説明

光検出装置

【課題】 セル内に収容された試料からの被測定光をより正確に測定するための光検出装置を提供すること。
【解決手段】 光検出装置1は、積分球20と、積分球20に対して着脱可能に取り付けられる試料ホルダを備えている。積分球20は、励起光を導入するための励起光導入穴201と、第1試料ホルダ60を導入するための第1試料導入穴205と、第2試料ホルダ40を導入するための第2試料導入穴202とを有しており、第1試料ホルダ60は、セルCを保持する保持部と、第1係止部とを備え、第2試料ホルダ40は、試料台と、第2係止部とを備え、第1試料導入穴205は、励起光導入穴201が形成されている位置および第2試料導入穴202が形成されている位置を両極とする子午線上であって、その両極から略等距離にある位置に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料に励起光を照射することによって発生する被測定光を観測する積分球とこの積分球に対して着脱可能に取り付けられる試料ホルダとを備える光検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被測定光が放射状に発生する場合にその被測定光の強度を測定するために積分球が用いられている。積分球は球状の本体内壁に高拡散反射粉末が塗布されていて、被測定光が放射状に発生すると、その高拡散反射粉末により多重拡散反射される。この拡散反射された光が光検出器に入射されて、その出力信号が光強度計に導かれて出射された被測定光の強度を測定することができる。そのような積分球は下記特許文献1〜3に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2517102号公報
【特許文献2】特許第2811565号公報
【特許文献3】特公昭54−35114号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1〜3に開示されている積分球は、その内部にセルと呼ばれる反応管を配し、セル内に入れられた溶液からの被測定光を測定するためのものである。ところで、特許文献1〜3に例示するような従来の積分球において、セル内に入れられた溶液についての被測定光を測定すると、必ずしも正確に被測定光の強度が測定できない場合がある。
【0005】
そこで本発明では、セル内に収容された試料からの被測定光をより正確に測定するための光検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、従来の積分球において必ずしも正確に被測定光の強度が測定できない原因について検討を重ねた。セル内に収容された試料に励起光を照射すると、試料から被測定光が発生する。この発生する被測定光は一般的には、励起光の反射成分及び励起光を吸収した試料から発生される成分の少なくとも一方の成分を含んでいる(例えば、いずれか一方の成分をフィルタリングすれば、他方の成分からなる)。そして、励起光を積分球内に導入して試料に照射し、その照射に応じて発生する被測定光が、ある条件下においては励起光入射用に積分球に設けられた穴に戻ってしまうことを見出した。本発明はこの知見に基づいてなされたものである。
【0007】
本発明に係る光検出装置は、試料に励起光を照射することによって発生する被測定光を観測する積分球と、この積分球に対して着脱可能に取り付けられる試料ホルダを備える光検出装置であって、積分球は、励起光を導入するための励起光導入穴と、第1試料ホルダを導入するための第1試料導入穴と、第2試料ホルダを導入するための第2試料導入穴とを有しており、第1試料ホルダは、試料を収容するためのセルを保持する保持部と、当該第1試料ホルダを積分球に係止するための第1係止部とを備え、第2試料ホルダは、試料を載置するための試料台と、当該第2試料ホルダを積分球に係止するための第2係止部とを備え、第1試料導入穴は、励起光導入穴が形成されている位置および第2試料導入穴が形成されている位置を両極とする子午線上であって、その両極から略等距離にある位置に形成されている、ことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、第1試料ホルダ及び第2試料ホルダを備えると共に、第1試料導入穴を励起光導入穴と第2試料導入穴との間に設けているので、励起光導入穴と第2試料ホルダとの間に第1試料ホルダを配置することができる。従って、第2試料ホルダを積分球に取り付けたまま第1試料ホルダを配置して、当該第1試料ホルダが保持する試料による被測定光を観測することができる。また、第1試料ホルダを積分球に取り付けたまま第2試料ホルダを配置して、当該第2試料ホルダが保持する試料による被測定光を観測することができる。
【0009】
また本発明においては、第1係止部が、セルに励起光が入射する際の入射面を励起光の光軸に垂直な面から傾斜するようにセルを配置するための位置決め手段を有することも好ましい。励起光の光軸に垂直な面から傾斜するようにセルを配置しているので、励起光導入穴に励起光が戻ることを抑制できる。
【0010】
また本発明においては、試料台には試料を載置する載置面が、励起光の光軸に垂直な面から傾斜するように形成されており、第2係止部は、載置面が積分球内において所定方向に方向付けされるように、当該第2試料ホルダを積分球に係止することも好ましい。励起光の光軸に垂直な面から傾斜するように載置面が形成されているので、励起光導入穴に励起光が戻ることを抑制できる。
【0011】
また本発明においては、第1試料ホルダ及び第2試料ホルダの少なくとも一方における積分球内部に曝露される部位が拡散反射面となっている、ことも好ましい。第1試料ホルダ及び第2試料ホルダの積分球内に暴露される部位が拡散反射剤で覆われているので、第1試料ホルダ及び第2試料ホルダを積分球に取り付けた状態で一方の試料ホルダが保持する試料を観測する際に、他方の試料ホルダの拡散反射剤で覆われている部分を積分球内壁の一部として機能させることができる。
【0012】
また本発明においては、積分球は、2つの載置面を有するL字架台に取り付けられていることも好ましい。L字架台に積分球を取り付けているので、積分球を保持する角度を90度変えることができ、積分球の縦置き及び横置きが可能となる。従って例えば、第2試料ホルダを使用する場合には縦置きにし、第1試料ホルダを使用する場合には横置きにするといったことも可能となる。
【0013】
また、光検出装置は、試料に励起光を照射することによって発生する被測定光を観測する積分球とこの積分球に対して着脱可能に取り付けられる試料ホルダとを備える光検出装置であって、積分球は、励起光を導入するための励起光導入穴と、試料ホルダが保持するセルを導入するための試料導入穴とを有しており、試料ホルダは試料導入穴に係止されていると共に、試料を収容するためのセルを保持する保持部と、セルに励起光が入射する際の入射面を励起光の光軸に垂直な面から傾斜するようにセルを配置するための位置決め手段と、を有していても良い。
【0014】
上記構成によれば、試料が収容されるセルの入射面を励起光の光軸に傾斜させて配置可能な試料ホルダを積分球に対して着脱可能に備えているので、励起光の光軸に対してセルの形状に応じた角度にセルを保持できる。従って、試料に励起光を照射することによって発生する被測定光を励起光導入穴に戻らないように設定することが可能となる。
【0015】
また、上記構成では、保持部はセルを把持する把持部を有し、把持部はセルと接する部分に緩衝部材を有していることも好ましい。セルと接する部分に緩衝部材を有する把持部がセルを保持するので、セルに傷をつけずに保持できる。
【0016】
また、上記構成では、位置決め手段が、試料ホルダを積分球に係止するための係止部であることも好ましい。試料ホルダを積分球に係止する位置決めピンといった係止部が、セルに励起光が入射する際の入射面を励起光の光軸に垂直な面から傾斜するようにセルを配置する位置決め手段として機能するので、試料ホルダの着脱が容易になる。
【0017】
また、試料ホルダ用治具は、試料に励起光を照射することによって発生する被測定光を観測する積分球の内部に導入されるセルと、積分球に設けられている試料導入穴に着脱可能に取り付けられ、セルを保持するための試料ホルダと、の相対的な位置関係を調整するための試料ホルダ用治具であって、セルに沿って延びる本体部と、本体部に形成され、試料ホルダを保持するためのホルダ保持部と、本体部に形成され、セルに励起光が入射する際の入射面を試料ホルダに対して所定方向に方向付ける角度付け手段と、を備えていても良い。
【0018】
上記構成によれば、試料ホルダを保持しつつ、その試料ホルダに対して所定方向に方向付けたセルを配置することができる。この配置状態において、試料ホルダによってセルを保持すれば、試料ホルダに対してセルを所定の位置関係で保持させることができる。従って、セルを保持した状態の試料ホルダを積分球に取り付けることができ、励起光の光軸に対してセルの入射面を所定の角度で保持できる。
【0019】
また、上記構成では、角度付け手段は、本体部に交わるように延出するセル保持部に形成された、セルの断面形状と略同一形状の穴であることも好ましい。セルの断面形状と略同一形状の穴でセルを方向付けるので、簡便かつ的確に方向付けることができる。
【0020】
また、上記構成では、角度付け手段は、セルを見通す所定の位置に設けられた印であることも好ましい。セルを見通す位置に印が設けられているので、セルの試料ホルダに対する角度を調整してその印に合わせて保持できる。
【0021】
また、上記構成では、積分球内における励起光の光軸の位置と、セルにおける励起光の入射位置と、を合わせるための高さ調整手段を備えることも好ましい。励起光の光軸の位置とセルの入射位置とを合わせて保持できるので、セル内に収容される試料に的確に励起光を照射できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、第1試料ホルダ及び第2試料ホルダを備えると共に、第1試料導入穴を励起光導入穴と第2試料導入穴との間に設けているので、励起光導入穴と第2試料ホルダとの間に第1試料ホルダを配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係る光検出装置を示す断面図である。
【図2】本実施形態に係る光検出装置を示す断面図である。
【図3】図1の拡大断面図である。
【図4】図2の拡大断面図である。
【図5】試料ホルダの分解斜視図である。
【図6】試料ホルダの載置面を示す平面図である。
【図7】載置面の変形例を示す平面図である。
【図8】試料台の変形例を示す断面図である。
【図9】図2における試料ホルダの斜視図である。
【図10】本実施形態に係る試料ホルダ用治具の斜視図である。
【図11】図10の試料ホルダ用治具の使用方法を説明するための図である。
【図12】本実施形態の試料ホルダ、及び試料ホルダ用治具を説明するための図である。
【図13】本実施形態の変形例である試料ホルダ用治具の斜視図である。
【図14】本実施形態の変形例である試料ホルダ用治具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の知見は、例示のみのために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0025】
本発明の実施形態である光検出装置について図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の光検出装置1の、励起光光軸Lに沿った断面を示す図である。図2は、励起光光軸Lに沿った断面であって、図1に示す断面と直交する断面を示す図である。図1は、励起光光軸Lが鉛直線と沿うように光検出装置1を立てて、試料ホルダ40(第2試料ホルダ)に保持した試料を測定する場合を示している。一方、図2は、励起光光軸Lが水平線と沿うように光検出装置1を寝かせて、試料ホルダ60(第1試料ホルダ)に保持した試料を測定する場合を示している。
【0026】
光検出装置1は、試料に励起光を照射することによって発生する被測定光を観測する積分球20と、積分球20に着脱可能に取り付けられ選択的に用いられる試料ホルダ40,60と、励起光を積分球20内に導入するための励起光用光ファイバホルダ30と、被測定光を取得するための光検出光用ファイバホルダ50と、2つの載置面10a、10bを有するL字形の架台10とを備えている。積分球20は、取り付けねじ102によって架台10に取り付けられている。
【0027】
まず、図1を参照しながら、励起光光軸Lが鉛直線と沿うように、架台10の載置面10aを下にして光検出装置1を立てて配置し、試料ホルダ40に保持した試料を測定する場合の光検出装置1の構成について説明する。
ここで、試料ホルダ40は、主として固形試料、粉末試料などの測定に使用され、これらの試料はガラス等の基板に塗布された形態で試料ホルダ40に保持されても良いし、シャーレ等の容器に収容された形態で試料ホルダ40に保持されても良い。
【0028】
積分球20には、励起光導入穴201と、試料導入穴202(第2試料導入穴)と、光検出器導入穴203とが形成されている。励起光導入穴201は、積分球20と鉛直線(図1の状態における鉛直線)が交わる極の一方(図1中上方の極)に形成されている。試料導入穴202は、励起光導入穴201とは反対側の極(図1中下方の極)に形成されている。光検出器導入穴203は、励起光導入穴201が形成されている位置と、試料導入穴202が形成されている位置とを両極とする子午線上であって、その両極から等距離にある位置に形成されている。遮光板204は、試料導入穴202と光検出器導入穴203との間に形成されている。
【0029】
励起光導入穴201には励起光用光ファイバホルダ30が、試料導入穴202には試料ホルダ40が、光検出器導入穴203には光検出用光ファイバホルダ50が、それぞれ取り付けられている。
【0030】
励起光用光ファイバホルダ30のファイバ保持部301に取り付けられている光ファイバ(図示しない)は、図示しない励起光源に接続されている。励起光源(図示しない)から出射された励起光は光ファイバ(図示しない)を通って励起光用光ファイバホルダ30のレンズ302に導かれる。その励起光は、光軸Lに沿って積分球20内に導かれ、励起光用光ファイバホルダ30と対向配置されている試料ホルダ40に載置されている試料Sに照射される。
【0031】
励起光を試料Sに照射すると、その励起光の反射成分と、その励起光を吸収した試料Sから発生される成分からなる被測定光が発生する。励起光が照射された試料Sからの被測定光は、積分球20の内壁にコーティングされた硫酸バリウム等の拡散反射剤により多重拡散反射される。この拡散反射された被測定光は、光検出用光ファイバホルダ50に取り付けられている光ファイバ501に入射される。光ファイバ501は光検出器、例えば、特に限定されないが、マルチチャンネル光検出器(図示しない)に接続されている。従って、光ファイバ501に入射した被測定光は光ファイバ501を通ってマルチチャンネル光検出器(図示しない)に導かれる。マルチチャンネル光検出器(図示しない)が検出した測定データはデータ処理装置(図示しない)に出力されてデータ処理され、被測定光の強度が測定される。なお、本実施形態では光検出器は光ファイバ501に接続して使用されるが、光電変換素子等の光検出器を光検出導入穴203に直接取り付ける構成としても良い。本明細書において、光検出器は、両形態を含むものとして使用される。
【0032】
遮光板204は、試料Sからの被測定光が直接光ファイバ501に入射するのを防止するために設けられている。被測定光が直接光ファイバ501に入射すると、被測定光の強度データに著しい誤差が発生してしまうためである。なお、遮光板204は、好ましくは、励起光導入穴201が形成されている位置と、試料導入穴202が形成されている位置とを両極としたとき、光検出器導入穴203を通過する子午線上であって、光検出器導入穴203および試料導入穴202から略等距離にある位置に形成される。
【0033】
続いて、試料ホルダ40について図3及び図4を参照しながら説明する。図3は、図1における試料ホルダ40付近の拡大断面図である。図4は、図2における試料ホルダ40付近の拡大断面図である。
【0034】
試料ホルダ40は、試料台41と、ハンドリング用つまみ42と、ホルダ本体43と、取付フランジ44(係止部)とを備えている。試料台41の載置面411には試料Sが載置されている。なお、積分球内部に曝露される載置面411は硫酸バリウム等の拡散反射剤でコーティングされているのが好ましく、これについては後述する。図3に示すように、載置面411は、励起光の光軸Lに垂直な面から傾斜するように形成されている。試料台41は、ホルダ本体43とハンドリング用つまみ42との間に保持されている。試料台41及びハンドリング用つまみ42が取り付けられているホルダ本体43は、取付フランジ44に挿入されている。図4に示すように、取付フランジ44には、架台10から延びる固定突起101が挿入されると共に、その挿入されている部分と反対側には固定ねじ45が設けられている。固定ねじ45を締め付けると、固定突起101と固定ねじ45との間にホルダ本体43が挟まれて固定される。
【0035】
試料ホルダ40についてより詳細に説明する。図5は、試料ホルダ40の分解斜視図である。ホルダ本体43は、円筒状の筒部431と、その筒部431の一端に設けられている鍔部432とを有している。鍔部432には、位置決め切り欠き432aが形成されている。鍔部432にはまた、ハンドリング用つまみ42を取り付けるためのねじ穴432bが形成されている。筒部431の多端には図示しない折り返し部が形成されており、ハンドリング用つまみ42との間で試料台41を挟んで固定している。
【0036】
ハンドリング用つまみ42は、第一鍔部421と、第二鍔部422と、小径部423と、大径部424とを有している。小径部423は円筒状であって、第一鍔部421と第二鍔部422との間に形成されている。大径部424は円筒状であって、第二鍔部422から小径部423とは反対側に延出するように形成されている。第一鍔部421はホルダ本体43との間で試料台41を挟んで固定するための部分である。第二鍔部422には穴422aが、ホルダ本体43のねじ穴432に対応する位置に設けられている。従って、試料台41を挟み込んでホルダ本体43とハンドリング用つまみ42とをねじ止めすると、試料台41、ホルダ本体43、及びハンドリング用つまみ42を互いに固定することができる。また、試料台41とハンドリング用つまみ42との間にはOリング46が配されているので、試料台41がハンドリング用つまみ42に対して回動するのを防止できる。
【0037】
取付フランジ44は、フランジ本体441と固定ねじ45とを有している。フランジ本体441には位置決めピン441bが設けられている。位置決めピン441bは、ホルダ本体43の位置決め切り欠き432aに対応する位置に設けられている。従って、ホルダ本体43の筒部431をフランジ本体441に挿入すると、位置決めピン441bが位置決め切り欠き432aに挿入され、フランジ本体441に対するホルダ本体43の位置決めがなされる。固定ねじ45が設けられている位置と反対側には固定穴441aが形成されている。固定穴441aは上述した固定突起101が挿入される穴である。
【0038】
試料台41について図6を参照しながら説明する。図6は、試料台41を載置面411側から見た平面図である。図6においては、図の上側が載置面411が高くなっている部分であり、図の下側が載置面411が低くなっている部分であるものとする。載置面411には、位置決め部412が四箇所に形成されている。四箇所に形成された位置決め部412よりも内側の載置面411には凹部413が形成されている。
【0039】
位置決め部412は、円形の載置面441の外周近傍であって、互いに等間隔になるように配置されている。各位置決め部412は、凸部412a及びその凸部412aに囲まれている凹部412bを有している。位置決め部412は、角柱状の突起を形成し、その角柱状の突起の中心に円柱状の穴をあけると共に、角柱状突起の一角を切り欠くことで形成される。各位置決め部412において切りかかれている部分は、載置面411の中心方向を向くように形成されている。
【0040】
従って、試料Sが図示するような矩形のものである場合、試料Sの四隅が各位置決め部412の凹部412bに入り込み、凸部412aによって保持される。また、円形のシャーレといった保持部材S2に試料を入れた場合には、矩形試料と同様に、四箇所に形成された位置決め部412によって保持される。
【0041】
試料Sが矩形のガラス基板に発光材料を塗布したものである場合には、発光材料から放出された光子の一部はガラス基板を光導波路として伝播し、その端面から出射される。従って、本実施形態のような位置決め部412の形態を採用した場合には、試料Sと位置決め部412との接触部位を小さくすることができ、試料Sの端面から出射された光子をより高精度に測定できる。
【0042】
また、試料Sの載置面411側に発光材料が付着しているような場合であっても、載置面411に凹部413が形成されているので、載置面411への発光材料の付着を抑制できる。また、位置決め部412にも凹部412bが設けられているので、位置決め部412への発光材料の付着も抑制できる。
【0043】
位置決め部412の変形例を図7に示す。図7の(a)に示す試料台71は、載置面711に一対の位置決め部412が形成されると共に、一つの突起712が形成されている。一対の位置決め部412と突起712とは、円形の載置面441の外周近傍であって、互いに等間隔になるように配置されている。
【0044】
図7の(b)に示す試料台72は、載置面721に一対の位置決め部412が形成されている。この一対の位置決め部412は、図6の四箇所の位置決め部412の下二箇所に対応する位置に設けられている。載置面721は、図の上方が高く、図の下方が低くなるように傾斜しているので、試料S(保持部材S2)を二箇所の位置決め部412で保持することが可能となる。
【0045】
また、図6を参照しながら説明したように載置面411に凹部413を形成する態様以外にも試料Sを載置面411に接触しないようにできる。その一例を図8を参照しながら説明する。図8はその一例を示すための試料台の断面図である。
【0046】
図8の(a)に示す例は、図6を参照しながら説明した試料台41の四箇所の位置決め部412の形状を変更した試料台81を示している。尚、図8の(a)は、試料台81の載置面811に形成された位置決め部812近傍の断面図である。図8の(a)に示すように、位置決め部812は、凸部812a及びその凸部812aに囲まれている凹部812bを有している。凹部812bは、凸部812aに対しては凹んだ状態となっているが、載置面811からは突出した状態となっている。従って、試料Sを各位置決め部812にかかるように配置した場合、試料Sは各位置決め部812の凹部812bに乗り上げた状態で保持され、載置面811との間に隙間ができる。
【0047】
図8の(b)に示す例は、図7の(a)を参照しながら説明した試料台71の位置決め部412及び突起712の形状を変更した試料台82を示している。尚、図8の(b)は、試料台81の載置面821に形成された突起813近傍(試料台81の中心近傍)の断面図である。図8の(b)に示すように、位置決め部812は図8の(a)で説明したのと同様な形状となっている。また、突起813は、載置面821を基準として、位置決め部812の凹部812bと同じ高さになるように形成されている。従って、試料Sを各位置決め部812にかかるように配置すると共に、突起813に乗り上げるように配置した場合、試料Sは各位置決め部812の凹部812b及び突起813に乗り上げた状態で保持され、載置面811との間に隙間ができる。
【0048】
本実施形態の試料ホルダ40は、励起光の光軸Lに垂直な面から傾斜するように形成されている載置面411を有する試料台41を備えると共に、載置面411が所定方向に方向付けされるように積分球20に係止する取付フランジ44を備えているので、載置面411に載置した試料Sを励起光の光軸Lに対して所定の角度を成すように配置できる。従って、励起光が試料Sに斜めに入射されることとなり、反射された被測定光が励起光導入穴201に戻ることがない。また、その所定の角度は載置面411の傾斜に依存するので、例えば所定の角度を変更して複数種類の試料を測定する場合には、試料台41を変更することで対応できる。また、試料ホルダ40は取付フランジ44によって、載置面411が所定の方向に方向付けされるように固定されるので、試料Sによって反射された被測定光は常に積分球20内の所定部位に照射されることになり、計測値の誤差を少なくすることが可能となる。
【0049】
続いて、図2を参照しながら、励起光光軸Lが水平線と沿うように、架台10の載置面10bを下にして光検出装置1を寝かせて配置し(横置き)、試料ホルダ60に保持した試料を測定する場合の光検出装置1の構成について説明する。
ここで、試料ホルダ60は、主として色素等が溶解された液体試料の測定に使用され、試料は光学セルなどの容器に収容された形態で試料ホルダ60に保持される。
【0050】
励起光導入穴201、試料導入穴202、光検出器導入穴203のそれぞれの位置関係は上述した通りである。試料導入穴205(第1試料導入穴)は、積分球20と鉛直線(図2の状態における鉛直線、励起光導入穴201、試料導入穴202、及び光検出器導入穴203それぞれの中心を通る平面の垂線)が交わる極の一方(図2中上方の極)に形成されている。試料導入穴205には試料ホルダ60が取り付けられている。
【0051】
上述したように、励起光源(図示しない)から出射された励起光は、光ファイバ(図示しない)を通って励起光用光ファイバホルダ30のレンズ302に導かれる。その励起光は、光軸Lに沿って積分球20内に導かれ、試料ホルダ60によって保持されているセルC内の溶液試料に照射される。セルCはガラス製であって、角柱部とその角柱部に接続されている枝管とから構成されている。本実施形態の場合、セルCは光路長10mmのガラス角セルである。
【0052】
励起光をセルC内に収容されている溶液試料に照射すると、その励起光の反射成分と、その励起光を吸収した溶液試料から発せられる成分からなる被測定光が発生する。励起光が照射されたセルC内の溶液試料からの被測定光は、積分球20の内壁に塗布された高拡散反射剤により多重拡散反射される。この拡散反射された被測定光は、光検出用光ファイバホルダ50に取り付けられている光ファイバ501に入射される。上述したように、光ファイバ501に入射した被測定光は光ファイバ501を通って光検出器、例えば、特に限定されないが、マルチチャンネル光検出器(図示しない)に導かれる。マルチチャンネル光検出器(図示しない)が検出した測定データはデータ処理装置(図示しない)に出力されてデータ処理され、被測定光の強度が測定される。
【0053】
試料ホルダ60は、取付フランジ75と固定ねじ70とによって積分球20に着脱可能に取り付けられている。取付フランジ75と積分球20とは、位置決めピンといった係止手段で互いの位置関係が定められている。また、取付フランジ75と試料ホルダ60とも、位置決めピン(係止部、位置決め手段)といった係止手段で互いの位置関係が定められている。取付フランジ75はリング状のフランジである。そのリング内部に試料ホルダ60を挿入し、リング状の側面部分に設けられたねじ穴に螺入されている固定ねじ70を締めこむと、試料ホルダ60を積分球20との間で挟んで係止することが可能となる。
【0054】
取付フランジ75には、固定ねじ85によってカバー80が取り付けられている。カバー80は、取付フランジ75、試料ホルダ60、及び試料ホルダ60によって保持されているセルCを覆うように設けられており、外部から積分球内部への外乱光の入射を防止する。
【0055】
続いて、図9を参照しながら、試料ホルダ60についてより具体的に説明する。図9は、試料ホルダ60の斜視図である。試料ホルダ60は、略同一形状の二つの部品62及び部品64から構成されている。
【0056】
部品62,64はそれぞれ、略円筒形状の円筒部621,641(保持部)と、略半円形状の一部を切除した形状の平板部622,642と、を有している。平板部622は、円筒部621の一端に凹部623を介して設けられている。同様に、平板部642は、円筒部641の一端に凹部643を介して設けられている。凹部623,643は、それぞれ円筒部621,641の外周に沿って設けられている。
【0057】
部品62と部品64とが試料ホルダ60として組み上げられる際に対向する部分には、それぞれ断面半円形状の凹部624(把持部)と凹部644(把持部)とが形成されている。凹部624は、平板部622から当該平板部622が設けられているのとは反対側の円筒部621の他端に至るまで形成されている。同様に、凹部644は、平板部642から当該平板部642が設けられているのとは反対側の円筒部641の他端に至るまで形成されている。従って、部品62と部品64とを組み上げると、凹部624及び凹部644によって形成される円筒穴にセルCが挿入可能となる。セルCを部品62と部品64とで挟み込んだ場合に、凹部624と凹部644がセルCと当接する部分には緩衝部材(図3においては明示しない)が設けられている。
【0058】
部品62の平板部622には、切り欠き部622aが設けられている。切り欠き部622aは、平板部622の外周上であって略中央部分に形成されている。この切り欠き部622aは、取付フランジ75に取り付ける際に、取付フランジ75に形成されている位置決めピン(図示しない)が入って位置決めするためのものである。
【0059】
試料ホルダ60を試料導入穴30に取り付けた際に、積分球内部に曝露される円筒部621、641の端面625、645には、好適には、硫酸バリウム等の拡散反射剤がコーティングされている。
【0060】
上記実施形態において、試料形態に応じて、試料ホルダ40、60に個別に試料が保持される光計測について説明した。試料ホルダ40が試料を保持する場合、つまり図1のように、光検出装置1を架台10の載置面10aを下にして立てて配置(縦置き)し、載置面411上の試料を測定する場合は、セルCを保持しない試料ホルダ60が試料導入穴205に取り付けられており、試料ホルダ60の反射剤がコーティングされた端面625、645は積分球内壁の一部として被測定光を拡散反射する。また試料ホルダ60が試料を保持する場合、つまり図2のように、光検出装置1を架台10の載置面10bを下にして寝かせて配置(横置き)し、セルC内の試料を測定する場合は、試料を保持しない試料ホルダ40が試料導入穴202に取り付けられており、試料ホルダ40の反射剤がコーティングされた載置面411は積分球内壁の一部として被測定光を拡散反射する。よって、本発明に係る光検出装置は、試料形態に応じて試料ホルダを使い分けられるので積分球を変更する煩わしさが無い。また各試料ホルダの積分球内部に曝露される領域(端面625および645、載置面411)が光拡散反射剤によりコーティングされているので、高精度な計測が可能となる。
【0061】
なお、計測に使用されない試料導入穴は、本発明に係る試料ホルダに替えて、外部から積分球内部への外乱光の入射を防止するキャップ(図示せず)を取り付けても良い。積分球内部に曝露されるキャップの内側は、好適には、積分球内壁の一部として作用するように拡散反射剤がコーティングされる。
【0062】
引き続いて、試料ホルダ用治具について説明する。試料ホルダ用治具は、試料に励起光を照射することによって発生する被測定光を観測する積分球20の内部に導入されるセルCと、積分球20に設けられている試料導入穴205に着脱可能に取り付けられ、セルCを保持するための試料ホルダ60と、の相対的な位置関係を調整するための試料ホルダ用治具である。この試料ホルダ用治具を図10に例示する。
【0063】
図10に示すように、試料ホルダ用治具9は、セルCに沿って延びる本体部92と、本体部92に形成され、試料ホルダ60を保持するためのホルダ保持部922と、本体部92に形成され、セルCに励起光が入射する際の入射面を試料ホルダ60に対して所定方向に方向付ける穴911(角度付け手段)を有するセル保持部91と、を備えている。
【0064】
本体部92は、セルCに沿って延びる半円筒形状の部分である。本体部92の内側には端面923から延びるホルダ保持溝922(ホルダ保持部)と、このホルダ保持溝922に繋がってセル保持部91まで延びる凹部921とが形成されている。
【0065】
ホルダ保持溝922は、試料ホルダ60を保持するための溝であり、その断面形状は半円形であって、試料ホルダ60の円筒部621,641の外周に沿うように形成されている。
【0066】
凹部921の断面形状も半円形であり、その半径はホルダ保持溝922の半径よりも小さく、セルCを収めることが可能な半径に設定されている。従って、ホルダ保持溝922に、試料ホルダ60の円筒部621,641を収めると、平板部622,642は端面923に当接し、円筒部621,641の先端はホルダ保持溝922と凹部921との間の段差部分に当接する。
【0067】
セル保持部91は、本体部92と交わるように延出する半円形上の平板部である。セル保持部91の略中央部分には、穴911が形成されている。穴911は、セルCの断面形状と略同一形状をなしており、セルCを挿入可能なように形成されている。
【0068】
ここで、試料ホルダ用治具9に、試料ホルダ60及びセルCを保持させた状態を図11に示す。図11を参照しながら、試料ホルダ用治具9の使用方法を説明する。
【0069】
まず、セルCの枝管C1を、試料ホルダ60の部品62及び部品64で挟んで保持し、部品62と部品64とをねじで仮止めする。この際に、部品62の凹部624と部品64の凹部644との間に枝管C1を挟みこむ。
【0070】
続いて、このように仮止めした試料ホルダ60及びセルCからなる組立体を、試料ホルダ治具9に取り付ける。具体的には、セルCの角柱部C2をセル保持部91に形成されている凹部921に収める。また、試料ホルダ60をホルダ保持部922に収めると共に、試料ホルダ治具9の位置決めピン924が試料ホルダ60の切り欠き部622aに挿入されるように配置する。
【0071】
続いて、部品62と部品64とを仮止めしているねじを緩め、セルCの上下位置を調整してセルCの角柱部C2を穴911に挿入する。セルCの角柱部C2が挿入されている穴911は、角柱部C2の断面形状と略同一の形状をなしているので、セルCは上下に移動可能である。
【0072】
また、図11のように配置した場合に、セルCが試料ホルダ60に対して適切な角度を成すように穴911が形成されている。尚、本実施形態の場合には、セルCを保持した試料ホルダ60が積分球20に取り付けられた場合に、励起光の光軸LとセルCの角柱部C2の入射面のなす角が15°となるように設定されている。
【0073】
位置決めが終了した段階で、部品62と部品64とをねじで固定する。このように互いに固定されたセルC及び試料ホルダ60を図2示したように光検出装置1に取り付けて、励起光を照射する。
【0074】
ここで、図11の状態から、部品62と部品64とを固定しているねじを外し、部品64及びセルCを除去した状態を図12に示す。図12に示すように、セルCの枝管C1が保持される部品62の凹部624には緩衝部材624aが配置されている。従って、セルCの枝管C1を挟んだ状態で、部品62と部品64とをねじ固定した場合も、緩衝部材624aの作用によりセルCに損傷が発生することを抑制でき、またセルCの摺動を抑制できる。
【0075】
尚、試料ホルダ60を構成する部品62の先端面621a、部品64の先端面641aには、それぞれ反射材が塗布されていることも好ましい。
【0076】
本実施形態の変形例を図13及び図14に示す。図13に示す変形例は、角度付け手段として穴911の代わりにセル保持部91に印M1を2箇所に設けた試料ホルダ用治具9aを示したものである。印M1は、セルCを見通す所定の位置に設けられている。
【0077】
上述したのと同様の手法で、まずセルCと試料ホルダ60とを仮止めした状態で試料ホルダ用治具9aに取り付ける。続いて、部品62と部品64とを仮止めしているねじを緩め、セルCの角柱部C2の角を印M1に合うようにセルCを回転させる。印M1は、セルCが試料ホルダ60に対して適切な角度を成すように形成されている。セルCの位置決めが完了したら、部品62と部品64とをねじ止めし固定する。
【0078】
また、図13に示す変形例では、高さ調整手段としての印M2も設けられている。この印M2は、積分球20内における励起光の光軸Lの位置と、セルCにおける励起光の入射位置と、を合わせるためのものである。このように高さ調整を行うのは、量子収率測定の際に、リファレンスサンプルでの測定を行うため、リファレンスサンプルと測定試料との間で高さや角度や液面等が一致する必要があるためである。
【0079】
図14に示す変形例は、本体を円柱状に形成した試料ホルダ用治具9bである。試料ホルダ用治具9bを用いると、セルCを覆った状態で試料ホルダ60との位置関係を調整できる。
【0080】
尚、上述した角柱型のセル以外にも、励起光の入射面と出射面とが並行であれば好適に適用可能である。また、チューブセルや円筒型セルといったセルも使用することは可能である。
【0081】
本実施形態の作用効果について説明する。試料ホルダ60に対してセルCの角柱部C2を所定方向に方向付けて取り付けることが出来る。このように組み立てた試料ホルダ60及びセルCを積分球20に取り付けると、励起光の光軸LとセルCの入射面とが所定の角度(例えば15°)をなすように取り付けることができる。この取付角度の再現性も向上できるので、リファレンスの計測と試料計測とを行う場合の測定精度をより効果的に向上できる。
【0082】
ところで、セルCの入射面はガラス板であるため光学的にフラットであり、入射面において入射する光の一部が入射方向と反対側に反射してしまうため、例えば入射面を励起光の光軸Lに垂直となるように配置した場合には、入射面で反射した光が励起光導入穴201に戻ってしまい、被測定光の強度を正確に測定できなくなってしまう。そこで、本実施形態のように、励起光の光軸Lに対して所定角度をなすようにセルCを配置することで、反射した光が励起光導入穴201に戻ってしまうことを抑制し、積分球20内壁に当てることが可能となる。
【0083】
また、本実施形態のようにセルCを試料ホルダ60で保持すると、セルCの枝管の部分のみを保持するので、被測定光に与える影響を低減できる。
【0084】
また、粉体や薄膜といった試料に適した試料ホルダ40と、溶液の試料に適した試料ホルダ60及びセルCとの双方を選択的に用いて計測できるので、一つの積分球20で様々な試料の測定を行うことができる。
【符号の説明】
【0085】
1…光検出装置、10…架台、20…積分球、30…励起光用光ファイバホルダ、40,60…試料ホルダ、50…光検出用光ファイバホルダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料に励起光を照射することによって発生する被測定光を観測する積分球と、この積分球に対して着脱可能に取り付けられる試料ホルダを備える光検出装置であって、
前記積分球は、前記励起光を導入するための励起光導入穴と、第1試料ホルダを導入するための第1試料導入穴と、第2試料ホルダを導入するための第2試料導入穴とを有しており、
前記第1試料ホルダは、試料を収容するためのセルを保持する保持部と、当該第1試料ホルダを前記積分球に係止するための第1係止部とを備え、
前記第2試料ホルダは、試料を載置するための試料台と、当該第2試料ホルダを前記積分球に係止するための第2係止部とを備え、
前記第1試料導入穴は、前記励起光導入穴が形成されている位置および前記第2試料導入穴が形成されている位置を両極とする子午線上であって、その両極から略等距離にある位置に形成されている、ことを特徴とする光検出装置。
【請求項2】
前記第1係止部は、前記セルに前記励起光が入射する際の入射面を前記励起光の光軸に垂直な面から傾斜するように前記セルを配置するための位置決め手段を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記試料台には試料を載置する載置面が、前記励起光の光軸に垂直な面から傾斜するように形成されており、
前記第2係止部は、前記載置面が前記積分球内において所定方向に方向付けされるように、当該第2試料ホルダを前記積分球に係止することを特徴とする請求項1又は2に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記第1試料ホルダ及び前記第2試料ホルダの少なくとも一方における前記積分球内部に曝露される部位が拡散反射面となっている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記積分球は、2つの載置面を有するL字架台に取り付けられていること、を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−81019(P2011−81019A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−13214(P2011−13214)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【分割の表示】特願2005−278515(P2005−278515)の分割
【原出願日】平成17年9月26日(2005.9.26)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】