説明

光漂白剤を含む親油性流体洗浄組成物

本発明は、親油性流体に漂白能力を与えるために使用され得る光増感剤を含む組成物、漂白能力を有する親油性流体洗浄組成物、ならびにその製造及び使用方法に関する。前記組成物は、典型的な親油性溶媒の洗浄効果と、漂白を包含する追加的な洗浄効果を与える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、漂白能力を有する親油性流体洗浄組成物、ならびにその製造及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の布地の種類及び構造は、ドライクリーニングを必要とする。ドライクリーニングは、通常、溶媒又は洗浄溶液として非水性の親油性流体を使用することを伴う。親油性流体による洗浄は、布地の損傷をなくし、又は最小限に抑えるが、親油性流体は、親水性及び/又は複合汚れの除去能力が低い。しかし、そのような汚れは、洗浄添加剤によって効果的に除去することができる。残念なことに、漂白物質などの洗浄添加剤は、親油性流体に慎重に溶解しても、布地に不均一に堆積して、その結果、布地の損傷を引き起こすことから、親油性流体には効果が無い。結果として、頑固な汚れを除去するために、予備処理及び/又は予備染み抜き組成物が使用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
予備処理及び/又は予備染み抜きは、時間を浪費し、しかも一般には染みの除去に限られているため、親油性流体に漂白能力を与えるために使用できる組成物、漂白能力を有する親油性流体洗浄組成物、ならびにその製造及び使用方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、親油性流体に漂白能力を与えるために使用できる光増感剤(photosenitizer)を含む組成物、漂白能力を有する親油性流体洗浄組成物、ならびにその製造及び使用方法に関する。
【0005】
これら及び他の態様、特徴、ならびに利点は、以下の「発明を実施するための最良の形態」及び添付の「特許請求の範囲」を読めば当業者には明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
(定義)
本明細書で用いられる用語「布地(複数)」及び「布地(単数)」とは、従来の洗濯方法又はドライクリーニング方法で習慣的に洗浄されるいかなる物品も意味するものとする。したがって、このような用語は、衣類、亜麻布、カーテン及び衣類付属品の物品を包含する。この用語は、また、手提げバッグ、家具カバー、防水布等のような、全体又は一部が布地で作製された他の品目も包含する。
【0007】
用語「汚れ」は、布地上の望ましくないいかなる物質をも意味する。用語「水ベース」もしくは「親水性」の汚れとは、汚れが最初に布地物品と接触した時に水を含んでいたか、又は汚れが布地物品上で多量の水を保持していることを意味する。水ベースの汚れの例としては、これらに限定するものではないが、飲物、多くの食品汚れ、水溶性染料、汗、尿もしくは血液などの体液、草の染み及び泥などの戸外の汚れが挙げられる。
【0008】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の冠詞「a」及び「an」、例えば、「乳化剤(an emulsifier)」又は「増感剤(a sensitizer)」は特許請求された、又は記載された物質の1つ以上を意味するものと理解される。
【0009】
特に記載のない限り、構成成分又は組成物の濃度は、すべて当該構成成分又は組成物の活性レベルに関するものであり、市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0010】
特に指定のない限り、本明細書のパーセンテージ、比率、及び割合は、すべて重量基準である。特に指定のない限り、温度はすべて摂氏(℃)である。特に指定のない限り、測定値はすべてSI単位である。引用される文献はすべて、関連部分において本明細書に参考として組み込まれる。
【0011】
(漂白能力を有する親油性流体洗浄組成物)
本出願人らの使用過程の形態の洗浄組成物は、約1ppmより多くの、約1ppm〜約1,000ppmの、約5ppm〜約500ppmの、又は更には約10ppm〜約300ppmの増感剤、約100ppmより多くの、約100ppm〜約10,000ppmの、約200ppm〜約5,000ppmの、又は更には約500ppm〜約2,000ppmの増量剤を含んでいてよく、該洗浄組成物の残部は、親油性流体、又は親油性流体と補助剤成分との混合物である。
【0012】
(光増感剤(Photosenitizer)組成物)
本出願人らは、特定の光増感剤(photosenitizer)組成物が、親油性流体に混入するのに意外にも適していることを見出した。適した光増感剤(photosenitizer)組成物は通常、増感剤(senitizer)と増量剤を含有しており、及びアニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性イオン性界面活性剤などの任意成分を含有することがある。固体の組成物は、該組成物の総重量に基づいて、約0.1%〜約50%の、約1%〜約25%の、又は更には約5%〜約20%の増感剤(senitizer)、約1%〜約99.9%の、約5%〜約90%の、又は更には約10%〜約50%の増量剤を含んでいてよく、該組成物の残部は任意/補助剤(成分)である。このような固体組成物には、粉末及び顆粒が包含されるが、これらに限定されない。
【0013】
流体光増感剤(photosenitizer)組成物は、該組成物の総重量に基づいて、約約0.1%〜約50%の、約1%〜約25%の、又は更には約5%〜約20%の増感剤(senitizer)、1%〜約99.9%の、約5%〜約90%の、又は更には約10%〜約50%の増量剤を含んでいてよく、該組成物の残部、該洗浄組成物の残部は(with the balance of said compositions with the balance of said cleaning compositions)、親油性流体又は親油性流体と任意/補助剤成分との混合物である。
【0014】
前述の固体の光増感剤(photosenitizer)組成物及び流動性の光増感剤組成物は、使用説明書を含有するキットに梱包されていてよい。
【0015】
(製造方法)
理論に縛られるものではないが、本出願人らは、一重項酸素以外の漂白種の形成及び濃度が、(次の)少なくとも4つの変数の関数であると考えている。反応物質の濃度、時間、反応物質混合物の酸素濃度、及び光子束。結果として、出願人らの洗浄組成物(Applicants, cleaning compositions)は、光増感剤及び増量剤、いずれかの親油性流体溶媒ならびにいずれかの任意成分を混合することによって製造されてよく、更には、該光増感剤に吸収され得る波長を有する光から生じる光エネルギーを最小限にし、及び/又は組成物中の酸素もしくは該組成物が暴露される酸素の酸素量を最小限にする。本発明の目的のために、いずれかの光増感剤が吸収する光の波長は、本明細書における試験方法の欄の吸光度試験によって求められる。本発明の目的のために、光増感剤によって吸収され得る光エネルギーの最小限化は、処理中に、前記組成物が一般に、そのような波長の光に、以下のレベルのうちの一つで暴露されることを意味する。前記光に暴露される液面1平方メートル当たり約1ミリワット未満、前記光に暴露される液面1平方メートル当たり約1×10−4ワット未満、又は更には前記光に暴露される液面1平方メートル当たり約1マイクロワット未満。本発明の目的のために、酸素の最小限化は、処理中に、前記組成物が1リットル当たり約1×10−2モル未満の酸素、1リットル当たり約1×10−3モル未満の酸素、及び更には1リットル当たり約1×10−4モル未満の酸素を含むことを意味する。
【0016】
使用過程の洗浄組成物は、本明細書に記載の洗浄組成物を、光増感剤に吸収され得る波長を有する光と、約1×10−9モル/リットル超の、約1×10−6モル/リットル超の、又は更には約1×10−3モル/リットル超の溶解酸素含量を前記組成物に与えるのに十分な酸素とに暴露することによって作成され得る。前記の使用過程の組成物を製造するのに必要とされる光エネルギーの量は通常、当該光に暴露される液面1平方メートル当たり約1×10−4ミリワット超、当該光に暴露される液面1平方メートル当たり約1ミリワット超、又は更に、当該光に暴露される液面1平方メートル当たり約1×10−2ワット超である。前記光エネルギーは、屋内電気器具に配置される光源を包含するがこれに限定されない、いずれかの適した光源によって提供されてよく、前記電気器具は、布地を洗浄するのに適している。
【0017】
(使用方法)
布地を包含するがこれに限定されない品目は、該品目を使用過程の形態の本出願人の親油性流体洗浄組成物に接触することによって洗浄され得る。当業者には理解されるように、接触には、これらに限定するものではないが、浸漬及び噴霧を包含する。そのような使用過程の組成物は、洗浄しようとする品目(単体又は複数)との接触中に作られてよい。
【0018】
(適した材料)
漂白能力を有する本出願人らの親油性流体洗浄組成物、及び漂白組成物を製造するのに適した材料は、次の通りである。
【0019】
適した増感剤には、いずれかの既知の増感剤、又は一重項酸素又は超酸化物を生成する増感剤の混合物が挙げられる。例えば、前記増感剤は、ポリフィリン、フタロシアニン、C〜C70芳香族、超酸化物増感剤、及びこれらの混合物から成る群より選択され得る。適した一重項酸素増感剤の例としては、ペリナフテノン、チオキサントン、アセトナフテノン、バックミンスターフラーレン、2’−アセトナフトン、アクリジン、9,10−ジブロモアントラセン、コロネン、9−フルオレノン、ヘリアンスレン(Helianthrene)、フェナジン、4−メトキシ−ピバロチオフェノン、ピレン、ペリレン、ペリナフタノン、キノキサリン、リボフラビンテトラアセテート、ルブレン、p−ターフェニル、α−ターチエニル、テトラセン、ジメトキシチオベンゾフェノン、チオクマリンが挙げられる。超酸化物増感剤の例としては、トリエタノールアミン置換シリコンフタロシアニン、クルクミン、トリルチオベンゾフェノンが挙げられる。前記材料は、米国ウィスコンシン州ミルウォーキーのシグマ−アルドリッチ社(Sigma-Aldrich of Milwaukee,Wisconsin U.S.A.)から入手できる。
【0020】
適した増量剤としては、一重項酸素又は超酸化物との付加化合物を形成する類のものが挙げられる。例えば、適した一重項酸素増量剤としては、フラン、置換フラン、ポリエトキシレート、アルキルポリエトキシレート、多核芳香族、イミダゾール、置換イミダゾール、ピロール、置換ピロール、及びこれらの混合物から成る群より選択される増量剤が挙げられる。適した増量剤の例としては、9,10−ジメチルアントラセン、フルフリルアルコール、2−フル酸、3−フル酸、3−フランメタノール、2−ベンゾフランカルボン酸、9,10−ジメチルアントラセン、1,4−ジメチルナフタレン、フルフラール、2,5−ジメチルフラン及びこれらの混合物が挙げられる。前記材料は、米国ウィスコンシン州ミルウォーキーのシグマ−アルドリッチ社(Sigma-Aldrich of Milwaukee,Wisconsin U.S.A.)から入手できる。増量剤として有用であり得る別の材料としては、アルキルエトキシレートなどの界面活性剤、例えば、米国テキサス州ヒューストンのシェル・ケミカルズ社(Shell Chemicals of Houston,Texas U.S.A.)から供給されるネオドール(Neodol)(登録商標)91−2.5が挙げられる。前記界面活性剤は、洗浄助剤及び増量剤として機能し得る。
【0021】
本明細書で使用する時、「親油性流体」は、水の20重量%までにおいては水と不混和性の、いかなる液体又は液体の混合物をも意味する。一般に、適した親油性流体は、周囲温度及び周囲圧力において完全に液体であることができ、容易に融解する固体、例えば、約0℃〜約60℃の範囲内の温度で液体になるものであることができ、又は周囲温度及び周囲圧力、例えば、25℃、圧力101kPa(1気圧)において、液相と蒸気相との混合物を含むことができる。
【0022】
本明細書の親油性流体は、可燃性であるか、或いは、従来の公知のドライクリーニング流体の特性に等しい、又は好ましくはそれを上回る、比較的高い引火点及び/又は低いVOC特性を有することが好ましく、ここでこれらの用語は、ドライクリーニング業界で使用される従来の意味を有する。
【0023】
適した親油性流体物質の非限定例としては、シロキサン、他のシリコーン、炭化水素、グリコールエーテル、グリセリンエーテルのようなグリセリン誘導体、ペルフルオロ化アミン、ペルフルオロ及びハイドロフルオロエーテル溶媒、低揮発性の非フッ素化有機溶媒、ジオール溶媒、環境に優しいその他の溶媒、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0024】
本明細書で使用する時、「シロキサン」は、非極性で、水又は低級アルコールに不溶性であるシリコーン流体を意味する。直線状シロキサン類(例えば、米国特許第5,443,747号及び同第5,977,040号参照)及び環状シロキサンは、本明細書で有用であり、それらには、オクタメチルシクロテトラシロキサン(テトラマー)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(ヘキサマー)、及び好ましくはデカメチルシクロペンタシロキサン(ペンタマー、一般に「D5」と呼ばれる)から成る群より選択される環状シロキサンが含まれる。好ましいシロキサンは、約50%を超える環状シロキサンペンタマー、より好ましくは約75%を超える環状シロキサンペンタマー、最も好ましくは少なくとも約90%の環状シロキサンペンタマーを含む。また、少なくとも約90%(好ましくは少なくとも約95%)のペンタマーならびに約10%未満(好ましくは約5%未満)のテトラマー及び/又はヘキサマーを有する環状シロキサン類の混合物であるシロキサン類も、本明細書で有用である。
【0025】
親油性流体には、ドライクリーニング溶媒、特にフッ素化溶媒又はペルフルオロ化アミンを含むより新しい種類のいかなる部分をも含むことができる。ペルフルオロトリブチルアミンのような一部のペルフルオロ化アミンは、親油性流体として使用するには適していないが、親油性流体を含有する組成物中に存在し得る多くの補助剤の1つとして存在してよい。
【0026】
他の適した親油性流体としては、これらに限定するものではないが、ジオール溶媒系、例えば、CもしくはC又はより高級なジオールなどの高級ジオール、環式及び非環式の両方のタイプを含むオルガノシリコーン溶媒等、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
【0027】
低揮発性の非フッ素化有機溶媒の非限定例としては、例えば、オレアン(OLEAN)(登録商標)及び他のポリオールエステル、又は特定の比較的非揮発性の生分解性中鎖分岐状石油留分が挙げられる。
【0028】
グリコールエーテル類の非限定例としては、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn−プロピルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、プロピレングリコールn−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールn−プロピルエーテル、トリプロピレングリコールt−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn−ブチルエーテルが挙げられる。
【0029】
シロキサン類に加えて、他のシリコーン溶媒の非限定例が文献で周知であり(例えば、カーク・オスマー(Kirk Othmer)の「化学工学百科事典(Encyclopedia of Chemical Technology)」参照)、GEシリコーンズ社(GE Silicones)、東芝シリコーン社(Toshiba Silicone)、バイエル社(Bayer)、及びダウ・コーニング社(Dow Corning)を含む多数の商業的供給源から入手可能である。例えば、適したシリコーン溶媒の1つは、GEシリコーンズ社(GE Silicones)から入手可能なSF−1528である。
【0030】
グリセリン誘導体溶媒の非限定例としては、次の構造を有する物質が挙げられる。
【0031】
本発明の方法及び/又は装置で使用するのに適したグリセリン誘導体溶媒の非限定例としては、次の構造を有するグリエルシン(glyercine)誘導体が挙げられる。
【化1】

【0032】
上式において、R、R及びRはそれぞれ独立して、H、分岐状又は直鎖の、置換又は非置換の、C〜C30アルキル、C〜C30アルケニル、C〜C30アルコキシカルボニル、C〜C30アルキレンオキシアルキル、C〜C30アシルオキシ、C〜C30アルキレンアリール、C〜C30シクロアルキル、C〜C30アリール、及びこれらの混合物から選択される。R、R及びRの2つ以上が相まって、C〜Cの、芳香族又は非芳香族、複素環式又は非複素環式の環を形成することができる。
【0033】
適したグリセリン誘導体溶媒の非限定例としては、2,3−ビス(1,1−ジメチルエトキシ)−1−プロパノール、2,3−ジメトキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−2−シクロペントキシ−1−プロパノール、3−メトキシ−1−シクロペントキシ−2−プロパノール、炭酸(2−ヒドロキシ−1−メトキシメチル)エチルエステルメチルエステル、グリセロールカーボネート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0034】
環境に優しい他の溶媒の非限定例としては、オゾン形成能が約0〜約0.31の親油性流体、蒸気圧が約0〜約13Pa(0〜約0.1mmHg)の親油性流体、及び/又は、蒸気圧が13Pa(0.1mmHg)より高いが、オゾン生成能が約0〜約0.31である親油性流体が挙げられる。ここまでに記載していない、前記親油性流体の非限定例としては、カーボネート溶媒(すなわち、メチルカーボネート、エチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、グリセリンカーボネート)、及び/又はサクシネート溶媒(すなわち、ジメチルサクシネート)が挙げられる。
【0035】
本明細書で使用する時、「オゾン反応性」は、大気中でオゾンを形成するVOC能力の尺度である。それは、揮発性有機物1グラム当たりで形成されるオゾンのグラム数として測定される。オゾン反応性の測定手順は、ダブリュー・ピー・エル・カーター(W.P.L.Carter)著、「揮発性有機化合物のオゾン反応性基準の開発(Development of Ozone Reactivity Scales of Volatile Organic Compounds)」、大気及び廃棄物管理協会誌(Journal of the Air & Waste Management Association)、第44巻、881〜899頁、1994年においてさらに論じられている。使用される「蒸気圧」は、カリフォルニア大気資源局(California Air Resources Board)の方法310で定義される技術によって測定することができる。
【0036】
好ましくは、親油性流体は、当該親油性流体の50重量%を超える、シクロペンタシロキサン(「D5」)、及び/又は、ほぼ同様の揮発性を有し、及び所望により他のシリコーン溶媒によって補完された、直線状類縁体を含む。
【0037】
(任意/補助剤成分)
本発明の目的には必須でないが、以下に例示される任意成分の非限定的なリストは、本洗浄組成物において使用するのに適しており、しかも、例えば、洗浄性能を補助もしくは向上させるために、洗浄されるべき基材の処理のために、又は、香料、着色剤、染料などを含む場合のように洗浄組成物の審美性を変化させるために、望ましくは本発明の特定の実施形態に組み込まれてよい。これら追加構成成分の精密な性質、及びその組み込み濃度は、組成物、及びそれが使用されることになる洗浄操作の性質に左右される。適した補助剤物質としては、増量剤としての役割を果たすもの以外の追加的な界面活性剤、ビルダー、染料移行阻害剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒作用性金属錯体、ポリマー分散剤、粘土汚れ除去/再付着防止剤、増白剤、発泡抑制剤、染料、香料、構造伸縮性付与剤、柔軟仕上げ剤、キャリア、向水性物質、加工助剤、及び/又は顔料が挙げられるが、これらに限定されない。前記任意/補助剤成分の適した例は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号、及び同第6,326,348B1号に見出され、これらを本明細書に参考として組み込む。
【0038】
(試験方法)
吸光度試験(増感剤によって吸収される光の波長を求める方法)
1.)選り抜きの光増感剤の十分な量を、250nm〜700nmの間で最大吸光度、すなわち1を得るように選択された溶媒に溶解する。
2.)本発明の目的において、前記光増感剤が吸光度0.01を示す光の波長はいずれも、光増感剤によって吸収される波長であると考えられる。
【実施例】
【0039】
(実施例1)
以下の液体漂白剤組成物は、チオキサントン、ジメチルフラン及び洗浄補助剤をデカメチルシクロペンタシロキサン(D5)に、光への暴露を避けると同時に攪拌しながら溶解することによって調製される。
【表1】

【0040】
上述の漂白剤組成物100mlを、適した洗濯機において30リットルのD5に加え、該洗浄溶液を、15分間攪拌しながら、チオキサントンの吸収ピークのうち少なくとも1つ(の波長)において発光する光源で照射する。前記洗浄溶液を捨てて、更に10リットルのD5で布地をすすぎ洗いする。
【0041】
(実施例2)
以下の固体漂白剤組成物は、チオキサントン、イミダゾール及び洗浄補助剤を混合することによって製造される。
【表2】

【0042】
上述の漂白剤組成物50gを、適した洗濯機において30リットルのD5に加え、該洗浄溶液を、15分間攪拌しながら、チオキサントンの吸収ピークのうち少なくとも1つ(の波長)において発光する光源で照射する。前記洗浄溶液を捨てて、更に10リットルのD5で布地をすすぎ洗いする。
【0043】
(実施例3)
液体漂白剤組成物は、アセトナフトンとネオドール(Neodol)92−2.5をジプロピレングリコールt−ブチルエーテル(DGBE)に溶解することで調製される。
【表3】

【0044】
上述の漂白剤組成物100mlを、適した洗濯機において30リットルのDGBEに加え、該洗浄溶液を、15分間攪拌しながら、アセトナフトンの吸収ピークのうち少なくとも1つ(の波長)において発光する光源で照射する。前記洗浄溶液を捨てて、更に10リットルのDGBEで布地をすすぎ洗いする。
【0045】
(実施例4)
液体漂白剤組成物は、チオキサントンとネオドール(Neodol)92−2.5をDGBEに溶解することによって調製される。
【表4】

【0046】
上述の漂白剤組成物100mlを、適した洗濯機において30リットルのDGBEに加え、該洗浄溶液を、15分間攪拌しながら、チオキサントンの吸収ピークのうち少なくとも1つ(の波長)において発光する光源で照射する。前記洗浄溶液を捨てて、更に10リットルのDGBEで布地をすすぎ洗いする。
【0047】
本発明の特定の実施形態を例示しかつ説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなくその他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体又は液体の洗浄組成物であって、該組成物がその総重量に対し、
a.)0.1〜50%の増感剤、及び
b.)1%〜99.9%の増量剤
を含み、該洗浄組成物の残部は、親油性流体、補助剤成分又はこれらの混合物から選択される材料である、固体又は液体の洗浄組成物。
【請求項2】
使用過程の洗浄組成物に、
a.)1ppm〜1000ppmの増感剤、及び
b.)100ppm〜10,000ppmの増量剤、
該洗浄組成物の残部として、親油性流体及び所望により補助剤成分、
を提供するのに十分な量の請求項1に記載の組成物を含む、使用過程の洗浄組成物。
【請求項3】
前記増量剤が界面活性剤を含む、請求項1または2に記載の洗浄組成物。
【請求項4】
a.)前記増感剤が、ポルフィリン、フタロシアニン、C〜C70芳香族、超酸化物増感剤、及びこれらの混合物から成る群より選択され、好ましくは、前記増感剤が、チオキサントン、アセトナフテノン、及びこれらの混合物から成る群より選択され、
b.)前記増量剤が、フラン、置換フラン、アルキルエトキシレート、ポリエトキシレート、アルキルポリエトキシレート、多核芳香族、イミダゾール、置換イミダゾール、ピロール、置換ピロール、及びこれらの混合物から成る群より選択され、好ましくは、前記増量剤が、アルキルエトキシレート、イミダゾール、2,5−ジメチルフラン、及びこれらの混合物から成る群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗浄組成物。
【請求項5】
前記親油性流体が、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジプロピレングリコールt−ブチルエーテル又はこれらの混合物から成る群より選択される材料を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗浄組成物。
【請求項6】
a.)請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄組成物、及び
b.)該組成物の使用説明書
を含むキット。
【請求項7】
増感剤、増量剤、及び所望により親油性流体、補助剤成分又はこれらの混合物から選択される材料を混合して該洗浄組成物を形成する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄組成物の製造方法。
【請求項8】
前記増感剤、増量剤、及び所望により親油性流体、補助剤成分又はこれらの混合物から選択される材料を混合する方法であって、ここで混合は、前記の増感剤、増量剤、及び所望により親油性流体、補助剤成分又はこれらの混合物から選択される材料が、増感剤に吸収される波長を有する光に暴露される液面1平方メートル当たり1ミリワット未満の前記光と、結果として得られる混合物が1リットル当たり1×10−2モル未満の酸素を含むような酸素とに暴露されるような仕方で行われる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
布地又は表面を洗浄する方法であって、以下の工程、
a)請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗浄組成物に、該洗浄組成物1リットル当たり1×10−9モルの濃度で酸素を含むような十分な酸素と、漂白種を発生するのに十分な光エネルギーとを提供する工程であって、好ましくは提供される光エネルギーが、用いられる増感剤に吸収される波長を有する光に基づいて、該光に暴露される液面1平方メートル当たり1×10−4ミリワット超を得るのに十分である、工程、及び
b)布地又は表面を、漂白種が発生している間又はその後で前記洗浄組成物に接触させる工程を含む、方法。
【請求項10】
前記光エネルギーが、布地の洗浄に適した屋内電気器具に配置された光源によって与えられる、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2007−526344(P2007−526344A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509109(P2006−509109)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/020613
【国際公開番号】WO2005/003433
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】