支持体520に凹形状、上フレーム510cに凸形状が形成されていてもよい。
【0090】
また、上述した実施形態では、光学素子支持体520は、球面支持部520cの一部に突起部520kを有し、その突起部520kの先端に窪み又は突出形状の係合操作部520mが形成されていたが、この形態に限られるものではない。例えば、図12に示すように、球面支持部520cに突起部520kを設けずに、球面支持部520cの一部に係合操作部520mを設けてもよい。この際、第1フレーム510aの孔部510hは、球面凹部510gから第1フレーム510aの外面に貫通し、係合操作部520mの外形よりも大きな内径となるように構成する。
【0091】
上述した光学素子固定装置としてのミラー固定装置500は、球面支持部520cに突起部520kを設けずに、球面支持部520cに直接、係合操作部520mを備えるので、より簡単な構成で、光学素子としての照射ミラー185の角度調整を行うことができる。
【0092】
また、上記実施形態では、プロジェクタ10の底面パネル16に、ミラー固定装置500の位置に合わせて開口部16aが形成されていたが、この形態に限られるものではない。例えば、底面パネル16にミラー固定装置500の位置に合わせて、治具600の先端部601が挿入可能な程度の大きさの1個の孔を設けてもよい。
【0093】
また、本実施形態では、光学素子固定装置として、照射ミラー185を光学素子とするミラー固定装置500を説明したが、この形態に限られるものではない。例えば、光学素子として反射ミラーやハーフミラー、レーザー素子等などを採用して、それらの光軸の角度調整を行うようにしてもよい。
【0094】
以上、説明したように、本発明の実施形態によれば、光学素子固定装置としてのミラー固定装置500は、間に空間を設けて配置された第1フレームである下フレーム510aと第2フレームである上フレーム510cとを備えた固定フレーム510と、下フレーム510aと上フレーム510cとの間の空間に挿入され、光学素子である照射ミラー185が固定される光学素子支持体520とを有し、光学素子支持体520は、照射ミラー185が固定される面と交わる面に第2フレームである上フレーム510cに対して揺動回転自在に支持される可動支持部520aを備えるため、光学素子支持体520を容易に揺動及び回転させることができる。そして、可動支持部520aを有する面と対向する面にその可動支持部520aの揺動中心580を曲率中心とする球面状に突出する球面支持部520c、を有すると共にその球面支持部520cの一部に係合操作部520mを備え、下フレーム510aは、光学素子支持体520が上フレーム510cに支持された可動支持部520aの揺動中心580を曲率中心とし、球面支持部520cの曲率半径と同一曲率半径とされる球面凹部510gを備え、且つ、球面凹部510gの中心には、その球面凹部510gから下フレーム510aの外面に貫通し、係合操作部520mの外形よりも大きな内径とされた孔部510hを備えるため、係合操作部520mを備える球面支持部520cを球面凹部510gに沿って摺動回転させ、安定した光学素子支持体520の向きの変更を行うことができる。
【0095】
このため、簡単な構成で、治具600により、照射ミラー185の角度調整を容易に行うことが可能な光学素子固定装置としてのミラー固定装置500、及び光学素子固定装置に支持されたミラーを備えたプロジェクタ10を提供することができる。
また、曲率中心、曲率半径を適切にすることにより、角度調整を正確に行える構成とすることができる。
【0096】
また、本発明の実施形態では、光学素子固定装置としてのミラー固定装置500を、光学機器としてのプロジェクタ10に固定した後、係合操作部510kに治具600を係合させ、係合操作部510kを中心に回転させるように操作して光学素子支持体520を回転させ、又、係合操作部510kを孔部510h内で移動させるようにして、光学素子支持体520に固定された光学素子である照射ミラー185の光軸方向を変化させる角度調整を行うので、簡単に、照射ミラー185の角度を調整することができる光学素子固定装置としてのミラー固定装置500におけるミラーである照射ミラー185の角度調整方法を提供することができる。
【0097】
また、本発明の実施形態では、第1フレームとしての下フレーム510aと第2フレームとしての上フレーム510cとは、互いに相対する面を平行な平面としており、更に、平行な平板形状に形成されているので、上記構成のミラー固定装置500を容易に作製することができる。また、上フレーム510cは、ネジ等の固定部材513により側フレーム510bの上部に着脱自在に固定された構造であるので、装置製造時、光学素子支持体520を下フレーム510aと上フレーム510cとの間に、光学素子支持体520を簡単に配置することができる。
【0098】
また、本発明の実施形態によれば、係合操作部520mは、球面支持部520cの表面に設けられた、孔部510hの径よりも短い長さの1本の線又は十字形状の溝又は板状突出形状、更には孔部510hの径よりも小さな外形とされる六角形、又は星形の窪み又は突出形状の何れかであるとしたので、その係合操作部520mに対応する治具600を用いて、容易に照射ミラー185の光軸の角度調整を行うことができる。
【0099】
また、本発明の実施形態によれば、係合操作部520mは、球面支持部520cから突出するとともに孔部の直径よりも小さな直径の棒状突起部の先端に設けられているようにしたので、その係合操作部520mに対応する治具600を用いて、容易に照射ミラー185の光軸の角度調整を行うことができるとともに、光学素子支持体520の可動範囲を容易に孔部に対応する範囲に限定することができる。
【0100】
さらに、本発明の実施形態では、係合操作部520mを回転させ、又は、移動させて照射ミラー185の光軸方向を変化させた後、第1フレームである下フレーム510aの孔部510hに接着剤を充填して硬化した固定部材530により、球面支持部520cの位置を下フレーム510aに対して固定しているので、簡単な構成で、光学素子である照射ミラー185を、高精度に角度調整された状態で、長時間維持することができるミラー固定装置500、及びミラー固定装置500における照射ミラー185の角度調整方法を提供することができる。また、固定部材530として、紫外線硬化樹脂や熱硬化性樹脂等の接着剤を採用することで、短時間に容易に、突起部520kの位置を下フレーム510aに対して固定することができる。
【0101】
さらに、本発明の実施形態では、光学素子支持体520の可動支持部520aは、先端を半球状とする突出部520dにより形成され、上フレーム510cには、可動支持部520aを受ける凹部510dが形成され、ミラーの角度調整時に、凹部510dと突出部520dが摺動するように構成されているので、凹部510dと突出部520dとの間で小さい摩擦抵抗となり、容易にミラーの角度調整を行うことが可能なミラー固定装置500、及びミラー固定装置500における照射ミラー185の角度調整方法を提供することができる。
【0102】
また、本発明の実施形態の変形例では、光学素子支持体520の可動支持部520aは、先端を尖鋭な円錐形状とする突出部520dにより形成され、上フレーム510cには、可動支持部520aを受ける湾曲形状の凹部510dが形成されているので、凹部510dと突出部520dとの間で小さい摩擦抵抗となるとともに摩耗が小さくなり、容易にミラーの角度調整を行うことが可能なミラー固定装置500、及びミラー固定装置500における照射ミラー185の角度調整方法を提供することができる。
【0103】
また、本発明の実施形態によれば、光学素子支持体520の下側の球面支持部520cの曲率半径と、下フレーム510aの球面凹部510gの曲率半径とが略同じとなるように、光学素子支持体520及び下フレーム510aが形成されているので、光学素子支持体520が下フレーム510aに対して滑らかに摺動することができ、容易に角度調整を行うことができる。
【0104】
また、本発明の実施形態によれば、光学素子支持体520の下側の球面支持部520cの摺動面の曲率中心である揺動中心(回転中心)580と、光学素子支持体520の上側の突出部520dの摺動面の曲率中心である揺動中心(回転中心)580とは、略同じとなるように構成されているので、光学素子支持体520が下フレーム510a及び上フレーム510cに対して滑らかに摺動することができ、容易に角度調整を行うことができる。
【0105】
また、本発明を、光学素子として反射ミラーの照射ミラー185を採用したミラー固定装置500に適用したので、照射ミラー185の光軸の角度調整を容易に高精度に行うことができる。また、光学素子として反射ミラーに限られるものではなく、例えば、光学素子として、ハーフミラーや、レーザー素子等の光源などを採用してもよい。
【0106】
また、本発明の実施形態によれば、光学装置である励起光照射装置70と、光源装置からの光を表示素子51に導光照射する光源側光学系170と、光源装置からの光により光学像を形成する表示素子51と、表示素子51で形成された光学像をスクリーンに投影する投影側光学系220と、光源装置及び表示素子51を制御するプロジェクタ制御手段である制御部38と、を備え、光源側光学系170は、少なくともレンズとミラーとを備え、光学素子固定装置であるミラー固定装置500に保持された反射ミラーである照射ミラー185により光源装置である励起光照射装置70からの光を表示素子51に照射するので、容易に、照射ミラー185の角度調整を行うことが可能であり、簡単に最適な照度とすることができるプロジェクタ10を提供することができる。
【0107】
また、本発明の実施形態によれば、ミラー固定装置500の下フレーム510aの球面凹部510gに形成された孔部510h、及び光学素子支持体520の下側に形成された球面支持部520cは下面側に配置され、ミラー固定装置500は、プロジェクタ10底面に設けられる開口部16aの内側に配置されているので、プロジェクタ10の底面側から、プラスドライバー等の治具により簡単にミラー固定装置500の角度調整を行うことができるプロジェクタ10を提供することができる。また、本実施形態では、プロジェクタ10底面に設けられる開口部16や底パネル蓋16bは、比較的小さく形成することができる。
【0108】
また、光学素子固定装置であるミラー固定装置500は、第1フレームである下フレーム510aにより当該プロジェクタ10の底板である底面パネル16に固定され、該プロジェクタ10の底面パネル16には、下フレーム510aの孔部510hに対応した位置に開口部16aが形成されているので、光学素子である照射ミラー185の角度調整時に、プロジェクタ10の底側から、下フレーム510aの孔部510hに収納されている突起部520kに、治具600の先端部601を係合させて、上述したように突起部520kを回転、又は突起部520kの軸を揺動させることで、容易に、照射ミラー185の角度調整を行うことができる。
【0109】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0110】
以下に、本願出願の最初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 間に空間を設けて配置された第1フレームと第2フレームとを備えた固定フレームと、前記第1フレームと前記第2フレームとの間の空間に挿入され、光学素子を支持する可動部材としての光学素子支持体と、を有し、
前記光学素子支持体は、前記第2フレームに対して揺動回転自在に支持される可動支持部を備え、且つ、前記可動支持部を有する面と対向する面に球面状に突出する球面支持部を有すると共に該球面支持部の一部に係合操作部を備え、
前記第1フレームは、前記球面支持部を支持する球面凹部を備え、且つ、前記球面凹部の中心には、該球面凹部から前記第1フレームの外面に貫通し、前記係合操作部の外形よりも大きな内径とされた孔部を備えることを特徴とする光学素子固定装置。
[2] 前記球面支持部は、前記可動支持部の揺動中心を曲率中心とする球面状であり、
前記球面凹部は、前記可動支持部の揺動中心を曲率中心とし、前記球面支持部の曲率半径と略同一曲率半径とされていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子固定装置。
[3] 前記第1フレームと前記第2フレームは、互いに相対する面を平行な平面としていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子固定装置。
[4] 前記第1フレームと前記第2フレームは、平行な平板形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の光学素子固定装置。
[5] 前記係合操作部は、前記球面支持部の表面に設けられた、前記孔部の径よりも短い長さの1本の線又は十字形状の溝又は板状突出形状、更には前記孔部の径よりも小さな外形とされる六角形、又は星形の窪み又は突出形状の何れかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光学素子固定装置。
[6] 前記係合操作部は、前記球面支持部から突出するとともに前記孔部の直径よりも小さな直径の棒状突起部の先端に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学素子固定装置。
[7] 前記第1フレームは、前記球面支持部が移動することを阻止する固定部材を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の光学素子固定装置。
[8] 前記固定部材は、前記孔部に充填され、硬化される接着剤であることを特徴とする請求項7に記載の光学素子固定装置。
[9] 前記光学素子支持体の前記可動支持部は、先端を半球状とする突出部により形成され、前記第2フレームには、前記可動支持部を受ける凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の光学素子固定装置。
[10] 前記光学素子支持体の前記可動支持部は、先端を尖鋭な円錐形状とする突出部により形成され、前記第2フレームには、前記可動支持部を受ける湾曲形状の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の光学素子固定装置。
[11] 前記光学素子は、反射ミラーであることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れかに記載の光学素子固定装置。
[12] 光源装置と、
前記光源装置からの光を表示素子に導光照射する光源側光学系と、
前記光源装置からの光により光学像を形成する表示素子と、
前記表示素子で形成された光学像をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記光源装置及び前記表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、
前記光源側光学系は、前記請求項11に記載した前記光学素子固定装置を含むことを特徴とするプロジェクタ。
[13] 前記光学素子固定装置は、前記第1フレームにより当該プロジェクタの底面パネルに固定され、該プロジェクタの底面パネルには、前記第1フレームの前記孔部に対応した位置に開口部が形成されていることを特徴とする請求項12に記載のプロジェクタ。
[14] 請求項1乃至請求項11の何れかに記載した光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法であって、
該光学素子固定装置を光学機器に固定した後、前記係合操作部に治具を係合させ、前記係合操作部を中心に回転させるように操作して前記光学素子支持体を回転させ、又、前記係合操作部を前記孔部内で移動させるようにして、前記光学素子支持体に固定された前記光学素子の光軸方向を変化させる角度調整を行うことを特徴とする光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法。
[15] 前記係合操作部を回転させ、又は、移動させて前記光学素子の光軸方向を変化させた後、前記第1フレームの前記孔部に接着剤を充填して前記球面支持部の位置を固定することを特徴とする請求項14に記載の光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法。
[16] 前記光学素子が反射ミラーであることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法。
[17] 前記光学機器がプロジェクタであることを特徴とする請求項14乃至請求項16の何れかに記載の光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法。
【符号の説明】
【0111】
10 プロジェクタ
11 上面パネル 12 正面パネル
13 背面パネル 14 右側パネル
15 左側パネル 16 底面パネル
16a 開口部 16b 底パネル蓋
16c 開口部 16d 底パネル蓋
17 排気孔
18 吸気孔 19 レンズカバー
20 各種端子 21 入出力コネクタ部
22 入出力インターフェース 23 画像変換部
24 表示エンコーダ 25 ビデオRAM
26 表示駆動部 31 画像圧縮/伸長部
32 メモリカード 35 Ir受信部
36 Ir処理部 37 キー/インジケータ部
38 制御部 41 光源制御回路
43 冷却ファン駆動制御回路 45 レンズモータ
47 音声処理部 48 スピーカ
51 表示素子 51a DMD基板
60 光源ユニット
70 励起光照射装置(光源装置) 71 励起光源(光源用素子)
73 コリメータレンズ 75 反射ミラー群
78 集光レンズ 81 ヒートシンク
100 蛍光発光装置 101 蛍光ホイール
110 ホイールモータ 111 集光レンズ群
120 赤色光源装置 121 赤色光源
125 集光レンズ群 130 ヒートシンク
140 導光光学系 141 第一ダイクロイックミラー
148 第二ダイクロイックミラー 160 光学系ユニット
161 照明側ブロック 165 画像生成ブロック
168 投影側ブロック 170 光源側光学系
173 集光レンズ 175 ライトトンネル
178 集光レンズ 181 光軸変換ミラー
183 集光レンズ
185 照射ミラー(光学素子、反射ミラー)
190 ヒートシンク 195 集光レンズ
220 投影側光学系 220a 筒形状部
225 固定レンズ群 235 可動レンズ群
241 制御回路基板 261 冷却ファン
300 青色光源装置 301 青色光源
305 集光レンズ群 310 ヒートシンク
500 ミラー固定装置(光源素子固定装置)
510 固定フレーム 510a 下フレーム(第1フレーム)
510b 側フレーム 510c 上フレーム(第2フレーム)
510d 凹部 510e 上側支持部
510f 下側支持部 510g 球面凹部
510h 孔部
510p 凸形状部 513 固定部材(ネジ)
520 光学素子支持体(ミラーホルダー、可動部材)
520a 可動支持部(上側被支持部)
520b 下側被支持部 520c 球面支持部
520d 突出部(上側凸形状部) 520e 光学素子取付部
520k 突起部(棒状突起部) 520m 係合操作部
520p 凹形状部 530 固定部材(接着剤)
531 止めネジ(固定部材) 560 中間部材
580 揺動中心(回転中心) 581 回転軸
600 治具(調整用治具:ドライバ) 601 先端部
801 ネジ 802 ネジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間に空間を設けて配置された第1フレームと第2フレームとを備えた固定フレームと、前記第1フレームと前記第2フレームとの間の空間に挿入され、光学素子を支持する可動部材としての光学素子支持体と、を有し、
前記光学素子支持体は、前記第2フレームに対して揺動回転自在に支持される可動支持部を備え、且つ、前記可動支持部を有する面と対向する面に球面状に突出する球面支持部を有すると共に該球面支持部の一部に係合操作部を備え、
前記第1フレームは、前記球面支持部を支持する球面凹部を備え、且つ、前記球面凹部の中心には、該球面凹部から前記第1フレームの外面に貫通し、前記係合操作部の外形よりも大きな内径とされた孔部を備えることを特徴とする光学素子固定装置。
【請求項2】
前記球面支持部は、前記可動支持部の揺動中心を曲率中心とする球面状であり、
前記球面凹部は、前記可動支持部の揺動中心を曲率中心とし、前記球面支持部の曲率半径と略同一曲率半径とされていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子固定装置。
【請求項3】
前記第1フレームと前記第2フレームは、互いに相対する面を平行な平面としていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子固定装置。
【請求項4】
前記第1フレームと前記第2フレームは、平行な平板形状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の光学素子固定装置。
【請求項5】
前記係合操作部は、前記球面支持部の表面に設けられた、前記孔部の径よりも短い長さの1本の線又は十字形状の溝又は板状突出形状、更には前記孔部の径よりも小さな外形とされる六角形、又は星形の窪み又は突出形状の何れかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光学素子固定装置。
【請求項6】
前記係合操作部は、前記球面支持部から突出するとともに前記孔部の直径よりも小さな直径の棒状突起部の先端に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の光学素子固定装置。
【請求項7】
前記第1フレームは、前記球面支持部が移動することを阻止する固定部材を更に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の光学素子固定装置。
【請求項8】
前記固定部材は、前記孔部に充填され、硬化される接着剤であることを特徴とする請求項7に記載の光学素子固定装置。
【請求項9】
前記光学素子支持体の前記可動支持部は、先端を半球状とする突出部により形成され、前記第2フレームには、前記可動支持部を受ける凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の光学素子固定装置。
【請求項10】
前記光学素子支持体の前記可動支持部は、先端を尖鋭な円錐形状とする突出部により形成され、前記第2フレームには、前記可動支持部を受ける湾曲形状の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れかに記載の光学素子固定装置。
【請求項11】
前記光学素子は、反射ミラーであることを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れかに記載の光学素子固定装置。
【請求項12】
光源装置と、
前記光源装置からの光を表示素子に導光照射する光源側光学系と、
前記光源装置からの光により光学像を形成する表示素子と、
前記表示素子で形成された光学像をスクリーンに投影する投影側光学系と、
前記光源装置及び前記表示素子を制御するプロジェクタ制御手段と、を備え、
前記光源側光学系は、前記請求項11に記載した前記光学素子固定装置を含むことを特徴とするプロジェクタ。
【請求項13】
前記光学素子固定装置は、前記第1フレームにより当該プロジェクタの底面パネルに固定され、該プロジェクタの底面パネルには、前記第1フレームの前記孔部に対応した位置に開口部が形成されていることを特徴とする請求項12に記載のプロジェクタ。
【請求項14】
請求項1乃至請求項11の何れかに記載した光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法であって、
該光学素子固定装置を光学機器に固定した後、前記係合操作部に治具を係合させ、前記係合操作部を中心に回転させるように操作して前記光学素子支持体を回転させ、又、前記係合操作部を前記孔部内で移動させるようにして、前記光学素子支持体に固定された前記光学素子の光軸方向を変化させる角度調整を行うことを特徴とする光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法。
【請求項15】
前記係合操作部を回転させ、又は、移動させて前記光学素子の光軸方向を変化させた後、前記第1フレームの前記孔部に接着剤を充填して前記球面支持部の位置を固定することを特徴とする請求項14に記載の光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法。
【請求項16】
前記光学素子が反射ミラーであることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法。
【請求項17】
前記光学機器がプロジェクタであることを特徴とする請求項14乃至請求項16の何れかに記載の光学素子固定装置による光学素子の角度調整方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−54268(P2013−54268A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−193660(P2011−193660)
【出願日】平成23年9月6日(2011.9.6)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】