説明

光源ユニット、ソケット及び発光装置

【課題】発光状態の変更が容易で、用途の異なる複数種類で共用可能な薄型の電気機器を実現する。
【解決手段】発光装置を、光源ユニット1とソケット2とから構成した。光源ユニット1は、筐体11、導光板12、光源側基板13を備える。筐体11は、前後面に開放し、前後方向の中間部に仕切板111を備える。導光板12を仕切板111の前面側に保持し、光源側基板13を仕切板111の背面に前面を密着させて保持した。光源側基板13は導光板12の上端面に対向したLED4の駆動回路を実装し、背面に駆動回路の接続端子5を保持する。ソケット2は、挟持部材21,22、背面部材23、電源側端子9を備える。挟持部材21,22は、前面側から挿入された光源ユニット1を着脱自在に挟持する。背面部材23は接続端子5が貫通する孔部7を備える。電源側端子9は孔部7に対向する状態で背面部材23の背面に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示灯等の電気機器に用いられる発光装置、並びに、この発光装置を構成する光源ユニット及び光源ユニットを電源に接続するためのソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
表示灯等の電気機器は、用途に応じて種々の光源を備えている。例えば、表示面の全面に均一な光量の光を照射させる場合には、表示面からイメージが視認され難い状態で光源を備える必要がある。この場合に、光源として白熱電球を用いた光源では、表示面から光源までの前後方向の距離を充分長くしなければならず、前後方向に小型化することが難しい。
【0003】
そこで、従来の光源として、表示面を板状の導光板で構成し、複数のLEDを導光板の端面に対向して配置したものがある(例えば、特許文献1参照。)。複数のLEDの光が端面から導光板内に入射した後、導光板の内部で拡散して前面から照射される。この構成では、導光板の端面に対向してLEDが配置されるため、前後方向の長さが充分に短くなり、小型化が容易になる。
【0004】
また、特許文献2では、薄型のLEDモジュールに、電流制御用の抵抗器、モジュールの背面から後方へ延びるリードやこれらを維持するリードホルダが設けられている。
【特許文献1】特開2001−250410号公報
【特許文献2】特開平08−272320号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、電気機器が薄型化及び小型化し、ソケットに電球を取り付けるような照明の分野にも及び、ソケットに様々な電流を取り付けるのと同様に、ソケットに薄型の様々な光源ユニットを取り付けるものが求められている。しかしながら、特許文献2のような技術では、LEDモジュールか薄型であってもリードやリードホルダのようなLEDモジュールを搭載する部分が大型であるために全体として大型になり、薄型機器への搭載が容易でないという問題点があった。
【0006】
この発明の目的は、光源と駆動回路とを薄型の筐体に一体的に備えた光源ユニット、及び、光源ユニットを電源に接続するソケットからなり、発光状態の変更が容易で、用途の異なる複数種類で筐体を共用可能な薄型の電気機器を実現できる発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の発光装置は、光源ユニットとソケットとを含む。
【0008】
光源ユニットは、筐体、光源、光源側基板を備えている。筐体は、前後面が開放しており、前後方向の中間部に仕切板を備えている。仕切板は、一部に開口部を有している。筐体内の仕切板の前面側には光源保持部材が形成されており、仕切板の背面側には基板保持部材が形成されている。光源は光源保持部材を介して仕切板の前面側に保持される。光源側基板は、基板保持部材を介して仕切板の背面に前面を密着させて保持される。光源側基板は、開口部を経由して光源を駆動する駆動回路を実装しており、背面に駆動回路の接続端子を保持している。
【0009】
ソケットは、挟持部材、背面部材、電源側端子を備えている。挟持部材は、前面側から挿入された光源ユニットを着脱自在に挟持する。背面部材は、接続端子が貫通する孔部を備えている。電源側端子は、孔部に対向する状態で背面部材の背面に保持される。
【0010】
この構成では、光源と光源の駆動回路とを備えた光源ユニットが、ソケットに着脱自在に挟持される。光源ユニットをソケットに挟持させた状態で、駆動回路の接続端子が孔部を経由して電源側端子に圧接し、駆動回路が電源に接続される。
【0011】
光源ユニットは、仕切板の開口部を筐体の一方の内側面との間に形成し、開口部に複数のLEDを導光板の端面に対向させて配置したものとしてもよい。これによって、光源ユニットが薄型に構成される。
【0012】
ソケットは、ソケット側基板をさらに備え、電源側端子をソケット側基板の前面側に面状に設け、電源側端子に導通するとともに電源側のプラグが着脱されるコネクタをソケット側基板の背面側に実装したものとしてもよい。これによって、電源側のプラグをコネクタに装着することで、ソケットの電源側端子が電源に簡単に接続される。
【発明の効果】
【0013】
この発明の発光装置によれば、光源と光源の駆動回路とを備えた光源ユニットがソケットに着脱自在に挟持され、光源ユニットをソケットに挟持させた状態で駆動回路の接続端子が孔部を経由して電源側端子に圧接して駆動回路が電源に接続されるようにすることで、発光状態の変更が容易で、用途の異なる複数種類で筐体を共用可能な薄型の電気機器を実現することができる。
【0014】
また、光源ユニットにおける仕切板の開口部を筐体の一方の内側面との間に形成し、開口部に複数のLEDを導光板の端面に対向させて配置することで、光源ユニットを薄型に構成できる。
【0015】
さらに、ソケットにソケット側基板をさらに備え、電源側端子をソケット側基板の前面側に面状に設け、電源側端子に導通するとともに電源側のプラグが着脱されるコネクタをソケット側基板の背面側に実装することで、コネクタに対する電源側のプラグの装着によって、ソケットの電源側端子を電源に簡単に接続することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、この発明の実施形態に係る光源ユニットの組立図である。図2は、同光源ユニットの側面断面図である。光源ユニット1は、筐体11、導光板12、光源側基板13を備えている。
【0017】
筐体11は、前後面が開放した矩形の中空形状を呈している。筐体11の上面には、2カ所に突起116が形成されている。筐体11の底面には、少なくとも中央の1カ所に突起117が形成されている。
【0018】
筐体11は、前後方向の中間部に仕切板111を備えている。仕切板111は、その背面側の光源側基板13等が前面側から見えないようにするための機能を有する。また、仕切板111の前面の表面は光沢を有し、その前面側に保持される光源(ここでは、導光板12及びLED4)で発生する光を前方へ反射する機能を有する。
【0019】
仕切板111は、筐体11の上面の内側面との間に開口部111Aを備えている。筐体11の左右の内側面における仕切板111の前面側には、光源保持部材である係止片112が上下2カ所ずつに形成されている。仕切板111の前面側は、光源保持部113にされている。筐体11の左右の内側面における仕切板111の背面側の上部には、基板保持部材である突起114が上下2カ所ずつに形成されている。仕切板111の背面側の上部は、基板保持部115にされている。光源保持部113と基板保持部115とは、開口部111Aによって連通している。
【0020】
導光板12は、透光性の板状体であり、端面から入射した光を内部で拡散及び反射して前面から出射させる。導光板12の前面は、全体から均一の光量の光が照射され、面光源を構成する。導光板12の左右の側面には、凹部121が上下2カ所ずつに形成されている。導光板12は、光源保持部113の形状より僅かに小さい形状にされている。導光板12を光源保持部113内に前面側から挿入すると、凹部121に係止片112が弾性的に係合する。導光板12は、光源保持部113内に着脱自在に保持される。導光板12の前面には、フィルタ又は透明カバーが適宜配置される。
【0021】
光源側基板13は、水平部材13Aと垂直部材13Bとからなる。水平部材13Aには、複数個のLED4が下向きに実装されている。垂直部材13Bの背面には、一例として3個の電子部品6A,6B,6Cが実装されている。電子部品6A,6B,6Cは、LED4の駆動回路を構成する。垂直部材13Bの背面には、さらに、駆動回路の接続端子5が片持ち支持されている。接続端子5は、前後方向に弾性変形自在にされている。光源側基板13には、接続端子5に接続された外部の電源が駆動回路を介してLED4に給電するように配線がプリントされている。
【0022】
光源側基板13は、基板保持部115の形状より僅かに小さい形状にされている。光源側光源側基板13を基板保持部115内に背面側から挿入すると、水平部材13Aが開口部111Aを貫通し、突起114が垂直部材13Bの左右の側端部に弾性的に係合する。光源側基板13は、基板保持部115内に保持される。
【0023】
基板保持部115内に保持された光源側基板13の水平部材13Aが開口部111Aを貫通することにより、LED4が光源保持部113に露出する。LED4は、光源保持部113内に保持された導光板12の上端面に対向する。
【0024】
基板保持部115内に光源側基板13を保持させた状態で、垂直部材13Bの裏面に支持された接続端子5は、一部が筐体11の裏面側に露出する。接続端子5を電源に接続することで、光源側基板13が実装している駆動回路に電源が供給され、LED4に給電することができる。LED4が点灯すると、LED4の光が導光板12内に入射して導光板12の前面から均一の光量で出射する。
【0025】
光源ユニット1は前後方向に薄型に形成することができるため、光源ユニット1を備える発光装置を前後方向に小型化することができる。特に、光源側基板13の垂直部材13Bの前面は電子部品を実装していないため、仕切板111の背面に密着させることができ、光源ユニット1は前後方向により薄型に形成されている。光源ユニット1は、接続端子5を電源に接続することでLED4の光を外部に照射することができるため、光源ユニット1を備える発光装置に駆動回路を備える必要がなく、発光装置の設計を容易にすることができる。また、発光装置における光源ユニット1の交換を、容易に行うことができる。
【0026】
なお、光源ユニット1は、前面の全体から均一な光量の光を照射する面発光の光源としたが、これに限るものではない。例えば、図3(A)及び(B)に示す単一又は複数の点光源41,42を備えた光源ユニット1A,1Bや図3(C)に示す7セグメントの光源43を備えた光源ユニット1Cとすることもできる。この場合には、仕切板111の中央部に開口部を形成するとともに、光源側基板13を垂直部材13Bのみで構成し、垂直部材13Bの表面にLED4を実装する。仕切板111の形状を除いて同一形状の筐体11を用いることで、同一の発光装置に用いる光源ユニットを容易に変更でき、発光装置の用途の変更に容易に対応することができる。
【0027】
図4は、この発明の実施形態に係る発光装置を備えた電気機器の一例である表示灯を示す外観図である。図5は、同表示灯の側面断面図である。電気機器である表示灯3は、左右に2個のカバー31を備えている。各カバー31にはソケット2が収納される。ソケット2は光源ユニット1とともにこの発明の発光装置を構成する。各ソケット2には、前カバー32で被覆された光源ユニット1が装着される。なお、光源ユニット1は、図1及び2に示す状態から上下を反転してソケット2に装着される。
【0028】
ソケット2には、上下の内側面に挟持部材21,22を備えている。挟持部材21,22は、前面側から挿入された光源ユニット1の突起117,116に弾性的に係合し、光源ユニット1を着脱自在に挟持する。ソケット2は、孔部7が形成された平板状の背面部材23を備えている。孔部7には、前面側から挿入された光源ユニット1の接続端子5が貫通する。背面部材23は、背面にソケット側基板8を保持する。ソケット側基板8の前面には、孔部7に対向する面状の電源側端子9が形成されている。ソケット側基板8の背面には、電源側端子9に導通するとともに電源側のプラグが着脱されるコネクタ10が実装されている。これによって、ソケット2は前後方向に薄型に形成される。
【0029】
コネクタ10に電源側のプラグを装着すると、電源側端子9が電源に接続される。電源側端子9は、背面部材23の背面に保持されたソケット側基板8の前面に面状に形成されており、孔部7を介してソケット2の前面側に露出している。したがって、図5(A)に示すように、ソケット2に光源ユニット1を装着すると、光源ユニット1の接続端子5が孔部7を貫通して電源側端子9に圧接し、光源ユニット1の駆動回路に電源が供給される。光源ユニット1の駆動回路に対する電源の供給が、コネクタ10への電源側のプラグの装着によって容易に行われる。
【0030】
孔部7は、フィンガープロテクションに関するIEC規格のIP20を満足する形状にされている。したがって、図5(B)に示すように、光源ユニット1を外した状態でも、作業者の手指が孔部7を経由して電源側端子9に接触することはない。光源ユニット1の着脱作業中における作業者の安全性が確保されている。
【0031】
表示灯3に光源ユニット1及びソケット2からなる発光装置を備えることで、形状が同一で光源の状態が異なる複数種類の光源ユニットのいずれかを任意に選択して表示灯3に配置することができ、使用状態に応じて表示灯3からの光の照射状態を容易に変更することができる。これによって、発光状態の変更が容易で、用途の異なる複数種類で共用可能な薄型の電気機器を実現できる。
【0032】
光源に対する電源供給及び駆動制御のための回路は、光源ユニット1及びソケット2に収納されているため、表示灯3の本体に備える必要がない。表示灯3の設計を容易化することができる。
【0033】
なお、この発明の発光装置は、表示灯3に限るものではない。ソケット2を収納できることを条件に表示灯以外の発光装置にもこの発明を同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】この発明の実施形態に係る光源ユニットの組立図である。
【図2】同光源ユニットの側面断面図である。
【図3】この発明の別の実施形態に係る光源ユニットの外観図である。
【図4】この発明の実施形態に係る発光装置を備えた電気機器の一例である表示灯を示す外観図である。
【図5】同表示灯の側面断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 光源ユニット
2 ソケット
3 表示灯
4 LED
5 接続端子
6A〜6C 電子部品
7 孔部
8 ソケット側基板
9 電源側端子
10 コネクタ
11 筐体
12 導光板
13 光源側基板
111 仕切板
111A 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後面が開放した筐体であって、一部に開口部を有する仕切板を前後方向の中間部に備え、前記仕切板の前面側に光源保持部材を形成し、前記仕切板の背面側に基板保持部材を形成した筐体と、
前記光源保持部材を介して前記仕切板の前面側に保持される光源と、
前記開口部を経由して前記光源を駆動する駆動回路を実装するとともに前記駆動回路の接続端子を背面に保持した光源側基板であって、前記基板保持部材を介して前記仕切板の背面に前面を密着させて保持される光源側基板と、を備えたことを特徴とする光源ユニット。
【請求項2】
前記開口部は、前記筐体の一方の内側面との間に形成され、
前記光源は、前記開口部に配置された複数のLEDと、前記複数のLEDが端面に対向する導光板と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の光源ユニット。
【請求項3】
前面側から挿入された請求項1又は2に記載の前記光源ユニットを着脱自在に挟持する挟持部材と、前記接続端子が貫通する孔部を備えた背面部材と、前記背面部材の背面に前記孔部に対向させて保持される電源側端子と、を備えたことを特徴とするソケット。
【請求項4】
前記電源側端子を前面側に面状に設け、前記電源側端子に導通するとともに電源側のプラグが着脱されるコネクタを背面側に実装したソケット側基板をさらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のソケット。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の光源ユニットと、請求項3又は4に記載のソケットと、を含むことを特徴とする発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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